コンピュータマウス周辺機器
【課題】使い易いマウスの提供。
【解決手段】コンピュータポインティングデバイスであって、作業表面にわたって摺動するようになっている下面を有する基部と、尾根状部であって、前記基部から実質的に上方に突出し、かつ、尾根状部の第1側面上に親指係合表面を有する、尾根状部と、前記第1側面に対向する尾根状部の第2側面上に少なくとも1つの人差し指先端及び/又は中指先端係合表面とを含むデバイス。拡大した空白バー又は切頭の空白バー又は空白バーが無い状態などのキーの機能の変更した配置構成を有する、すなわち、キーがポインティングデバイス上のセンサに再マッピングされることに応じて、外観の変更が可能なキーボード。ポインティングデバイス上のセンサを作動させることによって半透明にされてもよい、仮想スクリーンディスプレイを有するキーボード。マウスデバイスを収容することが可能な凹所を有するコンピュータ。
【解決手段】コンピュータポインティングデバイスであって、作業表面にわたって摺動するようになっている下面を有する基部と、尾根状部であって、前記基部から実質的に上方に突出し、かつ、尾根状部の第1側面上に親指係合表面を有する、尾根状部と、前記第1側面に対向する尾根状部の第2側面上に少なくとも1つの人差し指先端及び/又は中指先端係合表面とを含むデバイス。拡大した空白バー又は切頭の空白バー又は空白バーが無い状態などのキーの機能の変更した配置構成を有する、すなわち、キーがポインティングデバイス上のセンサに再マッピングされることに応じて、外観の変更が可能なキーボード。ポインティングデバイス上のセンサを作動させることによって半透明にされてもよい、仮想スクリーンディスプレイを有するキーボード。マウスデバイスを収容することが可能な凹所を有するコンピュータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、コンピュータポインティングデバイスに関する。類似の知られている代表的なデバイスは、一般に、「マウス」、トラックボール、タッチスクリーン、タッチパッドなどとして知られており、ひとまとめに、ポインティングデバイスと呼ばれる。
【背景技術】
【0002】
現在のコンピュータマウスの先駆けは、Doug Engelbart
によって40年以上前に考案されたが、最初の主要な商業的実施は、アップルマッキントッシュ(商標)コンピュータが出現する1983年まで遅れた。これによって、数年後に、コンピュータマウスがそれに関して一体周辺機器となるウィンドウズ(登録商標)コンピュータインタフェースの幅広い採用が続いた。この長い形成期間とその後の幅広い商業的利用にもかかわらず、マウスの本質的な設計は、当初から比較的不変のままである。
【0003】
この設計の停滞は、同じ期間における、コンピュータハードウェア及び他の周辺デバイスの急速の発展を考えると、益々目立つ。ユーザとコンピュータとの間のインタフェースを提供する多くの代替のデバイスが研究され、いろいろな成功の程度を満たしてきた。
【0004】
それでも、圧倒的多数のコンピュータは、主要な人/コンピュータインタフェースとしてキーボード及びマウスを、今日依然として支給する。マウス設計の長期継続についての1つの理由は、手から目への同調を翻訳することに成功したこと、実際上訓練を全く必要としないこと、及び実際上全ての年齢のグループによって使用可能な直感的なインタフェースに由来する。
【0005】
それでも、従来のマウス設計は、
−ユーザが、マウスを操作するために、キーボードから手を離す必要があること(効率の低下及び身体的労力の増加をもたらす)、
−やっかいな手の握り方と組合せた1本の指の反復使用を含む、ユーザの手/腕が緊張した位置を採用するようにさせること、
−コンピュータに隣接する平坦で強固な表面を必要とするために、ラップトップ及び他の携帯型コンピュータデバイスと共に使用するのに不適当であること、
−ユーザによって容易に実施される細かいフリーハンド移動をペン又はブラシを用いて繰り返すことが難しいこと、(たとえ達成されるにしても、コンピュータユーザは、マウスを用いて、わかり易いハンドライティング、円の描写などを繰り返すことが非常に困難である。)
−長い距離にわたるスクローリング又は大きなエリアにわたるマウスポインタの移動は、従来のマウスが、空間がなくなることを回避するために、支持表面から持ち上がり、反対方向に移動することを要求することが多いこと、(従来のマウス設計は、特に、マウスボタンのうちのいくつかが、同時に作動される場合、たとえば、テキストの所定部分を選択するとき、表面から容易に持ち上がる助けとならない。)
上記に対処する従来技術の試みの既存の例は、人間工学的に形作られたポインティングデバイス用の多くの特許をもたらしており、それらの特許は、親指支持表面に対してマウスの対向する面上で指を実質的に垂直に積重ねた状態で、ユーザの手を実質的に直立位置に支持するように構成されたマウス構造を開示する、ローに対する特許文献1及び特許文献2を含む。
【0006】
特許文献1,2は、従来のマウスが、使用中に、その位置を維持するために、手、手首、及び前腕に一定の筋力を加えることを必要とすることを提案する。特許文献1,2は、表面が指を支持し、従来のマウスと比較して約80〜90°を通して回転するマウスボタンを組み込んだ状態の、実質的に従来のマウス構成を利用する。しかし、特許文献1,2によって開示されるマウスは、指が実質的に伸張位置を無理に維持するようにさせ、休憩時の、楽にし、曲がった手の位置を防止する。この構成は、おそらく、従来のマウス構成の1つの人間工学的側面に対処する場合があるが、先に概説した残りの欠点に対処しない。デバイスは、ライティングという精密な移動量制御を容易にするため、親指だけにより、又は、「ペンに似た」握り方で把持されることにより、制御された位置決め移動することができない。ユーザの全体の手について接触した握り方を実現するのに必要とされるデバイス寸法はまた、ラップトップコンピュータなどの制約された作業空間環境での有効な使用を妨げる。特許文献3(セガール)、特許文献4(ヴィノグラドフ)、及び特許文献5(エドワーズ他)は、それぞれ、使用中にユーザの手の緊張の少ない動作位置を提供するための、所定輪郭を持つ表面とマウスボタンの再配列の組合せ、及び、マウスの側面部分に沿って配列される少なくとも一部のマウスボタンを組み込むことによって、従来のマウス設計の人間工学的欠点に対処するさらなる試みを詳述する。開示されるマウスの人間工学的配慮は、従来のマウスの一部の欠点に対する改善を提供するが、各設計は、依然として、キーボードに隣接する作業表面の上でユーザの手の全体によって使用するような寸法に作られ、構成され、したがって、キーボード−マウスの手の移動についての非能率と人間工学的ストレスを依然として必要とする。
【0007】
特許文献6(モヴァヘド)は、親指搭載式カーソル制御デバイスによってこれらの困難さを克服しようとする。マウス機能のアクションを制御するための、カーソル移動及びボタン操作は、親指搭載式デバイスの適切な部分を押下するユーザの残りの指から受け取られる。そのため、ユーザは、一方の手を隣接するマウス/マウスパッド上に移す必要無しで、タイピングセッション中にキーボードエリアにわたってマウス制御活動を実施することができる。しかし、作業表面などの支持体が無い状態で、自由空間において実施されるとき、正確なカーソル制御を達成することは難しい。さらに、デバイスは、ユーザの親指にしっかり取り付けられるように設計され、ユーザが、不便なく、非コンピューティング活動に着手したいと思う場合、容易には取り外せない場合がある。
【0008】
コンピュータマウスの規模を、ユーザの指先端によって制御可能になるように減少させる従来技術の試みは、特許文献7(ウェイ)、特許文献8(ゴードン)、及び特許文献9(ゴードン)を含む。開示されるマウスデバイスの大きさの減少は、制御可能性の増加と、より楽な手の位置を可能にするボタン構成と共に、従来のマウス設計に対する利点をやはり提供する。それでも、各設計は、マウス操作を実施する前に、デバイスを取得するためにキーボードから自分の手を外すことをユーザに依然として要求する。親指係合表面の配列は、マウスボタンの操作中にデバイス位置を安定化することを妨げる。さらに、デバイスのサイズがひどく小さいにもかかわらず、その構成は、デバイスの下で曲がった中指によってペンに似た握り方で保持されることを妨げる。
【0009】
さらに、デバイスのサイズが小さいため、ユーザの周辺視覚によってマウスロケーションを検出することは、実際には難しく、そのため、関連する非能率の可能性が増加する。ホストコンピュータとマウスとの間の従来のマウスケーブルの使用は、マウスロケーションに対するさらなる視覚キューを実際に提供するが、この電気ケーブルは、ワイヤレス実施形態と比較してデバイスの柔軟性を減少させる。ワイヤレス実施形態も開示されるが、これらのマウス実施形態は、位置特定するのが一層難しいことになり、他のユーザの作業表面アイテムの中で容易に置き間違えられる場合がある。さらに、デバイスが、キーボードの表面にわたって使用されてもよいことが考えられるが、マウスをユーザの手に保持する手段が存在せず、そのため、タイピング中にデバイスをキーボードから移動させる、すなわち、タイピングキーストロークとの干渉を覚悟でやってみることが依然として必要であることになる。
【0010】
さらに、マウスボタンの作動中に、ポインティングデバイスを安定にする手段が無い従来技術は、ボタン「クリック」アクション中に、デバイス位置を乱す可能性を増加させる。マウスボタンは、カーソル配置が重要である活動中(選択及び挿入中)に操作することが多いため、これは、さらなる欠点である。
【0011】
本発明の分野におけるさらなる従来技術は、特許文献10(ハムリング)を含み、上部搭載式で親指操作可能なトラックボール/ボタン及びさらなるハウジングの前表面の周りに垂直に配設されたさらなるマウスボタンを有する「手の大きさの」人間工学的マウスを開示する。そのため、ユーザの全体の手は、手の重量が、マウスハウジングの下部面から突出する支持パッド上にかかった状態で、マウスデバイスの周りに巻きつけられる。その結果、精密な移動量制御を達成するために、ペンに似た握り方でマウスを操作することも可能でなく、マウスボタンが、親指と指との間のピンチングアクションによって容易に操作されることもできない。さらに、マウスの移動は、ユーザの手全体の移動を必要とする。特許文献11(ライド他)は、多数の突出部、表面、及び種々の手の位置で操作可能なマウスボタンを有する「ブーメラン形」マウスデバイスを開示する。しかし、デバイスは、親指だけによって制御された移動を行うことができず、比較的大きなサイズと動作モードのために、制限された作業表面にわたる移動に適さない。
【0012】
特許文献12(ガレット)は、快適でかつ人間工学的に有利な手動操作位置をユーザに提供することを意図する角錐形マウスデバイスを開示する。しかし、デバイス構成は、ユーザの親指だけによるデバイスの制御された移動、又は、マウスボタンの操作中の親指によるデバイスの安定化を妨げる。ライティング用途のためのペンに似た握り方もまた、角錐形の外部に明らかに整合しない。
【0013】
本明細書で引用された任意の特許又は特許出願を含む全ての参考文献は、参照により組み込まれる。いずれの参考文献も従来技術を構成するということは承認されない。参考文献の説明は、その著者等が主張するものを述べ、出願人は、引用された特許文書の精度及び適切さを疑問視する権利を保持する。いくつかの従来技術の出版物が、本明細書において参照されるが、これらの特許文書のどの文書も、ニュージーランド又は他のいずれかの国において、当技術分野で共通の一般的な知識の一部を形成することを、この参照は承認しないことが明らかに理解されるであろう。
【0014】
「備える(comprise)」という用語は、いろいろな権限の下で、排他的意味か包括的意味のいずれかを持っていると考えられてもよいことが認められる。本明細書のために、また、別途述べられなければ、「備える」という用語は、包括的意味を有するものとする。すなわち、「備える」という用語は、直接に参照する、挙げたコンポーネントだけでなく、他の指定されないコンポーネント又は要素もまた包括することを意味すると考えられるであろう。この解釈は、方法又はプロセスの1つ又は複数のステップに関連して、「備えた(comprised) 」又は「備えている(comprising)」という用語が使用されるときも使用されるであろう。
【特許文献1】米国特許第5,576,733号
【特許文献2】米国特許第6,072,471号
【特許文献3】米国特許第6,300,941号
【特許文献4】米国特許第6,664,947号
【特許文献5】米国特許第6,362,822号
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/0101401号
【特許文献7】米国特許出願公開第2001/0006381号
【特許文献8】米国特許第6795058号
【特許文献9】米国特許出願公開第2003/0160766号
【特許文献10】米国特許第5,648,798号
【特許文献11】米国特許第6,853,365号
【特許文献12】米国特許第5,880,715号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
先の問題に対処すること、又は、少なくとも、大衆に有益な選択を提供することが本発明の目的である。
本発明のさらなる態様及び利点は、例としてだけ示される次の説明から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様によれば、コンピュータポインティングデバイスが提供され、コンピュータポインティングデバイスは、
−作業表面にわたって摺動するようになっている下面を有する基部と、
−尾根状部であって、前記基部から実質的に上方に突出し、かつ、尾根状部の第1側面上に親指係合表面を有する、尾根状部と、
−前記第1側面に対向する尾根状部の第2側面上に少なくとも1つの人差し指先端及び/又は中指先端係合表面とを含む。
【0017】
好ましくは、前記下面は実質的に平坦である。しかし、1つ又は複数の凸状部分を有するように構成される表面を含む、代替の構成が採用されてもよい。そのため、下面は、単一湾曲表面として形成されてもよく、又は、その一番下の地点が、作業表面にわたって摺動するための接触平面を定義する、複数の丸い、又は、湾曲した部分を含んでもよい。さらなる実施形態では、デバイスは、前記接触平面内にひとまとめに存在する複数の接触点上で支持される前記作業表面上に載ることができるように構成され、前記接触点は、
−前記下面の1つ又は複数の部分、及び、デバイスから延びる少なくとも2つの前記突出部の遠位部分か、
−少なくとも3つの前記突出部のいずれかを含む。
【0018】
好ましくは、前記突出部は、ニブスタイラス、スパイク、隆起部、ナックル、脚部、又はデバイスを支持するようになっている任意の他の形状の構成を含む。
好ましい実施形態では、本発明は、
−少なくとも1つの接触センサと、
−作業表面に対するデバイスの移動を検出し、デバイス移動量情報を生成することが可能な移動量センサシステムと、
−デバイス移動量情報及び接触センサ信号をコンピュータ及び関連するディスプレイスクリーンに通信して、前記コンピュータ上で動作するソフトウェアのために、それぞれ、オンスクリーンポインタ移動及び入力信号を提供することが可能な通信手段とを含む。
【0019】
好ましくは、親指及び/又は指先端係合表面は、少なくとも少し凹んでいる。これは、デバイスを操作し、動作させるときにユーザの指の正確な位置決め及び保持を補助する。しかし、代替の実施形態では、係合表面のうちの少なくとも1つは、デバイスの隣接する部分に関して突出する、かつ/又は、隣接する部分と同一平面にあってもよい。
【0020】
好ましくは、前記親指係合表面の少なくともある部分は、上方に面し、接触センサの作動中に、ユーザがデバイスを安定させるために下方圧力を加えることを可能にする。接触センサを動作させるためにユーザによって加えられた指先端圧力は、デバイスの位置を容易に乱す場合がある。これは、ユーザが、小さなオブジェクトを選択すること、テキスト挿入地点を位置決めすることなどを試みる場合に特に問題になる。この可能性のある移動は、本発明の場合と同様に、接触センサの動作軸が、垂直ではなく、少なくとも部分的に横方向である場合に一層悪化する。そのため、ユーザが自分の親指によって小さい程度の下方圧力を加えることを可能にすることによって、デバイスは、こうした動作中、容易に安定化される場合がある。
【0021】
本明細書で使用されるように、「作業表面」は、広範囲に解釈され、制限的な意味で解釈されず、デスク又はテーブルトップ、キーボード又はスクリーンを含むコンピューティングデバイスの表面、あるいは任意の他の好都合な表面を含むがそれに限定されない。同様に、コンピュータ、ホストコンピュータ、又はコンピューティングデバイス及び関連ディスプレイなどの用語は、任意特定の実施態様に限定されず、また、任意のデスクトップPC、携帯コンピュータ、ラップトップ、ノートブック、サブノートブック、PDA、パームデバイス、移動体電話、ワイヤレスキーボード、タッチスクリーン、タブレットPC、又は、任意の他の通信及び/又はディスプレイデバイス及びそれらの任意の組合せ又は置換を含む。
【0022】
尾根状部という用語は、デバイスの主要本体全体がベース外周から上方に突出する従来のマウスポインティングデバイスと対照的に、独特の特徴部として基部から上方に突出する、デバイス移動をもたらすためにユーザの親指と人差し指及び/又は中指との間で把持されることが可能な任意の直立した構造又は特徴部を含む。
【0023】
親指及び指先端係合表面に関して言及される「係合」は、デバイスを移動させることが可能、かつ/又は、制御することが可能な、また、前記接触センサを動作させることが可能な接触を示すために本明細書で使用される。
【0024】
一態様によれば、デバイスは、過回内又は過伸展が無い状態で、実質的に中立でかつ未屈曲の位置でユーザの親指と1つ又は複数の指との間で、尾根状部が把持されるように構成され、また、そのような寸法に作られる。
【0025】
好ましくは、前記デバイスは、作業表面上に載る、楽にした手の対向する親指と指との間の開口内に実質的に嵌合するような寸法に作られる。
本発明のさらなる態様によれば、前記デバイスは、質量中心及び/又は体積中心が、前記親指係合表面と前記指先端係合表面との間に配置された状態で構成される。
【0026】
一実施形態では、前記親指係合表面及び/又は前記指先端係合表面は、基部の前記実質的に平坦な下面に実質的に平行な平面内に配置される。
本発明のさらなる態様によれば、前記親指係合表面及び/又は前記指先端係合表面は、使用時に、前記人差し指先端係合表面上に置かれた人差し指先端が、前記中指先端係合表面上に置かれた中指先端の上に少なくとも部分的にオーバラップするように配置される。そのため、デバイスは、ペンを把持する握り方に非常に類似した握り方(grip)でユーザによって保持されてもよく、快適でかつ楽なデバイスの操作をもたらす。
【0027】
こうして、本発明のさらなる態様によれば、前記親指係合表面及び前記人差し指先端係合表面は、デバイスが、ユーザの親指と人差し指(通常、本質的ではないが、中指と組み合わせた状態)との間でペンを持つ握り方で把持されるように、空間的に配列され、分離される。好ましくは、デバイスの移動は、ペンを持つ握り方を実施するユーザによって2次元又は3次元で制御されてもよい。
【0028】
本発明の範囲から逸脱することなく、接触センサの配置及び/又はデバイスの外部表面の形状及び構成において、多くの変形が可能であることが理解されるであろう。
一実施形態では、人差し指先端係合表面は、中指先端係合表面の上に位置決めされる。
【0029】
キーボードから手を外し、従来のコンピュータマウスを配置し、把持し、操作し、タイピングのためにキーボードに手を戻すために、ユーザが要求される時間及び労力は、最小であるように思われるが、それでも、これらのアクションは、ほとんどのコンピュータユーザのかなりの時間をとる。以下でより完全的に説明される、従来のマウスを動作させることの物理的な重要性とは別に、(ユーザの周辺視覚を用いてでも)マウスのロケーションを取得し、スクリーン上でマウスカーソル位置を特定するためにマウスを少し移動させ、マウス作動式タスクを実施し、次に、キーボード上の正確な位置にユーザの手を戻すことによって、ユーザの注意が、少なくとも部分的にそらされている間、従来のマウスを作動させるときに要求される本有的アクションは、タイピング及び思考プロセスの流れを妨げる。これらのアクションによって失われる時間は、キーボードショ−トカットによって軽減されるが、これは、非直感的であることが多いいくつかのキーの組合せを記憶することをユーザに要求する。
【0030】
タイピング中に、ユーザの手の一方に本発明のポインティングデバイスを保持することによって、デバイスの視覚的取得と物理的取得において時間を浪費することなく、デバイスは、動作のために即座に利用可能である。効果的にするために、こうした役割で利用される本発明の実施形態は、タイピング中に目立たず、また、ユーザに対して不快が無いか、又は、容易にはずれない状態で、タイピングする手の少なくともある部分に取り付けられる、かつ/又は、ある部分によって保持されなければならない。
【0031】
デバイスは、ユーザの手の任意の個々の指又は手のひら部分に取り付けられる、かつ/又は、保持されてもよいが、親指は、以下の理由で、特に、この役割に適する。
a)親指は、通常、ほとんどのキーボードユーザによって空白バーを押下するためだけに使用され、残りの「QWERTY」キーを押下するために使用されない。
b)タイピング中の従来の手の位置決めによって、親指が、キーボードの中心において互いに向かって突出し、通常、隣接する指の間、及び、対向する手の間の小さな空間によって囲まれることになる。
c)親指に関連する腱及び筋肉は、人の手の中で最も強く、そのため、反復アクション及び/又は付加的な身体的緊張に耐えるのに最も適する。
【0032】
こうして、本発明のさらなる実施形態によれば、デバイスは、前記親指係合表面に関連する親指保持部分を含む。
好ましい実施形態では、親指保持部分は、
−前記尾根状部に対して前記親指係合表面の対向する側面上に配置されるリップ、隆起部、突出部、又は持ち上がった縁部分、
−親指係合表面の上部縁及び/又は下部縁に沿って配置され、親指係合表面に当たって位置決めされた親指のある部分を少なくとも部分的にオーバハングする/オーバラップするように構成された細長い(好ましくは、少なくとも部分的に弾性のある)隆起部、
−任意選択で、親指中手骨領域を包むストラップなどと共に、遠位指骨親指部分を保持する凹所、
−任意選択で、親指指骨の1つ又は複数の部分の周りに着脱自在に固定されることが可能なクリップ、ストラップと共に、挿入される親指部分を収容することが可能な細長い開口、
−弾性の、エラストマーの、かつ/又は、摩擦の大きい表面、
−及び/又は、その任意の組合せのうちのいずれか1つを含んでもよい。
【0033】
(本明細書でより完全に述べられるように)親指保持部分は、デバイスの目立った部分を形成してもよいが、尾根状部に対する親指係合表面の対向面上で親指の移動に対する横方向抵抗を提供することが可能な任意の構成、要素、又は構造が採用されてもよく、それにより、デバイスが、親指の移動と共に作業表面にわたって摺動する。反対方向への親指による横方向移動は、尾根状部に作用し、同様に、デバイスが、作業表面にわたって摺動する。一実施形態では、作業表面にわたる前後のデバイス移動は、単に、親指係合表面上での親指の摩擦によって達成されてもよい。しかし、代替の実施形態では、親指係合部分は、親指係合表面の前方及び/又は後方部分のまわりに広がってもよい。こうした構成は、たとえば、実質的に卵形の凹所によって容易に設けられてもよい。
【0034】
こうして、一部の実施形態では、親指係合部分は、尾根状部に隣接する、又は、尾根状部の一部を形成し、上から親指にオーバラップする親指係合表面の「上部」部分から突出してもよく、親指係合表面の対向する尾根状部ではない面上に入口開口が残る。
【0035】
本発明が、必ずしも、上記親指保持手段に制限されないこと、及び、代替の実施形態が採用されてもよいことが理解されるであろう。許可されたユーザによってアクセスされなければ、デバイス及び/又はコンピュータの使用をディセーブルする、指又は親指保持部分に配置された指紋リーダのような、バイオメトリックセキュリティ対策などの付加的な機能が組み込まれてもよい。
【0036】
親指によってデバイスを保持することは、マウスポインタ機能の即座の利用可能性をユーザに提供する。マウスポインタのサイズが比較的小さいことは、平坦下面(及び、好ましくは、丸い下面周辺縁)と一緒になって、典型的なキーボードキーの表面上でマウスポインタを直接使用することを容易にする。この実施形態は、他の4本の指のキーストロークを妨げることなく、親指に接触した状態で保持されたマウスポインタによってオーソドックスなタイピングを、ユーザが実施することをやはり可能にする。
【0037】
一部の実施形態(たとえば、親指形状凹所に適用された摩擦の大きな表面)では、クリップ、ストラップなどのような親指保持部分の実施形態について、親指保持部分は、親指係合表面全体に隣接するか、又は、親指係合表面全体の一部の部分のみを形成してもよいことがさらに理解されるであろう。
【0038】
さらなる実施形態では、親指保持部分は、いろいろな親指サイズに適合するように調整されてもよく、これは、いろいろな構成によって達成されてもよい。一実施形態によれば、前記親指保持部分は、
−弾性要素及び/又は移動可能要素であるか、
−前記親指係合表面に対して下方端に枢動可能に取り付けられるか、
−柔軟性があり、ユーザによって形作られることが可能か、
−ユーザの親指の方へばね付勢されるか、又は、
−それらの任意の組合せである。
【0039】
調整可能な親指保持部分は、ユーザの親指に関してよりカスタマイズされたデバイスの、ゆるみのない嵌合も可能にする。これは、作業表面から持ち上げられるときに、デバイスが親指上で保持されることを可能にするのに十分な、ユーザの親指を取り巻く拡大した親指保持部分を利用することを含む、いくつかの方法によって達成されてもよい。
【0040】
親指は、通常、従来のタイピング中に空白バーを押下するために使用されるだけであり、その結果、拡大した空白バーキーを有する適合したキーボードが、本発明と共に使用されてもよい。この任意選択の特徴部は、本発明と共に使用することを意図される、目的に合った設計がなされたキーボードに組み込まれてもよく、あるいは、キーの置換、又は、既存のキーの上への拡大伸張片のスナップフィッティングによって、従来のキーボード設計に対して改造が施されてもよい。こうして、ユーザは、マウスポインタに取り付けられている間でさえも、拡大した<space>キーを押下してもよく、又は、反対の手の親指を使用するだけであってもよい。
【0041】
デバイスの物理的構成において多くの変形が可能であるが、いくつかの因子は、人間工学的要件及び性能を最適化するのを助ける場合がある。
好ましくは、実質的に平坦な基部下面の周辺縁は、斜角を付けられ、丸みを付けられる、又は、その他の方法で、凹凸のある表面にわたって滑らかな摺動を促進するように構成される。
【0042】
平面図で、親指係合表面及び人差し指先端係合表面の位置は、好ましくは、デバイスの前方先端の方に配置される。これは、ハンドライティングモードにおいて大きな可視性を提供し、また、タイピングなどを継続するためにデバイスから外されるときに、人差し指と中指により少ない制約を課す。
【0043】
親指係合表面と人差し指先端係合表面との間の尾根状部の横幅は、親指と人差し指又は中指との間のピンチングアクションによってだけデバイスの移動及び持ち上げを容易にするのに十分に狭くあるべきである。好ましくは、前記幅は、実質的に、ライティング用器具の幅以下、好ましくは、20mm未満である。これは、他の指の移動に対する妨害をもたらすことなく、快適な握り方を可能にする。
【0044】
基部の下面の上の尾根状部の高さとデバイスの幅との比は、特に、凹凸のある表面、たとえば、キーボードの上で動作するときに、デバイスの安定性に影響を与える場合がある。特に、こうした移動中におけるデバイスの安定性は、デバイスが把持される地点、又は、デバイスを移動するために、ユーザによって力が加えられる地点の尾根状部の高さによって影響を受ける場合がある。
【0045】
こうして、一実施形態では、親指係合表面及び/又は人差し指先端係合表面の前記下面からの垂直高さは、実質的に平坦な基部下面の前記周辺縁間の最大分離、すなわち、デバイス有効域の幅又は高さより小さい。
【0046】
マウスデバイスは、従来の電気ケーブルを介してコンピュータと通信してもよいが、ケーブルは、キーボードキーと比べて、ユーザに対する妨害又は不都合を呈する場合がある。その結果、本発明の一実施形態では、マウスデバイスは、コンピュータとマウスデバイスとの間で移動量信号及びコマンドを転送するために、ワイヤレス通信手段を採用する。
【0047】
マウスは、キーボードのキーの上で動作してもよいため、従来のローラボール移動量検知手段は有効でない場合があり、その結果、さらなる実施形態では、電気光学センサが、移動を検知するために、マウスデバイスの下面上に配置されてもよい。
【0048】
デバイスとホストコンピュータとの間のワイヤレス通信及び電気光学検知は、操作性及び全体の寸法の減少において利点を提供するが、従来の電気ケーブルは、通信を伝送するのに使用されてもよく、また、デバイス内のローラを作動するゴムコーティングされた重み付き機械式ボールは、所望される場合、移動量検知に使用されてもよい。
【0049】
さらなる実施形態では、2つ以上の電気光学センサが、いろいろな読取り深度を有するエリアにおける移動を識別するのに採用されてもよい。ワイヤレスデータ伝送技術と電気光学移動量センサ技術は共に、よく知られており、既存のコンピュータ「マウス」で採用される。
【0050】
コンピュータタブレットペン技術などの代替の位置検知技術もまた利用されてもよい。センサパッドは、ペン又はマウスデバイス内のコイルによって歪まされる磁界を生じる。ペンデバイスのロケーションは、測定される磁界の歪から計算される。
【0051】
超音波三角測量は、さらなる位置検知代替法を提供し、それにより、超音波受信機は、2つ以上の送信機からの信号の飛翔時間(TOF)を記録して、デバイス(複数可)の距離及び位置が測定される。知られている技術は、その送信機デバイスに割り当てられた固有の時間及びスペクトル特徴を有する、所与の送信機からの一意の超音波信号の送信を可能にする。超音波送信を検出する受信機は、受信機からの送信機の距離を決定するために、TOFを求める。TOF測定は、アナログドメインとデジタルドメインの両方で実施されてもよい。音響メディアのデジタル化は、複数のデバイスが、同時に動作することを可能にする。使用される送信機と受信機の数は、用途及び要求される位置情報の程度に依存する。距離は、単一の送信機と受信機から求めることができるが、2次元(2D)位置情報(たとえば、ポインティングデバイスについてのX、Y座標)は、よく知られている三角測量の計算によって、1つの送信機と2つの受信機又は2つの送信機と1つの受信機から求められてもよい。3次元(3D)位置情報は、さらなる送信機又は受信機の追加によって導出されてもよい。
【0052】
本発明のさらなる重要な特徴は、オンスクリーンカーソルを移動させるために、マウスの偶発の/故意でない移動とマウスデバイスの故意の移動とをユーザが識別することができることである。この能力は、
−ユーザの手/親指に取り付けられたマウスによるタイピングから生じる、気を散らし、いらいらさせる可能性のあるカーソル移動をなくすこと、
−支持表面からマウスデバイスを持ち上げる必要無しで、強化されたカーソル移動及びスクローリング機能を実施する能力を含む、いくつかの利点を提供する。
【0053】
好ましい実施形態では、マウスデバイスは、
−前記人差し指先端係合表面上に配置される人差し指先端接触センサ、
−前記中指先端係合表面上に配置される中指先端接触センサ、及び/又は、
−前記親指係合表面上に配置される親指接触センサのうちの少なくとも1つを含む。
【0054】
こうして、1つの好ましい実施形態では、前記デバイス移動に対応する前記オンスクリーンポインタ移動は、人差し指先端及び/又は中指先端を、それぞれ、前記人差し指先端及び中指先端係合表面接触センサと接触して置くことによって生成されるだけである。
【0055】
こうして、デバイスは、タイピングを含む手の移動中にユーザの親指と連続して接触した状態で保持されてもよいが、親指だけによるデバイスとの接触は、オンスクリーンポインタ移動を作動させない。
【0056】
本明細書で使用されるように、「接触センサ」という用語は、接触を検出することが可能なセンサ、ボタン、スイッチ、トグルスイッチ、圧力センサ、ロッカースイッチ、動作させるのに正圧又は押下を、又は、入力を登録するのに「クリック」を必要とするボタン、指による接触(すなわち、ファラデー又は容量性センサなどのタッチセンサ)及びアクティブな「クリック」又は押下を検出し、両者を識別することが可能なデュアルアクションセンサ、及び、ユーザの指からのアクションを検知し、アクション検出入力信号を生成することが可能な任意の他の手段、ならびに、それらの任意の組合せ又はそれらの置換を含むが、それに限定されない。
【0057】
本発明の一態様によれば、前記接触センサは、タッチセンサモードと「クリック」作動モードを含むデュアルアクションセンサである。クリック作動は、圧倒的多数の従来のマウスデバイスによって採用され、短い距離を通してばね付勢式ボタンを押下することをユーザに要求し、わずかな抗力に打ち勝ち、通常、小さな可聴クリック音を生成する。こうした形態の接触センサは、ユーザからのアクティブな「クリック作動」入力を指示するために、本発明で利用されてもよい。代替の実施形態では、前記「クリック作動」及びタッチ接触センサは、別個のセンサとして形成される。
【0058】
さらなる実施形態では、2つ以上の接触センサは、個々の指先端及び/又は親指係合表面上に配置されてもよい。一実施形態では、指先端又は親指タッチ接触及びクリック作動は、単一の指先端又は親指係合表面内に配置された別個のセンサによって検出される。なおさらなる実施形態では、前記人差し指又は中指係合表面は、2つの独立した接触センサ、ロッカースイッチ又は2重位置スイッチを含んでもよい。そのため、ユーザは、個々の指先端及び/又は圧力を適切に調整することによって、異なるコマンドを入力してもよい。
【0059】
こうして、デバイスは、いろいろな用途又は優先度について最適化された多数の接触センサ構成で製作されてもよい。たとえば、人差し指係合表面に配置されたロッカースイッチ又は密接した間隔の2つの個々の接触センサは、指の移動を最小にした状態で、単一の指によって典型的な2ボタンマウスデバイスコマンドの入力を可能にしてもよい。
【0060】
親指係合表面に配置される接触センサを含むことは、必須ではないが、ホストコンピューティングデバイスに対してさらなる特徴及び入力信号の組合せについての能力を実際に提供する。こうして、一実施形態では、親指接触センサは、ユーザの親指による、前記親指接触センサとの、それぞれ、接触/非接触に応じた前記デバイスのオン/オフ制御を可能にする。さらなる実施形態では、デバイスは、親指接触センサのクリック作動が、空白バーコマンドを入力するように構成される。
【0061】
従来のマウスデバイスは、通常、ユーザの指からの下方圧力によって動作する2クリック作動接触センサ又はボタンを利用する。ボタンのこの動作軸は、ボタンを同時に押下し、作業表面からデバイスを持ち上げることを難しくする。しかし、本発明の実施形態では、少なくとも1つの接触センサは、基部の平坦下面に実質的に直交しない動作軸を有する。そのため、こうした軸の周りで接触センサを作動させることは、ピンチングタイプアクションを容易にする。さらに、垂直下方の動作軸を回避することによって、ユーザは、接触センサを同時に動作させながら、デバイスを自由に持ち上げることができる。
【0062】
好ましくは、少なくとも前記人差し指接触センサを作動させることは、ユーザの親指と人差し指との間での尾根状部のピニングアクションによって行われる。好ましくは、前記親指及び人差し指は、前記人差し指接触センサを作動させるように位置決めされると、ペンに似たpincer gripを形成する。
【0063】
本発明のさらなる態様では、デバイスは、デバイスから突出するようになっている少なくとも1つのニブ部分を含む。一態様によれば、前記ニブ部分は、デバイスの一番先の地点に配置される。しかし、ニブ部分は、周囲縁又は後方頂点の前部に沿ってなど、デバイスの周りの代替位置に配置されてもよい。好ましくは、前記ニブ部分は、デバイスに取り付けられたスタイラスシャフトの遠位端に配置される。スタイラスシャフトは、好ましくは、デバイス外部の前面における小さな突出部から、デバイスに取り付けられた、専用の、完全に成形され、構成されたペン形状スタイラスまでの範囲内にある、いくつかの構成をとってもよい。
【0064】
尾根状部の上部への取り付け、尾根状部と一体に形成されること、尾根状部への摺動式取り付け、デバイスの一番先の地点における傾斜取り付けを含むスタイラスシャフト取り付け構成は、変わってもよい。
【0065】
なおさらなる実施形態では、スタイラスシャフトは、デバイス尾根状部を形成する。こうして、1つ又は複数の接触センサは、前記スタイラスの外側の周りに配置されてもよい。好ましくは、前記スタイラスシャフトは、前記一番先の端において下方に傾斜する。
【0066】
一実施形態では、前記デバイスは、作業表面から基部の前記下面を少なくとも部分的に取り外すことによって、ハンドライティング/フリーハンド入力モードで動作可能である。
【0067】
好ましくは、前記デバイスは、デバイスを前記ニブ部分の周りに傾斜させることによって、ハンドライティング/フリーハンド入力モードで動作可能である。
好ましい実施形態によれば、前記スタイラス部分の位置はユーザにより可変である。
【0068】
さらなる態様によれば、本発明は、所定の作業表面に対する所定の近接位置内でデバイスニブの移動を検出し、オンスクリーンポインタ移動を生成するときに使用することが可能なデバイス移動量情報を提供することが可能な近接検知システムをさらに含むか、又は、前記近接検知システムと相互作用するように構成される。
【0069】
好ましくは、前記近接検知手段は、デバイス、作業表面、別個のユニット、又はそれらの組合せの中に配置される。その結果、近接検知手段は、マウスデバイス内だけに配置されてもよく、又は、別法として、ホストコンピュータに隣接して、すなわち、ホストコンピュータのキーボード、ディスプレイ及び/又は隣接表面の下に配置されたデジタイザペンタイプタブレットの形態であってもよい。近接検知技術は、ペンタブレット、ディスプレイスクリーンなどで使用するために、特に、Wacom Technology Corporation
によってよく立証されており、種々の検知表面と共に使用することができるコード不要デバイス、電池無しデバイスを提供する。既存のデジタルペンシステムは、表面から20mmまでのペンを検出することが可能であり、接触作業表面に対してペンによって加えられた圧力を識別することが可能である。
【0070】
本発明のさらなる態様によれば、所定の作業表面と接触して、又は、前記所定の作業表面のすぐ隣りで描かれる経路は、前記経路の対応するオンスクリーン表現に変換される。異なる実施態様によれば、作業表面上のニブ経路は、
−任意選択で、ライティングを解釈するための光学認識システムを有する、スタイラスニブ上に配置されたインクタイプペン取り付け具によって、又は、
−ニブ移動のオンスクリーン記録を生成することが可能なディスプレイスクリーンの形態の作業表面(これは、ユーザが、自分のライティング用技量と直接に比較できるように、自分の手の移動の効果を直接観察することを可能にする)を介して、作業表面上に直接トラックを生成してもよい。
【0071】
前者の場合、デバイスは、書かれたイメージを、ホストコンピュータディスプレイ上で解釈し表示するための、光学文字認識(OCR)プログラムに入力することが可能な電気光学センサを含んでもよい。
【0072】
本発明のなおさらなる態様では、前記基部は、デバイスが前記ハンドライティング/フリーハンド入力モードで使用されるときに、中指のある部分を収容するように形作られた中指凹所又はスロットを含んでもよい。
【0073】
一実施形態では、前記中指凹所は、後方又は横周辺基部縁から内側に延びる前記デバイス基部内か、又は、前記デバイス基部を通して形成される。
さらなる実施形態では、中指の上部表面は、前記ハンドライティング/フリーハンド入力モードでの使用中に、尾根状部/基部内に形成された後方横中指凹所に当たって支持されてもよい。なおさらなる実施形態では、前記後方横中指凹所は、ハンドライティング/フリーハンド入力モード中に、中指が親指の下に少なくとも部分的に延びることを可能にするように構成される。
【0074】
本発明は、左きき、又は、右ききユーザについて最適化されたバージョンで、かつ/又は、両手ききの実施形態で製作されてもよい。好ましくは、前記両手ききの実施形態は、尾根状部の長手方向軸に直交する横断軸の周りで、尾根状部の中間地点に関して実質的に対称である。
【0075】
一実施形態では、人差し指先端及び中指先端接触センサに関連するそれぞれの制御信号は、ユーザの右手と左手において、デバイスの使用を可能にするために、反転可能である。
【0076】
本発明は、マウスデバイス自体にだけはなく、その全てが、特にマウスデバイスにインタフェースするようになっていてもよい、関連するキーボード、ディスプレイスクリーン、及びコンピューティングデバイスにも限定されないことが理解されるであろう。さらに、さらなる態様によれば、本発明は、マウスデバイスの特徴を実施することが可能なコンピュータソフトウェアに存在する。
【0077】
こうして、一態様によれば、本発明は、実質的に本明細書に述べられたように、マウスデバイスをインタフェースするようになっているキーボードを提供する。一実施形態では、前記キーボードは、隣接するキーボードキーにオーバラップすることなく、前記デバイスを押下するユーザの親指によって操作されるのに十分に拡大した空白バーキーを含む。代替の実施形態では、キーボードは、空白バーキーの無い状態で構成され、空白バーコマンドは、前記親指係合表面上に配置された親指接触センサの作動によってだけ生成される。
【0078】
さらなる態様によれば、前記キーボードは、好ましくは、キーボード中心線から非対称に位置決めされた、切頭の(好ましくは、半分の幅の)空白バーキーを含む。これは、ユーザが、他の手でデバイスを操作しながら、一方の空いている手で切頭の空白バーキーを操作することを可能にする。しかし、こうした設計は、左ききユーザと右ききユーザとの間であまり適合しない。
【0079】
その結果、さらなる実施形態では、前記キーボードは、キーボード中心線に関して等距離に位置決めされた2つの選択可能な部分を有する(好ましくは、最大限のサイズの)空白バーキーを含む。ユーザは、前記選択可能な部分の一方の部分が、他の部分が空白バーキーとして操作可能状態のままである間、停止されるように構成してもよい。
【0080】
知られているキーボードはまた、キー上にマークを付けられたデフォルトのQWERTYキーシンボルよりも、代替のキーストロークを表示するのに使用することができる、構成可能な部分を有するキーを提供する。こうした技術は、本発明に容易に組み込まれてもよい。特に、たとえば、人差し指先端又は中指先端を、それぞれの接触センサと接触した状態で置くことによって、ユーザが故意にマウスデバイスを保持するときを、ホストコンピュータが知るように構成することによって、ユーザが従来のテキストエントリをタイピングすることを中止したことが推測されてもよい。
【0081】
構成可能なキーは、照明可能な部分、個々のLCDディスプレイ、又は任意の他の適した電気光学技術などのいくつかの手段を利用してもよい。
こうして、キーボードの複数の部分の外観は、非テキストエントリにとって適切な、代替のキー又はアクションを表示するために変更されてもよい。たとえば、標準的なカーソルナビゲーションキーは、キーボードからなくされ、照明可能な矢印形状の部分を有する任意の好都合なQWERTYテキストキーで置換えられてもよい。ユーザが、タイピングすることを中止し、人差し指又は中指接触センサに接触すると、デバイスは、(ポインタナビゲーションモードへの)モードの変更をコンピュータに信号送信し、したがって、あるキー上に配置された被照明部分を作動させる。これらのキーは、ナビゲーションキー(ラインアップ、ダウン、ページアップなど)、ウェブサイトへのホットキー、メディアプレーヤ、ボリューム制御、ウェブブラウザなどの、テキストをタイピングしないときにユーザによってアクセスされる可能性がある任意所望の機能を表してもよい。キーボードの被照明キーを、マウスの無い手の側に設置することは、反対の手がマウスデバイスを使用している間に、動作時に所定の効率を可能にする。
【0082】
なおさらなる実施形態では、キーボードは、スクリーンディスプレイ、好ましくは、タッチスクリーン上に仮想的に生成されてもよい。こうしたスクリーンベースの仮想キーボードは、従来の物理的キーボード用の制限された空間を有する用途(PDA、タブレットPC、ウルトラポータブル、移動体電話など)で、かつ/又は、使用中に、ユーザが、一方の手でコンピュータ/スクリーンを保持する必要がある環境で使用するのに特に適する。
【0083】
仮想キーボードは、ソフトウェアによって生成され、個々のキーを選択するために、マウスデバイス又はポインティングデバイスによって作動してもよい。タッチスクリーン上に表示される仮想キーボードはまた、従来の指タップによって直接アクセスされてもよい。こうして、従来のペンデバイスと違って、ユーザは、タイピング中にデバイスを下に置く必要無しで、タイピングし、マウスデバイスを作動させてもよい。一実施形態では、キーボードは、デバイスのロケーションから所定距離のところに表示され、したがって、キーボードが、ユーザの親指から一定距離内に留まることを可能にし、効率的なタイピングを容易にする。あるいは、キーボードは、スクリーン上のあるロケーションに固定されたままであってよい。さらなる実施形態では、キーボードのサイズは、可変であり、2本の空いた手を持つユーザが、拡大したキーボード上で両手でタイピングすることを可能にするように、大きく(好ましくは、2倍に)されてもよい。
【0084】
一態様によれば、キーボードは、半透明であり、また、人差し指が人差し指接触センサを作動するまで、スクリーン上に残る。
オブジェクトとの直接の物理的接触(通常、スタイラスが使用されるが)を受動的に検出することによって、又は、Wacom Technology Corporationからのデバイスにおいて採用されるような専用の能動近接検知システムによって
、オンスクリーン相互作用を生成するように構成された、異なるタッチスクリーンタイプが利用可能であることが理解されるであろう。前者の場合、受動タッチスクリーンは、デバイスが、スクリーン自体の上で動作するポインタナビゲーションモードなどの、一定の動作モードにおいて、スクリーン接触からの入力をディセーブルするように構成されてもよい。同様に、ユーザがタッチスクリーン上で直接タイピングしている間、キーボードエリアの外側のスクリーン部分は、ユーザの手がスクリーンなどの上に載ることによる入力を防止するためにディセーブルされてもよい。一態様によれば、本発明は、実質的に先に述べたように、ポインティングデバイスからの入力を有する、コンピュータ用のディスプレイスクリーン制御方法を提供し、前記入力は、オンスクリーンポインタ移動を生成するための、接触センサ信号及び/又はデバイス移動量情報を含む。
【0085】
好ましくは、前記接触センサは、
−タッチ接触、
−タッチ及び保持(本明細書では、「タッチホールド」又は「タッチされた」入力として示される)、−タッチ及びユーザ接触からの開放(本明細書では、「ソフトクリック」入力として示される)、
−タッチ及びクリック作動及びクリック作動位置からの開放(本明細書では、「クリック」又は「ハードクリック」入力として示される)、及び/又は、
−タッチ及びクリック作動及びクリック作動位置における保持(本明細書では、「クリック選択」又は「ハードクリック選択」入力として示される)のうちのいずれか1つによって生成される入力を信号送信する。
【0086】
一実施形態によれば、前記デバイス移動は、人差し指及び/又は中指接触センサに対してタッチホールド入力をユーザが実施するときに、オンスクリーンポインタ移動を生成するだけである。好ましくは、1つ又は複数の接触センサからのソフトクリック入力は、所定のQWERTYキーボードキー入力を生成する。
【0087】
前記所定のQWERTYキーボードキー入力は、好ましくは、<TAB>、<BACKSPACE>及び/又は<ENTER>キーボード入力などの、非常に重要な、かつ/又は、高い頻度でアクセスされるコマンドキーのために、ユーザ定義可能であってよい。
【0088】
本発明のキーボードは、必ずしもQWERTYキーレイアウトによってだけ使用される必要がないこと、及び、所望される場合、任意のキーボードキャラクタ及び/又はレイアウトが利用されてもよいことが当業者によって容易に理解されるであろう。さらに、キーボードレイアウトは、動的に変化するように構成されてもよいため、異なる用途及び/又はユーザの現在の活動に関する許容可能な入力状況について、同時的にカスタマイズされてもよい。たとえば、グラフィックス/ペインティングプログラムにおいて、キーボードが、異なるブラシ又はカラー選択を許可するコマンド(又はアイコン)を示している間、又は、カーソルが、数値を受け入れるだけのフィールドにある場合、数字キーパッドのみが示されるであろう。
【0089】
好ましくは、1つ又は複数の接触センサからのソフトクリック入力は、1つ又は複数のオンスクリーンツールバーを生成する、かつ/又は、1つ又は複数のキーボードキーを新しい機能に再マッピングする。新しい機能は、限定はしないが、ナビゲーションキー、ウェブサイトリンク、探索エンジンリンク、メディアプレーヤ、ボリューム制御、ウェブブラウザ、及び/又はスクリーンズーム制御を含む、任意の知られているコンピュータ入力コマンドを含む。前記方法のさらなる実施形態では、
前記再マッピングは、照明可能な部分を照明するか、又は、1つ又は複数の前再マッピングされたキーの構成可能なディスプレイ部分を再構成する。
【0090】
一実施形態では、前記方法は、
−1つ又は複数の接触センサからのハードクリック入力が、オンスクリーンポインタ選択モードを生成するように、
−親指接触センサのユーザによる作動が、仮想オンスクリーンキーボードを生成するように、
−前記親指接触センサの作動は、タッチホールド入力か、ハードクリック選択入力のいずれかであるように、
−前記キーボードが、ディスプレイスクリーン表面の上のデバイスの位置から所定距離のところに表示されるように、
−キーボードが、半透明であり、また、人差し指又は中指接触センサが作動するまで、スクリーン上に残るように実施されてもよい。
【0091】
好ましくは、前記方法は、前記デバイスが、
−前記下面が作業表面に非平行であるように前記デバイスを傾斜させること、−デバイスから突出する少なくともニブ部分の周りに前記デバイスを傾斜させること、
−デバイスから突出するニブ部分内で接触センサ又は近接センサを作動させること、
−前記デバイス又は前記コンピュータ上で専用スイッチを作動させることのうちの少なくとも1つを含む、ユーザからの所定の入力の作動によって、デジタルインクモードで動作するようにさらに実施されてもよい。
【0092】
デジタルインクモードの作動後、オンスクリーントラックは、作業表面との接触によって、ニブ上に圧力を加えることによって生成される。ニブを持ち上げると、オンスクリーントラックが休止し、それにより、デジタルハンドライティングが実施されることが可能になり、従来のライティングを繰り返す。
【0093】
本発明のさらなる態様は、オンスクリーンポインタ移動を生成するための、接触センサ信号、及び/又は、デバイス移動量情報を含む、マウスデバイスからの入力を有する、コンピューヤ用のディスプレイスクリーン制御方法を含み、前記デバイス移動量情報は、作業表面に対する直線と回転の両方のデバイス移動から生成され、対応する直線及び回転オンスクリーンポインタ移動を生じる。
【0094】
好ましくは、前記ポインタは、知られている従来のオンスクリーンコンピュータポインタの選択及び入力アクションを実施することが可能である。
好ましくは、前記ポインタは、主要な長手方向軸に関して細長く、1つ又は複数の所定の接触センサ入力と組合わされて、前記回転オンスクリーン移動は、前記主要なポインタ軸と同軸に、かつ/又は、前記細長いポインタの回転によって変換された弧で配置されたオンスクリーンオブジェクト及びテキストを選択することが可能である。他のポインタ形状が利用されてもよいが、細長い「矢印」又はスティック構成は、オンスクリーン上で所定部分又はオブジェクトを選択するときのユーザの効率を改善するための、優れた視覚キューを提供することが理解されるであろう。
【0095】
好ましくは、前記細長いポインタは、作業表面として前記スクリーンディスプレイ上で使用されるとき、前記デバイスから実質的に直角に延びる。こうした構成は、作業表面がタッチスクリーンディスプレイである実施形態に理想的に適合する。
【0096】
先に説明したように、タッチスクリーン上でデバイスを直接動作させることは、デバイスがデジタルインクモードにあるとき以外は、スクリーン接触からの入力を無視するように構成された受動タッチスクリーンを必要とするか、又は、物理的接触には反応しないが、専用センサの近接性にだけ反応する能動近接検知(Wacom )タイプスクリーンを利用することを必要とする。
【0097】
あるいは、マウスデバイスは、マウスパッドなどのような従来の作業表面上に配置されてもよい。こうした実施形態では、オンスクリーンポインタは、従来の方法で生成される。好ましくは、前記ポインタは、細長く、2つの端は、遠位端に矢印ヘッド、他端に実質的に円のシンボルを有する。
【0098】
回転仮想ポインタの作動は、専用デバイス接触センサの作動又は既存の接触センサからの入力の組合せを含む多数の方法によって達成されてもよい。あるいは、回転ポインタは、永久又はデフォルトポインタとして使用され、したがって、特定の作動手段を必要としなくてもよい。
【0099】
さらなる態様によれば、本発明は、オンスクリーンポインタ移動を生成するための、接触センサ信号、及び/又は、デバイス移動量情報であって、作業表面に対するデバイス移動から検知される、デバイス移動量情報を含む、ポインティングデバイスからの入力を有する、コンピュータ用のディスプレイスクリーン制御方法を提供し、前記方法は、文書スクローリング及び/又はズーミングモードを提供し、前記文書スクローリング及び/又はズーミングモードは、
−前記スクローリング又はズーミングモードを、
−接触センサ、
−デバイス移動、及び/又は、
−コンピュータからの少なくとも1つの所定のユーザ入力によって作動させること、
−前記デバイス及び/又はコンピュータからの少なくとも1つのユーザ入力からロックされたスクローリング又はズーミング方向を定義すること、
−前記ロックされた方向にスクローリング又はズーミングを実施することであって、前記スクローリング又はズーミングは、方向にかかわりなく、作業表面に対して前記デバイスが移動する距離に比例する、実施することを含む。
【0100】
好ましくは、前記方法は、スクローリング又はズーミングモードのユーザによる作動が、
−前記デバイス上に配置されたニブ部分を、作業表面に接触して、又は、前記作業表面のすぐ隣りに設置すること、
−コンピュータに対して少なくとも1つのキーボード入力を作動すること、
−前記デバイス上に配置されたニブ部分を介して作業表面に圧力を加えること、
−デバイス上の専用接触センサを作動させること、
−前記デバイスの下面が、作業表面に非平行であるように前記デバイスを傾斜させること、
−デバイスから突出する少なくとも1つのニブ部分の周りで前記デバイスを傾斜させること、
−所定のデバイス移動を実施すること、
−ホストコンピュータ上で音声及び/又は視覚認識ソフトウェア及びハードウェアを使用した、特定の音又はアクションによる音声作動又は視覚作動のうちの少なくとも1つによるように構成可能である。
【0101】
こうして、特定のデバイス移動、たとえば、「2つの時計方向円回転」を実施することさえも含む、スクロール/ズームモードを誘発するのに、いろいろなトリガーアクションが使用されてもよいことがわかる。一実施形態では、前記モードを作動させ、ロックされるスクローリング又はズーミング方向を定義する方法ステップは、同じユーザアクション又は入力によって実施される。
【0102】
好ましくは、前記デバイスは、実質的に先に述べたデバイスである。しかし、知られているマウス又はペンポインティングデバイスを含む、代替のポインティングデバイスが使用されてもよいことが理解されるであろう。従来の2ボタンマウス(ニブ部分を有するか、又は、有さない)又はデジタルペンポインティングデバイスが使用されてもよいが、こうしたデバイスは、本発明のデバイスと比較して、かなりの制限を示すことがわかった。
【0103】
一実施形態によれば、ユーザにより指定された方向におけるロックされたスクローリングは、好ましくは、少なくとも所定の距離にわたって、前記ユーザにより指定された方向に実施されたデバイス移動によって定義される。
【0104】
スクローリングは、特定の接触センサ入力などの、種々の方法によって定義されてもよいが、デバイスを(最初に)所望のスクローリング方向に移動させることは、特定の接触センサ入力に比べて、ユーザが思い出すのが容易であり、また、より直感的である。
【0105】
そのため、ユーザが、たとえば、下方向にスクローリングをロックしたいと思う場合、ユーザは、スクロールモードを作動した後、自分のデバイスを下方に移動させるだけである。デバイスが、前記ユーザにより指定された方向に所定距離(好ましくは、コンピュータが指定された方向を特定するのに十分に比較的短くされる)移動した後、デバイスのいずれの移動も、下方スクローリングに変換される。こうして、ユーザは、文書を下方にスクロールするための自分の好みに応じて最も人間工学的でかつ快適な移動を実施してもよい。回転移動を実施することは、通常、ロックされたスクローリング中に、最大の程度の快適さと制御をユーザに提供し、本発明によって容易に達成される。
【0106】
好ましい実施形態では、前記ロックされたスクローリングモードは、少なくとも1つのデバイス接触センサの連続した作動によって維持される。そのため、接触センサ(圧力センサなど)を組み込むニブ部分を装備するデバイスの場合、スクロールモードは、作業表面に接触する(又はその他の方法で、ニブポイントセンサを作動させる)ことによって作動され、それにより、たとえば、ニブポイント接触センサのクリック作動などの、さらなる接触センサ入力(又は、入力の組合せ)によってロックされたスクローリング方向を定義するプロセスを始動してもよい。その後、コンピュータは、ニブポインタが作業表面から持ち上げられるまで、ロックされたスクローリングに留まるであろう。スクローリングモード及びスクローリング方向の定義をトリガーするように構成されてもよい、多数の入力変形が存在し、また、本発明が、いずれの特定の構成にも限定されないことが理解されるであろう。
【0107】
さらなる実施形態では、ロックされたスクローリング又はズーミングの方向は、
−接触センサ、
−デバイス移動、
−コンピュータ、
−又はその組合せからの少なくとも1つの所定のユーザ入力によって反転されてもよい。
【0108】
一態様によれば、前記ロックされたスクローリング方向は、前記デバイス移動を互いに直交する軸(本明細書では、X軸及びY軸と呼ぶ)に分解し、X軸とY軸の両方における移動の同時反転を検出することによって、前記ロックされたスクローリング/ズーミングの方向を反転することによって反転される。
【0109】
あるいは、前記ロックされたスクローリング方向は、デバイス移動の停止とそれに続く、前記停止前のデバイス移動に対する反対経路に沿ったデバイス移動を検出することによって反転される。
【0110】
こうして、ユーザは、たとえば、時計方向か、反時計方向のいずれかに、回転デバイス移動を最初に実施して、ロックされた方向を反転させることなく、文書を永久的にスクロールしてもよい。しかし、回転方向を瞬間的に反転することによって、x軸とy軸の両方の移動が反転されることになり、したがって、ロックされたスクローリング方向の反転がトリガーされる。やはり、他の方向の反転トリガーが構成されてもよいが、上記構成は、人間工学的に人に適しており、また、多くのユーザが熟知している「仮想」ジョグダイアル又はロータリコントロールを動作させることを本質的に真似る。
【0111】
ズーミングが、ロックされたズーミング方向を定義するときに使用することができる、スクリーン平面における物理的方向を持たない場合、ロックされたズーミング方向を定義することは、スクローリングの場合に比べて直感的でないと考えられてもよい。それでも、上述した技法は、依然として利用されてもよく、ズーミングイン及びズーミングアウトに相当するより独自のデバイス移動を定義する必要性がある点が異なるだけである。こうして、1つの例示的な実施形態では、ロックされたズーミング方向は、下方又は左(及び/又は、これらの方向の間の任意の方向)へのデバイス移動がズーミングアウトを定義し、上方又は右(及び/又は、これらの方向の間の任意の方向)へのデバイス移動がズーミングインを定義するように、前記デバイスからの少なくとも1つのユーザ入力から定義される。
【0112】
なお別の態様によれば、ロックされたスクローリング又はズーミングの方向を前記定義することは、所定の方向において許容可能な最大限の範囲まで文書をスクロールするか、又は、ズームするための、前記所定の方向における高速デバイス移動を含む前記デバイス及び/又はコンピュータからの少なくとも1つのさらなるユーザ入力をさらに含む。
【0113】
こうして、本発明は、個々に、また、組合せて、従来技術に比べて著しい利点を提供する、仮想ロータリポインタ及び永久的なスクローリング/ズーミングモードと共に、デバイス接触センサ、キーボードの上で動作する手段、及び他の非標準的作業表面を動作させるときに有利なハンドリング品質及び人間工学的要件を組み込む新規なポインティングデバイスを含むいくつかの形態で具体化される。
【0114】
本発明のさらなる態様は、例としてだけ与えられる以下の説明から、また、添付図面を参照して明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0115】
図1〜23は、基部2が下面を有し(図6と図20に示す実施形態の例外がある)、尾根状部3が基部2から実質的に上方に突出した状態で構成されたコンピュータマウス入力デバイスの本発明の好ましい実施形態を示す。図1〜5に示す実施形態は、右ききユーザによる使用に最適化されたデバイス1を示し、尾根状部3の第1側面上の細長い親指係合表面4、ならびに、親指係合表面4に対して尾根状部3の対向する側面上に配置された人差し指先端係合表面5及び中指先端係合表面6を含む。左ききユーザ及び両手きき実施形態について構成された代替の実施形態もまた、以下でより完全に述べられるように可能である。接触センサ7,8は、それぞれ、人差し指先端係合表面5と中指先端係合表面6に配置される。示す実施形態では、センサ7,8は、従来のマウスボタンにより、指による接触及び「能動的な」クリック又は押下を検出し、両者を識別することが可能なデュアルアクションセンサである。しかし、代替のセンサ/ボタンのタイプ及び構成が可能であり、本発明は、図面に示す実施形態に制限されない。本発明と従来マウスとの比較を補助するために、2つの接触センサ7,8は、左ボタン及び右ボタン(それぞれ、7,8)とも呼ばれる。尾根状部3の対向する側面上に、単一の別個の人差し指先端係合表面5及び中指先端係合表面6が存在することは、例示に過ぎないことも理解されるであろう。例として、デバイスは、人差し指先端か中指先端のいずれかによって接触可能な単一指先端係合表面を持った常態で構成されてもよく、又は、別法として、デバイスは、ユーザが、どの指先端を使用するかを選択し、また、その位置を選択することを可能にする、複数の指先端係合表面を含んでもよい。
【0116】
本発明の大多数の実施形態は、簡単なライン描写に容易には適さない、多数の高度な輪郭を持つ、かつ/又は、複雑な形状を含むことが留意されるであろう。そのため、本発明に伴う図は、デバイス1の構成と関連する輪郭と表面を示すためのハッチング効果を含む。ハッチングは、本発明のどの部分も形成せず、例証だけのためにある。
【0117】
図1〜20に示す実施形態は、支持表面(明示的には示さず)にわたるデバイス1の相対移動を検知することが可能な、基部2の下面9上の光学センサ(図示せず)をさらに含む。こうした光学センサは、コンピュータマウスと共に使用するために知られており、通常、マウス移動の光学検出のために支持表面を十分に照明するLEDと共に使用される。光学センサによる支持表面にわたる相対移動の検出及び/又は接触センサ7,8の作動は、任意の従来の電気伝送手段によって、ホストコンピュータ(パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、ノートブックコンピュータなど(図示せず))に送信されてもよい。
【0118】
凹凸のある、又は、不規則な表面の上(たとえば、従来のキーボードのキーの上)で使用される本発明の実施形態は、異なる焦点距離を有する2つ以上の光学センサを採用してもよく、又は、十分に深い被写界深度を有する単一センサは、さらなるセンサについての必要性をなくす場合がある。これにより、光学トラッキング機構は、確実に動作したままになることになり、センサ−支持表面の分離の変動があっても、連続した移動量データを受け取る。デバイス1は、支持表面から持ち上げられると、オンスクリーンポインタ移動をディセーブルするように構成されてもよい。
【0119】
好ましい実施形態では、デバイス1は、ワイヤレス無線又は音響伝送データリンクを含み、従来のマウスケーブルによる、物理的干渉又は移動の制約が無い状態で、PCが、ある範囲の支持表面にわたるデバイス1の使用を可能にする。
【0120】
親指係合表面4の構成は、デバイスの機能において重要な役割を果たす。親指係合表面4の適切に触知可能な、かつ/又は、適切に形作られた表面部分から形成される親指保持部分は、タイピング及び/又はデバイス1の位置決め移動中に、ユーザの親指が、デバイス1に接触して維持されることを可能にする。これは、手をキーボードから外し、マウス駆動式動作を実施する前に、マウスを視覚的に特定し、マウスを物理的に取得する必要無しで、デバイス1を、ユーザに即座に使える状態にする。図1〜23に示す実施形態の親指保持部分は、視覚的外観が著しく異なるが、それぞれは、位置決め移動及び/又はタイピング中に、デバイス1に対して親指を保持する共通の能力を依然として提供する。図1a〜1e,6a〜6e,8a〜15bに示す実施形態は、親指係合表面4のわずかの「カッピング」形状として少なくとも部分的に構成され、それにより、親指係合表面4の縁を形成する基部2の長手方向外周10は、ユーザの右手親指12の左側に係合する持ち上がったリップ11を装備する。図1f〜1jに示す実施形態は、大きな上方突出部を有する著しく拡大したリップ部分11を持つように構成され、それにより、(図2及び図3に示すように)ユーザの親指12により大きな保持力を提供する。そのため、尾根状部3及び全体が対向するリップ11は、タイピング中に右手13によって通常実施される比較的小さい移動中に、親指12がデバイス1に接触して保持されるようにする。当然、親指係合表面の上部縁(好ましくは、尾根状部3の最も上の周辺)に沿って配置された細長い(好ましくは、少なくとも部分的に弾性のある、又は、柔軟性がある)隆起部又はリップを含む、親指保持部分の他の構成が可能である。
【0121】
代替の親指保持部分構成は、
−任意選択で、親指中手骨領域を包む着脱自在のストラップ又は締め具と共に、遠位指骨親指部分を保持する凹所、
−挿入される親指部分を収容することが可能な細長い開口、
−親指指骨の1つ又は複数の部分の周りに着脱自在に固定されることが可能なクリップ、ストラップ、締め具など、
−弾性の、柔軟な、エラストマーの、かつ/又は、摩擦の大きい表面を含む。
【0122】
図21,22は、さらなる親指保持部分が、いろいろなサイズの親指12についてカスタム化可能な嵌合及び個人の好みを提供する、デバイス1のさらなる実施形態を示す。図21a)は、尾根状部3に対して親指係合表面4の対向面上に配置される半伸縮性の湾曲カフ35から形成される親指保持部分を有するデバイス1を示す。カフ35は、ユーザの親指12の方へ、又は、親指から離れるように移動して(図21a,22a,22b)に示す)、個々のユーザに対するカスタマイズされた嵌合を達成してもよい。一部の実施形態では、カフ35は、親指係合表面4に対する取り付け地点85の周りにヒンジで取り付けられ、(任意選択で)尾根状部3の方にばね付勢されてもよい。あるいは、カフ35は、固定され、柔軟な材料から構築されてもよい。図21bは、ユーザの指12が、カフ35によって部分的に包まれ、残りのユーザの指14,15,16,17がタイピングなど用に空いているデバイス1を示す。
【0123】
図22a,22bは、調整可能なカフ35が、さらに拡大して、(図22cに示すように)ユーザの指12をより完全に包む変形を示す。上部親指表面にわたって少なくとも部分的に延在する拡大カフ35の包囲する性質は、手が作業表面から外されたときでさえ、ユーザの指12上に保持されることを可能にする。そのため、ユーザは、非キーボード活動間に、デバイス1を視覚的に再取得し、自分の親指12を親指係合表面4内に再位置決めする必要がない。図22bはまた、従来の左/右マウスボタン7,8の機能が、カフ35に対して尾根状部3の対向面に配置された単一ロッカースイッチ36によって置換えられる実施形態を示す。
【0124】
図22dは、親指保持部分が、尾根状部3の上部縁と親指係合表面4の外側縁の両方でデバイス1に取り付けられた弾性のある、又は、伸縮性のあるカフ/ストラップ35から形成される、さらなる実施形態を示す。図22eは、カフ35内に挿入されたユーザの親指12を示し、それにより、手の移動中にデバイスがユーザに対してしっかり保持される。
【0125】
図23は、持ち上がった拡大リップ11の形態の固定親指保持部分を有するデバイス1のさらなる実施形態上に搭載されたロッカースイッチ36を示す。図23bは、ユーザが、ロッカースイッチ36のより高い部分にアクセスしているところを示し、ロッカースイッチ36の上側部分が右マウスボタン8の役割を果たしながら、ロッカースイッチ36のより高い部分は、左マウスボタン7に対して相補的に機能するように構成されてもよい。そのため、左と右の両方のボタン入力7,8は、単一の指先端、好ましくは、人差し指14によって動作してもよいことが理解されるであろう。
【0126】
なおさらなる代替の構成は、タイピング中にデバイス1を親指に対して保持することが可能であり、したがって、本発明の範囲内に入る。使用される構成に応じて、保持力及び係合の容易さ/接近容易性の程度は、ユーザの親指12の上で本質的に磨耗するデバイス1から、親指12を親指保持部分から容易に係合させ、係脱させることを可能にする構成まで変わってもよい。
−コンパクトな寸法、
−他の指14,15,16,17と干渉することなく、ユーザの親指12に接触して保持されることができること、
−摺動の助けとなる下面9の組合せは、デバイス1が、専用のマウス「パッド」、テーブルトップ、又は他の支持表面の代わりに、キーボード18の上部表面上で動作することを可能にする。デバイス1は、さらに、スーパーキーボード動作、すなわち、
−下面9の平面有効域が、不注意なキー押下を回避するために、2つ以上(好ましくは4つ)のキーをオーバラップする大きさに作られ、そのように構成されること、
−さらなる指(通常、人差し指14)が、センサ7,8の一方を作動させなければ、オンスクリーンポインタ移動についてデバイス1の移動を無視することについて最適化されてもよい。
【0127】
こうして、親指12だけが、(図2,4に示すように)デバイス1に接触している場合、デバイスの移動は、オンスクリーンコンピュータポインタの移動に変換されず、デバイス1は、本質的に、非アクティブモードにある。しかし、デバイス1が、ペンを保持するという直感的な方法で、(図3,5に示すように)人差し指14と親指12との間で保持されるとき、デバイスは、「作動」モードに切換えられ、デバイス1の物理的移動が、オンスクリーンポインタの移動に反映される。
【0128】
デバイス1は、従来のQWERTYキーボード18と共に使用されてもよく、空白バーは、空白バー上に載るデバイス1を介して、左手親指か、右手親指12のいずれかによって押下される。どの隣接するキーをも不注意に押下することを回避するために、(図4,5a,12aに示すように)拡大した空白バー20が使用されてもよい。これは、従来の空白バーに対する改造又は置換として、目的に合った設計がなされたキーボードの一部であってよい。
【0129】
あるいは、デバイス1を動作させるユーザの手に対して、対向する面のキーボードの一方の側の方に位置決めされた空白バー20が、(図5bに示すように)切頭されてもよい。そのため、ユーザの空いている手は、従来のタイピング方法で空いている親指で空白バーを操作してもよく、一方、より多くの非キーボード作業表面エリアは、デバイス1を操作するために空いている。
【0130】
デバイス1が作動した、という視覚的確認をユーザに提供するために、オンスクリーンポインタは、シンボリックグラフィックによって置換えられてもよい。これは、ポインタが、中央で「把持された」又は「握り締められた」ことを指示し、デバイス1を作動するのに伴う物理的アクションを模擬する、アニメーションなどの任意の好都合な形態をとってもよい。
【0131】
デバイス1は、ユーザのアクション、及び/又は、インタフェースされる動作プログラムの特徴に応じて、いくつかの「モード」で動作するように構成されてもよい。モードは、
−非アクティブモード(指の接触が無いか、又は、親指だけの接触で、長引くか、又は、故意の他の指の接触が無い)、
−ポインタナビゲーションモード(親指と人差し指が接触)、
−文書ナビゲーションモード(親指、人差し指、及び中指が接触)、
−ズームモード(親指と中指が接触)、
−デジタルインクモード(ライティング/ドローイングセンサを作動させるために、デバイスが傾斜するか、又は、スタイラスニブが延びる)を含む。
【0132】
上記例示的モードは、それぞれ、本明細書でより詳細に述べられるが、多くの代替の構成が可能であり、本発明は、述べる例に限定されないことが理解されるであろう。
さらに、上記モードの中で、「デジタルインク」ハンドライティング/ドローイングモードだけは、デバイス1の所望の物理的特徴に著しい影響を及ぼし、したがって、最初に説明される。
【0133】
ペンタブレットなどのデバイスは、特に、コンピュータハンドライティング及びフリーハンドドローイング用途について、高いレベルの操作性及び精度を提供する。しかし、精度の利点は、ペンを探索し、拾い上げ、使用後にしっかりと置くのに伴う非効率によって半減される。これは、多数のタイピング/ポインティングモードのやりとりを含む用途について、最上のインタフェースとしてのその使用を阻む。これは、グラフィック設計者などにとってはあまり重要ではないが、デバイスは、それでも高価である。必要とされるトラッキング技術は、本来、従来のマウスで使用される光学/ローラ機構より費用がかかる。対照的に、デバイス1は、ペンデバイスに実質的に匹敵する精度を提供するが、「手からデバイス(hand-to-device)への」ダウンタイムを全く受けないし、視覚的にデバイスを取得する必要もない。その結果、デバイス1は、マウス又はデジタル化ペンに比べて高い効率を提供する。
【0134】
反復運動過多損傷(RSI)、反復動作損傷(RMI)、及び職業性過使用症候群(OOS)が益々知られることによって、人間工学的に有効なマウス形状及び使用方法の作成に大いに力が入れられてきた。従来のマウス設計は、単一の指の反復使用を強制することによって、手に緊張を与え、把持するのが厄介である。ユーザは、通常、手の過回内及び過伸展ならびに尺側偏位及び撓側偏位を持った状態で、非常に強くマウスを把持する傾向がある。従来技術のマウスは、回内の問題に対処するために考案されたが、これらの設計は、デジタル化ペンタブレットデバイスと共に、以下の重要な利点を依然として提供しない。
−デバイス1は、キーボードの左手側又は右手側で使用される従来技術のデバイスと対照的に、ユーザの前のより自然でかつ快適な位置で動作する。
−手からデバイスへの移動がなくされる。従来技術のマウス及びペンタブレットシステムは、本発明の親指及び人差し指の移動と比較して、キーボードへ/からの移動中に、手、腕、及び肩の筋肉の使用を必要とする。
−ボタンクリック/接触センサ動作は、クリックを実施するために、親指12及び人差し指14又は中指15の対向する2つだけの筋肉を必要とする。これは、きわめて速く、従来のマウスボタンを「クリックする」のに必要とされる従来の人差し指の下方移動よりも労力を必要としない。
【0135】
図1f〜1j,6a〜6f,8a〜8b、9a〜9c、13a〜13b、15a〜15b、及び20a〜20fに示す本発明の実施形態は、ハンドライティング及び/又はフリーハンドドローイング/操作を補助するために、デバイス1内にペン/スタイラス特徴部を組み込む。これらの実施形態は、こうした役割における従来のマウスの固有の精度の欠如だけでなく、ペンスタイル実施と比べて従来のマウスを使用することによるスタイラス22のさらなる欠点にも対処する。
【0136】
通常のマウスは、有効カーソル位置を指示する枢動点上で傾く、又は、傾斜することができない。ほとんどの従来のマウスは、支持表面から離れて傾斜する場合、働かないことになり、平坦な支持表面に平行で、かつ、その真上で動作しなければならない。さらに、従来のマウス及び/又はデジタル化ペンを利用するユーザの最初の焦点は、ユーザの手ではなくスクリーン上にあるままである。
【0137】
ペン/スタイラス特徴部を組み込む先に挙げた実施形態は、デバイス1が、先に概説した第1の、任意選択で、第2の困難さに対処する、「デジタルインク」モードで動作することを可能にする。
【0138】
「デジタルインク」モード又は「ライティング」モードでは、デバイス1は、単に、デバイス1のある部分から延びるスタイラス部分21のニブ21の周りで前に傾斜することによって動作する。スタイラス22は、多数の構成をとり、ある範囲の物理的長さ(固定か又は調整可能)で利用可能であってよい。好ましい実施形態では、ニブ21で表面にタッチすることは、デジタル「インクが流れる」という信号を提供する。
【0139】
図6a〜6fは、図1a〜1fに示す実施形態に対応する実施形態を示し、デバイス1の一番先の地点から延びる、ニブ21及び比較的長さの短いスタイラス部分21が追加される。この構成は、図7aに示すように、ニブ21に比較的近い、従来のペンを保持するときにユーザの指が採用する位置に人間工学的に匹敵する。対照的に、図7bは、ペン軸に沿って高い地点で、ニブ21からさらに離れて把持された従来のペンを示す。図8,9は、それぞれ、図7a,7bで使用されるペンの握り方に相当する本発明の実施形態を示し、ユーザは、親指12と人差し指14の間で、図8aでは短いスタイラス部分の実施形態及び図8bでは長いスタイラスの実施形態のデバイス1を把持する。図6a〜f)の実施形態はまた、基部2を通って横に延びるスロット又は凹所として形成された中指凹所24を含む。そのため、ユーザは、ペンに似た握り方をさらに真似るデジタルインクモードでの使用中に、デバイス1の下で中指凹所24内に、自分の中指14を配置することができる。
【0140】
図9a〜9cは、代替のニブ21/スタイラス部分22を組み込む、図1a〜1f,6a〜6fに示す実施形態のさらなる変形を示す。図9aの実施形態は、ニブ21とスタイラス部分22の特徴部を組合せるために、単純化した尖ったスタッドを利用する。図9bの実施形態は、デバイス1の尾根状部3の上に搭載された従来のペンに似た細長いスタイラス部分22を組み込む。図9cに示す実施形態は、図9bの実施形態のさらなる改良を示し、それにより、デバイス1にオーバラップするスタイラス部分22は、基部2内に作られる。
【0141】
他の多数の実施形態が可能であり、本発明が、こうした実施形態に限定されないことが明らかになるであろう。たとえば、ニブ21は、(先の実施形態で述べたように)前に突出する必要はなく、たとえば、図1f〜1jの実施形態により、デバイス1の後部から突出してもよいことが見てわかる。使用時、こうした後方に面するニブ21を装備するデバイスは、デジタルインクモード又はニブ21を利用する任意の他のモードで使用中に後ろに傾斜する。「デジタルインク/ハンドライティング」モードでは、デバイス1は、隣接表面に対するニブ21の著しい近接性とニブ21の接触とを識別するように構成されてもよい。ニブ21の近接性を判定する手段は、デバイス1内に配置された要素又は専用表面(たとえば、タッチパッドのキーボード)あるいはその両方を検知することによって、知られている方法で実施されてもよい。これらのオプションのそれぞれは、異なる利益及び欠点を提供する。
【0142】
デバイス21内にだけ配置される近接センサは、テーブル表面、従来のキーボード、ディスプレイスクリーンなどの任意の好都合な非専用表面と一緒の使用を可能にする。しかし、こうした構成は、デバイス21の複雑さ、コスト、サイズ、及び重量を付加することになる。逆に、専用オブジェクト(たとえば、目的に合った設計がなされたキーボード、タッチパッドなど)の表面内だけで近接検知要素を特定することは、デバイス1の潜在的な費用、サイズ、及び重量を減らすが、デバイス1が使用されてもよい柔軟性が低下するという犠牲を払うであろう。
【0143】
近接センサシステム要素を、デバイス1と専用表面の両方に組合せることは、コスト/性能の兼ね合いを提供する。こうした構成は、既存の位置検知ペン/タブレットシステムで利用され、ペン内に配置された誘導子とコンデンサは、コンポーネントの無いプリント回路基板の銅トラックからx方向とy方向の両方に形成された多数のオーバラップするアンテナコイル内に局在化した小さい誘導信号をもたらす。こうしたシステムはまた、非接触位置検知に加えて、表面に接触した状態で、圧力の程度を検出してもよい。
【0144】
本発明に関して使用するのに適したさらなる位置検知技術(明示的には示さず)は、EPOS Technology Limited によって製造されるシステムなどの音響送信機/受信機システムを含む。EPOSシステムは、デバイス1内への設置が可能な1つ又は複数の小さな送信機からの一意に符号化された超音波信号に基づいた三角測量計算から、送信機又は受信機の距離、2D、又は3D位置情報が導出されることを可能にする。
【0145】
こうして、上述した代替の実施形態のそれぞれは、ニブ先21が、表面の限定された距離内に設置されると、表面に平行なニブ21のいずれの移動も、オンスクリーンポインタ移動として記録されるように構成されてもよい。ニブ21が、表面にタッチすると、これは、デジタルインクが「流れる」ということを信号送信する。そのため、デジタルインクモードにあるときは、デバイス1は、従来のペンと同様に動作する。
【0146】
デジタルインクモードを作動した後、2つの接触センサ7,8は、さらなる構成可能な特徴、たとえば、「イレーザ」を作動させること、カラー又はインクスタイルを変更すること、又は、「キャリッジリターン」/<ENTER>コマンドを実施することにアクセスするように、やはり、利用可能で、かつ、動作可能である。
【0147】
視覚焦点の問題に対処するために、デバイス1は、非電気表面(たとえば、用紙又はライティングパッド)上に、ならびに、スクリーン上に物理的にライティングするのに使用されてもよい。これは、スタイラス22から物理的に取り出されたインクによって、又は、接触が行われるデバイス1の経路を追跡する表面から実施されてもよい。ドローイングを追跡する一方法は、反復使用のために消去を可能にする磁性粉末エッチングトイタイプデバイスで採用されるシステムによる。
【0148】
表面上にマークを物理的にライティングする又は作成するのに使用されるデバイス1のこうした実施形態は、ユーザドローイング又はハンドライティングをデジタル的に解釈するために現在のところ採用される、知られている光学センサ技術を利用してもよく、又は、特に、ユーザが書き込むために、キーボードに組み込まれるLCDパネルなどを利用してもよい。
【0149】
「デジタルインク」モードは、ユーザがハンドライティングを始める前に、所定のプロンプトによって作動されてもよく、したがって、コンピュータが、ライティング及びドローイング入力に即座に応答することを可能にする。たとえば、作動されると、空白の「電子ノートパッド」は、ユーザが書き込むためにスクリーン上に自動的に表示されることができる。
【0150】
デジタルインクモードでは、デバイス1は、コマンド命令ショートカットを実施するのに使用されることもできる。たとえば、Xを書き込むことは、アプリケーションを閉じることになる、又は、Wは、ワードプロセッサを始めることができる。
【0151】
やはり、デジタルインクモードでは、キーボードは、キーストロークに応答することからライティング/ドローイングコマンドに応答することに切換わるように構成されてもよい。たとえば、数値1〜9は、異なるインク厚さなどに割り当てられてもよい。
【0152】
ユーザの右手による使用を参照して上述したが、本発明は、左手と右手の両方の実施形態、さらに、両方の手で使用するために構成可能な両手ききのモデルで製作されてもよい。図1〜9,14b〜23に示す実施形態は、鏡像バージョンの製作によって左手19使用に容易に適合してもよく、このとき、親指保持表面4は、尾根状部3の右面に沿って配列され、人差し指及び中指接触センサ7,8は、尾根状部3の対向する左手面に配列される。図1〜9,14b〜23に示す実施形態の高度な輪郭を持つ構成は、絶対的なものではないこと、及び、より簡略化した構成が可能であることが当業者によって理解されるであろう。
【0153】
図10a〜13bは、接触センサ7,8間の横方向中心点を中心に対称構成を有する簡略化された両手ききデバイス1を示す。デバイス1の対称性のために、ユーザの右手13で使用されると、接触センサ7は、(図10cに示すように)やはり人差し指14で使用される。しかし、ユーザの左手(図示せず)で使用するよう構成されると、接触センサ7,8の役割は逆になる。
【0154】
ホストコンピュータと通信するために、ワイヤレス技術を利用する実施形態では、左ききモードと右ききモードとの交互切換えは、ソフトウェアにより構成可能であってよい。(図11a〜11d,13a〜13bに示すように)従来のマウスケーブル23を利用する実施形態では、ケーブル23は、ユーザに向かって後方にデバイス1を出るように配列される。これは、タイピング中にキーボードに関して障害となることが回避される。ケーブルは、動作時に使用するための意図される手に応じて、デバイス1の両端で好都合な出口点を通って再経路指定されてもよく、やはり、ホストコンピュータによる正しい動作を確保するために、ソフトウェアにより構成可能であってよい。あるいは、デバイス1上のハードウェアスイッチ(図示せず)は、左きき使用モードと右きき使用モードとを切換えるのに採用されてもよい。
【0155】
図9〜13に示す実施形態では、親指係合表面4の親指保持部分は、左/右横移動中に、親指に係合するために、持ち上がったリップ部分11及び持ち上がった尾根状部3からなる。前後移動中に、デバイス1を保持することは、親指係合表面4の表面との弾性/摩擦の程度に依存する。
【0156】
図12aは、拡大した空白バー20を有するキーボード18上で使用するときの両手ききの実施形態を示し、図12bは、人差し指と親指12との間のピンチングアクション状態で、ユーザが、人差し指14と中指15によって接触センサ7,8を動作させることによってデバイス1が作動することを示す。
【0157】
図13a,13bは、図9〜12の実施形態に匹敵する実施形態を示し、デジタル/ハンドライティングモードで動作するときに使用するためのニブ及びスタイラス部分が追加される。実施形態は、尾根状部3の上部のある部分に着脱自在に挿入されてもよいスタイラスを示す。
【0158】
示す実施形態は、多くの可能な代替法の2、3の例に過ぎないことが当業者には明らかになるであろう。
図14aは、中指センサ8の上に人差し指センサ7がある、垂直にオーバラップした構成で配置された接触センサ7,8を有する実施形態を示す。
【0159】
図14bは、単一人差し指ボタン7を利用するデバイス1のコンパクトなバージョンを示す。この実施形態は、極端な小型化を必要とする用途、及び/又は、単一ボタンマウスを利用する、アップルマッキントッシュ(商標)などのオペレーティングシステムに適する。
【0160】
図15a〜15cは、本発明のさらなる実施形態を示し、
−再配置された中指凹所24、
−伸縮自在のスタイラス25、
−垂直に位置決めされた個々の接触センサ7,8、
−スクロールホイール26を組み込むことによって、前の実施形態と異なる。
【0161】
ここに示された実施形態では、「左」人差し指マウスボタン7の下部縁は、デバイス1の下面9の上の約10〜25mmの尾根状部3上に位置決めされ、「右」中指ボタン8は、真下に位置決めされる。両方のボタン7,8のロケーションは、これらの位置に限定されないが、ボタン7,8の垂直位置決めは、中指ボタン8を作動するときに、ユーザの中指15が、人差し指14と作業表面(たとえば、キーボード18)との間で移動することを可能にする十分な空間を可能にすることが望ましい。
【0162】
人差し指ボタン7は、デバイス1の下面9に対して十分に持ち上がって、以下でより完全に述べるポインティングモード又はライティングモードにある間に、中指、薬指、及び小指15,16,17が、締め付けることなく、快適に載ることが可能になる。不必要な重量及びサイズを回避するために、デバイス1の後部における基部2の「未使用」領域は、凹所24を形成するために切り取られてもよい。
【0163】
中指凹所24は、(図15a〜15bに示す実施形態による)ベース/尾根状部23の後部にわたって配置される横方向凹所などの、いくつかの構成で形成されてもよく、又は、別法として、基部2を貫通して形成されるスロット又は凹所を通して下方に延びてもよい。基部2内のこうした凹所は、(図6a〜6fの実施形態に示すように)ベースの側面から、又は、後部(図15のa〜b及び図20dに示す)などから延びるように形成されてもよい。
【0164】
通常、中指凹所24は、「デジタルインク」モードでのライティング中に利用されるだけであり、親指12と人差し指14の両方に非常に接近して中指15を位置決めすることを可能にする。この「握り方」は、ペンを保持し、使用する大多数の人によって採用される握り方をシミュレートする。
【0165】
デバイス1はまた、中指凹所24をオーバハングする、尾根状部3の小さなセクションから形成されたオーバハング部分28を組み込む。オーバハング部分28は、デジタルインクライティングモードで使用されるときに、ユーザの中指の輪郭に追従するように形作られる。これは、ニブ21に圧力を加える間、支持を提供し、伸縮自在スタイラス25の長さが短かくても、従来のペンに匹敵するライティングの安定性を可能にする。
【0166】
スクロールホイール26は、図15a〜15cに示す実施形態では人差し指ボタンと中指ボタン7,8との間に配置されるが、代替のロケーション、たとえば、尾根状部3に向かう親指係合表面4内か、人差し指ボタン7の上か、又は尾根状部の前に面する部分内などが可能であることが理解されるであろう。
【0167】
伸縮自在スタイラス25は、中指凹所24内に配置されるスタイラス解除ボタン29によって、収縮可能な位置から解除されるが、スタイラス25は、あるいは、たとえば、親指係合表面4内に配置されてもよい。しかし、スタイラス解除ボタン29を中指凹所24内に配置することによって、不注意な解除の可能性が減る。それはまた、デジタルインクハンドライティングモードでデバイス1を把持するときに、中指15が、スタイラス解除ボタン29を自動的に押下するため、スタイラス25を展開する自然なアクションを可能にする。
【0168】
任意選択で、ニブ21伸張部の有効長は、調整可能であってよい。これは、スタイラス25の上部遠位端に配置されたボタン、又は、たとえば、ユーザの親指12による操作によって作動可能であってよい。
【0169】
先に述べたように、スタイラス25は、電子ペン/タブレットシステムで採用される、知られている近接/移動量検知システム要素を組み込んでもよい。図16a〜16eは、伸縮自在スタイラス25で採用されるこうした技術を示す。スタイラス25は、スタイラスニブ21内に受信/送信アンテナコイル30を組み込む。(図16a〜16fに示す伸縮自在スタイラスを組み込む)図15a〜15bに示すようなデバイス1構成では、「デジタルインク」ライティングモードとポインティングモードの両方で使用するために、単一アンテナコイル30を使用することが可能である。それは、両方の動作モードにおいて、コイル30が、作業表面の下の磁界センサ(図示せず)に十分に近くなることになるためである。先に説明したように、平坦回路基板センサエリア(図示せず)は、デバイス1と共に使用するために構築されたキーボード18の下に配置されてもよい、かつ/又は、ポータブルコンピュータ、ラップトップなどのキーボードエリアの真下に通常存在する領域、すなわち、デバイス1が、最も効率的に作動されることになるエリアに配置されてもよい。
【0170】
伸縮自在スタイラス25のニブ21は、知られているペン/タブレット構成に匹敵する方法でライティング表面に接触したときにだけ「ライティングする」ように圧力感応性であるように構成されてもよい。しかし、本発明では、ニブ21は、好ましくは、「ポインティング」モードではなく、ライティング/ドローイングモードでだけライティングするように構成される。図16a〜16fに示す、ばねで正常位置に止められた以下のアセンブリニブを含む、ニブ21を収縮し、伸張する多数の手段が、実施されてもよいことが理解されるであろう。
【0171】
図16a〜16fにおけるニブ21の収縮/伸張は、通常のボールペンの伸張/収縮機構に実質的に匹敵する方法で動作することが見てわかる。スタイラス25ハウジングの上部自由空間に配置される主ばね31は、スタイラス25内に入れ子式に収容された摺動可能ニブ21アセンブリを圧迫する。ニブ21の摺動可能な移動は、別個のボタン、すなわち、それぞれ、スタイラス解除ボタン29及びスタイラス収縮ボタン32によって、収縮位置及び伸張位置に、ラッチされ、また、そこから解除されてもよい。
【0172】
収縮ボタン32は、ニブ21が伸張位置にあるときにロックの役目を果たし、不注意に収縮させることなく、書いている間に、ニブ21にユーザが圧力を加えることを可能にする。スタイラス解除及び収縮ボタン29,32は、スタイラス25ケーシングを通る共通開口を使用してもよく、又は、独立に位置決めされ、ユーザが、異なる指又は親指でそれぞれを作動させることを可能にしてもよいことが理解されるであろう。これは、たとえば、収縮ボタン32が親指12で作動されている間に、ニブ21が、中指15によって伸張されることを可能にするであろう。
【0173】
図16a〜16fは、収縮位置(図16a〜16b)から伸張位置(図16d〜16e)までのスタイラス25の間の一連の増分を示す。図16a〜16bでは、ニブ21は、収縮位置にラッチされ、スタイラス25ケーシングを貫通して突出するスタイラス解除ボタン29によって所定場所に保持される。スタイラス解除ボタン29を押下した後、主ばね31は、図16cに示すように、ニブ21アセンブリを下方に押す。この中間位置では、両方のボタン29,32は、スタイラス25内に置かれる。
【0174】
図16d〜16eは、伸張位置にあるニブ21を示し、それにより、収縮ボタン32は、スタイラス25の開口から突出することができ、不注意なニブ21の収縮を防止する。両方のボタン29,32の横方向移動は、独立した圧縮ばね(それぞれ、33,34)によって可能になる。
【0175】
ニブ部分21の伸張及び収縮は、必ずしも、主ばね31の使用を必要とするわけではなく、代替の構成では、重力及び/又はユーザの指/親指によって加えられる直接の力の作用を使用してもよいことがさらに理解されるであろう。
【0176】
あるいは、先の実施形態で述べたように、ニブ21はまた、デバイス1を傾斜させることによって作業表面に接触してもよい。ライティングモードは、上記方法のいずれか1つ又はその組合せによって作動されてもよい。
【0177】
使用時、(図16a〜16eに示す伸縮自在スタイラスを組み込む)図15a〜15bに示すデバイス1の実施形態では、デバイス1は、動作モードに応じて、異なる位置で保持されてもよい。(図17a〜17bに示すように)「ポインティングモード」で動作するとき、ユーザの指14〜17は、上述した実施形態に対して類似の構成で位置決めされてもよく、類似の構成のわずかの差は、人差し指ボタンと中指ボタン7,8の異なる配列である。より具体的には、中指15の先端は、人差し指14の背後及び下に曲げられるのではなく、人差し指14の先端の真下に設置される。それでも、デバイス1を把持するときのユーザの手13の位置は、指先端制御、楽にした手の姿勢、及びキーボード表面にわたる操作性などを含む、上述した実施形態の利点を全て保持する。
【0178】
デジタルインクライティングモードを始動するために、前の実施形態によりデバイスを傾斜させる代わりに、ユーザは、中指15を中指凹所24内に移動させる。このアクションはまた、スタイラス解除ボタン29を押下して、図18a〜18bに示すように、ニブ21を解除して伸張位置にする。スタイラス解除ボタン29の作動はまた、「デジタルインクモード」が作動したことを、デバイス1に関連する制御ソフトウェアに指示する。デジタルインクライティングモードを停止するために、収縮ボタン32が押下され、ユーザは、作業表面又は任意の好都合なオブジェクトを押し付けて、ニブ21を凹所位置に戻す。
【0179】
上記実施形態は、デバイス1の可能な構成の少数の例を示すことがさらに理解されるであろう。図19a〜19cは、人差し指及び中指ボタン7,8が、その上に位置決めされるスタイラス22によって、尾根状部3が完全に形成される、さらなる実施形態を示す。
【0180】
先に説明したように、デバイス1は、平坦下面上に載るように構成される必要はなく、代替の構成では、1つ又は複数の凸状部分及び/又は突出部を持った状態で構成された下面を含む。こうした実施形態では、下面は、単一湾曲表面として形成されてもよく、又は、その最下点が、作業表面にわたって摺動するための接触平面をひとまとめに画定する複数の丸い、又は、湾曲した部分を含んでもよい。さらなる実施形態では、前記接触平面内にひとまとめに存在する複数の接触点上の作業表面上に載るように、デバイス1が構成されてもよい。接触点は、多数の形態をとってもよく、また、
−前記下面及びデバイスから延びる少なくとも2つの前記突出部の遠位部分の1つ又は複数の部分か、
−少なくとも3つの前記突出部のいずれかを含むが、それに限定されない。
【0181】
安定した支持を提供するために、3つの接触点が一般に必要とされるが、任意の数のさらなる接触点が、同じ「接触平面」内に存在するように構成されてもよいことが容易に理解されるであろう。図20は、作業表面を有する基部2の接触点が、3つのニブの形態の3つの突出部によって提供され、三脚タイプ配置構成を作る実施形態を示す。採用されるニブのタイプは、デバイス1の意図される使用法に応じて変わってもよい。図20に示す例示的な実施形態では、3つのニブは、前頂点にある、デジタルインクニブ21、及び、対向する後方頂点にある、2つのスクロール/ズームニブ53(さらなる実施形態に関連して以下でより詳細に述べられる)からなる。デバイス1は、3つのニブ21,53全てが作業表面に接触した状態で適した作業表面上を摺動して、先の実施形態による、デバイス移動入力が提供されてもよい。こうしたデバイス1の移動に適した作業表面のタイプは、デバイス1の有効な摺動を確保するために、平坦下面を有するデバイス1と比べて、より大きな均一度を必要とすることが容易に理解されるであろう。
【0182】
デバイス1はまた、対応する動作モード(すなわち、デジタルインク、スクローリング、又はズーミング)を作動させるために、作業表面に接触して単一ニブを設置するように傾斜させることによって、異なるモード(以下で述べられる)で動作してもよいだけでなく、2つのニブを作業表面に接触した状態で動作してもよい。デバイス1は、複数のニブを持った状態で構成されてもよく、所与の瞬間に、1つ又は複数のどのニブが作業表面に接触するかに応じて、対応する動作モードが定義されることが可能になることが容易にわかる。
【0183】
先に参照された残りの例示的な動作モード(非アクティブモード、ポインタナビゲーションモード、文書ナビゲーションモード、及びズームモード)に関して:
「非アクティブモード」では、「ソフトクリック」が、デバイス1上で実施されてもよく、それにより、左ボタンか右ボタン(すなわち、接触センサ7,8)のいずれかが、軽く「タッチして解除され」(すなわち、タッチして保持されない、すなわち、「クリックされる」)、異なるアクションが実施されることになる。種々の標準的なキーボードコマンドストロークは、「ソフトクリック」操作によって置き換わってもよい。たとえば、左ボタン7を押下することは、<TAB>キーを押下することに相当してもよい。右ボタン8をソフトクリックすることは、<BACKSPACE>キーの操作を実施し、一方、両方のボタン7,8をソフトクリックすることは、<ENTER>操作を実施してもよい。
【0184】
デバイス1を介して、頻繁に実施されるこれらのキーストロークに直接アクセスすることによって、かなりの効率増加が達成されてもよい。これらのキーストロークは、従来、弱い小指を使用してタッチタイピストによって実施され、一方、非タッチタイピストは、通常、自分の強い中指又は人差し指を使用するように全体の手を移動させるため、人間工学的利点も得られる。対照的に、デバイス1によってこれらのキーストロークを実施するのに、手の移動は必要とされない。
【0185】
こうした効率増加を実現することができる場合の例は、ウェブサイト書式に書き込むこと、又は、確認「ポップアップウィンドウ」について要求される応答を含む。ウェブサイト書式は、通常、多数のフィールド間を移動し、英数字テキストを入力することをユーザに要求する。デバイス1によって、ユーザは、ある書式において第1「フィールド」内でクリックし、その詳細を追加することになり、その後、<TAB>を実施するため、また、次のフィールドに移動するためなどで「ソフトクリックする」ことになる。ユーザは、書式を完成したとき、適切なボタン/接触センサ7,8上で人差し指14と中指15の両方を使用することによって、<ENTER>ソフトクリックを実施することができる。
【0186】
「OK」ボタン又は選択が実施された後、確認「ポップアップウィンドウ」は、ユーザに「間違いありませんか」などを提示することが多い。デバイス1を使用して、ユーザは、両方の接触センサ7,8を「ソフトクリックして」、「OK」又は<ENTER>操作を実施するか、又は、人差し指14接触センサ7を「ソフトクリックする」ことによって<TAB>操作を最初に実施し、両方の接触センサ7,8を「ソフトクリックする」ことによって<ENTER>操作を実施することによって、「OK」オプションと「キャンセル」オプションを選択することができる。
【0187】
「ポインタナビゲーション」モードは、ユーザが、オンスクリーンポインタを移動させ、種々の関連するコンテキストに感応性がある特徴部にアクセスすることを可能にする。
従来のマウスと違って、デバイス1が、親指12及び人差し指14との途切れない接触によって保持されていることを、デバイス1は「知っている」。これは、「応答性ツールバー」などの種々のモードで利用されてもよい、「ポインタナビゲーションモード」にデバイス1を置く。
【0188】
通常、ツールバーは、ポインティング及び「クリッキング」用のショートカットとして特にセットアップされる。すなわち、ツールバー上のボタンは、キーボードではなく、ポインティングデバイスによってだけ作動される。「応答性ツールバー」によって、ツールバーは、デバイス1が非アクティブであるとき、スクリーン上で見えないことになり、スクリーンクラッタを低減し、より大きな可視作業空間を提供する。(人差し指14及び親指12が一緒にピンチングされ、デバイスが移動することによって)デバイス1がアクティブになると、ツールバーは、スクリーン上に再び現れ、クリックする準備ができる。
【0189】
デバイス1がアクティブになると、キーボード全体が、異なるモードに切換わってもよい。たとえば、「ポインタナビゲーションモード」にあるときに、<W>キーを押下することは、お気に入りのウェブサイトにアクセスしてもよい。わずかの正確な移動が必要とされる場合、別のキーを押下することが、ポインタ速度を落とす場合がある。一部のキーは、対話的ナビゲーションキー(矢印キーページアップ/ダウンなど)に変換されてもよい。<H>キー及び<V>キーは、それぞれ、水平及び垂直に、ポインタ移動を制限して、直線をドローイングし、オブジェクトを位置合わせするのを補助してもよい。デバイス1が「ポインタナビゲーション」モードにあるときの、キーボードモードのこの変化は、デバイス1を作動させるために、ユーザが明らかにタイピングするのを止めたため、直感的である。
【0190】
時々、ユーザは、カーソル又はポインタを、最小の増分又は「ユニット」の正確な距離(たとえば、1画素、1ライン、1文字)だけ移動させる必要がある場合がある。ポインタデバイス移動は、たとえば、「ユニット」ベースではなく、「1画素」又は「3画素」右に移動させることは難しい可能性がある。これらのタイプの移動の場合、矢印キーがより適している。「ポインタナビゲーション」モードは、これらのキーが、より好都合に設置されるように採用されることができ、ユーザが、「ナビゲート」したいときに作動されるだけである。
【0191】
図24a)は、<E,S,D,及びF>キー38が、照明可能矢印部分39を組み込む標準的なQWERTYキーボード37を示す。たとえば、デバイス1が、作動モードに置かれる(すなわち、ポインタナビゲーションモードに置かれる)ときに、ユーザが人差し指接触センサ7にタッチすると、<E,S,D,及びF>キーの照明可能部分39は、(図24b)に示すように)照明される。<E,S,D,F>キー38の機能はまた、ナビゲーションキー入力←↑→↓を提供するように再マッピングされる。そのため、ユーザは、ユーザの空いた手に隣接するキーボード上に好都合に位置決めされたナビゲーションキーを提供され、それにより、タイピング効率が上がる。さらに、サイズに敏感な用途では、従来の←↑→↓ナビゲーションキーは、キーボードから省かれてもよい。類似の技法は、他のキーボードキーを置き換え、かつ/又は、ショートカットキーを他の機能に提供するために、実施されてもよい。
【0192】
他の任意選択の特徴は、デバイスが、アクティブモード(先に説明した)にあるときに目に見え、非アクティブであるときに消えるオンスクリーンポインタアニメーションを含む。これは、デバイス1が、「再作動」されると、ポインタの位置特定を補助する。
【0193】
「文書ナビゲーション」モードは、人差し指14と中指15の両方を両方のボタン7,8の上に置くことによって作動される。本明細書で使用されるように、「文書」という用語は、スクリーン又はウィンドウサイズを越える表示サイズを有する、任意の文書、イメージ、アニメーションなどを含むものとして定義される。
【0194】
マウス「スクロールホイール」は、かなりの効率増加を提供するため、広範囲の人気を得た。ポインティングデバイスによる正当なスクローリングは、矢印をスクロールスライダコントロールに移動すること、スライダボタンをクリックし、保持すること、及び、(保持している間に)上下移動させることを必要とする。
【0195】
しかし、これらの方法に関して、3つの主要な非効率、すなわち、
−マウスによって、(小さいことが多い)スライダボタンを位置特定し、クリックするのに必要とされる時間、
−スクローリング中に支持表面の縁に達すること(これは、通常、マウスボタンの1つを同時に押下している間に、マウスが、支持表面から持ち上げられ、再位置決めされることを必要とする。)、−長い文章をナビゲートすること(スクロールスライダを移動させると、文書は、相対的な「距離」だけスクロールする。この距離は、文書全体のサイズのパーセンテージとして計算される。たとえば、文書が10ページである場合、1ページ前にナビゲートするために、スライダは、スクロールバー長の10%を移動させることになり、50%スライダを移動させることは、第5ページまで移動することになるなどである。この方法は、小さいサイズから中間サイズの文書についてうまく働くが、長い文書の場合、わずかな量を移動させることが難しくなる。)
が存在する。
【0196】
マウススクロールホイールは、オンスクリーンテキストを読取るための制御可能なスクローリングを可能にするため、特に有効であることがわかっている。スクロールホイールは、1つの増分又はノッチだけ回されると、文書は、ライン又はページのある「設定」量だけ移動する。ほとんどのユーザは、これを1〜4ラインに設定されている。それは、これが、文章を読み取り、かつ、スクロールダウンすることについて最大の効率を与えるからである。
【0197】
しかし、スクロールホイールは、長いワード文書又はウェブページあるいは長いテキストパッセージの無い文書を走査すること、又は、探索することなどの他の状況ではあまりうまく働かない。これらの状況では、ユーザは、しばしば、ページアップ/ダウンキーを使用すること、又は、前と同様に、より速くスクロールするために、スクロールバースライダをクリックし、「パーセンテージスクローリング」を使用することに戻るであろう。
【0198】
「文書ナビゲーションモード」では、デバイス1は、ユーザの指先端に、2つのスクローリングモード、すなわち、「絶対スクローリング」及び「相対スクローリング」を置くことによって、これらの困難さを克服する。
【0199】
絶対スクローリングは、2本の指14,15をデバイスボタン7,8上に置くことによって(上述したように)作動される。作動後に、任意の移動は、適切な方向における、スクリーン上でのスクローリングとして反映されることになる。スクローリングの量は、ポインタの移動に等しい。たとえば、デバイス1ポインタ速度は、10センチメートルの下方移動が、スクリーンの上部から底部までポインタを移動させるように設定されてもよい。同じアクションが、文書ナビゲーションモードで実行される場合、最大化されたワープロ文書では、文書の最初の閲覧可能ラインは、スクリーン上の最後の閲覧可能ラインになるであろう。そのため、スクローリング距離は、ポインタ移動の大きさに等しい。相対スクローリングは、2本の人差し指14と中指15をそれぞれのボタン7,8を(「置く」こととは対照的に)押し付けることによって作動される。このモードでは、デバイス1の移動は、スクロールバーがマウスポインタによって移動した場合に起こることになる等価なスクリーン移動を生じる。
【0200】
このデュアルモードスクローリングは、任意のサイズの文書全体を走査し、文書を読取ることについての柔軟性を与える。デュアルモードスクローリングは、ユーザが、長い文書全体を走査することを同様に可能にしながら、連続読み取りのために「精密な」スクローリングを実施することを可能にする。ユーザは、最初に、全体の文書内で位置決めするために、相対スクローリングを、その後、現在のページ内で位置決めするために絶対スクローリングを使用する。
【0201】
「文書ナビゲーション」モードはまた、ある重要な人間工学的利点を提供する。文書を読取る、ユーザによって繰り返し実施されるインタフェースアクションだけが、「絶対スクローリング」であることが認識される。デバイスボタン7,8上に2本の指を「軽く置く」ことによって、このモードが作動するため、スクロールモードのままであるために、ほとんど全く一定の力を必要としない。
【0202】
ドロップダウンボックス、及び、スクロールバーを持つ他のメニュー/選択オプションは、小さなウィンドウ内で効率的に垂直にスクローリングすることであるため、「文書ナビゲーション」モードが効率増加を与える他のエリアである。ユーザは、ドロップダウンボックス内で一致(match) のリストを提示されると、「文書ナビゲーション」モードを作動してもよい。これは、ドロップダウンボックス内で最初のアイテムを選択することになる。デバイス1を上下に移動することは、リスト上で次の/前のアイテムを選択することになる。移動は、「絶対モード」に基づく。ユーザは、リスト内で多数のアイテムを提示される場合、相対スクローリングを作動し、リスト全体を迅速にナビゲートすることができる。リスト上の選択されたアイテムを使用するために、ユーザは、左ボタン7をクリックし解除するだけである。
【0203】
「ポインタナビゲーション」モードと同様に、キーボードは、キーストロークへの応答から、スクロール/文書ナビゲーションコマンドへの応答に切換えるために、「文書ナビゲーション」モードで構成されてもよい。たとえば、<T>及び<G>キーは、ページアップ/ダウンすることができ、<E,F,D,F>キーは、1つの「基本ユニット」(たとえば、画素、文字、ラインなど)だけスクロールすることになり、V又はHを押下することは、スクローリングを水平に又は垂直に制限することになるなどである。
【0204】
「ズーム」モードは、指を中指15接触センサ8上に置くことによって利用可能である。このモードは、文書ナビゲーションモードと同じ方法で働く。すなわち、デバイスが下へ移動するとき、これは、ズーミングアウト、ムービングアップ、及びズーミングインを指示する。文書ナビゲーションモードと同様に、絶対ズーミングと相対ズーミングが存在する。相対ズーミングは、中指接触センサ8をクリックし、保持することによって始動される。このモードでは(「文書ナビゲーション」モードの例を使用して)、10cmの移動は、最大ズームと、文書の全範囲との間でズームすることになる。すなわち、イメージの場合、ディスプレイは、全イメージから1画素レベルまで示すことになる。
【0205】
文書ナビゲーションモード及びポインタナビゲーションと同様に、キーボードは、キーストロークへの応答からズーミングコマンドへの応答へ切換わってもよい。たとえば、「F」キーは、文書/イメージの全(ズームアウト)範囲を示してもよく、一方、「B」キーを押下することは、ユーザが「ズームボックス」をドローイングすることを可能にし、「ズームボックス」は、解除されると、フルウィンドウ内にボックス付きエリアを表示することになる。
【0206】
こうして、上述したデバイス1は、従来技術に比べて、効率、精度、機能、人間工学要件における改善を含むいくつかの利点を提供する。
現代のコンピュータインタフェースは、単一の特定のタスクを実施するために多数の手段をユーザに提供する。典型的なワープロ文書における次のページへの移動などの単純な要求でさえも、以下のアクション、すなわち、
−「下方矢印」キーを繰り返し押下すること、
−「下方矢印」キーを押下すること、
−マウス「スクロールホイール」を繰り返し回すこと、
−「スクロールホイール」を押下し、マウスを下方に移動すること、
−左マウスボタンをクリックし保持し(選択/ハイライとモード)、マウスを下方に移動すること、
−右側のスクロールバー上のスライダボタンをクリックし、マウスを下方に移動すること、
−スクロールバーの底部に配置された小さな下方矢印ボタンをクリックする(かつ/又は、保持する)こと、
−「ページダウン」キーを押下すること
のうちの任意のものによって実施されることができる。
【0207】
ユーザに選択オプションを提供することは有益であることができるが、オプションが多過ぎることは、複雑さと混乱を招く可能性がある。ユーザは、非能率的である自分のタスクを達成するために、最良の方法を認知的に選択しなければならない。比較すると、デバイス1は、デバイスが非アクティブであるときに、「エディット/タイピングモード」を、デバイスがアクティブ状態にあるとき、「ナビゲーションモード」を促進する。これは、コンピュータ/ユーザインタフェースを簡略化し、能率的にする。上記と対照的に、デバイス1を使用して、「ページダウン」アクションを達成するために、ユーザは、デバイス1を作動させ、その後、マウス移動でスクロールするか、又は、デバイス1「ページダウン」コマンド(<G>キーでもある)を使用してフルページを移動する必要があるだけである。
【0208】
ドローイング又はハンドライティング移動を実施するための従来マウスの正確な操作は、非常に難しい。
最も精細でかつ最も正確な人の移動は、人差し指と対向する親指を組合せた制御によって達成される。そのため、画家は、これら2本の指を使用して、自分のブラシを保持し、最も精細な細部を描き、彫刻師は、微妙な細部をエッチングすることができる。さらに、こうした技法は、ペンを用いてライティングすることについて事実上普遍的である。従来のマウスを使用した、精細で正確な移動は、いくつかの理由で、すなわち、
−ユーザは、親指と薬指又は小指でマウスを保持するようにさせられる(人差し指と中指は、左/右クリックするのに使用される)。これは、親指と人差し指を使用するという、より自然な方法ほど正確でない。
−薬指と親指は、マウスの幅まで離れるようにさせられ、そのため、指の移動が制限され、精度が低下する。
−マウスは、移動に抗する可能性がある重量/摩擦が生じる。
−ドローイング及びライティングするようにマウスを作動させるために、左マウスボタンが、押下されなければならない。これは、マウスに対して下方向の力を生じ、マウスを持ち上げること、及び/又は、正確な方法で支持表面にわたって横方向に制御するか、又は、移動させることを、より難しくする。
という理由で難しい。
【0209】
デバイス1は、これらの問題を解決する。それは、
−デバイス1は、人差し指14と親指12で主に操作され、したがって、向上した精度を提供する。
−デバイス1は、従来マウスのほぼ1/10の重量である。
−デバイス1は、親指12と人差し指14が、非常に接近するように十分に小さく、自由な移動が可能である。
−左マウスボタン(接触センサ7)がクリックされ、押下されると、下方圧力が存在しないため、摩擦による余分な移動の制限が存在しない。
という理由からである。
【0210】
デバイス1は、従来のマウスと比べて、ポインティング及びライティングについて高い精度を有するが、「ポインタナビゲーションモード」にあるときのライティングの場合、ペンほどには効率的でない。これは、最も効率的なライティング/ドローイングデバイスが、湾曲した移動を実施するのを補助するために、枢動点を有するためである。しかし、「デジタルインクモード」でライティング及びドローイングするときは、(本明細書でより詳細に述べるように)この欠点が対処される。
【0211】
ユーザが、大きなエリアにわたってポインタを移動するとき、従来のマウスは、持ち上げられ、次に、反対方向に移動され、次に、再び置かれることを必要とする。これは、マウスが、テーブルの縁を越えて押し出されることを防止するためにある。デバイス1は、デバイス1を持ち上げることなく、同じ結果を達成するためのさらなる方法をユーザに提供する。代わりに、デバイス1は、単に、左ボタン7から人差し指14を離すことによって停止することができ、デバイス1は、その後、オンスクリーンポインタの移動が無い状態で、(やはり表面上にある間に)再位置決めされることができる。従来の方法、すなわち、従来のマウスと同様に、デバイス1を単に持ち上げることが、所望である場合、やはり使用されてもよい。しかし、この方法を用いても、デバイス1は、コンパクトなサイズ、及び、デバイス1を作動させ、持ち上げ、移動する容易さのために、かなり速いであろう。
【0212】
直感的な観点で考えると、ユーザが、スクリーン上のポインタを見るとき、ポインタを移動させようと試みる自然な反応は、デバイス1に物理的に近づき、人差し指14と対向する親指15によって「デバイス1を把持する」ことである。把持アクションは、デバイス1を作動させるときに、ほぼ完全に真似られる。同様に、デバイス1は、ユーザの手13に常に接触しており、したがって、ユーザは、もはや、最初にデバイスを「見つけ」、物理的に取得する必要はない。
【0213】
デバイス1はまた、物理的なデスクトップ空間を必要とする。これは、デスクトップコンピュータ(オフィスデスク)ユーザにとって重要であり、ラップトップコンピュータユーザにとって特に重要である。ラップトップコンピュータは、まさにこの目的のために、通常、特別に内臓されたポインティングインタフェースを有する。しかし、先に説明したように、これらのインタフェースは、従来マウスと同程度に効率的であることが立証されておらず、しばしば、ラップトップユーザは、不都合が加わるにもかかわらず、従来マウスをやはり使用するであろう。デバイス1は、付加的なデスクトップ空間を全く必要とせず、小さく、かつ、可搬型で、従来のマウスより効率的である。
【0214】
「クリックアンドホールド」又は「ドラッグアンドドロップ」は、単一アクションで「カットアンドペースト」又は「コピーアンドペースト」を実施するための、広く使用され、かつ、直感的な手段である。それは、テキスト、イメージ、及びファイル操作時の、また、選択を行う、たとえば、テキスト文書内でテキストを選択するときの高効率ツールである。それはまた、「スライダボタン」、たとえば、ウェブブラウザの右手側のスクロールバーを移動させる好都合な手段である。
【0215】
「クリックアンドホールド」は、移動が比較的小さいとき、従来のマウスに関してうまく働く。しかし、オブジェクトが、長い距離をドラッグされなければならないときに問題が生じる。ユーザが、ドラッグしているとき、マウスボタンは、クリックされ、押下されなければならない。マウスを移動させている間に、マウス移動の物理的縁(たとえば、テーブルの縁又はキーボードの縁)に達する場合、ユーザは、マウスボタンを押下しながら、マウスを持ち上げるようにさせられる。これは、不都合であり、非常に非能率的な操作である。デバイス1は、従来のマウスの下方向でではなく、実質的にピンチングアクションで、人差し指14と親指12によって、「クリックアンドホールド」アクションを実施する。これは、「ドラッグアンドドロップ」アクションを実施しながら、デバイス1の容易な持ち上げを可能にし、オブジェクトが、任意のスクリーン距離にわたって、努力を要せずにドラッグされることを可能にする。
【0216】
閲覧可能なスクリーン又はウィンドウサイズを越える選択を行う必要があるとき、文書は、スクロールする必要がある。通常のプログラムでは、この問題は、ポインタが、ウィンドウの縁を外れて移動するときに、文書を自動的にスクロールすることによって対処される。しかし、スクローリング速度は、正確に制御可能ではない。しばしば、ユーザは、所望の選択点の端を過ぎてスクロールすることになり、往復方式でスクロールバックしようちするときに過剰修正することになる。
【0217】
デバイス1は、ユーザが、選択を容易に行い、次に、(選択モードのままである間に)文書ナビゲーションモードを作動し、停止することを可能にすることによって、この問題を解決する。このアクションは、直感的であり、潜在意識的にユーザによって実施される可能性がある。例を挙げると、ユーザが、通常のワープロ文書で実施することになるステップは、
−デバイス1を作動させ、選択の開始時にクリックし、保持すること、
−(文書ナビゲーションを作動させるために)(接触センサ8を)中指に接触させること、
−所望のページまでナビゲートし/文書内に置き、その後、接触センサ8を解除することである。
【0218】
なおさらなる特徴及び利点が、2つのデバイス1を同時に、すなわち、それぞれの手について1つのデバイス1を使用することによって、実現されてもよい。2つの従来のコンピュータマウスの使用は、当初から技術的に可能であったが、第2の従来マウスは、ユーザのきき手でない手によって典型的な非人間工学的設計のマウスを制御しようとすることに関連する巧緻性の一層の大幅な減少と共に、単一マウスに関連する位置特定及び取得のダウンタイムをやはり必要とするであろう。これらの困難さは、共に、本発明によって克服され、以下の実施態様を含む多くの実施態様についての基礎を提供する。
−デュアルモニタ構成は、特に、「パワーユーザ」にとって、コンピューティング用途で益々当たり前になっている。個々のデバイス1は、各スクリーンに個々に関連付けられるように構成されてもよい。
−1つのデバイス1は、制限の無いオンスクリーンポインタ移動を持った状態で構成され、一方、第2デバイス1のポインタは、特定のスクリーンエリア又は特徴部、たとえば、ツールバー、テキストエリアなどに限定されることができる。
−2つのデバイス1上の接触センサ7,8は、同時に使用されて、指定された特徴/機能にアクセスするさらなる組合せを提供してもよい。
−2つのデバイス1は、単一のオンスクリーンポインタを制御するために使用されてもよい。上述したように、オンスクリーンポインタは、ユーザが、デバイス1を故意に作動させるときに移動するだけであり、そのため、ユーザは、最も適切な手を自由に使用して、任意所与の時間にポインタ移動を制御する。これは、(両手が使用されるときに)移動疲労を低減することになり、また、スクリーンポインタを同時に移動させる間に、他のキーボードキー(たとえば、<CONTROL>、<SHIFT>、<ALT>キー)へのアクセスを可能にするために使用されてもよい。
−コンピュータゲームは、2つのデバイス1の使用によっていくつかの特徴を利用してもよい。たとえば、プレーヤが、通常、単一のオンスクリーンキャラクタを制御する、「一人称」シューティングゲームでは、1つのデバイス1は、キャラクタの移動を制御してもよく、一方、他のデバイスは、武器照準を制御する。ドライビング/乗り物制御ゲームでは、1つのデバイス1は、垂直移動を制御してもよく、一方、他のデバイスは、水平移動を制御する、又は、2つの別個の乗り物は、それぞれのデバイス1によって制御されてもよい。1つのデバイス1は、乗り物の速度を制御してもよく、一方、他のデバイスは、回転移動を制御し、ステアリングホイールのアクションをシミュレートする。シミュレートされた人のファイティングゲームでは、別個のデバイス1は、プレーヤのキャラクタなどの左又は右手/脚を制御することができる。別個のデバイス1は、たとえば、キャラクタの2本の手を一緒に合わせて、スポーツゲームでボールを捕らえるのに使用することができる。−2つの別個のオブジェクト(たとえば、ファイル、イメージなど)は、同時に、「カットアンドペースト」/「ドラッグアンドドロップ」されてもよい。
【0219】
さらなる実施形態では、デバイス1は、キーボード又はさらにモニタと独立に使用されてもよい。たとえば、デバイス1は、ある形態の高度な「リモートコントロール」を提供してもよく、それにより、コマンド又はシンボルが、機器/ホームシアタデバイスを動作させるために、(「デジタルインクモード」で)物理的にドローイング/ライティングされることができる。たとえば、「X」をドローイングすることは、デバイスをオフしてもよく、数値「1」をライティングすることは、テレビジョンをチャネル1、音楽トラック1などに変えてもよい。デバイス1は、関連コマンドのリストを含むマウスパッドタイプのトレイなどの上に載ることができる。
【0220】
さらなるモードでは、デバイス1は、衛星テレビジョン、e−mail、ギャンブリング、ホームショッピング、及びバンキングなどの対話的サービスなどのような、種々のオンスクリーンメニュー用のリモートコントロールとして利用されてもよい。ハンドライティング認識と共に使用されると、ユーザは、たとえば、名前をライティングすることによって映画のタイトルを探索してもよく、又は、歌の名前をライティングすることによって特定の歌のトラックを演奏してもよい。
【0221】
さらなる実施形態(図示せず)は、接触センサ7,8及び/又は親指係合表面4の1つ又は複数への指紋読取技術の組み込みを含む。これは、セキュリティのために、かつ/又は、自分自身のそれぞれの構成の好みを有するユーザを区別する手段として使用されてもよい。
【0222】
さらなる実施形態では、(上述したデジタルインク/ハンドライティングモードにおけるデバイス1の位置を検知することに匹敵する方法で)キーボード上でのデバイス1の物理的位置を検知することは、コンテキスト関連機能がアクセスされることをもたらす可能性がある。たとえば、キーボードの特定エリアをダブルクリックすることは、異なる機能又はメニューにアクセスすることになる。たとえば、デバイス1を右手側に移動させることは、一時的に精細な移動を行うために、オンスクリーンポインタの速度を下げてもよい。
【0223】
多くのラップトップコンピュータキーボード、及び、制限されたサイズのキーボードを利用する他のデバイスは、標準的な「QWERTY」キーに関連する複数の機能を組み込む。これらの機能は、デバイス1が、「アクティブ」モードに置かれると、アクセス可能になってもよい。キーボードはまた、デバイス1のモード、たとえば、アクティブ、文書ナビゲーションモード、ズーム、デジタルインク/ハンドライティングなどの、ある種の可視インジケータを含んでもよい。
【0224】
こうして、ペン/タブレットシステム、タッチパッド、埋め込み式キーボードトラックポインタ、及びトラッカボールなどの、従来技術のデバイスに比べて、本発明は多くの利点を提供することがわかる。
【0225】
例として、知られている電子ペンデバイスによって「クリック」することは、ペン自体の上にあるボタンによって、又は、ニブを表面内に押下することによって達成される。これらの操作は共に、従来のマウス又は本発明を使用する、対応するアクションほどは効率的ではない。これは、少なくとも一部は、ペンデバイスのニブ先が、表面に接触する唯一の部分であり、そのため、「クリック」アクション中の安定性が減少することによる。この不安定性は、「クリック」中に、ペン(及びオンスクリーンポインタ)の安定した保持を妨げる。
【0226】
ペン上に2つ(又は、3つ以上)のボタンを配置することも実用的ではない。対照的に、クリックしながら、所定場所にデバイスを保持するために、ユーザは、親指で下方向圧力を加えることができるため、本発明は、高い安定性と組合せた(従来の1つのマウスにより)2つ以上のボタンを有してもよい。さらに、デバイス自体が、使用中、かつ/又は、いじっている間に、ユーザの指の間で回転する可能性があるため、ペンデバイス上のボタンは、容易に位置特定することが難しい可能性がある。その結果、デバイスをクリックすることができる前に、指又は親指をボタン上に配置するための、調整が必要とされることが多い。
【0227】
タッチパッド、埋め込み式キーボードトラックポインタ、及びトラッカボールは、効果的であったが、マウスほどはユビキタスでない入力デバイスのさらなる例である。これら3つのデバイスは、それぞれ、デバイス自体が固定であり、したがって、動作するためのデスクトップ空間を少なくしか必要としない点で、従来のマウスに比べて利点を提供し、効果的である主要なエリアがラップトップコンピュータにあることを説明する。
【0228】
しかし、オンスクリーンポインタ移動を指示するために、デバイス全体の移動を使用しない静的入力制御デバイスは、従来のコンピュータマウス又は本発明と比較して、かなりの程度の制御を失うことがわかった。これらのデバイスは、移動を指だけに制限するため、ほんのわずかの移動が実施される可能性があり、ポインタが長い距離にわたって移動する必要があるときに、非効率を生じる。このことが、指の移動が比例的に大きなポインタの移動を生成するようにポインタ移動を構成することによって補償される場合、これは、必然的に、精度の低下をもたらす。
【0229】
本発明はまた、(指を使用した)これらのデバイスの精細な移動を可能にするが、手/手首及び腕を使用することによって、従来のマウスによって達成することができる、より大きな「スイーピング」移動も可能にする。さらに、これは、キーボードエリアを移動表面として利用している間に、すなわち、さらなるデスクトップ空間を使用せず、また、キーボードとデバイスとの間で手が移動する必要無しで実施されてもよい。
【0230】
固定(又は半固定)デバイスの別の欠点は、オンスクリーンポインタ移動速度が、制御されることが、より難しく、かつ、直感的でなくなることである。たとえば、埋め込み式キーボードトラックポインタデバイスの場合、ポインタ移動は、加えられた「圧力」の大きさに関連し、指の移動(の距離)に直接関連しない。しかし、デバイスに対して大きさの変わる「力」を加えることと対照的に、ある「距離」の移動を与えるときに、ユーザによって、より精細でかつより直感的な制御が達成可能である。
【0231】
タッチパッドは、以下の欠点、すなわち、
−タッチパッド表面の真上での親指又は指の移動によって達成されるポインタ移動は、ユーザの皮膚に摩擦を加える。長い使用期間にわたって、これは、不快及び胼胝を生じる可能性がある。
−ユーザの皮膚の異なる状態(たとえば、湿気、汚れ、又は汗)が、タッチパッドに当てられて、粘着性の又は滑りやすい表面などが生まれ、一貫せず、また、使用するのが難しいか、又は、不快である可能性があるインタフェースが提供される。
−タッチパッドマウスボタンは、通常、所定位置に固定される。わずかの手の移動が、タッチパッドを作動させるのに必要とされ、ユーザの指又は親指をマウスボタンに関してミスアラインさせることが多い。これは、マウスクリックを達成するのに、手の移動が必要とされる、さらなる非効率を導入する。
という欠点を示すにもかかわらず、ラップトップコンピュータに関する共通インタフェースデバイスである。
【0232】
図25は、ラップトップPCの形態のコンピュータ40を示し、ディスプレイスクリーン41は、コンピュータ主要本体部ハウジング42にヒンジで取り付けられる。コンピュータは、キーボード37の下に配置された位置検知手段、及び、キーボード37と共面の隣接表面43を装備する。位置検知手段は、電磁式検知、音響式検知、又は静電容量式検知などのような、本明細書で述べる手段を含む任意の適切な技術を利用してもよい。そのため、デバイス1の位置は、ハウジング42の上部表面のうちの任意の表面上で使用されるときに検知されてもよい。主要ハウジング42は、さらに、デバイス1が、以下の2つの方法の1つの方法によってハウジング42内の凹所に置かれることを可能にするばね付勢式床部分を有するデバイスドッキングポート凹所44を装備する。2つの方法とは、以下の通りである。
1.デバイス1が、凹所44内に手動で挿入されるだけでよく、凹所の床部分は、窪んだ位置と、作業表面43と同一平面にある、完全に持ち上がった位置との間でラッチされてもよい。
2.あるいは(図25bに示すように)、凹所44床部分は、ヒンジで取り付けられたディスプレイスクリーン41の開放/閉鎖に関連して(それぞれ)自動的に上昇/下降するように構成されてもよい。
【0233】
図25c)は、コンバーチブル型タブレットPCとしても知られる(図25a)〜b)に示す)コンピュータのさらなる変形を示す。コンバーチブル型タブレットPCコンピュータ40はまた、2次ライティング/スクリーン表面45、及び、枢動可能にヒンジで取り付けられた主スクリーン41を装備し、主スクリーン41は、中心枢動点46を中心にして180度回転してもよいと共に、コンピュータハウジング/キーボード(42,37)と同一平面になって折り畳まれてもよい。キーボード37はまた、先の実施形態に関して先に述べた拡大した空白バーキー20を備える。2次ディスプレイエリア45は、
−マウスポインタに隣接してスクリーン部分を表示するように、任意選択で、構成された主ディスプレイスクリーン41の拡大「ズームされた」部分と、
−デジタルインクモードで動作するデバイス1についてライティング/スラッシュドローイングエリアの役目を果たすこと、
−主スクリーン41が、聴衆に面するように回転する間に、ユーザ提示のためのプロンプト/キューカード情報を表示すること
を含む、ある範囲の特徴を提供するように構成されてもよい。
【0234】
図26a,26bは、好ましくは、受動式(すなわち、圧力作動式)と能動式(近接検知)の両方のタッチ検知手段を含む、タッチスクリーンディスプレイ47を有するコンピュータタブレットPC40を示す。図26a)は、スクリーン47の上部分に半透明で表示された仮想キーボード48を示す。非タッチスクリーン式ディスプレイ41を有する実施形態では、仮想キーボード48のキーは、マウスデバイス1又は他のポインティングデバイスによって操作されてもよい。好ましくは、タッチスクリーン47の使用は、ユーザの親指12が、デバイス1の親指係合表面4内に保持されている間に、ユーザの指14,15,16,17によって、キーボードが操作されることを可能にする。
【0235】
キーボード48は、タイピングのために、ユーザの指に容易にアクセス可能であるために、スクリーン47上でのデバイス1の物理的位置から決まった距離に「繋ぎ止められる」ように構成されてもよい。一実施形態では、キーボード48は、デバイス1が非アクティブであるときにだけ表示される。人差し指先端接触センサ7にタッチすることによって、デバイス1が、ポインタナビゲーションモードに置かれると、ユーザは、ある種の非タイピング活動を実施するという意図を信号送信し、そのため、キーボード48を取り除くことは、過剰のスクリーンクラッタをなくす。キーボード48は、親指接触センサ49(図21aにおいて視認できるが、図26a,26bでは隠される)の親指接触によって作動されるときに、表示されるように構成されてもよい。親指接触センサ49をアクティブにクリックするためにさらなる圧力を加えることは、空白バーキーボードコマンドを入力するように構成されてもよい。
【0236】
図26a)に示すキーボードは、片手入力に適した「ハーフサイズ」キーボードを示し、ユーザは、立つか、又は、デスク無しで座った位置におり、そして、一方の手でタブレット40を保持し、他方の手でタイピングし、デバイス1を操作する。ユーザが、デスクトップ環境にいるか、又は、自分の膝の上でタブレットコンピュータ40を支持することができる場合、キーボード48は、両手タイピングを可能にするように拡大されてもよい。図26b)は、フルスクリーン幅へ拡大しているキーボード48上で両手でタイピングするユーザを示す。
【0237】
図27〜28は、本明細書に述べるマウスデバイス1と共に使用するのに好ましくは適する仮想「スティック」ポインタの形態の本発明のさらなる態様を示す。しかし、仮想スティックポインタは、他のマウス又はペン入力デバイスと共に容易に利用されてもよいことが理解されるであろう。
【0238】
仮想ポインタスティック技術は、ポインティングデバイス1を使用して、ユーザのより精細でより動的な制御を可能にする、ディスプレイスクリーン制御方法及び関連ソフトウェアである。これは、(従来のポインティングデバイスにより)x平面とy平面の移動を解釈するだけでなく、デバイス1の回転もまた検知することによって達成される。この回転は、物理的なポインティングスティックを使用すること、たとえば、教師が黒板とポインタを使用することに類似するポインタ移動としてスクリーン上に反映される。
【0239】
図27a〜c)に示す実施形態では、ポインタ50が主要な長手方向軸に関して細長く、矢印ヘッド52が遠位端にあるが、代替のポインタ? 状が使用されてもよいことが明らかになるであろう。ポインタ50の近位端は、デバイス1の親指側から直角に突出し、デバイス1と共に移動する。一実施形態では、制御ソフトウェアは、ポインタ50が、前記主要ポインタ軸に同軸に、かつ/又は、前記細長いポインタの回転によって写された弧で配置された、オンスクリーンオブジェクト(たとえば、ファイル51)及びテキストを(「選択」モードを作動させるために指定された1つ又は複数の接触センサ入力と共に)選択することが可能であるように構成可能である。こうして、ユーザは、長い直線移動ではなく、小さな角度回転によっていくつかのオブジェクト51を選択することができる。
【0240】
さらなる実施形態では、ポインタが、
−接触センサ入力(又は、入力の組合せ)が、アクションを実施する、たとえば、URLウェブページリンク、オンスクリーンボタン、オンスクリーン形態のフィールドなどをクリックするように、スクリーン上のターゲットにわたってポインタ50の遠位端を位置決めすること、
−スクリーン上のターゲットにわたってポインタ50の遠位端を位置決めし、いずれのさらなる移動も、アクションを実施するように、たとえば、スクリーン上でオブジェクトを移動させるか、テキストの選択などスクリーンエリアにマークを付けるか、又はオンスクリーン経路をドローイングするように、少なくとも1つの接触センサに「タッチホールド」入力(すなわち、クリックアンドホールド)を入力すること
を含む、従来のコンピュータマウスポインタの機能を実施することができるように、制御ソフトウェアが構成可能である。
【0241】
図28a,28bは、代替の実施形態を示し、それにより、マウスデバイス1(図示せず)は、マウスパッドなどのようなコンピュータディスプレイ41に隣接する従来の作業表面上に配置される。こうした実施形態では、オンスクリーンポインタ50は、従来の方法で生成され、前記回転移動からのポインタ入力及び制御の付加的な特徴を持つ。好ましくは、前記ポインタ50は、細長く、2つの端を持ち、一方の遠位端52に矢印ヘッッドを、他端53に実質的に円形の「枢動点」シンボルを有する。ポインタ50は、ポインタシャフトの形状又は長さを変えるか、又は、制御された正確な選択を容易にするために、ポインタ50の回転とデバイス1の対応する物理的回転との間のスケーリングを調整するように、ユーザにより構成されてもよい。
【0242】
回転仮想ポインタの作動は、専用デバイス接触センサの作動又は既存の接触センサからの入力の組合せを含む、いくつかの方法によって達成されてもよい。あるいは、回転ポインタは、デフォルトポインタとして連続して使用され、そのため、ユーザによる作動を必要としなくてもよい。オンスクリーンポインタ50回転を生成するデバイス1回転は、光学技術か、市販の電磁式センサか、又は電子コンパス技術などの任意の来技術を使用して検知されてもよい。コンピュータ40に送信され、コンピュータ40により処理されるデバイス移動量情報を生成する基部2内に配置された2つの光学センサは、以下でより完全に述べる回転を計算するのに使用されてもよい。あるいは、Wacom Technology Corporationからの利用可能な技術の電磁式センサは、「傾斜」及び傾斜方向を検出すること
が可能なペンデバイスを提供する。その結果、デバイス1内に既知の傾斜角度でコイルを取り付ける(fit) ことは、デバイス1の回転の程度及び方向が検知されることを可能にする。Wacom Technology Corporation
のさらなる製品は、回転を検出するために、ペンデバイスに2つのコイルを組み込み、回転移動を検出してポインタ50オンスクリーン回転を生成するという、デバイス1の実施態様に適合することができる。なおさらなる実施形態は、回転を求めるために、2つの音響送信機を利用してもよい。
【0243】
先に説明したように、図27〜28に示す回転ポインタ実施形態は共に、図28c〜d)を参照して述べる以下の方法を含む、いずれの従来の方法でポインタ50の回転移動を解釈してもよい。
【0244】
電子コンパス又は電磁式センサ(明示的には示さず)が、デバイス1内に配置される実施形態では、コンパスは、位置のx軸及びy軸データと共に、ソフトウェアドライバ(図示せず)によって、ポインタ制御ソフトウェアに方向(たとえば、0°〜360°の方位角) を出力する。
【0245】
スクリーン制御ソフトウェアは、デバイス1の物理的回転向きに任意の決まったオフセットを足した値に相当する回転向きを用いてオンスクリーンポインタ50をドローイングすることが可能である。そのため、一実施形態では、デバイスが、0°又は360°に向いた状態で、デバイス1から受け取られる位置のデータ値が、水平に向く、(図28cに示すように)左すなわち270°を指す、中立又は休止位置を示すポインタ50を表示するように解釈されるように、0°向きが較正されることを、制御ソフトウェアは可能にする。そのため、図28c)の実施形態は、デバイス1の向きとオンスクリーンポインタ50の向きとの間に270°又は90°のオフセットを示す。図28dは、315°又は45°のオフセットを有する代替の実施形態を示す。こうして、中立位置(及び関連オフセット)は、任意所望の角度であるように構成されてもよいことがわかる。
【0246】
こうして、使用時、デバイス1からのx及びy位置データは、枢動点53のオンスクリーン中心を位置決めするために使用され、一方、回転データは、正しい角度でポインタシャフト及び先端52をドローイングするために使用される。制御ソフトウェアが、ポインタ50長を30ユニットとして指定し、デバイス1からの位置データが、x=400、y=200のオンスクリーン位置、270°の測定回転角度、及び−90°のオフセットを与える、数値例を考える。このデータを使用すると、仮想ポインタスティックソフトウェアは、位置x=400、y=200で始まる枢動点を有する矢印をドローイングすることになり、矢印は、その後、180°の角度でドローイングされることになる(すなわち、真直ぐ下を指す)。制御ソフトウェアは、矢印先端52が、確実に、スクリーンの縁を越えて移動しないようにするために、x及びy位置データについて必要とされるオフセットを考慮するように構成されてもよいが、枢動点53が、スクリーン縁をはずれて移動することを可能にしてもよい。
【0247】
デバイス1が、スクリーン表面(図27に示す)の真上で動作する場合、枢動点53は、デバイス1の「下」になり、直接見ることができないことに留意されたい。
さらなる実施形態では、デバイス1は、2つの光学センサ(図示せず)を装備してもよく、1つのセンサは、実質的にデバイス中心にあり(センサ1)、他のセンサ(センサ2)は、デバイス1の末端の方に配置される。
【0248】
マウスポインタで使用される従来の光学式移動量検知技術は、絶対位置ではなく、いずれかの方向の相対変位を記録する。その結果、デバイス1が、回転せずにいずれかの方向に移動する場合、2つのセンサについてのx及びy変位値は、デバイス1が新しい位置に移動しても、同じままである。スクリーン制御ソフトウェアは、センサ1位置データを使用して、(先に述べたように)枢動点53のオンスクリーン位置を求め、2つのセンサの変位値に開きを検出すると、ポインタ50の回転角オフセットを計算する。
【0249】
対応するオンスクリーンポインタ50回転を得るためにデータを解釈する多くの方法が存在し、その方法の中で、一例は次の通りある。
1.オンスクリーンポインタ50長が40mmで、光学センサ1とセンサ2との分離が20mmであると仮定すると、デバイスは、回転し、移動し、両方のセンサについての変位値は、スクリーン制御ソフトウェアによって受け取られる。
2.センサ1は、x=+10及びy=+10の変位を示し(すなわち、右への10ユニットの移動)、センサ2は、x=+14、y=−1を示す。
3.そのため、ポインタ50の枢動点53は、右に10ユニットスクリーン上を移動するであろう。
4.ポインタ先端52の対応する位置は、以下のように求められる。
【0250】
a.2つのセンサ間の変位の差が、計算される。すなわち、x=+4(14−10)及びy=−1(0−1)。
b.2つのセンサ間の距離とポインタ50のオンスクリーン長の比が計算される。すなわち、ポインタスティック長=40mm、センサ間隙距離=20mmであり、したがって、比は、「2」(40/20)である。
【0251】
c.センサ変位差を比で乗算する、すなわち、x=8(4*2)、y=−2(−1*2)。
d.ポインタ先端52について更新された位置は、センサ1(x=10、y=0)についての変位値が、ステップcからの「スケーリングされた」変位に加算されると求められる。すなわち、x=18(10+8)、y=−3(−2+−1)。
【0252】
e. そのため、ポインタ先端52の位置は、右に18ユニット、下に3ユニット移動することになり、先端52と回転点53とに間に、ラインがドローイングされることになる。
5.ポインタ先端52を移動することが、(センサの一方が、一部の変位データを見逃したためか、又は、丸め問題のために)ポインタ50の長さの変化をもたらす場合、ポインタ先端52は、ポインタ長を、構成された長さにできる限り近い値に維持することになる最も近いロケーションに移動するであろう。
【0253】
図29〜44は、実質的に本明細書で述べるデバイス1によるか、又は、他の知られているポインティングデバイスによる実施態様について適用可能な、文書ナビゲーション方法、スクローリング、及びズーム制御方法の形態の本発明のさらなる実施形態を示す。
【0254】
方法は、未変更の従来のペン/マウスポインタデバイス又は本明細書で述べるデバイス1によって実施されてもよいが、好ましくは、デバイス1は、専用ニブ53を組み込む。図29は、後方角から突出するスクロールニブ53を有する従来の2ボタンマウス54を示し、一方、図22a〜22b,22d,23a,30は、基部2の対向する上に、スクロールニブ53とデジタルインクライティングニブ21の両方を同様に装備するデバイス1を示す。各デバイス1,54では、デバイス1,54の下面が作業表面と同一平面に置かれた状態で使用される間に、作業表面との接触を防止するために、デバイス1,54の下面から、ニブ53の遠位部分が持ち上がるように、スクロールニブが、位置決めされ、向けられる。
【0255】
デバイスは、専用接触センサ、ニブ53と作業表面との接触(又は著しい近接性)を始動すること、既存の接触センサに対する入力の組合せ、及び/又は、デバイス(1,54)を傾斜させることを含む、いくつかの手段によって、「文書ナビゲーションモード」に置かれてもよい。そのため、ニブ53自体が、タッチ接触と「クリック作動」とを識別することが可能な接触センサであってよい。そのため、デバイス1を考えると、2つの状態、「タッチ」及び「クリック」が設けられ、それぞれ、作業表面上で「ホバーリング」、又は、作業表面にタッチすること、及び、作業表面上でニブ53を押さえることによる「クリック」作動に対応する。図30aは、基部が作業表面55と同一平面にある状態で、ポインタナビゲーションモードにあるデバイス1を示す。デバイス1の後部のスクロールニブ53の先端は、作業表面55と接触がないままである。図30bは、スクロールニブ53の先端が作業表面55に接触した(又は、近くに隣接した)状態で、デバイス1を後方へ傾斜させることによって誘発される「文書ナビゲーションモード」で動作する同じデバイス1を示す。
【0256】
方法はまた、ペンポインティングデバイス(図示せず)によって容易に実施されることができ、文書ナビゲーションモードは、接触センサを、ペンのバレル上又はキーボード上に押え付けるか、あるいは、ボタンを別個のデバイス(たとえば、モバイルデバイス)に押え付けることによって発動されてもよいことが理解されるであろう。ニブ先スクローリングを実施するように構成されたタブレットPC(又は、スタイラスを有する他の可搬型デバイス)と共に使用されるこうしたペンは、現在利用可能な「スクロールバー」スクローリング方法と比べて、文書をナビゲートする実質的により効率的な手段を提供するであろう。
【0257】
より詳細に方法を考える。
ニブ先53が、作業表面に接触して、又は、その近くに置かれると、ホストコンピュータ(図示せず)は、「文書ナビゲーションモード」に入り、オンスクリーンポインタは、文書ウィンドウの中央にセンタリングされる、スパイク付き外部環状リング(図31に示す)を有するクロスヘアターゲット56に変化する。多くの代替のグラフィック表現が可能であり、本発明は、本明細書に述べる例示的な実施形態に限定されないことが理解されるであろう。
【0258】
図32に示すフローチャートは、方法に関連する制御プロセスの一実施形態を示し、方法では、最初に(ステップ57)、文書ナビゲーションモードに入るユーザの意図を示すために、ニブ先53が、作業表面55に接触しているか、又は、作業表面55に十分に近接しているかについての判定が実施される。肯定的である場合、文書ナビゲーションモードが誘発され(ステップ58)、オンスクリーンポインタは、文書の中心に好ましくは配置される、スパイク付きクロスヘアシンボル56に変化する。方法の一実施形態では、次のステージ(ステップ59)は、ニブ先端53接触センサによって、ユーザによる作動入力のタイプを判定する。ニブ先端53は、
−ダブルクリックされるか、又は、1回クリックされ、解除される(ステップ60)か、−ダブルクリックされ、保持される(ステップ61)か、又は、
−1回クリックされ、保持される(ステップ62)
のいずれかが行われてもよい。
【0259】
一実施形態では、ユーザが、ダブルクリック又は1回クリックし、解除し(ステップ60)、クロスヘア56を中心点に移動させる場合、閲覧される文書は、新しいクロスヘアカーソル56位置に基づいてセンタリングされ、ダブルクリック及びホールド(ステップ61)は、以降でより詳細に述べるように、「ズームモード」を誘発し、一方、一回クリック及びホールド(ステップ62)は、以下で拡張されるように「スクロールモード」に入る。
【0260】
誘発後、スクロールモード(ステップ62)は、(図33に示すように)ユーザがニブ先端53センサによって入力するタイプに依存して、異なるように実施される。一回クリック及びホールド(ステップ62)後、クリックが、クロスヘアポインタ56がまだセンタリングされた状態で実施されたかどうか、又は、ユーザがカーソルを移動させたかどうかについての判定が行なわれる(ステップ63)。ステップ63の結果がYESである(すなわち、クロスヘアポインタ56がまだセンタリングされている)場合、プログラムは、文書が、ターゲット位置に基づいてセンタリングされることになる、「フリーフォームスクローリング」に入り、後続のいずれの方向におけるいずれの移動も、その方向におけるロックされないスクローリングをもたらす。ステップ63の結果がNOである場合、プログラムは、以下でより完全に述べる「永久スクローリングモード」に入る(ステップ65)。
【0261】
スクロールモードに入った62後、2つのさらなる代替の入力が可能である。ユーザは、実質的に上又は下「フリング」66と一緒に一回クリックを、又は、別法として、一回クリックと実質的に左又は右「フリック」67を実施してもよい。「フリック」及び「フリング」という用語は、本質的に同じアクションであるが、異なる方向であることを示す、純粋に暗示的なラベルである。「フリング」66は、一回クリックに続く上又は下への短時間の迅速移動(ポインタのスパイク付きリング56を回転することを表す) であり、文書の始め/終わりへ、文書を迅速にスクロールする(ステップ68)ために(好ましくは、ユーザによって)定義されることができる。相応して、左/右「フリック」67は、ユーザが定義した量だけ文書を移動させ(ステップ69)、ページを上/下に移動させることを含んでもよく、本のページをフリックする行為を表す。
【0262】
ニブ先53が、作業表面に押し付けられ、保持された後の永久スクローリングモード(ステップ65)では、スパイク付きリングクロスヘアカーソル56は、3次元(3D)表現70(図34〜36,38に示す)によって置換えられる。スクローリング方向を示すために、ユーザが、ニブ先53をいずれかの方向に移動させるときに、永久スクローリングの新しい「定義された」方向にリング70の平面を整列させるために、スパイク付きリング70は、スクリーンの平面内の軸を中心に回転するであろう。一部のアプリケーション、たとえば、スプレッドシート又はワープロにおいて、永久スクローリングの許容可能な方向を垂直又は水平面に制限することが好ましい。
【0263】
あるいは、永久スクローリングは、最初の定義段階中に、ユーザがニブポインタを移動させる任意の方向にロックされてもよい。図34は、ほぼ上の方向に、また、垂直から45°で左にロックされたスパイク付きリングを示し、一方、図35は、垂直下方向にロックされたスクローリングを示し、図36は、水平面内で右方向にロックされたスクローリングを示す。スクローリング方向を設定する最初の移動後に、リング70は、ロックされた方向におけるスクローリング量を示すために、その幾何学的中心を通る軸を中心にして「回転する」(スクリーン上でアニメーション化される)ことになる。スクローリング方向は、ここで、最初の回転と同じ方向にロックされ、
−ニブ先53が作業表面から持ち上がるまで、又は、
−ユーザが「バックトラックする」(以下で述べる)まで
ロックされたままになる。
【0264】
しかし、永久スクローリングの方向を、取り消す、休止する、かつ/又は、反転する代替の手段が可能であることが理解されるであろう。スクローリングの方向をロックすることは、永久スクローリングの強力な態様であり、ユーザが、文書を通してスクロールするために、種々の人間工学的に有効なデバイス1移動(特に、回転移動)を入力することを可能にする。
【0265】
たとえば、スクロールダウンするために、デバイス1移動速度によって決まる速度での永久下方スクローリングをもたらすことになる、(好ましくは)円移動を開始する前に、ユーザは、ニブ先53を作業表面55上に「打ち込み(plant) 」、下に移動させるであろう。ユーザは、個人の好みに応じて、反時計方向又は時計方向に(どちらの方向がより快適と感じても)円移動を開始することができるが、スクローリングは、下方位置にやはりロックされるであろう。図35はまた、下方スクローリングを示すために、スクリーンの平面内でさらに回転するスパイク付きリング70と一緒に、わずかな量の下方スクローリングを達成するための、ニブ先53の2つの代替の経路を示す。スパイク付きリング70上の矢印マーク72は、スクローリング方向を示す。
【0266】
実際のスクローリング距離は、ニブ先53が進行する距離に直接対応するか、又は、乗算器、たとえば、
スクローリング距離=ニブ先53の距離*定数
によって修正されてもよい。水平に、たとえば、右にスクロールするために、ユーザは、ニブ先53を押下し、デバイス1を右へ移動させ、その後、図36に示す円移動を行う。
【0267】
永久スクローリングのロックされた方向を反転するか、又は、変更するために、いくつかの異なる手段が採用されてもよく、本発明は、どの1つの方法にも限定されない。一実施形態では、方向に関わりなく、ニブ先53のいずれの移動も、ロックされた方向のスクローリング移動に寄与する場合がある。こうした構成は、特定の接触センサ入力又はデバイス1からの入力の組合せなどの、ロックされたスクローリングを出るか、又は、それを反転させる外部手段を必要とするであろう。
【0268】
代替の実施形態では、ユーザは、デバイス1を使用して移動を「バックトラッキングする」ことによって、「ロックされたスクローリングモード」にまだある間に、スクローリング方向を反転することができる(すなわち、180°方向変化)。ロックされたスクローリング移動が、仮想「ジョグダイアル」として可視化される場合、バックトラッキングは、他の方向に「ダイアルを回す」ことであると考えられてもよい。図37aは、ニブ先トラック71がX平面とY平面の両方で同時に方向を反転する、バックトラッキングの例を示す。対照的に、図37bは、回転方向は反時計方向から時計方向に変化するが、方向反転は、任意所与の時間に、両方ではなく、X軸かY軸のいずれかで起こるだけである、ニブ先トラック71を示す。こうして、図37bに示すトラック71は、反転無しで、一方向のロックされたスクローリングを生成するだけである。ホストコンピュータ(図示せず)はまた、「バックトラッキング」移動を判定するために、回転するニブ先53を認識し、分類するようにプログラムされてもよいが、問題を、X軸移動とY軸移動に分解することが、計算的に容易である。
【0269】
なおさらなる実施形態では、スクローリング方向の反転又は「バックトラック」は、ユーザが、ニブ先トラック71を反転し、逆経路に追従する、任意の移動として定義されてもよい。これは、ユーザが、所望するいずれのパターン又は移動に追従することも可能にし、また、直感的な移動によるバックトラックを可能にする。こうした実施形態は、アクションが有効なバックトラックと考えられるように、ニブ先トラック71を反転して再トレーシングするときのユーザの精度について定義可能な許容差を組み込むように構成されてもよい。
【0270】
「イメージ」からなる文書をスクローリングするための典型的なシーケンスは、デスクトップなどの作業表面55上でニブ先53を押し付け、それに続いて、デバイス1を一方向に移動させることで始まる。デバイス1が、デスクトップ空間を使い尽くすため、ユーザは、回転移動を始めることになるが、文書は、最初のスクローリング方向でスクロールし続けるであろう。スクローリング「ターゲット」(すなわち、スクローリング「デスティネーション」又はユーザの関心点)が、スクリーン上にあるとき、ユーザは、ニブ先53を持ち上げ、スクリーン上に「クロスヘア」照準を示す表面上でニブ先を浮遊させることになる。ユーザは、その後、ニブ先53を(表面の上に)移動させ、オンスクリーンターゲットがクロスヘア56の下にあるときに、ニブ先53を押下する。これによって、文書上のターゲットが、スクリーン/ウィンドウの中心に整列することになる。
【0271】
(ニブ先53が、「 押下される(held down)」)永久スクローリング中、ユーザはまた、上述したように、左/右「フリック」(次のページ/前のページ)又は「フリング」を実施してもよい。たとえば、上又は下フリングは、この場合、現在のロックされたスクローリング方向で文書を縁へ「フリングする」であろう。
【0272】
図38に示すように、スクリーンウィンドウ73内のスクローリングカーソル(すなわち、スパイク付きリング70)のスクリーン位置はまた、文書全体に関してスクリーンウィンドウ73の現在の位置を表すのに使用されてもよい。図38に示す例では、ウェブページをたった今ロードしたウェブブラウザは、ビューウィンドウ73より3倍高い。図38a〜38cは、ロックされた永久スクロールモードで、上部(図38a)から底部(図38c)まで文書をユーザがスクロールダウンするシーケンスを示す。
【0273】
スパイク付きリング70は、ウィンドウ73の上部でy軸に沿って整列し、x軸の中心にも整列する。このx及びy軸整列は、閲覧されるスクリーンが、文書の最も上の部分にあり、ウィンドウ73が、文書幅の100%を表示するために、x軸にわたってセンタリングされることを示す。
【0274】
ユーザがスクロールダウンするときに、スパイク付きスクロールホイール70は、ウェブ文書の中間点(図38b)において、カーソル70が、y軸でセンタリングされるように「ロールダウン」する。相応して、ユーザが、文書の端に達する(図38c)ため、リングカーソル70は、ウィンドウ73の最も下の部分にローリングした。こうして、スクリーンウィンドウ73上でのカーソル70の移動は、共通スクロールバースライダボタンのY軸視覚ロケーションを提供するだけでなく、X軸視覚ロケーションも提供する。そのため、ウィンドウ73は、従来のスクロールバーの無い状態で表示されてもよく、したがって、モバイルコンピューティングデバイス上での小さなスクリーンディスプレイにとって特に有益であるスクリーンエリアを開放する。
【0275】
ユーザが、ニブ先53をまだ押下しながら、(通常、回転移動を止めることによって)所与の方向のスクローリングを止める場合、スパイク付きリングカーソル70は、フェージングし/消えることになり、移動が再び検出されるとすぐ、再び現れることになる。スクローリングは、その後、先にロックされたスクローリング方向に継続することになる。一実施形態では、再開直後に生成されたいずれのバックトラック移動も無視される。これは、スクリーンが非アクティブである期間後に、意図しないスクローリング方向反転の作用によってユーザが混乱することを回避する。
【0276】
図39は、(たとえば)ダブルクリックとニブ先53センサのホールド作動によるか、又は、別法として、第2ニブ先53の作動によって誘発されてもよい、図33で導入されるズームモード(ステップ61)についてのフローチャートを示す。異なるオプションは、永久ズーミングモード(ステップ75)を誘発するダブルクリックとホールド74によるか、又は、ブロックズーム機能(ステップ77)を誘発するダブルクリックと「フリング」移動76によって得られてもよい。
【0277】
永久ズーミングモード75では、スクリーンカーソルは、スクローリングクロスヘアカーソル56と類似の、図40のスパイク付きリング78によって置換えられるが、クロスヘアは、単一対角クロスヘア80上に配置されたカーソル78の中心の2重矢印付き要素79によって置換えられる。ズームカーソル78は、ニブ先53が作業表面上を浮遊するときに現れるクロスヘアカーソル56を置換える。ユーザが、クロスヘア56を中心点から移動した場合、閲覧される文書は、図32のフローチャートのステップ60により、新しいクロスヘアカーソル56に関してセンタリングされることになる。
【0278】
示す実施形態においてズーミングを誘発するために、ユーザは、上方向か右方向のいずれかに最初の移動を実施し、ズームアウトするために、ユーザは、下方向又は左方向移動で始める。ズームイン又はズームアウトをトリガーするために、代替の移動が定義されてもよいことが容易に理解されるであろう。上か、下か、左か、右を選定する移動の分類は、ユーザによってプリセットされるか、又は、定義されてもよい。そのため、たとえば、135°〜315°の移動(0°は、真上である)は、上方向移動として定義されてもよい。永久スクローリングにより、永久ズーム(イン又はアウト)方向は、ニブ先53の移動の最初の分類によってロックされる。こうして、円/弧移動がズームアウトを定量化する前の、ニブ経路71の最初の下方成分によって、図41のトラック71は、永久ズームアウトアクションを生成することになる。ズーミング中、スパイク付きリング78は、図42a〜c)の図のシーケンスに示す、単一クロスヘア軸80を中心に回転する、3Dアニメーションを表示する。デバイス1を介したバックトラッキング入力は、永久スクロールモードに匹敵する方法でズーム方向を再び反転することになる。
【0279】
(図43に示す)さらなる実施形態では、ズーミングアウト動作は、「ロックされた境界」81、すなわち、ユーザが、ズームアウトを実施する前にウィンドウ73に隣接するスクリーンウィンドウ73の部分(通常、四角形)を生成し、表示する。ユーザがズームアウトするとき(引き続き図43a〜43cに示す)、ロックされた境界81は、ズームアウトプロセス中のスクリーンイメージの残りに対応してサイズが減少するスクリーンイメージ上に残る。
【0280】
所望のズームアウトレベルが達成されると、ユーザは、ニブ先53を解除する(持ち上げる)ことができ、その時点で、カーソルは、クロスヘア56に戻る。しかし、スケーリングされたロックされた境界81はまた、カーソル56の一部となり、カーソル53移動と共に移動する。そのため、ユーザは、通常のポインティング又はクリッキングに戻るオプションか、又は、ニブ先(図43e)を押下する前に新しいスクリーン位置(図43dに示す)に(浮遊しながら)ロックされた境界を移動させるオプションを有する。これは、ロックされた境界81の最初の作成時に存在する同じズームレベルまで、ロックされた境界81によって境界付けられたエリアに対してズームインする。
【0281】
ウィンドウ73内のイメージ(又はテキスト)が識別不可能になるか、又は、識別するのが難しくなる点まで、ロックされた境界81が、ズーミング中に減少する場合、ロックされた境界81は、ニブ先53が作業表面から持ち上げられるときに、「拡大鏡」になる。そのため、2つの境界、前のズームレベルのままである「ロックされた境界」と拡大イメージの縁82を囲む別の境界が存在する。ボックスは、イメージの上を移動するにつれて、図43fに示されるように、拡大したイメージボックス内部に拡大イメージを示すことになる。
【0282】
図44は、自動タイリング用のなおさらなる実施形態を示す。比較的に「幅広で短い」又は「幅が狭く長い」文書は、ズームアウト時に、大量の未使用エリア又は「空白空間」を作る傾向がある。この空間は、通常、文書の比率に応じて、両側又は文書の上/下に配置される。ニブ先スクローリング/ズーミング方法は、この未使用スクリーンエリアを十分に利用するために、イメージを自動的にタイリングすることができる。たとえば、非常に幅広のパノラマ写真(図示せず)の場合、イメージの上/下に十分な空白空間が存在する場合、イメージは、2つに分割されることになる。イメージの左手側は、上部になり、右手は底部になることになる。
【0283】
「テキストベース」である文書は、通常、非常に「スキニーで高い」。そのため、ユーザが、文書83からズームアウトするにつれて、現在の位置の上83と下84の文書の複数の部分は、左から右へ、上部から底部へ割り付けられることになる。ページング情報を含む文書の場合、境界は、ページの周りに置かれることができる。
【0284】
一実施形態では、タイリングレイアウトは、文書が始めて開かれるか、又は、文書全体のサイズが変更されるときにだけ、求められ、定義される。文書は、その後、全体の(ズームアウトされた)文書の閲覧中に、利用可能な空間の最も効率的な使用に従って割り付けられる。タイリングのために文書を分割するのに、不十分なページしか利用可能でない場合、ユーザは、タイリングが起こる前にプロンプト表示して確認を指示されてもよく、単一の利用可能な「ページ」は、2つに分割される。たとえば、パノラマ写真は、実際に、「1ページ」であり、したがって、ユーザは、最初に、タイリングが起こる前に、イメージを分割して欲しいかどうかを尋ねられることになる。永久スクローリング及びズームモードにより、タイリング中に、ユーザは、最大の利用可能な程度までズームする(上述した)「フリングアウト」か、又は、「フリングイン」を実施して、前のズーミングを取り消し、元の位置に戻ってもよい。
【0285】
上述したスクローリング、ズーミング、及びタイリングの実施形態は、従来技術に比べていくつかの利点を持つ。
専用ボタンと対照的に、独立のニブ先53によって、「ロックされたスクローリングモード」が作動されるようにすることは、特に、このモードが、通常、長い期間にわたって維持されることになり( たとえば、長い文書又はウェブページを読み、スクロールする) 、したがって、必要となる最低の持続的な力を使用することが望ましいため、改善された人間工学的要件を提供する。永久スクローリングは、デバイス1が、その物理的移動の端(たとえば、マウスパッドの縁)に達したときに、ユーザが、「ピックアップ、プットダウン」アクションを実施しなければならないことを回避する。ユーザは、物理的に、「ドローイング」する「円」のサイズが可変であるため、スクローリングの量についての広い範囲の制御を行うことができる。すなわち、より速くスクロールするために、より大きな円移動を行うことができる。
【0286】
スクロールホイールは、文書を読取るのに非常によく使われるが、1つのタイプのスクローリング、すなわち、文書読み取りに好適であるだけである。スクロールホイールはまた、人差し指移動の半分が、「再位置決め」(指を元の上部に移動させること)において無駄になるため、デバイス1移動をデバイス移動量情報に変換するときに50%の効率を持つだけである。対照的にニブ先方法は、100%の効率を有する。すなわち、全てのデバイス1移動は、スクローリング移動に変換されると共に、著しく広い範囲のスクローリング速度及び方向を持つ。
【0287】
従来の左マウスクリックが、「クリックアンドホールド」位置において行われるままとなることを可能にする専用接触センサ(及び指又は親指)を持つことは、ユーザが、スクローリングを必要とする非常に効率的で「広範囲の選択」を行うことを可能にする。これは、(左マウスボタン7又は等価物をクリックし、保持することによる)選択プロセス及び(ニブ先53を使用した)スクローリング/ズーミングプロセスが独立であることによる。したがって、可視ウィンドウより大きな選択を行うことが、著しく改善される。スプレッドシートなどのアプリケーションはまた、X軸ならびにY軸における効率的なスクローリングのために利益になる。同様に、現在閲覧している文書を超えて拡張する「広範囲の選択」動作が、容易に実施される。
【0288】
上記スクローリング方法はまた、ポケットPC又はスタイラスを有する電話などの可搬型コンピューティングデバイス上のペンデバイス(図示せず)に関して特に有用である。スクリーンサイズは、本来小さいため、たとえば、高度な垂直及び水平スクローリングが必要とされることが多い、典型的なウェブページをブラウジングするときのスクローリングについて不可避の要件が存在する。こうした実施形態では、デバイスは、タッチセンサを有する「スクロールボタン」を設けられることになり、タッチは、ペン上での「ホバーモード」を指示し、「クリック」は、ニブ押下モードであることになる。
【0289】
スクローリング/ズーム方法は、
−ボリュームスライダコントロールなど、
−標準的なメニュー選択(たとえば、「ファイル」をクリックし、次に、「としてセーブする」ために「スクロール」ダウンする)、
−「ドロップダウンリスト」(たとえば、ウェブブラウザの「アドレス」フィールドに示される最新のURLのリスト)の選択、
−ファイル管理フォルダ、特に、サムネイルイメージなどを組み込むフォルダのナビゲーション及び検査
などの、値を増減する要件を有する多くの他のGUIコントロールに適用されてもよい。
【0290】
本発明の態様は、例としてだけ述べられており、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に対して変更及び追加を行ってもよいことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0291】
【図1a】コンピュータポインタデバイスの本発明の第1の好ましい実施形態の平面図である。
【図1b】図1aに示す実施形態の左側面図。
【図1c】図1aに示す実施形態の右側面図。
【図1d】図1aに示す実施形態の正面図。
【図1e】図1aに示す実施形態の後面図。
【図1f】本発明のさらに好ましい実施形態の前面/右側面図。
【図1g】図1fに示す実施形態の右側面図。
【図1h】図1fに示す実施形態の後面図。
【図1i】図1fに示す実施形態の左側面図。
【図1j】図1fに示す実施形態の正面図。
【図2】ユーザの親指が親指係合表面に係合した状態の図1fに示すデバイスの図。
【図3】ユーザの人差し指とも係合した図2に示すデバイスの図。
【図4】キーボード上でのタイピング中に使用中の図1fに示すデバイスの図。
【図5a】ユーザが、親指、人差し指、及び中指でデバイスを作動する、図4に示す実施形態を示す図。
【図5b】切頭の空白バーを有するキーボードによる、さらなる実施形態を示す図。
【図6a】短縮されたニブ/スタイラス及びベース内の中指凹所を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図6b】短縮されたニブ/スタイラス及びベース内の中指凹所を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図6c】短縮されたニブ/スタイラス及びベース内の中指凹所を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図6d】短縮されたニブ/スタイラス及びベース内の中指凹所を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図6e】短縮されたニブ/スタイラス及びベース内の中指凹所を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図6f】短縮されたニブ/スタイラス及びベース内の中指凹所を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図7a】ユーザが従来のペンを保持する従来技術の図。
【図7b】ユーザが従来のペンを保持する従来技術の図。
【図8a】ハンドライティングモードにおいてユーザの右手に保持された本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図8b】ハンドライティングモードにおいてユーザの右手に保持された本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図9a】伸張したニブ/スタイラス部分を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図9b】伸張したニブ/スタイラス部分を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図9c】伸張したニブ/スタイラス部分を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図10a】対称な両手ききデバイスの形態の本発明の斜視図。
【図10b】図10aに示す実施形態の平面図。
【図10c】ユーザの右親指によって、使用のために係合した、図10aに示す実施形態を示す図。
【図11a】従来のマウスケーブルと一緒の、図10の実施形態を示す図。
【図11b】従来のマウスケーブルと一緒の、図10の実施形態を示す図。
【図11c】従来のマウスケーブルと一緒の、図10の実施形態を示す図。
【図11d】使用中の図11の実施形態を示す図。
【図12a】使用中の図11の実施形態を示す図。
【図12b】使用中の図11の実施形態を示す図。
【図13a】本発明のさらなる実施形態を示す左斜視図。
【図13b】本発明のさらなる実施形態を示す右斜視図。
【図14a】本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図14b】本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図15a】本発明のさらなる好ましい実施形態の右/後斜視図。
【図15b】図15aに示す実施形態の左/前斜視図。
【図16a】連続する展開段階のうちの1つの段階における、図15a〜15bに示す実施形態からの伸縮自在スタイラを示す図。
【図16b】連続する展開段階のうちの1つの段階における、図15a〜15bに示す実施形態からの伸縮自在スタイラを示す図。
【図16c】連続する展開段階のうちの1つの段階における、図15a〜bに示す実施形態からの伸縮自在スタイラを示す図。
【図16d】連続する展開段階のうちの1つの段階における、図15a〜bに示す実施形態からの伸縮自在スタイラを示す図。
【図16e】連続する展開段階のうちの1つの段階における、図15a〜bに示す実施形態からの伸縮自在スタイラを示す図。
【図16f】図16a〜eに示すボタン機構の拡大スクラップ図。
【図17a】「ポインティング」モードで動作する図15a〜bに示す実施形態の斜視図。
【図17b】「ポインティング」モードで動作する図15a〜bに示す実施形態の斜視図。
【図18a】「デジタルインク」モードで動作する図15a〜bに示す実施形態の斜視図。
【図18b】「デジタルインク」モードで動作する図15a〜bに示す実施形態の斜視図。
【図19a】本発明のさらなる好ましい実施形態の後右斜視図。
【図19b】図19aに示す実施形態の前斜視図。
【図19c】図19a〜bに示す実施形態の前左斜視図。
【図20a】本発明のさらなる好ましい実施形態の前左図。
【図20b】図20aに示す実施形態の右側面図。
【図20c】図20aに示す実施形態の正面図。
【図20d】図20aに示す実施形態の平面図。
【図20e】図20aに示す実施形態の下側平面図。
【図21a】調整可能な親指保持部分を組み込むさらなる好ましい実施形態の後斜視図。
【図21b】ユーザの親指が親指係合部分に係合した状態で使用中の、図21aの実施形態を示す図。
【図22a】拡大された親指保持部分を有する、さらなる実施形態の前斜視図。
【図22b】拡大された親指保持部分を有する、さらなる実施形態の後斜視図。
【図22c】ユーザの親指が親指係合部分によって保持された状態で使用中の、図21a〜bの実施形態を示す図。
【図22d】ストラップ親指保持部分を有する、さらなる実施形態の後斜視図。
【図22e】ユーザの親指が親指係合部分によって保持された状態で使用中の、図21dの実施形態を示す図。
【図23a】拡大した固定親指保持部分及び2重位置ロッカースイッチを組み込む、さらなる実施形態の後斜視図。
【図23b】使用中の図23aに示すデバイスを示す図。
【図24a】照明可能な部分を含む構成可能なキーe、d、s、fを有する、本発明による使用のために最適化されたキーボードを示す図。
【図24b】照明可能な部分を含む構成可能なキーe、d、s、fを有する、本発明による使用のために最適化されたキーボードを示す図。
【図25a】折畳み式ディスプレイ及びポインティングデバイスを収容する凹所を含む可搬型ホストコンピュータを含む本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図25b】折畳み式ディスプレイ及びポインティングデバイスを収容する凹所を含む可搬型ホストコンピュータを含む本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図25c】折畳み式ディスプレイ及びポインティングデバイスを収容する凹所を含む可搬型ホストコンピュータを含む本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図26a】仮想キーボードを組み込むスクリーンディスプレイを組み込む本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図26b】仮想キーボードを組み込むスクリーンディスプレイを組み込む本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図27a】デバイスから横方向に突出する仮想オンスクリーンポインタスティックを組み込むポンティングデバイスのさらなる実施形態を示す図。
【図27b】デバイスから横方向に突出する仮想オンスクリーンポインタスティックを組み込むポンティングデバイスのさらなる実施形態を示す図。
【図27c】デバイスから横方向に突出する仮想オンスクリーンポインタスティックを組み込むポンティングデバイスのさらなる実施形態を示す図。
【図28a】ポインティングデバイスと独立に表示された、図27に示すオンスクリーン仮想ポインタスティックを示す図。
【図28b】ポインティングデバイスと独立に表示された、図27に示すオンスクリーン仮想ポインタスティックを示す図。
【図28c】図27に示すオンスクリーン仮想ポインタスティックについてのオフセット較正を示す図。
【図28d】図27に示すオンスクリーン仮想ポインタスティックについてのオフセット較正を示す図。
【図29】スクローリングニブポインタを組み込む従来の2ボタンマウスを示す図。
【図30a】ポインタナビゲーションモードで使用中の、図23に示す本発明の実施形態を示す図。
【図30b】文書ナビゲーションモードで使用中の、図23に示す本発明の実施形態を示す図。
【図31】クロスヘアスパイク付きリングカーソルを示す図。
【図32】スクリーンインタフェース制御フローチャート。
【図33】さらなる実施形態による、スクロールモードのフローチャート。
【図34】スパイク付きリングカーソルを示す図。
【図35】図34のスパイク付きリングカーソル及び例示的なニブ先トラックのさらなる図。
【図36】さらなるニブ先トラックの図及び水平スクロール位置におけるスパイク付きホイールカーソルのさらなる図。
【図37a】バックトラック移動を受けるニブ先トラックを示す図。
【図37b】バックトラック機能を受けない状態で、回転方向の変化を受けるニブ先トラックを示す図。
【図38a】本発明の実施形態による、ウェブ文書スクリーンスクローリングを示す図。
【図38b】本発明の実施形態による、ウェブ文書スクリーンスクローリングを示す図。
【図38c】本発明の実施形態による、ウェブ文書スクリーンスクローリングを示す図。
【図39】本発明によるズームモードを表す下位の図。
【図40】ズームモードスクリーンカーソルを示す図。
【図41】ズームモード動作に関連する例示的なニブ先トラックを示す図。
【図42a】クロスヘア軸を中心とする連続した回転を受ける、図40についてのスクリーンカーソルを示す図。
【図42b】クロスヘア軸を中心とする連続した回転を受ける、図40についてのスクリーンカーソルを示す図。
【図42c】クロスヘア軸を中心とする連続した回転を受ける、図40についてのスクリーンカーソルを示す図。
【図43a】本発明によるズーム制御機能を生成する、コンピュータウィンドウスクリーンを示す図。
【図43b】本発明によるズーム制御機能を生成する、コンピュータウィンドウスクリーンを示す図。
【図43c】本発明によるズーム制御機能を生成する、コンピュータウィンドウスクリーンを示す図。
【図43d】本発明によるズーム制御機能を生成する、コンピュータウィンドウスクリーンを示す図。
【図43e】本発明によるズーム制御機能を生成する、コンピュータウィンドウスクリーンを示す図。
【図43f】本発明によるズーム制御機能を生成する、コンピュータウィンドウスクリーンを示す図。
【図44】本発明のズームモード機能に従って表示されるタイリングされた文書を示す図。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、コンピュータポインティングデバイスに関する。類似の知られている代表的なデバイスは、一般に、「マウス」、トラックボール、タッチスクリーン、タッチパッドなどとして知られており、ひとまとめに、ポインティングデバイスと呼ばれる。
【背景技術】
【0002】
現在のコンピュータマウスの先駆けは、Doug Engelbart
によって40年以上前に考案されたが、最初の主要な商業的実施は、アップルマッキントッシュ(商標)コンピュータが出現する1983年まで遅れた。これによって、数年後に、コンピュータマウスがそれに関して一体周辺機器となるウィンドウズ(登録商標)コンピュータインタフェースの幅広い採用が続いた。この長い形成期間とその後の幅広い商業的利用にもかかわらず、マウスの本質的な設計は、当初から比較的不変のままである。
【0003】
この設計の停滞は、同じ期間における、コンピュータハードウェア及び他の周辺デバイスの急速の発展を考えると、益々目立つ。ユーザとコンピュータとの間のインタフェースを提供する多くの代替のデバイスが研究され、いろいろな成功の程度を満たしてきた。
【0004】
それでも、圧倒的多数のコンピュータは、主要な人/コンピュータインタフェースとしてキーボード及びマウスを、今日依然として支給する。マウス設計の長期継続についての1つの理由は、手から目への同調を翻訳することに成功したこと、実際上訓練を全く必要としないこと、及び実際上全ての年齢のグループによって使用可能な直感的なインタフェースに由来する。
【0005】
それでも、従来のマウス設計は、
−ユーザが、マウスを操作するために、キーボードから手を離す必要があること(効率の低下及び身体的労力の増加をもたらす)、
−やっかいな手の握り方と組合せた1本の指の反復使用を含む、ユーザの手/腕が緊張した位置を採用するようにさせること、
−コンピュータに隣接する平坦で強固な表面を必要とするために、ラップトップ及び他の携帯型コンピュータデバイスと共に使用するのに不適当であること、
−ユーザによって容易に実施される細かいフリーハンド移動をペン又はブラシを用いて繰り返すことが難しいこと、(たとえ達成されるにしても、コンピュータユーザは、マウスを用いて、わかり易いハンドライティング、円の描写などを繰り返すことが非常に困難である。)
−長い距離にわたるスクローリング又は大きなエリアにわたるマウスポインタの移動は、従来のマウスが、空間がなくなることを回避するために、支持表面から持ち上がり、反対方向に移動することを要求することが多いこと、(従来のマウス設計は、特に、マウスボタンのうちのいくつかが、同時に作動される場合、たとえば、テキストの所定部分を選択するとき、表面から容易に持ち上がる助けとならない。)
上記に対処する従来技術の試みの既存の例は、人間工学的に形作られたポインティングデバイス用の多くの特許をもたらしており、それらの特許は、親指支持表面に対してマウスの対向する面上で指を実質的に垂直に積重ねた状態で、ユーザの手を実質的に直立位置に支持するように構成されたマウス構造を開示する、ローに対する特許文献1及び特許文献2を含む。
【0006】
特許文献1,2は、従来のマウスが、使用中に、その位置を維持するために、手、手首、及び前腕に一定の筋力を加えることを必要とすることを提案する。特許文献1,2は、表面が指を支持し、従来のマウスと比較して約80〜90°を通して回転するマウスボタンを組み込んだ状態の、実質的に従来のマウス構成を利用する。しかし、特許文献1,2によって開示されるマウスは、指が実質的に伸張位置を無理に維持するようにさせ、休憩時の、楽にし、曲がった手の位置を防止する。この構成は、おそらく、従来のマウス構成の1つの人間工学的側面に対処する場合があるが、先に概説した残りの欠点に対処しない。デバイスは、ライティングという精密な移動量制御を容易にするため、親指だけにより、又は、「ペンに似た」握り方で把持されることにより、制御された位置決め移動することができない。ユーザの全体の手について接触した握り方を実現するのに必要とされるデバイス寸法はまた、ラップトップコンピュータなどの制約された作業空間環境での有効な使用を妨げる。特許文献3(セガール)、特許文献4(ヴィノグラドフ)、及び特許文献5(エドワーズ他)は、それぞれ、使用中にユーザの手の緊張の少ない動作位置を提供するための、所定輪郭を持つ表面とマウスボタンの再配列の組合せ、及び、マウスの側面部分に沿って配列される少なくとも一部のマウスボタンを組み込むことによって、従来のマウス設計の人間工学的欠点に対処するさらなる試みを詳述する。開示されるマウスの人間工学的配慮は、従来のマウスの一部の欠点に対する改善を提供するが、各設計は、依然として、キーボードに隣接する作業表面の上でユーザの手の全体によって使用するような寸法に作られ、構成され、したがって、キーボード−マウスの手の移動についての非能率と人間工学的ストレスを依然として必要とする。
【0007】
特許文献6(モヴァヘド)は、親指搭載式カーソル制御デバイスによってこれらの困難さを克服しようとする。マウス機能のアクションを制御するための、カーソル移動及びボタン操作は、親指搭載式デバイスの適切な部分を押下するユーザの残りの指から受け取られる。そのため、ユーザは、一方の手を隣接するマウス/マウスパッド上に移す必要無しで、タイピングセッション中にキーボードエリアにわたってマウス制御活動を実施することができる。しかし、作業表面などの支持体が無い状態で、自由空間において実施されるとき、正確なカーソル制御を達成することは難しい。さらに、デバイスは、ユーザの親指にしっかり取り付けられるように設計され、ユーザが、不便なく、非コンピューティング活動に着手したいと思う場合、容易には取り外せない場合がある。
【0008】
コンピュータマウスの規模を、ユーザの指先端によって制御可能になるように減少させる従来技術の試みは、特許文献7(ウェイ)、特許文献8(ゴードン)、及び特許文献9(ゴードン)を含む。開示されるマウスデバイスの大きさの減少は、制御可能性の増加と、より楽な手の位置を可能にするボタン構成と共に、従来のマウス設計に対する利点をやはり提供する。それでも、各設計は、マウス操作を実施する前に、デバイスを取得するためにキーボードから自分の手を外すことをユーザに依然として要求する。親指係合表面の配列は、マウスボタンの操作中にデバイス位置を安定化することを妨げる。さらに、デバイスのサイズがひどく小さいにもかかわらず、その構成は、デバイスの下で曲がった中指によってペンに似た握り方で保持されることを妨げる。
【0009】
さらに、デバイスのサイズが小さいため、ユーザの周辺視覚によってマウスロケーションを検出することは、実際には難しく、そのため、関連する非能率の可能性が増加する。ホストコンピュータとマウスとの間の従来のマウスケーブルの使用は、マウスロケーションに対するさらなる視覚キューを実際に提供するが、この電気ケーブルは、ワイヤレス実施形態と比較してデバイスの柔軟性を減少させる。ワイヤレス実施形態も開示されるが、これらのマウス実施形態は、位置特定するのが一層難しいことになり、他のユーザの作業表面アイテムの中で容易に置き間違えられる場合がある。さらに、デバイスが、キーボードの表面にわたって使用されてもよいことが考えられるが、マウスをユーザの手に保持する手段が存在せず、そのため、タイピング中にデバイスをキーボードから移動させる、すなわち、タイピングキーストロークとの干渉を覚悟でやってみることが依然として必要であることになる。
【0010】
さらに、マウスボタンの作動中に、ポインティングデバイスを安定にする手段が無い従来技術は、ボタン「クリック」アクション中に、デバイス位置を乱す可能性を増加させる。マウスボタンは、カーソル配置が重要である活動中(選択及び挿入中)に操作することが多いため、これは、さらなる欠点である。
【0011】
本発明の分野におけるさらなる従来技術は、特許文献10(ハムリング)を含み、上部搭載式で親指操作可能なトラックボール/ボタン及びさらなるハウジングの前表面の周りに垂直に配設されたさらなるマウスボタンを有する「手の大きさの」人間工学的マウスを開示する。そのため、ユーザの全体の手は、手の重量が、マウスハウジングの下部面から突出する支持パッド上にかかった状態で、マウスデバイスの周りに巻きつけられる。その結果、精密な移動量制御を達成するために、ペンに似た握り方でマウスを操作することも可能でなく、マウスボタンが、親指と指との間のピンチングアクションによって容易に操作されることもできない。さらに、マウスの移動は、ユーザの手全体の移動を必要とする。特許文献11(ライド他)は、多数の突出部、表面、及び種々の手の位置で操作可能なマウスボタンを有する「ブーメラン形」マウスデバイスを開示する。しかし、デバイスは、親指だけによって制御された移動を行うことができず、比較的大きなサイズと動作モードのために、制限された作業表面にわたる移動に適さない。
【0012】
特許文献12(ガレット)は、快適でかつ人間工学的に有利な手動操作位置をユーザに提供することを意図する角錐形マウスデバイスを開示する。しかし、デバイス構成は、ユーザの親指だけによるデバイスの制御された移動、又は、マウスボタンの操作中の親指によるデバイスの安定化を妨げる。ライティング用途のためのペンに似た握り方もまた、角錐形の外部に明らかに整合しない。
【0013】
本明細書で引用された任意の特許又は特許出願を含む全ての参考文献は、参照により組み込まれる。いずれの参考文献も従来技術を構成するということは承認されない。参考文献の説明は、その著者等が主張するものを述べ、出願人は、引用された特許文書の精度及び適切さを疑問視する権利を保持する。いくつかの従来技術の出版物が、本明細書において参照されるが、これらの特許文書のどの文書も、ニュージーランド又は他のいずれかの国において、当技術分野で共通の一般的な知識の一部を形成することを、この参照は承認しないことが明らかに理解されるであろう。
【0014】
「備える(comprise)」という用語は、いろいろな権限の下で、排他的意味か包括的意味のいずれかを持っていると考えられてもよいことが認められる。本明細書のために、また、別途述べられなければ、「備える」という用語は、包括的意味を有するものとする。すなわち、「備える」という用語は、直接に参照する、挙げたコンポーネントだけでなく、他の指定されないコンポーネント又は要素もまた包括することを意味すると考えられるであろう。この解釈は、方法又はプロセスの1つ又は複数のステップに関連して、「備えた(comprised) 」又は「備えている(comprising)」という用語が使用されるときも使用されるであろう。
【特許文献1】米国特許第5,576,733号
【特許文献2】米国特許第6,072,471号
【特許文献3】米国特許第6,300,941号
【特許文献4】米国特許第6,664,947号
【特許文献5】米国特許第6,362,822号
【特許文献6】米国特許出願公開第2002/0101401号
【特許文献7】米国特許出願公開第2001/0006381号
【特許文献8】米国特許第6795058号
【特許文献9】米国特許出願公開第2003/0160766号
【特許文献10】米国特許第5,648,798号
【特許文献11】米国特許第6,853,365号
【特許文献12】米国特許第5,880,715号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
先の問題に対処すること、又は、少なくとも、大衆に有益な選択を提供することが本発明の目的である。
本発明のさらなる態様及び利点は、例としてだけ示される次の説明から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一態様によれば、コンピュータポインティングデバイスが提供され、コンピュータポインティングデバイスは、
−作業表面にわたって摺動するようになっている下面を有する基部と、
−尾根状部であって、前記基部から実質的に上方に突出し、かつ、尾根状部の第1側面上に親指係合表面を有する、尾根状部と、
−前記第1側面に対向する尾根状部の第2側面上に少なくとも1つの人差し指先端及び/又は中指先端係合表面とを含む。
【0017】
好ましくは、前記下面は実質的に平坦である。しかし、1つ又は複数の凸状部分を有するように構成される表面を含む、代替の構成が採用されてもよい。そのため、下面は、単一湾曲表面として形成されてもよく、又は、その一番下の地点が、作業表面にわたって摺動するための接触平面を定義する、複数の丸い、又は、湾曲した部分を含んでもよい。さらなる実施形態では、デバイスは、前記接触平面内にひとまとめに存在する複数の接触点上で支持される前記作業表面上に載ることができるように構成され、前記接触点は、
−前記下面の1つ又は複数の部分、及び、デバイスから延びる少なくとも2つの前記突出部の遠位部分か、
−少なくとも3つの前記突出部のいずれかを含む。
【0018】
好ましくは、前記突出部は、ニブスタイラス、スパイク、隆起部、ナックル、脚部、又はデバイスを支持するようになっている任意の他の形状の構成を含む。
好ましい実施形態では、本発明は、
−少なくとも1つの接触センサと、
−作業表面に対するデバイスの移動を検出し、デバイス移動量情報を生成することが可能な移動量センサシステムと、
−デバイス移動量情報及び接触センサ信号をコンピュータ及び関連するディスプレイスクリーンに通信して、前記コンピュータ上で動作するソフトウェアのために、それぞれ、オンスクリーンポインタ移動及び入力信号を提供することが可能な通信手段とを含む。
【0019】
好ましくは、親指及び/又は指先端係合表面は、少なくとも少し凹んでいる。これは、デバイスを操作し、動作させるときにユーザの指の正確な位置決め及び保持を補助する。しかし、代替の実施形態では、係合表面のうちの少なくとも1つは、デバイスの隣接する部分に関して突出する、かつ/又は、隣接する部分と同一平面にあってもよい。
【0020】
好ましくは、前記親指係合表面の少なくともある部分は、上方に面し、接触センサの作動中に、ユーザがデバイスを安定させるために下方圧力を加えることを可能にする。接触センサを動作させるためにユーザによって加えられた指先端圧力は、デバイスの位置を容易に乱す場合がある。これは、ユーザが、小さなオブジェクトを選択すること、テキスト挿入地点を位置決めすることなどを試みる場合に特に問題になる。この可能性のある移動は、本発明の場合と同様に、接触センサの動作軸が、垂直ではなく、少なくとも部分的に横方向である場合に一層悪化する。そのため、ユーザが自分の親指によって小さい程度の下方圧力を加えることを可能にすることによって、デバイスは、こうした動作中、容易に安定化される場合がある。
【0021】
本明細書で使用されるように、「作業表面」は、広範囲に解釈され、制限的な意味で解釈されず、デスク又はテーブルトップ、キーボード又はスクリーンを含むコンピューティングデバイスの表面、あるいは任意の他の好都合な表面を含むがそれに限定されない。同様に、コンピュータ、ホストコンピュータ、又はコンピューティングデバイス及び関連ディスプレイなどの用語は、任意特定の実施態様に限定されず、また、任意のデスクトップPC、携帯コンピュータ、ラップトップ、ノートブック、サブノートブック、PDA、パームデバイス、移動体電話、ワイヤレスキーボード、タッチスクリーン、タブレットPC、又は、任意の他の通信及び/又はディスプレイデバイス及びそれらの任意の組合せ又は置換を含む。
【0022】
尾根状部という用語は、デバイスの主要本体全体がベース外周から上方に突出する従来のマウスポインティングデバイスと対照的に、独特の特徴部として基部から上方に突出する、デバイス移動をもたらすためにユーザの親指と人差し指及び/又は中指との間で把持されることが可能な任意の直立した構造又は特徴部を含む。
【0023】
親指及び指先端係合表面に関して言及される「係合」は、デバイスを移動させることが可能、かつ/又は、制御することが可能な、また、前記接触センサを動作させることが可能な接触を示すために本明細書で使用される。
【0024】
一態様によれば、デバイスは、過回内又は過伸展が無い状態で、実質的に中立でかつ未屈曲の位置でユーザの親指と1つ又は複数の指との間で、尾根状部が把持されるように構成され、また、そのような寸法に作られる。
【0025】
好ましくは、前記デバイスは、作業表面上に載る、楽にした手の対向する親指と指との間の開口内に実質的に嵌合するような寸法に作られる。
本発明のさらなる態様によれば、前記デバイスは、質量中心及び/又は体積中心が、前記親指係合表面と前記指先端係合表面との間に配置された状態で構成される。
【0026】
一実施形態では、前記親指係合表面及び/又は前記指先端係合表面は、基部の前記実質的に平坦な下面に実質的に平行な平面内に配置される。
本発明のさらなる態様によれば、前記親指係合表面及び/又は前記指先端係合表面は、使用時に、前記人差し指先端係合表面上に置かれた人差し指先端が、前記中指先端係合表面上に置かれた中指先端の上に少なくとも部分的にオーバラップするように配置される。そのため、デバイスは、ペンを把持する握り方に非常に類似した握り方(grip)でユーザによって保持されてもよく、快適でかつ楽なデバイスの操作をもたらす。
【0027】
こうして、本発明のさらなる態様によれば、前記親指係合表面及び前記人差し指先端係合表面は、デバイスが、ユーザの親指と人差し指(通常、本質的ではないが、中指と組み合わせた状態)との間でペンを持つ握り方で把持されるように、空間的に配列され、分離される。好ましくは、デバイスの移動は、ペンを持つ握り方を実施するユーザによって2次元又は3次元で制御されてもよい。
【0028】
本発明の範囲から逸脱することなく、接触センサの配置及び/又はデバイスの外部表面の形状及び構成において、多くの変形が可能であることが理解されるであろう。
一実施形態では、人差し指先端係合表面は、中指先端係合表面の上に位置決めされる。
【0029】
キーボードから手を外し、従来のコンピュータマウスを配置し、把持し、操作し、タイピングのためにキーボードに手を戻すために、ユーザが要求される時間及び労力は、最小であるように思われるが、それでも、これらのアクションは、ほとんどのコンピュータユーザのかなりの時間をとる。以下でより完全的に説明される、従来のマウスを動作させることの物理的な重要性とは別に、(ユーザの周辺視覚を用いてでも)マウスのロケーションを取得し、スクリーン上でマウスカーソル位置を特定するためにマウスを少し移動させ、マウス作動式タスクを実施し、次に、キーボード上の正確な位置にユーザの手を戻すことによって、ユーザの注意が、少なくとも部分的にそらされている間、従来のマウスを作動させるときに要求される本有的アクションは、タイピング及び思考プロセスの流れを妨げる。これらのアクションによって失われる時間は、キーボードショ−トカットによって軽減されるが、これは、非直感的であることが多いいくつかのキーの組合せを記憶することをユーザに要求する。
【0030】
タイピング中に、ユーザの手の一方に本発明のポインティングデバイスを保持することによって、デバイスの視覚的取得と物理的取得において時間を浪費することなく、デバイスは、動作のために即座に利用可能である。効果的にするために、こうした役割で利用される本発明の実施形態は、タイピング中に目立たず、また、ユーザに対して不快が無いか、又は、容易にはずれない状態で、タイピングする手の少なくともある部分に取り付けられる、かつ/又は、ある部分によって保持されなければならない。
【0031】
デバイスは、ユーザの手の任意の個々の指又は手のひら部分に取り付けられる、かつ/又は、保持されてもよいが、親指は、以下の理由で、特に、この役割に適する。
a)親指は、通常、ほとんどのキーボードユーザによって空白バーを押下するためだけに使用され、残りの「QWERTY」キーを押下するために使用されない。
b)タイピング中の従来の手の位置決めによって、親指が、キーボードの中心において互いに向かって突出し、通常、隣接する指の間、及び、対向する手の間の小さな空間によって囲まれることになる。
c)親指に関連する腱及び筋肉は、人の手の中で最も強く、そのため、反復アクション及び/又は付加的な身体的緊張に耐えるのに最も適する。
【0032】
こうして、本発明のさらなる実施形態によれば、デバイスは、前記親指係合表面に関連する親指保持部分を含む。
好ましい実施形態では、親指保持部分は、
−前記尾根状部に対して前記親指係合表面の対向する側面上に配置されるリップ、隆起部、突出部、又は持ち上がった縁部分、
−親指係合表面の上部縁及び/又は下部縁に沿って配置され、親指係合表面に当たって位置決めされた親指のある部分を少なくとも部分的にオーバハングする/オーバラップするように構成された細長い(好ましくは、少なくとも部分的に弾性のある)隆起部、
−任意選択で、親指中手骨領域を包むストラップなどと共に、遠位指骨親指部分を保持する凹所、
−任意選択で、親指指骨の1つ又は複数の部分の周りに着脱自在に固定されることが可能なクリップ、ストラップと共に、挿入される親指部分を収容することが可能な細長い開口、
−弾性の、エラストマーの、かつ/又は、摩擦の大きい表面、
−及び/又は、その任意の組合せのうちのいずれか1つを含んでもよい。
【0033】
(本明細書でより完全に述べられるように)親指保持部分は、デバイスの目立った部分を形成してもよいが、尾根状部に対する親指係合表面の対向面上で親指の移動に対する横方向抵抗を提供することが可能な任意の構成、要素、又は構造が採用されてもよく、それにより、デバイスが、親指の移動と共に作業表面にわたって摺動する。反対方向への親指による横方向移動は、尾根状部に作用し、同様に、デバイスが、作業表面にわたって摺動する。一実施形態では、作業表面にわたる前後のデバイス移動は、単に、親指係合表面上での親指の摩擦によって達成されてもよい。しかし、代替の実施形態では、親指係合部分は、親指係合表面の前方及び/又は後方部分のまわりに広がってもよい。こうした構成は、たとえば、実質的に卵形の凹所によって容易に設けられてもよい。
【0034】
こうして、一部の実施形態では、親指係合部分は、尾根状部に隣接する、又は、尾根状部の一部を形成し、上から親指にオーバラップする親指係合表面の「上部」部分から突出してもよく、親指係合表面の対向する尾根状部ではない面上に入口開口が残る。
【0035】
本発明が、必ずしも、上記親指保持手段に制限されないこと、及び、代替の実施形態が採用されてもよいことが理解されるであろう。許可されたユーザによってアクセスされなければ、デバイス及び/又はコンピュータの使用をディセーブルする、指又は親指保持部分に配置された指紋リーダのような、バイオメトリックセキュリティ対策などの付加的な機能が組み込まれてもよい。
【0036】
親指によってデバイスを保持することは、マウスポインタ機能の即座の利用可能性をユーザに提供する。マウスポインタのサイズが比較的小さいことは、平坦下面(及び、好ましくは、丸い下面周辺縁)と一緒になって、典型的なキーボードキーの表面上でマウスポインタを直接使用することを容易にする。この実施形態は、他の4本の指のキーストロークを妨げることなく、親指に接触した状態で保持されたマウスポインタによってオーソドックスなタイピングを、ユーザが実施することをやはり可能にする。
【0037】
一部の実施形態(たとえば、親指形状凹所に適用された摩擦の大きな表面)では、クリップ、ストラップなどのような親指保持部分の実施形態について、親指保持部分は、親指係合表面全体に隣接するか、又は、親指係合表面全体の一部の部分のみを形成してもよいことがさらに理解されるであろう。
【0038】
さらなる実施形態では、親指保持部分は、いろいろな親指サイズに適合するように調整されてもよく、これは、いろいろな構成によって達成されてもよい。一実施形態によれば、前記親指保持部分は、
−弾性要素及び/又は移動可能要素であるか、
−前記親指係合表面に対して下方端に枢動可能に取り付けられるか、
−柔軟性があり、ユーザによって形作られることが可能か、
−ユーザの親指の方へばね付勢されるか、又は、
−それらの任意の組合せである。
【0039】
調整可能な親指保持部分は、ユーザの親指に関してよりカスタマイズされたデバイスの、ゆるみのない嵌合も可能にする。これは、作業表面から持ち上げられるときに、デバイスが親指上で保持されることを可能にするのに十分な、ユーザの親指を取り巻く拡大した親指保持部分を利用することを含む、いくつかの方法によって達成されてもよい。
【0040】
親指は、通常、従来のタイピング中に空白バーを押下するために使用されるだけであり、その結果、拡大した空白バーキーを有する適合したキーボードが、本発明と共に使用されてもよい。この任意選択の特徴部は、本発明と共に使用することを意図される、目的に合った設計がなされたキーボードに組み込まれてもよく、あるいは、キーの置換、又は、既存のキーの上への拡大伸張片のスナップフィッティングによって、従来のキーボード設計に対して改造が施されてもよい。こうして、ユーザは、マウスポインタに取り付けられている間でさえも、拡大した<space>キーを押下してもよく、又は、反対の手の親指を使用するだけであってもよい。
【0041】
デバイスの物理的構成において多くの変形が可能であるが、いくつかの因子は、人間工学的要件及び性能を最適化するのを助ける場合がある。
好ましくは、実質的に平坦な基部下面の周辺縁は、斜角を付けられ、丸みを付けられる、又は、その他の方法で、凹凸のある表面にわたって滑らかな摺動を促進するように構成される。
【0042】
平面図で、親指係合表面及び人差し指先端係合表面の位置は、好ましくは、デバイスの前方先端の方に配置される。これは、ハンドライティングモードにおいて大きな可視性を提供し、また、タイピングなどを継続するためにデバイスから外されるときに、人差し指と中指により少ない制約を課す。
【0043】
親指係合表面と人差し指先端係合表面との間の尾根状部の横幅は、親指と人差し指又は中指との間のピンチングアクションによってだけデバイスの移動及び持ち上げを容易にするのに十分に狭くあるべきである。好ましくは、前記幅は、実質的に、ライティング用器具の幅以下、好ましくは、20mm未満である。これは、他の指の移動に対する妨害をもたらすことなく、快適な握り方を可能にする。
【0044】
基部の下面の上の尾根状部の高さとデバイスの幅との比は、特に、凹凸のある表面、たとえば、キーボードの上で動作するときに、デバイスの安定性に影響を与える場合がある。特に、こうした移動中におけるデバイスの安定性は、デバイスが把持される地点、又は、デバイスを移動するために、ユーザによって力が加えられる地点の尾根状部の高さによって影響を受ける場合がある。
【0045】
こうして、一実施形態では、親指係合表面及び/又は人差し指先端係合表面の前記下面からの垂直高さは、実質的に平坦な基部下面の前記周辺縁間の最大分離、すなわち、デバイス有効域の幅又は高さより小さい。
【0046】
マウスデバイスは、従来の電気ケーブルを介してコンピュータと通信してもよいが、ケーブルは、キーボードキーと比べて、ユーザに対する妨害又は不都合を呈する場合がある。その結果、本発明の一実施形態では、マウスデバイスは、コンピュータとマウスデバイスとの間で移動量信号及びコマンドを転送するために、ワイヤレス通信手段を採用する。
【0047】
マウスは、キーボードのキーの上で動作してもよいため、従来のローラボール移動量検知手段は有効でない場合があり、その結果、さらなる実施形態では、電気光学センサが、移動を検知するために、マウスデバイスの下面上に配置されてもよい。
【0048】
デバイスとホストコンピュータとの間のワイヤレス通信及び電気光学検知は、操作性及び全体の寸法の減少において利点を提供するが、従来の電気ケーブルは、通信を伝送するのに使用されてもよく、また、デバイス内のローラを作動するゴムコーティングされた重み付き機械式ボールは、所望される場合、移動量検知に使用されてもよい。
【0049】
さらなる実施形態では、2つ以上の電気光学センサが、いろいろな読取り深度を有するエリアにおける移動を識別するのに採用されてもよい。ワイヤレスデータ伝送技術と電気光学移動量センサ技術は共に、よく知られており、既存のコンピュータ「マウス」で採用される。
【0050】
コンピュータタブレットペン技術などの代替の位置検知技術もまた利用されてもよい。センサパッドは、ペン又はマウスデバイス内のコイルによって歪まされる磁界を生じる。ペンデバイスのロケーションは、測定される磁界の歪から計算される。
【0051】
超音波三角測量は、さらなる位置検知代替法を提供し、それにより、超音波受信機は、2つ以上の送信機からの信号の飛翔時間(TOF)を記録して、デバイス(複数可)の距離及び位置が測定される。知られている技術は、その送信機デバイスに割り当てられた固有の時間及びスペクトル特徴を有する、所与の送信機からの一意の超音波信号の送信を可能にする。超音波送信を検出する受信機は、受信機からの送信機の距離を決定するために、TOFを求める。TOF測定は、アナログドメインとデジタルドメインの両方で実施されてもよい。音響メディアのデジタル化は、複数のデバイスが、同時に動作することを可能にする。使用される送信機と受信機の数は、用途及び要求される位置情報の程度に依存する。距離は、単一の送信機と受信機から求めることができるが、2次元(2D)位置情報(たとえば、ポインティングデバイスについてのX、Y座標)は、よく知られている三角測量の計算によって、1つの送信機と2つの受信機又は2つの送信機と1つの受信機から求められてもよい。3次元(3D)位置情報は、さらなる送信機又は受信機の追加によって導出されてもよい。
【0052】
本発明のさらなる重要な特徴は、オンスクリーンカーソルを移動させるために、マウスの偶発の/故意でない移動とマウスデバイスの故意の移動とをユーザが識別することができることである。この能力は、
−ユーザの手/親指に取り付けられたマウスによるタイピングから生じる、気を散らし、いらいらさせる可能性のあるカーソル移動をなくすこと、
−支持表面からマウスデバイスを持ち上げる必要無しで、強化されたカーソル移動及びスクローリング機能を実施する能力を含む、いくつかの利点を提供する。
【0053】
好ましい実施形態では、マウスデバイスは、
−前記人差し指先端係合表面上に配置される人差し指先端接触センサ、
−前記中指先端係合表面上に配置される中指先端接触センサ、及び/又は、
−前記親指係合表面上に配置される親指接触センサのうちの少なくとも1つを含む。
【0054】
こうして、1つの好ましい実施形態では、前記デバイス移動に対応する前記オンスクリーンポインタ移動は、人差し指先端及び/又は中指先端を、それぞれ、前記人差し指先端及び中指先端係合表面接触センサと接触して置くことによって生成されるだけである。
【0055】
こうして、デバイスは、タイピングを含む手の移動中にユーザの親指と連続して接触した状態で保持されてもよいが、親指だけによるデバイスとの接触は、オンスクリーンポインタ移動を作動させない。
【0056】
本明細書で使用されるように、「接触センサ」という用語は、接触を検出することが可能なセンサ、ボタン、スイッチ、トグルスイッチ、圧力センサ、ロッカースイッチ、動作させるのに正圧又は押下を、又は、入力を登録するのに「クリック」を必要とするボタン、指による接触(すなわち、ファラデー又は容量性センサなどのタッチセンサ)及びアクティブな「クリック」又は押下を検出し、両者を識別することが可能なデュアルアクションセンサ、及び、ユーザの指からのアクションを検知し、アクション検出入力信号を生成することが可能な任意の他の手段、ならびに、それらの任意の組合せ又はそれらの置換を含むが、それに限定されない。
【0057】
本発明の一態様によれば、前記接触センサは、タッチセンサモードと「クリック」作動モードを含むデュアルアクションセンサである。クリック作動は、圧倒的多数の従来のマウスデバイスによって採用され、短い距離を通してばね付勢式ボタンを押下することをユーザに要求し、わずかな抗力に打ち勝ち、通常、小さな可聴クリック音を生成する。こうした形態の接触センサは、ユーザからのアクティブな「クリック作動」入力を指示するために、本発明で利用されてもよい。代替の実施形態では、前記「クリック作動」及びタッチ接触センサは、別個のセンサとして形成される。
【0058】
さらなる実施形態では、2つ以上の接触センサは、個々の指先端及び/又は親指係合表面上に配置されてもよい。一実施形態では、指先端又は親指タッチ接触及びクリック作動は、単一の指先端又は親指係合表面内に配置された別個のセンサによって検出される。なおさらなる実施形態では、前記人差し指又は中指係合表面は、2つの独立した接触センサ、ロッカースイッチ又は2重位置スイッチを含んでもよい。そのため、ユーザは、個々の指先端及び/又は圧力を適切に調整することによって、異なるコマンドを入力してもよい。
【0059】
こうして、デバイスは、いろいろな用途又は優先度について最適化された多数の接触センサ構成で製作されてもよい。たとえば、人差し指係合表面に配置されたロッカースイッチ又は密接した間隔の2つの個々の接触センサは、指の移動を最小にした状態で、単一の指によって典型的な2ボタンマウスデバイスコマンドの入力を可能にしてもよい。
【0060】
親指係合表面に配置される接触センサを含むことは、必須ではないが、ホストコンピューティングデバイスに対してさらなる特徴及び入力信号の組合せについての能力を実際に提供する。こうして、一実施形態では、親指接触センサは、ユーザの親指による、前記親指接触センサとの、それぞれ、接触/非接触に応じた前記デバイスのオン/オフ制御を可能にする。さらなる実施形態では、デバイスは、親指接触センサのクリック作動が、空白バーコマンドを入力するように構成される。
【0061】
従来のマウスデバイスは、通常、ユーザの指からの下方圧力によって動作する2クリック作動接触センサ又はボタンを利用する。ボタンのこの動作軸は、ボタンを同時に押下し、作業表面からデバイスを持ち上げることを難しくする。しかし、本発明の実施形態では、少なくとも1つの接触センサは、基部の平坦下面に実質的に直交しない動作軸を有する。そのため、こうした軸の周りで接触センサを作動させることは、ピンチングタイプアクションを容易にする。さらに、垂直下方の動作軸を回避することによって、ユーザは、接触センサを同時に動作させながら、デバイスを自由に持ち上げることができる。
【0062】
好ましくは、少なくとも前記人差し指接触センサを作動させることは、ユーザの親指と人差し指との間での尾根状部のピニングアクションによって行われる。好ましくは、前記親指及び人差し指は、前記人差し指接触センサを作動させるように位置決めされると、ペンに似たpincer gripを形成する。
【0063】
本発明のさらなる態様では、デバイスは、デバイスから突出するようになっている少なくとも1つのニブ部分を含む。一態様によれば、前記ニブ部分は、デバイスの一番先の地点に配置される。しかし、ニブ部分は、周囲縁又は後方頂点の前部に沿ってなど、デバイスの周りの代替位置に配置されてもよい。好ましくは、前記ニブ部分は、デバイスに取り付けられたスタイラスシャフトの遠位端に配置される。スタイラスシャフトは、好ましくは、デバイス外部の前面における小さな突出部から、デバイスに取り付けられた、専用の、完全に成形され、構成されたペン形状スタイラスまでの範囲内にある、いくつかの構成をとってもよい。
【0064】
尾根状部の上部への取り付け、尾根状部と一体に形成されること、尾根状部への摺動式取り付け、デバイスの一番先の地点における傾斜取り付けを含むスタイラスシャフト取り付け構成は、変わってもよい。
【0065】
なおさらなる実施形態では、スタイラスシャフトは、デバイス尾根状部を形成する。こうして、1つ又は複数の接触センサは、前記スタイラスの外側の周りに配置されてもよい。好ましくは、前記スタイラスシャフトは、前記一番先の端において下方に傾斜する。
【0066】
一実施形態では、前記デバイスは、作業表面から基部の前記下面を少なくとも部分的に取り外すことによって、ハンドライティング/フリーハンド入力モードで動作可能である。
【0067】
好ましくは、前記デバイスは、デバイスを前記ニブ部分の周りに傾斜させることによって、ハンドライティング/フリーハンド入力モードで動作可能である。
好ましい実施形態によれば、前記スタイラス部分の位置はユーザにより可変である。
【0068】
さらなる態様によれば、本発明は、所定の作業表面に対する所定の近接位置内でデバイスニブの移動を検出し、オンスクリーンポインタ移動を生成するときに使用することが可能なデバイス移動量情報を提供することが可能な近接検知システムをさらに含むか、又は、前記近接検知システムと相互作用するように構成される。
【0069】
好ましくは、前記近接検知手段は、デバイス、作業表面、別個のユニット、又はそれらの組合せの中に配置される。その結果、近接検知手段は、マウスデバイス内だけに配置されてもよく、又は、別法として、ホストコンピュータに隣接して、すなわち、ホストコンピュータのキーボード、ディスプレイ及び/又は隣接表面の下に配置されたデジタイザペンタイプタブレットの形態であってもよい。近接検知技術は、ペンタブレット、ディスプレイスクリーンなどで使用するために、特に、Wacom Technology Corporation
によってよく立証されており、種々の検知表面と共に使用することができるコード不要デバイス、電池無しデバイスを提供する。既存のデジタルペンシステムは、表面から20mmまでのペンを検出することが可能であり、接触作業表面に対してペンによって加えられた圧力を識別することが可能である。
【0070】
本発明のさらなる態様によれば、所定の作業表面と接触して、又は、前記所定の作業表面のすぐ隣りで描かれる経路は、前記経路の対応するオンスクリーン表現に変換される。異なる実施態様によれば、作業表面上のニブ経路は、
−任意選択で、ライティングを解釈するための光学認識システムを有する、スタイラスニブ上に配置されたインクタイプペン取り付け具によって、又は、
−ニブ移動のオンスクリーン記録を生成することが可能なディスプレイスクリーンの形態の作業表面(これは、ユーザが、自分のライティング用技量と直接に比較できるように、自分の手の移動の効果を直接観察することを可能にする)を介して、作業表面上に直接トラックを生成してもよい。
【0071】
前者の場合、デバイスは、書かれたイメージを、ホストコンピュータディスプレイ上で解釈し表示するための、光学文字認識(OCR)プログラムに入力することが可能な電気光学センサを含んでもよい。
【0072】
本発明のなおさらなる態様では、前記基部は、デバイスが前記ハンドライティング/フリーハンド入力モードで使用されるときに、中指のある部分を収容するように形作られた中指凹所又はスロットを含んでもよい。
【0073】
一実施形態では、前記中指凹所は、後方又は横周辺基部縁から内側に延びる前記デバイス基部内か、又は、前記デバイス基部を通して形成される。
さらなる実施形態では、中指の上部表面は、前記ハンドライティング/フリーハンド入力モードでの使用中に、尾根状部/基部内に形成された後方横中指凹所に当たって支持されてもよい。なおさらなる実施形態では、前記後方横中指凹所は、ハンドライティング/フリーハンド入力モード中に、中指が親指の下に少なくとも部分的に延びることを可能にするように構成される。
【0074】
本発明は、左きき、又は、右ききユーザについて最適化されたバージョンで、かつ/又は、両手ききの実施形態で製作されてもよい。好ましくは、前記両手ききの実施形態は、尾根状部の長手方向軸に直交する横断軸の周りで、尾根状部の中間地点に関して実質的に対称である。
【0075】
一実施形態では、人差し指先端及び中指先端接触センサに関連するそれぞれの制御信号は、ユーザの右手と左手において、デバイスの使用を可能にするために、反転可能である。
【0076】
本発明は、マウスデバイス自体にだけはなく、その全てが、特にマウスデバイスにインタフェースするようになっていてもよい、関連するキーボード、ディスプレイスクリーン、及びコンピューティングデバイスにも限定されないことが理解されるであろう。さらに、さらなる態様によれば、本発明は、マウスデバイスの特徴を実施することが可能なコンピュータソフトウェアに存在する。
【0077】
こうして、一態様によれば、本発明は、実質的に本明細書に述べられたように、マウスデバイスをインタフェースするようになっているキーボードを提供する。一実施形態では、前記キーボードは、隣接するキーボードキーにオーバラップすることなく、前記デバイスを押下するユーザの親指によって操作されるのに十分に拡大した空白バーキーを含む。代替の実施形態では、キーボードは、空白バーキーの無い状態で構成され、空白バーコマンドは、前記親指係合表面上に配置された親指接触センサの作動によってだけ生成される。
【0078】
さらなる態様によれば、前記キーボードは、好ましくは、キーボード中心線から非対称に位置決めされた、切頭の(好ましくは、半分の幅の)空白バーキーを含む。これは、ユーザが、他の手でデバイスを操作しながら、一方の空いている手で切頭の空白バーキーを操作することを可能にする。しかし、こうした設計は、左ききユーザと右ききユーザとの間であまり適合しない。
【0079】
その結果、さらなる実施形態では、前記キーボードは、キーボード中心線に関して等距離に位置決めされた2つの選択可能な部分を有する(好ましくは、最大限のサイズの)空白バーキーを含む。ユーザは、前記選択可能な部分の一方の部分が、他の部分が空白バーキーとして操作可能状態のままである間、停止されるように構成してもよい。
【0080】
知られているキーボードはまた、キー上にマークを付けられたデフォルトのQWERTYキーシンボルよりも、代替のキーストロークを表示するのに使用することができる、構成可能な部分を有するキーを提供する。こうした技術は、本発明に容易に組み込まれてもよい。特に、たとえば、人差し指先端又は中指先端を、それぞれの接触センサと接触した状態で置くことによって、ユーザが故意にマウスデバイスを保持するときを、ホストコンピュータが知るように構成することによって、ユーザが従来のテキストエントリをタイピングすることを中止したことが推測されてもよい。
【0081】
構成可能なキーは、照明可能な部分、個々のLCDディスプレイ、又は任意の他の適した電気光学技術などのいくつかの手段を利用してもよい。
こうして、キーボードの複数の部分の外観は、非テキストエントリにとって適切な、代替のキー又はアクションを表示するために変更されてもよい。たとえば、標準的なカーソルナビゲーションキーは、キーボードからなくされ、照明可能な矢印形状の部分を有する任意の好都合なQWERTYテキストキーで置換えられてもよい。ユーザが、タイピングすることを中止し、人差し指又は中指接触センサに接触すると、デバイスは、(ポインタナビゲーションモードへの)モードの変更をコンピュータに信号送信し、したがって、あるキー上に配置された被照明部分を作動させる。これらのキーは、ナビゲーションキー(ラインアップ、ダウン、ページアップなど)、ウェブサイトへのホットキー、メディアプレーヤ、ボリューム制御、ウェブブラウザなどの、テキストをタイピングしないときにユーザによってアクセスされる可能性がある任意所望の機能を表してもよい。キーボードの被照明キーを、マウスの無い手の側に設置することは、反対の手がマウスデバイスを使用している間に、動作時に所定の効率を可能にする。
【0082】
なおさらなる実施形態では、キーボードは、スクリーンディスプレイ、好ましくは、タッチスクリーン上に仮想的に生成されてもよい。こうしたスクリーンベースの仮想キーボードは、従来の物理的キーボード用の制限された空間を有する用途(PDA、タブレットPC、ウルトラポータブル、移動体電話など)で、かつ/又は、使用中に、ユーザが、一方の手でコンピュータ/スクリーンを保持する必要がある環境で使用するのに特に適する。
【0083】
仮想キーボードは、ソフトウェアによって生成され、個々のキーを選択するために、マウスデバイス又はポインティングデバイスによって作動してもよい。タッチスクリーン上に表示される仮想キーボードはまた、従来の指タップによって直接アクセスされてもよい。こうして、従来のペンデバイスと違って、ユーザは、タイピング中にデバイスを下に置く必要無しで、タイピングし、マウスデバイスを作動させてもよい。一実施形態では、キーボードは、デバイスのロケーションから所定距離のところに表示され、したがって、キーボードが、ユーザの親指から一定距離内に留まることを可能にし、効率的なタイピングを容易にする。あるいは、キーボードは、スクリーン上のあるロケーションに固定されたままであってよい。さらなる実施形態では、キーボードのサイズは、可変であり、2本の空いた手を持つユーザが、拡大したキーボード上で両手でタイピングすることを可能にするように、大きく(好ましくは、2倍に)されてもよい。
【0084】
一態様によれば、キーボードは、半透明であり、また、人差し指が人差し指接触センサを作動するまで、スクリーン上に残る。
オブジェクトとの直接の物理的接触(通常、スタイラスが使用されるが)を受動的に検出することによって、又は、Wacom Technology Corporationからのデバイスにおいて採用されるような専用の能動近接検知システムによって
、オンスクリーン相互作用を生成するように構成された、異なるタッチスクリーンタイプが利用可能であることが理解されるであろう。前者の場合、受動タッチスクリーンは、デバイスが、スクリーン自体の上で動作するポインタナビゲーションモードなどの、一定の動作モードにおいて、スクリーン接触からの入力をディセーブルするように構成されてもよい。同様に、ユーザがタッチスクリーン上で直接タイピングしている間、キーボードエリアの外側のスクリーン部分は、ユーザの手がスクリーンなどの上に載ることによる入力を防止するためにディセーブルされてもよい。一態様によれば、本発明は、実質的に先に述べたように、ポインティングデバイスからの入力を有する、コンピュータ用のディスプレイスクリーン制御方法を提供し、前記入力は、オンスクリーンポインタ移動を生成するための、接触センサ信号及び/又はデバイス移動量情報を含む。
【0085】
好ましくは、前記接触センサは、
−タッチ接触、
−タッチ及び保持(本明細書では、「タッチホールド」又は「タッチされた」入力として示される)、−タッチ及びユーザ接触からの開放(本明細書では、「ソフトクリック」入力として示される)、
−タッチ及びクリック作動及びクリック作動位置からの開放(本明細書では、「クリック」又は「ハードクリック」入力として示される)、及び/又は、
−タッチ及びクリック作動及びクリック作動位置における保持(本明細書では、「クリック選択」又は「ハードクリック選択」入力として示される)のうちのいずれか1つによって生成される入力を信号送信する。
【0086】
一実施形態によれば、前記デバイス移動は、人差し指及び/又は中指接触センサに対してタッチホールド入力をユーザが実施するときに、オンスクリーンポインタ移動を生成するだけである。好ましくは、1つ又は複数の接触センサからのソフトクリック入力は、所定のQWERTYキーボードキー入力を生成する。
【0087】
前記所定のQWERTYキーボードキー入力は、好ましくは、<TAB>、<BACKSPACE>及び/又は<ENTER>キーボード入力などの、非常に重要な、かつ/又は、高い頻度でアクセスされるコマンドキーのために、ユーザ定義可能であってよい。
【0088】
本発明のキーボードは、必ずしもQWERTYキーレイアウトによってだけ使用される必要がないこと、及び、所望される場合、任意のキーボードキャラクタ及び/又はレイアウトが利用されてもよいことが当業者によって容易に理解されるであろう。さらに、キーボードレイアウトは、動的に変化するように構成されてもよいため、異なる用途及び/又はユーザの現在の活動に関する許容可能な入力状況について、同時的にカスタマイズされてもよい。たとえば、グラフィックス/ペインティングプログラムにおいて、キーボードが、異なるブラシ又はカラー選択を許可するコマンド(又はアイコン)を示している間、又は、カーソルが、数値を受け入れるだけのフィールドにある場合、数字キーパッドのみが示されるであろう。
【0089】
好ましくは、1つ又は複数の接触センサからのソフトクリック入力は、1つ又は複数のオンスクリーンツールバーを生成する、かつ/又は、1つ又は複数のキーボードキーを新しい機能に再マッピングする。新しい機能は、限定はしないが、ナビゲーションキー、ウェブサイトリンク、探索エンジンリンク、メディアプレーヤ、ボリューム制御、ウェブブラウザ、及び/又はスクリーンズーム制御を含む、任意の知られているコンピュータ入力コマンドを含む。前記方法のさらなる実施形態では、
前記再マッピングは、照明可能な部分を照明するか、又は、1つ又は複数の前再マッピングされたキーの構成可能なディスプレイ部分を再構成する。
【0090】
一実施形態では、前記方法は、
−1つ又は複数の接触センサからのハードクリック入力が、オンスクリーンポインタ選択モードを生成するように、
−親指接触センサのユーザによる作動が、仮想オンスクリーンキーボードを生成するように、
−前記親指接触センサの作動は、タッチホールド入力か、ハードクリック選択入力のいずれかであるように、
−前記キーボードが、ディスプレイスクリーン表面の上のデバイスの位置から所定距離のところに表示されるように、
−キーボードが、半透明であり、また、人差し指又は中指接触センサが作動するまで、スクリーン上に残るように実施されてもよい。
【0091】
好ましくは、前記方法は、前記デバイスが、
−前記下面が作業表面に非平行であるように前記デバイスを傾斜させること、−デバイスから突出する少なくともニブ部分の周りに前記デバイスを傾斜させること、
−デバイスから突出するニブ部分内で接触センサ又は近接センサを作動させること、
−前記デバイス又は前記コンピュータ上で専用スイッチを作動させることのうちの少なくとも1つを含む、ユーザからの所定の入力の作動によって、デジタルインクモードで動作するようにさらに実施されてもよい。
【0092】
デジタルインクモードの作動後、オンスクリーントラックは、作業表面との接触によって、ニブ上に圧力を加えることによって生成される。ニブを持ち上げると、オンスクリーントラックが休止し、それにより、デジタルハンドライティングが実施されることが可能になり、従来のライティングを繰り返す。
【0093】
本発明のさらなる態様は、オンスクリーンポインタ移動を生成するための、接触センサ信号、及び/又は、デバイス移動量情報を含む、マウスデバイスからの入力を有する、コンピューヤ用のディスプレイスクリーン制御方法を含み、前記デバイス移動量情報は、作業表面に対する直線と回転の両方のデバイス移動から生成され、対応する直線及び回転オンスクリーンポインタ移動を生じる。
【0094】
好ましくは、前記ポインタは、知られている従来のオンスクリーンコンピュータポインタの選択及び入力アクションを実施することが可能である。
好ましくは、前記ポインタは、主要な長手方向軸に関して細長く、1つ又は複数の所定の接触センサ入力と組合わされて、前記回転オンスクリーン移動は、前記主要なポインタ軸と同軸に、かつ/又は、前記細長いポインタの回転によって変換された弧で配置されたオンスクリーンオブジェクト及びテキストを選択することが可能である。他のポインタ形状が利用されてもよいが、細長い「矢印」又はスティック構成は、オンスクリーン上で所定部分又はオブジェクトを選択するときのユーザの効率を改善するための、優れた視覚キューを提供することが理解されるであろう。
【0095】
好ましくは、前記細長いポインタは、作業表面として前記スクリーンディスプレイ上で使用されるとき、前記デバイスから実質的に直角に延びる。こうした構成は、作業表面がタッチスクリーンディスプレイである実施形態に理想的に適合する。
【0096】
先に説明したように、タッチスクリーン上でデバイスを直接動作させることは、デバイスがデジタルインクモードにあるとき以外は、スクリーン接触からの入力を無視するように構成された受動タッチスクリーンを必要とするか、又は、物理的接触には反応しないが、専用センサの近接性にだけ反応する能動近接検知(Wacom )タイプスクリーンを利用することを必要とする。
【0097】
あるいは、マウスデバイスは、マウスパッドなどのような従来の作業表面上に配置されてもよい。こうした実施形態では、オンスクリーンポインタは、従来の方法で生成される。好ましくは、前記ポインタは、細長く、2つの端は、遠位端に矢印ヘッド、他端に実質的に円のシンボルを有する。
【0098】
回転仮想ポインタの作動は、専用デバイス接触センサの作動又は既存の接触センサからの入力の組合せを含む多数の方法によって達成されてもよい。あるいは、回転ポインタは、永久又はデフォルトポインタとして使用され、したがって、特定の作動手段を必要としなくてもよい。
【0099】
さらなる態様によれば、本発明は、オンスクリーンポインタ移動を生成するための、接触センサ信号、及び/又は、デバイス移動量情報であって、作業表面に対するデバイス移動から検知される、デバイス移動量情報を含む、ポインティングデバイスからの入力を有する、コンピュータ用のディスプレイスクリーン制御方法を提供し、前記方法は、文書スクローリング及び/又はズーミングモードを提供し、前記文書スクローリング及び/又はズーミングモードは、
−前記スクローリング又はズーミングモードを、
−接触センサ、
−デバイス移動、及び/又は、
−コンピュータからの少なくとも1つの所定のユーザ入力によって作動させること、
−前記デバイス及び/又はコンピュータからの少なくとも1つのユーザ入力からロックされたスクローリング又はズーミング方向を定義すること、
−前記ロックされた方向にスクローリング又はズーミングを実施することであって、前記スクローリング又はズーミングは、方向にかかわりなく、作業表面に対して前記デバイスが移動する距離に比例する、実施することを含む。
【0100】
好ましくは、前記方法は、スクローリング又はズーミングモードのユーザによる作動が、
−前記デバイス上に配置されたニブ部分を、作業表面に接触して、又は、前記作業表面のすぐ隣りに設置すること、
−コンピュータに対して少なくとも1つのキーボード入力を作動すること、
−前記デバイス上に配置されたニブ部分を介して作業表面に圧力を加えること、
−デバイス上の専用接触センサを作動させること、
−前記デバイスの下面が、作業表面に非平行であるように前記デバイスを傾斜させること、
−デバイスから突出する少なくとも1つのニブ部分の周りで前記デバイスを傾斜させること、
−所定のデバイス移動を実施すること、
−ホストコンピュータ上で音声及び/又は視覚認識ソフトウェア及びハードウェアを使用した、特定の音又はアクションによる音声作動又は視覚作動のうちの少なくとも1つによるように構成可能である。
【0101】
こうして、特定のデバイス移動、たとえば、「2つの時計方向円回転」を実施することさえも含む、スクロール/ズームモードを誘発するのに、いろいろなトリガーアクションが使用されてもよいことがわかる。一実施形態では、前記モードを作動させ、ロックされるスクローリング又はズーミング方向を定義する方法ステップは、同じユーザアクション又は入力によって実施される。
【0102】
好ましくは、前記デバイスは、実質的に先に述べたデバイスである。しかし、知られているマウス又はペンポインティングデバイスを含む、代替のポインティングデバイスが使用されてもよいことが理解されるであろう。従来の2ボタンマウス(ニブ部分を有するか、又は、有さない)又はデジタルペンポインティングデバイスが使用されてもよいが、こうしたデバイスは、本発明のデバイスと比較して、かなりの制限を示すことがわかった。
【0103】
一実施形態によれば、ユーザにより指定された方向におけるロックされたスクローリングは、好ましくは、少なくとも所定の距離にわたって、前記ユーザにより指定された方向に実施されたデバイス移動によって定義される。
【0104】
スクローリングは、特定の接触センサ入力などの、種々の方法によって定義されてもよいが、デバイスを(最初に)所望のスクローリング方向に移動させることは、特定の接触センサ入力に比べて、ユーザが思い出すのが容易であり、また、より直感的である。
【0105】
そのため、ユーザが、たとえば、下方向にスクローリングをロックしたいと思う場合、ユーザは、スクロールモードを作動した後、自分のデバイスを下方に移動させるだけである。デバイスが、前記ユーザにより指定された方向に所定距離(好ましくは、コンピュータが指定された方向を特定するのに十分に比較的短くされる)移動した後、デバイスのいずれの移動も、下方スクローリングに変換される。こうして、ユーザは、文書を下方にスクロールするための自分の好みに応じて最も人間工学的でかつ快適な移動を実施してもよい。回転移動を実施することは、通常、ロックされたスクローリング中に、最大の程度の快適さと制御をユーザに提供し、本発明によって容易に達成される。
【0106】
好ましい実施形態では、前記ロックされたスクローリングモードは、少なくとも1つのデバイス接触センサの連続した作動によって維持される。そのため、接触センサ(圧力センサなど)を組み込むニブ部分を装備するデバイスの場合、スクロールモードは、作業表面に接触する(又はその他の方法で、ニブポイントセンサを作動させる)ことによって作動され、それにより、たとえば、ニブポイント接触センサのクリック作動などの、さらなる接触センサ入力(又は、入力の組合せ)によってロックされたスクローリング方向を定義するプロセスを始動してもよい。その後、コンピュータは、ニブポインタが作業表面から持ち上げられるまで、ロックされたスクローリングに留まるであろう。スクローリングモード及びスクローリング方向の定義をトリガーするように構成されてもよい、多数の入力変形が存在し、また、本発明が、いずれの特定の構成にも限定されないことが理解されるであろう。
【0107】
さらなる実施形態では、ロックされたスクローリング又はズーミングの方向は、
−接触センサ、
−デバイス移動、
−コンピュータ、
−又はその組合せからの少なくとも1つの所定のユーザ入力によって反転されてもよい。
【0108】
一態様によれば、前記ロックされたスクローリング方向は、前記デバイス移動を互いに直交する軸(本明細書では、X軸及びY軸と呼ぶ)に分解し、X軸とY軸の両方における移動の同時反転を検出することによって、前記ロックされたスクローリング/ズーミングの方向を反転することによって反転される。
【0109】
あるいは、前記ロックされたスクローリング方向は、デバイス移動の停止とそれに続く、前記停止前のデバイス移動に対する反対経路に沿ったデバイス移動を検出することによって反転される。
【0110】
こうして、ユーザは、たとえば、時計方向か、反時計方向のいずれかに、回転デバイス移動を最初に実施して、ロックされた方向を反転させることなく、文書を永久的にスクロールしてもよい。しかし、回転方向を瞬間的に反転することによって、x軸とy軸の両方の移動が反転されることになり、したがって、ロックされたスクローリング方向の反転がトリガーされる。やはり、他の方向の反転トリガーが構成されてもよいが、上記構成は、人間工学的に人に適しており、また、多くのユーザが熟知している「仮想」ジョグダイアル又はロータリコントロールを動作させることを本質的に真似る。
【0111】
ズーミングが、ロックされたズーミング方向を定義するときに使用することができる、スクリーン平面における物理的方向を持たない場合、ロックされたズーミング方向を定義することは、スクローリングの場合に比べて直感的でないと考えられてもよい。それでも、上述した技法は、依然として利用されてもよく、ズーミングイン及びズーミングアウトに相当するより独自のデバイス移動を定義する必要性がある点が異なるだけである。こうして、1つの例示的な実施形態では、ロックされたズーミング方向は、下方又は左(及び/又は、これらの方向の間の任意の方向)へのデバイス移動がズーミングアウトを定義し、上方又は右(及び/又は、これらの方向の間の任意の方向)へのデバイス移動がズーミングインを定義するように、前記デバイスからの少なくとも1つのユーザ入力から定義される。
【0112】
なお別の態様によれば、ロックされたスクローリング又はズーミングの方向を前記定義することは、所定の方向において許容可能な最大限の範囲まで文書をスクロールするか、又は、ズームするための、前記所定の方向における高速デバイス移動を含む前記デバイス及び/又はコンピュータからの少なくとも1つのさらなるユーザ入力をさらに含む。
【0113】
こうして、本発明は、個々に、また、組合せて、従来技術に比べて著しい利点を提供する、仮想ロータリポインタ及び永久的なスクローリング/ズーミングモードと共に、デバイス接触センサ、キーボードの上で動作する手段、及び他の非標準的作業表面を動作させるときに有利なハンドリング品質及び人間工学的要件を組み込む新規なポインティングデバイスを含むいくつかの形態で具体化される。
【0114】
本発明のさらなる態様は、例としてだけ与えられる以下の説明から、また、添付図面を参照して明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0115】
図1〜23は、基部2が下面を有し(図6と図20に示す実施形態の例外がある)、尾根状部3が基部2から実質的に上方に突出した状態で構成されたコンピュータマウス入力デバイスの本発明の好ましい実施形態を示す。図1〜5に示す実施形態は、右ききユーザによる使用に最適化されたデバイス1を示し、尾根状部3の第1側面上の細長い親指係合表面4、ならびに、親指係合表面4に対して尾根状部3の対向する側面上に配置された人差し指先端係合表面5及び中指先端係合表面6を含む。左ききユーザ及び両手きき実施形態について構成された代替の実施形態もまた、以下でより完全に述べられるように可能である。接触センサ7,8は、それぞれ、人差し指先端係合表面5と中指先端係合表面6に配置される。示す実施形態では、センサ7,8は、従来のマウスボタンにより、指による接触及び「能動的な」クリック又は押下を検出し、両者を識別することが可能なデュアルアクションセンサである。しかし、代替のセンサ/ボタンのタイプ及び構成が可能であり、本発明は、図面に示す実施形態に制限されない。本発明と従来マウスとの比較を補助するために、2つの接触センサ7,8は、左ボタン及び右ボタン(それぞれ、7,8)とも呼ばれる。尾根状部3の対向する側面上に、単一の別個の人差し指先端係合表面5及び中指先端係合表面6が存在することは、例示に過ぎないことも理解されるであろう。例として、デバイスは、人差し指先端か中指先端のいずれかによって接触可能な単一指先端係合表面を持った常態で構成されてもよく、又は、別法として、デバイスは、ユーザが、どの指先端を使用するかを選択し、また、その位置を選択することを可能にする、複数の指先端係合表面を含んでもよい。
【0116】
本発明の大多数の実施形態は、簡単なライン描写に容易には適さない、多数の高度な輪郭を持つ、かつ/又は、複雑な形状を含むことが留意されるであろう。そのため、本発明に伴う図は、デバイス1の構成と関連する輪郭と表面を示すためのハッチング効果を含む。ハッチングは、本発明のどの部分も形成せず、例証だけのためにある。
【0117】
図1〜20に示す実施形態は、支持表面(明示的には示さず)にわたるデバイス1の相対移動を検知することが可能な、基部2の下面9上の光学センサ(図示せず)をさらに含む。こうした光学センサは、コンピュータマウスと共に使用するために知られており、通常、マウス移動の光学検出のために支持表面を十分に照明するLEDと共に使用される。光学センサによる支持表面にわたる相対移動の検出及び/又は接触センサ7,8の作動は、任意の従来の電気伝送手段によって、ホストコンピュータ(パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、ノートブックコンピュータなど(図示せず))に送信されてもよい。
【0118】
凹凸のある、又は、不規則な表面の上(たとえば、従来のキーボードのキーの上)で使用される本発明の実施形態は、異なる焦点距離を有する2つ以上の光学センサを採用してもよく、又は、十分に深い被写界深度を有する単一センサは、さらなるセンサについての必要性をなくす場合がある。これにより、光学トラッキング機構は、確実に動作したままになることになり、センサ−支持表面の分離の変動があっても、連続した移動量データを受け取る。デバイス1は、支持表面から持ち上げられると、オンスクリーンポインタ移動をディセーブルするように構成されてもよい。
【0119】
好ましい実施形態では、デバイス1は、ワイヤレス無線又は音響伝送データリンクを含み、従来のマウスケーブルによる、物理的干渉又は移動の制約が無い状態で、PCが、ある範囲の支持表面にわたるデバイス1の使用を可能にする。
【0120】
親指係合表面4の構成は、デバイスの機能において重要な役割を果たす。親指係合表面4の適切に触知可能な、かつ/又は、適切に形作られた表面部分から形成される親指保持部分は、タイピング及び/又はデバイス1の位置決め移動中に、ユーザの親指が、デバイス1に接触して維持されることを可能にする。これは、手をキーボードから外し、マウス駆動式動作を実施する前に、マウスを視覚的に特定し、マウスを物理的に取得する必要無しで、デバイス1を、ユーザに即座に使える状態にする。図1〜23に示す実施形態の親指保持部分は、視覚的外観が著しく異なるが、それぞれは、位置決め移動及び/又はタイピング中に、デバイス1に対して親指を保持する共通の能力を依然として提供する。図1a〜1e,6a〜6e,8a〜15bに示す実施形態は、親指係合表面4のわずかの「カッピング」形状として少なくとも部分的に構成され、それにより、親指係合表面4の縁を形成する基部2の長手方向外周10は、ユーザの右手親指12の左側に係合する持ち上がったリップ11を装備する。図1f〜1jに示す実施形態は、大きな上方突出部を有する著しく拡大したリップ部分11を持つように構成され、それにより、(図2及び図3に示すように)ユーザの親指12により大きな保持力を提供する。そのため、尾根状部3及び全体が対向するリップ11は、タイピング中に右手13によって通常実施される比較的小さい移動中に、親指12がデバイス1に接触して保持されるようにする。当然、親指係合表面の上部縁(好ましくは、尾根状部3の最も上の周辺)に沿って配置された細長い(好ましくは、少なくとも部分的に弾性のある、又は、柔軟性がある)隆起部又はリップを含む、親指保持部分の他の構成が可能である。
【0121】
代替の親指保持部分構成は、
−任意選択で、親指中手骨領域を包む着脱自在のストラップ又は締め具と共に、遠位指骨親指部分を保持する凹所、
−挿入される親指部分を収容することが可能な細長い開口、
−親指指骨の1つ又は複数の部分の周りに着脱自在に固定されることが可能なクリップ、ストラップ、締め具など、
−弾性の、柔軟な、エラストマーの、かつ/又は、摩擦の大きい表面を含む。
【0122】
図21,22は、さらなる親指保持部分が、いろいろなサイズの親指12についてカスタム化可能な嵌合及び個人の好みを提供する、デバイス1のさらなる実施形態を示す。図21a)は、尾根状部3に対して親指係合表面4の対向面上に配置される半伸縮性の湾曲カフ35から形成される親指保持部分を有するデバイス1を示す。カフ35は、ユーザの親指12の方へ、又は、親指から離れるように移動して(図21a,22a,22b)に示す)、個々のユーザに対するカスタマイズされた嵌合を達成してもよい。一部の実施形態では、カフ35は、親指係合表面4に対する取り付け地点85の周りにヒンジで取り付けられ、(任意選択で)尾根状部3の方にばね付勢されてもよい。あるいは、カフ35は、固定され、柔軟な材料から構築されてもよい。図21bは、ユーザの指12が、カフ35によって部分的に包まれ、残りのユーザの指14,15,16,17がタイピングなど用に空いているデバイス1を示す。
【0123】
図22a,22bは、調整可能なカフ35が、さらに拡大して、(図22cに示すように)ユーザの指12をより完全に包む変形を示す。上部親指表面にわたって少なくとも部分的に延在する拡大カフ35の包囲する性質は、手が作業表面から外されたときでさえ、ユーザの指12上に保持されることを可能にする。そのため、ユーザは、非キーボード活動間に、デバイス1を視覚的に再取得し、自分の親指12を親指係合表面4内に再位置決めする必要がない。図22bはまた、従来の左/右マウスボタン7,8の機能が、カフ35に対して尾根状部3の対向面に配置された単一ロッカースイッチ36によって置換えられる実施形態を示す。
【0124】
図22dは、親指保持部分が、尾根状部3の上部縁と親指係合表面4の外側縁の両方でデバイス1に取り付けられた弾性のある、又は、伸縮性のあるカフ/ストラップ35から形成される、さらなる実施形態を示す。図22eは、カフ35内に挿入されたユーザの親指12を示し、それにより、手の移動中にデバイスがユーザに対してしっかり保持される。
【0125】
図23は、持ち上がった拡大リップ11の形態の固定親指保持部分を有するデバイス1のさらなる実施形態上に搭載されたロッカースイッチ36を示す。図23bは、ユーザが、ロッカースイッチ36のより高い部分にアクセスしているところを示し、ロッカースイッチ36の上側部分が右マウスボタン8の役割を果たしながら、ロッカースイッチ36のより高い部分は、左マウスボタン7に対して相補的に機能するように構成されてもよい。そのため、左と右の両方のボタン入力7,8は、単一の指先端、好ましくは、人差し指14によって動作してもよいことが理解されるであろう。
【0126】
なおさらなる代替の構成は、タイピング中にデバイス1を親指に対して保持することが可能であり、したがって、本発明の範囲内に入る。使用される構成に応じて、保持力及び係合の容易さ/接近容易性の程度は、ユーザの親指12の上で本質的に磨耗するデバイス1から、親指12を親指保持部分から容易に係合させ、係脱させることを可能にする構成まで変わってもよい。
−コンパクトな寸法、
−他の指14,15,16,17と干渉することなく、ユーザの親指12に接触して保持されることができること、
−摺動の助けとなる下面9の組合せは、デバイス1が、専用のマウス「パッド」、テーブルトップ、又は他の支持表面の代わりに、キーボード18の上部表面上で動作することを可能にする。デバイス1は、さらに、スーパーキーボード動作、すなわち、
−下面9の平面有効域が、不注意なキー押下を回避するために、2つ以上(好ましくは4つ)のキーをオーバラップする大きさに作られ、そのように構成されること、
−さらなる指(通常、人差し指14)が、センサ7,8の一方を作動させなければ、オンスクリーンポインタ移動についてデバイス1の移動を無視することについて最適化されてもよい。
【0127】
こうして、親指12だけが、(図2,4に示すように)デバイス1に接触している場合、デバイスの移動は、オンスクリーンコンピュータポインタの移動に変換されず、デバイス1は、本質的に、非アクティブモードにある。しかし、デバイス1が、ペンを保持するという直感的な方法で、(図3,5に示すように)人差し指14と親指12との間で保持されるとき、デバイスは、「作動」モードに切換えられ、デバイス1の物理的移動が、オンスクリーンポインタの移動に反映される。
【0128】
デバイス1は、従来のQWERTYキーボード18と共に使用されてもよく、空白バーは、空白バー上に載るデバイス1を介して、左手親指か、右手親指12のいずれかによって押下される。どの隣接するキーをも不注意に押下することを回避するために、(図4,5a,12aに示すように)拡大した空白バー20が使用されてもよい。これは、従来の空白バーに対する改造又は置換として、目的に合った設計がなされたキーボードの一部であってよい。
【0129】
あるいは、デバイス1を動作させるユーザの手に対して、対向する面のキーボードの一方の側の方に位置決めされた空白バー20が、(図5bに示すように)切頭されてもよい。そのため、ユーザの空いている手は、従来のタイピング方法で空いている親指で空白バーを操作してもよく、一方、より多くの非キーボード作業表面エリアは、デバイス1を操作するために空いている。
【0130】
デバイス1が作動した、という視覚的確認をユーザに提供するために、オンスクリーンポインタは、シンボリックグラフィックによって置換えられてもよい。これは、ポインタが、中央で「把持された」又は「握り締められた」ことを指示し、デバイス1を作動するのに伴う物理的アクションを模擬する、アニメーションなどの任意の好都合な形態をとってもよい。
【0131】
デバイス1は、ユーザのアクション、及び/又は、インタフェースされる動作プログラムの特徴に応じて、いくつかの「モード」で動作するように構成されてもよい。モードは、
−非アクティブモード(指の接触が無いか、又は、親指だけの接触で、長引くか、又は、故意の他の指の接触が無い)、
−ポインタナビゲーションモード(親指と人差し指が接触)、
−文書ナビゲーションモード(親指、人差し指、及び中指が接触)、
−ズームモード(親指と中指が接触)、
−デジタルインクモード(ライティング/ドローイングセンサを作動させるために、デバイスが傾斜するか、又は、スタイラスニブが延びる)を含む。
【0132】
上記例示的モードは、それぞれ、本明細書でより詳細に述べられるが、多くの代替の構成が可能であり、本発明は、述べる例に限定されないことが理解されるであろう。
さらに、上記モードの中で、「デジタルインク」ハンドライティング/ドローイングモードだけは、デバイス1の所望の物理的特徴に著しい影響を及ぼし、したがって、最初に説明される。
【0133】
ペンタブレットなどのデバイスは、特に、コンピュータハンドライティング及びフリーハンドドローイング用途について、高いレベルの操作性及び精度を提供する。しかし、精度の利点は、ペンを探索し、拾い上げ、使用後にしっかりと置くのに伴う非効率によって半減される。これは、多数のタイピング/ポインティングモードのやりとりを含む用途について、最上のインタフェースとしてのその使用を阻む。これは、グラフィック設計者などにとってはあまり重要ではないが、デバイスは、それでも高価である。必要とされるトラッキング技術は、本来、従来のマウスで使用される光学/ローラ機構より費用がかかる。対照的に、デバイス1は、ペンデバイスに実質的に匹敵する精度を提供するが、「手からデバイス(hand-to-device)への」ダウンタイムを全く受けないし、視覚的にデバイスを取得する必要もない。その結果、デバイス1は、マウス又はデジタル化ペンに比べて高い効率を提供する。
【0134】
反復運動過多損傷(RSI)、反復動作損傷(RMI)、及び職業性過使用症候群(OOS)が益々知られることによって、人間工学的に有効なマウス形状及び使用方法の作成に大いに力が入れられてきた。従来のマウス設計は、単一の指の反復使用を強制することによって、手に緊張を与え、把持するのが厄介である。ユーザは、通常、手の過回内及び過伸展ならびに尺側偏位及び撓側偏位を持った状態で、非常に強くマウスを把持する傾向がある。従来技術のマウスは、回内の問題に対処するために考案されたが、これらの設計は、デジタル化ペンタブレットデバイスと共に、以下の重要な利点を依然として提供しない。
−デバイス1は、キーボードの左手側又は右手側で使用される従来技術のデバイスと対照的に、ユーザの前のより自然でかつ快適な位置で動作する。
−手からデバイスへの移動がなくされる。従来技術のマウス及びペンタブレットシステムは、本発明の親指及び人差し指の移動と比較して、キーボードへ/からの移動中に、手、腕、及び肩の筋肉の使用を必要とする。
−ボタンクリック/接触センサ動作は、クリックを実施するために、親指12及び人差し指14又は中指15の対向する2つだけの筋肉を必要とする。これは、きわめて速く、従来のマウスボタンを「クリックする」のに必要とされる従来の人差し指の下方移動よりも労力を必要としない。
【0135】
図1f〜1j,6a〜6f,8a〜8b、9a〜9c、13a〜13b、15a〜15b、及び20a〜20fに示す本発明の実施形態は、ハンドライティング及び/又はフリーハンドドローイング/操作を補助するために、デバイス1内にペン/スタイラス特徴部を組み込む。これらの実施形態は、こうした役割における従来のマウスの固有の精度の欠如だけでなく、ペンスタイル実施と比べて従来のマウスを使用することによるスタイラス22のさらなる欠点にも対処する。
【0136】
通常のマウスは、有効カーソル位置を指示する枢動点上で傾く、又は、傾斜することができない。ほとんどの従来のマウスは、支持表面から離れて傾斜する場合、働かないことになり、平坦な支持表面に平行で、かつ、その真上で動作しなければならない。さらに、従来のマウス及び/又はデジタル化ペンを利用するユーザの最初の焦点は、ユーザの手ではなくスクリーン上にあるままである。
【0137】
ペン/スタイラス特徴部を組み込む先に挙げた実施形態は、デバイス1が、先に概説した第1の、任意選択で、第2の困難さに対処する、「デジタルインク」モードで動作することを可能にする。
【0138】
「デジタルインク」モード又は「ライティング」モードでは、デバイス1は、単に、デバイス1のある部分から延びるスタイラス部分21のニブ21の周りで前に傾斜することによって動作する。スタイラス22は、多数の構成をとり、ある範囲の物理的長さ(固定か又は調整可能)で利用可能であってよい。好ましい実施形態では、ニブ21で表面にタッチすることは、デジタル「インクが流れる」という信号を提供する。
【0139】
図6a〜6fは、図1a〜1fに示す実施形態に対応する実施形態を示し、デバイス1の一番先の地点から延びる、ニブ21及び比較的長さの短いスタイラス部分21が追加される。この構成は、図7aに示すように、ニブ21に比較的近い、従来のペンを保持するときにユーザの指が採用する位置に人間工学的に匹敵する。対照的に、図7bは、ペン軸に沿って高い地点で、ニブ21からさらに離れて把持された従来のペンを示す。図8,9は、それぞれ、図7a,7bで使用されるペンの握り方に相当する本発明の実施形態を示し、ユーザは、親指12と人差し指14の間で、図8aでは短いスタイラス部分の実施形態及び図8bでは長いスタイラスの実施形態のデバイス1を把持する。図6a〜f)の実施形態はまた、基部2を通って横に延びるスロット又は凹所として形成された中指凹所24を含む。そのため、ユーザは、ペンに似た握り方をさらに真似るデジタルインクモードでの使用中に、デバイス1の下で中指凹所24内に、自分の中指14を配置することができる。
【0140】
図9a〜9cは、代替のニブ21/スタイラス部分22を組み込む、図1a〜1f,6a〜6fに示す実施形態のさらなる変形を示す。図9aの実施形態は、ニブ21とスタイラス部分22の特徴部を組合せるために、単純化した尖ったスタッドを利用する。図9bの実施形態は、デバイス1の尾根状部3の上に搭載された従来のペンに似た細長いスタイラス部分22を組み込む。図9cに示す実施形態は、図9bの実施形態のさらなる改良を示し、それにより、デバイス1にオーバラップするスタイラス部分22は、基部2内に作られる。
【0141】
他の多数の実施形態が可能であり、本発明が、こうした実施形態に限定されないことが明らかになるであろう。たとえば、ニブ21は、(先の実施形態で述べたように)前に突出する必要はなく、たとえば、図1f〜1jの実施形態により、デバイス1の後部から突出してもよいことが見てわかる。使用時、こうした後方に面するニブ21を装備するデバイスは、デジタルインクモード又はニブ21を利用する任意の他のモードで使用中に後ろに傾斜する。「デジタルインク/ハンドライティング」モードでは、デバイス1は、隣接表面に対するニブ21の著しい近接性とニブ21の接触とを識別するように構成されてもよい。ニブ21の近接性を判定する手段は、デバイス1内に配置された要素又は専用表面(たとえば、タッチパッドのキーボード)あるいはその両方を検知することによって、知られている方法で実施されてもよい。これらのオプションのそれぞれは、異なる利益及び欠点を提供する。
【0142】
デバイス21内にだけ配置される近接センサは、テーブル表面、従来のキーボード、ディスプレイスクリーンなどの任意の好都合な非専用表面と一緒の使用を可能にする。しかし、こうした構成は、デバイス21の複雑さ、コスト、サイズ、及び重量を付加することになる。逆に、専用オブジェクト(たとえば、目的に合った設計がなされたキーボード、タッチパッドなど)の表面内だけで近接検知要素を特定することは、デバイス1の潜在的な費用、サイズ、及び重量を減らすが、デバイス1が使用されてもよい柔軟性が低下するという犠牲を払うであろう。
【0143】
近接センサシステム要素を、デバイス1と専用表面の両方に組合せることは、コスト/性能の兼ね合いを提供する。こうした構成は、既存の位置検知ペン/タブレットシステムで利用され、ペン内に配置された誘導子とコンデンサは、コンポーネントの無いプリント回路基板の銅トラックからx方向とy方向の両方に形成された多数のオーバラップするアンテナコイル内に局在化した小さい誘導信号をもたらす。こうしたシステムはまた、非接触位置検知に加えて、表面に接触した状態で、圧力の程度を検出してもよい。
【0144】
本発明に関して使用するのに適したさらなる位置検知技術(明示的には示さず)は、EPOS Technology Limited によって製造されるシステムなどの音響送信機/受信機システムを含む。EPOSシステムは、デバイス1内への設置が可能な1つ又は複数の小さな送信機からの一意に符号化された超音波信号に基づいた三角測量計算から、送信機又は受信機の距離、2D、又は3D位置情報が導出されることを可能にする。
【0145】
こうして、上述した代替の実施形態のそれぞれは、ニブ先21が、表面の限定された距離内に設置されると、表面に平行なニブ21のいずれの移動も、オンスクリーンポインタ移動として記録されるように構成されてもよい。ニブ21が、表面にタッチすると、これは、デジタルインクが「流れる」ということを信号送信する。そのため、デジタルインクモードにあるときは、デバイス1は、従来のペンと同様に動作する。
【0146】
デジタルインクモードを作動した後、2つの接触センサ7,8は、さらなる構成可能な特徴、たとえば、「イレーザ」を作動させること、カラー又はインクスタイルを変更すること、又は、「キャリッジリターン」/<ENTER>コマンドを実施することにアクセスするように、やはり、利用可能で、かつ、動作可能である。
【0147】
視覚焦点の問題に対処するために、デバイス1は、非電気表面(たとえば、用紙又はライティングパッド)上に、ならびに、スクリーン上に物理的にライティングするのに使用されてもよい。これは、スタイラス22から物理的に取り出されたインクによって、又は、接触が行われるデバイス1の経路を追跡する表面から実施されてもよい。ドローイングを追跡する一方法は、反復使用のために消去を可能にする磁性粉末エッチングトイタイプデバイスで採用されるシステムによる。
【0148】
表面上にマークを物理的にライティングする又は作成するのに使用されるデバイス1のこうした実施形態は、ユーザドローイング又はハンドライティングをデジタル的に解釈するために現在のところ採用される、知られている光学センサ技術を利用してもよく、又は、特に、ユーザが書き込むために、キーボードに組み込まれるLCDパネルなどを利用してもよい。
【0149】
「デジタルインク」モードは、ユーザがハンドライティングを始める前に、所定のプロンプトによって作動されてもよく、したがって、コンピュータが、ライティング及びドローイング入力に即座に応答することを可能にする。たとえば、作動されると、空白の「電子ノートパッド」は、ユーザが書き込むためにスクリーン上に自動的に表示されることができる。
【0150】
デジタルインクモードでは、デバイス1は、コマンド命令ショートカットを実施するのに使用されることもできる。たとえば、Xを書き込むことは、アプリケーションを閉じることになる、又は、Wは、ワードプロセッサを始めることができる。
【0151】
やはり、デジタルインクモードでは、キーボードは、キーストロークに応答することからライティング/ドローイングコマンドに応答することに切換わるように構成されてもよい。たとえば、数値1〜9は、異なるインク厚さなどに割り当てられてもよい。
【0152】
ユーザの右手による使用を参照して上述したが、本発明は、左手と右手の両方の実施形態、さらに、両方の手で使用するために構成可能な両手ききのモデルで製作されてもよい。図1〜9,14b〜23に示す実施形態は、鏡像バージョンの製作によって左手19使用に容易に適合してもよく、このとき、親指保持表面4は、尾根状部3の右面に沿って配列され、人差し指及び中指接触センサ7,8は、尾根状部3の対向する左手面に配列される。図1〜9,14b〜23に示す実施形態の高度な輪郭を持つ構成は、絶対的なものではないこと、及び、より簡略化した構成が可能であることが当業者によって理解されるであろう。
【0153】
図10a〜13bは、接触センサ7,8間の横方向中心点を中心に対称構成を有する簡略化された両手ききデバイス1を示す。デバイス1の対称性のために、ユーザの右手13で使用されると、接触センサ7は、(図10cに示すように)やはり人差し指14で使用される。しかし、ユーザの左手(図示せず)で使用するよう構成されると、接触センサ7,8の役割は逆になる。
【0154】
ホストコンピュータと通信するために、ワイヤレス技術を利用する実施形態では、左ききモードと右ききモードとの交互切換えは、ソフトウェアにより構成可能であってよい。(図11a〜11d,13a〜13bに示すように)従来のマウスケーブル23を利用する実施形態では、ケーブル23は、ユーザに向かって後方にデバイス1を出るように配列される。これは、タイピング中にキーボードに関して障害となることが回避される。ケーブルは、動作時に使用するための意図される手に応じて、デバイス1の両端で好都合な出口点を通って再経路指定されてもよく、やはり、ホストコンピュータによる正しい動作を確保するために、ソフトウェアにより構成可能であってよい。あるいは、デバイス1上のハードウェアスイッチ(図示せず)は、左きき使用モードと右きき使用モードとを切換えるのに採用されてもよい。
【0155】
図9〜13に示す実施形態では、親指係合表面4の親指保持部分は、左/右横移動中に、親指に係合するために、持ち上がったリップ部分11及び持ち上がった尾根状部3からなる。前後移動中に、デバイス1を保持することは、親指係合表面4の表面との弾性/摩擦の程度に依存する。
【0156】
図12aは、拡大した空白バー20を有するキーボード18上で使用するときの両手ききの実施形態を示し、図12bは、人差し指と親指12との間のピンチングアクション状態で、ユーザが、人差し指14と中指15によって接触センサ7,8を動作させることによってデバイス1が作動することを示す。
【0157】
図13a,13bは、図9〜12の実施形態に匹敵する実施形態を示し、デジタル/ハンドライティングモードで動作するときに使用するためのニブ及びスタイラス部分が追加される。実施形態は、尾根状部3の上部のある部分に着脱自在に挿入されてもよいスタイラスを示す。
【0158】
示す実施形態は、多くの可能な代替法の2、3の例に過ぎないことが当業者には明らかになるであろう。
図14aは、中指センサ8の上に人差し指センサ7がある、垂直にオーバラップした構成で配置された接触センサ7,8を有する実施形態を示す。
【0159】
図14bは、単一人差し指ボタン7を利用するデバイス1のコンパクトなバージョンを示す。この実施形態は、極端な小型化を必要とする用途、及び/又は、単一ボタンマウスを利用する、アップルマッキントッシュ(商標)などのオペレーティングシステムに適する。
【0160】
図15a〜15cは、本発明のさらなる実施形態を示し、
−再配置された中指凹所24、
−伸縮自在のスタイラス25、
−垂直に位置決めされた個々の接触センサ7,8、
−スクロールホイール26を組み込むことによって、前の実施形態と異なる。
【0161】
ここに示された実施形態では、「左」人差し指マウスボタン7の下部縁は、デバイス1の下面9の上の約10〜25mmの尾根状部3上に位置決めされ、「右」中指ボタン8は、真下に位置決めされる。両方のボタン7,8のロケーションは、これらの位置に限定されないが、ボタン7,8の垂直位置決めは、中指ボタン8を作動するときに、ユーザの中指15が、人差し指14と作業表面(たとえば、キーボード18)との間で移動することを可能にする十分な空間を可能にすることが望ましい。
【0162】
人差し指ボタン7は、デバイス1の下面9に対して十分に持ち上がって、以下でより完全に述べるポインティングモード又はライティングモードにある間に、中指、薬指、及び小指15,16,17が、締め付けることなく、快適に載ることが可能になる。不必要な重量及びサイズを回避するために、デバイス1の後部における基部2の「未使用」領域は、凹所24を形成するために切り取られてもよい。
【0163】
中指凹所24は、(図15a〜15bに示す実施形態による)ベース/尾根状部23の後部にわたって配置される横方向凹所などの、いくつかの構成で形成されてもよく、又は、別法として、基部2を貫通して形成されるスロット又は凹所を通して下方に延びてもよい。基部2内のこうした凹所は、(図6a〜6fの実施形態に示すように)ベースの側面から、又は、後部(図15のa〜b及び図20dに示す)などから延びるように形成されてもよい。
【0164】
通常、中指凹所24は、「デジタルインク」モードでのライティング中に利用されるだけであり、親指12と人差し指14の両方に非常に接近して中指15を位置決めすることを可能にする。この「握り方」は、ペンを保持し、使用する大多数の人によって採用される握り方をシミュレートする。
【0165】
デバイス1はまた、中指凹所24をオーバハングする、尾根状部3の小さなセクションから形成されたオーバハング部分28を組み込む。オーバハング部分28は、デジタルインクライティングモードで使用されるときに、ユーザの中指の輪郭に追従するように形作られる。これは、ニブ21に圧力を加える間、支持を提供し、伸縮自在スタイラス25の長さが短かくても、従来のペンに匹敵するライティングの安定性を可能にする。
【0166】
スクロールホイール26は、図15a〜15cに示す実施形態では人差し指ボタンと中指ボタン7,8との間に配置されるが、代替のロケーション、たとえば、尾根状部3に向かう親指係合表面4内か、人差し指ボタン7の上か、又は尾根状部の前に面する部分内などが可能であることが理解されるであろう。
【0167】
伸縮自在スタイラス25は、中指凹所24内に配置されるスタイラス解除ボタン29によって、収縮可能な位置から解除されるが、スタイラス25は、あるいは、たとえば、親指係合表面4内に配置されてもよい。しかし、スタイラス解除ボタン29を中指凹所24内に配置することによって、不注意な解除の可能性が減る。それはまた、デジタルインクハンドライティングモードでデバイス1を把持するときに、中指15が、スタイラス解除ボタン29を自動的に押下するため、スタイラス25を展開する自然なアクションを可能にする。
【0168】
任意選択で、ニブ21伸張部の有効長は、調整可能であってよい。これは、スタイラス25の上部遠位端に配置されたボタン、又は、たとえば、ユーザの親指12による操作によって作動可能であってよい。
【0169】
先に述べたように、スタイラス25は、電子ペン/タブレットシステムで採用される、知られている近接/移動量検知システム要素を組み込んでもよい。図16a〜16eは、伸縮自在スタイラス25で採用されるこうした技術を示す。スタイラス25は、スタイラスニブ21内に受信/送信アンテナコイル30を組み込む。(図16a〜16fに示す伸縮自在スタイラスを組み込む)図15a〜15bに示すようなデバイス1構成では、「デジタルインク」ライティングモードとポインティングモードの両方で使用するために、単一アンテナコイル30を使用することが可能である。それは、両方の動作モードにおいて、コイル30が、作業表面の下の磁界センサ(図示せず)に十分に近くなることになるためである。先に説明したように、平坦回路基板センサエリア(図示せず)は、デバイス1と共に使用するために構築されたキーボード18の下に配置されてもよい、かつ/又は、ポータブルコンピュータ、ラップトップなどのキーボードエリアの真下に通常存在する領域、すなわち、デバイス1が、最も効率的に作動されることになるエリアに配置されてもよい。
【0170】
伸縮自在スタイラス25のニブ21は、知られているペン/タブレット構成に匹敵する方法でライティング表面に接触したときにだけ「ライティングする」ように圧力感応性であるように構成されてもよい。しかし、本発明では、ニブ21は、好ましくは、「ポインティング」モードではなく、ライティング/ドローイングモードでだけライティングするように構成される。図16a〜16fに示す、ばねで正常位置に止められた以下のアセンブリニブを含む、ニブ21を収縮し、伸張する多数の手段が、実施されてもよいことが理解されるであろう。
【0171】
図16a〜16fにおけるニブ21の収縮/伸張は、通常のボールペンの伸張/収縮機構に実質的に匹敵する方法で動作することが見てわかる。スタイラス25ハウジングの上部自由空間に配置される主ばね31は、スタイラス25内に入れ子式に収容された摺動可能ニブ21アセンブリを圧迫する。ニブ21の摺動可能な移動は、別個のボタン、すなわち、それぞれ、スタイラス解除ボタン29及びスタイラス収縮ボタン32によって、収縮位置及び伸張位置に、ラッチされ、また、そこから解除されてもよい。
【0172】
収縮ボタン32は、ニブ21が伸張位置にあるときにロックの役目を果たし、不注意に収縮させることなく、書いている間に、ニブ21にユーザが圧力を加えることを可能にする。スタイラス解除及び収縮ボタン29,32は、スタイラス25ケーシングを通る共通開口を使用してもよく、又は、独立に位置決めされ、ユーザが、異なる指又は親指でそれぞれを作動させることを可能にしてもよいことが理解されるであろう。これは、たとえば、収縮ボタン32が親指12で作動されている間に、ニブ21が、中指15によって伸張されることを可能にするであろう。
【0173】
図16a〜16fは、収縮位置(図16a〜16b)から伸張位置(図16d〜16e)までのスタイラス25の間の一連の増分を示す。図16a〜16bでは、ニブ21は、収縮位置にラッチされ、スタイラス25ケーシングを貫通して突出するスタイラス解除ボタン29によって所定場所に保持される。スタイラス解除ボタン29を押下した後、主ばね31は、図16cに示すように、ニブ21アセンブリを下方に押す。この中間位置では、両方のボタン29,32は、スタイラス25内に置かれる。
【0174】
図16d〜16eは、伸張位置にあるニブ21を示し、それにより、収縮ボタン32は、スタイラス25の開口から突出することができ、不注意なニブ21の収縮を防止する。両方のボタン29,32の横方向移動は、独立した圧縮ばね(それぞれ、33,34)によって可能になる。
【0175】
ニブ部分21の伸張及び収縮は、必ずしも、主ばね31の使用を必要とするわけではなく、代替の構成では、重力及び/又はユーザの指/親指によって加えられる直接の力の作用を使用してもよいことがさらに理解されるであろう。
【0176】
あるいは、先の実施形態で述べたように、ニブ21はまた、デバイス1を傾斜させることによって作業表面に接触してもよい。ライティングモードは、上記方法のいずれか1つ又はその組合せによって作動されてもよい。
【0177】
使用時、(図16a〜16eに示す伸縮自在スタイラスを組み込む)図15a〜15bに示すデバイス1の実施形態では、デバイス1は、動作モードに応じて、異なる位置で保持されてもよい。(図17a〜17bに示すように)「ポインティングモード」で動作するとき、ユーザの指14〜17は、上述した実施形態に対して類似の構成で位置決めされてもよく、類似の構成のわずかの差は、人差し指ボタンと中指ボタン7,8の異なる配列である。より具体的には、中指15の先端は、人差し指14の背後及び下に曲げられるのではなく、人差し指14の先端の真下に設置される。それでも、デバイス1を把持するときのユーザの手13の位置は、指先端制御、楽にした手の姿勢、及びキーボード表面にわたる操作性などを含む、上述した実施形態の利点を全て保持する。
【0178】
デジタルインクライティングモードを始動するために、前の実施形態によりデバイスを傾斜させる代わりに、ユーザは、中指15を中指凹所24内に移動させる。このアクションはまた、スタイラス解除ボタン29を押下して、図18a〜18bに示すように、ニブ21を解除して伸張位置にする。スタイラス解除ボタン29の作動はまた、「デジタルインクモード」が作動したことを、デバイス1に関連する制御ソフトウェアに指示する。デジタルインクライティングモードを停止するために、収縮ボタン32が押下され、ユーザは、作業表面又は任意の好都合なオブジェクトを押し付けて、ニブ21を凹所位置に戻す。
【0179】
上記実施形態は、デバイス1の可能な構成の少数の例を示すことがさらに理解されるであろう。図19a〜19cは、人差し指及び中指ボタン7,8が、その上に位置決めされるスタイラス22によって、尾根状部3が完全に形成される、さらなる実施形態を示す。
【0180】
先に説明したように、デバイス1は、平坦下面上に載るように構成される必要はなく、代替の構成では、1つ又は複数の凸状部分及び/又は突出部を持った状態で構成された下面を含む。こうした実施形態では、下面は、単一湾曲表面として形成されてもよく、又は、その最下点が、作業表面にわたって摺動するための接触平面をひとまとめに画定する複数の丸い、又は、湾曲した部分を含んでもよい。さらなる実施形態では、前記接触平面内にひとまとめに存在する複数の接触点上の作業表面上に載るように、デバイス1が構成されてもよい。接触点は、多数の形態をとってもよく、また、
−前記下面及びデバイスから延びる少なくとも2つの前記突出部の遠位部分の1つ又は複数の部分か、
−少なくとも3つの前記突出部のいずれかを含むが、それに限定されない。
【0181】
安定した支持を提供するために、3つの接触点が一般に必要とされるが、任意の数のさらなる接触点が、同じ「接触平面」内に存在するように構成されてもよいことが容易に理解されるであろう。図20は、作業表面を有する基部2の接触点が、3つのニブの形態の3つの突出部によって提供され、三脚タイプ配置構成を作る実施形態を示す。採用されるニブのタイプは、デバイス1の意図される使用法に応じて変わってもよい。図20に示す例示的な実施形態では、3つのニブは、前頂点にある、デジタルインクニブ21、及び、対向する後方頂点にある、2つのスクロール/ズームニブ53(さらなる実施形態に関連して以下でより詳細に述べられる)からなる。デバイス1は、3つのニブ21,53全てが作業表面に接触した状態で適した作業表面上を摺動して、先の実施形態による、デバイス移動入力が提供されてもよい。こうしたデバイス1の移動に適した作業表面のタイプは、デバイス1の有効な摺動を確保するために、平坦下面を有するデバイス1と比べて、より大きな均一度を必要とすることが容易に理解されるであろう。
【0182】
デバイス1はまた、対応する動作モード(すなわち、デジタルインク、スクローリング、又はズーミング)を作動させるために、作業表面に接触して単一ニブを設置するように傾斜させることによって、異なるモード(以下で述べられる)で動作してもよいだけでなく、2つのニブを作業表面に接触した状態で動作してもよい。デバイス1は、複数のニブを持った状態で構成されてもよく、所与の瞬間に、1つ又は複数のどのニブが作業表面に接触するかに応じて、対応する動作モードが定義されることが可能になることが容易にわかる。
【0183】
先に参照された残りの例示的な動作モード(非アクティブモード、ポインタナビゲーションモード、文書ナビゲーションモード、及びズームモード)に関して:
「非アクティブモード」では、「ソフトクリック」が、デバイス1上で実施されてもよく、それにより、左ボタンか右ボタン(すなわち、接触センサ7,8)のいずれかが、軽く「タッチして解除され」(すなわち、タッチして保持されない、すなわち、「クリックされる」)、異なるアクションが実施されることになる。種々の標準的なキーボードコマンドストロークは、「ソフトクリック」操作によって置き換わってもよい。たとえば、左ボタン7を押下することは、<TAB>キーを押下することに相当してもよい。右ボタン8をソフトクリックすることは、<BACKSPACE>キーの操作を実施し、一方、両方のボタン7,8をソフトクリックすることは、<ENTER>操作を実施してもよい。
【0184】
デバイス1を介して、頻繁に実施されるこれらのキーストロークに直接アクセスすることによって、かなりの効率増加が達成されてもよい。これらのキーストロークは、従来、弱い小指を使用してタッチタイピストによって実施され、一方、非タッチタイピストは、通常、自分の強い中指又は人差し指を使用するように全体の手を移動させるため、人間工学的利点も得られる。対照的に、デバイス1によってこれらのキーストロークを実施するのに、手の移動は必要とされない。
【0185】
こうした効率増加を実現することができる場合の例は、ウェブサイト書式に書き込むこと、又は、確認「ポップアップウィンドウ」について要求される応答を含む。ウェブサイト書式は、通常、多数のフィールド間を移動し、英数字テキストを入力することをユーザに要求する。デバイス1によって、ユーザは、ある書式において第1「フィールド」内でクリックし、その詳細を追加することになり、その後、<TAB>を実施するため、また、次のフィールドに移動するためなどで「ソフトクリックする」ことになる。ユーザは、書式を完成したとき、適切なボタン/接触センサ7,8上で人差し指14と中指15の両方を使用することによって、<ENTER>ソフトクリックを実施することができる。
【0186】
「OK」ボタン又は選択が実施された後、確認「ポップアップウィンドウ」は、ユーザに「間違いありませんか」などを提示することが多い。デバイス1を使用して、ユーザは、両方の接触センサ7,8を「ソフトクリックして」、「OK」又は<ENTER>操作を実施するか、又は、人差し指14接触センサ7を「ソフトクリックする」ことによって<TAB>操作を最初に実施し、両方の接触センサ7,8を「ソフトクリックする」ことによって<ENTER>操作を実施することによって、「OK」オプションと「キャンセル」オプションを選択することができる。
【0187】
「ポインタナビゲーション」モードは、ユーザが、オンスクリーンポインタを移動させ、種々の関連するコンテキストに感応性がある特徴部にアクセスすることを可能にする。
従来のマウスと違って、デバイス1が、親指12及び人差し指14との途切れない接触によって保持されていることを、デバイス1は「知っている」。これは、「応答性ツールバー」などの種々のモードで利用されてもよい、「ポインタナビゲーションモード」にデバイス1を置く。
【0188】
通常、ツールバーは、ポインティング及び「クリッキング」用のショートカットとして特にセットアップされる。すなわち、ツールバー上のボタンは、キーボードではなく、ポインティングデバイスによってだけ作動される。「応答性ツールバー」によって、ツールバーは、デバイス1が非アクティブであるとき、スクリーン上で見えないことになり、スクリーンクラッタを低減し、より大きな可視作業空間を提供する。(人差し指14及び親指12が一緒にピンチングされ、デバイスが移動することによって)デバイス1がアクティブになると、ツールバーは、スクリーン上に再び現れ、クリックする準備ができる。
【0189】
デバイス1がアクティブになると、キーボード全体が、異なるモードに切換わってもよい。たとえば、「ポインタナビゲーションモード」にあるときに、<W>キーを押下することは、お気に入りのウェブサイトにアクセスしてもよい。わずかの正確な移動が必要とされる場合、別のキーを押下することが、ポインタ速度を落とす場合がある。一部のキーは、対話的ナビゲーションキー(矢印キーページアップ/ダウンなど)に変換されてもよい。<H>キー及び<V>キーは、それぞれ、水平及び垂直に、ポインタ移動を制限して、直線をドローイングし、オブジェクトを位置合わせするのを補助してもよい。デバイス1が「ポインタナビゲーション」モードにあるときの、キーボードモードのこの変化は、デバイス1を作動させるために、ユーザが明らかにタイピングするのを止めたため、直感的である。
【0190】
時々、ユーザは、カーソル又はポインタを、最小の増分又は「ユニット」の正確な距離(たとえば、1画素、1ライン、1文字)だけ移動させる必要がある場合がある。ポインタデバイス移動は、たとえば、「ユニット」ベースではなく、「1画素」又は「3画素」右に移動させることは難しい可能性がある。これらのタイプの移動の場合、矢印キーがより適している。「ポインタナビゲーション」モードは、これらのキーが、より好都合に設置されるように採用されることができ、ユーザが、「ナビゲート」したいときに作動されるだけである。
【0191】
図24a)は、<E,S,D,及びF>キー38が、照明可能矢印部分39を組み込む標準的なQWERTYキーボード37を示す。たとえば、デバイス1が、作動モードに置かれる(すなわち、ポインタナビゲーションモードに置かれる)ときに、ユーザが人差し指接触センサ7にタッチすると、<E,S,D,及びF>キーの照明可能部分39は、(図24b)に示すように)照明される。<E,S,D,F>キー38の機能はまた、ナビゲーションキー入力←↑→↓を提供するように再マッピングされる。そのため、ユーザは、ユーザの空いた手に隣接するキーボード上に好都合に位置決めされたナビゲーションキーを提供され、それにより、タイピング効率が上がる。さらに、サイズに敏感な用途では、従来の←↑→↓ナビゲーションキーは、キーボードから省かれてもよい。類似の技法は、他のキーボードキーを置き換え、かつ/又は、ショートカットキーを他の機能に提供するために、実施されてもよい。
【0192】
他の任意選択の特徴は、デバイスが、アクティブモード(先に説明した)にあるときに目に見え、非アクティブであるときに消えるオンスクリーンポインタアニメーションを含む。これは、デバイス1が、「再作動」されると、ポインタの位置特定を補助する。
【0193】
「文書ナビゲーション」モードは、人差し指14と中指15の両方を両方のボタン7,8の上に置くことによって作動される。本明細書で使用されるように、「文書」という用語は、スクリーン又はウィンドウサイズを越える表示サイズを有する、任意の文書、イメージ、アニメーションなどを含むものとして定義される。
【0194】
マウス「スクロールホイール」は、かなりの効率増加を提供するため、広範囲の人気を得た。ポインティングデバイスによる正当なスクローリングは、矢印をスクロールスライダコントロールに移動すること、スライダボタンをクリックし、保持すること、及び、(保持している間に)上下移動させることを必要とする。
【0195】
しかし、これらの方法に関して、3つの主要な非効率、すなわち、
−マウスによって、(小さいことが多い)スライダボタンを位置特定し、クリックするのに必要とされる時間、
−スクローリング中に支持表面の縁に達すること(これは、通常、マウスボタンの1つを同時に押下している間に、マウスが、支持表面から持ち上げられ、再位置決めされることを必要とする。)、−長い文章をナビゲートすること(スクロールスライダを移動させると、文書は、相対的な「距離」だけスクロールする。この距離は、文書全体のサイズのパーセンテージとして計算される。たとえば、文書が10ページである場合、1ページ前にナビゲートするために、スライダは、スクロールバー長の10%を移動させることになり、50%スライダを移動させることは、第5ページまで移動することになるなどである。この方法は、小さいサイズから中間サイズの文書についてうまく働くが、長い文書の場合、わずかな量を移動させることが難しくなる。)
が存在する。
【0196】
マウススクロールホイールは、オンスクリーンテキストを読取るための制御可能なスクローリングを可能にするため、特に有効であることがわかっている。スクロールホイールは、1つの増分又はノッチだけ回されると、文書は、ライン又はページのある「設定」量だけ移動する。ほとんどのユーザは、これを1〜4ラインに設定されている。それは、これが、文章を読み取り、かつ、スクロールダウンすることについて最大の効率を与えるからである。
【0197】
しかし、スクロールホイールは、長いワード文書又はウェブページあるいは長いテキストパッセージの無い文書を走査すること、又は、探索することなどの他の状況ではあまりうまく働かない。これらの状況では、ユーザは、しばしば、ページアップ/ダウンキーを使用すること、又は、前と同様に、より速くスクロールするために、スクロールバースライダをクリックし、「パーセンテージスクローリング」を使用することに戻るであろう。
【0198】
「文書ナビゲーションモード」では、デバイス1は、ユーザの指先端に、2つのスクローリングモード、すなわち、「絶対スクローリング」及び「相対スクローリング」を置くことによって、これらの困難さを克服する。
【0199】
絶対スクローリングは、2本の指14,15をデバイスボタン7,8上に置くことによって(上述したように)作動される。作動後に、任意の移動は、適切な方向における、スクリーン上でのスクローリングとして反映されることになる。スクローリングの量は、ポインタの移動に等しい。たとえば、デバイス1ポインタ速度は、10センチメートルの下方移動が、スクリーンの上部から底部までポインタを移動させるように設定されてもよい。同じアクションが、文書ナビゲーションモードで実行される場合、最大化されたワープロ文書では、文書の最初の閲覧可能ラインは、スクリーン上の最後の閲覧可能ラインになるであろう。そのため、スクローリング距離は、ポインタ移動の大きさに等しい。相対スクローリングは、2本の人差し指14と中指15をそれぞれのボタン7,8を(「置く」こととは対照的に)押し付けることによって作動される。このモードでは、デバイス1の移動は、スクロールバーがマウスポインタによって移動した場合に起こることになる等価なスクリーン移動を生じる。
【0200】
このデュアルモードスクローリングは、任意のサイズの文書全体を走査し、文書を読取ることについての柔軟性を与える。デュアルモードスクローリングは、ユーザが、長い文書全体を走査することを同様に可能にしながら、連続読み取りのために「精密な」スクローリングを実施することを可能にする。ユーザは、最初に、全体の文書内で位置決めするために、相対スクローリングを、その後、現在のページ内で位置決めするために絶対スクローリングを使用する。
【0201】
「文書ナビゲーション」モードはまた、ある重要な人間工学的利点を提供する。文書を読取る、ユーザによって繰り返し実施されるインタフェースアクションだけが、「絶対スクローリング」であることが認識される。デバイスボタン7,8上に2本の指を「軽く置く」ことによって、このモードが作動するため、スクロールモードのままであるために、ほとんど全く一定の力を必要としない。
【0202】
ドロップダウンボックス、及び、スクロールバーを持つ他のメニュー/選択オプションは、小さなウィンドウ内で効率的に垂直にスクローリングすることであるため、「文書ナビゲーション」モードが効率増加を与える他のエリアである。ユーザは、ドロップダウンボックス内で一致(match) のリストを提示されると、「文書ナビゲーション」モードを作動してもよい。これは、ドロップダウンボックス内で最初のアイテムを選択することになる。デバイス1を上下に移動することは、リスト上で次の/前のアイテムを選択することになる。移動は、「絶対モード」に基づく。ユーザは、リスト内で多数のアイテムを提示される場合、相対スクローリングを作動し、リスト全体を迅速にナビゲートすることができる。リスト上の選択されたアイテムを使用するために、ユーザは、左ボタン7をクリックし解除するだけである。
【0203】
「ポインタナビゲーション」モードと同様に、キーボードは、キーストロークへの応答から、スクロール/文書ナビゲーションコマンドへの応答に切換えるために、「文書ナビゲーション」モードで構成されてもよい。たとえば、<T>及び<G>キーは、ページアップ/ダウンすることができ、<E,F,D,F>キーは、1つの「基本ユニット」(たとえば、画素、文字、ラインなど)だけスクロールすることになり、V又はHを押下することは、スクローリングを水平に又は垂直に制限することになるなどである。
【0204】
「ズーム」モードは、指を中指15接触センサ8上に置くことによって利用可能である。このモードは、文書ナビゲーションモードと同じ方法で働く。すなわち、デバイスが下へ移動するとき、これは、ズーミングアウト、ムービングアップ、及びズーミングインを指示する。文書ナビゲーションモードと同様に、絶対ズーミングと相対ズーミングが存在する。相対ズーミングは、中指接触センサ8をクリックし、保持することによって始動される。このモードでは(「文書ナビゲーション」モードの例を使用して)、10cmの移動は、最大ズームと、文書の全範囲との間でズームすることになる。すなわち、イメージの場合、ディスプレイは、全イメージから1画素レベルまで示すことになる。
【0205】
文書ナビゲーションモード及びポインタナビゲーションと同様に、キーボードは、キーストロークへの応答からズーミングコマンドへの応答へ切換わってもよい。たとえば、「F」キーは、文書/イメージの全(ズームアウト)範囲を示してもよく、一方、「B」キーを押下することは、ユーザが「ズームボックス」をドローイングすることを可能にし、「ズームボックス」は、解除されると、フルウィンドウ内にボックス付きエリアを表示することになる。
【0206】
こうして、上述したデバイス1は、従来技術に比べて、効率、精度、機能、人間工学要件における改善を含むいくつかの利点を提供する。
現代のコンピュータインタフェースは、単一の特定のタスクを実施するために多数の手段をユーザに提供する。典型的なワープロ文書における次のページへの移動などの単純な要求でさえも、以下のアクション、すなわち、
−「下方矢印」キーを繰り返し押下すること、
−「下方矢印」キーを押下すること、
−マウス「スクロールホイール」を繰り返し回すこと、
−「スクロールホイール」を押下し、マウスを下方に移動すること、
−左マウスボタンをクリックし保持し(選択/ハイライとモード)、マウスを下方に移動すること、
−右側のスクロールバー上のスライダボタンをクリックし、マウスを下方に移動すること、
−スクロールバーの底部に配置された小さな下方矢印ボタンをクリックする(かつ/又は、保持する)こと、
−「ページダウン」キーを押下すること
のうちの任意のものによって実施されることができる。
【0207】
ユーザに選択オプションを提供することは有益であることができるが、オプションが多過ぎることは、複雑さと混乱を招く可能性がある。ユーザは、非能率的である自分のタスクを達成するために、最良の方法を認知的に選択しなければならない。比較すると、デバイス1は、デバイスが非アクティブであるときに、「エディット/タイピングモード」を、デバイスがアクティブ状態にあるとき、「ナビゲーションモード」を促進する。これは、コンピュータ/ユーザインタフェースを簡略化し、能率的にする。上記と対照的に、デバイス1を使用して、「ページダウン」アクションを達成するために、ユーザは、デバイス1を作動させ、その後、マウス移動でスクロールするか、又は、デバイス1「ページダウン」コマンド(<G>キーでもある)を使用してフルページを移動する必要があるだけである。
【0208】
ドローイング又はハンドライティング移動を実施するための従来マウスの正確な操作は、非常に難しい。
最も精細でかつ最も正確な人の移動は、人差し指と対向する親指を組合せた制御によって達成される。そのため、画家は、これら2本の指を使用して、自分のブラシを保持し、最も精細な細部を描き、彫刻師は、微妙な細部をエッチングすることができる。さらに、こうした技法は、ペンを用いてライティングすることについて事実上普遍的である。従来のマウスを使用した、精細で正確な移動は、いくつかの理由で、すなわち、
−ユーザは、親指と薬指又は小指でマウスを保持するようにさせられる(人差し指と中指は、左/右クリックするのに使用される)。これは、親指と人差し指を使用するという、より自然な方法ほど正確でない。
−薬指と親指は、マウスの幅まで離れるようにさせられ、そのため、指の移動が制限され、精度が低下する。
−マウスは、移動に抗する可能性がある重量/摩擦が生じる。
−ドローイング及びライティングするようにマウスを作動させるために、左マウスボタンが、押下されなければならない。これは、マウスに対して下方向の力を生じ、マウスを持ち上げること、及び/又は、正確な方法で支持表面にわたって横方向に制御するか、又は、移動させることを、より難しくする。
という理由で難しい。
【0209】
デバイス1は、これらの問題を解決する。それは、
−デバイス1は、人差し指14と親指12で主に操作され、したがって、向上した精度を提供する。
−デバイス1は、従来マウスのほぼ1/10の重量である。
−デバイス1は、親指12と人差し指14が、非常に接近するように十分に小さく、自由な移動が可能である。
−左マウスボタン(接触センサ7)がクリックされ、押下されると、下方圧力が存在しないため、摩擦による余分な移動の制限が存在しない。
という理由からである。
【0210】
デバイス1は、従来のマウスと比べて、ポインティング及びライティングについて高い精度を有するが、「ポインタナビゲーションモード」にあるときのライティングの場合、ペンほどには効率的でない。これは、最も効率的なライティング/ドローイングデバイスが、湾曲した移動を実施するのを補助するために、枢動点を有するためである。しかし、「デジタルインクモード」でライティング及びドローイングするときは、(本明細書でより詳細に述べるように)この欠点が対処される。
【0211】
ユーザが、大きなエリアにわたってポインタを移動するとき、従来のマウスは、持ち上げられ、次に、反対方向に移動され、次に、再び置かれることを必要とする。これは、マウスが、テーブルの縁を越えて押し出されることを防止するためにある。デバイス1は、デバイス1を持ち上げることなく、同じ結果を達成するためのさらなる方法をユーザに提供する。代わりに、デバイス1は、単に、左ボタン7から人差し指14を離すことによって停止することができ、デバイス1は、その後、オンスクリーンポインタの移動が無い状態で、(やはり表面上にある間に)再位置決めされることができる。従来の方法、すなわち、従来のマウスと同様に、デバイス1を単に持ち上げることが、所望である場合、やはり使用されてもよい。しかし、この方法を用いても、デバイス1は、コンパクトなサイズ、及び、デバイス1を作動させ、持ち上げ、移動する容易さのために、かなり速いであろう。
【0212】
直感的な観点で考えると、ユーザが、スクリーン上のポインタを見るとき、ポインタを移動させようと試みる自然な反応は、デバイス1に物理的に近づき、人差し指14と対向する親指15によって「デバイス1を把持する」ことである。把持アクションは、デバイス1を作動させるときに、ほぼ完全に真似られる。同様に、デバイス1は、ユーザの手13に常に接触しており、したがって、ユーザは、もはや、最初にデバイスを「見つけ」、物理的に取得する必要はない。
【0213】
デバイス1はまた、物理的なデスクトップ空間を必要とする。これは、デスクトップコンピュータ(オフィスデスク)ユーザにとって重要であり、ラップトップコンピュータユーザにとって特に重要である。ラップトップコンピュータは、まさにこの目的のために、通常、特別に内臓されたポインティングインタフェースを有する。しかし、先に説明したように、これらのインタフェースは、従来マウスと同程度に効率的であることが立証されておらず、しばしば、ラップトップユーザは、不都合が加わるにもかかわらず、従来マウスをやはり使用するであろう。デバイス1は、付加的なデスクトップ空間を全く必要とせず、小さく、かつ、可搬型で、従来のマウスより効率的である。
【0214】
「クリックアンドホールド」又は「ドラッグアンドドロップ」は、単一アクションで「カットアンドペースト」又は「コピーアンドペースト」を実施するための、広く使用され、かつ、直感的な手段である。それは、テキスト、イメージ、及びファイル操作時の、また、選択を行う、たとえば、テキスト文書内でテキストを選択するときの高効率ツールである。それはまた、「スライダボタン」、たとえば、ウェブブラウザの右手側のスクロールバーを移動させる好都合な手段である。
【0215】
「クリックアンドホールド」は、移動が比較的小さいとき、従来のマウスに関してうまく働く。しかし、オブジェクトが、長い距離をドラッグされなければならないときに問題が生じる。ユーザが、ドラッグしているとき、マウスボタンは、クリックされ、押下されなければならない。マウスを移動させている間に、マウス移動の物理的縁(たとえば、テーブルの縁又はキーボードの縁)に達する場合、ユーザは、マウスボタンを押下しながら、マウスを持ち上げるようにさせられる。これは、不都合であり、非常に非能率的な操作である。デバイス1は、従来のマウスの下方向でではなく、実質的にピンチングアクションで、人差し指14と親指12によって、「クリックアンドホールド」アクションを実施する。これは、「ドラッグアンドドロップ」アクションを実施しながら、デバイス1の容易な持ち上げを可能にし、オブジェクトが、任意のスクリーン距離にわたって、努力を要せずにドラッグされることを可能にする。
【0216】
閲覧可能なスクリーン又はウィンドウサイズを越える選択を行う必要があるとき、文書は、スクロールする必要がある。通常のプログラムでは、この問題は、ポインタが、ウィンドウの縁を外れて移動するときに、文書を自動的にスクロールすることによって対処される。しかし、スクローリング速度は、正確に制御可能ではない。しばしば、ユーザは、所望の選択点の端を過ぎてスクロールすることになり、往復方式でスクロールバックしようちするときに過剰修正することになる。
【0217】
デバイス1は、ユーザが、選択を容易に行い、次に、(選択モードのままである間に)文書ナビゲーションモードを作動し、停止することを可能にすることによって、この問題を解決する。このアクションは、直感的であり、潜在意識的にユーザによって実施される可能性がある。例を挙げると、ユーザが、通常のワープロ文書で実施することになるステップは、
−デバイス1を作動させ、選択の開始時にクリックし、保持すること、
−(文書ナビゲーションを作動させるために)(接触センサ8を)中指に接触させること、
−所望のページまでナビゲートし/文書内に置き、その後、接触センサ8を解除することである。
【0218】
なおさらなる特徴及び利点が、2つのデバイス1を同時に、すなわち、それぞれの手について1つのデバイス1を使用することによって、実現されてもよい。2つの従来のコンピュータマウスの使用は、当初から技術的に可能であったが、第2の従来マウスは、ユーザのきき手でない手によって典型的な非人間工学的設計のマウスを制御しようとすることに関連する巧緻性の一層の大幅な減少と共に、単一マウスに関連する位置特定及び取得のダウンタイムをやはり必要とするであろう。これらの困難さは、共に、本発明によって克服され、以下の実施態様を含む多くの実施態様についての基礎を提供する。
−デュアルモニタ構成は、特に、「パワーユーザ」にとって、コンピューティング用途で益々当たり前になっている。個々のデバイス1は、各スクリーンに個々に関連付けられるように構成されてもよい。
−1つのデバイス1は、制限の無いオンスクリーンポインタ移動を持った状態で構成され、一方、第2デバイス1のポインタは、特定のスクリーンエリア又は特徴部、たとえば、ツールバー、テキストエリアなどに限定されることができる。
−2つのデバイス1上の接触センサ7,8は、同時に使用されて、指定された特徴/機能にアクセスするさらなる組合せを提供してもよい。
−2つのデバイス1は、単一のオンスクリーンポインタを制御するために使用されてもよい。上述したように、オンスクリーンポインタは、ユーザが、デバイス1を故意に作動させるときに移動するだけであり、そのため、ユーザは、最も適切な手を自由に使用して、任意所与の時間にポインタ移動を制御する。これは、(両手が使用されるときに)移動疲労を低減することになり、また、スクリーンポインタを同時に移動させる間に、他のキーボードキー(たとえば、<CONTROL>、<SHIFT>、<ALT>キー)へのアクセスを可能にするために使用されてもよい。
−コンピュータゲームは、2つのデバイス1の使用によっていくつかの特徴を利用してもよい。たとえば、プレーヤが、通常、単一のオンスクリーンキャラクタを制御する、「一人称」シューティングゲームでは、1つのデバイス1は、キャラクタの移動を制御してもよく、一方、他のデバイスは、武器照準を制御する。ドライビング/乗り物制御ゲームでは、1つのデバイス1は、垂直移動を制御してもよく、一方、他のデバイスは、水平移動を制御する、又は、2つの別個の乗り物は、それぞれのデバイス1によって制御されてもよい。1つのデバイス1は、乗り物の速度を制御してもよく、一方、他のデバイスは、回転移動を制御し、ステアリングホイールのアクションをシミュレートする。シミュレートされた人のファイティングゲームでは、別個のデバイス1は、プレーヤのキャラクタなどの左又は右手/脚を制御することができる。別個のデバイス1は、たとえば、キャラクタの2本の手を一緒に合わせて、スポーツゲームでボールを捕らえるのに使用することができる。−2つの別個のオブジェクト(たとえば、ファイル、イメージなど)は、同時に、「カットアンドペースト」/「ドラッグアンドドロップ」されてもよい。
【0219】
さらなる実施形態では、デバイス1は、キーボード又はさらにモニタと独立に使用されてもよい。たとえば、デバイス1は、ある形態の高度な「リモートコントロール」を提供してもよく、それにより、コマンド又はシンボルが、機器/ホームシアタデバイスを動作させるために、(「デジタルインクモード」で)物理的にドローイング/ライティングされることができる。たとえば、「X」をドローイングすることは、デバイスをオフしてもよく、数値「1」をライティングすることは、テレビジョンをチャネル1、音楽トラック1などに変えてもよい。デバイス1は、関連コマンドのリストを含むマウスパッドタイプのトレイなどの上に載ることができる。
【0220】
さらなるモードでは、デバイス1は、衛星テレビジョン、e−mail、ギャンブリング、ホームショッピング、及びバンキングなどの対話的サービスなどのような、種々のオンスクリーンメニュー用のリモートコントロールとして利用されてもよい。ハンドライティング認識と共に使用されると、ユーザは、たとえば、名前をライティングすることによって映画のタイトルを探索してもよく、又は、歌の名前をライティングすることによって特定の歌のトラックを演奏してもよい。
【0221】
さらなる実施形態(図示せず)は、接触センサ7,8及び/又は親指係合表面4の1つ又は複数への指紋読取技術の組み込みを含む。これは、セキュリティのために、かつ/又は、自分自身のそれぞれの構成の好みを有するユーザを区別する手段として使用されてもよい。
【0222】
さらなる実施形態では、(上述したデジタルインク/ハンドライティングモードにおけるデバイス1の位置を検知することに匹敵する方法で)キーボード上でのデバイス1の物理的位置を検知することは、コンテキスト関連機能がアクセスされることをもたらす可能性がある。たとえば、キーボードの特定エリアをダブルクリックすることは、異なる機能又はメニューにアクセスすることになる。たとえば、デバイス1を右手側に移動させることは、一時的に精細な移動を行うために、オンスクリーンポインタの速度を下げてもよい。
【0223】
多くのラップトップコンピュータキーボード、及び、制限されたサイズのキーボードを利用する他のデバイスは、標準的な「QWERTY」キーに関連する複数の機能を組み込む。これらの機能は、デバイス1が、「アクティブ」モードに置かれると、アクセス可能になってもよい。キーボードはまた、デバイス1のモード、たとえば、アクティブ、文書ナビゲーションモード、ズーム、デジタルインク/ハンドライティングなどの、ある種の可視インジケータを含んでもよい。
【0224】
こうして、ペン/タブレットシステム、タッチパッド、埋め込み式キーボードトラックポインタ、及びトラッカボールなどの、従来技術のデバイスに比べて、本発明は多くの利点を提供することがわかる。
【0225】
例として、知られている電子ペンデバイスによって「クリック」することは、ペン自体の上にあるボタンによって、又は、ニブを表面内に押下することによって達成される。これらの操作は共に、従来のマウス又は本発明を使用する、対応するアクションほどは効率的ではない。これは、少なくとも一部は、ペンデバイスのニブ先が、表面に接触する唯一の部分であり、そのため、「クリック」アクション中の安定性が減少することによる。この不安定性は、「クリック」中に、ペン(及びオンスクリーンポインタ)の安定した保持を妨げる。
【0226】
ペン上に2つ(又は、3つ以上)のボタンを配置することも実用的ではない。対照的に、クリックしながら、所定場所にデバイスを保持するために、ユーザは、親指で下方向圧力を加えることができるため、本発明は、高い安定性と組合せた(従来の1つのマウスにより)2つ以上のボタンを有してもよい。さらに、デバイス自体が、使用中、かつ/又は、いじっている間に、ユーザの指の間で回転する可能性があるため、ペンデバイス上のボタンは、容易に位置特定することが難しい可能性がある。その結果、デバイスをクリックすることができる前に、指又は親指をボタン上に配置するための、調整が必要とされることが多い。
【0227】
タッチパッド、埋め込み式キーボードトラックポインタ、及びトラッカボールは、効果的であったが、マウスほどはユビキタスでない入力デバイスのさらなる例である。これら3つのデバイスは、それぞれ、デバイス自体が固定であり、したがって、動作するためのデスクトップ空間を少なくしか必要としない点で、従来のマウスに比べて利点を提供し、効果的である主要なエリアがラップトップコンピュータにあることを説明する。
【0228】
しかし、オンスクリーンポインタ移動を指示するために、デバイス全体の移動を使用しない静的入力制御デバイスは、従来のコンピュータマウス又は本発明と比較して、かなりの程度の制御を失うことがわかった。これらのデバイスは、移動を指だけに制限するため、ほんのわずかの移動が実施される可能性があり、ポインタが長い距離にわたって移動する必要があるときに、非効率を生じる。このことが、指の移動が比例的に大きなポインタの移動を生成するようにポインタ移動を構成することによって補償される場合、これは、必然的に、精度の低下をもたらす。
【0229】
本発明はまた、(指を使用した)これらのデバイスの精細な移動を可能にするが、手/手首及び腕を使用することによって、従来のマウスによって達成することができる、より大きな「スイーピング」移動も可能にする。さらに、これは、キーボードエリアを移動表面として利用している間に、すなわち、さらなるデスクトップ空間を使用せず、また、キーボードとデバイスとの間で手が移動する必要無しで実施されてもよい。
【0230】
固定(又は半固定)デバイスの別の欠点は、オンスクリーンポインタ移動速度が、制御されることが、より難しく、かつ、直感的でなくなることである。たとえば、埋め込み式キーボードトラックポインタデバイスの場合、ポインタ移動は、加えられた「圧力」の大きさに関連し、指の移動(の距離)に直接関連しない。しかし、デバイスに対して大きさの変わる「力」を加えることと対照的に、ある「距離」の移動を与えるときに、ユーザによって、より精細でかつより直感的な制御が達成可能である。
【0231】
タッチパッドは、以下の欠点、すなわち、
−タッチパッド表面の真上での親指又は指の移動によって達成されるポインタ移動は、ユーザの皮膚に摩擦を加える。長い使用期間にわたって、これは、不快及び胼胝を生じる可能性がある。
−ユーザの皮膚の異なる状態(たとえば、湿気、汚れ、又は汗)が、タッチパッドに当てられて、粘着性の又は滑りやすい表面などが生まれ、一貫せず、また、使用するのが難しいか、又は、不快である可能性があるインタフェースが提供される。
−タッチパッドマウスボタンは、通常、所定位置に固定される。わずかの手の移動が、タッチパッドを作動させるのに必要とされ、ユーザの指又は親指をマウスボタンに関してミスアラインさせることが多い。これは、マウスクリックを達成するのに、手の移動が必要とされる、さらなる非効率を導入する。
という欠点を示すにもかかわらず、ラップトップコンピュータに関する共通インタフェースデバイスである。
【0232】
図25は、ラップトップPCの形態のコンピュータ40を示し、ディスプレイスクリーン41は、コンピュータ主要本体部ハウジング42にヒンジで取り付けられる。コンピュータは、キーボード37の下に配置された位置検知手段、及び、キーボード37と共面の隣接表面43を装備する。位置検知手段は、電磁式検知、音響式検知、又は静電容量式検知などのような、本明細書で述べる手段を含む任意の適切な技術を利用してもよい。そのため、デバイス1の位置は、ハウジング42の上部表面のうちの任意の表面上で使用されるときに検知されてもよい。主要ハウジング42は、さらに、デバイス1が、以下の2つの方法の1つの方法によってハウジング42内の凹所に置かれることを可能にするばね付勢式床部分を有するデバイスドッキングポート凹所44を装備する。2つの方法とは、以下の通りである。
1.デバイス1が、凹所44内に手動で挿入されるだけでよく、凹所の床部分は、窪んだ位置と、作業表面43と同一平面にある、完全に持ち上がった位置との間でラッチされてもよい。
2.あるいは(図25bに示すように)、凹所44床部分は、ヒンジで取り付けられたディスプレイスクリーン41の開放/閉鎖に関連して(それぞれ)自動的に上昇/下降するように構成されてもよい。
【0233】
図25c)は、コンバーチブル型タブレットPCとしても知られる(図25a)〜b)に示す)コンピュータのさらなる変形を示す。コンバーチブル型タブレットPCコンピュータ40はまた、2次ライティング/スクリーン表面45、及び、枢動可能にヒンジで取り付けられた主スクリーン41を装備し、主スクリーン41は、中心枢動点46を中心にして180度回転してもよいと共に、コンピュータハウジング/キーボード(42,37)と同一平面になって折り畳まれてもよい。キーボード37はまた、先の実施形態に関して先に述べた拡大した空白バーキー20を備える。2次ディスプレイエリア45は、
−マウスポインタに隣接してスクリーン部分を表示するように、任意選択で、構成された主ディスプレイスクリーン41の拡大「ズームされた」部分と、
−デジタルインクモードで動作するデバイス1についてライティング/スラッシュドローイングエリアの役目を果たすこと、
−主スクリーン41が、聴衆に面するように回転する間に、ユーザ提示のためのプロンプト/キューカード情報を表示すること
を含む、ある範囲の特徴を提供するように構成されてもよい。
【0234】
図26a,26bは、好ましくは、受動式(すなわち、圧力作動式)と能動式(近接検知)の両方のタッチ検知手段を含む、タッチスクリーンディスプレイ47を有するコンピュータタブレットPC40を示す。図26a)は、スクリーン47の上部分に半透明で表示された仮想キーボード48を示す。非タッチスクリーン式ディスプレイ41を有する実施形態では、仮想キーボード48のキーは、マウスデバイス1又は他のポインティングデバイスによって操作されてもよい。好ましくは、タッチスクリーン47の使用は、ユーザの親指12が、デバイス1の親指係合表面4内に保持されている間に、ユーザの指14,15,16,17によって、キーボードが操作されることを可能にする。
【0235】
キーボード48は、タイピングのために、ユーザの指に容易にアクセス可能であるために、スクリーン47上でのデバイス1の物理的位置から決まった距離に「繋ぎ止められる」ように構成されてもよい。一実施形態では、キーボード48は、デバイス1が非アクティブであるときにだけ表示される。人差し指先端接触センサ7にタッチすることによって、デバイス1が、ポインタナビゲーションモードに置かれると、ユーザは、ある種の非タイピング活動を実施するという意図を信号送信し、そのため、キーボード48を取り除くことは、過剰のスクリーンクラッタをなくす。キーボード48は、親指接触センサ49(図21aにおいて視認できるが、図26a,26bでは隠される)の親指接触によって作動されるときに、表示されるように構成されてもよい。親指接触センサ49をアクティブにクリックするためにさらなる圧力を加えることは、空白バーキーボードコマンドを入力するように構成されてもよい。
【0236】
図26a)に示すキーボードは、片手入力に適した「ハーフサイズ」キーボードを示し、ユーザは、立つか、又は、デスク無しで座った位置におり、そして、一方の手でタブレット40を保持し、他方の手でタイピングし、デバイス1を操作する。ユーザが、デスクトップ環境にいるか、又は、自分の膝の上でタブレットコンピュータ40を支持することができる場合、キーボード48は、両手タイピングを可能にするように拡大されてもよい。図26b)は、フルスクリーン幅へ拡大しているキーボード48上で両手でタイピングするユーザを示す。
【0237】
図27〜28は、本明細書に述べるマウスデバイス1と共に使用するのに好ましくは適する仮想「スティック」ポインタの形態の本発明のさらなる態様を示す。しかし、仮想スティックポインタは、他のマウス又はペン入力デバイスと共に容易に利用されてもよいことが理解されるであろう。
【0238】
仮想ポインタスティック技術は、ポインティングデバイス1を使用して、ユーザのより精細でより動的な制御を可能にする、ディスプレイスクリーン制御方法及び関連ソフトウェアである。これは、(従来のポインティングデバイスにより)x平面とy平面の移動を解釈するだけでなく、デバイス1の回転もまた検知することによって達成される。この回転は、物理的なポインティングスティックを使用すること、たとえば、教師が黒板とポインタを使用することに類似するポインタ移動としてスクリーン上に反映される。
【0239】
図27a〜c)に示す実施形態では、ポインタ50が主要な長手方向軸に関して細長く、矢印ヘッド52が遠位端にあるが、代替のポインタ? 状が使用されてもよいことが明らかになるであろう。ポインタ50の近位端は、デバイス1の親指側から直角に突出し、デバイス1と共に移動する。一実施形態では、制御ソフトウェアは、ポインタ50が、前記主要ポインタ軸に同軸に、かつ/又は、前記細長いポインタの回転によって写された弧で配置された、オンスクリーンオブジェクト(たとえば、ファイル51)及びテキストを(「選択」モードを作動させるために指定された1つ又は複数の接触センサ入力と共に)選択することが可能であるように構成可能である。こうして、ユーザは、長い直線移動ではなく、小さな角度回転によっていくつかのオブジェクト51を選択することができる。
【0240】
さらなる実施形態では、ポインタが、
−接触センサ入力(又は、入力の組合せ)が、アクションを実施する、たとえば、URLウェブページリンク、オンスクリーンボタン、オンスクリーン形態のフィールドなどをクリックするように、スクリーン上のターゲットにわたってポインタ50の遠位端を位置決めすること、
−スクリーン上のターゲットにわたってポインタ50の遠位端を位置決めし、いずれのさらなる移動も、アクションを実施するように、たとえば、スクリーン上でオブジェクトを移動させるか、テキストの選択などスクリーンエリアにマークを付けるか、又はオンスクリーン経路をドローイングするように、少なくとも1つの接触センサに「タッチホールド」入力(すなわち、クリックアンドホールド)を入力すること
を含む、従来のコンピュータマウスポインタの機能を実施することができるように、制御ソフトウェアが構成可能である。
【0241】
図28a,28bは、代替の実施形態を示し、それにより、マウスデバイス1(図示せず)は、マウスパッドなどのようなコンピュータディスプレイ41に隣接する従来の作業表面上に配置される。こうした実施形態では、オンスクリーンポインタ50は、従来の方法で生成され、前記回転移動からのポインタ入力及び制御の付加的な特徴を持つ。好ましくは、前記ポインタ50は、細長く、2つの端を持ち、一方の遠位端52に矢印ヘッッドを、他端53に実質的に円形の「枢動点」シンボルを有する。ポインタ50は、ポインタシャフトの形状又は長さを変えるか、又は、制御された正確な選択を容易にするために、ポインタ50の回転とデバイス1の対応する物理的回転との間のスケーリングを調整するように、ユーザにより構成されてもよい。
【0242】
回転仮想ポインタの作動は、専用デバイス接触センサの作動又は既存の接触センサからの入力の組合せを含む、いくつかの方法によって達成されてもよい。あるいは、回転ポインタは、デフォルトポインタとして連続して使用され、そのため、ユーザによる作動を必要としなくてもよい。オンスクリーンポインタ50回転を生成するデバイス1回転は、光学技術か、市販の電磁式センサか、又は電子コンパス技術などの任意の来技術を使用して検知されてもよい。コンピュータ40に送信され、コンピュータ40により処理されるデバイス移動量情報を生成する基部2内に配置された2つの光学センサは、以下でより完全に述べる回転を計算するのに使用されてもよい。あるいは、Wacom Technology Corporationからの利用可能な技術の電磁式センサは、「傾斜」及び傾斜方向を検出すること
が可能なペンデバイスを提供する。その結果、デバイス1内に既知の傾斜角度でコイルを取り付ける(fit) ことは、デバイス1の回転の程度及び方向が検知されることを可能にする。Wacom Technology Corporation
のさらなる製品は、回転を検出するために、ペンデバイスに2つのコイルを組み込み、回転移動を検出してポインタ50オンスクリーン回転を生成するという、デバイス1の実施態様に適合することができる。なおさらなる実施形態は、回転を求めるために、2つの音響送信機を利用してもよい。
【0243】
先に説明したように、図27〜28に示す回転ポインタ実施形態は共に、図28c〜d)を参照して述べる以下の方法を含む、いずれの従来の方法でポインタ50の回転移動を解釈してもよい。
【0244】
電子コンパス又は電磁式センサ(明示的には示さず)が、デバイス1内に配置される実施形態では、コンパスは、位置のx軸及びy軸データと共に、ソフトウェアドライバ(図示せず)によって、ポインタ制御ソフトウェアに方向(たとえば、0°〜360°の方位角) を出力する。
【0245】
スクリーン制御ソフトウェアは、デバイス1の物理的回転向きに任意の決まったオフセットを足した値に相当する回転向きを用いてオンスクリーンポインタ50をドローイングすることが可能である。そのため、一実施形態では、デバイスが、0°又は360°に向いた状態で、デバイス1から受け取られる位置のデータ値が、水平に向く、(図28cに示すように)左すなわち270°を指す、中立又は休止位置を示すポインタ50を表示するように解釈されるように、0°向きが較正されることを、制御ソフトウェアは可能にする。そのため、図28c)の実施形態は、デバイス1の向きとオンスクリーンポインタ50の向きとの間に270°又は90°のオフセットを示す。図28dは、315°又は45°のオフセットを有する代替の実施形態を示す。こうして、中立位置(及び関連オフセット)は、任意所望の角度であるように構成されてもよいことがわかる。
【0246】
こうして、使用時、デバイス1からのx及びy位置データは、枢動点53のオンスクリーン中心を位置決めするために使用され、一方、回転データは、正しい角度でポインタシャフト及び先端52をドローイングするために使用される。制御ソフトウェアが、ポインタ50長を30ユニットとして指定し、デバイス1からの位置データが、x=400、y=200のオンスクリーン位置、270°の測定回転角度、及び−90°のオフセットを与える、数値例を考える。このデータを使用すると、仮想ポインタスティックソフトウェアは、位置x=400、y=200で始まる枢動点を有する矢印をドローイングすることになり、矢印は、その後、180°の角度でドローイングされることになる(すなわち、真直ぐ下を指す)。制御ソフトウェアは、矢印先端52が、確実に、スクリーンの縁を越えて移動しないようにするために、x及びy位置データについて必要とされるオフセットを考慮するように構成されてもよいが、枢動点53が、スクリーン縁をはずれて移動することを可能にしてもよい。
【0247】
デバイス1が、スクリーン表面(図27に示す)の真上で動作する場合、枢動点53は、デバイス1の「下」になり、直接見ることができないことに留意されたい。
さらなる実施形態では、デバイス1は、2つの光学センサ(図示せず)を装備してもよく、1つのセンサは、実質的にデバイス中心にあり(センサ1)、他のセンサ(センサ2)は、デバイス1の末端の方に配置される。
【0248】
マウスポインタで使用される従来の光学式移動量検知技術は、絶対位置ではなく、いずれかの方向の相対変位を記録する。その結果、デバイス1が、回転せずにいずれかの方向に移動する場合、2つのセンサについてのx及びy変位値は、デバイス1が新しい位置に移動しても、同じままである。スクリーン制御ソフトウェアは、センサ1位置データを使用して、(先に述べたように)枢動点53のオンスクリーン位置を求め、2つのセンサの変位値に開きを検出すると、ポインタ50の回転角オフセットを計算する。
【0249】
対応するオンスクリーンポインタ50回転を得るためにデータを解釈する多くの方法が存在し、その方法の中で、一例は次の通りある。
1.オンスクリーンポインタ50長が40mmで、光学センサ1とセンサ2との分離が20mmであると仮定すると、デバイスは、回転し、移動し、両方のセンサについての変位値は、スクリーン制御ソフトウェアによって受け取られる。
2.センサ1は、x=+10及びy=+10の変位を示し(すなわち、右への10ユニットの移動)、センサ2は、x=+14、y=−1を示す。
3.そのため、ポインタ50の枢動点53は、右に10ユニットスクリーン上を移動するであろう。
4.ポインタ先端52の対応する位置は、以下のように求められる。
【0250】
a.2つのセンサ間の変位の差が、計算される。すなわち、x=+4(14−10)及びy=−1(0−1)。
b.2つのセンサ間の距離とポインタ50のオンスクリーン長の比が計算される。すなわち、ポインタスティック長=40mm、センサ間隙距離=20mmであり、したがって、比は、「2」(40/20)である。
【0251】
c.センサ変位差を比で乗算する、すなわち、x=8(4*2)、y=−2(−1*2)。
d.ポインタ先端52について更新された位置は、センサ1(x=10、y=0)についての変位値が、ステップcからの「スケーリングされた」変位に加算されると求められる。すなわち、x=18(10+8)、y=−3(−2+−1)。
【0252】
e. そのため、ポインタ先端52の位置は、右に18ユニット、下に3ユニット移動することになり、先端52と回転点53とに間に、ラインがドローイングされることになる。
5.ポインタ先端52を移動することが、(センサの一方が、一部の変位データを見逃したためか、又は、丸め問題のために)ポインタ50の長さの変化をもたらす場合、ポインタ先端52は、ポインタ長を、構成された長さにできる限り近い値に維持することになる最も近いロケーションに移動するであろう。
【0253】
図29〜44は、実質的に本明細書で述べるデバイス1によるか、又は、他の知られているポインティングデバイスによる実施態様について適用可能な、文書ナビゲーション方法、スクローリング、及びズーム制御方法の形態の本発明のさらなる実施形態を示す。
【0254】
方法は、未変更の従来のペン/マウスポインタデバイス又は本明細書で述べるデバイス1によって実施されてもよいが、好ましくは、デバイス1は、専用ニブ53を組み込む。図29は、後方角から突出するスクロールニブ53を有する従来の2ボタンマウス54を示し、一方、図22a〜22b,22d,23a,30は、基部2の対向する上に、スクロールニブ53とデジタルインクライティングニブ21の両方を同様に装備するデバイス1を示す。各デバイス1,54では、デバイス1,54の下面が作業表面と同一平面に置かれた状態で使用される間に、作業表面との接触を防止するために、デバイス1,54の下面から、ニブ53の遠位部分が持ち上がるように、スクロールニブが、位置決めされ、向けられる。
【0255】
デバイスは、専用接触センサ、ニブ53と作業表面との接触(又は著しい近接性)を始動すること、既存の接触センサに対する入力の組合せ、及び/又は、デバイス(1,54)を傾斜させることを含む、いくつかの手段によって、「文書ナビゲーションモード」に置かれてもよい。そのため、ニブ53自体が、タッチ接触と「クリック作動」とを識別することが可能な接触センサであってよい。そのため、デバイス1を考えると、2つの状態、「タッチ」及び「クリック」が設けられ、それぞれ、作業表面上で「ホバーリング」、又は、作業表面にタッチすること、及び、作業表面上でニブ53を押さえることによる「クリック」作動に対応する。図30aは、基部が作業表面55と同一平面にある状態で、ポインタナビゲーションモードにあるデバイス1を示す。デバイス1の後部のスクロールニブ53の先端は、作業表面55と接触がないままである。図30bは、スクロールニブ53の先端が作業表面55に接触した(又は、近くに隣接した)状態で、デバイス1を後方へ傾斜させることによって誘発される「文書ナビゲーションモード」で動作する同じデバイス1を示す。
【0256】
方法はまた、ペンポインティングデバイス(図示せず)によって容易に実施されることができ、文書ナビゲーションモードは、接触センサを、ペンのバレル上又はキーボード上に押え付けるか、あるいは、ボタンを別個のデバイス(たとえば、モバイルデバイス)に押え付けることによって発動されてもよいことが理解されるであろう。ニブ先スクローリングを実施するように構成されたタブレットPC(又は、スタイラスを有する他の可搬型デバイス)と共に使用されるこうしたペンは、現在利用可能な「スクロールバー」スクローリング方法と比べて、文書をナビゲートする実質的により効率的な手段を提供するであろう。
【0257】
より詳細に方法を考える。
ニブ先53が、作業表面に接触して、又は、その近くに置かれると、ホストコンピュータ(図示せず)は、「文書ナビゲーションモード」に入り、オンスクリーンポインタは、文書ウィンドウの中央にセンタリングされる、スパイク付き外部環状リング(図31に示す)を有するクロスヘアターゲット56に変化する。多くの代替のグラフィック表現が可能であり、本発明は、本明細書に述べる例示的な実施形態に限定されないことが理解されるであろう。
【0258】
図32に示すフローチャートは、方法に関連する制御プロセスの一実施形態を示し、方法では、最初に(ステップ57)、文書ナビゲーションモードに入るユーザの意図を示すために、ニブ先53が、作業表面55に接触しているか、又は、作業表面55に十分に近接しているかについての判定が実施される。肯定的である場合、文書ナビゲーションモードが誘発され(ステップ58)、オンスクリーンポインタは、文書の中心に好ましくは配置される、スパイク付きクロスヘアシンボル56に変化する。方法の一実施形態では、次のステージ(ステップ59)は、ニブ先端53接触センサによって、ユーザによる作動入力のタイプを判定する。ニブ先端53は、
−ダブルクリックされるか、又は、1回クリックされ、解除される(ステップ60)か、−ダブルクリックされ、保持される(ステップ61)か、又は、
−1回クリックされ、保持される(ステップ62)
のいずれかが行われてもよい。
【0259】
一実施形態では、ユーザが、ダブルクリック又は1回クリックし、解除し(ステップ60)、クロスヘア56を中心点に移動させる場合、閲覧される文書は、新しいクロスヘアカーソル56位置に基づいてセンタリングされ、ダブルクリック及びホールド(ステップ61)は、以降でより詳細に述べるように、「ズームモード」を誘発し、一方、一回クリック及びホールド(ステップ62)は、以下で拡張されるように「スクロールモード」に入る。
【0260】
誘発後、スクロールモード(ステップ62)は、(図33に示すように)ユーザがニブ先端53センサによって入力するタイプに依存して、異なるように実施される。一回クリック及びホールド(ステップ62)後、クリックが、クロスヘアポインタ56がまだセンタリングされた状態で実施されたかどうか、又は、ユーザがカーソルを移動させたかどうかについての判定が行なわれる(ステップ63)。ステップ63の結果がYESである(すなわち、クロスヘアポインタ56がまだセンタリングされている)場合、プログラムは、文書が、ターゲット位置に基づいてセンタリングされることになる、「フリーフォームスクローリング」に入り、後続のいずれの方向におけるいずれの移動も、その方向におけるロックされないスクローリングをもたらす。ステップ63の結果がNOである場合、プログラムは、以下でより完全に述べる「永久スクローリングモード」に入る(ステップ65)。
【0261】
スクロールモードに入った62後、2つのさらなる代替の入力が可能である。ユーザは、実質的に上又は下「フリング」66と一緒に一回クリックを、又は、別法として、一回クリックと実質的に左又は右「フリック」67を実施してもよい。「フリック」及び「フリング」という用語は、本質的に同じアクションであるが、異なる方向であることを示す、純粋に暗示的なラベルである。「フリング」66は、一回クリックに続く上又は下への短時間の迅速移動(ポインタのスパイク付きリング56を回転することを表す) であり、文書の始め/終わりへ、文書を迅速にスクロールする(ステップ68)ために(好ましくは、ユーザによって)定義されることができる。相応して、左/右「フリック」67は、ユーザが定義した量だけ文書を移動させ(ステップ69)、ページを上/下に移動させることを含んでもよく、本のページをフリックする行為を表す。
【0262】
ニブ先53が、作業表面に押し付けられ、保持された後の永久スクローリングモード(ステップ65)では、スパイク付きリングクロスヘアカーソル56は、3次元(3D)表現70(図34〜36,38に示す)によって置換えられる。スクローリング方向を示すために、ユーザが、ニブ先53をいずれかの方向に移動させるときに、永久スクローリングの新しい「定義された」方向にリング70の平面を整列させるために、スパイク付きリング70は、スクリーンの平面内の軸を中心に回転するであろう。一部のアプリケーション、たとえば、スプレッドシート又はワープロにおいて、永久スクローリングの許容可能な方向を垂直又は水平面に制限することが好ましい。
【0263】
あるいは、永久スクローリングは、最初の定義段階中に、ユーザがニブポインタを移動させる任意の方向にロックされてもよい。図34は、ほぼ上の方向に、また、垂直から45°で左にロックされたスパイク付きリングを示し、一方、図35は、垂直下方向にロックされたスクローリングを示し、図36は、水平面内で右方向にロックされたスクローリングを示す。スクローリング方向を設定する最初の移動後に、リング70は、ロックされた方向におけるスクローリング量を示すために、その幾何学的中心を通る軸を中心にして「回転する」(スクリーン上でアニメーション化される)ことになる。スクローリング方向は、ここで、最初の回転と同じ方向にロックされ、
−ニブ先53が作業表面から持ち上がるまで、又は、
−ユーザが「バックトラックする」(以下で述べる)まで
ロックされたままになる。
【0264】
しかし、永久スクローリングの方向を、取り消す、休止する、かつ/又は、反転する代替の手段が可能であることが理解されるであろう。スクローリングの方向をロックすることは、永久スクローリングの強力な態様であり、ユーザが、文書を通してスクロールするために、種々の人間工学的に有効なデバイス1移動(特に、回転移動)を入力することを可能にする。
【0265】
たとえば、スクロールダウンするために、デバイス1移動速度によって決まる速度での永久下方スクローリングをもたらすことになる、(好ましくは)円移動を開始する前に、ユーザは、ニブ先53を作業表面55上に「打ち込み(plant) 」、下に移動させるであろう。ユーザは、個人の好みに応じて、反時計方向又は時計方向に(どちらの方向がより快適と感じても)円移動を開始することができるが、スクローリングは、下方位置にやはりロックされるであろう。図35はまた、下方スクローリングを示すために、スクリーンの平面内でさらに回転するスパイク付きリング70と一緒に、わずかな量の下方スクローリングを達成するための、ニブ先53の2つの代替の経路を示す。スパイク付きリング70上の矢印マーク72は、スクローリング方向を示す。
【0266】
実際のスクローリング距離は、ニブ先53が進行する距離に直接対応するか、又は、乗算器、たとえば、
スクローリング距離=ニブ先53の距離*定数
によって修正されてもよい。水平に、たとえば、右にスクロールするために、ユーザは、ニブ先53を押下し、デバイス1を右へ移動させ、その後、図36に示す円移動を行う。
【0267】
永久スクローリングのロックされた方向を反転するか、又は、変更するために、いくつかの異なる手段が採用されてもよく、本発明は、どの1つの方法にも限定されない。一実施形態では、方向に関わりなく、ニブ先53のいずれの移動も、ロックされた方向のスクローリング移動に寄与する場合がある。こうした構成は、特定の接触センサ入力又はデバイス1からの入力の組合せなどの、ロックされたスクローリングを出るか、又は、それを反転させる外部手段を必要とするであろう。
【0268】
代替の実施形態では、ユーザは、デバイス1を使用して移動を「バックトラッキングする」ことによって、「ロックされたスクローリングモード」にまだある間に、スクローリング方向を反転することができる(すなわち、180°方向変化)。ロックされたスクローリング移動が、仮想「ジョグダイアル」として可視化される場合、バックトラッキングは、他の方向に「ダイアルを回す」ことであると考えられてもよい。図37aは、ニブ先トラック71がX平面とY平面の両方で同時に方向を反転する、バックトラッキングの例を示す。対照的に、図37bは、回転方向は反時計方向から時計方向に変化するが、方向反転は、任意所与の時間に、両方ではなく、X軸かY軸のいずれかで起こるだけである、ニブ先トラック71を示す。こうして、図37bに示すトラック71は、反転無しで、一方向のロックされたスクローリングを生成するだけである。ホストコンピュータ(図示せず)はまた、「バックトラッキング」移動を判定するために、回転するニブ先53を認識し、分類するようにプログラムされてもよいが、問題を、X軸移動とY軸移動に分解することが、計算的に容易である。
【0269】
なおさらなる実施形態では、スクローリング方向の反転又は「バックトラック」は、ユーザが、ニブ先トラック71を反転し、逆経路に追従する、任意の移動として定義されてもよい。これは、ユーザが、所望するいずれのパターン又は移動に追従することも可能にし、また、直感的な移動によるバックトラックを可能にする。こうした実施形態は、アクションが有効なバックトラックと考えられるように、ニブ先トラック71を反転して再トレーシングするときのユーザの精度について定義可能な許容差を組み込むように構成されてもよい。
【0270】
「イメージ」からなる文書をスクローリングするための典型的なシーケンスは、デスクトップなどの作業表面55上でニブ先53を押し付け、それに続いて、デバイス1を一方向に移動させることで始まる。デバイス1が、デスクトップ空間を使い尽くすため、ユーザは、回転移動を始めることになるが、文書は、最初のスクローリング方向でスクロールし続けるであろう。スクローリング「ターゲット」(すなわち、スクローリング「デスティネーション」又はユーザの関心点)が、スクリーン上にあるとき、ユーザは、ニブ先53を持ち上げ、スクリーン上に「クロスヘア」照準を示す表面上でニブ先を浮遊させることになる。ユーザは、その後、ニブ先53を(表面の上に)移動させ、オンスクリーンターゲットがクロスヘア56の下にあるときに、ニブ先53を押下する。これによって、文書上のターゲットが、スクリーン/ウィンドウの中心に整列することになる。
【0271】
(ニブ先53が、「 押下される(held down)」)永久スクローリング中、ユーザはまた、上述したように、左/右「フリック」(次のページ/前のページ)又は「フリング」を実施してもよい。たとえば、上又は下フリングは、この場合、現在のロックされたスクローリング方向で文書を縁へ「フリングする」であろう。
【0272】
図38に示すように、スクリーンウィンドウ73内のスクローリングカーソル(すなわち、スパイク付きリング70)のスクリーン位置はまた、文書全体に関してスクリーンウィンドウ73の現在の位置を表すのに使用されてもよい。図38に示す例では、ウェブページをたった今ロードしたウェブブラウザは、ビューウィンドウ73より3倍高い。図38a〜38cは、ロックされた永久スクロールモードで、上部(図38a)から底部(図38c)まで文書をユーザがスクロールダウンするシーケンスを示す。
【0273】
スパイク付きリング70は、ウィンドウ73の上部でy軸に沿って整列し、x軸の中心にも整列する。このx及びy軸整列は、閲覧されるスクリーンが、文書の最も上の部分にあり、ウィンドウ73が、文書幅の100%を表示するために、x軸にわたってセンタリングされることを示す。
【0274】
ユーザがスクロールダウンするときに、スパイク付きスクロールホイール70は、ウェブ文書の中間点(図38b)において、カーソル70が、y軸でセンタリングされるように「ロールダウン」する。相応して、ユーザが、文書の端に達する(図38c)ため、リングカーソル70は、ウィンドウ73の最も下の部分にローリングした。こうして、スクリーンウィンドウ73上でのカーソル70の移動は、共通スクロールバースライダボタンのY軸視覚ロケーションを提供するだけでなく、X軸視覚ロケーションも提供する。そのため、ウィンドウ73は、従来のスクロールバーの無い状態で表示されてもよく、したがって、モバイルコンピューティングデバイス上での小さなスクリーンディスプレイにとって特に有益であるスクリーンエリアを開放する。
【0275】
ユーザが、ニブ先53をまだ押下しながら、(通常、回転移動を止めることによって)所与の方向のスクローリングを止める場合、スパイク付きリングカーソル70は、フェージングし/消えることになり、移動が再び検出されるとすぐ、再び現れることになる。スクローリングは、その後、先にロックされたスクローリング方向に継続することになる。一実施形態では、再開直後に生成されたいずれのバックトラック移動も無視される。これは、スクリーンが非アクティブである期間後に、意図しないスクローリング方向反転の作用によってユーザが混乱することを回避する。
【0276】
図39は、(たとえば)ダブルクリックとニブ先53センサのホールド作動によるか、又は、別法として、第2ニブ先53の作動によって誘発されてもよい、図33で導入されるズームモード(ステップ61)についてのフローチャートを示す。異なるオプションは、永久ズーミングモード(ステップ75)を誘発するダブルクリックとホールド74によるか、又は、ブロックズーム機能(ステップ77)を誘発するダブルクリックと「フリング」移動76によって得られてもよい。
【0277】
永久ズーミングモード75では、スクリーンカーソルは、スクローリングクロスヘアカーソル56と類似の、図40のスパイク付きリング78によって置換えられるが、クロスヘアは、単一対角クロスヘア80上に配置されたカーソル78の中心の2重矢印付き要素79によって置換えられる。ズームカーソル78は、ニブ先53が作業表面上を浮遊するときに現れるクロスヘアカーソル56を置換える。ユーザが、クロスヘア56を中心点から移動した場合、閲覧される文書は、図32のフローチャートのステップ60により、新しいクロスヘアカーソル56に関してセンタリングされることになる。
【0278】
示す実施形態においてズーミングを誘発するために、ユーザは、上方向か右方向のいずれかに最初の移動を実施し、ズームアウトするために、ユーザは、下方向又は左方向移動で始める。ズームイン又はズームアウトをトリガーするために、代替の移動が定義されてもよいことが容易に理解されるであろう。上か、下か、左か、右を選定する移動の分類は、ユーザによってプリセットされるか、又は、定義されてもよい。そのため、たとえば、135°〜315°の移動(0°は、真上である)は、上方向移動として定義されてもよい。永久スクローリングにより、永久ズーム(イン又はアウト)方向は、ニブ先53の移動の最初の分類によってロックされる。こうして、円/弧移動がズームアウトを定量化する前の、ニブ経路71の最初の下方成分によって、図41のトラック71は、永久ズームアウトアクションを生成することになる。ズーミング中、スパイク付きリング78は、図42a〜c)の図のシーケンスに示す、単一クロスヘア軸80を中心に回転する、3Dアニメーションを表示する。デバイス1を介したバックトラッキング入力は、永久スクロールモードに匹敵する方法でズーム方向を再び反転することになる。
【0279】
(図43に示す)さらなる実施形態では、ズーミングアウト動作は、「ロックされた境界」81、すなわち、ユーザが、ズームアウトを実施する前にウィンドウ73に隣接するスクリーンウィンドウ73の部分(通常、四角形)を生成し、表示する。ユーザがズームアウトするとき(引き続き図43a〜43cに示す)、ロックされた境界81は、ズームアウトプロセス中のスクリーンイメージの残りに対応してサイズが減少するスクリーンイメージ上に残る。
【0280】
所望のズームアウトレベルが達成されると、ユーザは、ニブ先53を解除する(持ち上げる)ことができ、その時点で、カーソルは、クロスヘア56に戻る。しかし、スケーリングされたロックされた境界81はまた、カーソル56の一部となり、カーソル53移動と共に移動する。そのため、ユーザは、通常のポインティング又はクリッキングに戻るオプションか、又は、ニブ先(図43e)を押下する前に新しいスクリーン位置(図43dに示す)に(浮遊しながら)ロックされた境界を移動させるオプションを有する。これは、ロックされた境界81の最初の作成時に存在する同じズームレベルまで、ロックされた境界81によって境界付けられたエリアに対してズームインする。
【0281】
ウィンドウ73内のイメージ(又はテキスト)が識別不可能になるか、又は、識別するのが難しくなる点まで、ロックされた境界81が、ズーミング中に減少する場合、ロックされた境界81は、ニブ先53が作業表面から持ち上げられるときに、「拡大鏡」になる。そのため、2つの境界、前のズームレベルのままである「ロックされた境界」と拡大イメージの縁82を囲む別の境界が存在する。ボックスは、イメージの上を移動するにつれて、図43fに示されるように、拡大したイメージボックス内部に拡大イメージを示すことになる。
【0282】
図44は、自動タイリング用のなおさらなる実施形態を示す。比較的に「幅広で短い」又は「幅が狭く長い」文書は、ズームアウト時に、大量の未使用エリア又は「空白空間」を作る傾向がある。この空間は、通常、文書の比率に応じて、両側又は文書の上/下に配置される。ニブ先スクローリング/ズーミング方法は、この未使用スクリーンエリアを十分に利用するために、イメージを自動的にタイリングすることができる。たとえば、非常に幅広のパノラマ写真(図示せず)の場合、イメージの上/下に十分な空白空間が存在する場合、イメージは、2つに分割されることになる。イメージの左手側は、上部になり、右手は底部になることになる。
【0283】
「テキストベース」である文書は、通常、非常に「スキニーで高い」。そのため、ユーザが、文書83からズームアウトするにつれて、現在の位置の上83と下84の文書の複数の部分は、左から右へ、上部から底部へ割り付けられることになる。ページング情報を含む文書の場合、境界は、ページの周りに置かれることができる。
【0284】
一実施形態では、タイリングレイアウトは、文書が始めて開かれるか、又は、文書全体のサイズが変更されるときにだけ、求められ、定義される。文書は、その後、全体の(ズームアウトされた)文書の閲覧中に、利用可能な空間の最も効率的な使用に従って割り付けられる。タイリングのために文書を分割するのに、不十分なページしか利用可能でない場合、ユーザは、タイリングが起こる前にプロンプト表示して確認を指示されてもよく、単一の利用可能な「ページ」は、2つに分割される。たとえば、パノラマ写真は、実際に、「1ページ」であり、したがって、ユーザは、最初に、タイリングが起こる前に、イメージを分割して欲しいかどうかを尋ねられることになる。永久スクローリング及びズームモードにより、タイリング中に、ユーザは、最大の利用可能な程度までズームする(上述した)「フリングアウト」か、又は、「フリングイン」を実施して、前のズーミングを取り消し、元の位置に戻ってもよい。
【0285】
上述したスクローリング、ズーミング、及びタイリングの実施形態は、従来技術に比べていくつかの利点を持つ。
専用ボタンと対照的に、独立のニブ先53によって、「ロックされたスクローリングモード」が作動されるようにすることは、特に、このモードが、通常、長い期間にわたって維持されることになり( たとえば、長い文書又はウェブページを読み、スクロールする) 、したがって、必要となる最低の持続的な力を使用することが望ましいため、改善された人間工学的要件を提供する。永久スクローリングは、デバイス1が、その物理的移動の端(たとえば、マウスパッドの縁)に達したときに、ユーザが、「ピックアップ、プットダウン」アクションを実施しなければならないことを回避する。ユーザは、物理的に、「ドローイング」する「円」のサイズが可変であるため、スクローリングの量についての広い範囲の制御を行うことができる。すなわち、より速くスクロールするために、より大きな円移動を行うことができる。
【0286】
スクロールホイールは、文書を読取るのに非常によく使われるが、1つのタイプのスクローリング、すなわち、文書読み取りに好適であるだけである。スクロールホイールはまた、人差し指移動の半分が、「再位置決め」(指を元の上部に移動させること)において無駄になるため、デバイス1移動をデバイス移動量情報に変換するときに50%の効率を持つだけである。対照的にニブ先方法は、100%の効率を有する。すなわち、全てのデバイス1移動は、スクローリング移動に変換されると共に、著しく広い範囲のスクローリング速度及び方向を持つ。
【0287】
従来の左マウスクリックが、「クリックアンドホールド」位置において行われるままとなることを可能にする専用接触センサ(及び指又は親指)を持つことは、ユーザが、スクローリングを必要とする非常に効率的で「広範囲の選択」を行うことを可能にする。これは、(左マウスボタン7又は等価物をクリックし、保持することによる)選択プロセス及び(ニブ先53を使用した)スクローリング/ズーミングプロセスが独立であることによる。したがって、可視ウィンドウより大きな選択を行うことが、著しく改善される。スプレッドシートなどのアプリケーションはまた、X軸ならびにY軸における効率的なスクローリングのために利益になる。同様に、現在閲覧している文書を超えて拡張する「広範囲の選択」動作が、容易に実施される。
【0288】
上記スクローリング方法はまた、ポケットPC又はスタイラスを有する電話などの可搬型コンピューティングデバイス上のペンデバイス(図示せず)に関して特に有用である。スクリーンサイズは、本来小さいため、たとえば、高度な垂直及び水平スクローリングが必要とされることが多い、典型的なウェブページをブラウジングするときのスクローリングについて不可避の要件が存在する。こうした実施形態では、デバイスは、タッチセンサを有する「スクロールボタン」を設けられることになり、タッチは、ペン上での「ホバーモード」を指示し、「クリック」は、ニブ押下モードであることになる。
【0289】
スクローリング/ズーム方法は、
−ボリュームスライダコントロールなど、
−標準的なメニュー選択(たとえば、「ファイル」をクリックし、次に、「としてセーブする」ために「スクロール」ダウンする)、
−「ドロップダウンリスト」(たとえば、ウェブブラウザの「アドレス」フィールドに示される最新のURLのリスト)の選択、
−ファイル管理フォルダ、特に、サムネイルイメージなどを組み込むフォルダのナビゲーション及び検査
などの、値を増減する要件を有する多くの他のGUIコントロールに適用されてもよい。
【0290】
本発明の態様は、例としてだけ述べられており、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に対して変更及び追加を行ってもよいことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0291】
【図1a】コンピュータポインタデバイスの本発明の第1の好ましい実施形態の平面図である。
【図1b】図1aに示す実施形態の左側面図。
【図1c】図1aに示す実施形態の右側面図。
【図1d】図1aに示す実施形態の正面図。
【図1e】図1aに示す実施形態の後面図。
【図1f】本発明のさらに好ましい実施形態の前面/右側面図。
【図1g】図1fに示す実施形態の右側面図。
【図1h】図1fに示す実施形態の後面図。
【図1i】図1fに示す実施形態の左側面図。
【図1j】図1fに示す実施形態の正面図。
【図2】ユーザの親指が親指係合表面に係合した状態の図1fに示すデバイスの図。
【図3】ユーザの人差し指とも係合した図2に示すデバイスの図。
【図4】キーボード上でのタイピング中に使用中の図1fに示すデバイスの図。
【図5a】ユーザが、親指、人差し指、及び中指でデバイスを作動する、図4に示す実施形態を示す図。
【図5b】切頭の空白バーを有するキーボードによる、さらなる実施形態を示す図。
【図6a】短縮されたニブ/スタイラス及びベース内の中指凹所を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図6b】短縮されたニブ/スタイラス及びベース内の中指凹所を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図6c】短縮されたニブ/スタイラス及びベース内の中指凹所を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図6d】短縮されたニブ/スタイラス及びベース内の中指凹所を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図6e】短縮されたニブ/スタイラス及びベース内の中指凹所を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図6f】短縮されたニブ/スタイラス及びベース内の中指凹所を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図7a】ユーザが従来のペンを保持する従来技術の図。
【図7b】ユーザが従来のペンを保持する従来技術の図。
【図8a】ハンドライティングモードにおいてユーザの右手に保持された本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図8b】ハンドライティングモードにおいてユーザの右手に保持された本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図9a】伸張したニブ/スタイラス部分を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図9b】伸張したニブ/スタイラス部分を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図9c】伸張したニブ/スタイラス部分を有する、本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図10a】対称な両手ききデバイスの形態の本発明の斜視図。
【図10b】図10aに示す実施形態の平面図。
【図10c】ユーザの右親指によって、使用のために係合した、図10aに示す実施形態を示す図。
【図11a】従来のマウスケーブルと一緒の、図10の実施形態を示す図。
【図11b】従来のマウスケーブルと一緒の、図10の実施形態を示す図。
【図11c】従来のマウスケーブルと一緒の、図10の実施形態を示す図。
【図11d】使用中の図11の実施形態を示す図。
【図12a】使用中の図11の実施形態を示す図。
【図12b】使用中の図11の実施形態を示す図。
【図13a】本発明のさらなる実施形態を示す左斜視図。
【図13b】本発明のさらなる実施形態を示す右斜視図。
【図14a】本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図14b】本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図15a】本発明のさらなる好ましい実施形態の右/後斜視図。
【図15b】図15aに示す実施形態の左/前斜視図。
【図16a】連続する展開段階のうちの1つの段階における、図15a〜15bに示す実施形態からの伸縮自在スタイラを示す図。
【図16b】連続する展開段階のうちの1つの段階における、図15a〜15bに示す実施形態からの伸縮自在スタイラを示す図。
【図16c】連続する展開段階のうちの1つの段階における、図15a〜bに示す実施形態からの伸縮自在スタイラを示す図。
【図16d】連続する展開段階のうちの1つの段階における、図15a〜bに示す実施形態からの伸縮自在スタイラを示す図。
【図16e】連続する展開段階のうちの1つの段階における、図15a〜bに示す実施形態からの伸縮自在スタイラを示す図。
【図16f】図16a〜eに示すボタン機構の拡大スクラップ図。
【図17a】「ポインティング」モードで動作する図15a〜bに示す実施形態の斜視図。
【図17b】「ポインティング」モードで動作する図15a〜bに示す実施形態の斜視図。
【図18a】「デジタルインク」モードで動作する図15a〜bに示す実施形態の斜視図。
【図18b】「デジタルインク」モードで動作する図15a〜bに示す実施形態の斜視図。
【図19a】本発明のさらなる好ましい実施形態の後右斜視図。
【図19b】図19aに示す実施形態の前斜視図。
【図19c】図19a〜bに示す実施形態の前左斜視図。
【図20a】本発明のさらなる好ましい実施形態の前左図。
【図20b】図20aに示す実施形態の右側面図。
【図20c】図20aに示す実施形態の正面図。
【図20d】図20aに示す実施形態の平面図。
【図20e】図20aに示す実施形態の下側平面図。
【図21a】調整可能な親指保持部分を組み込むさらなる好ましい実施形態の後斜視図。
【図21b】ユーザの親指が親指係合部分に係合した状態で使用中の、図21aの実施形態を示す図。
【図22a】拡大された親指保持部分を有する、さらなる実施形態の前斜視図。
【図22b】拡大された親指保持部分を有する、さらなる実施形態の後斜視図。
【図22c】ユーザの親指が親指係合部分によって保持された状態で使用中の、図21a〜bの実施形態を示す図。
【図22d】ストラップ親指保持部分を有する、さらなる実施形態の後斜視図。
【図22e】ユーザの親指が親指係合部分によって保持された状態で使用中の、図21dの実施形態を示す図。
【図23a】拡大した固定親指保持部分及び2重位置ロッカースイッチを組み込む、さらなる実施形態の後斜視図。
【図23b】使用中の図23aに示すデバイスを示す図。
【図24a】照明可能な部分を含む構成可能なキーe、d、s、fを有する、本発明による使用のために最適化されたキーボードを示す図。
【図24b】照明可能な部分を含む構成可能なキーe、d、s、fを有する、本発明による使用のために最適化されたキーボードを示す図。
【図25a】折畳み式ディスプレイ及びポインティングデバイスを収容する凹所を含む可搬型ホストコンピュータを含む本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図25b】折畳み式ディスプレイ及びポインティングデバイスを収容する凹所を含む可搬型ホストコンピュータを含む本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図25c】折畳み式ディスプレイ及びポインティングデバイスを収容する凹所を含む可搬型ホストコンピュータを含む本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図26a】仮想キーボードを組み込むスクリーンディスプレイを組み込む本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図26b】仮想キーボードを組み込むスクリーンディスプレイを組み込む本発明のさらなる実施形態を示す図。
【図27a】デバイスから横方向に突出する仮想オンスクリーンポインタスティックを組み込むポンティングデバイスのさらなる実施形態を示す図。
【図27b】デバイスから横方向に突出する仮想オンスクリーンポインタスティックを組み込むポンティングデバイスのさらなる実施形態を示す図。
【図27c】デバイスから横方向に突出する仮想オンスクリーンポインタスティックを組み込むポンティングデバイスのさらなる実施形態を示す図。
【図28a】ポインティングデバイスと独立に表示された、図27に示すオンスクリーン仮想ポインタスティックを示す図。
【図28b】ポインティングデバイスと独立に表示された、図27に示すオンスクリーン仮想ポインタスティックを示す図。
【図28c】図27に示すオンスクリーン仮想ポインタスティックについてのオフセット較正を示す図。
【図28d】図27に示すオンスクリーン仮想ポインタスティックについてのオフセット較正を示す図。
【図29】スクローリングニブポインタを組み込む従来の2ボタンマウスを示す図。
【図30a】ポインタナビゲーションモードで使用中の、図23に示す本発明の実施形態を示す図。
【図30b】文書ナビゲーションモードで使用中の、図23に示す本発明の実施形態を示す図。
【図31】クロスヘアスパイク付きリングカーソルを示す図。
【図32】スクリーンインタフェース制御フローチャート。
【図33】さらなる実施形態による、スクロールモードのフローチャート。
【図34】スパイク付きリングカーソルを示す図。
【図35】図34のスパイク付きリングカーソル及び例示的なニブ先トラックのさらなる図。
【図36】さらなるニブ先トラックの図及び水平スクロール位置におけるスパイク付きホイールカーソルのさらなる図。
【図37a】バックトラック移動を受けるニブ先トラックを示す図。
【図37b】バックトラック機能を受けない状態で、回転方向の変化を受けるニブ先トラックを示す図。
【図38a】本発明の実施形態による、ウェブ文書スクリーンスクローリングを示す図。
【図38b】本発明の実施形態による、ウェブ文書スクリーンスクローリングを示す図。
【図38c】本発明の実施形態による、ウェブ文書スクリーンスクローリングを示す図。
【図39】本発明によるズームモードを表す下位の図。
【図40】ズームモードスクリーンカーソルを示す図。
【図41】ズームモード動作に関連する例示的なニブ先トラックを示す図。
【図42a】クロスヘア軸を中心とする連続した回転を受ける、図40についてのスクリーンカーソルを示す図。
【図42b】クロスヘア軸を中心とする連続した回転を受ける、図40についてのスクリーンカーソルを示す図。
【図42c】クロスヘア軸を中心とする連続した回転を受ける、図40についてのスクリーンカーソルを示す図。
【図43a】本発明によるズーム制御機能を生成する、コンピュータウィンドウスクリーンを示す図。
【図43b】本発明によるズーム制御機能を生成する、コンピュータウィンドウスクリーンを示す図。
【図43c】本発明によるズーム制御機能を生成する、コンピュータウィンドウスクリーンを示す図。
【図43d】本発明によるズーム制御機能を生成する、コンピュータウィンドウスクリーンを示す図。
【図43e】本発明によるズーム制御機能を生成する、コンピュータウィンドウスクリーンを示す図。
【図43f】本発明によるズーム制御機能を生成する、コンピュータウィンドウスクリーンを示す図。
【図44】本発明のズームモード機能に従って表示されるタイリングされた文書を示す図。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業表面にわたる摺動のために適切な下面を有する基部と、
尾根状部と、前記尾根状部は前記基部から略上方に突出し、かつ、前記尾根状部の第1側面上に親指係合表面を有することと、
前記尾根状部の前記第1側面に対向する第2側面上に、少なくとも1つの人差し指先端係合表面、及び中指先端係合表面の少なくとも一方とを備える、コンピュータポインティングデバイス。
【請求項2】
少なくとも1つの接触センサと、
作業表面に相対したデバイスの移動を検出し、デバイス移動量情報を生成することが可能な移動量センサシステムと、
デバイス移動量情報及び接触センサ信号をコンピュータ及び関連するディスプレイスクリーンに通信して、それぞれ、オンスクリーンポインタ移動及び入力コマンド信号を前記コンピュータへ提供することが可能な通信手段とを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記下面は、ほぼ平坦であるか、又は、1つ以上の凸状部分を有するように構成される請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記デバイスは、複数の接触点にて支持されている前記作業表面上に載置可能であるように構成され、前記複数の接触点は集合的に接触平面を画定し、前記接触点は、
前記下面の1つ又は複数の部分、及び、前記デバイスから延伸する少なくとも2つの突出部の先端部、又は、
少なくとも3つの前記突出部、のいずれかを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
指先端係合表面は、少なくともわずかに窪んでいる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記親指係合表面の少なくとも一部は、上方を面し、接触センサの作動中に、ユーザがデバイスを安定させるために下方を指向して圧力を加えることを可能にさせる、請求項2〜4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記尾根状部は、ユーザの親指と1つ又は複数の指との間で、過回内又は過伸展が無い状態で、ほぼ中立かつ未屈曲の位置にて把持される構成、及び寸法に形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記デバイスは、作業表面上に力を抜いた状態で置いた手の、対向する親指と他の指との間の間隙にほぼ嵌合する構成、及び寸法に形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスは、その質量中心及び体積中心の少なくとも一方が、前記親指係合表面と前記指先端係合表面との間にあるように形成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記親指係合表面及び前記指先端係合表面のうちの少なくとも一方は、前記基部のほぼ平坦な下面に略平行な平面内にて設けられる、請求項1〜9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記親指係合表面及び前記指先端係合表面のうちの少なくとも一方は、使用時に、前記人差し指先端係合表面上に置かれた人差し指先端が、前記中指先端係合表面上に置かれた中指先端の上に少なくとも部分的に重なるように設けられる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記親指係合表面及び前記人差し指先端係合表面は、デバイスが、ユーザの親指と人差し指との間でペンを持つ握り方で把持されるように、空間的に配列され、分離される、請求項1〜11のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスの移動は、ペンを持つ握り方を実施するユーザによって2次元又は3次元で制御されることが可能である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
人差し指先端係合表面は、中指先端係合表面の上に位置決めされる、請求項1〜13のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記親指係合表面に関連する親指保持部分を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項16】
親指保持部分は、
前記尾根状部に対して前記親指係合表面の対向する側面上に配置されるリップ、隆起部、突出部、又は持ち上がった縁部分と、
親指係合表面の縁に沿って配置され、親指係合表面に当たって位置決めされた親指のある部分を少なくとも部分的に覆い、又は重なるように構成された細長い隆起部と、
親指係合表面の上部縁及び/又は下部縁に沿って配置され、親指係合表面に当たって位置決めされた親指のある部分を少なくとも部分的にオーバハングする/オーバラップするように構成された少なくとも部分的に弾性のある細長い隆起部と、
遠位指骨親指部分を保持する凹所と、
親指中手骨領域を包む保持用要素、クリップ、又はストラップと、
挿入される親指部分を収容することが可能な細長い開口と、
親指指骨の1つ又は複数の部分の周りに着脱自在に固定されることが可能なクリップ、ストラップなどと、
弾性であること、可撓性であること及び、摩擦が大きいことのうちの少なくとも1つの特性を有する表面と、のうちのいずれか1つを含む請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記親指保持部分は、親指係合表面全体に隣接するか、又は、親指係合表面全体の一部の部分のみを形成する請求項15又は16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記親指保持部分は、
弾性要素及び/又は移動可能要素であるか、
前記親指係合表面に対して下方端に枢動可能に取り付けられるか、
柔軟性があり、ユーザによって形作られることが可能か、
ユーザの親指の方へばね付勢されるか、又は、
それらの任意の組合せである請求項15〜17のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項19】
実質的に平坦な基部下面の周辺縁は、斜角を付けられ、丸みを付けられる、又は、その他の方法で、凹凸のある表面にわたって滑らかな摺動を促進するように構成される請求項3に記載のデバイス。
【請求項20】
平面図で、親指係合表面及び人差し指先端係合表面の位置は、デバイスの前方先端の方に配置される請求項1〜19のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項21】
親指係合表面及び人差し指先端係合表面は、親指と人差し指の間、及び親指と中指の間のうちの少なくとも一方のピンチングアクションによってのみ、デバイスの移動及び持ち上げを容易にするような寸法に形成されている尾根状部の横幅によって分離される、請求項1〜20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項22】
前記横幅は、実質的に、20mm以下である請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
親指係合表面及び人差し指先端係合表面のうちの少なくとも一方の前記下面からの垂直高さは、実質的に平坦な基部下面の前記周辺縁間の最大分離より小さい請求項1〜22のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項24】
前記通信手段は、ワイヤレス無線送信機、赤外線送信機、導電性リード線、音響送信機、及び磁界からなる群から選択される、請求項2〜22のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項25】
前記移動量センサシステムは、電気光学センサ、電気機械ローラセンサ、移動式コイル及び磁界乱れセンサ、又は超音波三角測量のうちのいずれか1つを含む請求項2〜23のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項26】
いろいろな読取り深度での作業エリアにわたるデバイス移動は、前記下面上に配置される2つ以上の電気光学センサによって検知される請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記人差し指先端係合表面上に配置される人差し指先端接触センサ、
前記中指先端係合表面上に配置される中指先端接触センサ、及び
前記親指係合表面上に配置される親指接触センサのうちの少なくとも1つを含む請求項1〜26のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項28】
前記デバイス移動に対応する前記オンスクリーンポインタ移動は、人差し指先端及び中指先端のうちの少なくとも一方を、それぞれ、前記人差し指先端及び中指先端係合表面接触センサと接触して置くことのみによって生成される、請求項2〜27のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項29】
前記接触センサは、タッチセンサモードと「クリック」作動モードを含むデュアルアクションセンサである請求項2〜28のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項30】
前記2つ以上の接触センサは、個々の指先端係合表面及び親指係合表面のうちの少なくとも一方の上に配置される請求項2〜29のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項31】
指先端又は親指タッチ接触及びクリック作動は、単一の指先端又は親指係合表面内に配置された別個のセンサによって検出される請求項2〜28のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項32】
前記人差し指又は中指係合表面は、2つの独立した接触センサ、ロッカースイッチ又は2重位置スイッチを含む請求項2〜28のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項33】
親指接触センサは、ユーザの親指による、前記親指接触センサとの、それぞれ、接触/非接触に応じたデバイスのオン/オフ制御を可能にする請求項2〜32のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項34】
少なくとも1つの接触センサは、基部の平坦下面に実質的に直交しない動作軸を有する請求項2〜33のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項35】
少なくとも前記人差し指接触センサを作動させることが、ユーザの親指と人差し指との間での尾根状部のピニングアクションによって行われるように構成される、請求項2〜34のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項36】
前記親指及び人差し指は、前記人差し指接触センサを作動させるように位置決めされると、挟みグリップを形成する請求項2〜35のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項37】
デバイスから突出するようになっている少なくとも1つのニブ部分をさらに備える、請求項1〜36のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項38】
前記ニブ部分は、デバイスの一番先の地点に配置される請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記ニブ部分は、デバイスに取り付けられたスタイラスシャフトの先端に配置される請求項37又は38に記載のデバイス。
【請求項40】
前記スタイラスシャフト取り付け構成は、尾根状部の上部への取り付け、尾根状部と一体に形成されること、尾根状部への摺動式取り付け、及び、デバイスの一番先の地点における傾斜取り付けのうちの少なくとも1つを含む請求項37又は38に記載のデバイス。
【請求項41】
スタイラスシャフトは、デバイスの尾根状部を形成する請求項37又は38に記載のデバイス。
【請求項42】
1つ又は複数の接触センサは、前記スタイラスの外側の周りに配置される請求項37〜41のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項43】
前記スタイラス部分の位置は、ユーザにより可変である請求項39〜42のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項44】
前記ニブ部分は、前記基部の頂点に配置される請求項37に記載のデバイス。
【請求項45】
作業表面から基部の前記下面を少なくとも部分的に取り外すことによって、ハンドライティング/フリーハンド入力モードで動作可能である請求項37〜44のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項46】
デバイスを前記ニブ部分の周りに傾斜させることによって、ハンドライティング/フリーハンド入力モードで動作可能である請求項37〜44のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項47】
所定の作業表面に対する所定の近接位置内でデバイスニブの移動を検出し、オンスクリーンポインタ移動を生成するときに使用することが可能なデバイス移動量情報を提供することが可能な近接検知システムをさらに含むか、又は、前記近接検知システムと相互作用するように構成される請求項37〜46のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項48】
前記近接検知手段は、デバイス、作業表面、別個のユニット、又はそれらの組合せの中に配置される請求項47に記載のデバイス。
【請求項49】
所定の作業表面と接触して、又は、前記所定の作業表面のすぐ隣りで描かれる経路は、前記経路の対応するオンスクリーン表現に変換される請求項37〜48のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項50】
前記所定の作業表面は、ホストコンピュータに隣接して配置可能な別個の位置検知タブレット、ホストコンピュータキーボード又は隣接表面、又は、ディスプレイスクリーン表面である請求項48に記載のデバイス。
【請求項51】
前記基部は、デバイスが前記ハンドライティング/フリーハンド入力モードで使用されるときに、中指のある部分を収容するように形作られた中指凹所又はスロットを含む請求項46〜50のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項52】
前記中指凹所は、後方又は横周辺基部縁から内側に延びる前記デバイス基部内に、又は、前記デバイス基部を貫通して形成される請求項51に記載のデバイス。
【請求項53】
前記ハンドライティング/フリーハンド入力モードでの使用が、中指の上部表面用の支持を提供するために、尾根状部/基部内に形成された後方横中指凹所を含む請求項51又は52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記ハンドライティング/フリーハンド入力モードでの使用が、中指が親指の下に少なくとも部分的に延びることを可能にするために、尾根状部/基部内に形成された後方横中指凹所を含む請求項51〜53のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項55】
尾根状部の長手方向軸に直交する横断軸の周りで、尾根状部の中間地点に関して実質的に対称に構成される請求項1〜54のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項56】
請求項1〜55のいずれか1項に記載の、マウスデバイスとインタフェースするようになっているキーボード。
【請求項57】
隣接するキーボードキーにオーバラップすることなく、前記デバイスを押下するユーザの親指によって操作されるのに十分に拡大した空白バーキーを含む請求項56に記載のキーボード。
【請求項58】
空白バーキーを含んでおらず、空白バーコマンドは、前記親指係合表面上に配置された親指接触センサの作動によってのみ生成される請求項56に記載のキーボード。
【請求項59】
1つ又は複数のキーボードキーは、前記キーボードキーに対して変更された外観を表示し、また、1つ又は複数の接触センサのユーザによる作動に応答して、独特の入力機能を提供するように再マッピングされることが可能な構成可能な部分を含む請求項56〜58のいずれか1項に記載のキーボード。
【請求項60】
人差し指先端又は中指先端接触センサを作動させることが、前記変更された外観を作動させるように構成される請求項59に記載のキーボード。
【請求項61】
前記構成可能な部分は、照明可能な部分、LCDディスプレイ、電気光学ディスプレイのうちの1つ以上を含む請求項59又は60に記載のキーボード。
【請求項62】
前記キーは、ナビゲーションキーの外観を表示するか、又は、前記ナビゲーションキーに再マッピングされるように構成される請求項59〜61のいずれか1項に記載のキーボード。
【請求項63】
前記ナビゲーションキーは、前記デバイスを動作させるユーザの手に対して、ユーザのきき手でない手の側及び対向する手の側のうちの少なくとも一方のキーボード上に配置される請求項62に記載のキーボード。
【請求項64】
スクリーンディスプレイ上で仮想的に生成される請求項56に記載のキーボード。
【請求項65】
タッチスクリーンディスプレイ上で仮想的に生成される請求項56に記載のキーボード。
【請求項66】
親指接触センサのユーザによる作動によって、仮想的に生成される請求項64又は65に記載のキーボード。
【請求項67】
半透明であり、また、人差し指又は中指接触センサが作動するまで、スクリーン上に残る請求項64又は65に記載のキーボード。
【請求項68】
キーボード中心線から非対称に位置決めされた、切頭の空白バーキーを含む請求項56〜67のいずれか1項に記載のキーボード。
【請求項69】
空白バーキーと、前記空白バーキーは、キーボード中心線に関して等距離に位置決めされた2つの選択可能な部分を備え、前記選択可能な部分の一方の部分は、他の部分が空白バーキーとして動作可能状態のままである間、停止するように構成可能であることとを備える、請求項56〜68のいずれか1項に記載のキーボード。
【請求項70】
請求項1〜55のいずれか1 項に記載の、マウスデバイスにインタフェースすることが可能なコンピュータであって、
少なくとも1つのディスプレイスクリーンと、
キーボードと、
前記マウスデバイスからデバイス移動量情報及び接触センサ信号を受け取って、それぞれ、オンスクリーンポインタ移動及び入力コマンド信号を提供することが可能な通信手段とを含むコンピュータ。
【請求項71】
請求項56〜66のいずれか1 項に記載のキーボードを含む請求項70に記載のコンピュータ。
【請求項72】
前記マウスデバイスを収容することが可能な凹所を含む請求項70又は71のいずれか1項に記載のコンピュータ。
【請求項73】
移動可能で弾性的に付勢される凹所床部分であって、押下されて、デバイスを前記凹所内に着脱自在に受け入れることが可能な、移動可能で弾性的に付勢される凹所床部分を含む請求項72に記載のコンピュータ。
【請求項74】
移動可能で弾性的に付勢される凹所床部分であって、コンピュータ及びキーボードハウジングにヒンジで取り付けられたスクリーンディスプレイの開放と閉鎖に、それぞれ、関連して、持ち上がった位置と凹んだ位置との間を可逆的に移動することが可能な、移動可能で弾性的に付勢される凹所床部分を含む請求項72に記載のコンピュータ。
【請求項75】
請求項1〜55のいずれか1 項に記載のポインティングデバイスからの入力であって、オンスクリーンポインタ移動を生成するための、接触センサ信号及びデバイス移動量情報のうちの少なくとも一方を含む入力を有する、コンピュータ用のディスプレイスクリーン制御方法。
【請求項76】
前記接触センサは、
タッチ接触、
タッチ及び保持(本明細書では、「タッチホールド」又は「タッチ」入力として示される)、
タッチ及びユーザ接触からの開放(本明細書では、「ソフトクリック」入力として示される)、
タッチ及びクリック作動及びクリック作動位置からの開放(本明細書では、「クリック」又は「ハードクリック」入力として示される)、及び/又は、
タッチ及びクリック作動及びクリック作動位置における保持(本明細書では、「クリック選択」又は「ハードクリック選択」入力として示される)のうちのいずれか1つによって生成される入力を信号送信する請求項75に記載の方法。
【請求項77】
デバイス移動は、人差し指接触センサ及び中指接触センサのうちの少なくとも一方に対してタッチホールド入力をユーザが実施するときに、オンスクリーンポインタ移動を生成するだけである請求項75又は76に記載の方法。
【請求項78】
1つ又は複数の接触センサからのソフトクリック入力は、所定のキーボードキー入力を生成する請求項75〜77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記コンピュータキーボードキーは、ユーザ定義可能であり、タブ、バックスペース、及びエンターのうちの少なくとも1つのキーボードキーを含む請求項78に記載の方法。
【請求項80】
1つ又は複数の接触センサからのソフトクリック入力は、1つ又は複数のオンスクリーンツールバーを生成する請求項75〜79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
少なくとも1つの接触センサからのソフトクリック入力は、1つ又は複数のキーボードキーを新しい機能に再マッピングする請求項75〜80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記新しい機能は、ナビゲーションキー、ウェブサイトリンク、探索エンジンリンク、メディアプレーヤ、ボリューム制御、ウェブブラウザ、及びスクリーンズーム制御のうちの少なくとも1つを含む請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記再マッピングは、前記再マッピングされたキーの構成可能な部分上で、変更された外観も表示する請求項81又は82に記載の方法。
【請求項84】
前記再マッピングは、1つ又は複数の再マッピングされたキーの照明可能な部分を照明する請求項81〜83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
1つ又は複数の接触センサからのハードクリック入力は、オンスクリーンポインタ選択モードを生成する請求項75〜84のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
親指接触センサのユーザによる作動は、仮想オンスクリーンキーボードを生成する請求項75〜85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記親指接触センサの作動は、タッチホールド入力か、ハードクリック選択入力のいずれかである請求項86に記載の方法。
【請求項88】
キーボードは、半透明であり、また、人差し指又は中指接触センサが作動するまで、スクリーン上に残る請求項86又は87に記載の方法。
【請求項89】
前記デバイスは、
前記下面が作業表面に非平行であるように前記デバイスを傾斜させること、
デバイスから突出する少なくともニブ部分の周りに前記デバイスを傾斜させること、
デバイスから突出するニブ部分内で接触センサ又は近接センサを作動させること、
前記デバイス又は前記コンピュータ上で専用スイッチを作動させることのうちの少なくとも1つを含む、ユーザによる所定の入力の作動によって、デジタルインクモードで動作する請求項75〜88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
前記デバイス移動量情報は、作業表面に対する直線と回転の両方のデバイス移動から生成され、対応する直線及び回転オンスクリーンポインタ移動を生じる請求項75〜89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記ポインタは、主要な長手方向軸に関して細長く、1つ又は複数の所定の接触センサ入力と組合わされて、前記回転オンスクリーン移動は、前記主要なポインタ軸と同軸に、かつ/又は、前記細長いポインタの回転によって変換された弧で配置されたオンスクリーンオブジェクト及びテキストを選択することが可能である請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記細長いポインタは、作業表面として前記スクリーンディスプレイ上で使用されるとき、前記デバイスから実質的に直角に延びる請求項91に記載の方法。
【請求項93】
オンスクリーンポインタ移動を生成するための、接触センサ信号、及び、デバイス移動量情報のうちの少なくとも一方であって、作業表面に対するデバイス移動から検知される、デバイス移動量情報を含む、ポインティングデバイスからの入力を有する、コンピューヤ用のディスプレイスクリーン制御方法であって、方法は、文書スクローリング及びズーミングモードのうちの少なくとも一方を提供し、前記文書スクローリング及びズーミングモードのうちの少なくとも一方は、
前記スクローリング又はズーミングモードを、
接触センサ、
デバイス移動、及び
コンピュータからの少なくとも1つの所定のユーザ入力のうちの少なくとも1つによって作動させるステップと、
前記デバイス及びコンピュータのうちの少なくとも一方からの少なくとも1つのユーザ入力からロックされたスクローリング又はズーミング方向を定義するステップと、
前記ロックされた方向にスクローリング又はズーミングを実施するステップであって、前記スクローリング又はズーミングは、方向にかかわりなく、作業表面に対して前記デバイスが移動する距離に比例する、実施するステップとを備える方法。
【請求項94】
スクローリング又はズーミングモードのユーザによる作動は、
前記デバイス上に配置されたニブ部分を、作業表面に接触して、又は、前記作業表面のすぐ隣りに設置するステップと、
コンピュータに対して少なくとも1つのキーボード入力を作動するステップと、
前記デバイス上に配置されたニブ部分を介して作業表面に圧力を加えるステップと、
デバイス上の専用接触センサを作動させるステップと、
前記デバイスの下面が、作業表面に非平行であるように前記デバイスを傾斜させるステップと、
デバイスから突出する少なくとも1つのニブ部分の周りで前記デバイスを傾斜させるステップと、
所定のデバイス移動を実施するステップとのうちの少なくとも1つによる請求項93による方法。
【請求項95】
前記モードを作動させ、ロックされたスクローリング又はズーミング方向を定義する方法ステップは、一般的なユーザアクション又は入力によって実施される請求項93又は94に記載の方法。
【請求項96】
前記デバイスは、請求項1〜55のいずれか1項に記載のデバイスである請求項93による方法。
【請求項97】
ユーザにより指定された方向におけるロックされたスクローリングは、前記ユーザにより指定された方向に実施されたデバイス移動によって定義される請求項93〜96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
前記デバイス移動は、少なくとも所定の距離にわたって実施される請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記ロックされたスクローリングモードは、少なくとも1つのデバイス接触センサの連続作動中、維持される請求項93〜98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記連続作動は、作業表面との圧力感応性接触センサの接触による請求項99に記載の方法。
【請求項101】
ロックされたスクローリング又はズーミングの方向は、接触センサ、デバイス移動、コンピュータ、又はその組合せからの少なくとも1つの所定のユーザ入力によって反転されることが可能である、請求項93〜100のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
前記ロックされたスクローリング方向は、前記デバイス移動を2つの互いに直交する軸に分解し、両方の軸における移動の同時反転を検出することによって、前記ロックされたスクローリング又はズーミングの方向を反転することによって反転される請求項93〜101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
前記ロックされたスクローリング方向は、回転デバイス移動の方向反転を検出することによって反転可能である請求項93〜101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
前記ロックされたスクローリング方向は、デバイス移動の停止とそれに続く反対経路に沿ったデバイス移動を検出することによって反転可能である請求項93〜101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項105】
ロックされたズーミング方向は、下方又は左又はその間の任意の方向へのデバイス移動がズーミングアウトを定義し、上方又は右又はその間の任意の方向へのデバイス移動がズーミングインを定義するように、前記デバイスからの少なくとも1つのユーザ入力から定義される請求項93に記載の方法。
【請求項106】
ロックされたスクローリング又はズーミングの方向を前記定義することは、所定の方向において許容可能な最大限の範囲まで文書をスクロールするか、又は、ズームするための、前記所定の方向における高速デバイス移動を含む前記デバイス及び/又はコンピュータからの少なくとも1つのさらなるユーザ入力をさらに含む請求項93に記載の方法。
【請求項107】
請求項56から69のいずれか1項に記載のキーボードからの入力を有する、請求項75〜106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
請求項70〜74のいずれか1項に記載のコンピュータを使用した、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
中央処理ユニットが、請求項75〜108のいずれか1項に記載の方法を実行するようにさせる命令を内部に記憶するコンピュータ読み取り可能媒体。
【請求項1】
作業表面にわたる摺動のために適切な下面を有する基部と、
尾根状部と、前記尾根状部は前記基部から略上方に突出し、かつ、前記尾根状部の第1側面上に親指係合表面を有することと、
前記尾根状部の前記第1側面に対向する第2側面上に、少なくとも1つの人差し指先端係合表面、及び中指先端係合表面の少なくとも一方とを備える、コンピュータポインティングデバイス。
【請求項2】
少なくとも1つの接触センサと、
作業表面に相対したデバイスの移動を検出し、デバイス移動量情報を生成することが可能な移動量センサシステムと、
デバイス移動量情報及び接触センサ信号をコンピュータ及び関連するディスプレイスクリーンに通信して、それぞれ、オンスクリーンポインタ移動及び入力コマンド信号を前記コンピュータへ提供することが可能な通信手段とを備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記下面は、ほぼ平坦であるか、又は、1つ以上の凸状部分を有するように構成される請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記デバイスは、複数の接触点にて支持されている前記作業表面上に載置可能であるように構成され、前記複数の接触点は集合的に接触平面を画定し、前記接触点は、
前記下面の1つ又は複数の部分、及び、前記デバイスから延伸する少なくとも2つの突出部の先端部、又は、
少なくとも3つの前記突出部、のいずれかを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
指先端係合表面は、少なくともわずかに窪んでいる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記親指係合表面の少なくとも一部は、上方を面し、接触センサの作動中に、ユーザがデバイスを安定させるために下方を指向して圧力を加えることを可能にさせる、請求項2〜4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記尾根状部は、ユーザの親指と1つ又は複数の指との間で、過回内又は過伸展が無い状態で、ほぼ中立かつ未屈曲の位置にて把持される構成、及び寸法に形成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記デバイスは、作業表面上に力を抜いた状態で置いた手の、対向する親指と他の指との間の間隙にほぼ嵌合する構成、及び寸法に形成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記デバイスは、その質量中心及び体積中心の少なくとも一方が、前記親指係合表面と前記指先端係合表面との間にあるように形成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記親指係合表面及び前記指先端係合表面のうちの少なくとも一方は、前記基部のほぼ平坦な下面に略平行な平面内にて設けられる、請求項1〜9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記親指係合表面及び前記指先端係合表面のうちの少なくとも一方は、使用時に、前記人差し指先端係合表面上に置かれた人差し指先端が、前記中指先端係合表面上に置かれた中指先端の上に少なくとも部分的に重なるように設けられる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記親指係合表面及び前記人差し指先端係合表面は、デバイスが、ユーザの親指と人差し指との間でペンを持つ握り方で把持されるように、空間的に配列され、分離される、請求項1〜11のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスの移動は、ペンを持つ握り方を実施するユーザによって2次元又は3次元で制御されることが可能である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項14】
人差し指先端係合表面は、中指先端係合表面の上に位置決めされる、請求項1〜13のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記親指係合表面に関連する親指保持部分を含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項16】
親指保持部分は、
前記尾根状部に対して前記親指係合表面の対向する側面上に配置されるリップ、隆起部、突出部、又は持ち上がった縁部分と、
親指係合表面の縁に沿って配置され、親指係合表面に当たって位置決めされた親指のある部分を少なくとも部分的に覆い、又は重なるように構成された細長い隆起部と、
親指係合表面の上部縁及び/又は下部縁に沿って配置され、親指係合表面に当たって位置決めされた親指のある部分を少なくとも部分的にオーバハングする/オーバラップするように構成された少なくとも部分的に弾性のある細長い隆起部と、
遠位指骨親指部分を保持する凹所と、
親指中手骨領域を包む保持用要素、クリップ、又はストラップと、
挿入される親指部分を収容することが可能な細長い開口と、
親指指骨の1つ又は複数の部分の周りに着脱自在に固定されることが可能なクリップ、ストラップなどと、
弾性であること、可撓性であること及び、摩擦が大きいことのうちの少なくとも1つの特性を有する表面と、のうちのいずれか1つを含む請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記親指保持部分は、親指係合表面全体に隣接するか、又は、親指係合表面全体の一部の部分のみを形成する請求項15又は16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記親指保持部分は、
弾性要素及び/又は移動可能要素であるか、
前記親指係合表面に対して下方端に枢動可能に取り付けられるか、
柔軟性があり、ユーザによって形作られることが可能か、
ユーザの親指の方へばね付勢されるか、又は、
それらの任意の組合せである請求項15〜17のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項19】
実質的に平坦な基部下面の周辺縁は、斜角を付けられ、丸みを付けられる、又は、その他の方法で、凹凸のある表面にわたって滑らかな摺動を促進するように構成される請求項3に記載のデバイス。
【請求項20】
平面図で、親指係合表面及び人差し指先端係合表面の位置は、デバイスの前方先端の方に配置される請求項1〜19のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項21】
親指係合表面及び人差し指先端係合表面は、親指と人差し指の間、及び親指と中指の間のうちの少なくとも一方のピンチングアクションによってのみ、デバイスの移動及び持ち上げを容易にするような寸法に形成されている尾根状部の横幅によって分離される、請求項1〜20のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項22】
前記横幅は、実質的に、20mm以下である請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
親指係合表面及び人差し指先端係合表面のうちの少なくとも一方の前記下面からの垂直高さは、実質的に平坦な基部下面の前記周辺縁間の最大分離より小さい請求項1〜22のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項24】
前記通信手段は、ワイヤレス無線送信機、赤外線送信機、導電性リード線、音響送信機、及び磁界からなる群から選択される、請求項2〜22のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項25】
前記移動量センサシステムは、電気光学センサ、電気機械ローラセンサ、移動式コイル及び磁界乱れセンサ、又は超音波三角測量のうちのいずれか1つを含む請求項2〜23のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項26】
いろいろな読取り深度での作業エリアにわたるデバイス移動は、前記下面上に配置される2つ以上の電気光学センサによって検知される請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記人差し指先端係合表面上に配置される人差し指先端接触センサ、
前記中指先端係合表面上に配置される中指先端接触センサ、及び
前記親指係合表面上に配置される親指接触センサのうちの少なくとも1つを含む請求項1〜26のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項28】
前記デバイス移動に対応する前記オンスクリーンポインタ移動は、人差し指先端及び中指先端のうちの少なくとも一方を、それぞれ、前記人差し指先端及び中指先端係合表面接触センサと接触して置くことのみによって生成される、請求項2〜27のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項29】
前記接触センサは、タッチセンサモードと「クリック」作動モードを含むデュアルアクションセンサである請求項2〜28のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項30】
前記2つ以上の接触センサは、個々の指先端係合表面及び親指係合表面のうちの少なくとも一方の上に配置される請求項2〜29のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項31】
指先端又は親指タッチ接触及びクリック作動は、単一の指先端又は親指係合表面内に配置された別個のセンサによって検出される請求項2〜28のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項32】
前記人差し指又は中指係合表面は、2つの独立した接触センサ、ロッカースイッチ又は2重位置スイッチを含む請求項2〜28のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項33】
親指接触センサは、ユーザの親指による、前記親指接触センサとの、それぞれ、接触/非接触に応じたデバイスのオン/オフ制御を可能にする請求項2〜32のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項34】
少なくとも1つの接触センサは、基部の平坦下面に実質的に直交しない動作軸を有する請求項2〜33のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項35】
少なくとも前記人差し指接触センサを作動させることが、ユーザの親指と人差し指との間での尾根状部のピニングアクションによって行われるように構成される、請求項2〜34のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項36】
前記親指及び人差し指は、前記人差し指接触センサを作動させるように位置決めされると、挟みグリップを形成する請求項2〜35のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項37】
デバイスから突出するようになっている少なくとも1つのニブ部分をさらに備える、請求項1〜36のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項38】
前記ニブ部分は、デバイスの一番先の地点に配置される請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記ニブ部分は、デバイスに取り付けられたスタイラスシャフトの先端に配置される請求項37又は38に記載のデバイス。
【請求項40】
前記スタイラスシャフト取り付け構成は、尾根状部の上部への取り付け、尾根状部と一体に形成されること、尾根状部への摺動式取り付け、及び、デバイスの一番先の地点における傾斜取り付けのうちの少なくとも1つを含む請求項37又は38に記載のデバイス。
【請求項41】
スタイラスシャフトは、デバイスの尾根状部を形成する請求項37又は38に記載のデバイス。
【請求項42】
1つ又は複数の接触センサは、前記スタイラスの外側の周りに配置される請求項37〜41のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項43】
前記スタイラス部分の位置は、ユーザにより可変である請求項39〜42のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項44】
前記ニブ部分は、前記基部の頂点に配置される請求項37に記載のデバイス。
【請求項45】
作業表面から基部の前記下面を少なくとも部分的に取り外すことによって、ハンドライティング/フリーハンド入力モードで動作可能である請求項37〜44のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項46】
デバイスを前記ニブ部分の周りに傾斜させることによって、ハンドライティング/フリーハンド入力モードで動作可能である請求項37〜44のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項47】
所定の作業表面に対する所定の近接位置内でデバイスニブの移動を検出し、オンスクリーンポインタ移動を生成するときに使用することが可能なデバイス移動量情報を提供することが可能な近接検知システムをさらに含むか、又は、前記近接検知システムと相互作用するように構成される請求項37〜46のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項48】
前記近接検知手段は、デバイス、作業表面、別個のユニット、又はそれらの組合せの中に配置される請求項47に記載のデバイス。
【請求項49】
所定の作業表面と接触して、又は、前記所定の作業表面のすぐ隣りで描かれる経路は、前記経路の対応するオンスクリーン表現に変換される請求項37〜48のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項50】
前記所定の作業表面は、ホストコンピュータに隣接して配置可能な別個の位置検知タブレット、ホストコンピュータキーボード又は隣接表面、又は、ディスプレイスクリーン表面である請求項48に記載のデバイス。
【請求項51】
前記基部は、デバイスが前記ハンドライティング/フリーハンド入力モードで使用されるときに、中指のある部分を収容するように形作られた中指凹所又はスロットを含む請求項46〜50のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項52】
前記中指凹所は、後方又は横周辺基部縁から内側に延びる前記デバイス基部内に、又は、前記デバイス基部を貫通して形成される請求項51に記載のデバイス。
【請求項53】
前記ハンドライティング/フリーハンド入力モードでの使用が、中指の上部表面用の支持を提供するために、尾根状部/基部内に形成された後方横中指凹所を含む請求項51又は52に記載のデバイス。
【請求項54】
前記ハンドライティング/フリーハンド入力モードでの使用が、中指が親指の下に少なくとも部分的に延びることを可能にするために、尾根状部/基部内に形成された後方横中指凹所を含む請求項51〜53のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項55】
尾根状部の長手方向軸に直交する横断軸の周りで、尾根状部の中間地点に関して実質的に対称に構成される請求項1〜54のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項56】
請求項1〜55のいずれか1項に記載の、マウスデバイスとインタフェースするようになっているキーボード。
【請求項57】
隣接するキーボードキーにオーバラップすることなく、前記デバイスを押下するユーザの親指によって操作されるのに十分に拡大した空白バーキーを含む請求項56に記載のキーボード。
【請求項58】
空白バーキーを含んでおらず、空白バーコマンドは、前記親指係合表面上に配置された親指接触センサの作動によってのみ生成される請求項56に記載のキーボード。
【請求項59】
1つ又は複数のキーボードキーは、前記キーボードキーに対して変更された外観を表示し、また、1つ又は複数の接触センサのユーザによる作動に応答して、独特の入力機能を提供するように再マッピングされることが可能な構成可能な部分を含む請求項56〜58のいずれか1項に記載のキーボード。
【請求項60】
人差し指先端又は中指先端接触センサを作動させることが、前記変更された外観を作動させるように構成される請求項59に記載のキーボード。
【請求項61】
前記構成可能な部分は、照明可能な部分、LCDディスプレイ、電気光学ディスプレイのうちの1つ以上を含む請求項59又は60に記載のキーボード。
【請求項62】
前記キーは、ナビゲーションキーの外観を表示するか、又は、前記ナビゲーションキーに再マッピングされるように構成される請求項59〜61のいずれか1項に記載のキーボード。
【請求項63】
前記ナビゲーションキーは、前記デバイスを動作させるユーザの手に対して、ユーザのきき手でない手の側及び対向する手の側のうちの少なくとも一方のキーボード上に配置される請求項62に記載のキーボード。
【請求項64】
スクリーンディスプレイ上で仮想的に生成される請求項56に記載のキーボード。
【請求項65】
タッチスクリーンディスプレイ上で仮想的に生成される請求項56に記載のキーボード。
【請求項66】
親指接触センサのユーザによる作動によって、仮想的に生成される請求項64又は65に記載のキーボード。
【請求項67】
半透明であり、また、人差し指又は中指接触センサが作動するまで、スクリーン上に残る請求項64又は65に記載のキーボード。
【請求項68】
キーボード中心線から非対称に位置決めされた、切頭の空白バーキーを含む請求項56〜67のいずれか1項に記載のキーボード。
【請求項69】
空白バーキーと、前記空白バーキーは、キーボード中心線に関して等距離に位置決めされた2つの選択可能な部分を備え、前記選択可能な部分の一方の部分は、他の部分が空白バーキーとして動作可能状態のままである間、停止するように構成可能であることとを備える、請求項56〜68のいずれか1項に記載のキーボード。
【請求項70】
請求項1〜55のいずれか1 項に記載の、マウスデバイスにインタフェースすることが可能なコンピュータであって、
少なくとも1つのディスプレイスクリーンと、
キーボードと、
前記マウスデバイスからデバイス移動量情報及び接触センサ信号を受け取って、それぞれ、オンスクリーンポインタ移動及び入力コマンド信号を提供することが可能な通信手段とを含むコンピュータ。
【請求項71】
請求項56〜66のいずれか1 項に記載のキーボードを含む請求項70に記載のコンピュータ。
【請求項72】
前記マウスデバイスを収容することが可能な凹所を含む請求項70又は71のいずれか1項に記載のコンピュータ。
【請求項73】
移動可能で弾性的に付勢される凹所床部分であって、押下されて、デバイスを前記凹所内に着脱自在に受け入れることが可能な、移動可能で弾性的に付勢される凹所床部分を含む請求項72に記載のコンピュータ。
【請求項74】
移動可能で弾性的に付勢される凹所床部分であって、コンピュータ及びキーボードハウジングにヒンジで取り付けられたスクリーンディスプレイの開放と閉鎖に、それぞれ、関連して、持ち上がった位置と凹んだ位置との間を可逆的に移動することが可能な、移動可能で弾性的に付勢される凹所床部分を含む請求項72に記載のコンピュータ。
【請求項75】
請求項1〜55のいずれか1 項に記載のポインティングデバイスからの入力であって、オンスクリーンポインタ移動を生成するための、接触センサ信号及びデバイス移動量情報のうちの少なくとも一方を含む入力を有する、コンピュータ用のディスプレイスクリーン制御方法。
【請求項76】
前記接触センサは、
タッチ接触、
タッチ及び保持(本明細書では、「タッチホールド」又は「タッチ」入力として示される)、
タッチ及びユーザ接触からの開放(本明細書では、「ソフトクリック」入力として示される)、
タッチ及びクリック作動及びクリック作動位置からの開放(本明細書では、「クリック」又は「ハードクリック」入力として示される)、及び/又は、
タッチ及びクリック作動及びクリック作動位置における保持(本明細書では、「クリック選択」又は「ハードクリック選択」入力として示される)のうちのいずれか1つによって生成される入力を信号送信する請求項75に記載の方法。
【請求項77】
デバイス移動は、人差し指接触センサ及び中指接触センサのうちの少なくとも一方に対してタッチホールド入力をユーザが実施するときに、オンスクリーンポインタ移動を生成するだけである請求項75又は76に記載の方法。
【請求項78】
1つ又は複数の接触センサからのソフトクリック入力は、所定のキーボードキー入力を生成する請求項75〜77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
前記コンピュータキーボードキーは、ユーザ定義可能であり、タブ、バックスペース、及びエンターのうちの少なくとも1つのキーボードキーを含む請求項78に記載の方法。
【請求項80】
1つ又は複数の接触センサからのソフトクリック入力は、1つ又は複数のオンスクリーンツールバーを生成する請求項75〜79のいずれか1項に記載の方法。
【請求項81】
少なくとも1つの接触センサからのソフトクリック入力は、1つ又は複数のキーボードキーを新しい機能に再マッピングする請求項75〜80のいずれか1項に記載の方法。
【請求項82】
前記新しい機能は、ナビゲーションキー、ウェブサイトリンク、探索エンジンリンク、メディアプレーヤ、ボリューム制御、ウェブブラウザ、及びスクリーンズーム制御のうちの少なくとも1つを含む請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記再マッピングは、前記再マッピングされたキーの構成可能な部分上で、変更された外観も表示する請求項81又は82に記載の方法。
【請求項84】
前記再マッピングは、1つ又は複数の再マッピングされたキーの照明可能な部分を照明する請求項81〜83のいずれか1項に記載の方法。
【請求項85】
1つ又は複数の接触センサからのハードクリック入力は、オンスクリーンポインタ選択モードを生成する請求項75〜84のいずれか1項に記載の方法。
【請求項86】
親指接触センサのユーザによる作動は、仮想オンスクリーンキーボードを生成する請求項75〜85のいずれか1項に記載の方法。
【請求項87】
前記親指接触センサの作動は、タッチホールド入力か、ハードクリック選択入力のいずれかである請求項86に記載の方法。
【請求項88】
キーボードは、半透明であり、また、人差し指又は中指接触センサが作動するまで、スクリーン上に残る請求項86又は87に記載の方法。
【請求項89】
前記デバイスは、
前記下面が作業表面に非平行であるように前記デバイスを傾斜させること、
デバイスから突出する少なくともニブ部分の周りに前記デバイスを傾斜させること、
デバイスから突出するニブ部分内で接触センサ又は近接センサを作動させること、
前記デバイス又は前記コンピュータ上で専用スイッチを作動させることのうちの少なくとも1つを含む、ユーザによる所定の入力の作動によって、デジタルインクモードで動作する請求項75〜88のいずれか1項に記載の方法。
【請求項90】
前記デバイス移動量情報は、作業表面に対する直線と回転の両方のデバイス移動から生成され、対応する直線及び回転オンスクリーンポインタ移動を生じる請求項75〜89のいずれか1項に記載の方法。
【請求項91】
前記ポインタは、主要な長手方向軸に関して細長く、1つ又は複数の所定の接触センサ入力と組合わされて、前記回転オンスクリーン移動は、前記主要なポインタ軸と同軸に、かつ/又は、前記細長いポインタの回転によって変換された弧で配置されたオンスクリーンオブジェクト及びテキストを選択することが可能である請求項90に記載の方法。
【請求項92】
前記細長いポインタは、作業表面として前記スクリーンディスプレイ上で使用されるとき、前記デバイスから実質的に直角に延びる請求項91に記載の方法。
【請求項93】
オンスクリーンポインタ移動を生成するための、接触センサ信号、及び、デバイス移動量情報のうちの少なくとも一方であって、作業表面に対するデバイス移動から検知される、デバイス移動量情報を含む、ポインティングデバイスからの入力を有する、コンピューヤ用のディスプレイスクリーン制御方法であって、方法は、文書スクローリング及びズーミングモードのうちの少なくとも一方を提供し、前記文書スクローリング及びズーミングモードのうちの少なくとも一方は、
前記スクローリング又はズーミングモードを、
接触センサ、
デバイス移動、及び
コンピュータからの少なくとも1つの所定のユーザ入力のうちの少なくとも1つによって作動させるステップと、
前記デバイス及びコンピュータのうちの少なくとも一方からの少なくとも1つのユーザ入力からロックされたスクローリング又はズーミング方向を定義するステップと、
前記ロックされた方向にスクローリング又はズーミングを実施するステップであって、前記スクローリング又はズーミングは、方向にかかわりなく、作業表面に対して前記デバイスが移動する距離に比例する、実施するステップとを備える方法。
【請求項94】
スクローリング又はズーミングモードのユーザによる作動は、
前記デバイス上に配置されたニブ部分を、作業表面に接触して、又は、前記作業表面のすぐ隣りに設置するステップと、
コンピュータに対して少なくとも1つのキーボード入力を作動するステップと、
前記デバイス上に配置されたニブ部分を介して作業表面に圧力を加えるステップと、
デバイス上の専用接触センサを作動させるステップと、
前記デバイスの下面が、作業表面に非平行であるように前記デバイスを傾斜させるステップと、
デバイスから突出する少なくとも1つのニブ部分の周りで前記デバイスを傾斜させるステップと、
所定のデバイス移動を実施するステップとのうちの少なくとも1つによる請求項93による方法。
【請求項95】
前記モードを作動させ、ロックされたスクローリング又はズーミング方向を定義する方法ステップは、一般的なユーザアクション又は入力によって実施される請求項93又は94に記載の方法。
【請求項96】
前記デバイスは、請求項1〜55のいずれか1項に記載のデバイスである請求項93による方法。
【請求項97】
ユーザにより指定された方向におけるロックされたスクローリングは、前記ユーザにより指定された方向に実施されたデバイス移動によって定義される請求項93〜96のいずれか1項に記載の方法。
【請求項98】
前記デバイス移動は、少なくとも所定の距離にわたって実施される請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記ロックされたスクローリングモードは、少なくとも1つのデバイス接触センサの連続作動中、維持される請求項93〜98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記連続作動は、作業表面との圧力感応性接触センサの接触による請求項99に記載の方法。
【請求項101】
ロックされたスクローリング又はズーミングの方向は、接触センサ、デバイス移動、コンピュータ、又はその組合せからの少なくとも1つの所定のユーザ入力によって反転されることが可能である、請求項93〜100のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
前記ロックされたスクローリング方向は、前記デバイス移動を2つの互いに直交する軸に分解し、両方の軸における移動の同時反転を検出することによって、前記ロックされたスクローリング又はズーミングの方向を反転することによって反転される請求項93〜101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
前記ロックされたスクローリング方向は、回転デバイス移動の方向反転を検出することによって反転可能である請求項93〜101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項104】
前記ロックされたスクローリング方向は、デバイス移動の停止とそれに続く反対経路に沿ったデバイス移動を検出することによって反転可能である請求項93〜101のいずれか1項に記載の方法。
【請求項105】
ロックされたズーミング方向は、下方又は左又はその間の任意の方向へのデバイス移動がズーミングアウトを定義し、上方又は右又はその間の任意の方向へのデバイス移動がズーミングインを定義するように、前記デバイスからの少なくとも1つのユーザ入力から定義される請求項93に記載の方法。
【請求項106】
ロックされたスクローリング又はズーミングの方向を前記定義することは、所定の方向において許容可能な最大限の範囲まで文書をスクロールするか、又は、ズームするための、前記所定の方向における高速デバイス移動を含む前記デバイス及び/又はコンピュータからの少なくとも1つのさらなるユーザ入力をさらに含む請求項93に記載の方法。
【請求項107】
請求項56から69のいずれか1項に記載のキーボードからの入力を有する、請求項75〜106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
請求項70〜74のいずれか1項に記載のコンピュータを使用した、請求項107に記載の方法。
【請求項109】
中央処理ユニットが、請求項75〜108のいずれか1項に記載の方法を実行するようにさせる命令を内部に記憶するコンピュータ読み取り可能媒体。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図1g】
【図1h】
【図1i】
【図1j】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図6f】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図16a−e】
【図16f】
【図17a】
【図17b】
【図18a】
【図18b】
【図19a】
【図19b】
【図19c】
【図20a】
【図20b】
【図20c】
【図20d】
【図20e】
【図20f】
【図21b】
【図22a】
【図22b】
【図22c】
【図22d】
【図22e】
【図23a】
【図23b】
【図24a−b】
【図25a】
【図25b】
【図25c】
【図26a】
【図26b】
【図27a】
【図27b】
【図27c】
【図28a】
【図28b】
【図28c】
【図28d】
【図29】
【図30b】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37a】
【図37b】
【図38a−c】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42a−c】
【図43a−e】
【図43f】
【図44】
【図21a】
【図30a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図1e】
【図1f】
【図1g】
【図1h】
【図1i】
【図1j】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図6c】
【図6d】
【図6e】
【図6f】
【図7a】
【図7b】
【図8a】
【図8b】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図11d】
【図12a】
【図12b】
【図13a】
【図13b】
【図14a】
【図14b】
【図15a】
【図15b】
【図16a−e】
【図16f】
【図17a】
【図17b】
【図18a】
【図18b】
【図19a】
【図19b】
【図19c】
【図20a】
【図20b】
【図20c】
【図20d】
【図20e】
【図20f】
【図21b】
【図22a】
【図22b】
【図22c】
【図22d】
【図22e】
【図23a】
【図23b】
【図24a−b】
【図25a】
【図25b】
【図25c】
【図26a】
【図26b】
【図27a】
【図27b】
【図27c】
【図28a】
【図28b】
【図28c】
【図28d】
【図29】
【図30b】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37a】
【図37b】
【図38a−c】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42a−c】
【図43a−e】
【図43f】
【図44】
【図21a】
【図30a】
【公開番号】特開2012−69148(P2012−69148A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251883(P2011−251883)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【分割の表示】特願2007−553062(P2007−553062)の分割
【原出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(507255396)スウィフトポイント リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】SWIFTPOINT LIMITED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【分割の表示】特願2007−553062(P2007−553062)の分割
【原出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(507255396)スウィフトポイント リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】SWIFTPOINT LIMITED
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]