説明

ゴム組成物の製造方法

【課題】シランカップリング剤のカップリング機能の活性低減を好適に抑制し、より低発熱となるゴム組成物を得ることが可能なゴム組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、無機充填材(B)を含む充填材、特定のシランカップリング剤(C)及びグアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類から選択される少なくとも一種の加硫促進剤(D)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、該シランカップリング剤(C)の全部又は一部及び該加硫促進剤(D)を加えて混練し、且つ該第一段階におけるゴム組成物中の有機酸化合物(E)の分子数Xが該加硫促進剤(D)の分子数Yに対して特定の関係にあることを特徴とするゴム組成物の製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低発熱性を向上する、無機充填材を含むゴム組成物の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出の規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に関する要求が高まりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗の低減が求められている。従来、タイヤの転がり抵抗を減少する手法として、タイヤ構造を最適化する手法も検討されてきたが、タイヤに適用するゴム組成物としてより発熱性の低いゴム組成物を用いることが、現在、最も一般的な手法として行われている。
このような発熱性の低いゴム組成物を得る方法として、充填材としてシリカ等の無機充填材を使用する方法が知られている。
しかし、無機充填材配合ゴム組成物において、シリカ等の無機充填材を配合する際には、無機充填材、特にシリカはゴム組成物中で凝集してしまうため(シリカ表面の水酸基が原因で凝集してしまうため)、凝集を防止するためにシランカップリング剤が用いられる。
従って、シランカップリング剤を配合して上記問題を好適に解決するために、シランカップリング剤のカップリング機能の活性を高める目的で種々の試みがなされている。
【0003】
例えば、特許文献1では、基本成分として、少なくとも(i)1種のジエンエラストマー、(ii)補強性充填剤として白色充填剤、(iii)カップリング剤(白色充填剤/ジエンエラストマー)としてポリ硫化アルコキシシランを、(iv)エナミン及び(v)グアニジン誘導体と一緒に含むゴム組成物が提案されている。
また、特許文献2では、基本成分として、少なくとも(i)1種のジエンエラストマー、(ii)補強性充填剤として白色充填剤、(iii)カップリング剤(白色充填剤/ジエンエラストマー)としてポリ硫化アルコキシシランを、(iv)ジチオリン酸亜鉛及び(v)グアニジン誘導体と一緒に含むゴム組成物が開示されている。
特許文献3では、少なくとも、(i) ジエンエラストマー、(ii) 強化充填剤としての無機充填剤、(iii)(無機充填剤/ジエンエラストマー)カップリング剤としての多硫化アルコキシシラン(PSAS)をベースとし、(iv) アルジミン(R−CH=N−R)及び(v) グアニジン誘導体とが併用されているゴム組成物が記載されている。
さらに、特許文献4では、少なくとも:(i)ジエンエラストマー、(ii)補強フィラーとしての無機フィラー、(iii)カップリング剤としての多硫化アルコキシシランに基づき、(iv)1,2-ジヒドロピリジン及び(v)グアニジン誘導体を伴うゴム組成物が提案されている。
しかしながら、これらの発明は、混練条件についての考慮がなされていなかった。
また、混練条件を考慮して、シランカップリング剤のカップリング機能の活性を高める例としては、特許文献5が挙げられるが、シランカップリング剤のカップリング機能の活性を高める効果が他の配合剤により低減することを抑制する考慮がなされていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2002−521515号公報
【特許文献2】特表2002−521516号公報
【特許文献3】特表2003−530443号公報
【特許文献4】特表2003−523472号公報
【特許文献5】国際公開2008/123306号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような状況下で、シランカップリング剤のカップリング機能の活性低減を好適に抑制し、カップリング機能の活性をさらに高めて、好適に低発熱となるゴム組成物を得ることが可能なゴム組成物の製造方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために、混練工程の第一段階において、ゴム成分と、無機充填材の全部又は一部と、シランカップリング剤の全部又は一部と、グアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類から選択される少なくとも一種の加硫促進剤とを配合し、種々実験を進めた結果、グアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類から選択される少なくとも一種の加硫促進剤を配合した場合であっても、カップリング機能の活性を高める効果が高い場合と低い場合が存在することを見出した。そして、効果を高める要因を種々実験的に解析した結果、カップリング機能の活性を高めるようにするためには、有機酸化合物の配合量とグアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類から選択される少なくとも一種の加硫促進剤の配合量とを特定の関係にすれば良いことを実験的に知見して、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、無機充填材(B)を含む充填材、下記一般式(1)で表されるシランカップリング剤(C)及びグアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類から選択される少なくとも一種の加硫促進剤(D)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、該シランカップリング剤(C)の全部又は一部及び該加硫促進剤(D)を加えて混練し、且つ該第一段階におけるゴム組成物中の有機酸化合物(E)の分子数Xが該加硫促進剤(D)の分子数Yに対して下記式(2)の関係にあることを特徴とするゴム組成物の製造方法である。
【0007】
【化1】

{式中、R1は炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、Gは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜9のアルカンジイル基又はアルケンジイル基であり、Zaは同一でも異なっていても良く、各々二つの珪素原子と結合することのできる基で、且つ [−0−]0.5、[−0−G−]0.5又は[−O−G−O−] 0.5から選ばれる基であり、Zbは同一でも異なっていても良く、各々二つの珪素原子と結合することのできる基で、且つ [−O−G−O−] 0.5で表される官能基であり、Zcは同一でも異なっていても良く、各々−Cl、−Br、−ORa、RaC(=O)O−、RabC=NO−、RabN−、Ra−、HO−G−O−(Gは上記表記と一致する。)で表される官能基であり、Ra及びRbは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基である。m、n、u、v、wは同一でも異なっていても良く、1≦m≦20、0≦n≦20、0≦u≦3、0≦v≦2、0≦w≦1であり、且つ(u/2)+v+2w=2又は3である。A部が複数である場合、複数のA部におけるZau、Zbv及びZcwそれぞれにおいて、同一でも異なっていても良く、B部が複数である場合、複数のB部におけるZau、Zbv及びZcwそれぞれにおいて、同一でも異なっても良い。}
0≦X≦1.5×Y ・・・(2)
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、シランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性低減を好適に抑制し、カップリング機能の活性をさらに高めて、低発熱性に優れたゴム組成物を得ることが可能であるゴム組成物の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に係る式(2)の臨界回帰式を示すグラフである。Xは混練の第一段階におけるゴム組成物中の有機酸化合物(E)の分子数であり、Yはそのゴム組成物中の加硫促進剤(D)の分子数である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明のゴム組成物の製造方法は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、無機充填材(B)を含む充填材、上記一般式(1)で表されるシランカップリング剤(C)及びグアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類から選択される少なくとも一種の加硫促進剤(D)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、該シランカップリング剤(C)の全部又は一部及び該加硫促進剤(D)を加えて混練し、且つ該第一段階におけるゴム組成物中の有機酸化合物(E)の分子数Xが該加硫促進剤(D)の分子数Yに対して下記式(2)の関係にあることを特徴とする。
0≦X≦1.5×Y ・・・(2)
本発明において、混練の第一段階で加硫促進剤(D)を加えて混練するのは、シランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性を高めるためであり、混練の第一段階におけるゴム組成物中の有機酸化合物(E)の分子数(モル数)Xを加硫促進剤(D)の分子数(モル数)Yの1.5倍以下とするのは、加硫促進剤(D)配合によるカップリング機能の活性向上効果が低減するのを好適に抑制するためである。
【0011】
上記のシランカップリング剤(C)のカップリング機能の活性をより好適に高めるためには、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度が、120〜190℃であることが好ましく、130〜175℃であることがより好ましく、140〜170℃であることがさらに好ましい。
【0012】
本発明におけるゴム組成物の混練工程は、加硫促進剤(D)を除くその他の加硫剤等を含まない混練の第一段階と、加硫剤等を含む混練の最終段階の少なくとも2つの段階を含むものであり、必要に応じ、加硫促進剤(D)を除くその他の加硫剤等を含まない混練の中間段階を含んでも良い。ここで、加硫剤等とは、加硫剤及び加硫促進剤をいう。
なお、本発明における混練の第一段階とは、ゴム成分(A)と無機充填材(B)とシランカップリング剤(C)とを混練する最初の段階をいい、最初の段階でゴム成分(A)と無機充填材(B)以外の充填材とを混練する場合やゴム成分(A)のみを予備練りする場合の段階は含まれない。
【0013】
[シランカップリング剤(C)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるシランカップリング剤(C)は、上記一般式(1)で表わされる化合物からなり、下記化学式(3)〜(5)のいずれかで表される化合物であることが好ましい。
【0014】
【化2】

【0015】
【化3】

【0016】
【化4】

式中、Lはそれぞれ独立して炭素数1〜9のアルカンジイル基又はアルケンジイル基であり、x=m、y=nである。ここで、m及びnは、上記一般式(1)におけるm及びnである。
【0017】
化学式(3)で表されるシランカップリング剤としては、Momentive Performance Materials社製、商標「NXT Low−V Silane」、が市販品として入手できる。
また、化学式(4)で表されるシランカップリング剤としては、Momentive Performance Materials社製、商標「NXT Ultra Low−V Silane」、が同様に市販品として入手することができる。
更に、化学式(5)で表されるシランカップリング剤としては、Momentive Performance Materials社製、商標、「NXT−Z」として挙げることができる。
化学式(3)、(4)及び(5)で得られるシランカップリング剤はアルコキシシラン炭素数が多いため、揮発性化合物VOC(特にアルコール)の発生が少なく、作業環境上好ましく、より低発熱性の良好な空気入りタイヤを与えることができる。
また、化学式(5)のシランカップリング剤はタイヤ性能として更に低発熱性を与えることができるので好ましい。
【0018】
本発明においては、シランカップリング剤(C)は一種を単独で用いても良く、二種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明に係るゴム組成物のシランカップリング剤(C)の配合量は、無機充填材の1〜20質量%であることが好ましい。1質量%未満ではゴム組成物の低発熱性向上の効果が発揮しにくくなり、20質量%を超えると、ゴム組成物のコストが過大となり、経済性が低下するからである。更には無機充填材の3〜20質量%であることがより好ましく、無機充填材の4〜10質量%であることが特に好ましい。
【0019】
[加硫促進剤(D)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる加硫促進剤(D)として、グアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類が挙げられる。
グアニジン類としては、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン、1−o−トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ−o−トリルグアニジン塩、1,3−ジ−o−クメニルグアニジン、1,3−ジ−o−ビフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−クメニル−2−プロピオニルグアニジン等が挙げられ、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン及び1−o−トリルビグアニドは反応性が高いのでより好ましく、1,3−ジフェニルグアニジンはさらに反応性が高いので特に好ましい。
スルフェンアミド類としては、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられ、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及びN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドは反応性が高いのでより好ましい。
チアゾール類としては2−メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール亜鉛塩、2−メルカプトベンゾチアゾールシクロヘキシルアミン塩、2−メルカプトベンゾチアゾールナトリウム塩、2(4−モルホリニルジチオ)ベンゾチアゾール等が挙げられ、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド及び2−メルカプトベンゾチアゾールは反応性が高いのでより好ましい。
【0020】
本発明に係る混練の第一段階において、加硫促進剤(D)の分子数(モル数)がシランカップリング剤(C)の分子数(モル数)の0.1〜1.0倍であることが好ましい。0.1倍以上であればシランカップリング剤(C)の活性化が十分に起こり、1.0倍以下であれば加硫速度に大きな影響は与えないからである。更に好ましくは、該加硫促進剤(D)の分子数(モル数)はシランカップリング剤(C)の分子数(モル数)の0.3〜1.0倍である。
【0021】
さらに、前記第一段階における加硫促進剤(D)の投入方法として、ゴム成分(A)、無機充填材(B)の全部又は一部及びシランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練した後に加硫促進剤(D)を加えて、さらに混練することが好ましい。この投入方法により、シランカップリング剤(C)とシリカとの反応が十分に進行した後に、シランカップリング剤(C)とゴム成分(A)との反応を進行させることができるからである。
混練の第一段階で、該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、及び該シランカップリング剤(C)の全部又は一部を加えた後、該第一段階の途中で該加硫促進剤(D)を加えるまでの時間を10〜180秒とすることが好ましい。この時間の下限値は、30秒以上であることがより好ましく、上限値は、150秒以下であることがより好ましく、120秒以下であることが更に好ましい。この時間が10秒以上であれば(B)と(C)の反応を十分に進行させることができる。この時間が180秒を超えても(B)と(C)の反応は既に十分に進行しているので、更なる効果は享受しにくく、上限値を180秒とすることが好ましい。
【0022】
また、混練の第一段階におけるゴム組成物中の加硫促進剤(D)の分子数がシランカップリング剤(C)の分子数の0.1〜1倍であることが好ましい。0.1倍以上であればシランカップリング剤(C)の活性化が十分に起こり、1倍以下であれば加硫速度に大きな影響は与えないからである。更に好ましくは、加硫促進剤(D)の分子数(モル数)はシランカップリング剤(C)の分子数(モル数)の0.4〜1.0倍である。
なお、加硫促進剤(D)は、硫黄加硫の促進剤としても用いられるので、混練の最終段階においても所望により適量を配合しても良い。
【0023】
[有機酸化合物]
本発明における有機酸化合物としては、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、カプリン酸、ペラルゴン酸、カプリル酸、エナント酸、カプロン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ネルボン酸等の飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸並びにロジン酸や変性ロジン酸等の樹脂酸などの有機酸、前記飽和脂肪酸及び前記不飽和脂肪酸並びに樹脂酸のアルカリ金属塩又はエステルなどが挙げられる。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が好ましい。
本発明においては、加硫促進助剤としての機能を十分に発揮する必要があることから有機酸化合物中の50モル%以上がステアリン酸であることが好ましい。
また、ゴム成分(A)の一部又は全部として乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体を用いる場合は、有機酸化合物中の50モル%以上が乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体に含まれるロジン酸(変性ロジン酸も包含される。)及び/又は脂肪酸であることが、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体を重合するのに必要な乳化剤の観点から好ましい。
【0024】
[ゴム成分(A)]
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられるゴム成分(A)の合成ジエン系ゴムとしては、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン-プロピレン−ジエン三元共重合体ゴム(EPDM)等を用いることができ、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムは、1種単独でも、2種以上のブレンドとして用いても良い。
【0025】
本発明のゴム組成物の製造方法に用いられる無機充填材(B)は、シリカ及び下記一般式(6)で表される無機化合物を用いることができる。
dM1・xSiOy・zH2O ・・・(6)
ここで、一般式(6)中、M1は、アルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム、及びジルコニウムからなる群から選ばれる金属、これらの金属の酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はこれらの金属の炭酸塩から選ばれる少なくとも一種であり、d、x、y及びzは、それぞれ1〜5の整数、0〜10の整数、2〜5の整数、及び0〜10の整数である。
尚、一般式(6)において、x、zがともに0である場合には、該無機化合物はアルミニウム、マグネシウム、チタン、カルシウム及びジルコニウムから選ばれる少なくとも1つの金属、金属酸化物又は金属水酸化物となる。
【0026】
本発明においては、上述の無機充填材(B)の内、低転がり性と耐摩耗性の両立の観点からシリカが好ましい。シリカとしては市販のあらゆるものが使用でき、なかでも湿式シリカ、乾式シリカ、コロイダルシリカを用いるのが好ましく、湿式シリカを用いるのが特に好ましい。シリカのBET比表面積(ISO 5794/1に準拠して測定する)は40〜350m2/gであるのが好ましい。BET表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。この観点から、BET表面積が80〜350m2/gの範囲にあるシリカが更に好ましく、BET表面積が120〜350m2/gの範囲にあるシリカが特に好ましい。このようなシリカとしては東ソーシリカ社製、商品名「ニプシルAQ」(BET比表面積 =220m2/g)、「ニプシルKQ」、デグッサ社製商品名「ウルトラジルVN3」(BET比表面積 =175m2/g)等の市販品を用いることができる。
【0027】
前記一般式(6)で表わされる無機化合物としては、γ−アルミナ、α−アルミナ等のアルミナ(Al23)、ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O)、ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3]、炭酸アルミニウム[Al2(CO32]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5 、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2・SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO32]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩などが使用できる。また、前記一般式(6)中のM1がアルミニウム金属、アルミニウムの酸化物又は水酸化物、及びそれらの水和物、又はアルミニウムの炭酸塩から選ばれる少なくとも一つである場合が好ましい。
一般式(6)で表されるこれらの無機化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。これらの無機化合物の平均粒径は、混練作業性、耐摩耗性及びウェットグリップ性能のバランスなどの観点から、0.01〜10μmの範囲が好ましく、0.05〜5μmの範囲がより好ましい。
本発明における無機充填材(B)は、シリカ単独で使用しても良いし、シリカと一般式(6)で表される無機化合物の1種以上とを併用しても良い。
【0028】
本発明に係るゴム組成物の充填材は、所望により、上述の無機充填材(B)に加えてカーボンブラックを含有しても良い。カーボンブラックを含有することにより、電気抵抗を下げて帯電を抑止する効果を享受できる。このカーボンブラックとしては、特に制限はなく、例えば高、中又は低ストラクチャーのSAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEF、GPF、SRFグレードのカーボンブラック、特にSAF、ISAF、IISAF、N339、HAF、FEFグレードのカーボンブラックを用いるのが好ましい。窒素吸着比表面積(N2SA、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定する)が30〜250m2/gであることが好ましい。このカーボンブラックは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明において、カーボンブラックは無機充填材(B)に含まれない。
【0029】
本発明に係るゴム組成物の無機充填材(B)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜120質量部使用することが好ましい。20質量部以上であれば、ウエット性能を確保する観点から好ましく、120質量部以下であれば、転がり抵抗低減の観点から好ましい。更には、30〜100質量部使用することがより好ましい。
また、本発明に係るゴム組成物の充填材は、ゴム成分(A)100質量部に対して、20〜150質量部使用することが好ましい。20質量部以上であれば、ゴム組成物の補強性向上の観点から好ましく、150質量部以下であれば、転がり抵抗低減の観点から好ましい。
前記充填材中、無機充填材(B)が40質量%以上であることがウェット性能と転がり抵抗の両立の観点から好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。
【0030】
本発明のゴム組成物の製造方法において、通常、ゴム組成物に配合される亜鉛華等の加硫活性剤、老化防止剤等の各種配合剤は、必要に応じ、混練の第一段階又は最終段階、あるいは第一段階と最終段階の中間段階において混練りされる。
本発明の製造方法における混練装置として、バンバリーミキサー、ロール、インテンシブミキサー等が用いられる。
【実施例】
【0031】
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、低発熱性(tanδ指数)を下記の方法により評価した。
【0032】
低発熱性(tanδ指数)
粘弾性測定装置(レオメトリックス社製)を使用し、温度60℃、歪み5%、周波数15Hzでtanδを測定した。基準となる加硫ゴム組成物のtanδの逆数を100として下記式にて指数表示した。指数値が大きい程、低発熱性であり、ヒステリシスロスが小さいことを示す。
低発熱性指数={(基準となる加硫ゴム組成物のtanδ)/(供試加硫ゴム組成物のtanδ)}×100
【0033】
実施例1〜24及び比較例1〜31
第1表に示す配合処方及び混練方法により、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度がいずれも150℃になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、55種類のゴム組成物を調製した。比較例1及び2以外の全てのゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、無機充填材(B)の全部及びシランカップリング剤(C)を混練した後に、加硫促進剤(D)としてグアニジン類である1,3−ジフェニルグアニジンを加えて、さらに混練した。得られた55種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第1表に示す。
【0034】
【表1】

【0035】
【表2】

【0036】
【表3】

【0037】
[注]
*1: JSR株式会社製、乳化重合SBR、商品名「#1500」
*2: 旭化成株式会社製、溶液重合SBR、商品名「タフデン2000」
*3: 旭カーボン株式会社製、商品名「#80」
*4: 東ソーシリカ株式会社製、ニップシールAQ、 BET表面積220m2/g
*5: 上記化学式(5)で表されるシランカップリング剤、Momentive Performance Materials社製、商品名「NXT−Z」(登録商標)
*6: 3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン Momentive Performance Materials社製、商品名「NXTシラン」(登録商標)
*7: N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック6C」
*8: 1,3−ジフェニルグアニジン、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーD」
*9: 2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクラック224」
*10: ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーDM」
*11: N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、三新化学工業株式会社製、商品名「サンセラーNS」
*12: 上記化学式(3)で表されるシランカップリング剤、Momentive Performance Materials社製、商品名「NXT Low−V Silane」(登録商標)
*13: 上記化学式(4)で表されるシランカップリング剤、Momentive Performance Materials社製、商品名「NXT Ultra Low−V Silane」(登録商標)
【0038】
実施例25〜28及び比較例32
次に、第2表に示す配合処方及び混練方法により、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度がいずれも150℃になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、5種類のゴム組成物を調製した。全てのゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、無機充填材(B)の全部及びシランカップリング剤(C)を混練した後に、加硫促進剤(D)としてグアニジン類である1,3−ジフェニルグアニジンを加えて、さらに混練した。得られた5種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第2表に示す。なお、比較のため、実施例1、6及び比較例1、3を再掲した。
【0039】
【表4】

[注]*1〜*13のいずれも第1表と同じである。
【0040】
実施例29及び30並びに比較例33及び34
第3表に示す配合処方及び混練方法により、バンバリーミキサーで混練して、6種類のゴム組成物を調製した。混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度がいずれも150℃になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、4種類のゴム組成物を調製した。全てのゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、無機充填材(B)の全部及びシランカップリング剤(C)を混練した後に、加硫促進剤(D)としてグアニジン類である1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン又は1−o−トリルビグアニドを加えて、さらに混練した。得られた4種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第3表に示す。なお、比較のため、実施例1及び比較例2,3を再掲した。
【0041】
【表5】

[注]
*1〜*13のいずれも第1表と同じである。
*14: 大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーDT」
*15: 大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーBG」
【0042】
実施例31〜54及び比較例35〜47
第4表に示す配合処方及び混練方法により、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度がいずれも150℃になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、37種類のゴム組成物を調製した。全てのゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、無機充填材(B)の全部及びシランカップリング剤(C)を混練した後に、加硫促進剤(D)としてスルフェンアミド類であるN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドを加えて、さらに混練した。得られた37種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第4表に示す。なお、比較のため、比較例1及び2を再掲した。
【0043】
【表6】

【0044】
【表7】

【0045】
[注]
*1〜*13のいずれも第1表と同じである。
*16: 大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーCZ」
【0046】
実施例55〜59及び比較例48〜50
次に、第5表又は第6表に示す配合処方及び混練方法により、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度がいずれも150℃になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、8種類のゴム組成物を調製した。全てのゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、無機充填材(B)の全部及びシランカップリング剤(C)を混練した後に、加硫促進剤(D)としてスルフェンアミド類であるN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド又はN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドを加えて、さらに混練した。得られた8種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第5表及び第6表に示す。なお、比較のため、第5表においては、実施例31及び36並びに比較例1を再掲し、第6表においては、実施例31及び比較例2、48を再掲した。
【0047】
【表8】

[注]
*1〜*13のいずれも第1表と同じであり、*16は第4表と同じである。
【0048】
【表9】

[注]
*1〜*13のいずれも第1表と同じであり、*16は第4表と同じである。
【0049】
実施例60〜83及び比較例51〜63
第7表に示す配合処方及び混練方法により、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度がいずれも150℃になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、36種類のゴム組成物を調製した。全てのゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、無機充填材(B)の全部及びシランカップリング剤(C)を混練した後に、加硫促進剤(D)としてチアゾール類である2−メルカプトベンゾチアゾールを加えて、さらに混練した。得られた36種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第7表に示す。なお、比較のため、比較例1及び2を再掲した。
【0050】
【表10】

*1〜*13のいずれも第1表と同じである。
*17: 大内新興化学工業株式会社製、商品名「ノクセラーM」
【0051】
【表11】

【0052】
[注]
*1〜*13のいずれも第1表と同じであり、*17は第9表と同じである。
【0053】
実施例84〜88及び比較例64〜66
次に、第8表又は第9表に示す配合処方及び混練方法により、混練の第一段階におけるゴム組成物の最高温度がいずれも150℃になるように調整してバンバリーミキサーで混練し、5種類のゴム組成物を調製した。全てのゴム組成物の混練の第一段階において、ゴム成分(A)、無機充填材(B)の全部及びシランカップリング剤(C)を混練した後に、加硫促進剤(D)としてチアゾール類である2−メルカプトベンゾチアゾール又はジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドを加えて、さらに混練した。得られた5種類のゴム組成物の低発熱性(tanδ指数)を上記の方法により評価した。結果を第8表及び第9表に示す。なお、比較のため、第8表においては、比較例1を再掲し、第9表においては、実施例60及び84並びに比較例2及び34を再掲した。
【0054】
【表12】

[注]
*1〜*13のいずれも第1表と同じである。
【0055】
【表13】

[注]
*1〜*13のいずれも第1表と同じであり、*17は第9表と同じである。
**: ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドが分解して発生するチアゾールの分子数
【0056】
実施例1〜88及び比較例1〜66をグラフ上にプロットすることにより、本発明に係る臨界回帰式が得られた。図1に、得られた本発明に係る式[1]の臨界回帰式を示す。
第1〜9表及び図1から明らかなように、実施例1〜88のゴム組成物は、比較例1〜66中の対比すべきゴム組成物と比較して、いずれも低発熱性(tanδ指数)が良好であった。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明のゴム組成物の製造方法は、シランカップリング剤のカップリング機能の活性低減を好適に抑制し、カップリング機能の活性をさらに高めて、低発熱性に優れたゴム組成物を得ることができるので、乗用車用、小型トラック用、軽乗用車用、軽トラック用及び大型車両用(トラック・バス用、建設車両用等)等の各種空気入りタイヤの各部材、特に空気入りラジアルタイヤのトレッド用部材の製造方法として好適に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ゴム及び合成ジエン系ゴムから選ばれる少なくとも1種からなるゴム成分(A)、無機充填材(B)を含む充填材、下記一般式(1)で表されるシランカップリング剤(C)及びグアニジン類、スルフェンアミド類及びチアゾール類から選択される少なくとも一種の加硫促進剤(D)を含むゴム組成物の製造方法であって、該ゴム組成物を複数段階で混練し、混練の第一段階で該ゴム成分(A)、該無機充填材(B)の全部又は一部、該シランカップリング剤(C)の全部又は一部及び該加硫促進剤(D)を加えて混練し、且つ該第一段階におけるゴム組成物中の有機酸化合物(E)の分子数Xが該加硫促進剤(D)の分子数Yに対して下記式(2)の関係にあることを特徴とするゴム組成物の製造方法。
【化1】

{式中、R1は炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、Gは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜9のアルカンジイル基又はアルケンジイル基であり、Zaは同一でも異なっていても良く、各々二つの珪素原子と結合することのできる基で、且つ [−0−]0.5、[−0−G−]0.5又は[−O−G−O−] 0.5から選ばれる基であり、Zbは同一でも異なっていても良く、各々二つの珪素原子と結合することのできる基で、且つ [−O−G−O−] 0.5で表される官能基であり、Zcは同一でも異なっていても良く、各々−Cl、−Br、−ORa、RaC(=O)O−、RabC=NO−、RabN−、Ra−、HO−G−O−(Gは上記表記と一致する。)で表される官能基であり、Ra及びRbは同一でも異なっていても良く、各々炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基である。m、n、u、v、wは同一でも異なっていても良く、1≦m≦20、0≦n≦20、0≦u≦3、0≦v≦2、0≦w≦1であり、且つ(u/2)+v+2w=2又は3である。A部が複数である場合、複数のA部におけるZau、Zbv及びZcwそれぞれにおいて、同一でも異なっていても良く、B部が複数である場合、複数のB部におけるZau、Zbv及びZcwそれぞれにおいて、同一でも異なっても良い。}
0≦X≦1.5×Y ・・・(2)
【請求項2】
前記第一段階におけるゴム組成物の最高温度が、120〜190℃である請求項1に記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項3】
前記シランカップリング剤(C)が、下記化学式(3)〜(5)のいずれかで表される化合物である請求項1又は2に記載のゴム組成物の製造方法。
【化2】

【化3】

【化4】

[式中、Lはそれぞれ独立して炭素数1〜9のアルカンジイル基又はアルケンジイル基であり、x=m、y=nである。]
【請求項4】
前記無機充填材(B)がシリカである請求項1〜3のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項5】
前記充填材がカーボンブラックを含む請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項6】
前記充填材中、前記無機充填材(B)が40質量%以上である請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項7】
前記グアニジン類が、1,3−ジフェニルグアニジン、1,3−ジ−o−トリルグアニジン及び1−o−トリルビグアニドから選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項8】
前記スルフェンアミド類が、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド及び/又はN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドである請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物の製造法。
【請求項9】
前記チアゾール類が、2−メルカプトベンゾチアゾール及び/又はジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドである請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物の製造法。
【請求項10】
前記有機酸化合物中の50モル%以上がステアリン酸である請求項1〜9のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項11】
前記有機酸化合物中の50モル%以上が、乳化重合スチレン−ブタジエン共重合体に含まれるロジン酸及び/又は脂肪酸である請求項1〜10のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。
【請求項12】
前記第一段階において、前記ゴム成分(A)、前記無機充填材(B)の全部又は一部及び前記シランカップリング剤(C)の全部又は一部を混練した後に前記加硫促進剤(D)を加えて、さらに混練する請求項1〜11のいずれかに記載のゴム組成物の製造方法。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2012−77217(P2012−77217A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−224363(P2010−224363)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】