説明

コンテンツ蓄積システム、ホームサーバ装置、情報提供装置、集積回路、及びプログラム

【解決手段】ホームサーバ41は、コンテンツを記憶するコンテンツ記憶部104と、第1区間情報を情報提供装置から取得する制御部108と、第2区間情報を生成する生成手部109と、前記第1区間情報、及び前記第2区間情報の何れかを前記記憶されたコンテンツに対応付けて記憶する分割情報記憶部111とからなり、情報提供装置30は、複数のコンテンツの第1分割情報を記憶している記憶部124と、コンテンツ記憶部104により記憶されたコンテンツの第1区間情報を記憶部124から抽出しホームサーバ41へ提供する抽出部130とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ番組等のコンテンツを複数の区間に分けるインデクシング技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、予め登録されたキーワードに基づいてユーザの嗜好にあうコンテンツを、大容量のDVDやハードディスクへ自動的に録画するホームサーバが利用されるようになってきた。
このようなホームサーバでは、放送局から提供される番組単位でコンテンツが蓄積されるが、ユーザは必ずしもコンテンツ全体の視聴を希望するとは限らず、ユーザが本当に視聴したいのはコンテンツの一部分のみである場合が多い。
【0003】
例えば、音楽番組やニュース番組等のコンテンツは、演奏される曲毎や、報じられる事件毎に内容的まとまりのある区間をなしており、ユーザはこれらの区間のうち、好みの歌手が出演する区間や、興味のあるニュースが報じられる区間のみを視聴したいと望むことがある。このように、1つのコンテンツが内容的にまとまりのある複数の区間(以下、「意味区間」という。)で構成されており、ユーザはコンテンツを意味区間毎に視聴するか否か選択したいケースが少なくない。
【0004】
そこで、コンテンツの画像や音声を解析し、所定のアルゴリズムに基づいてコンテンツを複数の区間に切り分けるインデクシングを行い、コンテンツを番組単位ではなく、切り分けた区間単位でユーザに提供する技術が知られている。
上記の技術において、実際の意味区間と高い精度で類似するようにコンテンツを複数の区間に切り分けるには、画像や音声の解析を複合的に用いる必要がある。このような解析には高度な処理能力を要し、高度な処理能力の装置への実装は装置の価格を引き上げるため民生品であるホームサーバには望ましくない。
【0005】
そこで、各家庭で使用されるホームサーバとは別個に、サービスセンターに高度な処理能力を有する情報提供装置を設け、当該情報提供装置においてインデクシングを行い、インデクシング結果、即ち、コンテンツを分割した複数の区間を示す区間情報をユーザが使用するホームサーバへ提供することで、コンテンツをインデクシングする能力を有さないホームサーバにおいてコンテンツを複数に分割した各区間単位でコンテンツを利用することができる。
【特許文献1】特開2000−250944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、地上波テレビ放送、衛星放送、ケーブルTV、ビデオストリーミングなど多様な放送形態の普及により、家庭に配信されるコンテンツの数は急増している。サービスセンターに設置した情報提供装置において、これら急増するコンテンツの全てについてインデクシングを行い、区間情報を提供することは現実的ではない。この結果、上記のホームサーバでは、情報提供装置で区間情報を提供していないコンテンツについては、区間単位で利用できないという問題がある。
【0007】
本発明は係る問題に鑑み、ホームサーバ装置の価格を抑えることが可能でありながら、情報提供装置が区間情報を提供していない状況においても、ホームサーバ装置はコンテンツを区間単位で利用できるコンテンツ蓄積システムを提供することを第1の目的とする。
また、本発明は上記コンテンツ蓄積システムにおいて有用なホームサーバ装置、及び情報提供装置を提供することを第2の目的とする。
【0008】
さらに、本発明は上記ホームサーバ装置における処理を制御する集積回路を提供することを第3の目的とする。
さらに、本発明は上記ホームサーバ装置としてコンピュータを機能させるホームサーバプログラムを提供することを第4の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記第1の目的を達成するために、本発明に係るコンテンツ蓄積システムは、コンテンツを記録するホームサーバ装置と、コンテンツを分割した複数の区間を示す区間情報をホームサーバ装置へ提供する情報提供装置とを有するコンテンツ蓄積システムであって、前記情報提供装置は、複数のコンテンツについて、それぞれに対応した区間情報を記憶している記憶手段と、ホームサーバ装置において記録されたコンテンツに対応した第1区間情報を前記記憶手段から読み出し、ホームサーバ装置へ提供する提供手段とを備え、前記ホームサーバ装置は、コンテンツを取得し、記録するコンテンツ記録手段と、情報提供装置から前記第1区間情報を取得する取得手段と、前記記録されたコンテンツに係る第2区間情報を生成する生成手段と、前記第1区間情報、及び前記第2区間情報の何れか一方を前記記録されたコンテンツに対応付けて記録する区間情報記録手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
これによって、ホームサーバ装置は、情報提供装置から取得した第1区間情報、及び自装置で生成した第2区間情報の何れかを用いて、コンテンツを区間単位で利用することができる。
従って、情報提供装置が一部のコンテンツの区間情報を提供していない状況においても、ホームサーバ装置は全てのコンテンツを区間単位で利用できる。特に、各家庭で個別に使用するホームサーバ装置に高度な処理能力を実装する場合に比べ、本発明に係るコンテンツ蓄積システムでは、高度な処理能力を実装した情報提供装置から区間情報の提供を受けることで、各家庭で使用するホームサーバ装置の価格を抑えることが可能であり、また、当該コンテンツ蓄積システムでは、情報提供装置から精度の高い区間情報の提供を受け、精度の高い区間情報をホームサーバ装置で利用することが可能でありながら、情報提供装置から区間情報の提供を受けられない場合にも、高度な処理能力を必要としない精度の低い区間情報をホームサーバ装置で生成することができるため、全てのコンテンツを複数の区間に切り分けた区間単位で利用することができる。当該コンテンツ蓄積システムは、事業者が情報提供装置を設置し、各家庭で使用されるホームサーバ装置を販売する使用形態が想定され、ホームサーバ装置の価格の低減は、ユーザの購入意欲を高める効果がある。
【0011】
ところで、市販のホームサーバ装置には、様々な性能を持つ様々な価格帯の商品があるが、当然高価格な商品、例えばハイエンドモデルのホームサーバ装置も存在する。ハイエンドモデルのホームサーバ装置は高度な処理能力を有するが、インデクシングに用いる画像解析の技術は日々進歩しており、購入後の新たな技術の開発によってより優れた装置が発売されることを危惧し、ユーザがハイエンドモデルのホームサーバ装置の購入を控える場合も想定される。本発明に係るコンテンツ蓄積システムでは、最新の技術を用いて生成した区間情報を情報提供装置から提供することで、販売後のホームサーバ装置に将来の技術の進歩を担保することができるため、ユーザがハイエンドモデルのホームサーバ装置の購入時期を迷うことがないという効果がある。
【0012】
上記第2の目的を達成するために、本発明に係るホームサーバ装置は、コンテンツを分割した複数の区間を示す区間情報を提供する情報提供装置から、区間情報の提供を受けるホームサーバ装置であって、コンテンツを取得し、記録するコンテンツ記録手段と、前記記録されたコンテンツに係る第1区間情報を、前記情報提供装置から取得する取得手段と、前記記録されたコンテンツに係る第2区間情報を生成する生成手段と、前記第1区間情報、及び前記第2区間情報の何れか一方を前記記録されたコンテンツに対応付けて記録する区間情報記録手段とを備える。
【0013】
これによって、情報提供装置から取得した第1区間情報、及び自装置で生成した第2区間情報の何れかを用いて、コンテンツを区間単位で利用することができる。
従って、当該ホームサーバ装置は、情報提供装置が一部のコンテンツの第1区間情報を提供していない状況においても、自装置で生成した第2区間情報を用いることにより、全てのコンテンツを区間単位で利用できる。
【0014】
また、コンテンツは、内容的にまとまりのある意味区間を複数含み、
前記第1区間情報により示される各区間は、前記第2区間情報により示される各区間よりも、前記記録されたコンテンツに含まれる意味区間と区切れの位置が類似するとしてもよい。
これによって、自装置で生成する第2区間情報よりも精度の高い第1区間情報を、情報提供装置から取得することができる。
【0015】
従って、当該ホームサーバ装置は、精度の高い第1区間情報を用いて、意味区間と高い精度で類似する区間単位でコンテンツを利用できる。
また、前記第1区間情報は、コンテンツの音声および画像の解析により検出される複数の種類の特徴量に基づいて生成された区間情報であり、前記生成手段による第2区間情報の生成は、第1区間情報の生成に用いられた前記特徴量の種類よりも、少ない種類の特徴量に基づいてなされる。
【0016】
これによって、当該ホームサーバ装置は、自装置で第2区間情報を生成する為に用いた音声及び画像の特徴量の種類よりも多くの種類の音声及び画像の特徴量に基づいて生成された第1区間情報を、情報提供装置から取得することができる。
従って、当該ホームサーバ装置は、精度の高い区間情報の生成に必要な高度な処理能力を備えずとも、情報提供装置から精度の高い第1区間情報の提供をうけることで、意味区間と高い精度で類似する区間単位でコンテンを利用できる。
【0017】
また、前記生成手段による第2区間情報の生成は、前記記録されたコンテンツの音声の解析により検出される音声の特徴量にのみ基づいてなされる。
これによって、当該ホームサーバ装置は、自装置でコンテンツの音声を解析することにより第2区間情報を生成し、さらに、音声及び画像を解析することにより生成される第1区間情報を情報提供装置から取得することができる。
【0018】
従って、当該ホームサーバ装置は、画像を解析する高度な処理能力を備えずとも、画像の解析を用いて生成された精度の高い第1区間情報を情報提供装置から取得することにより、意味区間と高い精度で類似する区間単位でコンテンを利用できる。
また、前記取得手段は、前記記録されたコンテンツを識別する識別情報を情報提供装置へ送信することにより、第1区間情報の提供を要求する要求手段と、情報提供装置から第1区間情報が提供された場合に、当該第1区間情報を受け取る受取手段とを含み、前記生成手段による第2区間情報の生成は、情報提供装置から第1区間情報が提供されなかった場合にのみなされ、前記区間情報記録手段は、第1区間情報が提供された場合、第1区間情報を前記コンテンツに対応付けて記憶し、第1区間情報が提供されなかった場合、第2区間情報を前記コンテンツに対応付けて記録する。
【0019】
これによって、当該ホームサーバ装置は、情報提供装置から第1区間情報の提供をうけて、区間単位でコンテンツを利用することができ、情報提供装置から第1区間情報の提供を受けられない場合には、第2区間情報を自装置で生成することができる。
従って、情報提供装置が一部のコンテンツの区間情報を提供していない状況においても、当該ホームサーバ装置は自装置にて第2区間情報を生成することで、全てのコンテンツを複数の区間に切り分けた区間単位で利用することができる。
【0020】
また、前記要求手段はさらに、第1区間情報の提供の可否を判断する基準となる判断情報を、前記識別情報と共に前記情報提供装置へ送信し、前記区間情報記録手段は、情報提供装置において前記判断情報に基づいて第1区間情報を提供すると判断され、提供された第1区間情報が受取手段により受け取られた場合に、第1区間情報を前記コンテンツに対応付けて記録する。
【0021】
これによって、判断情報を情報提供装置へ送信し、情報提供装置において判断情報に基づいて第1区間情報を提供すると判断された場合にのみ、第1区間情報の提供を受けることができる。
また、前記要求手段により送信される判断情報は、生成手段において区間情報を生成する性能を示す。
【0022】
例えば、市販のホームサーバ装置には、様々な性能を持つ商品があるが、ハイエンドモデルの高価なホームサーバ装置では情報提供装置から提供される第1区間情報と同等以上の第2区間情報を生成できる性能を有するものも想定される。このような高性能なホームサーバ装置において情報提供装置から提供された第1区間情報を使用すると、ホームサーバ装置の性能を生かせないという問題が生じる。そこで、ホームサーバ装置が自装置で区間情報を生成する性能を判断情報として送信することによって、自装置において生成できる第2区間情報よりも精度の高い第1区間情報の提供を受けられる場合のみ情報提供装置から第1区間情報の提供を受け、提供される第1区間情報と同等以上の精度の第2区間情報を生成することができる場合は、情報提供装置から第1区間情報の提供を受けずに、自装置において生成した第2区間情報を使用することができる。従って、実際の意味区間とできる限り高い精度で類似した区間単位で、コンテンツを利用することができる。さらに、このような第1区間情報と第2区間情報との使い分けにより、情報提供装置からの第1区間情報の提供が有料のサービスである場合、自装置において生成した精度の高い第2区間情報を使用することで、サービスの使用料金を抑えることができる。
【0023】
また、区間情報は、対応するコンテンツの各区間を開始時刻により示し、前記生成手段による第2区間情報の生成は、前記記録されたコンテンツを解析し、各区間の開始時刻を決定することによりなされる。
これによって、ホームサーバ装置は、開始時刻が示された各区間単位で、コンテンツを利用することができる。
【0024】
また、識別情報により識別されるコンテンツの音声の一部分と、第1区間情報により示される開始時刻と同じ時計で計時された当該一部分の再生時刻とを、情報提供装置から受け付け、前記記録されたコンテンツの音声が前記受け付けた音声の一部分に一致する時点の再生時刻と前記受け付けた再生時刻との時間差を算出し、第1区間情報により示される開始時刻を、算出した時間差分補正する時刻補正手段を更に備える。
【0025】
これによって、第1区間情報により示される各区間の開始時刻を、コンテンツ記憶手段により記憶されているコンテンツの再生時刻にあわせて補正することができる。
従って、自装置の時計に狂いがあるためにコンテンツ記憶手段に正確な時刻でコンテンツが記憶されず、コンテンツ記憶手段により記憶されているコンテンツと提供された第1区間情報の生成に用いられたコンテンツとの再生時刻にずれがある場合にも、コンテンツを正確に区間単位で利用することができる。
【0026】
また、区間情報記録手段によりコンテンツに対応付けて記録された区間情報によって示される区間のうちの何れかを選択する選択手段と、前記コンテンツを、前記選択手段により選択された区間の開始時刻から再生する再生手段とを更に備える。
これによって、コンテンツを、区間情報が示す各区間の先頭から再生することができる。
【0027】
従って、ホームサーバ装置のユーザは、コンテンツの関心のある部分のみを視聴することができる。
また、前記区間情報は更に、それぞれの区間の内容を把握できる画像が表示される時点である提示時刻を示し、ホームサーバ装置は更に、前記区間情報により示される各提示時刻に表示される画像を提示する提示手段を備え、前記選択手段は、提示手段によって提示された画像の何れかを選択するユーザ操作に基づいて、選択された画像に対応する区間を選択する。
【0028】
これによって、ホームサーバ装置のユーザは、内容を把握できる画像を見ながら再生する区間を選択し、選択した区間の先頭から視聴することができる。
従って、ホームサーバ装置のユーザは、関心のある区間を容易に選択することができる。
また、前記情報提供装置は、1つのコンテンツに対応して複数の区間情報を記憶しており、前記要求手段は、さらに、情報提供装置において区間情報を選択する基準となる選択情報を、情報提供装置へ送信し、前記受取手段は、情報提供装置において前期選択情報に基づいて選択された区間情報を受け取る。
【0029】
これによって、情報提供装置が1つのコンテンツに対応して複数の区間情報を記憶している場合に、提供を受けたい区間情報を第1区間情報として提供を受けることができる。
また、前記情報提供装置は、1つのコンテンツに対応して、複数の放送地域のそれぞれに応じた複数の区間情報を記憶しており、前記選択情報は、ホームサーバ装置が何れの放送地域で使用されるかを示す。
【0030】
これによって、例えば、放送地域によりコンテンツの構成が異なる場合に、ホームサーバ装置の使用地域のコンテンツに適した第1区間情報の提供を受けることができる。
また、前記要求手段による要求は、コンテンツ記録手段においてコンテンツを記録している最中は抑制され、コンテンツ記録手段において前記コンテンツの記録が完了した後に実行され、前記生成手段は、コンテンツ記録手段においてコンテンツを記録している最中は、前記コンテンツの記録済み部分に係る第3区間情報を、コンテンツの記録の進行に伴って生成し、前記区間情報記録手段は、コンテンツ記録手段においてコンテンツを記録している最中である場合、前記第3区間情報を前記コンテンツに対応付けて記録し、コンテンツ記録手段において前記コンテンツの記録が完了した後に第1区間情報が提供された場合、第1区間情報を前記コンテンツに対応付けて記録する。
【0031】
これによって、配信されたコンテンツの録画中には、自装置で第3区間情報を生成し、録画が終了した後には、情報提供装置から第1区間情報の提供を受けることができる。
従って、コンテンツを録画しながらの視聴、所謂、追っかけ再生でコンテンツを利用する場合に、録画の進展に伴って頻繁に第1区間情報の提供をうけることによる通信回線におけるトラフィックの増大を防ぎつつ、コンテンツの録画終了後にコンテンツを視聴する場合には、情報提供装置から精度の高い第1区間情報の提供を受けることができる。
【0032】
また、情報提供装置と通信可能か否かを判定する通信判定手段を、更に備え、前記要求手段による要求は、通信判定手段による判定が否定的である場合に抑制され、前記生成手段による第2区間情報の生成は、前記判定が否定的である場合になされ、前記区間情報記録手段は、前記判定が否定的である場合、第2区間情報を前記コンテンツに対応付けて記憶する。
【0033】
これによって、通信網に障害がある場合や、ホームサーバ装置を通信網に接続せずに使用している場合にも、自装置が第2区間情報を生成することができるため、ホームサーバ装置のユーザは、コンテンツを区間単位で利用することができる。
また、他のホームサーバ装置において蓄積されている所定のコンテンツを識別する識別情報と、前記所定のコンテンツの区間情報の提供の可否を判断する基準となる判断情報とを、前記他のホームサーバ装置から受け付ける要求受付手段と、前記要求受付手段において受け付けた識別情報により識別される所定のコンテンツの区間情報を前記他のホームサーバ装置へ提供するか否かを、前記判断情報に基づいて判断する判断手段と、前記判断手段における判断が肯定的であり、且つ、前記所定のコンテンツに対応した区間情報が前記区間情報記録手段により記録されている場合は、当該区間情報を前記他のホームサーバ装置へ提供し、前記判断が肯定的であり、且つ、前記区間情報が前記区間情報記録手段により記録されていない場合は、前記所定のコンテンツの区間情報を生成手段によって生成し、当該生成した区間情報を前記他のホームサーバ装置へ提供する提供手段とを、さらに備える。
【0034】
これによって、複数のホームサーバ装置同士が接続されている場合に、判断情報に基づいて他のホームサーバ装置に区間情報を提供することができる。
さらに、前記判断情報は、前記他のホームサーバ装置の性能を示し、前記判断手段は、前記判断情報が示す性能が自装置の性能よりも優れる場合、否定的に判断し、前記判断情報が示す性能が自装置の性能よりも劣る場合は、肯定的に判断する。
【0035】
これによって、複数のホームサーバ装置同士が接続されている場合に、他の装置において区間情報を生成する性能を判断情報として受信し、自装置において生成できる区間情報よりも精度の低い区間情報しか生成できない装置へ区間情報を提供することができる。
従って、複数のホームサーバ装置同士が接続されている場合に、最も高い精度の区間情報を生成できるホームサーバ装置で生成した区間情報を、他のホームサーバ装置で利用することができる。
【0036】
上記第2の目的を達成するために、本発明に係る情報提供装置は、コンテンツを分割した複数の区間を示す区間情報をホームサーバ装置へ提供する情報提供装置であって、複数のコンテンツについて、それぞれに対応した区間情報を記憶している記憶手段と、ホームサーバ装置において蓄積されている所定のコンテンツを識別する識別情報を、前記ホームサーバ装置から受け付ける受付手段と、前記識別情報により識別される所定のコンテンツに対応した区間情報が、前記記憶手段に記憶されている場合、当該区間情報を前記記憶手段から読み出し、ホームサーバ装置へ提供する提供手段とを備える。
【0037】
これによって、ホームサーバ装置から要求を受け、区間情報を提供することができる。
従って、情報提供装置において精度の高い区間情報を蓄積することで、ホームサーバ装置が高度な処理能力を備えない場合にも、ホームサーバ装置で精度の高い区間情報を利用することができる。
また、情報処理装置はさらに、区間情報の提供の可否を判断する基準となる判断情報に基づいて、前記所定のコンテンツの区間情報を前記ホームサーバ装置に提供するか否かを判断する判断手段を備え、前記受付手段はさらに、前記判断情報をホームサーバ装置から受け付け、前記提供手段は、前記判断手段における判断が肯定的である場合に区間情報を提供する。
【0038】
これによって、判断情報をホームサーバ装置から受信し、判断情報に基づいて区間情報を提供すると判断された場合にのみ、区間情報を提供することができる。
従って、条件によって区間情報の提供を制限することで、通信網のトラフィックの増大を抑えることができる。
また、前記判断情報は、前記ホームサーバ装置の性能を示す情報であって、前記判断手段は、前記判断情報が示す性能が記憶手段により記憶されている区間情報を生成するために要する性能を満たさない場合は、肯定的に判断し、前記判断情報が示す性能が記憶手段により記憶されている区間情報を生成するために要する性能を満たす場合は、否定的に判断する。
【0039】
これによって、精度の高い区間情報を生成可能な高い処理能力を備えたホームサーバ装置には区間情報を提供せず、高い処理能力を備えないホームサーバ装置へ区間情報を提供することができる。
従って、区間情報の提供を制限することで、通信網のトラフィックの増大を抑えることができる。
【0040】
また、前記コンテンツは、テレビ放送によって配信され、前記識別情報は、前記コンテンツの配信元のチャンネルと、放送時間とを示す情報であり、提供手段は、前記識別情報により示されるチャンネル及び放送時間によって識別されるコンテンツの区間情報を前記記憶手段から読み出し、当該読み出した区間情報を前記ホームサーバ装置に提供する。
これによって、情報提供装置は、任意の時間帯に配信されたコンテンツの区間情報を、ホームサーバ装置に提供することができる。
【0041】
上記第3の目的を達成するために、本発明に係る集積回路は、コンテンツを分割した複数の区間を示す区間情報を提供する情報提供装置から、区間情報の提供を受けるホームサーバ装置の集積回路であって、ホームサーバ装置は記憶手段を有し、集積回路は、前記記憶手段へコンテンツを記録する記録手段と、前記記録されたコンテンツに係る第1区間情報を、前記情報提供装置から取得する取得手段と、前記記録されたコンテンツに係る第2区間情報を生成する生成手段と、前記第1区間情報、及び前記第2区間情報の何れか一方を前記記録されたコンテンツに対応付けて前記記憶手段へ記録する区間情報記録手段とを備える。
【0042】
これによって、本発明に係る集積回路を備えたホームサーバ装置は、情報提供装置から取得した第1区間情報、及び自装置で生成した第2区間情報の何れかを用いて、コンテンツを区間単位で利用することができる。
従って、当該ホームサーバ装置は、情報提供装置が一部のコンテンツの第1区間情報を提供していない状況においても、自装置で生成した第2区間情報を用いることにより、全てのコンテンツを区間単位で利用できる。
【0043】
上記第4の目的を達成するために、本発明に係るホームサーバプログラムは、コンテンツとコンテンツを分割した複数の区間を示す区間情報とを記憶装置へ記録する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記記憶装置へコンテンツを記録するコンテンツ記録ステップと、区間情報を提供する情報提供装置から、前記記録されたコンテンツに係る第1区間情報を取得する取得ステップと、前記記録されたコンテンツに係る第2区間情報を生成する生成ステップと、前記第1区間情報、及び前記第2区間情報の何れかを前記録画されたコンテンツに対応付けて前記記憶装置へ記録する区間情報記録ステップとを含む。
【0044】
これによって、情報提供装置から取得した第1区間情報、及び自装置で生成した第2区間情報の何れかを用いて、コンテンツを区間単位で利用することができる。
従って、当該ホームサーバ装置は、情報提供装置が一部のコンテンツの第1区間情報を提供していない状況においても、自装置で生成した第2区間情報を用いることにより、全てのコンテンツを区間単位で利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明の実施形態について、図を用いて説明する。
<構成>
図1は、本発明に係るコンテンツ蓄積システム1の使用形態を示す図である。
コンテンツ蓄積システム1は、情報提供装置30、ホームサーバ41、及びホームサーバ42からなり、それぞれがインターネット等の通信網を介して接続されている。尚、本実施形態に係るコンテンツ蓄積システム1は、ホームサーバ41および42の2つのホームサーバを含むが、本発明に係るコンテンツ蓄積システムが含むホームサーバの数は1としてもよいし、3以上としてもよい。
【0046】
放送局10、及び放送局20は、それぞれ地理的に離れた地域においてアナログテレビ放送を実施する放送局である。放送局10、及び放送局20は、所謂系列テレビ局であって、予め定められたタイムテーブルに従って、放送局10及び放送局20で共に同じコンテンツを放送する全国放送と、放送局10及び放送局20でそれぞれ異なるコンテンツを放送する地方放送とを行う。
【0047】
尚、本発明に係るコンテンツ蓄積システムは、複数の放送局からのコンテンツを利用することが可能であるが、本実施の形態においては、説明を容易にするため、情報提供装置30、ホームサーバ41、及びホームサーバ42はそれぞれ、放送局10、及び放送局20の何れか1つから放送を受信する。
情報提供装置30は、家庭で使用されるホームサーバへ通信網を介して区間情報を提供する業務用のコンピュータであって、具体的にはプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスク、アンテナ、受信回路等を備え、プロセッサが、ROMに記憶されているプログラムに従って動作することにより、蓄積している区間情報を、ホームサーバ41、及びホームサーバ42へ提供する機能を実現する。情報提供装置30は、放送局10からの放送波を受信する地域に設置されている。
【0048】
本明細書において、区間情報とは、コンテンツを複数に分割した各区間の区切れを示す情報である。ただし、区間情報には、後述する画像や音声の解析やオペレータの操作により、コンテンツに含まれる意味区間と目される区間が定義されているが、区間情報により示される各区間は、必ずしも実際の意味区間と一致するとは限らない。ここで意味区間とはコンテンツ中の内容的にまとまりのある時間枠のことで、例えば、ニュース番組には一般に、経済トピックスや、天気予報、スポーツニュースなどの意味区間が含まれる。
【0049】
以降、本明細書では、画像や音声の解析や、オペレータの操作により、1つのコンテンツを複数に切り分けた場合の各区間を、サブコンテンツと称する。
ホームサーバ41、及びホームサーバ42は、放送されたコンテンツを蓄積する家庭用のホームサーバであって、具体的にはプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスク、アンテナ、受信回路等を備え、プロセッサが、ROMに記憶されているプログラムに従って動作することにより、コンテンツの録画および再生や、情報提供装置30からの区間情報の取得等の機能を実現する。使用される地域に応じてホームサーバ41は放送局10による放送を、ホームサーバ42は放送局20による放送を受信する。
【0050】
次に、ホームサーバ41のプロセッサがROMに記憶されているプログラムに従って動作することにより実現されるホームサーバ41の機能構成を詳細に説明する。
図2は、情報提供装置30と、ホームサーバ41との構成を示す図である。
ホームサーバ41は、受信部101、録画部102、時計部103、コンテンツ記憶部104、要求部105、性能情報保持部106、通信部107、制御部108、生成部109、解析部110、区間情報記憶部111、時刻補正部112、提示部113、選択部114、及び再生部115の各機能ブロックを備える。
【0051】
ホームサーバ41は、予め放送波から取得したEPG(Electric Program Guide)と予め登録されたキーワードとに基づいてユーザの嗜好にあうコンテンツを録画対象に選択し、自動的に録画する機能を備る。尚、ユーザの嗜好に合わせてコンテンツを選択する技術は公知の技術であるので詳細な説明を省略する。
受信部101は、アンテナ、及び受信回路等からなり、放送局10が送信する放送波を受信し、受信した放送波からコンテンツと、EPGとを取得して録画部102へ出力する。
【0052】
録画部102は、時計部103により示される時刻が、録画対象のコンテンツの放送開始時刻になると、受信部101から取得したコンテンツをデジタルデータに変換の後、Mpeg2(Moving Picture Experts Group phase 2)等の圧縮符号化技術を用いて画像及び音声を符号化し、圧縮符号化したコンテンツをコンテンツ記憶部104に記録する。また、録画部102は、コンテンツを録画する場合に、当該コンテンツの属性情報(放送時間、チャンネル等)をコンテンツと共にコンテンツ記憶部104に記録する。
【0053】
時計部103は、録画部102へ、録画の開始及び終了を制御するための時刻情報を出力する。
コンテンツ記憶部104は、具体的にはDVD、ハードディスク等の記録媒体であって、圧縮符号化したコンテンツを格納している。
要求部105は、録画部102による録画が終了したコンテンツに関する要求情報を生成し、当該要求情報を通信部107を介して情報提供装置30に送信する機能ブロックである。要求情報とは、後述するデータ構造により、自装置の性能と録画したコンテンツとを情報提供装置に通知し、区間情報の提供を、情報提供装置に要求する情報である。
【0054】
尚、要求部105が要求情報を情報提供装置30に送信するタイミングは、録画部102によるコンテンツの録画が終了するたびに送信するとしてもよいし、定期的に、あるいはユーザによる指示を受けて送信するとしてもよい。録画部102によるコンテンツの録画が終了時に、要求情報を送信する場合は、情報提供装置30での区間情報の生成に要する時間を考慮し、録画部102によるコンテンツの録画が終了後、コンテンツのサイズに応じた待機時間をおいて、要求情報を送信するとしてもよい。
【0055】
図3a)、及びB)は、要求部105が生成する要求情報のデータ構造を示す図である。
要求情報は、性能情報と、識別情報と、地域情報とを含む。
性能情報は、ホームサーバ41の性能を示す情報であって、本実施の形態ではホームサーバ41の製品名及び型番によって当該ホームサーバ41で区間情報を生成する性能を特定する。製品名及び型番は、性能情報保持部106に保持されている。尚、画像や音声の解析精度や、解析結果を統合するアルゴリズムの改良によりインデクシングの精度は向上するため、製品の販売後に前記アルゴリズムを更新することで性能が向上する場合がある。このような場合には、性能情報保持部106に保持されている情報も更新される。尚、本明細書において「インデクシングの精度」、及び「区間情報の精度」とは、インデクシングにより生成された区間情報によって示される各サブコンテンツが、コンテンツの実際の意味区間と区切れの位置が類似する精度を指す。
【0056】
識別情報は、対象となるコンテンツを識別する情報である。識別情報には、例えば、図3のa)に示すようにコンテンツを一意に識別する識別子を用いてもよいし、図3のb)に示すように対象のコンテンツが放送された放送局を識別するチャンネル、コンテンツの放送開始時刻、および放送終了時刻を用いてもよい。ここでは、図3のb)に示すデータ構造を用いて本実施形態を説明する。
【0057】
地域情報は、ホームサーバ41が使用される地域により受信する放送局を識別する情報である。ホームサーバ41を使用する地域は、ユーザ操作により予めホームサーバ41に登録しておく。
通信部107は、通信網を介した他の装置との通信を制御する機能ブロックである。
制御部108は、生成部109と、時刻補正部112とを制御し、区間情報記憶部111に区間情報を記録させる機能ブロックである。録画部102によるコンテンツの録画開始から録画の終了までの間、制御部108は、生成部109に当該コンテンツの記録済み部分に係る区間情報の生成を指示する。これによって、ユーザはコンテンツの録画中にも、コンテンツの記録済みの部分をサブコンテンツ毎に頭だしして視聴することができる。
【0058】
また、対象となるコンテンツの録画終了後、情報提供装置30から要求情報に応じて、区間情報と、対象のコンテンツの音声データの一部とが提供された場合、制御部108は、提供された各情報を時刻補正部112に出力し、区間情報の補正を指示し、補正後の区間情報を区間情報記憶部111に記録させる。ここで情報提供装置30から提供をうける音声データには、対象のコンテンツにおける当該音声データの再生時刻が付されているものとする。本明細書において再生時刻とは、コンテンツの先頭から音声が再生される時点までの経過時間である。一方、情報提供装置30から要求情報に応じた区間情報が提供されなかった場合、制御部108は、生成部109へ区間情報の生成を指示し、生成された区間情報を区間情報記憶部111に記録させる。
【0059】
生成部109は、制御部108の制御により区間情報を生成する。具体的には、生成部109は、解析部110における解析結果、及び録画部102による圧縮符号化処理において得られた解析結果を用いて、所定のアルゴリズムでコンテンツを複数のサブコンテンツに分割し各サブコンテンツの開始時刻と提示時刻とを示す区間情報を生成し、対象のコンテンツに対応付けて区間情報記憶部111に記録する。区間情報記憶部111に、既に対象となるコンテンツに対応した区間情報が記憶されている場合は、生成部109は、生成した新たな区間情報で、区間情報記憶部111の記憶内容を更新する。
【0060】
図4は、区間情報のデータ構造を示す図である。区間情報は、サブコンテンツの数と同数のサブコンテンツ情報からなり、各サブコンテンツ情報は、対応するサブコンテンツの開始時刻と提示時刻とを含む。提示時刻とは、各サブコンテンツの内容把握に用いる特徴的な画像の表示時刻である。内容把握に用いる画像には、例えば、テロップが表示される画像等を選択することが望ましい。コンテンツの開始時刻及び提示時刻は、それぞれの時点がコンテンツの先頭からの経過時間によって示される。
【0061】
解析部110は、生成部109において区間情報を生成するために、コンテンツの画像や音声を解析する機能ブロックである。
従来、コンテンツの切り分けには、無音状態が約15秒間隔で繰り返すコマーシャルメッセージ(以下、「CM」という。)の検出や、画像の水平、垂直方向の輝度のエッジ数に基づくテロップの検出、時間的に連続する画像間での色の分布の変化に基づくシーンの切り替りの検出、周期的な音声の変化に基づく音楽の検出などが用いられている。
【0062】
コンテンツの画像や音声を解析して特徴量を検出し、所定のアルゴリズムに基づいてサブコンテンツの開始時刻を機械的に決定する場合、コンテンツは、必ずしも意味区間の区切れで正確にインデクシングされるわけではない。例えば、単に音声のレベルが閾値以下の状態が一定時間以上継続する部分でコンテンツを切り分けた場合、一般に、コンテンツは実際の意味区間の数よりも多くのサブコンテンツに切り分けられる。
【0063】
ここで、画像や音声からより多くの種類の特徴量を検出し、区間情報の生成に用いることにより、生成する区間情報の精度を高めることができるが、検出する特徴量の種類を増やすと解析に要する負荷が増大する。具体的には、CMが終了する時点でコンテンツを切り分ける場合にくらべ、テロップが出現する直前のCMが終了する時点でコンテンツを切り分けることで、区間情報の精度を高めることができるが、音量レベルの解析のみで実現可能なCMの検出に比べ、テロップの検出には画像の輝度を解析する必要がある。特に画像の解析には高度な処理能力の実装が必要となり、装置の高価格化を招くことになる。
【0064】
本実施形態に係るホームサーバ41は、解析部110の簡素化のために、解析部110において音量レベルの解析のみをおこない、生成部109は、大量レベルの解析のみで検出可能なCMの開始および終了に基づいて、CMが終了する毎にコンテンツを切り分ける。また、切り分けたサブコンテンツの提示時刻としては、解析部110で画像解析を行わないのでテロップが表示される画像を選択することが出来ないため、生成部109は、サブコンテンツの開始時刻から所定時間後(例えば3秒後)を提示時刻とする。
【0065】
図2に示す区間情報記憶部111は、具体的にはコンテンツ記憶部104と同様の記録媒体であって、生成部109及び時刻補正部112が出力する区間情報をコンテンツに対応付けて記憶する。
時刻補正部112は、制御部108の制御を受け、情報提供装置30から提供された区間情報を補正し、補正した区間情報を区間情報記憶部111に記録する機能ブロックである。
【0066】
時刻補正部112は、区間情報と共に提供された音声データとコンテンツ記憶部104に記憶しているコンテンツの音声データとの比較により、音声レベルの波形が一致する時点を検出し、検出した時点の再生時刻と提供された音声データの再生時刻との時間差により区間情報が示す開始時刻および提示時刻を補正し、補正後の区間情報を対象のコンテンツに対応付けて区間情報記憶部111に記録する。区間情報記憶部111に、既に対象となるコンテンツに対応した区間情報が記憶されている場合は、時刻補正部112は、補正後の区間情報で、区間情報記憶部111の記憶内容を更新する。
【0067】
具体的な例として、コンテンツの録画時に、ホームサーバ41の時計部103の時刻が5秒遅れていたために、コンテンツ記憶部104に本来の時刻から5秒遅れた状態でコンテンツが記憶された場合の区間情報の補正について説明する。
コンテンツの録画後、ホームサーバ41は、情報提供装置30から区間情報と、本来のコンテンツの先頭から30秒目の時点の音声データとの提供を受ける。情報提供装置30の時計部123の時刻が正確であれば、提供された音声データ(本来のコンテンツの先頭から30秒の時点の音声データ)と、コンテンツ記憶部104に記憶されているコンテンツの先頭から25秒の時点の音声データとの波形が一致し、時刻補正部112は5秒の遅れを検出する。時刻補正部112は、5秒の遅れを検出したことにより、区間情報の各サブコンテンツの開始時刻と提示時刻とを5秒づつ戻す補正を行う。例えば、提供された区間情報が示す2番目のサブコンテンツの開始時刻が、コンテンツの先頭から3分20秒である場合、当該開始時刻は3分15秒に補正される。
【0068】
このような補正により、時計部103の時刻に狂いがあるためにコンテンツ記憶部104に正確な時刻でコンテンツが記憶されていない場合にも、区間情報の生成に用いられた時計との時刻のずれを気にすることなく、コンテンツをサブコンテンツ単位で利用することができる。
提示部113は、各サブコンテンツの内容を把握する為の画像を一覧表示により提示する機能ブロックである。提示部113は、ユーザによる操作を受け付け、指定されたコンテンツの区間情報を区間情報記憶部111から検出し、当該区間情報により示される各サブコンテンツの提示時刻に再生される画像を縮小したサムネイル画像を生成する。提示部113は、生成した各サブコンテンツのサムネイル画像をホームサーバ41に接続されたモニタに一覧表示する。
【0069】
選択部114は、ユーザによる操作を受け付け、提示部113により一覧表示されたサムネイル画像の何れかを選択し、選択結果を再生部115に通知する機能ブロックである。
再生部115は、コンテンツの再生を制御する機能ブロックであって、選択部114により選択されたサムネイル画像に対応するサブコンテンツの開始時刻を区間情報から取得し、取得した開始時刻からコンテンツ記憶部104に記録されているコンテンツを再生する。
【0070】
以上の構成により、ホームサーバ41は、放送されたコンテンツを録画し、情報提供装置30から当該コンテンツの精度の高い区間情報を取得することで、当該録画したコンテンツを意味区間と高い精度で類似したサブコンテンツ単位で再生することができる。また、情報提供装置30から、区間情報を取得できない場合にも、高度な処理能力を必要としない精度の低い区間情報を、自装置において生成し、コンテンツをサブコンテンツ単位に再生することができる。
【0071】
尚、ホームサーバ42は、ホームサーバ41と同様の構成であるため説明を省略する。
次に、情報提供装置30のプロセッサがROMに記憶されているプログラムに従って動作することにより実現される情報提供装置30の機能構成を詳細に説明する。
情報提供装置30は、受信部121、録画部122、時計部123、記憶部124、区間情報登録部125、通信部128、判断部129、及び抽出部130の各機能ブロックを備える。
【0072】
受信部121は、具体的にはアンテナ、及び受信回路等からなり、放送局10が送信する放送波を受信し、受信した放送波からコンテンツを取得して録画部122へ出力する。
録画部122は、放送局10が全国放送と地方放送とを実施する時間を定めたタイムテーブルを保持し、時計部123により示される時刻が、全国放送されるコンテンツの放送開始時刻になると、受信部121から取得したコンテンツをデジタルデータに変換の後、Mpeg2等の圧縮符号化技術を用いて画像及び音声を符号化し、符号化したコンテンツを記憶部124に記録する。
【0073】
時計部123は、放送局10において放送スケジュールを制御する時計と正確に同期した時計である。
記憶部124は、具体的にはDVD、ハードディスク等の記録媒体であって、圧縮符号化したコンテンツと、区間情報登録部125により登録された区間情報とを対応付けて記憶している。
【0074】
区間情報登録部125は、内部に解析部126と入力部127との各機能ブロックを含む。解析部126は、記憶部124に記憶されているコンテンツの画像、及び音声を解析し、CMの検出、テロップの検出、シーンの切り替りの検出、及び音楽の検出を行う機能ブロックである。入力部127は、キーボード等の入力デバイスや、記録媒体の読込み装置等によって実現される機能ブロックであって、当該情報提供装置30の外部からのデータの入力を受け付ける。
【0075】
区間情報登録部125は、録画部122により録画された全国放送のコンテンツの画像及び音声を解析部126を用いて解析し区間情報を生成し、生成した区間情報を対象のコンテンツに対応付けて記憶部124に記録し、更に、地方放送で放送されたコンテンツのうち、例えば、ホームサーバの利用者が多い地域で放送されたコンテンツと、当該コンテンツの区間情報とを、入力部127を介して個別に受け付け、受け付けたコンテンツと区間情報とを対応付けて記憶部124に記録する。
【0076】
尚、区間情報登録部125は、情報提供装置30に接続されたモニタに図5、及び図6に示すGUI画面を表示し、当該GUI画像を介してオペレータによる操作を受け付け、区間情報を修正するとしてもよい。
GUI画面を介して区間情報を修正する操作について説明する。図5は、区間情報を編集するためのGUI画面の一例を示す図である。
【0077】
図5に示すGUI画面には、ボタン1及びボタン2と、時間軸を示すスケールに沿ったサブトラック及びコンテンツトラックとが表示される。コンテンツトラックには、対象のコンテンツの再生時間に比例した幅を持つ矩形が表示される。サブトラックには、コンテンツトラックの矩形に沿って、修正対象の区間情報により示される各サブコンテンツの開始時刻が、各々三角形で表示される。
【0078】
サブトラックに表示された何れかの三角形を選択しボタン1を押下することで、図6に示すGUI画面が表示される。また、何れの三角形も選択せずにボタン1を押下することで、サブトラックに新たな三角形が追加され、図6に示すGUI画面が表示される。
図6は、サブコンテンツの開始時刻と提示時刻とを入力するためのGUI画面の一例を示す図である。
【0079】
図6に示すGUI画面には、サブコンテンツの開始時刻を入力するためのサブコンテンツ開始時刻入力欄と、サブコンテンツの提示時刻を入力するための提示時刻入力欄とが表示される。
オペレータが、サブコンテンツ開始時刻入力欄にサブコンテンツの開始時刻(例えば時刻t1)を入力し、提示時刻入力欄にサブコンテンツの内容を表す画像が表示される提示時刻を入力することで、選択中のサブコンテンツの開始時刻と提示時刻とが修正され、図5に示すGUI画面のサブトラックに表示された三角形位置が変更される。
【0080】
図5に示すボタン2を押下することで、当該GUI画面において修正された区間情報が記憶部124に記憶される。
以上の操作により、区間情報登録部125が解析部126の解析結果を用いて生成した区間情報において、サブコンテンツの開始時刻と、提示時刻とを修正することができる。これにより、解析部126で解析したコンテンツの解析結果と意味区間の出現パターンとの関係が、一般的な他のコンテンツと異なるなどの理由で、機械的に検出したサブコンテンツが実際の意味区間と一致しない場合にも、オペレータがサブコンテンツの開始時刻を修正することで、精度の高い区間情報を提供することができる。また、オペレータの主観的な判断で提示時刻を設定できるため、サブコンテンツの内容を的確に把握できる画像が表示される時刻を提示時刻に選択できる。
【0081】
図2に示す通信部128は、通信網を介した他の装置との通信を制御する機能ブロックである。
判断部129は、図7に示す性能判断テーブルと、図8に示す対応エリアテーブルとを保持し、通信部128を介してホームサーバ41及び42から受け付けた要求情報に基づいて、要求された区間情報を、要求元のホームサーバへ提供するか否かを判断する機能ブロックである。
【0082】
図7に示す性能判断テーブルは、ホームサーバの製品名及び型番ごとに、区間情報を提供するか否かを示すテーブルである。当該性能判断テーブルには、対象のホームサーバが所定の精度の区間情報を生成できる場合、区間情報を提供しないように設定され、対象のホームサーバが所定の精度の区間情報を生成できない場合、区間情報を提供するように設定されている。尚、ホームサーバが生成する区間情報の精度は、ホームサーバが解析できる画像及び音声の特徴と、ホームサーバが解析結果の統合に用いるアルゴリズムにより決定される。
【0083】
図8に示す対応エリアテーブルは、コンテンツの放送時間帯毎に、どの放送地域のホームサーバに区間情報を提供可能かを示すテーブルであって、放送局が全国放送を実施する時間帯に放送されるコンテンツは、全国のホームサーバへ区間情報を提供するように設定され、放送局が地方放送を実施する時間帯に放送されるコンテンツは、区間情報登録部125により区間情報が登録された地域のホームサーバへのみ区間情報を提供するように設定されている。尚、本実施の形態に係るコンテンツ蓄積システム1では、1つのチャンネルの放送局のみからコンテンツを受信する例を示したが、複数チャンネルの放送局からコンテンツを受信する場合、判断部129は各チャンネル毎の対応エリアテーブルを保持する。
【0084】
判断部129は、性能判断テーブルにおいて、性能情報により示されるホームサーバへ区間情報を提供すると設定されており、且つ、要求情報により示される放送地域が、要求情報により示されるコンテンツの区間情報を提供可能な放送地域に含まれる場合、要求元のホームサーバへ区間情報を提供すると判断し、抽出部130へ要求情報により示されるコンテンツの区間情報の抽出を指示する。一方、上記以外の場合、判断部129は、要求元のホームサーバへ区間情報を提供しないと判断し、通信部128を介して区間情報を提供しないことを通知する。
【0085】
抽出部130は、判断部129からの指示を受け、要求情報により示されるコンテンツの区間情報と、当該コンテンツの音声データの一部とを、記憶部124から取得し、取得した区間情報と音声データとを、通信部128を介して要求もとのホームサーバへ送信する。
以上の構成により、情報提供装置30は、全国放送されたコンテンツと、ホームサーバの利用者が多い地域で地方放送されたコンテンツとの区間情報を蓄積し、対象となる地域で利用されているホームサーバへ、蓄積した区間情報を提供することができる。また、精度の高い区間情報を生成できるホームサーバへ区間情報を提供しないことで、通信網のトラフィックを抑えることができる。
【0086】
上述のように構成されたコンテンツ蓄積システム1において、精度の高い区間情報を生成できない廉価なホームサーバ41は、精度の高い区間情報を提供できる情報提供装置30から、通信網を介して精度の高い区間情報の提供を受けることができる。また、情報提供装置30により地方放送されたコンテンツの区間情報が提供されない地域でホームサーバ41が使用されている場合にも、ホームサーバ41自身が区間情報を生成することができるため、ホームサーバ41のユーザは、地方放送されたコンテンツをサブコンテンツ単位で利用することができる。また、通信網に障害がある場合や、ホームサーバ41を通信網に接続せずに使用している場合にも、ホームサーバ41自身が区間情報を生成することができるため、ホームサーバ41のユーザは、コンテンツをサブコンテンツ単位で利用することができる。
【0087】
<動作>
次に、ホームサーバ41が、コンテンツの区間情報を蓄積する動作の流れについて説明する。
図9は、ホームサーバ41の動作の流れを示す図である。
録画部102は、予め登録されたキーワードに基づいてユーザの嗜好にあうコンテンツを選択し、選択したコンテンツをコンテンツ記憶部104へ記録する(S1)。録画部102によるコンテンツの録画終了後、要求部105は、ホームサーバ41の性能を示す情報と、録画したコンテンツを識別する情報とを含む要求情報を、通信部107を介して情報提供装置30に送信する(S2)。
【0088】
制御部108は、送信した要求情報に対する応答を、情報提供装置30から受け付け(S3)、受け付けた応答に区間情報と音声データとが含まれているか否かを判定する(S4)。
受け付けた応答に区間情報と音声データとが含まれている場合(S4:Yes)、区間情報と音声データとが時刻補正部112へ出力され、時刻補正部112は、制御部108から取得した音声データとコンテンツ記憶部104に記憶しているコンテンツの音声データとの比較により、音声レベルの波形が一致する時点を検出し、検出した時点の再生時刻と取得した音声データの再生時刻との時間差により区間情報が示す開始時刻および提示時刻を補正する(S5)。
【0089】
受け付けた応答に区間情報と音声データとが含まれていない場合(S4:No)、制御部108は生成部109へ区間情報の生成を指示する。区間情報の生成を指示された生成部109は、コンテンツ記憶部104に記憶されているコンテンツを、解析部110によって解析し、所定のアルゴリズムでコンテンツを複数に分割する各サブコンテンツの開始時刻と提示時刻とを決定し、各サブコンテンツの開始時刻と提示時刻とを示す区間情報を生成する(S6)。
【0090】
制御部108は、時刻補正部112により修正された区間情報、及び生成部109により生成された区間情報をコンテンツに対応付けて区間情報記憶部111へ記憶させ(S7)、区間情報の登録を終了する。
以上の動作によりホームサーバ41は、情報提供装置30から精度の高い区間情報の提供をうけ、意味区間と高い精度で類似するサブコンテンツ単位でコンテンツを利用でき、また、情報提供装置30から区間情報の提供を受けられない場合にも、自装置で区間情報を生成することができるため、あらゆるコンテンツを、サブコンテンツ単位で利用することができる。
【0091】
次に、情報提供装置30が、ホームサーバ41へ区間情報を提供する動作の流れについて説明する。
図10は、情報提供装置30の動作の流れを示す図である。
判断部129は、通信部128を介してホームサーバ41から要求情報を受け付け(S11)、要求情報により示されるコンテンツの区間情報を、ホームサーバ41へ提供するか否かを判断する(S12)。
【0092】
性能判断テーブルにおいて、要求情報に含まれる性能情報により示されるホームサーバへ区間情報を提供すると設定されており、且つ、要求情報により示される放送地域が、要求情報により示されるコンテンツの区間情報を提供可能な地域に含まれる場合(S12:Yes)、判断部129は、要求情報により示されるコンテンツの区間情報の抽出を、抽出部130へ指示する。判断部129の指示を受けた抽出部130は、要求情報により示されるコンテンツの区間情報と、当該コンテンツの音声データの一部とを記憶部124から取得し(S13)、取得した区間情報と音声データとを通信部128を介して、ホームサーバ41へ送信し(S14)、区間情報の提供動作を終了する。
【0093】
一方、性能判断テーブルにおいて、性能情報により示されるホームサーバへ区間情報を提供しないと設定されているか、または、要求情報により示される放送地域が、要求情報により示されるコンテンツの区間情報を提供可能な地域に含まれない場合(S12:No)、判断部129は、区間情報を提供しないことを、通信部128を介してホームサーバ41へ通知し(S15)、区間情報の提供動作を終了する。
【0094】
以上の動作により、情報提供装置30は、ホームサーバ41が使用されている地域に応じて、区間情報を提供するか否かを判断することができる。また、精度の高い区間情報を生成できるホームサーバへ区間情報を提供しないことで、通信網のトラフィックを抑えることができる。
次に、本発明の変形例を説明する。
【0095】
図11は、本発明に係るコンテンツ蓄積システムの変形例を示す図である。
図11に示すコンテンツ蓄積システムは、録画再生装置51、52、及び53が、宅内に敷設されたIEEE1394(Institute of Electrical and Electronic Engineers)規格の通信回線等により接続された、所謂宅内ネットワークシステムである。
【0096】
録画再生装置51、52、及び53は、それぞれホームサーバ、コンピュータ、DVDレコーダ、ハードディスクレコーダ、ビデオレコーダ等の録画、再生機能を備えた装置である。
録画再生装置51は、図2に示すホームサーバ41に判断部116、及び抽出部117を加えたものである。尚、ホームサーバ41と同様の構成には同一の符号を付し、それらの説明を省略する。
【0097】
判断部116は、図7に示す性能判断テーブルを保持し、通信部107を介して録画再生装置52及び53から受け付けた要求情報に基づいて、要求された区間情報を、要求元の録画再生装置へ提供するか否かを判断する機能ブロックである。
判断部116は、性能判断テーブルに、性能情報により示される製品名及び型番のホームサーバへ区間情報を提供すると設定されており、且つ、区間情報記憶部111に要求された区間情報が記憶されている場合、抽出部117へ要求情報により示されるコンテンツの区間情報の抽出を指示し、性能判断テーブルに、性能情報により示される製品名及び型番のホームサーバへ区間情報を提供すると設定されており、且つ、区間情報記憶部111に要求された区間情報が記憶されていない場合、生成部109に要求された区間情報の生成を指示し、当該指示により生成され区間情報記憶部111に記憶される区間情報の抽出を抽出部117へ指示する。一方、上記以外の場合、判断部116は、要求元のホームサーバへ区間情報を提供しないと判断し、通信部107を介して区間情報を提供しないことを通知する。
【0098】
尚、判断部116は、性能判断テーブルに、性能情報により示される製品名及び型番のホームサーバへ区間情報を提供すると設定されており、且つ、区間情報記憶部111に要求された区間情報が記憶されていない場合の動作として、
要求情報により示されるコンテンツと同じコンテンツがコンテンツ記憶部104に記憶されていない場合、区間情報を提供しないと判断するとしてもよいし、通信部107を介して要求もとの録画再生装置から前記コンテンツを取得し、生成部109へ区間情報の生成を指示するとしてもよい。
【0099】
抽出部117は、判断部129からの指示を受け、要求情報により示されるコンテンツの区間情報と、当該コンテンツの音声データの一部とを、区間情報記憶部111から取得し、取得した区間情報と音声データとを、通信部107を介して要求もとのホームサーバへ送信する。
尚、録画再生装置52、及び53は、録画再生装置51と同様の構成であるため説明を省略する。
【0100】
以上の構成により、複数の録画再生装置を備えた宅内ネットワークにおいて、最も高い精度でコンテンツをインデクシングできる録画再生装置から、他の全ての録画再生装置が区間情報の提供を受けることができる。
<その他の変形例>
尚、本発明を上記の実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0101】
(1)本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなど、に記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0102】
また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリとを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
【0103】
また、前記プログラム又は前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、又は前記プログラム又は前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(2)本発明は、ホームサーバ装置の制御を行うLSIとしても実施可能である。このようなLSIは、図2、及び図11で図示するように、破線で囲んだ機能ブロックの一部または全部を集積化することで実現できる。これらの機能ブロックは、個別に1チップ化されても良いし一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0104】
例えば、図2の録画部102、生成部109、及び解析部110は、図12に示すように1チップに集積化することができる。LSI200は、録画命令を受け付けた場合、入力された映像データ及び音声データを、アナログ/デジタル変換後にVideoエンコーダ及びAudioエンコーダにおいて圧縮符号化してエレメンタリーストリーム(以下、「ES」という。)を生成する。その後、映像及び音声のESを多重化してプログラムストリーム(以下、「PS」という。)を生成し、コンテンツ記憶部104へ出力する。ここで、Mpeg2形式への圧縮符号化処理には、画像及び音声を解析して特徴量を検出する処理が含まれる。そこで、受け付けた録画命令に区間情報の生成を指示するタグが付されている場合、LSI200は、Videoエンコーダ及びAudioエンコーダから圧縮符号化の際に得られた解析結果をESとともに出力し、この解析結果を用いて区間情報を生成する。
【0105】
このようにLSI200は、Videoエンコーダ及びAudioエンコーダを、録画部102の一部の機能と解析部110の機能とに共用することで回路構成を簡素化している。
尚、ここではLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0106】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または、汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)やLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。このような技術には、バイオ技術の適応等が可能性としてありえる。
【0107】
(3)本実施の形態では、地上波のアナログテレビ放送により配信されたコンテンツをサブコンテンツ単位で利用可能なコンテンツ蓄積システムについて説明したが、本発明に係るコンテンツ蓄積システムを適用可能なコンテンツの配信形態は、地上波のアナログテレビ放送に限定されないのは勿論であり、本発明に係るコンテンツ蓄積システムは、地上波のデジタルテレビ放送、衛星放送、ケーブルTV放送、インターネット等を介したビデオストリーミング配信などの多様な配信形態に適用可能である。
【0108】
(4)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明の適用例としては、テレビ放送されたコンテンツを録画し再生するホームサーバ装置等がある。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明に係るコンテンツ蓄積システム1の使用形態を示す図。
【図2】情報提供装置30と、ホームサーバ41との構成を示す図。
【図3】要求部105が生成する要求情報のデータ構造を示す図。
【図4】区間情報のデータ構造を示す図。
【図5】区間情報を編集するためのGUI画面の一例を示す図。
【図6】サブコンテンツの開始時刻と提示時刻とを入力するためのGUI画面の一例を示す図。
【図7】判断部129が保持する性能判断テーブルのデータ構造を示す図。
【図8】判断部129が保持する対応エリアテーブルのデータ構造を示す図。
【図9】ホームサーバ41の動作の流れを示す図。
【図10】情報提供装置30の動作の流れを示す図。
【図11】本発明に係るコンテンツ蓄積システムの変形例を示す図。
【図12】録画部102、生成部109、及び解析部110を1チップに集積化したLSIの一例を示す図。
【符号の説明】
【0111】
1 コンテンツ蓄積システム
10 放送局
20 放送局
30 情報提供装置
41 ホームサーバ
42 ホームサーバ
51 録画再生装置
52 録画再生装置
101 受信部
102 録画部
103 時計部
104 コンテンツ記憶部
105 要求部
106 性能情報保持部
107 通信部
108 制御部
109 生成部
110 解析部
111 区間情報記憶部
112 時刻補正部
113 提示部
114 選択部
115 再生部
116 判断部
117 抽出部
121 受信部
122 録画部
123 時計部
124 記憶部
125 区間情報登録部
126 解析部
127 入力部
128 通信部
129 判断部
130 抽出部
200 LSI

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを記録するホームサーバ装置と、コンテンツを分割した複数の区間を示す区間情報をホームサーバ装置へ提供する情報提供装置とを有するコンテンツ蓄積システムであって、
前記情報提供装置は、
複数のコンテンツについて、それぞれに対応した区間情報を記憶している記憶手段と、
ホームサーバ装置において記録されたコンテンツに対応した第1区間情報を前記記憶手段から読み出し、ホームサーバ装置へ提供する提供手段とを備え、
前記ホームサーバ装置は、
コンテンツを取得し、記録するコンテンツ記録手段と、
情報提供装置から前記第1区間情報を取得する取得手段と、
前記記録されたコンテンツに係る第2区間情報を生成する生成手段と、
前記第1区間情報、及び前記第2区間情報の何れか一方を前記記録されたコンテンツに対応付けて記録する区間情報記録手段とを備える
ことを特徴としたコンテンツ蓄積システム。
【請求項2】
コンテンツを分割した複数の区間を示す区間情報を提供する情報提供装置から、区間情報の提供を受けるホームサーバ装置であって、
コンテンツを取得し、記録するコンテンツ記録手段と、
前記記録されたコンテンツに係る第1区間情報を、前記情報提供装置から取得する取得手段と、
前記記録されたコンテンツに係る第2区間情報を生成する生成手段と、
前記第1区間情報、及び前記第2区間情報の何れか一方を前記記録されたコンテンツに対応付けて記録する区間情報記録手段と
を備えることを特徴としたホームサーバ装置。
【請求項3】
コンテンツは、内容的にまとまりのある意味区間を複数含み、
前記第1区間情報により示される各区間は、前記第2区間情報により示される各区間よりも、前記記録されたコンテンツに含まれる意味区間と区切れの位置が類似する
ことを特徴とする請求項2に記載のホームサーバ装置。
【請求項4】
前記第1区間情報は、コンテンツの音声および画像の解析により検出される複数の種類の特徴量に基づいて生成された区間情報であり、
前記生成手段による第2区間情報の生成は、第1区間情報の生成に用いられた前記特徴量の種類よりも、少ない種類の特徴量に基づいてなされる
ことを特徴とする請求項3に記載のホームサーバ装置。
【請求項5】
前記生成手段による第2区間情報の生成は、前記記録されたコンテンツの音声の解析により検出される音声の特徴量にのみ基づいてなされる
ことを特徴とする請求項4に記載のホームサーバ装置。
【請求項6】
前記取得手段は、
前記記録されたコンテンツを識別する識別情報を情報提供装置へ送信することにより、第1区間情報の提供を要求する要求手段と、
情報提供装置から第1区間情報が提供された場合に、当該第1区間情報を受け取る受取手段とを含み、
前記生成手段による第2区間情報の生成は、情報提供装置から第1区間情報が提供されなかった場合にのみなされ、
前記区間情報記録手段は、第1区間情報が提供された場合、第1区間情報を前記コンテンツに対応付けて記憶し、第1区間情報が提供されなかった場合、第2区間情報を前記コンテンツに対応付けて記録する
ことを特徴とする請求項2に記載のホームサーバ装置。
【請求項7】
前記要求手段はさらに、第1区間情報の提供の可否を判断する基準となる判断情報を、前記識別情報と共に前記情報提供装置へ送信し、
前記区間情報記録手段は、情報提供装置において前記判断情報に基づいて第1区間情報を提供すると判断され、提供された第1区間情報が受取手段により受け取られた場合に、第1区間情報を前記コンテンツに対応付けて記録する
ことを特徴とする請求項6に記載のホームサーバ装置。
【請求項8】
前記要求手段により送信される判断情報は、生成手段において区間情報を生成する性能を示す
ことを特徴とする請求項7に記載のホームサーバ装置。
【請求項9】
区間情報は、対応するコンテンツの各区間を開始時刻により示し、
前記生成手段による第2区間情報の生成は、前記記録されたコンテンツを解析し、各区間の開始時刻を決定することによりなされる
ことを特徴とする請求項6に記載のホームサーバ装置。
【請求項10】
識別情報により識別されるコンテンツの音声の一部分と、第1区間情報により示される開始時刻と同じ時計で計時された当該一部分の再生時刻とを、情報提供装置から受け付け、
前記記録されたコンテンツの音声が前記受け付けた音声の一部分に一致する時点の再生時刻と前記受け付けた再生時刻との時間差を算出し、第1区間情報により示される開始時刻を、算出した時間差分補正する時刻補正手段
を更に備えることを特徴とする請求項9に記載のホームサーバ装置。
【請求項11】
区間情報記録手段によりコンテンツに対応付けて記録された区間情報によって示される区間のうちの何れかを選択する選択手段と、
前記コンテンツを、前記選択手段により選択された区間の開始時刻から再生する再生手段と
を更に備えることを特徴とする請求項9に記載のホームサーバ装置。
【請求項12】
前記区間情報は更に、それぞれの区間の内容を把握できる画像が表示される時点である提示時刻を示し、
ホームサーバ装置は更に、前記区間情報により示される各提示時刻に表示される画像を提示する提示手段を備え、
前記選択手段は、提示手段によって提示された画像の何れかを選択するユーザ操作に基づいて、選択された画像に対応する区間を選択する
ことを特徴とする請求項11に記載のホームサーバ装置。
【請求項13】
前記情報提供装置は、1つのコンテンツに対応して複数の区間情報を記憶しており、
前記要求手段は、さらに、情報提供装置において区間情報を選択する基準となる選択情報を、情報提供装置へ送信し、
前記受取手段は、情報提供装置において前期選択情報に基づいて選択された区間情報を受け取る
ことを特徴とする請求項6に記載のホームサーバ装置。
【請求項14】
前記情報提供装置は、1つのコンテンツに対応して、複数の放送地域のそれぞれに応じた複数の区間情報を記憶しており、
前記選択情報は、ホームサーバ装置が何れの放送地域で使用されるかを示す
ことを特徴とする請求項13に記載のホームサーバ装置。
【請求項15】
前記要求手段による要求は、コンテンツ記録手段においてコンテンツを記録している最中は抑制され、コンテンツ記録手段において前記コンテンツの記録が完了した後に実行され、
前記生成手段は、コンテンツ記録手段においてコンテンツを記録している最中は、前記コンテンツの記録済み部分に係る第3区間情報を、コンテンツの記録の進行に伴って生成し、
前記区間情報記録手段は、コンテンツ記録手段においてコンテンツを記録している最中である場合、前記第3区間情報を前記コンテンツに対応付けて記録し、コンテンツ記録手段において前記コンテンツの記録が完了した後に第1区間情報が提供された場合、第1区間情報を前記コンテンツに対応付けて記録する
ことを特徴とする請求項13に記載のホームサーバ装置。
【請求項16】
情報提供装置と通信可能か否かを判定する通信判定手段を、更に備え、
前記要求手段による要求は、通信判定手段による判定が否定的である場合に抑制され、
前記生成手段による第2区間情報の生成は、前記判定が否定的である場合になされ、
前記区間情報記録手段は、前記判定が否定的である場合、第2区間情報を前記コンテンツに対応付けて記憶する
ことを特徴とする請求項6に記載のホームサーバ装置。
【請求項17】
他のホームサーバ装置において蓄積されている所定のコンテンツを識別する識別情報と、前記所定のコンテンツの区間情報の提供の可否を判断する基準となる判断情報とを、前記他のホームサーバ装置から受け付ける要求受付手段と、
前記要求受付手段において受け付けた識別情報により識別される所定のコンテンツの区間情報を前記他のホームサーバ装置へ提供するか否かを、前記判断情報に基づいて判断する判断手段と、
前記判断手段における判断が肯定的であり、且つ、前記所定のコンテンツに対応した区間情報が前記区間情報記録手段により記録されている場合は、当該区間情報を前記他のホームサーバ装置へ提供し、
前記判断が肯定的であり、且つ、前記区間情報が前記区間情報記録手段により記録されていない場合は、前記所定のコンテンツの区間情報を生成手段によって生成し、当該生成した区間情報を前記他のホームサーバ装置へ提供する提供手段とを、
さらに備えることを特徴とする請求項6に記載のホームサーバ装置。
【請求項18】
前記判断情報は、前記他のホームサーバ装置の性能を示し、
前記判断手段は、前記判断情報が示す性能が自装置の性能よりも優れる場合、否定的に判断し、前記判断情報が示す性能が自装置の性能よりも劣る場合は、肯定的に判断する
ことを特徴とする請求項17に記載のホームサーバ装置。
【請求項19】
コンテンツを分割した複数の区間を示す区間情報をホームサーバ装置へ提供する情報提供装置であって、
複数のコンテンツについて、それぞれに対応した区間情報を記憶している記憶手段と、
ホームサーバ装置において蓄積されている所定のコンテンツを識別する識別情報を、前記ホームサーバ装置から受け付ける受付手段と、
前記識別情報により識別される所定のコンテンツに対応した区間情報が、前記記憶手段に記憶されている場合、当該区間情報を前記記憶手段から読み出し、ホームサーバ装置へ提供する提供手段と
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項20】
情報処理装置はさらに、区間情報の提供の可否を判断する基準となる判断情報に基づいて、前記所定のコンテンツの区間情報を前記ホームサーバ装置に提供するか否かを判断する判断手段を備え、
前記受付手段はさらに、前記判断情報をホームサーバ装置から受け付け、
前記提供手段は、前記判断手段における判断が肯定的である場合に区間情報を提供する
ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記判断情報は、前記ホームサーバ装置の性能を示す情報であって、
前記判断手段は、前記判断情報が示す性能が記憶手段により記憶されている区間情報を生成するために要する性能を満たさない場合は、肯定的に判断し、前記判断情報が示す性能が記憶手段により記憶されている区間情報を生成するために要する性能を満たす場合は、否定的に判断する
ことを特徴とする請求項20に記載の情報処理装置。
【請求項22】
前記コンテンツは、テレビ放送によって配信され、
前記識別情報は、前記コンテンツの配信元のチャンネルと、放送時間とを示す情報であり、
提供手段は、前記識別情報により示されるチャンネル及び放送時間によって識別されるコンテンツの区間情報を前記記憶手段から読み出し、当該読み出した区間情報を前記ホームサーバ装置に提供する
ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理装置。
【請求項23】
コンテンツを分割した複数の区間を示す区間情報を提供する情報提供装置から、区間情報の提供を受けるホームサーバ装置の集積回路であって、ホームサーバ装置は記憶手段を有し、
集積回路は、
前記記憶手段へコンテンツを記録する記録手段と、
前記記録されたコンテンツに係る第1区間情報を、前記情報提供装置から取得する取得手段と、
前記記録されたコンテンツに係る第2区間情報を生成する生成手段と、
前記第1区間情報、及び前記第2区間情報の何れか一方を前記記録されたコンテンツに対応付けて前記記憶手段へ記録する区間情報記録手段と
を備えることを特徴とする集積回路。
【請求項24】
コンテンツとコンテンツを分割した複数の区間を示す区間情報とを記憶装置へ記録する処理をコンピュータに実行させるプログラムであって
前記記憶装置へコンテンツを記録するコンテンツ記録ステップと、
区間情報を提供する情報提供装置から、前記記録されたコンテンツに係る第1区間情報を取得する取得ステップと、
前記記録されたコンテンツに係る第2区間情報を生成する生成ステップと、
前記第1区間情報、及び前記第2区間情報の何れかを前記録画されたコンテンツに対応付けて前記記憶装置へ記録する区間情報記録ステップと
を含むことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2007−527142(P2007−527142A)
【公表日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518510(P2006−518510)
【出願日】平成16年7月2日(2004.7.2)
【国際出願番号】PCT/JP2004/009770
【国際公開番号】WO2005/004480
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】