説明

ゴム組成物ならびにタンジェントデルタ値および摩耗指数の低減方法

以下の成分で構成されるゴム組成物が開示されている:(a)ゴム成分、(b)シリカ充填剤、(c)カップリング剤、(d)有効量の窒素含有化合物および(e)少なくとも約400の分子量を有する二硫化チウラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、一般的にゴム組成物ならびにタンジェントデルタ値(すなわちヒステリシス)および摩耗指数(すなわち耐摩耗性)の低減方法に関する。同ゴム組成物は例えばトラックのような車両用のタイヤ・トレッドへの適用に特に有用である。
【背景技術】
【0002】
近代的なタイヤ・トレッドは広範囲にわたる性状を規定する性能基準を満足させなければならない。一般的には、トレッド用の複合物質においては3種類の性能基準(すなわち、高摩耗抵抗、高静止摩擦および低転がり摩擦)が重要である。主要なタイヤ製造者は燃費改善のために転がり摩擦を低減し、また安全走行のために滑り/静止摩擦関連性状を向上するトレッド用の複合物質を開発してきている。このように、例えばタイヤ・トレッドに好適なゴム組成物は、それから製造されるトレッドでの望ましい転がり摩擦を実現するためには、望ましい強度および伸び(特に高温度での)ばかりでなく高亀裂抵抗、高摩耗抵抗、望ましい滑り抵抗、60°Cでの低タンジェントデルタ値および振動数といった性状を発揮しなければならない。更に操縦性および操舵制御性のためには高複素動的な弾性率が必要である。また製造工程の安全性のためには長いムーニースコーチ時間が更に必要である。
【0003】
現在、これらの性状の改善(例えば転がり摩擦の低減)のために、カーボンブラック系充填剤を部分的あるいは実質上全面的に代替する充填剤としてシリカをゴム組成物に添加している。シリカはカーボンブラックよりは高価ではあるが、例えば湿潤状態での改善された静止摩擦、低転がり摩擦などの利点があり、結果として燃料消費量を低減する。実際、シリカ粒子はカーボンブラックに比べてゴムとの物理的および/あるいは化学的な結合力が欠如あるいは少なくとも不十分な傾向があり、ゴムに対する強化充填剤としてはカーボンブラックほどには強度を向上できない。従って、シリカ充填剤システムではカップリング剤の使用が必要となる。
【0004】
カップリング剤は、典型的にはシリカ表面およびゴム・エラストマー分子の両方と反応することにより、シリカによる強化性能を向上するために用いられる。このようなカップリング剤は、例えばシリカ粒子と事前に混合あるいは反応させてもよいし、あるいはゴム/シリカの製造あるいは混合工程で同ゴム・ミックスに添加してもよい。ゴム/シリカの製造あるいは混合工程でカップリング剤およびシリカを別々に同ゴム・ミックスに添加する場合には、同カップリング剤は次いでそのときの状態下でシリカと結合すると考えられる。
【0005】
カップリング剤はその一端でシリカと反応し他端でゴムと架橋する二官能性の分子である。このようにして、ゴムの強化およびそれの強度関連の性状(例えば、靭性、強度、弾性率ならびに引張応力および摩耗に対する抵抗性)は著しく改善する。カップリング剤はシリカ粒子の表面を覆い、それにより同粒子同士の凝集を妨害すると考えられている。このような凝集過程の妨害により粒子分散性は向上し、従って摩耗および燃料消費量は低減する。
【0006】
各種のゴム性状を改善する目的で比較的多量のシリカを添加する場合には、十分な量のカップリング剤の存在が必要である。しかしながら、シリカには硬化を妨げる働きがある。従ってシリカ/カップリング剤によるトレッドのフォーミュレーションはゴム硬化速度を望ましくない程度まで低下させることが知られている。更に、多量のカップリング剤を添加すれば、それが高価であるのでゴム組成物のコストを押し上げる。
【0007】
硬化速度の上昇を目的として、二次促進剤(例えばジフェニルグアニジン(DPG))がゴム組成物に添加されている。しかし、二次促進剤(特にDPG)の使用はゴム組成物の製造過程でそれのムーニースコーチ時間を短縮し、従って製造時間を短縮する。製造時間の短縮に起因する問題として例えば複合材料の予備硬化と押出成型部品の粗表面が挙げられる。更に、ジフェニルグアニジンは典型的には多量に添加され、その使用量を増加させなければならないのでゴム組成物の製造コストが上昇する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、製造の過程で硬化時間が短縮しムーニースコーチ時間が延長すると同時にタンジェントデルタ値が低下したゴム組成物の提供が望ましい。これによって、製造過程でのゴム組成物の製造が容易になり、製造されたタイヤ製品の品質が向上する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の要旨)
本発明の一態様によれば、(a)ゴム成分;(b)シリカ充填剤;(c)カップリング剤;(d)有効量の窒素含有化合物;および(e)少なくとも約400の分子量を有する二硫化チウラム:を含有するゴム組成物が提供される。
【0010】
本発明の他の態様によれば、(a)ゴム成分;(b)シリカ充填剤;(c)カップリング剤;(d)有効量の窒素含有化合物、ポリアルキレンオキサイド、および有機酸;ならびに(e)少なくとも約400の分子量を有する二硫化チウラム:を含有するゴム組成物が提供される。
【0011】
本発明の更に他の態様によれば、(a)ゴム成分;(b)シリカ充填剤;(c)カップリング剤;(d)有効量の窒素含有化合物;および(e)少なくとも約400の分子量を有する二硫化チウラム:を含有するゴム組成物を生成する工程を含むゴム組成物のタンジェントデルタ値を低下するための方法が提供される。
【0012】
有効量の窒素含有化合物をここでのゴム組成物に添加することにより、同組成物のタンジェントデルタ値を有利な方法で低下できる。更に、高分子量の二硫化チウラム(すなわち少なくとも約400の分子量(Mw)を有する二硫化チウラム)を窒素含有化合物と併用することにより、他の物理的性状を犠牲にすることなく同組成物の製造を容易にする。
【0013】
更に、本発明のゴム組成物に有効量の酸化ポリアルキレンを添加することによりゴム組成物を生成する際のカップリング剤の添加量を有利な方法で低減でき、その結果ここで開示される組成物の硬化速度を上昇できる。従って、有効量の本発明用酸化ポリアルキレンの添加により、多くの場合シリカとカップリング剤のみを添加した際に見られる上述のゴム硬化/加硫遅れを事実上解消するとまではいかなくても軽減できる。このようにして、本発明に使用される酸化ポリアルキレンは硬化速度を上げると同時に、場合によっては本発明よりは多量のカップリング剤をシリカと共に使用することに起因すると考えられるどのような硬化遅れをも全面的に解消できることが見出された。このようにして、酸化ポリアルキレンの添加により、より高価なカップリング剤の添加量低減でより大きな経済的利益を享受しつつ、先行技術に内包される不利益を蒙ることなくシリカ添加の利益の全面的な実現が可能になっている。
【0014】
本明細書で使用されている「phr」という記号は当業界で認められている意味で使用されている。すなわち、それはゴム100重量部当たりの各物質の重量部を意味する。
【0015】
(好ましい形態の説明)
本発明のゴム組成物は、少なくとも(a)ゴム成分;(b)シリカ充填剤;(c)カップリング剤;(d)有効量の窒素含有化合物;および(e)少なくとも約400の分子量を有する二硫化チウラム:を含有する。
【0016】
ここで使用されるゴム成分は少なくとも高度に不飽和のゴム(例えば天然あるいは合成ゴム)を主要成分としている。
トラックのタイヤを製造する場合には天然ゴムを用いるのが好ましい。本発明の実施に採用可能な高度に不飽和の重合体の代表例としてジエン系ゴムが挙げられる。通常、このようなゴムのヨウ素価は約20〜450であるが、上記よりも高いあるいは低い(例えば50〜100)ヨウ素価を有する高度に不飽和のゴムも本発明に採用可能である。採用可能なジエン系ゴムの例として共役ジエン系(例えば、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン系など)の重合体;およびこのような共役ジエンとモノマー(例えばスチレン、a−メチルスチレン、ビニルアセチレンのようなアセチレン化合物、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、酢酸ビニルなど)との共重合体が挙げられる。好ましい高度に不飽和のゴムの例として、天然ゴム、シスポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、スチレン−イソプレン共重合体、イソプレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン三重合体、ポリクロロプレン、クロロ−イソブテン−イソプレン、ニトリル−クロロプレン、スチレン−クロロプレンおよびポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)が挙げられる。更に、2種類以上の高度に不飽和のゴムからなる混合物であって不飽和度がより低いエラストマー(例えば、EPDM、EPR、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム)を含有するものも本発明の範疇に入る。
【0017】
シリカはゴム組成物の強化のために有益であることが知られているどのような種類のものでも使用できる。好適なシリカ充填剤の例として、シリカ、沈降シリカ、非晶質シリカ、石英ガラス、フュームド・シリカ、溶融石英、合成ケイ酸塩(例えばケイ酸アルミニューム)、アルカリ土類金属ケイ酸塩(例えばケイ酸マグネシウムおよびケイ酸カルシウム)、天然ケイ酸塩(例えばカオリンその他の天然シリカ)などが挙げられるが、これらに限られない。その他、BET表面積が約5〜1000m/g、好ましくは約20〜400m/g、また粒子の一次径が約5〜500nm、好ましくは約10〜400nmの高度に分散したシリカも有用なシリカの例として挙げられる。このような高度に分散したシリカは、例えばケイ酸塩溶液の沈降あるいはハロゲン化ケイ素の火炎加水分解によって生成できる。また、シリカは他の種類の金属酸化物(例えばAl、Mg、Ca、Ba、Zn、Zr、Tiの酸化物など)との混合状態で使用できる。当業界の熟練者には公知のシリカ製品の例として、キャボット・コーポレーションのCab−O−Sil(登録商標)、PPGインダストリーズのHi−SilおよびCeptane(登録商標)、ローディアのZeosil(登録商標)、デグッサAGのUltrasilおよびCoupsil(登録商標)が挙げられる。本発明のゴム組成物に対して2種類以上のシリカ充填剤を混合して添加してもよい。同組成物に用いられる好適なシリカはローディアのZeosil 1165MPである。
【0018】
同ゴム組成物に添加されるシリカ充填剤の濃度は非常に広い範囲にわたっている。一般的には、同濃度は約5〜150phr、好ましくは約10〜100phr、より好ましくは約15〜90phrの範囲内にある。
【0019】
そうすることが望ましいのであれば、本発明のゴム組成物を生成するためにカーボンブラック充填剤をシリカ充填剤と併用してよい。好適なカーボンブラック充填剤は通常商業的に入手可能な当業界の熟練者には公知のどのような種類のものであってよい。一般的には表面積(EMSA)が20m/g以上のものが好ましく、35〜200m/g以上のものがより好ましい。本明細書での表面積は、ASTM試験法D−3765に従って臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)法で測定したものである。有用なカーボンブラック充填剤の中には、ファーネス・ブラック、チャンネル・ブラックおよびランプ・ブラックがある。より具体的には、カーボンブラックの例として、スーパーアブレージョン・ファーネス(SAF)ブラック、ハイ・アブレージョン・ファーネス(HAF)ブラック、ファースト・エクストルージョン・ファーネス(FEF)ブラック、ファイン・ファーネス(FF)ブラック、インターメディエート・スーパーアブレージョン・ファーネス(ISAF)ブラック、セミ・リインフォーシング・ファーネス(SRF)ブラック、メディアム・プロセシング・チャンネル・ブラック、ハード・プロセシング・チャンネル・ブラックおよび導電性カーボンブラックが挙げられる。その他の使用可能なカーボンブラックの中にはアセチレン・ブラックがある。上記のカーボンブラックの2種類以上を混合して本発明のゴム組成物を生成してよい。有用なカーボンブラックの典型的な表面積値を以下の表Iにまとめている。
【表1】

【0020】
本発明に使用されるカーボンブラックはペレット化してもよいし、ペレット化されていない凝集体の状態であってもよい。取扱いの簡便さからペレット化されたカーボンブラックの方が好ましい。カーボンブラックは、もし用いられるのであれば、ゴム組成物中に約1〜80phrの濃度で、好ましくは約5〜60phrの濃度で添加する。
【0021】
本発明のシリカ添加のゴム組成物を混合する場合には、カップリング剤を用いるのが特に有利である。このようなカップリング剤は、例えばシリカ粒子と事前に混合あるいは反応させた後に添加してよいし、あるいはゴム/シリカの製造あるいは混合工程で同ゴム・ミックスに添加してよい。ゴム/シリカの製造あるいは混合工程でカップリング剤およびシリカを別々に同ゴム・ミックスに添加する場合には、同カップリング剤は次いでそのときの状態下でシリカと結合すると考えられる。
【0022】
特に、このようなカップリング剤は一般的にはシランにより構成されている。シランはシリカ表面と反応可能な構成成分あるいは部分(シラン部分)を有していると同時にゴム(例えば炭素−炭素二重結合、すなわち不飽和結合、を有する加硫ゴム)と反応可能な構成成分あるいは部分を有している。このようにして、カップリング剤は次いでシリカとゴムを架橋し、これによりゴムを強化するシリカの効果を更に向上する。
【0023】
カップリング剤のシラン部分はシリカ表面への結合を形成する(多分加水分解反応により)と考えられており、カップリング剤中のゴムと反応性の成分はゴム自身と結合する。一般的には、カップリング剤中のゴムとの反応性の成分は温度に対して敏感であり、ゴム加硫工程での最終で最高の温度下(すなわち、ゴム/シリカ/カップリング剤の混合工程の後であってカップリング剤中のシランがシリカと結合する前の段階)でゴムと結合する傾向にある。しかしながら、カップリング剤の典型的な温度敏感性を理由のひとつとして、最初の工程であるゴム/シリカ/カップリング剤の混合工程中であって次の工程である加硫工程の前の段階に、カップリング剤中のゴムと反応性の成分とゴムの間にいくらかの程度の結合(すなわち化学結合)が生ずる可能性がある。
【0024】
好適なカップリング剤内のゴム反応性の基の成分の例として、メルカプト、アミノ、ビニル、エポキシおよび硫黄基の内の1種類以上が挙げられるが、これらに限られない。このような成分として、硫黄基あるいはメルカプト基が好ましく、硫黄基が最も好ましい。
【0025】
ここで使用されるカップリング剤の例として、以下の化合物が挙げられる:
ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(−メトキシエトキシ)シラン、−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、−(アミノエチル)−−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−−(アミノエチル)−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(アミノエチル)−アミノプロピルトリエトキシシラン、−アミノプロピルトリメトキシシラン、−アミノプロピルトリエトキシシラン、−フェニル−−アミノプロピルトリメトキシシラン、−クロロプロピルトリメトキシシラン、−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよびこれらの混合物。好ましい硫黄含有カップリング剤の代表例として硫黄含有有機ケイ素化合物が挙げられる。好適な硫黄含有有機ケイ素化合物の具体例は以下の一般式で表される:
【0026】
【化1】


ここで、Zは以下の群から選択される。
【0027】
【化2】


ここで、Rは炭素数が1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基あるいはフェニル基;Rは炭素数が1〜8のアルコキシあるいは炭素数が5〜8のシクロアルコキシ;RおよびRは各々炭素数が1〜18の二価の炭化水素;およびnは約2〜8の整数である。
【0028】
ここで使用可能な硫黄含有有機ケイ素化合物の具体例として以下が挙げられるが、これらに限られない:3、3‘−ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3、3‘−ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3、3−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3、3‘−ビス(トリエトキシシリルプロピル)オクタスルフィド、3、3‘−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、2、2‘−ビス(トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3、3‘−ビス(トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3、3‘−ビス(トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3、3‘−ビス(トリブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3、3‘−ビス(トリメトキシシリルプロピル)ヘキサスルフィド、3、3‘−ビス(トリメトキシシリルプロピル)オクタスルフィド、3、3‘−ビス(トリオクトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3、3‘−ビス(トリヘキソキシシリルプロピル)ジスルフィド、3、3‘−ビス(トリ−2“−エチルヘキソキシシリルプロピル)トリスルフィド、3、3‘−ビス(トリイソオクトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3、3‘−ビス(トリ−t−ブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、2、2‘−ビス(メトキシジエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、2、2‘−ビス(トリプロポキシシリルエチル)ペンタスルフィド、3、3‘−ビス(トリシクロヘキソキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3、3‘−ビス(トリシクロペントキシシリルプロピル)トリスルフィド、2、2‘−ビス(トリ−2“−メチル−シクロヘキソキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メトキシエトキシプロポキシシリル−3‘−ジエトキシブトキシ−シリルプロピル・テトラスルフィド、2、2‘−ビス(ジメチルメトキシシリルエチル)ジスルフィド、2、2‘−ビス(ジメチルsec.ブトキシシリルエチル)トリスルフィド、3、3‘−ビス(メチルブチルエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3、3‘−ビス(ジ−t−ブチルメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、2、2‘−ビス(フェニルメチルメトキシシリルエチル)トリスルフィド、3、3‘−ビス(ジフェニルイソプロポキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3、3‘−ビス(ジフェニルシクロヘキソキシシリルプロピル)ジスルフィド、3、3‘−ビス(ジメチルエチルメルカプトシリルプロピル)テトラスルフィド、2、2‘−ビス(ジメチルジメトキシシリルエチル)トリスルフィド、2、2‘−ビス(メチルエトキシプロポキシシリルエチル)テトラスルフィド、3、3‘−ビス(ジエチルメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3、3‘−ビス(エチル−ジ−sec.ブトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3、3‘−ビス(プロピルジエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、3、3‘−ビス(ブチルジメトキシシリルプロピル)トリスルフィド、3、3‘−ビス(フェニルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−フェニルエトキシブトキシシリル−3‘−トリメトキシシリルプロピル・テトラスルフィド、4、4‘−ビス(トリメトキシシリルブチル)テトラスルフィド、6、6‘−ビス(トリエトキシシリルヘキシル)テトラスルフィド、12、12‘−ビス(トリイソプロポキシシリルドデシル)ジスルフィド、18、18‘−ビス(トリメトキシシリルオクタデシル)テトラスルフィド、18、18‘−ビス(トリプロポキシシリルオクタデシル)テトラスルフィド、4、4‘−ビス(トリメトキシシリル−ブテン−2−イル)テトラスルフィド、4、4‘−ビス(トリメトキシシリルシクロヘキシレン)テトラスルフィド、5、5‘−ビス(ジメトキシメチルシリルペンチル)トリスルフィド、3、3‘−ビス(トリメトキシシリル−2−メチルプロピル)テトラスルフィドおよび3、3‘−ビス(ジメトキシフェニルシリル−2−メチルプロピル)ジスルフィドなど。ここでの使用に好適なカップリング剤は3、3‘−ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドおよび3、3‘−ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドである。
【0029】
ここで使用される窒素含有化合物は、本発明のゴム組成物のタンジェントデルタ値を有利に低減する。ここで使用される好適な窒素含有化合物は以下を包含するが、これらに限られない:カルボン酸アミド、ヒドロカルビルモノアミン、ヒドロカルビルポリアミン、ヒドロキシ置換(水酸基置換)ヒドロカルビルモノアミン、水酸基置換ヒドロカルビルポリアミン、マンニッヒ塩基、ホスホノアミド、チオホスホノアミド、ホスホルアミドなど、およびこれらの混合物。
【0030】
ここで使用される好適なカルボン酸アミドは通常はカルボン酸あるいはそれの無水物あるいはエステル(主要な脂肪族鎖に12以上で約350までの脂肪族炭素原子を有する)とヒドロカルビルアミン(例えばエチレンアミンあるいはヒドロカルビルポリアミン)の反応によって得られ、この反応によりモノカルボン酸アミドあるいはポリカルボン酸アミドが生成する。有用なカルボン酸アミドの例として、米国特許3,405,064に開示されている化合物が挙げられ、これらは本明細書内に引用されている。好ましいアミドは(1)RCOOH(ここでRは炭素数が12〜20のアルキル基)で表されるカルボン酸あるいは同カルボン酸とポリアルケニルカルボン酸(例えば72〜128の炭素原子を有する)の混合物、および(2)アルキルアミン(例えば、ジブチルアミン)、アルキレンアミン(例えばエチレンアミン)あるいはアルキレンポリアミン(例えばトリエチレンテトラミンあるいはテトラエチレンペンタミン)など、およびこれらの混合物から生成されるアミド。
【0031】
他の種類の有用な窒素含有化合物はヒドロカルビルモノアミンおよびヒドロカルビルポリアミンである。この種の窒素含有化合物の例として、米国特許3,574,576に開示されている化合物が挙げられ、これらは本明細書内に引用されている。ヒドロカルビル基は、炭素数1〜50、好ましくは2〜20、最も好ましくは3〜12のアルキル基であってもよいし、あるいは1〜2の不飽和部と1〜350、好ましくは6〜約200の炭素原子を有するオレフィン系基であってもよい。特に好ましい化合物はヒドロカルビルモノアミンであり、この例としてジアルキルアミン(例えばジブチルアミン)およびアルキルアミン(例えばイソプロピルアミン)が挙げられる。他の有用な化合物の例として水酸基で置換されたヒドロカルビルモノアミンおよびヒドロカルビルポリアミンが挙げられ、これらは2〜約50の炭素原子と1〜6の水酸基を有している。この種の化合物の例として、ジイソプロパノールアミン、エタノールアミンなど、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0032】
更に他の種類の有用な窒素含有化合物はマンニッヒ塩基化合物である。これらの化合物は、フェノール、炭素数9〜200のアルキルフェノール、アルデヒド(例えばホルムアルデヒド)あるいはホルムアルデヒドの前駆体(例えばパラホルムアルデヒド)とアミン化合物から生成される。アミン化合物はモノアミン(例えばメチルアミンのようなアルキルアミンあるいはエチレンアミンのようなアルキレンアミン)あるいはポリアミン(例えばジエチレンポリアミンあるいはテトラエチレンペンタミン)などであってよい。フェノール系化合物は硫化されてよく、好ましくはドデシルフェノールあるいは炭素数80〜100のアルキルフェノールである。本発明に使用可能なマンニッヒ塩基化合物の例としては米国特許3,539,663、3,649,229、3,368,972および4,157,309に開示されている化合物が挙げられ、これらは本明細書内に引用されている。米国特許3,539,663は、少なくとも炭素数50、好ましくは50〜200のアルキルフェノールとホルムアルデヒドおよびHN(ANH)H(ここでAは炭素数2〜6の飽和二価のアルキル炭化水素でありnは1〜10)で表されるアルキレンポリアミンの反応によって得られるマンニッヒ塩基化合物を開示している。ここで、同アルキレンポリアミンの縮合生成物は更にウレアあるいはチオウレアと反応させてよい。
【0033】
更に他の種類の有用な窒素含有化合物はホスホルアミドおよびホスホンアミドであり、これらは例えば米国特許3,909,430および3,968,157に開示されており、本明細書内に引用されている。これらの化合物は少なくとも1個のP−−N結合を有する亜リン酸化合物の形成によって生成できる。これらは、例えば、モノアミンの存在下でオキシ塩化リンをヒドロカルビルジオールと反応させる、あるいはオキシ塩化リンを二官能性の第2級アミンおよび一官能性のアミンと反応させることによって得られる。チオホスホルアミドは炭素数が2〜450以上の不飽和炭化水素化合物(例えばポリエチレン、ポリイソブチレン、ポリプロピレン、エチレン、1−ヘキセン、1,3−ヘキサジエン、イソブチレン、4−メチル−1−ペンテンなど)と上記の窒素含有化合物(特にアルキルアミン、アルキルジアミン、アルキルポリアミンあるいはアルキレンアミン(例えばエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンあるいはテトラエチレンペンタミンなど)との反応によって得られる。
【0034】
更に他の種類の有用な窒素含有化合物は環状アミンである。この種の化合物の例として、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルフィリンなどが挙げられる。1種あるいは複数種の上記環状アミンで置換されたアルキル基も有用である。この種のアミン化合物の例として、2−(2−アミノエチル)−1−メチルピロリドン、4−(2−アミノエチル)−モルフィリン、1−(2−アミノエチル)−ピロリジン、1−(2−アミノエチル)−ピペリジン、1−(2−アミノエチル)−ピペラジンなどが挙げられる。更に他の種類の有用な窒素含有化合物の例として(アミノアルキル)アルキルアミン(例えばN−アルキレンジアミン、N−アルキル−1、3−プロパンジアミンなど)が挙げられる。
【0035】
一般的には、タンジェントデルタ値を低減する有効量の窒素含有化合物を本発明のゴム組成物に添加する。しかしながら、上記の窒素含有化合物はスコーチ(焼け焦げ)安全性を損なう可能性がある。従って、このような窒素含有化合物の添加量は同ゴム組成物に使用される特定の成分次第で広い範囲にわたっている。同窒素含有化合物の添加量は、一般的には約0.05〜2.0phr、好ましくは約0.1〜1.5phr、より好ましくは約0.15〜1.0phrである。
【0036】
ここで使用されるポリアルキレンオキサイド(酸化ポリアルキレン)は、有効量添加すれば本発明のゴム組成物の硬化時間を有利に短縮する。ここで好適に使用可能な酸化ポリアルキレンは、一般式X(R−O−)Hで表されるポリエーテルである酸化ポリアルキレンである。ここで、Rは下記の基の1種あるいは複数種:メチレン、エチレン、プロピレンあるいはテトラメチレン;nは1〜約50、好ましくは約2〜30、最も好ましくは約4〜20の整数;そしてXは1〜約12個、好ましくは2〜6個の官能基を有する非芳香族スターター分子である。代表的な酸化ポリアルキレンとして以下が挙げられるが、これらに限られない:ジメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレンオキサイド(酸化ポリエチレン)、ポリプロピレンオキサイド(酸化ポリプロピレン)、ポリブチレンオキサイド(酸化ポリブチレン)などおよびこれらの混合物。ここでの使用に好適な酸化ポリアルキレンはジエチレングリコールおよび酸化ポリエチレンである。
【0037】
上記の酸化ポリアルキレンを本発明のゴム組成物に有効量添加することにより、同シリカ含有組成物の形成に必要とされるカップリング剤添加量を低減でき、経済的に有利になる。この結果、カップリング剤添加量は約0.5〜15phr、好ましくは約0.75〜12phr、最も好ましくは約1.0〜10phrとなり、一方酸化ポリアルキレン添加量は通常は約0.2〜10phr、好ましくは約0.3〜8phr、最も好ましくは約0.5〜5phrである。
【0038】
上記の酸化ポリアルキレンは、例えばカップリング剤と事前に混合あるいはブレンドさせてもよいし、あるいはゴム/シリカ/カップリング剤の製造あるいは混合工程で同ゴム・ミックスに添加してもよい。その他、上記の酸化ポリアルキレンは、上記窒素含有化合物および有機酸と事前に混合あるいはブレンドさせてもよい(これについては後述する)。
【0039】
本発明のゴム組成物に二次促進剤として使用される高分子量の二硫化チウラムは、より高いジフェニルグアニジンを二次促進剤として使用する同様なゴム組成物に比べて、同等の硬化速度を維持しつつより高いムーニースコーチ値を与えるというゴム組成物製造上の利点を提供する。同二硫化チウラムは少なくとも400、好ましくは約500〜1250、最も好ましくは約800〜1000の重量平均分子量を有している。
【0040】
これらの二硫化チウラムの代表例は以下の一般式で表される:
【0041】
【化3】


ここで、R、R、RおよびRは各々同じでも異なっていてもよく、例えば炭素数が約4〜30の炭化水素であり、1種以上の複素環基を有していてもよい。あるいは、RおよびRおよび/あるいはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と共に複素環基を形成してもよく、1種以上の追加的な複素環基を有していてもよい。特定の二硫化チウラムにおいては、R、R、RおよびRが独立して選択されてt−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ステアリル、オレイル、フェニル、ベンジル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコサニルなどを形成している。ここで使用される特に好ましい二硫化チウラムにおいては、R、R、RおよびRは炭素数12〜14のものである。
【0042】
一般的には、二硫化チウラムは本発明のゴム組成物中に約0.10〜1.0phr、好ましくは約0.15〜0.75phr、最も好ましくは約0.20〜0.70phrの濃度で存在している。
【0043】
前述したように、特定の窒素含有化合物の添加によりスコーチ安全性を損なう可能性があり、従ってスコーチ問題を起因する可能性がある。このことにより、本発明のゴム組成物の円滑な製造のために有機酸を添加してスコーチ安全性を向上する必要があるかもしれない。有用な有機酸は以下を包含するが、これらに限られない:分岐、直鎖あるいは環状のアルカン酸、アルケン酸あるいはアルキン酸;1個以上のカルボン酸基を有するアリール、アルキルあるいはアリール有機酸;あるいはこれらの混合物。好適な有機酸の例として以下が挙げられるが、これらに限られない:1分子当たりの炭素数2〜約20の脂肪族カルボン酸、ならびに炭素数6〜約24の芳香族および脂環族カルボン酸。好適な酸は一般的には少なくとも1〜3個のカルボン酸基を有している。好適な脂肪酸の例として以下が挙げられるが、これらに限られない:酢酸、酪酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ネオペンタン酸、プロパン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アクリル酸、メタクリル酸、およびこれらの2種類以上の化合物の混合物。好適な芳香族酸の例として以下が挙げられるが、これらに限られない:安息香酸、m−ニトロ安息香酸、イソフタル酸、フタル酸、フェニル酢酸、p−クロロ安息香酸、トランス桂皮酸、トルイル酸、テレフタル酸、およびこれらの2種類以上の化合物の混合物。好適な脂環酸の例として以下が挙げられるが、これらに限られない:シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘプタンカルボン酸など、およびこれらの混合物。
【0044】
一般的には、スコーチ安全性を高める有効量の有機酸を本発明のゴム組成物に添加する。一般的には、同濃度は約0.1〜5phr、好ましくは約0.15〜4phr、最も好ましくは約0.2〜3phrの範囲内にある。
【0045】
本発明のゴム組成物には、カーボンブラックあるいはシリカの他に強化剤あるいは非強化剤としての充填剤を更に添加してよい。この種の充填剤の例として以下に示す粉末状あるいは繊維状の無機化合物が挙げられる:石英粉末、白亜(重質炭酸カルシウム)粉末、軽質炭酸カルシウム、白亜、石灰粉末、マグネシウム含有の特定炭酸カルシウム、表面処理された炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、マグネサイト、カオリン類、カオリナイト、ナクライト、ハロサイト、水和ハロサイト、アロフェン、ピロフィライト、タルク、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、セリサイト、イライト、ムスコバイト、フロゴパイト、ビオタイト、アメサイト、シャモサイト、硬質粘土、軟質粘土、カオリン粘土、焼成粘土、珪藻土、ギブサイト、ベイエライト、ベーマイト、ダイアスポア、ガンマアルミナ、アルファアルミナ、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、ベントナイト、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、活性粘土、水酸化アルミニウム、酸化チタン、フェライト、アスベスト、ガラス粉末、ケイ酸アルミニウム、弁柄、ヒドロタルサイト、水酸化マグネシウム、活性亜鉛粉末、炭化ケイ素、窒化ケイ素、チタン酸ジルコニウムおよび酸化ジルコニウムなど;ならびに以下に示す有機化合物:フェノール樹脂、クマロン樹脂、スチレン樹脂、スチレンを高濃度で含有するスチレン−ブタジエン樹脂、ナイロン、アラミド樹脂など。
【0046】
本発明のゴム組成物はどのような通常型の方法によってでも製造できる。更に、上記以外の通常使用される添加剤の少なくとも1種を、そうすることが望ましいのであれば、あるいは必要であるのであれば、本発明のゴム組成物に好適な濃度まで添加できる。ここで使用するに好適な添加剤は以下を包含する:加硫剤、活性剤、遅延剤、酸化防止剤、可塑化用の油および軟化剤、強化用の充填剤および顔料、オゾン劣化防止剤、ワックス、粘着付与剤樹脂など、およびこれらの混合物。
【0047】
本発明のゴム組成物は例えば以下の製品の製造のために特に有用である:タイヤ、エンジン・マウント、ゴム・ブッシング、パワー・ベルト、印刷ロール、ゴム製の靴ヒールおよび靴底、ゴム製の床タイル、キャスター用車輪、エラストマー製のシールおよびガスケット、コンベヤー・ベルトのカバー、硬質ゴム製の電池ケース、車両用床マット、トラック用の泥よけ、ボール・ミルのライニング、ワイパー・ブレードなど。本発明のゴム組成物はタイヤに用いるのが好ましく、タイヤの熱硬化性ゴム含有の一部あるいは全ての部分に有利に使用できる。これらの部分の例として、トラックのタイヤ、乗用車のタイヤ、オフロード車両のタイヤ、他の車両のタイヤ、高速車両のタイヤ、バイクのタイヤのためのトレッド、サイドウオールおよびカーカスが挙げられる。これらのタイヤも多くの異なった強化層を含んでいる。ただし、本発明が適用可能なタイヤ種類は上記に限られない。本発明によるゴムあるいはタイヤのトレッド用組成物はタイヤの製造および磨り減ったタイヤの補修のために使用できる。本発明のゴム組成物はトラックのタイヤに用いるのが特に好ましい。
【0048】
本発明を以下の実施例により説明するが、これらは本発明を制限するものではない。
【0049】
(比較例A〜Dならびに実施例1および2)
表II、IIIおよびIVに示す成分(その濃度はゴム100重量部当たりの重量部)を使用して、下記の方法によりいくつかの種類のゴム組成物を形成した。表IIに示す成分は内部ミキサーにより添加し、これらが完全に分散されるまで混合した後、同混合物をミキサーから排出する。排出温度は典型的には約160°Cである。同バッチを冷却し、次いで表IIIに示す成分と共にミキサー内に再度投入する。この第二パスでの処理時間は前に比べて短く、また温度も一般的には約150°Cである。同バッチを冷却し、次いで表IVに示す成分と共にミキサー内に再度投入する。この第三パスでの処理時間は更に短く、また温度も一般的には約100°Cである。
【0050】
【表2】

【0051】
【表3】

【0052】
【表4】

【0053】
(結果)
上記で製造された混合物をシート状に広げた後に切断して硬化した。これらのサンプルを表Vに示す時間および温度の条件下で硬化した後、それらの物理性状を評価した。その結果を下記の表Vにまとめている。表Vにおいて、硬化特性はモンサント粘度計ODR2000(1°CARC、100cpm)で測定し、またMHは最大トルク、MLは最小トルクである。スコーチ安全性(t2)は最小トルク(ML)より2単位上の値までに要する時間、硬化時間(t50)はデルタトルクの最小値の上50%値までに要する時間、硬化時間(t90)はデルタトルクの最小値の上90%値までに要する時間である。引張強さ、伸びおよび弾性率はASTM、D−412の方法によって測定した。実施例1および2で製造されたゴム組成物は本発明の範囲内、比較例A〜Dで製造されたゴム組成物は本発明の範囲外のものである。
【0054】
【表5−1】


【表5−2】


【表5−3】

【0055】
上記の結果から、実施例1および2で製造された、高分子量の二硫化チウラム、窒素含有化合物および酸化ポリアルキレンを含有するゴム組成物(本発明の範囲内の組成物)は、以下に示す比較例で製造されたゴム組成物(本発明の範囲外の組成物)に比べて同等以上の性能を有していることが分かる。比較例A:カーボンブラックを含有する組成物;比較例B:ジフェニルグアニジンのみを含有し、酸化ポリアルキレン、窒素含有化合物および二硫化チウラムを含有していない組成物;ならびに比較例CおよびD:高分子量の二硫化チウラムおよび酸化ポリアルキレンを含有するが窒素含有化合物を含有していない組成物。例えば、実施例2で製造されたゴム組成物のタンジェントデルタ値は比較例A〜Dでのゴム組成物の値に比べて相当低かった。実施例1で製造されたゴム組成物のタンジェントデルタ値も比較例A〜Dでのゴム組成物の値に比べて低かった。更に、実施例1および2で製造されたゴム組成物の摩耗指数は比較例Aでのゴム組成物の値に比べて非常にわずかに低かったが、これは実験誤差範囲内である。
【0056】
更に、実施例1および2で製造されたゴム組成物の弾性率、引張強さおよび硬度は、比較例A〜Dでのゴム組成物の値と同等であった。このように、0.5phrのジフェニルグアニジンを0.25phrのテトラアルキル(炭素数:12〜14)二硫化チウラムに代えることにより、ゴム組成物の転がり抵抗は他の物理性状を犠牲にすることなく相当向上し、従って経済的なコスト利益が実現する。
【0057】
(比較例E〜Hならびに実施例3および4)
表VI、VIIおよびVIIIに示す成分(その濃度はゴム100重量部当たりの重量部)を使用して、実施例1および2で概説した方法によりいくつかの種類のゴム組成物を形成した。
【0058】
【表6】

【0059】
【表7】

【0060】
【表8】

【0061】
(結果)
上記で製造された混合物をシート状に広げた後に切断して硬化した。これらのサンプルを表VIIIに示す時間および温度の条件下で硬化した後、それらの物理性状を評価した。その結果を下記の表VIIIにまとめている。実施例3および4で製造されたゴム組成物は本発明の範囲内、比較例E〜Hで製造されたゴム組成物は本発明の範囲外のものである。
【0062】
【表9−1】


【表9−2】


【表9−3】

【0063】
上記の結果から、実施例3および4で製造された、高分子量の二硫化チウラム、窒素含有化合物および酸化ポリアルキレンを含有するゴム組成物(本発明の範囲内の組成物)は、以下に示す比較例で製造されたゴム組成物(本発明の範囲外の組成物)に比べて同等以上の性能を有していることが分かる。比較例E:カーボンブラックを含有する組成物;比較例F:ジフェニルグアニジンのみを含有し、酸化ポリアルキレン、窒素含有化合物および二硫化チウラムを含有していない組成物;ならびに比較例GおよびH:高分子量の二硫化チウラムおよび酸化ポリアルキレンを含有するが窒素含有化合物を含有していない組成物。例えば、実施例3および4で製造されたゴム組成物のタンジェントデルタ値は比較例E〜Gでのゴム組成物の値に比べて相当低かった。
【0064】
更に、実施例3および4で製造されたゴム組成物の摩耗指数は比較例Eでのゴム組成物の値と同等であり、相違は実験誤差範囲内である。実施例3および4で製造されたゴム組成物の硬化速度も比較例Eでのゴム組成物の値に比べて相当高かった。
【0065】
更に、実施例3および4で製造されたゴム組成物の弾性率、引張強さおよび硬度は、比較例E〜Hでのゴム組成物の値と同等であった。このように、0.5phrのジフェニルグアニジンを0.25phrのテトラアルキル(炭素数:12〜14)二硫化チウラムに代えることにより、ゴム組成物の転がり抵抗は他の物理性状を犠牲にすることなく相当向上し、従って経済的なコスト利益が実現する。
【0066】
(比較例I〜Lならびに実施例5および6)
表IX、XおよびXIに示す成分(その濃度はゴム100重量部当たりの重量部)を使用して、実施例1および2で概説した方法によりいくつかの種類のゴム組成物を形成した。
【0067】
【表10】

【0068】
【表11】

【0069】
【表12】

【0070】
(結果)
上記で製造された混合物をシート状に広げた後に切断して硬化した。これらのサンプルを表XIIに示す時間および温度の条件下で硬化した後、それらの物理性状を評価した。その結果を下記の表XIIにまとめている。実施例5および6で製造されたゴム組成物は本発明の範囲内、比較例I〜Lで製造されたゴム組成物は本発明の範囲外のものである。
【0071】
【表13−1】


【表13−2】


【表13−3】

【0072】
上記の結果から、実施例5および6で製造された、高分子量の二硫化チウラム、窒素含有化合物および酸化ポリアルキレンを含有するゴム組成物(本発明の範囲内の組成物)は、以下に示す比較例で製造されたゴム組成物(本発明の範囲外の組成物)に比べて同等以上の性能を有していることが分かる。比較例I:カーボンブラックを含有する組成物;比較例J:ジフェニルグアニジンのみを含有し、酸化ポリアルキレン、窒素含有化合物および二硫化チウラムを含有していない組成物;ならびに比較例KおよびL:高分子量の二硫化チウラムおよび酸化ポリアルキレンを含有するが窒素含有化合物を含有していない組成物。例えば、実施例5および6で製造されたゴム組成物のタンジェントデルタ値は比較例I〜Lでのゴム組成物の値に比べて相当低かった。
【0073】
更に、実施例5で製造されたゴム組成物の摩耗指数は比較例Iでのゴム組成物の値に比べて相当低かった。実施例6で製造されたゴム組成物の硬化速度は比較例I〜Lでのゴム組成物の値に比べて相当高かった。
【0074】
更に、実施例5および6で製造されたゴム組成物の弾性率、引張強さおよび硬度は、比較例I〜Lでのゴム組成物の値と同等であった。このように、0.5phrのジフェニルグアニジンを0.25phrのテトラアルキル(炭素数:12〜14)二硫化チウラムに代えることにより、ゴム組成物の転がり抵抗は他の物理性状を犠牲にすることなく相当向上し、従って経済的なコスト利益が実現する。
【0075】
(比較例M〜Qならびに実施例7)
表XII、XIVおよびXVに示す成分(その濃度はゴム100重量部当たりの重量部)を使用して、実施例1および2で概説した方法によりいくつかの種類のゴム組成物を形成した。
【0076】
【表14】

【0077】
【表15】

【0078】
【表16】

【0079】
(結果)
上記で製造された混合物をシート状に広げた後に切断して硬化した。これらのサンプルを表XVIに示す時間および温度の条件下で硬化した後、それらの物理性状を評価した。その結果を下記の表XVIにまとめている。実施例7で製造されたゴム組成物は本発明の範囲内、比較例M〜Qで製造されたゴム組成物は本発明の範囲外のものである。
【0080】
【表17−1】


【表17−2】


【表17−3】

【0081】
上記の結果から、実施例7で製造された、高分子量の二硫化チウラム、窒素含有化合物および酸化ポリアルキレンを含有するゴム組成物(本発明の範囲内の組成物)は、以下に示す比較例で製造されたゴム組成物(本発明の範囲外の組成物)に比べて同等以上の性能を有していることが分かる。比較例M:カーボンブラックを含有する組成物;比較例N:ジフェニルグアニジンのみを含有し、酸化ポリアルキレン、窒素含有化合物および二硫化チウラムを含有していない組成物;比較例OおよびP:高分子量の二硫化チウラムおよび高分子量の酸化ポリアルキレンを含有するが窒素含有化合物を含有していない組成物;ならびに比較例Q:酸化ポリアルキレンおよび高分子量の二硫化チウラムを含有するが窒素含有化合物を含有していない組成物。実施例7で製造されたゴム組成物のタンジェントデルタ値は比較例M〜Qでのゴム組成物の値に比べて相当低かった。
【0082】
更に、実施例7で製造されたゴム組成物(劣化処理後)の摩耗指数は比較例M〜Nでのゴム組成物の値に比べてわずかに低かった。実施例7で製造されたゴム組成物の硬化速度は比較例M〜Qでのゴム組成物の値に比べて相当高かった。
【0083】
更に、実施例7で製造されたゴム組成物の弾性率、引張強さおよび硬度は、比較例M〜Qでのゴム組成物の値と同等であった。このように、0.5phrのジフェニルグアニジンを0.40phrのテトラアルキル(炭素数:12〜14)二硫化チウラムに代えることにより、ゴム組成物の転がり抵抗は他の物理性状を犠牲にすることなく相当向上し、従って経済的なコスト利益が実現する。
【0084】
(比較例Rおよび実施例8〜12)
表XVII、XVIIIおよびXIXに示す成分(その濃度はゴム100重量部当たりの重量部)を使用して、実施例1および2で概説した方法によりいくつかの種類のゴム組成物を形成した。
【0085】
【表18】

【0086】
【表19】

【0087】
【表20】

【0088】
(結果)
上記で製造された混合物をシート状に広げた後に切断して硬化した。これらのサンプルを表XXに示す時間および温度の条件下で硬化した後、それらの物理性状を評価した。その結果を下記の表XXにまとめている。実施例8〜12で製造されたゴム組成物は本発明の範囲内、比較例Rで製造されたゴム組成物は本発明の範囲外のものである。
【0089】
【表21−1】


【表21−2】


【表21−3】

【0090】
上記の結果から、実施例8〜12で製造された、高分子量の二硫化チウラム、窒素含有化合物および酸化ポリアルキレンを含有するゴム組成物(本発明の範囲内の組成物)は、カーボンブラックを含有する比較例Rで製造されたゴム組成物(本発明の範囲外の組成物)に比べて同等以上の性能を有していることが分かる。実施例8〜12で製造されたゴム組成物のタンジェントデルタ値は比較例Rでのゴム組成物の値に比べて相当低かった。
【0091】
更に、実施例8〜10で製造されたゴム組成物の摩耗指数は比較例Rでのゴム組成物の値に比べてわずかに低く、また実施例11〜12で製造されたゴム組成物の摩耗指数は比較例Rでのゴム組成物の値に比べて相当低かった。実施例8〜12で製造されたゴム組成物の硬化速度は比較例Rでのゴム組成物の値に比べて相当高かった。
【0092】
このように、窒素含有の化合物をテトラアルキル(炭素数:12〜14)二硫化チウラムと共に添加することにより、ゴム組成物の転がり抵抗は他の物理性状を犠牲にすることなく相当向上し、従って経済的なコスト利益が実現する。
【0093】
(比較例S〜Tおよび実施例13〜16)
表XXI、XXIIおよびXXIIに示す成分(その濃度はゴム100重量部当たりの重量部)を使用して、実施例1および2で概説した方法によりいくつかの種類のゴム組成物を形成した。
【0094】
【表22】

【0095】
【表23】

【0096】
【表24】

【0097】
(結果)
上記で製造された混合物をシート状に広げた後に切断して硬化した。これらのサンプルを表XXIVに示す時間および温度の条件下で硬化した後、それらの物理性状を評価した。その結果を下記の表XXIVにまとめている。実施例13〜16で製造されたゴム組成物は本発明の範囲内、比較例S〜Tで製造されたゴム組成物は本発明の範囲外のものである。
【0098】
【表25−1】


【表25−2】


【表25−3】

【0099】
上記の結果から、実施例13〜16で製造された、高分子量の二硫化チウラム、窒素含有化合物および酸化ポリアルキレンを含有するゴム組成物(本発明の範囲内の組成物)は、以下に示す比較例で製造されたゴム組成物(本発明の範囲外の組成物)に比べて同等以上の性能を有していることが分かる。比較例S:カーボンブラックを含有する組成物;および比較例T:ジフェニルグアニジンを含有する組成物。実施例14〜16で製造されたゴム組成物のタンジェントデルタ値は比較例SおよびTでのゴム組成物の値に比べて相当低かった。また実施例15および16で製造されたゴム組成物の硬化速度は比較例SおよびTでのゴム組成物の値に比べて相当高かった。
【0100】
更に、実施例13〜16で製造されたゴム組成物の弾性率、引張強さおよび硬度は、比較例SおよびTでのゴム組成物の値と同等であった。このように、窒素含有の化合物とテトラアルキル(炭素数:12〜14)二硫化チウラムを用いてゴム組成物を製造することにより、同ゴム組成物の転がり抵抗は他の物理性状を犠牲にすることなく相当向上し、従って経済的なコスト利益が実現する。
【0101】
以上、本発明をある程度の特異性を有する好ましい態様で説明してきたが、明らかにこれらに対して多くの変更を加えることは可能であり、またこのような変更は本明細書を読んだ当業界の熟練者には明らかであろう。従って、本発明はその精神および範囲を逸脱することなくここで言及している以外の事柄によってでも提起できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ゴム成分;(b)シリカ充填剤;(c)カップリング剤;(d)カルボン酸アミド、ヒドロカルビルモノアミン、ヒドロカルビルポリアミン、ヒドロキシ置換ヒドロカルビルモノアミン、ヒドロキシ置換ヒドロカルビルポリアミン、マンニッヒ塩基、ホスホノアミド、チオホスホノアミド、ホスホルアミドおよびこれらの混合物の群から選ばれる窒素含有化合物;ならびに(e)少なくとも約400の分子量を有する二硫化チウラム:を含有するゴム組成物。
【請求項2】
(a)ゴム成分;(b)シリカ充填剤;(c)カップリング剤;(d)ポリアルキレンオキサイド、有機酸、ならびにカルボン酸アミド、ヒドロカルビルモノアミン、ヒドロカルビルポリアミン、ヒドロキシ置換ヒドロカルビルモノアミン、ヒドロキシ置換ヒドロカルビルポリアミン、マンニッヒ塩基、ホスホノアミド、チオホスホノアミド、ホスホルアミドおよびこれらの混合物の群から選ばれる窒素含有化合物、を含む混合物;ならびに(e)少なくとも約400の分子量を有する二硫化チウラム:を含有する請求項1のゴム組成物。
【請求項3】
該ゴム成分が天然ゴム、共役ジオレフィンの単独重合体、共役ジオレフィンとエチレン系不飽和モノマーの共重合体およびこれらの混合物の群から選ばれることを特徴とする請求項1のゴム組成物。
【請求項4】
該ゴム成分が天然ゴム、シスポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、スチレン−イソプレン共重合体、イソプレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン三重合体、ポリクロロプレン、クロロ−イソブテン−イソプレン、ニトリル−クロロプレン、スチレン−クロロプレン、ポリ(アクリロニトリル−ブタジエン)およびエチレン−プロピレン−ジエン三重合体の群から選ばれることを特徴とする請求項1のゴム組成物。
【請求項5】
該シリカ充填剤がシリカ、沈降シリカ、非晶質シリカ、石英ガラス、フュームド・シリカ、溶融石英、合成ケイ酸塩、アルカリ土類金属ケイ酸塩、高度に分散されたケイ酸塩およびこれらの混合物の群から選ばれることを特徴とする請求項1のゴム組成物。
【請求項6】
該カップリング剤が硫黄含有のカップリング剤であることを特徴とする請求項1のゴム組成物。
【請求項7】
該硫黄含有のカップリング剤が以下の一般式:
【化1】


(ここで、Zは以下の群から選択される):
【化2】


(ここで、Rは炭素数が1〜4のアルキル基、シクロヘキシル基あるいはフェニル基;Rは炭素数が1〜8のアルコキシあるいは炭素数が5〜8のシクロアルコキシ;RおよびRは各々炭素数が1〜18の二価の炭化水素;およびnは約2〜8の整数である)で表されることを特徴とする請求項6のゴム組成物。
【請求項8】
該窒素含有化合物がヒドロカルビルモノアミンおよびヒドロカルビルポリアミンの群から選ばれることを特徴とする請求項1のゴム組成物。
【請求項9】
該窒素含有化合物がヒドロカルビルモノアミンであることを特徴とする請求項8のゴム組成物。
【請求項10】
該ヒドロカルビルモノアミンがアルキルアミンあるいはアルキルジアミンであることを特徴とする請求項9のゴム組成物。
【請求項11】
該ポリアルキレンオキサイドがジメチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリブチレンオキサイドおよびこれらの混合物の群から選ばれることを特徴とする請求項2のゴム組成物。
【請求項12】
該有機酸が分岐、直鎖あるいは環状のアルカン酸、アルケン酸あるいはアルキン酸;1個以上のカルボン酸基を有するアリール、アルキルあるいはアリール有機酸;およびこれらの混合物の群から選ばれることを特徴とする請求項2のゴム組成物。
【請求項13】
該有機酸が1分子当たりの炭素数2〜約20の脂肪族カルボン酸、ならびに炭素数6〜約24の芳香族および脂環族カルボン酸の群から選ばれることを特徴とする請求項12のゴム組成物。
【請求項14】
該二硫化チウラムが以下の一般式:
【化3】


(ここで、R、R、RおよびRは各々同じでも異なっていてもよい炭素数が約4〜30の炭化水素であり、1種以上の複素環基を有していてもよい;あるいは、RおよびRおよび/あるいはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と共に複素環基を形成してもよく、1種以上の追加的な複素環基を有していてもよい)で表されることを特徴とする請求項1のゴム組成物。
【請求項15】
該R、R、RおよびRが各々同じでも異なっていてもよい炭素数が約8〜18の炭化水素であることを特徴とする請求項9のゴム組成物。
【請求項16】
該R、R、RおよびRが各々同じでも異なっていてもよい炭素数が12〜14の炭化水素であることを特徴とする請求項9のゴム組成物。
【請求項17】
タイヤ・トレッド、エンジン・マウント、ゴム・ブッシング、パワー・ベルト、印刷ロール、ゴム製の靴ヒールおよび靴底、ゴム製の床タイル、キャスター用車輪、エラストマー製のシールおよびガスケット、コンベヤー・ベルトのカバー、硬質ゴム製の電池ケース、車両用床マット、トラック用の泥よけ、ボール・ミルのライニング、ワイパー・ブレードの群から選ばれる、請求項1のゴム組成物を含有する製品。

【公表番号】特表2007−509226(P2007−509226A)
【公表日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536696(P2006−536696)
【出願日】平成16年10月13日(2004.10.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/034415
【国際公開番号】WO2005/040264
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(502054912)ユニロイヤル ケミカル カンパニー インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】