説明

コンテンツ送信装置、再生装置およびコンテンツ再生方法

【課題】
ユーザがコンテンツの再生を中断し、他の機器でコンテンツの再生を再開したい場合に、簡単にコンテンツの再生を再開できる機能を提供すること。
【解決手段】
第一の装置においてボタン操作によりコンテンツの停止位置およびコンテンツのURLおよびコンテンツを停止した時刻をレジューム情報として作成し、レジューム情報の要求により送信し、第二の装置においてボタン操作によりレジューム情報を要求し、受信した1つ以上のレジューム情報からコンテンツを停止した最新の時刻を含むレジューム情報を選出して、レジューム情報のコンテンツURLおよび停止位置を元にコンテンツを要求し、コンテンツの再生を再開する仕組みとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介してコンテンツを送信または受信して再生するコンテンツ装置およびコンテンツ再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
家庭用レコーダやテレビ、オーディオコンポなどAV家電機器は、近年IPネットワークを介した相互接続への対応が進んでいる。特に、DLNA (Digital Living Network Alliance)といった家庭内ネットワークにおける相互接続規格に対応することで、相互接続性の向上を図っている。 なお、以下ネットワークを介してコンテンツを送信する機能を有する装置をサーバ、ネットワークを介してコンテンツを受信して再生する機能を有する装置をクライアントとする。サーバとクライアントが同一の装置に実装されていても良い。
【0003】
AV家電機器を用いた家庭内ネットワークでは、サーバが保持するコンテンツをクライアントで再生することを第一の目的としている。この目的を達するため、相互接続可能なサーバは一般に、再生可能なコンテンツのリストを送信する機能およびコンテンツを送信する機能を有し、クライアントはコンテンツのリストを受信する機能および、リストからコンテンツを指定してサーバにコンテンツ送信を要求し、サーバからコンテンツを受信して再生する機能を有する。
【0004】
一方、サーバ装置および複数のクライアント装置がネットワークで相互接続されている場合は、次のような課題が生ずる。例えば、相互接続可能なレコーダA(サーバ)、テレビB(クライアント)、テレビC(クライアント)が存在する家庭内ネットワークにおいて、ユーザDがレコーダAのコンテンツをテレビBで視聴していたとする。ユーザDがテレビB上での視聴を中断し、テレビCへ移動して、中断した箇所(以下、レジュームポイント)から再生再開(以下、レジューム)を希望する場合、ネットワークを介したレジューム処理が必要となる。なお、レジューム処理が無い装置の場合は、テレビCにおいて同一のコンテンツを選択し、レジュームポイントまでユーザが早送りなどの操作をして、再生再開をするという面倒な操作となる。
【0005】
このような課題に対応可能な、幾つかの解決策が提示されている。例えば、特許文献1では、ユーザがクライアントEで視聴を停止する際に後で視聴するクライアント(クライアントFとする)を指定し、クライアント情報としてレジュームポイントとともにサーバ上に保存する。ユーザがクライアントFからサーバにコンテンツの送信を要求すると、クライアントFのクライアント情報からレジュームするコンテンツおよびレジュームポイントを算出し、クライアントFからは特に操作無くレジュームが可能となる。本方法では、レジュームするクライアントの情報とレジュームするコンテンツおよびレジュームポイントがサーバ上で対応付けられている点がポイントである。また、特許文献1の別の方法では、ユーザがクライアントEで視聴を停止する際にユーザIDをレジュームポイントとともにサーバ上に保存する。ユーザが異なるクライアントFから、コンテンツの送信要求およびユーザIDをサーバに対して送信すると、ユーザIDからレジュームするコンテンツおよびレジュームポイントを算出し、レジュームが可能となる。本方法では、ユーザIDとレジュームするコンテンツおよびレジュームポイントがサーバ上で対応付けられている点がポイントである。
【0006】
特許文献2では、ユーザがクライアントE上で視聴を停止する際に、リモコンGのIDをレジュームポイントとともにサーバ上に保存する。ユーザは同一のリモコンGを使用して他のクライアントFからサーバにコンテンツの送信を要求すると、リモコンGのIDからレジュームするコンテンツおよびレジュームポイントを算出し、レジュームが可能となる。本方法では、リモコンのIDとレジュームするコンテンツおよびレジュームポイントがサーバ上で対応付けられている点がポイントである。
【0007】
特許文献3では、特許文献1と同じくユーザIDを用いたレジュームが述べられている。 特許文献4では、ユーザがクライアントEで視聴を停止する際に、コンテンツの情報とともにレジュームポイントをサーバ上に保存する。ユーザがクライアントF上で同じコンテンツを指定して再生を要求すると、コンテンツとともに保存されたレジュームポイントを使用してレジュームを行う。本方法では、コンテンツとレジュームポイントがサーバ上で対応付けられている点がポイントである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−102415号公報
【特許文献2】特開2002−281569号公報
【特許文献3】特開2004−229035号公報
【特許文献4】特開2005−323068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
コンテンツの視聴を停止し、他のクライアントで直ちに同じコンテンツを再生したい場合、視聴停止時に後で視聴するクライアントを指定する方法は、クライアントを指定する操作がユーザにとって面倒である。また、ユーザIDを用いる方法は、ユーザを認識するための装置が必要になるもしくはユーザID入力のためのユーザ操作が必要となる。IDを持つ特別なリモコンを使用する方法は、リモコンを持ち歩かなければならないことが面倒である。コンテンツを指定する方法は、コンテンツを指定することがユーザにとって煩雑な操作となる。 本発明が解決しようとする課題は、ユーザがコンテンツの再生を中断し、他の機器でコンテンツの再生を再開したい場合に、簡単にコンテンツの再生を再開できる機能を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成する為に、本発明のコンテンツ受信再生装置は、コンテンツ再生の停止指示を入力する手段、コンテンツの停止位置を検出する手段、コンテンツの停止位置およびコンテンツのURL(Uniform Resource Locator)およびコンテンツを停止した時刻をレジューム情報として送信する手段、レジューム情報の送信要求を受信する手段を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明のコンテンツ受信再生装置は、前記コンテンツ再生の停止指示を入力する手段が、コンテンツ再生の再開指示を入力する手段と同一の手段であることを特徴とする。 また、本発明のコンテンツ受信再生装置は、前記コンテンツを停止した時刻が、前記コンテンツ再生の停止指示を入力した時刻であることを特徴とする。 また、本発明のコンテンツ受信再生装置は、前記コンテンツ再生の停止指示を入力した後に、装置の電源をオフにする指示を受けた場合、一定時間経過後もしくはレジューム情報を送信した後に装置の電源をオフにすることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のコンテンツ受信再生装置は、コンテンツ再生の再開指示を入力する手段、レジューム情報の送信要求を送信する手段、レジューム情報を受信する手段、1つ以上受信したレジューム情報からコンテンツを停止した最新の時刻を含むレジューム情報を選出する手段、該レジューム情報のコンテンツのURLに対しておよびコンテンツの停止位置を含むコンテンツ送信要求を送信する手段を備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明のコンテンツ受信再生装置は、前記コンテンツ再生の再開指示の入力により、電源をオンにする入力と同等の処理が実行される手段を備えることを特徴とする。 また、本発明のコンテンツ受信再生装置は、前記1つ以上受信したレジューム情報からコンテンツを停止した最新の時刻を含むレジューム情報を選出する手段が、一定時間のうちに受信したレジューム情報から最新の時刻を含むレジューム情報を選出する手段であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明のコンテンツ送信装置は、コンテンツの停止位置およびコンテンツのURLおよびコンテンツを停止した時刻をレジューム情報として受信する手段、レジューム情報の送信要求を受信する手段、レジューム情報を送信する手段を備えることを特徴とする。
【0015】
また、本発明のコンテンツ受信再生装置は、コンテンツ再生の停止指示を入力する手段、コンテンツの停止位置を検出する手段、コンテンツの停止位置およびコンテンツのURLおよびコンテンツを停止した時刻をレジューム情報として送信する手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明のワンタッチレジューム機能付きコンテンツ送信装置および受信再生装置は、リモコンのワンタッチレジュームボタンを押すだけで、再生を中断したコンテンツを続きから再生再開することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例によるコンテンツ装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例による基本フローである。
【図3】本発明の実施例によるレジューム情報のテーブル例である。
【図4】本発明の実施例で用いるリモートコントローラの例である。
【図5】本発明の別の実施例によるサーバにレジューム情報提供部を具備する場合の構成図である。
【図6】本発明の別の実施例によるサーバにレジューム情報提供部を具備する場合のフローである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
コンテンツ装置にワンタッチレジューム機能を付け、コンテンツの再生を停止した装置とは異なる装置において簡単にコンテンツの再生を再開するという目的を、最小のユーザ操作で実現した。
【実施例1】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の実施例1について説明する。 図1は、本発明の実施例1によるワンタッチレジューム付きコンテンツ送信装置およびコンテンツ受信再生装置の全体構成を説明する図である。
【0020】
101および151はそれぞれ異なる部屋を示している。102、152はそれぞれ異なるサーバであり、コンテンツ送信装置に相当する。111および161はコンテンツ送信部であり、ネットワーク140を介してコンテンツを送信することができる。なお、サーバ102、152は一般的なHDDレコーダやPCなどコンテンツを保持する機能を有する機器であり、コンテンツ送信部以外にも一般的なHDDレコーダやPCなどが保持する機能を有するが、本図では省略されている。103、153はそれぞれ異なるクライアントであり、コンテンツ受信再生装置に相当する。112および162はコンテンツ受信部であり、ネットワーク140からコンテンツを受信することができる。
【0021】
なお、クライアント103、153は一般的なデジタルテレビやPCなどコンテンツを再生する機能を有する機器であり、コンテンツ受信部以外にも一般的なデジタルテレビやPCなどが保持する機能を有するが、本図では省略されている。113および163は本発明の特徴であるレジューム情報提供部である。レジューム情報提供部では、レジューム情報取得部114、164からの要求によりレジューム情報を送信することができる。
【0022】
図1において、ユーザA(104)がサーバAに存在するコンテンツをクライアントAで視聴している(状態1)。コンテンツの流れは121で示される。このとき、ユーザAはクライアントAに対して視聴を停止する。すると、コンテンツのURLやレジュームポイント、レジューム時刻の記述されたレジューム情報がクライアントA上で作成され、レジューム情報提供部113で他の装置に提供可能な状態となる。
【0023】
次に、同じユーザAが部屋Bに移動したとする。移動後のユーザA(154)は、本発明の特徴であるワンタッチレジュームボタンを押下する。すると、レジューム情報取得部164は、他の装置からレジューム情報を取得する(141)。レジューム情報取得部は、最新のレジューム時刻が記述されたレジューム情報を最新レジューム情報として選出する。次に、クライアントBでは、選出した最新レジューム情報を用いて、再開側レジューム処理を実行する。再開側レジューム処理とは、レジューム情報に記述されたコンテンツのURLやレジュームポイントを用いて、コンテンツを取得し、再生する処理である。再開側レジューム処理を実行すると、171で示したようにサーバAからコンテンツを送信し、クライアントBで受信して再生する。 以上のような構成により、ユーザはコンテンツの視聴を停止し、他のクライアントでワンタッチレジュームボタンを押すだけで、コンテンツの視聴を再開することができる。
【0024】
図2は、本発明の全体フロー図である。なお、本説明においてサーバAはコンテンツを送信するサーバ102に相当する。クライアントAはクライアント103に相当する。クライアントBはクライアント153に相当する。また、本フローの初期状態では、サーバAはコンテンツをクライアントAに送信中とする(200)。クライアントAはサーバAからコンテンツを受信中とする(220)。クライアントBは休止中とする(240)。
【0025】
本フローの概要は、クライアントAで停止側レジューム処理を行うと(281)、サーバからのコンテンツの送信が停止する(282)。停止側レジューム処理とは、コンテンツの送受信を停止し再開する一連のレジューム処理のうち、コンテンツの受信を停止した装置側で行う処理および関連処理であり、主にコンテンツの送受信停止と、レジュームポイントの算出などを行う。次に、クライアントBで再開側レジューム処理を行うと(283)、サーバからのコンテンツの送信が再開される(284)。再開側レジューム処理とは、レジューム処理のうち、コンテンツの再生を再開する装置側で行う処理および関連処理であり、主にレジュームポイントを用いてコンテンツの送受信再開を行う。
【0026】
以下、各ステップを詳細に説明する。まず、クライアントAにおいて、ユーザがレジュームボタンを押下する(221)。本処理では、レジュームボタン押下によりユーザが明示的に停止側レジューム処理を開始しているが、例えばコンテンツ再生を停止する一般的な停止ボタン押下をステップ221としても良い。次に、クライアントAはコンテンツ送信の停止要求をサーバAに送信する(222)。サーバAはコンテンツ送信の停止要求を受信し(202)、コンテンツの送信を停止する(203)。なお、コンテンツの送信要求は、データとして明示的に停止要求を送信する必要は無く、例えばTCP (Transmission Control Protocol)のコネクションを切断するなどして相手に通知しても良い。クライアントAは停止要求を送信すると、レジュームポイントを取得する(223)。
【0027】
レジュームポイントとは、再開するために必要なコンテンツの位置情報であり、時間やバイト位置で示される。例えばレジュームポイントが21分30秒となっている場合は、コンテンツの停止が21分30秒で実行されたことを示しており、同位置からレジュームすればよい。コンテンツのレジューム視聴を行うためにはコンテンツの再生指示とともに、レジュームポイントを送信する。すると、21分30秒から続いて受信再生される。なお、レジュームポイントの検出方法は、レジュームボタン押下時のデコーダのデコード位置(時間もしくはバイト)を用いてもよいし、同様のデータが取得できる他の方法を用いても良い。また、レジュームポイントをサーバ上で検知してクライアントに通知しても良い。
【0028】
次に、クライアントAはレジューム情報を作成する(224)。レジューム情報は、コンテンツのURLやコンテンツのレジュームポイント、レジューム処理を実行した時刻を含む。 ここで、レジューム情報について図3を用いて詳細に説明する。レジューム情報は少なくともレジューム時刻301およびコンテンツURL302およびレジューム位置303から構成される。レジューム時刻とは停止側レジューム処理を実行した時刻である。コンテンツURLは、コンテンツをネットワーク経由で再生する場合のコンテンツの所在を示す情報であり、本テーブル上では、特にレジューム処理を行うコンテンツをネットワーク経由で再生するための情報である。
【0029】
また、本URLはレジュームボタンを押下した際に受信再生中であったコンテンツのURLである。なお、コンテンツをネットワーク経由で再生可能であればURLではなく他の方法(コンテンツIDやコンテンツ名)などを用いてよい。レジュームポイントとは、時間もしくはバイトで示されたレジュームボタン押下時のコンテンツの停止位置である。
【0030】
このようなレジューム情報を用いて、レジュームポートをオープンする(225)。レジュームポートとは、レジューム情報を提供するレジューム情報提供部へのネットワークからの接続インターフェースであり、レジュームポートにレジューム情報要求を送信すると、レジューム情報提供部はレジューム情報を送信する。また、レジュームポートのオープンの一例としては、UDP (User Datagram Protocol)で特定のポートをlistenし、受信したパケットをレジューム情報要求かどうか検証の上、レジューム情報要求として用いる方法などが挙げられる。
【0031】
次に、ユーザはクライアントBにおいてレジュームボタンを押下する(246)。クライアントBは休止中であるため、レジュームボタンを押下することにより起動する(247)。なお、クライアントBが240において起動中である場合は、ステップ247で起動しなくても良い。また、レジュームボタンを押下する前にユーザがリモコンの電源ボタン押下などにより起動しても良い。
【0032】
次に、クライアントBはレジューム情報要求を他のクライアントに送信する。レジューム情報要求の送信にあたって、レジューム情報要求のプロトコルとしてUDPを使用するのであれば、レジューム情報要求をブロードキャストしてもよい。この場合、ステップ225でlistenしているすべてのクライアントにレジューム情報要求が送信される。また、レジューム情報要求の送信にあたりユニキャストを使用する場合は、すべての発見済みの装置にそれぞれレジューム情報要求を送信しても良い。
【0033】
クライアントAはレジューム情報要求を受信すると(228)、ステップ224で作成したレジューム情報をクライアントBに送信する(229)。クライアントBは、レジューム情報を受信する(249)。なお、ステップ249はレジュームポートをオープンしている装置の数だけ実行される。例えば、クライアントが5台存在し、いずれも起動していてレジュームポートをオープンしている場合、すべてのレジュームポートをオープンしている装置がレジューム情報を送信するため、5つのレジューム情報を連続して受信することになる。
【0034】
次に、クライアントBは受信したレジューム情報の中から、最新のレジューム時刻を持つレジューム情報を選出する(250)。なお、ステップ249で複数のレジューム情報を受信するため、ステップ250への遷移は、ステップ248を実行してからの経過時間で行うか、もしくは一定数のレジューム情報を受信したことにより行う。一定数とはユーザ設定もしくは、例えば3などを規定値として用いてもよい。または、ネットワーク上に存在する端末を検出し、そのすべてもしくは50%などとしても良い。
【0035】
次に、最新のレジューム時刻を持つレジューム情報に記載されているコンテンツURLとレジュームポイントを用いて、コンテンツ送信要求を送信する(252)。レジュームポイントを用いるとは、例えばHTTP (Hyper Text Transfer Protocol)であれば、HTTPヘッダのRangeヘッダにレジュームポイントを記載することである。
【0036】
サーバAはコンテンツ送信要求を受信すると(212)、対応するコンテンツを対応するレジュームポイントから送信する(213)。クライアントBはコンテンツを受信し(253)、再生する(254)。なお、クライアントAは、レジューム情報送信(229)後に、自動的に電源をオフにしても良い(231)。自動的に電源をオフにするタイミングは、例えばレジュームボタンを押下してから一定時間後や、レジュームポートをオープンしてから一定時間後、レジューム情報を送信したらすぐなどでも良い。
【0037】
以上の処理により、サーバAはコンテンツ送信状態となり(215)、クライアントAは休止状態となり(235)、クライアントBはコンテンツ受信再生状態となり(255)、レジューム処理が完了する。本フローにより、クライアントAおよびBはいずれもボタンをそれぞれ一回押下するのみで、コンテンツの続きを視聴することができる。また、クライアントAの電源がオフになるタイミングを、タイマなどを用いて延長することにより、クライアントBはレジューム情報をクライアントAから取得することができる。
【0038】
図4は、本発明のワンタッチレジューム機能付きコンテンツ送信装置もしくはコンテンツ受信再生装置で用いられるリモートコントローラの一例である。401はリモートコントローラの全体を指し、402は電源ボタンである。403はワンタッチレジュームボタンであり、本例では本ボタンを押すことにより、休止中は電源を投入することができる。また、起動中は停止側レジューム処理を実行し、かつ電源をオフにすることができる。なお、電源オフのタイミングは、前述の通り一定時間経過後などに行う。
【0039】
次に、レジューム情報提供部をサーバに持たせた構成について図5を用いて説明する。本図において、図1の構成と異なる点は、レジューム情報提供部513および563がサーバに存在する点である。クライアントAは視聴を停止すると、レジューム情報を作成し、直前まで視聴していたサーバAにレジューム情報を送信する(541)。次に、クライアントBからレジューム情報取得要求が送信され、レジューム情報提供部513で受信すると、最後に受信したレジューム情報を送信する(542)。
【0040】
本構成においては、例えばサーバAが複数のクライアントへコンテンツを送信中であり、該複数のクライアントが立て続けにコンテンツ視聴を停止すると、続けて2つのレジューム情報が送信されることになる。しかし、本発明では、最後に送信されたレジューム情報のみが有効となる。つまり、サーバ上では、レジューム情報を要求されると、最後に受信したレジューム情報を送信する。クライアントBでは、すべてのサーバに対してレジューム情報を要求するため、複数のレジューム情報を受信する場合がある。このとき、最新のレジューム時刻が記載されたレジューム情報を用いて、レジューム処理を実行する。
【0041】
次に、レジューム情報提供部をサーバに持たせた構成におけるフローについて、図6を用いて説明する。ステップ600、602、603およびステップ620〜624およびステップ646、647は図2と同様である。ステップ625において、コンテンツ受信を停止したサーバAにレジューム情報を送信する。サーバAではレジューム情報を受信する(605)。ステップ648、649およびステップ608、609は、図2におけるクライアントA相当の処理をサーバAが実行している点および関連部分以外は同一である。また、ステップ612以降および、ステップ635および、ステップ650以降は、図2と同様である。ステップ631における電源断は、レジューム情報要求を受信する必要が無いため、ステップ625の直後でも良い。 レジューム情報提供部をサーバに持たせる構成では、クライアントはレジューム情報の送信後に直ちに電源をオフにすることができる。
【符号の説明】
【0042】
101 部屋A
102 サーバA(レコーダ等)
103 クライアントA(テレビ等)
104 ユーザA(状態1)
111 コンテンツ送信部
112 コンテンツ受信部
113 レジューム情報提供部
114 レジューム情報取得部
121 サーバからクライアントへ送信するコンテンツ(状態1)
140 ネットワーク
141 クライアントAからクライアントBへ送信するレジューム情報
151 部屋B
152 サーバB(レコーダ等)
153 クライアントB(テレビ等)
154 ユーザA(状態2)
161 コンテンツ送信部
162 コンテンツ受信部
163 レジューム情報提供部
164 レジューム情報取得部
171 サーバからクライアントへ送信するコンテンツ(状態2)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツを再生する装置であって、
コンテンツ再生の停止指示を入力する手段と、
コンテンツ再生を停止した時刻もしくは再生の停止指示を入力した時刻と、コンテンツを再生することが可能なコンテンツを指し示す情報と、コンテンツの停止位置を示す情報を、レジューム情報として出力する手段と、を有することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項2】
前記再生するコンテンツを、ネットワークから受信する手段を有することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項3】
前記停止指示の入力は、リモートコントローラもしくは前記装置のコンテンツ再生の停止ボタンもしくはレジューム機能ボタンもしくは電源ボタンからの入力であることを特徴とする請求項1または2の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項4】
前記停止指示の入力は、他の装置が出力した信号の入力であることを特徴とする請求項1または2の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項5】
前記レジューム情報を出力する手段は、ネットワークを介した他の装置へ送信する手段であることを特徴とする請求項1から4の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項6】
前記コンテンツを再生することが可能なコンテンツを指し示す情報は、URL (Uniform Resource Locator)であることを特徴とする請求項1から5の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項7】
前記手段に加え、レジューム情報の送信要求を受信する手段を有することを特徴とする請求項1から6の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項8】
前記コンテンツ再生の停止指示を入力する手段は、コンテンツ再生の再開指示を入力する手段と同一の手段であることを特徴とする請求項1から7の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項9】
装置の電源をオフにする指示を受けた場合、一定時間経過後もしくはレジューム情報を送信した後に装置の電源をオフにする手段を更に有することを特徴とする請求項1から8の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項10】
コンテンツの停止位置を検出する手段を更に有することを特徴とする請求項1から9の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項11】
コンテンツを再生する装置であって、
コンテンツ再生の再開指示を入力する手段と、
レジューム情報を入力する手段と、
1つ以上入力したレジューム情報から、最新のコンテンツを停止した時刻もしくは再生の停止を入力した時刻を含むレジューム情報を選出する手段と、を有することを特徴とするコンテンツ再生装置。
【請求項12】
前記選出したレジューム情報のコンテンツを指し示す情報および、コンテンツの停止位置を示す情報を用いてコンテンツを再生する手段を有することを特徴とする請求項11に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項13】
前記再生するコンテンツをネットワークから受信する手段と、前記レジューム情報をネットワークから受信する手段と、を有することを特徴とする請求項11または12の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項14】
前記再開の入力は、リモートコントローラもしくは前記装置のコンテンツ再生の停止ボタンもしくはレジューム機能ボタンもしくは電源ボタンからの入力であることを特徴とする請求項11から13の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項15】
前記再開の入力は、他の装置が出力した信号の入力であることを特徴とする請求項11から13の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項16】
前記レジューム情報を入力する手段は、ネットワークを介した他の装置から受信する手段であることを特徴とする請求項11から15の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項17】
前記レジューム情報のコンテンツを指し示す情報は、URLであることを特徴とする請求項12に記載のコンテンツ再生装置。
【請求項18】
前記コンテンツ再生の再開指示の入力により、電源をオンにする入力と同等の処理が実行される手段を有することを特徴とする請求項11または12または13または14または15から17の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項19】
前記1つ以上入力したレジューム情報からコンテンツを停止した最新の時刻を含むレジューム情報を選出する手段は、一定時間のうちに入力したレジューム情報から最新の時刻を含むレジューム情報を選出する手段であることを特徴とする請求項11または12または13から18の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項20】
レジューム情報の送信要求を送信する手段を更に有することを特徴とする請求項11から19の何れか1つに記載のコンテンツ再生装置。
【請求項21】
コンテンツを出力する装置であって、
コンテンツの停止位置およびコンテンツを指し示す情報およびコンテンツを停止した時刻をレジューム情報として入力する手段と、
レジューム情報を出力する手段と、を有することを特徴とするコンテンツ装置。
【請求項22】
前記コンテンツを出力する手段は、ネットワークを介して他の装置に送信する手段であることを特徴とする請求項21に記載のコンテンツ装置。
【請求項23】
前記レジューム情報を入力および出力する手段は、ネットワークを介して他の装置へ送信する手段および他の装置から受信する手段であることを特徴とする請求項21または22の何れか1つに記載のコンテンツ装置。
【請求項24】
前記手段に加え、1つ以上入力したレジューム情報から、最新のコンテンツを停止した時刻もしくは再生の停止を入力した時刻を含むレジューム情報を選出し、選出したレジューム情報を出力するレジューム情報とする手段と、を有することを特徴とする請求項21から23の何れか1つに記載のコンテンツ装置。
【請求項25】
コンテンツを指し示す情報は、URLであることを特徴とする請求項21または22または23または24の何れか1つに記載のコンテンツ装置。
【請求項26】
再生するコンテンツをネットワークから受信可能なコンテンツ再生装置におけるコンテンツ再生方法であって、
コンテンツ再生の停止指示を入力するステップと、
コンテンツ再生を停止した時刻もしくは再生の停止指示を入力した時刻と、コンテンツを再生することが可能なコンテンツを指し示す情報と、コンテンツの停止位置を示す情報を、レジューム情報としてネットワークに出力するステップと、を有することを特徴とするコンテンツ再生装置におけるコンテンツ再生方法。
【請求項27】
前記停止指示の入力は、リモートコントローラもしくは前記コンテンツ再生装置のコンテンツ再生の停止ボタンもしくはレジューム機能ボタンもしくは電源ボタンからの入力であることを特徴とする請求項26に記載のコンテンツ再生装置におけるコンテンツ再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−142969(P2012−142969A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−33523(P2012−33523)
【出願日】平成24年2月20日(2012.2.20)
【分割の表示】特願2006−266352(P2006−266352)の分割
【原出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】