説明

コードシンボル読取装置及び制御プログラム

【課題】操作に不慣れなオペレータであってもコードシンボルを確実に読取可能となるようにコードシンボルを向きや位置を調整できるようにする。
【解決手段】コードシンボル読取装置8は、候補領域検出手段32が撮像装置23にて撮像された画像からコードシンボルの候補となる画像領域を検出する。デコーダ25は、検出された画像領域を解読する。デコーダ25がコードシンボルを解読できないとき、方向判定手段33は、検出された画像領域の画像解像度が高くなる方向を判定する。方向報知手段34は、判定された方向を、例えば撮像画像表示部29を用いて報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CCD(Charge Coupled Device Image Sensor)カメラ等の撮像装置を用いて、商品に付されたバーコード等のコードシンボルを読み取るコードシンボル読取装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
文字や模様などを含む画像データの中からバーコードを検出して切り出す技術はすでに知られている(例えば、特許文献1参照)。そこで近年、この技術を利用して、商品に付されたバーコード,二次元データコード等のコードシンボルを読み取るようにしたコードシンボル読取装置が開発されている。
【0003】
例えば特許文献2は、少なくともコードシンボルを撮像してその画像データを出力する撮像装置と、この撮像装置から出力された画像データをリアルタイムに動画像として表示する画像表示部と、撮像装置から出力された画像データに基づいてコードシンボルを解読するデコーダとを備えたコードシンボル読取装置を開示する。このような構成のコードシンボル読取装置であれば、オペレータに対してコードシンボルの読取状況を認識させることができるので、オペレータは、コードシンボルを確実に読取可能とするようにコードシンボルの向きや位置を調整できる効果を奏する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のこの種のコードシンボル読取装置は、操作に慣れたオペレータであれば、画像表示部に表示された動画像から、コードシンボルの向きや位置を調整して、コードシンボルを確実に読み取らせることができる。しかしながら、操作に不慣れなオペレータの場合は、動画像を見てもコードシンボルをどちらの方向に動かせばよいのか判断できず、調整に手間取ることが多々ある。
【0005】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、操作に不慣れなオペレータであってもコードシンボルを確実に読取可能となるようにコードシンボルの向きや位置を調整することができ、コードシンボルの読み取りに要する時間の短縮を図り得るコードシンボル読取装置及びその制御プログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のコードシンボル読取装置は、撮像装置にて撮像された画像からコードシンボルの候補となる画像領域を検出する候補領域検出手段と、コードシンボルを解読できないとき、候補領域検出手段により検出された画像領域の画像解像度が高くなる方向を判定する方向判定手段と、この方向判定手段により判定された方向を報知する方向報知手段とを備えたものである。
【0007】
本発明の制御プログラムは、撮像装置にて撮像された商品の画像から商品に付されているコードシンボルを解読するコードシンボル読取装置を、前記候補領域検出手段、方向判定手段、及び方向報知手段として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0008】
かかる手段を講じた本発明によれば、操作に不慣れなオペレータであってもコードシンボルを確実に読取可能となるようにコードシンボルを向きや位置を調整することができ、コードシンボルの読み取りに要する時間を短縮できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態であるチェックアウト端末の外観斜視図。
【図2】同チェックアウト端末に設けられるバーコード読取装置のブロック構成図。
【図3】同バーコード読取装置の制御部が制御プログラムに基づいて実行する処理手順の流れ図。
【図4】図3におけるガイドメッセージ選択処理の手順を具体的に示す流れ図。
【図5】撮像装置によって撮像される撮像画像の1フレームを模式的に示す図。
【図6】本実施形態のバーコード読取装置が有するメッセージテーブルのデータ構成図。
【図7】本実施形態において、チェックアウト端末の表示器に表示される商品登録待ち画面の一例を示す平面図。
【図8】本実施形態において、バーコード候補画像領域が撮像画像の右下に位置しているときの撮像画像表示部の一表示例を示す平面図。
【図9】本実施形態において、バーコード候補画像領域が撮像画像の中央に位置しているもののバーコードデータが読み取られていないときの撮像画像表示部の一表示例を示す平面図。
【図10】本実施形態において、バーコード候補画像領域が撮像画像の中央に位置しておりバーコードデータが読み取られたときの撮像画像表示部の一表示例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のコードシンボル読取装置を、セルフスキャニング方式のチェックアウト端末1に組み込まれるバーコード読取装置8として適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0011】
図1は、本実施形態におけるチェックアウト端末1の外観斜視図である。当該チェックアウト端末1は、商品情報を登録していない商品を載置するための荷受面2aが設けられた未登録商品載置台2と、商品情報の登録を終えた商品を載置するための荷受面3aが設けられた登録済商品載置台3と、登録済商品載置台3の上に設置された端末本体4とを備えている。また、登録済商品載置台3の荷受面3a上に、レジ袋の持ち手部分を掛止めするための一対の掛止め部5を設けている。
【0012】
未登録商品載置台2と登録済商品載置台3は、それぞれ荷受面2a,3aに載置された商品の重量を計測するための重量計測ユニットを備えている。これらの重量計測ユニットによって計測された重量は、商品の登録漏れや不正を防止するための重量チェックに用いられる。
【0013】
端末本体4は、その上部に表示器6を取り付け、一側部に電子決済端末7を取り付けている。表示器6は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、OEL(Organic Electro-Luminescence)等のディスプレイ6aの画面上にタッチパネル6bを配置する。電子決済端末7は、電子マネー媒体と無線通信を行い、商取引代金の電子決済を処理する。
【0014】
端末本体4は、その内部にバーコード読取装置8とレシートプリンタ9とを搭載しており、正面にバーコード読取窓10とレシート発行口11とを形成している。バーコード読取装置8は、バーコード読取窓10のガラス面にかざされた商品に付されているバーコードを読み取る。レシートプリンタ9は、商取引内容を記録したレシートを印字し、レシート発行口11から発行する。
【0015】
図2は、バーコード読取装置8の構成を機能的に示すブロック図である。バーコード読取装置8は、CPU(Central Processing Unit)等で構成される制御部21を主体に、プログラム記憶部22、撮像装置23、画像メモリ24、デコーダ25、インターフェース26、ブザー27、メッセージテーブル28及び撮像画像表示部29を備えている。
【0016】
プログラム記憶部22は、後述する制御プログラムを記憶する。撮像装置23は、エリアイメージセンサであるCCD撮像素子及びその駆動回路と、撮像領域の画像をCCD撮像素子に結像させるための撮像レンズとを備える。撮像領域は、バーコード読取窓10から撮像レンズを通してCCD撮像素子のエリアに結像するフレーム画像の領域である。撮像装置23は、撮像レンズを通ってCCD撮像素子に結像した撮像領域の画像をフレーム単位に制御部21へ出力する。画像メモリ24は、撮像装置23から出力されるフレーム画像を順次展開して記憶する。デコーダ25は、画像メモリ24に展開されたフレーム画像からバーコード候補として切り出された領域画像のデータを基にバーコードデータを解読する。インターフェース26は、デコーダ25で解読されたバーコードデータをチェックアウト端末1のメインCPUに出力する。ブザー27は、インターフェース26を介してバーコードデータが出力されたことに応じて所定の読取完了音を鳴動する。メッセージテーブル28は、オペレータに対するガイドメッセージのデータを記憶する。撮像画像表示部29は、撮像装置23によって撮像されたフレーム画像をリアルタイムに表示する。
【0017】
制御部21は、プログラム記憶部22に記憶された制御プログラムに従い、撮像画像表示手段31、候補領域検出手段32、方向判定手段33及び方向報知手段34としての機能を実現する。以下、各手段について、図3及び図4の流れ図を用いて説明する。
【0018】
制御プログラムが起動すると、制御部21は、図3の流れ図に示す処理を開始する。先ず、制御部21は、ST(ステップ)1として撮像装置23にて撮像されたフレーム画像を取り込み、画像メモリ24に展開する。次に、制御部21は、ST2として画像メモリ24に展開された画像データから、撮像画像の左右を反転させた鏡像画像のデータを作成する。撮像画像の鏡像を作成したならば、制御部21は、ST3としてこの鏡像を、撮像画像表示部29に表示させる。
【0019】
撮像画像表示部29は、チェックアウト端末1のディスプレイ6aに表示される商品登録待ち画面40の一部に形成される。商品登録待ち画面40の一例を図7に示す。図7の例では、登録済商品の明細表示欄41と、登録済商品の合計表示欄42と、バーコードのない商品の分類を示すタッチボタン領域43とが商品登録待ち画面40に配置されている。バーコード読取装置8は、商品登録待ち画面40の中央下側に、矩形の撮像画像表示部29を形成する。すなわち、端末本体4の正面に形成されたバーコード読取窓10の略真上に撮像画像表示部29を形成する。
【0020】
ここに、撮像装置23にて撮像された画像を表示器6に表示させる撮像画像表示手段31は、ST1〜ST3の各処理によって実現される。撮像画像表示手段31により表示される画像は、撮像装置23にて撮像された画像を左右反転させた鏡像である。
【0021】
次に、制御部21は、ST4として画像メモリ24に格納されたフレーム画像を解析して、バーコードの候補となる画像領域、いわゆるバーコード候補画像領域を検出する。この処理は、例えば前記特許文献1に開示された技術を利用する。
【0022】
制御部21は、ST5としてバーコード候補画像領域を検出できたか否かを判断する。検出できない場合(ST5のNO)、ST1の処理に戻る。そして、撮像装置23から次フレームの撮像画像データを取り込んで、前記ST2,3,4の各処理を再度実行する。
【0023】
バーコード候補画像領域を検出できた場合(ST5のYES)、制御部21は、ST6として撮像画像表示部29に表示されている撮像画像上において、バーコード候補画像領域を枠で囲う。このとき、同時に複数の領域がバーコード候補画像領域として検出された場合には、バーコード候補としての優先度を決定する。優先度は、商品の平面積に対するバーコード候補画像領域の大きさの比率や、商品の外殻形状に対するバーコード候補画像領域の長手方向の向き等の判定条件を基に決定される。制御部21は、最も優先度が高いバーコード候補画像領域を選択して枠で囲う。あるいは、バーコード候補画像領域を全て枠で囲い、最も優先度が高いバーコード候補画像領域だけ枠の色を変える。
【0024】
ここに、撮像装置23にて撮像された画像からバーコードの候補となる画像領域を検出する候補領域検出手段32は、ST4〜ST6の各処理によって実現される。なお、ST6の処理は、候補領域検出手段32から省略することが可能である。
【0025】
バーコード候補画像領域を枠で囲った後、制御部21は、ST7としてデコーダ25を用いてバーコードデータの解読を行う。このとき、同時に複数の領域がバーコード候補画像領域として検出されている場合には、優先度の高い領域から順にバーコードデータの解読を行う。
【0026】
一般に、バーコード読取窓10のガラス面に近い距離でその中央部分にバーコードがかざされると、撮像装置23によって撮像される画像のバーコード部分の画像解像度が高くなる。バーコード部分の画像解像度が高ければ、デコーダ25はその画像からバーコードデータを正確に解読することができる。しかし、画像解像度が低いと、デコーダ25はバーコードデータを解読できない。このため、バーコードがバーコード読取窓10のガラス面から離れていたり、バーコード読取窓10の中央部分から外れていたりした場合には、デコーダ25がバーコードデータを解読できないことがある。
【0027】
制御部21は、ST8としてデコーダ25がバーコードデータを解読できたか否かを判定する。バーコードデータを解読できた場合(ST8のYES)、制御部21は、ST9としてバーコードデータを解読できたバーコード候補画像領域の枠内を所定の色で塗りつぶす。また、ST10としてデコーダ25で解読されたバーコードデータを、インターフェース26を介してメインCPUに出力する。メインCPUは、バーコード読取装置8から入力されたバーコードデータに基づいて商品情報を登録処理する。
【0028】
これに対し、バーコードデータを解読できなかった場合には(ST8のNO)、制御部21は、ST11としてガイドメッセージの選択処理を実行する。すなわち制御部21は、バーコード候補画像領域の画像解像度が高くなる方向を判定し、判定された方向へバーコード候補画像領域を案内するためのガイドメッセージをメッセージテーブル28から選択する。制御部21は、ST12として選択したガイドメッセージを撮像画像表示部29に表示させる。
【0029】
ここに、バーコード候補画像領域の画像解像度が高くなる方向を判定する方向判定手段33は、ST11の処理によって実現される。方向判定手段33により判定された方向を報知する方向報知手段34は、ST12の処理によって実現される。
【0030】
ST10にてメインCPUにバーコードデータを出力するか、ST12にてガイドメッセージを撮像画像表示部29に表示させたならば、制御部21は、ST1に戻る。そして、撮像装置23から次フレームの撮像画像データを取り込んで、ST2以降の各処理を再度実行する。
【0031】
図4は、ガイドメッセージ選択処理(ST11)の具体的な手順を示す流れ図である。ガイドメッセージ選択処理に入ると、制御部21は、ST21としてバーコード候補画像領域が、撮像装置23による撮像画像の中のどの位置に存在しているのかを検出する。この場合において、バーコード候補画像領域が複数ある場合には、最も優先度の高いバーコード候補画像領域の位置を検出する。
【0032】
図5は、撮像装置23のCCD撮像素子に結像する撮像画像の1フレームを模式的に示す。本実施形態では、撮像画像の1フレームを、その中心Oを中央に含む長方形の中央領域Pと、この中央領域Pを囲う周辺領域とに区分する。さらに周辺領域は、中央領域Pに対して左上側の領域Aと、上側の領域Bと、右上側の領域Cと、右側の領域Dと、右下側の領域Eと、下側の領域Fと、左下側の領域Gと、左側の領域Hとに区分する。
【0033】
一般に、デコーダ25によるバーコードデータの解読率は、解像度の高いバーコード画像が中央領域P内にあると高いが、解像度が低かったり周辺領域A〜Hにあったりすると低くなる。そこで本実施形態では、図6に示すデータ内容のメッセージテーブル28を備えている。
【0034】
すなわち、メッセージ番号“1”のデータとして、バーコード候補画像の解像度を高めるために、バーコード読取窓10のガラス面にバーコードを近づけることを案内するガイドメッセージ「商品をガラス面に近づけてください」を記憶している。また、メッセージ番号“2”〜“9”のデータとして、各周辺領域A〜Hに位置するバーコード候補画像領域をそれぞれ撮像画像の中央領域P内に移動させることを案内するガイドメッセージ「商品をXX(方向)に動かしてください」を、周辺領域A〜Hの情報とともに記憶している。
【0035】
ST21の処理では、制御部21は、バーコード候補画像領域が、撮像画像の区分領域A〜HまたはPのいずれの領域内に存在するかを検出する。複数の区分領域に跨る場合には、面積が最も大きい領域を検出する。
【0036】
バーコード候補画像領域が中央領域P内に存在する場合(ST22のYES)、制御部21は、メッセージテーブル28からメッセージ番号“1”のガイドメッセージデータを選択する(ST23)。
【0037】
これに対し、バーコード候補画像領域が周辺領域A〜H内に存在する場合には(ST22のNO)、制御部21は、メッセージテーブル28からバーコード候補画像領域が存在する周辺領域A〜Hに対応したメッセージ番号“2”〜“9”のガイドメッセージデータを選択する。すなわち、バーコード候補画像領域が周辺領域A内に存在する場合には(ST24のYES)、メッセージ番号“2”のガイドメッセージデータを選択し(ST25)、周辺領域B内に存在する場合には(ST26のYES)、メッセージ番号“3”のガイドメッセージデータを選択し(ST27)、周辺領域C内に存在する場合には(ST28のYES)、メッセージ番号“4”のガイドメッセージデータを選択し(ST29)、周辺領域D内に存在する場合には(ST30のYES)、メッセージ番号“5”のガイドメッセージデータを選択し(ST31)、周辺領域E内に存在する場合には(ST32のYES)、メッセージ番号“6”のガイドメッセージデータを選択し(ST33)、周辺領域F内に存在する場合には(ST34のYES)、メッセージ番号“7”のガイドメッセージデータを選択し(ST35)、周辺領域G内に存在する場合には(ST36のYES)、メッセージ番号“8”のガイドメッセージデータを選択し(ST29)、周辺領域H内に存在する場合には(ST22〜ST36のNO)、メッセージ番号“9”のガイドメッセージデータを選択する(ST38)。こうして選択されたいずれかのガイドメッセージは、ST12の処理により撮像画像表示部29に表示される。以上で、ガイドメッセージ選択処理は終了する。
【0038】
かかる構成のバーコード読取装置8を備えたセルフスキャニング方式のチェックアウト端末1は、例えばスーパーマーケットのレジ近傍に設置されている。チェックアウト端末1を利用して買上商品の会計を行う客は、先ず、商品情報を登録していない商品を未登録商品載置台2の荷受面2aに載せる。次に、荷受面2aから商品を1点ずつ取り上げ、その商品に付されているバーコードをバーコード読取窓10にかざす。
【0039】
その結果、バーコード読取装置8によりバーコードデータが読み取られた場合には、ブザー27から読取完了音が発せられる。また、表示器6に表示されている商品登録待ち画面40の明細表示欄41に、当該商品の登録情報が表示される。そこで客は、手に持っていた商品を登録済商品載置台3の荷受面3aに広げられたレジ袋に詰める。
【0040】
これに対し、商品のバーコードをバーコード読取窓10にかざしてもバーコードデータが読み取られなかった場合には、商品登録待ち画面40の撮像画像表示部29に、撮像画像の鏡像とともに所定のガイドメッセージが表示される。
【0041】
図8は、ガイドメッセージが表示された撮像画像表示部29の一表示例である。なお、説明の便宜上、商品以外の画像を省略している。後述する図9及び図10の同様である。商品50に付されたバーコード51の候補となるバーコード候補画像領域52が、撮像画像の中央領域Pよりも左下の領域Gに存在している。この場合、メッセージテーブル28からはメッセージ番号“8”のガイドメッセージ「商品を右上に動かしてください」が表示される。そこで客は、このメッセージに従い、バーコード読取窓10にかざしている商品50を右上に移動させる。
【0042】
図9は、商品50を右上に移動させて撮像画像の中心部分に位置させたときの撮像画像表示部29の一表示例である。バーコード候補画像領域52が撮像画像の中央領域Pに位置しているものの、バーコードの画像が小さく、解像度が低い。このため、デコード25は、バーコードを解読できない。この場合、メッセージテーブル28からはメッセージ番号“1”のガイドメッセージ「商品をガラス面に近づけてください」が表示される。そこで客は、このメッセージに従い、バーコード読取窓10にかざしている商品50をガラス面に近づける。
【0043】
図10は、商品50をガラス面に近づけたときの撮像画像表示部29の一表示例である。商品50をガラス面に近づけたためにバーコード候補画像領域52の画像解像度が高くなり、デコーダ25がバーコードデータを解読できる。この場合、バーコードデータを解読できたバーコード候補画像領域52が、所定の色で塗り潰される。また、ガイドメッセージの表示欄には、固定のメッセージ「バーコードが読み取られました」が表示される。
【0044】
したがって、ガイドメッセージに従って商品を動かしていたオペレータは、バーコード候補画像領域52が所定の色で塗り潰されことによって、バーコードが読み取られことを認識できる。
【0045】
このように、オペレータは、バーコード読取窓10にかざした商品をガイドメッセージに従い移動させるだけで、その商品に付されたバーコードを確実に読み取らせることができる。したがって、セルフスキャニング方式のチェックアウト端末1のように操作に不慣れな客がオペレータであっても、バーコードを確実に読取可能となるようにバーコードの向きや位置を短時間で調整できる。
【0046】
しかも、ガイドメッセージは、表示器6の画面上で、バーコード読取窓10の略真上に設けられた撮像画像表示部29に、鏡像の撮像画像とともに表示される。したがって、オペレータは、撮像画像表示部29に表示される撮像画像を見ながら、商品を当該表示部29の中心方向に移動させればよいので、作業が容易である。よって、バーコードの読取処理に要する時間を短縮でき、処理効率の向上を図ることができる。また、オペレータのストレスも軽減できる。
【0047】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0048】
例えば前記実施形態では、方向報知手段34をガイドメッセージの表示手段として説明したが、方向報知手段34はこれに限定されるものではない。例えば、音声合成装置を利用して、ガイドメッセージを音声案内により報知してもよい。この場合、撮像装置23にて撮像された画像を表示器6に表示させる撮像画像表示手段31は、必ずしも必要とはしない。
【0049】
また、前記実施形態は、セルフスキャニング方式のチェックアウト端末1におけるバーコード読取装置8に本発明を適用したが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではない。また、バーコード以外のコードシンボル、たとえば二次元データコードの読取装置にも本発明は適用できるものである。
【0050】
さらに、前記実施形態では、装置内部のプログラム記憶部22に発明の機能を実現させる制御プログラムが予め記録されているものとしたが、これに限らず同様のプログラムをネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0051】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【符号の説明】
【0052】
1…チェックアウト端末、6…表示器、8…バーコード読取装置、10…バーコード読取窓、21…制御部、22…プログラム記憶部、23…撮像装置、24…画像メモリ、25…デコーダ、26…インターフェース、27…ブザー、28…メッセージテーブル、29…撮像画像表示部、31…撮像画像表示手段、32…候補領域検出手段、33…方向判定手段、34…方向報知手段。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【特許文献1】特開2005−266907号公報
【特許文献2】特開2009−176036号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置にて撮像された商品の画像から前記商品に付されているコードシンボルを解読するコードシンボル読取装置において、
前記撮像装置にて撮像された画像から前記コードシンボルの候補となる画像領域を検出する候補領域検出手段と、
前記コードシンボルを解読できないとき、前記候補領域検出手段により検出された画像領域の画像解像度が高くなる方向を判定する方向判定手段と、
この方向判定手段により判定された方向を報知する方向報知手段と、
を具備したことを特徴とするコードシンボル読取装置。
【請求項2】
前記方向判定手段により判定される方向は、前記候補領域検出手段により検出された画像領域の大きさが所定の大きさ以上で撮像画像の中心に近付く方向であることを特徴とする請求項1記載のコードシンボル読取装置。
【請求項3】
前記撮像装置にて撮像された画像を表示器に表示させる撮像画像表示手段、をさらに具備し、
前記方向報知手段は、前記方向判定手段により判定された方向を知らせるガイドメッセージを前記表示器に表示させる手段であることを特徴とする請求項1または2記載のコードシンボル読取装置。
【請求項4】
前記撮像画像表示手段は、前記撮像装置にて撮像された画像を左右反転させた鏡像を表示させることを特徴とする請求項3記載のコードシンボル読取装置。
【請求項5】
前記候補領域検出手段により検出された画像領域が複数存在するとき、前記方向判定手段は、コードシンボルの領域として最も確率の高い画像領域の画像解像度が高くなる方向を判定することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1記載のコードシンボル読取装置。
【請求項6】
撮像装置にて撮像された商品の画像から前記商品に付されているコードシンボルを解読するコードシンボル読取装置の制御プログラムであって、
前記コードシンボル読取装置を、
前記撮像装置にて撮像された画像から前記コードシンボルの候補となる画像領域を検出する候補領域検出手段、
前記コードシンボルを解読できないとき、前記候補領域検出手段により検出された画像領域の画像解像度が高くなる方向を判定する方向判定手段、及び、
この方向判定手段により判定された方向を報知する方向報知手段、
として機能させるための制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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