説明

コンピュータ断層撮影アンジオグラフィにおける領域描写方法及び装置

コンピュータ断層撮影における心臓の対象領域の半自動抽出及び描写が時間を要し、熟達したオペレータを必要とする。本発明に従って、胸壁及びCROIが胸壁に付着した領域が検出される、CROIの完全自動抽出及び描写が提供される。次いで、下行大動脈が検出される。その後、CROIの一部の周りの閉曲線の円形初期設定が実行され、その閉曲線は次の段階において最適化される。次いで、前のスライス画像の前の曲線が実際のスライス画像における実際の曲線の最適化のために用いられる、CTA画像のスライス全てに亘る伝搬が実行される。有利なことに、CORIの完全自動抽出及び描写が非常に短い時間内に与えられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用ディジタルイメージングの分野に関する。特に、本発明は、コンピュータ断層撮影アンジオグラフィ(angiography)画像における胸壁に隣接する心臓の対象領域(CROI)である第1領域の自動描写又は抽出のための方法と、画像処理装置と、コンピュータ断層撮影システムと、画像処理装置のためのコンピュータプログラムとに関する。
【背景技術】
【0002】
CT(コンピュータ断層撮影)アンジオグラフィ(CTA)は、身体における血管中の血流を視覚化するためにX線を用いる検査方法である。脳のための動脈から、肺、腎臓、腕及び足に血液を送る細胞までである。CTは、X線の使用をコンピュータ化された画像分析と結合させる。X線ビームは、断面スライス画像を生成するために、回転ガントリから幾つかの異なる角度で患者の身体における対象領域を通過し、それらのスライス画像は、検査される領域の二次元又は三次元ピクチャに組み合わせられる。
【0003】
動脈にコントラスト材料を注入することを有するカテーテルアンジオグラフィに比較して、CTAは侵襲性が非常に小さく、非常に患者に優しい手法である。コントラスト材料は動脈ではなく静脈に注入される。好適には、CTA画像を取得するために、螺旋CTスキャナと呼ばれる最新型のCTスキャナを使用する。
【0004】
CTAイメージングは、しばしば、対象の心臓領域において実行される。
【0005】
多くのインタラクティブなスキーム及び方法が、ユーザがより効率的に画像を編集できるように支援するために従来技術において提供されてきた。そのような方法の一例については、参照文献、“An Image Editor for a 3D−CT Reconstruction System”,Jay Ezrielev et al, Proceedings of Medical Imaging IV,Image Processing,Newport Beach,vol.1233に記載されている。その参照文献の著者は、編集処理の効率及び速度を改善するためにインテリジェント方法及び半自動方法を利用する画像編集システムについて検討している。個々の画像に代えて全体的な画像集合に関して操作される編集システムにおいて、幾つかの機能が備えられている。それらの機能は、データセットから単純なオブジェクトを取り除く閾値化処理を行うことができる。又、半自動方法を実行することができない処理を行うために、マニュアル操作の編集機能が備えられている。
【0006】
米国特許第5,570,404号明細書において、患者の身体内にある選択されたオブジェクトの三次元ビューを与えるために複数のCT画像スライスを自動的に編集するための方法であって、CTスキャンシステムにより生成されるCT画像スライスの少なくとも1つのスラブを供給する段階と、スラブの最初のMIP画像を演算する段階とを有する、方法について記載されている。不所望のオブジェクトは、その不所望のオブジェクトを表す、発光強度値を有する画素全てを第1に検出することにより最初のMIP画像から取り除かれる。第2に、取り除かれるべき領域の画素全ては、スラブの最初のMIP画像からそのオブジェクトを取り除くために、実質的に0の発光強度値に設定される。不所望のオブジェクトが最初のMIP画像から取り除かれた後、なされる編集がスラブにおける各々のCT画像スライスに適用される。この明細書においては又、患者の身体内にある選択されたオブジェクトを視覚化するためにCTアンジオグラフィック画像の3D再構成を実行するための装置について記載している。
【0007】
しかしながら、既知の方法及び装置は、通常、画像の所望部分又は不所望部分を識別するためにユーザとの対話を必要とする。更に、処理速度、即ち、ユーザに対する表示について画像を処理するために必要とされる時間は常に重要な関心事である。特に、対象の心臓領域のイメージングの場合に重要な関心事である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、対象の心臓領域についての改善されたイメージングを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の例示としての実施形態に従って、上記の目的は、コンピュータ断層撮影アンジオグラフィ画像において胸壁に隣接する対象の心臓領域の自動描写又は抽出のための方法を用いて達成され、これについては請求項1に記載されている。この方法は、胸壁を決定する段階と、対象の心臓領域が胸壁に付着している他の領域を決定する段階と、対象の心臓領域における大動脈を決定する段階とを有する。閉曲線が対象の心臓領域の周りで開始する。続く段階において、この閉曲線の形状が最適化される。
【0010】
この本発明の例示としての実施形態に従って、コンピュータ断層撮影アンジオグラフィ画像における対象の心臓領域の完全自動描写及び抽出を与えることが可能である。有利なことに、これは、オペレータとの対話を伴うことなく、対象の心臓領域のみを有する画像の生成を可能にする。臨床応用においては、本発明に従った方法は、対象の心臓領域の部分でないオブジェクトはユーザに対して表示されないため、改善された診断を可能にする。更に、上記の方法は、非常に時間効率の高い方法である。テストにより、上記の方法は、例えば、Intel Pentium(登録商標)IVプロセッサを有する標準的PCにおいて約5秒で対象の心臓領域の完全自動描写を可能にすることが示された。
【0011】
請求項2に記載している、本発明の他の例示としての実施形態に従って、好適には、閉曲線の形状の最適化は、フーリエ補間及びエッジ基準を使用することにより実行される。有利なことに、これは、閉曲線の非常に速く、正確な最適化を可能にする。
【0012】
請求項3に記載している、本発明の他の例示としての実施形態に従って、胸壁は、胸の後部から胸の前部にサーチ光線を投射し、閾値基準を用いることにより決定される。有利なことに、これは、胸壁の非常に簡単で効率的なセグメント化を可能にする。
【0013】
請求項4に記載している、本発明の他の例示としての実施形態に従って、下行大動脈は、胸の左側から胸の右側にサーチ光線を投射し、閾値基準を用いることにより決定され、これは、その下行大動脈の完全に自動化されたセグメント化を可能にする一方、実行されるべき最小数の処理段階のみを必要とする。
【0014】
請求項5に記載している、本発明の他の例示としての実施形態に従って、前のスライス画像の最適化された形状の曲線は、閉曲線の初期設定のための前のスライス画像から引き継がれる。有利なことに、これはその方法の時間効率を向上させ、その方法の正確度は、形状の最適化が各々の画像において開始されるために画像スライスから画像スライスへとより正確になる。
【0015】
請求項6に記載している、本発明の他の例示としての実施形態に従って、コンピュータ断層撮影アンジオグラフィ画像において胸壁に隣接する対象の心臓領域の自動描写又は抽出のための画像処理装置が備えられ、その画像処理装置は、有利なことに、非常に短い時間内に対象の心臓領域の完全自動描写及び抽出を可能にする。又、本発明に従った画像処理装置においては段階数の減少のみがなされるために、当該技術分野において周知である他のシステムに比べて低いパワーの処理器及び小さい記憶容量の画像処理装置を提供することができる。
【0016】
請求項7に記載している、本発明の他の例示としての実施形態に従って、対象の心臓領域の正確な描写及び抽出を可能にする画像処理装置を提供する。
【0017】
本発明の他の例示としての実施形態に従って、対象の心臓領域の完全自動描写及び抽出を可能にする、請求項8に記載のコンピュータ断層撮影システムを提供する。請求項9は、断層撮影システムの他の例示としての実施形態を与える。
【0018】
本発明は又、対象の心臓領域の自動描写及び抽出のための画像処理装置についてのコンピュータプログラムに関する。本発明に従ったコンピュータプログラムについて、請求項10に記載されている。本発明に従ったコンピュータプログラムは、好適には、画像処理器の作業用メモリにロードされる。その画像処理器は、そのように、本発明の方法を実行するために備えられる。コンピュータプログラムは、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能媒体に記憶されることが可能である。コンピュータプログラムは又、World Wide Webのようなネットワークに対して供給されることが可能であり、そのようなネットワークから画像処理器の作業用メモリにダウンロードされることができる。
【0019】
本発明の例示としての実施形態の要旨として、コンピュータ断層撮影アンジオグラフィ画像における対象の心臓領域の完全自動描写及び抽出が提供されるということが理解できる。先ず、胸壁が、前方から後方にサーチ光線を投射することにより閾値基準を用いることにより検出される。次いで、対象の心臓領域が胸壁(胸骨に近い)に付着している領域の検出が実行される。次いで、左側から右側にサーチ光線を投射することにより閾値及び直径基準を用いて下行大動脈の検出が実行される。その後、大動脈と胸骨との間の対象の心臓領域の周りの閉曲線の円形初期設定が適切なスライス画像において実行される。次いで、フーリエ補間及びエッジ基準を用いることにより、曲線形状の最適化が実行される。前のスライスの前の曲線がアクティブなスライス画像において引き継がれる場合に、全てのスライスに亘って伝搬され、それ故、これにより、アクティブなスライスにおける形状の最適化がなされる。結果的に、心臓構造、即ち、左心室及び右心室と、左心房及び右心房と、下行大動脈の第1部分と、冠動脈と、心房及び心室と肺の脈管構造との間の接続のトランクと、を有する、画像部分(対象領域)の表示が生成される。
【0020】
本発明の上記の及び他の特徴については、添付図を参照して、以下、詳述する実施形態により明らかになり、理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1は、本発明に従ったCTシステムの例示としての実施形態の単純化した図である。図1における参照番号2はX線管を表し、参照番号4は放射線検出器を表す。当該技術分野において周知であるように、対象の身体スライスの画像を生成するために、X線管2は、検査中の被検体8のオブジェクトスライスを通過する細いX線ビーム6を投射する。X線ビーム6の減衰が、オブジェクトスライスを通る多数の経路に対して調べられる。放射線強度が、オブジェクトスライスを通る各々の経路に対して、検出器4により記録される。検出器4は、検出器4により検出される測定値を更に処理するための測定エレクトロニクス装置10に結合されている。測定エレクトロニクス装置10は、例えば、Pentium(登録商標)IVプロセッサを有するコンピュータのような画像処理装置12に結合されている。画像処理装置12は符号化測定値を処理し、二次元又は三次元減衰分布を演算する。減衰分布は、一般に、画像処理装置12のメモリにおいて記憶される数値行列を有する。
【0022】
画像処理装置12はディスプレイ14に結合されていて、数値行列をオペレータにより見ることができる画像に変換する。画像の各々の点又は画素は行列要素に対応する。当該技術分野において周知であるように、各々の画素の発光強度値は、オブジェクトスライスにおいてスキャンされたオブジェクトによりもたらされる減衰量を表す。
【0023】
当該技術分野において周知であるように、数値行列は複数のスライス画像を有し、それらの各々はスキャン経路に対応している。行列を構成するために、スライス画像は積み重ねられる。
【0024】
図2は、本発明に従った画像処理装置12の例示としての実施形態を示している。それは本発明に従った方法の例示としての実施形態を実行するためのものである。図2に示す画像処理装置12は、中央演算プロセッサ(CPU)又は画像プロセッサ20を有し、それらは、上記のように、例えば、Pentium(登録商標)IV処理装置20であることが可能である。画像プロセッサ20は、符号化測定値、数値行列及び生成された画像を記憶するためのメモリ22に接続されている。画像プロセッサ20は、複数の入力/出力ネットワーク又は診断装置に接続されることが可能である。本発明の場合、図1に示すように、画像プロセッサ20はCTスキャナに接続されている。画像プロセッサ20は、画像プロセッサ20において適合又は演算される画像又は情報を表示するための表示装置14(例えば、コンピュータモニタ)に更に接続されている。オペレータは、図2に示す、キーボード24及び/又は他の出力装置により画像プロセッサ20と対話することが可能である。
【0025】
図3は、本発明に従った画像処理装置を操作する方法の例示としての実施形態のフローチャートを示している。段階S1における開始の後、その方法は段階S2であって、複数のCTA画像スライスを有するCTA画像がCTスキャナにより取得される、段階S2に続く。次いで、その方法は、胸壁の検出が実行される段階S3に続く。本発明の特徴に従って、胸壁の検出は、胸部の前側から胸部の後ろ側にサーチ光線を投射することにより閾値基準を用いて実行される。次いで、その方法は、対象の心臓領域(CORI)が胸壁に付着している領域の調査が実行される段階S4に続く。これは、全てのスライスにおいて又は、例えば、第3スライス毎(即ち、n番目のスライス毎)のスライスのサブセットにおいて実行される。次いで、その方法は、下行大動脈の検出が胸部の左側から胸部の右側にサーチ光線を投射することにより閾値基準及び直径基準を用いて実行される段階S5に続く。段階S4と同様に、段階S5が全てのスライスにおいて又は、大動脈の中央に対する候補の集合に繋がるスライスのサブセットにおいて実行される。それらの候補は、距離基準を用いてクラスター化される、即ち、互いに近接している候補が同じクラスター内に集められる。続いて、殆どの候補を有するクラスターは大動脈クラスターとして受け入れられる。次いで、続く段階S6において、大動脈と胸骨との間のCROIの周りの閉曲線の円形初期設定が、適切はスライス画像において、即ち、胸壁と心臓組織との間の小さい接触領域を有するスライスにおいて実行される。続く段階S7において、段階S6において初期設定された曲線は、フーリエ補間及びエッジ基準を用いることにより最適化される。次いで、その方法は段階S8に続く。
【0026】
段階S8において、上記の段階S7が実行される、即ち、段階S2において取得されたCTA画像のスライスのサブセット又は全てのスライス画像に亘って伝搬される。その伝搬中、各々の実際のスライス画像において、前の伝搬の曲線は引き継がれ、即ち、段階S6における円形曲線に代えて初期設定された曲線として用いられる。
【0027】
次いで、段階S8の後、その方法は、心臓構造、即ち、左心室及び右心室と、左心房及び右心房と、下行大動脈の第1部分と、冠動脈と、心房及び心室と肺の脈管構造との間の接続のトランクと、を有する、画像部分(対象領域)の表示がディスプレイ14によりユーザに対して出力される段階S9に続く。次いで、その方法は、終了する段階S10に続く。
【0028】
図3を参照して説明した方法は、既知の方法に比べて効率の改善を有する。その説明した方法は、標準的なPCにおいて約5秒でCROIの完全自動描写を可能にする。更に、有利なことに、上記の方法は即座の可視化を可能にする。その方法は、医療用画像処理装置における画像ローディングの後、心臓構造の即座の可視化を可能にする。今日のシステムにおいては、画像のローディングの後、対象の心臓領域は、例えば、可視化により胸郭のような撹乱物質を削除するようにインタラクティブに描写される必要があり、この除去は、本発明の方法により自動的に実行されるために、本発明に従った方法においては必要ない。更に、上記の方法は、処理時間の短縮に繋がる、対象の心臓領域に対する後処理(例えば、冠動脈の抽出又は可視化のためのコントラスト材料が充填された心腔のサプレッション)に自動的にフォーカシングすることが可能である。更に、上記の方法により与えられる効果により、解剖学的基準点(例えば、下行大動脈及び胸壁であって、それらは、冠動脈の自動抽出のような更なる処理のために用いられることができる)の集合が与えられる。
【0029】
図4a乃至4cは、図3を参照して説明した方法に従って生成される画像を示している。図4aは、下行大動脈が十字形によりマーキングされた心臓の対象領域(ROI)を有するCTスライスを示している。図4bは、その心臓のROIの表面レンダリングを示している。図4bから把握が可能であるように、心臓のROIのみが表示されていて、他の撹乱構造はその画像中には存在しない。
【0030】
図4cは、本発明の例示としての実施形態に従った図3に関連付けて説明した方法に従って又、生成されたCROIのボリュームレンダリングを示している。図4cから把握が可能であるように、心臓構造、即ち、左心室及び右心室と、左心房及び右心房と、下行大動脈の第1部分と、冠動脈と、心房及び心室と肺の脈管構造との間の接続のトランクとを有する画像部分のみが示されている。この画像においてはCROIの可視化を撹乱する可能性がある他の要素は表示されていない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に従ったCTシステムの例示としての実施形態を示す図である。
【図2】図1のCTシステムにおいて使用可能であるような、本発明に従った画像処理装置の例示としての実施形態を示す図である。
【図3】図2の画像処理装置を有する、図1のCTシステムを動作するための方法の例示としての実施形態のフローチャートを示す図である。
【図4a】CTA画像の例を示す図である。
【図4b】CTA画像の例を示す図である。
【図4c】CTA画像の例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ断層撮影アンジオグラフィ(CTA)画像における胸壁に隣接する心臓の対象領域である第1領域の自動描写及び抽出のための方法であって:
前記胸壁を決定する段階;
前記第1領域が前記胸壁に付着している第2領域を決定する段階;
前記第1領域における大動脈を決定する段階;
前記第1領域の周りの閉曲線を初期設定する段階;及び
前記閉曲線の形状を最適化する段階;
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記閉曲線の前記形状を最適化する前記段階は、フーリエ補間とエッジ基準を用いることにより実行される、ことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記胸壁は、閾値基準を用いることにより及び胸部の前から該胸部の後にサーチ光線を投射することにより決定される、ことを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、下に向かっている大動脈は、閾値直径基準を用いることにより及び前記胸部の左側から前記胸部の右側にサーチ光線を投射することにより決定される、ことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって:
前記CTA画像は複数のスライス画像を有し;
前記の請求項1の各段階は前記スライス画像群に対して繰り返され;そして
各々のスライス画像に対して、前のスライス画像の最適化された形状の曲線は前記の閉曲線の初期設定に対して引き継がれる;
ことを特徴とする方法。
【請求項6】
コンピュータ断層撮影アンジオグラフィ(CTA)画像における胸壁に隣接する心臓の対象領域である第1領域の自動描写及び抽出のための画像処理装置であって、該画像処理装置は画像プロセッサを有し、該画像プロセッサは:
前記胸壁を決定し;
前記第1領域が前記胸壁に付着している第2領域を決定し;
前記第1領域における大動脈を決定し;
前記第1領域の周りの閉曲線を初期設定し;そして
前記閉曲線の形状を最適化する;
各作業を実行する、ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の画像処理装置であって:
前記閉曲線の前記形状を最適化する前記作業はフーリエ補間とエッジ基準とを用いることにより実行し;
前記胸壁は、閾値基準を用いることにより及び胸部の前から該胸部の後にサーチ光線を投射することにより決定され;
下に向かっている大動脈は、閾値直径基準を用いることにより及び前記胸部の左側から前記胸部の右側にサーチ光線を投射することにより決定され;
前記CTA画像は複数のスライス画像を有し;
請求項6に記載の各作業段階は前記の複数のスライス画像に対して繰り返され;そして
各々のスライス画像に対して、前のスライス画像の前記の最適化された形状の曲線は前記閉曲線の初期設定のために引き継がれる;
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
コンピュータ断層撮影アンジオグラフィ(CTA)画像における胸壁に隣接する心臓の対象領域である第1領域の自動描写及び抽出のための画像プロセッサを有するコンピュータ断層撮影システムであって、該画コンピュータ断層撮影システムは画像プロセッサを有し、該画像プロセッサは:
前記胸壁を決定し;
前記第1領域が前記胸壁に付着している第2領域を決定し;
前記第1領域における大動脈を決定し;
前記第1領域の周りの閉曲線を初期設定し;そして
前記閉曲線の形状を最適化する;
各作業を実行する、ことを特徴とするコンピュータ断層撮影システム。
【請求項9】
請求項8に記載のコンピュータ断層撮影システムであって:
前記閉曲線の前記形状を最適化する前記作業はフーリエ補間とエッジ基準とを用いることにより実行し;
前記胸壁は、閾値基準を用いることにより及び胸部の前から該胸部の後にサーチ光線を投射することにより決定され;
下に向かっている大動脈は、閾値直径基準を用いることにより及び前記胸部の左側から前記胸部の右側にサーチ光線を投射することにより決定され;
前記CTA画像は複数のスライス画像を有し;
請求項8に記載の各作業段階は前記の複数のスライス画像に対して繰り返され;そして
各々のスライス画像に対して、前のスライス画像の前記の最適化された形状の曲線は前記閉曲線の初期設定のために引き継がれる;
ことを特徴とするコンピュータ断層撮影システム。
【請求項10】
コンピュータ断層撮影アンジオグラフィ(CTA)画像における胸壁に隣接する心臓の対象領域である第1領域の自動描写及び抽出のための画像プロセッサを有する画像処理装置のためのコンピュータプログラムであって、該コンピュータプログラムが前記画像プロセッサにおいて実行されるときに、前記画像プロセッサは:
前記胸壁を決定し;
前記第1領域が前記胸壁に付着している第2領域を決定し;
前記第1領域における大動脈を決定し;
前記第1領域の周りの閉曲線を初期設定し;そして
前記閉曲線の形状を最適化する;
作業を実行する、ことを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−524085(P2006−524085A)
【公表日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−506842(P2006−506842)
【出願日】平成16年4月14日(2004.4.14)
【国際出願番号】PCT/IB2004/050435
【国際公開番号】WO2004/095371
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips Electronics N.V.
【住所又は居所原語表記】Groenewoudseweg 1,5621 BA Eindhoven, The Netherlands
【Fターム(参考)】