コンバインの刈取り部昇降構造
【課題】 走行機体の前部に上下揺動可能に配備した刈取り部を接地追従して昇降させるよう構成したコンバインの刈取り部昇降構造において、接地体の横幅や長さを特に大きくすることなく、接地体の沈下を抑制して刈取り部先が地面に突き刺さることを回避できるようにする。
【解決手段】 刈取り部を弾性付勢機構を介して弾性的に受け止め支持するよう構成するとともに、刈取り部の下端部に前後に長い接地体46を備え、接地体46を、刈取り部における分草フレーム47の下方に沿って配備するとともに、刈取り部の下降に伴って接地体46の後部が前端部よりも先行して接地するように、接地46の接地面Fに後下がり傾斜面を備えてある。
【解決手段】 刈取り部を弾性付勢機構を介して弾性的に受け止め支持するよう構成するとともに、刈取り部の下端部に前後に長い接地体46を備え、接地体46を、刈取り部における分草フレーム47の下方に沿って配備するとともに、刈取り部の下降に伴って接地体46の後部が前端部よりも先行して接地するように、接地46の接地面Fに後下がり傾斜面を備えてある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体前部に配備した刈取り部を接地追従させて昇降させるよう構成したコンバインの刈取り部昇降構造に関する。
【背景技術】
【0002】
刈取り部を接地追従させて昇降させるよう構成したコンバインの刈取り部昇降構造としては、例えば、特許文献1に開示されているように、刈取り部と走行機体の前端部との間に支持ロッドを伸縮自在に架設するとともに、この支持ロッドに外嵌装着したバランス用のコイルバネで刈取り部の重量負荷を負担することで、刈取り部の接地荷重を軽減するとともに、刈取り部における分草フレームの下方に沿って配備した接地体を介して接地支持するよう構成されたものが提案されている。
【特許文献1】特開2004−267123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1で開示された従来構造においては、刈取り部先端の分草具より後方において分草フレームの下部に配備された接地体全体が地面と平行に接地するよう構成されていたために、圃場に柔らかい箇所があると接地体が沈下しやすく、刈取り部先端の分草具が圃場に突き刺さることがある。
【0004】
もちろん、接地体の横幅や長さを極力大きくして接地面積を大きくすることで接地体の沈下を軽減することが図られるのであるが、植立作物との接触や刈取り部下端部の前後長さ、などの寸法的な制約によって接地体の横幅や長さを任意に大きくすることができないものであり、ここに改良の余地があった。
【0005】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、接地体の横幅や長さを特に大きくしなくても接地体の沈下を抑制して刈取り部先端が地面に突き刺さることを回避できるようにすることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、走行機体の前部に上下揺動可能に配備した刈取り部を接地追従して昇降させるよう構成したコンバインの刈取り部昇降構造であって、
前記刈取り部を弾性付勢機構を介して弾性的に受け止め支持するよう構成するとともに、、前記刈取り部の下端部に前後に長い接地体を備え、
前記接地体を、刈取り部における分草フレームの下方に沿って配備するとともに、刈取り部の下降に伴って前記接地体の後部が前端部よりも先行して接地するように、接地体の接地面に後下がり傾斜面を備えてあることを特徴とする。
【0007】
上記構成によると、接地体の接地面が後下がり傾斜面となっているために、刈取り部が前下がり姿勢で下降されて接地しても、接地面全体が接地して刈取り部重量を確実に支持して沈下が抑止される。また、前進走行すると後下がり傾斜した接地面に働く接地反力の上向き成分による浮力が働き、接地体の沈下が更に抑制されることになる。
【0008】
従って、第1の発明によると、接地体の横幅や長さを特に大きくすることなく、接地体の沈下を抑制して刈取り部先が地面に突き刺さることを回避できる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前向き片持ち状に配備された前記分草フレームの前端に、分草具を備えた支持杆を差込連結固定し、この支持杆に前記接地体を連結するとともに、接地体の後部を分草フレームに下方から接当支持させるよう構成してあるものである。
【0010】
上記構成によると、接地体の前端を分草フレームの前端より前方に配備して、分草具に近づけることができ、分草具先端の地面への突入防止に有効となる。
【0011】
接地体が変形あるいは損傷した場合に、接地体を支持杆ごと分草フレームから抜き外して修理あるいは交換することができ、メンテナンス性にも優れている。
【0012】
接地体は分草具の支持杆に装備されるものでありながら、装着状態では接地荷重の一部を接地体後部において分草フレームに直接に接当支持させることができ、支持強度も充分に確保することができる。
【0013】
第3の発明は、上記第2の発明において、
前記分草フレームの前端に固設された支持フランジに接合されてボルト締め連結される連結フランジを前記支持杆の前後中間に設けるとともに、この連結フランジに前記接地体の前後中間部位を連結してあるものである。
【0014】
上記構成によると、支持杆を分草フレームに連結する連結フランジが接地体の前後中間部を横幅広く支持杆に連結する部材としても機能し、接地体の剛性を高める上で有効となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1および図2に、自脱型のコンバインが示されている。このコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部に2条刈り仕様の刈取り部3が昇降およびスライド横移動自在に連結されるとともに、走行機体2に運転部4、脱穀装置5、および、アンローダ付きの穀粒回収タンク6、等が搭載された構造となっている。
【0016】
刈取り部3には、植立穀稈を所定の刈取り姿勢に引起す左右一対の引起し装置7、引起した植立穀稈を切断するバリカン型の刈取り装置8、刈取り穀稈を後方に掻き込む左右一対の補助搬送ベルト9、刈取り穀稈の株元を掻き込み合流す左右一対の回転パッカ10、刈取り穀稈を後方上方に向けて搬送する供給搬送装置11、等を備えて構成されており、刈取り部3全体が後部基端の横向き支点Pを中心に上下揺動自在に支持されるとともに、油圧シリンダ12で昇降駆動されるようになっている。
【0017】
前記供給搬送装置11は、株元挟持搬送機構13と穂先係止搬送機構14とから構成されており、供給搬送装置11全体を前記横向き支点Pを中心に上下揺動調節することで、刈取り穀稈に対する挟持位置を上下に変更して、脱穀装置4の横外側に備えられたフィードチェーン15への穀稈受渡し位置を稈長方向に変更調節する扱き深さ調節機能が備えられている。なお、供給搬送装置11は刈取り穀稈の稈長検出に基づいて図示されない駆動機構によって上下揺動駆動され、稈長にかかわらず脱穀装置5に挿入される穀稈長さを一定に維持する自動扱深さ制御が行われるようになっている。
【0018】
刈取り部3には、引起し装置7、刈取り装置8、補助搬送ベルト9、回転パッカ10、等を支持する角パイプ材からなる刈取り部フレーム17が前下がり傾斜姿勢で備えられており、この刈取り部フレーム17の後端基部が、走行機体2の前端部に配備された基台18の上部に前記横向き支点Pを中心として上下揺動可能に連結支持されている。前記油圧シリンダ12は単動型シリンダが使用されており、その伸長作動によって刈取り部3が駆動上昇され、自由短縮作動によって刈取り部3が自重下降されるようになっている。
【0019】
図5,6に示すように、前記刈取り部フレーム17の基部には前記横向き支点Pと同心の筒状に構成された横向き基端ボス部17aが備えられており、この横向き基端ボス部17aに左右に貫通されたカウンター軸19が、前記基台18の上部に配備された左右一対の軸受けブラケット21,22を介して回転自在に支架されている。なお、以後の説明における左右方向の呼称は機体に対する方向を示しており、図5,6の正面図では図上での左右方向と説明の呼称とが逆になる。
【0020】
前記カウンター軸19の右端には入力プーリ23が取り付けられており、走行用のミッションケース24に備えられたPTO軸(図示せず)とカウンター軸19とがベルトテンション式の刈取りクラッチ(図示せず)を介してベルト連動されている。また、前記基端ボス部17aからは前方上方に向けて丸パイプ材からなる伝動ケース25が延出され、この伝動ケース25に挿通した伝動軸26とカウンター軸19とが基端ボス部17a内でベベルギヤ連動され、カウンター軸19から伝動軸26に伝達された動力で引起し装置7、刈取り装置8、補助搬送ベルト9、回転パッカ10が駆動されるようになっている。
【0021】
図4に示すように、左側の軸受けブラケット21から左外方に貫通突出されたカウンター軸19には、カウンター軸軸心周り、つまり、横向き支点P周りに回動可能にベベルギヤケース27が装備されるとともに、カウンター軸19にベベルギヤ連動された伝動軸28がベべルギヤケース27から斜め上方に延出され、この伝動軸28から取り出された動力で前記供給搬送装置11の株元挟持搬送機構13および穂先係止搬送機構14が駆動されるようになっている。
【0022】
なお、カウンター軸19に刈取り部駆動用動力を伝達する図示されない前記PTO軸は前進走行速度と同調した速度で駆動されるものであり、これによって、刈取り部3の各機構が走行速度と同調した速度で駆動されるようになっている。
【0023】
上記のように構成された刈取り部3はスライド横移動および旋回開放可能に支持されており、以下にそれらの構造を図5〜図8に基づいて詳細に説明する。
【0024】
前記基台18の左側箇所には縦向き支点Xを中心に旋回可能な旋回ブラケット31が配備されるとともに、旋回ブラケット31から右方向(機体内方)に向けて旋回アーム32が延出されている。この旋回アーム32における上面の旋回基端側と遊端側に前記軸受けブラケット21,22がそれぞれ連結固定されるとともに、旋回アーム32自体の右側箇所が主フレーム16に立設した基台18の上面に前後一対のボルト33によって連結されている。
【0025】
前記旋回アーム32には刈取り部横移動機構34が装着されている。この刈取り部横移動機構34には、旋回アーム32に横向き支点Q周りに揺動可能に支持された矩形ループ状の揺動支持枠35、この揺動支持枠35の左右アーム間に亘って横架支承されたネジ軸36、ネジ軸36に螺合装着された可動片37、揺動支持枠35に装備されたネジ軸駆動用の電動モータ38、等が備えられており、前記揺動支持枠35の下端横杆部35aに備えた連結片35bと前記油圧シリンダ12のプランジャ12aとが挿抜可能な連結ピン39で連結されている。なお、図14に示すように、連結ピン39には連結板39aと取っ手39bが備えられており、通常は連結板39aをボルト40によって連結片35bに締付け固定することでプランジャ12aとの連結状態が維持され、ボルト40を外して連結ピン39を抜き取ることで刈取り部横移動機構34とプランジャ12aとの連結が解除されるようになっている。
【0026】
刈取り部フレーム17の横向き基端ボス部17aは左右の軸受けブラケット21,22の間においてカウンター軸19に沿って左右にスライド移動可能に支持されるとともに、横向き支点P周りに自重下降揺動可能な刈取り部フレーム17が前記揺動支持枠35の下端横杆部35aに受け止め支持されており、油圧シリンダ12によって揺動支持枠35が横向き支点Q周りに揺動されることで、この揺動支持枠35に受け止め支持された刈取り部3が横向き支点P周りに上下揺動されるようになっている。揺動支持枠35による刈取り部フレーム受止め箇所の上方において刈取り部フレーム17が前記可動片37に荷重を掛けることなく上方から係合されており、ネジ軸36が電動モータ38によって回転駆動されて可動片37が左右にネジ送り移動されることによって刈取り部3全体が一定ストロークでスライド横移動されるようになっている。なお、揺動支持枠35には刈取り部フレーム17の上面近接位置を横切る規制ロッド41が横架固定されており、刈取り部フレーム17が揺動支持枠35の下端横杆部35aから浮き上がって可動片37から外れることが阻止されている。
【0027】
スライド横移動可能な刈取り部3は、基本的には左右のストロークエンドのいずれか一方に移動されて使用されるものであり、通常の刈取り形態である回り刈り作業時には、刈取り部3を左側ストロークエンド(図6参照)までスライド移動させて、刈取り部3の左端を左側クローラ走行装置1の踏み代より左側に張り出した状態とする。また、圃場の中央を突っ切って刈取り収穫する中割り作業時には、刈取り部3を右側ストロークエンド(図5参照)にスライド移動させて機体横幅内に位置させる。また、圃場外での移動走行、トラック荷台へ搭載しての移動、あるいは、ガレージへの格納、等の非作業時にも刈取り部3を右側ストロークエンドにスライド移動させる。
【0028】
なお、図4に示すように、刈取り部3に装備された供給搬送装置11の前端部は、横向き支点Pを中心とする円弧状に形成されて立設固定された案内杆42に上下スライド可能に係合案内されて、供給搬送装置11が上下揺動して扱き深さ調節作動できるように構成されるとともに、刈取り部3がスライド横移動されると供給搬送装置11が基端の伝動軸28の軸心b周りに相対的に横揺動されるようになっている。つまり、刈取り部3がスライド横移動されると、案内杆42に前端部を係合支持された供給搬送装置11の前端部は常に引起し装置7の後方位置に在るよう追従移動するが、供給搬送装置11の後端部はフィードチェーン15の始端近傍位置に在り、これによって、刈取り部3のスライド横移動位置にかかわらず引起し装置7から供給搬送装置11の始端部への穀稈受け渡し、および、供給搬送装置11の終端部からフィードチェーン15の始端部への穀稈受け渡しがそれぞれ円滑に行われるようになっている。
【0029】
刈取り部3の左外側部には、枕脱穀作業において手刈りした穀稈を仮置きする穀稈供給台45が装備されている。この穀稈供給台45は横移動可能に支持されており、詳細な構造の説明は省略するが、刈取り部3のスライド横移動にかかわらずフィードチェーン15の始端部に対して穀稈供給台45が常に横方向一定位置に保持されるようになっている。
【0030】
このコンバインにおいては、通常の刈取り収穫作業において刈取り部3の先端部が圃場に突入することを回避するために以下のような構造が備えられている。
【0031】
つまり、図9に示すように、刈取り部3が刈取り作業高さ域まで自重下降されると、前記刈取り部横移動機構34における揺動支持枠35の下端横杆部35aが、走行機体2の前端部に装着された弾性付勢機構50に弾性的に接当支持されるようになっている。
【0032】
この弾性付勢機構50は、図11に示すように、間隔変更可能に対向された前後一対のバネ受け部材51,52、両バネ受け部材51,52の間に初期圧縮されて挟持されたコイルバネ53、および、両バネ受け部材51,52の間隔拡大を阻止するよう両バネ受け部材51,52の中心に挿通装着された支持ロッド54とで独立した一つのユニット状に構成されている。前記支持ロッド54はボルト材で構成されており、この支持ロッド54をねじ込み調節し、両バネ受け部51,52の最大間隔を調整することで、挟持されたコイルバ53の初期圧縮状態を調節することが可能となっている。各バネ受け部材51,52はコイルバネ53を位置決め外嵌するカップ状にプレス形成されるとともに、それぞれの外周部の対角位置には一対の支持突起51a,52aが屈曲延出され、各支持突起51a,52aに取付け孔55,56が形成されている。
【0033】
他方、走行機体2における機体フレーム16の前部には、前記弾性付勢機構50を装着するための2本の支持ロッド57がブラケット58を介して前向き片持ち状に固設されている。この支持ロッド57は前記取付け孔55,56のピッチに対応した間隔をもって配備されており、ユニット状の弾性付勢機構50を、前後の支持突起51a,52aにおける取付け孔55,56を介して支持ロッド57に前方から挿嵌することで、弾性付勢機構50が走行機体2の前部にやゝ前上りの前向き片持ち状に支持されるようになっている。
【0034】
前方のバネ受け部材51の前面が、刈取り部3に備えられた前記揺動支持枠35の下端横杆部35aを接当支持する受止め部sとして機能するようになっている。なお、前記弾性付勢機構50におけるコイルバネ53の周囲にはゴム製の泥除けカバー61が巻き付け装着されて、弾性付勢機構50への泥などの異物の付着および侵入が防止されている。
【0035】
弾性付勢機構50の初期圧縮荷重は刈取り部3の重量より幾分小さい値となるように上記支持ロッド54の操作によって調整されており、刈取り部3が、弾性付勢機構50を圧縮変形させながら油圧シリンダ12の最短長さで決められる下降限度まで下降可能となっている。刈取り部3の下端部には橇状の接地体46が配備されており、弾性付勢機構50を圧縮変形させながら自重下降した刈取り部3は接地体46を介して接地支持される。
【0036】
前記接地体46は、刈取り部3の下端部に前向き片持ち状に配備された3本の分草フレーム47のうち左右端の分草フレーム47に以下のように取付けられている。
【0037】
各分草フレーム47は丸パイプ材からなり、前端に分草具48を姿勢変更可能に取付けた支持杆49が分草フレーム47の前端に挿抜可能に差込み連結されている。分草フレーム47の前端には支持フランジ47aが備えられるとともに、支持杆49の前後中間には連結フランジ49aが備えられており、分草フレーム47に差し込んだ支持杆49の連結フランジ49aを支持フランジ47aの前面に接当支持させてボルト締め連結することで、分草具48を所定の姿勢位置に固定することができるようになっている。
【0038】
前記接地体46は、鋼板を前後に細長い舟形にプレス加工して形成されており、回り刈り時に既刈り側となる右端の接地体46は幅広く、かつ、左右非対称の平面形状に構成されているのに対して、左側の接地体46は幅狭く、かつ、左右対称な平面形状に構成されている。
【0039】
先細り形状に湾曲された接地体46の前端部が支持杆49に溶接固定されるとともに、接地体46の前後中間箇所が前記連結フランジ49aに溶接固定され、支持杆49と共に接地体46を分草フレーム47から取外すことができるようになっている。接地体46の後端部も先細り形状に湾曲形成され、分草フレーム47への取付け状態において、接地体46の後端が分草フレーム47に下方から係合して接当支持されるようになっている。この接地体46の後部上面には接当リブ46aが溶接固定されて分草フレーム45の下面に接当支持され、接地体46の接地面Fが後下がり傾斜面をなすように構成されている。
【0040】
このように、刈取り部3を自重下降させて接地体46を介して軽く接地支持させて刈取り走行を行うことで、圃場の一部が隆起していたり、走行機体2が前下がり傾斜しても、刈取り部3が軽く上昇して圃場へ突入することが回避されるのである。また、接地体46の接地面Fが後下がり傾斜しているので、刈取り部3の下降に伴って接地体46の後部が前端部よりも先行して接地することになり、分草具48の圃場への突入が回避されるとともに、前進走行すると後下がり傾斜している接地面Fに作用する接地反力の上向き成分による浮力が働き、接地体46の沈下が抑制されることになる。
【0041】
図13に示すように、弾性付勢機構50とブラケット58との間に任意の厚さのシム板60を介在することで弾性付勢機構50における受止め部sの位置を前後に変更調節することができる。このシム調節によって刈取り部3が接地した状態でのコイルバネ53の圧縮変形量を変更して接地体46の接地圧を設定調節することができる。なお、図14に示すように、シム板60は両支持ロッド57に係止されてその取付け姿勢が保持されている。図示しないが、弾性付勢機構50における前側のバネ受け部材51の前面に別のシム板を取り付けることで、刈取り部3が接地した状態でのコイルバネ53の圧縮変形量を変更して接地体46の接地圧を設定調節することもできる。
【0042】
図10中に示すように、刈取り部3を昇降する単動型の油圧シリンダ12の作動を司る制御弁Vは、油圧シリンダ12に圧油を供給する「上昇」、油圧シリンダ12から排油する「下降」、および、油圧シリンダへの圧油供給および排油を阻止する「中立」に切換え可能な3位置切換え弁で構成されており、運転部4に配備された操縦レバー20にリンク連係されている。この操縦レバー20は前後左右に十字揺動操作可能、かつ、中立復帰付勢されており、操縦レバー20を前方の「上げ」位置、あるいは、後方の「下げ」位置へ操作すると、制御弁Vが「上昇」あるいは「下降」に切換えられ、操縦レバー20を自由状態にして「中立」に保持することで制御弁Vが「中立」に復帰されるようになっている。また、操縦レバー20を左右に操作することで左右のクローラ走行装置1に速度差がもたらされて走行機体2がレバー操作方向に操向されるようになっている。
【0043】
刈取り走行に際しては、操縦レバー20を「下げ」位置に操作して刈取り部3を自重下降させ、接地して下降が阻止されたことを確認して操縦レバー20を「中立」に戻す。この状態では、油圧シリンダ12はそれ以上に短縮することはないが、プランジャ12aが外力により引出し可能な状態にあるので、刈取り部3が外力によって上昇することが可能となる。従って、この状態で走行すると、刈取り部3が地上の隆起にさしかかったり、走行機体2が前下がり傾斜すると、刈取り部3は接地追従して上昇する。刈取り部3が地上の凹部にさしかかったり、走行機体2が前上り傾斜しても、刈取り部3は最初に下降接地された時の油圧シリンダ12の長さに対応した高さまでは下降するが、それよりも下降することはない。
【0044】
このように、刈取り部3を軽く接地支持させて刈取り走行を行うことで、圃場に起伏があったり、走行機体2の前後傾斜姿勢が変化しても、刈取り部先端の分草具48が圃場に突入することを回避しながら低刈りを行うことができる。
【0045】
なお、操縦レバー20を「下げ」位置に保持し続けて、油圧シリンダ12を短縮可能な状態に維持しておけば、刈取り部3を地上の凹部にも追従させることができる。
【0046】
上記のように構成された刈取り部3は、点検整備のために左横外側方に旋回揺動することが可能となっている。つまり、図7に示すように、旋回アーム32の遊端側を基台18に連結しているボルト33を外すと、旋回アーム32と旋回ブラケット31とが一体に縦向き支点X周りに旋回可能となり、この旋回アーム32に支持されている刈取り部3が刈取り部横移動機構34と共に旋回可能となる。
【0047】
図5,図6に示すように、軸受けブラケット21には操作ロッド65が横スライド可能に挿通支持され、この操作ロッド65の右側貫通端部に下降ロック用のブロック部材66が連結されている。操作ロッド65の左側端部は延出されて操作ノブ67が取り付けられており、機体横外方から操作ロッド65を押し引き操作できるようになっている。なお、通常は操作ロッド65が機体外方に引き出し操作されて、ブロック部材66は旋回ブラケット31の上面端部より左側に寄ったロック解除位置ur(図5参照)に載置保持されている。
【0048】
刈取り部3を図3(イ)に示す通常位置から、図3(ロ)に示すように、機体の左横外側方に旋回開放するには、先ず、刈取り部3を所定高さ以上に上昇させた状態で左側ストロークエンドまでスライド横移動させる。次に、操作ロッド65を機体内方に移動限界まで押し込み操作してブロック部材66を前記ロック解除位置urから旋回ブラケット31の端部近くの下降ロック位置r(図6参照)に移動させる。次に、刈取り部3を下降(自重下降)させて、刈取り部フレーム17の基部に連結固定した接当金具68と旋回ブラケット31の上面との間にブロック部材66を挟持して、それ以上に刈取り部3が下降されるのを阻止する(図13参照)。このようにブロック部材66を介して下降が阻止された状態では、刈取り部3は弾性付勢機構50から分離し且つ地上から浮き上がった高さで保持されることになる。
【0049】
走行機体2の前端に設けられた基台18には、左側ストロークエンドまでスライド横移動された刈取り部3が右方向に移動するのを阻止する横移動ロック機構70が装備されている。この横移動ロック機構70には横移動ロック位置(a)とロック解除位置(b)に切換え可能なロック部材71が装備されている。ロック部材71は、板材をV形に屈折して構成されたものであり、前後方向の長孔72と前後一対のボルト73を介して前後方向にのみ位置調節可能に基台18に締付け固定されている。
【0050】
通常、ロック部材71は、刈取り部フレーム17における基端ボス部17aの横移動領域から後方に外れたロック解除位置(b)に保持されており、この状態では刈取り部3のスライド横移動が可能となる。ロック部材71が後方のロック解除位置(b)にあると、旋回アーム32と基台18とのボルト連結部の上方にロック部材71が重複し、ボルト33に工具を掛けることができなくなる。また、刈取り部3が右ストロークエンドにあると、ロック部材71の前方に基端ボス部17aが位置して、ロック部材71を前方の横移動ロック位置(a)に切換えることができなくなる。
【0051】
刈取り部3を旋回開放するには、先ず、刈取り部3を左側ストロークエンドまでスライド横移動し、上記のように、ブロック部材66を利用して刈取り部3を地上に浮かした状態にする。次に、運転部4からレンチなどの工具を差し入れて横移動ロック機構70のボルト73を弛め、ロック解除位置(b)にあるロック部材71を前方の横移動ロック位置(a)に移動してボルト固定する。横移動ロック位置(a)のロック部材71は、刈取り部フレーム17における基端ボス部17aの右側で横移動領域に干渉することになり、これによって刈取り部3が右方向にスライド横移動することが接当阻止される。
【0052】
次に、刈取り部フレーム7と油圧シリンダ12のプランジャ12aとを連結していた連結ピン39を引き抜いてその連結を解除するとともに、旋回アーム32の遊端側を基台8aに連結していたボルト33を外す。これによって刈取り部3を地面から浮かした状態のまま縦向き支点X周りに揺動開放することができる。なお、図示されていないが、旋回アーム32は旋回開放位置で基台18にピンロックされる。
【0053】
〔他の実施例〕
【0054】
(1)図22に示すように、前記接地体46を接地面Fの前後中間が最も低くなる下方に凸曲した形とし、接地面Fの前半が後下がり傾斜面になるように構成して実施することもできる。又、接地面Fを側面視で下方に凸曲した円弧面の形状に構成することも可能である。
【0055】
(2)前記接地面Fの角度の異なった接地体46を備えた支持杆49を予め複数種用意しておき、走行機体2に連結する刈取り部3の仕様(刈取り条数、重量、補助引起し装置の有無)に対応して、好適なものを使用するようにするとよい。
【0056】
(3)前記接地体46を、前端側を支点にして上下に揺動調節可能に構成して、接地面Fの角度を刈取り部の仕様、等に応じて変更可能に構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】自脱型コンバインの全体側面図
【図2】自脱型コンバインの全体平面図
【図3】刈取り部の旋回開放作動を示す平面図
【図4】刈取り部の基部を示す側面図
【図5】旋回操作不能位置に横移動された刈取り部の基部を示す正面図
【図6】旋回操作可能位置に横移動された刈取り部の基部を示す正面図
【図7】旋回操作不能位置に横移動された刈取り部の基部を示す平面図
【図8】旋回操作可能位置に横移動された刈取り部の基部を示す平面図
【図9】旋回途中における刈取り部の基部を示す平面図
【図10】刈取り部の横移動構造を示す側面図
【図11】刈取り部の横移動構造および弾性付勢機構を示す側面図
【図12】弾性付勢機構の正面図
【図13】弾性付勢機構の横断平面図
【図14】弾性付勢機構の支持構造を示す正面図
【図15】下降ロック状態における刈取り部の基部を示す側面図
【図16】油圧シリンダ連結部の縦断正面図
【図17】横移動ロック機構の側面図
【図18】横移動ロック機構のロック部材を示す斜視図
【図19】刈取り部下端の接地部を示す縦断側面図
【図20】刈取り部下端の接地部を示す平面図
【図21】接地体連結部の縦断背面図
【図22】刈取り部下端の接地部の別実施例を示す縦断側面図
【符号の説明】
【0058】
2 走行機体
3 刈取り部
46 接地体
47 分草フレーム
47a 支持フランジ
48 分草具
49 支持杆
49a 連結フランジ
50 弾性付勢機構
F 接地面
【技術分野】
【0001】
本発明は、機体前部に配備した刈取り部を接地追従させて昇降させるよう構成したコンバインの刈取り部昇降構造に関する。
【背景技術】
【0002】
刈取り部を接地追従させて昇降させるよう構成したコンバインの刈取り部昇降構造としては、例えば、特許文献1に開示されているように、刈取り部と走行機体の前端部との間に支持ロッドを伸縮自在に架設するとともに、この支持ロッドに外嵌装着したバランス用のコイルバネで刈取り部の重量負荷を負担することで、刈取り部の接地荷重を軽減するとともに、刈取り部における分草フレームの下方に沿って配備した接地体を介して接地支持するよう構成されたものが提案されている。
【特許文献1】特開2004−267123号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1で開示された従来構造においては、刈取り部先端の分草具より後方において分草フレームの下部に配備された接地体全体が地面と平行に接地するよう構成されていたために、圃場に柔らかい箇所があると接地体が沈下しやすく、刈取り部先端の分草具が圃場に突き刺さることがある。
【0004】
もちろん、接地体の横幅や長さを極力大きくして接地面積を大きくすることで接地体の沈下を軽減することが図られるのであるが、植立作物との接触や刈取り部下端部の前後長さ、などの寸法的な制約によって接地体の横幅や長さを任意に大きくすることができないものであり、ここに改良の余地があった。
【0005】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、接地体の横幅や長さを特に大きくしなくても接地体の沈下を抑制して刈取り部先端が地面に突き刺さることを回避できるようにすることを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明は、走行機体の前部に上下揺動可能に配備した刈取り部を接地追従して昇降させるよう構成したコンバインの刈取り部昇降構造であって、
前記刈取り部を弾性付勢機構を介して弾性的に受け止め支持するよう構成するとともに、、前記刈取り部の下端部に前後に長い接地体を備え、
前記接地体を、刈取り部における分草フレームの下方に沿って配備するとともに、刈取り部の下降に伴って前記接地体の後部が前端部よりも先行して接地するように、接地体の接地面に後下がり傾斜面を備えてあることを特徴とする。
【0007】
上記構成によると、接地体の接地面が後下がり傾斜面となっているために、刈取り部が前下がり姿勢で下降されて接地しても、接地面全体が接地して刈取り部重量を確実に支持して沈下が抑止される。また、前進走行すると後下がり傾斜した接地面に働く接地反力の上向き成分による浮力が働き、接地体の沈下が更に抑制されることになる。
【0008】
従って、第1の発明によると、接地体の横幅や長さを特に大きくすることなく、接地体の沈下を抑制して刈取り部先が地面に突き刺さることを回避できる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、
前向き片持ち状に配備された前記分草フレームの前端に、分草具を備えた支持杆を差込連結固定し、この支持杆に前記接地体を連結するとともに、接地体の後部を分草フレームに下方から接当支持させるよう構成してあるものである。
【0010】
上記構成によると、接地体の前端を分草フレームの前端より前方に配備して、分草具に近づけることができ、分草具先端の地面への突入防止に有効となる。
【0011】
接地体が変形あるいは損傷した場合に、接地体を支持杆ごと分草フレームから抜き外して修理あるいは交換することができ、メンテナンス性にも優れている。
【0012】
接地体は分草具の支持杆に装備されるものでありながら、装着状態では接地荷重の一部を接地体後部において分草フレームに直接に接当支持させることができ、支持強度も充分に確保することができる。
【0013】
第3の発明は、上記第2の発明において、
前記分草フレームの前端に固設された支持フランジに接合されてボルト締め連結される連結フランジを前記支持杆の前後中間に設けるとともに、この連結フランジに前記接地体の前後中間部位を連結してあるものである。
【0014】
上記構成によると、支持杆を分草フレームに連結する連結フランジが接地体の前後中間部を横幅広く支持杆に連結する部材としても機能し、接地体の剛性を高める上で有効となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1および図2に、自脱型のコンバインが示されている。このコンバインは、左右一対のクローラ走行装置1を備えた走行機体2の前部に2条刈り仕様の刈取り部3が昇降およびスライド横移動自在に連結されるとともに、走行機体2に運転部4、脱穀装置5、および、アンローダ付きの穀粒回収タンク6、等が搭載された構造となっている。
【0016】
刈取り部3には、植立穀稈を所定の刈取り姿勢に引起す左右一対の引起し装置7、引起した植立穀稈を切断するバリカン型の刈取り装置8、刈取り穀稈を後方に掻き込む左右一対の補助搬送ベルト9、刈取り穀稈の株元を掻き込み合流す左右一対の回転パッカ10、刈取り穀稈を後方上方に向けて搬送する供給搬送装置11、等を備えて構成されており、刈取り部3全体が後部基端の横向き支点Pを中心に上下揺動自在に支持されるとともに、油圧シリンダ12で昇降駆動されるようになっている。
【0017】
前記供給搬送装置11は、株元挟持搬送機構13と穂先係止搬送機構14とから構成されており、供給搬送装置11全体を前記横向き支点Pを中心に上下揺動調節することで、刈取り穀稈に対する挟持位置を上下に変更して、脱穀装置4の横外側に備えられたフィードチェーン15への穀稈受渡し位置を稈長方向に変更調節する扱き深さ調節機能が備えられている。なお、供給搬送装置11は刈取り穀稈の稈長検出に基づいて図示されない駆動機構によって上下揺動駆動され、稈長にかかわらず脱穀装置5に挿入される穀稈長さを一定に維持する自動扱深さ制御が行われるようになっている。
【0018】
刈取り部3には、引起し装置7、刈取り装置8、補助搬送ベルト9、回転パッカ10、等を支持する角パイプ材からなる刈取り部フレーム17が前下がり傾斜姿勢で備えられており、この刈取り部フレーム17の後端基部が、走行機体2の前端部に配備された基台18の上部に前記横向き支点Pを中心として上下揺動可能に連結支持されている。前記油圧シリンダ12は単動型シリンダが使用されており、その伸長作動によって刈取り部3が駆動上昇され、自由短縮作動によって刈取り部3が自重下降されるようになっている。
【0019】
図5,6に示すように、前記刈取り部フレーム17の基部には前記横向き支点Pと同心の筒状に構成された横向き基端ボス部17aが備えられており、この横向き基端ボス部17aに左右に貫通されたカウンター軸19が、前記基台18の上部に配備された左右一対の軸受けブラケット21,22を介して回転自在に支架されている。なお、以後の説明における左右方向の呼称は機体に対する方向を示しており、図5,6の正面図では図上での左右方向と説明の呼称とが逆になる。
【0020】
前記カウンター軸19の右端には入力プーリ23が取り付けられており、走行用のミッションケース24に備えられたPTO軸(図示せず)とカウンター軸19とがベルトテンション式の刈取りクラッチ(図示せず)を介してベルト連動されている。また、前記基端ボス部17aからは前方上方に向けて丸パイプ材からなる伝動ケース25が延出され、この伝動ケース25に挿通した伝動軸26とカウンター軸19とが基端ボス部17a内でベベルギヤ連動され、カウンター軸19から伝動軸26に伝達された動力で引起し装置7、刈取り装置8、補助搬送ベルト9、回転パッカ10が駆動されるようになっている。
【0021】
図4に示すように、左側の軸受けブラケット21から左外方に貫通突出されたカウンター軸19には、カウンター軸軸心周り、つまり、横向き支点P周りに回動可能にベベルギヤケース27が装備されるとともに、カウンター軸19にベベルギヤ連動された伝動軸28がベべルギヤケース27から斜め上方に延出され、この伝動軸28から取り出された動力で前記供給搬送装置11の株元挟持搬送機構13および穂先係止搬送機構14が駆動されるようになっている。
【0022】
なお、カウンター軸19に刈取り部駆動用動力を伝達する図示されない前記PTO軸は前進走行速度と同調した速度で駆動されるものであり、これによって、刈取り部3の各機構が走行速度と同調した速度で駆動されるようになっている。
【0023】
上記のように構成された刈取り部3はスライド横移動および旋回開放可能に支持されており、以下にそれらの構造を図5〜図8に基づいて詳細に説明する。
【0024】
前記基台18の左側箇所には縦向き支点Xを中心に旋回可能な旋回ブラケット31が配備されるとともに、旋回ブラケット31から右方向(機体内方)に向けて旋回アーム32が延出されている。この旋回アーム32における上面の旋回基端側と遊端側に前記軸受けブラケット21,22がそれぞれ連結固定されるとともに、旋回アーム32自体の右側箇所が主フレーム16に立設した基台18の上面に前後一対のボルト33によって連結されている。
【0025】
前記旋回アーム32には刈取り部横移動機構34が装着されている。この刈取り部横移動機構34には、旋回アーム32に横向き支点Q周りに揺動可能に支持された矩形ループ状の揺動支持枠35、この揺動支持枠35の左右アーム間に亘って横架支承されたネジ軸36、ネジ軸36に螺合装着された可動片37、揺動支持枠35に装備されたネジ軸駆動用の電動モータ38、等が備えられており、前記揺動支持枠35の下端横杆部35aに備えた連結片35bと前記油圧シリンダ12のプランジャ12aとが挿抜可能な連結ピン39で連結されている。なお、図14に示すように、連結ピン39には連結板39aと取っ手39bが備えられており、通常は連結板39aをボルト40によって連結片35bに締付け固定することでプランジャ12aとの連結状態が維持され、ボルト40を外して連結ピン39を抜き取ることで刈取り部横移動機構34とプランジャ12aとの連結が解除されるようになっている。
【0026】
刈取り部フレーム17の横向き基端ボス部17aは左右の軸受けブラケット21,22の間においてカウンター軸19に沿って左右にスライド移動可能に支持されるとともに、横向き支点P周りに自重下降揺動可能な刈取り部フレーム17が前記揺動支持枠35の下端横杆部35aに受け止め支持されており、油圧シリンダ12によって揺動支持枠35が横向き支点Q周りに揺動されることで、この揺動支持枠35に受け止め支持された刈取り部3が横向き支点P周りに上下揺動されるようになっている。揺動支持枠35による刈取り部フレーム受止め箇所の上方において刈取り部フレーム17が前記可動片37に荷重を掛けることなく上方から係合されており、ネジ軸36が電動モータ38によって回転駆動されて可動片37が左右にネジ送り移動されることによって刈取り部3全体が一定ストロークでスライド横移動されるようになっている。なお、揺動支持枠35には刈取り部フレーム17の上面近接位置を横切る規制ロッド41が横架固定されており、刈取り部フレーム17が揺動支持枠35の下端横杆部35aから浮き上がって可動片37から外れることが阻止されている。
【0027】
スライド横移動可能な刈取り部3は、基本的には左右のストロークエンドのいずれか一方に移動されて使用されるものであり、通常の刈取り形態である回り刈り作業時には、刈取り部3を左側ストロークエンド(図6参照)までスライド移動させて、刈取り部3の左端を左側クローラ走行装置1の踏み代より左側に張り出した状態とする。また、圃場の中央を突っ切って刈取り収穫する中割り作業時には、刈取り部3を右側ストロークエンド(図5参照)にスライド移動させて機体横幅内に位置させる。また、圃場外での移動走行、トラック荷台へ搭載しての移動、あるいは、ガレージへの格納、等の非作業時にも刈取り部3を右側ストロークエンドにスライド移動させる。
【0028】
なお、図4に示すように、刈取り部3に装備された供給搬送装置11の前端部は、横向き支点Pを中心とする円弧状に形成されて立設固定された案内杆42に上下スライド可能に係合案内されて、供給搬送装置11が上下揺動して扱き深さ調節作動できるように構成されるとともに、刈取り部3がスライド横移動されると供給搬送装置11が基端の伝動軸28の軸心b周りに相対的に横揺動されるようになっている。つまり、刈取り部3がスライド横移動されると、案内杆42に前端部を係合支持された供給搬送装置11の前端部は常に引起し装置7の後方位置に在るよう追従移動するが、供給搬送装置11の後端部はフィードチェーン15の始端近傍位置に在り、これによって、刈取り部3のスライド横移動位置にかかわらず引起し装置7から供給搬送装置11の始端部への穀稈受け渡し、および、供給搬送装置11の終端部からフィードチェーン15の始端部への穀稈受け渡しがそれぞれ円滑に行われるようになっている。
【0029】
刈取り部3の左外側部には、枕脱穀作業において手刈りした穀稈を仮置きする穀稈供給台45が装備されている。この穀稈供給台45は横移動可能に支持されており、詳細な構造の説明は省略するが、刈取り部3のスライド横移動にかかわらずフィードチェーン15の始端部に対して穀稈供給台45が常に横方向一定位置に保持されるようになっている。
【0030】
このコンバインにおいては、通常の刈取り収穫作業において刈取り部3の先端部が圃場に突入することを回避するために以下のような構造が備えられている。
【0031】
つまり、図9に示すように、刈取り部3が刈取り作業高さ域まで自重下降されると、前記刈取り部横移動機構34における揺動支持枠35の下端横杆部35aが、走行機体2の前端部に装着された弾性付勢機構50に弾性的に接当支持されるようになっている。
【0032】
この弾性付勢機構50は、図11に示すように、間隔変更可能に対向された前後一対のバネ受け部材51,52、両バネ受け部材51,52の間に初期圧縮されて挟持されたコイルバネ53、および、両バネ受け部材51,52の間隔拡大を阻止するよう両バネ受け部材51,52の中心に挿通装着された支持ロッド54とで独立した一つのユニット状に構成されている。前記支持ロッド54はボルト材で構成されており、この支持ロッド54をねじ込み調節し、両バネ受け部51,52の最大間隔を調整することで、挟持されたコイルバ53の初期圧縮状態を調節することが可能となっている。各バネ受け部材51,52はコイルバネ53を位置決め外嵌するカップ状にプレス形成されるとともに、それぞれの外周部の対角位置には一対の支持突起51a,52aが屈曲延出され、各支持突起51a,52aに取付け孔55,56が形成されている。
【0033】
他方、走行機体2における機体フレーム16の前部には、前記弾性付勢機構50を装着するための2本の支持ロッド57がブラケット58を介して前向き片持ち状に固設されている。この支持ロッド57は前記取付け孔55,56のピッチに対応した間隔をもって配備されており、ユニット状の弾性付勢機構50を、前後の支持突起51a,52aにおける取付け孔55,56を介して支持ロッド57に前方から挿嵌することで、弾性付勢機構50が走行機体2の前部にやゝ前上りの前向き片持ち状に支持されるようになっている。
【0034】
前方のバネ受け部材51の前面が、刈取り部3に備えられた前記揺動支持枠35の下端横杆部35aを接当支持する受止め部sとして機能するようになっている。なお、前記弾性付勢機構50におけるコイルバネ53の周囲にはゴム製の泥除けカバー61が巻き付け装着されて、弾性付勢機構50への泥などの異物の付着および侵入が防止されている。
【0035】
弾性付勢機構50の初期圧縮荷重は刈取り部3の重量より幾分小さい値となるように上記支持ロッド54の操作によって調整されており、刈取り部3が、弾性付勢機構50を圧縮変形させながら油圧シリンダ12の最短長さで決められる下降限度まで下降可能となっている。刈取り部3の下端部には橇状の接地体46が配備されており、弾性付勢機構50を圧縮変形させながら自重下降した刈取り部3は接地体46を介して接地支持される。
【0036】
前記接地体46は、刈取り部3の下端部に前向き片持ち状に配備された3本の分草フレーム47のうち左右端の分草フレーム47に以下のように取付けられている。
【0037】
各分草フレーム47は丸パイプ材からなり、前端に分草具48を姿勢変更可能に取付けた支持杆49が分草フレーム47の前端に挿抜可能に差込み連結されている。分草フレーム47の前端には支持フランジ47aが備えられるとともに、支持杆49の前後中間には連結フランジ49aが備えられており、分草フレーム47に差し込んだ支持杆49の連結フランジ49aを支持フランジ47aの前面に接当支持させてボルト締め連結することで、分草具48を所定の姿勢位置に固定することができるようになっている。
【0038】
前記接地体46は、鋼板を前後に細長い舟形にプレス加工して形成されており、回り刈り時に既刈り側となる右端の接地体46は幅広く、かつ、左右非対称の平面形状に構成されているのに対して、左側の接地体46は幅狭く、かつ、左右対称な平面形状に構成されている。
【0039】
先細り形状に湾曲された接地体46の前端部が支持杆49に溶接固定されるとともに、接地体46の前後中間箇所が前記連結フランジ49aに溶接固定され、支持杆49と共に接地体46を分草フレーム47から取外すことができるようになっている。接地体46の後端部も先細り形状に湾曲形成され、分草フレーム47への取付け状態において、接地体46の後端が分草フレーム47に下方から係合して接当支持されるようになっている。この接地体46の後部上面には接当リブ46aが溶接固定されて分草フレーム45の下面に接当支持され、接地体46の接地面Fが後下がり傾斜面をなすように構成されている。
【0040】
このように、刈取り部3を自重下降させて接地体46を介して軽く接地支持させて刈取り走行を行うことで、圃場の一部が隆起していたり、走行機体2が前下がり傾斜しても、刈取り部3が軽く上昇して圃場へ突入することが回避されるのである。また、接地体46の接地面Fが後下がり傾斜しているので、刈取り部3の下降に伴って接地体46の後部が前端部よりも先行して接地することになり、分草具48の圃場への突入が回避されるとともに、前進走行すると後下がり傾斜している接地面Fに作用する接地反力の上向き成分による浮力が働き、接地体46の沈下が抑制されることになる。
【0041】
図13に示すように、弾性付勢機構50とブラケット58との間に任意の厚さのシム板60を介在することで弾性付勢機構50における受止め部sの位置を前後に変更調節することができる。このシム調節によって刈取り部3が接地した状態でのコイルバネ53の圧縮変形量を変更して接地体46の接地圧を設定調節することができる。なお、図14に示すように、シム板60は両支持ロッド57に係止されてその取付け姿勢が保持されている。図示しないが、弾性付勢機構50における前側のバネ受け部材51の前面に別のシム板を取り付けることで、刈取り部3が接地した状態でのコイルバネ53の圧縮変形量を変更して接地体46の接地圧を設定調節することもできる。
【0042】
図10中に示すように、刈取り部3を昇降する単動型の油圧シリンダ12の作動を司る制御弁Vは、油圧シリンダ12に圧油を供給する「上昇」、油圧シリンダ12から排油する「下降」、および、油圧シリンダへの圧油供給および排油を阻止する「中立」に切換え可能な3位置切換え弁で構成されており、運転部4に配備された操縦レバー20にリンク連係されている。この操縦レバー20は前後左右に十字揺動操作可能、かつ、中立復帰付勢されており、操縦レバー20を前方の「上げ」位置、あるいは、後方の「下げ」位置へ操作すると、制御弁Vが「上昇」あるいは「下降」に切換えられ、操縦レバー20を自由状態にして「中立」に保持することで制御弁Vが「中立」に復帰されるようになっている。また、操縦レバー20を左右に操作することで左右のクローラ走行装置1に速度差がもたらされて走行機体2がレバー操作方向に操向されるようになっている。
【0043】
刈取り走行に際しては、操縦レバー20を「下げ」位置に操作して刈取り部3を自重下降させ、接地して下降が阻止されたことを確認して操縦レバー20を「中立」に戻す。この状態では、油圧シリンダ12はそれ以上に短縮することはないが、プランジャ12aが外力により引出し可能な状態にあるので、刈取り部3が外力によって上昇することが可能となる。従って、この状態で走行すると、刈取り部3が地上の隆起にさしかかったり、走行機体2が前下がり傾斜すると、刈取り部3は接地追従して上昇する。刈取り部3が地上の凹部にさしかかったり、走行機体2が前上り傾斜しても、刈取り部3は最初に下降接地された時の油圧シリンダ12の長さに対応した高さまでは下降するが、それよりも下降することはない。
【0044】
このように、刈取り部3を軽く接地支持させて刈取り走行を行うことで、圃場に起伏があったり、走行機体2の前後傾斜姿勢が変化しても、刈取り部先端の分草具48が圃場に突入することを回避しながら低刈りを行うことができる。
【0045】
なお、操縦レバー20を「下げ」位置に保持し続けて、油圧シリンダ12を短縮可能な状態に維持しておけば、刈取り部3を地上の凹部にも追従させることができる。
【0046】
上記のように構成された刈取り部3は、点検整備のために左横外側方に旋回揺動することが可能となっている。つまり、図7に示すように、旋回アーム32の遊端側を基台18に連結しているボルト33を外すと、旋回アーム32と旋回ブラケット31とが一体に縦向き支点X周りに旋回可能となり、この旋回アーム32に支持されている刈取り部3が刈取り部横移動機構34と共に旋回可能となる。
【0047】
図5,図6に示すように、軸受けブラケット21には操作ロッド65が横スライド可能に挿通支持され、この操作ロッド65の右側貫通端部に下降ロック用のブロック部材66が連結されている。操作ロッド65の左側端部は延出されて操作ノブ67が取り付けられており、機体横外方から操作ロッド65を押し引き操作できるようになっている。なお、通常は操作ロッド65が機体外方に引き出し操作されて、ブロック部材66は旋回ブラケット31の上面端部より左側に寄ったロック解除位置ur(図5参照)に載置保持されている。
【0048】
刈取り部3を図3(イ)に示す通常位置から、図3(ロ)に示すように、機体の左横外側方に旋回開放するには、先ず、刈取り部3を所定高さ以上に上昇させた状態で左側ストロークエンドまでスライド横移動させる。次に、操作ロッド65を機体内方に移動限界まで押し込み操作してブロック部材66を前記ロック解除位置urから旋回ブラケット31の端部近くの下降ロック位置r(図6参照)に移動させる。次に、刈取り部3を下降(自重下降)させて、刈取り部フレーム17の基部に連結固定した接当金具68と旋回ブラケット31の上面との間にブロック部材66を挟持して、それ以上に刈取り部3が下降されるのを阻止する(図13参照)。このようにブロック部材66を介して下降が阻止された状態では、刈取り部3は弾性付勢機構50から分離し且つ地上から浮き上がった高さで保持されることになる。
【0049】
走行機体2の前端に設けられた基台18には、左側ストロークエンドまでスライド横移動された刈取り部3が右方向に移動するのを阻止する横移動ロック機構70が装備されている。この横移動ロック機構70には横移動ロック位置(a)とロック解除位置(b)に切換え可能なロック部材71が装備されている。ロック部材71は、板材をV形に屈折して構成されたものであり、前後方向の長孔72と前後一対のボルト73を介して前後方向にのみ位置調節可能に基台18に締付け固定されている。
【0050】
通常、ロック部材71は、刈取り部フレーム17における基端ボス部17aの横移動領域から後方に外れたロック解除位置(b)に保持されており、この状態では刈取り部3のスライド横移動が可能となる。ロック部材71が後方のロック解除位置(b)にあると、旋回アーム32と基台18とのボルト連結部の上方にロック部材71が重複し、ボルト33に工具を掛けることができなくなる。また、刈取り部3が右ストロークエンドにあると、ロック部材71の前方に基端ボス部17aが位置して、ロック部材71を前方の横移動ロック位置(a)に切換えることができなくなる。
【0051】
刈取り部3を旋回開放するには、先ず、刈取り部3を左側ストロークエンドまでスライド横移動し、上記のように、ブロック部材66を利用して刈取り部3を地上に浮かした状態にする。次に、運転部4からレンチなどの工具を差し入れて横移動ロック機構70のボルト73を弛め、ロック解除位置(b)にあるロック部材71を前方の横移動ロック位置(a)に移動してボルト固定する。横移動ロック位置(a)のロック部材71は、刈取り部フレーム17における基端ボス部17aの右側で横移動領域に干渉することになり、これによって刈取り部3が右方向にスライド横移動することが接当阻止される。
【0052】
次に、刈取り部フレーム7と油圧シリンダ12のプランジャ12aとを連結していた連結ピン39を引き抜いてその連結を解除するとともに、旋回アーム32の遊端側を基台8aに連結していたボルト33を外す。これによって刈取り部3を地面から浮かした状態のまま縦向き支点X周りに揺動開放することができる。なお、図示されていないが、旋回アーム32は旋回開放位置で基台18にピンロックされる。
【0053】
〔他の実施例〕
【0054】
(1)図22に示すように、前記接地体46を接地面Fの前後中間が最も低くなる下方に凸曲した形とし、接地面Fの前半が後下がり傾斜面になるように構成して実施することもできる。又、接地面Fを側面視で下方に凸曲した円弧面の形状に構成することも可能である。
【0055】
(2)前記接地面Fの角度の異なった接地体46を備えた支持杆49を予め複数種用意しておき、走行機体2に連結する刈取り部3の仕様(刈取り条数、重量、補助引起し装置の有無)に対応して、好適なものを使用するようにするとよい。
【0056】
(3)前記接地体46を、前端側を支点にして上下に揺動調節可能に構成して、接地面Fの角度を刈取り部の仕様、等に応じて変更可能に構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】自脱型コンバインの全体側面図
【図2】自脱型コンバインの全体平面図
【図3】刈取り部の旋回開放作動を示す平面図
【図4】刈取り部の基部を示す側面図
【図5】旋回操作不能位置に横移動された刈取り部の基部を示す正面図
【図6】旋回操作可能位置に横移動された刈取り部の基部を示す正面図
【図7】旋回操作不能位置に横移動された刈取り部の基部を示す平面図
【図8】旋回操作可能位置に横移動された刈取り部の基部を示す平面図
【図9】旋回途中における刈取り部の基部を示す平面図
【図10】刈取り部の横移動構造を示す側面図
【図11】刈取り部の横移動構造および弾性付勢機構を示す側面図
【図12】弾性付勢機構の正面図
【図13】弾性付勢機構の横断平面図
【図14】弾性付勢機構の支持構造を示す正面図
【図15】下降ロック状態における刈取り部の基部を示す側面図
【図16】油圧シリンダ連結部の縦断正面図
【図17】横移動ロック機構の側面図
【図18】横移動ロック機構のロック部材を示す斜視図
【図19】刈取り部下端の接地部を示す縦断側面図
【図20】刈取り部下端の接地部を示す平面図
【図21】接地体連結部の縦断背面図
【図22】刈取り部下端の接地部の別実施例を示す縦断側面図
【符号の説明】
【0058】
2 走行機体
3 刈取り部
46 接地体
47 分草フレーム
47a 支持フランジ
48 分草具
49 支持杆
49a 連結フランジ
50 弾性付勢機構
F 接地面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の前部に上下揺動可能に配備した刈取り部を接地追従して昇降させるよう構成したコンバインの刈取り部昇降構造であって、
前記刈取り部を弾性付勢機構を介して弾性的に受け止め支持するよう構成するとともに、前記刈取り部の下端部に前後に長い接地体を備え、
前記接地体を、刈取り部における分草フレームの下方に沿って配備するとともに、刈取り部の下降に伴って前記接地体の後部が前端部よりも先行して接地するように、接地体の接地面に後下がり傾斜面を備えてあることを特徴とするコンバインの刈取り部昇降構造。
【請求項2】
前向き片持ち状に配備された前記分草フレームの前端に、分草具を備えた支持杆を差込連結固定し、この支持杆に前記接地体を連結するとともに、接地体の後部を分草フレームに下方から接当支持させるよう構成してある請求項1記載のコンバインの刈取り部昇降構造。
【請求項3】
前記分草フレームの前端に固設された支持フランジに接合されてボルト締め連結される連結フランジを前記支持杆の前後中間に設けるとともに、この連結フランジに前記接地体の前後中間部位を連結してある請求項2記載のコンバインの刈取り部昇降構造。
【請求項1】
走行機体の前部に上下揺動可能に配備した刈取り部を接地追従して昇降させるよう構成したコンバインの刈取り部昇降構造であって、
前記刈取り部を弾性付勢機構を介して弾性的に受け止め支持するよう構成するとともに、前記刈取り部の下端部に前後に長い接地体を備え、
前記接地体を、刈取り部における分草フレームの下方に沿って配備するとともに、刈取り部の下降に伴って前記接地体の後部が前端部よりも先行して接地するように、接地体の接地面に後下がり傾斜面を備えてあることを特徴とするコンバインの刈取り部昇降構造。
【請求項2】
前向き片持ち状に配備された前記分草フレームの前端に、分草具を備えた支持杆を差込連結固定し、この支持杆に前記接地体を連結するとともに、接地体の後部を分草フレームに下方から接当支持させるよう構成してある請求項1記載のコンバインの刈取り部昇降構造。
【請求項3】
前記分草フレームの前端に固設された支持フランジに接合されてボルト締め連結される連結フランジを前記支持杆の前後中間に設けるとともに、この連結フランジに前記接地体の前後中間部位を連結してある請求項2記載のコンバインの刈取り部昇降構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2007−117016(P2007−117016A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−315205(P2005−315205)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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