説明

コンドロイチナーゼABCI変異体を用いた組成物およびその使用方法

【解決手段】 本発明の1つの観点は、コンドロイチナーゼABCIの変異体に関する。そのようなコンドロイチナーゼABCI変異体は、コンドロイチナーゼ活性の変化、または紫外光または熱曝露を含むストレッサーによる不活性化への抵抗性向上を示す。コンドロイチナーゼABCI変異酵素の使用方法についても提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願書類の相互参照
本願は、「コンドロイチナーゼABCI変異体を用いた組成物およびその使用方法」を表題とする2005年9月26日付出願の米国出願第60/720,628号に対して優先権を主張するものであり、その内容はこの参照により本願明細書に完全に組み込まれるものである。
【背景技術】
【0002】
細胞外基質の主な構成要素であるプロテオグリカンは、グリア性瘢痕組織に大量に存在し、脊髄損傷後の回復を阻害することが知られている(FawcettおよびAsher、1999年)。グリア性瘢痕組織を消化することができる酵素は、脊髄損傷(spinal cord injury:SCI)治療の開発において重要なターゲットである。コンドロイチナーゼABCI(EC 4.2.2.4;cABCI)は、プロテオグリカンの硫酸化コンドロイチンおよびデルマタン側鎖の消化を触媒する細菌酵素である。この酵素は脊髄損傷後の機能的回復を促進することが示されている(Bradburyら、2002年;Caggianoら、2005年)。
【0003】
脊髄は神経線維でできている。脊髄などの中枢神経系が損傷すると、機能が消失する。前記中枢神経系の損傷タイプにより、機能の消失は感覚、運動、または自律神経系機能の消失、またはその組み合わせとして現れる可能性がある。感覚機能は、疼痛など、感覚を感じる能力を含む。運動機能は、自発的に体を動かす能力を含む。自律神経系機能は、例えば発汗および呼吸能力などの不随意身体機能を含む。
【0004】
最も一般的な脊髄損傷(SCI)のタイプは、挫傷(脊髄挫傷)および(脊髄に長時間圧力がかかることによる)圧縮損傷を含む。挫傷では、脊髄の中心に空洞または穴が形成することが多い。神経細胞、または末梢神経系(peripheral nervous system:PNS)ニューロンと異なり、中枢神経系(central nervous system:CNS)ニューロンは損傷後に再生しない。
【0005】
脊髄損傷は、神経組織の挫傷と、その結果生じる、神経組織が神経インパルスを適切に伝達する能力の低下または消失で特徴付けられる。通常の原因は何らかの衝突損傷によるものであるが、特定の手術における脊髄の処置中に発生することもある。成人哺乳類の脊髄損傷後に軸策が再生できないと、感覚の消失、運動機能の消失および/または自律神経系機能の消失、また永久麻痺に至る可能性がある。ニューロンが再生できない理由の1つは、ニューロンが脊髄損傷後に発生するグリア性瘢痕を横断できないことにある。損傷による病変はグリア性瘢痕を発生させ、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(chondroitin sulfate proteoglycans:CSPGs)などの細胞外基質分子を含む。CSPGsはインビトロで神経組織の成長を阻害し、インビボではCSPGsが豊富な領域で神経組織の再生を阻害する。
【0006】
多数の分子とその特定領域は、神経細胞からの神経突起の発芽を支持する能力に関与していると考えられており、このプロセスは神経突起伸長とも呼ばれる。前記神経突起という用語は、軸策と樹状突起構造の両方を指す。この神経突起の発芽プロセスは、特に身体的損傷または疾患が神経細胞を傷害した後の神経の発達と再生に重要である。神経突起は、すべての動物種の中枢および末梢神経系いずれにおいても、発達中は盛んに伸長する。この現象は軸策と樹状突起の両方と関係している。
【0007】
様々なポリペプチド、特に細胞接着分子(cell adhesion molecules:CAMs)は、神経系細胞の成長を促進することが知られている。この研究分野の初期の努力では接着を促す細胞外基質タンパク質のフィブロネクチン(fibronectin:FN)に集中していたが、他のポリペプチドが神経の成長を促進することも認められている。例えば、米国特許第5,792,743号明細書では、新規ポリペプチド、および哺乳類において可溶性神経CAM、そのフラグメント、またはそのFc融合生成物を投与することによりCNSの神経成長促進方法が開示されている。米国特許第6,313,265号明細書では、末梢神経損傷およびCNSの病変いずれにおいても神経の再生と修復を促進ために利用できる、CAMsの薬理学的活性領域を含む合成ポリペプチドが開示されている。有益ではあるものの、再生タンパク質を単独で使用しても、損傷した神経系の修復をもたらすには十分ではないと考えられる。
【0008】
過去約20年の間、分子レベルでの細胞外基質(edtracellular matrices:ECMs)における細胞接着と遊走に関する知識は急速に拡大してきた。細胞外基質と基底膜の成分を分解する酵素および他のポリペプチドの作用により、結合サイトカインの放出など様々なメカニズムによって、また基質透過性を亢進し、それによって媒介分子、増殖因子、走化性物質、および治癒プロセスに関与する細胞の可動性を上げることにより、神経修復の事象を促進することができる可能性がある。例えば、米国特許第5,997,863号明細書では、細胞増殖を操作し、創傷の治癒を促進するグリコサミノグリカンの利用について開示している。
【0009】
抑制性CSPGsの成分は、グリコサミノグリカン、コンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate:CS)、デルマタン硫酸(dermantan sulfate:DS)と同定されている。これらの抑制性分子を除去すると、神経突起が再生し、身体的損傷または疾患後の部位が神経再支配され、また感覚、運動、および自律神経系機能が回復する。
【0010】
これまでの研究では、コンドロイチナーゼがCSおよびDSなどのCSPGsを溶解および分解できることが見いだされた。ある研究では、インビボでコンドロイチナーゼABCがラットCNS病変部内およびその周辺でグリコサミノグリカン(glycosaminoglycan:GAG)鎖を除去することが分かった。GAGsの分解は増殖関連タンパク質GAP−43の発現を促し、これは処理細胞の再生力を向上させることを示していた。しかし、この増殖関連タンパク質は末梢神経の損傷では再生と関連しているが、中枢神経の損傷では関連していない。
【0011】
コンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate:CS)は、繰り返し二糖の直鎖にある硫酸化多糖類である。分子量は約10,000から100,000Daより大きい範囲である。コンドロイチン硫酸の基質は、追加文字A、B、およびCで指定される異なる異性体として存在する(Hoffmanら、1958)。繰り返し単位はウロン酸(GlcAまたはIdoA)およびガラクトサミンで構成されており、ガラクトサミノグリカンと呼ばれ、一般的にはGAGと略されるグリコサミノグリカンの一例である。これらのGAG鎖は様々な繰り返し二糖領域を有するが、いわゆる連鎖領域の四糖配列(下記を参照)を介し、各コアタンパク質のGAG結合コンセンサス配列(Glu/Asp−X−Ser−Gly)にあるセリン残基に共有結合する。コンドロイチンAおよびC硫酸(ChS−A、ChS−C)は最も多量に存在するGAGsであり、軟骨、骨、心臓弁に認められる。コンドロイチンB(ChS−B、または代わりにデルマタン硫酸)は、主に皮膚、血管、および心臓弁に発現される。
【0012】
コンドロイチナーゼの細菌標本が様々なコンドロイチン硫酸(chondroitin sulfate:ChS)基質と対比して特徴付けられた際に、一連の明確に異なるコンドロイチナーゼが発見されたが、それは、主にコンドロイチンA(chondritin A:ChA)とコンドロイチンC(chondroitin C:ChC)を分解するコンドロイチナーゼAC(Yamagataら、1968年)、コンドロイチンB(chondroitin B:ChB)を分解するコンドロイチナーゼB(MichelacciおよびDeitrich、1976年)、主にChCに作用するコンドロイチナーゼC(Michelacci YMおよびDietrich CP、1976)であり、コンドロイチナーゼABCは3種類の基質ChS−A、ChS−B、ChS−Cすべてに特異性を示す(Yamagataら、1968、Michelacciら、1987年)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の1態様によると、コンドロイチナーゼABCIの変異体が提供される。
【0014】
好適な実施形態では、そのようなコンドロイチナーゼABCI変異体が増強されたを示す。他の好適な実施形態では、そのようなコンドロイチナーゼABCIの変異体において、紫外線または熱曝露による不活性化を含む、不活性化への抵抗性が亢進する。より好ましくは、前記コンドロイチナーゼABCI変異酵素はBC6(配列ID番号1)、BE7(配列ID番号2)、BF4(配列ID番号3)から選択される。別の好適な実施形態によると、前記コンドロイチナーゼABCI変異酵素はBC9(配列ID番号4)、BC7(配列ID番号5)、RD4(配列ID番号6)、およびBE11(配列ID番号7)から選択される。
【0015】
本発明の別の実施形態は、変化した活性を有するコンドロイチナーゼABCI変異体を設計する方法である。
【0016】
本発明の他の実施形態は、中枢神経系(central nervous system:「CNS」)の損傷または疾患後、感覚、運動、および自律神経系機能を含む神経機能の回復を促す方法に関する。
【0017】
さらなる実施形態は、そのようなコンドロイチナーゼABCI変異体を投与することにより、脊髄損傷および前記CNSの関連疾患を治療する際にニューロンの成長を促す方法とその利用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の組成物および方法を説明する前に、説明される特定の分子、組成物、方法論、または手順は様々であると考えられるため、本発明はこれらに限定されないことが理解されるものとする。前記説明に使用される用語は、特定の見解または実施形態のみを説明することを目的としたものであり、添付の請求項のみによって限定される本発明の範囲を限定する意図はないこともまた理解されるものとする。
【0019】
本文および添付の請求項に用いられるとおり、文脈が明確に異なることを示していない限り、単数型の「a」、「an」、および「the」は複数の言及も含めることにも留意しなければならない。従って、例えば、「細胞(cell)」という言及は1若しくはそれ以上の細胞および当業者に周知の同等物などに言及している。それ以外に定義されていない限り、本文に用いられるすべての技術的および科学的用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本文に説明したものと同様またはそれに相当するすべての方法および材料は、本発明の実施形態を実行または検討するために用いることができるが、好適な方法、装置、および材料が今回報告される。本願明細書において述べられたすべての公開物は、参照として本願明細書に組み込まれるものとする。本願明細書では、先行発明のために、本発明がそのような開示に先行する権利はないことの承認として解釈されることはない。
【0020】
本願明細書において用いられる「約」という用語は、それが使用される数値のプラスまたはマイナス10%を意味する。従って、約50%は45〜55%の範囲を意味する。
【0021】
治療薬と併せて使用される「投与する」は、標的組織に直接治療薬を投与すること、または患者に治療薬を投与し、それによって前記治療薬が標的となる組織に肯定的な影響を及ぼすことを意味する。従って、本願明細書に用いられる「投与する」という用語は、(これに限定されるものではないが)前記CNSまたは前記標的組織に酵素を提供すること、例えば、静脈内注射により患者の全身に酵素を提供すること、治療薬を前記標的組織に到達させること、そのコーディング配列の形態で、前記標的組織に酵素を提供すること(例えば、いわゆる遺伝子治療法)を含む可能性がある。組成物を「投与する」ことは、注射、表面投与、または他の既知の技術を併用した方法により達成することができる。
【0022】
本願明細書に用いる「動物」という用語は、(これに限定されるものではないが)ヒト、および野生動物、国内産動物、および家畜などのヒト以外の脊椎動物を含む。
【0023】
「改善する」という用語は、本発明が提供、適用、または投与されることにより、その標的の性状、形態、特徴、および/または物理的特性が変化することを伝えるために用いられる。前記変化は、前記脊髄または前記CNS内の病変部のCSPGs分解、または前記哺乳類の運動、感覚、または自律神経系機能全体または一部の回復などを、単独または組み合わせて利用することにより証明することができる。
【0024】
「抑制する」という用語は、本発明の化合物を投与することにより、前記症状の発症を予防する、前記症状を軽減する、または前記疾患、状態、または障害を軽減することを含む。
【0025】
「薬学的に許容される」は、基剤、希釈剤、または賦形剤が製剤中の他の成分と適合し、その投与者に有害ではないことを意味する。
【0026】
「組み換えタンパク質」という用語は、遺伝子組み換えDNA技術によって生成される本発明のポリペプチドを指し、ポリペプチドをコードするDNAは、適切な発現ベクターに挿入され、これが宿主細胞を変換し、タンパク質を生産するために用いられる。さらに、組み換え遺伝子に関する「由来する」という表現は、「組み換えタンパク質」の意味の中に、天然タンパク質のアミノ酸配列を有するこれらのタンパク質、またはそこに天然型タンパク質の置換および欠失(切断を含む)などの変異によって生成された同様のアミノ酸配列を含むことを意味する。
【0027】
本願明細書に用いられる「治療薬」という用語は、患者の望ましくない状態または疾患を治療、闘病、回復、予防、または改善させるために使用する薬物を意味する。本発明の実施形態の一部では、前記脊髄または前記CNS内の病変部のCSPGs分解、または前記哺乳類の運動、感覚、または自律神経系機能の全体または一部の回復など、前記中枢神経系の治療に関する。
【0028】
「治療的有効量」または「有効量」という用語は、本願明細書に用いられる場合、同義的に使用されてもよく、本発明の治療化合物成分の量を指す。例えば、治療化合物の治療的有効量は、所望の効果を達成するため、つまり前記中枢神経系の損傷を効果的に治療するために計算された所定の量である。例えば、本発明の方法により精製され、安定な活性酵素を提供する製剤とした、治療的有効量のコンドロイチナーゼを有する治療化合物は、脊髄病変部のCSPGを分解するのに十分であるか、前記哺乳類の運動、感覚、自律神経系機能の全体または一部を修復するのに十分な量であり、損傷部位への軸策成長を促進するなど、中枢神経系のニューロンを再生する可能性がある。
【0029】
本願明細書に用いられる「治療」、「治療された」、または「治療する」という用語は、治療上の処置および保護的または予防的処置の両方を指し、その目的は、望ましくない生理的状態、障害、または疾患を予防または抑制(軽減)するか、有益または所望の臨床結果を得ることである。本発明の目的では、有益または所望の臨床結果は、(これに限定されるものではないが)症状の軽減、状態、障害、または疾患の範囲の縮小、状態、障害、または疾患の状況の安定化(つまり、悪化しないこと)、状態、障害、または疾患の発症の遅れまたは進行の鈍化、状態、障害、または疾患の改善、および状態、障害、または疾患の検出可能または検出不可能な寛解(部分的又は全体的に関わらず)、または向上または改善を含む。治療は、過度の副作用を生じずに、臨床的に有意な反応を誘発することを含む。治療は、治療を受けない場合に予想される生存期間と比較し、生存期間を延長することも含む。
【0030】
「ベクター」という用語は、核酸分子を輸送することができる媒体を指す。前記コンドロイチナーゼポリペプチドをコードする核酸分子は、前記ベクターの核酸に共有結合される。本発明のこの態様においては、前記ベクターは、プラスミド、一本鎖または二本鎖ファージ、一本鎖または二本鎖RNAまたはDNAウイルスベクター、またはBAC、PAC、YAC、MACなどの人工染色体とすることができる。
【0031】
コンドロイチナーゼは、自然にコンドロイチナーゼを発現する微生物、例えば(これに限定されるものではないが)E.coli、Proteus vulgarisから得られ、または宿主細胞の組み換えタンパク質の発現により得られる。前記宿主細胞は、原核細胞(E.coliなど)または真核細胞(酵母、哺乳類細胞、または昆虫細胞など)とすることができる。
【0032】
コンドロイチナーゼABCIのヌクレオチド配列は配列ID番号8で記載され、コンドロイチナーゼABCIのアミノ酸配列は配列ID番号9で記載される。
【0033】
本発明の1態様では、コンドロイチナーゼABCIの変異体を提供する。好適な実施形態では、前記コンドロイチナーゼABCI変異酵素がBC6(配列ID番号1)、BE7(配列ID番号2)、BF4(配列ID番号3)から選択される。別の好適な実施形態では、前記コンドロイチナーゼABCI変異酵素がBC9(配列ID番号4)、BC7(配列ID番号5)、RD4(配列ID番号6)、およびBE11(配列ID番号7)から選択される。
【0034】
そのような酵素は、医薬品または製剤に製剤化することができる。適した安定な製剤および精製法は、表題名「コンドロイチナーゼとその安定な製剤の精製法」、2005年5月18日付出願の同時係属PCT出願第US2005/017464号に記載されており、その内容はこの参照により本願明細書に完全に組み込まれるものである。
【0035】
本発明の1態様によると、コンドロイチナーゼABCI変異体が提供される。好適な実施形態では、そのようなコンドロイチナーゼABCI変異体が向上した活性を示す。
【0036】
他の好適な実施形態では、そのようなコンドロイチナーゼABCI変異体は、不活性化への抵抗性が向上する。より好ましくは、前記コンドロイチナーゼABCI変異酵素は、BC6(配列ID番号1)、BE7(配列ID番号2)、BF4(配列ID番号3)から選択される。別の好適な実施形態では、前記コンドロイチナーゼABCI変異酵素がBC9(配列ID番号4)、BC7(配列ID番号5)、RD4(配列ID番号6)、およびBE11(配列ID番号7)から選択される。
【0037】
本発明の別の実施形態は、変化した活性を有するコンドロイチナーゼABCI変異体を設計する方法である。前記方法は、コンドロイチナーゼABCIのヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を変更する工程、適切なベクター中に前記コンドロイチナーゼABCIを発現させる工程、前記変異酵素の活性を測定する工程を有する。
【0038】
さらなる実施形態では、安定なコンドロイチナーゼABCI酵素が提供される。前記酵素は、紫外光または熱への曝露を含むストレス条件下での不活性化への抵抗性が向上している可能性がある。好適な実施形態では、ストレス負荷後の野生型コンドロイチナーゼABCIと比べ、前記酵素が向上した安定性を示す。
【0039】
本発明のさらなる実施形態は、コンドロイチナーゼABCI変異酵素を投与する工程を有する、中枢神経系損傷の治療法である。好適な実施形態では、前記コンドロイチナーゼABCI変異酵素の治療的有効量が投与される。好適な実施形態では、前記コンドロイチナーゼABCI変異酵素がBC6(配列ID番号1)、BE7(配列ID番号2)、BF4(配列ID番号3)、BC9(配列ID番号4)、BC7(配列ID番号5)、RD4(配列ID番号6)、およびBE11(配列ID番号7)から成る群から選択され、より好ましくは、前記酵素がBC6(配列ID番号1)、BE7(配列ID番号2)、およびBF4(配列ID番号3)から成る群から選択される。そのような中枢神経系損傷は、(これに限定されるものではないが)脊髄損傷を含む。
【0040】
本発明の別の実施形態は、コンドロイチナーゼABCI変異酵素を投与する工程を有する、神経の成長を促進する方法である。好適な実施形態では、前記コンドロイチナーゼABCI変異酵素の治療的有効量が投与される。好適な実施形態では、前記コンドロイチナーゼABCI変異酵素がBC6(配列ID番号1)、BE7(配列ID番号2)、BF4(配列ID番号3)、BC9(配列ID番号4)、BC7(配列ID番号5)、RD4(配列ID番号6)、およびBE11(配列ID番号7)から成る群から選択され、より好ましくは、前記酵素がBC6(配列ID番号1)、BE7(配列ID番号2)、およびBF4(配列ID番号3)から成る群から選択される。
【0041】
本発明の他の実施形態は、中枢神経系(central nervous system:「CNS」)の損傷または疾患後、神経機能の回復を促す方法に関する。好適な実施形態では、前記コンドロイチナーゼABCI変異酵素の治療的有効量が投与される。特に本発明は、脊髄内部の損傷または外部からの脊髄損傷後、感覚、運動、または自律神経系機能の回復を促進するため、コンドロイチナーゼを利用する方法に関する。この方法に有用な組成物は、許容されるコンドロイチナーゼ製剤、より好ましくはコンドロイチナーゼの徐放性製剤を含む。また本発明は、前記脊髄の挫傷後、神経機能の回復を促す方法に関する。最も一般的な脊髄損傷(spinal cord injuries:SCI)のタイプは、挫傷(脊髄挫傷)および(脊髄に圧力がかかることによる)圧縮損傷を含む。損傷の中で最もよく見られるタイプの挫傷では、脊髄の中心に空洞または穴が形成することが多い。
【0042】
本開示の治療では、前記CNSまたは前記CNSの損傷部位に、有効量の前記変異体または他の任意選択の治療薬を投与する。そのような方法は好ましくは前記CNS、より好ましくは前記CNSの損傷部位の病変に対し、コンドロイチナーゼABCTypeI、コンドロイチナーゼABCTypeII、コンドロイチナーゼAC、およびコンドロイチナーゼB、またはHyal1、Hyal2、Hyal3、およびHyal4などのコンドロイチナーゼ様活性を持つ哺乳類酵素を含む(これに限定されるものではないが)他のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンを選択的に投与する工程を含むことがある。
【0043】
当該分野で周知のとおり、コンドロイチナーゼポリペプチドは、標準的な生物学的技術または化学合成により生成することができる。例えば、対象ポリペプチドをコードしたヌクレオチド配列の発現を指示する核酸ベクターを形質移入した宿主細胞は、適切な条件下で培養され、前記ペプチドの発現が可能となる。前記コンドロイチナーゼポリペプチドは、細胞と前記組み換えコンドロイチナーゼポリペプチドを含む培地との混合物から分泌、単離されてもよい。本願明細書において説明される本発明の態様は、精製法について提供するものであり、前記コンドロイチナーゼは、現在利用されている方法よりも安定で活性の高い純粋な形態で単離される。
【0044】
或いは、前記組み換えコンドロイチナーゼ遺伝子、および採取および溶解された細胞、および本願明細書において説明した精製方法によって単離されるタンパク質からシグナルペプチド配列を除去することにより、前記ペプチドが細胞質に保持されてもよい。
【0045】
コンドロイチナーゼは表面、局所、または全身に投与することができる。適用をさらに制御するためには、表面または局所投与とすることが好ましい。前記コンドロイチナーゼは単独または併用で、投与前に適切な医薬品基剤と混合することが可能である。利用される医薬品基剤および添加物の例は、従来の希釈剤、結合剤、潤滑剤、着色料、崩壊剤、緩衝剤、等脹化脂肪酸、等脹化剤、保存料、麻酔薬、界面活性剤などであり、当業者に周知である。利用できる具体的な医薬品基剤は、デキストラン、スクロース、ラクトース、マルトース、キシロース、トレハロース、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、イノシトール、血清アルブミン、ゼラチン、クレアチニン、ポリエチレングリコール、非イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬質ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシエチレングリコールなど)、および同様の化合物である。医薬品基剤は、ポリエチレングリコールおよび/またはスクロース、またはポリオキシレンソルビタン脂肪酸エステルなどが併用されてもよく、ポリオキシレンソルビタンモノオレエート(20E.0.)が特に好ましい。
【0046】
本発明の治療法は、本発明の変異コンドロイチナーゼABCI酵素を投与することにより実施可能である。前記治療法は、さらに前記CNSの損傷部位の病変に対し、コンドロイチナーゼABCII、コンドロイチナーゼAC、およびコンドロイチナーゼB、またはHyal1、Hyal2、Hyal3、Hyal4、およびPH2Oなどのコンドロイチナーゼ様活性を持つ哺乳類酵素を投与する工程を有することもできる。前記投与方法、投与時期、用量を実行し、神経突起伸長を促進することにより、前記CNSの障害からの機能的回復力を高める。
【0047】
有効量のコンドロイチナーゼは、単回、2回、または複数回の用量で投与することができる。1実施形態において、前記用量はいつでも投与可能であることが理解されるが、損傷後12時間以内、またはできるだけ早く投与される。別の実施形態において、前記用量が損傷動物に1回、2回、または複数回投与され、そのような用量は損傷の重症度およびグリア性瘢痕にあるCSPGsの量によって決定される。複数回投与される場合、1日1回、1週間に1回、または2週間に1回投与されてもよい。投与は、カテーテルまたはシリンジによって行うことができる。或いは、前記グリア性瘢痕に直接適応できるように、手術中に投与することも可能である。
【0048】
例えば、態様によっては、本発明は上記に定義した化合物を有する医薬品、および薬学的に許容される基剤または希釈剤、または上記に定義した化合物を有する有効量の医薬品に関する。
【0049】
本発明の化合物が活性化する任意の経路によって、従来の方法により本発明の化合物を投与することができる。投与は全身、表面、または経口とすることができる。例えば、投与は(これに限定されるものではないが)非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、経口、口腔、または眼内経路、または腟内、吸入、デポー注射、または埋め込みとすることができる。従って、本発明の化合物の投与方法(単独、または他の医薬品との併用)は、(これに限定されるものではないが)舌下、注射(皮下または筋肉内に注射される短時間作用型、デポー、埋め込み、およびペレットの形態を含む)、または膣クリーム、坐剤、ペッサリー、膣リング、肛門坐剤、子宮内器具、およびパッチおよびクリームなどの経皮形態の使用によるものとすることができる。
【0050】
具体的な投与方法は、適応によって決定される。具体的な投与経路および投与法の選択は、最適な臨床反応を得るために臨床医に周知の方法により前記臨床医によって調整または用量調節されるものとする。投与される化合物の量は、治療上有効な量である。投与される用量は、治療される被験者の特徴、例えば、治療される特定の動物、年齢、体重、健康状態、併用療法があればそのタイプ、および治療頻度によって決まり、当業者によって(例えば臨床医によって)容易に決定される。
【0051】
本発明の化合物および適切な基剤を含む製剤は、錠剤、カプセル、カシュ剤、ペレット、ピル、粉末、および顆粒を含む(これに限定されるものではないが)固体剤、溶剤、粉末、液体乳剤、液体懸濁液、半固体、軟膏、ペースト剤、クリーム、ゲル、およびゼリー、および発泡体を含む(これに限定されるものではないが)表面投与剤、および溶剤、懸濁剤、懸濁液、乳剤、および乾燥粉末を含む(これに限定されるものではないが)非経口剤とすることができ、有効量の本発明の重合体または共重合体を有する。薬学的に許容される希釈剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、界面活性剤、疎水性賦形剤、水溶性賦形剤、乳化剤、緩衝剤、湿潤剤、保湿剤、可溶化剤、保存料などとともに、そのような製剤に有効成分を含めることができることも、当該分野で周知である。投与の手段および方法は当該分野で周知であり、熟練技術者は指針となる様々な薬理学の参考資料を参照することができる。例えば、Modern Pharmaceutics,Banker & Rhodes,Marcel Dekker,Inc.(1979)およびGoodman & Gilman’s The Pharmaceutical Basis of Therapeutics,6th Edition,MacMillan Publishing Co.,New York(1980)を参考にすることができる。
【0052】
本発明の化合物は、例えば、静脈内ボーラスまたは持続注入などの注射による非経口投与用に製剤化することができる。前記化合物は、約15分〜約24時間にわたる持続注入により皮下投与することができる。注射用製剤は、保存料を加え、単位用量の形態、例えばアンプルまたは複数回投与用の容器で提示することができる。前記組成物は、油性または水性賦形剤に懸濁剤、溶剤、または乳剤を含有させたような形態をとることができ、懸濁剤、安定化剤、および/または分散剤などの製剤化物質(formulatory agents)を含むことができる。
【0053】
経口投与では、これらの化合物を当該分野に周知の薬学的に許容される基剤と混合することにより、前記化合物を容易に製剤化することができる。そのような基剤を用いることにより、治療される患者が経口摂取できるように、本発明の化合物を錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル、液剤、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などに製剤化することができる。経口で使用される製剤は、固体賦形剤を添加し、選択的に得られた混合物を粉砕し、必要に応じて適切な補助剤を添加した後に顆粒混合物を加工し、錠剤または糖衣錠の中心を得ることにより入手可能である。適切な賦形剤は、(これに限定されるものではないが)ラクトース、スクロース、マンニトール、およびソルビトールを含む(これに限定されるものではないが)糖などの充填剤、トウモロコシでんぷん、小麦でんぷん、米でんぷん、ジャガイモでんぷん、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびポリビニルピロリドン(PVP)を含む(これに限定されるものではないが)セルロース剤を含む。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムのようなその塩などの(これに限定されるものではないが)崩壊剤を添加することができる。
【0054】
糖衣錠の中心は適切なコーティング剤とともに提供することができる。この目的で濃縮糖溶液を使用することができ、選択的にアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または二酸化チタン、ラッカー溶液、および適切な有機溶媒または溶媒混合物を含むことができる。有効化合物の用量を特定し、またはその異なる組み合わせを特徴付けるため、染料または色素を前記錠剤または糖衣錠のコーティング剤に添加することができる。
【0055】
経口で使用可能な製剤は、(これに限定されるものではないが)ゼラチン製押し出しカプセル(push−fit capsule)、およびグリセロールまたはソルビトールなどのゼラチンおよび流動化剤でできた密閉軟カプセルを含む。前記押し出しカプセルは、例えばラクトースなどの充填剤、でんぷんなどの結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および選択的に安定剤との混合剤として前記有効成分を含むものであっても良い。軟カプセルにおいて、前記有効化合物が、脂肪油、液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコールなどの適切な液剤に溶解または懸濁していても良い。さらに、安定剤を添加していても良い。経口投与製剤は、すべてその投与に適した用量とする。
【0056】
口腔投与では、前記組成物を例えば従来の方法で製剤化された錠剤またはトローチ剤などの形態とすることができる。
【0057】
吸入による投与では、本発明に従って使用される化合物は、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切な気体など適切な噴霧剤を使用し、加圧包装または噴霧器によるエアゾールスプレー製剤の形態で簡便に投与される。加圧式エアロゾルの場合、投与単位は定量噴霧バルブを提供することで決定される。吸入器またはガス注入器に使用される例えばゼラチン製のカプセルおよび薬包は、前記化合物とラクトースまたはでんぷんなどの適切な粉末基剤との粉末混合物を含むように製剤化することができる。
【0058】
本発明の化合物は、カカオ脂または他のグリセリドなど、従来の坐剤の基剤を含む坐剤または保持浣腸(retention enemas)などの直腸用組成物に製剤化することも可能である。
【0059】
すでに説明した製剤に加え、本発明の化合物はデポー製剤としても製剤化することができる。そのような長時間作用型製剤は、(例えば皮下または筋肉内の)埋め込みまたは筋肉内注射により投与される。
【0060】
デポー注射は約1〜約6ヵ月またはそれ以上の間隔で投与される。従って、例えば、前記化合物は、適切な重合体または疎水性の材料(例えば、許容される油中エマルジョンとして)またはイオン交換樹脂、または例えば難溶性塩などの難溶性誘導体として、製剤化することができる。
【0061】
経皮投与では、本発明の化合物は、例えば軟膏剤に応用でき、または結果として生物に供給される経皮的治療システムによって使用することができる。
【0062】
前記化合物の医薬品は、適切な固相またはゲル相基剤または賦形剤を有することもできる。そのような基剤または賦形剤の例は、(これに限定されるものではないが)炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、でんぷん、セルロース誘導体、ゼラチン、および例えばポリエチレングリコールなどの重合体を含む。
【0063】
本発明の化合物は、例えば、アジュバント、プロテアーゼ阻害剤、または他の適合する薬物または化合物など、他の有効成分と併用して投与することもでき、そのような併用は本願明細書に記載された方法の所望の作用を達成する上で望ましいか有利であるとみられる。
【0064】
本発明の様々な実施形態を説明するため、以下の方法が利用される。前記方法は典型的方法であり、本発明を制限する意図はない。
【実施例1】
【0065】
本実施例では、本発明の典型的コンドロイチナーゼ変異酵素を図示する。すべてのヌクレオチドおよびアミノ酸は、野生型の次に変異型(野生型−変異型)の順で表示されている。
【0066】
【表1】

【実施例2】
【0067】
本実施例では、紫外線曝露後の本発明の典型的コンドロイチンABCI変異体のコンドロイチナーゼ活性を図示する。変異コンドロイチンABCI遺伝子が形成され、細菌に形質転換された。細菌を増殖し、突然変異したコンドロイチナーゼを発現させた。前記コンドロイチンを紫外光に曝露させ、そのコンドロイチナーゼ活性を測定した。図1に描写されるとおり、クローンBC6(配列ID番号1)、BE7(配列ID番号2)、およびBF4(配列ID番号3)は、対照と比べ、紫外光曝露後のコンドロイチナーゼ活性が高くなることを示していた。
【実施例3】
【0068】
本実施例では、本発明の典型的コンドロイチンABCI変異体のコンドロイチナーゼ活性を図示する。通常(つまり、ストレスなし)の条件下でクローンBC9、クローンBC7、クローンRD4、およびクローンBE11のコンドロイチナーゼ活性が測定され、図2に描写されるとおり、野生型コンドロイチナーゼABCIを制御する場合と比べ、活性の低下が示された。
【0069】
本発明は、特定の好ましい実施形態に関してかなり詳細に説明したが、他の見解も可能である。従って、添付の請求項の要旨は、本明細書に含まれる記載および好ましい見解に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本発明の実施形態の他の観点、特徴、利益及び利点は、部分的に、以下に説明する添付の請求項、及び添付の図面に関して明らかとなる。
【図1】図1は、紫外線曝露後の野生型非不活性化コンドロイチナーゼABCI(正常)、野生型を不活性化したもの(酵素なし)、および本発明のコンドロイチナーゼABCI変異酵素のコンドロイチナーゼ活性に関する棒グラフである。
【図2】図2は、野生型非不活性化コンドロイチナーゼABCI(正常)、野生型を不活性化したもの(酵素なし)、および本発明のコンドロイチナーゼABCI変異酵素のコンドロイチナーゼ活性に関する棒グラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
BC6(配列ID番号1)、BE7(配列ID番号2)、BF4(配列ID番号3)から選択される、変異コンドロイチナーゼABCI酵素。
【請求項2】
請求項1記載の変異コンドロイチナーゼABCI酵素において、前記酵素はBC6(配列ID番号1)を有するものである。
【請求項3】
請求項1記載の変異コンドロイチナーゼABCI酵素において、前記酵素はBE7(配列ID番号2)を有するものである。
【請求項4】
請求項1記載の変異コンドロイチナーゼABCI酵素において、前記酵素はBF4(配列ID番号3)を有するものである。
【請求項5】
中枢神経系を治療する方法であって、BC6(配列ID番号1)、BE7(配列ID番号2)、およびBF4(配列ID番号3)から選択される変異コンドロイチナーゼABCI酵素の治療的有効量を投与する工程を有する、方法。
【請求項6】
請求項5記載の方法において、前記変異コンドロイチナーゼABCI酵素は前記中枢神経系の挫傷後に投与されるものである。
【請求項7】
請求項5記載の方法において、前記変異コンドロイチナーゼABCI酵素は前記中枢神経系の非挫傷性損傷後に投与されるものである。
【請求項8】
請求項5記載の方法において、前記変異コンドロイチナーゼABCI酵素は脊髄損傷後に投与されるものである。
【請求項9】
請求項5記載の方法において、前記変異コンドロイチナーゼABCI酵素は局所投与されるものである。
【請求項10】
請求項9記載の方法において、前記局所投与は髄腔内投与および表面投与から選択されるものである。
【請求項11】
請求項5記載の方法において、前記酵素はBC6(配列ID番号1)を有するものである。
【請求項12】
請求項5記載の方法において、前記酵素はBE7(配列ID番号2)を有するものである。
【請求項13】
請求項5記載の方法において、前記酵素はBF4(配列ID番号3)を有するものである。
【請求項14】
神経の成長を促す方法であって、BC6(配列ID番号1)、BE7(配列ID番号2)、およびBF4(配列ID番号3)から選択される変異コンドロイチナーゼABCI酵素の治療的有効量を投与する工程を有する、方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法において、前記変異コンドロイチナーゼABCI酵素は、前記中枢神経系の挫傷後に投与されるものである。
【請求項16】
請求項14記載の方法において、前記変異コンドロイチナーゼABCI酵素は、前記中枢神経系の非挫傷性損傷後に投与されるものである。
【請求項17】
請求項14記載の方法において、前記変異コンドロイチナーゼABCI酵素は脊髄損傷後に投与されるものである。
【請求項18】
請求項14記載の方法において、前記変異コンドロイチナーゼABCI酵素は局所投与されるものである。
【請求項19】
請求項18記載の方法において、前記局所投与は、髄腔内投与および表面投与から選択されるものである。
【請求項20】
請求項14記載の方法において、前記酵素は、BC6(配列ID番号1)を有するものである。
【請求項21】
請求項14記載の方法において、前記酵素は、BE7(配列ID番号2)を有するものである。
【請求項22】
請求項14記載の方法において、前記酵素は、BF4(配列ID番号3)を有するものである。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−509532(P2009−509532A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533536(P2008−533536)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/037554
【国際公開番号】WO2007/038548
【国際公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願人】(505425351)アコーダ セラピューティクス、インク. (12)
【Fターム(参考)】