ゴム足取付構造およびプロジェクタ
【課題】外観面に孔などを設ける必要が無く、外観面に部品が露出しないようにゴム足を取り付け・保持可能なゴム足取付構造を提供する
【解決手段】略円筒型のボス孔30を備えるベース20bと、略円柱型の本体40dの外側面に形成されたフランジ40a1〜40a4によりボス孔30に対して圧入可能とされるゴム足40とを備え、ゴム足40の外側面に形成されたフランジ40a1〜40a4がボス孔30に接触し、フランジ40a1〜40a4が圧縮されつつボス孔30に対してゴム足40が挿入される。
【解決手段】略円筒型のボス孔30を備えるベース20bと、略円柱型の本体40dの外側面に形成されたフランジ40a1〜40a4によりボス孔30に対して圧入可能とされるゴム足40とを備え、ゴム足40の外側面に形成されたフランジ40a1〜40a4がボス孔30に接触し、フランジ40a1〜40a4が圧縮されつつボス孔30に対してゴム足40が挿入される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム足取付構造および同ゴム足取付構造を備えるプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプロジェクタにおいては、図10のようなゴム足取付構造が採用されていた。すなわち、ボトムケース1に丸孔1aを開け、先端にゴム頭2aが取付られたゴム足2の突き出し棒2cを丸孔1aの外観面側から内部へと通し,返し止め2bにより突き出し棒2cを丸孔1aに対して固定する。これにより、ボトムケース1の下面より下方へゴム頭2aが突出し、ゴム頭2aによりボトムケース1を所定の高さに保持していた。
【0003】
また、プロジェクタを含む電気電子機器の下面に取り付けられて同電気電子機器を所定の高さに維持しつつ同電気電子機器に対する緩衝機能も兼ねるゴム足の取付構造として、以下のようなものが開示されている。すなわち特許文献1には、ゴム足に溝を設けてフレームをはめ込むとともに、ゴム足に設けられた突起部にてベースハウジングを留めるゴム足について開示されている。また特許文献2には、中央部に貫通口を設けたゴム足を電子機器底部に設けたピンに圧入し、ピンの周囲に設けた円筒状のリブによりゴム足の側面を覆う電子機器用脚について開示されている。さらに特許文献3には、ゴム足の胴部に穴と突起とを設け、ゴム足をゴム足挿入口に挿入すると突起により仮止めされ、組立時に孔にリブを挿入することで固定する筐体のゴム足取付構造について開示されている。
【特許文献1】特開平03−4596
【特許文献2】特開平10−270863
【特許文献3】特開2002−9454
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のゴム足取付構造では、突き出し棒2cおよび返し止め2bがボトムケース1の下面から上面に突き出るため、台座部分が独立した機器に適用すると上面から突き出し棒2cおよび返し止め2bが露出してしまう。
また、特許文献1に記載のゴム足は、ベースハウジングの上面にゴム足の一部が突出するため台座部分が独立した機器に適用するには不適当であった。さらに、突起部でベースハウジングの全ての重量を支えなければならず、重量のある機器に使用するには不適当であった。
そして、特許文献2に記載の電子機器用脚は、ゴム足の固定用貫通孔にピンを挿入する際に、固定用貫通孔の径がピンの径に対して十分に大きいとゴム足がピンから抜けやすく、固定用貫通孔の径がピンの径に対して小さめに形成されると圧入がスムーズに行えなくなるととともに一旦はめ込むと取り外しにくくなるという不具合があった。
また、特許文献2に記載の筐体のゴム足取付構造は、筐体の上面にゴム足の一部が突出するため台座部分が独立した機器に適用するには不適当であった。さらに、一旦筐体を組み立てるとゴム足を取り外すにはリブを取り外さなければならず、リブを取り外すには筐体を分解しなければならず、例えば工場で台座部分が不良となってゴム足を外すリワークなど、ゴム足を取り外す場合に作業性が悪かった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、外観面に孔などを設ける必要が無く、外観面に部品が露出しないようにゴム足を取り付け・保持可能なゴム足取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のプロジェクタでは、入力された電気信号に基づいて制御信号を出力する映像信号処理基板と、上記制御信号に基づいて映像をスクリーンに投影する光学ユニットと、を筐体に収容したプロジェクタにおいて、樹脂により成型され、上記筐体を戴置固定可能な台座と、台座の下面において、開口を下方に向けて略円筒形に形成されるボス孔と、略円柱状に形成されて、上記ボス孔に対して圧入可能なゴム足と上記ボス孔の底に相当する奥面から開口に向けて所定の高さに立ち、上記ゴム足の上記ボス孔に対する挿入深さを決定している格子リブと、上記ボス孔の内径よりも僅かに小さい外径を持つ円柱状に形成される上記ゴム足の本体部と、上記ゴム足の側面に、外径が上記ボス孔の内径よりも僅かに大きいリング状に形成される複数のフランジと、上記複数のフランジの間のいずれかまたは組み合わせに、上記本体部の外径よりも外径が小さく形成されるリング状凹みと、上記ボス孔の側面に同ボス孔の開口側端部から円筒の軸方向に形成されて、上記リング状凹みの一部を露出させるスリットと、上記ゴム足の上記ボス孔に挿入される面から略円柱の軸に沿った中心部に、上記ゴム足の床面と接触する側までは貫通しないが、少なくとも上記複数のフランジの形成される位置と略一致する部位まで形成される不貫通孔と、を備える構成を採用している。
【0006】
また、上記課題を解決するために、本発明のゴム足取り付け構造では、略円筒型のボス孔を備える筐体と、略円柱型の本体の外側面に形成された複数の突起により上記ボス孔に対して圧入可能とされるゴム足と、からなる構成を採用している。
すなわち、上記ゴム足の外側面に形成された複数の突起が上記ボス孔に接触し、同複数の突起が圧縮されつつ上記ボス孔に対して上記ゴム足が挿入される。従って、上記複数の突起と上記ボス孔との間に摩擦力が働き、取り付け・保持されることとなる。上記ボス孔の形状としては、略円筒以外にも四角形や六角形などの多角形の筒状であっても無論構わない。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように本発明によれば、台座を含む筐体の外観面にゴム足に付属する部品が露出しないゴム足取付構造を提供することができる。
また請求項3にかかる発明によれば、突起がフランジ状に形成されるため、ボス孔とゴム足との間に働く摩擦力がゴム足の底面に対して対称になり、ボス孔にゴム足をはめ込む作業が容易になる。さらに、ゴム足を成型する金型の形状がシンプルになる。
そして請求項4にかかる発明によれば、ゴム足にかかる上下方向の荷重に対して同ゴム足がたわみやすい構造となり、ゴム足に緩衝機能を持たせることとなる。従って、本発明のゴム足取付構造を採用した物品を保護し、破損を防止することが出来る。
【0008】
さらに請求項5にかかる発明によれば、スリットからリング状凹みが視認可能となり、仮に工場で上記ボス孔の形成される側の部材が不良となって、上記ゴム足を外すリワークが発生した場合に、取り外しが容易となる。また、リング状凹みの上に位置するフランジ状突起の下面と上記リング状凹みの下に位置するフランジ状突起の上面とから、上記リング状凹みをそれぞれ連続して形成すると、上記リング状凹みの凹み深さにフランジ状突起の突起高さを加えた長さの面が形成され、リワークでピンセットなどを挿入する際に,できるだけピンセットが接触する面積を広く確保できる。
また請求項6にかかる発明によれば、ゴム足がボス孔に対して十分に挿入されていることの目安となり好適である。また、ゴム足が斜めに挿入されていて、一方の側で挿入十分であっても他方では挿入不十分であるなどの不具合も確認することが出来る。また、突起がボス孔の開口端部と略一致する位置に設けられていることで、本発明のゴム足取付構造を採用した物品に対して横から応力が加わった時、上記ボス孔側面との間で摩擦力が十分に働き、同応力に対して抜けにくく、ゴム足が回りにくい(破断しにくい)構造となる。
【0009】
そして請求項7にかかる発明によれば、不貫通孔が、ゴム足がボス孔に圧入される時のゴムの逃げとなり、ボス孔への圧入をスムーズにする。
また請求項8にかかる発明によれば、ボス孔を樹脂などにて金型成型する場合にヒケの発生を抑えることが出来、ボス孔の形成される部位の肉厚の変化を最小限にとどめることが可能となる。また、ゴム足の底面にかかる応力が上記リブにより受け止められ、最大肉厚部分が上記ボス孔の形成される部材を支えるため、上記リング状凹みや上記不貫通孔に荷重がかかることはなく、荷重を十分に支えることが可能となる。
さらに請求項1のような、より具体的な構成において、上述した請求項2〜請求項8の各発明と同様の作用を奏することはいうまでもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)プロジェクタの概略構成:
(2)台座とゴム足の構造:
(3)まとめ:
【0011】
(1)プロジェクタの概略構成:
本発明のゴム足取付構造を採用した電気電子機器の一例として、台座上に戴置されたプロジェクタを例にとって説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明のゴム足取付構造を採用した物品であれば様々なものに適用可能であり、例えば電気電子機器や家具などであっても構わない。
【0012】
図1に本実施例にかかるプロジェクタ10の正面図を示した。同図において、前面に投射レンズ14を露出した筐体12は、台座20の可動部20aに戴置固定されており、同可動部20aはベース20bにより回動可能に支持されている。可動部20aとベース20bとは略円盤状であり、可動部20aは外形が上に行くほど広いすり鉢状に形成されており、ベース20bは下に行くほど広い山なりに形成されている。すなわち、可動部20aとベース20bとの接続部分が最もくびれている。
【0013】
図2は、プロジェクタ10の内部構成を上方から見て示した上面図である。同図において、投射レンズ14は略筒状に形成されており、筐体12の内部に後方部分が収容されている。投射レンズ14を含む光学ユニット16は、プロジェクタ10の筐体12内部において前面側に備えられる。その他、筐体12の内部には入力された電気信号に基づいて制御信号を出力する映像信号処理基板や電源基板や空冷ファンや各種のコネクタを備える入出力基板などが備えられる。
【0014】
図3は、光学ユニット16の構成を模式的に示している。同図において、光学ユニット16は、投射光を生成するとともに、この投射光を映像信号に基づいて加工されたRGBの光に変換し、変換した投射光を投射レンズ14に対して出力する。光学ユニット16は、光源16aとカラーホイル16bとライトパイプ16cとイルミネーションレンズ16dとミラー16eとDMD16fとから構成されている。
【0015】
光源16aは、光学ユニット16を筐体12に収容したときに筐体12の前方側の側方に配置され、RGBの各波長成分を含む白色光を生成する。また、光源16aは光源16aから後方に出射した光を反射させる放物面形状のリフレクタ16a1を備えており、光源16aにて生成した光を、カラーホイル16bに向けて出射させるようになっている。光源16aとしては、例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ等を用いることが可能である。また、リフレクタ16a1としては、例えば、放物面鏡や、楕円面鏡等を用いることが可能である。
【0016】
カラーホイル16bは、略円盤形状を有しており、筐体12の幅方向と略並行に配置され、RGBの3色のカラ−フィルタが等間隔に配置されている。カラーホイル16bは、所定の角度範囲ごとに異なる分光用フィルタを構成する円盤状のカラーフィルタを、所定速度で回転させるとともに、光源16aから出射した白色光が上記分光フィルタを通過することで、R、G、Bの光に順次分離される。ライトパイプ16cは、断面視略矩形状の柱状体であり、筐体12の幅方向に配向しつつ、カラーホイル16bを通過した光を略平行な光に変換して、後述するミラー16eへ案内する。むろんカラーホイル16bは、コントラスト改善と白の明るさ向上のために、RGBの他に白(透明)を加えた4セグメントカラーフィルタを使用してもよいし、RGBにイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)を加えて6色としてもよい。
【0017】
ミラー16eは、筐体12の前方側であって光源16aとは反対の側方に配置され、ライトパイプ16cから射出される平行光を後方側上方であって幅方向には反対側に反射させる。また、イルミネーションレンズ16d1は、ライトパイプ16cからの光をミラー16eに集光させるためのものであり、イルミネーションレンズ16d2は、ミラー16eにより反射した光をDMD16fに集光させるためのものである。
【0018】
DMD16fは、ミラー16eにて反射された平行光が照射される位置に配置され、RGBの各光を画素毎に変調する変調素子としてのマイクロミラーを複数備えている。マイクロミラーは所定の配列で配置しているとともに、上記映像信号処理基板から制御信号として出力されるRGB信号に基づいて個別に駆動制御され、反射面の角度を所定角度(例えば、12度)傾斜させることが可能となっている。DMD16fはRGB信号に基づいて上記各マイクロミラーを時分割駆動させることでミラー16eにて反射された光の輝度を変化させる。これによりDMD16fは所定の映像を形成するように投射光を加工しつつ、投射レンズ17に向けて反射させる。
【0019】
投射レンズ17は、筐体12の前方に向けた光軸を有しDMD16fによって変調された画像光をスクリーンに拡大投影するためのものである。投射レンズ17は、RGBの各色光の色収差等に起因する投影画像の不鮮明を防止する目的で、複数の集光素子を光軸方向に沿って配置した組レンズとして構成されている。
【0020】
図3における2点鎖線の矢印は、投射光の進行方向を示している。光源16aから出射した白色の投射光は、カラーホイル16bによりRGBの各色光に分離され、同分離された投射光はライトパイプ16cにより集められ、ミラー16eに案内される。ライトパイプ16cから出射した投射光は、ライトパイプ16cとミラー16eとの間に介在するイルミネーションレンズ16d1により集光されてミラー16eに入射し、ミラー16eにより後方に反射される。ミラー16eにより反射された投射光は、イルミネーションレンズ16d2により集光されてDMD16fに入射する。そして、DMD16fにより加工された投射光は、投射レンズ17によりスクリーンに拡大投影される。
【0021】
(2)台座とゴム足の構造:
図4に台座20を斜め上から見て示した斜視図を、図5に台座20を斜め下から見て示した斜視図を、図6に台座20の底面に形成されるボス孔30の部分拡大斜視図を、図7にゴム足40の斜視図を、図8にゴム足40がボス孔30に取り付けられた状態の斜視図を、図9に図8におけるA−A’線からゴム足40の軸線方向に切断した断面図を、それぞれ示した。
【0022】
台座20は樹脂により成型されており、可動部20aの筐体12取り付け面にネジ孔やフックが形成されて、可動部20aに対して筐体が戴置固定可能となっている。筐体12が取り付けられたときに露出しない面にはリブが格子状に形成されており、ネジ孔および外観面を補強支持している。また、ベース20bも、下面側にリブが格子状に形成されてベース20bの外観面およびボス孔30を補強支持している。ボス孔30は、ベース20bの下面に開口を下方に向けつつ、略同心円上に略等間隔に5つ形成されており、それぞれにゴム足40が圧入されて取り付けられている。このようにボス孔30が形成されたベース20bが略円筒形のボス孔を備える筐体に相当する。
【0023】
ボス孔30は、略円筒型に形成されており、円筒部分は複数のリブと接続して補強支持されている。ボス孔の形状としては、略円筒以外にも四角形や六角形などの多角形の筒状であっても無論構わない。また、ボス孔30の略円筒部の側面には、ボス孔30の開口側端部から円筒の軸方向にスリット30aが形成され、ゴム足40が取り付けられると同ゴム足40の側面を露出させる。さらに、ボス孔30の底に相当する奥面から開口に向けて所定の高さに立つ格子リブ30bが形成されている。これにより、ゴム足40取り付け時には、格子リブ30bによってゴム足40が所定の深さまで挿入されるとそれ以上挿入されないようになる。すなわち、格子リブ30bはゴム足40のボス孔30に対する挿入深さを決定している。
【0024】
格子リブ30bは、ゴム足40の挿入される側の面と平行に形成されており、格子リブ30bの端部が形成する仮想面とゴム足40の挿入される側の面とが面接触するように形成される。このように、ボス孔30のゴム足40と接触する部位を格子リブ30bとしたため、ベース20b形成時にヒケの発生を抑えることが出来、ベース20bの肉厚の変化を最小限にとどめることが可能となる。従って外観面の美観を損ねることがない。すなわち、ゴム足40と接触する格子リブ30bが、上記リブに相当する。
【0025】
ゴム足40は、略円柱状に形成されており、ボス孔30に対して圧入可能となっている。すなわち、図7において、ゴム足40の本体部40dはボス孔30の内径よりも僅かに小さい外径を持つ円柱状に形成され、ゴム足40の側面には外方にむかって外径がボス孔30の内径よりも僅かに大きいリング状に突出する4本のフランジ40a1、40a2、40a3、40a4が上から順に等間隔に形成される。従って、ゴム足40をボス孔30に取り付ける際は、フランジ40a1、40a2、40a3、40a4がボス孔30の内壁により圧縮されつつ圧入され、フランジとボス孔30の内壁との摩擦力によって取り付け・保持されることになる。すなわち、フランジ40a1、40a2、40a3、40a4が複数の突起に相当するとともにフランジ状の突起に相当する。
【0026】
さらに、図7において、ゴム足40のフランジ40a2と40a3の間には、本体部40dの外径よりも外径を小さくしたリング状凹み40bが形成される。リング状凹み40bは、図7において、フランジ40a2下面とフランジ40a3上面とからそれぞれ連続して形成され、スリット30aから視認可能になっている。つまり、図8のように、スリット30aは、ボス孔30の開口側端部からリング状凹み40bの形成位置よりも下方まで形成され、スリット30aからリング状凹み40bの一部を露出させている。よって、仮に工場でベース20bが不良となって、ゴム足40を外すリワークが発生した場合に、取り外しが容易となるとともに、リワークでピンセットを挿入する際に,できるだけピンセットが接触する面積を広く確保できる構造となっている。
【0027】
さらに、ゴム足40のボス孔30に挿入される面から略円柱の軸に沿った中心部に不貫通孔40cが形成される。同不貫通孔40cは、ゴム足40の床面と接触する側までは貫通しないが、少なくともフランジ40a1、40a2、40a3、40a4の形成される位置と略一致する部位には形成される。従って、不貫通孔40cは、ゴム足40の圧入時のゴムの逃げとなり、ボス孔30への圧入をスムーズにする。
【0028】
ゴム足40がボス孔30に取り付けられると、図8および図9のように、フランジ40a4がボス孔30の開口端部に略一致し、ゴム足40がボス孔30に対して十分に挿入されていることの目安となる。すなわち、フランジ40a4はゴム足40の挿入十分の位置決めとして使用することが可能となる。また、フランジ40a4がボス孔30の開口端部と略一致する位置に設けられていることで、台座20使用時に同台座20に対して横から応力が加わった時にボス孔30側面との間で摩擦力が十分に働き、同応力に対して抜けにくく、ゴム足が回りにくい(破断しにくい)構造となっている。すなわち、ゴム足40がボス孔30に取り付けられたとき、フランジ40a4がゴム足40の挿入十分の位置決めとなる。
【0029】
また、リング状凹み40bを挟んで上下のブロックが出来るだけ遠い距離でボス孔30側面との間に保持力が働くように設計されている。これにより、まずゴム足40の根元側のブロックがボス孔30に挿入されると、フランジ20a2の突起が働きボス孔30に対して固定される。
【0030】
さらに、ゴム足40はボス孔30の底面に形成される格子リブ30bの格子部分にゴムの最大肉厚がくるように設計されている。すなわち、ゴム足40がボス孔30に十分に挿入されると、図9のようにゴム足40の最大肉厚部分40eが格子リブ30bに接触する。これによりゴム足40の底面にかかる応力は格子リブ30bにより受け止められ、最大肉厚部分40eがプロジェクタ10および台座20を支える。従って、リング状凹み40bや不貫通孔40cに荷重がかかることはなく、ゴム足40によりプロジェクタ10および台座20を十分に荷重を支えられる構造となっている。すなわち、格子リブ30bは、ゴム足40の底面より伝わる応力を直接的に受け止める部位にてゴム足40と接触している。よって、特に、格子リブ30bのゴム足40の底面より伝わる応力を直接的に受け止める部位が、上記リブに相当するともいえる。
【0031】
さらに、ゴム足40にリング状凹み40bを設けたため、ゴム足40にかかる上下方向の荷重に対してゴム足40がたわみやすい構造となっており、ゴム足40は緩衝機能も有する。従って、プロジェクタ10および台座20の保護にも効果がある。
【0032】
(3)まとめ:
つまり、略円筒型のボス孔30を備えるベース20bと、略円柱型の本体部40dの外側面に形成されたフランジ40a1〜40a4によりボス孔30に対して圧入可能とされるゴム足40とを備え、ゴム足40の外側面に形成されたフランジ40a1〜40a4がボス孔30に接触し、フランジ40a1〜40a4が圧縮されつつボス孔30に対してゴム足40が挿入される。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に対応する本発明のゴム足取り付け構造では、略円筒型のボス孔を備える筐体と、略円柱型の本体の外側面に形成された複数の突起により上記ボス孔に対して圧入可能とされるゴム足と、からなる構成を採用している。
すなわち、上記ゴム足の外側面に形成された複数の突起が上記ボス孔に接触し、同複数の突起が圧縮されつつ上記ボス孔に対して上記ゴム足が挿入される。従って、上記複数の突起と上記ボス孔との間に摩擦力が働き、取り付け・保持されることとなる。上記ボス孔の形状としては、略円筒以外にも四角形や六角形などの多角形の筒状であっても無論構わない。
【0034】
そして、上記突起はフランジ状に形成されてもよい。上記突起がフランジ状に形成されるため、ボス孔とゴム足との間に働く摩擦力がゴム足の底面に対して対称になり、ボス孔にゴム足をはめ込む作業が容易になる。さらに、ゴム足を成型する金型の形状がシンプルになる。
【0035】
さらに、上記本体にはフランジ状に形成された上記突起の間のいずれかまたは組み合わせにリング状凹みが形成されてもよい。このようにリング状凹みが形成されると、上記ゴム足にかかる上下方向の荷重に対して同ゴム足がたわみやすい構造となり、上記ゴム足に緩衝機能を持たせることとなる。従って、電気電子機器や家具などの本発明のゴム足取付構造を採用した物品を保護し、破損を防止する効果がある。
【0036】
さらに、上記ボス孔の側面に、上記略円筒型の軸方向にスリットが形成され、同スリットは上記リング状凹みの一部を露出させる構成としてもよい。すなわち上記スリットは、上記ボス孔の開口側端部から少なくとも上記リング状凹みの形成位置まで形成され、上記スリットから上記リング状凹みの一部を露出させる。このように構成すると、上記スリットから上記リング状凹みが視認可能となり、仮に工場で上記ボス孔の形成される側の部材が不良となって、上記ゴム足を外すリワークが発生した場合に、取り外しが容易となる。
また、上記リング状凹みの上に位置するフランジ状突起の下面と上記リング状凹みの下に位置するフランジ状突起の上面とから、上記リング状凹みをそれぞれ連続して形成すると、上記リング状凹みの凹み深さにフランジ状突起の突起高さを加えた長さの面が形成され、リワークでピンセットなどを挿入する際に,できるだけピンセットが接触する面積を広く確保できる。
【0037】
さらに、上記ゴム足が上記ボス孔に取り付けられたとき、上記複数の突起のうち最も外方に位置する突起が、同ゴム足の挿入十分の位置決めとなるように構成してもよい。すなわち、上記ゴム足が上記ボス孔に取り付けられた際、上記複数の突起のうち最も外方に位置する突起が
上記ボス孔の開口端部に略一致するように形成する。すると上記ゴム足が上記ボス孔に対して十分に挿入されていることの目安となり好適である。この構成は、特に上記突起としてフランジ状のものを採用していると、フランジ面が略円盤状であるのに対し上記ボス孔の開口端面も円形とすることが出来るため、斜めに挿入されていて一方の側で挿入十分であっても他方では挿入不十分であるなどの不具合も確認することが出来る。
また、上記突起が上記ボス孔の開口端部と略一致する位置に設けられていることで、本発明のゴム足取付構造を採用した物品に対して横から応力が加わった時、上記ボス孔側面との間で摩擦力が十分に働き、同応力に対して抜けにくく、ゴム足が回りにくい(破断しにくい)構造となる。
【0038】
さらに、上記本体に、上記ボス孔の底面に面する側から上記略円柱型の略軸方向に不貫通孔を形成する構成としてもよい。すなわち、上記ゴム足の上記ボス孔に挿入される面から略円柱の軸に沿った中心部に上記不貫通孔が形成される。上記不貫通孔は、上記ゴム足の床面と接触する側までは貫通しないが、少なくとも上記複数の突起の形成される位置と略一致する部位には形成される。従って、上記不貫通孔は、上記ゴム足が上記ボス孔に圧入される時のゴムの逃げとなり、上記ボス孔への圧入をスムーズにする。
【0039】
さらに、上記ボス孔に、同ボス孔の奥面から開口に向けて立つリブを形成し、同リブが上記ゴム足の底面より伝わる応力を直接的に受け止める部位にて同ゴム足と接触する構成としてもよい。上記リブが形成されることにより、上記ゴム足取り付け時に、上記ゴム足が所定の深さまで挿入されるとそれ以上挿入されないようになる。すなわち、上記リブは上記ゴム足の上記ボス孔に対する挿入深さを決定しているといえる。
このように、上記ボス孔の上記ゴム足と接触する部位を上記リブとしたため、上記ボス孔を樹脂などにて金型成型する場合にヒケの発生を抑えることが出来、上記ボス孔の形成される部位の肉厚の変化を最小限にとどめることが可能となる。
【0040】
上記直接的とは、応力の作用点と応力の被作用点との間でゴム足のゴムが連続しているとの意味である。すなわち、応力の作用点と応力の被作用点との間には、上記不貫通孔や上記リング状凹みが存在しないことを意味する。このことは、上記ゴム足の底面と天面との間でゴムが最大肉厚となる部位、と言い換えことも可能である。
【0041】
つまり、上記ゴム足は上記ボス孔の底面に形成される上記リブとの接触位置にゴムの最大肉厚がくるように設計されている。すなわち、上記ゴム足が上記ボス孔に十分に挿入されると、上記ゴム足の最大肉厚部分が上記リブに接触する。これにより上記ゴム足の底面にかかる応力は上記リブにより受け止められ、最大肉厚部分が上記ボス孔の形成される部材を支える。従って、上記リング状凹みや上記不貫通孔に荷重がかかることはない。
【0042】
以上の構成を踏まえて、本発明のゴム足取付構造を採用したプロジェクタでは、入力された電気信号に基づいて制御信号を出力する映像信号処理基板と、上記制御信号に基づいて映像をスクリーンに投影する光学ユニットと、を筐体に収容したプロジェクタにおいて、樹脂により成型され、上記筐体を戴置固定可能な台座と、台座の下面において、開口を下方に向けて略円筒形に形成されるボス孔と、略円柱状に形成されて、上記ボス孔に対して圧入可能なゴム足と上記ボス孔の底に相当する奥面から開口に向けて所定の高さに立ち、上記ゴム足の上記ボス孔に対する挿入深さを決定している格子リブと、上記ボス孔の内径よりも僅かに小さい外径を持つ円柱状に形成される上記ゴム足の本体部と、上記ゴム足の側面に、外径が上記ボス孔の内径よりも僅かに大きいリング状に形成される複数のフランジと、上記複数のフランジの間のいずれかまたは組み合わせに、上記本体部の外径よりも外径が小さく形成されるリング状凹みと、上記ボス孔の側面に同ボス孔の開口側端部から円筒の軸方向に形成されて、上記リング状凹みの一部を露出させるスリットと、上記ゴム足の上記ボス孔に挿入される面から略円柱の軸に沿った中心部に、上記ゴム足の床面と接触する側までは貫通しないが、少なくとも上記複数のフランジの形成される位置と略一致する部位まで形成される不貫通孔と、を備える構成を採用している。
【0043】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施例にかかるプロジェクタの正面図である。
【図2】プロジェクタの内部構成を上方から見て示した上面図である。
【図3】光学ユニットの構成を模式的に示した図である。
【図4】台座を斜め上から見て示した斜視図である。
【図5】台座を斜め下から見て示した斜視図である。
【図6】台座の底面に形成されるボス孔の部分拡大斜視図である。
【図7】ゴム足の斜視図である。
【図8】ゴム足がボス孔に取り付けられた状態の斜視図である。
【図9】図8におけるA−A’線からゴム足の軸線方向に切断した断面図である。
【図10】従来のプロジェクタにおけるゴム足取付構造を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1…ボトムケース
1a…丸孔
2…ゴム足
2a…ゴム頭
2b…返し止め
2c…突き出し棒
10…プロジェクタ
12…筐体
14…投射レンズ
16…光学ユニット
20…台座
20a…可動部
20b…ベース
30…ボス孔
30a…スリット
30b…格子リブ
40…ゴム足
40a1、40a2、40a3、40a4…フランジ(突起)
40b…リング状凹み
40c…不貫通孔
40d…本体部
40e…肉厚部分
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム足取付構造および同ゴム足取付構造を備えるプロジェクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のプロジェクタにおいては、図10のようなゴム足取付構造が採用されていた。すなわち、ボトムケース1に丸孔1aを開け、先端にゴム頭2aが取付られたゴム足2の突き出し棒2cを丸孔1aの外観面側から内部へと通し,返し止め2bにより突き出し棒2cを丸孔1aに対して固定する。これにより、ボトムケース1の下面より下方へゴム頭2aが突出し、ゴム頭2aによりボトムケース1を所定の高さに保持していた。
【0003】
また、プロジェクタを含む電気電子機器の下面に取り付けられて同電気電子機器を所定の高さに維持しつつ同電気電子機器に対する緩衝機能も兼ねるゴム足の取付構造として、以下のようなものが開示されている。すなわち特許文献1には、ゴム足に溝を設けてフレームをはめ込むとともに、ゴム足に設けられた突起部にてベースハウジングを留めるゴム足について開示されている。また特許文献2には、中央部に貫通口を設けたゴム足を電子機器底部に設けたピンに圧入し、ピンの周囲に設けた円筒状のリブによりゴム足の側面を覆う電子機器用脚について開示されている。さらに特許文献3には、ゴム足の胴部に穴と突起とを設け、ゴム足をゴム足挿入口に挿入すると突起により仮止めされ、組立時に孔にリブを挿入することで固定する筐体のゴム足取付構造について開示されている。
【特許文献1】特開平03−4596
【特許文献2】特開平10−270863
【特許文献3】特開2002−9454
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のゴム足取付構造では、突き出し棒2cおよび返し止め2bがボトムケース1の下面から上面に突き出るため、台座部分が独立した機器に適用すると上面から突き出し棒2cおよび返し止め2bが露出してしまう。
また、特許文献1に記載のゴム足は、ベースハウジングの上面にゴム足の一部が突出するため台座部分が独立した機器に適用するには不適当であった。さらに、突起部でベースハウジングの全ての重量を支えなければならず、重量のある機器に使用するには不適当であった。
そして、特許文献2に記載の電子機器用脚は、ゴム足の固定用貫通孔にピンを挿入する際に、固定用貫通孔の径がピンの径に対して十分に大きいとゴム足がピンから抜けやすく、固定用貫通孔の径がピンの径に対して小さめに形成されると圧入がスムーズに行えなくなるととともに一旦はめ込むと取り外しにくくなるという不具合があった。
また、特許文献2に記載の筐体のゴム足取付構造は、筐体の上面にゴム足の一部が突出するため台座部分が独立した機器に適用するには不適当であった。さらに、一旦筐体を組み立てるとゴム足を取り外すにはリブを取り外さなければならず、リブを取り外すには筐体を分解しなければならず、例えば工場で台座部分が不良となってゴム足を外すリワークなど、ゴム足を取り外す場合に作業性が悪かった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたもので、外観面に孔などを設ける必要が無く、外観面に部品が露出しないようにゴム足を取り付け・保持可能なゴム足取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のプロジェクタでは、入力された電気信号に基づいて制御信号を出力する映像信号処理基板と、上記制御信号に基づいて映像をスクリーンに投影する光学ユニットと、を筐体に収容したプロジェクタにおいて、樹脂により成型され、上記筐体を戴置固定可能な台座と、台座の下面において、開口を下方に向けて略円筒形に形成されるボス孔と、略円柱状に形成されて、上記ボス孔に対して圧入可能なゴム足と上記ボス孔の底に相当する奥面から開口に向けて所定の高さに立ち、上記ゴム足の上記ボス孔に対する挿入深さを決定している格子リブと、上記ボス孔の内径よりも僅かに小さい外径を持つ円柱状に形成される上記ゴム足の本体部と、上記ゴム足の側面に、外径が上記ボス孔の内径よりも僅かに大きいリング状に形成される複数のフランジと、上記複数のフランジの間のいずれかまたは組み合わせに、上記本体部の外径よりも外径が小さく形成されるリング状凹みと、上記ボス孔の側面に同ボス孔の開口側端部から円筒の軸方向に形成されて、上記リング状凹みの一部を露出させるスリットと、上記ゴム足の上記ボス孔に挿入される面から略円柱の軸に沿った中心部に、上記ゴム足の床面と接触する側までは貫通しないが、少なくとも上記複数のフランジの形成される位置と略一致する部位まで形成される不貫通孔と、を備える構成を採用している。
【0006】
また、上記課題を解決するために、本発明のゴム足取り付け構造では、略円筒型のボス孔を備える筐体と、略円柱型の本体の外側面に形成された複数の突起により上記ボス孔に対して圧入可能とされるゴム足と、からなる構成を採用している。
すなわち、上記ゴム足の外側面に形成された複数の突起が上記ボス孔に接触し、同複数の突起が圧縮されつつ上記ボス孔に対して上記ゴム足が挿入される。従って、上記複数の突起と上記ボス孔との間に摩擦力が働き、取り付け・保持されることとなる。上記ボス孔の形状としては、略円筒以外にも四角形や六角形などの多角形の筒状であっても無論構わない。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように本発明によれば、台座を含む筐体の外観面にゴム足に付属する部品が露出しないゴム足取付構造を提供することができる。
また請求項3にかかる発明によれば、突起がフランジ状に形成されるため、ボス孔とゴム足との間に働く摩擦力がゴム足の底面に対して対称になり、ボス孔にゴム足をはめ込む作業が容易になる。さらに、ゴム足を成型する金型の形状がシンプルになる。
そして請求項4にかかる発明によれば、ゴム足にかかる上下方向の荷重に対して同ゴム足がたわみやすい構造となり、ゴム足に緩衝機能を持たせることとなる。従って、本発明のゴム足取付構造を採用した物品を保護し、破損を防止することが出来る。
【0008】
さらに請求項5にかかる発明によれば、スリットからリング状凹みが視認可能となり、仮に工場で上記ボス孔の形成される側の部材が不良となって、上記ゴム足を外すリワークが発生した場合に、取り外しが容易となる。また、リング状凹みの上に位置するフランジ状突起の下面と上記リング状凹みの下に位置するフランジ状突起の上面とから、上記リング状凹みをそれぞれ連続して形成すると、上記リング状凹みの凹み深さにフランジ状突起の突起高さを加えた長さの面が形成され、リワークでピンセットなどを挿入する際に,できるだけピンセットが接触する面積を広く確保できる。
また請求項6にかかる発明によれば、ゴム足がボス孔に対して十分に挿入されていることの目安となり好適である。また、ゴム足が斜めに挿入されていて、一方の側で挿入十分であっても他方では挿入不十分であるなどの不具合も確認することが出来る。また、突起がボス孔の開口端部と略一致する位置に設けられていることで、本発明のゴム足取付構造を採用した物品に対して横から応力が加わった時、上記ボス孔側面との間で摩擦力が十分に働き、同応力に対して抜けにくく、ゴム足が回りにくい(破断しにくい)構造となる。
【0009】
そして請求項7にかかる発明によれば、不貫通孔が、ゴム足がボス孔に圧入される時のゴムの逃げとなり、ボス孔への圧入をスムーズにする。
また請求項8にかかる発明によれば、ボス孔を樹脂などにて金型成型する場合にヒケの発生を抑えることが出来、ボス孔の形成される部位の肉厚の変化を最小限にとどめることが可能となる。また、ゴム足の底面にかかる応力が上記リブにより受け止められ、最大肉厚部分が上記ボス孔の形成される部材を支えるため、上記リング状凹みや上記不貫通孔に荷重がかかることはなく、荷重を十分に支えることが可能となる。
さらに請求項1のような、より具体的な構成において、上述した請求項2〜請求項8の各発明と同様の作用を奏することはいうまでもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)プロジェクタの概略構成:
(2)台座とゴム足の構造:
(3)まとめ:
【0011】
(1)プロジェクタの概略構成:
本発明のゴム足取付構造を採用した電気電子機器の一例として、台座上に戴置されたプロジェクタを例にとって説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明のゴム足取付構造を採用した物品であれば様々なものに適用可能であり、例えば電気電子機器や家具などであっても構わない。
【0012】
図1に本実施例にかかるプロジェクタ10の正面図を示した。同図において、前面に投射レンズ14を露出した筐体12は、台座20の可動部20aに戴置固定されており、同可動部20aはベース20bにより回動可能に支持されている。可動部20aとベース20bとは略円盤状であり、可動部20aは外形が上に行くほど広いすり鉢状に形成されており、ベース20bは下に行くほど広い山なりに形成されている。すなわち、可動部20aとベース20bとの接続部分が最もくびれている。
【0013】
図2は、プロジェクタ10の内部構成を上方から見て示した上面図である。同図において、投射レンズ14は略筒状に形成されており、筐体12の内部に後方部分が収容されている。投射レンズ14を含む光学ユニット16は、プロジェクタ10の筐体12内部において前面側に備えられる。その他、筐体12の内部には入力された電気信号に基づいて制御信号を出力する映像信号処理基板や電源基板や空冷ファンや各種のコネクタを備える入出力基板などが備えられる。
【0014】
図3は、光学ユニット16の構成を模式的に示している。同図において、光学ユニット16は、投射光を生成するとともに、この投射光を映像信号に基づいて加工されたRGBの光に変換し、変換した投射光を投射レンズ14に対して出力する。光学ユニット16は、光源16aとカラーホイル16bとライトパイプ16cとイルミネーションレンズ16dとミラー16eとDMD16fとから構成されている。
【0015】
光源16aは、光学ユニット16を筐体12に収容したときに筐体12の前方側の側方に配置され、RGBの各波長成分を含む白色光を生成する。また、光源16aは光源16aから後方に出射した光を反射させる放物面形状のリフレクタ16a1を備えており、光源16aにて生成した光を、カラーホイル16bに向けて出射させるようになっている。光源16aとしては、例えば、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ、キセノンランプ等を用いることが可能である。また、リフレクタ16a1としては、例えば、放物面鏡や、楕円面鏡等を用いることが可能である。
【0016】
カラーホイル16bは、略円盤形状を有しており、筐体12の幅方向と略並行に配置され、RGBの3色のカラ−フィルタが等間隔に配置されている。カラーホイル16bは、所定の角度範囲ごとに異なる分光用フィルタを構成する円盤状のカラーフィルタを、所定速度で回転させるとともに、光源16aから出射した白色光が上記分光フィルタを通過することで、R、G、Bの光に順次分離される。ライトパイプ16cは、断面視略矩形状の柱状体であり、筐体12の幅方向に配向しつつ、カラーホイル16bを通過した光を略平行な光に変換して、後述するミラー16eへ案内する。むろんカラーホイル16bは、コントラスト改善と白の明るさ向上のために、RGBの他に白(透明)を加えた4セグメントカラーフィルタを使用してもよいし、RGBにイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)を加えて6色としてもよい。
【0017】
ミラー16eは、筐体12の前方側であって光源16aとは反対の側方に配置され、ライトパイプ16cから射出される平行光を後方側上方であって幅方向には反対側に反射させる。また、イルミネーションレンズ16d1は、ライトパイプ16cからの光をミラー16eに集光させるためのものであり、イルミネーションレンズ16d2は、ミラー16eにより反射した光をDMD16fに集光させるためのものである。
【0018】
DMD16fは、ミラー16eにて反射された平行光が照射される位置に配置され、RGBの各光を画素毎に変調する変調素子としてのマイクロミラーを複数備えている。マイクロミラーは所定の配列で配置しているとともに、上記映像信号処理基板から制御信号として出力されるRGB信号に基づいて個別に駆動制御され、反射面の角度を所定角度(例えば、12度)傾斜させることが可能となっている。DMD16fはRGB信号に基づいて上記各マイクロミラーを時分割駆動させることでミラー16eにて反射された光の輝度を変化させる。これによりDMD16fは所定の映像を形成するように投射光を加工しつつ、投射レンズ17に向けて反射させる。
【0019】
投射レンズ17は、筐体12の前方に向けた光軸を有しDMD16fによって変調された画像光をスクリーンに拡大投影するためのものである。投射レンズ17は、RGBの各色光の色収差等に起因する投影画像の不鮮明を防止する目的で、複数の集光素子を光軸方向に沿って配置した組レンズとして構成されている。
【0020】
図3における2点鎖線の矢印は、投射光の進行方向を示している。光源16aから出射した白色の投射光は、カラーホイル16bによりRGBの各色光に分離され、同分離された投射光はライトパイプ16cにより集められ、ミラー16eに案内される。ライトパイプ16cから出射した投射光は、ライトパイプ16cとミラー16eとの間に介在するイルミネーションレンズ16d1により集光されてミラー16eに入射し、ミラー16eにより後方に反射される。ミラー16eにより反射された投射光は、イルミネーションレンズ16d2により集光されてDMD16fに入射する。そして、DMD16fにより加工された投射光は、投射レンズ17によりスクリーンに拡大投影される。
【0021】
(2)台座とゴム足の構造:
図4に台座20を斜め上から見て示した斜視図を、図5に台座20を斜め下から見て示した斜視図を、図6に台座20の底面に形成されるボス孔30の部分拡大斜視図を、図7にゴム足40の斜視図を、図8にゴム足40がボス孔30に取り付けられた状態の斜視図を、図9に図8におけるA−A’線からゴム足40の軸線方向に切断した断面図を、それぞれ示した。
【0022】
台座20は樹脂により成型されており、可動部20aの筐体12取り付け面にネジ孔やフックが形成されて、可動部20aに対して筐体が戴置固定可能となっている。筐体12が取り付けられたときに露出しない面にはリブが格子状に形成されており、ネジ孔および外観面を補強支持している。また、ベース20bも、下面側にリブが格子状に形成されてベース20bの外観面およびボス孔30を補強支持している。ボス孔30は、ベース20bの下面に開口を下方に向けつつ、略同心円上に略等間隔に5つ形成されており、それぞれにゴム足40が圧入されて取り付けられている。このようにボス孔30が形成されたベース20bが略円筒形のボス孔を備える筐体に相当する。
【0023】
ボス孔30は、略円筒型に形成されており、円筒部分は複数のリブと接続して補強支持されている。ボス孔の形状としては、略円筒以外にも四角形や六角形などの多角形の筒状であっても無論構わない。また、ボス孔30の略円筒部の側面には、ボス孔30の開口側端部から円筒の軸方向にスリット30aが形成され、ゴム足40が取り付けられると同ゴム足40の側面を露出させる。さらに、ボス孔30の底に相当する奥面から開口に向けて所定の高さに立つ格子リブ30bが形成されている。これにより、ゴム足40取り付け時には、格子リブ30bによってゴム足40が所定の深さまで挿入されるとそれ以上挿入されないようになる。すなわち、格子リブ30bはゴム足40のボス孔30に対する挿入深さを決定している。
【0024】
格子リブ30bは、ゴム足40の挿入される側の面と平行に形成されており、格子リブ30bの端部が形成する仮想面とゴム足40の挿入される側の面とが面接触するように形成される。このように、ボス孔30のゴム足40と接触する部位を格子リブ30bとしたため、ベース20b形成時にヒケの発生を抑えることが出来、ベース20bの肉厚の変化を最小限にとどめることが可能となる。従って外観面の美観を損ねることがない。すなわち、ゴム足40と接触する格子リブ30bが、上記リブに相当する。
【0025】
ゴム足40は、略円柱状に形成されており、ボス孔30に対して圧入可能となっている。すなわち、図7において、ゴム足40の本体部40dはボス孔30の内径よりも僅かに小さい外径を持つ円柱状に形成され、ゴム足40の側面には外方にむかって外径がボス孔30の内径よりも僅かに大きいリング状に突出する4本のフランジ40a1、40a2、40a3、40a4が上から順に等間隔に形成される。従って、ゴム足40をボス孔30に取り付ける際は、フランジ40a1、40a2、40a3、40a4がボス孔30の内壁により圧縮されつつ圧入され、フランジとボス孔30の内壁との摩擦力によって取り付け・保持されることになる。すなわち、フランジ40a1、40a2、40a3、40a4が複数の突起に相当するとともにフランジ状の突起に相当する。
【0026】
さらに、図7において、ゴム足40のフランジ40a2と40a3の間には、本体部40dの外径よりも外径を小さくしたリング状凹み40bが形成される。リング状凹み40bは、図7において、フランジ40a2下面とフランジ40a3上面とからそれぞれ連続して形成され、スリット30aから視認可能になっている。つまり、図8のように、スリット30aは、ボス孔30の開口側端部からリング状凹み40bの形成位置よりも下方まで形成され、スリット30aからリング状凹み40bの一部を露出させている。よって、仮に工場でベース20bが不良となって、ゴム足40を外すリワークが発生した場合に、取り外しが容易となるとともに、リワークでピンセットを挿入する際に,できるだけピンセットが接触する面積を広く確保できる構造となっている。
【0027】
さらに、ゴム足40のボス孔30に挿入される面から略円柱の軸に沿った中心部に不貫通孔40cが形成される。同不貫通孔40cは、ゴム足40の床面と接触する側までは貫通しないが、少なくともフランジ40a1、40a2、40a3、40a4の形成される位置と略一致する部位には形成される。従って、不貫通孔40cは、ゴム足40の圧入時のゴムの逃げとなり、ボス孔30への圧入をスムーズにする。
【0028】
ゴム足40がボス孔30に取り付けられると、図8および図9のように、フランジ40a4がボス孔30の開口端部に略一致し、ゴム足40がボス孔30に対して十分に挿入されていることの目安となる。すなわち、フランジ40a4はゴム足40の挿入十分の位置決めとして使用することが可能となる。また、フランジ40a4がボス孔30の開口端部と略一致する位置に設けられていることで、台座20使用時に同台座20に対して横から応力が加わった時にボス孔30側面との間で摩擦力が十分に働き、同応力に対して抜けにくく、ゴム足が回りにくい(破断しにくい)構造となっている。すなわち、ゴム足40がボス孔30に取り付けられたとき、フランジ40a4がゴム足40の挿入十分の位置決めとなる。
【0029】
また、リング状凹み40bを挟んで上下のブロックが出来るだけ遠い距離でボス孔30側面との間に保持力が働くように設計されている。これにより、まずゴム足40の根元側のブロックがボス孔30に挿入されると、フランジ20a2の突起が働きボス孔30に対して固定される。
【0030】
さらに、ゴム足40はボス孔30の底面に形成される格子リブ30bの格子部分にゴムの最大肉厚がくるように設計されている。すなわち、ゴム足40がボス孔30に十分に挿入されると、図9のようにゴム足40の最大肉厚部分40eが格子リブ30bに接触する。これによりゴム足40の底面にかかる応力は格子リブ30bにより受け止められ、最大肉厚部分40eがプロジェクタ10および台座20を支える。従って、リング状凹み40bや不貫通孔40cに荷重がかかることはなく、ゴム足40によりプロジェクタ10および台座20を十分に荷重を支えられる構造となっている。すなわち、格子リブ30bは、ゴム足40の底面より伝わる応力を直接的に受け止める部位にてゴム足40と接触している。よって、特に、格子リブ30bのゴム足40の底面より伝わる応力を直接的に受け止める部位が、上記リブに相当するともいえる。
【0031】
さらに、ゴム足40にリング状凹み40bを設けたため、ゴム足40にかかる上下方向の荷重に対してゴム足40がたわみやすい構造となっており、ゴム足40は緩衝機能も有する。従って、プロジェクタ10および台座20の保護にも効果がある。
【0032】
(3)まとめ:
つまり、略円筒型のボス孔30を備えるベース20bと、略円柱型の本体部40dの外側面に形成されたフランジ40a1〜40a4によりボス孔30に対して圧入可能とされるゴム足40とを備え、ゴム足40の外側面に形成されたフランジ40a1〜40a4がボス孔30に接触し、フランジ40a1〜40a4が圧縮されつつボス孔30に対してゴム足40が挿入される。
【0033】
以上説明したように、本実施形態に対応する本発明のゴム足取り付け構造では、略円筒型のボス孔を備える筐体と、略円柱型の本体の外側面に形成された複数の突起により上記ボス孔に対して圧入可能とされるゴム足と、からなる構成を採用している。
すなわち、上記ゴム足の外側面に形成された複数の突起が上記ボス孔に接触し、同複数の突起が圧縮されつつ上記ボス孔に対して上記ゴム足が挿入される。従って、上記複数の突起と上記ボス孔との間に摩擦力が働き、取り付け・保持されることとなる。上記ボス孔の形状としては、略円筒以外にも四角形や六角形などの多角形の筒状であっても無論構わない。
【0034】
そして、上記突起はフランジ状に形成されてもよい。上記突起がフランジ状に形成されるため、ボス孔とゴム足との間に働く摩擦力がゴム足の底面に対して対称になり、ボス孔にゴム足をはめ込む作業が容易になる。さらに、ゴム足を成型する金型の形状がシンプルになる。
【0035】
さらに、上記本体にはフランジ状に形成された上記突起の間のいずれかまたは組み合わせにリング状凹みが形成されてもよい。このようにリング状凹みが形成されると、上記ゴム足にかかる上下方向の荷重に対して同ゴム足がたわみやすい構造となり、上記ゴム足に緩衝機能を持たせることとなる。従って、電気電子機器や家具などの本発明のゴム足取付構造を採用した物品を保護し、破損を防止する効果がある。
【0036】
さらに、上記ボス孔の側面に、上記略円筒型の軸方向にスリットが形成され、同スリットは上記リング状凹みの一部を露出させる構成としてもよい。すなわち上記スリットは、上記ボス孔の開口側端部から少なくとも上記リング状凹みの形成位置まで形成され、上記スリットから上記リング状凹みの一部を露出させる。このように構成すると、上記スリットから上記リング状凹みが視認可能となり、仮に工場で上記ボス孔の形成される側の部材が不良となって、上記ゴム足を外すリワークが発生した場合に、取り外しが容易となる。
また、上記リング状凹みの上に位置するフランジ状突起の下面と上記リング状凹みの下に位置するフランジ状突起の上面とから、上記リング状凹みをそれぞれ連続して形成すると、上記リング状凹みの凹み深さにフランジ状突起の突起高さを加えた長さの面が形成され、リワークでピンセットなどを挿入する際に,できるだけピンセットが接触する面積を広く確保できる。
【0037】
さらに、上記ゴム足が上記ボス孔に取り付けられたとき、上記複数の突起のうち最も外方に位置する突起が、同ゴム足の挿入十分の位置決めとなるように構成してもよい。すなわち、上記ゴム足が上記ボス孔に取り付けられた際、上記複数の突起のうち最も外方に位置する突起が
上記ボス孔の開口端部に略一致するように形成する。すると上記ゴム足が上記ボス孔に対して十分に挿入されていることの目安となり好適である。この構成は、特に上記突起としてフランジ状のものを採用していると、フランジ面が略円盤状であるのに対し上記ボス孔の開口端面も円形とすることが出来るため、斜めに挿入されていて一方の側で挿入十分であっても他方では挿入不十分であるなどの不具合も確認することが出来る。
また、上記突起が上記ボス孔の開口端部と略一致する位置に設けられていることで、本発明のゴム足取付構造を採用した物品に対して横から応力が加わった時、上記ボス孔側面との間で摩擦力が十分に働き、同応力に対して抜けにくく、ゴム足が回りにくい(破断しにくい)構造となる。
【0038】
さらに、上記本体に、上記ボス孔の底面に面する側から上記略円柱型の略軸方向に不貫通孔を形成する構成としてもよい。すなわち、上記ゴム足の上記ボス孔に挿入される面から略円柱の軸に沿った中心部に上記不貫通孔が形成される。上記不貫通孔は、上記ゴム足の床面と接触する側までは貫通しないが、少なくとも上記複数の突起の形成される位置と略一致する部位には形成される。従って、上記不貫通孔は、上記ゴム足が上記ボス孔に圧入される時のゴムの逃げとなり、上記ボス孔への圧入をスムーズにする。
【0039】
さらに、上記ボス孔に、同ボス孔の奥面から開口に向けて立つリブを形成し、同リブが上記ゴム足の底面より伝わる応力を直接的に受け止める部位にて同ゴム足と接触する構成としてもよい。上記リブが形成されることにより、上記ゴム足取り付け時に、上記ゴム足が所定の深さまで挿入されるとそれ以上挿入されないようになる。すなわち、上記リブは上記ゴム足の上記ボス孔に対する挿入深さを決定しているといえる。
このように、上記ボス孔の上記ゴム足と接触する部位を上記リブとしたため、上記ボス孔を樹脂などにて金型成型する場合にヒケの発生を抑えることが出来、上記ボス孔の形成される部位の肉厚の変化を最小限にとどめることが可能となる。
【0040】
上記直接的とは、応力の作用点と応力の被作用点との間でゴム足のゴムが連続しているとの意味である。すなわち、応力の作用点と応力の被作用点との間には、上記不貫通孔や上記リング状凹みが存在しないことを意味する。このことは、上記ゴム足の底面と天面との間でゴムが最大肉厚となる部位、と言い換えことも可能である。
【0041】
つまり、上記ゴム足は上記ボス孔の底面に形成される上記リブとの接触位置にゴムの最大肉厚がくるように設計されている。すなわち、上記ゴム足が上記ボス孔に十分に挿入されると、上記ゴム足の最大肉厚部分が上記リブに接触する。これにより上記ゴム足の底面にかかる応力は上記リブにより受け止められ、最大肉厚部分が上記ボス孔の形成される部材を支える。従って、上記リング状凹みや上記不貫通孔に荷重がかかることはない。
【0042】
以上の構成を踏まえて、本発明のゴム足取付構造を採用したプロジェクタでは、入力された電気信号に基づいて制御信号を出力する映像信号処理基板と、上記制御信号に基づいて映像をスクリーンに投影する光学ユニットと、を筐体に収容したプロジェクタにおいて、樹脂により成型され、上記筐体を戴置固定可能な台座と、台座の下面において、開口を下方に向けて略円筒形に形成されるボス孔と、略円柱状に形成されて、上記ボス孔に対して圧入可能なゴム足と上記ボス孔の底に相当する奥面から開口に向けて所定の高さに立ち、上記ゴム足の上記ボス孔に対する挿入深さを決定している格子リブと、上記ボス孔の内径よりも僅かに小さい外径を持つ円柱状に形成される上記ゴム足の本体部と、上記ゴム足の側面に、外径が上記ボス孔の内径よりも僅かに大きいリング状に形成される複数のフランジと、上記複数のフランジの間のいずれかまたは組み合わせに、上記本体部の外径よりも外径が小さく形成されるリング状凹みと、上記ボス孔の側面に同ボス孔の開口側端部から円筒の軸方向に形成されて、上記リング状凹みの一部を露出させるスリットと、上記ゴム足の上記ボス孔に挿入される面から略円柱の軸に沿った中心部に、上記ゴム足の床面と接触する側までは貫通しないが、少なくとも上記複数のフランジの形成される位置と略一致する部位まで形成される不貫通孔と、を備える構成を採用している。
【0043】
なお、本発明は上記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・上記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって上記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・上記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が上記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本実施例にかかるプロジェクタの正面図である。
【図2】プロジェクタの内部構成を上方から見て示した上面図である。
【図3】光学ユニットの構成を模式的に示した図である。
【図4】台座を斜め上から見て示した斜視図である。
【図5】台座を斜め下から見て示した斜視図である。
【図6】台座の底面に形成されるボス孔の部分拡大斜視図である。
【図7】ゴム足の斜視図である。
【図8】ゴム足がボス孔に取り付けられた状態の斜視図である。
【図9】図8におけるA−A’線からゴム足の軸線方向に切断した断面図である。
【図10】従来のプロジェクタにおけるゴム足取付構造を示す図である。
【符号の説明】
【0045】
1…ボトムケース
1a…丸孔
2…ゴム足
2a…ゴム頭
2b…返し止め
2c…突き出し棒
10…プロジェクタ
12…筐体
14…投射レンズ
16…光学ユニット
20…台座
20a…可動部
20b…ベース
30…ボス孔
30a…スリット
30b…格子リブ
40…ゴム足
40a1、40a2、40a3、40a4…フランジ(突起)
40b…リング状凹み
40c…不貫通孔
40d…本体部
40e…肉厚部分
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された電気信号に基づいて制御信号を出力する映像信号処理基板と、上記制御信号に基づいて映像をスクリーンに投影する光学ユニットと、を筐体に収容したプロジェクタにおいて、
樹脂により成型され、上記筐体を戴置固定可能な台座と、
台座の下面において、開口を下方に向けて略円筒形に形成されるボス孔と、
略円柱状に形成されて、上記ボス孔に対して圧入可能なゴム足と
上記ボス孔の底に相当する奥面から開口に向けて所定の高さに立ち、上記ゴム足の上記ボス孔に対する挿入深さを決定している格子リブと、
上記ボス孔の内径よりも僅かに小さい外径を持つ円柱状に形成される上記ゴム足の本体部と、
上記ゴム足の側面に、外径が上記ボス孔の内径よりも僅かに大きいリング状に形成される複数のフランジと、
上記複数のフランジの間のいずれかまたは組み合わせに、上記本体部の外径よりも外径が小さく形成されるリング状凹みと、
上記ボス孔の側面に同ボス孔の開口側端部から円筒の軸方向に形成されて、上記リング状凹みの一部を露出させるスリットと、
上記ゴム足の上記ボス孔に挿入される面から略円柱の軸に沿った中心部に、上記ゴム足の床面と接触する側までは貫通しないが、少なくとも上記複数のフランジの形成される位置と略一致する部位まで形成される不貫通孔と、
を備えることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
略円筒型のボス孔を備える筐体と、
略円柱型の本体の外側面に形成された複数の突起により上記ボス孔に対して圧入可能とされるゴム足と、
からなることを特徴とするゴム足取付構造。
【請求項3】
上記突起は、フランジ状に形成される
ことを特徴とする上記請求項2に記載のゴム足取付構造。
【請求項4】
上記本体は、
上記突起の間のいずれかまたは組み合わせにリング状凹みが形成される
ことを特徴とする上記請求項3に記載のゴム足取付構造。
【請求項5】
上記ボス孔の側面には、上記略円筒型の軸方向にスリットが形成され、
同スリットは上記リング状凹みの一部を露出させる
ことを特徴とする上記請求項4に記載のゴム足取付構造。
【請求項6】
上記ゴム足が上記ボス孔に取り付けられたとき、上記複数の突起のうち最も外方に位置する突起は、同ゴム足の挿入十分の位置決めとなる
ことを特徴とする上記請求項2〜請求項5のいずれかに記載のゴム足取付構造。
【請求項7】
上記本体は、
上記ボス孔の底面に面する側から上記略円柱型の略軸方向に不貫通孔が形成される
ことを特徴とする上記請求項2〜請求項6のいずれかに記載のゴム足取付構造。
【請求項8】
上記ボス孔には同ボス孔の奥面から開口に向けて立つリブが形成され、
同リブは、上記ゴム足の底面より伝わる応力を直接的に受け止める部位にて同ゴム足と接触する
ことを特徴とする上記請求項2〜請求項7のいずれかに記載のゴム足取付構造。
【請求項1】
入力された電気信号に基づいて制御信号を出力する映像信号処理基板と、上記制御信号に基づいて映像をスクリーンに投影する光学ユニットと、を筐体に収容したプロジェクタにおいて、
樹脂により成型され、上記筐体を戴置固定可能な台座と、
台座の下面において、開口を下方に向けて略円筒形に形成されるボス孔と、
略円柱状に形成されて、上記ボス孔に対して圧入可能なゴム足と
上記ボス孔の底に相当する奥面から開口に向けて所定の高さに立ち、上記ゴム足の上記ボス孔に対する挿入深さを決定している格子リブと、
上記ボス孔の内径よりも僅かに小さい外径を持つ円柱状に形成される上記ゴム足の本体部と、
上記ゴム足の側面に、外径が上記ボス孔の内径よりも僅かに大きいリング状に形成される複数のフランジと、
上記複数のフランジの間のいずれかまたは組み合わせに、上記本体部の外径よりも外径が小さく形成されるリング状凹みと、
上記ボス孔の側面に同ボス孔の開口側端部から円筒の軸方向に形成されて、上記リング状凹みの一部を露出させるスリットと、
上記ゴム足の上記ボス孔に挿入される面から略円柱の軸に沿った中心部に、上記ゴム足の床面と接触する側までは貫通しないが、少なくとも上記複数のフランジの形成される位置と略一致する部位まで形成される不貫通孔と、
を備えることを特徴とするプロジェクタ。
【請求項2】
略円筒型のボス孔を備える筐体と、
略円柱型の本体の外側面に形成された複数の突起により上記ボス孔に対して圧入可能とされるゴム足と、
からなることを特徴とするゴム足取付構造。
【請求項3】
上記突起は、フランジ状に形成される
ことを特徴とする上記請求項2に記載のゴム足取付構造。
【請求項4】
上記本体は、
上記突起の間のいずれかまたは組み合わせにリング状凹みが形成される
ことを特徴とする上記請求項3に記載のゴム足取付構造。
【請求項5】
上記ボス孔の側面には、上記略円筒型の軸方向にスリットが形成され、
同スリットは上記リング状凹みの一部を露出させる
ことを特徴とする上記請求項4に記載のゴム足取付構造。
【請求項6】
上記ゴム足が上記ボス孔に取り付けられたとき、上記複数の突起のうち最も外方に位置する突起は、同ゴム足の挿入十分の位置決めとなる
ことを特徴とする上記請求項2〜請求項5のいずれかに記載のゴム足取付構造。
【請求項7】
上記本体は、
上記ボス孔の底面に面する側から上記略円柱型の略軸方向に不貫通孔が形成される
ことを特徴とする上記請求項2〜請求項6のいずれかに記載のゴム足取付構造。
【請求項8】
上記ボス孔には同ボス孔の奥面から開口に向けて立つリブが形成され、
同リブは、上記ゴム足の底面より伝わる応力を直接的に受け止める部位にて同ゴム足と接触する
ことを特徴とする上記請求項2〜請求項7のいずれかに記載のゴム足取付構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2007−304171(P2007−304171A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−130147(P2006−130147)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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