説明

コンバイン

【課題】固有振動が小さく、保守作業を容易行なうことができる内部空間を有する扱胴を備えたコンバインを提供する。
【解決手段】上記課題は、扱胴(100)を扱胴軸(103)の前部に支持した前部支持部材(101)及び後部に支持した後部支持部材(102)と、前部支持部材(101)及び後部支持部材(102)の外周部に亘って設置された多数の扱歯(107)を有する複数の扱胴フレーム(104)とから構成し、扱胴フレーム(104)を前部支持部材(101)及び後部支持部材(102)の周方向に不均一な間隔で並設することにより解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扱胴を有する脱穀装置を備えたコンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、脱穀処理物の滞留や脱穀処理物の扱室の処理空間における飽和を回避する為に、内部空間を有する扱胴を備えた汎用コンバインが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−220563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の内部空間を有する扱胴は、扱歯を備えた扱胴フレームを扱胴の前後支持部材の周方向に等間隔に並設している。その為、処理物の脱穀時に、扱歯と脱穀処理物が一定の周期に衝突することによって一定周期の大きな振動、騒音を発生させる虞がある。
又、扱歯と脱穀処理物の衝突によって発生する一定周期の振動により扱歯が早期に摩耗し耐久性が低下する虞もある。
【0005】
そこで、本発明の主たる課題は、かかる問題点を解消することにあり、次なる課題は、保守・点検を容易行なうことができる内部空間を有する扱胴を備えたコンバインを提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、圃場に植立する穀稈を刈り取る刈取装置(4)と、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀装置(3)と、脱穀された穀粒を貯留するグレンタンク(5)を備えるコンバインにおいて、
前記脱穀装置(3)の扱室(11)内に機体前後方向の扱胴軸(103)で軸架された扱胴(100)を設け、該扱胴(100)は、扱胴軸(103)の前部に支持した前部支持部材(101)と、扱胴軸(103)の後部に支持した後部支持部材(102)と、該前部支持部材(101)の外周部と後部支持部材(102)の外周部に亘って設置された多数の扱歯(107)を有する複数の扱胴フレーム(104)とから構成し、該扱胴フレーム(104)を前部支持部材(101)及び後部支持部材(102)の周方向に不均一な間隔で並設したことを特徴とするコンバインである。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記多数の扱歯(107)を、扱胴フレーム(104)から外周方向に突出させると共に前後方向に均一な間隔で並設したことを特徴とする請求項1記載のコンバインある。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記多数の扱歯(107)を、扱胴フレーム(104)から外周方向及び内周方向に突出させると共に前後方向に均一な間隔で並設したことを特徴とする請求項1記載のコンバインである。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記扱胴フレーム(104)の扱歯(107)と該扱胴フレーム(104)に隣接する扱胴フレーム(104)の扱歯(107)は、各扱胴フレーム(104)に対する前後方向の設置位置、扱歯枚数、又は扱歯径のいずれかを相違させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバインである。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記扱胴(100)は、前側扱胴(110)と後側扱胴(120)とに分割形成され、前記前側扱胴(110)は、扱胴軸(103)の前部及び中間部に軸支された第一前部支持部材(111)及び第一後部支持部材(112)と、該第一前部支持部材(111)の外周部と第一後部支持部材(112)の外周部に亘って設置された多数の第一扱歯(117)を有する複数の第一扱胴フレーム(114)とから構成され、前記後側扱胴(120)は、扱胴軸(103)の中間部及び後部に軸支された第二前部支持部材(121)及び第二後部支持部材(122)と、該第二前部支持部材(121)の外周部と第二後部支持部材(122)の外周部に亘って設置された多数の第二扱歯(127)を有する複数の第二扱胴フレーム(124)とから構成され、前記第一後部支持部材(112)と第二前部支持部材(121)とは相互に連結され、前記第一扱胴フレーム(114)は第一前部支持部材(111)及び第一後部支持部材(112)の周方向に不均一な間隔で並設され、前記第二扱胴フレーム(124)は第二前部支持部材(121)及び第二後部支持部材(122)の周方向に不均一な間隔で並設されていることを特徴とする請求項1記載のコンバインである。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記第一扱歯(117)と、第二扱歯(127)の夫々を、第一扱胴フレーム(114)及び第二扱胴フレーム(124)から外周方向に突出させると共に前後方向に均一な間隔で並設したことを特徴とする請求項5記載のコンバインである。
【0012】
請求項7記載の発明は、前記第一扱歯(117)の扱歯枚数を第二扱歯(127)の扱歯枚数よりも多くしたことを特徴とする請求項5記載のコンバインである。
【0013】
請求項8記載の発明は、前記第一扱歯(117)の扱歯径を第二扱歯(127)の扱歯径よりも大径としたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のコンバインである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、扱胴(100)の扱歯(107)を有する複数の扱胴フレーム(104)を、前部支持部材(101)及び後部支持部材(102)の周方向に不均一な間隔で並設しているので、脱穀時に扱歯(107)又は扱胴フレーム(104)と穀稈が不規則な周期で衝突する為に、一定周期で発生する振動、騒音を低減することができる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、外周方向に突出する扱歯(107)が均一な間隔で並設されているので、扱胴(100)の前後方向の全域において、穀稈に均一な脱穀作用を与えることができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、外内周方向に突出する扱歯(107)が均一な間隔で並設されているので、扱胴(100)の前後方向の全域において穀稈に均一な脱穀作用を与えることができ、扱胴(100)の内部空間に滞留する刈取物を外方に掻き出すことができる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、互いに隣接する扱胴フレーム(104,104)の扱歯(107)の設置位置、扱歯枚数又は扱歯径のいずれかが相違するので、扱歯(107)と該扱歯(107)に隣接する扱歯(107)への穀稈の絡まりを低減し、脱穀を効率良く行なうことができる。
【0018】
請求項5記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、扱胴(100)が前側扱胴(110)と後側扱胴(120)から構成されているので、穀稈の種類に適した第一扱胴フレーム(114)及び第二扱胴フレーム(124)を容易に装着することができる。
【0019】
請求項6記載の発明によれば、請求項5記載の発明の効果に加えて、外周方向に突出する第一扱歯(117)及び第二扱歯(127)が前後方向に均一な間隔で並設されているので、扱胴(100)の前後方向の全域において穀稈に均一な脱穀作用を与えることができ、第一扱胴フレーム(114)及び第二扱胴フレーム(124)の共有化を図ることができ保守用部品を削減することができる。
【0020】
請求項8記載の発明によれば、請求項5記載の発明の効果に加えて、前側扱胴(110)の第一扱歯(117)の扱歯枚数が多く並設されているので、多量の穀稈の脱穀を前側扱胴(110)で行ない、前側扱胴(110)によって脱穀できなかった少量の穀稈の脱穀を後側扱胴(120)で行なうことができる為に脱穀性能を高めることができる。
【0021】
請求項9記載の発明によれば、請求項5〜8のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、第一扱歯(117)の扱歯径が大径とされているので、穀稈との衝突によって早期に摩耗しがちな第一扱歯(117)の耐久性能を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】コンバインの左側面図である。
【図2】コンバインの平面図である。
【図3】コンバインの正面図である。
【図4】コンバインの背面図である。
【図5】脱穀装置の縦断側面図である。
【図6】脱穀装置の縦断正面図である。
【図7】第1実施形態の(a)は扱胴の正面図、(b)は扱胴の左側面図である。
【図8】変形例1の扱歯の説明図である。
【図9】変形例2の扱歯の説明図である。
【図10】変形例3の扱歯の説明図である。
【図11】変形例4の扱歯の説明図である。
【図12】変形例5の扱歯の説明図である。
【図13】変形例6の(a)は扱胴フレームと扱歯、(b)は隣接する扱胴フレームと扱歯の説明図である。
【図14】変形例7の(a)は扱胴フレームと扱歯、(b)は隣接する扱胴フレームと扱歯の説明図である。
【図15】変形例8の(a)は扱胴フレームと扱歯、(b)は隣接する扱胴フレームと扱歯の説明図である。
【図16】第2実施形態の(a)は扱胴の正面図、(b)は扱胴の左側面図である。
【図17】変形例9の(a)は前側扱胴フレームと前側扱歯、(b)は後側扱胴フレームと後側扱歯の説明図である。
【図18】変形例10の(a)は前側扱胴フレームと前側扱歯、(b)は後側扱胴フレームと後側扱歯の説明図である。
【図19】変形例11の(a)は前側扱胴フレームと前側扱歯、(b)は後側扱胴フレームと後側扱歯の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の第1実施形態について添付図面を参照しつつ詳説する。なお、理解を容易にするため、便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
【0024】
図1〜図4に示すように、汎用コンバイン9の機体フレーム1の下方には土壌面を走行する為の左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の上方左側には脱穀・選別を行なう脱穀装置3が設けられ、脱穀装置3の前側には圃場の穀桿を収穫する刈取装置4が設けられている。刈取装置4で刈取られた穀桿は供給搬送装置8によって脱穀装置3に搬送さ、脱穀装置3で脱穀・選別された穀粒は脱穀装置3の右側に設けられたグレンタンク5に貯留され、貯留された穀粒は排出筒7により外部へ排出される。又、車台2の上方右側には操作者が搭乗する操作席を備えた操縦部6が設けられている。
【0025】
図5,図6に示すように、刈取装置4によって刈取られた穀稈は供給搬送装置8により揚上搬送され、その過程で株元側が側方に持ち上がるように姿勢変更され且つ脱穀装置3における扱ぎ深さが調整された後に脱穀部搬送装置12に受け渡される。脱穀部搬送装置12では、穀稈の株元側をフィードチェン13Bと挟持杆13Aとの間で挟持してその穂先側を脱穀装置3の扱室11内に通過させて脱穀を行いつつ後方に搬送する。脱穀済みの排藁は、排藁搬送装置14に引き継がれる。
【0026】
(扱室)
脱穀装置3は穀稈の脱穀を行う扱室11を上部に備えている。この扱室11内には前隔壁11Hと後隔壁11Lに支持された扱胴軸103に軸支され回転可能に架設された扱胴100が設けられており、扱胴100の下方側には扱胴100の外周に沿って包囲するように扱網15が張設されている。扱室11に供給された穀稈は、正面視において、時計方向に回転する扱胴100と扱網15との間で脱穀され、脱穀された穀粒は扱網15から漏下して選別室18に供給され、揺動選別装置21により選別される。
【0027】
扱室11は、前隔壁11Hと中間仕切壁11Kの間の部分で構成され、中間仕切壁11Kと後隔壁11Lの間には排塵処理室30への連通口35が形成されている。また、扱胴100は中間仕切壁11Kを貫通し後方に延在している。そして、後方に延在させた扱胴100の下方にはフィードチェン13B側に穀稈支持板11Pを設けている。
扱室11の側面には、穀稈の穂先側を扱胴100の扱歯107の作用域へ供給した状態で後送するための扱ぎ口11iが形成され、この扱ぎ口11iに沿って、フィードチェン13Bが配置される。扱室11で脱穀された処理物のうち扱網15から漏下しない処理物は連通口35を介して排塵処理室30に供給される。一方、扱室11を通過した穀稈は排藁搬送装置14に引き継がれる。
【0028】
扱室11の上方を覆う上部カバー11Uは、脱穀部搬送装置12と反対側に位置する前後方向に沿う支軸を支点として揺動開閉するように構成されており、この上部カバー11Uに挟持杆13Aが取り付けられ、挟持杆13Aも上部カバー11Uに伴って揺動開閉するように構成されている。
【0029】
(扱胴)
図7に示すように、扱胴100は、孔開きプレートからなる前部プレート(前部支持部材)101及び後部プレート(後部支持部材)102と、該前部プレート101及び後部プレート102の周方向に不均一な間隔を隔てて扱胴軸103に沿う姿勢で並設されたコ形状断面の角鋼材からなる9本の扱胴フレーム104で構成され、前部プレート101及び後部プレート102は、中心部が扱胴軸103に軸支された十字形状の前部支持フレーム105及び後部支持フレーム106の外周端部に支持されている。なお、前部プレート101及び後部プレート102は、直接扱胴軸103に支持することもでき、扱胴フレーム104は、丸棒鋼材、角棒鋼材、角パイプ鋼材、アングル材、又はチャンネル材を用いることができる。
【0030】
各扱胴フレーム104A〜104Iは、正面視において、12時の方向に設けられた扱胴フレーム104Aから時計回りに順に対角25°、35°、55°、55°、25°、35°、55°、55°の前部プレート101及び後部プレート102の側部にそれぞれ不均一間隔に並設され、着脱可能にボルト等の締結手段によって連結されている。
【0031】
各扱胴フレーム104A〜104Iには、それぞれ丸棒鋼材からなる複数の扱歯107A〜107Iが外周方向に突出し、前後方向に所定の間隔を隔てて並設され、側面視において、相互に隣接する扱胴フレーム104A〜104Iの扱歯107A〜107Iは略千鳥状に設けられている。すなわち、扱胴フレーム104A〜104Cの扱歯107A〜107Cを例に挙げて詳述すると、扱胴フレーム(隣接扱胴フレーム)104Bの7枚の扱歯(隣接扱歯)107Bは、隣接する扱胴フレーム104Aの7枚の扱歯107A、同じく隣接する扱胴フレーム104Cの7枚の扱歯107Cの前後方向の略中心位置にそれぞれ設けられ、扱胴フレーム104Aの7枚の扱歯107Aと扱胴フレーム104Cの7枚の扱歯107Cとは前後方向の略同一位置にそれぞれ設けられている。なお、扱歯107は、プレート鋼材、角棒鋼材、角パイプ鋼材を用いることができる。
【0032】
扱胴フレーム104の設置本数、並設位置は上述の形態に限定されることはなく、複数の扱胴フレーム104を全体として前部プレート101及び後部プレート102の周方向に不均一間隔に隔てて設ければ良い。すなわち、一部の扱胴フレーム104が前部プレート101及び後部プレート102の周方向に均一間隔に隔てて並設されていても、その他の扱胴フレーム104が前部プレート101及び後部プレート102の周方向に不均一間隔に隔てて並設されていれば良く、扱胴フレーム104又は扱胴フレーム104に設けられた扱歯107と穀稈とは不規則な周期をもって衝突するため一定周期の振動、騒音の低減が図られる。
【0033】
又、扱歯107の設置枚数、設置形態等は上述の形態に限定されることはなく、以下の変形例を採用することができる。なお、第1実施形態と同一部材には同一符号を付し重複した説明は省略する。
<変形形1>
図8に示すように、扱胴フレーム104には外周方向に突出する6枚の扱歯107が並設している。変形例1は、脱穀時における穀稈の詰まりを防止する為に、上述した第1実施形態と異なり、前後方向の配置間隔を広げて等間隔に6枚の扱歯107を並設し取付けている。
【0034】
<変形例2>
図9に示すように、扱胴フレーム104には外内周方向に突出する6枚の扱歯107が並設している。変形例2は、脱穀時における穀稈の詰まりを防止し、扱胴100の内側の穀稈の滞留を防止する為に、前述した第1実施形態と異なり、前後方向の配置間隔を広げて等間隔に6枚の扱歯107を並設し、且つ、各扱歯107は扱胴フレーム104を貫通し外内周方向に突出して取付けている。
【0035】
<変形例3>
図10に示すように、扱胴フレーム104には外周方向に突出する6枚のプレート鋼材からなる扱歯107が並設している。変形例3は、脱穀時における穀稈の詰まりを防止し、穀稈の後方への移送を効率的に行なう為に、前述した第1実施形態と異なり、前後方向の配置間隔を広げて等間隔に6枚の板状鋼材からなる扱歯107を並設し、且つ、プレート鋼材からなる扱歯107を扱胴100の回転方向に対して約20°の送り角θを持って並設して取付けている。
【0036】
<変形例4>
図11に示すように、前部プレート101及び後部プレート102の周方向に不均一間隔に隔てて5本の扱胴フレーム104が並設している。変形例4は、脱穀時における穀稈の詰まりを防止し、扱胴100と扱網15の間に穀稈を効率的に搬送する為に、前述した第1実施形態と異なり、前部プレート101及び後部プレート102の周方向に不均一間隔に隔てて5本の扱胴フレーム104を並設し、各扱胴フレーム104の扱歯107を約45°の前進角βを持って並設して取付けている。
【0037】
<変形例5>
図12に示すように、前部プレート101及び後部プレート102の周方向に不均一間隔に隔てて5本の扱胴フレーム104が周設している。変形例5は、脱穀時における穀稈の詰まりを防止し、扱胴100の内側の穀稈の滞留を防止する為に、前述した第1実施形態と異なり、前部プレート101及び後部プレート102の周方向に不均一間隔に隔てて5本の扱胴フレーム104を周設し、各扱胴フレーム104の扱歯107を約45°の後退角γを持って並設して取付けている。
【0038】
<変形例6>
図13に示すように、扱胴フレーム104、例えば、扱胴フレーム104Bには外内周方向に突出する6枚の扱歯107Bが並設し、隣接する扱胴フレーム104、例えば、扱胴フレーム104Cには外内周方向に突出する5枚の扱歯107Cが並設している。変形例6は、脱穀時における穀稈の詰まりを防止する為に、上述した第1実施形態と異なり、扱胴フレーム104Bには前後方向の配置間隔を広げて等間隔に6枚の扱歯107Bを並設し、隣接する扱胴フレーム104Cには前後方向の配置間隔を広げて等間隔に5枚の扱歯107Cを並設し、各扱歯107Cは対向する扱歯107B,107Bの前後方向の中心に並設して取付けている。
【0039】
<変形例7>
図14に示すように、扱胴フレーム104、例えば、扱胴フレーム104Aには外内周方向に突出する11枚の扱歯107Aが等間隔に並設し、扱胴フレーム104、例えば、扱胴フレーム104Bには外内周方向に突出する6枚の扱歯107Bが等間隔に並設している。変形例7は、脱穀を効率的に行なう為に、上述した第1実施形態と異なり、扱胴フレーム104Aには、隣接する扱胴フレーム104Bの6枚の扱歯107Bに対向する位置にも6枚の扱歯107Aを並設して取付け、扱歯107Aの間隔が狭くなっている。
【0040】
<変形例8>
図15に示すように、扱胴フレーム104、例えば、扱胴フレーム104Bには外内周方向に突出する6枚の扱歯107Bが等間隔に並設され、扱胴フレーム104、例えば、扱胴フレーム104Cには外内周方向に突出する6枚の扱歯107Bが等間隔に並設している。変形例8は、脱穀を効率的に行なう為に、上述した第1実施形態と異なり、扱胴フレーム104Bには、隣接する扱胴フレーム104Cの6枚の扱歯107Bに対向する位置に6枚の扱歯107Bを並設し、且つ、扱胴フレーム104Cの扱歯107Cの径は扱胴フレーム104Bの扱歯107Bの径に対して約2倍に設定している。
【0041】
(選別室)
図5に示すように、扱室11の扱網15の下方には、扱網15から漏下する脱穀処理物を穀粒とそれ以外の物とに選別するための選別室18が形成されており、選別室18の上部には前後方向に往復揺動する揺動選別棚20により構成された揺動選別装置21が設けられ、選別室18の下部には、第一唐箕16、一番受樋19A、第二唐箕17、及び二番受樋19Bが揺動選別棚20の移送方向に(前から後ろに向かって)この順で設けられている。
【0042】
揺動選別棚20の始端部(前端部)は、唐箕ケーシング16Cの上方に位置する移送棚22として形成されている。移送棚22の構成は任意であり、移送方向下流側を低く傾斜させたり、あるいは、移送棚22の上面に突起や凹凸を設けたりして、揺動選別装置21の移送方向下流側のシーブ24に向けて扱網15からの漏下物を移送できればよい。
【0043】
シーブ24は、扱網15から直接漏下する又は移送棚22を介して送り込まれる穀粒と異物とを選別する篩であり、図示例では、移送方向下流側(後側)が高くなるように傾斜した薄い板状体からなるシーブ部材24bを揺動方向に所定の間隔を空けて平行に複数並設したものであり、前後方向に対する傾斜角度を自在に調整できるものである。また、シーブ24の前側上部には排塵処理室30の連通口35から脱落する処理物を後方に移送する後部にストローラック91が設けられた排塵体90が取付けられている。
【0044】
シーブ24の下流側には、シーブ24から漏下しなかった比較的大きな藁屑中から枝梗付着粒等を篩い選別し、これらを後述する二番受樋19B上に漏下させるために、ストローラック25が設けられている。
【0045】
また、揺動選別棚20には、移送棚22の後端部から延出してシーブ24からの漏下物を受けるバケット状のグレンパン20Gが設けられるととともに、このグレンパン20Gの下方に、シーブ24から漏下した粗選物を中選別する選別網28が設けられている。
【0046】
揺動選別棚20の下方における選別風送り方向上手側には、揺動選別棚20と一番受樋19Aとの間に臨む送風口65を備えた第一唐箕16が設けられており、送風口65の下手側に一番受樋19Aが設けられ、一番受樋19A内には、グレンタンク5へ連通する螺旋コンベア式の一番コンベア26が配置されている。又、一番受樋19Aは、その前側の部分が第一唐箕16のケーシング16Cに一体的に繋がれるとともに、その後側の部分は一番棚先29まで延在され、一番棚先29は、上側の揺動選別棚20のシーブ24終端に向けて斜め上方へ傾斜して設けられている。
【0047】
一番棚先29の下方には一番棚先29と二番受樋19Bとの間に臨む送風口66を備えた第二唐箕17が設けられており、送風口66の下手側に二番受樋19Bが設けられ、二番受樋19B内には、二番処理室40へ連通する螺旋コンベア式の二番コンベア27が配置されている。二番受樋19Bは、その前側の部分が第二唐箕17のケーシング17Cに一体的に繋がれるとともに、その後側の部分は揺動選別棚20の終端に向けて斜め上方へ傾斜して設けられている。
又、第二唐箕17の選別風送は送風口66は一番棚先29の背面に沿って排塵口(三番口)56へ向かって吹き出すように構成されている。
【0048】
揺動選別棚20は、上下前後方向に揺動するので、被処理物は後方側へ移動しながら、第一唐箕16からの送風を受けて風力選別され、比重の重い穀粒はシーブ24を漏下して選別網28上に供給され、選別網28上の被処理物は、更に第一唐箕16からの選別風を下側から受けて細かな藁屑が吹き飛ばされながら後方に移送され、この移送中に選別網28から漏下したものが一番受樋19Aにより回収され、一番コンベア26で搬送されてグレンタンク5へ投入される。グレンタンク5に貯留された穀粒は、排出筒7を介してコンバインの外部へ搬出される。このように、選別網28から漏下して一番受樋19Aで回収される処理物は、枝梗付着の少ない穀粒(清粒)が主である。
【0049】
一方、選別網28から漏下しないものは、この選別網28上を後方へ移送されて選別網28の後方から落下して二番受樋19Bに至り回収される。選別網28から漏下せずに二番受樋19Bに供給される被処理物は、枝梗付着粒や小さな藁屑等が主である。
【0050】
揺動選別棚20上の被処理物のうち軽量のものは、シーブ24を漏下せず、揺動選別棚20の揺動作用と第二唐箕17による送風で吹き飛ばされてシーブ24の上を後方へ移動し、ストローラック25の上で大きさの小さい二番物は漏下して二番受樋19Bにより回収される。シーブ24の後部やストローラック25から漏下して二番コンベア27により二番処理室40へ供給される。二番コンベア27に取り込まれるものは、枝梗付着粒、藁屑および藁屑の中に混在した穀粒などの混合物である。これら枝梗付着粒や藁屑を二番還元物として再処理する。また、シーブ24及びストローラック25から漏下しない被処理物(主に藁屑)は、更に後方へ移送されて三番排塵口56から排出される。この中には僅かな穀粒が含まれていることがあり、この比率によって、脱穀装置の選別精度が評価される。
【0051】
(排塵処理室)
扱室11の後端部は連通口35を介して排塵処理室30に連通されている。排塵処理室30内には、扱胴100の軸心と略平行な排塵処理胴31が軸装されており、正面視において時計方向に回転している。排塵処理室30の周壁のうち揺動選別棚20側(正面に向かって左側)の下部は、後端部に処理物排出口33が形成されるとともに、この排出口33と連通口35との間の部分が受網により形成されている。排塵処理胴31の外周面のうち、処理物の移送方向の初端部(前端部)にはスクリュー羽根体37が設けられている。
【0052】
排塵処理室30に供給された被処理物は、回転する排塵処理胴31により終端側に移動されつつ解砕処理される過程で、受網から揺動選別棚20上に漏下されるか、又は排塵処理室30の終端閉塞部に至った後に、排出口33を介して揺動選別棚20のストローラック25上に排出される。これら排出処理物は、揺動選別棚20により選別されて穀粒は回収され、藁屑等は機外に排出される。排塵処理室30に供給される被処理物中には、少量ながら枝梗の付着した穀粒が含まれており、この枝梗付着粒および小さな藁屑が受網及び処理物排出口33から揺動選別棚20に落下する。
【0053】
(二番処理室)
排塵処理室30の前側には、二番物を処理して還元するための二番処理室40が設けられている。二番処理室40内には、外周面に間欠螺旋羽根を有する二番処理胴41が排塵処理胴31と同心的かつ直列的に軸装されており正面視において時計方向に回転している。二番処理室40における二番処理胴41の下方は、その終端部を除いて樋状の受板により包囲されており、その側部上方は開口しており、その開口部は扱網15の側部下方に位置し、扱網15の側部から漏れ出る漏出物は二番物として二番処理室40に供給されるようになっている。また、二番処理室40における二番処理胴41の終端部(前端部)の下方は、二番処理物還元口43として、揺動選別棚20の上流側における二番処理室40側の側部の上方に開口されている。また、二番処理胴41の始端側(後端側)上方には二番コンベア27から供給される二番物の供給口44が開口している。
【0054】
二番処理室40では、二番物が二番処理胴41によって搬送される間に穀粒の分離と枝梗付着粒からの枝梗の除去が行われた後、二番処理物還元口43から揺動選別棚20に落下し、扱室11からの被処理物と合流して再選別される。
【0055】
(吸引排塵ファン)
揺動選別棚20の終端部(後端部)の上方には吸引排塵ファン47の吸塵口47iが開口している。吸引排塵ファン47は、排風口46を有するケーシング45により覆われている。図示例では、揺動選別棚20の上方空間の両側壁のうち排塵処理室30と反対側の側壁に、排塵処理室30と対峙するように吸引排塵ファン47が取り付けられ、その取り付け部位に吸塵口47iが開口しているが、これらの取り付け位置は図示例に限定されるものではない。
【0056】
(排藁処理装置)
脱穀装置3の後側では、扱室を通り脱穀を終えた穀稈、つまり排藁は排藁搬送装置14に引き継がれ、排藁搬送装置14の終端部から排藁処理装置としてのカッター装置48に排出される。カッター装置48は、上方から落下供給される排藁を一対のロータリーカッター刃49間に通して切断する構造のものである。ロータリーカッター刃49の外部側はフードにより覆われており、またロータリーカッター刃49の前側には、切断した排藁の切断藁屑を後方に落下するように案内するための切藁案内板50が設けられている。切藁案内板50は、上部が上側カッター刃49の下部とほぼ同じ高さに位置しており、下方に至るに従い後側に位置するように後下がりに傾斜し、切藁案内板50の下部は下側カッター刃49の下部より下方に位置している。カッター装置48に代えて他の排藁処理装置を用いることも可能である。
【0057】
(三番排塵口)
脱穀装置3の後側壁55には三番排塵口56が開口されており、揺動選別棚20の後部がこの三番排塵口56に臨むように構成されている。また、三番排塵口56を開閉する三番排塵口シャッタ57が設けられており、例えば圃場の一辺を刈り終えて次辺へ向けて旋回する際に、この三番排塵口シャッタ57を閉じれば、排塵処理室30の処理物排出口33から排出される排塵処理物に含まれる穀粒を、三番排塵口56から排出させずに、揺動選別棚20の第二シーブ24又はストローラック25に供給し、篩い選別により回収することができる。よって、三番ロスの発生を防止して脱穀効率を向上できるようになる。また、排塵処理室30と吸引排塵ファン47の吸塵口47iとは、揺動選別棚20を挟んで対峙するように配置されており、三番排塵口シャッタ57を閉めると、排塵処理室30から排出される排塵処理物が、吸引排塵ファン47の吸塵口47i側に向かって広範に拡散するため、カギ又などの回収効率が一層向上する。
【0058】
次に、本発明の扱胴100の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一部材には同一符号を付し重複した説明は省略する。
【0059】
図16に示すように、扱胴100の前部を構成する前側扱胴110は、孔開きプレートからなる第一前部プレート(第一前部支持部材)111及び第一後部プレート(第一後部支持部材)112と、該第一前部プレート111及び第一後部プレート112の周方向に不均一な間隔を隔てて扱胴軸103に沿う姿勢で並設されたコ形状断面の角鋼材からなる9本の第一扱胴フレーム114で構成され、第一前部プレート111及び第一後部プレート112は、中心部が扱胴軸103に軸支された十字形状の第一前部支持フレーム115及び第一後部支持フレーム116の外周端部に支持されている。なお、第一前部プレート111及び第一後部プレート112は、直接扱胴軸103に支持することもでき、扱胴フレーム114は、丸棒鋼材、角棒鋼材、角パイプ鋼材、アングル材、又はチャンネル材を用いることができる。又、第一後部支持フレーム116は、後述する後側扱胴120の第二前部支持フレーム125とボルト等の締結部材によって、正面視において、第一扱胴フレーム114A〜114Iと第二扱胴フレーム124A〜124Iが周方向の同一位置に並設されるように連結されている。
【0060】
各第一扱胴フレーム114A〜114Iは、正面視において、12時の方向に設けられた第一扱胴フレーム114Aから時計回りに順に対角25°、35°、55°、55°、25°、35°、55°、55°の第一前部プレート111及び第一後部プレート112の側部にそれぞれ着脱可能にボルト等の締結手段によって連結されている。
【0061】
各第一扱胴フレーム114A〜114Iには、それぞれ丸棒鋼材からなる複数の第一扱歯117A〜117Iが外周方向に突出し、前後方向に所定の間隔を隔てて並設され、側面視において、相互に隣接する第一扱胴フレーム114A〜114Iの第一扱歯117A〜117Iは略千鳥状に設けられている。すなわち、第一扱胴フレーム114A〜114Cの扱歯117A〜117Cを例に挙げて詳述すると、扱胴フレーム114Bの4枚の扱歯117Bは、隣接する扱胴フレーム114Aの3枚の扱歯117A、同じく隣接する扱胴フレーム114Cの3枚の扱歯117Cの前後方向の略中心位置にそれぞれ設けられ、扱胴フレーム114Aの3枚の扱歯117Aと扱胴フレーム114Cの3枚の扱歯117Cとは前後方向の略同一位置にそれぞれ設けられている。なお、扱歯117は、プレート鋼材、角棒鋼材、角パイプ鋼材を用いることができる。
【0062】
扱胴100の後部を構成する後側扱胴120は、孔開きプレートからなる第二前部プレート(第二前部支持部材)121及び第二後部プレート(第二後部支持部材)122と、該第二前部プレート121及び第二後部プレート122の周方向に不均一間隔に隔てて扱胴軸103に沿う姿勢で並設されたコ形状断面の角鋼材からなる9本の第二扱胴フレーム124で構成され、第二前部プレート121及び第二後部プレート122は、中心部が扱胴軸103に軸支された十字形状の第二前部支持フレーム125及び第二後部支持フレーム126の外周端部に支持されている。 なお、第二前部プレート121及び第二後部プレート122は、直接扱胴軸103に支持することもでき、扱胴フレーム124は、丸棒鋼材、角棒鋼材、角パイプ鋼材、アングル材、又はチャンネル材を用いることができる。
【0063】
各第二扱胴フレーム124A〜124Iは、正面視において、12時の方向に設けられた第二扱胴フレーム124Aから時計回りに順に対角25°、35°、55°、55°、25°、35°、55°、55°の第二前部プレート121及び第二後部プレート122の側部にそれぞれ着脱可能にボルト等の締結手段によって連結されている。
【0064】
各第二扱胴フレーム124A〜124Iには、それぞれ丸棒鋼材からなる複数の第二扱歯127A〜127Iが外周方向に突出し、前後方向に所定の間隔を隔てて並設され、側面視において、相互に隣接する第一扱胴フレーム124A〜124Iの第一扱歯127A〜127Iは略千鳥状に設けられている。すなわち、第二扱胴フレーム124A〜124Cの扱歯127A〜127Cを例に挙げて詳述すると、扱胴フレーム124Bの3枚の扱歯127Bは、隣接する扱胴フレーム124Aの4枚の扱歯127A、同じく隣接する扱胴フレーム124Cの4枚の扱歯127Cの前後方向の略中心位置にそれぞれ設けられ、扱胴フレーム124Aの4枚の扱歯127Aと扱胴フレーム124Cの4枚の扱歯127Cとは前後方向の略同一位置にそれぞれ設けられている。なお、扱歯127は、プレート鋼材、角棒鋼材、角パイプ鋼材を用いることができる。
【0065】
第一、二扱胴フレーム114,124の設置本数、並設位置は上述の形態に限定されることはない。第一扱胴フレーム114は、全体として第一前部プレート111及び第一後部プレート112の周方向に不均一間隔に隔てて設ければ良く、一部の第一扱胴フレーム114が第一前部プレート111及び第一後部プレート112の周方向に均一間隔に隔てて設けられていても、一部の第一扱胴フレーム114が第一前部プレート111及び第一後部プレート112の周方向に不均一間隔に隔てて設けられていれば良い。又、第二扱胴フレーム124は、全体として第二前部プレート121及び第二後部プレート122の周方向に不均一間隔に隔てて設ければ良く、一部の第二扱胴フレーム124が第二前部プレート121及び第二後部プレート122の周方向に均一間隔に隔てて設けられていても、一部の第二扱胴フレーム124が第二前部プレート121及び第二後部プレート122の周方向に不均一間隔に隔てて設けられていれば良い。
【0066】
第一、二扱歯117,127の設置枚数、設置形態等は上述の形態に限定されることはなく、以下の変形例を採用することができる。なお、第2実施形態と同一部材には同一符号を付し重複した説明は省略する。
<変形例9>
図17に示すように、前側扱胴110の第一扱胴フレーム114、例えば、第一扱胴フレーム114Aには外内周方向に突出する3枚の第一扱歯117Aが等間隔に並設し、後側扱胴120の扱胴フレーム124、例えば、第二扱胴フレーム124Aには外内周方向に突出する3枚の第二扱歯127Aが等間隔に並設している。変形例9は、部品の共有化を図る為に、上述した第2実施形態と異なり、第二扱胴フレーム124の第二扱歯127と同一間隔で同一枚数の第一扱歯117を第一扱胴フレーム114に並設し取付けている。
【0067】
<変形例10>
図18に示すように、前側扱胴110の第一扱胴フレーム114、例えば、第一扱胴フレーム114Aには外内周方向に突出する5枚の第一扱歯117Aが等間隔に並設し、後側扱胴120の扱胴フレーム124、例えば、第二扱胴フレーム124Aには外内周方向に突出する3枚の第二扱歯127Aが等間隔に並設している。変形例10は、脱穀を効率良く行なう為に、上述した第2実施形態と異なり、第二扱胴フレーム124の第二扱歯127の間隔に対して略1/2の間隔で第一扱歯117を第一扱胴フレーム114に並設し取付けている。
【0068】
(変形例11)
図19に示すように、前側扱胴110の第一扱胴フレーム114、例えば、第一扱胴フレーム114Aには外内周方向に突出する3枚の第一扱歯117Aが等間隔に並設し、後側扱胴120の扱胴フレーム124、例えば、第二扱胴フレーム124Aには外内周方向に突出する3枚の第二扱歯127Aが等間隔に並設している。変形例11は、第一扱歯117の耐久性能を向上させる為に、上述した第2実施形態と異なり、第二扱胴フレーム124Aの第二扱歯127Aの径よりも第一扱胴フレーム114Aの第一扱歯117Aの径を大径に形成している。
【符号の説明】
【0069】
3 脱穀装置
4 刈取装置
5 グレンタンク
8 供給搬送装置
9 コンバイン
11 扱室
15 扱網
16 第一唐箕
17 第二唐箕
19A 一番受樋
19B 二番受樋
20 揺動選別棚
24 シーブ
25 ストローラック
28 選別網
30 排塵処理室
40 二番処理室
90 排塵体
91 ストローラック
100 扱胴
101 前部プレート(前部支持部材)
102 後部プレート(後部支持部材)
103 扱胴軸
104 扱胴フレーム
105 前部支持フレーム
106 後部支持フレーム
107 扱歯
110 前側扱胴
111 第一前部プレート(第一前部支持部材)
112 第一後部プレート(第一後部支持部材)
114 第一扱胴フレーム
115 第一前部支持フレーム
116 第一後部支持フレーム
117 第一扱歯
120 後側扱胴
121 第二前部プレート(第二前部支持部材)
122 第二後部プレート(第二後部支持部材)
124 第二扱胴フレーム
125 第二前部支持フレーム
126 第二後部支持フレーム
127 第二扱歯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場に植立する穀稈を刈り取る刈取装置(4)と、刈り取った穀稈を脱穀する脱穀装置(3)と、脱穀された穀粒を貯留するグレンタンク(5)を備えるコンバインにおいて、
前記脱穀装置(3)の扱室(11)内に機体前後方向の扱胴軸(103)で軸架された扱胴(100)を設け、
該扱胴(100)は、扱胴軸(103)の前部に支持した前部支持部材(101)と、扱胴軸(103)の後部に支持した後部支持部材(102)と、該前部支持部材(101)の外周部と後部支持部材(102)の外周部に亘って設置された多数の扱歯(107)を有する複数の扱胴フレーム(104)とから構成し、
該扱胴フレーム(104)を前部支持部材(101)及び後部支持部材(102)の周方向に不均一な間隔で並設したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記多数の扱歯(107)を、扱胴フレーム(104)から外周方向に突出させると共に前後方向に均一な間隔で並設したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記多数の扱歯(107)を、扱胴フレーム(104)から外周方向及び内周方向に突出させると共に前後方向に均一な間隔で並設したことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項4】
前記扱胴フレーム(104)の扱歯(107)と該扱胴フレーム(104)に隣接する扱胴フレーム(104)の扱歯(107)は、各扱胴フレーム(104)に対する前後方向の設置位置、扱歯枚数、又は扱歯径のいずれかを相違させたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンバイン。
【請求項5】
前記扱胴(100)は、前側扱胴(110)と後側扱胴(120)とに分割形成され、
前記前側扱胴(110)は、扱胴軸(103)の前部及び中間部に軸支された第一前部支持部材(111)及び第一後部支持部材(112)と、該第一前部支持部材(111)の外周部と第一後部支持部材(112)の外周部に亘って設置された多数の第一扱歯(117)を有する複数の第一扱胴フレーム(114)とから構成され、
前記後側扱胴(120)は、扱胴軸(103)の中間部及び後部に軸支された第二前部支持部材(121)及び第二後部支持部材(122)と、該第二前部支持部材(121)の外周部と第二後部支持部材(122)の外周部に亘って設置された多数の第二扱歯(127)を有する複数の第二扱胴フレーム(124)とから構成され、
前記第一後部支持部材(112)と第二前部支持部材(121)とは相互に連結され、
前記第一扱胴フレーム(114)は第一前部支持部材(111)及び第一後部支持部材(112)の周方向に不均一な間隔で並設され、前記第二扱胴フレーム(124)は第二前部支持部材(121)及び第二後部支持部材(122)の周方向に不均一な間隔で並設されていることを特徴とする請求項1記載のコンバイン。
【請求項6】
前記第一扱歯(117)と、第二扱歯(127)の夫々を、第一扱胴フレーム(114)及び第二扱胴フレーム(124)から外周方向に突出させると共に前後方向に均一な間隔で並設したことを特徴とする請求項5記載のコンバイン。
【請求項7】
前記第一扱歯(117)の扱歯枚数を第二扱歯(127)の扱歯枚数よりも多くしたことを特徴とする請求項5記載のコンバイン。
【請求項8】
前記第一扱歯(117)の扱歯径を第二扱歯(127)の扱歯径よりも大径としたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−231681(P2012−231681A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100442(P2011−100442)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】