コード読取装置およびプログラム
【課題】商品の販売登録における不正をより確実に検知することができるコード読取装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】実施形態のコード読取装置は、撮像手段と、取込手段と、読取手段と、記憶制御手段と、検知手段と、を備える。前記取込手段は、前記撮像手段により撮像された画像を取り込む。前記読取手段は、前記取込手段により取り込んだ画像から、商品の商品情報を表すコードシンボルを検出し、前記検出したコードシンボルから、前記コードシンボルが表す商品情報を読み取る。前記記憶制御手段は、前記読み取った商品情報と前記取込手段により取り込んだ画像とを対応付けて記憶部に記憶させる。前記検知手段は、前記記憶部に記憶された画像を用いて、不正を検知する。
【解決手段】実施形態のコード読取装置は、撮像手段と、取込手段と、読取手段と、記憶制御手段と、検知手段と、を備える。前記取込手段は、前記撮像手段により撮像された画像を取り込む。前記読取手段は、前記取込手段により取り込んだ画像から、商品の商品情報を表すコードシンボルを検出し、前記検出したコードシンボルから、前記コードシンボルが表す商品情報を読み取る。前記記憶制御手段は、前記読み取った商品情報と前記取込手段により取り込んだ画像とを対応付けて記憶部に記憶させる。前記検知手段は、前記記憶部に記憶された画像を用いて、不正を検知する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明の実施形態は、コード読取装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、スーパーマーケット等では、商品に貼付されたバーコード等のコードシンボルをＣＣＤカメラ等のイメージセンサによって撮像し、撮像した画像からバーコードのコードデータを読み取るコード読取装置が用いられている。
【０００３】
特許文献１では、ＣＣＤカメラで撮像したラベルイメージをデコードするハンディタイプのスキャナに関する技術が開示されている。このようなハンディタイプのスキャナに対して、スーパーマーケット等のカウンタに立設される縦型タイプのスキャナでは、オペレータは両手を用いて商品を扱うことができ、ハンディタイプのスキャナでバーコードを読み取るよりも作業効率を上げることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、近年、購入する商品の販売登録および会計処理を顧客自身が行うためのセルフチェックアウト用ＰＯＳ（Point Of Sales）端末が備えられ、顧客が商品の販売登録および会計処理を行う販売形態を採用する店舗が増加している。このようなセルフチェックアウト用ＰＯＳ端末は、顧客が商品に付されたバーコードをスキャナでスキャンして商品の販売登録を行うため、実際に購入する商品に付されたバーコードの代わりに、他の商品に付されたバーコードをスキャナでスキャンする等の不正な販売登録が発生する、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
実施形態のコード読取装置は、撮像手段と、取込手段と、読取手段と、検出手段と、記憶制御手段と、検知手段と、を備える。前記取込手段は、前記撮像手段により撮像された画像を取り込む。前記読取手段は、前記取込手段により取り込んだ画像から、商品の商品情報を表すコードシンボルを検出し、前記検出したコードシンボルから、前記コードシンボルが表す商品情報を読み取る。前記記憶制御手段は、前記読み取った商品情報と前記取込手段により取り込んだ画像とを対応付けて記憶部に記憶させる。前記検知手段は、前記記憶部に記憶された画像を用いて、不正を検知する。
【図面の簡単な説明】
【０００６】
【図１】図１は、全体のシステム構成を示す模式図である。
【図２】図２は、セルフチェックアウト端末を示す斜視図である。
【図３】図３は、保持アームにレジ袋が保持されている状態を示す斜視図である。
【図４】図４は、決済端末の電気的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【図５】図５は、商品とカメラの撮像エリアとの関係の一例を示す図である。
【図６】図６は、商品マスタファイルを説明する図である。
【図７】図７は、本実施形態にかかる決済端末の機能構成を示すブロック図である。
【図８】図８は、取込部によって取り込まれた画像データの一例を示す図である。
【図９】図９は、商品マスタファイルに格納された画像データの一例である。
【図１０】図１０は、決済端末が行う商品の販売登録処理の手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【０００７】
図１は、全体のシステム構成を示す模式図である。本実施形態のシステムは、複数のセルフチェックアウトシステム１１と、複数台のＰＯＳ端末２１と、ストアコントローラ３１とが通信ネットワーク４１を介して接続されて構築されている。セルフチェックアウトシステム１１は、複数台のセルフチェックアウト端末１０１に一台のアテンダント端末５０１が割り当てられて構成されている。セルフチェックアウト端末１０１は、顧客が購入する商品に貼付されたバーコードからの商品情報の読み取り、および当該顧客が購入する商品の販売登録等を行うための端末であり、決済端末２０１と秤装置３０１とから構成されている。
【０００８】
図２は、セルフチェックアウト端末を示す斜視図である。セルフチェックアウト端末１０１は、決済端末２０１と秤装置３０１とから構成されている。
【０００９】
決済端末２０１は、顧客が購入しようとする商品を入れた籠（図示せず）を載置するための商品籠載置台１０２が脇から突出したハウジング２０２を有している。
【００１０】
決済端末２０１のハウジング２０２は、床面に設置されるベースハウジング２０２ａと、このベースハウジング２０２ａの上面に載置される上部ハウジング２０２ｂとによって構成されている。ベースハウジング２０２ａの前面は、下方に向かうほどベースハウジング２０２ａの投影面積を狭めるように傾斜している。これにより、ベースハウジング２０２ａは、下方に向かうほど奥側にオフセットした形状となっている。
【００１１】
上部ハウジング２０２ｂには、商品籠載置台１０２側にＣＣＤ（Charged Coupled Device）カメラ等のカメラ２０３が配置され、商品籠載置台１０２の反対側にプリンタカバー２０４が配置されている。カメラ２０３とプリンタカバー２０４との間にはカード挿入口２１２が配置されている。
【００１２】
カメラ２０３は、ガラス板で形成されている読取窓２０３ａの内部に内蔵されており、商品に貼付されたバーコードや二次元コード等のコードシンボルや商品などを撮像する撮像部である。
【００１３】
プリンタカバー２０４には、レシート発行口２０８が設けられている。プリンタカバー２０４の奥側にはレシートプリンタ２５１（図４参照）が内蔵され、このレシートプリンタ２５１によって印字される図示しないレシートは、レシート発行口２０８から発行されるように構成されている。プリンタカバー２０４は、上部ハウジング２０２ｂに対して開閉自在に取り付けられている。
【００１４】
カード挿入口２１２の内部には、磁気カードに対するデータの読み書きを可能とする磁気カードリーダライタであるカードリーダライタ２５２（図４参照）が内蔵されている。カード挿入口２１２には、磁気カードとしてクレジットカードが挿入される。
【００１５】
上部ハウジング２０２ｂには、販売登録された商品の品名や価格や画像等を買物客に表示する表示部としてのＬＣＤ２１０が取り付けられている。このＬＣＤ２１０の画面には、コードシンボルで販売登録不能な商品の販売登録を行う場合に入力を受け付ける各種キー、商品代金の決済に必要な締めキー等が配置されている入力部としてのタッチパネル２１１が積層配置されている。
【００１６】
ベースハウジング２０２ａには、硬貨と紙幣との入出金装置２２１（図４参照）が内蔵されている。入出金装置２２１の一部として、ベースハウジング２０２ａの中央上面には硬貨投入口２１３が配置され、当該硬貨投入口２１３の左側には硬貨払出口２１４が配置されている。また、硬貨投入口２１３の右側には、紙幣投入口２１５と紙幣払出口２１６とが配置されている。このような入出金装置２２１は、硬貨及び紙幣の取扱いを可能にする機構部とこの機構部を制御する制御部とを有している（いずれも図示せず）。このような機構部の構造及び制御部での処理手順等については、その内容が周知なので、説明を省略する。
【００１７】
さらに、ベースハウジング２０２ａの背面からは、セルフチェックアウト端末１０１の現在の状態を表示する警報装置としての表示ポール２１７が立設されている。この表示ポール２１７は、先端部に青色と赤色とに選択的に発光する発光部２１８を有する。
【００１８】
次に、図２および図３を用いて、秤装置３０１について説明する。図３は、保持アームにレジ袋が保持されている状態を示す斜視図である。秤装置３０１は、秤ハウジング３０２の上部に秤皿３０３が設けられ、この秤皿３０３に袋保持具３０４が取り付けられて構成されている。秤皿３０３は、その上面に載置台３０３ａを有する。袋保持具３０４は載置台３０３ａに取り付けられている。したがって、袋保持具３０４からすると、秤皿３０３は台座を構成する。つまり、載置台３０３ａの後方中央部にはポール形状のアーム支持部３０５が立設され、このアーム支持部３０５の上端には品物を載置するための一時置き台３０６が固定されている。一時置き台３０６は、上面が平坦面となっており、決済端末２０１のカメラ２０３でコードシンボルや商品の画像を撮像した後の商品を一時的に置く用途で用いられる台である。載置台３０３ａ及び一時置き台３０６は、共に、商品コードが入力された商品を載置するための載置部としての役割を担っている。
【００１９】
このような一時置き台３０６の下面には、一対の保持アーム３０７とフック３０８とカメラ保持アーム３１１が取り付けられている。つまり、一時置き台３０６の下面両端位置には、アーム取付具３０９（図３参照）が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、それらのアーム取付具３０９のそれぞれには、保持アーム３０７が埋設されている。また、一時置き台３０６の下面中央位置には、フック・カメラ取付具３１０（図３参照）が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、フック・カメラ取付具３１０には、フック３０８およびカメラ保持アーム３１１が埋設されている。
【００２０】
保持アーム３０７は、例えばスーパーマーケット等で顧客に提供するビニール袋等の収納部材としてのレジ袋４０１、つまり、開口部４０２とこの開口部４０２から突出する一対の把手４０３とを有してこれらの把手４０３が両側に位置付けられるように折り畳まれたレジ袋４０１を保持するために、一対の把手４０３を串刺し状態で保持する。このような保持状態を実現するために、把手４０３にはスリット４０４が形成されている。また、レジ袋４０１には、一対の把手４０３の間に位置させてミシン目４０５で脱落可能な一対の耳部４０６が形成されており、これらの耳部４０６には引掛け穴４０７が形成されている。フック３０８は、引掛け穴４０７を挿通し、これによってレジ袋４０１を保持アーム３０７と共に保持する。カメラ保持アーム３１１は、保持アーム３０７に保持されたレジ袋４０１の開口部４０２の上方に設けられ、販売登録された商品を収納する収納部材であるレジ袋４０１内の画像を撮像するＣＣＤカメラ等のカメラ３１２（収納部材撮像部）を保持する。
【００２１】
図４は、決済端末の電気的なハードウェア構成を示すブロック図である。決済端末２０１は、内部に情報処理部としての制御部２５３を有する。制御部２５３は、例えば動作シーケンスが書き込まれた半導体チップ構成のものであっても、ＲＡＭ（Random Access Memory）２５４等に動作プログラムを記憶させて動作するマイクロコンピュータ構成のものであっても良い。ここでは、マイクロコンピュータ構成の制御部２５３を紹介する。
【００２２】
制御部２５３の中核をなすのはＣＰＵ（Central Processing Unit）２５５である。ＣＰＵ２５５には、固定データを固定的に記憶するＲＯＭ（Read Only Memory）２５６と、可変データを書き換え自在に記憶するＲＡＭ２５４と、ＬＣＤ２１０に表示する表示画像を生成するＶＲＡＭ２５７と、ＨＤＤ２５８とがシステムバス２５９を介して接続されている。
【００２３】
制御部２５３には、システムバス２５９を介して、カメラ２０３，３１２、ＬＣＤ２１０、タッチパネル２１１、カードリーダライタ２５２、レシートプリンタ２５１、発光部２１８、入出金装置２２１との間でのデータ通信を媒介するインターフェース２６０が接続され、制御部２５３による制御を受ける。また、制御部２５３にはシステムバス２５９を介して通信インターフェース２６１も接続されている。通信インターフェース２６１は、通信ネットワーク４１に接続され、アテンダント端末５０１及びストアコントローラ３１とセルフチェックアウト端末１０１との間のデータ通信を実現させる。なお、制御部２５３には、図示はしないが、システムバス２５９を介して、秤装置３０１との間のデータ通信を実現させるインターフェースも接続されている。
【００２４】
カメラ２０３は、上述したように、商品に付されたコードシンボルや商品などを撮像する。カメラ３１２は、上述したように、レジ袋４０１内の画像を撮像する。
【００２５】
ここで、図５を用いて、本実施形態にかかる決済端末２０１によって処理される商品とカメラ２０３，３１２の撮像エリアとの関係について説明する。図５は、商品とカメラの撮像エリアとの関係の一例を示す図である。図５において鎖線で囲った領域は、カメラ２０３，３１２が１フレームで撮像できる領域である撮像エリア５００である。図５に示す商品５０１には、バーコード５０３が印字されたラベル５０２が貼付されている。
【００２６】
ラベル５０２には、商品名「××××」や単価「２００円」や容量「５００ｍｌ」などの商品情報、およびバーコード５０３等が表示されている。バーコード５０３には、商品５０１の販売データをＰＯＳ端末２１で販売登録するために必要な商品情報として、商品コード等の情報が組み込まれている。また、バーコード５０３の下部には、バーコード５０３が組み込んでいる商品コード「２０１２３００００００１５」が数字で表示されている。
【００２７】
ＨＤＤ２５８は、制御部２５３を動作させるプログラムの他に、商品マスタファイルＴ（図６参照）、販売データ等を記憶する売上ファイル等を格納している。図６は、商品マスタファイルを説明する図である。商品マスタファイルＴは、商品コードに対応付けて、ＯＣＲ等の文字認識処理によってラベル５０２等から抽出された商品名や単価や重量等の商品情報、カメラ２０３によって撮像された画像データ等を記憶する記憶部である。
【００２８】
次に、本実施形態にかかる決済端末２０１が有する特徴的な機能について説明する。図７は、本実施形態にかかる決済端末の機能構成を示すブロック図である。ＣＰＵ２５５は、ＲＡＭ２５４に展開されたＨＤＤ２５８が記憶するプログラムに従って動作することで、図７に示すように、取込部７０１、読取部７０２、記憶制御部７０４、検知部７０５、表示制御部７０６、および出力部７０７として機能する。
【００２９】
取込部７０１は、読取部７０２の指示を受けた場合に、カメラ２０３に撮像オン信号を出力してカメラ２０３に撮像動作を開始させる。そして、取込部７０１は、カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データを取り込んで、ＲＡＭ２５４に格納する。
【００３０】
また、取込部７０１は、読取部７０２の指示を受けた場合に、カメラ３１２に撮像オン信号を出力してカメラ３１２に撮像動作を開始させる。そして、取込部７０１は、カメラ３１２が撮像した撮像エリア５００内の画像データ（レジ袋４０１内の画像データ）を取り込んで、ＲＡＭ２５４に格納する。
【００３１】
図８は、取込部によって取り込まれた画像データの一例を示す図である。図８に示すように、取込部７０１によって取り込まれた画像データ８００は、商品５０１に貼付されたラベル５０２、当該ラベル５０２に表示されたバーコード５０３、および商品５０１を含んでいるものとする。
【００３２】
読取部７０２は、取込部７０１がＲＡＭ２５４に格納した画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）から、バーコード５０３を検出し、検出したバーコード５０３から商品５０１の商品情報を読み取るバーコード読取処理を行う。
【００３３】
より詳細には、読取部７０２は、ＲＡＭ２５４に格納された１フレームの画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）を２値化し、２値化したデータ内にバーコード５０３に関するデータ領域が存在するか否かを検出する。読取部７０２は、取り込んだ画像データ８００においてバーコード５０３に関するデータ領域を検出した場合には、バーコード５０３をデコードしたバーコードデータ（ＪＡＮコード）を、商品５０１の商品情報として読み取る。バーコードデータは、メーカーコードや商品情報としての商品コードや、チェックデジット等を含んでいる。読取部７０２は、読み取ったバーコードデータをＲＡＭ２５４に格納する。また、読取部７０２は、ＲＡＭ２５４に格納された１フレームの画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）に対して、ＯＣＲ（Optical Character Reader）等の文字認識処理を行うことより、商品名や単価や容量等を商品５０１の商品情報として読み取る。そして、読取部７０２は、読み取った商品情報をＲＡＭ２５４に格納する。
【００３４】
記憶制御部７０４は、読取部７０２によって読み取られ、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードが、ＨＤＤ２５８に格納された商品マスタファイルＴに既に記憶されているか否かを判断する。そして、記憶制御部７０４は、バーコードデータに含まれる商品コードが、商品マスタファイルＴに記憶されていないと判断した場合、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードと、商品名や単価や容量等の商品情報と、ＲＡＭ２５４に格納された画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）と、を対応付けて商品マスタファイルＴに記憶させる。これにより、オペレータが商品５０１の画像を撮像して、撮像した商品５０１の画像を利用して商品マスタファイルＴに記憶させる手間が省けるので、商品マスタファイルＴに記憶された商品５０１の画像のメンテナンスの容易化を図ることができる。
【００３５】
なお、本実施形態では、記憶制御部７０４は、ＲＡＭ２５４に格納された画像データ８００を商品マスタファイルＴに記憶させているが、ＲＡＭ２５４に格納された画像データ８００から商品５０１の画像を検出できる場合には、検出した商品５０１の画像を商品マスタファイルＴに記憶させても良い。具体的には、商品５０１の背景となる背景画像を予め設定しておき、ＲＡＭ２５４に格納された画像データ８００から、予め設定された背景画像を除く画像を検出することにより、商品５０１の画像を検出する。ここで、背景画像は、決済端末２０１を操作するオペレータの衣類等の画像である。例えば、オペレータが決済端末２０１が設置された店舗の店員である場合には、店員が着ているエプロンの画像を背景画像として設定する。
【００３６】
検知部７０５は、商品マスタファイルＴにおいてＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードと対応付けられた容量と、秤装置３０１により計量した荷重とを用いて、商品情報の読み取りが行われていない商品がレジ袋４０１に収納されたか否かを判定する。そして、検知部７０５は、商品マスタファイルＴにおいてＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードと対応付けられた容量から換算した重量と、秤装置３０１により計量した荷重とが一致しなかった場合に、不正を検知する。
【００３７】
また、検知部７０５は、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードが既に商品マスタファイルＴに記憶されていると判断した場合、商品マスタファイルＴに記憶されている画像データ８００を利用して不正を検知する。なお、検知部７０５は、不正を検知した場合、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータ、商品情報、および画像データ８００を消去する。
【００３８】
具体的には、検知部７０５は、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードが商品マスタファイルＴに既に記憶されていると判断した場合、取込部７０１により取り込まれた画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）と、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードが商品マスタファイルＴにおいて対応付けられた画像データ８００と、のパターンマッチングを行う。そして、検知部７０５は、取込部７０１により取り込まれた画像データ８００と、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードが商品マスタファイルＴにおいて対応付けられた画像データ８００と、が一致しなかった場合に、不正を検知する。
【００３９】
ここで、図５、図８、および図９を用いて、検知部７０５による不正の検知例について説明する。図９は、商品マスタファイルに格納された画像データの一例である。
【００４０】
従来のセルフチェックアウト端末においては、商品５０１に他の商品のバーコードが不正に貼付されていても、商品マスタファイルＴにおいてバーコードデータに含まれる商品コードと対応付けられた重量と、秤装置３０１により計量した荷重とが同じである場合には、不正を検知することができなかった。
【００４１】
しかし、本実施形態では、検知部７０５は、商品マスタファイルＴから、不正に貼付されたバーコードから読み取ったバーコードデータに含まれる商品コードと対応付けられた他の商品の画像データ９００（図９参照）を読み出す。そして、検知部７０５は、読み出した他の商品の画像データ９００と、取込部７０１により取り込んだ画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）とのパターンマッチングを行い、両者が一致しなかった場合に不正を検知する。これにより、実際に購入する商品５０１のバーコード５０３の代わりに、当該商品５０１と重量が同じ他の商品のバーコードからバーコードデータを読み取ったとしても、不正を検知することができる。
【００４２】
さらに、検知部７０５は、カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ８００と、レジ袋４０１内の画像データ８００とのパターンマッチングを行い、両者が一致しなかった場合に、不正を検知する。これにより、バーコードデータの読み取りを行った商品と重量が同じ商品が、当該バーコードデータの読み取りを行った商品に代えてレジ袋４０１に収納されたとしても、不正を検知することができる。
【００４３】
表示制御部７０６は、取込部７０１により取り込んだ画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）をＬＣＤ２１０に表示する。これにより、オペレータは、バーコードデータの読み取りを行った商品が所望の商品であるか否かを確認しながら、バーコードデータの読み取り作業を行うことができる。
【００４４】
出力部７０７は、検知部７０５によって不正が検知されなかった場合に、通信Ｉ／Ｆ２６１を介して、ＰＯＳ端末２１に対してバーコードデータを出力する。
【００４５】
次に、図１０を用いて、決済端末２０１が行う商品の販売登録処理について説明する。図１０は、決済端末が行う商品の販売登録処理の手順を示したフローチャートである。
【００４６】
決済端末２０１のＣＰＵ２５５は、ＰＯＳ端末２１からのコマンドにより業務起動が指令されると、情報出力処理を開始する。取込部７０１は、カメラ２０３に撮像オン信号を出力して、カメラ２０３に撮像動作を開始させる（ステップＳ１００１）。そして、取込部７０１は、カメラ２０３が撮像した画像データ８００を取り込んで、ＲＡＭ２５４に格納する（ステップＳ１００２）。
【００４７】
読取部７０２は、上述したバーコード読取処理を開始する（ステップＳ１００３）。また、表示制御部７０６は、取込部７０１によりＲＡＭ２５４に格納された画像データ８００をＬＣＤ２１０に表示する（ステップＳ１００４）。
【００４８】
次に、記憶制御部７０４は、読取部７０２によるバーコード読取処理により読み取られた商品コードが、ＨＤＤ２５８に格納された商品マスタファイルＴに記憶されているか否かを判断する（ステップＳ１００５）。バーコード読取処理により読み取られた商品コードが商品マスタファイルＴに記憶されている場合（ステップＳ１００５：Ｙｅｓ）、検知部７０５は、商品マスタファイルＴにおいて、バーコード読取処理により読み取られた商品コードと対応付けて記憶された画像データ８００を用いて不正を検知する（ステップＳ１００６）。なお、読取部７０２によるバーコード読取処理により読み取られた商品コードが、ＨＤＤ２５８に格納された商品マスタファイルＴに記憶されていない場合（ステップＳ１００５：Ｎｏ）、記憶制御部７０４は、ＲＡＭ２５４に記憶された商品コードと、商品情報と、画像データ８００とを対応付けて商品マスタファイルＴに記憶させる（ステップＳ１０１２）。
【００４９】
そして、検知部７０５により不正が検知されなかった場合（ステップＳ１００７：Ｎｏ）、出力部７０７は、ＲＡＭ２５４に記憶されたバーコードデータをＰＯＳ端末２１に出力する（ステップＳ１００８）。一方、検知部７０５により不正が検知された場合（ステプＳ１００７：Ｙｅｓ）、検知部７０５は、ＲＡＭ２５４に記憶されたバーコードデータ、商品情報、および画像データ８００を消去する（ステップＳ１０１１）。
【００５０】
その後、読取部７０２は、ＰＯＳ端末２１からコマンドによりバーコード読取処理の終了が指令された場合、バーコード読取処理を終了するとともに（ステップＳ１００９：Ｙｅｓ）、カメラ２０３に対して撮像オフ信号を出力する（ステップＳ１０１０）。
【００５１】
このように本実施形態にかかる決済端末２０１によれば、カメラ２０３と、カメラ２０３により撮像された画像データ８００を取り込む取込部７０１と、取込部７０１により取り込んだ画像データ８００から、バーコード５０３を検出し、検出したバーコード５０３から、バーコード５０３が表す商品コードを読み取る読取部７０２と、読み取った商品コードと取込部７０１により取り込んだ画像データ８００とを対応付けて商品マスタファイルＴに記憶させる記憶制御部７０４と、商品マスタファイルＴに記憶された画像データ８００を用いて、不正を検知する検知部７０５と、を備えることにより、実際に購入する商品５０１のバーコード５０３の代わりに、他の商品のバーコードからバーコードデータを読み取ったとしても、不正を検知することができるので、商品の販売登録における不正をより確実に検知することができる。
【００５２】
なお、本実施形態にかかる決済端末２０１で実行されるプログラムは、ＲＯＭ２５６等に予め組み込んで提供されても良い。また、本実施形態の決済端末２０１で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでＣＤ−ＲＯＭ、フレキシブルディスク（ＦＤ）、ＣＤ−Ｒ、ＤＶＤ（Digital Versatile Disk）等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【００５３】
さらに、本実施形態の決済端末２０１で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の決済端末２０１で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【符号の説明】
【００５４】
２０１ 決済端末
２０３，３１２ カメラ
２５５ ＣＰＵ
２５８ ＨＤＤ
７０１ 取込部
７０２ 読取部
７０４ 記憶制御部
７０５ 検知部
７０６ 表示制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【００５５】
【特許文献１】特表平１０−５０１３６０号公報
【技術分野】
【０００１】
本発明の実施形態は、コード読取装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、スーパーマーケット等では、商品に貼付されたバーコード等のコードシンボルをＣＣＤカメラ等のイメージセンサによって撮像し、撮像した画像からバーコードのコードデータを読み取るコード読取装置が用いられている。
【０００３】
特許文献１では、ＣＣＤカメラで撮像したラベルイメージをデコードするハンディタイプのスキャナに関する技術が開示されている。このようなハンディタイプのスキャナに対して、スーパーマーケット等のカウンタに立設される縦型タイプのスキャナでは、オペレータは両手を用いて商品を扱うことができ、ハンディタイプのスキャナでバーコードを読み取るよりも作業効率を上げることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
ところで、近年、購入する商品の販売登録および会計処理を顧客自身が行うためのセルフチェックアウト用ＰＯＳ（Point Of Sales）端末が備えられ、顧客が商品の販売登録および会計処理を行う販売形態を採用する店舗が増加している。このようなセルフチェックアウト用ＰＯＳ端末は、顧客が商品に付されたバーコードをスキャナでスキャンして商品の販売登録を行うため、実際に購入する商品に付されたバーコードの代わりに、他の商品に付されたバーコードをスキャナでスキャンする等の不正な販売登録が発生する、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
実施形態のコード読取装置は、撮像手段と、取込手段と、読取手段と、検出手段と、記憶制御手段と、検知手段と、を備える。前記取込手段は、前記撮像手段により撮像された画像を取り込む。前記読取手段は、前記取込手段により取り込んだ画像から、商品の商品情報を表すコードシンボルを検出し、前記検出したコードシンボルから、前記コードシンボルが表す商品情報を読み取る。前記記憶制御手段は、前記読み取った商品情報と前記取込手段により取り込んだ画像とを対応付けて記憶部に記憶させる。前記検知手段は、前記記憶部に記憶された画像を用いて、不正を検知する。
【図面の簡単な説明】
【０００６】
【図１】図１は、全体のシステム構成を示す模式図である。
【図２】図２は、セルフチェックアウト端末を示す斜視図である。
【図３】図３は、保持アームにレジ袋が保持されている状態を示す斜視図である。
【図４】図４は、決済端末の電気的なハードウェア構成を示すブロック図である。
【図５】図５は、商品とカメラの撮像エリアとの関係の一例を示す図である。
【図６】図６は、商品マスタファイルを説明する図である。
【図７】図７は、本実施形態にかかる決済端末の機能構成を示すブロック図である。
【図８】図８は、取込部によって取り込まれた画像データの一例を示す図である。
【図９】図９は、商品マスタファイルに格納された画像データの一例である。
【図１０】図１０は、決済端末が行う商品の販売登録処理の手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【０００７】
図１は、全体のシステム構成を示す模式図である。本実施形態のシステムは、複数のセルフチェックアウトシステム１１と、複数台のＰＯＳ端末２１と、ストアコントローラ３１とが通信ネットワーク４１を介して接続されて構築されている。セルフチェックアウトシステム１１は、複数台のセルフチェックアウト端末１０１に一台のアテンダント端末５０１が割り当てられて構成されている。セルフチェックアウト端末１０１は、顧客が購入する商品に貼付されたバーコードからの商品情報の読み取り、および当該顧客が購入する商品の販売登録等を行うための端末であり、決済端末２０１と秤装置３０１とから構成されている。
【０００８】
図２は、セルフチェックアウト端末を示す斜視図である。セルフチェックアウト端末１０１は、決済端末２０１と秤装置３０１とから構成されている。
【０００９】
決済端末２０１は、顧客が購入しようとする商品を入れた籠（図示せず）を載置するための商品籠載置台１０２が脇から突出したハウジング２０２を有している。
【００１０】
決済端末２０１のハウジング２０２は、床面に設置されるベースハウジング２０２ａと、このベースハウジング２０２ａの上面に載置される上部ハウジング２０２ｂとによって構成されている。ベースハウジング２０２ａの前面は、下方に向かうほどベースハウジング２０２ａの投影面積を狭めるように傾斜している。これにより、ベースハウジング２０２ａは、下方に向かうほど奥側にオフセットした形状となっている。
【００１１】
上部ハウジング２０２ｂには、商品籠載置台１０２側にＣＣＤ（Charged Coupled Device）カメラ等のカメラ２０３が配置され、商品籠載置台１０２の反対側にプリンタカバー２０４が配置されている。カメラ２０３とプリンタカバー２０４との間にはカード挿入口２１２が配置されている。
【００１２】
カメラ２０３は、ガラス板で形成されている読取窓２０３ａの内部に内蔵されており、商品に貼付されたバーコードや二次元コード等のコードシンボルや商品などを撮像する撮像部である。
【００１３】
プリンタカバー２０４には、レシート発行口２０８が設けられている。プリンタカバー２０４の奥側にはレシートプリンタ２５１（図４参照）が内蔵され、このレシートプリンタ２５１によって印字される図示しないレシートは、レシート発行口２０８から発行されるように構成されている。プリンタカバー２０４は、上部ハウジング２０２ｂに対して開閉自在に取り付けられている。
【００１４】
カード挿入口２１２の内部には、磁気カードに対するデータの読み書きを可能とする磁気カードリーダライタであるカードリーダライタ２５２（図４参照）が内蔵されている。カード挿入口２１２には、磁気カードとしてクレジットカードが挿入される。
【００１５】
上部ハウジング２０２ｂには、販売登録された商品の品名や価格や画像等を買物客に表示する表示部としてのＬＣＤ２１０が取り付けられている。このＬＣＤ２１０の画面には、コードシンボルで販売登録不能な商品の販売登録を行う場合に入力を受け付ける各種キー、商品代金の決済に必要な締めキー等が配置されている入力部としてのタッチパネル２１１が積層配置されている。
【００１６】
ベースハウジング２０２ａには、硬貨と紙幣との入出金装置２２１（図４参照）が内蔵されている。入出金装置２２１の一部として、ベースハウジング２０２ａの中央上面には硬貨投入口２１３が配置され、当該硬貨投入口２１３の左側には硬貨払出口２１４が配置されている。また、硬貨投入口２１３の右側には、紙幣投入口２１５と紙幣払出口２１６とが配置されている。このような入出金装置２２１は、硬貨及び紙幣の取扱いを可能にする機構部とこの機構部を制御する制御部とを有している（いずれも図示せず）。このような機構部の構造及び制御部での処理手順等については、その内容が周知なので、説明を省略する。
【００１７】
さらに、ベースハウジング２０２ａの背面からは、セルフチェックアウト端末１０１の現在の状態を表示する警報装置としての表示ポール２１７が立設されている。この表示ポール２１７は、先端部に青色と赤色とに選択的に発光する発光部２１８を有する。
【００１８】
次に、図２および図３を用いて、秤装置３０１について説明する。図３は、保持アームにレジ袋が保持されている状態を示す斜視図である。秤装置３０１は、秤ハウジング３０２の上部に秤皿３０３が設けられ、この秤皿３０３に袋保持具３０４が取り付けられて構成されている。秤皿３０３は、その上面に載置台３０３ａを有する。袋保持具３０４は載置台３０３ａに取り付けられている。したがって、袋保持具３０４からすると、秤皿３０３は台座を構成する。つまり、載置台３０３ａの後方中央部にはポール形状のアーム支持部３０５が立設され、このアーム支持部３０５の上端には品物を載置するための一時置き台３０６が固定されている。一時置き台３０６は、上面が平坦面となっており、決済端末２０１のカメラ２０３でコードシンボルや商品の画像を撮像した後の商品を一時的に置く用途で用いられる台である。載置台３０３ａ及び一時置き台３０６は、共に、商品コードが入力された商品を載置するための載置部としての役割を担っている。
【００１９】
このような一時置き台３０６の下面には、一対の保持アーム３０７とフック３０８とカメラ保持アーム３１１が取り付けられている。つまり、一時置き台３０６の下面両端位置には、アーム取付具３０９（図３参照）が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、それらのアーム取付具３０９のそれぞれには、保持アーム３０７が埋設されている。また、一時置き台３０６の下面中央位置には、フック・カメラ取付具３１０（図３参照）が固定されている。固定は、例えばネジ止め、接着止め等、各種の固定手法によってなされている。そして、フック・カメラ取付具３１０には、フック３０８およびカメラ保持アーム３１１が埋設されている。
【００２０】
保持アーム３０７は、例えばスーパーマーケット等で顧客に提供するビニール袋等の収納部材としてのレジ袋４０１、つまり、開口部４０２とこの開口部４０２から突出する一対の把手４０３とを有してこれらの把手４０３が両側に位置付けられるように折り畳まれたレジ袋４０１を保持するために、一対の把手４０３を串刺し状態で保持する。このような保持状態を実現するために、把手４０３にはスリット４０４が形成されている。また、レジ袋４０１には、一対の把手４０３の間に位置させてミシン目４０５で脱落可能な一対の耳部４０６が形成されており、これらの耳部４０６には引掛け穴４０７が形成されている。フック３０８は、引掛け穴４０７を挿通し、これによってレジ袋４０１を保持アーム３０７と共に保持する。カメラ保持アーム３１１は、保持アーム３０７に保持されたレジ袋４０１の開口部４０２の上方に設けられ、販売登録された商品を収納する収納部材であるレジ袋４０１内の画像を撮像するＣＣＤカメラ等のカメラ３１２（収納部材撮像部）を保持する。
【００２１】
図４は、決済端末の電気的なハードウェア構成を示すブロック図である。決済端末２０１は、内部に情報処理部としての制御部２５３を有する。制御部２５３は、例えば動作シーケンスが書き込まれた半導体チップ構成のものであっても、ＲＡＭ（Random Access Memory）２５４等に動作プログラムを記憶させて動作するマイクロコンピュータ構成のものであっても良い。ここでは、マイクロコンピュータ構成の制御部２５３を紹介する。
【００２２】
制御部２５３の中核をなすのはＣＰＵ（Central Processing Unit）２５５である。ＣＰＵ２５５には、固定データを固定的に記憶するＲＯＭ（Read Only Memory）２５６と、可変データを書き換え自在に記憶するＲＡＭ２５４と、ＬＣＤ２１０に表示する表示画像を生成するＶＲＡＭ２５７と、ＨＤＤ２５８とがシステムバス２５９を介して接続されている。
【００２３】
制御部２５３には、システムバス２５９を介して、カメラ２０３，３１２、ＬＣＤ２１０、タッチパネル２１１、カードリーダライタ２５２、レシートプリンタ２５１、発光部２１８、入出金装置２２１との間でのデータ通信を媒介するインターフェース２６０が接続され、制御部２５３による制御を受ける。また、制御部２５３にはシステムバス２５９を介して通信インターフェース２６１も接続されている。通信インターフェース２６１は、通信ネットワーク４１に接続され、アテンダント端末５０１及びストアコントローラ３１とセルフチェックアウト端末１０１との間のデータ通信を実現させる。なお、制御部２５３には、図示はしないが、システムバス２５９を介して、秤装置３０１との間のデータ通信を実現させるインターフェースも接続されている。
【００２４】
カメラ２０３は、上述したように、商品に付されたコードシンボルや商品などを撮像する。カメラ３１２は、上述したように、レジ袋４０１内の画像を撮像する。
【００２５】
ここで、図５を用いて、本実施形態にかかる決済端末２０１によって処理される商品とカメラ２０３，３１２の撮像エリアとの関係について説明する。図５は、商品とカメラの撮像エリアとの関係の一例を示す図である。図５において鎖線で囲った領域は、カメラ２０３，３１２が１フレームで撮像できる領域である撮像エリア５００である。図５に示す商品５０１には、バーコード５０３が印字されたラベル５０２が貼付されている。
【００２６】
ラベル５０２には、商品名「××××」や単価「２００円」や容量「５００ｍｌ」などの商品情報、およびバーコード５０３等が表示されている。バーコード５０３には、商品５０１の販売データをＰＯＳ端末２１で販売登録するために必要な商品情報として、商品コード等の情報が組み込まれている。また、バーコード５０３の下部には、バーコード５０３が組み込んでいる商品コード「２０１２３００００００１５」が数字で表示されている。
【００２７】
ＨＤＤ２５８は、制御部２５３を動作させるプログラムの他に、商品マスタファイルＴ（図６参照）、販売データ等を記憶する売上ファイル等を格納している。図６は、商品マスタファイルを説明する図である。商品マスタファイルＴは、商品コードに対応付けて、ＯＣＲ等の文字認識処理によってラベル５０２等から抽出された商品名や単価や重量等の商品情報、カメラ２０３によって撮像された画像データ等を記憶する記憶部である。
【００２８】
次に、本実施形態にかかる決済端末２０１が有する特徴的な機能について説明する。図７は、本実施形態にかかる決済端末の機能構成を示すブロック図である。ＣＰＵ２５５は、ＲＡＭ２５４に展開されたＨＤＤ２５８が記憶するプログラムに従って動作することで、図７に示すように、取込部７０１、読取部７０２、記憶制御部７０４、検知部７０５、表示制御部７０６、および出力部７０７として機能する。
【００２９】
取込部７０１は、読取部７０２の指示を受けた場合に、カメラ２０３に撮像オン信号を出力してカメラ２０３に撮像動作を開始させる。そして、取込部７０１は、カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データを取り込んで、ＲＡＭ２５４に格納する。
【００３０】
また、取込部７０１は、読取部７０２の指示を受けた場合に、カメラ３１２に撮像オン信号を出力してカメラ３１２に撮像動作を開始させる。そして、取込部７０１は、カメラ３１２が撮像した撮像エリア５００内の画像データ（レジ袋４０１内の画像データ）を取り込んで、ＲＡＭ２５４に格納する。
【００３１】
図８は、取込部によって取り込まれた画像データの一例を示す図である。図８に示すように、取込部７０１によって取り込まれた画像データ８００は、商品５０１に貼付されたラベル５０２、当該ラベル５０２に表示されたバーコード５０３、および商品５０１を含んでいるものとする。
【００３２】
読取部７０２は、取込部７０１がＲＡＭ２５４に格納した画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）から、バーコード５０３を検出し、検出したバーコード５０３から商品５０１の商品情報を読み取るバーコード読取処理を行う。
【００３３】
より詳細には、読取部７０２は、ＲＡＭ２５４に格納された１フレームの画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）を２値化し、２値化したデータ内にバーコード５０３に関するデータ領域が存在するか否かを検出する。読取部７０２は、取り込んだ画像データ８００においてバーコード５０３に関するデータ領域を検出した場合には、バーコード５０３をデコードしたバーコードデータ（ＪＡＮコード）を、商品５０１の商品情報として読み取る。バーコードデータは、メーカーコードや商品情報としての商品コードや、チェックデジット等を含んでいる。読取部７０２は、読み取ったバーコードデータをＲＡＭ２５４に格納する。また、読取部７０２は、ＲＡＭ２５４に格納された１フレームの画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）に対して、ＯＣＲ（Optical Character Reader）等の文字認識処理を行うことより、商品名や単価や容量等を商品５０１の商品情報として読み取る。そして、読取部７０２は、読み取った商品情報をＲＡＭ２５４に格納する。
【００３４】
記憶制御部７０４は、読取部７０２によって読み取られ、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードが、ＨＤＤ２５８に格納された商品マスタファイルＴに既に記憶されているか否かを判断する。そして、記憶制御部７０４は、バーコードデータに含まれる商品コードが、商品マスタファイルＴに記憶されていないと判断した場合、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードと、商品名や単価や容量等の商品情報と、ＲＡＭ２５４に格納された画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）と、を対応付けて商品マスタファイルＴに記憶させる。これにより、オペレータが商品５０１の画像を撮像して、撮像した商品５０１の画像を利用して商品マスタファイルＴに記憶させる手間が省けるので、商品マスタファイルＴに記憶された商品５０１の画像のメンテナンスの容易化を図ることができる。
【００３５】
なお、本実施形態では、記憶制御部７０４は、ＲＡＭ２５４に格納された画像データ８００を商品マスタファイルＴに記憶させているが、ＲＡＭ２５４に格納された画像データ８００から商品５０１の画像を検出できる場合には、検出した商品５０１の画像を商品マスタファイルＴに記憶させても良い。具体的には、商品５０１の背景となる背景画像を予め設定しておき、ＲＡＭ２５４に格納された画像データ８００から、予め設定された背景画像を除く画像を検出することにより、商品５０１の画像を検出する。ここで、背景画像は、決済端末２０１を操作するオペレータの衣類等の画像である。例えば、オペレータが決済端末２０１が設置された店舗の店員である場合には、店員が着ているエプロンの画像を背景画像として設定する。
【００３６】
検知部７０５は、商品マスタファイルＴにおいてＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードと対応付けられた容量と、秤装置３０１により計量した荷重とを用いて、商品情報の読み取りが行われていない商品がレジ袋４０１に収納されたか否かを判定する。そして、検知部７０５は、商品マスタファイルＴにおいてＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードと対応付けられた容量から換算した重量と、秤装置３０１により計量した荷重とが一致しなかった場合に、不正を検知する。
【００３７】
また、検知部７０５は、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードが既に商品マスタファイルＴに記憶されていると判断した場合、商品マスタファイルＴに記憶されている画像データ８００を利用して不正を検知する。なお、検知部７０５は、不正を検知した場合、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータ、商品情報、および画像データ８００を消去する。
【００３８】
具体的には、検知部７０５は、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードが商品マスタファイルＴに既に記憶されていると判断した場合、取込部７０１により取り込まれた画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）と、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードが商品マスタファイルＴにおいて対応付けられた画像データ８００と、のパターンマッチングを行う。そして、検知部７０５は、取込部７０１により取り込まれた画像データ８００と、ＲＡＭ２５４に格納されたバーコードデータに含まれる商品コードが商品マスタファイルＴにおいて対応付けられた画像データ８００と、が一致しなかった場合に、不正を検知する。
【００３９】
ここで、図５、図８、および図９を用いて、検知部７０５による不正の検知例について説明する。図９は、商品マスタファイルに格納された画像データの一例である。
【００４０】
従来のセルフチェックアウト端末においては、商品５０１に他の商品のバーコードが不正に貼付されていても、商品マスタファイルＴにおいてバーコードデータに含まれる商品コードと対応付けられた重量と、秤装置３０１により計量した荷重とが同じである場合には、不正を検知することができなかった。
【００４１】
しかし、本実施形態では、検知部７０５は、商品マスタファイルＴから、不正に貼付されたバーコードから読み取ったバーコードデータに含まれる商品コードと対応付けられた他の商品の画像データ９００（図９参照）を読み出す。そして、検知部７０５は、読み出した他の商品の画像データ９００と、取込部７０１により取り込んだ画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）とのパターンマッチングを行い、両者が一致しなかった場合に不正を検知する。これにより、実際に購入する商品５０１のバーコード５０３の代わりに、当該商品５０１と重量が同じ他の商品のバーコードからバーコードデータを読み取ったとしても、不正を検知することができる。
【００４２】
さらに、検知部７０５は、カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ８００と、レジ袋４０１内の画像データ８００とのパターンマッチングを行い、両者が一致しなかった場合に、不正を検知する。これにより、バーコードデータの読み取りを行った商品と重量が同じ商品が、当該バーコードデータの読み取りを行った商品に代えてレジ袋４０１に収納されたとしても、不正を検知することができる。
【００４３】
表示制御部７０６は、取込部７０１により取り込んだ画像データ８００（カメラ２０３が撮像した撮像エリア５００内の画像データ）をＬＣＤ２１０に表示する。これにより、オペレータは、バーコードデータの読み取りを行った商品が所望の商品であるか否かを確認しながら、バーコードデータの読み取り作業を行うことができる。
【００４４】
出力部７０７は、検知部７０５によって不正が検知されなかった場合に、通信Ｉ／Ｆ２６１を介して、ＰＯＳ端末２１に対してバーコードデータを出力する。
【００４５】
次に、図１０を用いて、決済端末２０１が行う商品の販売登録処理について説明する。図１０は、決済端末が行う商品の販売登録処理の手順を示したフローチャートである。
【００４６】
決済端末２０１のＣＰＵ２５５は、ＰＯＳ端末２１からのコマンドにより業務起動が指令されると、情報出力処理を開始する。取込部７０１は、カメラ２０３に撮像オン信号を出力して、カメラ２０３に撮像動作を開始させる（ステップＳ１００１）。そして、取込部７０１は、カメラ２０３が撮像した画像データ８００を取り込んで、ＲＡＭ２５４に格納する（ステップＳ１００２）。
【００４７】
読取部７０２は、上述したバーコード読取処理を開始する（ステップＳ１００３）。また、表示制御部７０６は、取込部７０１によりＲＡＭ２５４に格納された画像データ８００をＬＣＤ２１０に表示する（ステップＳ１００４）。
【００４８】
次に、記憶制御部７０４は、読取部７０２によるバーコード読取処理により読み取られた商品コードが、ＨＤＤ２５８に格納された商品マスタファイルＴに記憶されているか否かを判断する（ステップＳ１００５）。バーコード読取処理により読み取られた商品コードが商品マスタファイルＴに記憶されている場合（ステップＳ１００５：Ｙｅｓ）、検知部７０５は、商品マスタファイルＴにおいて、バーコード読取処理により読み取られた商品コードと対応付けて記憶された画像データ８００を用いて不正を検知する（ステップＳ１００６）。なお、読取部７０２によるバーコード読取処理により読み取られた商品コードが、ＨＤＤ２５８に格納された商品マスタファイルＴに記憶されていない場合（ステップＳ１００５：Ｎｏ）、記憶制御部７０４は、ＲＡＭ２５４に記憶された商品コードと、商品情報と、画像データ８００とを対応付けて商品マスタファイルＴに記憶させる（ステップＳ１０１２）。
【００４９】
そして、検知部７０５により不正が検知されなかった場合（ステップＳ１００７：Ｎｏ）、出力部７０７は、ＲＡＭ２５４に記憶されたバーコードデータをＰＯＳ端末２１に出力する（ステップＳ１００８）。一方、検知部７０５により不正が検知された場合（ステプＳ１００７：Ｙｅｓ）、検知部７０５は、ＲＡＭ２５４に記憶されたバーコードデータ、商品情報、および画像データ８００を消去する（ステップＳ１０１１）。
【００５０】
その後、読取部７０２は、ＰＯＳ端末２１からコマンドによりバーコード読取処理の終了が指令された場合、バーコード読取処理を終了するとともに（ステップＳ１００９：Ｙｅｓ）、カメラ２０３に対して撮像オフ信号を出力する（ステップＳ１０１０）。
【００５１】
このように本実施形態にかかる決済端末２０１によれば、カメラ２０３と、カメラ２０３により撮像された画像データ８００を取り込む取込部７０１と、取込部７０１により取り込んだ画像データ８００から、バーコード５０３を検出し、検出したバーコード５０３から、バーコード５０３が表す商品コードを読み取る読取部７０２と、読み取った商品コードと取込部７０１により取り込んだ画像データ８００とを対応付けて商品マスタファイルＴに記憶させる記憶制御部７０４と、商品マスタファイルＴに記憶された画像データ８００を用いて、不正を検知する検知部７０５と、を備えることにより、実際に購入する商品５０１のバーコード５０３の代わりに、他の商品のバーコードからバーコードデータを読み取ったとしても、不正を検知することができるので、商品の販売登録における不正をより確実に検知することができる。
【００５２】
なお、本実施形態にかかる決済端末２０１で実行されるプログラムは、ＲＯＭ２５６等に予め組み込んで提供されても良い。また、本実施形態の決済端末２０１で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでＣＤ−ＲＯＭ、フレキシブルディスク（ＦＤ）、ＣＤ−Ｒ、ＤＶＤ（Digital Versatile Disk）等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【００５３】
さらに、本実施形態の決済端末２０１で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の決済端末２０１で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【符号の説明】
【００５４】
２０１ 決済端末
２０３，３１２ カメラ
２５５ ＣＰＵ
２５８ ＨＤＤ
７０１ 取込部
７０２ 読取部
７０４ 記憶制御部
７０５ 検知部
７０６ 表示制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【００５５】
【特許文献１】特表平１０−５０１３６０号公報
【特許請求の範囲】
【請求項１】
撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像を取り込む取込手段と、
前記取込手段により取り込んだ画像から、販売登録する商品の商品情報を表すコードシンボルを検出し、前記検出したコードシンボルから、前記コードシンボルが表す商品情報を読み取る読取手段と、
前記読み取った商品情報と前記取込手段により取り込んだ画像とを対応付けて記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶部に記憶された画像を用いて、不正を検知する検知手段と、
を備えたことを特徴とするコード読取装置。
【請求項２】
前記検知手段は、前記読み取った商品情報が前記記憶部に既に記憶されている場合に、当該読み取った商品情報と対応付けて既に記憶された画像と、前記取込手段により取り込んだ画像とが一致しない場合に、不正を検知することを特徴とする請求項１に記載のコード読取装置。
【請求項３】
商品を収納する収納部材内の画像を撮像する収納部材撮像手段をさらに備え、
前記取込手段は、前記収納部材撮像手段により撮像された収納部材内の画像を取り込み、
前記検知手段は、前記取込手段により取り込んだ収納部材内の画像と、前記取込手段により取り込んだ画像とが一致しない場合に、不正を検知することを特徴とする請求項２に記載のコード読取装置。
【請求項４】
前記取り込んだ画像を表示部に表示する表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項１から３のいずれか一に記載のコード読取装置。
【請求項５】
コンピュータを、
撮像手段により撮像された画像を取り込む取込手段と、
前記取込手段により取り込んだ画像から、商品の商品情報を表すコードシンボルを検出し、前記検出したコードシンボルから、前記コードシンボルが表す商品情報を読み取る読取手段と、
前記読み取った商品情報と前記取込手段により取り込んだ画像とを対応付けて記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶部に記憶された画像を用いて、不正を検知する検知手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項６】
前記検知手段は、前記読み取った商品情報が前記記憶部に既に記憶されている場合に、当該読み取った商品情報と対応付けて既に記憶された画像と、前記取込手段により取り込んだ画像とが一致しない場合に、不正を検知することを特徴とする請求項５に記載のプログラム。
【請求項１】
撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像を取り込む取込手段と、
前記取込手段により取り込んだ画像から、販売登録する商品の商品情報を表すコードシンボルを検出し、前記検出したコードシンボルから、前記コードシンボルが表す商品情報を読み取る読取手段と、
前記読み取った商品情報と前記取込手段により取り込んだ画像とを対応付けて記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶部に記憶された画像を用いて、不正を検知する検知手段と、
を備えたことを特徴とするコード読取装置。
【請求項２】
前記検知手段は、前記読み取った商品情報が前記記憶部に既に記憶されている場合に、当該読み取った商品情報と対応付けて既に記憶された画像と、前記取込手段により取り込んだ画像とが一致しない場合に、不正を検知することを特徴とする請求項１に記載のコード読取装置。
【請求項３】
商品を収納する収納部材内の画像を撮像する収納部材撮像手段をさらに備え、
前記取込手段は、前記収納部材撮像手段により撮像された収納部材内の画像を取り込み、
前記検知手段は、前記取込手段により取り込んだ収納部材内の画像と、前記取込手段により取り込んだ画像とが一致しない場合に、不正を検知することを特徴とする請求項２に記載のコード読取装置。
【請求項４】
前記取り込んだ画像を表示部に表示する表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項１から３のいずれか一に記載のコード読取装置。
【請求項５】
コンピュータを、
撮像手段により撮像された画像を取り込む取込手段と、
前記取込手段により取り込んだ画像から、商品の商品情報を表すコードシンボルを検出し、前記検出したコードシンボルから、前記コードシンボルが表す商品情報を読み取る読取手段と、
前記読み取った商品情報と前記取込手段により取り込んだ画像とを対応付けて記憶部に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶部に記憶された画像を用いて、不正を検知する検知手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項６】
前記検知手段は、前記読み取った商品情報が前記記憶部に既に記憶されている場合に、当該読み取った商品情報と対応付けて既に記憶された画像と、前記取込手段により取り込んだ画像とが一致しない場合に、不正を検知することを特徴とする請求項５に記載のプログラム。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【公開番号】特開２０１２−３８２１５（Ｐ２０１２−３８２１５Ａ）
【公開日】平成２４年２月２３日（２０１２．２．２３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１０−１７９７３１（Ｐ２０１０−１７９７３１）
【出願日】平成２２年８月１０日（２０１０．８．１０）
【出願人】（０００００３５６２）東芝テック株式会社 (5,631)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年２月２３日（２０１２．２．２３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２２年８月１０日（２０１０．８．１０）
【出願人】（０００００３５６２）東芝テック株式会社 (5,631)
【Ｆターム（参考）】
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