説明

コード多重サービスシステム及びその方法

【課題】 コード多重サービスシステム及びその方法を提供する。
【解決手段】 タグは、第1固有識別情報を含み、端末器は、タグの第1固有識別情報を読み取り、サービスサーバは、端末器から第1固有識別情報及び端末器の第2固有識別情報を受信し、受信した第1固有識別情報及び第2固有識別情報をキー値として該当するコンテンツまたはサービスを検索して提供するコード多重サービスシステムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タグに該当するコンテンツまたはサービスを提供するシステム及びその方法に係り、特にタグを認識した端末器ごとにそれぞれ異なるコンテンツまたはサービスを提供するシステム及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット環境と無線通信技術とが発達するにつれて、タグを通じてコンテンツまたはサービスを提供する色々な種類のサービスが開発されている。特に、携帯電話の場合、イメージコードを認識することによって、ユーザーに名刺情報、広告、ウェブコンテンツ、モバイルコンテンツなどを提供するサービスが広く用いられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、同じタグであっても、タグを認識した端末器によってそれぞれ異なるコンテンツまたはサービスを提供するシステム及びその方法を提供するところにある。
【0004】
本発明が解決しようとする他の課題は、同じタグであっても、タグを認識した端末器によってそれぞれ異なるコンテンツまたはサービスを提供する方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するための本発明によるコード多重サービス装置の一実施形態は、媒体の第1固有識別情報に基づいて媒体別の提供サービスを分類し、端末器の第2固有識別情報に基づいて、前記それぞれの媒体に該当する提供サービス内のコンテンツを分類して保存するコンテンツデータベースと、媒体に含まれた第1固有識別情報及び前記媒体を認識した端末器の第2固有識別情報を受信するID受信部と、前記第1固有識別情報に基づいて前記コンテンツデータベースから該当する提供サービスを検索し、前記第2固有識別情報に基づいて、前記検索された提供サービス内の該当するコンテンツを検索して提供するコンテンツ検索部と、を備える。
【0006】
前記課題を解決するための本発明によるコード多重サービス装置の一実施形態は、第1固有識別情報を文字、数字、記号またはイメージで2次元平面にエンコーディングしたイメージコードを物理的形態または電子的形態に生成するか、または前記第1固有識別情報が内蔵された無線認識(Radio Frequency IDentification:RFID)タグを生成する媒体生成部と、前記媒体が使われるサービス形態によって、前記媒体を認識する少なくとも一つの端末器の第2固有識別情報を設定する端末器把握部と、前記第1固有識別情報に該当する提供サービスのコンテンツを生成し、前記提供サービスのコンテンツを前記第2固有識別情報に基づいて分類してデータベースに保存するDB生成部と、を備える。
【0007】
前記課題を解決するための本発明によるコード多重サービス方法の一実施形態は、(a)媒体の第1固有識別情報に基づいてタグ別の提供サービスを分類し、端末器の第2固有識別情報に基づいて、前記それぞれの媒体に該当する提供サービス内のコンテンツを分類してデータベースに保存するステップと、(b)媒体に含まれた第1固有識別情報及び前記タグを認識した端末器の第2固有識別情報を受信するステップと、(c)前記第1固有識別情報に基づいて前記コンテンツデータベースから該当する提供サービスを検索し、前記第2固有識別情報に基づいて、前記検索された提供サービス内の該当するコンテンツを検索して提供するステップと、を含む。
【0008】
前記課題を解決するための本発明によるコード多重サービス方法の他の実施形態は、(a)第1固有識別情報を文字、数字、記号またはイメージで2次元平面にエンコーディングしたイメージコードを物理的形態または電子的形態に生成するか、または前記第1固有識別情報が内蔵されたRFIDタグを生成するステップと、(b)タグが使われるサービス形態によって、前記タグを認識する少なくとも一つの端末器の第2固有識別情報を設定するステップと、(c)前記第1固有識別情報に該当する提供サービスのコンテンツを生成し、前記提供サービスのコンテンツを前記第2固有識別情報に基づいて分類してデータベースに保存するステップと、を含む。
【0009】
前記課題を解決するための本発明によるコード多重サービスを適用した配送管理サービス方法の一実施形態は、(a)配送管理サービスで発送人、受取人及び配達人に第1固有識別情報が含まれた媒体が配布されるステップと、(b)前記媒体の第1固有識別情報と関連して、前記発送人の端末器の第2固有識別情報、前記受取人の端末器の第3固有識別情報、及び前記配達人の端末器の第4固有識別情報に該当するそれぞれのコンテンツを生成して保存するステップと、(c)前記発送人の端末器、前記受取人の端末器及び前記配達人の端末器から、前記第1固有識別情報及びそれぞれの端末器に該当する固有識別情報を受信すると、前記第1固有識別情報と関連して保存されたそれぞれの端末器の固有識別情報に該当するコンテンツを提供するステップと、を含む。
【0010】
前記課題を解決するための本発明によるコード多重サービスシステムの一実施形態は、媒体の第1固有識別情報に基づいて媒体別の提供サービスを分類し、端末器の第2固有識別情報に基づいて、前記それぞれの媒体に該当する提供サービス内のコンテンツを分類して保存するコンテンツデータベースと、媒体の第1固有識別情報を認識する認識部と、前記第1固有識別情報に該当する提供サービスを検索し、前記検索された提供サービス内のコンテンツのうち、前記認識部の第2固有識別情報に該当するコンテンツを検索して提供するコンテンツ検索部と、を備える。
【0011】
これにより、同じタグを利用して端末器ごとに異なるコンテンツ及びサービスを提供できる。
【発明の効果】
【0012】
従来のタグインターフェースは、タグ一つ当り一つのサービスを提供したが、本発明によれば、一つのタグを利用してタグを認識する端末器ごとに異なる種類のコンテンツまたはサービスを提供することができる。また、グループ単位のサービスが可能であるので、従来のコード当り単一のコンテンツの限界を克服し、タグの活用性を向上させることができる。
【0013】
また、従来のタグは、公開されていて誰でもタグが提供するコンテンツに接近できたが、本発明は、端末器の固有識別情報を通じて許可されたユーザーにのみコンテンツまたはサービスを提供できることによって、保安とプライバシー保護側面で非常に有用である。
【0014】
特にイメージコードの場合、コピーによる拡散と配布が可能であり、保安性側面で脆弱であるという短所があって、認識プログラムを通じてパスワードなどを要求する方法を使用したが、本発明では、かかる問題点を解決できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下で、添付された図面を参照して、本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービスシステム及びその方法について詳細に説明する。
【0016】
図1A〜図1Cは、本発明の好適な実施の形態で使用する媒体の一種であるイメージコードの一実施形態を示す図である。
【0017】
イメージコードは、イメージ形態に製作されたコードであって、最も一般的に使われるバーコード、これに基づいてマトリックス形態に発展させた2Dバーコード、QR、PDF−417、インターコード、マトリックス形態でもって四つ以上の色相を使用したカラーコードなどである。
【0018】
それらは、CCD(Charge Coupled Device)のような光学認識センサを通じて認識され、紙、包装ビニルなどに印刷されて使われる。イメージコードは、一般的なプリンタを利用して生成可能であり、専用機器またはウェブカムのような汎用機器でも認識が可能である。
【0019】
バーコード(図1A)は、最も一般的に使われるタグインターフェースであって、流通、物流分野で主に使われている。バーコードは、100%に近い非常に高い認識率を有するインターフェースであって、文書、包装紙など多様な媒体に低コストで印刷され、サイズも縮少、拡大が可能である。バーコードは、白色の地に幅が異なる黒色線を異なる間隔に羅列して構成され、CCDやレーザなどを利用してそのコード値が認識される。バーコードのためのコード体系は、国際標準のEAN(European Article Number)及びUPC(Universal Product Code)体系などを使用している。
【0020】
1次元バーコードは、読み取りについての信頼性が高く、非接触の読み取りを行い、コードが単純であり、作成が容易である。しかし、情報(データ)容量が少なく、情報収録密度が低く、情報の種類が限定されているだけでなく、シンボルの汚染/損傷時に読み取り難いという短所がある。2次元バーコードは、かかる1次元バーコードの短所を補完する新たな情報媒体として生成された。図1Bのように、2次元バーコードは、両側(x方向、y方向)にデータを配列させて平面化したものであって、既存の1次元バーコードシンボロジが有する問題点であるデータ表現の制限性、すなわち多くのデータの表現が不可能であるという点を補完するために、1980年代中盤に登場した。
【0021】
カラーコード(図1C)は、汎用装備であるウェブカム、スキャナー、カメラホンなどで認識され、カラーを利用した膨大なコード領域と向上したデザインとを有している。図1C(図面には白黒で表示されているが、実際にカラーで構成される)に示したように、カラーコードは、カラー色を有するセルの組み合わせである。カラーセルの集合は、特定の情報をエンコーディングした結果を表し、R(Red)、G(Green)、B(Blue)値によってビット情報に変わって利用される。
【0022】
カラーコードは、インターネットとネットワーク環境で多様な種類の情報を表現するための次世代コードであって、有無線インターネット環境で多様な情報を連結できる。また、カラーで表現するので、視覚的にも容易に目につき、他のコードに比べてデザイン側面で優秀であり、ユーザーによりコードの存在を認識させるのに明確な認知をもたらす。カラーコードは、コード認識においてエラーを判別するパリティ領域と、コードの回転程度や方向性を判別する方向探知領域とで構成されて、セルの位置を探索、歪曲を補正し、パリティによるエラーを検査して認識されるので、高い認識率を有する。特に、カラーコードの長所は、一般的な汎用カメラやスキャナーなどで読み取り可能であるということである。
【0023】
また、媒体としてRFIDタグが使われうる。図1A〜図1Cに示したイメージコードと異なり、RFIDタグは、物または人々の出入、移送、その他の位置追跡、種類別分類の確認のためにラジオ周波数(RF)を利用する。RFIDシステムは、リーダ(または、インテロゲータ)、一般的にタグと呼ばれるトランスポンダ、コンピュータあるいはその他のデータを加工できるコンピューティング装備で構成されている。
【0024】
RFIDタグの動作原理は、タグが固有な情報を含めた信号を発生させ、この信号を、アンテナを通じてリーダが認識して分析してタグの情報を得る方式である。かかるRFIDは、アクティブRFIDとパッシブRFIDとに大別されうる。アクティブRFIDは、タグ内に電源装置を設置して、読み取り、書き込み及び修正が可能であり、比較的大きいメモリを有し、受信範囲が広い。しかし、サイズが大きくなり、高コストであり、タグ自体の寿命により使用時間の制限が発生する。パッシブRFIDは、軽く、低コストであり、寿命が長いが、リーダからエネルギーを受けて使用するので、認識距離が短くなり、リーダに非常に多くの電力が供給されなければならないという問題点がある。ほとんどの読み取り専用のタグは、パッシブタグを使用し、32−128ビットの修正できない情報がプログラムされている。
【0025】
図2Aは、本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービスシステムの一実施形態の構成を示す図である。
【0026】
図2Aに示すように、コード多重サービスシステムは、固有識別情報を含む媒体100と、媒体を認識する端末器110と、端末器から媒体の固有識別情報及び端末器の固有識別情報を受信して該当するコンテンツまたはサービスを提供するサービスサーバ120とから構成される。
【0027】
本発明の好適な実施の形態に係る媒体100は、固有識別情報を含む。媒体100がイメージコード(図1A〜図1C)である場合には、固有識別情報を含むタグ情報を記号、シンボル、数字、テキスト、パターンまたは濃淡などを通じてイメージコードにエンコーディングし、媒体がRFIDタグである場合には、製造時に付与された固有識別情報をそのまま使用するか、または別途の固有識別情報を含むタグ情報をRFIDタグに保存して使用する。
【0028】
例えば、1次元バーコード(図1A)やRFIDタグは、タグの固有識別情報のみを含んでいる場合がほとんどである。しかし、2次元イメージコード(図1B)やカラーコード(図1C)などは、自身の固有なタグ固有識別情報以外に情報をさらに含みうる。さらに含まれた情報としては、テキスト、数字などの文書情報やコンテンツのウェブアドレス情報などがある。
【0029】
端末器110は、媒体を認識できる装置であって、媒体がイメージコードである場合に、端末器は、CCDのようなイメージ認識装置を備え、媒体がRFIDタグである場合には、RFIDタグを認識するためのRFIDリーダを備える。イメージコードを認識できる端末器の例としては、カメラが付着された携帯電話及びPDA、ウェブカメラが付着されたコンピュータ(ノートブックなど)などがある。
【0030】
端末器110も、媒体のように自己の固有識別情報を含む。端末器に保存された固有識別情報の例としては、携帯電話の場合は、電話番号が代表的であり、電話番号は、携帯電話内に明記されているので、使用時に自動にサービスサーバ120に伝達されて別途の認証過程を要求しなくてもよい。携帯電話の電話番号以外にコンピューティング装置の場合には、付与された固有装置番号、LAN(Local Area Network)のMAC(Media Access Control)アドレス、メインボードやCPU(Central Processing Unit)の認証番号、固定IP(Internet Protocol)など変更し難い情報を使用することが望ましい。
【0031】
端末器110は、媒体にエンコーディングされて保存された固有識別情報をデコーディングできるアルゴリズムを内蔵することによって、デコーディングした固有識別情報をサービスサーバへ伝送するか、またはコード解読アルゴリズムがない場合、認識した原始情報をそのままサービスサーバへ伝送する。原始情報を受信する場合、サービスサーバには、コードをデコーディングできるアルゴリズムが含まれなければならない。
【0032】
特に、媒体に固有識別情報以外にサービスを提供するサーバのアドレス情報などがさらに含まれており、端末器にコードをデコーディングできるアルゴリズムが内蔵された場合に、端末器は、媒体から固有識別情報以外にサービス提供のためのサーバのアドレス情報を読み取り、読み取られたアドレス情報に基づいて該当サービスサーバに接続できる。
【0033】
サービスサーバ120は、端末器110と有線または無線を通じて連結されてデータを送受信する。サービスサーバ120は、また、媒体100の固有識別情報及び端末器の固有識別情報をキー値として該当するコンテンツを保存したデータベース(図示せず)を含む。データベースは、サービスサーバ120内に位置するか、またはサービスサーバ120と有/無線網を通じて連結されて外部に設置されうる。データベースに保存されたコンテンツの例としては、特定のサービス(ドアオープンサービス、メッセージ伝達サービス、アドレス確認サービスなど)、文書、電子的ファイルのネットワークアドレス、文字、数字、記号などの情報などがある。
【0034】
コード多重サービス方法について説明すると、端末器110は、媒体(イメージコードまたはRFIDタグ)100の固有識別情報を認識した後、媒体の固有識別情報及び端末器自体の固有識別情報を共にサービスサーバ120へ伝送する。これにより、サービスサーバ120は、受信した媒体100の固有識別情報及び端末器110の固有識別情報をキー値としてデータベースを検索して、該当するコンテンツ(及び/またはサービス)を探して端末器110に提供する。
【0035】
すなわち、サービスサーバ120は、媒体100の固有識別情報を第1キー値として提供するサービス分野を分類し、そのサービス分野で提供する色々なコンテンツまたはサービスは、端末器110の固有識別情報を第2キー値として分類してデータベースに保存することによって、端末器110から受信した媒体100の固有識別情報及び端末器110の固有識別情報に基づいて、同じ媒体100であるが、端末器110ごとに異なるコンテンツまたはサービスを提供する。
【0036】
図2Bは、本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービス装置であるサービスサーバ120の一実施形態の構成を示す図である。
【0037】
図2Bに示すように、サービスサーバ(すなわち、コード多重サービス装置)120は、媒体生成部200、端末器把握部210、DB生成部220、コンテンツデータベース230、ID受信部240及びコンテンツ検索部250を備える。
【0038】
媒体生成部200は、提供しようとするサービス分野によって、所定の固有識別情報を含む媒体(イメージコードまたはRFIDタグ)を生成する。具体的には、媒体生成部200は、固有識別情報を含むタグ情報を色相、濃淡、パターン、記号、シンボルの形態にマッピングしたイメージコード、または電子的信号の形態にマッピングした電子タグを生成する。生成された媒体は、ユーザーに物理的形態(文書や物などに印刷または付着、断片、タグチップなど)や電子的形態(イメージファイル、電子的ディスプレイなど)に伝達または提示される。
【0039】
端末器把握部210は、本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービスを利用するユーザー端末器の固有識別情報を把握する。例えば、図6のドア管理サービスを提供しようとする場合に、端末器把握部210は、ドアの正当な認証者の端末器の固有識別情報を把握する。他の例として、図7の配送管理サービスの場合、端末器把握部210は、発送人、受取人及び配達人それぞれの端末器の固有識別情報を把握する。
【0040】
DB生成部220は、タグに付与された固有識別情報に基づいて提供しようとするサービス分野(例えば、ドア管理サービス、配送管理サービスなど)を分類し、サービス分野に含まれた色々なコンテンツまたはサービスを、媒体を認識した端末器の固有識別情報に基づいて分類してコンテンツデータベース230に保存する。
【0041】
このようにコンテンツデータベース230が生成されれば、同じ媒体であっても、媒体を認識した端末器によってそれぞれ異なるコンテンツまたはサービスを提供できる。
【0042】
具体的には、ID受信部240は、所定の端末器から媒体の固有識別情報及び端末器の固有識別情報を受信する。そして、コンテンツ検索部250は、ID受信部240により受信された媒体の固有識別情報及び端末器の固有識別情報に基づいてコンテンツデータベース230を検索して、該当するコンテンツまたはサービスを端末器に提供する。
【0043】
図2Cは、本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービス装置の他の実施形態を示す図である。
【0044】
図2Cに示すように、コード多重サービス装置は、媒体260、媒体読み取り部265、コンテンツ検索部270及びコンテンツデータベース275から構成される。媒体260は、固有識別情報を含めた情報記録媒体であって、図1A〜図1Cに示したイメージコードまたはRFIDタグである。
【0045】
媒体読み取り部265は、媒体を認識する装置であって、媒体がイメージコードである場合には、CCDのような光学認識装置を必要とし、媒体がRFIDタグである場合には、RFIDリーダのような構成を含む。読み取り部は、少なくとも一つの固有識別情報を含み、二つ以上の固有識別情報が含まれた場合には、ユーザーが一つの固有識別情報を選択できる構成を含むことが望ましい。
【0046】
コンテンツデータベース(DB)275は、媒体の固有識別情報を第1キー値とし、媒体読み取り部の固有識別情報を第2キー値としてそれぞれのコンテンツを保存する。
【0047】
コンテンツ検索部270は、コンテンツデータベース275からまず媒体の固有識別情報に基づいて提供サービスを検索し、次いで、読み取り部の固有識別情報に基づいて検索された提供サービス内のコンテンツのうち該当するコンテンツを検索して提供する。
【0048】
図3は、本発明の好適な実施の形態に係るコンテンツデータベースに保存されたデータ構造の一実施形態を示す図である。
【0049】
図3に示すように、コンテンツデータベース230のデータベース構造300は、第1キー値310として媒体の固有識別情報を使用し、第2キー値320として端末器の固有識別情報を使用する。そして、第1キー値及び第2キー値にそれぞれ該当するコンテンツまたはサービス330を保存する。
【0050】
図4は、本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービス方法の一実施形態を示すフローチャートであり、図5は、本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービスのためのコンテンツデータベース生成方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【0051】
図4に示すように、コンテンツデータベースを生成する(S400、図5参照)。コンテンツデータベースは、媒体の固有識別情報及び端末器の固有識別情報をそれぞれ第1及び第2キー値として、所定のコンテンツまたはサービスを生成して保存する。
【0052】
サービスサーバは、端末器から媒体の固有識別情報及び端末器自体の固有識別情報を受信する(S410)。サービスサーバは、受信した媒体の固有識別情報及び端末器の固有識別情報に基づいてコンテンツデータベースを検索して、該当するコンテンツまたはサービスを探して端末器に提供する(S420)。
【0053】
したがって、同じ媒体を認識しても、いかなる端末器が媒体を認識したかによって、提供されるコンテンツまたはサービスが異なる。
【0054】
図5を参照してコンテンツデータベースの生成過程を説明すると、まず、固有識別情報を含む媒体を生成する(S500)。そして、前記生成した媒体を利用して、本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービスを利用するユーザー端末器の固有識別情報を把握し(S510)、媒体の固有識別情報及び把握された端末器の固有識別情報に該当するそれぞれのコンテンツまたはサービスを生成し、コンテンツデータベースに保存する(S520)。
【0055】
これにより、コンテンツデータベースは、媒体の固有識別情報に基づいて識別される多様なサービス分野を含み、それぞれのサービス分野の多様なコンテンツ及びサービスは、端末器の固有識別情報に基づいて区分される。
【0056】
図6は、本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービス方法が適用されたドア管理サービスの一例を示す図である。
【0057】
図6に示すように、ドア前には、タグ(イメージコードまたはRFIDタグ)600が付着されている。ユーザーの端末器610(例えば、カメラ及び/またはRFIDが付着された携帯電話、スマートホン、PDAなど)は、ドアの前に付着されたタグ600を認識した後、タグの固有識別情報及び端末器自体の固有識別情報をドア管理サーバ620へ伝送する。
【0058】
ドア管理サーバ620は、端末器610から受信したタグ600の固有識別情報に基づいて提供すべきサービス分野であるか否かを判別する。すなわち、図6には、ユーザーについての情報及びお知らせ事項を提供するサービスを提供するタグ(タグ固有ID 1)と、ドアオープンサービスを提供するタグ(タグ固有ID 2)とが示されている。
【0059】
まず、端末器610がユーザーについての情報及びお知らせ事項を提供するタグID1を認識し、そのタグの固有識別情報及び端末器の固有識別情報をドア管理サーバ620へ伝送すると、ドア管理サーバ620は、端末器の固有識別情報に基づいてユーザーを判別して、ユーザー情報及びお知らせ事項をドア前のスクリーンなどを通じて表示する。
【0060】
次いで、端末器がドアオープンサービスを提供するタグID 2を認識し、そのタグの固有識別情報及び端末器の固有識別情報をドア管理サーバ620へ伝送すると、ドア管理サーバ620は、端末器の固有識別情報に基づいて正当なユーザーであるか否かを判別してドアオープンサービスを提供する。ここで、端末器610が携帯電話である場合には、端末器の固有識別情報として携帯電話番号を使用することが望ましい。
【0061】
図7は、本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービスが適用された配送管理サービスの一例を示す図である。
【0062】
図7に示すように、配送管理サービスは、宅配会社を通じて発送するとき、発送人、受取人及び配達人に、同じタグ700であるが、異なるコンテンツを提供するサービスである。
【0063】
まず、発送人が宅配会社を通じて発送するとき、宅配会社は、タグが付着された運送状を発送人に与え、物件を受領した後、運送状に付着されたタグと同じタグを物品に付着する。
【0064】
発送人が自身の端末器710を通じて運送状のタグを認識させると、端末器には、配送現況が表示され、個人メッセージ入力サービスが端末器を通じて提供される。
【0065】
配達人が端末器714を通じて物品のタグを認識させると、配送基本管理情報、目的地についてのアドレス及びナビゲーション情報が端末器を通じて提供される。
【0066】
受取人が物件を受領した後、自身の端末器712を通じてタグを認識させると、発送人が入力した個人メッセージサービスが提供される。
【0067】
すなわち、宅配会社を通じて発送する場合、所定の固有識別情報を含むタグを生成し、前記タグを認識する端末器、すなわち発送人の端末器710、受取人の端末器712、配達人の端末器714それぞれの固有識別情報(例えば、端末器が携帯電話である場合、携帯電話番号)を把握した後、タグの固有識別情報及びそれぞれの端末器の固有識別情報に基づいて、それぞれ提供するコンテンツ及びサービスをデータベースに構築する。そして、後で誰の端末器を通じてタグが認識されたかによって、それぞれ異なるコンテンツ及びサービスが提供される。
【0068】
その他に、本発明の好適な実施の形態が適用されうるサービスの例として次のようなものがある。
(1)物理的な葉書、手紙などにコードを付着し、それを利用してマルチメディアメッセージ(音声、動映像など)、メール、ウェブコンテンツ、イメージなどをモバイル端末器に提供するサービス
−例えば、招待状、結婚式の招待状など制限された人々にのみ送る個人メッセージ
−広告紙などを通じたCRM(Customer Relationship Management)サービス:自社の特別顧客対象の特別割引販売など
(2)電子的環境で、コミュニティグループや自社顧客グループなど所定のメンバーで構成された人々に対する電子的サービス
−ブログなどでコードイメージをウェブで提示し、互いに情報を共有する人々がそれを認識すると、お知らせ事項やマルチメディア個人メッセージを伝送する
−企業体などでウェブを通じてコードイメージを電子的な方法で掲示し、携帯電話番号が登録された所定の顧客がこれを端末器で認識すると、クーポンダウンロード、招待券、文化商品券サービスなどを提供する
(3)メールマージサービス
−コード認識を通じてメッセージを提供するが、2次キー値により名前、呼称、電話番号、アドレスなどの情報を個人ごとに異なって提供するサービス。例えば、同好会などで会員に送る全体メールで会員の氏名部分など個人ごとに異なる部分を2次キー値により自動的に処理するサービスなど。このとき、メールの本文は、タグに直接エンコーディングされているか、またはデータベースを通じてダウンロードできる。
【0069】
図8は、本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービスの他の実施形態を示すフローチャートである。
【0070】
図8に示すように、固有識別情報を含むタグを生成する(S800)。タグの固有識別情報を第1キー値とするデータベースを生成し(S810)、データベースに端末器の固有識別情報を第2キー値として追加させる(S820)。
【0071】
そして、第1キー値及び第2キー値に対応するコンテンツ及びサービスを生成してデータベースに保存し(S830)、タグを配布する(S840)。
【0072】
端末器は、タグの固有識別情報及び端末器自体の固有識別情報をサービスサーバへ伝送し(S850)、サービスサーバは、受信したタグの固有識別情報及び端末器の固有識別情報に該当するコンテンツまたはサービスがデータベースにあるか否かを検索する(S860)。該当するコンテンツまたはサービスが存在すれば、そのコンテンツまたはサービスを端末器に提供する(S870)。
【0073】
本発明の好適な実施の形態は、また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にコンピュータで読み取り可能なコードとして具現することが可能である。コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、コンピュータシステムにより読み取られるデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例としては、ROM(ReadOnly Memory)、RAM(Random Access Memory)、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置などがあり、またキャリアウェーブ(例えば、インターネットを通じた伝送)の形態で具現されるものも含む。また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、ネットワークに連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータで読み取り可能なコードが保存されて実行されうる。
【0074】
これまで、本発明について、その望ましい実施形態を中心に述べた。当業者は、本発明が、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で、変形された形態で具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された実施形態は、限定的な観点からではなく、説明的な観点から考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる相違点は、本発明に含まれていると解釈されなけばならない。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、コード多重サービス関連の技術分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1A】本発明の好適な実施の形態で使われるタグの一種であるイメージコードの一実施形態を示す図である。
【図1B】本発明の好適な実施の形態で使われるタグの一種であるイメージコードの一実施形態を示す図である。
【図1C】本発明の好適な実施の形態で使われるタグの一種であるイメージコードの一実施形態を示す図である。
【図2A】本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービスシステムの一実施形態の構成を示す図である。
【図2B】本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービス装置であるサービスサーバの一実施形態の構成を示す図である。
【図2C】本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービス装置の他の実施形態の構成を示す図である。
【図3】本発明の好適な実施の形態に係るコンテンツデータベースに保存されたデータ構造の一実施形態を示す図である。
【図4】本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービス方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図5】本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービスのためのコンテンツデータベースの生成方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図6】本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービス方法が適用されたドア管理サービスの一例を示す図である。
【図7】本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービスが適用された配送管理サービスの一例を示す図である。
【図8】本発明の好適な実施の形態に係るコード多重サービスの他の実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0077】
100 媒体
110 端末器
120 サービスサーバ
200 媒体生成部
210 端末器把握部
220 DB生成部
230 コンテンツデータベース
240 ID受信部
250 コンテンツ検索部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体の第1固有識別情報に基づいて媒体別の提供サービスを分類し、端末器の第2固有識別情報に基づいて、前記それぞれの媒体に該当する提供サービス内のコンテンツを分類して保存するコンテンツデータベースと、
媒体に含まれた第1固有識別情報及び前記媒体を認識した端末器の第2固有識別情報を受信するID受信部と、
前記第1固有識別情報に基づいて前記コンテンツデータベースから該当する提供サービスを検索し、前記第2固有識別情報に基づいて前記検索された提供サービス内の該当するコンテンツを検索して提供するコンテンツ検索部と、を備えることを特徴とするコード多重サービス装置。
【請求項2】
前記端末器の第2固有識別情報は、
前記端末器が携帯電話である場合、前記携帯電話の電話番号、前記端末器がコンピューティング装置である場合、前記コンピューティング装置に付与された固有装置番号、LANのMACアドレス、メインボードやCPUの認証番号、または固有IPアドレスのうちいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載のコード多重サービス装置。
【請求項3】
第1固有識別情報を文字、数字、記号またはイメージで2次元平面にエンコーディングしたイメージコードを物理的形態または電子的形態に生成するか、または前記第1固有識別情報が内蔵された無線認識タグを生成する媒体生成部と、
前記媒体が使われるサービス形態によって、前記媒体を認識する少なくとも一つの端末器の第2固有識別情報を設定する端末器把握部と、
前記第1固有識別情報に該当する提供サービスのコンテンツを生成し、前記提供サービスのコンテンツを前記第2固有識別情報に基づいて分類してデータベースに保存するDB生成部と、を備えることを特徴とするコード多重サービス装置。
【請求項4】
所定の端末器から受信した第1固有識別情報及び第2固有識別情報に基づいて、前記データベースから該当するコンテンツを検索するコンテンツ検索部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載のコード多重サービス装置。
【請求項5】
(a)媒体の第1固有識別情報に基づいてタグ別の提供サービスを分類し、端末器の第2固有識別情報に基づいて、前記それぞれの媒体に該当する提供サービス内のコンテンツを分類してデータベースに保存するステップと、
(b)媒体に含まれた第1固有識別情報及び前記タグを認識した端末器の第2固有識別情報を受信するステップと、
(c)前記第1固有識別情報に基づいて前記コンテンツデータベースから該当する提供サービスを検索し、前記第2固有識別情報に基づいて前記検索された提供サービス内の該当するコンテンツを検索して提供するステップと、を含むことを特徴とするコード多重サービス方法。
【請求項6】
(d)前記検索されたコンテンツを前記端末器に提供するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のコード多重サービス方法。
【請求項7】
(a)第1固有識別情報を文字、数字、記号またはイメージで2次元平面にエンコーディングしたイメージコードを物理的形態または電子的形態に生成するか、または前記第1固有識別情報が内蔵された無線認識タグを生成するステップと、
(b)タグが使われるサービス形態によって、前記タグを認識する少なくとも一つの端末器の第2固有識別情報を設定するステップと、
(c)前記第1固有識別情報に該当する提供サービスのコンテンツを生成し、前記提供サービスのコンテンツを前記第2固有識別情報に基づいて分類してデータベースに保存するステップと、を含むことを特徴とするコード多重サービス方法。
【請求項8】
(d)所定の端末器から受信した第1固有識別情報及び第2固有識別情報に基づいて、前記データベースから該当するコンテンツを検索して提供するステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のコード多重サービス方法。
【請求項9】
(a)配送管理サービスで発送人、受取人及び配達人に第1固有識別情報が含まれた媒体が配布されるステップと、
(b)前記媒体の第1固有識別情報と関連して、前記発送人の端末器の第2固有識別情報、前記受取人の端末器の第3固有識別情報、及び前記配達人の端末器の第4固有識別情報に該当するそれぞれのコンテンツを生成して保存するステップと、
(c)前記発送人の端末器、前記受取人の端末器及び前記配達人の端末器から、前記第1固有識別情報及びそれぞれの端末器に該当する固有識別情報を受信すると、前記第1固有識別情報と関連して保存されたそれぞれの端末器の固有識別情報に該当するコンテンツを提供するステップと、を含むことを特徴とするコード多重サービスを適用した配送管理サービス方法。
【請求項10】
媒体の第1固有識別情報に基づいて媒体別の提供サービスを分類し、端末器の第2固有識別情報に基づいて、前記それぞれの媒体に該当する提供サービス内のコンテンツを分類して保存するコンテンツデータベースと、
媒体の第1固有識別情報を読み取る媒体読み取り部と、
前記第1固有識別情報に該当する提供サービスを検索し、前記検索された提供サービス内のコンテンツのうち、前記媒体読み取り部の第2固有識別情報に該当するコンテンツを検索するコンテンツ検索部と、を備えることを特徴とするコード多重サービスシステム。
【請求項11】
前記媒体は、
第1固有識別情報を色相、濃淡、パターン、記号またはイメージで2次元平面にエンコーディングしたイメージコード、または前記第1固有識別情報を内蔵したRFIDタグであることを特徴とする請求項10に記載のコード多重サービスシステム。
【請求項12】
請求項5乃至9のいずれか一項に記載の方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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