説明

コンテンツ配信システム、コンテンツ配信方法、コンテンツ配信サーバ、ユーザ端末装置およびプログラム

【課題】 コンテンツの不正コピーを抑制することが可能で、かつ、要求したコンテンツが配信されたか否かを簡単に確認することが可能なコンテンツ配信システムを提供する。
【解決手段】 コンテンツ配信サーバ1は、データの並びを変更した変更コンテンツをユーザ端末装置3に配信する。コンテンツ配信サーバ1は、ユーザ端末装置3から送信された再生要求を受信すると、変更コンテンツを復元するために必要な補償データをユーザ端末装置3に配信する。ユーザ端末装置3は、補償データを受信すると、その補償データを利用して変更コンテンツを正常なコンテンツに復元する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ配信システム、コンテンツ配信方法、コンテンツ配信サーバ、ユーザ端末装置およびプログラムに関し、特には、コンテンツが不正に使用されることを抑制してコンテンツの著作権を保護することが可能なコンテンツ配信システム、コンテンツ配信方法、コンテンツ配信サーバ、ユーザ端末装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルコンテンツの違法な複製および不正視聴の防止方法として、コンテンツデータの暗号化が行われている。現在用いられている多くの暗号は、復号鍵とよばれる128ビット程度の比較的小さなデータ列によって復号される。
【0003】
暗号化の有効性は、復号鍵の取り扱いを厳格に行うことによって実現される。具体的には、コンテンツを保持または再生する正当な権利を持つ者のみに復号鍵を引き渡すことで、暗号化の有効性が実現される。
【0004】
一方、この暗号の解読方法は周知であり、その解読方法の一つに総当り法がある。総当り法は、考えられるすべての復号鍵のデータ列を計算機で計算し、その計算した復号鍵のデータ列を用いて、暗号の復号化を試みるものである。総当り法での計算量は膨大であるため、この暗号が考案された当初、その計算に要する時間は数年あるいはそれ以上の長期間となり、このような長い時間を費やして暗号解読を行うことは経済的に見合わず、挑戦者はいないと思われていた。
【0005】
しかしながら、計算機の計算速度は絶え間無く高速化しており、また、市場価値の高いデジタルコンテンツの入手は、経済的見返りが大きい。このため、暗号化された情報は、大規模な暗号解読に曝される可能性が高くなっており、現在では、計算にかかる時間を暗号の堅牢性の根拠とすることは成り立たなくなりつつある。
【0006】
一方、映画スクリーン、テレビ等の画面に上映された時点以降の複製を抑止する技術として、電子透かしが知られている。電子透かしは、有意情報を人の目に知覚されない形で画面上に埋め込む技術であり、埋め込まれた情報は複製後も保持される。
【0007】
例えば、コンテンツの上映地点を示す電子透かしがコンテンツに埋め込まれると、複製されたコンテンツから原本のコンテンツの上映地点、すなわち、複製地点を突き止めることができ、複製者およびその協力者を特定する際の一助となる。しかし、この方式は、所定の情報を画面に付加するため、 画質が低下する欠点があり、作品の芸術性への影響も懸念される。
【0008】
特許文献1(特開2002−278859号公報)には、配信予定のコンテンツを欠落コンテンツと差分コンテンツに分解または分割し、欠落コンテンツをコンテンツ再生装置に配信し、コンテンツ再生時に、差分コンテンツをコンテンツ再生装置に送信し、コンテンツ再生装置が差分コンテンツと欠落コンテンツとに基づいてコンテンツを復元し、その復元したコンテンツを再生する、コンテンツ配信方法が記載されている。
【0009】
特許文献1に記載のコンテンツ配信方法では、欠落コンテンツが正当なコンテンツと異なるため、この欠落コンテンツが不正にコピーされても、そのコピーは正当なコンテンツと異なり、コンテンツの著作権は保護される。したがって、特許文献1に記載のコンテンツ配信方法は、不正な暗号解読に対する耐性を有し、また、電子透かしを必要としないので画質の劣化を抑制することが可能となる。
【特許文献1】特開2002−278859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載のコンテンツ配信方法では、コンテンツ再生装置は、差分コンテンツがないと、欠落コンテンツの修復および再生ができない。このため、欠落コンテンツを入手したユーザは、差分コンテンツを入手するまで、その入手した欠落コンテンツが、自らが要求したコンテンツに対応した欠落コンテンツであるのか否かを確認できなかった。
【0011】
本発明の目的は、コンテンツの不正コピーを抑制することが可能で、かつ、要求したコンテンツが配信されたか否かを簡単に確認することが可能なコンテンツ配信システム、コンテンツ配信方法、コンテンツ配信サーバ、ユーザ端末装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明のコンテンツ配信システムは、ユーザ端末装置と、前記ユーザ端末装置から所定のコンテンツを要求する旨のコンテンツ要求を受信すると該所定のコンテンツを該ユーザ端末装置に配信するコンテンツ配信サーバと、を含むコンテンツ配信システムであって、前記コンテンツ配信サーバは、前記所定のコンテンツを、再生される順番に並べられている複数の部分コンテンツとして格納するコンテンツ格納部と、前記ユーザ端末装置から所定のコンテンツを要求する旨を受け付けると、前記コンテンツ格納部に格納されている複数の部分コンテンツを並び替え、その並び替えた部分コンテンツを変更コンテンツとして出力する変更部と、前記変更部が前記変更コンテンツを出力するときに、前記変更コンテンツを変更前のコンテンツに戻す並び替え手順を示す旨の補償データを生成する補償データ生成部と、前記変更コンテンツおよび前記補償データを前記所定のコンテンツとして前記ユーザ端末装置に配信する配信部と、を含み、前記ユーザ端末装置は、前記配信部が配信した変更コンテンツおよび補償データを受信する受信部と、前記受信部が受信した補償データに基づいて前記変更コンテンツを変更前の複数の部分コンテンツに復元する復元処理部とを含む。
【0013】
また、本発明のコンテンツ配信方法は、上記コンテンツ配信システムが行うコンテンツ配信方法であって、前記変更部が前記コンテンツ格納部に格納されている複数の部分コンテンツを並び替えその並び替えた部分コンテンツを変更コンテンツとして出力する変更ステップと、前記変更ステップで前記変更コンテンツを出力するときに、前記補償データ生成部が前記変更コンテンツを変更前のコンテンツに戻す並び替え手順を示す旨の補償データを生成する補償データ生成ステップと、前記配信部が前記変更コンテンツおよび前記補償データとを前記所定のコンテンツとして前記ユーザ端末装置に配信する配信ステップと、前記配信ステップで配信した変更コンテンツおよび補償データを前記受信部が受信する受信ステップと、前記復元処理部が前記受信ステップで受信した補償データに基づいて前記変更コンテンツを変更前の複数の部分コンテンツに復元する復元処理ステップとを含む。
【0014】
また、本発明のコンテンツ配信サーバは、ユーザ端末装置から所定のコンテンツを要求する旨のコンテンツ要求を受信すると該所定のコンテンツを該ユーザ端末装置に配信するコンテンツ配信サーバであって、前記所定のコンテンツを、再生される順番に並べられている複数の部分コンテンツとして格納するコンテンツ格納部と、前記ユーザ端末装置から所定のコンテンツを要求する旨を受け付けると、前記コンテンツ格納部に格納されている複数の部分コンテンツを並び替え、その並び替えた部分コンテンツを変更コンテンツとして出力する変更部と、前記変更部が前記変更コンテンツを出力するときに、前記変更コンテンツを変更前のコンテンツに戻す並び替え手順を示す旨の補償データを生成する補償データ生成部と、前記変更コンテンツおよび前記補償データを前記所定のコンテンツとして前記ユーザ端末装置に配信する配信部とを含む。
【0015】
また、本発明のプログラムは、ユーザ端末装置から所定のコンテンツを要求する旨のコンテンツ要求を受信すると該所定のコンテンツを該ユーザ端末装置に配信するコンテンツ配信処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、再生される順番に並べられている複数の部分コンテンツを並び替え、その並び替えた部分コンテンツを変更コンテンツとして出力する変更処理と、前記変更処理で前記変更コンテンツを出力するときに、前記変更コンテンツを変更前のコンテンツに戻す並び替え手順を示す旨の補償データを生成する補償データ生成処理と、前記変更コンテンツおよび前記補償データを、前記所定のコンテンツとして、前記ユーザ端末装置に配信する配信処理と、を含むコンテンツ配信処理をコンピュータに実行させる。
【0016】
また、本発明のユーザ端末装置は、上記コンテンツ配信サーバに所定のコンテンツを要求する旨のコンテンツ要求を送信し、該コンテンツ配信サーバから配信された所定のコンテンツを受信するユーザ端末装置であって、前記配信部が配信した変更コンテンツおよび補償データを受信する受信部と、前記受信部が受信した補償データに基づいて前記変更コンテンツを変更前の複数の部分コンテンツに復元する復元処理部とを含む。
【0017】
また、本発明のプログラムは、上記コンテンツ配信サーバに所定のコンテンツを要求する旨のコンテンツ要求を送信し、該コンテンツ配信サーバから配信された所定のコンテンツを受信するコンテンツ取得処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記配信部が配信した変更コンテンツおよび補償データを受信する受信処理と、前記受信処理で受信した補償データに基づいて前記変更コンテンツを変更前の複数の部分コンテンツに復元する復元処理と、を含むコンテンツ取得処理をコンピュータに実行させる。
【0018】
上記の発明によれば、変更コンテンツは、部分コンテンツが並び替えられたコンテンツであり、正当なコンテンツと異なる。このため、変更コンテンツが不正にコピーされても、そのコピーは正当なコンテンツと異なり、コンテンツの著作権は保護される。
【0019】
また、変更コンテンツは部分コンテンツの欠落がない。このため、ユーザ端末装置側のユーザは、補償データがなくても、変更コンテンツに基づいてそのコンテンツの断片(部分コンテンツ)を確認することが可能になる。したがって、ユーザは、補償データがなくても、配信された変更コンテンツが、ユーザ自身が要求したコンテンツに対応する変更コンテンツであるか否か確認することが可能になる。
【0020】
また、前記所定のコンテンツは、再生される順番に並べられている複数のフレームで構成された動画像データであり、前記変更部は、前記複数のフレームを並び替え、そのフレームが並び替えられた動画像データを、変更コンテンツとして出力することが望ましい。
【0021】
上記の発明によれば、ユーザは、補償データがなくても、変更コンテンツに含まれるフレームを確認することができる。このため、配信された変更コンテンツが、ユーザ自身が要求したコンテンツに対応する変更コンテンツであるか否かを容易に確認することが可能になる。
【0022】
また、前記変更コンテンツを変更前のコンテンツに戻すと、前記補償データが削除されることが望ましい。
【0023】
上記の発明によれば、変更コンテンツを変更前のコンテンツに戻すと、補償データが削除されるため、変更コンテンツから変更前のコンテンツを復元する処理が再現されることを抑制することが可能になる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、変更コンテンツは、部分コンテンツが並び替えられたコンテンツであり、正当なコンテンツと異なる。このため、変更コンテンツが不正にコピーされても、そのコピーは正当なコンテンツと異なり、コンテンツの著作権は保護される。
【0025】
また、変更コンテンツは部分コンテンツの欠落がない。このため、ユーザ端末装置側のユーザは、補償データがなくても、変更コンテンツに基づいてそのコンテンツの断片(部分コンテンツ)を確認することが可能になる。したがって、ユーザは、補償データがなくても、配信された変更コンテンツが、ユーザ自身が要求したコンテンツに対応する変更コンテンツであるか否か確認することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施例によるコンテンツ配信システムを示したブロック図である。なお、図1には、コンテンツ配信システムのコンテンツ配信サーバの一例を示したブロック図が示されている。
【0028】
図1において、コンピュータであるコンテンツ配信サーバ1は、通信部10と、コンテンツ格納部11と、入力部12と、変更処理部13と、補償データ蓄積部14と、再生位置追跡処理部15と、補償データ送出処理部16とを含む。変更処理部13は、変更部13aと補償データ生成部13bとを含む。
【0029】
通信部10は、インターネット等の通信回線2を介して、ユーザ端末装置3と通信する。
【0030】
通信部10は、例えば、ユーザ端末装置3が送信したコンテンツ要求を受信し、そのコンテンツ要求を変更処理部13に出力する。なお、コンテンツ要求は、ユーザ端末装置3を識別するための識別情報(以下「端末ID」と称する。)を含むことが望ましい。本実施例では、コンテンツ要求は端末IDを含む。
【0031】
また、通信部10は、ユーザ端末装置3が送信した再生要求を受信し、その再生要求を再生位置追跡処理部15に出力する。なお、再生要求は端末IDを含むことが望ましい。本実施例では、再生要求は端末IDを含む。
【0032】
コンテンツ格納部11は、再生される順番に並べられている複数の部分コンテンツ(データブロック)で構成されたコンテンツ101を格納する。コンテンツ101は、所定の情報を示すデジタルデータ列であり、例えば、動画像を示す動画像データである。コンテンツ101が動画像データの場合、その部分コンテンツはフレームとなる。本実施例では、コンテンツ101として動画像データを用いる。なお、コンテンツ101は、動画像データに限らず適宜変更可能である。
【0033】
入力部12は、例えば、コンテンツ配信サーバ1の管理者が入力したコンテンツ変更指示102を受け付け、そのコンテンツ変更指示102を変更処理部13に出力する。
【0034】
コンテンツ変更指示102は、コンテンツ101を構成する複数の部分コンテンツの順番を並び替える変更処理を変更処理部13(具体的には、変更部13a)に実行させる指示である。なお、本実施例では、コンテンツ変更指示102として、上記変更処理を示す命令文を実行順に記述したテキストファイルが用いられる。
【0035】
変更処理部13(具体的には、変更部13a)は、通信部10からコンテンツ要求を受け付けると、コンテンツ変更指示102に基づいて、コンテンツ要求に応じたコンテンツであるコンテンツ101の複数の部分コンテンツを並び替える変更処理を実行する。変更処理部13(具体的には、変更部13a)は、その処理結果を変更コンテンツ103として通信部10に出力する。
【0036】
通信部10は、変更処理部13が出力した変更コンテンツ103を受け付け、その変更コンテンツ103を、通信回線2を介して、ユーザ端末装置3に配信する。
【0037】
また、処理変更部13(具体的には、補償データ生成部13b)は、変更部13aが変更コンテンツ103を出力するときに、変更コンテンツ103を変更前のコンテンツ101に復元するための並び替え手順を示す旨の補償データ104を、コンテンツ変更指示102に基づいて生成し、その補償データ104をコンテンツ要求に含まれている端末IDと関連づけて補償データ蓄積部14に蓄積する。
【0038】
再生位置追跡処理部15は、通信部10から再生要求を受け付けると、その再生要求を補償データ送出処理部16に出力する。
【0039】
補償データ送出処理部16は、再生位置追跡処理部15から再生要求を受け付けると、その再生要求に応じた補償データ104を補償データ蓄積部14から読み出し、その読み出した補償データ104を通信部10に出力する。
【0040】
具体的には、補償データ送出処理部16は、再生要求に含まれている端末IDと関連づけて蓄積されている補償データ104を補償データ蓄積部14から読み出し、その読み出した補償データ104を通信部10に出力する。
【0041】
通信部10は、補償データ送出処理部16から補償データ104を受け付けると、その受け付けた補償データ104を、通信回線2を介してユーザ端末装置3に配信する。
【0042】
なお、コンピュータであるコンテンツ配信サーバ1は、メモリ(不図示)に格納された動作プログラムを読み取り、その読み取ったプログラムを実行することによって、通信部10と、コンテンツ格納部11と、入力部12と、変更処理部13と、補償データ蓄積部14と、再生位置追跡処理部15および補償データ送出処理部16とが行う処理を実行してもよい。
【0043】
次に、図2を参照して、ユーザ端末装置3の一例を説明する。
【0044】
図2は、コンピュータであるユーザ端末装置3の一例を示したブロック図である。なお、図2において、図1で示したものと同じものには同一符号を付してある。
【0045】
図2において、ユーザ端末装置3は、入力部31と、通信部32と、蓄積部33と、復号処理部34と、出力部35とを含む。
【0046】
入力部31は、ユーザの入力を受け付ける。入力部31は、例えば、所定のコンテンツを要求する旨のコンテンツ要求を受け付け、そのコンテンツ要求を通信部32に出力する。
【0047】
また、入力部31は、コンテンツの再生を指示する旨の再生指示を受け付け、その再生指示を復元処理部34に出力する。復元処理部34は、入力部31から再生指示を受け付けると、再生要求を通信部32に出力する。
【0048】
通信部32は、通信回線2を介して、コンテンツ配信サーバ1と通信する。
【0049】
通信部32は、入力部31から受け付けたコンテンツ要求を、通信回線2を介してコンテンツ配信サーバ1に送信する。なお、通信部32は、端末IDを含むコンテンツ要求をコンテンツ配信サーバ1に送信する。通信部32は、コンテンツ配信サーバ1がコンテンツ要求の受信に応じて配信した変更コンテンツ103を受信し、その変更コンテンツ103を蓄積部33に蓄積する。
【0050】
また、通信部32は、復号処理部34から受け付けた再生要求を、通信回線2を介してコンテンツ配信サーバ1に送信する。なお、通信部32は、端末IDを含む再生要求をコンテンツ配信サーバ1に送信する。通信部32は、コンテンツ配信サーバ1が再生要求に応じて配信した補償データ104を受信し、その受信した補償データ104を復元処理部34に出力する。
【0051】
復元処理部34は、通信部32が受信した補償データ104に基づいて、蓄積部33に蓄積されている変更コンテンツ103を変更前のコンテンツに復元する。具体的には、復元処理部34は、補償データ104に基づいて、変更コンテンツ103の部分コンテンツの並びが元の並びとなるように、変更コンテンツ103を処理する。
【0052】
復元処理部34は、その復元したコンテンツを出力部35に出力する。
【0053】
出力部35は、復元処理部34が復元したコンテンツを出力(例えば、表示または報音)する。なお、図2では、復元処理部34が復元したコンテンツは、上映用コンテンツ105として示されている。
【0054】
なお、コンピュータであるユーザ端末装置3は、メモリ(不図示)に格納された動作プログラムを読み取り、その読み取ったプログラムを実行することによって、入力部31、通信部32、蓄積部33、復元処理部34および出力部35とが行う処理を実行してもよい。
【0055】
次に、本実施例のコンテンツ配信システムを従来の一般的なコンテンツ配信システムと比較する。
【0056】
図3は、従来の一般的なコンテンツ配信システムの概略を示したブロック図である。 図3において、コンテンツ配信サーバ301は、インターネット等のコンテンツ伝送媒体(例えば、通信回線)302を介して、完全な形のコンテンツをユーザ端末装置303a〜303dに配信していた。
【0057】
図4は、従来の一般的なコンテンツ配信システムの受信装置(ユーザ端末装置)を示したブロック図である。なお、図4において、図3に示したものを同一のものには同一符号を付してある。
【0058】
図4において、ユーザ端末装置303は、通信部3011と、蓄積部3012と、再生部3013と、表示部3014とを含む。通信部3011は、コンテンツ配信サーバ301からコンテンツ伝送媒体302を介して配信された完全な形のコンテンツを受信し、その受信したコンテンツを蓄積部3012に蓄積する。再生部3013は、蓄積部3012に蓄積されたコンテンツを再生し、その再生したコンテンツを表示部3014に出力する。表示部3014は、再生部3013から出力されたコンテンツを表示する。
【0059】
図5は、本実施例のコンテンツ配信システムの一例を示したブロック図である。なお、図5において、図1に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
【0060】
図5に示した本実施例のコンテンツ配信システムは、補償データ104のユーザ端末装置3への配信を可能にするために、補償データ伝送媒体2bを利用している。補償データ伝送媒体2bは、図3に示した従来システムには存在しない。なお、インターネット等の通信回線であるコンテンツ伝送媒体2aが補償データ伝送媒体2bを兼ねてもよい。
【0061】
図6は、本実施例のユーザ端末装置(受信装置)3の一例を示したブロック図である。図6において、図2または図5に示したものと同一のものには同一符号を付してある。復元処理部34は、復元部34aと再生部34bとを含む。再生部34bは、図4に示した再生部3013と同様である。
【0062】
図6に示した本実施例のユーザ端末装置3は、図4に示した従来のユーザ端末装置には存在しない復元部34aを含む。復元部34aは、補償データ104を受け取り、その補償データに基づいて、蓄積部33に蓄積されている変更コンテンツを変更してコンテンツをリアルタイムで復元し、その復元したコンテンツを再生部34bに送信する。
【0063】
次に、図7を参照して、図5、6で示した補償データ伝送媒体2bと、復元部34b、および、コンテンツ配信サーバ1側にある補償データ送信装置17の関係を説明する。
【0064】
図7は、図5、6で示した補償データ伝送媒体2bと、復元部34b、および、コンテンツ配信サーバ1側にある補償データ送信装置17の関係の示したブロック図である。なお、図7において、図1または図6に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
【0065】
図7において、補償データ送信装置17は、補償データ蓄積部14と、再生位置追跡処理部15と、補償データ送出処理部16を含む。復元部34aは、読込処理部34a1と補償データ適用処理部34a2とを含む。
【0066】
なお、図7では、補償データ送信装置17と復元部34aとが補償データ伝送媒体2bを介して直接通信しているように示したが、実際には、補償データ送信装置17と復元部34aとは、通信部32と補償データ伝送媒体2bと通信部10とを介して通信する。
【0067】
ユーザ端末装置3の入力部31が再生指示を受け付け、その再生指示を復元部34aに出力すると、復元部34aはコンテンツの復元を開始する。具体的には、復元部34aの読込処理部34a1は、入力部31から再生指示を受け付けると、次に読み込みを行うべき部分コンテンツ(データブロック)を示す読込アドレス705とユーザ端末装置3の端末ID706とを、再生要求として、補償データ伝送媒体2bを通じて、補償データ送信装置17内の再生位置追跡処理部15に送信する。
【0068】
再生位置追跡処理部15は、復元部34aから送信された読込アドレス705および端末ID706とを、補償データ送出処理部16に出力する。
【0069】
補償データ送出処理部16は、再生位置追跡処理部15より受信した読込アドレス705および端末ID706とに基づいて、補償データ蓄積部14に格納されている補償データの中より、端末ID706と関連づけられている補償データ104を検索し、その検索した補償データ104から読込アドレス705に対応する補償データ104nを検索する。
【0070】
補償データ送出処理部16は、その検索で特定した補償データ104nを、補償データ伝送媒体2bを通じて、復元部34aの補償データ適用処理部34a2に配信する。
【0071】
補償データ適用処理部34a2は、補償データ送出処理部16から配信された補償データ104nを解読し、その解読内容に基づいて再生データ106を決定する。
【0072】
再生データ106の決定条件は、補償データ104n中のみに記述されており、次に述べる3種類の処理のうちのどれか1つである。
【0073】
1.補償データ104n中のデータを再生データ106とする。
【0074】
2.変更コンテンツ103の中の、読込アドレス705によって指定された部分コンテンツ(蓄積データ)107をそのまま再生データ106とする。
【0075】
3.補償データ104中のアドレス更新情報を用いて蓄積データ107の読み出し箇所である読込アドレス705を変更し、その変更した読込アドレス705によって指定された部分コンテンツ(蓄積データ)107を再生データ106とする。
【0076】
次に、図8を参照して、補償データ104nのデータ形式の一例を説明する。
【0077】
図8は、図7で述べた補償データ104nのデータ形式の一例を示した説明図である。図8において、補償データ104nは、前アドレス801と、データ長802と、データ803と、次アドレス804とを含む。
【0078】
前アドレス801は、読込アドレス705によって指定されるアドレスである。
【0079】
データ803は、前アドレス801によって指定された部分コンテンツが再生された後に再生される。
【0080】
データ長802は、データ803のデータサイズを表す。
【0081】
次アドレス804は、データ803の再生後の読込アドレス705の更新値を表す。
【0082】
復元部34aは、前アドレスが0の場合、データ803を再生データとする。
【0083】
なお、あるコンテンツの冒頭に補償データ104n中のデータ803を適用する場合は、データ803の1つ前のデータが存在しないため、前アドレス0を用いて、コンテンツの冒頭に補償データ104中nのデータ803を適用する。
【0084】
また、データ長802が0である場合は、データ803が存在しないことを表す。この場合も次アドレス804は有効であるので、データ長802が0の補償データ104nは、読込アドレス705の更新のために使用することができる。
【0085】
なお、補償データ104(補償データ104n)を暗号化すると、秘匿性を向上させることができる。
【0086】
次に、図9を参照して、復元部34aの一例を説明する。
【0087】
図9は、復元部34aの一例を示したブロック図である。図9において、図7または図8に示したものと同一のものには同一符号を付してある。
【0088】
復元部34aは、再生アドレスカウンタ901と、一時バッファ902と、制御部903と、スイッチ部904と、読出位置処理部905とを含む。なお、再生アドレスカウンタ901と、一時バッファ902と、制御部903と、スイッチ部904とが、図7に示した補償データ適用処理部34a2を構成し、読出位置処理部905が図7に示した読込処理部34a1を構成する。
【0089】
再生アドレスカウンタ901は、再生される部分コンテンツのアドレス(読込アドレス705)をカウントする。再生アドレスカウンタ901は、読込アドレス705を補償データ送信装置17に向けて出力する。再生アドレスカウンタ901の初期値は0である。なお、復元部34aは、ユーザ端末装置3の端末ID706を格納する端末ID格納部(不図示)を含み、端末ID706を再生アドレス705と共に、再生要求として、補償データ送信装置17に向けて出力する。
【0090】
一時バッファ902は、読込アドレス705の応答としてコンテンツ配信サーバ1から送信された補償データ104nを一時的に格納する。
【0091】
制御部903は、補償データ104nが一時バッファ902に格納されると、一時バッファ902からその補償データ104nを読み出し、その読み出した補償データ104nから前アドレス801を抽出し、その前アドレス801を読込アドレス705と比較する。
【0092】
制御部903は、読込アドレス705が前アドレス801と一致する場合、以下に示すように動作する。
【0093】
まず、制御部903は、読込アドレス705を読出位置処理部905に出力し、また、スイッチ部904が蓄積部33から読み出される蓄積データ(部分コンテンツ)107を出力するように、スイッチ部904を制御する。
【0094】
読出位置処理部905は、制御部903から出力された読込アドレス705を受け付けると、その読込アドレス705を、読出し要求として蓄積部33に出力し、その読込アドレス705に蓄積されている変更コンテンツ103の蓄積データ(部分コンテンツ)107を蓄積部33から読み出し、その蓄積データ107を蓄積部33からスイッチ部904に出力させる。スイッチ部904は、蓄積部33から出力された蓄積データ107を再生部34bに出力する。
【0095】
制御部903は、スイッチ部904の出力に基づいて、スイッチ部904が蓄積データ107を出力し終わったか否かを判断する。
【0096】
制御部903は、スイッチ部904が蓄積データ107を出力し終わったと判断すると、スイッチ部904が一時バッファ902から出力されるデータ803を出力するように、スイッチ部904を制御し、その後、一時バッファ902に格納されている補償データ104nのデータ803をスイッチ部904に出力させる。スイッチ部904は、一時バッファ902から出力されたデータ803を再生部34bに出力する。
【0097】
制御部903は、スイッチ部904の出力に基づいて、スイッチ部904がデータ803を出力し終わったか否かを判断する。
【0098】
制御部903は、スイッチ部904がデータ803を出力し終わったと判断すると、補償データ104nから次アドレス804を抽出し、その次アドレス804を再生アドレスカウンタ901の新たな読込アドレス705としてセットする。再生アドレスカウンタ901は、変更された読込アドレス705を、コンテンツ配信サーバ1の補償データ送信装置17に送信し、復元部34aは、以降、上記と同様の動作を行う。
【0099】
なお、制御部903は、補償データ104nに含まれているデータ長802が0の場合、一時バッファ902からデータ803を出力させることなく、補償データ104nに含まれている次アドレス804を抽出し、その次アドレス804を再生アドレスカウンタ901の新たな読込アドレス705としてセットする。
【0100】
制御部903は、読込アドレス705が前アドレス801と一致しない場合、以下に示すように動作する。
【0101】
まず、制御部903は、読込アドレス705を読出位置処理部905に出力し、また、スイッチ部904が蓄積部33から読み出される蓄積データ107を出力するように、スイッチ部904を制御する。
【0102】
読出位置処理部905は、制御部903から出力された読込アドレス705を受け付けると、その読込アドレス705を、読出し要求として蓄積部33に出力し、その読込アドレス705に蓄積されている変更コンテンツ103の蓄積データ(部分コンテンツ)107を蓄積部33から読み出し、その蓄積データ107を蓄積部33からスイッチ部904に出力させる。スイッチ部904は、蓄積部33から出力された蓄積データ107を再生部34bに出力する。
【0103】
制御部903は、スイッチ部904の出力に基づいて、スイッチ部904が蓄積データ107を出力し終わったか否かを判断する。
【0104】
制御部903は、スイッチ部904が蓄積データ107を出力し終わったと判断すると、再生アドレスカウンタ901の読込アドレス705を1だけ大きくする。再生アドレスカウンタ901は、変更された読込アドレス705を、コンテンツ配信サーバ1の補償データ送信装置17に送信し、復元部34aは、以降、上記と同様の動作を行う。
【0105】
なお、本実施例では、アドレスが0の蓄積データ107は存在しないものとする。よって、前アドレスが0である補償データ104nは、再生開始時に蓄積データよりも先に処理(例えば、再生)される。
【0106】
次に、図10を参照して、図9に示した復元部34aの動作(復元処理)を説明する。なお、図10は、図9に示した復元部34aの動作アルゴリズムを説明するためのフローチャートである。
【0107】
復元部34aは、ユーザ端末装置3の入力部31から再生指示を受け付けると、コンテンツの復元処理を開始する。
【0108】
まず、制御部903は、入力部31から再生指示を受け付けると、再生アドレスカウンタ901の読込アドレス705を0にする。
【0109】
復元部34aは、再生アドレス705と端末ID706とを、再生要求として、補償データ送信装置17に向けて送信する(ステップ1001)。
【0110】
補償データ送信装置17は復元部34aから送信された再生要求(再生アドレス705および端末ID706)を受信すると、補償データ送信装置17(具体的には、補償データ送出処理部16)は、その読込アドレス705および端末ID706に基づいて、補償データ蓄積部14に格納されている補償データの中から、端末ID706と関連づけられている補償データ104を検索し、その検索した補償データ104から読込アドレス705に対応する補償データ104nを検索する。
【0111】
補償データ送信装置17(具体的には、補償データ送出処理部16)は、その検索で補償データ104nを見つけると、その補償データ104nを復元部34aに直ちに返信する。なお、補償データ送信装置17(具体的には、補償データ送出処理部16)は、上記検索で補償データ104nが見つからなかった場合、再生要求に応じた補償データ104nの送信は行わない。
【0112】
補償データ送信装置17が補償データ104nを返信すると、復元部34aは、その補償データ104nを一時バッファ902に取り込む。
【0113】
補償データ104nが一時バッファ902に存在していると(ステップ1002)、制御部903は、一時バッファ902から補償データ104nを読み出す(ステップ1003)。
【0114】
制御部903は、その読み出した補償データ104nの前アドレス801が読込アドレス705と一致しているか否かを判断する(ステップ1004)。
【0115】
前アドレス801が読込アドレス705と一致していると(ステップ1004)、制御部903は、読込アドレス705を読出位置処理部905に出力し、また、スイッチ部904が蓄積部33から読み出される蓄積データ(部分コンテンツ)107を出力するように、スイッチ部904を制御する(ステップ1005)。
【0116】
読出位置処理部905は、制御部903から出力された読込アドレス705を受け付けると、その読込アドレス705を、読出し要求として蓄積部33に出力する(ステップ1006)。
【0117】
読出位置処理部905は、その読出し要求に該当するデータが蓄積部33に存在していると(ステップ1007)、その読込アドレス705に蓄積されている変更コンテンツ103の蓄積データ(部分コンテンツ)107を蓄積部33から読み出し、その蓄積データ107を蓄積部33からスイッチ部904に出力させる。スイッチ部904は、蓄積部33から出力された蓄積データ107を再生部34bに出力する(ステップ1008)。
【0118】
なお、読出し要求に該当するデータブロック(部分コンテンツ)が蓄積部33に存在しない場合(ステップ1007)、制御部903は、コンテンツの終端と判断して、再生動作を終了する。
【0119】
制御部903は、スイッチ部904の出力に基づいて、スイッチ部904が蓄積データ107を出力し終わったか否かを判断する。
【0120】
制御部903は、スイッチ部904が蓄積データ107を出力し終わったと判断すると、制御部903は、補償データ104nの中のデータ長802が0より大きいか否か判断する(ステップ1009)。
【0121】
データ長802が0より大きいと、制御部903は、補償データ104nの中にデータ803が存在すると判断し、一時バッファ902からスイッチ部904へデータ803を出力させる。このとき、制御部903は、スイッチ部904がデータ803を出力するように、スイッチ部904を制御する。スイッチ部904は、一時バッファ902から出力されたデータ803を再生部34bに出力する(ステップ1010)。
【0122】
制御部903は、スイッチ部904の出力に基づいて、スイッチ部904がデータ803を出力し終わったか否かを判断する。
【0123】
制御部903は、スイッチ部904がデータ803を出力し終わったと判断すると、補償データ104nから次アドレス804を抽出し、その次アドレス804を再生アドレスカウンタ901の新たな読込アドレス705としてセットする(ステップ1011)。
【0124】
なお、制御部903は、補償データ104nに含まれているデータ長802が0の場合(ステップ1009)、ステップ1010を実行することなく、ステップ1011を実行する。
【0125】
制御部903は、ステップ1011を実行すると、一時バッファ902から補償データ104nを削除し(ステップ1012)、その後、ステップ1001の処理を実行する。
【0126】
なお、ステップ1002で、一時バッファ902に補償データ104nが存在しない場合、制御部903は、読込アドレス705を読出位置処理部905に出力し、また、スイッチ部904が蓄積部33から読み出された蓄積データ107を出力するように、スイッチ部904を制御する(ステップ1013)。
【0127】
読出位置処理部905は、制御部903から出力された読込アドレス705を受け付けると、その読込アドレス705を、読出し要求として蓄積部33に出力する(ステップ1014)。
【0128】
読出位置処理部905は、その読出し要求に該当するデータが蓄積部33に存在していると(ステップ1015)、その読込アドレス705に蓄積されている変更コンテンツ103の蓄積データ(部分コンテンツ)107を蓄積部33から読み出し、その蓄積データ107を蓄積部33からスイッチ部904に出力させる。スイッチ部904は、蓄積部33から出力された蓄積データ107を再生部34bに出力する(ステップ1016)。
【0129】
制御部903は、蓄積データ107が再生部34bに出力されると、再生アドレスカウンタの読込アドレス705を1だけ大きくし(ステップ1017)、その後、ステップ1001の処理を実行する。
【0130】
なお、読出し要求に該当するデータが蓄積部33に存在しない場合(ステップ1015)、制御部903は、コンテンツの終端と判断して、再生動作を終了する。
【0131】
また、ステップ1004で、前アドレス801が読込アドレス705と一致していないと、制御部903は、補償データ104nを一時バッファ902から消去し(ステップ1018)、その後、ステップ1013の処理を実行する。
【0132】
次に、変更コンテンツ103の生成および復元の一例を説明する。
【0133】
図11は、部分コンテンツ(データブロック)が欠落するように変更された変更コンテンツを復元する一例を説明するための説明図である。具体的には、図11は、ユーザ端末装置3がコンテンツのある部分(部分コンテンツ)が欠落した変更コンテンツを蓄積し、ユーザ端末装置3がコンテンツ再生時に補償データ104でその欠落部(部分コンテンツ)を補う復元例を説明するための説明図である。
【0134】
図11において、図11(a)はオリジナルコンテンツ1101を示し、図11(b)は変更コンテンツ1102を示し、図11(c)は補償データ1103を示し、図11(d)は上映出力コンテンツ(復元コンテンツ)1104を示し、図11(e)はコマンド(コンテンツ変更指示)1105を示す。
【0135】
図11の例では、オリジナルコンテンツ1101に対し、変更コンテンツ1102は、アドレス2のデータ(部分コンテンツ)「B」が欠落している。
【0136】
補償データ1103は、変更コンテンツ1102を復元するために使用される補償データであり、前アドレスとして1、データ(部分コンテンツ)として「B」、次アドレスとして2が定義されている。
【0137】
補償データ1103について詳述すると、補償データ1103は、変更コンテンツ1102のアドレス1のデータ(部分コンテンツ)「A」に後続して使用されることを示しており、アドレス1のデータ(部分コンテンツ)「A」に後続するデータ(部分コンテンツ)は「B」であって、「B」の再生後は、変更コンテンツ1102のアドレス2のデータ(部分コンテンツ)「C」を再生するということを示している。
【0138】
アドレス2のデータ(部分コンテンツ)「C」再生後は 、補償データが定義されていないので、アドレス4のデータ(部分コンテンツ)「D」が再生される。
【0139】
コマンド1105は、図1のコンテンツ変更指示102で用いられる記述であり、上述の欠落操作(アドレス2のデータ「B」を欠落させる操作)を意味している。なお、コマンド1105のhide(2)について説明すると、「hide」は欠落指示を表し、(2)は欠落対象データ(部分コンテンツ)がアドレス2のデータ(「B」)であることを表す。
【0140】
図12は、データ(部分コンテンツ)が差し替えられるように変更された変更コンテンツを復元する一例を説明するための説明図である。具体的には、図12は、ユーザ端末装置3がコンテンツのある部分(部分コンテンツ)が他の情報に差し替えられた変更コンテンツを蓄積し、ユーザ端末装置3がコンテンツ再生時に補償データで他の情報を元の部分コンテンツに再び差し替える復元例を説明するための説明図である。
【0141】
図12において、図12(a)はオリジナルコンテンツ1201を示し、図12(b)は変更コンテンツ1202を示し、図12(c)は補償データ1203を示し、図12(d)は上映出力コンテンツ(復元コンテンツ)1204を示し、図12(e)はコマンド(コンテンツ変更指示)1205を示す。
【0142】
図12の例では、オリジナルコンテンツ1201に対し、変更コンテンツ1202は、アドレス2のデータ(部分コンテンツ)「B」が警告表示と差し替えられている。
【0143】
補償データ1203は、変更コンテンツ1202を復元するために使用される補償データであり、前アドレスとして1、データ(部分コンテンツ)として「B」、次アドレスとして3が定義されている。
【0144】
補償データ1203について詳述すると、補償データ1203は、変更コンテンツ1202のアドレス1のデータ(部分コンテンツ)「A」に後続して使用されることを示しており、アドレス1のデータ(部分コンテンツ)「A」に後続するデータ(部分コンテンツ)は「B」であって、「B」の再生後は、変更コンテンツ1202のアドレス3のデータ(部分コンテンツ)「C」を再生するということを示している。このため、ユーザ端末装置3が補償データ1203を用いて変更コンテンツ1202を復元すれば、変更コンテンツ1202のアドレス2のデータ「警告」はスキップされて再生されない。
【0145】
変更コンテンツ1202が補償データ無しに不正に再生された場合は、変更コンテンツ1202のアドレス2のデータ「警告」はスキップされないので、警告が上映画面に表示され、視聴者の注意を喚起する。
【0146】
アドレス3のデータ(部分コンテンツ)「C」再生後は、補償データが定義されていないので、アドレス4のデータ(部分コンテンツ)「D」が再生される。
【0147】
コマンド1205は、図1のコンテンツ変更指示102で用いられる記述であり、上述の差し替え操作(アドレス2のデータ(部分コンテンツ)「B」を「警告」に差し替える操作)を意味している。なお、コマンド1205のalter(2,警告)について説明すると、「alter」は差し替え指示を表し、(2,警告)は差し替え対象データがアドレス2のデータ(部分コンテンツ「B」)であり差し替えデータが「警告」であることを表す。
【0148】
図13は、オリジナルコンテンツに余分なデータが挿入されるように変更された変更コンテンツを復元する一例を説明するための説明図である。具体的には、図13は、ユーザ端末装置3が余分なデータが挿入された変更コンテンツ103を蓄積し、ユーザ端末装置3がコンテンツ再生時に補償データで余分なデータを除く復元例を説明するための説明図である。
【0149】
図13において、図13(a)はオリジナルコンテンツ1301を示し、図13(b)は変更コンテンツ1302を示し、図13(c)は補償データ1303を示し、図13(d)は上映出力コンテンツ(復元コンテンツ)1304を示し、図13(e)はコマンド(コンテンツ変更指示)1305を示す。
【0150】
図13の例では、オリジナルコンテンツ1301に対し、変更コンテンツ1302は、アドレス2の地点に警告表示を挿入している。なお、挿入が行われると変更コンテンツの長さは挿入分だけ増加する。
【0151】
補償データ1303は、変更コンテンツ1302を復元するために使用される補償データであり、前アドレスとして1、データは無し、次アドレスとして3が定義されている。
【0152】
補償データ1303について詳述すると、補償データ1303は、変更コンテンツ1302のアドレス1のデータ(部分コンテンツ)「A」に後続して使用されることを示しており、アドレス1のデータ(部分コンテンツ)「A」に後続するデータ(部分コンテンツ)はアドレス3のデータ(部分コンテンツ)「B」、ということを示している。このため、ユーザ端末装置3が補償データ1303を用いて変更コンテンツ1302を復元すれば、アドレス2のデータ「警告」はスキップされ、再生されない。
【0153】
変更コンテンツ1302が補償データ無しに不正に再生された場合は、変更コンテンツ1302のアドレス2のデータ「警告」はスキップされないので、警告が上映画面に表示され、視聴者の注意を喚起する。
【0154】
アドレス3のデータ(部分コンテンツ)「C」再生後は、補償データが定義されていないので、アドレス4のデータ(部分コンテンツ)「D」が再生される。
【0155】
コマンド1305は、図1のコンテンツ変更指示102で用いられる記述であり、上述の挿入操作(アドレス2に「警告」を挿入する操作)を意味している。なお、コマンド1305のinsert(2,警告)について説明すると、「insert」は挿入指示を表し、(2,警告)は挿入位置がオリジナル1301のアドレス2の直前、挿入すべきデータは「警告」であることを表す。
【0156】
図14は、オリジナルコンテンツのデータを、所定のデータブロック単位である部分コンテンツ単位で並べ替えるように変更された変更コンテンツを復元する一例を説明するための説明図である。具体的には、図14は、部分コンテンツが並び替えられたコンテンツである変更コンテンツをユーザ端末装置3が蓄積し、ユーザ端末装置3がコンテンツ再生時に補償データで部分コンテンツの並びを元に戻す復元例を説明するための説明図である。
【0157】
図14において、図14(a)はオリジナルコンテンツ1401を示し、図14(b)は変更コンテンツ1402を示し、図14(c)〜(f)は補償データ1403〜1406を示し、図14(g)は上映出力コンテンツ(復元コンテンツ)1407を示し、図14(h)はコマンド(コンテンツ変更指示)1408を示す。
【0158】
図14の例では、オリジナル1401に対し、変更コンテンツ1402は、アドレス1、2、4のデータ(部分コンテンツ)の順番を変更している。
【0159】
補償データ1403〜1406は、変更コンテンツ1402を復元するために使用される補償データである。
【0160】
補償データ(#1)1403は、前アドレスとして0、データは無し、次アドレスとして4が定義されている。補償データ(#1)1403について詳述すると、補償データ(#1)1403は、コンテンツの再生冒頭で使用されることを示しており、後続するデータ(部分コンテンツ)はアドレス4のデータ(部分コンテンツ)「A」ということを示している。
【0161】
次の補償データ(#2)1404は、前アドレスとして4、データは無し、次アドレスとして1が定義されている。補償データ(#2)1404について詳述すると、補償データ(#2)1404は、アドレス4のデータ(部分コンテンツ)「A」に後続して使用されることを示しており、アドレス4のデータ(部分コンテンツ)「A」に後続するデータ(部分コンテンツ)はアドレス1のデータ(部分コンテンツ)「B」、ということを示している。
【0162】
次の補償データ(#3)1405は、前アドレスとして1、データは無し、次アドレスとして3が定義されている。補償データ(#3)1405について詳述すると、補償データ(#3)1405は、アドレス1のデータ(部分コンテンツ)「B」に後続して使用されることを示しており、アドレス1のデータ(部分コンテンツ)「B」に後続するデータ(部分コンテンツ)はアドレス3のデータ(部分コンテンツ)「C」、ということを示している。
【0163】
次の補償データ(#4)1406は、前アドレスとして3、データは無し、次アドレスとして2が定義されている。補償データ(#4)1406について詳述すると、補償データ(#4)1406は、アドレス3のデータ(部分コンテンツ)「C」に後続して使用されることを示しており、アドレス3のデータ(部分コンテンツ)「C」に後続するデータ(部分コンテンツ)はアドレス2のデータ(部分コンテンツ)「D」、ということを示している。
【0164】
変更コンテンツ1402が補償データ無しに不正に再生された場合は、部分コンテンツが不正な順番で表示され、視聴者の注意が喚起される。
【0165】
コマンド1408は、図1のコンテンツ変更指示102で用いられる記述であり、上述の並べ替え操作(アドレス1、2、4のデータ(部分コンテンツ)の順番を変更)を意味している。なお、コマンド1408のswap(1,4):swap(2,1):swap(4,2)について説明すると、「swap」は並べ替え指示を表し、(1,4)はアドレス1と4の並び替え、(2,1)はアドレス2と1の並び替え、(4,2)はアドレス4と2の並び替えを順番に行うことを表す。
【0166】
本実施例によれば、変更コンテンツは、部分コンテンツが並び替えられたコンテンツであり、正当なコンテンツと異なる。このため、変更コンテンツが不正にコピーされても、そのコピーは正当なコンテンツと異なり、コンテンツの著作権は保護される。
【0167】
また、変更コンテンツは部分コンテンツの欠落がない。このため、ユーザ端末装置側のユーザは、補償データがなくても、変更コンテンツに基づいてそのコンテンツの断片(部分コンテンツ)を確認することが可能になる。したがって、ユーザは、補償データがなくても、配信された変更コンテンツが、ユーザ自身が要求したコンテンツに対応する変更コンテンツであるか否か確認することが可能になる。
【0168】
また、オリジナルコンテンツは、再生される順番に並べられている複数のフレームで構成された動画像データであり、変更部13aは、オリジナルコンテンツのフレームを並び替え、そのフレームが並び替えられた動画像データを、変更コンテンツとして出力する。
【0169】
このため、ユーザは、補償データがなくても、変更コンテンツに含まれるフレームを確認することができる。このため、配信された変更コンテンツが、ユーザ自身が要求したコンテンツに対応する変更コンテンツであるか否かをフレームから容易に確認することが可能になる。
【0170】
また、変更コンテンツを変更前のコンテンツに戻すと、補償データが削除されることが望ましい。この場合、変更コンテンツを変更前のコンテンツに戻すと、補償データが削除されるため、変更コンテンツから変更前のコンテンツを復元する処理が再現されることを抑制することが可能になる。
【0171】
図15は、すかし重畳の例を示す。
【0172】
すかし重畳とは、コンテンツのある部分の映像または音声に電子透かしを加える操作のことである。
【0173】
図15において、図15(a)はオリジナルコンテンツ1501を示し、図15(b)は変更コンテンツ1502を示し、図15(c)は補償データ1503を示し、図15(d)は上映出力コンテンツ(すかし入り復元コンテンツ)1504を示し、図15(e)はコマンド(コンテンツ変更指示)1505を示す。
【0174】
図15の例では、オリジナル1501に対し、変更コンテンツ1502は、アドレス2のデータ「B」を欠落させ、一方対応する補償データ1503としてデータ「B」に電子透かしを重畳したものを与えている。
【0175】
補償データ1503は、変更コンテンツ1502を復元するために使用される補償データであり、前アドレスとして1、データとしてデータ(部分コンテンツ)「B」に電子透かしを重畳したもの、次アドレスとして2が定義されている。補償データ1503について詳述すると、補償データ1503は、アドレス1のデータ(部分コンテンツ)「A」 に後続して使用されることを示しており、アドレス1のデータ(部分コンテンツ)「A」 に後続するデータ(部分コンテンツ)は透かしの重畳されたデータ(部分コンテンツ)「B」、その次のデータはアドレス2のデータ(部分コンテンツ)「C」ということを示している。
【0176】
アドレス2のデータ(部分コンテンツ)「C」再生後は、補償データが定義されていないので、アドレス3のデータ「D」が再生される。
【0177】
例えば、補償データ送信側でデータ「B」へ重畳する透かしを再生の度に固有のものに変えてやれば、その透かしを解読して上映地点、上映日時の特定に利用することができ、不正再生、不正複製を抑止する一助となる。
【0178】
コマンド1505は、図1のコンテンツ変更指示102で用いられる記述であり、上述の透かし重畳操作を意味している。なお、コマンド1505のmark(2,watermark1(time,date,id))について説明すると、「mark」は透かし重畳指示を表し、(2,watermark1(time,date,id))の2はデータ挿入位置がアドレス2のデータ位置であることを示し、watermark1とは透かしの種類を表しており、パラメータのtime,date,idはそれぞれ時刻、日付および上映地点IDが透かしに与えられることを示している。
【0179】
補償データ送信装置は、このパラメータを読み取り、指定のデータ「B」に送信時の時刻、日付および上映IDを透かしとして重畳したものを生成する。
【0180】
電子透かしを部分コンテンツに重畳することにより、以下に示すような作用効果を奏する。
【0181】
従来はコンテンツ全体に挿入している電子透かしを、本実施例ではコンテンツの任意の部分(部分コンテンツ)に挿入することが可能となり、また、任意の再生地点向けに、再生のたびに異なる電子透かしを挿入可能となる。したがって、画質への影響が少ない部分(部分コンテンツ)へ選択的に電子透かしを挿入することや、再生日時 、再生場所等の識別情報を電子透かしに含有させることができる。
【0182】
また、電子透かしの生成は、デジタルコンテンツ送信側(コンテンツ配信サーバ)で行われるため、多数存在する受信側(ユーザ端末装置1)の変更無しに、電子透かし方式を変更できる。
【0183】
図16は、コンテンツ変更指示102の記述例を示す。なお、本実施例では、コンテンツ変更指示102の一例としてテキスト形式でコンテンツ変更指示102を順番に表す方法について説明する。
【0184】
冒頭の「:begin」1601は、次行以降、最終行の「:end」1602が現れるまでの間、コンテンツ変更指示102が記述されていることを示す。コンテンツ変更指示102はコマンドによって表され、一行には1コマンドを記述するか、複数のコマンドを「:」で区切って記述することができる。各コマンドの働きは前述している通りである。
【0185】
本実施例によれば、コンテンツ破損処理、コンテンツ復元処理、選択的な電子透かし挿入処理とを含む著作権管理システム(コンテンツ配信システム)において、ユーザ端末装置(受信装置)内に蓄積されるコンテンツは損傷され不完全であること、再生時にコンテンツは著作権者が意図した内容となること、データの識別情報を挿入可能であることによって、データ盗難時の被害減少、上映地点の特定、不正複製の抑止、電子透かし挿入による画質低下を低減する効果がある。
【0186】
換言すると、ユーザ端末装置側に保存された変更コンテンツは、原版のコンテンツと比べ、欠落、差し替え、データの順番変更等の差異がある不完全なものである。したがって、悪意のある者が、変更コンテンツまたは変更コンテンツの複製を入手しても、その入手した変更コンテンツを原版と偽って使用することはできない。コンテンツ配信側は、ユーザ端末装置側に、経済的価値を著しく損ねた状態でコンテンツを保存させることができる。
【0187】
再生時には、送信側より取得した補償データに従いコンテンツの復元が行われ、再生内容は著作権者が意図したものと一致する。しかしながら、補償データはユーザ端末装置に保存されず、再生動作の再現はできない。
【0188】
以上説明した実施例において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0189】
【図1】送信側でコンテンツの破損処理の処理の流れを表す図
【図2】受信側でのコンテンツの復元処理の流れを表す図
【図3】従来のコンテンツ配信システムの構成を表す図
【図4】従来のコンテンツ配信システムの受信側の内部構成を表す図
【図5】コンテンツ破損処理を加えた配信システムの構成を表す図
【図6】コンテンツ破損処理を加えた配信システムの受信側の内部構成を表す図
【図7】補償データ送信装置と受信側の内部構成を表す図
【図8】補償データのデータ構造を表す図
【図9】復元部の内部構成
【図10】復元部の動作アルゴリズムを表すフローチャート
【図11】欠落処理の例を表す図
【図12】差し替え処理の例を表す図
【図13】挿入処理の例を表す図
【図14】並べ替え処理の例を表す図
【図15】すかし重畳処理の例を表す図
【図16】破損指示データの記述例を表す図
【符号の説明】
【0190】
1 コンテンツ配信サーバ
10 通信部
11 コンテンツ格納部
12 入力部
13 変更処理部
13a 変更部
13b 補償データ生成部
14 補償データ蓄積部
15 再生位置追跡処理部
16 補償データ送出処理部
17 補償データ送信装置
2 通信回線
2a コンテンツ伝送媒体
2b 補償データ伝送媒体
3 ユーザ端末装置
31 入力部
32 通信部
33 蓄積部
34 復元処理部
34a 復元部
34a1 読込処理部
34a2 補償データ適用処理部
34b 再生部
35 出力部(表示部)
901 再生アドレスカウンタ
902 一時バッファ
903 制御部
904 スイッチ部
905 読出位置処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末装置と、前記ユーザ端末装置から所定のコンテンツを要求する旨のコンテンツ要求を受信すると該所定のコンテンツを該ユーザ端末装置に配信するコンテンツ配信サーバと、を含むコンテンツ配信システムであって、
前記コンテンツ配信サーバは、
前記所定のコンテンツを、再生される順番に並べられている複数の部分コンテンツとして格納するコンテンツ格納部と、
前記ユーザ端末装置から所定のコンテンツを要求する旨を受け付けると、前記コンテンツ格納部に格納されている複数の部分コンテンツを並び替え、その並び替えた部分コンテンツを変更コンテンツとして出力する変更部と、
前記変更部が前記変更コンテンツを出力するときに、前記変更コンテンツを変更前のコンテンツに戻す並び替え手順を示す旨の補償データを生成する補償データ生成部と、
前記変更コンテンツおよび前記補償データを前記所定のコンテンツとして前記ユーザ端末装置に配信する配信部と、を含み、
前記ユーザ端末装置は、
前記配信部が配信した変更コンテンツおよび補償データを受信する受信部と、
前記受信部が受信した補償データに基づいて前記変更コンテンツを変更前の複数の部分コンテンツに復元する復元処理部と、を含むコンテンツ配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載のコンテンツ配信システムにおいて、
前記コンテンツ格納部は、前記所定のコンテンツとして、再生される順番に並べられている複数のフレームで構成された動画像データを格納し、
前記変更部は、前記コンテンツ格納部に格納されている複数のフレームを並び替え、そのフレームが並び替えられた動画像データを、変更コンテンツとして出力する、コンテンツ配信システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンテンツ配信システムにおいて、
前記復元処理部は、前記変更コンテンツを前記変更前のコンテンツに復元するために用いた補償データを削除する、コンテンツ配信システム。
【請求項4】
請求項1に記載のコンテンツ配信システムが行うコンテンツ配信方法であって、
前記変更部が前記コンテンツ格納部に格納されている複数の部分コンテンツを並び替えその並び替えた部分コンテンツを変更コンテンツとして出力する変更ステップと、
前記変更ステップで前記変更コンテンツを出力するときに、前記補償データ生成部が前記変更コンテンツを変更前のコンテンツに戻す並び替え手順を示す旨の補償データを生成する補償データ生成ステップと、
前記配信部が前記変更コンテンツおよび前記補償データとを前記所定のコンテンツとして前記ユーザ端末装置に配信する配信ステップと、
前記配信ステップで配信した変更コンテンツおよび補償データを前記受信部が受信する受信ステップと、
前記復元処理部が前記受信ステップで受信した補償データに基づいて前記変更コンテンツを変更前の複数の部分コンテンツに復元する復元処理ステップと、を含むコンテンツ配信方法。
【請求項5】
請求項4に記載のコンテンツ配信方法において、
前記コンテンツ格納部は、前記所定のコンテンツとして、再生される順番に並べられている複数のフレームで構成された動画像データを格納し、
前記変更ステップは、前記コンテンツ格納部に格納されている複数のフレームを並び替え、そのフレームが並び替えられた動画像データを変更コンテンツとして出力する、コンテンツ配信方法。
【請求項6】
請求項4または5に記載のコンテンツ配信方法において、
前記復元処理部が前記変更コンテンツを前記変更前のコンテンツに復元するために用いた補償データを削除する削除ステップをさらに含む、コンテンツ配信方法。
【請求項7】
ユーザ端末装置から所定のコンテンツを要求する旨のコンテンツ要求を受信すると該所定のコンテンツを該ユーザ端末装置に配信するコンテンツ配信サーバであって、
前記所定のコンテンツを、再生される順番に並べられている複数の部分コンテンツとして格納するコンテンツ格納部と、
前記ユーザ端末装置から所定のコンテンツを要求する旨を受け付けると、前記コンテンツ格納部に格納されている複数の部分コンテンツを並び替え、その並び替えた部分コンテンツを変更コンテンツとして出力する変更部と、
前記変更部が前記変更コンテンツを出力するときに、前記変更コンテンツを変更前のコンテンツに戻す並び替え手順を示す旨の補償データを生成する補償データ生成部と、
前記変更コンテンツおよび前記補償データを前記所定のコンテンツとして前記ユーザ端末装置に配信する配信部と、を含むコンテンツ配信サーバ。
【請求項8】
ユーザ端末装置から所定のコンテンツを要求する旨のコンテンツ要求を受信すると該所定のコンテンツを該ユーザ端末装置に配信するコンテンツ配信処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
再生される順番に並べられている複数の部分コンテンツを並び替え、その並び替えた部分コンテンツを変更コンテンツとして出力する変更処理と、
前記変更処理で前記変更コンテンツを出力するときに、前記変更コンテンツを変更前のコンテンツに戻す並び替え手順を示す旨の補償データを生成する補償データ生成処理と、
前記変更コンテンツおよび前記補償データを、前記所定のコンテンツとして、前記ユーザ端末装置に配信する配信処理と、を含むコンテンツ配信処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
請求項7に記載のコンテンツ配信サーバに所定のコンテンツを要求する旨のコンテンツ要求を送信し、該コンテンツ配信サーバから配信された所定のコンテンツを受信するユーザ端末装置であって、
前記配信部が配信した変更コンテンツおよび補償データを受信する受信部と、
前記受信部が受信した補償データに基づいて前記変更コンテンツを変更前の複数の部分コンテンツに復元する復元処理部と、を含むユーザ端末装置。
【請求項10】
請求項9に記載のユーザ端末装置において、
前記復元処理部は、前記変更コンテンツを前記変更前のコンテンツに復元するために用いた補償データを削除する、ユーザ端末装置。
【請求項11】
請求項7に記載のコンテンツ配信サーバに所定のコンテンツを要求する旨のコンテンツ要求を送信し、該コンテンツ配信サーバから配信された所定のコンテンツを受信するコンテンツ取得処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記配信部が配信した変更コンテンツおよび補償データを受信する受信処理と、
前記受信処理で受信した補償データに基づいて前記変更コンテンツを変更前の複数の部分コンテンツに復元する復元処理と、を含むコンテンツ取得処理をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−39931(P2006−39931A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−218756(P2004−218756)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】