説明

コージェネレーション装置

【課題】施工時の平面的設置面積が狭くて済み、その設置の自由度が高く、熱回収タンクの容量の選択自由度も高く、客先のニーズに対応できること。
【解決手段】エンジン1、発電機2、熱交換器14、制御装置6、放熱器15を機械的強度の強い枠体内に配置し、それらを外板からなる筐体内に収容してなるコージェネレーション本体100を、貯湯タンク24、熱交換器25等を機械的強度の強い枠体内に配置し、それらを外板からなる筐体内に収容してなる貯湯タンクユニット200の上に積載する場合のために、両者の枠体位置を特定すると共に、両者間を一体に固定し、コージェネレーション本体100側と貯湯タンクユニット200側の温水配管21,22の夫々を外板の同一面側から接続可能に配置したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電とその発電による熱回収による給湯とを行なうコージェネレーション装置の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のコージェネレーション装置として特許文献1の発明がある。特許文献1のコージェネレーション装置は、発電側と熱回収側とを単一の筐体内に設けて一体化し、内燃機関の冷却水の温度により、三方弁の流通先を切替え、温度センサの温度信号により冷却水の温度信号と給湯槽内の温度信号とを検出し、制御部で送風機及び循環ポンプを制御して、冷却水の温度を不用意に低下させることを回避し、効率良く熱回収し、給湯槽内へ安定した温度の湯水を貯留することができるものである。
【0003】
また、従来のコージェネレーション装置として特許文献2の発明がある。即ち、発電システムと熱回収システムとを一体化し、これら発電システムと熱回収システムとに共通する制御部を設け、給湯槽の外壁へ熱供給管を設け、この熱供給管へエンジンの冷却水を流通させ、給湯槽への熱供給を行なうものである。
【特許文献1】特開2003−254160
【特許文献2】特開2003−254611
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1のコージェネレーション装置においては、発電側と熱回収側とを単一の箱体内に設けたものであり、特許文献2のコージェネレーション装置は、発電側と熱回収側とに共通する制御部を設け、一体化することにより、コージェネレーション本体内で消費する電力を極力抑え、発電効率を向上させると共にコストを抑えるものである。
しかし、コージェネレーション装置の発電側と熱回収側を単一の箱体に設けたことにより、装置の占める体積が大きくなり、施工時の設置場所が制約されるという問題があった。また、熱回収タンクの容量が一定容量となり用途が限定され、かつ、コージェネレーション装置のパッケージが単一になるから、小型化に対する製造コストが高くならざるを得なかった。
【0005】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、施工時の平面的設置面積が狭くて済み、その設置の自由度が高く、熱回収タンクの容量の選択自由度も高く、客先のニーズに対応できるコージェネレーション装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1にかかるコージェネレーション装置は、エンジン、発電機、熱交換器、放熱器を機械的強度の強い枠体内に配置し、それらを筐体内に収容してなるコージェネレーション本体と、貯湯タンクを機械的強度の強い枠体内に配置し、それらを筐体内に収容してなる貯湯タンクユニットには、前記コージェネレーション本体を前記貯湯タンクユニットの上に積載する場合に両者の枠体位置を特定し、かつ、両者の枠体部材間を一体に固定すると共に、前記コージェネレーション本体側と前記貯湯タンクユニット側を連結する温水配管の夫々を同一面側から接続可能に配置したものである。
上記コージェネレーション本体は、少なくとも、第1筐体、前記第1筐体内に収容された第1枠体並びに前記第1枠体内に配置されたエンジン、発電機、熱交換器及び放熱器を備えるものであればよく、枠体の構造や、筐体の構造を問うものではない。
また、上記貯湯タンクユニットについても、少なくとも、第2筺体、前記第2筐体内に収容された第2枠体並びに前記第2枠体内に配置された貯湯タンクを備えるもので、貯湯タンク、熱交換器を機械的強度の強い枠体内に配置し、それらを筐体内に収容してなるものであれば、筐体及び枠体の構造を問うものではない。
また、前記コージェネレーション本体と前記貯湯タンクユニット間の位置決めを行う位置特定手段、前記コージェネレーション本体を前記貯湯タンクユニットに積載する場合の、両者の枠体位置を特定すると共に、両者間を一体にボルト等で固定するものであればよく、両者の枠体位置を特定することと、両者間を一体に固定することは、同時に共通する機能を有する手段でなくとも、各機能が合わさって2つの機能を有しておればよい。
そして、前記コージェネレーション本体の前記第1枠体下側と前記貯湯タンクユニットの前記第2枠体の上側を着脱自在に連結する連結手段は、前記コージェネレーション本体の前記第1枠体と前記貯湯タンクユニットの前記第2枠体とがボルト・ナット等のように、機械的に堅固に固定されるものであればよい。
更に、上記コージェネレーション本体側と前記貯湯タンクユニット側の温水配管の夫々の接続は、前記コージェネレーション本体及び前記貯湯タンクユニットをしてコージェネ循環回路を構成し、前記第1筐体の内部と前記第2筺体の内部との間に配管によって連結されればよい。なお、正面外板(正面パネル)または側面外板(側面パネル)またはその外板一部の作業扉から作業ができるものであればよく、また、1面の外板に限られるものではなく、2面の外板が開放できるものでもよい。作業性からいえば、2面の外板が開放できるものが最も好ましい。
【0007】
請求項2にかかるコージェネレーション装置の前記コージェネレーション本体と前記貯湯タンクユニット間の位置決めを行う位置特定手段は、コージェネレーション本体下部の脚のアンカーボルト固定用穴を用いて行うものである。本来、脚のアンカーボルト固定用穴は力学的構造を検討したものであるから、貯湯タンクユニットの枠体が堅牢に形成されておれば、安定した設置が可能となる。勿論、アンカーボルト固定用穴の数を問題とするものではない。
【0008】
請求項3にかかるコージェネレーション装置の前記コージェネレーション本体と前記貯湯タンクユニット間の位置決めを行う位置特定手段は、前記貯湯タンクユニットの筐体上面を上に凸とし、そこに積載及びその位置で両者を固定するノックアウトを設けたものである。ここで、前記貯湯タンクユニットの筐体上面を上に凸とし、そこに温水配管及び積載の位置の固定は、ノックアウトを開口して接続を行い、前記コージェネレーション本体と前記貯湯タンクユニットとの間に雨水が流れ込んでも、前記貯湯タンクユニット内に入り込むことがないことを目論む構造であるから、前記貯湯タンクユニットの筐体上面を上に凸とした構造は、雨水が流れ込まない構造であればよく、その段数を問うものではない。
また、ここでノックアウトとは、外力の付与によって簡単に目的の形に打ち抜けるように、打ち抜き途中の状態に形成したものであり、そのままの状態では一体に接続されており、表面の塗装等によって、目立たない構造となっているものである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1のコージェネレーション装置によれば、エンジン、発電機、熱交換器、放熱器を機械的強度の強い枠体内に配置し、それらを筐体内に収容してなるコージェネレーション本体と、貯湯タンクを機械的強度の強い枠体内に配置し、それらを筐体内に収容してなる貯湯タンクユニットは、前記コージェネレーション本体を前記貯湯タンクユニットの上に積載する場合に両者の枠体位置を特定し、かつ、両者の枠体部材間を一体に固定すると共に、前記コージェネレーション本体側と前記貯湯タンクユニット側を連結する温水配管の夫々を同一面側から接続可能に配置したものである。
したがって、前記コージェネレーション本体と前記貯湯タンクユニットが積載構造をとるので、限られた平面的設置スペースにおいても設置が可能となる。また、前記コージェネレーション本体と前記貯湯タンクユニットは、個別に製造され、必要に応じて組み合わせができるので、任意の容積が選択でき、使用者のニーズに対応できる。また、前記コージェネレーション本体と前記貯湯タンクユニットが積載構造をとり、しかも、前記コージェネレーション本体を前記貯湯タンクユニットに積載する場合の、両者の枠体位置を特定すると共に、両者間を一体に固定するものであるから、安定した積載状態が確保される。
【0010】
請求項2のコージェネレーション装置によれば、前記コージェネレーション本体と前記貯湯タンクユニットに設けた両者の枠体の位置の固定は、コージェネレーション本体下部の脚のアンカーボルト固定用穴を用いて行うものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、コージェネレーション本体の安定位置を用いて取り付けることになり、貯湯タンクユニットの枠体構造が堅牢であれば、安定な積載が確保できる。
【0011】
請求項3のコージェネレーション装置によれば、前記コージェネレーション本体と前記貯湯タンクユニットに設けた両者の枠体位置の特定は、前記貯湯タンクユニットの筐体上面を上に凸とし、そこに設けたノックアウトを使用して接続を行うものであるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、雨水の侵入を阻止し、簡単に接続作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態1におけるコージェネレーション装置の全体の内部概略構造図、図2は本発明の実施の形態1におけるコージェネレーション装置の全体の斜視図、図3は本発明の実施の形態1におけるコージェネレーション装置の分解斜視図、図4は本発明の実施の形態1におけるコージェネレーション装置の全体の内部の枠体の概略構造図、図5は本発明の実施の形態1におけるコージェネレーション装置の接続状態を示す要部断面図である。
【0013】
図1乃至図3において、エンジン1はガスを燃焼することによって回転出力を得るガスエンジンである。このエンジン1は、本発明を実施する場合、ガスエンジンに限らず、他のエンジンとすることもできる。エンジン1に直結された発電機2は、交流を発生する発電機であり、その出力は、コンバータ3及びインバータ4を経由して、商用電源の電源周波数及び電源電圧に一致させて負荷に電力を供給する回路である。制御盤5は、インバータ4から負荷への出力及びコージェネレーション装置の各制御回路の運転動作を監視するものである。これらコンバータ3及びインバータ4並びに制御盤5は、コージェネレーション装置の制御装置6を構成している。
【0014】
冷却水ポンプ12は、コージェネ運転信号と共に運転されるポンプである。排気熱交換器11は、エンジン1で発生した熱エネルギを出力する熱交換器である。切り替え弁13は、ワックスが封入され、流通する冷却水の温度によってそのワックスの体積が変化し、自動的に流通経路を選択形成する機械式流量制御弁である。熱交換器14は、コージェネレーション本体100内の熱を貯湯タンクユニット200に送出するための熱交換器であり、一次側は排気熱交換器11の冷媒としての冷却水が循環し、二次側は貯湯タンクユニット200に熱エネルギを運ぶ循環系に接続されている。放熱器15は、熱交換器14の温度が所定の温度以上に上昇したとき、送風機16で大気にその熱を放熱するものである。
【0015】
このように、コージェネレーション本体100(以下、単に『本体100』という)には、前述したエンジン1、発電機2、制御装置6、排気熱交換器11、冷却水ポンプ12、切り替え弁13、熱交換器14、放熱器15、送風機16等によって構成されている。なお、本実施の形態では、制御装置6を本体100に内蔵するもので説明したが、本発明を実施する場合には、制御装置6のみを別の制御盤で制御する形態とすることもできる。
【0016】
また、貯湯タンクユニット200(以下、単に『タンクユニット200』という)の循環ポンプ23は、熱交換器14で熱交換された熱エネルギを温水(冷媒)の形態で循環させるポンプである。温水配管21、22は、循環ポンプ23によって熱交換器14で熱交換された温水を循環させる循環管路である。貯湯タンク24は、循環ポンプ23で循環される熱交換器14で熱交換された温水を収容する容器である。熱交換器25は、給湯用の水を加熱する熱交換器であり、熱源として貯湯タンク24の熱及び熱交換器14で熱交換された熱エネルギが作用する。
このように、タンクユニット200には、循環ポンプ23、貯湯タンク24、熱交換器25等によって構成されている。しかし、本発明を実施する場合には、循環ポンプ23を本体100側に配設することもできる。また、熱交換器25についても同様である。
【0017】
このように構成された本体100及びタンクユニット200は、次のように動作する。
まず、制御装置6から運転開始信号が出力されると、エンジン1が運転を開始し、エンジン1に直結した発電機2を回転させ、発電機2は交流発電を行う。発電機2の交流出力は、コンバータ3及びインバータ4を経由して商用電源の電源周波数、電圧に変換して、負荷に電力を供給する。同時に、エンジン1の運転開始信号と共に冷却水ポンプ12に運転信号が出力され、エンジン1を冷却する冷却水ポンプ12が駆動される。
【0018】
エンジン1の排気熱交換器11で熱回収した冷媒としての冷却水は、エンジン1の駆動開始等の状態下で冷却水の水温が低い場合、切り替え弁13は流通管路を流れる冷却水の温度によって自動的に管路の流通経路を選択し、切り替え弁13から冷却水ポンプ12に戻るバイパス管路で、冷却水を循環させる。
その後、冷却水の水温が上昇すると、流通管路を流れる冷却水の温度により内蔵するワックスの体積が変化し、それに応答した切り替え弁13によって、熱交換器14から切り替え弁13を介して冷却水ポンプ12に戻る管路を形成する。
更に温度が上昇すると、切り替え弁13によって熱交換器14、放熱器15、切り替え弁13を介して冷却水ポンプ12に戻る高温度循環管路を形成する。このとき、制御装置6から送風機16に運転開始信号が出力され、放熱器15の熱は大気に放熱される。
【0019】
タンクユニット200内に配設した貯湯タンク24内の冷媒(温水)は、温水配管21、循環ポンプ23、熱交換器25、貯湯タンク24、熱交換器14の二次側、温水配管22の循環管路が形成される。これによって、本体100内の熱交換器14によって、エンジン1から発生する熱を排気熱交換器11で回収し、その熱エネルギは熱交換器25を介して貯湯タンク24に供給される。これにより、エンジン1で発生する排熱を貯湯タンク24に回収、蓄熱することができる。
【0020】
給湯管33に配設された給湯バルブ31を開けることにより、給水管32から給水された温水は、タンクユニット200の熱交換器25により貯湯タンク24の温水と熱交換された後、給湯口から温水として給湯される。
爾後、給湯バルブ31を開けないときには、熱交換器25で熱交換されないから、エンジン1の排気熱交換器11で熱回収した熱エネルギは、本体100内の貯湯タンク24の温水温度を上昇させることによって、電力を使用している限り、エンジン1で発生する熱エネルギを蓄熱する。
【0021】
このように動作する本体100及びタンクユニット200からなるコージェネレーション装置は、次のようにその枠体が構成されている。
本体100には、図4に示すように、外板(パネル)で形成する筐体の内側には、枠体が形成されている。枠体は、正面から見て左右に四角形枠41,42が形成され、それら四角形枠41と四角形枠42との間には、強度を要する枠板44、底枠板43によって接続し、強度を高めている。
【0022】
同様に、タンクユニット200においても、外板で形成する筐体の内側には、枠体が形成されている。枠体は、正面から見て左右に四角形枠51,52が形成され、それら四角形枠51と四角形枠52との間には、帯桟53によって接続し、各4面の四角形の枠は、タンクユニット200に内蔵する貯湯タンク24及び本体100に内蔵する機器の重量及び振動等によって、筋かい桟54またはたすき桟によって強度を高めている。
ここで、枠体を構成する部材は、山形鋼、I鋼、溝形鋼、Z形鋼、H形鋼、リップ溝形鋼、軽溝形鋼、リップZ形鋼、軽角形鋼、ハット形鋼等の鋼材の1種類または複数種類が使用できる。
【0023】
タンクユニット200の四角形枠51,52の下部材は、タンクユニット200の下面の左右の脚55を図示しないボルトによって下側から、四角形枠51,52の下部材に溶接されたナットに螺合することによって取り付けている。
なお、図示のタンクユニット200の脚55をコンクリート基礎に配設したアンカーボルトに固着する場合には、正面外板20Aを取り外して、脚55及び四角形枠51,52の下部材をアンカーボルトによって締め付けることになる。また、図示していないが、脚55をタンクユニット200のサイズより大きくし、露出させることによって、アンカーボルトによる締め付けを容易にすることもできる。
【0024】
タンクユニット200の四角形枠51,52の上部材は、本体100の四角形枠41,42の下部材との間を、四角形枠51に取り付けたナットにボルト72を螺合することによって取り付けている。この接続も、タンクユニット200の外板に、外力を与えることにより簡単に所定の貫通孔が得られるようにノックアウト61によって接続孔を形成できるように、タンクユニット200の外板が加工されている。なお、ノックアウト71は電源配線取入口である。
したがって、本体100とタンクユニット200とは、ボルトナットの締め付けにより、堅固に積載し、機械的に一体化できる。また、四角形枠51,52及び四角形枠41,42の締付用ボルト穴を本体100とタンクユニット200のサイズより外に露出させて締め付けを容易にすることができる。
【0025】
本体100とタンクユニット200は、図1に示すように、温水配管21、22のみが機械的に連結接続されているのみである。
そこで、本実施の形態では、本体100の筐体を構成する外板のうち、正面外板10A及び左側外板10Bを開閉自在とし、また、タンクユニット200の筐体を構成する外板のうち、正面外板20A及び左側外板20Bを開閉自在としている。
【0026】
したがって、本体100の正面外板10A及び/または左側外板10Bを開放し、また、タンクユニット200の正面外板20A及び/または左側外板20Bを開放し、本体100とタンクユニット200との間に温水配管21、22を接続する。
この接続は、フレキシブル管を用いて接続してもよいし、ストレートジョイントによって接続してもよい。またはHIVP管、ポリブテン管、架橋ポリエチレン管等の接続距離に余裕のある長さに設定することによって、両者間を接続してもよい。
【0027】
このように構成された本体100とタンクユニット200は、図5に示すように、次のように組み立てることができる。
まず、タンクユニット200の横置き積載設置が決まると、四角形枠51,52の下部材に脚55を図示しないコンクリート基礎上のアンカーボルトによってナットで固定する。この脚55は、コンクリート等の基礎の上に載置するものである。次に、タンクユニット200の上面の外板に設けられている温水配管21、22を通すためのノックアウト61、循環ポンプ23等の電気信号のリード線の通過を行うノックアウト63、本体100の四角形枠41,42の下部材とタンクユニット200の四角形枠51,52の上部材とをボルト72、ナット73で締めるため、四角形枠41,42の下部材に穿設されたボルト穴に対応した箇所のノックアウト64に外力を与えることにより接続孔を形成する。タンクユニット200の左側外板20Bに設けられている熱交換器25から給湯を得る給湯管33、給水を行う給水管32を配設している。
【0028】
この状態で、タンクユニット200の上に本体100を載置する。このとき、本体100とタンクユニット200の間には、本体100がタンクユニット200の上に積載する場合に、タンクユニット200の上面の膨らみ(凸)と、本体100の下面との嵌合によって、位置決めをしている。具体的には、タンクユニット200の上面の外板の温水配管21、22を通すためのノックアウト61、循環ポンプ23等の電気信号のリード線の通過を行うノックアウト63を設けた面は、他の部分よりも凸状に形成されており、しかも、タンクユニット200の四角形枠51,52の上部材には、ノックアウト64による接続孔が形成されているから、本体100の四角形枠41,42の下部材のボルト孔に1から2個の仮締めボルト72を通して、位置決めを行ってタンクユニット200に本体100を載置する。
【0029】
そして、本体100の四角形枠41,42の下部材のボルト孔に4本のボルト72を通し、タンクユニット200の四角形枠51,52の上部材に溶接したナット73との間を締め付け一体化する。そして、タンクユニット200側と本体100側とを接続する温水配管21、22を接続する。同時に、循環ポンプ23等の電気信号のリード線等の配線を行う。
【0030】
なお、本実施の形態の本体100の枠体、即ち、本実施の形態の第1枠体は、正面から見て左右に四角形枠41,42が形成され、それら四角形枠41と四角形枠42との間には、底枠板43及び枠板44によって接続しているが、本発明を実施する場合には、その枠体の構造を問うものではない。
また、タンクユニット200の枠体、即ち、本実施の形態の第2枠体も、正面から見て左右に四角形枠51,52が形成され、それら四角形枠51と四角形枠52との間には、帯桟53によって接続し、かつ、筋かい桟54またはたすき桟を設けているが、本発明を実施する場合には、タンクユニット200においても、その枠体の構造を問うものではない。
【0031】
また、本実施の形態の本体100の筐体、即ち、本実施の形態の第1枠体は、正面外板10A及び左側外板10Bについて説明しているが、本発明を実施する場合には、少なくとも上面及び正面、背面、左右面の5面、必要に応じて底面が加わる6面の外板で構成される。
本実施の形態のタンクユニット200の筐体、即ち、本実施の形態の第2枠体も、正面外板20A及び左側外板20Bについて説明しているが、本発明を実施する場合には、少なくとも上面及び正面、背面、左右面の5面、必要に応じて底面が加わる6面の外板で構成される。
【0032】
少なくとも、エンジン1、発電機2、熱交換器14、制御装置6、放熱器15を機械的強度の強い枠体内に配置し、それらを外板からなる筐体内に収容してなる本体100と、少なくとも、貯湯タンク24、熱交換器25を機械的強度の強い枠体内に配置し、それらを外板からなる筐体内に収容してなるタンクユニット200を具備し、本体100とタンクユニット200には、本体100をタンクユニット200の上に積載する場合の両者の枠体位置を特定すると共に、両者間を一体に固定し、本体100側とタンクユニット200側の温水配管21,22の夫々を外板の同一面側から接続可能に配置してなるものである。
【0033】
上記実施の形態のコージェネレーション装置は、第1筐体、第1筐体内に収容された第1枠体並びに第1枠体内に配置されたエンジン1、発電機2、熱交換器14及び放熱器15を備える本体100と、第2筺体、前記第2筐体内に収容された第2枠体並びに前記第2枠体内に配置された貯湯タンク24を備えたタンクユニット200と、本体100をタンクユニット200上に搭載するときに両者間の位置決めを行う位置特定手段と、前記位置特定手段により本体100とタンクユニット200との間の相対位置が規定された後に本体100の第1枠体下側とタンクユニット200の第2枠体の上側を着脱自在に連結する連結手段と、本体100側とタンクユニット200側との間を連結し、本体100及びタンクユニット200をしてコージェネ循環回路を構成せしめ、第1筐体の内部の一方側と第2筺体の内部の一方側との間に延設された配管とを具備する発明の実施の形態とすることができるものである。
【0034】
ここで、上記実施の形態の本体100をタンクユニット200上に搭載するときに両者間の位置決めを行う位置特定手段は、タンクユニット200の筐体上面を上に凸とし、そこに温水配管21,22及び本体100とタンクユニット200との固定をノックアウト61を開けてボルト締めによって行うものであるから、雨水の侵入を阻止し、簡単に接続作業を行うことができる。即ち、タンクユニット200の筐体上面を上に凸とし、そこに温水配管21,22及び本体100とタンクユニット200との固定は、ノックアウト61,62,63を開口して接続を行い、本体100とタンクユニット200との間に雨水が浸透しても、タンクユニット200内に入り込むことがないことを目論む構造であるから、タンクユニット200の筐体上面を上に凸とした構造は、雨水が流れ込まない構造であればよい。
また、上記実施の形態のコージェネレーション装置によれば、本体100とタンクユニット200を夫々別体とし、結合して一体化せしめる構造であるから、両者を別々に運搬し、施工現場で組み立てができる。運搬通路の狭い場所でも容易に運搬が可能である。
【0035】
そして、上記実施の形態の本体100とタンクユニット200との間の相対位置が規定された後に本体100の上記第1枠体下側とタンクユニット200の上記第2枠体の上側を着脱自在に連結する連結手段は、コージェネレーション装置の本体100とタンクユニット200に設けた両者の枠体位置を特定し、タンクユニット200の筐体上面を上に凸とし、そこに温水配管21,22及び本体100とタンクユニット200との固定をノックアウトを開口してから、そこにボルトを通してボルト締めを行うものである。
【0036】
更に、上記実施の形態の本体100側とタンクユニット200側との間を連結し、本体100及びタンクユニット200をしてコージェネ循環回路を構成せしめ、本体100の第1筐体の内部の一方側とタンクユニット200の上記第2筺体の内部の一方側との間に延設された温水配管21,22等の配管は、正面外板10Aまたは左側外板10Bまたはそれらの外板の一部の作業扉から作業ができるものであればよく、また、外板の1面に限られるものではなく、外板の2面が開放できるのが最も好ましい。
【0037】
したがって、本体100とタンクユニット200に設けた両者の枠体位置を特定するのは、本体100下部の本来独立して移動させる際に接続されている図示しない脚のアンカーボルト固定用穴を用いて行うと、元々本体100下部の図示しない脚は、最もバランスのよい位置に配設されているから、取付け安定性がよく、別に取り付け手段を準備する必要がなく作業効率がよい。
また、本体100とタンクユニット200間の位置決めを行う位置特定手段は、本体100下部の脚55のアンカーボルト固定用穴を用いて行うものであるから、本来、脚55のアンカーボルト固定用穴は力学的構造を検討したものであるから、タンクユニット200の上記第2枠体が堅牢に形成されておれば、安定した設置が可能となる。そして、本体100とタンクユニット200間の位置決めを行う位置特定手段としては、タンクユニット200の上記第2筐体上面を上に凸とし、そこに本体100をタンクユニット200に積載した状態で固定する位置をノックアウト61で形成するものであるから、ノックアウト61を開口して接続を行い、本体100とタンクユニット200との間に雨水が流れ込んでも、タンクユニット200内に入り込むことがない。
【0038】
上記実施の形態のコージェネレーション装置は、本体100とタンクユニット200が積載構造をとるので、限られた設置スペースにおいても設置が可能となる。また、本体100とタンクユニット200は、別々に製造されるので任意の容積が選択でき、使用者のニーズに対応できる。また、本体100とタンクユニット200が積載構造をとり、しかも、本体100をタンクユニット200に積載する場合の、両者の枠体位置を特定すると共に、両者間を一体に固定するものであるから、安定した積載状態が確保される。
【0039】
更に、上記実施の形態のコージェネレーション装置は、単体として熱電併給機能を有するため、大容量の貯湯タンク24を必要とする場合は、一般的な使用方法と同様、本体100をコンクリート基礎上に設置し、別途設置した大容量のタンクユニット200に温水配管を結合すればよい。
【0040】
加えて、従来のコージェネレーション装置は、貯湯タンク24を単一の筐体に設けるため、その専用なパッケージ構造となり、貯湯タンク24の容量も固定となるから、使用先が制限され、数量も限定され、量の確保による製造コスト低減が難しかったが、上記実施の形態のコージェネレーション装置は、本体100とタンクユニット200と結合して使用するものであるから、その選択自由度が高くなり、製造コストを廉価とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】図1は本発明の実施の形態1におけるコージェネレーション装置の全体の内部概略構造図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態1におけるコージェネレーション装置の全体の斜視図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態1におけるコージェネレーション装置の分解斜視図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1におけるコージェネレーション装置の全体の内部の枠体の概略構造図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態1におけるコージェネレーション装置の接続状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 エンジン
2 発電機
6 制御装置
14 熱交換器
15 放熱器
21,22 温水配管
24 貯湯タンク
25 熱交換器
10A 正面外板(コージェネレーション本体の)
10B 左側外板(コージェネレーション本体の)
20A 正面外板(貯湯タンクユニットの)
20B 左側外板(貯湯タンクユニットの)
41,42 四角形枠(コージェネレーション本体の)
43 底枠板(コージェネレーション本体の)
44 枠板(コージェネレーション本体の)
51,52 四角形枠(貯湯タンクユニットの)
53 帯桟(貯湯タンクユニットの)
54 筋かい桟(貯湯タンクユニットの)
100 コージェネレーション本体
200 貯湯タンクユニット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1筐体、前記第1筐体内に収容された第1枠体並びに前記第1枠体内に配置されたエンジン、発電機、熱交換器及び放熱器を備えるコージェネレーション本体と、
第2筺体、前記第2筐体内に収容された第2枠体並びに前記第2枠体内に配置された貯湯タンクを備えた貯湯タンクユニットと、
前記コージェネレーション本体を前記貯湯タンクユニット上に搭載するときに両者間の位置決めを行う位置特定手段と、
前記位置特定手段により前記コージェネレーション本体と前記貯湯タンクユニットとの間の相対位置が規定された後に前記コージェネレーション本体の前記第1枠体下側と前記貯湯タンクユニットの前記第2枠体の上側を着脱自在に連結する連結手段と、
前記コージェネレーション本体側と前記貯湯タンクユニット側との間を連結し、前記コージェネレーション本体及び前記貯湯タンクユニットをしてコージェネ循環回路を構成せしめると共に、前記第1筐体の内部の一方側と前記第2筺体の内部の一方側との間に延設された配管とを具備することを特徴とするコージェネレーション装置。
【請求項2】
前記コージェネレーション本体と前記貯湯タンクユニット間の位置決めを行う位置特定手段は、前記コージェネレーション本体下部の脚のアンカーボルト固定用穴を用いて行うことを特徴とする請求項1に記載のコージェネレーション装置。
【請求項3】
前記コージェネレーション本体と前記貯湯タンクユニット間の位置決めを行う位置特定手段は、前記貯湯タンクユニットの筐体上面を上に凸とし、そこに前記コージェネレーション本体を前記貯湯タンクユニットに積載した状態で固定する位置をノックアウトで形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコージェネレーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−263504(P2007−263504A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−91024(P2006−91024)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】