説明

コンテンツ生成装置

【課題】チラシ等の印刷向け広告コンテンツに基づき、コンテンツを手間をかけずに作成コストを低く抑えて生成する。
【解決手段】オブジェクト抽出部101は、入力される印刷向けコンテンツを解析し、オブジェクトを抽出する。文字列抽出部102は、入力される印刷向けコンテンツを解析し、文字列を抽出する。オブジェクト特性判定部103は、対象オブジェクトが前景であるか、または背景であるかを示すオブジェクト特性を判定する。文字列重要度判定部106は、印刷向けコンテンツから抽出した文字列に使用されている文字サイズの統計値と、文字列に使用されている文字色と背景色の輝度比と、文字列に使用されている各フォント名の出現頻度とを計算し、それらの計算結果から抽出した文字列の重要度を判定する。テンプレート割付部107は、文字列の重要度に応じてその重要度の高い文字列を優先してテンプレートに割り付け、コンテンツを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンテンツ生成装置に係り、特にデジタルサイネージ等で再生するための広告コンテンツを、既存のチラシ等の印刷向け広告コンテンツに基づいて自動的に生成するコンテンツ生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルサイネージと呼ばれる一種の電子看板が普及してきている。このデジタルサイネージとは、広告等のデジタルコンテンツをディスプレイやプロジェクタによって表示するものである。
【0003】
デジタルサイネージは、動画等のコンテンツを再生できるため、従来の広告に比べて表現力が豊かである反面、コンテンツの作成にかかるコストが増大するという問題がある。特に、小売店舗等の比較的小規模な事業体においては、広告にかけられるコストが限られているため、デジタルサイネージの豊かな表現力を十分に生かせるコンテンツをいかにして低コストで作成するかが課題となっている。
【0004】
一方、従来のリッチコンテンツの生成方法として、例えば特許文献1には、利用者が表の指定エリアにコンテンツデータを入力して得た表形式のデータをリッチコンテンツの一種であるウェブサイト用ファイルへ変換する、データのウェブサイト用ファイルへの変換方法が提案されている。この変換方法によれば、利用者がウェブサイトを構成するウェブページについての知識がなくても、比較的簡便な作業で広告等のためのウェブサイト用ファイルを作成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−108902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されているようなデータのウェブサイト用ファイルへの変換方法では、表形式のデータからウェブサイト用ファイルへの変換は自動的に行えるものの、表にコンテンツデータを入力する手間がかかることが課題であった。
【0007】
一方、デジタルサイネージを運用しようとする比較的小規模な事業体においても、例えばチラシ等の印刷向け広告コンテンツはすでに用意されていたり、比較的低いコストで作成できることが多い。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、チラシ等の印刷向け広告コンテンツに基づき、コンテンツを手間をかけずに作成コストを低く抑えて生成するコンテンツ生成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明のコンテンツ生成装置は、印刷向けコンテンツから画像オブジェクトを抽出し、抽出した画像オブジェクトに関するオブジェクト情報を出力するオブジェクト抽出手段と、印刷向けコンテンツから文字列を抽出し、抽出した文字列に関する文字列情報を出力する文字列抽出手段と、オブジェクト抽出手段からのオブジェクト情報に基づいて得た対象オブジェクトを隠す他のオブジェクトの数が第1の閾値未満であり、かつ、文字列抽出手段からの文字列情報に基づいて得た対象オブジェクトを隠す文字列の数が第2の閾値未満であるという条件を満足するとき対象オブジェクトが前景であると判定し、条件を満たさないとき対象オブジェクトが背景であると判定したオブジェクト特性を生成するオブジェクト判定手段と、オブジェクトと文字列に対して動きを与える所定のフォーマットのテンプレートに、オブジェクト抽出手段から供給されるオブジェクト情報のオブジェクトをオブジェクト判定手段から供給されるオブジェクト特性に応じて割り付けてコンテンツを生成するテンプレート割付手段とを有することを特徴とする。
【0010】
また、上記の目的を達成するため、本発明のコンテンツ生成装置は、文字列抽出手段から供給される文字列情報に基づいて、印刷向けコンテンツから抽出した文字列に使用されている文字サイズの統計値と、文字列に使用されている文字色と背景色の輝度比と、文字列に使用されている各フォント名の出現頻度とを計算し、計算した統計値と文字色と輝度比と出現頻度とから、抽出した文字列の重要度を判定する文字列重要度判定手段を更に有し、テンプレート割付手段は、文字列抽出手段から文字列情報が供給されると共に、文字列重要度判定手段から文字列の重要度が供給され、文字列の重要度に応じてその重要度の高い文字列を優先してテンプレートに割り付けてコンテンツを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、コンテンツを手間をかけず、作成コストを低く抑えて生成することができると共に、印刷向けコンテンツ作成時のオブジェクト割り付けの意図を反映したコンテンツを生成することができる。また、本発明によれば、印刷向けコンテンツ作成時の文字列に対する重要度を反映したコンテンツを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明のコンテンツ生成装置の一実施の形態のブロック図である。
【図2】図1中のオブジェクト抽出部が生成するオブジェクト情報の一例の構成図である。
【図3】図1中の文字列抽出部が生成する文字列情報の一例の構成図である。
【図4】図1中のオブジェクト特性判定部におけるオブジェクト特性判定処理説明用フローチャートである。
【図5】図1中の文字列重要度判定部における文字列重要度判定処理説明用フローチャートである。
【図6】図1中の関連度判定部における関連度判定処理説明用フローチャートである。
【図7】図1中のオブジェクト重要度判定部におけるオブジェクト重要度判定処理説明用フローチャートである。
【図8】図1中のテンプレート割付部に入力されるテンプレート情報を構成する割付オブジェクト情報の一例の構成図である。
【図9】図1中のテンプレート割付部に入力されるテンプレート情報を構成する割付文字列情報の一例の構成図である。
【図10】図1中のテンプレート割付部におけるテンプレート割付処理説明用フローチャートである。
【図11】図1中のテンプレート割付部のオブジェクト割付手段におけるオブジェクト割付処理説明用フローチャートである。
【図12】図1中のテンプレート割付部の文字列割付手段における文字列割付処理説明用フローチャートである。
【図13】フォント名の出現頻度計算を示す具体例を示す図である。
【図14】オブジェクトと文字列が重なる場合の具体例を示す図である。
【図15】オブジェクトと文字列が重ならない場合の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明になるコンテンツ生成装置の一実施の形態のブロック図を示す。同図に示す本実施の形態のコンテンツ生成装置1は、例えば、チラシ等の既存の印刷向け広告コンテンツからデジタルサイネージで再生する動画等のリッチコンテンツを生成するコンテンツ生成装置である。
<コンテンツ生成装置の構成>
図1に示すように、本実施の形態のコンテンツ生成装置1は、オブジェクト抽出部101と、文字列抽出部102と、オブジェクト特性判定部103と、オブジェクト重要度判定部104と、関連度判定部105と、文字列重要度判定部106と、テンプレート割付部107とにより構成される。
【0015】
オブジェクト抽出部101は、入力される既存の印刷向けコンテンツを解析し、オブジェクトを抽出する。ここで入力される印刷向けコンテンツは、チラシ等の広告を印刷するための画像や文字列から構成されるデジタルデータであり、例えば、オープンドキュメント(OpenDocument)やPDF(Portable Document Format)等のファイル形式で記述されたものである。オブジェクト抽出部101は、このようなデジタルデータから、画像オブジェクトを抽出する。そして、オブジェクト抽出部101は、抽出した画像オブジェクトに関するオブジェクト情報をオブジェクト特性判定部103、オブジェクト重要度判定部104、関連度判定部105、及びテンプレート割付部107にそれぞれ供給する。
【0016】
文字列抽出部102は、入力される印刷向けコンテンツを解析し、文字列を抽出する。そして、文字列抽出部102は、抽出した文字列に関する文字列情報を、オブジェクト特性判定部103、オブジェクト重要度判定部104、関連度判定部105、文字列重要度判定部106、及びテンプレート割付部107にそれぞれ供給する。
【0017】
オブジェクト特性判定部103は、オブジェクト抽出部101からのオブジェクト情報と文字列抽出部102からの文字列情報とに基づき、対象オブジェクトが前景であるか、または背景であるかを示すオブジェクト特性を判定する。そして、判定されたオブジェクト特性をテンプレート割付部107に供給する。
【0018】
オブジェクト重要度判定部104は、オブジェクト抽出部101から供給されるオブジェクト情報、文字列抽出部102から供給される文字列情報、及び関連度判定部105から供給されるオブジェクトと文字列との関連度に基づき、オブジェクトの重要度を判定する。そして、オブジェクト重要度判定部104は、判定したオブジェクト重要度をテンプレート割付部107に供給する。
【0019】
関連度判定部105は、オブジェクト抽出部101から供給されるオブジェクト情報、及び文字列抽出部102から供給される文字列情報に基づき、オブジェクトと文字列との関連度を判定する。そして、関連度判定部105は、判定した関連度をオブジェクト重要度判定部104、及びテンプレート割付部107に供給する。
【0020】
文字列重要度判定部106は、文字列抽出部102から文字列情報が供給されると、文字列の重要度を判定する。そして、文字列重要度判定部106は、判定した文字列重要度をテンプレート割付部107に供給する。ここで、文字列重要度判定部106は、その機能上、文字サイズ判定手段106aと、色情報判定手段106bと、フォント名判定手段106cと、重要度統合手段106dとにより構成される。
【0021】
文字サイズ判定手段106aは、文字列情報に含まれる文字列に使用されている文字サイズに関する情報を解析して文字サイズの統計値を判定し、その判定した文字サイズ統計値を重要度統合手段106dに供給する。色情報判定手段106bは、文字列情報に含まれる文字列に使用されている文字色に関する情報を解析して色情報重要度を判定し、その判定した色情報重要度を重要度統合手段106dに供給する。フォント名判定手段106cは、文字列情報に含まれる文字列に使用されている各フォント名に関する情報を解析して各フォント名の出現頻度を判定し、その判定したフォント名出現頻度を重要度統合手段106dに供給する。重要度統合手段106dは、文字サイズ判定手段106aから供給される文字サイズ統計値、色情報判定手段106bから供給される色情報重要度、及びフォント名判定手段106cから供給されるフォント名出現頻度を統合し、文字列重要度を判定する。
【0022】
テンプレート割付部107は、オブジェクト抽出部101から供給されるオブジェクト情報、文字列抽出部102から供給される文字列情報、オブジェクト特性判定部103から供給されるオブジェクト特性、オブジェクト重要度判定部104から供給されるオブジェクト重要度、関連度判定部105から供給されるオブジェクトと文字列との関連度、文字列重要度判定部106から供給される文字列重要度、及び入力されるテンプレート情報に基づき、入力されるテンプレートにオブジェクトと文字列を割り付け、表現豊かなコンテンツであるリッチコンテンツを生成する。そして、テンプレート割付部107は、生成したリッチコンテンツを出力する。ここで、テンプレート割付部107は、その機能上、オブジェクト割付手段107aと、文字列割付手段107bとにより構成される。
【0023】
オブジェクト割付手段107aは、オブジェクト割付処理を実行し、テンプレートにオブジェクト、及び文字列を割り付ける。文字列割付手段107bは、文字列割付処理を実行し、テンプレートに文字列を割り付ける。
<オブジェクト情報の構成>
次に、オブジェクト情報の構成について説明する。図2は、図1中のオブジェクト抽出部101が生成するオブジェクト情報の一例の構成を示す。図2に示すように、オブジェクト情報2は、ID201と、位置情報202と、深さ203と、αチャンネル204と、画像データ205とにより構成される。
【0024】
ID201は、印刷向けコンテンツを構成するオブジェクトを一意に識別する識別子である。ID201には、印刷向けコンテンツのフォーマットにおいて、オブジェクトを識別するために識別子が用いられている場合は、その識別子を用いてもよいし、オブジェクト抽出部101がオブジェクトを識別する番号等を割り振るようにしてもよい。
【0025】
位置情報202は、印刷向けコンテンツの平面上におけるオブジェクトの位置を示す情報であり、左座標202aと、上座標202bと、右座標202cと、下座標202dとにより構成される。なお、これらの座標情報は、印刷向けコンテンツのフォーマットに一般的に含まれるものであり、オブジェクト抽出部101は、印刷向けコンテンツのフォーマットからこれらの座標情報を抽出する。
【0026】
左座標202aは、オブジェクトの領域を含む最小の矩形において、印刷向けコンテンツの平面上の横軸における左端の座標である。上座標202bは、オブジェクトの領域を含む最小の矩形において、印刷向けコンテンツの平面上の縦軸における上端の座標である。右座標202cは、オブジェクトの領域を含む最小の矩形において、印刷向けコンテンツの平面上の横軸における右端の座標である。下座標202dは、オブジェクトの領域を含む最小の矩形において、印刷向けコンテンツの平面上の縦軸における下端の座標である。
【0027】
深さ203は、印刷向けコンテンツの平面において2つのオブジェクト領域が重なったときに、どちらのオブジェクトを表示するかの基準となる値である。印刷向けコンテンツの平面において2つのオブジェクト領域が重なった場合、重なった部分については深さの値が小さい方のオブジェクトを表示させる。この深さの値は、印刷向けコンテンツのフォーマットに一般的に含まれるものであり、オブジェクト抽出部101は、印刷向けコンテンツのフォーマットからこの深さの値を抽出する。
【0028】
αチャンネル204は、オブジェクト領域を含む最小の矩形において、背景、またはオブジェクト領域を含む最小の矩形と重なり、対象オブジェクトより深さの大きい他のオブジェクトを透過させる割合を示すビットマップデータである。このビットマップデータは、印刷向けコンテンツのフォーマットに一般的に含まれるものであり、オブジェクト抽出部101は、印刷向けコンテンツのフォーマットからこのビットマップデータを抽出する。なお、オブジェクト領域を含む最小の矩形において、オブジェクト以外の領域は、αチャンネルが0となり、背景、またはオブジェクト領域を含む最小の矩形と重なり、対象オブジェクトより深さの大きい他のオブジェクトを完全に透過させることになる。
【0029】
画像データ205は、オブジェクト領域を含む最小の矩形におけるオブジェクトの画像データである。この画像データは、オブジェクト抽出部101が印刷向けコンテンツのフォーマットから抽出する。
<文字列情報の構成>
次に、文字列情報の構成について説明する。図3は、図1中の文字列抽出部102が生成する文字列情報の構成の一例を示す。図3に示すように、文字列情報3は、ID301と、位置情報302と、深さ303と、フォント情報304と、色情報305と、文字列データ306とにより構成される。
【0030】
ID301は、印刷向けコンテンツを構成する文字列を一意に識別する識別子である。ID301には、印刷向けコンテンツのフォーマットにおいて、文字列を識別するために識別子が用いられている場合は、その識別子を用いてもよいし、文字列抽出部102が文字列を識別する番号等を割り振るようにしてもよい。
【0031】
位置情報302は、印刷向けコンテンツの平面上における文字列の位置を示す情報であり、左座標302aと、上座標302bと、右座標302cと、下座標302dとにより構成される。なお、これらの座標情報は、印刷向けコンテンツのフォーマットに一般的に含まれるものであり、文字列抽出部102は、印刷向けコンテンツのフォーマットからこれらの座標情報を抽出する。
【0032】
左座標302aは、文字列の領域を含む最小の矩形において、印刷向けコンテンツの平面上の横軸における左端の座標である。上座標302bは、文字列の領域を含む最小の矩形において、印刷向けコンテンツの平面上の縦軸における上端の座標である。右座標302cは、文字列の領域を含む最小の矩形において、印刷向けコンテンツの平面上の横軸における右端の座標である。下座標302dは、文字列の領域を含む最小の矩形において、印刷向けコンテンツの平面上の縦軸における下端の座標である。
【0033】
深さ303は、印刷向けコンテンツの平面において2つの文字列領域が重なったときに、どちらの文字列を表示するかの基準となる値である。印刷向けコンテンツの平面において2つの文字列領域が重なった場合、重なった部分については深さの値が小さい方の文字列を表示させる。この深さの値は、印刷向けコンテンツのフォーマットに一般的に含まれるものであり、文字列抽出部102は、印刷向けコンテンツのフォーマットからこの深さの値を抽出する。
【0034】
フォント情報304は、文字列を表示するときのフォントに関する情報であり、フォント名304aと、文字サイズ304bとにより構成される。なお、これらの情報は、印刷向けコンテンツのフォーマットに一般的に含まれるものであり、文字列抽出部102は、印刷向けコンテンツのフォーマットからこれらの情報を抽出する。
【0035】
フォント名304aは、文字列を表示するときのフォントの名前である。なお、フォント名304aに、例えば太字や斜体等の、フォントの属性を含めるようにしてもよい。文字サイズ304bは、フォントの文字サイズである。
【0036】
色情報305は、文字列を表示するときの色に関する情報であり、文字色305aと、背景色305bとにより構成される。文字色305aは、文字列を表示するときの文字の色であり、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の各原色の値によって色を表す。なお、文字色が単色ではない場合は、色の平均を計算し、計算した平均値を文字色305aの値とする。あるいは、文字色に最も多く使われている色の値を文字色305aの値としてもよい。背景色305bは、印刷向けコンテンツにおいて文字列を表示する位置の背景の色であり、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の各原色の値によって色を表す。なお、背景色が単色ではない場合は、色の平均を計算し、計算した平均値を背景色305bの値とする。あるいは、背景色に最も多く使われている色の値を背景色305bの値としてもよい。文字列データ306は、表示する文字列のデータである。
<コンテンツ生成装置の作用>
次に、本実施の形態のコンテンツ生成装置1の作用について説明する。
【0037】
本実施の形態のコンテンツ生成装置1は、主にオブジェクト特性判定処理と、文字列重要度判定処理と、関連度判定処理と、オブジェクト重要度判定処理と、テンプレート割付処理とを行う。よって以下に、これらの処理について詳細に説明する。
【0038】
まず、本実施の形態のコンテンツ生成装置1のオブジェクト特性判定部103におけるオブジェクト特性判定処理について説明する。
【0039】
図4は、図1中のオブジェクト特性判定部103におけるオブジェクト特性判定処理を説明するフローチャートである。なお、オブジェクト特性判定部103は、オブジェクト抽出部101から供給されたオブジェクト情報2に含まれるそれぞれのオブジェクトに対して、図4のフローチャートに示すオブジェクト特性判定処理を行う。
【0040】
オブジェクト特性判定部103は、オブジェクト情報2に含まれるオブジェクトのうち、対象オブジェクトと重なる他のオブジェクトを選択する(ステップS401)。具体的には、オブジェクト情報2に含まれる位置情報202、及びαチャンネル204から印刷向けコンテンツの平面上における各オブジェクトの領域を特定し、対象オブジェクトの領域と重なる領域を持つオブジェクトを選択する。
【0041】
次に、オブジェクト特性判定部103は、ステップS401で選択したオブジェクトのうち、対象オブジェクトを隠すオブジェクトを数える(ステップS402)。具体的には、深さ203の値が対象オブジェクトの深さ203の値より小さいオブジェクトの数を数える。
【0042】
次に、オブジェクト特性判定部103は、ステップS402で数えた対象オブジェクトを隠すオブジェクトの数が、予め定められた第1の閾値以上か否かを判定する(ステップS403)。対象オブジェクトを隠すオブジェクトの数が第1の閾値以上であると判定された場合、対象オブジェクトの特性は背景であると判定してオブジェクト特性判定処理を終了し、第1の閾値以上ではない、すなわち第1の閾値より小さいと判定された場合、ステップS404へ処理を移行する。
【0043】
ステップS403において、対象オブジェクトを隠すオブジェクトの数が第1の閾値以上ではないと判定された場合、オブジェクト特性判定部103は、文字列抽出部102から供給された文字列情報3に含まれる文字列のうち、対象オブジェクトと重なる文字列を選択する(ステップS404)。具体的には、文字列情報3に含まれる位置情報302から印刷向けコンテンツの平面上における各文字列の領域を特定し、対象オブジェクトの領域と重なる領域を持つ文字列を選択する。
【0044】
次に、オブジェクト特性判定部103は、ステップS404で選択された文字列のうち、対象オブジェクトを隠す文字列を数える(ステップS405)。具体的には、深さ303の値が対象オブジェクトの深さ203の値より小さい文字列の数を数える。
【0045】
次に、オブジェクト特性判定部103は、ステップS405で数えた対象オブジェクトを隠す文字列の数が、予め定められた第2の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS406)。対象オブジェクトを隠す文字列の数が第2の閾値以上であると判定された場合、対象オブジェクトの特性は背景であると判定してオブジェクト特性判定処理を終了し、第2の閾値以上ではない、すなわち第2の閾値より小さいと判定された場合、対象オブジェクトの特性は前景であると判定してオブジェクト特性判定処理を終了する。
【0046】
次に、本実施の形態のコンテンツ生成装置1の文字列重要度判定部106における文字列重要度判定処理について説明する。
【0047】
図5は、図1中の文字列重要度判定部106における文字列重要度判定処理を説明するフローチャートである。
【0048】
文字列重要度判定部106は、文字列抽出部102から文字列情報3が供給されると文字列重要度判定処理を開始し、文字サイズ判定手段106aが、文字サイズの平均と標準偏差を計算する(ステップS501)。具体的には、文字列情報3に含まれる文字列の数をNとし、i番目の文字列のサイズをSiとするとき、文字サイズの平均μsを(1)式により求める。
【0049】
【数1】

また、文字サイズ判定手段106aは、文字サイズの標準偏差σsを(2)式により求める。
【0050】
【数2】

次に、文字列重要度判定部106の文字サイズ判定手段106aは、文字列情報3に含まれるそれぞれの文字列の文字サイズ統計値を計算する(ステップS502)。具体的には、i番目の文字列のサイズをSiとするとき、ステップS501で求めた文字サイズの平均μsと標準偏差σsとを用いて、i番目の文字列の文字サイズ統計値Psiを次式で求める。
【0051】
si=(Si−μs)/σs (3)
なお、この(3)式は、i番目の文字列のサイズを平均が「0」、標準偏差が「1」となるように正規化するものである。
【0052】
次に、文字列重要度判定部106の色情報判定手段106bは、文字列情報3に含まれるそれぞれの文字列の文字色と背景色の輝度比を計算する(ステップS503)。具体的には、i番目の文字列の文字色の輝度をCiとし、背景色の輝度をBiとするとき、輝度比Liを次式で求める。
【0053】
【数3】

次に、文字列重要度判定部106の色情報判定手段106bは、ステップS503で求めた輝度比の平均と標準偏差を計算する(ステップS504)。具体的な計算方法は、ステップS501と同様である。
【0054】
次に、文字列重要度判定部106の色情報判定手段106bは、文字列情報3に含まれるそれぞれの文字列について、ステップS503で求めた輝度比から色情報重要度を計算する(ステップS505)。具体的な計算方法は、ステップS502と同様である。ここで、i番目の文字列の色情報重要度をPciとする。
【0055】
次に、文字列重要度判定部106のフォント名判定手段106cは、文字列情報3に含まれるフォント名304aの出現頻度を計算する(ステップS506)。具体的には、i番目の文字列のフォント名が文字列情報3に出現する回数を数え、それをi番目の文字列のフォント名の出現頻度Fiとする。
【0056】
図13は、フォント名の出現頻度計算を示す具体例を示す図である。フォント名の出現頻度計算の対象であるコンテンツ13には3つの文字列1301〜1303が含まれる。ここで、文字列1301のフォント名は「ゴシック」であり、文字列1302及び文字列1303のフォント名は「明朝」である。このとき、フォント名「ゴシック」の出現頻度は「1」、フォント名「明朝」の出現頻度は「2」となる。
【0057】
次に、文字列重要度判定部106のフォント名判定手段106cは、ステップS506で求めたフォント名304aの出現頻度の平均と標準偏差を計算する(ステップS507)。具体的な計算方法は、ステップS501と同様である。
【0058】
次に、文字列重要度判定部106のフォント名判定手段106cは、文字列情報3に含まれるそれぞれの文字列について、ステップS506で求めたフォント名304aの出現頻度からフォント名重要度を計算する(ステップS508)。具体的には、ステップS506で求めたi番目のブロック毎の文字列に使用されているフォント名の出現頻度をFiとし、ステップS507で求めた出現頻度の平均をμf、標準偏差をσfとしたとき、i番目の文字列のフォント名重要度Pfiを次式で求める。
【0059】
fi=(μf−Fi)/σf (5)
次に、文字列重要度判定部106の重要度統合手段106dは、ステップS502で求めた文字サイズ統計値、ステップS505で求めた色情報重要度、及びステップS508で求めたフォント名重要度を統合し、文字列重要度を計算する(ステップS509)。具体的には、i番目の文字列の文字サイズ重要度をPsi、色情報重要度をPci、フォント名重要度をPfiとするとき、文字列重要度Piを次式で求める。
【0060】
i=wssi+wcci+wffi (6)
ここで、(6)式中、ws、wc、及びwfは、それぞれ文字サイズ重要度Psi、色情報重要度Pci、及びフォント名重要度Pfiの重み値であり、それぞれの重要度を文字列重要度Piに反映させる度合いを考慮して、重み値の合計が「1」になるように適切に定める。
【0061】
次に、本実施の形態のコンテンツ生成装置1の関連度判定部105における関連度判定処理について説明する。
【0062】
図6は、図1中の関連度判定部105における関連度判定処理を説明するフローチャートである。関連度判定部105は、オブジェクト抽出部101から供給されるオブジェクト情報2に含まれるそれぞれのオブジェクトに対して、図6のフローチャートに示す関連度判定処理を行う。
【0063】
関連度判定部105は、関連度判定処理を開始すると、対象オブジェクトについて、文字列抽出部102から供給された文字列情報3に含まれるそれぞれの文字列との間の距離を計算する(ステップS601)。具体的には、対象オブジェクトについての位置情報202及びαチャンネル204と、各文字列についての位置情報302とに基づき、オブジェクトと文字列が重なる場合には距離を「0」とし、オブジェクトと文字列が重ならない場合には、オブジェクト領域と文字列領域の最も距離が近い部分の距離を、オブジェクトと文字列の間の距離とする。
【0064】
図14は、オブジェクトと文字列が重なる場合の具体例を示す図である。乗用車の平面画像のオブジェクト1401と、「クラストップの低燃費!!」という文字列1402とが重なっており、この場合の距離は「0」とする。
【0065】
一方、図15は、オブジェクトと文字列が重ならない場合の具体例を示す図である。乗用車の平面画像のオブジェクト1501と「クラストップの低燃費!!」という文字列1502において、説明のために引いた破線1503が最も距離が近い部分となり、この部分の距離をオブジェクト1501と文字列1502の間の距離とする。
【0066】
次に、関連度判定部105は、対象オブジェクトについて、ステップS602で計算した距離が最も近い文字列を選択する(ステップS602)。
【0067】
次に、関連度判定部105は、対象オブジェクトとステップS602で選択された文字列との間の距離が、予め定められた第3の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS603)。対象オブジェクトと文字列との間の距離が第3の閾値以下であると判定された場合、対象オブジェクトとステップS602で選択された文字列とを関連付けて、関連度判定処理を終了する。一方、距離が第3の閾値以下ではない、すなわち第3の閾値より大きいと判定された場合、対象オブジェクトに関連する文字列は無い(関連無し)と判断して、関連度判定処理を終了する。
【0068】
次に、本実施の形態のコンテンツ生成装置1のオブジェクト重要度判定部104におけるオブジェクト重要度判定処理について説明する。
【0069】
図7は、図1中のオブジェクト重要度判定部104におけるオブジェクト重要度判定処理を説明するフローチャートである。オブジェクト重要度判定部104は、オブジェクト抽出部101から供給されたオブジェクト情報2に含まれるそれぞれのオブジェクトに対して、図7のフローチャートに示すオブジェクト重要度判定処理を行う。
【0070】
オブジェクト重要度判定部104は、オブジェクト重要度判定処理を開始すると、関連度判定部105から供給されるオブジェクトと文字列との関連度に基づき、対象オブジェクトに関連する文字列があるか否かを判定する(ステップS701)。対象オブジェクトに関連する文字列があると判定された場合、オブジェクト重要度判定部104は、ステップS702へ処理を移行し、関連する文字列がないと判定された場合、ステップS703へ処理を移行する。
【0071】
ステップS701で、対象オブジェクトに関連する文字列があると判定された場合、オブジェクト重要度判定部104は、対象オブジェクトに関連する文字列の重要度を、対象オブジェクトのオブジェクト重要度とする(ステップS702)。
【0072】
一方、ステップS701で、対象オブジェクトに関連する文字列がないと判定された場合、オブジェクト重要度判定部104は、対象オブジェクトのオブジェクト重要度を0とする(ステップS703)。
【0073】
次に、本実施の形態のコンテンツ生成装置1のテンプレート割付部107におけるテンプレート割付処理について、図8〜図12と共に説明する。
【0074】
テンプレート割付部107に入力されるテンプレートは、オブジェクトと文字列に対して動きのある効果を適用し、動画等のリッチコンテンツを構成するものである。テンプレートのフォーマットには、例えばSWF(Shockwave Flash)ファイルを用いる。また、テンプレート割付部107に入力されるテンプレート情報は、テンプレートのオブジェクトや文字列の割り付けに関する情報であり、割付オブジェクト情報8と割付文字列情報9とにより構成される。
【0075】
図8は、図1中のテンプレート割付部107に入力されるテンプレート情報を構成する割付オブジェクト情報の構成を示す。図8に示すように、割付オブジェクト情報8は、ID801と、特性802と、重要度803と、関連文字列ID804とにより構成される。
【0076】
ID801は、テンプレートを構成するオブジェクトを一意に識別する識別子である。特性802は、テンプレートを構成するオブジェクトが前景であるか、または背景であるかの特性を示すものである。重要度803は、テンプレートを構成するオブジェクトの重要度を示す値である。関連文字列ID804は、テンプレートを構成するオブジェクトに関連する文字列を識別する文字列の識別子である。なお、関連する文字列がないオブジェクトについては、関連文字列ID804の項目は空になる。
【0077】
図9は、図1中のテンプレート割付部107に入力されるテンプレート情報を構成する割付文字列情報の構成を示す。図9に示すように、割付文字列情報9は、ID901と、重要度902とにより構成される。ID901は、テンプレートを構成する文字列を一意に識別する識別子である。重要度902は、テンプレートを構成する文字列の重要度を示す値である。
【0078】
図10は、図1中のテンプレート割付部107におけるテンプレート割付処理を説明するフローチャートである。
【0079】
テンプレート割付部107は、テンプレート割付処理を開始すると、オブジェクト割付手段107aにおいて後述するオブジェクト割付処理を実行する(ステップS1001)。次に、テンプレート割付部107は、文字列割付手段107bにおいて後述する文字列割付処理を実行する(ステップS1002)。
【0080】
テンプレート割付部107のオブジェクト割付手段107aにおけるステップS1001のオブジェクト割付処理は、図11に示すフローチャートに従って行われる。
【0081】
まず、テンプレート割付部107のオブジェクト割付手段107aは、オブジェクト割付処理を開始すると、入力されたテンプレート情報に含まれる割付オブジェクト情報8を重要度803の大きい順に並べ替える(ステップS1101)。
【0082】
次に、ステップS1101で並べ替えた割付オブジェクト情報8に含まれる割付オブジェクトの数を変数Nに代入し、変数iに「0」を代入する(ステップS1102)。次に、オブジェクト割付手段107aは、変数iの値が変数Nの値より小さいか否かを判定する(ステップS1103)。オブジェクト割付手段107aは、変数iの値が変数Nの値より小さいと判定された場合、ステップS1104へ処理を移行し、変数Nの値より小さくない、すなわち変数Nの値以上であると判定された場合、オブジェクト割付処理を終了する。
【0083】
ステップS1103において、変数iの値が変数Nの値より小さいと判定された場合、変数iの値に1を加算して変数iに代入する(ステップS1104)。続いて、オブジェクト割付手段107aは、ステップS1101で並べ替えた割付オブジェクト情報8のi番目の割付オブジェクトに関連する文字列があるか否か、すなわち関連文字列ID804の項目が空でないか否かを判定する(ステップS1105)。オブジェクト割付手段107aは、i番目の割付オブジェクトに関連する文字列がある、すなわち関連文字列ID804の項目が空でないと判定された場合、ステップS1106へ処理を移行し、関連する文字列がない、すなわち関連文字列ID804の項目の項目が空であると判定された場合、ステップS1108へ処理を移行する。
【0084】
ステップS1105で、i番目の割付オブジェクトに関連する文字列がある、すなわち関連文字列ID804の項目が空でないと判定された場合、オブジェクト割付手段107aは、オブジェクト特性判定部103から供給されたオブジェクト特性と、オブジェクト重要度判定部104から供給されたオブジェクト重要度と、関連度判定部105から供給されたオブジェクトと文字列との関連度とに基づき、オブジェクト抽出部101から供給されたオブジェクト情報2に含まれるオブジェクトのうち、オブジェクトと関連する文字列があり、印刷向けコンテンツから抽出した前景か背景かを示すオブジェクト特性がi番目の割付オブジェクト情報8の特性802と同一で、まだ選択されていないオブジェクトのうち、重要度が最も大きいオブジェクトと、それに関連する文字列抽出部102から供給された文字列情報3に含まれる文字列とを選択する(ステップS1106)。
【0085】
そして、オブジェクト割付手段107aは、ステップ1106で選択されたオブジェクトと文字列をテンプレートに割り付ける(ステップS1107)。具体的には、オブジェクト割付手段107aは、入力されたテンプレートにおいて、i番目の割付オブジェクトに該当する画像データを、ステップS1106で選択されたオブジェクトの画像データ205で置き換え、i番目の割付オブジェクトに関連する文字列の文字列データを、ステップS1106で選択された文字列の文字列データ306で置き換える。
【0086】
一方、ステップS1105で、i番目の割付オブジェクトに関連する文字列がない、すなわち関連文字列ID804の項目が空であると判定された場合、オブジェクト割付手段107aは、オブジェクト特性判定部103から供給されたオブジェクト特性と、オブジェクト重要度判定部104から供給されたオブジェクト重要度と、関連度判定部105から供給されたオブジェクトと文字列との関連度とに基づき、オブジェクト抽出部101から供給されたオブジェクト情報2に含まれるオブジェクトのうち、オブジェクトと関連する文字列がなく、印刷向けコンテンツから抽出した前景か背景かを示すオブジェクト特性がi番目の割付オブジェクト情報8の特性802と同一で、まだ選択されていないオブジェクトのうち、重要度が最も大きいオブジェクトを選択する(ステップS1108)。
【0087】
そして、オブジェクト割付手段107aは、ステップ1108で選択されたオブジェクトをテンプレートに割り付ける(ステップS1109)。具体的には、オブジェクト割付手段107aは、入力されたテンプレートにおいて、i番目の割付オブジェクトに該当する画像データを、ステップS1108で選択されたオブジェクトの画像データ205で置き換える。
【0088】
次に、テンプレート割付部107の文字列割付手段107bにおけるステップS1002の文字列割付処理について、図12に示すフローチャートと共に説明する。
【0089】
テンプレート割付部107の文字列割付手段107bは、文字列割付処理を開始すると、まず、入力されたテンプレート情報に含まれる割付文字列情報9に含まれる割付文字列のうち、まだステップS1108で選択されていないものを、重要度902の大きい順に並べ替える(ステップS1201)。
【0090】
次に、文字列割付手段107bは、ステップS1201で並べ替えた割付文字列の数を変数Nに代入し、変数iに「0」を代入する(ステップS1202)。続いて、変数iの値が変数Nの値より小さいか否かを判定する(ステップS1203)。文字列割付手段107bは、変数iの値が変数Nの値より小さいと判定された場合、ステップS1204へ処理を移行し、変数Nの値より小さくない、すなわち変数Nの値以上であると判定された場合、文字列割付処理を終了する。
【0091】
ステップS1203において、文字列割付手段107bは、変数iの値が変数Nの値より小さいと判定された場合、変数iの値に「1」を加算して変数iに代入する(ステップS1204)。続いて、文字列割付手段107bは、文字列重要度判定部106から供給された文字列重要度に基づき、文字列抽出部102から供給された文字列情報3に含まれる文字列のうち、まだ選択されていないもののうち、重要度が最も大きい文字列を選択する(ステップS1205)。
【0092】
そして、文字列割付手段107bは、ステップ1205で選択された文字列をテンプレートに割り付ける(ステップS1206)。具体的には、入力されたテンプレートにおいて、i番目の割付文字列に該当する文字列データを、ステップS1205で選択された文字列の文字列データ306で置き換える。
【0093】
このようにして、本実施の形態のコンテンツ生成装置1によれば、既存の印刷向けコンテンツに基づいてリッチコンテンツを自動的に生成するようにしたため、リッチコンテンツを手間をかけず、作成コストを低く抑えて生成することができる。
【0094】
また、本実施の形態のコンテンツ生成装置1によれば、文字列の文字サイズ、色情報、及びフォント名に基づいて文字列の重要度を判定し、重要度の高い文字列を優先して割り付けるため、既存の印刷向けコンテンツ作成時の文字列に対する重要度を反映したリッチコンテンツを生成することができる。
【0095】
更に、本実施の形態のコンテンツ生成装置1によれば、オブジェクトの重なりに基づいてオブジェクトの特性を判定し、判定した特性に基づいてオブジェクトを割り付けるため、既存の印刷向けコンテンツ作成時のオブジェクト割り付けの意図を反映したリッチコンテンツを生成することができる。
【0096】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、例えばコンピュータによりコンテンツ生成装置1と同じ動作を実行させるコンテンツ生成プログラムも包含するものである。このコンテンツ生成プログラムは、例えば、記録媒体から読み出されて中央処理装置(CPU)で実行されることによりコンテンツ生成装置1と同じ動作を実行するようにしてもよいし、通信ネットワークを介して伝送されてインストールされ、CPUで実行されることによりコンテンツ生成装置1と同じ動作を実行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1 コンテンツ生成装置
101 オブジェクト抽出部
102 文字列抽出部
103 オブジェクト特性判定部
104 オブジェクト重要度判定部
105 関連度判定部
106 文字列重要度判定部
106a 文字サイズ判定手段
106b 色情報判定手段
106c フォント名判定手段
106d 重要度統合手段
107 テンプレート割付部
107a オブジェクト割付手段
107b 文字列割付手段
2 オブジェクト情報
3 文字列情報
8 割付オブジェクト情報
9 割付文字列情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷向けコンテンツから画像オブジェクトを抽出し、抽出した画像オブジェクトに関するオブジェクト情報を出力するオブジェクト抽出手段と、
前記印刷向けコンテンツから文字列を抽出し、抽出した文字列に関する文字列情報を出力する文字列抽出手段と、
前記オブジェクト抽出手段からの前記オブジェクト情報に基づいて得た対象オブジェクトを隠す他のオブジェクトの数が第1の閾値未満であり、かつ、前記文字列抽出手段からの前記文字列情報に基づいて得た前記対象オブジェクトを隠す文字列の数が第2の閾値未満であるという条件を満足するとき前記対象オブジェクトが前景であると判定し、前記条件を満たさないとき前記対象オブジェクトが背景であると判定したオブジェクト特性を生成するオブジェクト判定手段と、
オブジェクトと文字列に対して動きを与える所定のフォーマットのテンプレートに、前記オブジェクト抽出手段から供給される前記オブジェクト情報のオブジェクトを前記オブジェクト判定手段から供給される前記オブジェクト特性に応じて割り付けてコンテンツを生成するテンプレート割付手段と
を有することを特徴とするコンテンツ生成装置。
【請求項2】
前記文字列抽出手段から供給される前記文字列情報に基づいて、前記印刷向けコンテンツから抽出した文字列に使用されている文字サイズの統計値と、前記文字列に使用されている文字色と背景色の輝度比と、前記文字列に使用されている各フォント名の出現頻度とを計算し、計算した前記統計値と前記輝度比と前記出現頻度とから前記抽出した文字列の重要度を判定する文字列重要度判定手段を更に有し、
前記テンプレート割付手段は、前記文字列抽出手段から前記文字列情報が供給されると共に、前記文字列重要度判定手段から前記文字列の重要度が供給され、前記文字列の重要度に応じてその重要度の高い前記文字列を優先して前記テンプレートに割り付けて前記コンテンツを生成する
ことを特徴とする請求項1記載のコンテンツ生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−178081(P2012−178081A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41149(P2011−41149)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】