説明

コンバイン

【課題】エンジンのメンテナンスの容易化、運転座席の移動構成の簡素化、開放空間の大型化。
【解決手段】グレンタンク5の前側にエンジン11を設ける。エンジン11を覆うエンジンカバー9と一体のキャビン12を設ける。キャビン12はリンク機構15により移動自在にする。リンク機構15は、内側アーム16と外側アーム17の先端部をキャビン12に回動自在に取付ける。外側アーム17は、機体フレーム1に出入り自在に設けた支持体30により支持する構成としたことを特徴とするコンバイン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、走行装置を有する機体フレームにエンジンを設け、該エンジンの上方に運転部の運転座席を設けたものにおいて、前記運転座席は縦軸の軸周りに外側方に向けて回動自在に構成し、操縦部に設けた駐車ブレーキペダルは、操縦部を縦軸外側回動させた機体フレーム側に取付けた構成は、公知である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−28941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例は、単に、操縦部に設けた駐車ブレーキペダルは、操縦部を縦軸外側回動させた機体フレーム1側に取付けているだけであるので、縦軸とキャビンの側面との部分は、外側方に向けて回動させても、機体フレーム上に残ってしまいエンジンの周辺の開放できる空間が狭く限られるという課題がある。
本願は、キャビンの移動支持構成を工夫し、二カ所を支点にして操縦部を移動させてエンジンの周辺を大きく開放すると共に、キャビンの移動操作を簡単にできるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明では、下方に走行装置2を備えた機体フレーム1の上部に脱穀装置3を設け、該脱穀装置3の前側に刈取装置4を設け、前記脱穀装置3の右側にグレンタンク5を設け、該グレンタンク5の前側の機体フレーム1上にエンジン11を設け、該エンジン11を覆うエンジンカバー9と一体のキャビン12を設け、該キャビン12はグレンタンク5の前側に位置する閉鎖位置とキャビン12の一部または全部が機体フレーム1の右外側方へ移動した開放位置との間にわたりリンク機構15により移動自在に支持し、該リンク機構15は、基部を内側基部取付軸18と外側基部取付軸19とで固定側フレーム35に夫々回動自在に取付けた内側アーム16と外側アーム17を備え、内側アーム16と外側アーム17の先端部を、内側先端取付軸21および外側先端取付軸22により前記キャビン12側に夫々回動自在に取り付けて、前記内側基部取付軸18および外側基部取付軸19と内側先端取付軸21および外側先端取付軸22の四点を回動支点とする構成とし、前記キャビン12内のステップ10上には、機体の走行停止状態を保持する駐車ブレーキペダル50を設け、該駐車ブレーキペダル50を先端に設けたペダルアーム部55の基部を、機体フレーム1側に設けた取付部材56に取付軸57により回動自在に取付けると共に、該、ペダルアーム部55を上方回動するように付勢するバネを設け、前記駐車ブレーキペダル50は、ステップ10の上面よりも所定高さだけ高い位置に位置する非ブレーキ状態と、機体停止状態を保持するブレーキ状態とに位置切替自在に構成し、前記駐車ブレーキペダル50が非ブレーキ状態またはブレーキ状態の何れの状態でも、キャビン12を開放位置へ移動可能な構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、リンク機構15は、内側アーム16と外側アーム17の二本のアームにより4点リンクに構成しているので、キャビン12はグレンタンク5の前側に位置する閉鎖位置から平面視キャビン12の一部または全部が機体フレーム1より右外側方にはみ出る開放位置に外側オープンし、エンジン11の後側まで略開放できて、エンジン11周辺のメンテナンス作業が容易になる。
このとき、駐車ブレーキペダル50がステップ10より所定高さだけ高い位置に位置する非ブレーキ状態と、機体停止状態を保持するブレーキ状態と何れの状態でも、キャビン12を開放位置へ移動させることができる。
請求項2記載の発明では、前記キャビン12のキャビンフレーム36の左側端部には、駐車ブレーキペダル50を踏み込んだブレーキ状態と踏み込む前の非ブレーキ状態の何れの状態でも、駐車ブレーキペダル50を通過させうる開口部60を設け、該開口部60はキャビン12の操作パネル8のうちの側部操縦部61とステップ10との間に形成し、該開口部60には側板62を着脱自在に取付けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、キャビン12の操作パネル8のうちの側部操縦部61の下方とステップ10との間の側板62を外し、この状態で、駐車ブレーキペダル50を開口部60より通過させながらキャビン12を右外側へ移動させてメンテナンスを行い、メンテナンス終了後、駐車ブレーキペダル50を開口部60より通過させながらキャビン12を閉鎖位置に戻す。
請求項3記載の発明では、前記駐車ブレーキペダル50には、該駐車ブレーキペダル50をブレーキ状態に保持するロック機構70を設け、該ロック機構70は、前記駐車ブレーキペダル50よりも先端側のペダルアーム部55の部位に、係合ピン73に係合する係合面78と該係合ピン73に当接する係合ピン73から退避するように誘導する誘導傾斜面77を有するロック片71の基部を軸72により取付け、該ロック片71を係合ピン73に係合する方向に付勢するバネ76を設け、ロック片71にロック解除用突出部75を設ける構成としたことを特徴とするコンバインとしたものであり、駐車ブレーキペダル50を踏むと、ロック片71の先端の誘導傾斜面77が係合ピン73に当接し、更に駐車ブレーキペダル50を踏み込んで係合ピン73が誘導傾斜面77を通過すると、係合ピン73にロック片71の係合面78が係合してロックし、駐車ブレーキペダル50をブレーキ作動状態に保持する。
ブレーキ状態の駐車ブレーキペダル50のロック解除用突出部75を前側に踏むと、ロック片71が回動し、ロック片71の係合面78および誘導傾斜面77が係合面78から退避し、ロック機構70はアンロック状態になり、駐車ブレーキペダル50は元の非ブレーキ状態に復帰する。
請求項4記載の発明では、前記ロック片71の基部には前方に突出するロック解除用突出部75を一体的に設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、駐車ブレーキペダル50の前側に位置するロック解除用突出部75を前方に押すと、ロック片71が回動して係合ピン73から退避し、ロック機構70がアンロック状態になる。
請求項5記載の発明では、前記ペダルアーム部55の先端側の駐車ブレーキペダル50の下方の部位にロック片71を設け、駐車ブレーキペダル50の前側にロック解除用突出部75を設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、ペダルアーム部55の先端の駐車ブレーキペダル50の下方のロック片71がロック片71の下方の係合ピン73に係合する。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明では、特許文献1に記載の従来技術に比較して、エンジン11の周辺をより大きく開放できて、メンテナンス作業を容易に行うことができ、
さらに、駐車ブレーキペダル50が非ブレーキ状態またはブレーキ状態のいずれの状態にあるかを問わず、キャビン12を開放位置へ移動させることができ、このキャビン12のオープン操作を容易にでき、また、キャビン12のオープン操作および復帰操作に際して、手順を簡単にでき、その結果、駐車ブレーキペダル50の破損・変形も防止できる。
請求項2の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加え、キャビン12に設けた開口部60により駐車ブレーキペダル50を機体側に残して、右外側方へオープンさせることができ、簡素な構成で、駐車ブレーキペダル50の非ブレーキ状態とブレーキ状態とを問わないキャビン12のオープン操作を実現できる。
請求項3記載の発明では、上記請求項1または2記載の発明の効果に加え、駐車ブレーキペダル50を踏むとロック機構70によりロックされるので、駐車ブレーキペダル50のブレーキ状態の保持の操作を簡単にできる。
請求項4記載の発明では、上記請求項3記載の発明の効果に加え、駐車ブレーキペダル50を踏むとロックし、駐車ブレーキペダル50の先端側のロック解除用突出部75を踏むとアンロックになるので、操作が頗る容易にできる。
請求項5記載の発明では、上記請求項4記載の発明の効果に加え、駐車ブレーキペダル50とロック機構70の配置を直線状にでき、キャビン12内の空間を広くでき、ロック解除用突出部75をつま先で容易に操作でき、駐車ブレーキの解除操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】コンバインの側面図。
【図2】キャビンの開放状態平面図。
【図3】キャビンの側面図。
【図4】支持体付近の側面図。
【図5】上側支持ローラー付近の平面図。
【図6】同側面図。
【図7】リンク機構の平面図。
【図8】キャビンの開放状態の概略斜視図。
【図9】固定側フレームにリンク機構を組付たキャビンの側面図。
【図10】キャビンの組付状態側面図。
【図11】駐車ブレーキペダル付近の側面図。
【図12】同平面図。
【図13】同側面図。
【図14】同正面図。
【図15】同正面図。
【図16】外側アームに防振体を設けた実施例の正面図。
【図17】ローラーに防振体を設けた実施例の正面図。
【図18】エンジンカバー付近の断面図。
【図19】シュラウドの側面図。
【図20】下側シュラウドの側面図。
【図21】ラジエーター等の側面図。
【図22】オイルクーラー回動状態平面図。
【図23】エンジンカバーの側面図。
【図24】移動部材の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施例を図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は走行装置、3は走行装置2の上方の一側に設けた脱穀装置、4は刈取装置、5は脱穀装置3の側方に設けたグレンタンク、6は操縦部である。
操縦部6には作業者の立つステップ10および作業者の着座する運転座席7および運転座席7の前側に設けたスイッチやレバー類を有する操作パネル8等により構成する。
前記操縦部6は機体フレーム1の上方に設けたエンジン11の一部または全部を包囲するエンジンカバー(ラジエターカバー)9と一体の任意形状のキャビン12内に設ける。
即ち、キャビン12はエンジン11の上方に設けられ、エンジンカバー9と一体に構成されるが、本願はこのキャビン12の移動構成に関するものであり、キャビン12とエンジンカバー9との構成および形状は任意であり、実施例に限定されず、具体的構成の説明は省略する。
【0009】
キャビン12は、グレンタンク5の前側に位置する閉鎖位置と平面視キャビン12の一部または全部が機体フレーム1の側部よりも側方にはみ出た開放位置との間、リンク機構15により移動自在に構成する。
前記リンク機構15の一例を示すと、内側アーム16と外側アーム17の二本のアームにより構成し、内側アーム16および外側アーム17の基部は前記エンジン11よりも後方の機体フレーム1の任意の固定部に内側基部取付軸18と外側基部取付軸19で回動自在に取付ける。
内側アーム16と外側アーム17の先端は、それぞれ運転座席7よりも前方に位置させ、キャビン12の所定部分に内側先端取付軸21と外側先端取付軸22により回動自在に取付ける。
そのため、内側基部取付軸18および外側基部取付軸19と内側先端取付軸21および外側先端取付軸22の四点を回動中心とするリンク機構15によりキャビン12が移動するように構成されることになり、エンジン11の後側まで略開放できて、メンテナンス作業が容易になる。
【0010】
この場合、内側アーム16の内側基部取付軸18はキャビン12の左端(内側部分)よりキャビン12の左右方向の中央部分までの中間位置に配置し、外側アーム17の外側基部取付軸19はキャビン12の左右方向の中央部分よりキャビン12の右端(外側部分)までの中間位置あるいはキャビン12の右端側に位置するように配置すると、キャビン12の移動範囲を大きくすることができ、好適である。
前記外側アーム17は、前記機体フレーム1に出入り自在に設けた支持体30により支持するように構成する。
支持体30は、前記機体フレーム1の左右方向の横枠31内に左右方向に摺動自在に内蔵し、キャビン12が閉鎖位置のときは横枠31内に収納し、キャビン12を開放位置に外側回動させるとき、横枠31から支持体30を手作業により引き出して外側アーム17を支持する。
そのため、外側アーム17を下方から支持体30が支持するので、外側アーム17の変形を防止でき、キャビン12の外側オープン時の支持強度を向上させる。
【0011】
また、支持体30は機体フレーム1の横枠31内に内蔵するので、支持体30の全長を長くすることができ、キャビン12の外側オープン量を大きくできる。
34は支持体30の先端に設けたストッパ部材、34Aは外側アーム17の外面に当接する当接部、34Bはボルトである。
前記外側アーム17には支持ローラ33を取付け、支持ローラ33の下面を支持体30の上面に当接するように配置する(図6)。
そのため、外側アーム17をオープン回動させると、支持ローラ33の下面が支持体30の上面を転動し、外側アーム17のオープン回動を容易にする。
しかして、リンク機構15の内側アーム16と外側アーム17の基部を取付ける固定側フレーム35は機体フレーム1に取付け、固定側フレーム35に内側アーム16と外側アーム17の基部を取付けて、リンク機構15を予め固定側フレーム35側に取付け、固定側フレーム35に取付けた内側アーム16と外側アーム17にキャビン12のキャビンフレーム36を取付ける。
即ち、キャビン12を支持する固定側フレーム35に予めリンク機構15を取り付けて組立品として構成し、固定側フレーム35とリンク機構15の組立品を機体フレーム1に取付け、リンク機構15にキャビン12のキャビンフレーム36を取付ける。
【0012】
また、反対に、図9は、機体フレーム1に取付ける前の固定側フレーム35に、リンク機構15を介してキャビン12のキャビンフレーム36を予め取付けた状態を示し、この固定側フレーム35をキャビン12ごと機体フレーム1に組み付けてもよい(図10)。
そのため、移動するリンク機構15を固定側フレーム35に組み付けているので、組み付け誤差がなく、調整も不要で、組付性が良い。
また、リンク機構15にキャビン12のキャビンフレーム36を取付後に、各部に接続したハーネスをキャビン12の操作部に接続でき、ハーネスを固定側とキャビン12側とに分断する必要がなく、接続作業が容易であると共に、電気的故障の発生を防止する。
固定側フレーム35の構成は、任意であるが、一例を示すと、左右一対(内外一対)の後側縦フレーム37、38を有し、内側後側縦フレーム37には前後方向の内側側部フレーム39を設ける。また、外側後側縦フレーム38には前後方向の外側側部フレーム40を設ける。
後側縦フレーム37と後側縦フレーム38の間に後側中間縦フレーム41を設け、後側中間縦フレーム41に内側アーム16の基部を取付ける。
また、前記内側側部フレーム39は、その後部を後側縦フレーム37に着脱自在に取付け、内側側部フレーム39の前部は機体フレーム1に着脱自在に取付け、エンジン11の内側周辺を開放できるように構成している。
【0013】
前記内側アーム16には横軸回転のローラ45を設け、ローラ45を支持フレーム42の上面に当接させる。
そのため、内側アーム16の移動が円滑になり、キャビン12のオープン作業を容易にする。
前記支持フレーム42は、内側アーム16を固定側フレーム35に取付ける内側基部取付軸18を略中心とする円弧形状に形成する。
この支持フレーム42も、固定側フレーム35側に対して着脱自在に構成すると、支持フレーム42を外すことによりエンジン11の上方周辺を開放させられ、エンジン11を吊り上げて行うメンテナンス作業が可能になり、エンジン11のメンテナンス作業を容易にする。
しかして、キャビン12内のステップ10上には、駐車ブレーキペダル50を設ける。駐車ブレーキペダル50はキャビン12の左側の機体フレーム1に設けたミッションケース51のブレーキ(ブレーキディスク)52とロッドやアーム等により構成した操作伝達手段53により機械的に連結し、駐車ブレーキペダル50を踏み込むと、ミッションケース51内のブレーキディスクにより車軸54の回転を停止させる(図11)。
駐車ブレーキペダル50はペダルアーム部55の先端に設け、ペダルアーム部55の基部は機体フレーム1側に設けた取付部材56に取付軸57により回動自在に取付ける。
【0014】
前記駐車ブレーキペダル50は、ストッパ59により所定高さ位置に位置する非ブレーキ状態と、駐車ブレーキペダル50を踏み込んでミッションケース51のブレーキディスクを押し付けて機体停止状態とブレーキ状態とに位置を変更するが、非ブレーキ状態とブレーキ状態の何れの状態でも、キャビン12を開放位置へオープン操作を行えるように構成する。
そのため、駐車ブレーキペダル50がどの状態でもキャビン12をオープンさせられるので、キャビン12のオープン手順を簡単にする。それゆえ、キャビン12のオープン手順の誤操作を防止でき、駐車ブレーキペダル50の破損・変形あるいはキャビン12の作業位置への復帰不能といった不具合発生を防止する。
キャビン12のキャビンフレーム36には、駐車ブレーキペダル50を踏み込んだブレーキ状態と踏み込む前の非ブレーキ状態の何れの状態でも、駐車ブレーキペダル50を通過させうる開口部60を設ける。
開口部60は、キャビン12の操作パネル8のうちの側部操縦部61の下方に形成する(図3、なお、理解容易にするため、開口部60部分に斜線を付しているが、これにより構成は限定されない)。
開口部60は、前記駐車ブレーキペダル50の前端からペダルアーム部55の基部まで通過させうる大きさに形成する(図15)。
【0015】
開口部60は、通常作業状態では閉塞し、開口部60には側板62を工具不要の締め付けボルト(図示省略)等により着脱自在に取付ける。
なお、図12は、駐車ブレーキペダル50を展開状態で図示しているため、駐車ブレーキペダル50の前端は開口部60の前端より前側に位置しているが、開口部60は駐車ブレーキペダル50を通過させうる。
63は取付部材56を支持する支持部材、64は側板62を取付ける枠である。
前記駐車ブレーキペダル50には、駐車ブレーキペダル50のブレーキ状態を保持するロック機構70を設ける。ロック機構70は、駐車ブレーキペダル50の先側のペダルアーム部55にロック片71の基部を軸72により取付ける。駐車ブレーキペダル50の下方の所定位置にはロック片71が係合する係合ピン73を設ける。係合ピン73は前記取付部材56に設ける。
ロック片71の基部には前方に突出するロック解除用突出部75を一体状に設ける。ロック片71とロック解除用突出部75はバネ76により、ロック片71が係合ピン73に係合する方向に常時付勢し、ロック解除用突出部75が駐車ブレーキペダル50に当接してロック片71の回動を停止させる(図13)。
ロック片71の先端には、ロック片71が係合ピン73に当接すると、ロック片71をアンロック方向に退避させる誘導傾斜面77を設ける。
【0016】
ロック機構70は、駐車ブレーキペダル50を踏むと、ロック片71の先端の誘導傾斜面77が係合ピン73に当接し、更に駐車ブレーキペダル50を踏み込んで係合ピン73が誘導傾斜面77を通過すると、係合ピン73にロック片71の係合面78が係合してロックし、駐車ブレーキペダル50をブレーキ作動状態に保持する。
ブレーキ状態の駐車ブレーキペダル50のロック解除用突出部75を前側に踏むと、ロック片71は図13の時計方向に回動し、ロック片71の係合面78および誘導傾斜面77が係合面78から退避し、ロック機構70はアンロック状態になり、駐車ブレーキペダル50を元の非ブレーキ状態に復帰する。
したがって、ロック機構70は、駐車ブレーキペダル50を踏むとロックし、駐車ブレーキペダル50の先側のロック解除用突出部75を踏むとアンロックになり、操作が頗る容易である。
また、ペダルアーム部55にはペダルアーム部55を上方回動するよう付勢するバネ(図示省略)を設け、ロック解除用突出部75を踏んでアンロックにすると、自動的に非ブレーキ状態にする。
また、ロック機構70は、前後方向のペダルアーム部55の先端の駐車ブレーキペダル50の下方にロック片71を設け(図13)、駐車ブレーキペダル50の前側にロック解除用突出部75を設けているので、ロック機構70は、駐車ブレーキペダル50とロック片71とロック解除用突出部75とを直線状に配置でき、駐車ブレーキペダル50およびロック機構70の設置スペースを小さくする。
【0017】
駐車ブレーキペダル50の取付構成は任意であるが、前記固定側フレーム35の内側側部フレーム39に前記取付部材56を設け、取付部材56に前記取付軸57および前記係合ピン73を取付ける。
前記外側アーム17のオープン回動を容易にするため、外側アーム17には支持ローラ33の上方にはキャビン12の下面に当接する上側支持ローラ33Aを設ける(図6)。上側支持ローラ33Aは取付軸80を外側アーム17に設けた軸受部材81に軸装し、軸受部材81と取付軸80との間には弾性部材により形成した防振体82を介在させる(理解を容易にするために、防振体82に細点を付しているが、これにより構成は限定されない)。
そのため、機体フレーム1から外側アーム17を介してキャビン12に伝わる振動を抑制する。
また、図16は、外側アーム17の先端屈曲部17Aと外側先端取付軸22との間に防振体82を設けている。
そのため、機体フレーム1から外側アーム17を介してキャビン12に伝わる振動を抑制する。
また、図17は、内側アーム16に設けたローラ45の回転軸83に防振体82を設けたものである。
そのため、内側アーム16を介してキャビン12に伝わる振動を抑制する。
【0018】
しかして、エンジン11の外側に冷却用ファン85を設け、冷却用ファン85の外側にラジエーター86を設け、冷却用ファン85とラジエーター86との間に冷却用ファン85の外側を包囲するシュラウド87を設ける(図18)。
シュラウド87は、下側シュラウド88Aと上側シュラウド88Bとに分割形成し(図19)、下側シュラウド88Aは機体フレーム1側に取付け、上側シュラウド88Bは冷却用ファン85とラジエーター86との間に上方から脱着可能に構成する。
即ち、シュラウド87は冷却用ファン85の軸芯に対して上下から挟んで包囲するように設けるため、機体フレーム1側に設ける下側シュラウド88Aの取付が容易でないが、下側シュラウド88Aはエンジン11および冷却用ファン85と共に機体フレーム1側に取付け、キャビン12を取付ける固定側フレーム35に取付けたラジエーター86に下側シュラウド88Aを取付け、シュラウド87の取付が容易になる。
前記ラジエーター86の外側方にはオイルクーラー90を設ける。オイルクーラー90はエンジンカバー9が通常状態でエンジンカバー9の枠体91内に位置させる(図18)。
即ち、エンジンカバー9はエンジンカバー9の枠体91に防塵ネット92を設け、枠体91をラジエーター86側に当接させた通常状態では枠体91とラジエーター86との間にシール部材(図示省略)を介在させて、枠体91内には防塵ネット92を通った清浄な外気が入る構成とし、この防塵ネット92とラジエーター86の間にオイルクーラー90を設ける。
【0019】
そのため、オイルクーラー90を側面視および平面視でエンジンカバー9の枠体91の機体進行方向の左右および前後幅内に設置することができ、エンジンカバー9内の空間を有効利用でき、好適である。
オイルクーラー90とラジエーター86との間の所定位置にインタークーラー93とミッションオイルクラー94と燃料クーラー95を設ける(図18、図20、理解を容易にするために、図20ではインタークーラー93とミッションオイルクラー94と燃料クーラー95の一部に斜線を付しているが、これにより構成は限定されない)。
そのため、エンジンオイル、ミッションオイルと燃料の冷却が効率よく行える。
特に、燃料クーラー95を設けて、燃料の温度を低く保持できるので、燃料ポンプ関係の耐久性を向上させられる。
前記オイルクーラー90は、ラジエーター86側に取付軸96により縦軸回動自在に取付け(図22)、オイルクーラー90とラジエーター86との間に奥側(内側)防塵ネット97を設ける。
そのため、インタークーラー93とミッションオイルクラー94と燃料クーラー95は、奥側防塵ネット97の内側に位置するので、一層、塵埃等の付着を抑制でき、メンテナンス作業の頻度を少なくでき、メンテナンス作業の負担を軽減させられる。
【0020】
また、オイルクーラー90がラジエーター86側に取付軸取付軸96により縦軸回動自在に取付けられているので、オイルクーラー90を外側回動させると、奥側防塵ネット97の前面(機体進行方向に対して外側面)の付着物の除去等のメンテナンスを容易に行えて、好適である。
なお、エンジンカバー9は、図示は省略するが、前記固定側フレーム35の外側の後側縦フレーム38側に設けた縦軸43を回動支点として回動自在に取付け、エンジンカバー9をキャビン12に対して外側オープン可能な構成としている。
また、図示は省略するが、インタークーラー93とオイルクーラー90のとの間に機体進行方向の前後一対のレール状の取付部材を設け、この取付部材に前記奥側防塵ネット97を上方から挿入して着脱自在に取付ける。
前記オイルクーラー90を取付ける取付軸96は、機体進行方向前側に設け、オイルクーラー90の機体進行方向後側には固定用ステー98を設け、固定用ステー98はラジエーター86側に螺合する締め付けボルト99により固定する(図21)。
そのため、オイルクーラー90は締め付けボルト99により簡単に固定でき、また、締め付けボルト99を外すだけで、簡単に外側オープン可能となる。
【0021】
この場合、前記固定用ステー98と重なる部分の奥側防塵ネット97に板部材100を設け、固定用ステー98と板部材100とを重ねた状態で締め付けボルト99により固定すると、オイルクーラー90の固定構造を奥側防塵ネット97の固定構造と兼用でき、好適である。
しかして、防塵ネット92の内側には所定の幅(前後幅)を有して縦長の遮風プレート101をエンジンカバー9の幅方向(機体進行方向・前後方向)に往復移動自在に設ける。遮風プレート101は、エンジンカバー9の幅方向に移動する行程において、冷却用ファン冷却用ファン85の吸引作用で防塵ネット92に付着している付着物のうちの一部は遮風プレート101により冷却用ファン85の吸引風を遮断することで付着力を失わせて(低下させて)落下させると共に、その余の付着物は他の防塵ネット92の部分を通過する吸引風よりも流速が高く(速く)強い吸引力の吸引風が通る遮風プレート101の端縁付近の防塵ネット92部分に付着させたまま遮風プレート101と一緒に移動(連れ動ごか)させて防塵ネット92の目詰まりを除去する。
【0022】
遮風プレート101の移動構成は任意であるが、枠体91に伝動軸(リードカム軸)102を回転自在に軸装し、伝動軸102に伝動軸102の回転により軸心方向に移動する移動部材103を取付け、移動部材103は遮風プレート101に取付ける(図23)。
前記伝動軸102はモーター3.8により駆動回転し、伝動軸102の外周に設けたリードカム溝104に移動部材103の係合ピン105を係合させて移動させる。
前記移動部材103は、横軸筒部106に前記係合ピン105を設け、前記横軸筒部106を伝動軸102に挿通させて係合ピン105をリードカム溝104に係合させる。前記横軸筒部106の上面にはグリスタンク部107を一つあるいは複数設け、グリスタンク部107にはグリスを充填させる。横軸筒部106とグリスタンク部107の間にはグリスタンク部107と横軸筒部106の内周との間を連通する連通路108を設ける。
そのため、移動部材103が移動中にグリスタンク部107内のグリスが滲出して、移動部材103の移動を円滑にする。
109は蓋部材である。
【0023】
(実施例の作用)
操縦部6の運転座席7に着座し、エンジン11を始動させ、走行装置2により機体を走行させ、刈取装置4で刈取り、刈り取った穀稈を脱穀装置により脱穀する。
所定期間作業を作業すると、キャビン12を移動させてエンジン11の周囲を開放し、メンテナンス作業を行う。
キャビン12は、グレンタンク5の前側に位置する閉鎖位置と平面視キャビン12の一部または全部が機体フレーム1より側方にはみ出るように移動する開放位置との間、リンク機構15により移動自在に構成しているから、エンジン11の後側まで略開放できて、メンテナンス作業が容易になる。
リンク機構15は、内側アーム16と外側アーム17の二本のアームにより構成し、内側アーム16および外側アーム17の基部はエンジン11よりも後方の機体フレーム1の任意の固定部に内側基部取付軸18と外側基部取付軸19で回動自在に取付け、内側アーム16と外側アーム17の先端は、それぞれ運転座席7よりも前方に位置させ、キャビン12の所定部分に内側先端取付軸21と外側先端取付軸22により回動自在に取付けているので、内側基部取付軸18および外側基部取付軸19と内側先端取付軸21および外側先端取付軸22の四点を回動中心とするリンク機構15によりキャビン12が移動し、エンジン11の後側まで略開放できて、メンテナンス作業が容易になる。
【0024】
この場合、内側アーム16の内側基部取付軸18はキャビン12の左端(内側部分)よりキャビン12の左右方向の中央部分までの中間位置に配置し、外側アーム17の外側基部取付軸19はキャビン12の左右方向の中央部分よりキャビン12の右端(外側部分)までの中間位置あるいはキャビン12の右端側に位置するように配置しているので、キャビン12の移動範囲を大きくすることができる。
前記リンク機構15の外側アーム17は、前記機体フレーム1に出入り自在に設けた支持体30により支持するように構成しているので、外側アーム17を支持体30が支持するので、外側アーム17の変形を防止でき、キャビン12の外側オープン時の支持強度を向上させる。
支持体30は、機体フレーム1の左右方向の横枠横枠31内に左右方向に摺動自在に内蔵し、キャビン12が閉鎖位置のときは横枠31内に収納し、キャビン12を開放位置に外側回動させるとき、横枠31から支持体30を手作業により引き出して外側アーム17を支持するように構成しているので、支持体30は外側アーム17を下方から支持でき、支持強度を向上させられるので、外側アーム17の変形を防止でき、キャビン12の外側オープン時の支持強度を向上させる。
【0025】
また、支持体30は機体フレーム1の横枠31内に内蔵して格納しているので、支持体30の全長を長くすることができ、キャビン12の外側オープン量を大きくできる。
前記支持体30は、キャビン12を開放位置に外側回動させるとき、横枠31から支持体30を手作業により引き出すと、外側アーム17の支持ローラ33が支持体30の上面に当接して支持体30により下方から支持される。
そのため、キャビン12の外側オープンするとき、外側アーム17の下面と支持体30との接触抵抗を支持ローラ33が減少させるので、オープン作業を軽く行え、オープン作業を容易にする。
前記内側側部フレーム39と外側側部フレーム40との間には支持フレーム42を設け、支持フレーム42の上面を前記内側アーム16が移動するようにし、内側アーム16の移動を支持フレーム42が支持するように構成しているので、内側アーム16は支持フレーム42により前後中間部が支持されるので、内側アーム16の支持強度および取付強度を向上させ、内側アーム16の変形を抑制する。
前記内側アーム16には横軸回転のローラ45を設け、ローラ45を支持フレーム42の上面に当接させるので、内側アーム16の移動が円滑になり、キャビン12のオープン作業を容易にする。
【0026】
そのため、キャビン12は、リンク機構15の内側アーム16と外側アーム17に支持されて外側オープンするが、キャビン12の外側オープンするとき、内側アーム16と外側アーム17は、夫々ローラ45と支持ローラ33により夫々移動抵抗を減少させるので、キャビン12の左右側が内側アーム16と外側アーム17により支持して外側オープンすることができ、荷重を分散させ、しかも移動抵抗を軽減させてオープン作業を軽く行え、オープン作業を容易にする。
前記リンク機構15の内側アーム16と外側アーム17の基部を取付ける固定側フレーム35は機体フレーム1に取付け、固定側フレーム35に内側アーム16と外側アーム17の基部を取付けて、リンク機構15を固定側フレーム35側に取付け、固定側フレーム35に取付けた内側アーム16と外側アーム17にキャビン12のキャビンフレーム36を取付けるので、組み付け誤差がなく、調整も不要で、組付性が良い。
したがって、キャビン12を支持する固定側フレーム35にリンク機構15を取り付けて組立品として構成しているので、固定側フレーム35とリンク機構15の組立品を機体フレーム1に取付け、リンク機構15にキャビン12のキャビンフレーム36を取付けられ、組付・組立作業を容易にする。
【0027】
また、リンク機構15にキャビン12のキャビンフレーム36を取付ることができるので、キャビン12をリンク機構15に取付けた後に、各部に接続したハーネスをキャビン12の操作部に接続すれば良く、ハーネスを固定側とキャビン12側とに分断する必要がなく、接続作業が容易であると共に、電気的故障の発生を防止する。
また、図9のキャビン12は固定側フレーム35に、リンク機構15を介してキャビン12のキャビンフレーム36を取付け、図10のように固定側フレーム35をキャビン12ごと機体フレーム1に組み付けてもよく、組付・組立作業を容易にする。
固定側フレーム35の構成は、任意であるが、一例を示すと、左右一対(内外一対)の後側縦フレーム37、38を有し、内側後側縦フレーム37には前後方向の内側側部フレーム39を設け、また、外側後側縦フレーム38には前後方向の外側側部フレーム40を設け、内側側部フレーム39は、その後部を後側縦フレーム37に着脱自在に取付け、内側側部フレーム39の前部は機体フレーム1に着脱自在に取付け、エンジン11の内側周辺を開放できるように構成しているので、エンジン11のメンテナンス作業を容易にする。
【0028】
前記支持フレーム42も、内側側部フレーム39に対して着脱自在に構成すると、支持フレーム42を外すことによりエンジン11の上方周辺を開放させられ、エンジン11を吊り上げて行うメンテナンス作業が可能になり、エンジン11のメンテナンス作業を容易にする。
前記支持フレーム42は、内側側部フレーム39と共に取り外すと、エンジン11の上方周辺のみならず、エンジン11の内側付近空間を開放でき、エンジン11を吊り上げて行うメンテナンス作業を一層容易にする。
しかして、キャビン12内のステップ10上には、駐車ブレーキペダル50を設けているので、駐車ブレーキペダル50を踏むと、ミッションケース51のブレーキディスクにより車軸54の回転を停止させる。
駐車ブレーキペダル50はペダルアーム部55の先端に設け、ペダルアーム部55の基部は機体フレーム1側に設けた取付部材56に取付軸57により回動自在に取付け、ペダルアーム部55を上方回動するように付勢するバネ58を設けているので、通常、駐車ブレーキペダル50はバネ58により付勢されてステップ10の上方から離れて位置する。
【0029】
前記駐車ブレーキペダル50は、ストッパ59により所定高さ位置に位置する非ブレーキ状態と、駐車ブレーキペダル50を踏み込んでミッションケース51のブレーキディスクを押し付けて機体停止状態とブレーキ状態とに位置を変更するが、非ブレーキ状態とブレーキ状態の何れの状態でも、キャビン12を開放位置へオープン操作を行えるように構成しているので、駐車ブレーキペダル50がどの状態でもキャビン12をオープンさせられるので、キャビン12のオープン手順を簡単にする。
それゆえ、キャビン12のオープン手順の誤操作を防止でき、駐車ブレーキペダル50の破損・変形あるいはキャビン12の作業位置への復帰不能といった不具合発生を防止する。
キャビン12のキャビンフレーム36には、駐車ブレーキペダル50を踏み込んだブレーキ状態と踏み込む前の非ブレーキ状態の何れの状態でも、駐車ブレーキペダル50を通過させうる開口部開口部60を設けているので、キャビン12を外側オープンさせると、駐車ブレーキペダル50およびペダルアーム部55は開口部60を通過し、駐車ブレーキペダル50を機体側に残したまま、キャビン12を外側オープンさせてメンテナンス等行い、メンテナンス終了後、駐車ブレーキペダル50を開口部60より通過させながらキャビン12を通常位置に戻す。
【0030】
開口部60は、キャビン12の操作パネル8のうちの側部操縦部61の下方とステップ10との間に形成しているので、開口部60は駐車ブレーキペダル50およびペダルアーム部55を十分に通過させる面積を有する。
また、開口部60は、側板62を工具不要の締め付けボルト(図示省略)等により着脱自在に取付けているので、通常作業状態では開口部60を閉塞し、キャビン12を外側オープンさせるとき、側板62を取り外す。
駐車ブレーキペダル50には、駐車ブレーキペダル50のブレーキ状態を保持するロック機構70を設け、ロック機構70は、駐車ブレーキペダル50の先側のペダルアーム部55にロック片71の基部を軸72により取付けているので、駐車ブレーキペダル50を踏むと、ロック片71の先端の誘導傾斜面77が係合ピン73に当接し、更に駐車ブレーキペダル50を踏み込んで係合ピン73が誘導傾斜面77を通過すると、係合ピン73にロック片71の係合面78が係合してロックし、駐車ブレーキペダル50をブレーキ作動状態に保持する。
ロック片71の基部には前方に突出するロック解除用突出部75を一体状に設けているので、ブレーキ状態の駐車ブレーキペダル50のロック解除用突出部75を前側に踏むと、ロック片71は図13の時計方向に回動し、ロック片71の係合面78および誘導傾斜面77が係合面78から退避し、ロック機構70はアンロック状態になり、駐車ブレーキペダル50を元の非ブレーキ状態に復帰する。
【0031】
したがって、ロック機構70は、駐車ブレーキペダル50を踏むとロックし、駐車ブレーキペダル50の先側のロック解除用突出部75を踏むとアンロックになり、操作が頗る容易である。
また、ロック機構70は、前後方向のペダルアーム部55の先端の駐車ブレーキペダル50の下方にロック片71を設け、駐車ブレーキペダル50の前側にロック解除用突出部75を設けているので、ロック機構70は、駐車ブレーキペダル50とロック片71とロック解除用突出部75とを直線状に配置でき、駐車ブレーキペダル50およびロック機構70の設置スペースを小さくする。
前記外側アーム17の上側支持ローラ33Aは取付軸80を外側アーム17に設けた軸受部材81に軸装し、軸受部材81と取付軸80との間には弾性部材により形成した防振体82を介在させているので、機体フレーム1から外側アーム17を介してキャビン12に伝わる振動を抑制する。
また、図16の実施例では、外側アーム17と外側先端取付軸22との間に防振体82を設けているので、機体フレーム1から外側アーム17を介してキャビン12に伝わる振動を抑制する。
【0032】
また、図17の実施例では、内側アーム16に設けたローラ45の回転軸回転軸83に防振体82を設けているので、内側アーム16を介してキャビン12に伝わる振動を抑制する。
なお、前記した各実施例は、理解を容易にするために、個別または混在させて図示および説明しているが、これらの実施例は夫々種々組合せ可能であり、これらの表現.によって、構成・作用等が限定されるものではなく、また、相乗効果を奏する場合も勿論存在する。
【符号の説明】
【0033】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取装置、5…グレンタンク、6…操縦部、7…運転座席、8…操作パネル、9…エンジンカバー、11…エンジン、12…キャビン、15…リンク機構、16…内側アーム、17…外側アーム、18…内側基部取付軸、19…外側基部取付軸、21…内側先端取付軸、22…外側先端取付軸、30…支持アーム、31…横枠、33…支持ローラ33、34…ストッパ部材、34A…当接部、34B…ボルト、34C…取付部材、35…固定側フレーム、36…キャビンフレーム、37…後側縦フレーム、38…後側縦フレーム、39…内側側部フレーム、40…外側側部フレーム、50…駐車ブレーキペダル、53…操作伝達手段、54…車軸、55…ペダルアーム部、56…取付部材、57…取付軸、60…開口部、61…側部操縦部、62…側板、70…ロック機構、71…ロック片、72…軸、73…係合ピン、75…ロック解除用突出部、76…バネ、77…誘導傾斜面、78…係合面、80…取付軸、81…軸受部材、82…防振体、83…回転軸、85…冷却用ファン、86…ラジエーター、87…シュラウド、88A…下側シュラウド、88B…上側シュラウド、90…オイルクーラー、91…枠体、92…防塵ネット、93…インタークーラー、94…ミッションオイルクラー、95…燃料クーラー、96…取付軸、97…奥側防塵ネット、98…固定用ステー、99…締め付けボルト、100…板部材、101…遮風プレート、102…伝動軸、103…移動部材、104…リードカム溝、105…係合ピン、106…横軸筒部、107…グリスタンク部、108…連通路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方に走行装置(2)を備えた機体フレーム(1)の上部に脱穀装置(3)を設け、該脱穀装置(3)の前側に刈取装置(4)を設け、前記脱穀装置(3)の右側にグレンタンク(5)を設け、該グレンタンク(5)の前側の機体フレーム(1)上にエンジン(11)を設け、該エンジン(11)を覆うエンジンカバー(9)と一体のキャビン(12)を設け、該キャビン(12)はグレンタンク(5)の前側に位置する閉鎖位置とキャビン(12)の一部または全部が機体フレーム(1)の右外側方へ移動した開放位置との間にわたりリンク機構(15)により移動自在に支持し、該リンク機構(15)は、基部を内側基部取付軸(18)と外側基部取付軸(19)とで固定側フレーム(35)に夫々回動自在に取付けた内側アーム(16)と外側アーム(17)を備え、内側アーム(16)と外側アーム(17)の先端部を、内側先端取付軸(21)および外側先端取付軸(22)により前記キャビン(12)側に夫々回動自在に取り付けて、前記内側基部取付軸(18)および外側基部取付軸(19)と内側先端取付軸(21)および外側先端取付軸(22)の四点を回動支点とする構成とし、前記キャビン(12)内のステップ(10)上には、機体の走行停止状態を保持する駐車ブレーキペダル(50)を設け、該駐車ブレーキペダル(50)を先端に設けたペダルアーム部(55)の基部を、機体フレーム1側に設けた取付部材(56)に取付軸(57)により回動自在に取付けると共に、該、ペダルアーム部(55)を上方回動するように付勢するバネを設け、前記駐車ブレーキペダル(50)は、ステップ(10)の上面よりも所定高さだけ高い位置に位置する非ブレーキ状態と、機体停止状態を保持するブレーキ状態とに位置切替自在に構成し、前記駐車ブレーキペダル(50)が非ブレーキ状態またはブレーキ状態の何れの状態でも、キャビン(12)を開放位置へ移動可能な構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記キャビン(12)のキャビンフレーム(36)の左側端部には、駐車ブレーキペダル(50)を踏み込んだブレーキ状態と踏み込む前の非ブレーキ状態の何れの状態でも、駐車ブレーキペダル(50)を通過させうる開口部(60)を設け、該開口部(60)はキャビン(12)の操作パネル(8)のうちの側部操縦部(61)とステップ(10)との間に形成し、該開口部(60)には側板(62)を着脱自在に取付けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、前記駐車ブレーキペダル(50)には、該駐車ブレーキペダル(50)をブレーキ状態に保持するロック機構(70)を設け、該ロック機構(70)は、前記駐車ブレーキペダル(50)よりも先端側のペダルアーム部(55)の部位に、係合ピン(73)に係合する係合面(78)と該係合ピン(73)に当接する係合ピン(73)から退避するように誘導する誘導傾斜面(77)を有するロック片(71)の基部を軸(72)により取付け、該ロック片(71)を係合ピン(73)に係合する方向に付勢するバネ(76)を設け、ロック片(71)にロック解除用突出部(75)を設ける構成としたことを特徴とするコンバイン。
【請求項4】
請求項3において、前記ロック片(71)の基部には前方に突出するロック解除用突出部(75)を一体的に設けたことを特徴とするコンバイン。
【請求項5】
請求項4において、前記ペダルアーム部(55)の先端側の駐車ブレーキペダル(50)の下方の部位にロック片(71)を設け、駐車ブレーキペダル(50)の前側にロック解除用突出部(75)を設けたことを特徴とするコンバイン。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2011−188779(P2011−188779A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−56591(P2010−56591)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】