コンバイン
【課題】グレンタンク内の穀物重量を、グレンタンクの一側下部に配置した重量センサにより検出して、センサ出力と真の穀物重量を比例の関係で換算して出力すると、正確な穀物重量が得られなかった。
【解決手段】収穫穀物を貯溜するグレンタンク13と、該グレンタンク13に穀物を投入する手段と、該グレンタンク13内の穀物を外部に排出するための穀物排出装置15と、該グレンタンク13の一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサ32と、該重量センサ32から出力された信号を入力して記憶部55に記憶したマップにより実際の重量に変換して推定穀物重量として出力する制御手段53とを備え、前記マップにはグレンタンクへの投入時と排出時の検量線を有して、この検量線に従って変換して出力するようにした。
【解決手段】収穫穀物を貯溜するグレンタンク13と、該グレンタンク13に穀物を投入する手段と、該グレンタンク13内の穀物を外部に排出するための穀物排出装置15と、該グレンタンク13の一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサ32と、該重量センサ32から出力された信号を入力して記憶部55に記憶したマップにより実際の重量に変換して推定穀物重量として出力する制御手段53とを備え、前記マップにはグレンタンクへの投入時と排出時の検量線を有して、この検量線に従って変換して出力するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインのグレンタンク内に貯溜された穀物の重量を測定するための技術に関し、詳しくは、グレンタンクの前後両側の下部を支点として支持し、前後一側の下部に重量センサを配置して穀物量を検知し、穀物の投入時と排出時で異なる検量線に対応させて正確な穀物重量(質量)を出力できるようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンバインの機体フレーム上に収穫穀物を貯溜するグレンタンクを配置し、一番コンベアに連通した揚穀コンベアにより選別後の精粒をグレンタンク内に投入して貯留するようにしている。一方、該グレンタンク内の下部には穀物を外部に排出するための排出コンベアを備え、該排出コンベアの一端に穀物排出装置の縦排出オーガを連通して、該縦排出オーガの上部に連設した横排出オーガにより、グレンタンク内の穀物を排出できるようにしている。そして、グレンタンクは縦オーガを中心として側方に回動して開放可能とし、選別装置や一番コンベアや二番コンベアや揚穀コンベア等のメンテナンスが容易にできるようにしている。
【0003】
更に、グレンタンク内に貯溜された穀物の重量を測定するために、前記縦排出オーガ側の下部を支点として他側を若干揺動可能とし、他側の下部に重量センサを配置して、重量センサによりグレンタンク内に貯留される穀物の重量を検出するようにした技術は公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−129522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の技術において、グレンタンク内の穀物の重量を重量センサで検知するようにしており、前後一側の下部に重量センサを配置して検知する構成であるため、実際は検出値を正比例の関係の検量線に対応させて穀物重量として算出し、その穀物重量を表示したり、印字して出力したりしているが、穀物を投入する時と排出する時とでは、グレンタンク内の堆積状態が異なるので、正確な穀物重量を出力していない場合がある。
【0005】
即ち、図7に示すように、揚穀コンベア23の投口23aがグレンタンク13の後上部に設けられている場合、投口23aから前方に穀物が放出されるため、グレンタンク13内では穀物は前部底面側から斜め後上方へ順に堆積されていく。そのため、図9(a)に示すように、重量センサ32の出力と実際のグレンタンク13内の穀物の重量(真の穀物重量)との関係は、正比例とはならず、投入初期は重心が前方に偏るために、重量センサの検出値は実際の穀物重量よりも重い値として出力され、実際の穀物重量増加よりも検出値の増加割合が大きい。投入時に満タンに近づくと、グレンタンク13の前側は略一杯となって投入する余地が小さく後側に主に投入されるので、重量センサの検出値の増加割合は穀物の増加割合よりも小さくなっている。そして、グレンタンク13内が満タンとなったときに実際の穀物重量と重量センサの検出値が一致することになる。なお、揚穀コンベア23の投口23aがグレンタンク13の前部に設けられている場合には、図9(b)に示すように、後側から穀物が堆積していくことになるので、重量センサの検出値は投入初期の増加割合は小さく、重量センサの検出値は実際の重量よりも小さな値が出力される。
また、図8に示すように、排出コンベア16をグレンタンク13の底部に前後方向に配置し、後部より排出する場合には、前側から穀物が減少することになり、重量センサ32の出力と実際のグレンタンク13内の穀物の重量との関係は、図9(a)に示すように、排出初期では排出コンベア16から排出される実際の量に対して重量センサの測定値の減少は大きく、実際の重量よりも軽い値が測定される。
【0006】
このように、重量センサが前後(または左右)一側に配置される構造で、前後(または左右)一側から投入されたり、排出されたりする構造であると、従来のように正比例の関係として推定した重量を出力する構成では、重量センサによる測定値と実際の重量との間に差ができるとともに、投入時の増加割合と排出時での減少割合が異なるために、重量センサの値だけでは正確な重量を出力していなかった。
そこで、本発明はグレンタンクへの穀物の投入時と排出時における重量センサによる測定値と実際の重量との関係を複数の検量のマップとして記憶部に記憶しておき、重量センサの検出値から正確な重量を出力できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、収穫穀物を貯溜するグレンタンクと、該グレンタンクに穀物を投入する手段と、該グレンタンク内の穀物を外部に排出するための穀物排出装置と、該グレンタンクの一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサと、該重量センサから出力された信号を入力して記憶部に記憶したマップにより推定穀物重量に変換して出力する制御手段とを備え、前記マップにはグレンタンクへの投入時の検量線と排出時の検量線を有するものである。
【0009】
請求項2においては、前記制御手段に穀物の種類により検量線を補正する補正手段を接続したものである。
【0010】
請求項3においては、収穫穀物を貯溜するグレンタンクの一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサを配置し、他側にグレンタンク内の穀物を排出し、かつ、側方への回動の支点となる排出装置を配置し、前記重量センサの検知部と対向する位置に線状の接触体を配置したものである。
【0011】
請求項4においては、前記接触体はグレンタンクの垂直方向の回動軸心に対して略接線方向に延設したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
請求項1の如く、収穫穀物を貯溜するグレンタンクと、該グレンタンクに穀物を投入する手段と、該グレンタンク内の穀物を外部に排出するための穀物排出装置と、該グレンタンクの一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサと、該重量センサから出力された信号を入力して記憶部に記憶したマップにより推定穀物重量に変換して出力する制御手段とを備え、前記マップにはグレンタンクへの投入時の検量線と排出時の検量線を有するので、この検量線に従って変換して出力すれば、投口と穀物排出装置の配置位置によって、投入時と排出時で穀粒の堆積状態が異なり、重量センサの検出値もその堆積状態に応じて実際の重量とは異なる値となるような場合であっても、その堆積状態に合わせた検量線のマップから実際の穀物重量に近い値を算出することができて、推定重量とすることができ、正確な穀物重量を出力できるようになり、従来のように一本の検量線で重量センサの値から実際の重量を推定していた方法に比べて、格段に正確な重量を得ることができるようになった。
【0014】
請求項2の如く、前記制御手段に穀物の種類により検量線を補正する補正手段を接続したので、麦や米等穀物の種類が異なるとかさ密度も異なるが、その穀物の種類に合わせて検出値が補正され、実際の重量に近く略正確な値を出力できるようになる。
【0015】
請求項3の如く、収穫穀物を貯溜するグレンタンクの一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサを配置し、他側にグレンタンク内の穀物を排出し、かつ、側方への回動の支点となる排出装置を配置し、前記重量センサの検知部と対向する位置に線状の接触体を配置したので、グレンタンクと機体フレームとの間に配置する重量センサの検知部における接点が線で接触することになり、重量検出時にガタツキ等により複数の箇所で接触して検出値にバラツキが生じることがなく、正確な値を検出することができる。
【0016】
請求項4の如く、前記接触体はグレンタンクの垂直方向の回動軸心に対して略接線方向に延設したので、接触体は簡単な構成とすることができ、回動軸心からの距離の変化が小さく正確に検出できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施の一形態であるコンバインの左側面図、図2は本発明の実施の一形態であるコンバインの平面図、図3は本発明の実施の一形態であるコンバインの右側面図、図4は発明の実施の一形態であるコンバインの正面図、図5はグレンタンクと縦排出オーガの側面図、図6はエンジンから穀物排出装置までの動力伝達経路を示す模式図である。
【0018】
まず、図1から図4を用いて本発明の一実施例に係るコンバイン201の全体構成について説明する。
クローラ式走行装置1上に機体フレーム2が載置され、該機体フレーム2前方に引起し・刈取部3が昇降可能に配設されている。該引起し・刈取部3において、穀稈は前方に突出した分草板4により分草されて、該分草板4の後方に立設された引起しケース5から突出されたタイン6により引き起され、該引起しケース5の後方に配設された刈刃7にて株元側から刈り取られる。
【0019】
引起し・刈取部3の後方には扱胴や処理胴を備える脱穀部12が配置され、該引起し・刈取部3と脱穀部12との間に穀稈の搬送装置8が配設されている。さらに、該搬送装置8の後方であって、脱穀部12の側方にはフィードチェーン9が後方に延設されている。前記引起し・刈取部3で刈り取られた穀稈は搬送装置からフィードチェーン9に受け継がれ、該フィードチェーン9によって株元側が後方に搬送される。これにより、穀稈の穂先側が脱穀部12内に搬送されて、該脱穀部12にて穀稈の脱穀が行われる。
【0020】
そして、前記フィードチェーン9後端に排藁チェーン18が配設され、該排藁チェーン18後部下方に排藁カッター装置、拡散コンベアなどを備えた排藁処理部19が配設されている。前記脱穀部12で脱穀された後の穀稈(排藁)は、フィードチェーン9から排藁チェーンに搬送されて、そのまま圃場に放出、あるいは排藁処理部19にて藁片に切断された後に拡散されながら放出される。
【0021】
また、前記脱穀部12下方には選別部17が配設され、該選別部17にて脱穀部12から流下した穀物や藁屑などから穀物が選別される。そして、穀物や藁屑などのうち、選別後の穀物がグレンタンク13に搬送され、藁屑などが機外に排出される。
【0022】
前記グレンタンク13は脱穀部12の側方に配設されており、該グレンタンク13の前方に運転室14が配設される一方、グレンタンク13後方及び上方に穀物排出装置15が配設されている。穀物排出装置15は縦排出オーガ15aと横排出オーガ15bとを備えており、該縦排出オーガ15aがグレンタンク13後方で機体フレーム2上に立設されている。そして、グレンタンク13は縦排出オーガ15aの垂直方向の回動軸心を中心にして側方へ回動可能に構成されるとともに、その後部上に備えられた回動支点により横排出オーガ15bが上下方向に回動可能に構成されている。
【0023】
図5に示すように、前記グレンタンク13の前部下方には、グレンタンク13の重量を測定する重量センサ32が配置され、該重量センサ32はロードセル型のセンサであり、図11に示すように、制御手段53と接続されている。また、グレンタンク13の前下側部には操作部70が設けられ、グレンタンク13の後上部には回動時グレンタンク固定機構60が設けられている。こうしてグレンタンク13を側方へ回動するときに、グレンタンク13が前方へ傾かないように縦排出オーガ15aに固定できるようにしている。即ち、操作部70にはグレンタンク固定用レバー71を設けてワイヤ71を介して回動時グレンタンク固定機構60の締付けバンド63と連結し、グレンタンク13を側方へ回動するときには、グレンタンク固定用レバー71を側方へ回動してロックレバー72でロックして引っ張った状態とする。一方、ワイヤ64が引っ張られることにより回動時グレンタンク固定機構60の締付けバンド63が引っ張られてグレンタンク13後部に固定したガイド板61と縦排出オーガ15aを一体的に固定するのである。こうして、グレンタンク13を側方へ回動しても前部が下方に傾くことはなくなるのである。
【0024】
さらに、図5に示すように、前記グレンタンク13の内側上部には、穀物水分を測定する水分センサ35が配置され、グレンタンク13内に貯溜される穀物の水分量を測定できるようになっている。水分センサ35は、図11に示すように、前記制御手段53と接続されており、該水分センサ35により検出された穀物水分に関する信号(情報)が制御手段53に送信されるようになっている。
【0025】
また、前記グレンタンク13の内側下部にスクリュー式の排出コンベア16が前後方向に配設され、該排出コンベア16の一端が穀物排出装置15に連設されている。こうして、グレンタンク13内の穀物排出コンベア16によりグレンタンク13から穀物排出装置15に搬送された後、縦排出オーガ15aを経て横排出オーガ15bの先端部から外部に排出されるようになっている。
【0026】
次に、図6を用いてエンジンからグレンタンク及び穀物排出装置への駆動力伝達経路について説明する。
エンジン101の前方出力軸101bには、クローラ式走行装置1を駆動するための走行用ミッションケース47の入力軸が連結され、クローラ式走行装置1に駆動力が伝達されるようになっている。一方、後方出力軸101aには、脱穀部12や選別部17へ駆動力を伝達するためのプーリ102・102・102と、グレンタンク13および穀物排出装置15へ駆動力を伝達するためのプーリ103とが嵌設されている。
【0027】
また、前記エンジン101の略後方で、グレンタンク13の下部前面に駆動ケース104が配設され、該駆動ケース104から駆動ケース入力軸105が機体前方へ突出されている。そして、駆動ケース入力軸105の前端にプーリ106が嵌設され、該プーリ106と前記後方出力軸101a後端に嵌設されたプーリ103とにVベルト107が巻回されて、エンジン101の駆動力の一部が駆動ケース104の入力軸105に伝達されるように構成されている。Vベルト107には、該Vベルト107のテンションプーリを兼ねるオーガクラッチ118が設けられ、該オーガクラッチ118により駆動力を駆動ケース104より下流側へ伝達又は遮断できるようになっている。但し、後方出力軸101aとプーリ103の間に減速機構が設けられることもある。
【0028】
前記駆動ケース104内には互いに噛合するギア108a・108bが収納されており、二つのギア108a・108bのうち、一方のギア108aは駆動ケース104に軸支された前記入力軸105の後端に外嵌固定され、他方のギア108bは排出コンベア16の前端に嵌設された回転軸であるコンベア駆動軸56に外嵌固定されている。
【0029】
排出コンベア16の後端にはベベルギア109が嵌設され、該ベベルギア109に縦排出オーガ15a内のスクリュー式の縦送りコンベア110下端に嵌設されたベベルギア111が噛合されている。一方、縦送りコンベア110上端にはベベルギア112が嵌設され、該ベベルギア112にベベルギア113が噛合されている。そして、該ベベルギア113とベベルギア115とがチェーンやスプロケットを内設する中間ケース114に連動連結され、該ベベルギア115に横排出オーガ15b内のスクリュー式の横送りコンベア117の一端に嵌設されたベベルギア116が噛合されている。
【0030】
このように構成することにより、排出コンベア16から穀物排出装置15の縦送りコンベア110と横送りコンベア117に駆動力が伝達される。つまり、グレンタンク13内の穀物は排出コンベア16により後方に搬送され、グレンタンク13後方に位置する縦排出オーガ15aを経て、横排出オーガ15b先端から強制的に排出されることになる。
【0031】
次に、図2、図5、図6を用いて、穀物排出装置15の各部の構造とその操作手段について説明する。
【0032】
図5に示すように、穀物排出装置15において、横排出オーガ15bの根元側は縦排出オーガ15aの上端に上下回動可能に枢着されている。コンバイン201における昇降用アクチュエータであるオーガ昇降シリンダ130は油圧制御バルブの切換により伸縮されるように構成されており、一端が縦排出オーガ15a側面より突設されたブラケット131に回動可能に枢着され、他端が横排出オーガ15b側面より突設されたブラケット132に回動可能に枢着されている。こうして、オーガ昇降シリンダ130を伸縮させることによって、横排出オーガ15bが上下方向に回動されるようになっている。なお、コンバイン201における昇降用アクチュエータであるオーガ昇降シリンダ130は油圧式のシリンダであるが、その他の電気式または油圧式のモータでも良く、限定されない。
【0033】
前記縦排出オーガ15aの中途部にはギア133aが外嵌固定され、該ギア133aに旋回用アクチュエータであるオーガ旋回モータ134の回転軸134aに嵌設されたギア133bが噛合されている。こうして、該オーガ旋回モータ134を作動させることにより、縦排出オーガ15aと横排出オーガ15bとが一体的に旋回されるようになっている。さらに、ギア133bと同軸にオーガ旋回角センサ135が設けられている。なお、コンバイン201における旋回用アクチュエータであるオーガ旋回モータ134は電気式のモータであるが、油圧式のモータでも、その他の油圧シリンダでも良く、限定されない。また、オーガ旋回角センサ135はレゾルバ、回転式ポテンショメータ、ロータリーエンコーダなどであり、該オーガ旋回角センサ135により、横排出オーガ15bの旋回角度が検出される。
【0034】
また、横排出オーガ15bの先端に排出ケース136が設けられている。該排出ケース136内には、横送りコンベア117を軸支するためにボールベアリングなどからなる軸受け部が形成されている。排出ケース136の下面は開口されており、該開口部の縁に沿って筒形状のスリーブ137が取り付けられている。スリーブ137は可撓性の樹脂などで構成され、スリーブ137の下端が穀物排出口138とされている。これにより、排出ケース136の下面から落下した穀物を周囲に飛散させず、穀物排出口138の直下近傍に集中して排出することができるようになっている。
【0035】
オーガレスト52は、穀物排出装置15を使用しないときに該穀物排出装置15の横排出オーガ15bを支持する部材である。図1、図4に示すように、オーガレスト52は略Y字状に構成して上部の載置部における凹部には横排出オーガ15bを検出するためのセンサ54が配置され、制御手段53と接続されている。こうして、オーガレスト52の載置部上に横排出オーガ15bが戴置されていることが検出されると、重量センサ32によりグレンタンク重量が測定され、刈取作業時の穀物重量や水分等が測定され、記憶部55に記憶される。また、横排出オーガ15bが載置部にないことがセンサ54により検知されると、排出装置15により排出されるときの重量が測定される。また、測定されたグレンタンク重量や穀物の水分等は制御手段53に接続された印刷装置39で記録紙に印刷したり、表示装置42に表示したりすることができる。また、得られた穀物重量を記憶部55に記憶しておき、収穫作業後などの任意の時点での穀物重量を印刷装置39で印刷したり、表示装置42に表示したりすることができる。
【0036】
そして、前記重量センサ32は図12、図13、図14に示すように、グレンタンク13の前部下方に配置されており、該重量センサ32は保護用の側面視略U字状のブラケット24を介して機体フレーム2上に固定される。該重量センサ32の検知部の上部にはその大きさに合わせてスペーサ25が載置固定され、該スペーサ25の上部にプロテクタ26が固定されている。該プロテクタ26は側面視略逆U字状に構成されて進行方向に向かって左右水平方向に延設され、グレンタンク13の左右幅の略中央下方に位置させている。該プロテクタ26の前後一対の下方へ突出した前後片は、前記ブラケット24の外側に位置して、重量センサ32全体を覆う構成として、該プロテクタ26の内側と前記ブラケット24の外側との間に所定の隙間を有して外嵌するように配置し、前後方向の移動を規制してプロテクタ26上にかかる荷重を重量センサ32の検知部で検知できるとともに、重量センサ32の上方及び側方を覆って保護する構成としている。
【0037】
一方、重量センサ32と対向する側のグレンタンク13を支えるグレンタンクフレーム27の前下部において、グレンタンク13の前部底面に進行方向に対して左右方向に配置したグレンタンクフレーム27の下部に底板28を介して取付板29が固設され、該取付板29の下面に丸棒状の接触体30が固設されている。該接触体30はグレンタンク13の垂直方向の回動軸心(縦排出オーガ15aの軸心)に対して略接線方向(左右水平方向)に延設されている。そして、接触体30の左右両側を斜め上方に「く」字状に折り曲げてグレンタンク13を外側方へ開放したり、元の位置に戻したりするときにスムースに機体フレーム2上に乗り上げられるようにしている。こうして接触体は30は簡単な構成として製造が容易で安価に得られるようにしている。但し、接触体30は丸棒に限定するものではなく、下面が線状であれば、断面視三角形等の多角形状や半円等の棒材で構成することも可能である。
【0038】
そして、左右中央部は水平として、重量センサ32上のプロテクタ26に対して線で接触するように構成している。つまり、グレンタンク13の前後一側(後側)を支点として前後他側(前側)の下部に配置する重量センサ32の検知部は線状の接点で接する構成として、前後の支持点の変化を殆どなくし精度の高い重量測定を可能としている。具体的には、図10に示すように、グレンタンク13の重量を測定するために、前後一側下部の支点となる縦排出オーガ15aを支点Aとし、前後他側の前部に配置する重量センサ32での支持部を支点Bとし、この支点Bにおける荷重を測定することでグレンタンク13内の穀物重量を検出するようにしている。そして、支点Bにおいて、重量センサ32の上面に帯状または直方体状の接触体31を配置して面で接触する構成した場合には、グレンタンク13のガタツキ等により、接触体31の後端で接触する場合(重心Gからの距離がB1)と、接触体31の前端で接触する場合(重心Gからの距離がB2)とが生じ、両者の重心からの距離の差(B2−B1)だけ重量に変化が生じてしまい正確な重量測定ができないことがある。本実施例では線で接触する構成としているため、ダカツキがあっても重心Gからの距離は変化することはなく、正確に重量測定をすることが可能となるのである。
【0039】
このようにして、重量センサ32によりグレンタンク13の重量を測定するが、グレンタンク13への穀物の投入は、一番コンベアに連通した揚穀コンベア23により行われ、該揚穀コンベア23は下端を一番コンベアと連通し、上端に投口23aを設けてグレンタンク13の後部上と連通している。また、排出コンベア16がグレンタンク13の下部に前後方向に配置して、後部を縦排出オーガ15aと連通して、グレンタンク13内の穀物を後部より排出できるようにしている。
【0040】
このように投口23aをグレンタンク13の後部上に設け、前後方向に設けた排出コンベア16の後部から排出するようにした場合には、重量センサ32の出力と投入された穀物の真の重量との関係は図9(a)の如く下方に湾曲して右上がりのメインの曲線M1と上方に湾曲した左下がりのメインの曲線M2との略楕円状の検量線となる。また、投口23aをグレンタンク13の前部上に設け、前後方向に設けた排出コンベア16の前部から排出するようにした場合には図9(b)の如くとなる。更に、グレンタンク13が満タンとならない途中で作業が終了した場合などでは、投入時の検量線は同一であるが、排出時の検量線は、図9(a)の点線C1や一点鎖線C2のように投入時検量線の途中から減少する排出検量線となる。この途中位置から排出する検量線は上方へ湾曲して下がる曲線となり、排出するメインの曲線M2に収束する。逆に、途中まで排出して中断し、再び刈取作業を行い投入する場合もある。この途中位置から投入する検量線は下方へ湾曲して上昇する曲線D1となり、投入するメインの曲線M1に収束する。よって、検出値をこの検量線に対応させて演算して得られた推定穀物重量は、略正確な穀物重量となるのである。
【0041】
上記のように、重量センサ32の出力と投入された穀物の重量との関係は正比例の関係とはならず、投口の位置、例えば後部や前部、前後中途部や右または左に配置した場合、また、排出コンベアの排出位置、例えば、前後または左右等の配置位置によって、検量線の形状は異なるのである。そこで、本発明では、予め、投口の位置と排出コンベアの排出位置とが決定されたグレンタンク13において、投入時と排出時(満タンとならず途中で排出する場合も含む)の重量センサ32の出力と、投入された穀物の真の重量との関係を示す検量線をマップとして記憶部55に記憶させておき、収穫作業時には、重量センサ32からの検出信号を制御手段53に入力して、その検出値を検量線より演算して真の穀物重量に近い値に換算し、制御手段53からマップに対応させて演算した後の推定穀物重量を出力する。排出時にも同様に検量線より、重量センサ32の検出値から制御手段53で演算して真の穀物重量に近い値の推定穀物重量を出力するようにしている。
また、満タンとならない途中から排出する場合には、検量線M1から徐々に減少して前記検量線M2に収束し、排出時に空とならない途中から作業を再開して投入する場合には、検量線M2から徐々に増加して前記検量線M1に収束する。なお、制御手段53において収穫作業時と排出時の判断は横排出オーガを載置するオーガレストに設けたセンサ54により、オーガレスト上に横排出オーガが位置していると、収穫作業時で投入時であり、オーガレスト上に横排出オーガが位置していないと排出時であると判断することができるが、穀物排出装置15のオーガクラッチ等のON・OFF等で判断することもできる。
【0042】
また、検量線は穀物の種類により形状が異なる。例えば、米と麦ではかさ密度(比重)が異なり麦のほうが、かさ密度が大きいため、図9の検量線Eの如く、前記米の検量線M1・M2より大きな相似形となる。従って、本発明では前記制御手段53に穀物の種類に合わせた補正値を有する補正手段57を接続し、該補正手段は切換手段58により穀物の種類により切り換えられるようにする。こうして、作業前に穀物の種類に合わせて補正手段57を切り換えて、作業を行うことにより、正確な重量を得ることができるようになるのである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の一形態であるコンバインの左側面図。
【図2】本発明の実施の一形態であるコンバインの平面図。
【図3】本発明の実施の一形態であるコンバインの右側面図。
【図4】発明の実施の一形態であるコンバインの正面図。
【図5】グレンタンクと縦排出オーガの側面図。
【図6】エンジンから穀物排出装置までの動力伝達経路を示す模式図。
【図7】グレンタンク内に穀物を投入するときの堆積状態を示す模式図。
【図8】グレンタンク内から穀物を排出するときの堆積状態を示す模式図。
【図9】重量センサの出力と実際の穀物重量の関係を示す図。
【図10】グレンタンクの一端に下部に配置した重量センサに対して面で受ける場合を示すグレンタンクの模式図。
【図11】制御手段を示すブロック図。
【図12】重量センサ取付部の側面図。
【図13】重量センサ取付部の正面図。
【図14】重量センサ取付部の平面図。
【符号の説明】
【0044】
13 グレンタンク
15 穀物排出装置
15a 排出オーガ
32 重量センサ
53 制御手段
55 記憶部
201 コンバイン
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインのグレンタンク内に貯溜された穀物の重量を測定するための技術に関し、詳しくは、グレンタンクの前後両側の下部を支点として支持し、前後一側の下部に重量センサを配置して穀物量を検知し、穀物の投入時と排出時で異なる検量線に対応させて正確な穀物重量(質量)を出力できるようにする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンバインの機体フレーム上に収穫穀物を貯溜するグレンタンクを配置し、一番コンベアに連通した揚穀コンベアにより選別後の精粒をグレンタンク内に投入して貯留するようにしている。一方、該グレンタンク内の下部には穀物を外部に排出するための排出コンベアを備え、該排出コンベアの一端に穀物排出装置の縦排出オーガを連通して、該縦排出オーガの上部に連設した横排出オーガにより、グレンタンク内の穀物を排出できるようにしている。そして、グレンタンクは縦オーガを中心として側方に回動して開放可能とし、選別装置や一番コンベアや二番コンベアや揚穀コンベア等のメンテナンスが容易にできるようにしている。
【0003】
更に、グレンタンク内に貯溜された穀物の重量を測定するために、前記縦排出オーガ側の下部を支点として他側を若干揺動可能とし、他側の下部に重量センサを配置して、重量センサによりグレンタンク内に貯留される穀物の重量を検出するようにした技術は公知となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2004−129522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の技術において、グレンタンク内の穀物の重量を重量センサで検知するようにしており、前後一側の下部に重量センサを配置して検知する構成であるため、実際は検出値を正比例の関係の検量線に対応させて穀物重量として算出し、その穀物重量を表示したり、印字して出力したりしているが、穀物を投入する時と排出する時とでは、グレンタンク内の堆積状態が異なるので、正確な穀物重量を出力していない場合がある。
【0005】
即ち、図7に示すように、揚穀コンベア23の投口23aがグレンタンク13の後上部に設けられている場合、投口23aから前方に穀物が放出されるため、グレンタンク13内では穀物は前部底面側から斜め後上方へ順に堆積されていく。そのため、図9(a)に示すように、重量センサ32の出力と実際のグレンタンク13内の穀物の重量(真の穀物重量)との関係は、正比例とはならず、投入初期は重心が前方に偏るために、重量センサの検出値は実際の穀物重量よりも重い値として出力され、実際の穀物重量増加よりも検出値の増加割合が大きい。投入時に満タンに近づくと、グレンタンク13の前側は略一杯となって投入する余地が小さく後側に主に投入されるので、重量センサの検出値の増加割合は穀物の増加割合よりも小さくなっている。そして、グレンタンク13内が満タンとなったときに実際の穀物重量と重量センサの検出値が一致することになる。なお、揚穀コンベア23の投口23aがグレンタンク13の前部に設けられている場合には、図9(b)に示すように、後側から穀物が堆積していくことになるので、重量センサの検出値は投入初期の増加割合は小さく、重量センサの検出値は実際の重量よりも小さな値が出力される。
また、図8に示すように、排出コンベア16をグレンタンク13の底部に前後方向に配置し、後部より排出する場合には、前側から穀物が減少することになり、重量センサ32の出力と実際のグレンタンク13内の穀物の重量との関係は、図9(a)に示すように、排出初期では排出コンベア16から排出される実際の量に対して重量センサの測定値の減少は大きく、実際の重量よりも軽い値が測定される。
【0006】
このように、重量センサが前後(または左右)一側に配置される構造で、前後(または左右)一側から投入されたり、排出されたりする構造であると、従来のように正比例の関係として推定した重量を出力する構成では、重量センサによる測定値と実際の重量との間に差ができるとともに、投入時の増加割合と排出時での減少割合が異なるために、重量センサの値だけでは正確な重量を出力していなかった。
そこで、本発明はグレンタンクへの穀物の投入時と排出時における重量センサによる測定値と実際の重量との関係を複数の検量のマップとして記憶部に記憶しておき、重量センサの検出値から正確な重量を出力できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、収穫穀物を貯溜するグレンタンクと、該グレンタンクに穀物を投入する手段と、該グレンタンク内の穀物を外部に排出するための穀物排出装置と、該グレンタンクの一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサと、該重量センサから出力された信号を入力して記憶部に記憶したマップにより推定穀物重量に変換して出力する制御手段とを備え、前記マップにはグレンタンクへの投入時の検量線と排出時の検量線を有するものである。
【0009】
請求項2においては、前記制御手段に穀物の種類により検量線を補正する補正手段を接続したものである。
【0010】
請求項3においては、収穫穀物を貯溜するグレンタンクの一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサを配置し、他側にグレンタンク内の穀物を排出し、かつ、側方への回動の支点となる排出装置を配置し、前記重量センサの検知部と対向する位置に線状の接触体を配置したものである。
【0011】
請求項4においては、前記接触体はグレンタンクの垂直方向の回動軸心に対して略接線方向に延設したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0013】
請求項1の如く、収穫穀物を貯溜するグレンタンクと、該グレンタンクに穀物を投入する手段と、該グレンタンク内の穀物を外部に排出するための穀物排出装置と、該グレンタンクの一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサと、該重量センサから出力された信号を入力して記憶部に記憶したマップにより推定穀物重量に変換して出力する制御手段とを備え、前記マップにはグレンタンクへの投入時の検量線と排出時の検量線を有するので、この検量線に従って変換して出力すれば、投口と穀物排出装置の配置位置によって、投入時と排出時で穀粒の堆積状態が異なり、重量センサの検出値もその堆積状態に応じて実際の重量とは異なる値となるような場合であっても、その堆積状態に合わせた検量線のマップから実際の穀物重量に近い値を算出することができて、推定重量とすることができ、正確な穀物重量を出力できるようになり、従来のように一本の検量線で重量センサの値から実際の重量を推定していた方法に比べて、格段に正確な重量を得ることができるようになった。
【0014】
請求項2の如く、前記制御手段に穀物の種類により検量線を補正する補正手段を接続したので、麦や米等穀物の種類が異なるとかさ密度も異なるが、その穀物の種類に合わせて検出値が補正され、実際の重量に近く略正確な値を出力できるようになる。
【0015】
請求項3の如く、収穫穀物を貯溜するグレンタンクの一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサを配置し、他側にグレンタンク内の穀物を排出し、かつ、側方への回動の支点となる排出装置を配置し、前記重量センサの検知部と対向する位置に線状の接触体を配置したので、グレンタンクと機体フレームとの間に配置する重量センサの検知部における接点が線で接触することになり、重量検出時にガタツキ等により複数の箇所で接触して検出値にバラツキが生じることがなく、正確な値を検出することができる。
【0016】
請求項4の如く、前記接触体はグレンタンクの垂直方向の回動軸心に対して略接線方向に延設したので、接触体は簡単な構成とすることができ、回動軸心からの距離の変化が小さく正確に検出できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の実施の一形態であるコンバインの左側面図、図2は本発明の実施の一形態であるコンバインの平面図、図3は本発明の実施の一形態であるコンバインの右側面図、図4は発明の実施の一形態であるコンバインの正面図、図5はグレンタンクと縦排出オーガの側面図、図6はエンジンから穀物排出装置までの動力伝達経路を示す模式図である。
【0018】
まず、図1から図4を用いて本発明の一実施例に係るコンバイン201の全体構成について説明する。
クローラ式走行装置1上に機体フレーム2が載置され、該機体フレーム2前方に引起し・刈取部3が昇降可能に配設されている。該引起し・刈取部3において、穀稈は前方に突出した分草板4により分草されて、該分草板4の後方に立設された引起しケース5から突出されたタイン6により引き起され、該引起しケース5の後方に配設された刈刃7にて株元側から刈り取られる。
【0019】
引起し・刈取部3の後方には扱胴や処理胴を備える脱穀部12が配置され、該引起し・刈取部3と脱穀部12との間に穀稈の搬送装置8が配設されている。さらに、該搬送装置8の後方であって、脱穀部12の側方にはフィードチェーン9が後方に延設されている。前記引起し・刈取部3で刈り取られた穀稈は搬送装置からフィードチェーン9に受け継がれ、該フィードチェーン9によって株元側が後方に搬送される。これにより、穀稈の穂先側が脱穀部12内に搬送されて、該脱穀部12にて穀稈の脱穀が行われる。
【0020】
そして、前記フィードチェーン9後端に排藁チェーン18が配設され、該排藁チェーン18後部下方に排藁カッター装置、拡散コンベアなどを備えた排藁処理部19が配設されている。前記脱穀部12で脱穀された後の穀稈(排藁)は、フィードチェーン9から排藁チェーンに搬送されて、そのまま圃場に放出、あるいは排藁処理部19にて藁片に切断された後に拡散されながら放出される。
【0021】
また、前記脱穀部12下方には選別部17が配設され、該選別部17にて脱穀部12から流下した穀物や藁屑などから穀物が選別される。そして、穀物や藁屑などのうち、選別後の穀物がグレンタンク13に搬送され、藁屑などが機外に排出される。
【0022】
前記グレンタンク13は脱穀部12の側方に配設されており、該グレンタンク13の前方に運転室14が配設される一方、グレンタンク13後方及び上方に穀物排出装置15が配設されている。穀物排出装置15は縦排出オーガ15aと横排出オーガ15bとを備えており、該縦排出オーガ15aがグレンタンク13後方で機体フレーム2上に立設されている。そして、グレンタンク13は縦排出オーガ15aの垂直方向の回動軸心を中心にして側方へ回動可能に構成されるとともに、その後部上に備えられた回動支点により横排出オーガ15bが上下方向に回動可能に構成されている。
【0023】
図5に示すように、前記グレンタンク13の前部下方には、グレンタンク13の重量を測定する重量センサ32が配置され、該重量センサ32はロードセル型のセンサであり、図11に示すように、制御手段53と接続されている。また、グレンタンク13の前下側部には操作部70が設けられ、グレンタンク13の後上部には回動時グレンタンク固定機構60が設けられている。こうしてグレンタンク13を側方へ回動するときに、グレンタンク13が前方へ傾かないように縦排出オーガ15aに固定できるようにしている。即ち、操作部70にはグレンタンク固定用レバー71を設けてワイヤ71を介して回動時グレンタンク固定機構60の締付けバンド63と連結し、グレンタンク13を側方へ回動するときには、グレンタンク固定用レバー71を側方へ回動してロックレバー72でロックして引っ張った状態とする。一方、ワイヤ64が引っ張られることにより回動時グレンタンク固定機構60の締付けバンド63が引っ張られてグレンタンク13後部に固定したガイド板61と縦排出オーガ15aを一体的に固定するのである。こうして、グレンタンク13を側方へ回動しても前部が下方に傾くことはなくなるのである。
【0024】
さらに、図5に示すように、前記グレンタンク13の内側上部には、穀物水分を測定する水分センサ35が配置され、グレンタンク13内に貯溜される穀物の水分量を測定できるようになっている。水分センサ35は、図11に示すように、前記制御手段53と接続されており、該水分センサ35により検出された穀物水分に関する信号(情報)が制御手段53に送信されるようになっている。
【0025】
また、前記グレンタンク13の内側下部にスクリュー式の排出コンベア16が前後方向に配設され、該排出コンベア16の一端が穀物排出装置15に連設されている。こうして、グレンタンク13内の穀物排出コンベア16によりグレンタンク13から穀物排出装置15に搬送された後、縦排出オーガ15aを経て横排出オーガ15bの先端部から外部に排出されるようになっている。
【0026】
次に、図6を用いてエンジンからグレンタンク及び穀物排出装置への駆動力伝達経路について説明する。
エンジン101の前方出力軸101bには、クローラ式走行装置1を駆動するための走行用ミッションケース47の入力軸が連結され、クローラ式走行装置1に駆動力が伝達されるようになっている。一方、後方出力軸101aには、脱穀部12や選別部17へ駆動力を伝達するためのプーリ102・102・102と、グレンタンク13および穀物排出装置15へ駆動力を伝達するためのプーリ103とが嵌設されている。
【0027】
また、前記エンジン101の略後方で、グレンタンク13の下部前面に駆動ケース104が配設され、該駆動ケース104から駆動ケース入力軸105が機体前方へ突出されている。そして、駆動ケース入力軸105の前端にプーリ106が嵌設され、該プーリ106と前記後方出力軸101a後端に嵌設されたプーリ103とにVベルト107が巻回されて、エンジン101の駆動力の一部が駆動ケース104の入力軸105に伝達されるように構成されている。Vベルト107には、該Vベルト107のテンションプーリを兼ねるオーガクラッチ118が設けられ、該オーガクラッチ118により駆動力を駆動ケース104より下流側へ伝達又は遮断できるようになっている。但し、後方出力軸101aとプーリ103の間に減速機構が設けられることもある。
【0028】
前記駆動ケース104内には互いに噛合するギア108a・108bが収納されており、二つのギア108a・108bのうち、一方のギア108aは駆動ケース104に軸支された前記入力軸105の後端に外嵌固定され、他方のギア108bは排出コンベア16の前端に嵌設された回転軸であるコンベア駆動軸56に外嵌固定されている。
【0029】
排出コンベア16の後端にはベベルギア109が嵌設され、該ベベルギア109に縦排出オーガ15a内のスクリュー式の縦送りコンベア110下端に嵌設されたベベルギア111が噛合されている。一方、縦送りコンベア110上端にはベベルギア112が嵌設され、該ベベルギア112にベベルギア113が噛合されている。そして、該ベベルギア113とベベルギア115とがチェーンやスプロケットを内設する中間ケース114に連動連結され、該ベベルギア115に横排出オーガ15b内のスクリュー式の横送りコンベア117の一端に嵌設されたベベルギア116が噛合されている。
【0030】
このように構成することにより、排出コンベア16から穀物排出装置15の縦送りコンベア110と横送りコンベア117に駆動力が伝達される。つまり、グレンタンク13内の穀物は排出コンベア16により後方に搬送され、グレンタンク13後方に位置する縦排出オーガ15aを経て、横排出オーガ15b先端から強制的に排出されることになる。
【0031】
次に、図2、図5、図6を用いて、穀物排出装置15の各部の構造とその操作手段について説明する。
【0032】
図5に示すように、穀物排出装置15において、横排出オーガ15bの根元側は縦排出オーガ15aの上端に上下回動可能に枢着されている。コンバイン201における昇降用アクチュエータであるオーガ昇降シリンダ130は油圧制御バルブの切換により伸縮されるように構成されており、一端が縦排出オーガ15a側面より突設されたブラケット131に回動可能に枢着され、他端が横排出オーガ15b側面より突設されたブラケット132に回動可能に枢着されている。こうして、オーガ昇降シリンダ130を伸縮させることによって、横排出オーガ15bが上下方向に回動されるようになっている。なお、コンバイン201における昇降用アクチュエータであるオーガ昇降シリンダ130は油圧式のシリンダであるが、その他の電気式または油圧式のモータでも良く、限定されない。
【0033】
前記縦排出オーガ15aの中途部にはギア133aが外嵌固定され、該ギア133aに旋回用アクチュエータであるオーガ旋回モータ134の回転軸134aに嵌設されたギア133bが噛合されている。こうして、該オーガ旋回モータ134を作動させることにより、縦排出オーガ15aと横排出オーガ15bとが一体的に旋回されるようになっている。さらに、ギア133bと同軸にオーガ旋回角センサ135が設けられている。なお、コンバイン201における旋回用アクチュエータであるオーガ旋回モータ134は電気式のモータであるが、油圧式のモータでも、その他の油圧シリンダでも良く、限定されない。また、オーガ旋回角センサ135はレゾルバ、回転式ポテンショメータ、ロータリーエンコーダなどであり、該オーガ旋回角センサ135により、横排出オーガ15bの旋回角度が検出される。
【0034】
また、横排出オーガ15bの先端に排出ケース136が設けられている。該排出ケース136内には、横送りコンベア117を軸支するためにボールベアリングなどからなる軸受け部が形成されている。排出ケース136の下面は開口されており、該開口部の縁に沿って筒形状のスリーブ137が取り付けられている。スリーブ137は可撓性の樹脂などで構成され、スリーブ137の下端が穀物排出口138とされている。これにより、排出ケース136の下面から落下した穀物を周囲に飛散させず、穀物排出口138の直下近傍に集中して排出することができるようになっている。
【0035】
オーガレスト52は、穀物排出装置15を使用しないときに該穀物排出装置15の横排出オーガ15bを支持する部材である。図1、図4に示すように、オーガレスト52は略Y字状に構成して上部の載置部における凹部には横排出オーガ15bを検出するためのセンサ54が配置され、制御手段53と接続されている。こうして、オーガレスト52の載置部上に横排出オーガ15bが戴置されていることが検出されると、重量センサ32によりグレンタンク重量が測定され、刈取作業時の穀物重量や水分等が測定され、記憶部55に記憶される。また、横排出オーガ15bが載置部にないことがセンサ54により検知されると、排出装置15により排出されるときの重量が測定される。また、測定されたグレンタンク重量や穀物の水分等は制御手段53に接続された印刷装置39で記録紙に印刷したり、表示装置42に表示したりすることができる。また、得られた穀物重量を記憶部55に記憶しておき、収穫作業後などの任意の時点での穀物重量を印刷装置39で印刷したり、表示装置42に表示したりすることができる。
【0036】
そして、前記重量センサ32は図12、図13、図14に示すように、グレンタンク13の前部下方に配置されており、該重量センサ32は保護用の側面視略U字状のブラケット24を介して機体フレーム2上に固定される。該重量センサ32の検知部の上部にはその大きさに合わせてスペーサ25が載置固定され、該スペーサ25の上部にプロテクタ26が固定されている。該プロテクタ26は側面視略逆U字状に構成されて進行方向に向かって左右水平方向に延設され、グレンタンク13の左右幅の略中央下方に位置させている。該プロテクタ26の前後一対の下方へ突出した前後片は、前記ブラケット24の外側に位置して、重量センサ32全体を覆う構成として、該プロテクタ26の内側と前記ブラケット24の外側との間に所定の隙間を有して外嵌するように配置し、前後方向の移動を規制してプロテクタ26上にかかる荷重を重量センサ32の検知部で検知できるとともに、重量センサ32の上方及び側方を覆って保護する構成としている。
【0037】
一方、重量センサ32と対向する側のグレンタンク13を支えるグレンタンクフレーム27の前下部において、グレンタンク13の前部底面に進行方向に対して左右方向に配置したグレンタンクフレーム27の下部に底板28を介して取付板29が固設され、該取付板29の下面に丸棒状の接触体30が固設されている。該接触体30はグレンタンク13の垂直方向の回動軸心(縦排出オーガ15aの軸心)に対して略接線方向(左右水平方向)に延設されている。そして、接触体30の左右両側を斜め上方に「く」字状に折り曲げてグレンタンク13を外側方へ開放したり、元の位置に戻したりするときにスムースに機体フレーム2上に乗り上げられるようにしている。こうして接触体は30は簡単な構成として製造が容易で安価に得られるようにしている。但し、接触体30は丸棒に限定するものではなく、下面が線状であれば、断面視三角形等の多角形状や半円等の棒材で構成することも可能である。
【0038】
そして、左右中央部は水平として、重量センサ32上のプロテクタ26に対して線で接触するように構成している。つまり、グレンタンク13の前後一側(後側)を支点として前後他側(前側)の下部に配置する重量センサ32の検知部は線状の接点で接する構成として、前後の支持点の変化を殆どなくし精度の高い重量測定を可能としている。具体的には、図10に示すように、グレンタンク13の重量を測定するために、前後一側下部の支点となる縦排出オーガ15aを支点Aとし、前後他側の前部に配置する重量センサ32での支持部を支点Bとし、この支点Bにおける荷重を測定することでグレンタンク13内の穀物重量を検出するようにしている。そして、支点Bにおいて、重量センサ32の上面に帯状または直方体状の接触体31を配置して面で接触する構成した場合には、グレンタンク13のガタツキ等により、接触体31の後端で接触する場合(重心Gからの距離がB1)と、接触体31の前端で接触する場合(重心Gからの距離がB2)とが生じ、両者の重心からの距離の差(B2−B1)だけ重量に変化が生じてしまい正確な重量測定ができないことがある。本実施例では線で接触する構成としているため、ダカツキがあっても重心Gからの距離は変化することはなく、正確に重量測定をすることが可能となるのである。
【0039】
このようにして、重量センサ32によりグレンタンク13の重量を測定するが、グレンタンク13への穀物の投入は、一番コンベアに連通した揚穀コンベア23により行われ、該揚穀コンベア23は下端を一番コンベアと連通し、上端に投口23aを設けてグレンタンク13の後部上と連通している。また、排出コンベア16がグレンタンク13の下部に前後方向に配置して、後部を縦排出オーガ15aと連通して、グレンタンク13内の穀物を後部より排出できるようにしている。
【0040】
このように投口23aをグレンタンク13の後部上に設け、前後方向に設けた排出コンベア16の後部から排出するようにした場合には、重量センサ32の出力と投入された穀物の真の重量との関係は図9(a)の如く下方に湾曲して右上がりのメインの曲線M1と上方に湾曲した左下がりのメインの曲線M2との略楕円状の検量線となる。また、投口23aをグレンタンク13の前部上に設け、前後方向に設けた排出コンベア16の前部から排出するようにした場合には図9(b)の如くとなる。更に、グレンタンク13が満タンとならない途中で作業が終了した場合などでは、投入時の検量線は同一であるが、排出時の検量線は、図9(a)の点線C1や一点鎖線C2のように投入時検量線の途中から減少する排出検量線となる。この途中位置から排出する検量線は上方へ湾曲して下がる曲線となり、排出するメインの曲線M2に収束する。逆に、途中まで排出して中断し、再び刈取作業を行い投入する場合もある。この途中位置から投入する検量線は下方へ湾曲して上昇する曲線D1となり、投入するメインの曲線M1に収束する。よって、検出値をこの検量線に対応させて演算して得られた推定穀物重量は、略正確な穀物重量となるのである。
【0041】
上記のように、重量センサ32の出力と投入された穀物の重量との関係は正比例の関係とはならず、投口の位置、例えば後部や前部、前後中途部や右または左に配置した場合、また、排出コンベアの排出位置、例えば、前後または左右等の配置位置によって、検量線の形状は異なるのである。そこで、本発明では、予め、投口の位置と排出コンベアの排出位置とが決定されたグレンタンク13において、投入時と排出時(満タンとならず途中で排出する場合も含む)の重量センサ32の出力と、投入された穀物の真の重量との関係を示す検量線をマップとして記憶部55に記憶させておき、収穫作業時には、重量センサ32からの検出信号を制御手段53に入力して、その検出値を検量線より演算して真の穀物重量に近い値に換算し、制御手段53からマップに対応させて演算した後の推定穀物重量を出力する。排出時にも同様に検量線より、重量センサ32の検出値から制御手段53で演算して真の穀物重量に近い値の推定穀物重量を出力するようにしている。
また、満タンとならない途中から排出する場合には、検量線M1から徐々に減少して前記検量線M2に収束し、排出時に空とならない途中から作業を再開して投入する場合には、検量線M2から徐々に増加して前記検量線M1に収束する。なお、制御手段53において収穫作業時と排出時の判断は横排出オーガを載置するオーガレストに設けたセンサ54により、オーガレスト上に横排出オーガが位置していると、収穫作業時で投入時であり、オーガレスト上に横排出オーガが位置していないと排出時であると判断することができるが、穀物排出装置15のオーガクラッチ等のON・OFF等で判断することもできる。
【0042】
また、検量線は穀物の種類により形状が異なる。例えば、米と麦ではかさ密度(比重)が異なり麦のほうが、かさ密度が大きいため、図9の検量線Eの如く、前記米の検量線M1・M2より大きな相似形となる。従って、本発明では前記制御手段53に穀物の種類に合わせた補正値を有する補正手段57を接続し、該補正手段は切換手段58により穀物の種類により切り換えられるようにする。こうして、作業前に穀物の種類に合わせて補正手段57を切り換えて、作業を行うことにより、正確な重量を得ることができるようになるのである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の一形態であるコンバインの左側面図。
【図2】本発明の実施の一形態であるコンバインの平面図。
【図3】本発明の実施の一形態であるコンバインの右側面図。
【図4】発明の実施の一形態であるコンバインの正面図。
【図5】グレンタンクと縦排出オーガの側面図。
【図6】エンジンから穀物排出装置までの動力伝達経路を示す模式図。
【図7】グレンタンク内に穀物を投入するときの堆積状態を示す模式図。
【図8】グレンタンク内から穀物を排出するときの堆積状態を示す模式図。
【図9】重量センサの出力と実際の穀物重量の関係を示す図。
【図10】グレンタンクの一端に下部に配置した重量センサに対して面で受ける場合を示すグレンタンクの模式図。
【図11】制御手段を示すブロック図。
【図12】重量センサ取付部の側面図。
【図13】重量センサ取付部の正面図。
【図14】重量センサ取付部の平面図。
【符号の説明】
【0044】
13 グレンタンク
15 穀物排出装置
15a 排出オーガ
32 重量センサ
53 制御手段
55 記憶部
201 コンバイン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収穫穀物を貯溜するグレンタンクと、該グレンタンクに穀物を投入する手段と、該グレンタンク内の穀物を外部に排出するための穀物排出装置と、該グレンタンクの一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサと、該重量センサから出力された信号を入力して記憶部に記憶したマップにより推定穀物重量に変換して出力する制御手段とを備え、前記マップにはグレンタンクへの投入時の検量線と排出時の検量線を有することを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記制御手段に穀物の種類により検量線を補正する補正手段を接続したことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
収穫穀物を貯溜するグレンタンクの一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサを配置し、他側にグレンタンク内の穀物を排出し、かつ、側方への回動の支点となる排出装置を配置し、前記重量センサの検知部と対向する位置に線状の接触体を配置したことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
前記接触体はグレンタンクの垂直方向の回動軸心に対して略接線方向に延設したことを特徴とする請求項3に記載のコンバイン。
【請求項1】
収穫穀物を貯溜するグレンタンクと、該グレンタンクに穀物を投入する手段と、該グレンタンク内の穀物を外部に排出するための穀物排出装置と、該グレンタンクの一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサと、該重量センサから出力された信号を入力して記憶部に記憶したマップにより推定穀物重量に変換して出力する制御手段とを備え、前記マップにはグレンタンクへの投入時の検量線と排出時の検量線を有することを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記制御手段に穀物の種類により検量線を補正する補正手段を接続したことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
収穫穀物を貯溜するグレンタンクの一側下部にグレンタンク重量を測定する重量センサを配置し、他側にグレンタンク内の穀物を排出し、かつ、側方への回動の支点となる排出装置を配置し、前記重量センサの検知部と対向する位置に線状の接触体を配置したことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
前記接触体はグレンタンクの垂直方向の回動軸心に対して略接線方向に延設したことを特徴とする請求項3に記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−67975(P2006−67975A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−258785(P2004−258785)
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月6日(2004.9.6)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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