説明

コンテンツ配信システム、並びに、コンテンツ配信サーバ、キャッシュサーバ、コンテンツ視聴装置およびそれらのプログラム

【課題】編成情報である放送時刻を指定して、コンテンツにアクセスすることが可能なコンテンツ配信システムを提供する。
【解決手段】コンテンツ配信システムSは、コンテンツを予め定めた時間長のブロックデータに分割し、当該コンテンツの編成上のチャンネル識別と、ブロックデータの放送時刻とを付加したブロック化コンテンツを生成し、複数のキャッシュサーバ2に送信するコンテンツ配信サーバ1と、コンテンツ配信サーバ1から送信されたブロック化コンテンツを記憶し、コンテンツ視聴装置3からチャンネル識別および放送時刻を指定したブロック化コンテンツの要求があった際に、記憶しているブロック化コンテンツをコンテンツ視聴装置3に送信するキャッシュサーバ2と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視聴者が、ネットワーク経由で放送番組(コンテンツ)を視聴するためのコンテンツ配信システム、並びに、コンテンツ配信サーバ、キャッシュサーバ、コンテンツ視聴装置およびそれらのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、放送番組を視聴する視聴形態は、視聴者(以下、ユーザという)が、番組の編成に従って配信される放送番組(以下、コンテンツという)をリアルタイム視聴する以外にも、ユーザが任意のタイミングでコンテンツを視聴する視聴形態が実現されている。
例えば、放送されたコンテンツをファイルとして記憶媒体に記憶し、ユーザが好きな時間にコンテンツを指定して視聴するタイムシフト視聴が可能なハードディスクレコーダは一般的なものとなっている。また、テレビ番組、ラジオ番組、あるいは、映画を、ファイルとしてネットワーク経由でダウンロードして視聴するビデオ・オン・デマンドも一般的なものとなっている。
【0003】
このように、ユーザが任意のタイミングでコンテンツを視聴する形態において、さらに、ユーザが選択した任意の位置(シーン)からコンテンツを再生する技術が種々開示されている(特許文献1〜5参照)。
例えば、特許文献1には、記憶媒体に記憶された動画情報の読み出し位置を、指定された時間分だけ、前または後にスキップさせて動画情報を読み出して再生を行う技術が開示されている。
特許文献2には、ネットワーク経由で配信されたコンテンツを記憶媒体に記憶しておき、ウェブサイトやネットワーク上で公開されている番組表から、ユーザが所望の番組を指定し、放送日と放送時間を指定することで、所望の番組の任意の位置からコンテンツを再生する技術が開示されている。
【0004】
特許文献3には、タイムシフト視聴として、コンテンツ全体を受信機に記憶、あるいは、ユーザが所望する一部のコンテンツを記憶し、あとから、ランダムアクセスにより再生したり、ユーザが所望のシーンのみを何度も視聴したりする技術が開示されている。
特許文献4には、パケット伝送を行うIPネットワークによる放送において、ザッピング視聴を行うために、ザッピングのために別途用意した映像データを蓄積しておき、ザッピングが行われた際にその映像データを再生することで、ネットワーク遅延に伴うコンテンツ再生までの待ち時間を短縮し、高速なザッピングを実現する技術が開示されている。
特許文献5には、ネットワーク上に存在するコンテンツを、所定のグループごとに実時刻と対応する時間軸上に仮想的に配置して、コンテンツを時間軸上のグループ単位で切り替えて再生する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−223408号公報
【特許文献2】特開2007−228619号公報
【特許文献3】特許第4462749号公報
【特許文献4】特許第4443833号公報
【特許文献5】特開2010−28433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜4に記載されている技術では、任意のシーンからコンテンツを再生するために、予めコンテンツ、あるいはその一部を装置内の記憶媒体(メモリ、ハードディスク等)に記憶しておかなければならない。
しかし、単にコンテンツ内だけにとどまらず、放送番組として過去に放送されたコンテンツに対して、編成情報である放送時刻に沿ってアクセスしたい、すなわち、時間方向にザッピングを行いたいという要望がある。
【0007】
この場合、従来の技術では、ユーザが視聴したいシーンを変えてアクセスできるコンテンツは、記憶媒体内に記憶されているコンテンツ(あるいはその一部)であって、放送時間を遡って他のコンテンツにアクセスすることはできない。例え、放送時間を遡って他のコンテンツをアクセスするために、複数のコンテンツを記憶媒体に記憶するとしても、現時点において、ユーザがアクセスを希望するコンテンツの放送時間が未定であるため、過去に放送された全コンテンツがアクセス対象となり、全コンテンツをユーザの視聴装置に記憶するのは、現実的には不可能である。
【0008】
一方、特許文献5に記載されている技術は、視聴するコンテンツを、ネットワークを介して取得するもので、グループ単位でのザッピングを可能にしている。例えば、ここで、グループを1つのチャンネル(放送局)とすれば、ネットワークを介して配信される放送番組に対して、チャンネルごとのザッピングを行うことができる。しかし、この従来の技術では、チャンネルごとにコンテンツを切り替える技術であるため、放送番組として放送されるコンテンツに対して、編成情報の放送時刻を指定してアクセスすることはできないという問題がある。
【0009】
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、ネットワークを介して放送番組として配信されるコンテンツを視聴する際に、編成情報である放送時刻を指定してコンテンツにアクセスすることが可能なコンテンツ配信システム、並びに、コンテンツ配信サーバ、キャッシュサーバ、コンテンツ視聴装置およびそれらのプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記課題を解決するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載のコンテンツ配信システムは、コンテンツ配信サーバとキャッシュサーバとコンテンツ視聴装置とを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報に従って、前記コンテンツ配信サーバから、前記キャッシュサーバを経由して、前記コンテンツ視聴装置にコンテンツを配信するとともに、前記コンテンツ視聴装置から指定されたコンテンツを配信するコンテンツ配信システムであって、前記コンテンツ配信サーバは、コンテンツ記憶手段と、編成番組データ送信手段と、第1のデータ要求受付手段と、指定番組データ送信手段と、を備え、前記キャッシュサーバは、データ記憶手段と、データ受信手段と、第2のデータ要求受付手段と、検索実行手段と、データ要求手段と、データ送信手段と、を備える構成とした。
【0011】
かかる構成において、コンテンツ配信システムは、コンテンツ配信サーバのコンテンツ記憶手段に複数のコンテンツを記憶しておく。このコンテンツ記憶手段には、過去に配信されたコンテンツ、および、これから配信する予定のコンテンツが記憶される。
【0012】
また、コンテンツ配信システムは、コンテンツ配信サーバの編成番組データ送信手段によって、編成情報に従って配信するコンテンツを予め定めた時間長のブロックデータに分割し、チャンネル識別と放送時刻とを付加したブロック化コンテンツを生成して、キャッシュサーバに編成番組データとして送信する。ここで、チャンネル識別は、コンテンツの編成上の放送チャンネルを識別するための識別情報である。また、放送時刻は、ブロックデータの編成上の再生時刻である。このチャンネル識別と放送時刻とによって、編成上でどのコンテンツのどの部分のデータ(ブロックデータ)であるのかを特定することができる。
【0013】
また、コンテンツ配信システムは、コンテンツ配信サーバの第1のデータ要求受付手段によって、キャッシュサーバから、チャンネル識別および放送時刻を指定したデータ要求を受け付ける。
そして、コンテンツ配信システムは、コンテンツ配信サーバの指定番組データ送信手段によって、編成情報に基づいて、第1のデータ要求受付手段で受け付けたデータ要求で指定されたチャンネル識別および放送時刻に対応したデータをコンテンツ記憶手段から読み出して当該チャンネル識別および放送時刻を付加したブロック化コンテンツを生成し、要求のあったキャッシュサーバに指定番組データとして送信する。このとき、指定番組データ送信手段がコンテンツ記憶手段から読み出すデータの時間長は、編成番組データ送信手段がコンテンツを分割する時間長と同じとする。これによって、編成に従ったコンテンツのデータ(編成番組データ)と、要求されたコンテンツのデータ(指定番組データ)とが、同一の時間長のデータとして、キャッシュサーバに送信され、キャッシュサーバにおいて、データを共通に管理することができる。
【0014】
また、コンテンツ配信システムは、キャッシュサーバのデータ受信手段によって、コンテンツ配信サーバから送信されたブロック化コンテンツである編成番組データおよび指定番組データを受信し、データ記憶手段に記憶させる。このデータ記憶手段は、ブロック化コンテンツを一時的に記憶するものであって、例えば、データ量が予め定めた最大記憶容量を超過する場合に、古いデータから削除する。
【0015】
また、コンテンツ配信システムは、キャッシュサーバの第2のデータ要求受付手段によって、コンテンツ視聴装置から、編成に従った編成番組データまたはチャンネル識別および放送時刻を指定した指定番組データのデータ要求を受け付ける。
そして、コンテンツ配信システムは、キャッシュサーバの検索実行手段によって、第2のデータ要求受付手段で受け付けたデータ要求で、チャンネル識別および放送時刻を指定して指定番組データを要求された場合に、当該チャンネル識別および放送時刻を検索キーとして、データ記憶手段から指定番組データを検索する。
【0016】
そして、コンテンツ配信システムは、キャッシュサーバのデータ要求手段によって、検索実行手段において、要求のあった指定番組データが検索されなかった場合、検索キーであるチャンネル識別および放送時刻を指定して、コンテンツ配信サーバに指定番組データを要求する。これによって、キャッシュサーバ内に要求されたデータがない場合に限って、コンテンツ配信サーバにデータ要求が行われることになる。
そして、コンテンツ配信システムは、キャッシュサーバのデータ送信手段によって、検索実行手段で検索された指定番組データ、または、データ受信手段で受信した編成番組データまたは指定番組データを、当該データを要求したコンテンツ視聴装置に送信する。
【0017】
これによって、編成に従ったブロック化コンテンツ(編成番組データ)については、データ受信手段で受信したデータが、そのまま、データ送信手段からコンテンツ視聴装置に送信される。一方、編成によらず放送時刻等で指定されたブロック化コンテンツ(指定番組データ)については、キャッシュサーバ内に存在していれば、そのデータがコンテンツ視聴装置に送信され、存在していない場合は、要求によってコンテンツ配信サーバから受信したデータが、コンテンツ視聴装置に送信されることになる。
【0018】
さらに、請求項2に記載のコンテンツ配信システムは、請求項1に記載のコンテンツ配信システムにおいて、検索実行手段が、他のキャッシュサーバとの間で検索キーに該当する指定番組データを検索するものであり、第2データ要求受付手段が、さらに他のキャッシュサーバから、指定番組データの要求を受け付けるものであって、検索実行手段において、検索キーに対応する指定番組データがデータ記憶手段に記憶されておらず、かつ、他のキャッシュサーバに記憶されている場合に、データ要求手段が、当該指定番組データを、他のキャッシュサーバに要求することを特徴とする。
【0019】
かかる構成において、コンテンツ配信システムは、キャッシュサーバの検索実行手段において、当該キャッシュサーバ内に要求された指定番組データが存在しない場合は、他のキャッシュサーバまで検索範囲を広げることで、キャッシュサーバで要求されたデータの検索を試みる。これによって、コンテンツ配信サーバへの要求を少なくすることができ、コンテンツ配信サーバの負荷を軽減させることができる。
【0020】
また、請求項3に記載のコンテンツ配信サーバは、コンテンツ配信サーバとキャッシュサーバとコンテンツ視聴装置とを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報に従って、前記コンテンツ配信サーバから、前記キャッシュサーバを経由して、前記コンテンツ視聴装置にコンテンツを配信するとともに、前記コンテンツ視聴装置から指定されたコンテンツを配信するコンテンツ配信システムにおける前記コンテンツ配信サーバであって、コンテンツ記憶手段と、編成番組データ送信手段と、データ要求受付手段と、指定番組データ送信手段と、を備える構成とした。
【0021】
かかる構成において、コンテンツ配信サーバは、コンテンツ記憶手段に、過去に配信されたコンテンツ、および、これから配信する予定のコンテンツを記憶しておく。そして、コンテンツ配信サーバは、編成番組データ送信手段によって、編成情報に従って配信するコンテンツを予め定めた時間長のブロックデータに分割し、チャンネル識別と放送時刻とを付加したブロック化コンテンツを生成して、キャッシュサーバに編成番組データとして送信する。
【0022】
また、コンテンツ配信サーバは、データ要求受付手段によって、キャッシュサーバから、チャンネル識別および放送時刻を指定したデータ要求を受け付ける。
そして、コンテンツ配信サーバは、指定番組データ送信手段によって、編成情報に基づいて、データ要求受付手段で受け付けたデータ要求で指定されたチャンネル識別および放送時刻に対応したデータをコンテンツ記憶手段から読み出して当該チャンネル識別および放送時刻を付加したブロック化コンテンツを生成し、要求のあったキャッシュサーバに指定番組データとして送信する。
【0023】
また、請求項4に記載のコンテンツ配信プログラムのように、複数のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段を備えるコンテンツ配信サーバと、キャッシュサーバと、コンテンツ視聴装置とを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報に従って、前記コンテンツ配信サーバから、前記キャッシュサーバを経由して、前記コンテンツ視聴装置にコンテンツを配信するとともに、前記コンテンツ視聴装置から指定されたコンテンツを配信するコンテンツ配信システムにおける前記コンテンツ配信サーバのコンピュータを、編成番組データ送信手段、データ要求受付手段、指定番組データ送信手段、として機能させるコンテンツ配信プログラムによって動作させることとしてもよい。
【0024】
また、請求項5に記載のキャッシュサーバはコンテンツ配信サーバとキャッシュサーバとコンテンツ視聴装置とを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報に従って、前記コンテンツ配信サーバから、前記キャッシュサーバを経由して、前記コンテンツ視聴装置にコンテンツを配信するとともに、前記コンテンツ視聴装置から指定されたコンテンツを配信するコンテンツ配信システムにおける前記キャッシュサーバであって、データ記憶手段と、データ受信手段と、データ要求受付手段と、検索実行手段と、データ要求手段と、データ送信手段と、を備える構成とした。
【0025】
かかる構成において、キャッシュサーバは、データ受信手段によって、コンテンツ配信サーバから送信されたブロック化コンテンツを受信し、データ記憶手段に記憶させる。
また、キャッシュサーバは、データ要求受付手段によって、コンテンツ視聴装置から、編成に従ったブロック化コンテンツである編成番組データまたはチャンネル識別および放送時刻を指定したブロック化コンテンツである指定番組データのデータ要求を受け付ける。
【0026】
そして、キャッシュサーバは、検索実行手段によって、データ要求受付手段で受け付けたデータ要求で、チャンネル識別および放送時刻を指定して前記指定番組データを要求された場合に、当該チャンネル識別および放送時刻を検索キーとして、データ記憶手段、および、前記ネットワークに接続された他のキャッシュサーバとの間で検索キーに該当する指定番組データを検索する。
【0027】
そして、キャッシュサーバは、データ要求手段によって、検索実行手段において、要求のあった指定番組データが検索されなかった場合、検索キーであるチャンネル識別および放送時刻を指定して、コンテンツ配信サーバに指定番組データを要求する。
そして、キャッシュサーバは、データ送信手段によって、検索実行手段で検索された指定番組データ、または、データ受信手段で受信した編成番組データまたは指定番組データを、当該データを要求したコンテンツ視聴装置に送信する。
【0028】
また、請求項6に記載のキャッシュプログラムのように、コンテンツ配信サーバと、コンテンツを一時的に記憶するデータ記憶手段を備えたキャッシュサーバと、コンテンツ視聴装置とを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報に従って、前記コンテンツ配信サーバから、前記キャッシュサーバを経由して、前記コンテンツ視聴装置にコンテンツを配信するとともに、前記コンテンツ視聴装置から指定されたコンテンツを配信するコンテンツ配信システムにおける前記キャッシュサーバのコンピュータを、データ受信手段、データ要求受付手段、検索実行手段、データ要求手段、データ送信手段、として機能させるキャッシュプログラムとして動作させることとしてもよい。
【0029】
また、請求項7に記載のコンテンツ視聴装置は、コンテンツ配信サーバと複数のキャッシュサーバとを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報または要求に従って、前記コンテンツ配信サーバから前記キャッシュサーバを経由して配信されるコンテンツを提示するコンテンツ視聴装置であって、データ受信手段と、データ再生手段と、データ要求受付手段と、データ要求手段と、を備える構成とした。
【0030】
かかる構成において、コンテンツ視聴装置は、データ受信手段によって、コンテンツが予め定めた時間長のブロックデータに分割され、当該コンテンツの編成上の放送チャンネルを識別するためのチャンネル識別と、前記ブロックデータの編成上の放送時刻とが付加されたブロック化コンテンツを、キャッシュサーバから受信する。
これによって、コンテンツ視聴装置は、編成に従った送信されるデータと要求によって送信されるデータとに関わらず、同一のデータ形式でブロック化されたコンテンツを順次受信する。
【0031】
そして、コンテンツ視聴装置は、データ再生手段によって、データ受信手段で受信したブロック化コンテンツを順次再生する。
また、コンテンツ視聴装置は、データ要求受付手段によって、外部のリモコン装置から、現在コンテンツを再生している放送チャンネルの編成上の放送時刻を指定したデータ要求を受け付ける。この放送時刻は、現在視聴している放送時刻に対して相対的な時刻であってもよいし、実際の放送時刻であってもよい。
【0032】
そして、コンテンツ視聴装置は、データ要求手段によって、データ要求受付手段で受け付けたデータ要求で指定される放送時刻と、現在再生している放送チャンネルを識別するためのチャンネル識別とを指定したデータ要求をキャッシュサーバに送信する。
これによって、キャッシュサーバには、編成上でユーザが所望したコンテンツと、放送時間で特定されるコンテンツ上の時間位置とを特定することが可能な情報が通知されることになる。
【0033】
また、請求項8に記載のコンテンツ視聴プログラムのように、コンテンツ配信サーバと複数のキャッシュサーバとを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報または要求に従って、前記コンテンツ配信サーバから前記キャッシュサーバを経由して配信されるコンテンツを提示するコンテンツ視聴装置のコンピュータを、データ受信手段、データ再生手段、データ要求受付手段、データ要求手段、として機能させるコンテンツ視聴プログラムとして動作させることとしてもよい。
【発明の効果】
【0034】
本発明は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
請求項1に記載の発明によれば、コンテンツをコンテンツ視聴装置に記憶することなく、編成情報の放送時刻を指定することで、時間方向に沿ってコンテンツにアクセスすることができる。これによって、コンテンツ視聴装置でコンテンツを視聴するユーザは、視聴するコンテンツを時間方向に遡って視聴したり、そのコンテンツ内における再生位置を変えたりすることが可能になる。
【0035】
請求項2に記載の発明によれば、コンテンツ視聴装置から、チャンネル識別および放送時刻を指定した要求があった場合、複数のキャッシュサーバ内のいずれかにそのデータが記憶されていれば、コンテンツ配信サーバに要求を行うことがない。これによって、コンテンツ配信サーバの負荷を軽減させることができる。
【0036】
請求項3,4に記載の発明によれば、編成情報に従ってコンテンツを配信するのみならず、キャッシュサーバを経由してコンテンツ視聴装置から要求のあったコンテンツを配信することができる。これによって、コンテンツ視聴装置がコンテンツを記憶することなく、時間方向に遡ってコンテンツを再生させることができる。
【0037】
請求項5,6に記載の発明によれば、コンテンツ配信サーバが配信したブロック化コンテンツを一時的に保持しておくため、コンテンツ視聴装置から要求があった場合にその要求のあったデータを再送信することができ、コンテンツ配信サーバへの要求負荷を抑えることができる。また、請求項5,6に記載の発明によれば、キャッシュサーバ内に該当するデータが存在しない場合であっても、他のキャッシュサーバにおいて当該データが存在すれば、そのデータをコンテンツ視聴装置に送信するため、さらに、コンテンツ配信サーバへの負荷を軽減させることができる。
【0038】
請求項7,8に記載の発明によれば、編成情報に従って配信されるコンテンツを再生する以外に、編成情報の放送時刻を指定されることで、時間方向に沿ってコンテンツにアクセスすることができる。これによって、ユーザは、視聴するコンテンツを時間方向に遡って視聴したり、そのコンテンツ内における再生位置を変えたりすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成を示すシステム構成図である。
【図2】編成情報における現在時刻と指定時刻との関係を説明するための説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信サーバの構成を示すブロック構成図である。
【図4】コンテンツ配信サーバが配信するブロック化コンテンツの一例を示すデータ構造図である。
【図5】本発明の実施形態に係るキャッシュサーバの構成を示すブロック構成図である。
【図6】本発明の実施形態に係るコンテンツ視聴装置の構成を示すブロック構成図である。
【図7】本発明の実施形態に係るコンテンツ配信サーバの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係るキャッシュサーバの動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るコンテンツ視聴装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[コンテンツ配信システムの構成]
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成について説明する。
【0041】
図1に示すコンテンツ配信システムSは、放送番組の編成(編成情報)に従って、コンテンツ視聴装置3にコンテンツ(放送番組)を配信して、ユーザがコンテンツを視聴することを可能とするとともに、コンテンツ視聴装置3にコンテンツを蓄積することなく、ユーザが過去の時間に遡ってコンテンツを視聴することを可能にするものである。
【0042】
ここでは、コンテンツ配信システムSは、コンテンツ配信サーバ1と、複数のキャッシュサーバ2(2,2,…,2)とを、ネットワークを介して接続することで構成している。また、各キャッシュサーバ2には、複数のコンテンツ視聴装置3(3,3,…,3)がネットワークを介して接続される。
【0043】
コンテンツ配信サーバ1は、放送番組の編成に従って、コンテンツを逐次ブロック化したデータ(編成番組データ)として、予め定めたキャッシュサーバに送信するものである。また、コンテンツ配信サーバ1は、キャッシュサーバ2から、放送チャンネル(以下、チャンネルという)や放送時刻を指定してコンテンツを要求されることで、その指定されたチャンネル、放送時刻に対応するコンテンツのデータ(指定番組データ)を、要求のあったキャッシュサーバ2に送信するものでもある。
【0044】
キャッシュサーバ2は、コンテンツ配信サーバ1が配信する編成に従ったコンテンツを一時的に記憶して、コンテンツ視聴装置3に配信するものである。また、キャッシュサーバ2は、コンテンツ視聴装置3から、チャンネルや放送時刻を指定してコンテンツを要求されることで、キャッシュサーバ2内に要求されたコンテンツのデータ(指定番組データ)が記憶されていれば、そのデータをコンテンツ視聴装置3に送信するものでもある。
【0045】
なお、キャッシュサーバ2(例えば、2)は、自身のサーバ内に、指定番組データが存在しない場合、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)に当該指定番組データが存在する場合には、そのデータを取得して、コンテンツ視聴装置3に送信する。また、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)にも、指定番組データが存在しない場合、キャッシュサーバ2(2)は、コンテンツ配信サーバ1に対して、チャンネルや放送時刻を指定して、指定番組データを取得して、コンテンツ視聴装置3に送信する。
【0046】
このように、コンテンツ配信システムSを構成することで、ユーザは、コンテンツ視聴装置3において、放送番組の編成に従ってコンテンツを視聴することができるとともに、過去の時刻(例えば、10分前、1時間前、1日前等)に遡って、指定チャンネルのコンテンツを視聴することができる。
【0047】
例えば、図2(a)に示すように、現在時刻において、チャンネルA,B,…のうちで、ユーザが、コンテンツ視聴装置3において、チャンネルBのコンテンツB1を視聴していたとする。
ここで、ユーザが、コンテンツ視聴装置3において、リモコン装置(図示せず)で、現在時刻よりも前の時刻(絶対時刻または相対時刻)を指定することで、指定時刻のコンテンツB2が、キャッシュサーバ2から、送信されることになる。すなわち、ユーザは、コンテンツ視聴時に、時間方向にザッピングを行うことができる。
【0048】
以下、コンテンツ配信システムSを構成するコンテンツ配信サーバ1およびキャッシュサーバ2、並びに、本システムによって、コンテンツを視聴するコンテンツ視聴装置3の構成および動作について詳細に説明する。
【0049】
〔コンテンツ配信サーバの構成〕
まず、図3を参照(適宜図1参照)して、コンテンツ配信サーバ1の構成について説明する。図3に示すように、コンテンツ配信サーバ1は、編成情報記憶手段10と、コンテンツ記憶手段11と、編成番組データ送信手段12と、データ要求受付手段13と、指定番組データ送信手段14と、を備えている。
【0050】
編成情報記憶手段10は、チャンネル(チャンネル識別)ごとに、放送時刻とコンテンツとを対応付けた編成情報を記憶するものである。この編成情報記憶手段10は、ハードディスク等の一般的な記憶媒体であって、外部から、番組編成に基づいて作成された編成情報が予め書き込まれる。この編成情報記憶手段10に記憶される編成情報は、現在および将来配信するコンテンツに対する情報のみならず、過去に配信されたコンテンツに対する情報も含まれている。
【0051】
コンテンツ記憶手段11は、編成情報に従って配信されるコンテンツを記憶するものである。このコンテンツ記憶手段11は、ハードディスク等の一般的な記憶媒体であって、現在および将来配信するコンテンツのみならず、過去に配信したコンテンツが記憶される。なお、コンテンツは、映像、音声に限定されず、編成情報に従って配信されるデータであれば、データ放送のデータ、あるいは、音声を字幕化した文字データ等、その種類は限定されるものではない。
【0052】
編成番組データ送信手段12は、コンテンツを予め定めた時間間隔のデータにブロック化し、編成情報に従って、予め定めた複数のキャッシュサーバ2に配信するものである。なお、編成番組データ送信手段12は、コンテンツ視聴装置3において、編成時刻にコンテンツが再生されるように、編成時刻よりも予め定めた時間だけ早くコンテンツを送信するものとする。ここでは、編成番組データ送信手段12は、編成コンテンツ読み出し手段12aと、コンテンツ分割手段12bと、編成情報付加手段12cと、を備えている。
【0053】
編成コンテンツ読み出し手段12aは、編成情報記憶手段10に記憶されている編成情報を参照し、番組の編成に従ったコンテンツをコンテンツ記憶手段11から読み出すものである。この編成コンテンツ読み出し手段12aは、図示を省略した計時手段が計時する現在時刻に応じて、チャンネルごとに、編成情報から配信すべきコンテンツを特定し、コンテンツ記憶手段11から対応するコンテンツを読み出す。
この編成コンテンツ読み出し手段12aは、読み出したコンテンツをコンテンツ分割手段12bに出力する。
【0054】
コンテンツ分割手段12bは、コンテンツを予め定めた時間間隔のデータ(ブロックデータ)に分割するものである。このコンテンツ分割手段12bは、編成コンテンツ読み出し手段12aによって読み出されたコンテンツを、予め定めた時間間隔(例えば、1分間隔)に分割する。
このコンテンツ分割手段12bは、分割したブロックデータを、編成情報付加手段12cに出力する。
【0055】
編成情報付加手段12cは、コンテンツ分割手段12bで分割されたコンテンツのデータ(ブロックデータ)に、チャンネルを識別するための識別情報(チャンネル識別)と、編成上の放送時刻とを付加してブロック化したコンテンツのデータ(ブロック化コンテンツ)を生成するものである。ここで、チャンネル識別は、例えば、放送局に定められた固有のIDである。また、放送局に放送地域別に固有のIDが存在する場合は、放送局IDに放送地域IDを付加して構成してもよい。
【0056】
この編成情報付加手段12cは、例えば、図4に示すように、放送局IDおよび放送地域IDで構成されるチャンネル識別CHと、年月日および時分秒の情報で構成される放送時刻TMとをヘッダ情報Hとして、ブロックデータBKに付加することで、ブロック化コンテンツを生成する。
【0057】
なお、ここでは、当該ブロック化コンテンツが、編成情報に従ったデータであるのか、指定されたデータであるのかを示す配信識別をヘッダ情報Hに含ませることとする。すなわち、編成情報付加手段12cでは、配信識別に、当該データが編成情報に従ったデータである旨の識別情報を付加することとする。
さらに、編成情報付加手段12cは、図4に示すように、当該ブロック化コンテンツの元となるコンテンツを識別するためのコンテンツIDをヘッダ情報Hに含ませることとしてもよい。
【0058】
この編成情報付加手段12cは、生成したブロック化コンテンツを、図示を省略した通信ボード等の通信送受信手段を介して、予め定めた複数のキャッシュサーバ2に送信する。なお、編成番組データ送信手段12が送信するデータ(ブロック化コンテンツ)は、編成情報に従ったものであるため、以下では、「編成番組データ」と呼ぶこととする。
【0059】
データ要求受付手段13は、通信送受信手段(不図示)を介して、キャッシュサーバ2から、編成情報によらないブロック化コンテンツの要求(データ要求)を受け付けるものである。このデータ要求には、ブロック化コンテンツを特定するための情報であるチャンネル識別や放送時刻が含まれている。
このデータ要求受付手段13は、データを要求したキャッシュサーバ2を特定する情報(例えば、IPアドレス)とともに、データ要求に含まれているチャンネル識別および放送時刻を指定番組データ送信手段14に出力する。
【0060】
指定番組データ送信手段14は、データ要求受付手段13から通知されるチャンネル識別および放送時刻に対応するデータを、要求のあったキャッシュサーバ2に送信するものである。ここでは、指定番組データ送信手段14は、ブロックデータ読み出し手段14aと、編成情報付加手段14bと、を備えている。
【0061】
ブロックデータ読み出し手段14aは、データ要求受付手段13で要求を受け付けたデータを、コンテンツ記憶手段11から読み出すものである。ここでは、ブロックデータ読み出し手段14aは、編成情報記憶手段10に記憶されている編成情報から、データ要求に含まれていたチャンネル識別と放送時刻とに対応するコンテンツを特定する。そして、ブロックデータ読み出し手段14aは、コンテンツ記憶手段11から、特定したコンテンツにおいて、要求のあった放送時刻のデータを先頭データとして、予め定めた時間間隔分のデータ(ブロックデータ)を読み出す。なお、この時間間隔は、コンテンツ分割手段12bでコンテンツを分割する時間間隔と同じとする。
このブロックデータ読み出し手段14aは、読み出したブロックデータを、編成情報付加手段14bに出力する。
【0062】
編成情報付加手段14bは、ブロックデータ読み出し手段14aで読み出されたコンテンツのデータ(ブロックデータ)に、チャンネルを識別するための識別情報(チャンネル識別)と、編成上の放送時刻とを付加してブロック化したコンテンツのデータ(ブロック化コンテンツ)を生成するものである。なお、チャンネル識別および放送時刻は、データ要求受付手段13で受け付けたデータ要求で指定された情報である。
【0063】
この編成情報付加手段14bで生成するブロック化コンテンツは、編成番組データ送信手段12で送信するデータと同様のデータ形式(図4参照)とする。なお、編成情報付加手段14bは、図4で説明したブロック化コンテンツの配信識別には、当該データが指定されたデータである旨の識別情報を付加することとする。
この編成情報付加手段14bは、生成したブロック化コンテンツを、通信送受信手段(不図示)を介して、データを要求したキャッシュサーバ2に送信する。
なお、指定番組データ送信手段14が送信するデータ(ブロック化コンテンツ)は、キャッシュサーバ2からの指定(すなわち、コンテンツ視聴装置3からの指定)に応じたものであるため、以下では、「指定番組データ」と呼ぶこととする。
【0064】
このように、コンテンツ配信サーバ1を構成することで、コンテンツ配信サーバ1は、コンテンツ(ブロック化コンテンツ)を、編成情報に従って、キャッシュサーバ2に送信することができる。また、コンテンツ配信サーバ1は、キャッシュサーバ2から要求のあったブロック化コンテンツを、編成情報によらないで送信することができる。
なお、コンテンツ配信サーバ1は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるプログラム(コンテンツ配信プログラム)で動作させることができる。
【0065】
〔キャッシュサーバの構成〕
次に、図5を参照(適宜図1参照)して、キャッシュサーバ2の構成について説明する。図5に示すように、キャッシュサーバ2は、データ受信手段20と、データ書き込み手段21と、データ読み出し手段22と、データ記憶手段23と、データ消去手段24と、データ検索・取得手段25と、データ管理手段26と、データ要求送受信手段27と、データ送信手段28と、を備えている。
【0066】
データ受信手段20は、コンテンツ配信サーバ1や、当該キャッシュサーバ2(2)とは異なる他のキャッシュサーバ2(2,…,2)から、ブロック化コンテンツである編成番組データや指定番組データを、通信送受信手段(不図示)を介して受信するものである。なお、編成番組データは、コンテンツ配信サーバ1から、編成情報に従って配信されるブロック化コンテンツである。また、指定番組データは、当該キャッシュサーバ2(2)が、コンテンツ配信サーバ1または他のキャッシュサーバ2(2,…,2)に要求することで返信されるブロック化コンテンツである。
このデータ受信手段20は、受信したブロック化コンテンツ(編成番組データ、指定番組データ)を、データ書き込み手段21と、データ送信手段28とに出力する。
【0067】
データ書き込み手段21は、データ受信手段20で受信したブロック化コンテンツ(編成番組データ、指定番組データ)を、検索対象となる指定番組データの候補として、データ記憶手段23に書き込んで記憶させるものである。なお、ここでは、データ書き込み手段21は、ブロック化コンテンツをデータ記憶手段23に書き込むタイミング(書き込み前、または、書き込み後)で、データ消去手段24に対して、ブロック化コンテンツを書き込む、または、書き込んだ旨を通知することとする。
【0068】
データ読み出し手段22は、データ記憶手段23に記憶されているブロック化コンテンツ(指定番組データ)を読み出すものである。ここでは、データ読み出し手段22は、データ検索・取得手段25の要求に基づいて、データ記憶手段23から要求のあった指定番組データを読み出す。
【0069】
データ記憶手段23は、データ受信手段20で受信したブロック化コンテンツ(編成番組データ、指定番組データ)を、検索対象となる指定番組データの候補として記憶するものであって、当該候補をチャンネル識別および放送時刻を検索キーとするデータベースとして記憶するものである。
このデータ記憶手段23は、ハードディスク等の一般的な記憶媒体であって、データ書き込み手段21、データ読み出し手段22によって、ブロック化コンテンツの書き込みや読み出しが実行され、後記するデータ管理手段26によって、指定番組データの検索が実行される。また、データ記憶手段23は、後記するデータ消去手段24によって、ブロック化コンテンツ(指定番組データ)の削除が実行される。
【0070】
データ消去手段24は、データ記憶手段23に記憶されているブロック化コンテンツの一部を消去するものである。ここでは、データ消去手段24は、データ書き込み手段21からブロック化コンテンツの書き込みタイミングが通知された段階で、データ記憶手段23に記憶されているデータ量が、予め定めた最大記憶容量を超過しているか否かを判定し、超過している場合に、ブロック化コンテンツの削除を行う。このブロック化コンテンツの削除を行う手法は、特に限定するものではないが、例えば、データ記憶手段23にブロック化コンテンツが書き込まれた時刻や読み出された時刻を記憶しておき、書き込み時刻あるいは読み出し時刻が古いものから先に削除すればよい。
なお、ここでは、データ消去手段24は、データ書き込み手段21からブロック化コンテンツの書き込みタイミングが通知された段階で動作することとしたが、定期的に動作して、データ容量を判定し、ブロック化コンテンツの削除を実行することとしてもよい。
【0071】
データ検索・取得手段25は、コンテンツ視聴装置3から要求のあったブロック化コンテンツ(指定番組データ)の所在を検索し、所在場所から、当該指定番組データを取得し、要求のあったコンテンツ視聴装置3に送信するものである。
ここでは、データ検索・取得手段25は、データ要求送受信手段27を介して、コンテンツ視聴装置3から、指定番組データの要求を示すデータ要求を受信し、その要求に含まれているチャンネル識別および放送時刻をキーとして、データ管理手段26に指定番組データの検索要求を行う。
【0072】
そして、データ管理手段26から、要求された指定番組データの所在が当該キャッシュサーバ2(2)である旨の検索結果が通知された場合、データ検索・取得手段25は、データ読み出し手段22を介して、データ記憶手段23から指定番組データを取得する。そして、データ検索・取得手段25は、指定番組データを、データ送信手段28を介して、要求のあったコンテンツ視聴装置3に送信する。
【0073】
また、データ管理手段26から、要求された指定番組データの所在が他のキャッシュサーバ2(2,…,2)のいずれかである旨の検索結果が通知された場合、データ検索・取得手段25は、データ要求送受信手段27を介して、その指定番組データを記憶している他のキャッシュサーバ2(2,…,2)に指定番組データの要求を行う。なお、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)から返信される指定番組データは、データ受信手段20を介して受信され、データ送信手段28を介して、要求のあったコンテンツ視聴装置3に送信される。
【0074】
また、データ管理手段26から、要求された指定番組データがすべてのキャッシュサーバ2(2,2,…,2)に存在しない旨の検索結果が通知された場合、データ検索・取得手段25は、データ要求送受信手段27を介して、コンテンツ配信サーバ1に指定番組データの要求を行う。なお、コンテンツ配信サーバ1から返信される指定番組データは、データ受信手段20を介して受信され、データ送信手段28を介して、要求のあったコンテンツ視聴装置3に送信される。
【0075】
さらに、ここでは、データ検索・取得手段25は、データ要求送受信手段27を介して、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)から、データ要求を受信した場合、データ読み出し手段22を介して、データ記憶手段23から要求のあった指定番組データを読み出し、データ送信手段28を介して、要求のあった他のキャッシュサーバ2(2,…,2)に送信する。
【0076】
データ管理手段26は、キャッシュサーバ2,2,…,2に記憶されるブロック化コンテンツ(指定番組データ)の所在を管理するものである。ここでは、データ管理手段26は、検索要求受付手段26aと、検索実行手段26bと、検索結果出力手段26cと、を備えている。
【0077】
検索要求受付手段26aは、ブロック化コンテンツ(指定番組データ)の所在を検索するための検索要求を受け付けるものである。この検索要求は、チャンネル識別および放送時刻を含んだ要求である。
ここでは、検索要求受付手段26aは、データ検索・取得手段25から検索要求を受け付けるとともに、通信送受信手段(不図示)を介して、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)からも検索要求を受け付ける。
この検索要求受付手段26aは、受け付けた検索要求に含まれるチャンネル識別および放送時刻を検索のキーとして、検索実行手段26bに出力する。
【0078】
検索実行手段26bは、検索要求受付手段26aから通知されるチャンネル識別および放送時刻を検索のキーとして、指定番組データを検索するものである。
ここで、検索実行手段26bは、データ記憶手段23において、チャンネル識別および放送時刻を検索キーとして、指定番組データを検索する。そして、データ記憶手段23に該当する指定番組データが記憶されている場合は、その旨の検索結果を検索結果出力手段26cに出力する。
【0079】
また、検索実行手段26bは、データ検索・取得手段25から検索要求を受け付けた場合、かつ、データ記憶手段23に該当する指定番組データが記憶されていない場合、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)に対して、検索要求受付手段26aから通知されるチャンネル識別および放送時刻を含んだ検索要求を、通信送受信手段(不図示)を介して送信する。そして、検索実行手段26bは、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)から検索結果を取得し、指定番組データを記憶している他のキャッシュサーバ2(2,…,2)の所在を結果として、検索結果出力手段26cに出力する。なお、検索実行手段26bは、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)にも、指定番組データが記憶されていない場合、キャッシュサーバ2(2,2,…,2)には、指定番組データが存在しない旨の検索結果を検索結果出力手段26cに出力する。
【0080】
なお、ここでは、検索実行手段26bは、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)に対して、検索要求を行ったが、検索手法はこれに限定されるものではない。例えば、予め定めた数NでコンテンツIDをモジュロ演算した結果(余り)に対応付けて、当該コンテンツIDの指定番組データの所在を収集して管理するキャッシュサーバ2を予め定めておき、指定番組データのコンテンツIDのモジュロ演算結果に応じて、その演算結果に対応するキャッシュサーバ2に対して、検索要求を送信することとしてもよい。
【0081】
検索結果出力手段26cは、検索実行手段26bから出力される検索結果を、検索を要求した主体に返信するものである。すなわち、検索要求受付手段26aにおいて、データ検索・取得手段25から検索要求を受け付けた場合、検索結果出力手段26cは、データ検索・取得手段25に対して検索結果を出力する。また、検索要求受付手段26aにおいて、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)から検索要求を受け付けた場合、検索結果出力手段26cは、通信送受信手段(不図示)を介して、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)に対して検索結果を送信する。
【0082】
データ要求送受信手段27は、コンテンツ視聴装置3からのデータ要求を受け付けるとともに、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)との間で、データ要求を送受信するものである。ここでは、データ要求送受信手段27は、データ要求受付手段27aと、データ要求手段27bと、を備えている。
【0083】
データ要求受付手段27aは、通信送受信手段(不図示)を介して、コンテンツ視聴装置3や他のキャッシュサーバ2(2,…,2)から、ブロック化コンテンツの要求(データ要求)を受け付けるものである。このデータ要求には、編成に従った要求であるか否かを示す情報と、編成によらない要求であれば、ブロック化コンテンツを特定するための情報であるチャンネル識別や放送時刻とが含まれている。
このデータ要求受付手段27aは、データ要求が編成に従った要求であれば、データ送信手段28に対して、要求のあったコンテンツ視聴装置3に、データ受信手段20で受信した編成番組データを送信する旨を指示する。
【0084】
一方、データ要求が編成に従った要求でなければ、データ要求受付手段27aは、データを要求したコンテンツ視聴装置3またはキャッシュサーバ2(2,…,2)を特定する情報(例えば、IPアドレス)とともに、データ要求に含まれているチャンネル識別および放送時刻をデータ検索・取得手段25に出力する。
また、このとき、データ要求受付手段27aは、データ送信手段28に対して、要求のあったコンテンツ視聴装置3への編成番組データの停止を指示する。
【0085】
データ要求手段27bは、データ検索・取得手段25からの要求によって、通信送受信手段(不図示)を介して、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)、または、コンテンツ配信サーバ1に、データ要求を送信するものである。
【0086】
データ送信手段28は、ブロック化コンテンツを、通信送受信手段(不図示)を介して、コンテンツ視聴装置3や他のキャッシュサーバ2(2,…,2)に送信するものである。
このデータ送信手段28は、データ受信手段20から出力されるブロック化コンテンツ(編成番組データ、指定番組データ)については、コンテンツ視聴装置3に送信する。ただし、データ送信手段28は、データ要求受付手段27aからの指示によって、編成番組データを送信するのか、指定番組データを送信するのかを、コンテンツ視聴装置3ごとに切り替える。
また、データ送信手段28は、データ検索・取得手段25から出力されるブロック化コンテンツ(指定番組データ)については、要求のあった他のキャッシュサーバ2(2,…,2)に送信する。
【0087】
このように、キャッシュサーバ2を構成することで、キャッシュサーバ2は、コンテンツ(ブロック化コンテンツ)を、編成情報に従って、コンテンツ視聴装置3に配信することができる。また、キャッシュサーバ2は、コンテンツ視聴装置3から要求のあったブロック化コンテンツを、編成情報によらないで配信することができる。このとき、キャッシュサーバ2は、コンテンツ視聴装置3から要求のあったブロック化コンテンツ(指定番組データ)を記憶していれば、それを送信し、記憶していなければ、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)から指定番組データを取得して、コンテンツ視聴装置3に送信する。これによって、キャッシュサーバ2は、コンテンツ配信サーバ1に負荷をかけずに、コンテンツ視聴装置3からのデータ要求に応じてデータを送信することができる。
なお、キャッシュサーバ2は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるプログラム(キャッシュプログラム)で動作させることができる。
【0088】
〔コンテンツ視聴装置の構成〕
次に、図6を参照(適宜図1参照)して、コンテンツ視聴装置3の構成について説明する。ここでは、コンテンツ視聴装置3は、再生したコンテンツを表示するための表示装置Mが外部に接続されている。また、コンテンツ視聴装置3は、チャンネルを指定したり、過去の編成上の放送時刻を指定したり等の操作を行うためのリモコン装置Rを有している。
【0089】
このリモコン装置Rは、チャンネルを指定するための数字ボタン等の一般的なリモコン操作ボタン以外に、放送時刻を指定するボタンを備えている。
例えば、現在視聴している放送時刻から1時間前の放送時刻を指定するための「1時間前」ボタン、1日前の放送時刻を指定するための「1日前」ボタン等である。
また、一旦過去に遡って指定した放送時刻に対して、放送時刻を先に進めるためのボタン、例えば、「10分後」ボタン、「30分後」ボタン、あるいは、現在の放送時刻に戻すための「戻る」ボタン等を備えることとする。
もちろん、これらのボタンは例示であって、ボタンに示した時間に限定されるものではない。また、「戻る」ボタン以外にも、チャンネルを変更することで、現在の放送時刻に戻すこととしてもよい。
【0090】
以下、コンテンツ視聴装置3の構成について、詳細に説明する。
図6に示すように、コンテンツ視聴装置3は、データ受信手段30と、データ再生手段31と、データ要求受付手段32と、データ要求手段33と、を備えている。
【0091】
データ受信手段30は、キャッシュサーバ2から、ブロック化コンテンツである編成番組データや指定番組データを、通信送受信手段(不図示)を介して、受信するものである。このデータ受信手段30は、外部のリモコン装置Rから、チャンネルを指定されることで、当該チャンネルに対応するチャンネル識別(図4参照)を有するブロック化コンテンツを受信し、当該ブロック化コンテンツに含まれているデータ(ブロックデータ)のみを、データ再生手段31に出力する。
なお、データ受信手段30は、現在再生用のブロックデータとしてデータ再生手段31に出力したチャンネル識別や放送時刻を、図示を省略したメモリ等の記憶媒体に、記憶しておく。
【0092】
データ再生手段31は、データ受信手段30から順次出力されるブロックデータをストリームデータとして入力し、再生するものである。このデータ再生手段31は、例えば、ストリームデータがMPEG2の符号化方式で符号化されたデータであれば、MPEG2の復号を行い表示可能な出力形式の映像、音声等のデータとして、外部の表示装置Mに出力する。
【0093】
データ要求受付手段32は、リモコン装置Rから、現在のコンテンツの放送時刻に対して、放送時刻を変更したコンテンツの要求を受け付けるものである。
このデータ要求受付手段32は、リモコン装置Rから、例えば、赤外線通信によって、放送時刻を変更するボタン(例えば、「1時間前」ボタン等)の押下を通知されることで、編成によらない放送時刻を指定したデータ要求の指示を受け付ける。また、データ要求受付手段32は、リモコン装置Rから、データ要求を終了する旨のボタン(例えば、「戻る」ボタン)の押下を通知されることで、編成によらないデータ要求の終了、すなわち、編成に従ったデータの視聴への切り替えの指示を受け付ける。
そして、データ要求受付手段32は、編成によらないデータ要求(あるいはその終了)の指示を受け付けた旨、および、指定された放送時刻(1時間前等)を、データ要求手段33に通知する。
【0094】
データ要求手段33は、ブロック化コンテンツ(編成番組データ、指定番組データ)を、通信送受信手段(不図示)を介して、キャッシュサーバ2に要求するものである。
すなわち、データ要求手段33は、編成番組データについては、逐次、キャッシュサーバ2に要求し、データ要求受付手段32で放送時刻を指定したデータ要求を受け付けた段階で、キャッシュサーバ2に対して、指定番組データの要求に切り替える。なお、データ要求には、編成番組データの要求か、指定番組データの要求かを示す情報を付加することとする。
このデータ要求手段33は、指定番組データの要求を行う場合、データ要求受付手段32から通知される相対的な放送時刻から実際の放送時刻を算出し、当該放送時刻と、現在、データ受信手段30で受信しているチャンネル(チャンネル識別)とを含んだデータ要求をキャッシュサーバ2に送信する。
【0095】
ここで、データ要求手段33は、データ受信手段30から、現在受信しているデータの放送時刻を取得し、データ要求受付手段32から通知される相対的な放送時刻を減算、または、加算することで、実際にデータ要求を行うための放送時刻を算出する。
また、データ要求手段33は、データ要求受付手段32から、データ要求の終了の指示が通知されるまで、順次放送時刻をずらしてデータ要求を行うこととする。なお、この放送時刻をずらす時間は、予め定めたブロック化コンテンツの時間長である。
【0096】
このように、コンテンツ視聴装置3を構成することで、コンテンツ視聴装置3は、ユーザによるリモコン装置Rのボタン操作によって、編成上の時間方向に沿って指定された放送時刻のコンテンツのデータを、キャッシュサーバ2に要求することができる。これによって、ユーザは、現在視聴しているチャンネルに対して、時間方向にコンテンツの放送時間を変更して、コンテンツを視聴することができ、時間方向にザッピングを行うことができる。
なお、コンテンツ視聴装置3は、コンピュータを、前記した各手段として機能させるプログラム(コンテンツ視聴プログラム)で動作させることができる。
【0097】
[コンテンツ配信システムの動作]
次に、図7〜図8を参照して、本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの動作について説明する。
【0098】
〔コンテンツ配信サーバの動作〕
まず、図7を参照(構成については適宜図3参照)して、コンテンツ配信サーバ1の動作について説明する。
【0099】
コンテンツ配信サーバ1は、編成コンテンツ読み出し手段12aによって、編成情報記憶手段10に記憶されている編成情報を参照し、編成に従ったコンテンツ(編成コンテンツ)をコンテンツ記憶手段11から読み出す(ステップS1)。
そして、コンテンツ配信サーバ1は、コンテンツ分割手段12bによって、ステップS1で読み出されたコンテンツを、予め定めた時間間隔に分割する(ステップS2)。
【0100】
そして、コンテンツ配信サーバ1は、編成情報付加手段12cによって、ステップS2で分割されたコンテンツのデータ(ブロックデータ)に、チャンネルを識別するための識別情報(チャンネル識別)と、編成上の放送時刻とを付加して編成番組データ(ブロック化コンテンツ)を生成する(ステップS3)。
その後、コンテンツ配信サーバ1は、通信送受信手段(不図示)を介して、予め定めた複数のキャッシュサーバ2に、ステップS3で生成した編成番組データ(ブロック化コンテンツ)を配信する(ステップS4)
これによって、コンテンツ配信サーバ1は、編成に従ったコンテンツをブロック化して、キャッシュサーバ2に配信することができる。
【0101】
ここで、データ要求受付手段13において、キャッシュサーバ2から、編成情報によらないブロック化コンテンツの要求(データ要求)がない場合(ステップS5でNo)、コンテンツ配信サーバ1は、ステップS1に動作を戻す。
【0102】
一方、データ要求受付手段13において、データ要求があった場合(ステップS5でYes)、ブロックデータ読み出し手段14aによって、要求されたデータをコンテンツ記憶手段11から読み出す。すなわち、ブロックデータ読み出し手段14aは、編成情報記憶手段10に記憶されている編成情報から、データ要求に含まれているチャンネル識別と放送時刻とに対応するコンテンツを特定し、コンテンツ記憶手段11から、要求のあった放送時刻のデータを先頭データとして、予め定めた時間間隔分のデータ(ブロックデータ)を読み出す(ステップS6)。
【0103】
そして、コンテンツ配信サーバ1は、編成情報付加手段14bによって、ステップS6で読み出したブロックデータに、チャンネル識別と放送時刻とを付加してブロック化した指定番組データ(ブロック化コンテンツ)を生成する(ステップS7)。
そして、コンテンツ配信サーバ1は、通信送受信手段(不図示)を介して、データを要求したキャッシュサーバ2に、ステップS7で生成した指定番組データ(ブロック化コンテンツ)を配信する(ステップS8)。
これによって、コンテンツ配信サーバ1は、番組の編成によらないで、要求されたコンテンツ(ブロック化コンテンツ)を、キャッシュサーバ2に配信することができる。
【0104】
〔キャッシュサーバの動作〕
次に、図8を参照(構成については適宜図5参照)して、キャッシュサーバ2の動作について説明する。
キャッシュサーバ2は、データ要求受付手段27aにおいて、ブロック化コンテンツの要求(データ要求)を待ち(ステップS10でNo)、データ要求があった場合(ステップS10でYes)、当該要求が、編成情報に従った要求、すなわち、編成番組データの要求であるか否かを判定する(ステップS11)。
【0105】
ここで、データ要求が編成情報に従った要求である場合(ステップS11でYes)、キャッシュサーバ2は、データ受信手段20によって、コンテンツ配信サーバ1から編成番組データを受信し(ステップS12)、データ送信手段28によって、要求のあったコンテンツ視聴装置3に編成番組データを送信する(ステップS13)。そして、キャッシュサーバ2は、ステップS10に動作を戻す。
【0106】
一方、データ要求が編成情報に従った要求でない場合(ステップS11でNo)、キャッシュサーバ2は、データ検索・取得手段25からの要求により、データ管理手段26よって、指定番組データの検索を行う(ステップS14)。
このとき、データ管理手段26は、検索要求受付手段26aによって、データ検索・取得手段25からの要求を受け付け、検索実行手段26bによって、要求のあったチャンネル識別および放送時刻を検索のキーとして、指定番組データを検索する。この検索実行手段26bは、自キャッシュサーバ2(2)に該当する指定番組データが存在しない場合、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)に対して検索要求を送信することで、該当する指定番組データを検索する。
そして、その検索結果が、検索結果出力手段26cを介して、データ検索・取得手段25に通知される。
【0107】
そして、要求のあった指定番組データが自キャッシュサーバ2(2)に存在していた場合(ステップS15でYes)、キャッシュサーバ2は、データ検索・取得手段25によって、データ読み出し手段22を介して、データ記憶手段23から、指定番組データを読み出す(ステップS16)。
【0108】
一方、要求のあった指定番組データが自キャッシュサーバ2(2)に存在していない場合(ステップS15でNo)であって、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)に存在していた場合(ステップS17でYes)、キャッシュサーバ2は、データ要求手段27bによって、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)に対してデータ要求を行い、データ受信手段20によって、指定番組データを取得する(ステップS18)。
【0109】
また、自キャッシュサーバ2(2)にも、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)にも、指定番組データが存在していない場合(ステップS17でNo)、キャッシュサーバ2は、データ要求手段27bによって、コンテンツ配信サーバ1に対してデータ要求を行い、データ受信手段20によって、指定番組データを取得する(ステップS19)。
そして、キャッシュサーバ2は、ステップS16、ステップS18またはステップS19で取得した指定番組データを、データ送信手段28によって、コンテンツ視聴装置3に送信する(ステップS20)。
【0110】
これによって、キャッシュサーバ2は、コンテンツ視聴装置3から、データ要求があった場合、自キャッシュサーバ2(2)に指定番組データが存在しない場合であっても、他のキャッシュサーバ2(2,…,2)が指定番組データを保持していれば、そのデータを取得してコンテンツ視聴装置3に送信することができるため、コンテンツ配信サーバ1の負荷を軽減させることができる。
【0111】
〔コンテンツ視聴装置の動作〕
次に、図9を参照(構成については適宜図6参照)して、コンテンツ視聴装置3の動作について説明する。
コンテンツ視聴装置3は、データ要求手段33によって、現在選択されているチャンネルの編成に対応する編成番組データ(ブロック化コンテンツ)を、キャッシュサーバ2に要求する。そして、コンテンツ視聴装置3は、データ受信手段30によって、編成番組データを受信(取得)する(ステップS30)。
その後、コンテンツ視聴装置3は、データ再生手段31によって、ステップS30で受信した編成番組データを再生する(ステップS31)。
【0112】
そして、データ要求受付手段32において、ユーザが操作するリモコン装置Rから、放送時刻を指定したデータ要求の指示がない場合(ステップS32でNo)、コンテンツ視聴装置3は、ステップS30に動作を戻す。
【0113】
一方、データ要求受付手段32において、ユーザが操作するリモコン装置Rから、放送時刻を指定したデータ要求の指示があった場合(ステップS32でYes)、コンテンツ視聴装置3は、データ要求手段33によって、現在選択されているチャンネルの指定された放送時刻の指定番組データ(ブロック化コンテンツ)を、キャッシュサーバ2に要求する。そして、コンテンツ視聴装置3は、データ受信手段30によって、指定番組データを受信(取得)する(ステップS33)。
その後、コンテンツ視聴装置3は、データ再生手段31によって、ステップS33で受信した指定番組データを再生する(ステップS34)。
【0114】
ここで、データ要求受付手段32において、ユーザが操作するリモコン装置Rから、他の放送時刻を指定したデータ要求の指示があった場合(ステップS35でYes)、コンテンツ視聴装置3は、ステップS33に動作を戻す。これによって、ユーザは、現在の編成とは異なる放送時刻のコンテンツを視聴している段階で、さらに、別の放送時刻のコンテンツを視聴することができ、視聴チャンネルにおいて、時間方向にザッピングすることができる。
【0115】
一方、データ要求受付手段32において、他の放送時刻を指定したデータ要求の指示がなければ(ステップS35でNo)、コンテンツ視聴装置3は、ステップS36に動作を進める。
そして、データ要求受付手段32において、放送時刻を指定した指定番組データの視聴から、編成に従った編成番組データの視聴に切り替える旨の指示(戻り指示)があった場合(ステップS36でYes)、コンテンツ視聴装置3は、ステップS30に戻って、編成に従ったデータの取得、再生を行う。
【0116】
一方、編成に従った編成番組データの視聴に切り替える旨の指示がない場合(ステップS36でNo)、コンテンツ視聴装置3は、ステップS33に戻って、指定された放送時刻から指定番組データを順次取得し、再生を行う。
これによって、コンテンツ視聴装置3は、編成に従ったデータ(コンテンツ)の再生中に、ユーザからの指示によって、放送時刻が異なるコンテンツ、あるいは、同一コンテンツであっても時刻が異なるデータを再生することができる。
【符号の説明】
【0117】
S コンテンツ配信システム
1 コンテンツ配信サーバ
10 編成情報記憶手段
11 コンテンツ記憶手段
12 編成番組データ送信手段
12a 編成コンテンツ読み出し手段
12b コンテンツ分割手段
12c 編成情報付加手段
13 データ要求受付手段(第1のデータ要求受付手段)
14 指定番組データ送信手段
14a ブロックデータ読み出し手段
14b 編成情報付加手段
2 キャッシュサーバ
20 データ受信手段
21 データ書き込み手段
22 データ読み出し手段
23 データ記憶手段
24 データ消去手段
25 データ検索・取得手段
26 データ管理手段
26a 検索要求受付手段
26b 検索実行手段
26c 検索結果出力手段
27 データ要求送受信手段
27a データ要求受付手段(第2のデータ要求受付手段)
27b データ要求手段
28 データ送信手段
3 コンテンツ視聴装置
30 データ受信手段
31 データ再生手段
32 データ要求受付手段
33 データ要求手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ配信サーバとキャッシュサーバとコンテンツ視聴装置とを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報に従って、前記コンテンツ配信サーバから、前記キャッシュサーバを経由して、前記コンテンツ視聴装置にコンテンツを配信するとともに、前記コンテンツ視聴装置から指定されたコンテンツを配信するコンテンツ配信システムであって、
前記コンテンツ配信サーバは、
複数のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、
前記編成情報に従って配信するコンテンツを予め定めた時間長のブロックデータに分割し、当該コンテンツの編成上の放送チャンネルを識別するためのチャンネル識別と、前記ブロックデータの編成上の放送時刻とを付加したブロック化コンテンツを生成し、前記キャッシュサーバに編成番組データとして送信する編成番組データ送信手段と、
前記キャッシュサーバから、前記チャンネル識別および前記放送時刻を指定したデータ要求を受け付ける第1のデータ要求受付手段と、
前記編成情報に基づいて、前記第1のデータ要求受付手段で受け付けたデータ要求で指定されたチャンネル識別および放送時刻に対応した、前記時間長分のコンテンツのデータを前記コンテンツ記憶手段から読み出して当該チャンネル識別および放送時刻を付加したブロック化コンテンツを生成し、要求のあったキャッシュサーバに指定番組データとして送信する指定番組データ送信手段と、を備え、
前記キャッシュサーバは、
前記ブロック化コンテンツのそれぞれを一時的に記憶するデータ記憶手段と、
前記コンテンツ配信サーバから送信されたブロック化コンテンツである前記編成番組データおよび前記指定番組データを受信し、前記データ記憶手段に記憶させるデータ受信手段と、
前記コンテンツ視聴装置から、編成に従った前記編成番組データまたは前記チャンネル識別および前記放送時刻を指定した前記指定番組データのデータ要求を受け付ける第2のデータ要求受付手段と、
この第2のデータ要求受付手段で受け付けたデータ要求で、前記チャンネル識別および前記放送時刻を指定して前記指定番組データを要求された場合に、当該チャンネル識別および放送時刻を検索キーとして、前記データ記憶手段から指定番組データを検索する検索実行手段と、
この検索実行手段において、要求のあった指定番組データが検索されなかった場合、前記検索キーであるチャンネル識別および放送時刻を指定して、前記コンテンツ配信サーバに指定番組データを要求するデータ要求手段と、
前記検索実行手段で検索された指定番組データ、または、前記データ受信手段で受信した編成番組データまたは指定番組データを、当該データを要求したコンテンツ視聴装置に送信するデータ送信手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ配信システム。
【請求項2】
前記キャッシュサーバは、前記ネットワークに複数接続され、
前記検索実行手段は、他のキャッシュサーバとの間で前記検索キーに該当する指定番組データを検索するものであり、前記第2のデータ要求受付手段は、さらに前記他のキャッシュサーバから、指定番組データの要求を受け付けるものであって、
前記検索実行手段において、前記検索キーに対応する指定番組データが前記データ記憶手段に記憶されておらず、かつ、前記他のキャッシュサーバに記憶されている場合に、前記データ要求手段は、当該指定番組データを、前記他のキャッシュサーバに要求することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信システム。
【請求項3】
コンテンツ配信サーバとキャッシュサーバとコンテンツ視聴装置とを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報に従って、前記コンテンツ配信サーバから、前記キャッシュサーバを経由して、前記コンテンツ視聴装置にコンテンツを配信するとともに、前記コンテンツ視聴装置から指定されたコンテンツを配信するコンテンツ配信システムにおける前記コンテンツ配信サーバであって、
複数のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、
前記編成情報に従って配信するコンテンツを予め定めた時間長のブロックデータに分割し、当該コンテンツの編成上の放送チャンネルを識別するためのチャンネル識別と、前記ブロックデータの編成上の放送時刻とを付加したブロック化コンテンツを生成し、前記キャッシュサーバに編成番組データとして送信する編成番組データ送信手段と、
前記キャッシュサーバから、前記チャンネル識別および前記放送時刻を指定したデータ要求を受け付けるデータ要求受付手段と、
前記編成情報に基づいて、前記データ要求受付手段で受け付けたデータ要求で指定されたチャンネル識別および放送時刻に対応した、前記時間長分のコンテンツのデータを前記コンテンツ記憶手段から読み出して当該チャンネル識別および放送時刻を付加したブロック化コンテンツを生成し、要求のあったキャッシュサーバに指定番組データとして送信する指定番組データ送信手段と、
を備えることを備えることを特徴とするコンテンツ配信サーバ。
【請求項4】
複数のコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段を備えるコンテンツ配信サーバと、キャッシュサーバと、コンテンツ視聴装置とを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報に従って、前記コンテンツ配信サーバから、前記キャッシュサーバを経由して、前記コンテンツ視聴装置にコンテンツを配信するとともに、前記コンテンツ視聴装置から指定されたコンテンツを配信するコンテンツ配信システムにおける前記コンテンツ配信サーバのコンピュータを、
前記編成情報に従って配信するコンテンツを予め定めた時間長のブロックデータに分割し、当該コンテンツの編成上の放送チャンネルを識別するためのチャンネル識別と、前記ブロックデータの編成上の放送時刻とを付加したブロック化コンテンツを生成し、前記キャッシュサーバに編成番組データとして送信する編成番組データ送信手段、
前記キャッシュサーバから、前記チャンネル識別および前記放送時刻を指定したデータ要求を受け付けるデータ要求受付手段、
前記編成情報に基づいて、前記データ要求受付手段で受け付けたデータ要求で指定されたチャンネル識別および放送時刻に対応した、前記時間長分のコンテンツのデータを前記コンテンツ記憶手段から読み出して当該チャンネル識別および放送時刻を付加したブロック化コンテンツを生成し、要求のあったキャッシュサーバに指定番組データとして送信する指定番組データ送信手段、
として機能させることを備えることを特徴とするコンテンツ配信プログラム。
【請求項5】
コンテンツ配信サーバとキャッシュサーバとコンテンツ視聴装置とを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報に従って、前記コンテンツ配信サーバから、前記キャッシュサーバを経由して、前記コンテンツ視聴装置にコンテンツを配信するとともに、前記コンテンツ視聴装置から指定されたコンテンツを配信するコンテンツ配信システムにおける前記キャッシュサーバであって、
コンテンツが予め定めた時間長のブロックデータに分割され、当該コンテンツの編成上の放送チャンネルを識別するためのチャンネル識別と、前記ブロックデータの編成上の放送時刻とが付加されたブロック化コンテンツを一時的に記憶するデータ記憶手段と、
前記コンテンツ配信サーバから送信されたブロック化コンテンツを受信し、前記データ記憶手段に記憶させるデータ受信手段と、
前記コンテンツ視聴装置から、編成に従ったブロック化コンテンツである編成番組データまたは前記チャンネル識別および前記放送時刻を指定したブロック化コンテンツである指定番組データのデータ要求を受け付けるデータ要求受付手段と、
このデータ要求受付手段で受け付けたデータ要求で、前記チャンネル識別および前記放送時刻を指定して前記指定番組データを要求された場合に、当該チャンネル識別および放送時刻を検索キーとして、前記データ記憶手段、および、前記ネットワークに接続された他のキャッシュサーバとの間で前記検索キーに該当する指定番組データを検索する検索実行手段と、
この検索実行手段において、要求のあった指定番組データが検索されなかった場合、前記検索キーであるチャンネル識別および放送時刻を指定して、前記コンテンツ配信サーバに指定番組データを要求するデータ要求手段と、
前記検索実行手段で検索された指定番組データ、または、前記データ受信手段で受信した編成番組データまたは指定番組データを、当該データを要求したコンテンツ視聴装置に送信するデータ送信手段と、
を備えることを特徴とするキャッシュサーバ。
【請求項6】
コンテンツ配信サーバと、コンテンツを一時的に記憶するデータ記憶手段を備えたキャッシュサーバと、コンテンツ視聴装置とを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報に従って、前記コンテンツ配信サーバから、前記キャッシュサーバを経由して、前記コンテンツ視聴装置にコンテンツを配信するとともに、前記コンテンツ視聴装置から指定されたコンテンツを配信するコンテンツ配信システムにおける前記キャッシュサーバのコンピュータを、
コンテンツが予め定めた時間長のブロックデータに分割され、当該コンテンツの編成上の放送チャンネルを識別するためのチャンネル識別と、前記ブロックデータの編成上の放送時刻とが付加されたブロック化コンテンツを、前記コンテンツ配信サーバから受信し、前記データ記憶手段に記憶させるデータ受信手段、
前記コンテンツ視聴装置から、編成に従ったブロック化コンテンツである編成番組データまたは前記チャンネル識別および前記放送時刻を指定したブロック化コンテンツである指定番組データのデータ要求を受け付けるデータ要求受付手段、
このデータ要求受付手段で受け付けたデータ要求で、前記チャンネル識別および前記放送時刻を指定して前記指定番組データを要求された場合に、当該チャンネル識別および放送時刻を検索キーとして、前記データ記憶手段、および、前記ネットワークに接続された他のキャッシュサーバとの間で前記検索キーに該当する指定番組データを検索する検索実行手段、
この検索実行手段において、要求のあった指定番組データが検索されなかった場合、前記検索キーであるチャンネル識別および放送時刻を指定して、前記コンテンツ配信サーバに指定番組データを要求するデータ要求手段、
前記検索実行手段で検索された指定番組データ、または、前記データ受信手段で受信した編成番組データまたは指定番組データを、当該データを要求したコンテンツ視聴装置に送信するデータ送信手段、
として機能させることを特徴とするキャッシュプログラム。
【請求項7】
コンテンツ配信サーバと複数のキャッシュサーバとを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報または要求に従って、前記コンテンツ配信サーバから前記キャッシュサーバを経由して配信されるコンテンツを提示するコンテンツ視聴装置であって、
コンテンツが予め定めた時間長のブロックデータに分割され、当該コンテンツの編成上の放送チャンネルを識別するためのチャンネル識別と、前記ブロックデータの編成上の放送時刻とが付加されたブロック化コンテンツを、前記キャッシュサーバから受信するデータ受信手段と、
このデータ受信手段で受信したブロック化コンテンツを順次再生するデータ再生手段と、
外部のリモコン装置から、現在コンテンツを再生している放送チャンネルの編成上の放送時刻を指定したデータ要求を受け付けるデータ要求受付手段と、
このデータ要求受付手段で受け付けたデータ要求で指定される放送時刻と、現在再生している前記放送チャンネルを識別するためのチャンネル識別とを指定したデータ要求を前記キャッシュサーバに送信するデータ要求手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ視聴装置。
【請求項8】
コンテンツ配信サーバと複数のキャッシュサーバとを、ネットワークを介して接続し、予め設定された編成情報または要求に従って、前記コンテンツ配信サーバから前記キャッシュサーバを経由して配信されるコンテンツを提示するコンテンツ視聴装置のコンピュータを、
コンテンツが予め定めた時間長のブロックデータに分割され、当該コンテンツの編成上の放送チャンネルを識別するためのチャンネル識別と、前記ブロックデータの編成上の放送時刻とが付加されたブロック化コンテンツを、前記キャッシュサーバから受信するデータ受信手段、
このデータ受信手段で受信したブロック化コンテンツを順次再生するデータ再生手段、
外部のリモコン装置から、現在コンテンツを再生している放送チャンネルの編成上の放送時刻を指定したデータ要求を受け付けるデータ要求受付手段、
このデータ要求受付手段で受け付けたデータ要求で指定される放送時刻と、現在再生している前記放送チャンネルを識別するためのチャンネル識別とを指定したデータ要求を前記キャッシュサーバに送信するデータ要求手段、
として機能させることを特徴とするコンテンツ視聴プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−55374(P2013−55374A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190059(P2011−190059)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】