説明

コンベヤを用いた物品の分岐合流設備

【課題】 コンベヤの短い区間において物品の分岐合流を混在させて制御し、物品の流れを効率的に行い、物品の分岐合流の設備を小型化する。
【解決手段】 メインコンベヤ1の左側に分岐させる支流ラインLnと合流させる合流の支流ラインLsとを交互に配置し、隣り合う支流ラインLn,Lsの間にスタッカークレーンの入出庫ターミナルを設け、自動倉庫と入出庫ターミナルとの間をスタッカークレーンで走行させて物品を入出庫させ、メインコンベヤ1の物品を載置する位置を示す仮想上の仮想載置帯9に分岐と合流用仮想空間N,Sを交互に割り付け、同仮想空間と載置する物品及びその物品の分岐合流する支流ラインLn,Lsとを対応させ、メインコンベヤ1の送りと同期して仮想載置帯9を繰り出して仮想空間N,Sが対応する支流ラインLn,Lsにくればその物品を支流ラインLnへ又は支流ラインLsからメインコンベヤ1へ移載させるプログラムを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品をコンベヤで連続的に搬送しながら、一部物品を分岐させて別ラインへ移し、あるいはコンベヤ上にない物品をコンベヤに合流させて物品の分岐合流を一本のコンベヤで同時に行えるようにした、物品の仕分け・分配・合流及び物品の組み合わせの合流を効果的に行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
分岐方法の従来技術として、本出願人が開発した下記の特許文献1,特許文献2,特許文献6,特許文献7に記載がある。また合流方法としては、下記の特許文献3,特許文献4,特許文献5に記載がある。
【0003】
(分岐方法)
特許文献1及び特許文献2には、コンベヤの各分岐点に直角転換装置が配置され、物品が目的の分岐点に来たら下から同直角転換装置が上昇し、その該直角転換装置のチェーンコンベヤがコンベヤと直交する横断方向に物品を搬送する構造の物品分岐装置が開示されている。
特許文献6及び特許文献7には、各分岐点に直角転換用のラムを配置して、物品が目的の分岐点に来たら同ラムが物品を横断方向に押し出す構造の物品分岐装置が開示されている。
【0004】
何れも、コンベヤ途中の物品の位置追跡制御は略同じであり、位置追跡制御は特許文献1及び特許文献2に詳細が記載されている通りである。その制御は、1本のメインコンベヤ(ローラコンベヤ)に沿って複数の分岐コンベヤを備えた搬送システムにおいて、物品を該メインコンベヤ(ローラコンベヤ)上を搬送して目的の分岐点まで送るメインコンベヤの駆動系の実績回転量をパルスエンコーダによるパルスでカウントし、所定のパルスカウント値で直角に分岐させて分岐コンベヤに移載させるものである。またローラコンベヤ上を物品が進む時、物品とローラーの滑り量を検知し補正し、目的の分岐点で正しく分岐させる技術も開示されている。搬送する物品の長さが異なる場合でもスタート時点で物品の長さを検出し、物品の長さ+横断時間分+余裕のピッチで発進させる技術も開示されている。
【0005】
(合流方法)
特許文献3,特許文献4,特許文献5には、メインコンベヤに沿って複数のグラビテイーローララインからなる支流ラインを配置し、メインコンベヤの移動量をパルスエンコーダによるパルスをカウントしたパルスカウント値で計測し、該メインコンベヤ上にメインコンベヤの出ロで所望の順序に並ぶように支流ラインから切り出す時、物品の長さに応じた仮想空間を想定し、物品の長さ+乗り移り時間+余裕のピッチの(可変ピッチ)仮想空間を想定して、メインコンベヤの所要のパルスカウント値で支流ラインからメインコンベヤに合流する技術が開示されている。このように、分岐と合流とは互いに独立した制御技術であり、同一メインコンベヤ上の同一区間内で分岐と合流が行えるように、分岐と合流の支流ラインを混在配置する技術ではなかった。
【0006】
複数ある自動倉庫において、各自動倉庫のスタッカークレーンの入庫ステーションと出庫ステーションとは反対側の遠く離れた独立した位置に配置されている。そして、メインコンベヤから分岐させた入庫支流コンベヤと入庫ステーションとの間を入庫用の搬送コンベヤで接続している。そしてメインコンベヤ上の上流から入庫すべき物品を流し、目的の自動倉庫の入庫支流コンベヤに分岐する迄搬送する制御方法には上記特許文献1,2、及び特許文献6,7の技術を使って容易に高能力の分岐制御ができる。しかし出庫の場合は各自動倉庫のスタッカークレーンのそれぞれの出庫ステーションに接続された専用の出庫用の搬送コンベヤを介して各出庫支流コンベヤへ物品を運び、そこから物品をメインコンベヤに合流させていた。メインコンベヤの出ロで所望の順序に並ぶように合流させる順序付き合流は特許文献3,4,5の技術を使って容易に高能力の合流制御ができる。
【0007】
然し、高能力を必要とする自動倉庫での入庫用の搬送コンベヤと出庫用の搬送コンベヤは別々に配設していた。例えば入出庫の各搬送コンベヤを介して自動倉庫の一端から入庫し、反対側の他端から出庫する。然し、入出庫が同一時間帯に行われる場合は、入庫と出庫の都度反対側のステーションまでスタッカークレーンは無駄に走ることになる。即ち、入庫の時は入庫ステーションから物品を取り、目的の最寄りの空き棚に格納し、次に出庫品の棚へ移動し、物品を棚から取り出して取り出し出庫ステーションに移動し荷降ろしする。次に入庫であれば、空で反対側の入庫ステーションに移動する。これが無駄な動作となる。従って、入出庫が同一時間帯で行う場合には入出庫は同一側とする。然し、従来技術では、入庫と出庫の設備は同じメインコンベヤでは制御できなかったので上下2段に分けなければならなかった。上下の2システムを設備することは、設備コストが嵩むし、また、上下2段に分ける、あるいは上下2段のものを同じレベルに揃える必要がある。そのため、周辺設備が複雑になる欠点があった。
【0008】
また、入出庫の都度、スタッカークレーンは上下2段のステーション間を無駄に移動しなければならない。仮に入庫が下段で出庫が上段の場合、スタッカークレーンは下段の入庫ステーションから、物品を取り、最寄りの空き棚に格納し、次に出庫品の棚から取り出し、出庫ステーションに移動し荷降ろし、下段の入庫ステーションまで空で下降する。移動距離は短いといえども無駄な時間となっていた。
【0009】
具体的には、メインコンベヤの同一区間に自動倉庫の入庫(分岐)と出庫合流はできなかったので、自動倉庫一端と反対側の他端に分けて、入庫させるコンベヤ位置と合流させるコンベヤ位置を大きく離すように設計するか、同じ側の上下2段に分ける必要があった。何れの場合もスタッカークレーンが出庫の後の入庫の都度、出庫ステーションから入庫ステーションヘの無駄な移動時間が必要となり、サイクルタイムが長くなる欠点があった。また、入庫の設備と出庫の設備を分けるために、設備費が高価になり、また入庫設備及び出庫設備の周辺設備が複雑になり必要スペースが広くなる、設備費が高価になる欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特公平7−17259号公報
【特許文献2】特公平7−17260号公報
【特許文献3】特公平4−76886号公報
【特許文献4】特公平6−79930号公報
【特許文献5】特公平6−79931号公報
【特許文献6】特許第3864074号公報
【特許文献7】特許第3864075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、一つのコンベヤの同一区間に対して分岐と合流とを同時に可能として、入出庫設備を簡素化して設備費を大幅に低減し、しかも入出庫のサイクルタイムを短縮化できるという、コンベヤを用いた物品の分岐合流設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 物品を搬送するメインコンベヤの送り方向に沿って、メインコンベヤから分岐した支流ラインLnと物品をメインコンベヤに移載する合流の支流ラインLsとを近接させた位置で混在するようにそれぞれ複数配置し、メインコンベヤと支流ラインLn,Lsとの間で物品の移載を行う移載装置を各支流ライン毎に設け、物品をメインコンベヤから分岐の支流ラインLnへ又は合流の支流ラインLsからメインコンベヤに移載するように所要のタイミングで移載装置を作動させるコンピュータを使った制御装置を備えた、コンベヤを用いた物品の分岐合流設備であって、
前記制御装置のコンピュータが下記a,b,c,dのプログラムとその為に必要な記憶部とを有することを特徴とする、コンベヤを用いた物品の分岐合流設備

a:メインコンベヤの作動によってコンベヤ送りと同期して繰り出されていくコンベヤの載置領域を示す仮想上の仮想載置帯に対し、分岐する物品を余裕もって載置する所要長さの仮想空間Nと、合流する物品を余裕もって載置する所定長さの仮想空間Sとを混在するように割り付け、各割り付けられた仮想空間には識別用空間番号を付する仮想空間割付けプログラムa
b:分岐予定の物品が載置するメインコンベヤの仮想空間Nの空間番号とその物品の分岐する支流ラインLnの識別用ライン番号とその物品の識別用物品番号とが互に関連付けるように記憶し、及び合流予定の物品が載置されるメインコンベヤの仮想空間Sの空間番号とその物品の合流の支流ラインLsのライン番号と物品の物品番号とが、互に関連付けるように記憶する物品仮想空間ライン関連付けプログラムb
c:メインコンベヤの作動とともに、そのコンベヤの送り速度でもって仮想上の仮想載置帯をメインコンベヤのラインに沿って送りながら、仮想載置帯上の仮想空間Nに対しその空間番号に関連付けられたライン番号の分岐の支流ラインLnの位置にその空間番号の仮想空間Nが到ったか否かの判定、及び各仮想空間Sに対しその空間番号に関連付けられた合流の支流ラインLsの位置にその空間番号の仮想空間Sが到ったか否かの判定を行ってその到来の判定結果を出力する仮想空間到来判定プログラムc
d:前記の仮想空間到来判定プログラムcで仮想空間N,Sがその関連付けされた支流ラインLn,Lsに到ったとの到来の判定結果を受けて、到来したライン番号の支流ラインの移載装置を作動させる移載装置作動プログラムd
2) メインコンベヤの上流にメインコンベヤで搬送する物品を送り込む導入コンベヤを設け、同導入コンベヤの終端には物品をメインコンベヤの仮想載置帯の所要の仮想空間Nに移載するための切出し装置を設け、メインコンベヤの終端にはメインコンベヤ上に送られる物品をそのまま搬送する搬出コンベヤを設けた、前記1)記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備
3) メインコンベヤに沿って支流ラインLnと支流ラインLsとを近接した状態で交互に配置し、又仮想載置帯に対して仮想空間Nと仮想空間Sとを交互に割り付けた、前記1)又は2)記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備
4) 隣り合う分岐の支流ラインLnと合流の支流ラインLsとに近接した位置に、物品を一時的に保管する自動倉庫の入出庫できる搬送機の入出庫ターミナルを設け、メインコンベヤと分岐と合流の一対の支流ラインと入出庫ターミナルでもって自動倉庫に入出庫する物品の分岐と合流を同時にできるようにした、前記1)〜3)何れかに記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備
5) 分岐の支流ラインLnと合流の支流ラインLsとの間に入出庫ターミナルが設けられ、しかも支流ラインLn,Lsと入出庫ターミナルにある搬送機との間で物品の移載が同じ高さでできるようにした、前記4)記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備
6) 隣り合う分岐の支流ラインLnと合流の支流ラインLsとに近接した位置に、物品の加工・物品の組立・運送荷積卸又は仕分けをする作業場とメインコンベヤとの間で物品を搬出入する物品搬送ラインの入出ターミナルを設け、メインコンベヤと作業場との物品の出入移動を円滑にした、前記1)〜3)何れかに記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備
7) 仮想載置帯の全ての仮想空間Nの長さを同じ長さとし、又全ての仮想空間Sの長さも同じ長さとした、前記1)〜6)何れかに記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備
8) 合流の仮想空間Sの空間番号が、メインコンベヤの下流から上流に向けて昇順となるように番号付与され、合流した物品のメインコンベヤの終端で流れる所望の物品番号の順番に従ってその物品の物品番号が載置する仮想空間Sの空間番号を昇順に割り付けるように関連付けし、これによってメインコンベヤの終端で所望の順番で物品を合流できるようにした、前記1)〜7)何れかに記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備
にある。
【発明の効果】
【0013】
従来技術では高能力を必要とする分岐と合流の制御を、共用のメインコンベヤと近接した分岐と合流用支流ラインと移載装置とコンピュータを用いたこれらの制御装置の設備で分岐と合流の混在制御を可能とし、従来の欠点が解消し、下記1,2,3,4の効果を得ることができる。
1.短いメインコンベヤの区間で物品の分岐と物品の合流が自在にできる。
2.仮想載置帯の分岐と合流の仮想空間N,Sを交互に設定し、且つ分岐の支流ラインLnと合流の支流ラインLsを近接した状態で配置したものでは、メインコンベヤと物品を取り扱う別設備との間の物品の双方向の移動(出入)を、メインコンベヤと略同じ高さレベルで近接した隣り合う支流ラインLn,Lsを用いて直接又はそれと中間の搬送装置を介して行えることで、メインコンベヤと別設備との搬送路を立体化せずに且つ占有面積を少なくコンパクトにでき、よって、物品の双方向移動を伴う設備の物品物流を簡素化し、余分な周辺設備と広い設置面積を不要とし、設備費の軽減も図れる。
3.メインコンベヤと物品を取り扱う別の設備との間の物品の双方向移動を高速化できる。
4.自動倉庫で使用すればその入出庫のサイクルタイムを短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は実施例の装置の平面配置図である。
【図2】図2は実施例の分岐である入庫の状態を示す説明図である。
【図3】図3は実施例の合流である出庫の状態を示す説明図である。
【図4】図4は実施例の分岐合流混在の入出庫の状態を示す説明図である。
【図5】図5は実施例のコンピュータのハード構成説明図である。
【図6】図6は実施例のコンピュータのソフト構成説明図である。
【図7】図7は実施例のコンピュータのプログラムの設備基本データ入力プログラム部である。
【図8】図8は実施例の仮想空間割付けプログラムaの処理フロー図である。
【図9】図9は実施例の物品仮想空間ライン関連付けプログラムbの処理フロー図である。
【図10】図10は実施例の仮想空間到来判定プログラムcと移載装置作動プログラムdの処理フロー図である。
【図11】図11はメインコンベヤと加工場の物品の出入りに使用した他の例の平面配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明におけるメインコンベヤとしては、ローラコンベヤ・ベルトコンベヤ・チェーン送りパレットコンベヤいずれでもよく、搬送される物品に応じて適切な強制駆動のコンベヤを採用する。本発明におけるメインコンベヤの仮想載置帯は、メインコンベヤの作動開始によってメインコンベヤの始端から同期して繰り出される物品を載置する仮想上の連続した載置面であり、コンベヤの送り(コンベヤ作動開始時に載置されている物品の開始時からの搬送距離)とともにコンベヤ始端から繰り出されるものである。尚、仮想載置帯の始点(仮想載置帯の始まり位置、以下同様)とメインコンベヤの作動開始時の始端の位置との間にオフセット距離を設けることもできる。このコンベヤの送り(仮想載置帯の送り)は、コンベヤを駆動するモータの出力軸又はコンベヤ駆動輪の回転数をエンコーダ等で入力する電気物理量(エンコーダのパルス数のカウント値等)でもって計測されコンピュータに入力される。
【0016】
この電気物理量(カウント値等)(又はその値から一意的に決まるように決定される数値でもよい。これも含むものである。以下同様)をメジャーとして、メインコンベヤの送りと同期して繰り出される仮想載置帯の長さ(繰り出し長さ)及びその途中位置は、仮想載置帯の始点を0値としてそれからの距離(電気物理量)として計測され、仮想空間N,Sの位置もその電気物理量の値(数値)でもって位置が特定される。その上の仮想空間N,Sの各区間の下流側端と上流側端の位置は、電気物理量(カウント値等)の数値で特定される。
上記したように、仮想載置帯の送り開始時のコンベヤの始端位置での電気物理量をかならずしも「0」値にせずに、特定の数値から開始し、下流側に開始時の仮想載置帯を想定させることもできる。
【0017】
本願発明における仮想載置帯に対する仮想空間N,Sの割り付けは、混在させて割り付けるもので、交互のNSNSNS・・・でもよいし、又はNNSNSSNN・・・でも、あるいはNNNSNNNSNNN・・・、NNNNNSSSSNNNNSSSS等でもよく、分岐させる物品の量と合流させる物品の量との比率で大略混合比を決めるのがよい。自動倉庫で入庫と出庫の量が略同じであれば、通常交互のNSNS・・・が良いと思われる。
NSの配列は、分岐する物品と合流する物品量の時間的変動を考慮するとよい。
【0018】
本願発明における支流ラインLn,Lsの配置は、メインコンベヤ1の搬送方向に向かって左側に又は右側にあるいは両側に配置してもよいが、物品が出入りする場所のある側に分岐の支流ラインLnと合流の支流ラインLsとを近接させることが好ましい。分岐と合流ラインとが同じ側にあれば、共通の目的の場所と結ぶ物品の出入りのコンベヤをメインコンベヤとの交差を避けるため立体的に又は廻り込むように配置しないで済むので好ましい。特に、同じ共通の場所のコンベヤが隣り合う分岐の支流ラインLnと合流の支流ラインLsとに配置すれば出入りコンベヤをきわめて近接させることで好ましい。例えば、交互配置が自動倉庫の入庫・出庫に対応し、又は加工場、出荷入荷の場所との出入りの搬送路が同一又は近接させることができるので一般的に好ましい。又、支流ラインの隣り合うライン間の距離は、5m程以内に近接させることが好ましい。
【0019】
ここで仮想空間の所定長さ(区間幅)は、物品の長さよりかなり長く、物品の長さ(最大長)に移載装置による物品のメインコンベヤと支流ライン間の移載時間の相当長さを加え、更に安全の為の余裕長さを確保する長さに設定するもので、メインコンベヤ1の送り速度、物品の長さ、移載装置による移載時間等で適宜決定されるものである。実施例では、物品の長さ(0.5m)の3倍の長さ(1.5m)を有するものとしている。
【0020】
本願発明の仮想空間割付けプログラムaは、仮想載置帯に交互に割り付ける仮想空間N,Sの位置を、上記電気物理量(パルスカウント値等)で一意的に特定する。各仮想空間N,Sは所定長さ(区間幅/長さ)を有し、仮想空間の下流側端と上流側端の位置が電気物理量の数値でもって特定され、コンピュータの記憶部でその仮想空間N,Sの空間番号と関連付けてその位置が記憶される。
ここで、交互に割り付ける仮想空間Nと仮想空間Sとの間は間隔なしが一般的であるが、多少の間隔を設けることも可能である。間隔なしの場合は、上流側の仮想空間の下流側端とこれと隣り合う下流側仮想空間の上流側端の位置は一致し、そのときは仮想空間N,Sの一方の下流側端(又は他方の上流側端、あるいはそれらの中間値)の位置の電気物理量のみで位置が特定できる。
仮想空間割付けプログラムa及び仮想空間ライン関連付けプログラムbは、仮想載置帯の始点(0値点)から各仮想空間N,Sの所定長さの区間幅(長さ)をもって交互に設定し、各仮想空間の空間番号に対し、その区間の下流側端(又は上流側端、あるいは中間値)の電気物理量の値を記憶して割り付ける。
【0021】
本願発明の仮想空間到来判定プログラムcについて説明する。判定のために、まず繰り出されている仮想載置帯の現在の各仮想空間N,Sのメインコンベヤ上での位置(コンベヤ始端からの現時点の仮想空間N,Sのオフセット値)と、その仮想空間の空間番号(又は物品番号)と関連付けられた支流ラインのメインコンベヤ始端からのオフセット値を計算し、それが一致又は所要量の小さい余裕でもって略一致しているかをもって到来しているか否か判定する。
各仮想空間N,Sのメインコンベヤの始端からの現在のオフセット値(その始端からの各仮想空間N,Sの送られている現在位置までの距離)は、メインコンベヤの始端の位置の現時点の仮想載置帯の位置(繰り出し量)の電気物理量から、仮想空間N,Sの仮想載置帯の始点からの長さ(オフセット値)の電気物理量を差し引くことで計算できる。
【0022】
各支流ラインの位置(通常ライン幅の下流側端)のメインコンベヤの始端からの距離(ラインオフセット値)も、上記電気物理量でもって計算され、支流ライン毎にそのラインオフセット値は記憶される。尚、各仮想空間N,S及び各支流ラインLn,Lsのオフセット値の測点は、その空間又はラインの下流側端、上流側端又は中間位置が選ばれる。
従って、所定の仮想空間N,Sが関連付けされた支流ラインに到来したか否かの判定方法の一つの方法は、所要の仮想空間N,Sの現在の位置の電気物理量の数値とメインコンベヤの始端位置の現在の仮想載置帯の位置の値(繰り出し量の値)との差分が、上記のラインオフセット値の電気物理量と一致したか否か(完全一致でなく多少の余裕を設けてもよい)でもって計算できる。
【0023】
この判定計算は、簡略化して各支流ラインの移載装置に作動命令する時点(仮想空間の所定の支流ラインへの到来時点)の仮想載置帯の移載時繰り出し量値として予め計算されて、その値は物品番号,ライン番号,空間番号として関連付けして記憶部で記憶させ、仮想載置帯の現在繰り出し量が各支流ラインの移載時繰り出し量値と一致(略一致)するか否かの判断に代えることができる。この移載時繰り出し量は、例えば仮想空間N,Sの下流側端の仮想載置帯の始点(0点)からの距離(始点からのオフセット値)にその分岐又は合流する対応の支流ラインの下流側端のコンベヤ始端からのラインオフセット値の加算値として計算できる。
尚、仮想空間N,Sの各支流ラインの到来時点と移載装置の作動命令時とは一致させずに微小時間差を設けることもできる。上記判定方法は一例であって、これと同様の計算の別方法でも可能である。
【0024】
本発明の支流ラインは、強制駆動されるコンベヤでも、駆動源を有しないグラビティコンベヤ(傾斜したフリーローラコンベヤ),スライダー等いずれでもよく、又支流ラインの長さは目的に応じて長短の適切なものが選択される。一般に、支流ラインの末端には、物品を一時貯えるためのストッパーがある。又メインコンベヤから支流ラインへ又は支流ラインからメインコンベヤへ物品を移載する移載装置が支流ライン毎に設けられているが、特許文献1,2に開示の直角変換装置が支流ライン間の距離を短くして移載できるので好ましい。又分岐・合流とも同じ構造の直角変換の装置を動作方向を変えて使うのが更に設計の容易さとコスト低減に好ましい。
【0025】
又、本発明の実施例の自動倉庫での使用例以外の例としては、メインコンベヤの分岐用支流ラインと合流用支流ラインを長くして、直接機械加工場まで連続させ、メインコンベヤで搬送される未加工原料を分岐させてそのまま機械加工場に送るラインとし、及び同機械加工場で加工された部品をメインコンベヤまで送るラインとして、メインコンベヤに合流させて別の場所へ搬送するための支流ラインとして使用できる。
【0026】
あるいは、分岐用支流ラインをメインコンベヤの種々の配送先をもつ物品を同じ配送先の配送置場へ送り出すラインとして使用し、又同配送置場に集荷された別の配送先をもつ物品をメインコンベヤへ送る支流コンベヤとして使用し、メインコンベヤで合流させて別の配送先へ送る目的の為に使用できる。
【0027】
メインコンベヤへの分岐する物品の載置は、メインコンベヤの始端に導入コンベヤを連続するように配置し、導入コンベヤの物品を導入コンベヤ終端の切出し装置でもって切り出して、メインコンベヤの予定の仮想空間Nへ載置させてもよい。又はメインコンベヤの上流側に直角に物品供給コンベヤを配置し、物品供給コンベヤの物品を直角に移載してメインコンベヤの所定の仮想空間Nへ載置するようにしてもよい。
【実施例】
【0028】
実施例に基づき、以下詳細に説明する。
本実施例は、4つある自動倉庫の入出庫の為の物品の分岐合流に使用した例であり、メインコンベヤの近くに4つの自動倉庫がコンベヤ送り方向に並び、各自動倉庫の入出庫ステーションは支流ラインに近接した入出庫ターミナルで代行し、各自動倉庫と支流ラインとの間に自動倉庫の搬送機であるスタッカークレーンがそのまま走行する例である。同入出庫ターミナルは、各自動倉庫用の分岐(入庫)用支流ラインLnと合流(出庫)用支流ラインLsの間に配置され、スタッカークレーンはいずれの左右の支流ラインとも同じ高さで物品を相互に移載できる構造となっている。導入コンベヤで搬送されてくる物品はその終端でメインコンベヤの所定の仮想空間Nに載置されるように移載され、メインコンベヤ途中にある4つある自動倉庫の所定の入庫用支流ラインへ分岐され、その支流ラインに近接して設けた入出庫ターミナルでその自動倉庫の搬送機のスタッカークレーンに移載され、これで運ばれてその自動倉庫に入庫される。又自動倉庫から出庫させる物品は、その倉庫からその自動倉庫のスタッカークレーンで運ばれ、その入出庫ターミナルに送られ、同入出庫ターミナルで物品は合流用支流ラインへ移載され、この支流ラインからメインコンベヤに合流されるようにした例である。しかもメインコンベヤの終端での合流された物品の搬送順番が、物品番号s1,s2,s3の順に送られるように合流させる例である。更に各自動倉庫の分岐の入庫用支流ラインは、合流の出庫用支流ラインに比べ上流側となるように設けられ、入出庫ターミナルは入庫用の支流ラインとその出庫用支流ラインの中間に設けられている。
又、支流ラインLn,Lsは交互にメインコンベヤに沿って配置され、仮想載置帯に対して仮想空間N,Sが交互に割り付けられた例である。
【0029】
又分岐させる物品をメインコンベヤへ供給する導入コンベヤの終端には、その物品のメインコンベヤの仮想空間N位置に移載するように、物品を送り出す出没自在のストッパー(切出し装置)が設けられている。メインコンベヤの終端には合流された物品を搬送続行する搬出コンベヤが接続されている。メインコンベヤ及び導入コンベヤの送り量はそれに取り付けたパルスエンコーダのパルスカウント値でもって計測されていて、コンピュータにインターフェースを介してそのパルスは入力されて加算され累積パルス数として表現される。又パルス数値でもって物品のコンベヤ上の載置位置(仮想上の各コンベヤの仮想載置帯の仮想空間の位置)が特定できるようにしている。メインコンベヤの作動開始時の始端位置でのパルスカウント値が「0」値で、仮想載置帯の始点となる。
【0030】
制御装置のコンピュータは、CPU,ソフトプログラム及びデータを記憶するRAM・ROM及びHDDを有していて、外部からの入力によって、導入コンベヤで搬送される物品の物品番号(物品ID)とそのコンベヤの仮想載置帯の仮想空間位置(空間番号)とが記憶されている。又、メインコンベヤの作動とともに同期してメインコンベヤの始端からメインコンベヤの仮想載置帯が繰り出されるようにしている。そしてメインコンベヤの仮想載置帯には、コンピュータの仮想空間割付けプログラムaによって、各分岐用と合流用の仮想空間N,Sを交互に所定長さで割り付けていて、各仮想空間には空間番号N1,S1,N2,S2,N3,S3,・・・を付して記憶されている。各分岐用仮想空間N1,N2,・・・及び合流用仮想空間S1,S2,S3はそれぞれ同じ長さ(1500mm:1500パルス長さ)を有し、仮想載置帯の各仮想空間の下流側端の仮想載置帯の始点「0」からの距離(オフセット値)は、下記表2に示すようなパルス数値で決められる。仮想載置帯は、メインコンベヤの送りとともにコンベヤ始端から同期して繰り出されていく。その繰り出し量は、メインコンベヤの始動開始時からの累積パルス数で表現される。
【0031】
従って、各仮想空間N,Sのメインコンベアの始端からのコンベヤ上の現在位置(仮想空間の下流側端を測点としている)は、上記仮想載置帯の繰り出し量のパルス数(累積パルス数)から各仮想空間N,Sの下流側端の始点0からの距離(空間オフセット値X)のパルス数を減じたパルス数となる。
【0032】
又、コンピュータには、メインコンベヤで搬送される分岐する物品の物品番号と、その物品が分岐する支流ラインのライン番号と、この物品が載置されるメインコンベヤの仮想載置帯の仮想空間Nの空間番号と、その空間番号の仮想空間の下流側端位置の始点0からのオフセット値(パルス数)とが互に関連付けられるように、物品仮想空間ライン関連付けプログラムbによってメモリの記憶部に下記表1,2,3,4及び表5の如く記憶される。尚、物品番号と支流ラインの対応は外部の入出庫管理情報の入力で下記表3の如く定められる。
又同様に、合流させる物品の物品番号と、その合流用の支流ラインのライン番号と、同ライン番号の支流ラインのコンベヤ始端からのラインオフセット値Yのパルス数と、メインコンベヤの仮想載置帯における載置される仮想空間Sの空間番号と、その空間番号の仮想空間の下流側端位置の始点0からのオフセット値X(パルス数)が関連付けられるように、物品仮想空間ライン関連付けプログラムbによって表1〜5の如くメモリの記憶部に記憶される。
【0033】
【表1】

【0034】
【表2】

【0035】
【表3】

【0036】
【表4】

【0037】
【表5】

【0038】
4基の自動倉庫の近くに1本のメインコンベヤ1を配置し、各自動倉庫のための分岐の入庫用と合流の出庫用の支流ラインLn,Lsをメインコンベヤ1の自動倉庫がある左側に沿って隣接して交互に設ける。各自動倉庫の入出庫両方できる物品の搬送機であるスタッカークレーンの入出庫ターミナルを上記入庫用と出庫用支流ラインLn,Lsの間に設けている。
【0039】
本実施例の図中での符号について説明する。
図中、Gは自動倉庫に適用した実施例のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備である。符号1〜9は同実施例の各構成部分であって、各用語の付加番号は、下流側から上流に向けて増加するように付している。1は強制駆動のローラコンベヤを使ったメインコンベヤ、1はメインコンベヤ1の始端、1n1,1s1,1n2,・・・1s4は各支流ラインLn,Lsとメインコンベヤ1との間の各ラインに設けた移載装置、2は導入コンベヤ、2aは同導入コンベヤの末端に設けた物品の切出し装置であるストッパー、3,3,3,3は各支流ラインLn,Lsの間に設けたスタッカークレーンの入出庫ターミナル、Ln1,Ln2,Ln3,Ln4は自動倉庫4,4,4,4の入庫用支流ライン、Ls1,Ls2,Ls3,Ls4は自動倉庫4,4,4,4の出庫用支流ライン、4,4,4,4はメインコンベヤ1の近くに配置した自動倉庫、5,5,5,5は自動倉庫4,4,4,4の入出庫用の入庫と出庫の搬送機(第1号機,第2号機,第3号機,第4号機と表記している)であるスタッカークレーンで、自動倉庫の段連列の各棚とスタッカークレーンとの間及び各支流ラインLn,Lsとスタッカークレーンとの間で物品を移載できる機能を有し、入出庫ターミナル3,3,3,3とその自動倉庫4,4,4,4との間及び自動倉庫内で走行する。6はメインコンベヤ1の終端から続いて物品を搬送する搬出コンベヤ、7は制御装置、8はこれに使用したコンピュータで、8aはそのCPU、8bはプログラム・データ・OSを記憶したROM,8cは本願発明に必要なデータ等を記憶するメモリのRAM、8dはプログラム・データ・OS・物品入出管理ソフト等を記憶するHDD、8eはコンベヤのエンコーダのパルス数等をコンピュータ側に取り込み、又は移載装置,ストッパー2,スタッカークレーン・各種コンベヤ等に作動命令を送るインターフェース、8fは外部からの情報命令の送受信を行う通信装置、8gは通信回線である。9はメインコンベヤ1の仮想載置帯、m,sは物品、Ln,Lsは支流ラインである。
【0040】
又実施例のコンピュータ8は、OS及びこのコンピュータ周辺機器及び下記プログラムを作動させるAPソフト・BIOを備える本願発明の設備作動の為のプログラムは図6に示すように、下記のプログラムa〜eを有する。図7の処理フローを有する設備基本データ入力プログラム部eと、図8の処理フローを有する仮想空間割付けプログラムaと、図9の処理フローを有する物品仮想空間ライン関連付けプログラムbと、図10の処理フローを有する仮想空間到来判定プログラムcと、到来判定結果によって到来した支流ラインの移載装置を作動させる移載装置作動プログラムdとからなる。
【0041】
メインコンベヤ1の速度は0.5m/secである。コンベヤのエンコーダのパルスは1mm/1パルスであるので、コンベヤ速度は500パルス/secである。自動倉庫4,4,4,4は4基、そのスタッカークレーン5,5,5,5は4台、メインコンベヤ1の全長は19mである。コンピュータ8の仮想空間割付けプログラムaは長さ1.5mの仮想空間N,Sがメインコンベヤ1の仮想載置帯9にピッチ3mで無限に続くように割り付け、空間番号N1,S1,N2,S2,N3,S3,・・・をNS交互に付している。
搬送する物品m,sの長さは略同じで0.5mである。仮想空間N,Sの長さは1.5mであるので、物品m,sの長さ(最大長)0.5mに対して1mの余裕がある。この長さはメインコンベヤ1が移動するには2秒かかる。移載装置の作動によって物品がメインコンベヤ1を横断して支流ラインLnのコンベヤヘ乗り移る、あるいは支流ラインLsからメインコンベヤ1に合流するのに1.2秒必要としても、あと0.8秒分の余裕があるようにしている。
【0042】
上記の本実施例の設備のハード・基本作動上の諸元は、設備基本データ入力プログラム部eで、図7の処理フローで入力してRAM8cのメモリに記憶される。各支流ラインLn,Lsの位置(下流側端の位置)は、メインコンベヤ1の始端1からの距離(ラインオフセット値Y値)として入力され、表1の如くパルス数で記憶される。
仮想空間N,Sの割付けは、仮想空間割付けプログラムaによって図8の処理フローでなされて、表2の如く各仮想空間N,Sの下流側端の位置(その始点0からの距離オフセット値X値)がパルス数で記憶される。
【0043】
メインコンベヤ1の移動量をコンベヤの作動開始(送り開始)時を0パルスとしてパルスエンコーダによるパルスをインターフェース8eを介してコンピュータ8に入力することによって、仮想載置帯9、その仮想空間N,Sを表2の如くメモリに記憶して想定する(コンピュータ8でそのメインコンベヤ1に対する位置と状態を計算する)。メインコンベヤ1が1mm進むとパルスエンコーダで1パルスを発生させ、それをカウンター(図示せず)でカウントすることによって(又はパルスカウンターのカウント値を入力して)、メインコンベヤ1上での仮想載置帯9とその仮想空間N,Sを想定できる。仮想空間N,Sを想定し始める最初に仮想載置帯9の始点のカウンターをリセット(0値に/0値に限るものでなく有数の初期数値に設定してもよい)しておけば、それから、メインコンベヤ1が1.5m進んだ時にカウンターの値は1500である。この時仮想空間N1の区間(パルス数0〜1500)が決まる。即ち仮想空間N1は仮想載置帯の始点(0)から1500mm(1500パルス数値)までの仮想空間Nと定義することができる。仮想空間N1に続く次の1500mm(パルス数にして1500〜3000)が仮想空間S1である。仮想空間割付けプログラムaによって、仮想載置帯上に図2,表2に示すように以下仮想空間Nと仮想空間Sが1500mm(1500パルス数値)の長さで交互に仮想空間N1,S1,N2,S2,N3,S3,・・・が設定されていく。図2中の状態b2〜b8はメインコンベヤ上を入庫すべき物品mが流れている状態を示す。尚、仮想空間Nと仮想空間Sとの間は間隔なく交互に割り付ける。
【0044】
図2中の状態b1は、開始前の導入コンベヤ2上にある物品の位置を示す。図中の導入コンベヤ2及びメインコンベヤ1の仮想載置帯9上の長方形の枠が、分岐させる入庫の物品mであり、メインコンベヤ1の仮想空間の番号N1,N2,・・・とこれに載置される物品の物品番号m1,m2,m3,・・・は同じ番号数値となっている。
【0045】
入庫すべき物品mは導入コンベヤ2の終端からメインコンベヤ1に乗り移る。今、最初の物品m1がメインコンベヤ1の仮想空間N1に乗り移る直前の状態を状態b1に示す。メインコンベヤ1の仮想載置帯9の仮想空間の長さ1.5mは時間に換算すると3秒である。仮想空間N又は仮想空間Sの設定ピッチは3m、時間で表わすと6秒である。入庫用支流ラインの最大能力は6秒に1個即ち600個/時間となる。
【0046】
導入コンベヤ2上を略3秒に1個の間隔で次々物品mが流れてくる場合、若し2番目の物品m2が6秒以内にきた場合は、導入コンベヤ2の先端のストッパー2aでその物品m2は停止させられ、メインコンベヤ1の仮想空間N2が現れるまで待たされ、メインコンベヤ1が進み仮想空間N2が来た時乗り移る。逆に6秒以上経ってから来た場合、仮想空間N2は通過しているので次の仮想空間N3が来るまで待つ。状態b3は夫々入庫すべき3個の物品m1,m2,m3が仮想空間N1、N2、N3に乗り移りメインコンベヤ1上を搬送されている状態を示す。物品mが導入コンベヤ2からメインコンベヤ1に乗り移ると、メインコンベヤ1の仮想空間Nの空間番号とそれに乗り移った物品の物品番号とその対応が物品仮想空間ライン関連付けプログラムbによって表4の如くその対応は確定される。更にコンピュータ8の物品仮想空間ライン関連付けプログラムbは、物品m,sの物品番号と、その物品の載置する仮想載置帯9上での仮想空間N,Sの空間番号N1,S1,N2,S2,・・・と、同空間番号の仮想載置帯の始点0からの空間オフセット値Xと、その入庫(分岐)する支流ラインLn又は合流させる物品が置かれた出庫用支流ラインLsのライン番号Ln1,Ls1,Ln2,Ls2,・・・を表1,表2,表3及び表4の対応で関連付けて記憶する。併せて各支流ラインのコンベヤ始端からのラインオフセット値(Y値)も記憶される。更に上記オフセット値X,Yは加算され、各移載装置の移載時の繰り出し量値(X+Y)として表5の如く記憶される。
【0047】
表3に示す物品の物品番号m1,m2,・・・,s1,s2,・・・と分岐・合流する支流ラインLn,Lsの対応は、その物品の入出庫の外部情報から決定され入力されて記憶されるものである。
【0048】
物品m1は支流ラインLn1,物品m2は支流ラインLn3、物品m3は支流ラインLn2行きとする。更にメインコンベヤ1が進み、状態b4{移載時繰り出し量値X+Y=10,000}になる。丁度仮想空間N2の位置にある物品m2が3号機の入庫用支流ラインLn3に分岐する位置である。ここでメインコンベヤ1は停止することなく、移載装置1n3によって物品m2が3号機の入庫用支流ラインLn3に分岐される。丁度この頃、導入コンベヤ2から4個目の物品m4(4号機行き)が仮想空間N4に乗り移る。次にメインコンベヤ1が更に進み状態b5{X+Y=12,000}になる。物品m4が4号機の入庫用支流ラインLn4に分岐する位置となる。状態b6{X+Y=13,500}で導入コンベヤ2から5番目の物品m5(1号機行き)がメインコンベヤ1の仮想空間N5に乗り移る。状態b7{X+Y=15,000}で物品m1が1号機の入庫用支流ラインLn1に移載装置1n1によって分岐する。状態b8{X+Y=17,000}で物品m3が2号機の入庫用支流ラインLn2に移載装置1n2によって分岐する。
【0049】
メインコンベヤ1から入庫用支流ラインLnへの物品の分岐(移載)は、コンピュータの仮想空間到来判定プログラムcが、図10の処理フローで示すように、エンコーダのパルス信号を発生する毎に動いた仮想載置帯の仮想空間N1,N2,・・・がそれに載置した物品の物品番号m1,m2,m3,・・・の分岐すべき入庫用支流ラインLn1,Ln2,・・・の直前に到達したか否か判定し、到達すればその支流ラインLnの移載装置1n1,1n2,1n3,1n4を作動させる信号を送ることで、到来した仮想空間Nの物品をその移載装置でその支流ラインLnへ移載する。
上記到来の判定の詳細は、実際は各物品の仮想空間Nの始点0からのオフセット値(表1中のX値)と、それが分岐する分岐ラインのコンベヤ始端からのラインオフセット値(表1中のY値)の加算値として、先に計算されて記憶されている移載時繰り出し量値(X+Y)のいずれかに、仮想載置帯の現在の繰り出し量(累積パルス数Pnow;カウント値)が一致(略一致)するか否かで判断され、一致(略一致)すれば、その支流ラインLnの移載装置に移載装置作動プログラムdが移載命令を出力して移載装置が移載を実行する。これは仮想空間到来判定プログラムc及び移載装置作動プログラムdでもって図10のフローの如くなされる。
【0050】
これで4個の物品m1,m2,m3,m4がメインコンベヤ1上の夫々の仮想空間N1〜N4までの空間に乗って夫々の目的の号機の分岐点で入庫用支流ラインに分岐して行き、これまで説明し図示した5個の物品では分岐していないのは仮想空間N5に乗った1個だけが残っている。勿論入庫すべき物品が次々と流れてきてコンベヤが回り続ける以上、無限に仮想空間N,Sは設定できるし、入庫の仮想空間Nに乗って目的号機の入庫用支流ラインLnの分岐点に行って移載装置1nによって分岐する。
【0051】
次にこの入庫すべき物品mが流れてくる時間に、スタッカークレーン5,5,5,5の各号機がほぼ同時に同じ数だけの物品sを出庫してきて、入出庫ターミナル3,3,3,3で出庫用支流ラインLsへ移載する。また各出庫用支流ラインLsの長さは物品が途切れることのないように充分にストレージできるようにしてあり、スタッカークレーン5,5,5,5は順番通りに、且つ各号機が出庫サイクル毎に、全号機略同様の数の物品sを出庫してきて、図3,4に示す例のようにメインコンベヤ1の出ロで並ぶ所望の合流させた物品sの順序物品番号s1,s2,s3,s4,s5,・・・の順に仮想空間S1,S2,S3が割り付けられる。そして物品s1が支流ラインLs3の3号機、物品s2が支流ラインLs1の1号機、物品s3が支流ラインLn2の2号機、物品s4が支流ラインLn4の4号機、物品s5が支流ラインLs2の2号機、物品s6が支流ラインLs3の3号機、物品s7が1号機、物品s8が4号機、物品s9が3号機、物品s10が4号機、物品s11が1号機、物品s12が2号機のスタッカークレーン5〜5の出庫用支流ラインLsに配置する例である。図3中状態g1{X+Y=11,000}で丁度仮想空間S1が物品s1が待っている3号機の出庫用支流ラインLs3の位置に到達して移載装置1s3が作動して、このタイミングで3号機の物品s1がメインコンベヤ1の仮想空間S1に合流する。次に状態g2{X+Y=16,000}で状態丁度仮想空間S4が順番4の物品s4が待っている4号機の出庫用支流ラインLs4の位置に到達する。このとき仮想空間到来判定プログラムcが到来の信号を出力する。このクイミングで4号機の物品s4が到来信号を受けてこの支流ラインLs4の移載装置1s4が作動してメインコンベヤ1に移載して合流させる。次に状態g3{X+Y=21,000}で状態丁度仮想空間S3が順番3の物品s3が待っている2号機の出庫用支流ラインLs2の位置に到達する。このタイミングで2号機の物品s3が移載装置1s2によってメインコンベヤ1に合流される。次に状態g4{X+Y=22,000}で状態丁度仮想空間S2が順番2の物品s2が待っている1号機の出庫用支流ラインLs1の位置に到達した。このタイミングで1号機の物品s2がメインコンベヤ1に合流する。次に状態g5{X+Y=27,000}で状態丁度仮想空間S5が順番5の物品s5が待っている2号機の出庫用支流ラインLs2の位置に到達する。このタイミングで2号機の物品s5がメインコンベヤ1に合流する。以上状態g1〜g5迄合流するタイミング毎に順を迫って説明したが、状態g5で物品s1,s2,s3,s4,s5が5個メインコンベヤ1に合流して流れているのがわかる。しかも所望の順序(物品番号)s1,s2,s3,s4,s5,・・・で流れている。上記の説明では判り易くするために分岐と合流を別々に説明したが、メインコンベヤ上の仮想空間N,Sは、分岐の仮想空間Nと合流の仮想空間Sは交互に並んでいて、お互いに不可侵であるので、分岐と合流が混合で流れてもお互いぶつかることもなく、分岐する物品も合流した物品も整然と流れる(図4参照)。
【0052】
ここで、メインコンベヤ1の終端で流れる順番の物品番号s1,s2,s3,s4,s5を、仮想載置帯9の仮想空間S1,S2,S3,S4,S5(下流から順番の仮想空間S)に割り付けるように関連付けている。ここで物品s1,s2,s3,s4,s5は、この物品を格納する自動倉庫からスタッカークレーンで合流用支流ラインLsに運ばれてこの支流ラインLsに置かれ、メインコンベヤ1の対応の仮想空間S1,S2,S3,S4,S5が到来するのを待ち、到来すればその仮想空間に移載させるだけでメインコンベヤの終端で所要の順番の物品合流を可能としている。
【0053】
上記仮想空間N,Sが所定の支流ラインLn,Lsに到達したか否かのプログラム上の判定は、表5中の各支流ラインの予め計算されて記憶されている移載時繰り出し量値(X+Y/パルス数値)が現在の仮想載置帯の繰り出し量(累積パルス数Pnow)と一致するか否かを絶えず監視して、一致すればその一致した支流ラインの移載装置に作動命令を出力するようにしている。
【0054】
上記合流の説明の図3の状態g1〜g5に前記の分岐の図2の状態b2〜b8を概略重畳すると図4の状態混1〜12のようになる。即ち状態g1で3号機の出庫用支流ラインLs3から順番1の物品s1が合流の仮想空間S1に合流する時、状態混4に示すようにメインコンベヤ1には既に分岐の仮想空間N1、N3、N4上に物品m1,m3,m4が載って搬送している状態に分岐の仮想空間N1,N2の間の合流の仮想空間S1に3号機の出庫用支流ラインLs3から物品s1が合流する。勿論合流してきた物品m1,m3にぶつかることもなく合流する。
【0055】
従来の前記特許文献の分岐方法では、物品をメインコンベヤ発進位置(始端)から発進する前に物品の長さを測長し、物品の長さに応じた可変ピッチで物品を発進していたし、合流方法でも物品の長さに応じた仮想空間N,Sの長さを設定し、その設定した仮想空間の連続した順番に目的の物品が支流ラインから合流していた。本実施例では取り扱う物品の最大長さに応じた仮想空間N,Sの長さを設定し、その仮想空間を分岐すべき物品が載るべき仮想空間Nと合流すべき物品が載るべき仮想空間Sを予め分けておく。(取り扱う物品の長さは略同じの方が望ましい。)例えば、連続する仮想空間の奇数番目の仮想空間を分岐すべき物品が載る仮想空間Nとし、偶数番目の仮想空間を合流すべき物品が載る仮想空間Sとする。(勿論逆でも良い。)図のNが入庫のため(分岐)の仮想空間、Sが出庫のため(合流)の仮想空間である。
【0056】
従ってメインコンベヤ1上にNSNS・・・・のNとSの交互に仮想空間N,Sを設定し、入庫(分岐)の場合は仮想空間N上に物品を乗せて制御し、出庫(合流)の場合は仮想空間S上に物品を合流させる制御を行う。
【0057】
(分岐の場合)
メインコンベヤ1の最上流位置(始端)で導入コンベヤ2から分岐すべき物品mが該メインコンベヤ1ヘ乗り移るタイミングは、導入コンベヤ2の終端に設けたストッパー2aの作動をメインコンベヤ1のパルスエンコーダによるパルス数値を所定値で起動して所定の仮想空間N上に乗り移らせる。あとは前記のように仮想空間Nが目的の分岐点である支流ラインまで移動した時分岐すれば良い。移載装置は例えば特許文献1,2の直角転換でも良し、あるいは特許文献6,7のラム式でも良い。仮想載置帯の仮想空間位置関連付け等は仮想空間割付けプログラムa、物品仮想空間ライン関連付けプログラムb、仮想空間到来判定プログラムc、移載装置作動プログラムdを用いて、コンピュータ8で逐次計算・判断されながらなされる。合流の場合の計算・判断も分岐と同様である。
【0058】
(順序付き合流の場合)
支流ラインLsで待ち受けている合流すべき物品s1,s2,s3,・・・はその物品番号と関連付けられたメインコンベヤ1の連続する仮想空問Sの空間番号S1,S2,S3,・・・が到来(到達)した時点で合流すれば良い。
【0059】
このように、本発明の自動倉庫の実施例で分かるように、仮想載置帯を想定して、これに分岐用仮想空間N1,N2,・・・と独立して合流用仮想空間S1,S2,・・・とを所定長さをもって設定していることで、分岐(入庫)と合流(出庫)とはメインコンベヤ上互に干渉することなく独立して分岐・合流でき、しかも仮想空間N,Sを交互に設定したことで、分岐(入庫)物品と合流(出庫)物品が混在するものの、物品移動をコンパクトに且つ移動距離を短く効果的に分岐合流できるものとした。これは、メインコンベヤ上の物品とやり取りする自動倉庫、配送センター、加工工場等は物品が双方向に移動することが多く、それをその搬送路端を隣り合う支流ラインLn,Lsとの近くに配置することで、効果的な物品移動を可能とするものである。
更に、実施例では、自動倉庫の入出庫ターミナルとその支流ラインLn,Lsを近接させたので、自動倉庫のスタッカークレーンの移動距離を大幅に短くでき、しかもメインコンベヤへ入出庫物品の出入れを短いメインコンベヤ区間で行え、入出庫の作業効率を大幅に向上させることができるばかりでなく、設備を大幅にコンパクトにできる。又入出庫ターミナルと支流ラインLn,Lsとは同一高さでできるので、ラインの立体化の複雑さもなく、コンパクトな物品の入出庫を可能としている。
【0060】
図11は、メインコンベヤ1の各支流ラインLn,Lsに近接して、各工程の加工場K,K,K,Kの入出ターミナルを設け、入出ターミナルT,T,T,Tと加工場K〜Kとの間に、搬入コンベヤ10n1,10n2,10n3,10n4及び搬出コンベヤ10s1,10s2,10s3,10s4を設け、それらはメインコンベヤ1の各支流ラインLn1,Ln2,Ln3,Ln4,Ls1,Ls2,Ls3,Ls4と接続させる。前記実施例同様にメインコンベヤ1の物品の分岐・合流を行って加工場K,K,K,Kに原料を送り、その加工物を搬出する例である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、実施例の自動倉庫の入出庫以外に、加工工場での原料・部品・加工済み物品の分配集荷に、あるいは物品・書類・封書の配送集荷分配等に広く物品の分岐合流させる技術として使用できる。
【符号の説明】
【0062】
G 実施例のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備
m,s 物品
N,S 仮想空間
Ln,Ls 支流ライン
,K,K,K 加工場
1 メインコンベヤ
始端
n1,1n2,1n3,1n4 入庫用移載装置
s1,1s2,1s3,1s4 出庫用移載装置
2 導入コンベヤ
2a ストッパー
,3,3,3 入出庫ターミナル
,4,4,4 自動倉庫
,5,5,5 スタッカークレーン
6 搬出コンベヤ
7 制御装置
8 コンピュータ
8a CPU
8b ROM
8c RAM
8d HDD
8e インターフェース
8f 通信装置
8g 通信回線
9 仮想載置帯
10n1,10n2,10n3,10n4 搬入コンベヤ
10s1,10s2,10s3,10s4 搬出コンベヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を搬送するメインコンベヤの送り方向に沿って、メインコンベヤから分岐した支流ラインLnと物品をメインコンベヤに移載する合流の支流ラインLsとを近接させた位置で混在するようにそれぞれ複数配置し、メインコンベヤと支流ラインLn,Lsとの間で物品の移載を行う移載装置を各支流ライン毎に設け、物品をメインコンベヤから分岐の支流ラインLnへ又は合流の支流ラインLsからメインコンベヤに移載するように所要のタイミングで移載装置を作動させるコンピュータを使った制御装置を備えた、コンベヤを用いた物品の分岐合流設備であって、
前記制御装置のコンピュータが下記a,b,c,dのプログラムとその為に必要な記憶部とを有することを特徴とする、コンベヤを用いた物品の分岐合流設備。

a:メインコンベヤの作動によってコンベヤ送りと同期して繰り出されていくコンベヤの載置領域を示す仮想上の仮想載置帯に対し、分岐する物品を余裕もって載置する所要長さの仮想空間Nと、合流する物品を余裕もって載置する所定長さの仮想空間Sとを混在するように割り付け、各割り付けられた仮想空間には識別用空間番号を付する仮想空間割付けプログラムa
b:分岐予定の物品が載置するメインコンベヤの仮想空間Nの空間番号とその物品の分岐する支流ラインLnの識別用ライン番号とその物品の識別用物品番号とが互に関連付けるように記憶し、及び合流予定の物品が載置されるメインコンベヤの仮想空間Sの空間番号とその物品の合流の支流ラインLsのライン番号と物品の物品番号とが、互に関連付けるように記憶する物品仮想空間ライン関連付けプログラムb
c:メインコンベヤの作動とともに、そのコンベヤの送り速度でもって仮想上の仮想載置帯をメインコンベヤのラインに沿って送りながら、仮想載置帯上の仮想空間Nに対しその空間番号に関連付けられたライン番号の分岐の支流ラインLnの位置にその空間番号の仮想空間Nが到ったか否かの判定、及び各仮想空間Sに対しその空間番号に関連付けられた合流の支流ラインLsの位置にその空間番号の仮想空間Sが到ったか否かの判定を行ってその到来の判定結果を出力する仮想空間到来判定プログラムc
d:前記の仮想空間到来判定プログラムcで仮想空間N,Sがその関連付けされた支流ラインLn,Lsに到ったとの到来の判定結果を受けて、到来したライン番号の支流ラインの移載装置を作動させる移載装置作動プログラムd
【請求項2】
メインコンベヤの上流にメインコンベヤで搬送する物品を送り込む導入コンベヤを設け、同導入コンベヤの終端には物品をメインコンベヤの仮想載置帯の所要の仮想空間Nに移載するための切出し装置を設け、メインコンベヤの終端にはメインコンベヤ上に送られる物品をそのまま搬送する搬出コンベヤを設けた、請求項1記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備。
【請求項3】
メインコンベヤに沿って支流ラインLnと支流ラインLsとを近接した状態で交互に配置し、又仮想載置帯に対して仮想空間Nと仮想空間Sとを交互に割り付けた、請求項1又は2記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備。
【請求項4】
隣り合う分岐の支流ラインLnと合流の支流ラインLsとに近接した位置に、物品を一時的に保管する自動倉庫の入出庫できる搬送機の入出庫ターミナルを設け、メインコンベヤと分岐と合流の一対の支流ラインと入出庫ターミナルでもって自動倉庫に入出庫する物品の分岐と合流を同時にできるようにした、請求項1〜3何れかに記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備。
【請求項5】
分岐の支流ラインLnと合流の支流ラインLsとの間に入出庫ターミナルが設けられ、しかも支流ラインLn,Lsと入出庫ターミナルにある搬送機との間で物品の移載が同じ高さでできるようにした、請求項4記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備。
【請求項6】
隣り合う分岐の支流ラインLnと合流の支流ラインLsとに近接した位置に、物品の加工・物品の組立・運送荷積卸又は仕分けをする作業場とメインコンベヤとの間で物品を搬出入する物品搬送ラインの入出ターミナルを設け、メインコンベヤと作業場との物品の出入移動を円滑にした、請求項1〜3何れかに記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備。
【請求項7】
仮想載置帯の全ての仮想空間Nの長さを同じ長さとし、又全ての仮想空間Sの長さも同じ長さとした、請求項1〜6何れかに記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備。
【請求項8】
合流の仮想空間Sの空間番号が、メインコンベヤの下流から上流に向けて昇順となるように番号付与され、合流した物品のメインコンベヤの終端で流れる所望の物品番号の順番に従ってその物品の物品番号が載置する仮想空間Sの空間番号を昇順に割り付けるように関連付けし、これによってメインコンベヤの終端で所望の順番で物品を合流できるようにした、請求項1〜7何れかに記載のコンベヤを用いた物品の分岐合流設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−51691(P2012−51691A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195806(P2010−195806)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000196705)西部電機株式会社 (80)
【Fターム(参考)】