説明

コンテンツ記録再生装置及びポータブルコンテンツプレーヤ

【課題】コンテンツ記録再生装置におけるコンテンツ管理を容易にする。
【解決手段】コンテンツ記録再生装置(10)は、受信したコンテンツを記録する記録部(101)と、受信したコンテンツのダイジェストを生成するダイジェスト生成部(102)と、ポータブルコンテンツプレーヤ(20)に、ダイジェストを送信するための出力インタフェース(103)と、ポータブルコンテンツプレーヤ(20)からポータブルコンテンツプレーヤ(20)でのダイジェストの再生履歴を受信するための入力インタフェース(201)と、受信した再生履歴に基づいて記録部(101)に記録されたコンテンツの消去の可否を決定する管理部(105)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像、音声、データなどが多重化された地上デジタル放送などのマルチメディアコンテンツの記録再生装置に関し、特に、録り貯めた大量のコンテンツを容易に管理及び整理するコンテンツ記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハードディスクドライブ(HDD)の大容量化に伴い、一般家庭にあるHDD内蔵DVDレコーダなどのコンテンツ記録再生装置に大量のコンテンツを蓄積することができるようになってきた。しかし、一方で、録画はしたものの時間的制約からすべてのコンテンツを視聴することができないという事態が生じてきた。そこで、録画したコンテンツのダイジェストを生成することによって、例えば、1時間の番組について15分程度でその概要を把握できるようにする短時間視聴機能がHDD内蔵DVDレコーダやテレビ受信機能付きパソコンなどに搭載されている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、HDD内蔵DVDレコーダなどに録画したコンテンツを、著作権を保護しつつ外出先に持ち出して、ポータブルコンテンツプレーヤなどで視聴できるようにしている(例えば、特許文献3及び4参照)。
【特許文献1】特開2001―45408号公報
【特許文献2】特開2002―344871号公報
【特許文献3】特開2005―267304号公報
【特許文献4】特開2005―332092号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
HDDの容量には限りがあるため、録り貯めたコンテンツを適宜消去して整理する必要がある。上記の技術によって、確かに外出先でコンテンツのダイジェストを視聴することができるようにはなるが、その原版の整理はなおもコンテンツ記録再生装置において別途行わなければならない。また、複数のユーザが共通のコンテンツ記録再生装置を利用する場合には、コンテンツの整理に関してユーザ相互に確認をした上で当該コンテンツに対してフルアクセス権を有する代表ユーザが消去作業を行わなければならない。このように、コンテンツの管理は比較的煩雑である。
【0004】
上記問題に鑑み、本発明は、コンテンツ記録再生装置におけるコンテンツ管理を容易にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は、受信したコンテンツの記録及び再生をするコンテンツ記録再生装置として、受信したコンテンツを記録する記録部と、受信したコンテンツのダイジェストを生成するダイジェスト生成部と、ポータブルコンテンツプレーヤにダイジェストを送信するための出力インタフェースと、ポータブルコンテンツプレーヤからポータブルコンテンツプレーヤでのダイジェストの再生履歴を受信するための入力インタフェースと、受信した再生履歴に基づいて記録部に記録されたコンテンツの消去の可否を決定する管理部とを備えたものとする。
【0006】
これによると、コンテンツ記録再生装置に記録されているコンテンツのダイジェストをポータブルコンテンツプレーヤで視聴することができるため、コンテンツ記録再生装置に記録されたコンテンツを確認する機会が増え、録り貯めたコンテンツの整理が促進される。また、ポータブルコンテンツプレーヤでのダイジェストの再生履歴がコンテンツ記録再生装置における原版コンテンツの管理に反映されるため、コンテンツ記録再生装置に録り貯めたコンテンツの整理が容易になる。
【0007】
具体的には、ダイジェスト生成部は、受信したコンテンツのデータを間引いて、又は、受信したコンテンツにおけるハイライトのデータ及びそれ以外のデータのそれぞれについて異なる圧縮率でデータ圧縮をして、ダイジェストを生成する。
【0008】
好ましくは、入力インタフェースは、ポータブルコンテンツプレーヤからダイジェストに係るコンテンツに対するユーザの評価を受信するものとする。また、管理部は、受信したユーザの評価に基づいて記録部に記録されたコンテンツの消去の可否を決定するものとする。具体的には、当該評価は、ダイジェストの原版コンテンツの消去の可否に係るユーザの意向を示すデータである。これによると、ユーザの意向を反映したコンテンツの整理が可能となる。
【0009】
一方、本発明が講じた手段は、受信したコンテンツの記録及び再生をするコンテンツ記録再生装置として、受信したコンテンツを記録する記録部と、受信したコンテンツのダイジェストを生成するダイジェスト生成部と、記録部に記録されたコンテンツについてユーザごとの当該原版及びダイジェストの再生履歴に基づいて消去の可否を決定する管理部とを備えているものとする。
【0010】
これによると、複数のユーザが1台のコンテンツ記録再生装置を共用する場合において、ユーザ間の意思疎通がうまくいかずにコンテンツが不用意に消去されるといったことをなくすことができる。
【0011】
好ましくは、管理部は、記録部に記録されたコンテンツについてユーザごとの当該コンテンツに対する評価に基づいて消去の可否を決定するものとする。具体的には、当該評価は、原版の消去の可否に係るユーザの意向を示すデータである。これによると、複数のユーザの意向を反映したコンテンツの整理が可能となる。
【0012】
また、好ましくは、上記のコンテンツ記録再生装置は、ポータブルコンテンツプレーヤにダイジェストを送信するための出力インタフェースと、ポータブルコンテンツプレーヤからポータブルコンテンツプレーヤでのダイジェストの再生履歴を受信するための入力インタフェースとを備えたものとする。そして、管理部は、ユーザごとの受信した再生履歴に基づいて記憶部に記録されたコンテンツの消去の可否を決定するものとする。
【0013】
より好ましくは、ポータブルコンテンツプレーヤは、当該コンテンツ記録再生装置のユーザごとに固有のものとする。また、管理部は、再生履歴の送信元のポータブルコンテンツプレーヤに対応するユーザを識別するものとする。
【0014】
また、より好ましくは、入力インタフェースは、ポータブルコンテンツプレーヤからダイジェストに係るコンテンツに対するユーザの評価を受信するものとする。また、管理部は、ユーザごとの受信した評価に基づいて記憶部に記録されたコンテンツの消去の可否を決定するものとする。具体的には、当該評価は、原版の消去の可否に係るユーザの意向を示すデータである。
【0015】
一方、本発明が講じた手段は、与えられたコンテンツを再生する可搬型のプレーヤとして、上記のコンテンツ記録再生装置からダイジェストを受信するための入力インタフェースと、当該プレーヤでのダイジェストの再生履歴を管理する管理部と、コンテンツ記録再生装置に再生履歴を送信するための出力インタフェースとを備えたものとする。
【0016】
好ましくは、管理部は、ダイジェストに係るコンテンツ対するユーザの評価を管理するものとする。具体的には、当該評価は、ダイジェストの原版の消去の可否に係るユーザの意向を示すデータである。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明によると、コンテンツ記録再生装置を一人のユーザが専用する又は複数のユーザが共用するとにかかわらず、コンテンツ記録再生装置に記録されたコンテンツの整理が促進され、また、コンテンツ管理が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るコンテンツ記録再生装置及びポータブルコンテンツプレーヤからなるシステムの構成を示す。コンテンツ記録再生装置10は、据え置き型のHDD内蔵テレビ放送受信機、テレビ放送受信機能付きパソコン、HDDレコーダなどである。また、ポータブルコンテンツプレーヤ20は、携帯電話機、PDA、動画表示機能付き携帯音楽プレーヤなどである。
【0020】
コンテンツ記録再生装置10は、地上デジタル放送などからコンテンツを受信してそれを記録及び再生する機能、必要に応じてハイライトシーンを集約あるいは時間軸を圧縮するなどして受信したコンテンツのダイジェストを生成する機能、及びポータブルコンテンツプレーヤ20と通信する機能を有する。具体的には、装置10は、HDD101、ダイジェスト生成部102、出力インタフェース103、入力インタフェース104、及び管理部105を備えている。
【0021】
ポータブルコンテンツプレーヤ20は、装置10から所望のコンテンツのダイジェストを受信してこれを再生する機能、及び当該ダイジェストの再生履歴及びこれに対するユーザの評価を管理する機能、及び当該管理している情報を装置10に送信する機能を有する。具体的には、プレーヤ20は、入力インタフェース201、管理部202、及び出力インタフェース203を備えている。
【0022】
装置10からプレーヤ20に送信されるダイジェストはメモリ204に記憶される。メモリ204は、プレーヤ20に組み込まれていてもよいし、フラッシュメモリ、USBメモリ、SDカード、CFメモリカードなどの取り外し可能な記憶媒体であってもよい。後者の場合、装置10はメモリ204にダイジェストを書き込み、プレーヤ20はメモリ204からダイジェストを読み出すことで、装置10からプレーヤ20にダイジェストが送信される。
【0023】
次に、本実施形態に係るシステムの動作について図2に示した動作フローを参照しながら説明する。ダイジェスト生成部102は、HDD101へのコンテンツの記録と並行して又はHDD101に記録されたコンテンツを読み出し、当該コンテンツにおけるハイライトの度合いを表すパラメータB0を算出する(S11)。パラメータB0は、所定の評価関数に、音量や音の特徴、画像の明るさ、ズームインやシーンチェンジなどの時間的な画像変化量などの各評価値を与えることによって算出される。なお、字幕データやブルーレイディスク(BD)のメタデータなどの補助データがダイジェスト生成部102に与えられる場合には、当該補助データを加味してパラメータB0を算出するようにしてもよい。ダイジェスト生成部102は、生成したダイジェストが目標時間B1に収まるようにパラメータB0の閾値BTを決定する。目標時間B1は、管理部105にUIデータとして入力される(S12)。そして、ダイジェスト生成部102は、パラメータB0及び閾値BTに基づいてダイジェストを生成し、当該生成したダイジェストをその原版コンテンツのIDと関連づけてHDD101に記録する(S13)。
【0024】
なお、HDD101にはダイジェストではなくパラメータB0のみを記録するようにしてもよい。この場合、ダイジェストの再生又は外部出力の度にリアルタイムでダイジェストを生成しなければならないため、比較的大きな処理能力が要求されるが、HDD101における記憶容量の消費が削減できるというメリットがある。逆に、HDD101にダイジェストを記録する場合には、HDD101における記憶容量が多く消費されるが、処理能力が比較的小さくて済むというメリットがある。
【0025】
ユーザは、自宅などに設置された装置10でダイジェストを視聴することもできるし、プレーヤ20に転送して外出先で視聴することもできる。ダイジェストをプレーヤ20で再生するには、まず、出力インタフェース103からプレーヤ20にダイジェストを送信する(S14)。場合によってはメタデータもプレーヤ20に送信してもよい。これら送信は、USB回線、1394回線、有線/無線LAN回線、HDMI回線などを通じて実行される。また、SDカードなどの記憶媒体を介してプレーヤ20にダイジェストを渡すようにしてもよい。これにより、プレーヤ20におけるメモリ204にダイジェストが格納され、プレーヤ20においてダイジェストを再生することができる。
【0026】
プレーヤ20でダイジェストを再生すると管理部202によってその再生履歴が記録される。また、当該ダイジェストに係るコンテンツに対するユーザの評価を記録してもよい。具体的に、当該評価は、「消去可」、「永久保存」、「再視聴希望」などの、原版コンテンツの消去の可否に係るユーザの意向を示すデータである。ユーザの評価は、管理部202にUIデータとして入力される。これら再生履歴及びユーザの評価は、原版コンテンツのIDと関連づけてメモリ204又はその他の適当なメモリに記録される(S15)。
【0027】
プレーヤ20を外出先から持ち帰って自宅などに設置された装置10に接続すると、プレーヤ20に記録されている再生履歴及びユーザの評価が、出力インタフェース203から適当な通信回線を介して装置10に送信される。装置10における入力インタフェース104は、プレーヤ20において記録された再生履歴及びユーザの評価を原版コンテンツのIDと関連づけて読み出す(S16)。管理部105は、プレーヤ20から読み出した再生履歴及びユーザの評価に基づいて、原版コンテンツを「消去可」、「永久保存」、「フルデータでの再視聴」などのランクに分けて原版コンテンツの消去の可否を決定する(S17)。装置10側での原版コンテンツ及びダイジェストのそれぞれの再生履歴及びユーザの評価と合わせて原版コンテンツの消去の可否を決定してもよい。「消去可」にランク分けされた原版コンテンツは、速やかに消去してもよいし、HDD101の残容量が少なくなったときに消去してもよい。
【0028】
以上説明したように、本実施形態によると、コンテンツ記録再生装置10に記録されたコンテンツのダイジェストを所望の時間と場所においてポータブルコンテンツプレーヤ20で視聴することができる。これにより、コンテンツ記録再生装置10に記録されたコンテンツを確認する機会が増え、録り貯めたコンテンツの整理が促進される。また、ポータブルコンテンツプレーヤ20でのダイジェストの再生履歴及びユーザの評価がコンテンツ記録再生装置10における原版コンテンツの管理に反映される。これにより、コンテンツ記録再生装置10に録り貯めたコンテンツの整理が容易になる。
【0029】
(第2の実施形態)
第1の実施形態ではコンテンツ記録再生装置のユーザが一人であることを想定しているが、第2の実施形態では複数のユーザが1台のコンテンツ記録再生装置を共用する場合を取り扱う。本実施形態に係るシステムは、基本的には図1に示したシステムと同様の構成をしている。以下、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0030】
HDD101にはユーザ別の管理データが格納されている。管理部105は、入力されたログインIDによってユーザを識別する。場合によってはパスワードを用いてユーザ認証を行う。これらログインID及びパスワードはUIデータとして与えられる。また、プレーヤ20はユーザごとに固有のものであり、機器IDによって識別可能となっている。
【0031】
次に、本実施形態に係るシステムの動作について図3に示した動作フローを参照しながら説明する。管理部105は、ログインID及び必要に応じてパスワードによってユーザ認証を行い、認証したユーザごとにコンテンツの記録や録画予約などの管理を行う(S21)。HDD101に記録されたコンテンツについては、それを作成したユーザがオーナー権限を有する。あるコンテンツについてオーナー権限を有するユーザは、当該コンテンツにアクセスする他のユーザを追加登録することができる。管理部105は、HDD101に記録された各コンテンツの原版及びダイジェストについてのユーザごとの再生履歴及び場合によっては評価を参照して適宜コンテンツの整理を行う(S22)。具体的には、あるコンテンツについて登録されている全ユーザが当該コンテンツに対して「消去可」の評価をしているとき、管理部105は当該コンテンツを消去可能であると決定する。
【0032】
ダイジェスト生成部102によって生成されたダイジェストは外部に持ち出してプレーヤ20で再生することも可能である。この場合、ダイジェスト及び場合によってはメタデータが、出力インタフェース103からユーザに固有のプレーヤ20に出力される(S24)。プレーヤ20でのダイジェストの再生履歴及びユーザの評価は、原版コンテンツのIDと関連づけてメモリ204又はその他の適当なメモリに記録される(S25)。
【0033】
その後、プレーヤ20が装置10に接続されると、入力インタフェース104は、プレーヤ20から機器ID、ダイジェストの再生履歴及びユーザの評価を読み出す(S25)。管理部105は、読み出された機器IDから当該プレーヤ20のユーザを特定する。そして、読み出された再生履歴及びユーザの評価を参照して、HDD101に格納された当該ユーザの管理データを更新する(S26)。その後、管理部105は、各ユーザの管理データを参照して、HDD101に記録された各コンテンツの消去の可否を決定する(S27)。
【0034】
図4は、管理データの具体例を可視化したものである。本例では、3つのコンテンツ「番組1」、「番組2」及び「番組3」が管理されている。装置10を利用するユーザは4人おり、ユーザF1〜F4は、装置10(ホーム機器)においてそれぞれのユーザID「ID_1」、「ID_2」、「ID_3」及び「ID_4」として識別される。また、ユーザF1〜F4のそれぞれの固有のプレーヤ20(ポータブル機器)は、それぞれの機器ID「PID_1」、「PID_2」、「PID_3」及び「PID_4」として識別される。
【0035】
「番組1」についての管理状況は次のようになっている。すなわち、ユーザF1、F2、F3及びF4が登録されており、オーナーはユーザF1である。ユーザF1は、プレーヤ20においてダイジェストを視聴して「消去可」の評価を与えた。ユーザF2は、装置10においてダイジェストを視聴して「消去可」の評価を与えた。ユーザF3は、装置10において原版を視聴して「消去可」の評価を与えた。ユーザF4は、装置10においてダイジェストを視聴して「再視聴」の評価を与えたが、その後、装置10において原版を視聴して「消去可」の評価を与えた。以上の管理状況から、管理部105は、登録された全ユーザが「消去可」の評価を与えているため、「番組1」について「消去可」の決定をする。
【0036】
「番組2」についての管理状況は次のようになっている。すなわち、ユーザF2及びF4が登録され、オーナーはユーザF2である。ユーザF2は、プレーヤ20においてダイジェストを視聴して「保存」の評価を与えた。ユーザF4は、装置10において原版を視聴して「消去可」の評価を与えた。以上の管理状況から、管理部105は、登録された全ユーザのうち一人が「保存」の評価を与えているため、「番組2」について「保存」の決定をする。
【0037】
「番組3」についての管理状況は次のようになっている。すなわち、ユーザF2のみが登録され、オーナーはユーザF2である。ユーザF2は、プレーヤ20においてダイジェストを視聴して「再視聴」の評価を与えた。しかし、装置10においては未視聴となっているため、評価と実際の再生履歴とが不整合を起こしている。以上の管理状況から、管理部105は、「番組3」についての処分を保留し、結果として、「番組3」は再視聴待ち、すなわち、「保存」の決定がされる。
【0038】
各コンテンツについて、再生履歴とユーザの評価との組み合わせはさまざまである。図4はそれらのほんの一例を示したに過ぎない。全般的な共通ルールとして、全ユーザが最終的に「消去可」の評価を与えたコンテンツは「消去可」にする。一人でも「保存」の評価を与えていれば、そのコンテンツは「保存」する。なお、未視聴の期間を参照して、例えば、長期間未視聴のまま放置されているコンテンツについては「消去可」にしてもよい。また、オーナーの権限で強制的に「消去可」にしてもよい。
【0039】
以上説明したように、本実施形態によると、複数のユーザが1台のコンテンツ記録再生装置10を共用する場合において、ユーザ別の管理データを参照してコンテンツを管理することができる。これにより、ユーザ間の意思疎通がうまくいかずにコンテンツが不用意に消去されるといったことをなくすことができる。また、ポータブルコンテンツプレーヤ20でのダイジェストの再生履歴及びユーザの評価がコンテンツ記録再生装置10における原版コンテンツの管理に反映される。これにより、コンテンツ記録再生装置10に録り貯めたコンテンツの整理が容易になる。
【0040】
なお、ダイジェストを持ち出さない利用形態であれば、図3に示したステップS23〜S26は不要である。また、ユーザ認証をコンテンツの視聴制限に利用してもよい。
【0041】
また、第1及び第2の実施形態において、プレーヤ20においてユーザ認証を行うようにしてもよい。この場合、ユーザID及びパスワードはUIデータとして管理部202に入力される。また、ダイジェストは、ロスレス圧縮などのデータ圧縮のみで時間軸圧縮を伴わないものであってもよい。さらに、例えば、「1ヶ月後に消去可」といった時限を伴った評価を採用してもよい。この場合、より柔軟なコンテンツ管理が可能となる。一方、プレーヤ20はダイジェストの再生履歴のみを記録するようにしてもよい。この場合、評価の入力をする手間が省け、操作が簡易になるというメリットがある。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係るコンテンツ記録再生装置は、録り貯めたコンテンツの効率的な整理が可能であるため、特に大容量のHDDレコーダなどとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係るコンテンツ記録再生装置及びポータブルコンテンツプレーヤからなるシステムの構成図である。
【図2】第1の実施形態に係るシステムの動作フロー図である。
【図3】第2の実施形態に係るシステムの動作フロー図である。
【図4】本発明に係るコンテンツ管理に係る管理データを可視化した図である。
【符号の説明】
【0044】
10 コンテンツ記録再生装置
101 HDD(記録部)
102 ダイジェスト生成部
103 出力インタフェース
104 入力インタフェース
105 管理部
20 ポータブルコンテンツプレーヤ
201 入力インタフェース
202 管理部
203 出力インタフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したコンテンツの記録及び再生をするコンテンツ記録再生装置であって、
前記受信したコンテンツを記録する記録部と、
前記受信したコンテンツのダイジェストを生成するダイジェスト生成部と、
ポータブルコンテンツプレーヤに、前記ダイジェストを送信するための出力インタフェースと、
前記ポータブルコンテンツプレーヤから、前記ポータブルコンテンツプレーヤでの前記ダイジェストの再生履歴を受信するための入力インタフェースと、
前記受信した再生履歴に基づいて、前記記録部に記録されたコンテンツの消去の可否を決定する管理部とを備えた
ことを特徴とするコンテンツ記録再生装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ記録再生装置において、
前記ダイジェスト生成部は、前記受信したコンテンツのデータを間引いて前記ダイジェストを生成する
ことを特徴とするコンテンツ記録再生装置。
【請求項3】
請求項1に記載のコンテンツ記録再生装置において、
前記ダイジェスト生成部は、前記受信したコンテンツにおけるハイライトのデータ及びそれ以外のデータのそれぞれについて、異なる圧縮率でデータ圧縮をして前記ダイジェストを生成する
ことを特徴とするコンテンツ記録再生装置。
【請求項4】
請求項1に記載のコンテンツ記録再生装置において、
前記入力インタフェースは、前記ポータブルコンテンツプレーヤから、前記ダイジェストに係るコンテンツに対するユーザの評価を受信するものであり、
前記管理部は、前記受信したユーザの評価に基づいて、前記記録部に記録されたコンテンツの消去の可否を決定する
ことを特徴とするコンテンツ記録再生装置。
【請求項5】
請求項1に記載のコンテンツ記録再生装置において、
前記評価は、前記ダイジェストの原版コンテンツの消去の可否に係るユーザの意向を示すデータである
ことを特徴とするコンテンツ記録再生装置。
【請求項6】
受信したコンテンツの記録及び再生をするコンテンツ記録再生装置であって、
前記受信したコンテンツを記録する記録部と、
前記受信したコンテンツのダイジェストを生成するダイジェスト生成部と、
前記記録部に記録されたコンテンツについて、ユーザごとの、当該原版及び前記ダイジェストの再生履歴に基づいて、消去の可否を決定する管理部とを備えた
ことを特徴とするコンテンツ記録再生装置。
【請求項7】
請求項6に記載のコンテンツ記録再生装置において、
前記管理部は、前記記録部に記録されたコンテンツについて、ユーザごとの、当該コンテンツに対する評価に基づいて、消去の可否を決定する
ことを特徴とするコンテンツ記録再生装置。
【請求項8】
請求項6に記載のコンテンツ記録再生装置において、
ポータブルコンテンツプレーヤに、前記ダイジェストを送信するための出力インタフェースと、
前記ポータブルコンテンツプレーヤから、前記ポータブルコンテンツプレーヤでの前記ダイジェストの再生履歴を受信するための入力インタフェースとを備え、
前記管理部は、ユーザごとの前記受信した再生履歴に基づいて、前記記憶部に記録されたコンテンツの消去の可否を決定する
ことを特徴とするコンテンツ記録再生装置。
【請求項9】
請求項8に記載のコンテンツ記録再生装置において、
前記ポータブルコンテンツプレーヤは、当該コンテンツ記録再生装置のユーザごとに固有のものであり、
前記管理部は、前記再生履歴の送信元のポータブルコンテンツプレーヤに対応するユーザを識別する
ことを特徴とするコンテンツ記録再生装置。
【請求項10】
請求項8に記載のコンテンツ記録再生装置において、
前記入力インタフェースは、前記ポータブルコンテンツプレーヤから、前記ダイジェストに係るコンテンツに対するユーザの評価を受信するものであり、
前記管理部は、ユーザごとの前記受信した評価に基づいて、前記記憶部に記録されたコンテンツの消去の可否を決定する
ことを特徴とするコンテンツ記録再生装置。
【請求項11】
請求項7及び10のいずれか一つに記載のコンテンツ記録再生装置において、
前記評価は、前記原版の消去の可否に係るユーザの意向を示すデータである
ことを特徴とするコンテンツ記録再生装置。
【請求項12】
与えられたコンテンツを再生する可搬型のプレーヤであって、
請求項1及び8のいずれか一つに記載のコンテンツ記録再生装置から、前記ダイジェストを受信するための入力インタフェースと、
当該プレーヤでの前記ダイジェストの再生履歴を管理する管理部と、
前記コンテンツ記録再生装置に、前記再生履歴を送信するための出力インタフェースとを備えた
ことを特徴とするポータブルコンテンツプレーヤ。
【請求項13】
請求項12に記載のポータブルコンテンツプレーヤにおいて、
前記管理部は、前記ダイジェストに係るコンテンツ対するユーザの評価を管理する
ことを特徴とするポータブルコンテンツプレーヤ。
【請求項14】
請求項12に記載のポータブルコンテンツプレーヤにおいて、
前記評価は、前記ダイジェストの原版の消去の可否に係るユーザの意向を示すデータである
ことを特徴とするポータブルコンテンツプレーヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−108364(P2008−108364A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290739(P2006−290739)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】