コンベアローラ及びベルトコンベア装置
【課題】無端ベルトとの間に生じる摩擦力を低減できるコンベアローラ及びこれを用いたベルトコンベア装置を提供する。
【解決手段】一方がエレクトレットからなり他方が導電体からなる内側発電素子21と外側発電素子22を軸部材11と円筒部材12の内周面に固定し、円筒部材12の回転によって生ずるこれらの相対運動に伴う静電誘導作用によってこれらに発生する起電力をモータ駆動部30に入力し、モータ駆動部30によってモータ40を駆動する。モータ固定子41が軸部材11に固定され、モータ回転子42が円筒部材12の内周面に固定されているので、モータ40が駆動されると、円筒部材12が回転する。これにより、無端ベルトの周回走行に対する抵抗力を低減でき、ベルトコンベア装置の電力消費量を低減することができる。
【解決手段】一方がエレクトレットからなり他方が導電体からなる内側発電素子21と外側発電素子22を軸部材11と円筒部材12の内周面に固定し、円筒部材12の回転によって生ずるこれらの相対運動に伴う静電誘導作用によってこれらに発生する起電力をモータ駆動部30に入力し、モータ駆動部30によってモータ40を駆動する。モータ固定子41が軸部材11に固定され、モータ回転子42が円筒部材12の内周面に固定されているので、モータ40が駆動されると、円筒部材12が回転する。これにより、無端ベルトの周回走行に対する抵抗力を低減でき、ベルトコンベア装置の電力消費量を低減することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラ上を移動するベルトや搬送物に与える抵抗力を従来よりも低減できるコンベアローラ及びベルトコンベア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉱山などにおいて採掘された鉱石等を搬送する装置として、例えば特開2003−312829号公報(特許文献1)に開示されるようなベルトコンベア装置が用いられている。一般的なベルトコンベアは、一端に設けられた駆動プーリと他端に設けられた従動プーリに無端ベルトを巻回することによって構成されている。また、駆動プーリと従動プーリとの間には無端ベルトを所定間隔おきに支えるように複数のコンベアローラが設けられ、これら複数のコンベアローラによって無端ベルトに撓みが生じないように支持されている。
【0003】
このようなベルトコンベア装置が起動すると、駆動部の駆動力により駆動プーリが回動することによって無端ベルトが周回走行し、無端ベルトの上に載せられた鉱石等が搬送される。
【特許文献1】特開2003−312829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無端ベルト上に鉱石等の重たい積載物が載せられた状態で無端ベルトを周回走行させると、積載物が重たいので無端ベルトとコンベアローラとの間に摩擦が生じて、無端ベルトの周回走行に対する抵抗力が発生してしまう。このため、駆動プーリを稼働させるための駆動力を増大させる必要が生じ、ベルトコンベア装置の電力消費が増大するという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、無端ベルトとの間に生じる摩擦力を低減できるコンベアローラ及びベルトコンベア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記目的を達成するために、軸部材の両端部のそれぞれに設けられたベアリングと、前記ベアリングによって前記軸部材を中心として回転する円筒部材と、前記軸部材の周囲に固定された所定形状のエレクトレット或いは導電体のうちの一方からなる内側発電素子と、前記内側発電素子に対向して前記円筒部材の内面に固定されたエレクトレット或いは導電体のうちの他方からなる所定形状の外側発電素子と、前記円筒部材の内面に固定されたモータ回転子と、前記軸部材に固定されて前記モータ回転子に対向する位置に設けられたモータ固定子と、一方の入力端が前記外側発電素子に接続されるとともに他方の入力端が前記内側発電素子に接続され、前記外側発電素子と前記内側発電素子との間に発生する電力を入力し、該電力を前記モータ固定子と前記モータ回転子とからなるモータに供給して該モータを駆動するモータ駆動手段とを備えているコンベアローラを提案する。
【0007】
本発明のコンベアローラは、軸部材が固定された状態で用いられ、該軸部材の回りを円筒部材が外力によって回転する。また、内側発電素子と外側発電素子のうちの一方が絶縁材料の表面付近に電荷を注入して形成されたエレクトレットによって構成され、他方が導電体によって構成されているので、軸部材の回りを円筒部材が回転することによって、エレクトレットと導電体が相対的に運動すると、導電体に静電誘導作用による起電力が発生する。この起電力はモータ駆動手段に入力され、この電力がモータ駆動手段によってモータへと供給されてモータが回転駆動される。
【0008】
また、本発明は前記目的を達成するために、上記のコンベアローラを備えたベルトコンベア装置を提案する。
【0009】
本発明のベルトコンベア装置によれば、無端ベルトに搬送物を積載して搬送する際に摩擦力によってコンベアローラの円筒部材が回転されて発電される。この発電された電力がモータに供給され、モータが回転されるので、無端ベルトとコンベアローラとの間の摩擦による抵抗が軽減される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のコンベアローラ及びベルトコンベア装置によれば、円筒部材が回転することによってエレクトレットと導電体が相対的に運動することによって発生する起電力がモータ駆動手段によってモータへと供給されてモータが回転駆動されるので、無端ベルトの周回走行に対する抵抗力を低減できるため、ベルトコンベア装置の電力消費量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0012】
図1乃至図4は本発明の一実施形態におけるベルトコンベア装置を示すもので、図1は本発明の一実施形態におけるベルトコンベア装置を示す外観図、図2は本発明の一実施形態におけるコンベアローラを示す外観図、図3は本発明の一実施形態におけるコンベアローラの正面断面図、図4は図3におけるB−B線矢視方向の断面図である。
【0013】
図において、1はベルトコンベア装置で、駆動プーリ2と、従動プーリ3、これらの駆動プーリ2と従動プーリ3に架け渡された無端ベルト4、駆動プーリ2を回転させる電動機5、及び無端ベルト4を支持する複数のコンベアローラ6から構成されている。
【0014】
また、本発明の特徴とするコンベアローラ6は、図2乃至図4に示すように、軸部材11の周囲にベアリング13を介して円筒部材12が装着されたもので、軸部材11を固定することにより軸部材11の周囲を円筒部材12が回転可能になっている。
【0015】
また、軸部材11と円筒部材12との間には、図5の電気系回路ブロック図に示すように、静電気発電部20と、モータ駆動部30と、モータ40が設けられている。
【0016】
静電気発電部20は、軸部材11に固定された円柱状の基台14の外周面に設けられている内側発電素子21と、円筒部材12の内周面に固定された絶縁部材15の表面に設けられている外側発電素子22とから構成されている。内側発電素子21と外側発電素子22は互いに対向する位置に配置され、これらの間には所定距離の隙間が設けられている。
【0017】
これらの内側発電素子21と外側発電素子22は、その一方がエレクトレットによって構成され、他方が導電体によって構成されている。エレクトレットは、絶縁材料の表面付近に電荷を注入して形成されたもので、この電荷の注入には、液体接触、コロナ放電、電子ビーム、バック・ライテッド・サイラトロン等公知の方法を用いることができる。なお、本実施形態では、内側発電素子21と外側発電素子22のそれぞれを、図6に示すように櫛歯状に形成し、電極が互いに平行になるとともにそれぞれの電極が軸部材11の軸と平行になるように配置している。
【0018】
また、モータ40はモータ固定子41とモータ回転子42から構成され、モータ固定子41は軸部材11に固定され、モータ回転子42はモータ固定子41に対向するように円筒部材42の内周面に固定されている。
【0019】
上記構成により、軸部材11の周りを円筒部材12が回転することにより、これらの相対運動に伴いエレクトレットは導電体に対して相対的に運動し、導電体に静電誘導作用による起電力を発生させる。内側発電素子21と外側発電素子22から出力される起電力はモータ駆動部30に入力される。
【0020】
モータ駆動部30は、軸部材11に固定された筐体を備えており、この筐体内部に電力取り出し部31とモータ駆動制御部32を備えている。
【0021】
電力取り出し部31の一例として、図7に第1実施例を示し、図8に第2実施例を示す。
【0022】
図7に示す第1実施例の電力取り出し部100は、トランス110と、整流回路120、コンデンサ102,104、抵抗器103から構成されている。なお、第1実施例における整流回路120は2つのダイオード121,122によって構成されている。
【0023】
トランス110の一次巻線111の一端は入力端子101aを介して内側発電素子21に接続され、トランス110の一次巻線111の他端は入力端子101bを介して外側発電素子22に接続されている。また、トランス110の二次巻線112の一端はダイオード121のアノードに接続れ、ダイオード121のカソードはダイオード122のカソードと抵抗器103及びコンデンサ104の一端と出力端子101cに接続されている。トランス110の二次巻線112の他端は、ダイオード122のアノードと抵抗器103及びコンデンサ104の他端と出力端子101dに接続されるとともにコンデンサ102を介して入力端子101bに接続されている。
【0024】
コンデンサ102は、静電誘導型変換素子200の基準電位を電力取り出し回路100の基準電位と位置させるとともにトランス110の一次巻線111と二次巻線112との間の直流を遮断する。
【0025】
上記構成の電力取り出し部100では、内側発電素子21と外側発電素子22からなる静電気発電部20に発生した交流電圧が、トランス110の一次巻線111に印加され、この一次巻線111に交流電流が流れる。この交流電流によって一次巻線111には磁界が発生し、この磁界は二次巻線112に交差する。これにより、二次巻線112には磁気誘導によって電流が発生し、二次巻線112の両端には一次巻線111との巻き数比に応じた電圧の交流電力が発生する。トランス110の二次巻線112に発生した交流電力は整流回路120によって直流電力に変換されて出力端子101c,101dから出力される。
【0026】
図8に示す第2実施例の電力取り出し部200は、スタガ同調回路210と、整流回路260、コンデンサ202及び抵抗器203から構成されている。
【0027】
スタガ同調回路210は、3つのトランス220,230,240とコンデンサ211,213〜216とから構成されている。
【0028】
トランス220の一次巻線221の一端は入力端子201aを介して内側発電素子21に接続され、トランス210の一次巻線211の他端は入力端子201bを介して外側発電素子22に接続されている。さらに、トランス220の二次巻線222の他端はコンデンサ211を介して入力端子201bに接続されている。また、トランス220の二次巻線222と並列にコンデンサ223が接続されている。コンデンサ223は浮遊容量を利用しても良い。コンデンサ211は、静電気発電部20の基準電位を電力取り出し部200の基準電位と位置させるとともにトランス220の一次巻線221と二次巻線222との間の直流を遮断する。
【0029】
トランス230の一次巻線231の一端はコンデンサ213を介してトランス220の二次巻線222の一端に接続され、トランス230の一次巻線231の他端はコンデンサ214を介してトランス220の二次巻線222の他端に接続されている。また、トランス230の一次巻線231と並列にコンデンサ233が接続されるとともに二次巻線232と並列にコンデンサ234が接続されている。コンデンサ233,234は浮遊容量を利用しても良い。
【0030】
トランス240の一次巻線241の一端はコンデンサ215を介してトランス230の二次巻線232の一端に接続され、トランス240の一次巻線241の他端はコンデンサ216を介してトランス230の二次巻線232の他端に接続されている。また、トランス240の一次巻線241と並列にコンデンサ243が接続されるとともに二次巻線242と並列にコンデンサ244が接続されている。コンデンサ243,244は浮遊容量を利用しても良い。
【0031】
なお、第2実施例の電力取り出し部200では、図9に示すように、第1段トランス220によって形成される同調回路の同調周波数f1が70Hzに設定され、第2段トランス230によって形成される同調回路の同調周波数f2が30Hzに設定され、第3段トランス240によって形成される同調回路の同調周波数f3が150Hzに設定されている。これにより、円筒部材12に加わる外力によって内側発電素子21と外側発電素子22が行う相対運動の振動周波数範囲fbである10Hz〜200Hzの範囲の運動エネルギーを電気エネルギーとして効率よく取り出すことができる。
【0032】
また、各トランス220,230,240によって形成される同調回路のそれぞれの同調周波数は、各トランス220,230,240の巻線のインダクタンスと各巻線に並列接続されているコンデンサのキャパシタンスの値を調整することによって容易に任意の周波数に設定することができる。
【0033】
コンデンサ213,214はトランス220の二次巻線222とトランス230の一次巻線231との間のアイソレーションのための設けられており、コンデンサ215,216はトランス230の二次巻線232とトランス240の一次巻線241との間のアイソレーションのために設けられている。なお、第2実施例の電力取り出し部200ではトランス間のアイソレーションを行うためにコンデンサ213〜216を用いたが、ダイオードを用いてアイソレーションを行っても良い。また、トランス間のアイソレーションを行うためにダイオードを用いる場合は、損失の低減および取り出し可能電圧を低下させるために、順方向電圧が低い化合物系のダイオードを用いることが好ましい。
【0034】
整流回路260は2つのダイオード261,262によって構成されている。ダイオード261のアノードはトランス240の二次巻線242の一端に接続れ、ダイオード261のカソードはダイオード262のカソードとコンデンサ202及び抵抗器203の一端と出力端子201cに接続されている。トランス240の二次巻線242の他端は、ダイオード262のアノードとコンデンサ202及び抵抗器203の他端と出力端子201dに接続されている。
【0035】
上記第2実施例の電力取り出し部200では、静電気発電部20に発生した交流電圧は、第1段トランス220の一次巻線221に印加され、この一次巻線221に交流電流が流れる。この交流電流によって一次巻線221には磁界が発生し、この磁界は二次巻線222に交差する。これにより、二次巻線222には磁気誘導によって電流が発生し、二次巻線222の両端には一次巻線221との巻き数比などに応じた電圧の交流電力が発生する。このとき第1段トランス220の二次巻線222には第1段トランス220によって形成される同調回路の同調周波数f1に一致する周波数の交流電力が最も効率良く出力される。
【0036】
また、後段の他のトランス230,240の二次巻線232,242には前段のトランス220,230から出力された周波数の交流電力に加えて、このトランス230,240によって形成される同調回路の同調周波数f2,f3に一致する周波数の交流電力が出力される。したがって、最終段のトランス240の二次巻線242から出力される交流電力には、各トランス220,230,240によって形成される同調回路の同調周波数f1,f2,f3に一致した周波数の交流電力成分の全てが含まれている。最終段のトランス240の二次巻線242に発生した交流電力は整流回路260によって直流電力に変換されて出力端子201c,201dから出力される。
【0037】
モータ駆動制御部32を構成する一具体例の制御回路300を図10に示す。図に示す制御回路300は、電流制御用ダイオード311と、抵抗器312〜317、コンデンサ318、Nチャネル型電界効果トランジスタ(以下、FETと称する)319、Pチャネル型電界効果トランジスタ(以下、FETと称する)320,321とから構成されている。
【0038】
電流制御用ダイオード311のアノードは入力端子301aに接続され、カソードは抵抗器312の一端に接続されている。抵抗器312の他端はコンデンサ318を介して接地端子301b,301dに接続されている。さらに、抵抗器312の他端は抵抗器313の一端とFET319のソースに接続されている。
【0039】
抵抗器313の他端は、FET319のゲートと抵抗器315の一端に接続されると共に抵抗器314を介して接地されている。FET319のドレインは出力端子301cに接続され、抵抗器315の他端はFET320のドレインに接続されている。
【0040】
また、FET320のソースは接地端子301b,301dに接続され、FET320のゲートは出力端子301cに接続されている。
【0041】
さらに、出力端子301cは抵抗器316の一端とFET321のドレインに接続され、抵抗器316の他端は抵抗器317の一端とFET321のゲートに接続されている。また、抵抗器317の他端とFET321のソースは接地端子301b,301dに接続されている。
【0042】
次に、図11に示すタイミング図を参照して、上記構成からなるモータ駆動制御部32の動作を説明する。
【0043】
上記制御回路300からなるモータ駆動制御部32は、入力端子301a及び接地端子301bに電力取り出し部31から出力された電力が入力される。これにより、コンデンサ318の両端に電力取り出し部31から供給される電流が流れ、コンデンサ318が蓄電される。コンデンサ318の両端間の電圧が所定の閾値電圧に達すると抵抗器313,314によって分圧されたゲート電圧によってFET319が動作状態(オン状態)となりる。これにより、コンデンサ318に蓄電されていた電力が出力端子301cを介してモータ40に供給されてモータ40が回転する。なお、モータ40の回転方向は、無端ベルト4の周回走行によって円筒部材12が回転する方向に設定されている。
【0044】
また、コンデンサ318に蓄電されている電力が放電されて、コンデンサ318の両端間の電圧が上記閾値電圧を下回ると、FET320のゲート電圧が低下して、FET320は動作状態(オン状態)となる。これにより、FET319のゲート電圧がカットオフ方向に下がり、FET319はオフ状態となる。このため、コンデンサ318の出力側は開放状態となるので、再び電力取り出し部31から出力される電力がコンデンサ318に蓄電される。
【0045】
上記のように本実施形態のベルトコンベア装置1は、無端ベルト4に搬送物を積載して搬送する際に摩擦力によってコンベアローラ6の円筒部材12が回転されて発電されるため、この発電された電力がモータ40に供給されて、モータ40が回転される。これにより、無端ベルト4とコンベアローラ6との間の摩擦による抵抗が軽減され、無端ベルト4の周回走行に対する抵抗力を低減できるため、ベルトコンベア装置1の電力消費量を低減することができる。
【0046】
なお、上記コンベアローラ6はベルトコンベア装置1以外にも用いることができることは言うまでもない。
【0047】
また、実施形態では内側発電素子21と外側発電素子22を構成する導電体の形状とエレクトレットの形状を櫛歯形状としたがこれに限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態におけるベルトコンベア装置を示す外観図
【図2】本発明の一実施形態におけるコンベアローラを示す外観図
【図3】本発明の一実施形態におけるコンベアローラの正面断面図
【図4】図3におけるB−B線矢視方向の断面図
【図5】本発明の一実施形態におけるコンベアローラの電気系回路を示すブロック図
【図6】本発明の一実施形態における静電気発電部の電極構成を説明する図
【図7】本発明の一実施形態における電力取り出し部の第1実施例を示す回路図
【図8】本発明の一実施形態における電力取り出し部の第2実施例を示す回路図
【図9】本発明の一実施形態におけるスタガ同調回路の周波数特性を示す図
【図10】本発明の一実施形態におけるモータ駆動制御部の電気系回路を示す回路図
【図11】本発明の一実施形態におけるコンベアローラのモータ駆動タイミングを説明する図
【符号の説明】
【0049】
1…ベルトコンベア装置、2…駆動プーリ、3…従動プーリ、4…無端ベルト、5…電動機、6…コンベアローラ、11…軸部材、12…円筒部材、13…ベアリング、14…基台、15…絶縁部材、21…内側発電素子、22…外側発電素子、30…モータ駆動部、31…電力取り出し部、32…モータ駆動制御部、40…モータ、41…モータ固定子、42…モータ回転子、100…電力取り出し部、101a,101b…入力端子、101c,101d…出力端子、102…コンデンサ、103…抵抗器、104…コンデンサ、105…シャントダイオード、110…トランス、111…一次巻線、112…二次巻線、120…整流回路、121,122…ダイオード、200…電力取り出し部、201a,201b…入力端子、201c,201d…出力端子、202…コンデンサ、203…抵抗器、204…シャントダイオード、210…スタガ同調回路、211,213〜216…コンデンサ、220…トランス、221…一次巻線、222…二次巻線、230…トランス、231…一次巻線、232…二次巻線、240…トランス、241…一次巻線、242…二次巻線、260…整流回路、261,262…ダイオード、300…制御回路、301a,301b…入力端子、301c,301d…出力端子、311…電流制御ダイオード、312〜317…抵抗器、318…コンデンサ、319…Nチャネル型電界効果トランジスタ(FET)、320,321…Pチャネル型電界効果トランジスタ(FET)。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローラ上を移動するベルトや搬送物に与える抵抗力を従来よりも低減できるコンベアローラ及びベルトコンベア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鉱山などにおいて採掘された鉱石等を搬送する装置として、例えば特開2003−312829号公報(特許文献1)に開示されるようなベルトコンベア装置が用いられている。一般的なベルトコンベアは、一端に設けられた駆動プーリと他端に設けられた従動プーリに無端ベルトを巻回することによって構成されている。また、駆動プーリと従動プーリとの間には無端ベルトを所定間隔おきに支えるように複数のコンベアローラが設けられ、これら複数のコンベアローラによって無端ベルトに撓みが生じないように支持されている。
【0003】
このようなベルトコンベア装置が起動すると、駆動部の駆動力により駆動プーリが回動することによって無端ベルトが周回走行し、無端ベルトの上に載せられた鉱石等が搬送される。
【特許文献1】特開2003−312829号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無端ベルト上に鉱石等の重たい積載物が載せられた状態で無端ベルトを周回走行させると、積載物が重たいので無端ベルトとコンベアローラとの間に摩擦が生じて、無端ベルトの周回走行に対する抵抗力が発生してしまう。このため、駆動プーリを稼働させるための駆動力を増大させる必要が生じ、ベルトコンベア装置の電力消費が増大するという問題点があった。
【0005】
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、無端ベルトとの間に生じる摩擦力を低減できるコンベアローラ及びベルトコンベア装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は前記目的を達成するために、軸部材の両端部のそれぞれに設けられたベアリングと、前記ベアリングによって前記軸部材を中心として回転する円筒部材と、前記軸部材の周囲に固定された所定形状のエレクトレット或いは導電体のうちの一方からなる内側発電素子と、前記内側発電素子に対向して前記円筒部材の内面に固定されたエレクトレット或いは導電体のうちの他方からなる所定形状の外側発電素子と、前記円筒部材の内面に固定されたモータ回転子と、前記軸部材に固定されて前記モータ回転子に対向する位置に設けられたモータ固定子と、一方の入力端が前記外側発電素子に接続されるとともに他方の入力端が前記内側発電素子に接続され、前記外側発電素子と前記内側発電素子との間に発生する電力を入力し、該電力を前記モータ固定子と前記モータ回転子とからなるモータに供給して該モータを駆動するモータ駆動手段とを備えているコンベアローラを提案する。
【0007】
本発明のコンベアローラは、軸部材が固定された状態で用いられ、該軸部材の回りを円筒部材が外力によって回転する。また、内側発電素子と外側発電素子のうちの一方が絶縁材料の表面付近に電荷を注入して形成されたエレクトレットによって構成され、他方が導電体によって構成されているので、軸部材の回りを円筒部材が回転することによって、エレクトレットと導電体が相対的に運動すると、導電体に静電誘導作用による起電力が発生する。この起電力はモータ駆動手段に入力され、この電力がモータ駆動手段によってモータへと供給されてモータが回転駆動される。
【0008】
また、本発明は前記目的を達成するために、上記のコンベアローラを備えたベルトコンベア装置を提案する。
【0009】
本発明のベルトコンベア装置によれば、無端ベルトに搬送物を積載して搬送する際に摩擦力によってコンベアローラの円筒部材が回転されて発電される。この発電された電力がモータに供給され、モータが回転されるので、無端ベルトとコンベアローラとの間の摩擦による抵抗が軽減される。
【発明の効果】
【0010】
本発明のコンベアローラ及びベルトコンベア装置によれば、円筒部材が回転することによってエレクトレットと導電体が相対的に運動することによって発生する起電力がモータ駆動手段によってモータへと供給されてモータが回転駆動されるので、無端ベルトの周回走行に対する抵抗力を低減できるため、ベルトコンベア装置の電力消費量を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。
【0012】
図1乃至図4は本発明の一実施形態におけるベルトコンベア装置を示すもので、図1は本発明の一実施形態におけるベルトコンベア装置を示す外観図、図2は本発明の一実施形態におけるコンベアローラを示す外観図、図3は本発明の一実施形態におけるコンベアローラの正面断面図、図4は図3におけるB−B線矢視方向の断面図である。
【0013】
図において、1はベルトコンベア装置で、駆動プーリ2と、従動プーリ3、これらの駆動プーリ2と従動プーリ3に架け渡された無端ベルト4、駆動プーリ2を回転させる電動機5、及び無端ベルト4を支持する複数のコンベアローラ6から構成されている。
【0014】
また、本発明の特徴とするコンベアローラ6は、図2乃至図4に示すように、軸部材11の周囲にベアリング13を介して円筒部材12が装着されたもので、軸部材11を固定することにより軸部材11の周囲を円筒部材12が回転可能になっている。
【0015】
また、軸部材11と円筒部材12との間には、図5の電気系回路ブロック図に示すように、静電気発電部20と、モータ駆動部30と、モータ40が設けられている。
【0016】
静電気発電部20は、軸部材11に固定された円柱状の基台14の外周面に設けられている内側発電素子21と、円筒部材12の内周面に固定された絶縁部材15の表面に設けられている外側発電素子22とから構成されている。内側発電素子21と外側発電素子22は互いに対向する位置に配置され、これらの間には所定距離の隙間が設けられている。
【0017】
これらの内側発電素子21と外側発電素子22は、その一方がエレクトレットによって構成され、他方が導電体によって構成されている。エレクトレットは、絶縁材料の表面付近に電荷を注入して形成されたもので、この電荷の注入には、液体接触、コロナ放電、電子ビーム、バック・ライテッド・サイラトロン等公知の方法を用いることができる。なお、本実施形態では、内側発電素子21と外側発電素子22のそれぞれを、図6に示すように櫛歯状に形成し、電極が互いに平行になるとともにそれぞれの電極が軸部材11の軸と平行になるように配置している。
【0018】
また、モータ40はモータ固定子41とモータ回転子42から構成され、モータ固定子41は軸部材11に固定され、モータ回転子42はモータ固定子41に対向するように円筒部材42の内周面に固定されている。
【0019】
上記構成により、軸部材11の周りを円筒部材12が回転することにより、これらの相対運動に伴いエレクトレットは導電体に対して相対的に運動し、導電体に静電誘導作用による起電力を発生させる。内側発電素子21と外側発電素子22から出力される起電力はモータ駆動部30に入力される。
【0020】
モータ駆動部30は、軸部材11に固定された筐体を備えており、この筐体内部に電力取り出し部31とモータ駆動制御部32を備えている。
【0021】
電力取り出し部31の一例として、図7に第1実施例を示し、図8に第2実施例を示す。
【0022】
図7に示す第1実施例の電力取り出し部100は、トランス110と、整流回路120、コンデンサ102,104、抵抗器103から構成されている。なお、第1実施例における整流回路120は2つのダイオード121,122によって構成されている。
【0023】
トランス110の一次巻線111の一端は入力端子101aを介して内側発電素子21に接続され、トランス110の一次巻線111の他端は入力端子101bを介して外側発電素子22に接続されている。また、トランス110の二次巻線112の一端はダイオード121のアノードに接続れ、ダイオード121のカソードはダイオード122のカソードと抵抗器103及びコンデンサ104の一端と出力端子101cに接続されている。トランス110の二次巻線112の他端は、ダイオード122のアノードと抵抗器103及びコンデンサ104の他端と出力端子101dに接続されるとともにコンデンサ102を介して入力端子101bに接続されている。
【0024】
コンデンサ102は、静電誘導型変換素子200の基準電位を電力取り出し回路100の基準電位と位置させるとともにトランス110の一次巻線111と二次巻線112との間の直流を遮断する。
【0025】
上記構成の電力取り出し部100では、内側発電素子21と外側発電素子22からなる静電気発電部20に発生した交流電圧が、トランス110の一次巻線111に印加され、この一次巻線111に交流電流が流れる。この交流電流によって一次巻線111には磁界が発生し、この磁界は二次巻線112に交差する。これにより、二次巻線112には磁気誘導によって電流が発生し、二次巻線112の両端には一次巻線111との巻き数比に応じた電圧の交流電力が発生する。トランス110の二次巻線112に発生した交流電力は整流回路120によって直流電力に変換されて出力端子101c,101dから出力される。
【0026】
図8に示す第2実施例の電力取り出し部200は、スタガ同調回路210と、整流回路260、コンデンサ202及び抵抗器203から構成されている。
【0027】
スタガ同調回路210は、3つのトランス220,230,240とコンデンサ211,213〜216とから構成されている。
【0028】
トランス220の一次巻線221の一端は入力端子201aを介して内側発電素子21に接続され、トランス210の一次巻線211の他端は入力端子201bを介して外側発電素子22に接続されている。さらに、トランス220の二次巻線222の他端はコンデンサ211を介して入力端子201bに接続されている。また、トランス220の二次巻線222と並列にコンデンサ223が接続されている。コンデンサ223は浮遊容量を利用しても良い。コンデンサ211は、静電気発電部20の基準電位を電力取り出し部200の基準電位と位置させるとともにトランス220の一次巻線221と二次巻線222との間の直流を遮断する。
【0029】
トランス230の一次巻線231の一端はコンデンサ213を介してトランス220の二次巻線222の一端に接続され、トランス230の一次巻線231の他端はコンデンサ214を介してトランス220の二次巻線222の他端に接続されている。また、トランス230の一次巻線231と並列にコンデンサ233が接続されるとともに二次巻線232と並列にコンデンサ234が接続されている。コンデンサ233,234は浮遊容量を利用しても良い。
【0030】
トランス240の一次巻線241の一端はコンデンサ215を介してトランス230の二次巻線232の一端に接続され、トランス240の一次巻線241の他端はコンデンサ216を介してトランス230の二次巻線232の他端に接続されている。また、トランス240の一次巻線241と並列にコンデンサ243が接続されるとともに二次巻線242と並列にコンデンサ244が接続されている。コンデンサ243,244は浮遊容量を利用しても良い。
【0031】
なお、第2実施例の電力取り出し部200では、図9に示すように、第1段トランス220によって形成される同調回路の同調周波数f1が70Hzに設定され、第2段トランス230によって形成される同調回路の同調周波数f2が30Hzに設定され、第3段トランス240によって形成される同調回路の同調周波数f3が150Hzに設定されている。これにより、円筒部材12に加わる外力によって内側発電素子21と外側発電素子22が行う相対運動の振動周波数範囲fbである10Hz〜200Hzの範囲の運動エネルギーを電気エネルギーとして効率よく取り出すことができる。
【0032】
また、各トランス220,230,240によって形成される同調回路のそれぞれの同調周波数は、各トランス220,230,240の巻線のインダクタンスと各巻線に並列接続されているコンデンサのキャパシタンスの値を調整することによって容易に任意の周波数に設定することができる。
【0033】
コンデンサ213,214はトランス220の二次巻線222とトランス230の一次巻線231との間のアイソレーションのための設けられており、コンデンサ215,216はトランス230の二次巻線232とトランス240の一次巻線241との間のアイソレーションのために設けられている。なお、第2実施例の電力取り出し部200ではトランス間のアイソレーションを行うためにコンデンサ213〜216を用いたが、ダイオードを用いてアイソレーションを行っても良い。また、トランス間のアイソレーションを行うためにダイオードを用いる場合は、損失の低減および取り出し可能電圧を低下させるために、順方向電圧が低い化合物系のダイオードを用いることが好ましい。
【0034】
整流回路260は2つのダイオード261,262によって構成されている。ダイオード261のアノードはトランス240の二次巻線242の一端に接続れ、ダイオード261のカソードはダイオード262のカソードとコンデンサ202及び抵抗器203の一端と出力端子201cに接続されている。トランス240の二次巻線242の他端は、ダイオード262のアノードとコンデンサ202及び抵抗器203の他端と出力端子201dに接続されている。
【0035】
上記第2実施例の電力取り出し部200では、静電気発電部20に発生した交流電圧は、第1段トランス220の一次巻線221に印加され、この一次巻線221に交流電流が流れる。この交流電流によって一次巻線221には磁界が発生し、この磁界は二次巻線222に交差する。これにより、二次巻線222には磁気誘導によって電流が発生し、二次巻線222の両端には一次巻線221との巻き数比などに応じた電圧の交流電力が発生する。このとき第1段トランス220の二次巻線222には第1段トランス220によって形成される同調回路の同調周波数f1に一致する周波数の交流電力が最も効率良く出力される。
【0036】
また、後段の他のトランス230,240の二次巻線232,242には前段のトランス220,230から出力された周波数の交流電力に加えて、このトランス230,240によって形成される同調回路の同調周波数f2,f3に一致する周波数の交流電力が出力される。したがって、最終段のトランス240の二次巻線242から出力される交流電力には、各トランス220,230,240によって形成される同調回路の同調周波数f1,f2,f3に一致した周波数の交流電力成分の全てが含まれている。最終段のトランス240の二次巻線242に発生した交流電力は整流回路260によって直流電力に変換されて出力端子201c,201dから出力される。
【0037】
モータ駆動制御部32を構成する一具体例の制御回路300を図10に示す。図に示す制御回路300は、電流制御用ダイオード311と、抵抗器312〜317、コンデンサ318、Nチャネル型電界効果トランジスタ(以下、FETと称する)319、Pチャネル型電界効果トランジスタ(以下、FETと称する)320,321とから構成されている。
【0038】
電流制御用ダイオード311のアノードは入力端子301aに接続され、カソードは抵抗器312の一端に接続されている。抵抗器312の他端はコンデンサ318を介して接地端子301b,301dに接続されている。さらに、抵抗器312の他端は抵抗器313の一端とFET319のソースに接続されている。
【0039】
抵抗器313の他端は、FET319のゲートと抵抗器315の一端に接続されると共に抵抗器314を介して接地されている。FET319のドレインは出力端子301cに接続され、抵抗器315の他端はFET320のドレインに接続されている。
【0040】
また、FET320のソースは接地端子301b,301dに接続され、FET320のゲートは出力端子301cに接続されている。
【0041】
さらに、出力端子301cは抵抗器316の一端とFET321のドレインに接続され、抵抗器316の他端は抵抗器317の一端とFET321のゲートに接続されている。また、抵抗器317の他端とFET321のソースは接地端子301b,301dに接続されている。
【0042】
次に、図11に示すタイミング図を参照して、上記構成からなるモータ駆動制御部32の動作を説明する。
【0043】
上記制御回路300からなるモータ駆動制御部32は、入力端子301a及び接地端子301bに電力取り出し部31から出力された電力が入力される。これにより、コンデンサ318の両端に電力取り出し部31から供給される電流が流れ、コンデンサ318が蓄電される。コンデンサ318の両端間の電圧が所定の閾値電圧に達すると抵抗器313,314によって分圧されたゲート電圧によってFET319が動作状態(オン状態)となりる。これにより、コンデンサ318に蓄電されていた電力が出力端子301cを介してモータ40に供給されてモータ40が回転する。なお、モータ40の回転方向は、無端ベルト4の周回走行によって円筒部材12が回転する方向に設定されている。
【0044】
また、コンデンサ318に蓄電されている電力が放電されて、コンデンサ318の両端間の電圧が上記閾値電圧を下回ると、FET320のゲート電圧が低下して、FET320は動作状態(オン状態)となる。これにより、FET319のゲート電圧がカットオフ方向に下がり、FET319はオフ状態となる。このため、コンデンサ318の出力側は開放状態となるので、再び電力取り出し部31から出力される電力がコンデンサ318に蓄電される。
【0045】
上記のように本実施形態のベルトコンベア装置1は、無端ベルト4に搬送物を積載して搬送する際に摩擦力によってコンベアローラ6の円筒部材12が回転されて発電されるため、この発電された電力がモータ40に供給されて、モータ40が回転される。これにより、無端ベルト4とコンベアローラ6との間の摩擦による抵抗が軽減され、無端ベルト4の周回走行に対する抵抗力を低減できるため、ベルトコンベア装置1の電力消費量を低減することができる。
【0046】
なお、上記コンベアローラ6はベルトコンベア装置1以外にも用いることができることは言うまでもない。
【0047】
また、実施形態では内側発電素子21と外側発電素子22を構成する導電体の形状とエレクトレットの形状を櫛歯形状としたがこれに限定されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態におけるベルトコンベア装置を示す外観図
【図2】本発明の一実施形態におけるコンベアローラを示す外観図
【図3】本発明の一実施形態におけるコンベアローラの正面断面図
【図4】図3におけるB−B線矢視方向の断面図
【図5】本発明の一実施形態におけるコンベアローラの電気系回路を示すブロック図
【図6】本発明の一実施形態における静電気発電部の電極構成を説明する図
【図7】本発明の一実施形態における電力取り出し部の第1実施例を示す回路図
【図8】本発明の一実施形態における電力取り出し部の第2実施例を示す回路図
【図9】本発明の一実施形態におけるスタガ同調回路の周波数特性を示す図
【図10】本発明の一実施形態におけるモータ駆動制御部の電気系回路を示す回路図
【図11】本発明の一実施形態におけるコンベアローラのモータ駆動タイミングを説明する図
【符号の説明】
【0049】
1…ベルトコンベア装置、2…駆動プーリ、3…従動プーリ、4…無端ベルト、5…電動機、6…コンベアローラ、11…軸部材、12…円筒部材、13…ベアリング、14…基台、15…絶縁部材、21…内側発電素子、22…外側発電素子、30…モータ駆動部、31…電力取り出し部、32…モータ駆動制御部、40…モータ、41…モータ固定子、42…モータ回転子、100…電力取り出し部、101a,101b…入力端子、101c,101d…出力端子、102…コンデンサ、103…抵抗器、104…コンデンサ、105…シャントダイオード、110…トランス、111…一次巻線、112…二次巻線、120…整流回路、121,122…ダイオード、200…電力取り出し部、201a,201b…入力端子、201c,201d…出力端子、202…コンデンサ、203…抵抗器、204…シャントダイオード、210…スタガ同調回路、211,213〜216…コンデンサ、220…トランス、221…一次巻線、222…二次巻線、230…トランス、231…一次巻線、232…二次巻線、240…トランス、241…一次巻線、242…二次巻線、260…整流回路、261,262…ダイオード、300…制御回路、301a,301b…入力端子、301c,301d…出力端子、311…電流制御ダイオード、312〜317…抵抗器、318…コンデンサ、319…Nチャネル型電界効果トランジスタ(FET)、320,321…Pチャネル型電界効果トランジスタ(FET)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部材の両端部のそれぞれに設けられたベアリングと、
前記ベアリングによって前記軸部材を中心として回転する円筒部材と、
前記軸部材の周囲に固定された所定形状のエレクトレット或いは導電体のうちの一方からなる内側発電素子と、
前記内側発電素子に対向して前記円筒部材の内面に固定されたエレクトレット或いは導電体のうちの他方からなる所定形状の外側発電素子と、
前記円筒部材の内面に固定されたモータ回転子と、
前記軸部材に固定されて前記モータ回転子に対向する位置に設けられたモータ固定子と、
一方の入力端が前記外側発電素子に接続されるとともに他方の入力端が前記内側発電素子に接続され、前記外側発電素子と前記内側発電素子との間に発生する電力を入力し、該電力を前記モータ固定子と前記モータ回転子とからなるモータに供給して該モータを駆動するモータ駆動手段とを備えている
ことを特徴とするコンベアローラ。
【請求項2】
前記エレクトレットと前記導体のそれぞれは互いに平行な櫛歯形をなし、前記エレクトレットと前記導体のそれぞれの櫛歯が前記円筒部材が回転する方向と直交するように形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のコンベアローラ。
【請求項3】
前記モータ駆動手段は、
前記入力した電力を直流電力に変換する整流手段と、
前記直流電力を蓄電する蓄電器と、
前記蓄電器に蓄電されている電力が所定値以上であるときだけ、前記蓄電器に蓄電されている電力を前記モータに供給する通電手段とを備えている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンベアローラ。
【請求項4】
無端ベルトを支持するために上記請求項1乃至請求項3の何れかに記載のコンベアローラを備えていることを特徴とするベルトコンベア装置。
【請求項1】
軸部材の両端部のそれぞれに設けられたベアリングと、
前記ベアリングによって前記軸部材を中心として回転する円筒部材と、
前記軸部材の周囲に固定された所定形状のエレクトレット或いは導電体のうちの一方からなる内側発電素子と、
前記内側発電素子に対向して前記円筒部材の内面に固定されたエレクトレット或いは導電体のうちの他方からなる所定形状の外側発電素子と、
前記円筒部材の内面に固定されたモータ回転子と、
前記軸部材に固定されて前記モータ回転子に対向する位置に設けられたモータ固定子と、
一方の入力端が前記外側発電素子に接続されるとともに他方の入力端が前記内側発電素子に接続され、前記外側発電素子と前記内側発電素子との間に発生する電力を入力し、該電力を前記モータ固定子と前記モータ回転子とからなるモータに供給して該モータを駆動するモータ駆動手段とを備えている
ことを特徴とするコンベアローラ。
【請求項2】
前記エレクトレットと前記導体のそれぞれは互いに平行な櫛歯形をなし、前記エレクトレットと前記導体のそれぞれの櫛歯が前記円筒部材が回転する方向と直交するように形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載のコンベアローラ。
【請求項3】
前記モータ駆動手段は、
前記入力した電力を直流電力に変換する整流手段と、
前記直流電力を蓄電する蓄電器と、
前記蓄電器に蓄電されている電力が所定値以上であるときだけ、前記蓄電器に蓄電されている電力を前記モータに供給する通電手段とを備えている
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンベアローラ。
【請求項4】
無端ベルトを支持するために上記請求項1乃至請求項3の何れかに記載のコンベアローラを備えていることを特徴とするベルトコンベア装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−23933(P2010−23933A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−183766(P2008−183766)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】
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