説明

ゴルフクラブヘッド

【課題】寛容度の改善のために、高い慣性モーメント、および大きい打撃面のサイズの両方を有するゴルフクラブヘッドを提供する。
【解決手段】ゴルフクラブヘッドは、内部空洞を画定するボディを含む。該ボディは、該ゴルフクラブヘッドの下部に配設されるソール、頂部に配設されるクラウン、ならびに該ソールと該クラウンとの間の外面周囲に配設されるスカートを含む。前記ボディは、前部および後部を有することができる。前記クラブヘッドは、前記ボディの前記前部に配設されるフェースを含む。該フェースは、ゴルフクラブヘッドの基点で、理想的なインパクト位置を有する打撃面を画定する。該クラブヘッドのいくつかの実施形態は、高い慣性モーメントと、変厚フェースとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2007年9月27日出願の米国特許出願第11/863,198号の一部継続出願であり、それは、参照することによって本願に組み込まれる。
ゴルフクラブヘッドに関する他の出願および特許は、2007年10月12日出願の米国特許出願第11/871,933号、2005年2月25日出願の米国特許出願第11/067,475の継続出願である、すべてが2007年1月31に出願された、米国特許出願第11/669,891号、米国特許出願第11/669,894号、米国特許出願第11/669,900号、米国特許出願第11/669,907号、米国特許出願第11/669,910号、米国特許出願第11/669,916号、米国特許出願第11/669,920号、米国特許出願第11/669,925号、および米国特許出願第11/669,927号、2004年2月23日出願の米国特許出願第10/785,692号の一部継続出願である、現在米国特許第7,186,190号、米国特許出願第10/290,817号の一部継続出願である、現在米国特許第7,166,040号、現在米国特許第6,773,360号を含む。これらの出願は、参照することによって本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、ゴルフクラブヘッド、より詳しくは、他の利点もあるが、オフセンターのヒットに対し、増加した寛容度を提供するための機能を組み込んだゴルフクラブヘッドに関する。慣性モーメント、逆円錐型技術、およびクラブヘッドフェース特性の独特の組合せが記載される。
【背景技術】
【0003】
ゴルフクラブヘッドの製造者および設計者は、ゴルフクラブヘッドの性能を改善する方法を常に求めており、それは、美的外観を有する一方で、ゴルフクラブヘッドの寛容度を含む。概して、「寛容度」は、ミスヒット、すなわちゴルフクラブヘッド上の理想的ではないインパクト位置で、ゴルフボールを打つことから起こるヒットの、クラブによって打たれるゴルフボールのショット形状および距離に対する影響を軽減するゴルフクラブヘッドの能力として定義することができる。
【0004】
ゴルフクラブヘッドの性能は、クラブヘッドの慣性モーメントの影響を直接受ける可能性がある。慣性モーメントは、ゴルフボールとのインパクト時の、ゴルフクラブヘッドの重心周囲のねじれに対するクラブヘッドの耐性の大きさである。概して、ゴルフクラブヘッドの慣性モーメントが、より高いと、特に、ゴルフボールとの「オフセンター」のインパクトの間、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフボールとのインパクト時のねじれを、より小さくし、ゴルフクラブヘッドの寛容度、およびストレートなゴルフショットを打つ確率が、より大きくなる。さらに、より高い慣性モーメントは、通常ゴルフクラブヘッドとのインパクトによって、より速いボールスピードをもたらし、それは、ゴルフショット距離の増加につながることができる。
【0005】
概して、所定の軸周囲の質量の慣性モーメントは、軸からの質量の距離の2乗に比例する。つまり、所定の軸からの質量の距離がより大きいと、所定の軸周囲の質量の慣性モーメントは、より大きくなる。したがって、ゴルフクラブヘッドの設計者、および製造者は、対象の軸からの、ヘッドの質量の距離を増加させることによって、通常、ゴルフクラブヘッドの重心を介して延在する軸である、1つ以上のゴルフクラブヘッドの軸周囲の慣性モーメントを、増加させようと努めてきた。
【0006】
ゴルフクラブヘッドの寛容度を増加させるために、ゴルフクラブヘッドの打撃面のサイズに、重点的に取り組んできたゴルフクラブヘッドの製造者もいる。概して、打撃面がより大きいと、ゴルフクラブヘッドの寛容度は、より大きくなる。しかしながら、打撃面の耐久性を維持するために、打撃面のサイズを増加することは、通常、打撃面を画定するフェース、例えばフェースプレートの厚さを増加する必要があり、それは、打撃面の反発係数(COR)、またはボールを跳ね返す打撃面の能力、例えば、表面のスプリング効果の大きさに直接的な影響を及ぼす。簡略化された形で、CORは、United States Golf Associationのガイドラインに準拠するゴルフボールのスピード、およびクラブヘッドのスピードの測定によって、ゴルフボールとのインパクト時の、クラブヘッドのスピードで割った、クラブヘッドで打たれた直後の、ゴルフボールのスピードの割合として、表すことができる。
【0007】
ゴルフクラブヘッドの形状、サイズおよび他の特性に関する、United States Golf Association(USGA)の規定、および制約は、ゴルフクラブヘッドによって達成可能な慣性モーメント、およびCORを制限する傾向がある。USGA規定の最新版によると、ゴルフクラブヘッドは、とりわけ略単純な形状で、最大包絡寸法(最大2.8inchの高さ、最大5.0inchの幅、および最大5.0inchの深さ)以下の包絡寸法を有し、最大470cmのヘッドの体積以下の体積を有しなければならない。留意すべきは、この最大470cmの体積の制限は、最大包絡寸法の体積をはるかに下回っていることである。ここで留意すべきは、470cmのUSGAの制限は、10cmの許容範囲(すなわち、460cm+10cm)を含むことである。さらに、USGA規定は、COR値が0.830未満であること、または257マイクロ秒未満の振動特性時間(PCT)を有することを要求する。識別されたばかりのCORおよびPCTの制限は、許容範囲をそれぞれ含む。
【0008】
ゴルフクラブの製造者は、別のものを犠牲にして、1つの性能特性を向上させる選択肢に直面する場合が多い。例えば、寛容度を助長するために、打撃面のサイズの増加を犠牲にして、慣性モーメントの増加に重点を置く、従来のゴルフクラブヘッドもある。これらのゴルフクラブヘッドでは、可能な限りのゴルフクラブヘッドの質量が、重心から離れて移動する。しかしながら、望ましいスイングウェート(例えば、ドライバーのクラブヘッドの質量は、通常、約185gから約215gに及ぶ)を達成しようとすることに起因する質量の制限によって、重心から離れて分布される質量がより大きいと、フェースに使用可能な質量は、より小さくなる。フェースに使用可能な質量がより小さいと、CORおよびPCTを規定するUSGA制約内にとどまるために、ゴルフクラブヘッドのフェースの厚さ、したがって、クラブヘッド打撃面のサイズは、制限される。したがって、これらの従来のゴルフクラブヘッドでは、ヘッドの寛容度は、慣性モーメントの増加によって向上することができるが、ゴルフクラブヘッドの打撃面のサイズに対する、結果として生じる制約によって制限される。
【0009】
反対に、寛容度を助長するために、慣性モーメントの増加を犠牲にし、望ましい重心(「CG」)特性をも潜在的に犠牲にして、ゴルフクラブヘッドの打撃面のサイズの増加に重点を置く従来のゴルフクラブヘッドもある。上記のように、従来のフェース設計では、打撃面のサイズがより大きいと、USGA制約に準拠するために、フェースはより厚く、より重くならなくてはならない。フェースに対する質量がより大きいと、通常、重心に近い質量はより大きく、重心から離れた移動に利用可能な、例えば、裁量質量などの質量はより小さい。したがって、これらの従来のゴルフクラブヘッドでは、ヘッドの寛容度は、打撃面のサイズの増加によって増加することができるが、達成可能な慣性モーメントに対する、結果として生じる制約によって制限される。
【0010】
上記のように、ゴルフクラブの設計者および製造者は、寛容度の改善のために、高い慣性モーメント、および大きい打撃面のサイズの両方を有するUSGA適合ゴルフクラブヘッドを設計しようと努力してきた。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願は、少なくとも前述のものを扱い、とりわけ、改善された寛容度を提供するゴルフクラブヘッドを開示する。
本願は、内部空洞を画定するボディを含む、ゴルフクラブヘッドを記載する。また、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフクラブヘッドの底部に配設されるソール、頂部に配設されるクラウン、およびソールとクラウンとの間の外面周囲に配設されるスカートを含む。ボディは、前部および後部を有する。さらに、ゴルフクラブヘッドは、ボディの前部に配設されるフェースを含み、フェースは、ゴルフクラブヘッドの基点で理想的なインパクト位置を有する打撃面を画定する。ヘッドの基点は、ヘッドが理想的に配設されるとき、フェースに接線方向であり、地面に略平行のx軸、ヘッドが理想的に配設されるとき、x軸に略垂直であり、地面に略平行のy軸、ならびにx軸、およびy軸の両方に垂直であるz軸を含む。軸に対する正の方向は、トウからヒールであり、y軸に対しては前から後ろ、z軸に対してはソールからクラウンである。
【0012】
第1の側面によると、本願は、約490kg/mmよりも大きい、ヘッドの基点z軸に略平行のゴルフクラブヘッドの重心z軸周囲に、慣性モーメントを有するゴルフクラブヘッドを記述する。フェースは、約−10mmから約−50mmの第1の範囲、および約10mmから約50mmの第2の範囲内で、x軸座標xの少なくとも50%に対してtminからtmaxである、ヘッドの基点x軸に沿った厚さを有し、
【0013】
【数1】

および
【0014】
【数2】

である。
【0015】
第1および第2の範囲のそれぞれ1つ内の、フェースの第1の部分の厚さは、第1および第2の範囲のそれぞれ1つ内の、フェースの第2の部分よりも、少なくとも約2mm大きいことが可能である。
【0016】
場合によっては、フェースは、第1および第2の範囲内で、x軸座標xの少なくとも80%に対して、tminからtmaxであることが可能である。
第1の側面によるゴルフクラブヘッドは、約280kg/mmよりも大きい、ヘッドの基点x軸に略平行のゴルフクラブヘッドの重心x軸周囲に、慣性モーメントを有することができる。
【0017】
第1の側面のゴルフクラブヘッドは、約0.0mmから約6.0mmのx軸座標、および約0.0mmから約−6.0mmのz軸座標で重心を有することができる。
いくつかの実施形態では、打撃面は、約35,000mmから約4,500mmの面積を有する。
【0018】
また、フェースは、約−10mmから約−30mmの第3の範囲、および約10mmから約30mmの第4の範囲内で、z軸座標zの少なくとも50%に対してtminからtmaxである、ヘッドの基点z軸に沿った厚さを有することができ、
【0019】
【数3】

および
【0020】
【数4】

である。
【0021】
第2の側面によると、本願は、約280kg/mmよりも大きい、ヘッドの基点x軸に略平行のゴルフクラブヘッドの重心x軸周囲に、慣性モーメントを有するゴルフクラブヘッドを記述する。フェースは、約−10mmから約−30mmの第1の範囲、および約10mmから約30mmの第2の範囲内で、z軸座標zの少なくとも50%に対してtminからtmaxである、ヘッドの基点z軸に沿った厚さを有し、
【0022】
【数5】

および
【0023】
【数6】

である。
【0024】
第2の側面によるゴルフクラブに対して、第1および第2の範囲のそれぞれ1つ内の、フェースの第1の部分の厚さは、第1および第2の範囲のそれぞれ1つ内の、フェースの第2の部分よりも、少なくとも約2mm大きいことが可能である。
【0025】
フェースの厚さは、第1および第2の範囲内で、z軸座標zの少なくとも80%に対して、tminからtmaxであることが可能である。
第2の側面によるゴルフクラブの打撃面は、約3,500mmから約4,500mmの面積を有することができる。
【0026】
第2の側面によるゴルフクラブのフェースは、約−10mmから約−50mmの第3の範囲、および約10mmから約50mmの第4の範囲内で、x軸座標xの少なくとも50%対してtminからtmaxである、ヘッドの基点x軸に沿った厚さを有することができ、
【0027】
【数7】

および
【0028】
【数8】

である。
【0029】
第2の側面によるいくつかの実施形態は、約490kg/mmよりも大きい、ヘッドの基点z軸に略平行のゴルフクラブヘッドの重心z軸周囲に、慣性モーメントを有する。いくつかの実施形態は、約0.0mmから約6.0mmのx軸座標、および約0.0mmから約−6.0mmのz軸座標で重心を有する。
【0030】
第3の側面によると、本願は、約490kg/mmよりも大きい、ヘッドの基点z軸に略平行のゴルフクラブヘッドの重心z軸周囲に、慣性モーメント、および約280kg/mmよりも大きい、ヘッドの基点x軸に略平行のゴルフクラブヘッドの重心x軸周囲に、慣性モーメントを有する、ゴルフクラブヘッドを記述する。フェースは、約10mm以上および約50mm以下の放射軸に沿って、ゴルフクラブヘッドの基点から離れた、距離rの少なくとも50%に沿ってtminからtmaxである、ゴルフクラブヘッドの基点に接線方向に、およびそこから放射状に外方に延在する、放射軸に沿った厚さを有し、
【0031】
【数9】

および
【0032】
【数10】

である。
【0033】
第3の側面によるゴルフクラブヘッドは、約3,500mmから約4,500mmの打撃面積を有することができる。第3の側面のゴルフクラブヘッドは、約0.0mmから約6.0mmのx軸座標、および約0.0mmから約−6.0mmのz軸座標で重心を有することができる。
【0034】
第4の側面によると、約500kg/mmよりも大きい、ヘッドの基点z軸に略平行のゴルフクラブヘッドの重心z軸周囲に、慣性モーメントを有するゴルフクラブヘッドが開示される。第4の側面によるゴルフクラブヘッドのフェースは、ヘッドの基点x軸に沿って曲げ剛性を有し、曲げ剛性は、約−10mmから約−50mmの第1の範囲、および約10mmから約50mmの第2の範囲内で、x軸座標xの少なくとも50%に対してBSminからBSmaxであり、
【0035】
【数11】

および
【0036】
【数12】

である。
【0037】
第4の側面に従って、場合によっては、フェースは、ヘッドの基点x軸に沿って厚さを有し、厚さは、約−10mmから約−50mmの第3の範囲、および約10mmから約50mmの第4の範囲内で、x軸座標xの少なくとも50%に対してtminからtmaxであり、
【0038】
【数13】

および
【0039】
【数14】

である。
【0040】
フェースは、ヘッドの基点z軸に沿って厚さを有することができ、厚さは、約−10mmから約−30mmの第3の範囲、および約10mmから約30mmの第4の範囲内で、z軸座標zの少なくとも50%に対してtminからtmaxであり、
【0041】
【数15】

および
【0042】
【数16】

である。
【0043】
打撃面は、約3,500mmから約4,500mmの面積を有することができる。
ゴルフクラブヘッドは、約0.0mmから約6.0mmのx軸座標、および約0.0mmから約−6.0mmのz軸座標で重心を有することができる。
【0044】
第5の側面によるゴルフクラブヘッドは、約280kg/mmよりも大きい、ヘッドの基点x軸に略平行のゴルフクラブヘッドの重心x軸周囲に、慣性モーメントを有する。フェースは、ヘッドの基点z軸に沿って曲げ剛性を有し、曲げ剛性は、約−10mmから約−30mmの第1の範囲、および約10mmから約30mmの第2の範囲内で、z軸座標zの少なくとも50%に対してBSminからBSmaxであり、
【0045】
【数17】

および
【0046】
【数18】

である。
【0047】
第5の側面によるゴルフクラブヘッドは、ヘッドの基点x軸に沿って厚さを有することができ、約−10mmから約−50mmの第3の範囲、および約10mmから約50mmの第4の範囲内で、x軸座標xの少なくとも50%に対してtminからtmaxであり、
【0048】
【数19】

および
【0049】
【数20】

である。
【0050】
いくつかの実施形態におけるフェースは、ヘッドの基点z軸に沿って厚さを有し、厚さは、約−10mmから約−30mmの第3の範囲、および約10mmから約30mmの第4の範囲内で、z軸座標zの少なくとも50%に対してtminからtmaxであり、
【0051】
【数21】

および
【0052】
【数22】

である。
【0053】
打撃面は、約3,500mmから約4,500mmの面積を有することができる。
第5の側面のゴルフクラブヘッドは、約0.0mmから約6.0mmのx軸座標、および約0.0mmから約−6.0mmのz軸座標で重心を有することができる。
【0054】
ゴルフクラブヘッドの先述の、および他の機能、および有利点は、以下の詳細な説明からより明らかとなり、それは、添付の図面を参照して進められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下の説明では、「上方」、「下方」、「上部」、「下部」、「水平」、「垂直」、「左」、「右」など、特定の用語を使用する場合がある。これらの用語は、特に、図示される実施形態に関して、相対関係を取り扱う際、妥当な場合、説明の多少の明確さを提供するために使用される。しかしながら、これらの用語は、絶対的な関係、位置、および/または方向を意味することを、意図しない。例えば、物体に関して、「上部」表面は、単純に、物体を裏返すことによって、「下部」表面になることができる。それでもなお、それは、同一の物体である。
【0056】
図1〜8に図示されるように、ゴルフクラブヘッド2など、ウッド型(例えば、ドライバー、またはフェアウェイウッド)ゴルフクラブヘッドは、中空ボディ10を含む。ボディ10は、内部空洞79(図7〜8を参照)を画定する、クラウン12、ソール14、スカート16、打撃フェースまたはフェース部18を含む。ボディ10は、ホーゼル20を含むことができ、それは、ゴルフクラブのシャフトを収容するように構成される、ホーゼル穴24(図6を参照)を画定する。ボディ10は、ヒール部26、トウ部28、フロント部30、およびリア部32をさらに含む。また、ゴルフクラブヘッド2は、クラブヘッド2の体積変位に等しい、立法センチメートル(cm)で通常測定される、体積を有する。いくつかの実施形態において、ゴルフクラブヘッド2は、約400cmから約490cmの体積、および約185gから約215gの全質量を有する。図1を参照すると、具体的な一実施形態において、ゴルフクラブヘッド2は、約458cmの体積、および約200gの全質量を有する。
【0057】
クラウン12は、(1)上下方向から見ると、ゴルフクラブヘッド2の周辺輪郭34の上方にあり、(2)打撃フェース18の、ボール打撃面22の最上部後方にある、ゴルフクラブヘッド2の上部として画定される(図6を参照)。ボール打撃面22は、打撃フェース18の前部表面、または外部表面として画定され、ゴルフボールに衝撃を与えるように構成される(図示せず)。いくつかの実施形態では、以下により詳しく記述されるように、打撃フェースまたはフェース部18は、溶接などの従来の接合技術を使用して、ボディ10に接合される、打撃プレートであることが可能である。一部の実施形態では、ボール打撃面22は、膨らみ、および起伏の湾曲部を有することができる。例えば、図5および6を参照すると、ボール打撃面22は、それぞれ半径約305mmの、膨らみ、および起伏を有することができる。
【0058】
ソール14は、クラブヘッドが理想的に配設されるとき、すなわち、水平面上で、ゴルフボールに対して、適切なアドレス位置にあるとき、クラブヘッドの最下点から、上方に延在するゴルフクラブヘッド2の下部として、画定される。一部の実施形態において、ソール14は、ゴルフクラブヘッド2の最下点から、クラウン12までの距離の、約50%から60%延在し、それは、場合によっては、ドライバーに対して約15mm、およびフェアウェイウッドに対して、約10mmから12mmである可能性がある。
【0059】
スコアラインが実質的に水平(例えば、地面17にほぼ平行)になり、標的ラインに対するフェース角度が、実質的に直角(例えば、ボール打撃面22の幾何学的中心に垂直である、ベクトルの水平分力)になるように、クラブヘッド2などのゴルフクラブヘッドは、ホーゼル20、またはシャフトの縦軸21が、標的方向に実質的に垂直であり、適切なライ角19であるとき、その適切なアドレス位置にある。フェース部18が、水平のスコアラインを有さない場合、適切なライ角19は、約60度に設定される。ロフト角度15は、ボール打撃面22上の理想的なインパクト位置23に、接線の面として画定されるフェース面27と、ゴルフクラブヘッド2が適切なアドレス位置にあるとき、地面17に対する垂直面29との間に画定される角度である。ライ角19は、ゴルフクラブヘッド2が適切なアドレス位置にあるとき、ホーゼル20、またはシャフトの縦軸21と、地面17との間に画定される角度である。本願において、地面17は、水平面であると仮定される。
【0060】
スカート16は、ボール打撃面22を除く、トウ部28から、リア部32周囲に、ヒール部26まで、ゴルフクラブヘッド2の外面34に延在する、クラウン12とソール14との間のゴルフクラブヘッド2の側部を含む。
【0061】
図示される実施形態では、ゴルフクラブヘッド2の理想的なインパクト位置23は、ボール打撃面22の幾何学的中心(図4を参照)に配置される。理想的なインパクト位置23は、通常、打撃面22の高さ(Hss)、および幅(Wss)の中点の交差点として、画定される。HssおよびWssの両方は、打撃フェースの曲面(Sss)を使用して決定される。打撃フェースの曲面は、フェースが、実質的に均一の膨らみの半径(湾曲部のフェースのヒールからトウの半径)、および実質的に均一の起伏の半径(湾曲部のフェースのクラウンからソールの半径)から、ボディへ移行するすべての点によって、その外面に隣接する(例えば、図4を参照)。図示される実施例では、Hssは、フェース(例えば、本平面は、x軸に実質的に垂直)の幾何学的中心を介して延在する、垂直面(地面に垂直)で測定される、Sssのソール部に隣接した外面から、Sssのクラウン部に隣接した外面までの距離である。同様に、Wssは、フェース(例えば、本平面は、z軸に実質的に垂直)の幾何学的中心を介して延在する、水平面(例えば、地面に実質的に平行)で測定される、Sssのヒール部に隣接した外面から、Sssのトウ部に隣接した外面までの距離である。打撃フェースの幾何学的中心を測定するための手順に関しては、USGA“Procedure for Measuring the Flexibility of a Golf Clubhead,”Revision 2.0を参照。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド2のフェース、またはボール打撃面22は、約45mmから約65mmの高さ(Hss)、および約75mmから約105mmの幅(Wss)を有する。図4を参照すると、具体的な一実施形態では、ボール打撃面22は、約52.2mmの高さ(Hss)、約90.6mmの幅(Wss)、および約3,929mmの総打撃面積を有する。
【0062】
いくつかの実施形態では、打撃フェース18は、米国特許出願公開第2005/0239575号、および第2004/0235584号、米国特許出願第11/642,310号、および米国仮特許出願第60/877,336号に記載されるような、複合材料で作製され、それらは、参照することによって本願に組み込まれる。他の実施形態では、打撃フェース18は、合金(例えば、チタン、スチール、アルミニウム、および/またはマグネシウム)、セラミック材料、または合成物、合金、および/もしくはセラミック材料の組合せから作製される。
【0063】
打撃フェース18は、参照することによって本願に組み込まれる米国特許第6,997,820号に記載されるような、変厚を有する打撃プレートであることが可能である。例えば、図7および8に示されるように、打撃フェース18は、ゴルフクラブヘッド2のボール打撃面22、または外側表面と、内部空洞43に面する内側表面40との間に画定される、厚さtを有する。打撃フェース18は、ボール打撃面22上の理想的なインパクト位置26に隣接して配設される、中心部42を含むことができる。中心部42は、実質的に一定な厚さtを有することができる。また、打撃フェース18は、中心部42から放射状に外方に延在する、発散部44を含むことができる。例えば、図9〜16を参照。発散部44の厚さtは、中心部から放射状に外方に増加する。打撃フェース18は、移行部48を介して発散部44に連結している、収束部46を含む。収束部46の厚さtは、発散部44、および移行部48から放射状に外方の位置で、実質的に減少する。場合によっては、移行部48は、発散および収束部44、46の間の頂点である。他の実施形態では、移行部48は、発散部44から放射状に外方に延在し、実質的に一定な厚さtを有する(図9〜11を参照)。
【0064】
いくつかの実施形態では、理想的なインパクト位置23で、打撃面に垂直に延在するいかなる軸に沿った、打撃フェース18の断面プロファイルは、図9〜11の場合と実質的に同様である。
【0065】
他の実施形態では、断面プロファイルは、異なることが可能であり、例えば、非対称である。例えば、特定の実施形態では、ヘッドの基点z軸に沿った打撃フェース18の断面プロファイルは、上記のように中心、移行、発散、および収束部を含んでもよい(図9〜11、および13を参照)。しかしながら、ヘッドの基点x軸に沿った、打撃フェース18の断面プロファイルは、収束部46から放射状に延在し、移行部49を介して収束部に連結している、第2の発散部47を含むことができる。代替実施形態では、ヘッドの基点z軸に沿った、打撃フェース18の断面プロファイルは、ヘッドの基点x軸に沿った変化に関して上述されるように、収束部から放射状に延在し、収束部に連結している第2の発散部を含むことができる。
【0066】
軸に沿った打撃フェースの幾何学的中心からの距離による、打撃フェース18の厚さの変化を決定することができる。典型的な一実施形態によると、10mm≦|x|≦50mmの有効範囲内の、ヘッドの基点x軸に沿った打撃フェース18の最小厚さtmin、最大厚さtmax、および呼び厚さtnomを、以下の方程式から決定することができる。
【0067】
【数23】

【0068】
【数24】

【0069】
【数25】

【0070】
図12を参照すると、方程式1〜3を使用して得られる、典型的な厚さプロファイルが示される。約0mm≦|x|≦10mmの、有効範囲未満の打撃フェース18の部分が、フェースのCORにより少ない影響を及ぼす可能性があるため、有効範囲は、打撃フェース18の幾何学的中心から約10mm離れて始まる。しかしながら、特定の例示的な実施形態では、有効範囲未満の打撃フェース18の厚さtは、約2mmから約5mmであり、場合によっては、中心部42で約3mmであることが可能である。また、有効範囲の100%に沿ったtminおよびtmaxによって境界される、すなわち、その範囲に入る打撃フェース18の、例示的な実施形態に対する厚さプロファイルが、図12に示される。
【0071】
上記と同様に、10mm≦|x|≦30mmの有効範囲内の、ヘッドの基点z軸に沿った打撃フェース18の最小厚さtmin、最大厚さtmax、および呼び厚さtnomを、以下の方程式によって決定することができる。
【0072】
【数26】

【0073】
【数27】

【0074】
【数28】

【0075】
図13を参照すると、方程式4〜6を使用して得られる、典型的な厚さプロファイルが示される。ヘッドの基点x軸に沿った有効範囲と同様に、ヘッドの基点z軸に沿った有効範囲は、約0mm≦|x|≦10mmの、有効範囲未満の打撃フェース18の部分が、フェースのCORにより少ない影響を及ぼす可能性があるため、打撃フェース18の幾何学的中心から約10mm離れて始まる。また、有効範囲の100%に沿ったtminおよびtmaxによって境界される、すなわち、その範囲に入る打撃フェース18の、例示的な実施形態に対する厚さプロファイルが、図2に示される。
【0076】
いくつかの実施形態では、上記の方程式および制約は、ゴルフクラブヘッド2の基点から離れた半径方向距離に関して、定義することができる。例えば、ゴルフクラブヘッド2の基点から離れた距離rに関して、打撃フェース18の最小厚さtmin、最大厚さtmax、および呼び厚さtnomは、以下の方程式によって決定することができる。
【0077】
【数29】

【0078】
【数30】

【0079】
【数31】

【0080】
式中、rは、ゴルフクラブヘッド2の基点から約10mm以上離れた距離である。
一定の厚さのフェースと比較すると、x軸およびz軸に沿った呼び厚さプロファイルは、打撃フェース18の重量を減少させ、フェースのCORゾーンを増加させ、USGAのCOR制約を満たす、より大きく、より寛容なフェースを提供するための、好ましい厚さプロファイルを表す。しかしながら、有効範囲の所定の部分に沿った、x軸およびz軸のそれぞれに対する、最小および最大厚さプロファイルによって境界される、x軸およびz軸に沿った厚さプロファイルを有するフェースによって、同一、または同様の利点を得ることができる。例えば、特定の実施形態によると、打撃フェース18は、有効なx軸範囲の少なくとも50%に沿った、最小および最大厚さプロファイルによって境界される、基点x軸に沿った厚さプロファイルを有することができる。同様に、打撃フェース18は、有効なz軸範囲の少なくとも50%に沿った、最小および最大厚さプロファイルによって境界される、基点z軸に沿った厚さプロファイルを有することができる。より具体的な実施形態では、打撃フェース18の厚さプロファイルは、有効な軸範囲の少なくとも60%、70%、80%、または90%に沿った、最小および最大厚さプロファイルによって境界される。
【0081】
図示される実施形態では、ゴルフクラブヘッド2の打撃フェース18は、x軸(図11を参照)、およびz軸(図10を参照)に沿って、厚さプロファイルを有する。打撃フェース18のx軸に沿った厚さプロファイルは、有効なx軸範囲の約71%に沿った、最小および最大厚さプロファイルによって境界される。同様に、打撃フェース18のz軸に沿った厚さプロファイルは、有効なz軸範囲約65%に沿った、最小および最大厚さプロファイルによって境界される。
【0082】
例示的な一実施形態では、打撃フェース18は、チタンなど、等方性モノリス材料から作製される。等方性モノリス材料に対する曲げ剛性(BS)は、材料の弾性(E)および厚さの係数に比例し、以下の方程式によって決定することができる。
【0083】
【数32】

【0084】
式中、tは、打撃フェース18の厚さである。
チタンの弾性の係数を、約1.1・10(N/mm)と仮定すると、約10mm≦|x|≦50mmの有効範囲内の、ヘッドの基点x軸に沿った打撃フェース18の最小、最大、および呼び曲げ剛性BSは、以下の方程式によって決定することができる。
【0085】
【数33】

【0086】
【数34】

【0087】
【数35】

【0088】
図14〜15を参照すると、方程式11〜13を使用して得られる、典型的な曲げ剛性プロファイルが示される。約0mm≦|x|≦10mmの、有効範囲未満の打撃フェース18の部分が、フェースの剛性に比較的小さい影響を及ぼすため、有効範囲は、打撃フェース20の幾何学的中心から約10mm離れて始まる。しかしながら、特定の例示的実施形態では、有効範囲未満のフェース18の曲げ剛性は、約9・10N・mmから約1.40・10N・mmであり、場合によっては、中心部42で約3.0・10N・mmであることが可能である。また、有効なx軸範囲の100%に沿ったBSminおよびBSmaxによって境界される、打撃フェース18の例示的な実施形態に対する、曲げ剛性プロファイルを図14に示す。
【0089】
同様に、約10mm≦|x|≦30mmの有効範囲内の、ヘッドの基点z軸に沿った打撃フェース18の最小、最大、および呼び曲げ剛性BSは、以下の方程式によって決定することができる(この場合も同様に、約1.1・10N/mmのヤング係数を有する、チタンを仮定して)。
【0090】
【数36】

【0091】
【数37】

【0092】
【数38】

【0093】
図15を参照すると、方程式14〜16を使用して得られる、典型的な曲げ剛性プロファイルが示される。ヘッドの基点x軸に沿った有効範囲と同様に、ヘッドの基点z軸に沿った有効範囲は、約0mm≦|z|≦10mmの、有効範囲未満の打撃フェース18の部分が、フェースの剛性に比較的小さい影響を及ぼすため、打撃フェース18の幾何学的中心から約10mm離れて始まる。また、有効なz軸範囲の100%に沿った、BSminからBSmaxによって境界される、打撃フェース18の例示的な実施形態に対する、曲げ剛性プロファイルを図15に示す。
【0094】
一定の厚さのフェースと比較すると、x軸およびz軸に沿った曲げ剛性プロファイルは、より寛容なフェースのための剛性分布を増加させるために、好ましい曲げ剛性プロファイルを表す。しかしながら、有効範囲の所定の部分に沿った、x軸およびz軸のそれぞれに対する、最小および最大厚さプロファイルによって境界される、x軸およびz軸に沿った曲げ剛性プロファイルを有するフェースによって、同一、または同様の利点を得ることができる。例えば、特定の実施形態によると、打撃フェース18は、有効なx軸範囲の少なくとも50%に沿った、最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界される、基点x軸に沿った曲げ剛性プロファイルを有することができる。同様に、打撃フェース18は、有効なz軸範囲の少なくとも50%に沿った、最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界される、基点z軸に沿った曲げ剛性プロファイルを有することができる。より具体的な実施形態では、打撃フェース18の曲げ剛性プロファイルは、有効な軸範囲の少なくとも60%、70%、80%、または90%に沿った、最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界される。
【0095】
曲げ剛性プロファイルが、厚さプロファイルによって異なるため、ゴルフクラブヘッド2の打撃フェース18は、有効なx軸範囲の約71%に沿った、最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界される、x軸に沿った曲げ剛性プロファイルを有する。同様に、打撃フェース18のz軸に沿った曲げ剛性プロファイルは、同様に有効なz軸範囲の約65%に沿った、最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界される。
【0096】
上記のように、図14および15に示される曲げ剛性プロファイルは、特定のチタン合金から作製されるフェースを有する、ゴルフクラブヘッドに対して得られた。しかしながら、上記の好ましい曲げ剛性プロファイルの範囲に入るいかなるゴルフクラブヘッドも、試験済みのゴルフクラブヘッドと同一、または同様の寛容度特性を達成することから、図14および15の曲げ剛性プロファイルは、特定のチタン合金以外の材料から作製されるフェース、および恐らく異なる厚さプロファイルを有する、ゴルフクラブヘッドに対する好ましい曲げ剛性プロファイルも表す。例えば、試験済みのチタン合金以外の材料、例えば、異なるチタン合金、複合材料、または両方の組合せなどから作製されるフェースを有するゴルフクラブヘッドは、図14および15に表される曲げ剛性プロファイルを達成することができるが、フェースの材料組成の理由から、図14および15に表されるものとは、異なる厚さプロファイルを有する可能性がある。厚さプロファイルは異なる可能性があるが、上記の曲げ剛性プロファイルを達成するフェースは、チタンフェースに関して、上記の厚さプロファイルを達成するルフクラブヘッドと同一、または同様の寛容度特性を提供すると、確認されている。特定の実施形態では、例えば、黒鉛エポキシ、または積層金属などの複合材料から作製される、ゴルフクラブヘッドのフェースの曲げ剛性プロファイルは、積層理論において一般的に既知の方法を使用して、層の厚さの合計によって得ることができる。
【0097】
クラウン12、ソール14、およびスカート16は、鋳造、冷間成形、一体成型、および/または鍛造などの技術を使用して、一体的に形成することができ、打撃フェース18は、当技術分野で既知の手段によって、クラウン、ソール、およびスカートに接合することができる。例えば、打撃フェース18は、米国特許出願公開第2005/0239575号、および第2004/0235584号に記載されるように、ボディ10に接合することができる。ボディ10は、合金(例えば、チタン、スチール、アルミニウム、および/またはマグネシウム)、複合材料、セラミック材料、またはそれらのいかなる組合せから作製することができる。ゴルフクラブヘッド2の壁72は、参照することによって本願に組み込まれる2005年2月25日出願の、米国出願第11/067,475号に記載されるような、薄壁構造物から作製することができる。例えば、いくつかの実施形態では、壁は、約0.65mmから約0.8mmの厚さを有することができる。具体的な一実施形態では、クラウン12、およびスカート16の壁72は、約0.65mmの厚さを有し、ソール14の壁は、約0.8mmの厚さを有する。
【0098】
ゴルフクラブヘッド2の基点座標系は、クラブヘッドの様々な特性の位置(例えば、クラブヘッドの重心(CG)50(図5および6を参照)を含む)を決定することができるように、画定することができる。図4〜6を参照すると、クラブヘッドの基点60は、ゴルフクラブヘッド2上に表される。クラブヘッドの基点60は、ボール打撃面22の理想的なインパクト位置23、または幾何学的中心に配設される。
【0099】
図5および6を参照すると、ヘッドの基点60に関して画定されるような、ヘッドの基点座標系は、ゴルフクラブヘッド2がアドレス位置にあるとき、地面17に対して略垂直方向に、ヘッドの基点60に延在するz軸65、打撃面22に略平行、すなわち、理想的なインパクト位置23でボール打撃面22に略接線の、トウからヒールの方向に、ヘッドの基点60に延在し、z軸65に略垂直であるx軸70、および前後方向にヘッドの基点60に延在し、x軸70、およびz軸65に略垂直であるy軸75の、3つの軸を含む。x軸70、およびy軸75は両方、ゴルフクラブヘッド2がアドレス位置にあるとき、地面17に対して略水平方向に延在する。x軸70は、基点60から、ゴルフクラブヘッド2のヒール部26に、正の方向に延在する。y軸75は、基点60から、ゴルフクラブヘッド2のリア部32に向かって、正の方向に延在する。z軸65は、基点60から、クラウン12に向かって、正の方向に延在する。
【0100】
一実施形態では、ゴルフクラブヘッド2は、約0.0mmから約6.0mmのx軸座標、約30mmから約50mmのy軸座標、および約0.0mmから約−6.0mmのz軸座標で、CGを有することができる。図5および6を参照すると、具体的な一実施形態では、CG x軸座標は、約1.8mmであり、CG y軸座標は、約37.1mmであり、CG z軸座標は、約−3.3mmである。
【0101】
図4を参照すると、ゴルフクラブヘッド2は、ゴルフクラブヘッド2が適切なアドレス位置にあるとき、z軸に平行な軸に沿って測定される、ボディ10の外側表面の最下点と、最上点との間の距離として画定される、最大のクラブヘッドの高さ(Hch)、ゴルフクラブヘッド2が適切なアドレス位置にあるとき、x軸に平行な軸に沿って測定される、ボディのヒール、およびトウ部26、28の最大範囲の間の距離として画定される、最大のクラブヘッドの幅(Wch)、およびゴルフクラブヘッド2が適切なアドレス位置にあるとき、y軸に平行な軸に沿って測定される、ボディ10の表面の最前点と、最後点との間の距離として画定される、最大のクラブヘッドの深さ(Dch)、または長さを有する。ゴルフクラブヘッド2の高さ、および幅は、USGAProcedure for Measuring the Clubhead Size of Wood Clubs灯Revision 1.0に従って、測定される。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド2は、約48mmから72mmの高さ(Hch)、約100mmから約130mmの幅(Wch)、および約100mmから約130mmの深さ(Dch)を有する。具体的な一実施形態では、ゴルフクラブヘッド2は、約60.7mmの高さ(Hch)、約120.5mmの幅(Wch)、および約106.7mmの深さ(Dch)を有する。
【0102】
図5および6を参照すると、ゴルフクラブヘッド2の慣性モーメントは、通常、(1)ゴルフクラブヘッド2がアドレス位置にあるとき、地面17に対して略垂直方向に、CG50に延在するCG z軸85、(2)ボール打撃面22に略平行の、ヒールからトウの方向にCG50に延在し、CG z軸85に略垂直のCG x軸90、および(3)前後方向にCG50に延在し、CG x軸90、およびCG z軸85に略垂直のCG y軸95の、ゴルフクラブヘッドのCG50を介して延在する、3つの軸の周囲に画定される。CG x軸90、およびCG y軸95の両方は、ゴルフクラブヘッド2がアドレス位置にあるとき、地面17に対して略水平方向に延在する。
【0103】
ゴルフクラブヘッドのCG x軸90周囲の慣性モーメントは、以下の方程式によって計算される。
【0104】
【数39】

【0105】
式中、yは、ゴルフクラブヘッドのCG xz面から、微小質量dmまでの距離であり、zは、ゴルフクラブヘッドのCG xy面から、微小質量dmまでの距離である。ゴルフクラブヘッドのCG xz面は、ゴルフクラブヘッドのCG x軸90、およびゴルフクラブヘッドのCG z軸85によって画定される面である。CG xy面は、ゴルフクラブヘッドのCG x軸90、およびゴルフクラブヘッドのCG y軸95によって画定される面である。
【0106】
ゴルフクラブヘッドのCG z軸85周囲の慣性モーメントは、以下の方程式によって計算される。
【0107】
【数40】

【0108】
式中、xは、ゴルフクラブヘッドのCG yz面から、微小質量dmまでの距離であり、yは、ゴルフクラブヘッドのCG xz面から、微小質量dmまでの距離である。ゴルフクラブヘッドのCG yz面は、ゴルフクラブヘッドのCG y軸95、およびゴルフクラブヘッドのCG z軸85によって画定される面である。
【0109】
CG z軸周囲の慣性モーメント(Izz)が、CG z軸周囲のねじれに抵抗する、ゴルフクラブヘッドの能力を表すものであるとき、CG x軸周囲の慣性モーメント(Ixx)は、CG x軸周囲のねじれに抵抗する、ゴルフクラブヘッドの能力を表すものである。CG x軸周囲の慣性モーメント(Ixx)がより高いと、ゴルフボールとの高い、および低いオフセンターのインパクト時の、ゴルフクラブヘッドの寛容度が、より大きくなる。つまり、理想的なインパクト位置23より上の、ボール打撃面18の位置で、ゴルフクラブヘッドによって打たれるゴルフボールは、ゴルフクラブヘッドが上方にねじれ、ゴルフボールが、望んでいたより高い軌道を有する原因となる。同様に、理想的なインパクト位置23より下の、打撃面18の位置で、ゴルフクラブヘッドによって打たれるゴルフボールは、ゴルフクラブヘッドが下方にねじれ、ゴルフボールが、望んでいたより低い軌道を有する原因となる。CG x軸周囲の慣性モーメント(Ixx)の増加は、高い、および低いオフセンターのインパクトの悪影響を軽減するために、ゴルフクラブヘッドの上方、および下方のねじれを軽減する。
【0110】
比較的一定の厚さのフェース設計と比較すると、上記の打撃フェース18の変厚は、(1)より大きい裁量重量を、慣性モーメントの増加のために、重心から離れて配設する、または望ましい重心位置を得るために、戦略的に配設することを可能にするために、USGAのCOR制約を超えることなく、フェースの質量、例えば、重量を減少させること、(2)寛容度を助長するために、打撃面のサイズを増加させること、および(3)フェースの他の部分と比較して、よりよいゴルフショットの寛容度を提供する、クラブヘッドのCORゾーン、例えば、ゴルフクラブヘッドのフェースの芯を増加させること、を促進する。
【0111】
変厚の打撃フェース18による軽量化によって、ゴルフクラブヘッド2の慣性モーメントを増加するために、より大きい裁量重量が利用可能である。例えば、いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド2のCG z軸周囲の慣性モーメント(Izz)は、約490kg/mmから600kg/mmであり、ゴルフクラブヘッド2のCG x軸周囲の慣性モーメント(Ixx)は、約280kg/mmから約420kg/mmである。具体的な一例示的実施形態では、図1に示すように、ゴルフクラブヘッド2のCG z軸周囲の慣性モーメント(Izz)は、約528kg/mmであり、ゴルフクラブヘッド2のCG x軸周囲の慣性モーメント(Ixx)は、約339kg/mmである。
【0112】
上記のように、打撃フェース18などの変厚の打撃フェースは、フェースの耐久性を維持し、フェースのCORをUSGAの制限内に保つ一方で、打撃フェース20の面積を増加させることを可能にする。フェースがより大きいと、ゴルフボールと接触可能な面積がより大きくなり、したがって、ゴルフクラブヘッドがより寛容になる。より大きい打撃フェースは、ボールと接触するクラブの唯一の部分であることから、ゴルフクラブの最も重要な特性の1つである。より大きいフェースを提供することにより(例えば、「天ぷら」ボールの軌道をもたらす)、フェースの端部から外れてボールを打つ可能性を最小限に抑える。したがって、より大きい打撃フェースは、より積極的にボールを打つためのさらなる自信を、ゴルファーに与える。
【0113】
打撃フェース18などの変厚の打撃フェースは、ゴルフクラブヘッドの寛容度を増加させるために、フェースのCORゾーンを増加させる。例えば、図16を参照すると、一定および変厚のフェース、およびCG z軸周囲の慣性モーメント(Izz)の様々な組合せを有する、ゴルフクラブヘッドの寛容度が比較される。各ゴルフクラブヘッド構成に対して、ゴルフクラブヘッドの基点x軸に沿って、打撃面上の様々な位置で衝撃を受ける、ゴルフボールのボールスピードが示される。オフセンターのヒットに対して、より小さいボールスピードの低下を経験するクラブヘッドは、より大きく寛容度を助長すると言われている。各ゴルフクラブヘッドは、0.820のCOR、および206gのヘッドの質量を有し、ゴルフボールとのインパクト時に109mphで飛んでいた。これらの結果は、市販の有限要素解析ツール、ABAQUSを使用して、クラブヘッドの模型作製に基づく。図示されるように、600kg/mmのIzz、および一定の厚さのフェースを有するゴルフクラブヘッドは、400kg/mmの低いIzzを有するが、変厚のフェースを有するゴルフクラブヘッドを有するゴルフクラブヘッドと、同様の寛容度特性を有する。さらに、600kg/mmのIzz、および変厚のフェースを有する実施形態は、800kg/mmの高いIzz、および一定の厚さのフェースを有するゴルフクラブヘッドよりも、大きく寛容度を助長する。
【0114】
このことは、変厚のフェースプレート、および600kg/mmのIzzを有するクラブヘッドが、600kg/mmを超える、z軸周囲の実際の慣性モーメントを有すると言っているわけではない。それどころか、クラブヘッドの「感触」は、z軸周囲に高い慣性モーメントを有するゴルフクラブヘッドに引けを取らない。したがって、変厚のフェースプレート、および600kg/mmのIzzを有するクラブヘッドは、オフセンターのヒットによるボールスピードを考慮するとき、800kg/mmを超える「有効なMOI」を有すると言うことができる。600kg/mm未満の実際のMOI(例えば、590kg/mm+10kg/mmの測定許容範囲)を有するクラブヘッドは、有効なMOI(一定のフェースプレートの厚さの設計と比較して)が、600kg/mmよりも大きいと思われるが、実際には、USGAのMOI規則に準拠すると考えられるであろう。
【0115】
図17〜22を参照すると、別の例示的な実施形態による、ゴルフクラブヘッド100は、内部空洞157を画定するクラウン112、ソール114、スカート116、および打撃フェース118を有する。ボディ110は、ホーゼル120、ヒール部126、トウ部128、フロント部130、リア部132、および内部リブ182をさらに含む。打撃フェース118は、打撃面の幾何学的中心123で、理想的なインパクト位置を有する、外方に向いているボール打撃面122を含む。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、約400cmから約490cmの体積、および約185gから約215gの全質量を有する。図17を参照すると、具体的な一実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、約454cmの体積、および約202.8gの全質量を有する。
【0116】
特に指定のない限り、ゴルフクラブヘッド100のボディ110の、全般的な詳細、および特性は、ゴルフクラブヘッド2のボディ10の、同一、または同様の特性を参照して、理解することができる。
【0117】
図示される実施形態では、ゴルフクラブヘッド100のフェース118は、x軸(図21を参照)、およびy軸(図22を参照)に沿って、厚さプロファイルを有する。フェース118のx軸に沿った厚さプロファイルは、有効なx軸範囲の約100%に沿った、最小および最大厚さプロファイルによって境界される。同様に、フェース118のz軸に沿った厚さプロファイルは、有効なz軸範囲の約100%に沿った、最小および最大厚さプロファイルによって境界される。
【0118】
曲げ剛性プロファイルが、厚さプロファイルによって異なるため、ゴルフクラブヘッド100のフェース118は、同様に有効なx軸範囲の約100%に沿った、最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界される、x軸に沿った曲げ剛性プロファイルを有する。同様に、フェース118のz軸に沿った曲げ剛性プロファイルは、同様に有効なz軸範囲の約100%に沿った、最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界される。
【0119】
ソール114は、ゴルフクラブヘッド2のソール14よりも短い距離、ゴルフクラブヘッド100の最下点から上方に延在する。例えば、いくつかの実施では、ソール114は、ゴルフクラブヘッド100の最下点から、クラウン112までの距離の、約50%から60%上方に延在するが、場合によっては、ドライバーに対して約15mm、およびフェアウェイウッドに対して、約10mmから約12mmである可能性がある。さらに、ソール114は、適切なアドレス位置にあるとき、地面117に水平に延在する、実質的扁平部119を備える。一部の実施形態において、ソール114の最底部は、ゴルフクラブヘッド100の深さ(Dch)の、約5%から約70%、地面117に実質的に平行に延在する。
【0120】
ゴルフクラブヘッド100のソール114は、ゴルフクラブヘッド2のソール12よりも短いため、スカート116は、ゴルフクラブヘッド2のスカート16よりも高く、すなわち、より大きい約垂直距離に延在する。
【0121】
少なくとも一実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、クラブヘッドのリア部132に近接した、スカート116内に形成されるウェート部140を含む(図12を参照)。ウェート部140は、参照することによって本願に組み込まれる米国特許出願第11/066,720号、および第11/065,772号に記載されるような、多くのウェート、またはウェートアセンブリのいずれも収容、および保持するような、多くの様々な構成のいずれも有することができる。
【0122】
いくつかの実施形態では、打撃面122のゴルフクラブヘッド100は、約45mmから約65mmの高さ(Hss)、および約75mmから約105mmの幅(Wss)を有する。具体的な一実施形態では、打撃フェース122は、約54.4mmの高さ(Hss)、約90.6mmの幅(Wss)、および約4,098mmの総打撃面積を有する。
【0123】
一実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、約0.0mmから約6.0mmのx軸座標、約30mmから約50mmのy軸座標、および約0.0mmから約−6.0mmのz軸座標で、CGを有する。具体的な一実施形態では、CG x軸座標は、約2.0mmであり、CG y軸座標は、約37.9mmであり、CG z軸座標は、約−4.67mmである。
【0124】
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、約48mmから約72mmの高さ(Hch)、約100mmから約130mmの幅(Wch)、および約100mmから約130mmの深さ(Dch)を有する。具体的な一実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、約62.2mmの高さ(Hch)、約119.3mmの幅(Wch)、および103.9mmの深さ(Dch)を有する。
【0125】
特定の例示的実施形態によると、ゴルフクラブヘッド100は、約490kg/mmから約600kg/mmの、CG z軸周囲の慣性モーメント(Izz)、および約280kg/mmから約420kg/mmの、CG x軸周囲の慣性モーメント(Ixx)を有する。具体的な一実施形態では、ゴルフクラブヘッド100は、約500kg/mmのCG z軸周囲の慣性モーメント(Izz)、および約337kg/mmのCG x軸周囲の慣性モーメント(Ixx)を有する。
【0126】
図23〜27を参照し、別の例示的な実施形態によると、ゴルフクラブヘッド200は、ゴルフクラブヘッド100のボディ110、およびゴルフクラブヘッド2のボディ10と同様の、低いスカートを備える、ボディ210を有する。ボディ210は、内部空洞257を画定する、クラウン212、ソール214、スカート216、打撃フェース218を含む。ボディ210は、ホーゼル220、ヒール部226、トウ部228、フロント部230、およびリア部232をさらに含む。打撃フェース218は、打撃面の幾何学的中心223で、理想的なインパクト位置を有する、外方に向いているボール打撃面222を含む。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、約400cmから約490cmの体積、および約185gから約215gの全質量を有する。図23を参照すると、具体的な一実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、約455cmの体積、および約203.9gの全質量を有する。他の具体的な実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、約444cmの体積、および約205.2gの全質量を有する。
【0127】
特に指定のない限り、ゴルフクラブヘッド200のボディ210の、全般的な詳細、および特性は、ゴルフクラブヘッド2のボディ10、およびゴルフクラブヘッド100ボディ110の同一、または同様の特性を参照して、理解することができる。
【0128】
図示される実施形態では、ゴルフクラブヘッド200の打撃フェース218は、x軸(図26を参照)、およびz軸(図27を参照)に沿って、厚さプロファイルを有する。フェース18のx軸に沿った厚さプロファイルは、有効なx軸範囲の約100%に沿った、最小および最大厚さプロファイルによって境界される。同様に、フェース218のz軸に沿った厚さプロファイルは、有効なz軸範囲の約100%に沿った、最小および最大厚さプロファイルによって境界される。
【0129】
曲げ剛性プロファイルが、厚さプロファイルによって異なるため、ゴルフクラブヘッド200の打撃フェース218は、同様に有効なx軸範囲の約100%に沿った、最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界される、x軸に沿った曲げ剛性プロファイルを有する。同様に、打撃フェース218のz軸に沿った曲げ剛性プロファイルは、同様に有効なz軸範囲の約100%に沿った、最小および最大曲げ剛性プロファイルによって境界される。
【0130】
ゴルフクラブヘッド100のソール114と同様に、ソール214は、ゴルフクラブヘッド200の最下点から、クラウン212までの距離の、約50%から約60%上方に延在する。したがって、スカート216は、ゴルフクラブヘッド2のスカート16よりも高く、すなわち、より大きい約垂直距離、延在する。
【0131】
少なくとも一実施形態では、また図16、18および20に示すように、ゴルフクラブヘッド200は、クラブヘッドのリア部232に近接した、ソール114内に形成されるウェート部240を含む。ウェート部240は、多くのウェート、またはウェートアセンブリのいずれも収容、および保持するような、多くの様々な構成のいずれも有することができる。例えば、図示されるように、ウェート部240は、ボディ210の壁272から内部空洞257に上方に実質的に垂直に延在する。
【0132】
いくつかの実施形態では、打撃面222のゴルフクラブヘッド200は、約45mmから約65mmの高さ(Hss)、および75mmから約105mmの幅(Wss)を有する。具体的な一実施形態では、打撃面222は、約53.5mmの高さ(Hss)、約92.3mmの幅(Wss)、および約4,013mmの総打撃面積を有する。別の具体的な実施形態では、打撃面222は、約54.7mmの高さ(Hss)、約92.3mmの幅(Wss)、および約4,115mmの総打撃面積を有する。
【0133】
一実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、約0.0mmから約6.0mmのx軸座標、約30mmから約50mmのy軸座標、および約0.0mmから約−6.0mmのz軸座標で、CGを有する。具体的な一実施形態では、CG x軸座標は、約2.2mmであり、CG y軸座標は、約37.9mmであり、CG z軸座標は、約−4.3mmである。別の具体的な実施形態では、CG x軸座標は、約2.8mmであり、CG y軸座標は、約35.8mmであり、CG z軸座標は、約−3.4mmである。
【0134】
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、約48mmから約72mmの高さ(Hch)、約100mmから約130mmの幅(Wch)、および約100mmから約130mmの深さ(Dch)を有する。具体的な一実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、約62.3mmの高さ(Hch)、約120.0mmの幅(Wch)、および約111.6mmの深さ(Dch)を有する。別の具体的な実施形態では、ゴルフクラブヘッド200は、約62.6mmの高さ(Hch)、約121.0mmの幅(Wch)、および約107.4mmの深さ(Dch)を有する。
【0135】
ゴルフクラブヘッド200は、いくつかの実施形態では、約490kg/mmから約600kg/mmのCG z軸周囲の慣性モーメント(Izz)、および約280kg/mmから約420kg/mmのCG x軸周囲の慣性モーメント(Ixx)を有する。具体的な一実施形態では、クラブヘッド200は、約516kg/mmのCG z軸周囲の慣性モーメント(Izz)、および約354kg/mmのCG x軸周囲の慣性モーメント(Ixx)を有する。別の具体的な実施形態では、クラブヘッド200は、約496kg/mmのCG z軸周囲の慣性モーメント(Izz)、および約329kg/mmのCG x軸周囲の慣性モーメント(Ixx)を有する。
【0136】
開示されるゴルフクラブヘッドの原理を応用することができる、多くの可能な実施形態を考慮して、図示される実施形態は、ゴルフクラブヘッドの好ましい実施例に過ぎず、ゴルフクラブヘッドの範囲を限定すると考えるべきではないことを、認識されるものとする。正確には、本発明の範囲は、以下の請求項によって定義される。したがって、我々は、これらの請求項の範囲、および精神内に入るすべてを、我々の発明として請求する。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】図1は、第1の実施形態による、ゴルフクラブヘッドの側面図である。
【図2】図2は、図1のゴルフクラブヘッドの正面図である。
【図3】図3は、図1のゴルフクラブヘッドの底面斜視図である。
【図4】図4は、ゴルフクラブヘッドの基点の座標系を示し図1のゴルフクラブヘッドの正面図である。
【図5】図5は、重心の座標系を示し図1のゴルフクラブヘッドの側面図である。
【図6】図6は、図1のゴルフクラブヘッドの平面図である。
【図7】図7は、図1の線7−7に沿った図1のゴルフクラブヘッドの断面図である。
【図8】図8は、図2の線8−8に沿った図1のゴルフクラブヘッドの断面側面図である。
【図9】図9は、打撃フェースの背面図である。
【図10】図10は、図9の線10−10に沿った図9の打撃フェースの断面側面図である。
【図11】図11は、図9の線11−11に沿った図9の打撃フェースの断面側面図である。
【図12】図12は、クラブヘッドの基点x軸に沿った打撃フェースの厚さの変化のグラフである。
【図13】図13は、クラブヘッドの基点z軸に沿った、打撃フェースの厚さの変化のグラフである。
【図14】図14は、クラブヘッドの基点x軸に沿った打撃フェースの曲げ剛性の変化のグラフである。
【図15】図15は、クラブヘッドの基点z軸に沿った打撃フェースの曲げ剛性の変化のグラフである。
【図16】図16は、異なるゴルフクラブヘッドの実施形態に対する、打撃フェースのインパクト位置によるボールスピードのロスの変化のグラフである。
【図17】図17は、第2の実施形態による、ゴルフクラブヘッドの側面図である。
【図18】図18は、図17のゴルフクラブヘッドの正面図である。
【図19】図19は、図17のゴルフクラブヘッドの底面斜視図である。
【図20】図20は、図17のゴルフクラブヘッドの平面図である。
【図21】図21は、図17の線21−21に沿った図17のゴルフクラブヘッドの断面図である。
【図22】図22は、図20の線22−22に沿った図17のゴルフクラブヘッドの断面側面図である。
【図23】図23は、第3の実施形態による、ゴルフクラブヘッドの側面図である。
【図24】図24は、図23のゴルフクラブヘッドの底面斜視図である。
【図25】図25は、図23のゴルフクラブヘッドの平面図である。
【図26】図26は、図23の線26−26に沿った図23のゴルフクラブヘッドの断面図である。
【図27】図27は、図25の線27−27に沿った図23のゴルフクラブヘッドの断面側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブヘッドであって、
内部空洞を画定し、前記ゴルフクラブヘッドの下部に配設されるソールと、頂部に配設されるクラウンと、前記ソールと前記クラウンとの間の外面周辺に配設されるスカートとを備えるボディであって、前部と後部を有するボディと、
前記ボディの前記前部に配設されるフェースであって、前記ゴルフクラブヘッドの基点で、理想的なインパクト位置を有する打撃面を画定し、前記ヘッドの基点は、前記ヘッドが理想的に配設されるとき、前記フェースに接線方向であり、地面に略平行であるx軸と、前記ヘッドが理想的に配設されるとき、前記x軸に略垂直であり、地面に略平行であるy軸と、前記x軸と、前記y軸との両方に垂直であるz軸とを含むフェースと、
を備え、
前記ゴルフクラブヘッドは、約490kg/mmより大きい、前記ヘッドの基点z軸に略平行の、前記ゴルフクラブヘッドの重心z軸周囲に慣性モーメントを有し、
前記フェースは、前記ヘッドの基点x軸に沿って厚さを有し、前記厚さは、約−10mmから約−50mmの第1の範囲、および約10mmから約50mmの第2の範囲内で、前記x軸座標xの少なくとも50%に対して、tminからtmaxであり、
【数1】

および
【数2】

である、ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記打撃面は、約3,500mmから約4,500mmの面積を有することを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記フェースは、前記ヘッドの基点z軸に沿って厚さを有し、前記厚さは、約−10mmから約−30mmの第3の範囲、および約10mmから約30mmの第4の範囲内で、前記z軸座標zの少なくとも50%に対して、tminからtmaxであり、
【数3】

および
【数4】

である、ことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記第1および第2の範囲のそれぞれ1つ内の、前記フェースの第1の部分の前記厚さは、前記第1および第2の範囲のそれぞれ1つ内の、前記フェースの第2の部分より、少なくとも約2mm大きいことを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記フェースの前記厚さは、前記第1および第2の範囲内の、前記x軸座標xの少なくとも80%に対して、tminからtmaxであることを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記ゴルフクラブヘッドは、約280kg/mmより大きい、前記ヘッドの基点x軸に略平行の、前記ゴルフクラブヘッドの重心x軸周囲に、慣性モーメントを有することを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記ゴルフクラブヘッドは、約0.0mmから約6.0mmのx軸座標と、約0.0mmから約−6.0mmのz軸座標で重心を有することを特徴とする請求項1に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
ゴルフクラブヘッドであって、
内部空洞を画定し、前記ゴルフクラブヘッドの下部に配設されるソールと、頂部に配設されるクラウンと、前記ソールとクラウンとの間の外面周辺に配設されるスカートとを備えるボディであって、前部と後部を有するボディと、
前記ボディの前記前部に配設されるフェースであって、前記ゴルフクラブヘッドの基点で、理想的なインパクト位置を有する打撃面を画定し、前記ヘッドの基点は、前記ヘッドが理想的に配設されるとき、前記フェースに接線方向であり、地面に略平行であるx軸と、前記ヘッドが理想的に配設されるとき、前記x軸に略垂直であり、地面に略平行であるy軸と、前記x軸と、前記y軸との両方に垂直であるz軸とを含むフェースと、
を備え、
前記ゴルフクラブヘッドは、約280kg/mmより大きい、前記ヘッドの基点x軸に略平行の、前記ゴルフクラブヘッドの重心x軸周囲に、慣性モーメントを有し、
前記フェースは、前記ヘッドの基点z軸に沿って厚さを有し、前記厚さは、約−10mmから約−30mmの第1の範囲、および約10mmから約30mmの第2の範囲内で、前記z軸座標zの少なくとも50%に対して、tminからtmaxであり、
【数5】

および
【数6】

である、ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項9】
前記打撃面は、約3,500mmから約4,500mmの面積を有することを特徴とする請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項10】
前記フェースは、前記ヘッドの基点x軸に沿って厚さを有し、前記厚さは、約−10mmから約−50mmの第3の範囲、および約10mmから約50mmの第4の範囲内で、前記x軸座標xの少なくとも50%に対して、tminからtmaxであり、
【数7】

および
【数8】

である、ことを特徴とする請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項11】
前記第1および第2の範囲のそれぞれ1つ内の、前記フェースの第1の部分の前記厚さは、前記第1および第2の範囲のそれぞれ1つ内の、前記フェースの第2の部分より、少なくとも約2mm大きいことを特徴とする請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項12】
前記フェースの前記厚さは、前記第1および第2の範囲内の、前記z軸座標zの少なくとも80%に対して、tminからtmaxであることを特徴とする請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項13】
前記ゴルフクラブヘッドは、約490kg/mmより大きい、前記ヘッドの基点z軸に略平行の、前記ゴルフクラブヘッドの重心z軸周囲に、慣性モーメントを有することを特徴とする請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項14】
前記ゴルフクラブヘッドは、約0.0mmから約6.0mmのx軸座標と、約0.0mmから約−6.0mmのz軸座標で重心を有することを特徴とする請求項8に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項15】
ゴルフクラブヘッドであって、
内部空洞を画定し、前記ゴルフクラブヘッドの下部に配設されるソールと、頂部に配設されるクラウンと、前記ソールとクラウンとの間の外面周辺に配設されるスカートとを備えるボディであって、前部と後部を有するボディと、
前記ボディの前記前部に配設されるフェースであって、前記ゴルフクラブヘッドの基点で、理想的なインパクト位置を有する打撃面を画定し、前記ヘッドの基点は、前記ヘッドが理想的に配設されるとき、前記フェースに接線方向であり、地面に略平行であるx軸と、前記ヘッドが理想的に配設されるとき、前記x軸に略垂直であり、地面に略平行であるy軸と、前記x軸と、前記y軸との両方に垂直であるz軸とを含むフェースと、
を備え、
前記ゴルフクラブヘッドは、約490kg/mmより大きい、前記ヘッドの基点z軸に略平行の、前記ゴルフクラブヘッドの重心z軸周囲に、慣性モーメントと、約280kg/mmより大きい、前記ヘッドの基点x軸に略平行の、前記ゴルフクラブヘッドの重心x軸周囲に、慣性モーメントとを有し、
前記フェースは、前記ゴルフクラブヘッドの基点に接線方向に、およびそこから放射状に外方に延在する、放射軸に沿って厚さを有し、前記厚さは、約10mm以上および約50mm以下の前記放射軸に沿って、前記ゴルフクラブヘッドの基点から離れた、距離rの少なくとも50%に沿って、tminからtmaxであり、
【数9】

および
【数10】

である、ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項16】
前記打撃面は、約3,500mmから約4,500mmの面積を有することを特徴とする請求項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項17】
前記ゴルフクラブヘッドは、約0.0mmから約6.0mmのx軸座標と、約0.0mmから約−6.0mmのz軸座標で重心を有することを特徴とする請求項15に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項18】
ゴルフクラブヘッドであって、
内部空洞を画定し、前記ゴルフクラブヘッドの下部に配設されるソールと、頂部に配設されるクラウンと、前記ソールとクラウンとの間の外面周辺に配設されるスカートとを備えるボディであって、前部と後部を有するボディと、
前記ボディの前記前部に配設されるフェースであって、前記ゴルフクラブヘッドの基点で、理想的なインパクト位置を有する打撃面を画定し、前記ヘッドの基点は、前記ヘッドが理想的に配設されるとき、前記フェースに接線方向であり、地面に略平行であるx軸と、前記ヘッドが理想的に配設されるとき、前記x軸に略垂直であり、地面に略平行であるy軸と、前記x軸と、前記y軸との両方に垂直であるz軸とを含むフェースと、
を備え、
前記ゴルフクラブヘッドは、約490kg/mmより大きい、前記ヘッドの基点z軸に略平行の、前記ゴルフクラブヘッドの重心z軸周囲に、慣性モーメントを有し、
前記フェースは、前記ヘッドの基点x軸に沿って、曲げ剛性を有し、前記曲げ剛性は、約−10mmから約−50mmの第1の範囲、および約10mmから約50mmの第2の範囲内で、前記x軸座標xの少なくとも50%に対して、BSminからBSmaxであり、
【数11】

および
【数12】

である、ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項19】
前記打撃面は、約3,500mmから約4,500mmの面積を有することを特徴とする請求項18に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項20】
前記ゴルフクラブヘッドは、約0.0mmから約6.0mmのx軸座標と、約0.0mmから約−6.0mmのz軸座標で重心を有することを特徴とする請求項18に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項21】
前記フェースは、前記ヘッドの基点x軸に沿って厚さを有し、前記厚さは、約−10mmから約−50mmの第3の範囲、および約10mmから約50mmの第4の範囲内で、前記x軸座標xの少なくとも50%に対して、tminからtmaxであり、
【数13】

および
【数14】

である、ことを特徴とする請求項18に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項22】
前記フェースは、前記ヘッドの基点z軸に沿って厚さを有し、前記厚さは、約−10mmから約−30mmの第3の範囲、および約10mmから約30mmの第4の範囲内で、前記z軸座標zの少なくとも50%に対して、tminからtmaxであり、
【数15】

および
【数16】

である、ことを特徴とする請求項18に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項23】
ゴルフクラブヘッドであって、
内部空洞を画定し、前記ゴルフクラブヘッドの下部に配設されるソールと、頂部に配設されるクラウンと、前記ソールとクラウンとの間の外面周辺に配設されるスカートとを備えるボディであって、前部と後部を有するボディと、
前記ボディの前記前部に配設されるフェースであって、前記ゴルフクラブヘッドの基点で、理想的なインパクト位置を有する打撃面を画定し、前記ヘッドの基点は、前記ヘッドが理想的に配設されるとき、前記フェースに接線方向であり、地面に略平行であるx軸と、前記ヘッドが理想的に配設されるとき、前記x軸に略垂直であり、地面に略平行であるy軸と、前記x軸と、前記y軸との両方に垂直であるz軸とを含むフェースと、を備え、
前記ゴルフクラブヘッドは、約280kg/mmより大きい、前記ヘッドの基点x軸に略平行の、前記ゴルフクラブヘッドの重心x軸周囲に、慣性モーメントを有し、
前記フェースは、前記ヘッドの基点z軸に沿って、曲げ剛性を有し、前記曲げ剛性は、約−10mmから約−30mmの第1の範囲、および約10mmから約30mmの第2の範囲内で、前記z軸座標zの少なくとも50%に対して、BSminからBSmaxであり、
【数17】

および
【数18】

である、ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
【請求項24】
前記打撃面は、約3,500mmから約4,500mmの面積を有することを特徴とする請求項23に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項25】
前記ゴルフクラブヘッドは、約0.0mmから約6.0mmのx軸座標と、約0.0mmから約−6.0mmのz軸座標で重心を有することを特徴とする請求項23に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項26】
前記フェースは、前記ヘッドの基点x軸に沿って厚さを有し、前記厚さは、約−10mmから約−50mmの第3の範囲、および約10mmから約50mmの第4の範囲内で、前記x軸座標xの少なくとも50%に対して、tminからtmaxであり、
【数19】

および
【数20】

である、ことを特徴とする請求項23に記載のゴルフクラブヘッド。
【請求項27】
前記フェースは、前記ヘッドの基点z軸に沿って厚さを有し、前記厚さは、約−10mmから約−30mmの第3の範囲、および約10mmから約30mmの第4の範囲内で、前記z軸座標zの少なくとも50%に対して、tminからtmaxであり、
【数21】

および
【数22】

である、ことを特徴とする請求項23に記載のゴルフクラブヘッド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate


【公開番号】特開2009−160376(P2009−160376A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−264852(P2008−264852)
【出願日】平成20年10月14日(2008.10.14)
【出願人】(502330377)テイラー メイド ゴルフ カンパニー, インコーポレーテッド (15)
【Fターム(参考)】