説明

コントラスト改善

本発明に係る方法は、画像にアクセスし、画像の画素の値と画素の座標とを決定、割り当て又は初期化することで、画像のコントラストを改善する。次いで、整数のレベルを有するラプラシアンピラミッドが画像について生成される。コントラストブーストピラミッドが生成され、ラプラシアンピラミッドに適用されてラプラシアンピラミッドのレベルにおける値が改善された変更されたラプラシアンピラミッドが得られる。次いで、改善された画像は、変更されたラプラシアンピラミッドから構築される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多重解像度アプローチを使用してピクチャのコントラストを改善する方法に関し、より詳細には、画像のコントラストを改善するため、ラプラシアンピラミッドの係数の非線形スケーリングを使用することに関する。
本出願は、2009年6月29日に提出された米国特許仮出願61/269757の35U.S.C119(e)により優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
コントラストパラメータは、ディスプレイ又は他の物理的なサポートの何れかで画像の外観を変更するために使用される一般的な方法である。多くの利用可能なコントラスト改善方法が存在する。基本的なアプローチは、画像全体を処理するために、リニアストレッチング又はヒストグラムイコライゼーションのような単一の応答曲線を使用する。たとえ、応答曲線の適切な作成により局所的なコントラスト及び全体的なコントラストの両者を変えることができるとしても、これらのアプローチは、画像の画素値の空間的な分布を考慮するものではなく、従って最適な結果を提供するものではない。
【0003】
より進歩したコントラスト改善技術は、局所的な画像の特性に基づいて応答曲線を変更する適応アルゴリズムを使用する。この適応アルゴリズムは異なるコントラスト改善パラメータ又は画像の異なる領域を使用するのを可能にする一方、これらの方法は、局所的な画像の特性を推定するため、どのような近傍のサイズが使用されるかに依存する。小さな近傍は、小さなオブジェクトの良好なコントラストの改善を提供し、大きな近傍は、良好な全体的なコントラストを提供する。たとえ、近傍のサイズが画素間で変化するとしても、これらの方法は、異なるスケールでそれぞれの画素を処理するのを可能にせず、従って、最適な結果を提供しない。本方法は画像のコントラストを変更し、画像レベル(全体的なコントラスト)及び領域レベル(局所的なコントラスト)の両者で動作するために利用可能であるが、既存の方法は、多数のスケールを同時に扱うことができない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る画像の多重解像度分解(multi−resolution decomposition)は、この制約に対処する。本発明に係る方法は、原画像にアクセスし、原画像の画素の値と画素の座標とを決定、割り当て又は初期化することで、画像のコントラストを改善する。次いで、個の画像について、整数のレベルを有するラプラシアンピラミッドが生成される。コントラストブーストピラミッドが生成され、変更されたラプラシアンピラミッドを得るためにラプラシアンピラミッドに適用され、ラプラシアンピラミッドのレベルの値が改善される。次いで、改善された画像は、変更されたラプラシアンピラミッドから構築される。本方法は、少なくとも1つのレベルの値が別のレベルの値よりも改善されるという特徴を含む。
【0005】
画像のコントラストを改善する方法は、少なくとも1つの原画像にアクセスするステップ、整数のレベルを有する少なくとも1つの原画像のマルチスケールの信号表現を生成するステップ、マルチスケールの信号表現に応じて少なくとも1つの原画像を処理して、少なくとも1つの改善された画像を生成するステップを含む。本方法は、少なくとも1つ原画像のピラミッドの表現を生成して、少なくとも1つの原画像のマルチスケールの信号表現を形成するステップ、バンドパスピラミッド手順を使用して、ラプラシアンピラミッドI(k={1,…,K}及びKはラプラシアンピラミッドにおけるレベル数)であるピラミッド表現を生成するステップ、適用されたときにラプラシアンピラミッドを非線形に変化させる関数であるコントラストブーストピラミッドBを生成するステップ、形状制御子及び/又は強度増加子を有するパワー関数を使用して、コントラストブーストピラミッドを生成するステップを含む。本方法は、原画像のそれぞれに関連するラプラシアンピラミッド及び対応するコントラストブーストピラミッドを生成するステップに加えて、ブーストされたラプラシアンピラミッドを結合して、原画像のそれぞれに対応するガウシャンピラミッドの重みを含む合成画像を作成するステップを含む。本方法は、ユーザインタフェースを通してマルチスケールの表現に応じてユーザコマンドを適用して、少なくとも1つの改善された画像を生成するステップを更に含み、このステップは、ユーザインタフェースを通して形状制御子及び/又は強度増加子をユーザが選択又は制御して、画像の少なくとも1部におけるコントラストを高めることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明は添付図面を参照して例示を通して以下に記載される。
【図1】本発明の係るゾーンに基づいたトーンマッピング方法のフローダイアグラムである。
【図2】本発明に係るコントラスト改善方法のフローダイアグラムである。
【図3】本発明の方法に従って改善されるサンプル画像のペアを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は以下に詳細に記載され、本発明のコントラスト改善アルゴリズムが動作するゾーンに基づいたトーンマッピングのフレームワークの概説で開始する。ゾーンに基づくトーンマッピングのフレームワークは、図1に例示されており、以下のメインステップを含む。
【0008】
入力のハイダイナミックレンジ(HDR)画像は、はじめに、ステップ10で異なる領域に分割される。この分割は、ハードセグメンテーション又はファジーセグメンテーションとすることができる。何れの場合においても、それぞれの領域は、マトリクスにより表現され、マトリクスのそれぞれのエレメントは、画素の確率(重み)である。ハードセグメンテーションが使用された場合、画像の画素は、1つの領域に属し、従って確率は0又は1である。ファジーセグメンテーションが使用された場合、それぞれの画素は、幾つかの(又は全ての)領域にわたって拡がり、従って確率は0と1の間の値を取ることができる。
【0009】
次いで、ステップ12で、アルゴリズムは、それぞれの領域がどのゾーンにマッピングされるかを判定する。これは、それぞれの領域について露光を推定する。領域とゾーンとの間のマッピングは、ユーザインタラクションにより行うこともできる。
【0010】
つぎに、ステップ14で、それぞれの領域は、それ自身の露光パラメータにより露光される。
その後、ステップ16で、結合又は混合プロセスが使用され、ステップ10で得られた重みを使用して、異なる領域を互いに結合することで(それぞれの領域はそれ自身の露光値で露光される)、最終的なトーンマッピングされた画像を生成する。
【0011】
任意に、ステップ18及び20で、ユーザは、トーンマッピングされた画像の外観をチェックし、1以上の領域の露光値を変更し、次いで、結果が満足されるものとなるまでステップ14〜18を繰り返す。
【0012】
ビデオトーンマッピングについて、プロセスは、あるシーンにおいて1つのキーフレームについて実行され、次いで、そのシーンにおける全てのフレームに同じパラメータで適用される。
【0013】
以下、ステップ16で適用されるコントラスト改善アルゴリズムは、図2を参照して更に詳細に記載され、アルゴリズムで使用されるピラミッドの記載で開始する。ピラミッド(又はピラミッド表現)は、マルチスケールの信号表現であり、信号(又は画像)は、繰り返される平滑化及びサブサンプリングを受ける。ロウパスピラミッド及びバンドパスピラミッドといった2つのタイプのピラミッドが記載される。
【0014】
ロウパスピラミッドは、適切な平滑化フィルタにより画像をはじめに平滑化し、次いで、通常、それぞれの座標方向に沿ってファクタ2で、平滑化された画像をサブサンプリングすることで生成される。このプロセスが進むとき、結果は、次第により平滑化された画像のセットとなり、空間的なサンプリング密度は、レベル毎に減少する。グラフィカルに例示される場合、このマルチスケールの表現は、ピラミッドのように見え、この点からピラミッドという名前が得られている。ガウシャンピラミッドは、ロウパスピラミッドである。
【0015】
ラプラシアンピラミッドとして知られているバンドパスピラミッドは、あるピラミッドにおける隣接するレベル間の差を形成することで得られ、画素毎の差の計算を可能にするため、隣接する解像度のレベルの表現の間で補間が行われる。
【0016】
アプローチは、デジタル画像の色成分としてIを示すことで開始する。次いで、I(i,j)は、座標(i,j)での画素の値を表す。次いで、画像Iのラプラシアンピラミッドの1つのレベルについてIにより表すことができる。この場合、k={1,…,K}であり、kはレベルであり、Kはピラミッドにおけるレベル数である。
【0017】
入力画像Iが与えられると、本発明に係るコントラスト改善アルゴリズムは、図2に示される以下のメインステップを有する。
1.ステップ30で受信された入力画像から、ステップ32で、ラプラシアンピラミッドI,k={1,…,K}を作成する。
2.ステップ34で、コントラストブーストピラミッドBを計算する。
3.ステップ36で、以下のピラミッドI・B,k={1,…,K}から画像を再構成する。
【0018】
ガウシャンピラミッドの差に基づいた他の画像の改善方法は、一度に1つの所定のスケールでの画像のみを改善する。対照的に、提案される方法は、同時に異なるスケールでコントラストを改善する。
【0019】
ラプラシアンピラミッドの係数をコントラストブーストピラミッドで適切にスケーリングすることで、本発明の方法は、複数のスケールでコントラストを増加することができる。同時に、画像の再構成プロセスは(この場合、ピラミッドの全てのレベルが互いに結合される)、コントラストが改善された画像にはアーチファクトがないことが保証される。本方法は、ラプラシアンピラミッドを有効に使用して、複数のスケールでの画像を同時に改善する。
【0020】
図2を参照して、本発明の方法の更に詳細な説明が提供される。はじめに、ステップ30で、画像が入力される。ステップ32で、画像のラプラシアンピラミッドの非線形関数を使用して、コントラストブーストピラミッドを計算する。基本的な考えは、小さな係数の大きさを増大させ、大きな係数を同じにするか又は僅かに減少させる。同時に、全ての係数は、それら自身の符号を保持する。ピラミッドのトップレベルについて、ブーストピラミッドは、全てのエントリが1に等しいコントラストマトリクスである。これは、画像のラプラシアンピラミッドのトップレベルへの変化を与えず、結果的に、画像の低周波を変えない。本質的に、この目的に給仕する非線形関数は、ステップ34でブーストピラミッドを計算するために使用することができる。特定の実施の形態では、以下の式に従って、ブーストピラミッドを計算するためにパワー関数が使用される。
【0021】
【数1】

ここで、形状制御子αは、範囲[0,1]にあり、このアプローチについて、αは、最適には0.2と0.4との間であり、強度増加子βは、最適には範囲[0,2]で選択される正の数である。なお、β<1はコントラストを高め、β>1はコントラストを低下する。これら2つのパラメータにより、どの位の改善を画像に与えるかを制御することができる。
【0022】
改善された画像のラプラシアンピラミッドJは、以下のように計算される。
【0023】
【数2】

ブーストピラミッドの全てのエントリは正の数であるので、改善された画像のラプラシアンピラミッドのそれぞれの係数は、オリジナルのピラミッドの係数と同じ符号を有する。係数の大きさは、空間的に変化するやり方でスケーリングされ、すなわち小さな絶対値をもつ係数はより多くスケーリングされる。これは、画像の改善のアーチファクトを目に見る事ができない点で係数の線形スケーリングに対して明らかな利点を有する。
【0024】
本実施の形態で記載される画像改善方法は、イメージヒュージョンの応用で使用することができる。本方法は、ほんの少しの計算の複雑さを追加するので、ラプラシアンピラミッドとの画像の結合について特に適している。係る応用の結果は、図3に示されており、左側の画像は原画像であり、右側の側は、コントラストが改善された画像である。ここで、改善されたコントラストは、画像の空の部分と地面の部分の両者で見る事ができる。
【0025】
イメージヒュージョンは、多くの画像処理の応用において使用される技術である。マルチセンサフォトグラフィでは、マルチスペクトルデータ(例えば赤外線及び可視光線)を1つの画像結合する役割を果たす。マクロフォトグラフィでは、被写界深度を増加するのを可能にする。また、イメージヒュージョンは、複数のロウダイナミックレンジ(LDR)の露光をトーンマッピングされた画像に結合するトーンマッピングアルゴリズムで使用することができる。
【0026】
画像のセットIとそれらの対応する画像の重みW,n={1,...,N}が与えられると、N個の画像は、画像のラプラシアンピラミッドInkと、重みWのガウシャンピラミッドとを線形結合することで互いに結合することができる。
【0027】
【数3】

次いで、ステップ36で、T,k={1,...,K}から画像を再構成し、ステップ38で、それを出力する。
【0028】
多くのシナリオでは、結合される画像は、結合プロセスの前の良好に改善される。慣習的に、画像の改善は、空間領域に行われ、次いで、結合される全ての画像は、ラプラシアン領域に変換され、上記式に従って結合される。上記の方法を使用して、マルチスケールの画像の改善は、結合の式に対する僅かな変更により結合プロセスにダイレクトに適用される。これは、計算上の複雑度を大きく低減する。係る実現では、式は、以下のように変更される。
【0029】
【数4】

,k={1,...,K}は、画像Inのコントラストブーストピラミッドである。この変更された結合の式により、画像改善ステップは、ラプラシアン領域でダイレクトに行われ、空間領域で画像の改善を行う必要がない。
【0030】
既に述べたように、T,k={1,...,K}から画像が再構成される。
【0031】
本方法に関する幾つかの変形が可能であり、本発明の範囲にあると考えられる。たとえば、未ラミッドのそれぞれのレベルで異なるα及びβパラメータが使用される。コントラストブーストピラミッドBのより高いレベルについて、適応的な重みが使用される。コントラストブーストピラミッドBk,k={1,...,K}(式1)は、異なる式を使用して計算される。
【0032】
特定の機能及び態様を有するより多くの実現も可能である。しかし、記載された実現の特徴及び機能は、他の実現のために適合される場合もある。
【0033】
たとえば、これらの実現及び機能は、ビデオを符号化する文脈及び/又は他のタイプのデータを符号化する文脈で使用される場合がある。さらに、これらの実現及び機能は、H.264/MPEG−4 AVC(AVC)規格、MVC拡張によるAVC規格、SVC拡張によるAVC規格、3DV規格、及び/又は別の規格(既存又は将来)の環境で、又は規格を含まない環境で使用されるか、或いは、H.264/MPEG−4 AVC(AVC)規格、MVC拡張によるAVC規格、SVC拡張によるAVC規格、3DV規格、及び/又は別の規格(既存又は将来)の環境で、又は規格を含まない環境で適合される場合がある。
【0034】
さらに、実現は、限定されるものではないが、SEIメッセージ、スライスヘッダ、他の高水準シンタックス、非高水準シンタックス、帯域外の情報、データストリームデータ、及び暗黙のシグナリングを含む様々な技術を使用して情報を伝達する場合がある。従って、本実施の形態で記載される実現は特定の環境で記載されているが、係る記載は、係る実現又は概念に機能及び概念を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0035】
少なくとも1つの実現は、1度だけ全体の画像を処理するために使用されるか、又は領域により画像を処理するために使用される。後者は、例えば様々なトーンマッピング方法のような画像の結合に基づく処理アルゴリズムで特に有効である。
【0036】
少なくとも1つの実現は、多重解像度のアプローチを使用してピクチャのコントラストを改善する方法を含む。上述されたように、少なくとも1つの実現では、ラプラシアンピラミッドの係数の非線形スケーリングの使用は、画像のコントラストを改善する。
【0037】
本発明の「1実施の形態」又は「実施の形態」又は「1実現」又は「実現」に対する明細書における参照は、それらの他の変形と共に、実施の形態と共に記載される特定の機能、構造、特性等が本発明の少なくとも1つの実施の形態に含まれることを意味する。
【0038】
従って、明細書を通して様々な位置に登場する記載「1実施の形態では」又は「実施の形態では」又は「1実現では」又は「実現では」の登場は、他の変形と同様に、必ずしも、同じ実施の形態を全て示すものではない。
【0039】
本実施の形態で記載される実現は、例えば方法、装置、ソフトウェアプログラム、データストリーム又は信号で実現される場合があり、それぞれのステップは、形状の制御又は強度の増加を変えることによりような、調節及び/又は改善を行うために適切なユーザインタフェースを使用するユーザインタフェーシングを含む。(例えば方法としてのみ記載されるといった)例えば1つの実現の形式の文脈で説明されたとしても、記載される機能の実現は、(例えば装置又はプログラムといった)他の形式で実現される場合がある。装置は、例えば適切なハードウェア、ソフトウェア及びハードウェアで実現される場合がある。本方法は、例えばコンピュータ、マイクロプロセッサ、集積回路、又はプログラマブルロジック装置を含む処理装置を示す、例えばプロセッサのような装置で実現される場合がある。また、プロセッサ又はインタフェースは、例えばコンピュータ、携帯電話、ポータブル/パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、及び、エンドユーザ間の情報の伝達を容易にする他の装置のような通信装置を含む。
【0040】
本実施の形態で記載される様々な処理及び機能の実現は、特に、例えばデータ符号化及び復号化に関連する機器又はアプリケーションといった、様々な異なる機器又はアプリケーションで実施される場合がある。係る機器の例は、エンコーダ、デコーダ、デコーダからの出力を処理するポストプロセッサ、エンコーダに入力を供給するプリプロセッサ、ビデオコーダ、ビデオデコーダ、ビデオコーデック、ウェブサーバ、セットトップボックス、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA及び他の通信装置並びにユーザインタフェースを含む。明らかであるように、機器は、モバイルである場合があり、更に移動車両に設置される場合もある。
【0041】
さらに、本方法は、プロセッサにより実行される命令により実現され、係る命令(及び実現により生成されるデータ値)は、例えば集積回路、ソフトウェアキャリア、又は、ハードディスク、コンパクトディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)又はリードオンリメモリのような他のストレージデバイスのような、プロセッサが読取り可能な媒体に記憶される場合がある。命令は、プロセッサ読取り可能な媒体で記憶されるアプリケーションプログラムを形成する場合がある。命令は、例えばハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はこれらの組み合わせである場合がある。命令は、例えばオペレーティングシステム、個別のアプリケーション、又は両者の組み合わせで発見される。プロセッサは、プロセスを実行するために構成される装置、及びあるプロセスを実行するための命令を有する(記憶装置のような)プロセッサ読取り可能な媒体を含む装置の両者として特徴付けされる。更に、プロセッサ読取り可能な媒体は、命令に加えて又は命令の代わりに、実現により生成されるデータ値を記憶する場合がある。
【0042】
当業者により明らかであるように、実現は、例えば記憶又は送信される場合がある情報を搬送するためにフォーマット化される様々な信号を生成する場合がある。情報は、例えば方法を実行するための命令、又は記載される実現の1つにより生成されるデータを含む。例えば、信号は、記載される実施の形態のシンタックスを書込み又は読取るためにルールをデータとして搬送するか、又は記載される実施の形態により書き込まれる実際のシンタックス値をデータとして搬送するためにフォーマット化される。係る信号は、例えば電磁波(例えばスペクトルの無線周波部分を使用)として、又はベースバンド信号としてフォーマット化される場合がある。フォーマット化は、例えば、データストリームを符号化し、符号化されたデータストリームで搬送波を変調することを含む。信号が搬送する情報は、例えばアナログ情報又はデジタル情報を含む。信号は、知られているように、様々な異なる有線又は無線リンクを通して伝送される場合がある。信号は、プロセッサ読取り可能な媒体で記憶される。
【0043】
多数の実現が記載された。しかし、様々な変更が行われる場合があることを理解されたい。例えば、異なる実現のエレメントが結合、補充、変更又は除去され、他の実現が生成される場合がある。さらに、当業者であれば、他の構造及びプロセスは、開示される構造及びプロセスと置き換えられ、結果として得られる実現は、開示される実現と同じ結果を少なくとも実質的に達成するため、少なくとも同じやり方で、少なくとも実質的に同じ機能を実行するこよを理解されるであろう。従って、これらの実現及び他の実現は、個の開示により創作され、本明細書の開示の範囲にある。
【0044】
上述の内容は、本発明を実施する可能性の幾つかを例示するものである。多くの他の実現は、本発明の範囲及び精神において可能である。従って、上述のないような限定するものではなく例示するものとして見なされ、本発明の範囲は、特許請求の範囲により、それらの完全に等価な範囲と共に与えられることが意図される。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像のコントラストを改善する方法であって、
原画像にアクセスするステップと、
前記原画像の画素の値と画素の座標とを決定、割り当て又は初期化するステップと、
整数のレベルを有する前記原画像のラプラシアンピラミッドを生成するステップと、
コントラストブーストピラミッドを生成するステップと、
前記コントラストブーストピラミッドを前記ラプラシアンピラミッドに適用して、前記ラプラシアンピラミッドのレベルにおける値が改善された、変更されたラプラシアンピラミッドを得るステップと、
前記変更されたラプラシアンピラミッドから改善された画像を構築するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
少なくとも1つのレベルの値は、別のレベルの値よりも改善される、
請求項1記載の方法。
【請求項3】
画像のコントラストを改善する方法であって、
少なくとも1つの原画像にアクセスするステップと、
整数のレベルを有する少なくとも1つの原画像のマルチスケールの信号表現を生成するステップと、
前記マルチスケールの信号表現に応答して前記少なくとも1つの原画像を処理し、少なくとも1つの改善された画像を生成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つの原画像のピラミッドの表現を生成して、前記少なくとも1つの原画像のマルチスケールの信号表現を形成するステップを更に含む、
請求項3記載の方法。
【請求項5】
バンドパスピラミッドの手順を使用して、前記ピラミッドの表現を生成するステップを更に含む、
請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記ピラミッドの表現は、ラプラシアンピラミッドIであり、k={1,...,K}であり、Kは前記ラプラシアンピラミッドのレベル数である、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
コントラストブーストピラミッドBを生成するステップを更に含み、
前記コントラストブーストピラミッドは、前記ラプラシアンピラミッドに適用されたとき、前記ラプラシアンピラミッドを非線形に変化させる関数である、
請求項6記載の方法。
【請求項8】
パワー関数を使用して前記コントラストブーストピラミッドを生成するステップを更に含み、
前記パワー関数は、
【数5】

として表現され、前記形状制御子αは、範囲[0,1]にあり、強度増加子βは、範囲[0,2]における正の数である、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
コントラストを改善するために1未満のβの値を選択して適用するステップを更に含む、
請求項8記載の方法。
【請求項10】
コントラストを低減するために1よりも大きいβの値を選択して適用するステップを更に含む、
請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記コントラストブーストピラミッドBを前記ラプラシアンピラミッドIに適用するステップを更に含み、
【数6】

前記Jは、改善された画像のピラミッドのk番目のレベルである、
請求項7記載の方法。
【請求項12】
1を超える原画像にアクセスするステップと、
前記1を超える原画像のそれぞれに関連するラプラシアンピラミッド及び対応するコントラストブーストピラミッドを生成し、ブーストされたラプラシアンピラミッドをそれぞれの画像について作成するステップと、
前記ブーストされたラプラシアンピラミッドを結合して、
【数7】

に従う合成画像を作成するステップとを含み、
前記Wは、前記1を超える原画像のそれぞれに対応するガウシャンピラミッドの重みである、
請求項7記載の方法。
【請求項13】
1を超える原画像にアクセスするステップと、
前記1を超える原画像のそれぞれに関連するラプラシアンピラミッド及び対応するコントラストブーストピラミッドを生成し、ブーストされたラプラシアンピラミッドをそれぞれの画像について作成するステップと、
前記ブーストされたラプラシアンピラミッドを結合して、
【数8】

に従う合成画像を作成するステップとを含み、
前記Wは、前記1を超える原画像のそれぞれに対応するガウシャンピラミッドの重みであり、前記Bは、画像Inの前記コントラストブーストピラミッドである、
請求項7記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つの原画像にアクセスするステップと、
整数のレベルを有する前記少なくとも1つの原画像のマルチスケールの信号表現を生成するステップと、
前記マルチスケールの信号表現に応じて前記少なくとも1つの原画像を処理するステップと、
ユーザインタフェースを通して、前記マルチスケールの信号表現に応じてユーザコマンドを印加し、少なくとも1つの改善された画像を生成するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの原画像のピラミッドの表現を生成して、前記少なくとも1つの原画像のマルチスケールの信号表現を形成するステップを更に含む、
請求項14記載の方法。
【請求項16】
バンドパスピラミッドの手順を使用して前記ピラミッドの表現を生成するステップを
更に含む、
請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記ピラミッドの表現は、ラプラシアンピラミッドIであり、
k={1,…,K}であり、Kは、前記ラプラシアンピラミッドにおけるレベル数である、
請求項16記載の方法。
【請求項18】
コントラストブーストピラミッドBを生成するステップを更に含み、
前記コントラストブーストピラミッドは、前記ラプラシアンピラミッドに適用されたときに、前記ラプラシアンピラミッドを非線形に変化させる関数である、
請求項17記載の方法。
【請求項19】
パワー関数を使用して前記コントラストブーストピラミッドを生成するステップを更に含み、
前記パワー関数は、
【数9】

のように表現され、形状制御子αは範囲[0,1]にあり、及び強度増強子βは範囲[0,2]における正の数である、
請求項18記載の方法。
【請求項20】
ユーザコマンドの適用において、画像における少なくとも1部におけるコントラストを高めるため、前記ユーザインタフェースを通して、βの1つの値及び/又はαの1つの値が選択される、
請求項19記載の方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−532367(P2012−532367A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517499(P2012−517499)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2010/001848
【国際公開番号】WO2011/008239
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】