コンバイン
【課題】従来、刈取搬送装置と刈・脱引継チェンとを、二系統の伝動で駆動する機構は、刈取クラッチを経由しないで伝動する場合、刈取搬送装置が駆動状態にあることをオペレータや補助作業者に認識させる手段がなく、安全性に欠げており、更に、搬送穀稈を受け継ぐフィードチェンが駆動されている保障もない課題があった。
【解決手段】この発明は、刈取搬送装置(3)と刈取・脱穀引継チェン(7)とを、走行速に同調したシンクロ伝動機構(8)と、脱穀クラッチ(9)から引継チェンクラッチ(10)を経て伝動する定速伝動機構(11)の二系統で伝動可能とし、引継チェンクラッチ(10)は、刈取クラッチ(6)が入り状態で、且つフィードチェンが駆動されているときにのみ、入り操作ができる構成としたコンバインとしている。
【解決手段】この発明は、刈取搬送装置(3)と刈取・脱穀引継チェン(7)とを、走行速に同調したシンクロ伝動機構(8)と、脱穀クラッチ(9)から引継チェンクラッチ(10)を経て伝動する定速伝動機構(11)の二系統で伝動可能とし、引継チェンクラッチ(10)は、刈取クラッチ(6)が入り状態で、且つフィードチェンが駆動されているときにのみ、入り操作ができる構成としたコンバインとしている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種のコンバインにおいて、走行車体の前部に昇降自由に設けた刈取前処理装置(刈取搬送装置)の駆動速度を、一定速に保持する伝動経路と車速に同調させてシンクロする伝動経路とからなる二系統の伝動装置を装備した構成が知られている。
【0003】
例えば、本件の出願前に公開され、本件出願人が特許文献1として提示した特開2005−230022号公開特許公報には、図5、及び図6と明細書に開示されているように、流し込み操作ペダル73の踏み込み操作によって流し込みクラッチ48を操作して、前記刈取前処理装置を一定の伝動速度に保持する状態と車速に同調させる状態とに伝動経路を切り換える構成が説明されている。
【特許文献1】特開2005−230022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のコンバインにおける刈取搬送装置と刈取・脱穀引継チェン(上記特許文献1の場合、本件出願の「刈取・脱穀引継チェン」に相当する部材はない。)は、走行ミッション側から車速に同調させた速度で伝動する機構と、脱穀伝動側から一定の速度で伝動する機構との二系統の伝動機構を利用して駆動する場合、作業の安全性を確保しながら搬送穀稈を脱穀装置側に引き継がせるための合理的な構成が設けられていない課題があった。
【0005】
すなわち、刈取搬送装置は、一定速度の回転動力を、脱穀クラッチと引継チェンクラッチとを経由して伝動する場合、刈取クラッチを経由せずに伝動が可能であるから、刈取クラッチが切り状態のときがある。通常、コンバイン作業の安全性を、確保しておくためには、刈取般送装置が駆動されているときには、例え刈取クラッチを経由しない動力で駆動される場合であっても、刈取クラッチを入りの位置に操作している状態が、オペレータに刈取側が駆動されていることを認識させておくために必要で、これにより作業の安全性を確保することができる。
【0006】
更に、刈・脱引継チェンは、これが駆動されるときには、必ず搬送穀稈を受け継ぐために後続のフィードチェンが駆動されて穀稈の受継作用ができる状態にあることが必要な条件となる。
【0007】
したがって、本件出願の発明は、刈取般送装置と刈・脱引継チェンを伝動するときには、必ず、刈取クラッチが入り操作されて、尚且つ、フィードチェンが駆動されていることの二つの条件が満足されているときに 初めて引継チェンクラッチの入り操作が可能となる構成として、作業の安全確保と、併せて搬送穀稈の受継作用が適確にできる技術構成を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1に記載した発明は、走行車体(1)上に搭載した脱穀装置(2)の前側に刈取搬送装置(3)を装備して構成したコンバインにおいて、エンジン(4)の回転動力を、走行ミッション(5)から刈取クラッチ(6)を経由して前記刈取搬送装置(3)と刈取・脱穀引継チェン(7)とに伝動する走行速度に同調したシンクロ伝動機構(8)と、脱穀クラッチ(9)から引継チェンクラッチ(10)を経由して前記刈取・脱穀引継チェン(7)と刈取搬送装置(3)とに伝動する定速伝動機構(11)との二系統の伝動機構(8,11)を構成し、前記刈取・脱穀引継チェン(7)から搬送穀稈を受け継ぐ脱穀装置(2)のフィードチェン(12)を、フィードチェンクラッチ(13)を介して伝動する構成とし、前記刈取クラッチ(6)が入り操作され且つ前記フィードチェンクラッチ(13)も入操作されている場合にのみ、前記引継チェンクラッチ(10)を接続できる構成としたことを特徴とするコンバインであって、刈取クラッチ(6)を経由しないで、定速伝動機構(11)を利用して刈取搬送装置(3)と刈取・脱穀引継チェン(7)とを伝動する場合に、前記刈取クラッチ(6)が入り操作され且つフィードチェンクラッチ(13)も入操作されている場合にのみ引継チェンクラッチ(10)を接続できる構成としたものであって、刈取搬送装置(3)が伝動状態にあること(刈取クラッチ(6)が入り操作されていること)を、オペレータが認識して作業の安全性を確保するものである。
【0009】
そして、請求項1に記載した発明は、引継チェンクラッチ(10)が入り操作できるときには、必ずフィードチェン(12)が駆動されているから搬送穀稈の受け継ぎが保障されており、安心して作業を続けることができる。
【0010】
また、請求項2に記載した発明は、前記二系統の伝動機構(8,11)は、その一方の伝動機構中、又は双方の伝動機構中にワンウェイクラッチ(14)を装備して、該二系統の伝動機構(8,11)のうちのいずれか一方の高速側の回転動力によって、前記刈取・脱穀引継チェン(7)と刈取搬送装置(3)とを伝動する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインであって、二系統の伝動機構(8,11)のうちの一方を切って他方のみから伝動する場合、又は双方の伝動機構から同時に伝動する場合でも、いずれか一方の高速側の回転動力によって、前記刈取・脱穀引継チェン(7)と刈取搬送装置(3)とを伝動することができる。
【発明の効果】
【0011】
まず、請求項1に記載した発明は、刈取クラッチ(6)を経由しないで、定速伝動機構(11)を利用して刈取搬送装置(3)と刈取・脱穀引継チェン(7)とを伝動する場合でも、オペレータは、刈取クラッチ(6)を入り操作しないと伝動しないから、刈取搬送装置(3)が伝動状態にあること(刈取クラッチ(6)が入り操作されていること)を、オペレータは認識しており、安全に作業ができる特徴がある。
【0012】
そして、請求項1に記載した発明は、引継チェンクラッチ(10)が入り操作できるときには、必ずフィードチェン(12)が駆動されているから搬送穀稈の受け継ぎが保障されており、安心して作業を続けることができる優れた特徴がある。
【0013】
そして、請求項2に記載した発明は、二系統の伝動機構(8,11)のうちの一方を切って他方のみから伝動する場合、又は双方の伝動機構(8,11)から同時に伝動する場合でも、伝動経路中に組み込んだワンウェイクラッチ(14)が機能して、いずれか一方の高速側の回転動力によって、刈取・脱穀引継チェン(7)と刈取搬送装置(3)が伝動されて低速側が空転するから、メカロック等の発生がなく、安全に伝動できる特徴がある。したがって、この種の機構を採用したコンバインは、作業開始直後の低速走行時には、定速伝動機構(11)側から伝動される動力で刈取搬送装置(3)を、必要な一定速度で駆動できるから、充分な穀稈引起し作用や穀稈掻込み作用ができる利点があり、その後、車速が順次増速されて一定速度をオーバーすると、シンクロ伝動機構(8)側からの伝動にスムーズに切替わり走行速度(作業能率)に同調した作用ができる特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、コンバインは、図2に示すように、走行車体1上の左側に穀稈供給口15を前側に位置して脱穀装置2が搭載され、その前側には刈取搬送装置3を設けて全面刈りの構成としている。そして、コンバインは、右側には、前部に運転操縦席16が設けられ、その後方位置で前記脱穀装置2の右側に隣接してグレンタンク17を配置して搭載した構成としている。そして、前記グレンタンク17は、脱穀されて選別された一番穀粒が、脱穀装置2から一番揚穀筒によって供給されて貯留され、作業が進んで穀粒が満タンに達すると、接続している排出オーガー18によって機外に排出できる構成としている。
【0015】
つぎに、刈取搬送装置3は、図3、及び図4に示すように、基部を走行車体1の支持機台(刈取懸架台)20の上部に枢着状態に支持し、前部下方に向けて延長した刈取フレーム21に、前部側から分草杆22、上下に傾斜させた穀稈引起し装置23、下部位置に刈取装置24、その上側に掻込み輪体25、株元搬送装置26、前部穂先般送装置27、後部穂先般送装置28、扱深さ調節装置29、供給般送装置30をそれぞれ伝動可能に軸装して一連の刈取、搬送ができる構成としている。
【0016】
そして、刈取・脱穀引継チェン7は、図1、乃至図3に示すように、前記刈取般送装置3に接続した伝動ケース31に回動可能に軸受け支持して設けられ、上記供給般送装置30から受け継いだ穀稈を脱穀装置2のフィードチェン12の搬送始端部に受け継ぎ供給する構成としている。
【0017】
そして、前記刈取フレーム21は、図4に示すように、支持機台20に基部を枢着支持した上部フレーム21aを斜め下方に延長し、その下端部に下部フレーム21bの上端部を接合して一体とし、この上下両フレーム21a,21bの下面にシリンダ取付部材33を押し当ててねじ締めで一体に連結した構成としている。そして、前記シリンダ取付部材33は、図面から解るように、支持機台20の下部位置の車台側に基部(シリンダ側)を枢着連結した刈取上下シリンダ34の先端部(ピストン側)を連結し、刈取フレーム21を油圧機構によって上下昇降自由に回動できる構成としている。なお、刈取フレーム21は、基部の回動中心にある横向きの伝動軸35から縦向きに接続した刈取伝動軸36(図7の破断部分参照)が内装して軸装されており、前記した刈取般送装置3を構成する各装置を伝動できる構成としている。
【0018】
上記したこの種の刈取フレームの支持構成は、特開2003−180125号公開特許公報等に開示され、類似の構成が知られている。
上述した実施例におけるシリンダ取付部材33は、上下中間部位に油圧式の刈取上下シリンダ34の端部を連結する部材でありながら、上部と下部とのフレーム21a,21bを連結する部材に兼用したものであって、シンプルで合理的な構成とし、低コストで製作できる特徴がある。
【0019】
つぎに、本件出願の主要部であるシンクロ伝動機構8と定速伝動機構11、及びフィードチェン12のフィードチェンクラッチ装置13、更にはフィードチェン変速装置37について、主として図1に基づいて説明する。
【0020】
まず、エンジン4は、図1に示すように、出力がHST38を経由して走行ミッション装置5側と、脱穀クラッチ装置9を経由して脱穀中間伝動ボックス39側とに分岐して伝動する構成としている。
【0021】
そして、シンクロ伝動機構8は、上記HST38から走行ミッション装置5に入力された回転動力が、ワンウェイクラッチ14と刈取クラッチ6とを経由して前記刈取搬送装置3に伝動する構成としている。この場合、シンクロ伝動機構8は、前記HST38による無段変速操作に伴って変速される走行速度が、走行ミッション5を経由してそのまま伝動される構成となっている。そして、ワンウェイクラッチ14は、HST38を逆回転(コンバインを後進するとき)に切換えたときは刈取般送装置3への伝動を中断する構成となっている。
【0022】
そして、刈取・脱穀引継チェン7は、刈取般送装置3の伝動軸35からベルト伝動で伝えられる伝動ケース31から伝動される構成をとり、走行速度に同調するシンクロ伝動機構8から伝動されるものとなっている。
【0023】
一方、定速伝動機構11は、図1に示すように、前記した脱穀クラッチ9から脱穀中間伝動ボックス39を経由し、更に、引継チェンクラッチ10、及びワンウェイクラッチ14を介して、常時、略一定の速度が伝動ケース31に伝動される構成としている。このように構成された定速伝動機構11は、上記伝動ケース31を経て刈・脱引継チェン7と刈取般送装置3とに分配して伝動する構成としている。
【0024】
このように構成した二系統の伝動機構、すなわち、シンクロ伝動機構8と定速伝動機構11は、双方の伝動経路から同時に回転動力が伝動されてきた場合には、それぞれにワンウェイクラッチ14を装備しているから、いずれか一方の高速側の回転動力によって、前記刈取・脱穀引継チェン7と刈取搬送装置3とが伝動される構成となっている。
【0025】
この構成は、コンバイン作業の開始直後にも有効であって、最初の一定距離の間、走行速度が遅いときでも、穀稈引起し装置23、刈取装置24、掻込み輪体25等は、充分な機能を発揮するためには一定の高速が必要であるから、シンクロ伝動機構8と定速伝動機構11との双方から伝動する状態にして、高速側(定速伝動機構11)からの回転動力で駆動しながら効率的に作業をすることができる。
【0026】
そして、脱穀装置2のフィードチェン12は、前記刈取・脱穀引継チェン7から搬送穀稈を受け継いで搬送しながら、穂先側を脱穀装置2に供給して脱穀作用を行う構成であるが、これにはフィードチェンクラッチ13とフィードチェン変速装置37とが設けられている。この場合、フィードチェン12は、前記脱穀中間伝動ボックス39から排塵ファン42への伝動系から分岐して伝動する構成としている。そして、フィードチェン変速装置37は、実施例の場合、ギヤによって高速と低速との二段の有段変速ができる構成とし、その高・低の切換えの中間位置をニュートラル位置、すなわち前記フィードチェンクラッチ13を構成している。
【0027】
更に、具体的に説明すると、フィードチェンクラッチ13は、フィードチェン変速装置37において、高速段と低速段との二段階に切り替える中間位置がクラッチ切の位置になる構成としている。
【0028】
そして、前記引継チェンクラッチ10は、前記刈取クラッチ6が入り操作された状態で、且つ上記フィードチェンクラッチ13も入操作されていることの二つを条件として入りに操作が可能であって、クラッチの接続ができる構成となっている。そして、引継チェンクラッチ10は、図2に示すように、運転操縦席16の前側フロア43に設けたクラッチペダル44の踏込みで断続操作する構成としているが、上述した二つの条件が満足されないとクラッチの接続ができない構成(クラッチペダル44を踏込んでも接続しない。)としている。
【0029】
以上のように構成した実施例は、定速伝動機構11を経由して伝動する場合、刈取クラッチ6を経由しないで刈取搬送装置3と刈取・脱穀引継チェン7とを伝動する経路であっても、オペレータは、必ず刈取クラッチ6を入り操作しないと伝動ができないから、刈取搬送装置3が伝動状態にあるときには、必ず、刈取クラッチ6を入り操作しており、オペレータ自身が伝動状態を、常に、認識しており、安全に作業ができるものとなっている。
【0030】
そして、もう一つの条件として、クラッチペダル44を踏込んで引継チェンクラッチ10が入り操作できるときには、必ずフィードチェン12が駆動されているから、刈取・脱穀引継チェン7から搬送穀稈の受け継ぎが保障されており、安心して作業を続けることができるものとなっている。
【0031】
そして、一つの実施例として、定速伝動機構11は、クラッチペダル44を踏み込んで引継チェンクラッチ10を入り操作して、刈取・脱穀引継チェン7を伝動する速度を、前記したフィードチェン変速装置37の低速側の般送速度に合わせて速度設定をする構成が考えられる。
【0032】
このように、定速伝動機構11は、刈取・脱穀引継チェン7をフィードチェン12の低速側の変速位置に合わせて設定すると、伝動負荷が少なく、穀稈の搬送姿勢を乱すことなく正しい姿勢に保ちながら搬送ができて脱穀効率が向上すると共に、車速が低速時等の倒伏穀稈への対応が向上できる。
【0033】
以下、他の各実施例を説明する。
まず、図5に示す実施例は、排藁チェン45をフィードチェン12と同一のチェン軸46から一連の伝動経路を取る構成としている。すなわち、排藁チェン45は、上記フィードチェン軸46から伝動ベルト47、ギヤボックス48、伝動ベルト49、排藁伝動軸50を介して株元側と穂先側との2本のチェンを伝動する構成としている。従来の構成は、例えば特開平5−49335号公開特許公報に開示されているように、エンジンから伝動される回転動力を分岐経路で双方を伝動する構成が採られ、排藁チェンをフィードチェン側から伝動する構成はない。
【0034】
したがって、実施例の排藁チェン45は、一連の伝動経路でフィードチェン12と接続しているから、回転速度が同調して変速されると共に、伝動、停止が同時に行われ、フィードチェン12の後部からの排藁の受け継ぎがきわめて円滑に行われる特徴がある。
【0035】
そして、前記定速伝動機構11は、実施例における主要な構成として既に説明したように、刈取クラッチ6が入り操作されて、且つフィードチェンクラッチ13も入操作されておれば、クラッチペダル44を踏み込むと、引継チェンクラッチ10を接続できるから、刈取・脱穀引継チェン7を定速で伝動できる。
【0036】
したがって、実施例のコンバインは、走行車体1の停止中、或いは後進走行中であっても、刈取般送装置3と刈取・脱穀引継チェン7とを伝動し続けることができ、刈取作業はしなくても刈取般送装置3の途中に停滞している穀稈を搬送しながら脱穀することが可能である。
【0037】
このように、実施例に係るコンバインは、停止中や後進走行中にも穀稈の般送、脱穀が可能であるから、作業効率を高めることができ、搬送穀稈の停滞をなくして事後処理が適確にできる特徴がある。
【0038】
つぎに、既に説明した伝動機構(図1参照)の中に配置されている刈・脱引継チェン7を軸受支持して伝動する伝動ケース31と、その伝動上手側の脱穀中間伝動ボックス39との支持構成に関する実施例を説明する。
【0039】
まず、伝動ケース31と脱穀中間伝動ボックス39は、図6に示すように、脱穀装置2とその前側に位置する支持機台20との間に配置して設けられ、主要な伝動中継装置となっている。そして、脱穀中間伝動ボックス39は、図面に示すように、その後部上側を脱穀装置2の前側機枠52に取付プレート53を介して連結支持し、その前部中間部分を前側の支持機枠54に取付プレート55によって接続して支持した構成としている。なお、上記支持機枠54は、前側下部を前記した支持機台20に取付プレート56で連結固定した構成としている。そして、伝動ケース31は、図6から解るように、前記支持機枠54に取付けて支持した構成としている。
【0040】
なお、前記支持機台20は、既に述べたように刈取般送装置3の刈取フレーム21の基部を回動自由に支持する部材であり、左側には刈取オープンの支持メタル57を設けた構成としている。
【0041】
このように、脱穀側伝動の主要な中継機構となる脱穀中間伝動ボックス39と刈取・脱穀引継チェン7を軸受支持して伝動する伝動ケース31とは、脱穀装置2の前側で刈取般送装置3の支持機台20との間に配置して強固に取付け支持した構成としている。そして、この実施例の取付構成は、狭い空間を利用して周囲にある他の装置の支持部材を利用しながら合理的に取付けた構成としている。
【0042】
そして、図7の実施例は、上で説明した脱穀中間伝動ボックス39、及び伝動ケース31を経路中に配置した二系統の伝動機構8,11を示しており、エンジン4からHST38、走行ミッション5を経由して刈取フレーム21の基部に軸架した伝動軸35に入力して走行速度に同調した動力を伝動するシンクロ伝動機構8と、エンジン4から脱穀中間伝動ボックス39を経由して伝動ケース31に入力される定速伝動機構11とを示している。
【0043】
そして、実施例の場合、図7から解るように、各伝動ベルトにそれぞれ対応させてテンションクラッチを装備して、シンクロ伝動機構8を停止して、定速伝動機構11によって刈取・脱穀引継チェン7を駆動しながら枕扱ぎをすることも可能であり、それぞれ独立してテンションクラッチを入・切することができる構成であるから、便利に作業ができる利点がある。
【0044】
つぎに、刈取・脱穀の両クラッチ6,9を、クラッチ制御モータ64で操作するパワークラッチの実施例を説明する。
まず、各種の操作レバー類は、図8に示すように、運転操縦席(図2参照)16の左側に、前から順に、HSTレバー58、副変速レバー59、スロットルレバー60、刈・脱クラッチレバー61が配列して設けられ、それぞれ切替操作ができる構成としている。この場合、上記刈・脱クラッチレバー61は、その基部にレバーの回転操作位置(操作角度)を検出するためのポジションセンサ63を装備し、刈取クラッチ6の入・切操作位置と、脱穀クラッチ9の入・切操作位置とを検出して区別し、クラッチ制御モータ64を制御できる構成としている。
【0045】
そして、クラッチ制御モータ64は、図8、及び図9に示すように、正・逆転に制御されながら、減速装置65から操作ピニオン66を介して操作リンク機構67を駆動操作して、図示しない操作ワイヤーを介して前記刈取クラッチ6と脱穀クラッチ9とを入・切操作できる構成としている。
【0046】
そして、両方のクラッチ装置6,9は、図9に(A)(B)(C)で示すように、操作リンク機構67の変化で操作され、(A)が脱穀クラッチ9を入り位置とし、(B)が刈取クラッチ6と脱穀クラッチ9との切位置とし、(C)の位置が両クラッチ6,9が共に入の位置になる構成としている。
【0047】
このように、刈取クラッチ6と脱穀クラッチ9との操作装置は、刈・脱クラッチレバー61の基部位置に装置したポテンショメータ63と、クラッチ制御モータ64とを接近させて配置したから、両者間の配線を短くすることができて、電気的トラブルが大幅に低減し、点検も容易にできる特徴がある。
【0048】
そして、実施例の場合、各操作レバー58,59,60,61を集中的に配置することによって、点検は勿論、組み立て調整が容易となる利点がある。
つぎに、ピッチングシリンダ70の取付構成について実施例を説明する。
【0049】
従来から、コンバインのピッチング制御装置は、広く実用化され、一般的な構成として、走行フレーム69に設けた取付フレーム70にピッチングシリンダ71の上部を枢着連結し、その下部をピッチングアーム72を介して、前部を上下の定位置に枢着したトラックフレーム73の後部に枢着連結し、前記ピッチングシリンダ71の伸縮に伴ってトラックフレーム73の後部を上下に制御調節しながらクローラの後部を昇降して走行車体の前後傾斜を制御調節する装置となっている。
【0050】
まず、走行フレーム69は、図10に示すように、数本の縦・横フレーム69a,69bを連結して枠組みした構成とするが、実施例の場合、中央部分に前後方向に配置したメインフレーム74から一定の間隔を隔てて略平行状態にして左側に脱穀搭載フレーム75を配置して一体に枠組みした構成としている。そして、取付フレーム70は、図10、及び図11に示すように、上部にピッチングシリンダ71の基部が枢着して支持できるように側面視略三角形状の箱型として、底部に形成した前後方向の連結部分(溶接代)を、前記メインフレーム74と脱穀搭載フレーム75との間に介装して接合し、前後に比較的長く溶接して取り付けた構成としている。
【0051】
そして、ピッチングアーム72は、図11に示すように、後部を走行フレーム69側に固定した受具76に回動自由に支持し、上部アーム72aをピッチングシリンダ71のピストン先端部に連結し、下部アーム72bをトラックフレーム73に連結して構成している。そして、トラックフレーム73は、前部回動支点Pを回動中心にして後部がピッチングアーム72によって上下揺動調節され、転輪、クローラからなる走行装置の後部を一体として昇降し、走行車体の前後姿勢を水平に近い状態に制御する構成としている。
【0052】
通常、コンバインのピッチング作用の過程において、ピッチングシリンダ71は、車体の前後方向の傾斜度をレベルセンサが検出し、その検出情報に基づいてコントローラから出力される制御信号で車体の後部を上昇制御する場合、シリンダ71が伸びながらピッチングアーム72を回動し、受具76に取り付けた後部支点を中心にして下部アーム72bの前部を押し下げてトラックフレーム73の後部を地面側に押し下げる作用が開始される。
【0053】
すると、取付フレーム70は、下方側に伸びようとするピッチングシリンダ71によって押し下げられるトラックフレーム73と一体の走行装置が地面から抵抗を受けるために、上向きに働く荷重を受けることになる。
【0054】
このように、取付フレーム70は、ピッチング作動中(車体後部を上方に制御調節するとき、)にピッチングシリンダ71の伸びに関連して、上方に向く押上荷重を受けるが、基部の一方側がメインフレーム74に、他方側が脱穀搭載フレーム75にそれぞれ前後に渡る長い溶接代が形成されて強固に固着、連結されているから、強い取付構造が構成されており、上記の如く発生する押上荷重に対して充分に耐えることができる特徴がある。
【0055】
つぎに、エンジンルーム78と、その吸気側に配置したクーラールーム79との構成について実施例を説明する。
従来の装置は、例えば、特開2005−127155号公開特許公報(添付図面図21参照)に記載されているように、クーラールームをエンジンルームから独立させた構成にはなっておらず、エンジン熱が影響してラジエータ等の冷却 効率がきわめて悪い構成となっている。
【0056】
本願実施例のエンジンルーム78は、既に説明したように、運転操縦席16の下側(図2参照)に配置し、エンジン4を内装して搭載しており、回転各部を伝動する構成としている。そして、クーラールーム79は、図12、及び図13に示すように、前記エンジンルーム78と仕切るために一枚の仕切プレート80を設けて左右に独立した部屋に構成している。
【0057】
そして、仕切プレート80は、図面に示すように、その裏側(エンジンルーム78側)に二段の階段状にして突出させた膨出部分を形成し、その中央部分でエンジン4側に軸装している冷却ファン81に対応する位置に、その冷却ファン81の回転外径に沿わせて円形に開口し、外縁に沿わせて円径状に前記ファン81の外周部を覆うシュラウド82を設けた構成としている。そして、上記仕切プレート80は、取付部材を兼ねており、表側で前記シュラウド82の反対側において、下側にラジエータ83を配置し、その左上方位置にオイルクーラ84を配置し、右上方位置にインタークーラ81を配置してそれぞれをねじ締めによって強固に取り付けて構成している。
【0058】
そして、仕切プレート80は、図面に示すように、ラジエータ83や各クーラ類を取付けた状態でエンジンルーム78の外側フレーム(外周機枠)86にねじ締めで着脱自在に取り付けて構成している。そして、冷却ファン81は、エンジン4による回転駆動に伴って、外側から外気を吸引導入してシュラウド82内を通してエンジンルーム78側に吸引できる構成となっている。86は防塵網である
以上述べたように、クーラールーム79は、エンジンルーム78から独立した別のルームとし、しかも、一枚物のプレートで仕切っているから、シール性が向上してエンジン4の熱気が流入することがなく、各クーラー類の冷却効率を大幅に向上した特徴がある。そして、仕切プレート80は、エンジンルーム78側の冷却ファン81の回転外周に位置するシュラウド82を一体構成としているから、構成が簡単であると共に、冷却効率を更に高めることができる利点がある。
【0059】
そして、実施例の場合、仕切プレート80にラジエータ83と、オイルクーラ84と、インタークーラ85とを直接取付けているから、隙間等がなく、シール性が良くなって熱気の流入がなくなり、冷却効率を更に高めることができると共に、一体として着脱が容易で取付け、取外しが楽にできてメンテナンスが容易になった特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】線図で示す伝動機構図
【図2】コンバインの平面図
【図3】刈取般送装置の一部破断側面図
【図4】刈取懸架装置の側面図
【図5】主として排藁チエンの伝動機構図
【図6】伝動装置の取付側面図
【図7】伝動装置の側面図
【図8】操作装置の側面図
【図9】刈・脱クラッチ操作装置の作用図
【図10】ピッチングシリンダの取付フレームの平面図
【図11】ピッチングシリンダの取付状態の側面図
【図12】クーラールームとエンジンルームの一部を示す側面図
【図13】クーラールームの正面図。
【符号の説明】
【0061】
1 走行車体 2 脱穀装置
3 刈取般送装置 4 エンジン
5 走行ミッション 6 刈取クラッチ
7 刈取・脱穀引継チェン 8 シンクロ伝動機構
9 脱穀クラッチ 10 引継チェンクラッチ
11 定速伝動機構 12 フィードチェン
13 フィードチェンクラッチ 14 ワンウェイクラッチ
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、この種のコンバインにおいて、走行車体の前部に昇降自由に設けた刈取前処理装置(刈取搬送装置)の駆動速度を、一定速に保持する伝動経路と車速に同調させてシンクロする伝動経路とからなる二系統の伝動装置を装備した構成が知られている。
【0003】
例えば、本件の出願前に公開され、本件出願人が特許文献1として提示した特開2005−230022号公開特許公報には、図5、及び図6と明細書に開示されているように、流し込み操作ペダル73の踏み込み操作によって流し込みクラッチ48を操作して、前記刈取前処理装置を一定の伝動速度に保持する状態と車速に同調させる状態とに伝動経路を切り換える構成が説明されている。
【特許文献1】特開2005−230022号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のコンバインにおける刈取搬送装置と刈取・脱穀引継チェン(上記特許文献1の場合、本件出願の「刈取・脱穀引継チェン」に相当する部材はない。)は、走行ミッション側から車速に同調させた速度で伝動する機構と、脱穀伝動側から一定の速度で伝動する機構との二系統の伝動機構を利用して駆動する場合、作業の安全性を確保しながら搬送穀稈を脱穀装置側に引き継がせるための合理的な構成が設けられていない課題があった。
【0005】
すなわち、刈取搬送装置は、一定速度の回転動力を、脱穀クラッチと引継チェンクラッチとを経由して伝動する場合、刈取クラッチを経由せずに伝動が可能であるから、刈取クラッチが切り状態のときがある。通常、コンバイン作業の安全性を、確保しておくためには、刈取般送装置が駆動されているときには、例え刈取クラッチを経由しない動力で駆動される場合であっても、刈取クラッチを入りの位置に操作している状態が、オペレータに刈取側が駆動されていることを認識させておくために必要で、これにより作業の安全性を確保することができる。
【0006】
更に、刈・脱引継チェンは、これが駆動されるときには、必ず搬送穀稈を受け継ぐために後続のフィードチェンが駆動されて穀稈の受継作用ができる状態にあることが必要な条件となる。
【0007】
したがって、本件出願の発明は、刈取般送装置と刈・脱引継チェンを伝動するときには、必ず、刈取クラッチが入り操作されて、尚且つ、フィードチェンが駆動されていることの二つの条件が満足されているときに 初めて引継チェンクラッチの入り操作が可能となる構成として、作業の安全確保と、併せて搬送穀稈の受継作用が適確にできる技術構成を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1に記載した発明は、走行車体(1)上に搭載した脱穀装置(2)の前側に刈取搬送装置(3)を装備して構成したコンバインにおいて、エンジン(4)の回転動力を、走行ミッション(5)から刈取クラッチ(6)を経由して前記刈取搬送装置(3)と刈取・脱穀引継チェン(7)とに伝動する走行速度に同調したシンクロ伝動機構(8)と、脱穀クラッチ(9)から引継チェンクラッチ(10)を経由して前記刈取・脱穀引継チェン(7)と刈取搬送装置(3)とに伝動する定速伝動機構(11)との二系統の伝動機構(8,11)を構成し、前記刈取・脱穀引継チェン(7)から搬送穀稈を受け継ぐ脱穀装置(2)のフィードチェン(12)を、フィードチェンクラッチ(13)を介して伝動する構成とし、前記刈取クラッチ(6)が入り操作され且つ前記フィードチェンクラッチ(13)も入操作されている場合にのみ、前記引継チェンクラッチ(10)を接続できる構成としたことを特徴とするコンバインであって、刈取クラッチ(6)を経由しないで、定速伝動機構(11)を利用して刈取搬送装置(3)と刈取・脱穀引継チェン(7)とを伝動する場合に、前記刈取クラッチ(6)が入り操作され且つフィードチェンクラッチ(13)も入操作されている場合にのみ引継チェンクラッチ(10)を接続できる構成としたものであって、刈取搬送装置(3)が伝動状態にあること(刈取クラッチ(6)が入り操作されていること)を、オペレータが認識して作業の安全性を確保するものである。
【0009】
そして、請求項1に記載した発明は、引継チェンクラッチ(10)が入り操作できるときには、必ずフィードチェン(12)が駆動されているから搬送穀稈の受け継ぎが保障されており、安心して作業を続けることができる。
【0010】
また、請求項2に記載した発明は、前記二系統の伝動機構(8,11)は、その一方の伝動機構中、又は双方の伝動機構中にワンウェイクラッチ(14)を装備して、該二系統の伝動機構(8,11)のうちのいずれか一方の高速側の回転動力によって、前記刈取・脱穀引継チェン(7)と刈取搬送装置(3)とを伝動する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバインであって、二系統の伝動機構(8,11)のうちの一方を切って他方のみから伝動する場合、又は双方の伝動機構から同時に伝動する場合でも、いずれか一方の高速側の回転動力によって、前記刈取・脱穀引継チェン(7)と刈取搬送装置(3)とを伝動することができる。
【発明の効果】
【0011】
まず、請求項1に記載した発明は、刈取クラッチ(6)を経由しないで、定速伝動機構(11)を利用して刈取搬送装置(3)と刈取・脱穀引継チェン(7)とを伝動する場合でも、オペレータは、刈取クラッチ(6)を入り操作しないと伝動しないから、刈取搬送装置(3)が伝動状態にあること(刈取クラッチ(6)が入り操作されていること)を、オペレータは認識しており、安全に作業ができる特徴がある。
【0012】
そして、請求項1に記載した発明は、引継チェンクラッチ(10)が入り操作できるときには、必ずフィードチェン(12)が駆動されているから搬送穀稈の受け継ぎが保障されており、安心して作業を続けることができる優れた特徴がある。
【0013】
そして、請求項2に記載した発明は、二系統の伝動機構(8,11)のうちの一方を切って他方のみから伝動する場合、又は双方の伝動機構(8,11)から同時に伝動する場合でも、伝動経路中に組み込んだワンウェイクラッチ(14)が機能して、いずれか一方の高速側の回転動力によって、刈取・脱穀引継チェン(7)と刈取搬送装置(3)が伝動されて低速側が空転するから、メカロック等の発生がなく、安全に伝動できる特徴がある。したがって、この種の機構を採用したコンバインは、作業開始直後の低速走行時には、定速伝動機構(11)側から伝動される動力で刈取搬送装置(3)を、必要な一定速度で駆動できるから、充分な穀稈引起し作用や穀稈掻込み作用ができる利点があり、その後、車速が順次増速されて一定速度をオーバーすると、シンクロ伝動機構(8)側からの伝動にスムーズに切替わり走行速度(作業能率)に同調した作用ができる特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、コンバインは、図2に示すように、走行車体1上の左側に穀稈供給口15を前側に位置して脱穀装置2が搭載され、その前側には刈取搬送装置3を設けて全面刈りの構成としている。そして、コンバインは、右側には、前部に運転操縦席16が設けられ、その後方位置で前記脱穀装置2の右側に隣接してグレンタンク17を配置して搭載した構成としている。そして、前記グレンタンク17は、脱穀されて選別された一番穀粒が、脱穀装置2から一番揚穀筒によって供給されて貯留され、作業が進んで穀粒が満タンに達すると、接続している排出オーガー18によって機外に排出できる構成としている。
【0015】
つぎに、刈取搬送装置3は、図3、及び図4に示すように、基部を走行車体1の支持機台(刈取懸架台)20の上部に枢着状態に支持し、前部下方に向けて延長した刈取フレーム21に、前部側から分草杆22、上下に傾斜させた穀稈引起し装置23、下部位置に刈取装置24、その上側に掻込み輪体25、株元搬送装置26、前部穂先般送装置27、後部穂先般送装置28、扱深さ調節装置29、供給般送装置30をそれぞれ伝動可能に軸装して一連の刈取、搬送ができる構成としている。
【0016】
そして、刈取・脱穀引継チェン7は、図1、乃至図3に示すように、前記刈取般送装置3に接続した伝動ケース31に回動可能に軸受け支持して設けられ、上記供給般送装置30から受け継いだ穀稈を脱穀装置2のフィードチェン12の搬送始端部に受け継ぎ供給する構成としている。
【0017】
そして、前記刈取フレーム21は、図4に示すように、支持機台20に基部を枢着支持した上部フレーム21aを斜め下方に延長し、その下端部に下部フレーム21bの上端部を接合して一体とし、この上下両フレーム21a,21bの下面にシリンダ取付部材33を押し当ててねじ締めで一体に連結した構成としている。そして、前記シリンダ取付部材33は、図面から解るように、支持機台20の下部位置の車台側に基部(シリンダ側)を枢着連結した刈取上下シリンダ34の先端部(ピストン側)を連結し、刈取フレーム21を油圧機構によって上下昇降自由に回動できる構成としている。なお、刈取フレーム21は、基部の回動中心にある横向きの伝動軸35から縦向きに接続した刈取伝動軸36(図7の破断部分参照)が内装して軸装されており、前記した刈取般送装置3を構成する各装置を伝動できる構成としている。
【0018】
上記したこの種の刈取フレームの支持構成は、特開2003−180125号公開特許公報等に開示され、類似の構成が知られている。
上述した実施例におけるシリンダ取付部材33は、上下中間部位に油圧式の刈取上下シリンダ34の端部を連結する部材でありながら、上部と下部とのフレーム21a,21bを連結する部材に兼用したものであって、シンプルで合理的な構成とし、低コストで製作できる特徴がある。
【0019】
つぎに、本件出願の主要部であるシンクロ伝動機構8と定速伝動機構11、及びフィードチェン12のフィードチェンクラッチ装置13、更にはフィードチェン変速装置37について、主として図1に基づいて説明する。
【0020】
まず、エンジン4は、図1に示すように、出力がHST38を経由して走行ミッション装置5側と、脱穀クラッチ装置9を経由して脱穀中間伝動ボックス39側とに分岐して伝動する構成としている。
【0021】
そして、シンクロ伝動機構8は、上記HST38から走行ミッション装置5に入力された回転動力が、ワンウェイクラッチ14と刈取クラッチ6とを経由して前記刈取搬送装置3に伝動する構成としている。この場合、シンクロ伝動機構8は、前記HST38による無段変速操作に伴って変速される走行速度が、走行ミッション5を経由してそのまま伝動される構成となっている。そして、ワンウェイクラッチ14は、HST38を逆回転(コンバインを後進するとき)に切換えたときは刈取般送装置3への伝動を中断する構成となっている。
【0022】
そして、刈取・脱穀引継チェン7は、刈取般送装置3の伝動軸35からベルト伝動で伝えられる伝動ケース31から伝動される構成をとり、走行速度に同調するシンクロ伝動機構8から伝動されるものとなっている。
【0023】
一方、定速伝動機構11は、図1に示すように、前記した脱穀クラッチ9から脱穀中間伝動ボックス39を経由し、更に、引継チェンクラッチ10、及びワンウェイクラッチ14を介して、常時、略一定の速度が伝動ケース31に伝動される構成としている。このように構成された定速伝動機構11は、上記伝動ケース31を経て刈・脱引継チェン7と刈取般送装置3とに分配して伝動する構成としている。
【0024】
このように構成した二系統の伝動機構、すなわち、シンクロ伝動機構8と定速伝動機構11は、双方の伝動経路から同時に回転動力が伝動されてきた場合には、それぞれにワンウェイクラッチ14を装備しているから、いずれか一方の高速側の回転動力によって、前記刈取・脱穀引継チェン7と刈取搬送装置3とが伝動される構成となっている。
【0025】
この構成は、コンバイン作業の開始直後にも有効であって、最初の一定距離の間、走行速度が遅いときでも、穀稈引起し装置23、刈取装置24、掻込み輪体25等は、充分な機能を発揮するためには一定の高速が必要であるから、シンクロ伝動機構8と定速伝動機構11との双方から伝動する状態にして、高速側(定速伝動機構11)からの回転動力で駆動しながら効率的に作業をすることができる。
【0026】
そして、脱穀装置2のフィードチェン12は、前記刈取・脱穀引継チェン7から搬送穀稈を受け継いで搬送しながら、穂先側を脱穀装置2に供給して脱穀作用を行う構成であるが、これにはフィードチェンクラッチ13とフィードチェン変速装置37とが設けられている。この場合、フィードチェン12は、前記脱穀中間伝動ボックス39から排塵ファン42への伝動系から分岐して伝動する構成としている。そして、フィードチェン変速装置37は、実施例の場合、ギヤによって高速と低速との二段の有段変速ができる構成とし、その高・低の切換えの中間位置をニュートラル位置、すなわち前記フィードチェンクラッチ13を構成している。
【0027】
更に、具体的に説明すると、フィードチェンクラッチ13は、フィードチェン変速装置37において、高速段と低速段との二段階に切り替える中間位置がクラッチ切の位置になる構成としている。
【0028】
そして、前記引継チェンクラッチ10は、前記刈取クラッチ6が入り操作された状態で、且つ上記フィードチェンクラッチ13も入操作されていることの二つを条件として入りに操作が可能であって、クラッチの接続ができる構成となっている。そして、引継チェンクラッチ10は、図2に示すように、運転操縦席16の前側フロア43に設けたクラッチペダル44の踏込みで断続操作する構成としているが、上述した二つの条件が満足されないとクラッチの接続ができない構成(クラッチペダル44を踏込んでも接続しない。)としている。
【0029】
以上のように構成した実施例は、定速伝動機構11を経由して伝動する場合、刈取クラッチ6を経由しないで刈取搬送装置3と刈取・脱穀引継チェン7とを伝動する経路であっても、オペレータは、必ず刈取クラッチ6を入り操作しないと伝動ができないから、刈取搬送装置3が伝動状態にあるときには、必ず、刈取クラッチ6を入り操作しており、オペレータ自身が伝動状態を、常に、認識しており、安全に作業ができるものとなっている。
【0030】
そして、もう一つの条件として、クラッチペダル44を踏込んで引継チェンクラッチ10が入り操作できるときには、必ずフィードチェン12が駆動されているから、刈取・脱穀引継チェン7から搬送穀稈の受け継ぎが保障されており、安心して作業を続けることができるものとなっている。
【0031】
そして、一つの実施例として、定速伝動機構11は、クラッチペダル44を踏み込んで引継チェンクラッチ10を入り操作して、刈取・脱穀引継チェン7を伝動する速度を、前記したフィードチェン変速装置37の低速側の般送速度に合わせて速度設定をする構成が考えられる。
【0032】
このように、定速伝動機構11は、刈取・脱穀引継チェン7をフィードチェン12の低速側の変速位置に合わせて設定すると、伝動負荷が少なく、穀稈の搬送姿勢を乱すことなく正しい姿勢に保ちながら搬送ができて脱穀効率が向上すると共に、車速が低速時等の倒伏穀稈への対応が向上できる。
【0033】
以下、他の各実施例を説明する。
まず、図5に示す実施例は、排藁チェン45をフィードチェン12と同一のチェン軸46から一連の伝動経路を取る構成としている。すなわち、排藁チェン45は、上記フィードチェン軸46から伝動ベルト47、ギヤボックス48、伝動ベルト49、排藁伝動軸50を介して株元側と穂先側との2本のチェンを伝動する構成としている。従来の構成は、例えば特開平5−49335号公開特許公報に開示されているように、エンジンから伝動される回転動力を分岐経路で双方を伝動する構成が採られ、排藁チェンをフィードチェン側から伝動する構成はない。
【0034】
したがって、実施例の排藁チェン45は、一連の伝動経路でフィードチェン12と接続しているから、回転速度が同調して変速されると共に、伝動、停止が同時に行われ、フィードチェン12の後部からの排藁の受け継ぎがきわめて円滑に行われる特徴がある。
【0035】
そして、前記定速伝動機構11は、実施例における主要な構成として既に説明したように、刈取クラッチ6が入り操作されて、且つフィードチェンクラッチ13も入操作されておれば、クラッチペダル44を踏み込むと、引継チェンクラッチ10を接続できるから、刈取・脱穀引継チェン7を定速で伝動できる。
【0036】
したがって、実施例のコンバインは、走行車体1の停止中、或いは後進走行中であっても、刈取般送装置3と刈取・脱穀引継チェン7とを伝動し続けることができ、刈取作業はしなくても刈取般送装置3の途中に停滞している穀稈を搬送しながら脱穀することが可能である。
【0037】
このように、実施例に係るコンバインは、停止中や後進走行中にも穀稈の般送、脱穀が可能であるから、作業効率を高めることができ、搬送穀稈の停滞をなくして事後処理が適確にできる特徴がある。
【0038】
つぎに、既に説明した伝動機構(図1参照)の中に配置されている刈・脱引継チェン7を軸受支持して伝動する伝動ケース31と、その伝動上手側の脱穀中間伝動ボックス39との支持構成に関する実施例を説明する。
【0039】
まず、伝動ケース31と脱穀中間伝動ボックス39は、図6に示すように、脱穀装置2とその前側に位置する支持機台20との間に配置して設けられ、主要な伝動中継装置となっている。そして、脱穀中間伝動ボックス39は、図面に示すように、その後部上側を脱穀装置2の前側機枠52に取付プレート53を介して連結支持し、その前部中間部分を前側の支持機枠54に取付プレート55によって接続して支持した構成としている。なお、上記支持機枠54は、前側下部を前記した支持機台20に取付プレート56で連結固定した構成としている。そして、伝動ケース31は、図6から解るように、前記支持機枠54に取付けて支持した構成としている。
【0040】
なお、前記支持機台20は、既に述べたように刈取般送装置3の刈取フレーム21の基部を回動自由に支持する部材であり、左側には刈取オープンの支持メタル57を設けた構成としている。
【0041】
このように、脱穀側伝動の主要な中継機構となる脱穀中間伝動ボックス39と刈取・脱穀引継チェン7を軸受支持して伝動する伝動ケース31とは、脱穀装置2の前側で刈取般送装置3の支持機台20との間に配置して強固に取付け支持した構成としている。そして、この実施例の取付構成は、狭い空間を利用して周囲にある他の装置の支持部材を利用しながら合理的に取付けた構成としている。
【0042】
そして、図7の実施例は、上で説明した脱穀中間伝動ボックス39、及び伝動ケース31を経路中に配置した二系統の伝動機構8,11を示しており、エンジン4からHST38、走行ミッション5を経由して刈取フレーム21の基部に軸架した伝動軸35に入力して走行速度に同調した動力を伝動するシンクロ伝動機構8と、エンジン4から脱穀中間伝動ボックス39を経由して伝動ケース31に入力される定速伝動機構11とを示している。
【0043】
そして、実施例の場合、図7から解るように、各伝動ベルトにそれぞれ対応させてテンションクラッチを装備して、シンクロ伝動機構8を停止して、定速伝動機構11によって刈取・脱穀引継チェン7を駆動しながら枕扱ぎをすることも可能であり、それぞれ独立してテンションクラッチを入・切することができる構成であるから、便利に作業ができる利点がある。
【0044】
つぎに、刈取・脱穀の両クラッチ6,9を、クラッチ制御モータ64で操作するパワークラッチの実施例を説明する。
まず、各種の操作レバー類は、図8に示すように、運転操縦席(図2参照)16の左側に、前から順に、HSTレバー58、副変速レバー59、スロットルレバー60、刈・脱クラッチレバー61が配列して設けられ、それぞれ切替操作ができる構成としている。この場合、上記刈・脱クラッチレバー61は、その基部にレバーの回転操作位置(操作角度)を検出するためのポジションセンサ63を装備し、刈取クラッチ6の入・切操作位置と、脱穀クラッチ9の入・切操作位置とを検出して区別し、クラッチ制御モータ64を制御できる構成としている。
【0045】
そして、クラッチ制御モータ64は、図8、及び図9に示すように、正・逆転に制御されながら、減速装置65から操作ピニオン66を介して操作リンク機構67を駆動操作して、図示しない操作ワイヤーを介して前記刈取クラッチ6と脱穀クラッチ9とを入・切操作できる構成としている。
【0046】
そして、両方のクラッチ装置6,9は、図9に(A)(B)(C)で示すように、操作リンク機構67の変化で操作され、(A)が脱穀クラッチ9を入り位置とし、(B)が刈取クラッチ6と脱穀クラッチ9との切位置とし、(C)の位置が両クラッチ6,9が共に入の位置になる構成としている。
【0047】
このように、刈取クラッチ6と脱穀クラッチ9との操作装置は、刈・脱クラッチレバー61の基部位置に装置したポテンショメータ63と、クラッチ制御モータ64とを接近させて配置したから、両者間の配線を短くすることができて、電気的トラブルが大幅に低減し、点検も容易にできる特徴がある。
【0048】
そして、実施例の場合、各操作レバー58,59,60,61を集中的に配置することによって、点検は勿論、組み立て調整が容易となる利点がある。
つぎに、ピッチングシリンダ70の取付構成について実施例を説明する。
【0049】
従来から、コンバインのピッチング制御装置は、広く実用化され、一般的な構成として、走行フレーム69に設けた取付フレーム70にピッチングシリンダ71の上部を枢着連結し、その下部をピッチングアーム72を介して、前部を上下の定位置に枢着したトラックフレーム73の後部に枢着連結し、前記ピッチングシリンダ71の伸縮に伴ってトラックフレーム73の後部を上下に制御調節しながらクローラの後部を昇降して走行車体の前後傾斜を制御調節する装置となっている。
【0050】
まず、走行フレーム69は、図10に示すように、数本の縦・横フレーム69a,69bを連結して枠組みした構成とするが、実施例の場合、中央部分に前後方向に配置したメインフレーム74から一定の間隔を隔てて略平行状態にして左側に脱穀搭載フレーム75を配置して一体に枠組みした構成としている。そして、取付フレーム70は、図10、及び図11に示すように、上部にピッチングシリンダ71の基部が枢着して支持できるように側面視略三角形状の箱型として、底部に形成した前後方向の連結部分(溶接代)を、前記メインフレーム74と脱穀搭載フレーム75との間に介装して接合し、前後に比較的長く溶接して取り付けた構成としている。
【0051】
そして、ピッチングアーム72は、図11に示すように、後部を走行フレーム69側に固定した受具76に回動自由に支持し、上部アーム72aをピッチングシリンダ71のピストン先端部に連結し、下部アーム72bをトラックフレーム73に連結して構成している。そして、トラックフレーム73は、前部回動支点Pを回動中心にして後部がピッチングアーム72によって上下揺動調節され、転輪、クローラからなる走行装置の後部を一体として昇降し、走行車体の前後姿勢を水平に近い状態に制御する構成としている。
【0052】
通常、コンバインのピッチング作用の過程において、ピッチングシリンダ71は、車体の前後方向の傾斜度をレベルセンサが検出し、その検出情報に基づいてコントローラから出力される制御信号で車体の後部を上昇制御する場合、シリンダ71が伸びながらピッチングアーム72を回動し、受具76に取り付けた後部支点を中心にして下部アーム72bの前部を押し下げてトラックフレーム73の後部を地面側に押し下げる作用が開始される。
【0053】
すると、取付フレーム70は、下方側に伸びようとするピッチングシリンダ71によって押し下げられるトラックフレーム73と一体の走行装置が地面から抵抗を受けるために、上向きに働く荷重を受けることになる。
【0054】
このように、取付フレーム70は、ピッチング作動中(車体後部を上方に制御調節するとき、)にピッチングシリンダ71の伸びに関連して、上方に向く押上荷重を受けるが、基部の一方側がメインフレーム74に、他方側が脱穀搭載フレーム75にそれぞれ前後に渡る長い溶接代が形成されて強固に固着、連結されているから、強い取付構造が構成されており、上記の如く発生する押上荷重に対して充分に耐えることができる特徴がある。
【0055】
つぎに、エンジンルーム78と、その吸気側に配置したクーラールーム79との構成について実施例を説明する。
従来の装置は、例えば、特開2005−127155号公開特許公報(添付図面図21参照)に記載されているように、クーラールームをエンジンルームから独立させた構成にはなっておらず、エンジン熱が影響してラジエータ等の冷却 効率がきわめて悪い構成となっている。
【0056】
本願実施例のエンジンルーム78は、既に説明したように、運転操縦席16の下側(図2参照)に配置し、エンジン4を内装して搭載しており、回転各部を伝動する構成としている。そして、クーラールーム79は、図12、及び図13に示すように、前記エンジンルーム78と仕切るために一枚の仕切プレート80を設けて左右に独立した部屋に構成している。
【0057】
そして、仕切プレート80は、図面に示すように、その裏側(エンジンルーム78側)に二段の階段状にして突出させた膨出部分を形成し、その中央部分でエンジン4側に軸装している冷却ファン81に対応する位置に、その冷却ファン81の回転外径に沿わせて円形に開口し、外縁に沿わせて円径状に前記ファン81の外周部を覆うシュラウド82を設けた構成としている。そして、上記仕切プレート80は、取付部材を兼ねており、表側で前記シュラウド82の反対側において、下側にラジエータ83を配置し、その左上方位置にオイルクーラ84を配置し、右上方位置にインタークーラ81を配置してそれぞれをねじ締めによって強固に取り付けて構成している。
【0058】
そして、仕切プレート80は、図面に示すように、ラジエータ83や各クーラ類を取付けた状態でエンジンルーム78の外側フレーム(外周機枠)86にねじ締めで着脱自在に取り付けて構成している。そして、冷却ファン81は、エンジン4による回転駆動に伴って、外側から外気を吸引導入してシュラウド82内を通してエンジンルーム78側に吸引できる構成となっている。86は防塵網である
以上述べたように、クーラールーム79は、エンジンルーム78から独立した別のルームとし、しかも、一枚物のプレートで仕切っているから、シール性が向上してエンジン4の熱気が流入することがなく、各クーラー類の冷却効率を大幅に向上した特徴がある。そして、仕切プレート80は、エンジンルーム78側の冷却ファン81の回転外周に位置するシュラウド82を一体構成としているから、構成が簡単であると共に、冷却効率を更に高めることができる利点がある。
【0059】
そして、実施例の場合、仕切プレート80にラジエータ83と、オイルクーラ84と、インタークーラ85とを直接取付けているから、隙間等がなく、シール性が良くなって熱気の流入がなくなり、冷却効率を更に高めることができると共に、一体として着脱が容易で取付け、取外しが楽にできてメンテナンスが容易になった特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】線図で示す伝動機構図
【図2】コンバインの平面図
【図3】刈取般送装置の一部破断側面図
【図4】刈取懸架装置の側面図
【図5】主として排藁チエンの伝動機構図
【図6】伝動装置の取付側面図
【図7】伝動装置の側面図
【図8】操作装置の側面図
【図9】刈・脱クラッチ操作装置の作用図
【図10】ピッチングシリンダの取付フレームの平面図
【図11】ピッチングシリンダの取付状態の側面図
【図12】クーラールームとエンジンルームの一部を示す側面図
【図13】クーラールームの正面図。
【符号の説明】
【0061】
1 走行車体 2 脱穀装置
3 刈取般送装置 4 エンジン
5 走行ミッション 6 刈取クラッチ
7 刈取・脱穀引継チェン 8 シンクロ伝動機構
9 脱穀クラッチ 10 引継チェンクラッチ
11 定速伝動機構 12 フィードチェン
13 フィードチェンクラッチ 14 ワンウェイクラッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車体(1)上に搭載した脱穀装置(2)の前側に刈取搬送装置(3)を装備して構成したコンバインにおいて、エンジン(4)の回転動力を、走行ミッション(5)から刈取クラッチ(6)を経由して前記刈取搬送装置(3)と刈取・脱穀引継チェン(7)とに伝動する走行速度に同調したシンクロ伝動機構(8)と、脱穀クラッチ(9)から引継チェンクラッチ(10)を経由して前記刈取・脱穀引継チェン(7)と刈取搬送装置(3)とに伝動する定速伝動機構(11)との二系統の伝動機構(8,11)を構成し、前記刈取・脱穀引継チェン(7)から搬送穀稈を受け継ぐ脱穀装置(2)のフィードチェン(12)を、フィードチェンクラッチ(13)を介して伝動する構成とし、前記刈取クラッチ(6)が入り操作され且つ前記フィードチェンクラッチ(13)も入操作されている場合にのみ、前記引継チェンクラッチ(10)を接続できる構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記二系統の伝動機構(8,11)は、その一方の伝動機構中、又は双方の伝動機構中にワンウェイクラッチ(14)を装備して、該二系統の伝動機構(8,11)のうちのいずれか一方の高速側の回転動力によって、前記刈取・脱穀引継チェン(7)と刈取搬送装置(3)とを伝動する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項1】
走行車体(1)上に搭載した脱穀装置(2)の前側に刈取搬送装置(3)を装備して構成したコンバインにおいて、エンジン(4)の回転動力を、走行ミッション(5)から刈取クラッチ(6)を経由して前記刈取搬送装置(3)と刈取・脱穀引継チェン(7)とに伝動する走行速度に同調したシンクロ伝動機構(8)と、脱穀クラッチ(9)から引継チェンクラッチ(10)を経由して前記刈取・脱穀引継チェン(7)と刈取搬送装置(3)とに伝動する定速伝動機構(11)との二系統の伝動機構(8,11)を構成し、前記刈取・脱穀引継チェン(7)から搬送穀稈を受け継ぐ脱穀装置(2)のフィードチェン(12)を、フィードチェンクラッチ(13)を介して伝動する構成とし、前記刈取クラッチ(6)が入り操作され且つ前記フィードチェンクラッチ(13)も入操作されている場合にのみ、前記引継チェンクラッチ(10)を接続できる構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記二系統の伝動機構(8,11)は、その一方の伝動機構中、又は双方の伝動機構中にワンウェイクラッチ(14)を装備して、該二系統の伝動機構(8,11)のうちのいずれか一方の高速側の回転動力によって、前記刈取・脱穀引継チェン(7)と刈取搬送装置(3)とを伝動する構成としたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−136356(P2008−136356A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322440(P2006−322440)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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