説明

ゴーストメッセージング

【課題】ゴーストメッセージ通信を提供する。
【解決手段】ゴーストメッセージ通信システムは、ユーザ情報、クライアント機器の場所情報、およびクライアント機器のユーザによって作成されるゴーストメッセージを格納するように構成されたサーバと、クライアント機器に関連する場所情報をサーバに送信するように構成された複数のアクセスポイントと、場所関連性の指示を含めて、ゴーストメッセージを作成するように構成された少なくとも1つのクライアント機器とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、コンピュータネットワークを介した通信およびメッセージ通信に関する。また、好ましい実施形態は、より詳細には、インスタントメッセージ通信システムなどのメッセージ通信システム、情報関連性管理システム、企業情報配信通知システム、局所的無線データブロードキャストシステムなどにも関する。また、好ましい実施形態は、無線場所ベースメッセージ通信存在システムを提供する。
【背景技術】
【0002】
多様なコンピュータネットワークがあり、インターネット(登録商標)が最も有名である。インターネットは、コンピュータネットワークの世界規模のネットワークである。今日、インターネットは、何百万人ものユーザが利用可能な、公衆の自律的ネットワークである。インターネットは、TCP/IP(すなわち、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル)と呼ばれる1組の通信プロトコルを使って各ホストを接続する。インターネットは、インターネットバックボーンと呼ばれる通信インフラストラクチャを有する。インターネットバックボーンへのアクセスの大部分は、企業及び個人へのアクセスを再販するインターネットサービスプロバイダ(ISP)によって制御される。
【0003】
IP(インターネットプロトコル)に関して、これは、ネットワーク上である装置(電話機、PDA(携帯情報端末)、コンピュータなど)から別の装置にデータを送るためのプロトコルである。今日、IPv4、IPv6などを含めて、様々なIPのバージョンがある。ネットワーク上の各ホスト装置は、ホスト装置のIPネットワークへの接続点を識別する少なくとも1つのIPアドレスを有する。
【0004】
IPはコネクションレス型プロトコルである。通信時の端点間接続は連続的ではない。ユーザがデータ又はメッセージを送信し、又は受信するとき、データ又はメッセージは、パケットと呼ばれる構成要素に分割される。各パケットは、独立のデータ単位として扱われる。
【0005】
インターネットなどのネットワークを介した各点間の伝送を標準化するために、OSI(開放型システム間相互接続)モデルが確立された。OSIモデルは、ネットワーク中の2点間の通信プロセスを7つの階層に分け、各層(レイヤ)は独自の機能セットを追加する。各装置は、送信側端点では各層を通る下流があり、受信側端点では各層を通る上流があるようにメッセージを処理する。7つの機能層を提供するプログラミング及び/又はハードウェアは、通常、デバイスオペレーティングシステム、アプリケーションソフトウェア、TCP/IP及び/又は他のトランスポート及びネットワークプロトコル、並びに他のソフトウェア及びハードウェアの組合せである。
【0006】
(無線ネットワーク)
無線ネットワークは、例えば、セルラ及び無線電話機、PC(パーソナルコンピュータ)、ラップトップコンピュータ、装着型コンピュータ、コードレス電話機、ポケットベル、ヘッドセット、プリンタ、PDAなど、多種多様なモバイル機器を組み込むことができる。例えば、モバイル機器は、音声及び/又はデータの高速無線伝送を確保するデジタルシステムを含むことができる。典型的なモバイル機器は、送受信機(すなわち、例えば、送信機、受信機及び、必要に応じて、他の機能が統合されたシングルチップ送受信機などを含む、送信機及び受信機)、アンテナ、プロセッサ、1つ又は複数の音声変換器(例えば、音声通信用機器でのスピーカやマイクロホンなど)、電磁データ記憶(データ処理が提供される機器の場合などでの、ROM、RAM、デジタルデータ記憶など)、メモリ、フラッシュメモリ、フルチップセット又は集積回路、インターフェース(USB、CODEC、UART、PCMなど)などといった構成要素の一部又は全部を含む。
【0007】
モバイルユーザが無線接続を介してローカルエリアネットワーク(LAN)に接続することのできる無線LAN(WLAN)が、無線通信に用いられ得る。無線通信には、例えば、光、赤外線、電波、マイクロ波などの電磁波を介して伝搬する通信などが含まれ得る。現在、ブルートゥース、IEEE802.11、HomeRFなど、様々なWLAN標準が存在する。
【0008】
例えば、ブルートゥース(登録商標)製品は、モバイルコンピュータ、モバイル電話機、携帯式ハンドヘルド機器、携帯情報端末(PDA)、及び他のモバイル機器の間のリンク、ならびにインターネットへの接続を提供するのに使用できる。ブルートゥースは、モバイル機器が、短距離無線接続を使って、相互に、また非モバイル機器と、どのようにして容易に相互接続し合うことができるかを詳述するコンピュータ及び電気通信業界の仕様である。ブルートゥースは、ある機器と別の機器との間でデータを同期させ、整合させ続けることを必要とする様々なモバイル機器の普及から生じるエンドユーザ問題に対処するためのデジタル無線プロトコルを作成し、異なるベンダからの装置が相互にシームレスに動作できるようにする。ブルートゥース機器は、共通の命名概念に従って命名できる。例えば、ブルートゥース機器は、ブルートゥース機器名(BDN)又は一意のブルートゥース機器アドレス(BDA)に関連付けられた名称を持つことができる。また、ブルートゥース機器は、インターネットプロトコル(IP)ネットワークに参加することもできる。ブルートゥース機器がIPネットワーク上で機能する場合、この機器は、IPアドレス及びIP(ネットワーク)名を持つことができる。よって、IPネットワークに参加するように構成されたブルートゥース機器は、BDN、BDA、IPアドレス及びIP名などを含むことができる。「IP名」という用語は、インターフェースのIPアドレスに対応する名称を指す。
【0009】
IEEE標準であるIEEE802.11は、無線LAN及び機器の技術の仕様を定める。802.11を使えば、各単一基地局がいくつかの機器をサポートする無線ネットワーキングが実現できる。いくつかの例では、機器に無線ハードウェアが事前装備されていることもあり、ユーザが、アンテナを含むことができる、カードなどの別個のハードウェアをインストールすることもできる。例えば、802.11で使用される機器は、通常、機器がアクセスポイント(AP)であるか、移動局(STA)であるか、ブリッジであるか、PCMCIAカードであるか、それとも別の機器であるか否かを問わず、無線送受信機、アンテナ、及びネットワークにおける各点間のパケットの流れを制御するMAC(媒体アクセス制御)層という3つの注目すべき要素を含む。
【0010】
加えて、いくつかの無線ネットワークでは、複数インターフェース機器(MID)が利用できる。MIDは、ブルートゥースインターフェースと802.11インターフェースなど、2つの独立のネットワークインターフェースを含むことができ、よって、MIDが2つの別個のネットワーク上に参加すると同時に、ブルートゥース機器ともインターフェースすることが可能になる。MIDは、IPアドレス、及びIPアドレスに関連付けられた共通IP(ネットワーク)名を持つことができる。
【0011】
無線ネットワーク機器には、それだけに限らないが、ブルートゥース機器、複数インターフェース機器(MID)、802.11x機器(802.11a、802.11b、802.11g機器などを含む、IEEE802.11機器)、HomeRF(家庭内無線周波数)機器、Wi−Fi(Wireless Fidelity)機器、GPRS(汎用パケット無線システム)機器、3Gセルラ機器、2.5Gセルラ機器、GSM(移動通信用グローバルシステム)機器、EDGE(Enhanced Data for GSM Evolution)機器、TDMA型(時分割多重接続)機器、又はCDMA2000を含むCDMA型(符号分割多重接続)機器が含まれ得る。各ネットワーク機器は、それだけに限らないが、IPアドレス、ブルートゥース機器アドレス、ブルートゥース共通名、ブルートゥースIPアドレス、ブルートゥースIP共通名、802.11IPアドレス、802.11IP共通名、IEEE MACアドレスを含む、様々な種類のアドレスを含むことができる。
【0012】
また、無線ネットワークには、例えば、モバイルIP(インターネットプロトコル)システム、PCSシステム、及び他のモバイルネットワークシステムにおいて見られる方法及びプロトコルも関与できる。モバイルIPでは、これに、インターネット技術標準化委員会(IETF)によって作成された標準通信プロトコルが関与する。モバイルIPでは、モバイル機器ユーザは、これらの一旦割り当てられたIPアドレスを維持しつつ、各ネットワークにまたがって移動することができる。コメント要求(RFC)3344を参照されたい。(注:RFCはインターネット技術標準化委員会(IETF)の公式文書である。)モバイルIPは、インターネットプロトコル(IP)を拡張し、モバイル機器のホームネットワーク外部に接続するときに、モバイル機器にインターネットトラフィックを転送する手段を追加する。モバイルIPは、各モバイルノードに、これのホームネットワーク上のホームアドレスと、ネットワーク及びこれのサブネット内の機器の現在位置を識別する気付アドレス(CoA)を割り当てる。機器が異なるネットワークに移動すると、機器は、新しい気付アドレスを受け取る。ホームネットワーク上のモビリティエージェントは、各ホームアドレスを、これの気付アドレスと関連付けることができる。モバイルノードは、インターネット制御メッセージプロトコル(ICMP)などを使って、これの気付アドレスを変更する都度ホームエージェントにバインディング更新を送ることができる。
【0013】
基本的なIP経路指定(すなわち、モバイルIP外部)では、通常、経路指定機構は、各ネットワークノードが、常に、インターネットなどへの一定の接続点を有し、かつ各ノードのIPアドレスが、これが接続されているネットワークリンクを識別するという仮定を利用する。本明細書において、「ノード」という用語は、例えば、データ伝送のための再配信点や端点などを含むことができ、他のノードへの通信を認識し、処理し、及び/又は転送することのできる接続点を含む。例えば、インターネットルータは、機器のネットワークを識別するIPアドレス接頭部などを調べることができる。次いで、ネットワークレベルにおいて、ルータは、特定のサブネットを識別するビットセットなどを調べることができる。次いで、サブネットレベルにおいて、ルータは、特定の機器を識別するビットセットなどを調べることができる。典型的なモバイルIP通信の場合、ユーザが、例えば、インターネットなどからモバイル機器を切り離し、これを新しいサブネットで再接続しようとする場合、機器は、新しいIPアドレス、適正なネットマスク及びデフォルトのルータを用いて再構成される必要がある。そうでなければ、経路指定プロトコルは、パケットを適正に配信することができないはずである。
【0014】
電子通信
様々な電子通信方法が知られている。例えば、いくつかの一般的な電子通信方法には、インスタントメッセージ通信やEメールが含まれる。
【0015】
インスタントメッセージ通信(IMと呼ばれることもある)は、ユーザが、簡単に、選択した友達(友人、同僚、仕事仲間など)がインターネットに接続されているかどうか確認し、接続されている場合には、相手とメッセージを交換し合うことができるようにする。インスタントメッセージ通信は、通常、メッセージ交換の即時性の点で一般のEメールとは異なる。通常、IM交換は、テキストのみである。しかしながら、(AOLインスタントメッセージ通信など)サービスによっては、音声メッセージ通信やファイル共用を可能にするものもある。IMでは、各ユーザが、サービスに加入する(また、例えば、自分のユーザ機器に特定のソフトウェアを備えている)必要もあり、同時にオンラインである必要もある。加えて、目的の受信者が、インスタントメッセージを進んで受け入れる必要もある。ある人がオンラインでない人、またはインスタントメッセージを進んで受け入れようとしない人にIMを送信しようとする場合には、通常、送信が完了できないという通知が提供される。受信者のオンラインソフトウェアがインスタントメッセージを受け入れるように設定されている場合、このソフトウェアは、通常、特有の音で受信者の注意を喚起し、IMが届いていることを示すと共に、受信者がIMを受け入れ、または拒絶することができるようにするポップアップウィンドウを表示し、あるいは着信メッセージを含むポップアップウィンドウを表示する。一般に、IMは、実際に、または事実上即時的(例えば、普通、数秒未満の遅延を伴うなど)とすることができ、このため、通常は、2人が相互にIMを送信し合うことによって、リアルタイムのオンライン「会話」を行うことが可能である。
【0016】
Eメールまたは電子メールには、電気通信によるコンピュータ格納メッセージの交換が関与する。Eメールメッセージは、普通、ASCIIテキストとして符号化される。しかしながら、しばしば、グラフィック画像や音声ファイルなど、非テキストファイルも、添付ファイルとして送信できる(例えば、バイナリストリームとして送信されるなど)。また、Eメールは、オンラインサービス提供者のユーザ間や、(公衆であれ、専用であれ)インターネット以外のネットワークにおいても交換できる。通常、Eメールは、人々のリストおよび/または個人に送信できる。Eメールは、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)プロトコル一式に付属するプロトコルの1つである。Eメールを送信するための一般的なプロトコルが、簡易メール転送プロトコルである。加えて、Eメールを受信するための1つの一般的なプロトコルの例がPOP3である。ネットスケープコミュニケーションズ(NETSCAPE COMMUNICATIONS)やマイクロソフト(MICROSOFT)によるものなど、様々なコンピュータソフトウェアシステムが、これらのWebブラウザソフトウェアに付属してEメールユーティリティを含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
様々な通信システムおよび方法が知られているが、インターネットおよび/または他のネットワークを介して通信する、改善され、強化されたシステムおよび方法が、依然として求められている。特に、機器および人々を物理的に追跡する分野における研究がなされているが、既存のシステムは、とりわけ、メッセージを、他の場所ではなく特定の場所に宛先指定させることができない。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の好ましい実施形態は、既存の方法および/または装置を著しく改善することができる。
【0019】
従来のメッセージ通信システムは、送信者に、送信者のメッセージが関連性を有する地理的領域を指定させることができず、送信者に、送信者のメッセージが関連性を有する時間枠を指定させることもできない。好ましい実施形態では、ゴーストメッセージ通信が、メッセージ通信に、これら現在の欠点、すなわち場所と時間の関連性に対処する、2つの新しい重要な自由度を追加する。好ましい実施形態は、受信者が特定の場所に入ったときに配信するようにメッセージを特定の場所に宛先指定する方法およびシステムを提供する。また、好ましい実施形態では、時間的関連性も確立され、関連性のない情報の除去が可能になる。
【0020】
好ましい実施形態のいくつかによれば、複数のアクセスポイントからクライアント機器に関連する場所情報を受信するように構成されたサーバであり、クライアント機器のユーザによって作成される、場所関連性の指示を含むゴーストメッセージを受信するように構成されており、ユーザ情報データ、クライアント機器の場所情報に関連するデータ、およびクライアント機器によって作成されるメッセージに関連するデータを格納するように構成されているサーバを含むメッセージ通信システムが提供される。いくつかの好ましい例では、システムは、メッセージの1つの配信のために、目的の受信者フィールドが満たされていなければならない、目的の場所フィールドが満たされていなければならない、および時間的関連性フィールドが満たされていなければならないという3つの基準を満たすことを必要とするように構成されている。
【0021】
別のいくつかの実施形態によれば、ユーザ情報、クライアント機器の場所情報、およびクライアント機器のユーザによって作成されるゴーストメッセージを格納するように構成されたサーバと、サーバに、クライアント機器に関連する場所情報を送信するように構成された複数のアクセスポイントと、場所関連性の指示を含めて、ゴーストメッセージを作成するように構成された少なくとも1つのクライアント機器とを含むゴーストメッセージ通信システムが提供される。いくつかの好ましい例では、システムは、複数のアクセスポイントが、周辺の至るところに分散されており、この周辺内の各場所の境界を定めるカバー領域を有することをさらに含む。いくつかの好ましい例では、システムは、システムが、アクセスポイントの1つのカバー領域内のクライアント機器を、アクセスポイントのこの1つと関連付けるように構成されていることをさらに含む。いくつかの例では、システムは、複数のアクセスポイントの範囲内のクライアント機器を、このクライアント機器がより良好な信号特性を有するアクセスポイントと関連付けるように構成されている。別のいくつかの例では、サーバは、ユーザ友達リストを、現在オンラインである友達の場所と一緒に格納するように構成されている。いくつかの例では、システムは、クライアント機器が、現在オンラインである友達の在不在、状況および場所を含むユーザ友達リストを表示することを可能にするように構成されている。
【0022】
いくつかの好ましい例では、システムは、さらに、ユーザが、現在活動中で、対応可能なユーザの友達の少なくとも1人とリアルタイムのチャット(おしゃべり)コーナを開始させることができるように構成されている。
【0023】
いくつかの好ましい例では、システムは、システムが、ゴーストメッセージ通信加入者がゴーストメッセージを送信するためのWebベースのユーザインターフェースを提供するように適合されていることをさらに含む。
【0024】
別のいくつかの実施形態によれば、送信者から受信者への電子メッセージの配布を管理する方法であり、ユーザによって操作されるクライアント機器から、電子メッセージの配信のための少なくとも1つの場所の識別を含む電子メッセージを受信することと、少なくとも1つの場所の識別に基づいて、識別される少なくとも1つの場所内の少なくとも1人の受信者に電子メッセージを配信することとを含む方法が行われる。いくつかの例では、この方法は、電子メッセージを、電子メッセージの時間関連性の識別と共に受信することと、電子メッセージを、少なくとも1つの識別される場所内の少なくとも1人の受信者に、時間関連性の識別に基づく関連性を有する期間中に限って配信することとをさらに含む。いくつかの例では、この方法は、電子メッセージを、電子メッセージの配信のための少なくとも1人の目的の受信者の識別と共に受信することをさらに含む。いくつかの例では、この方法は、少なくとも1つの識別される場所内の少なくとも1人の受信者が、少なくとも1人の目的の受信者の少なくとも1人からなることをさらに含み、メッセージを、少なくとも1人の目的の受信者の少なくとも1人に、少なくとも1人の目的の受信者の少なくとも1人が、関連性を有する期間中にこの場所内にいる場合に限って配信することを含む。
【0025】
様々な実施形態の上記および/または他の態様、特徴および/または利点は、以下の説明を添付の図と併せて考察すればさらに理解されるであろう。様々な実施形態は、妥当な場合には、異なる態様、特徴および/または利点を含み、かつ/または除外することができる。加えて、様々な実施形態は、妥当な場合には、別の実施形態の1つまたは複数の態様または特徴を組み合わせることもできる。個々の実施形態の態様、特徴および/または利点の記述は、別の実施形態または特許請求の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の好ましい実施形態を、添付の図に、限定としてではなく例として示す。
【0027】
本発明は、多くの異なる形で実施できるが、本明細書では、本開示が、本明細書で説明する様々な発明の原理の例を提供するものとみなされるべきであり、かかる例は、本発明を、本明細書で説明し、かつ/または図示する好ましい実施形態だけに限定するためのものではないという了解の下で、いくつかの例示的実施形態を説明する。
【0028】
概要
好ましい実施形態は、受信者が特定の場所に入ったときに配信するようにメッセージを特定の場所に宛先指定するシステムおよび方法を提供する。また、好ましくは、時間的関連性も表現され、関連性のない情報の除去が可能になる。
【0029】
好ましい実施形態では、ゴーストメッセージ通信(Ghost Messaging(商標))は、一般に、インスタントメッセージ通信の概念と似ている。前述のように、インスタントメッセージ通信(IM)は、2人がオンラインでリアルタイムのチャットに参加することを可能にする。IMは、この問題を、ユーザが関心を持つシステム内の他のユーザ(すなわち友達)の対応可能性に関して、ユーザに在不在指示を提供することによって解決する。他方、ゴーストメッセージ通信は、メッセージを特定の場所に経路指定し、目的の受信者が指定の領域に到着し次第、直ちにメッセージを配信することができないことに対処するものである。さらに、ゴーストメッセージ通信は、現行の、システム内のメッセージの時間的関連性を指定することができないことにも対処するものである。特に、この機能は、情報配信システムが、旧い、かつ/または関連性のないメッセージを取り除き、よって、もはや重要でなくなっている情報などを処理するのに使用されるリソースの量を制限することができるようにする。
【0030】
いくつかの好ましい実施形態では、図1に示すように、3つのアーキテクチャ構成要素を使ってサービスを配信するゴーストメッセージ通信システムが提供される。これに関して、第1の好ましいアーキテクチャ構成要素は、サーバまたは中央サーバ10である。好ましくは、中央サーバ10は、いくつかの実施形態では、好ましくは、ゴーストメッセージ、ユーザ情報、ユーザ状況、場所マッピングなどが格納されている基幹ネットワーク20に接続されている。状況に応じて、サーバ10は、様々なアーキテクチャを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、サーバ10は、集中型サーバを含むことができ、集中型サーバは、いくつかの例では、集中型配置で単一サーバコンピュータなどを含むことができる。しかしながら、別の実施形態では、サーバ10は、複数の異なる場所にわたって分散されている(複数のサーバコンピュータなど)複数の機器を含み得る分散型サーバを含むこともできる。
【0031】
第2の好ましいアーキテクチャ構成要素は、やはり基幹ネットワークに接続されており、サービス領域の至るところに配置されている、少なくとも1つの(好ましくは複数の)ブルートゥースアクセスポイント(BAP)30である。好ましい実施形態では、BAP30は、「場所」の境界を定める(普通、30〜100フィート(約9.14〜30.48m)程度の)限られた無線カバー領域を有するはずである。いくつかの例示的実施形態ではブルートゥースアクセスポイント(BAP)30が使用されるが、他の任意の種類のアクセスポイント(AP)または適切な機能を有する機器上で別の実施形態が構築され得ることも企図されている。
【0032】
第3の好ましいアーキテクチャ構成要素は、少なくとも1つの(好ましくは複数の)クライアント機器40である。好ましい実施形態では、クライアント機器40は、(本明細書でReachMeアプリケーションと呼ぶ)ゴーストメッセージ通信用クライアントアプリケーションを走らせるように適合されている。好ましい実施形態では、BAP30がかかるクライアント機器40の有無を検出し、次いで、クライアント機器40は、この場所と関連付けられる。
【0033】
好ましくは、中央サーバ10は、新しい領域内の新しいユーザ機器40で更新され、このユーザと場所の組み合わせに関連性を有するゴーストメッセージがあるかどうか判定する。ゴーストメッセージがある場合、これらのメッセージがクライアント機器に配信される。
【0034】
このシステムの、実施され得る多種多様な実施形態がある。例えば、メッセージを転送するのに使用される無線媒体に応じて異なる実施形態が実施され得る。すなわち、例えば、いくつかの例では、これは、BAP30自体を介するものとすることも、既存の無線IP接続を介するものとすることもできる。
【0035】
好ましくは、ゴーストメッセージを配信することに加えて、システムは、クライアント機器40のユーザがこれのメンバである友達リストの、ユーザの現在の場所(場所1、場所2、および/または場所3など)、状況およびこの領域における信号強度による更新も行う。加えて、システムのユーザは、好ましくは、システムの他のユーザにゴーストメッセージを送信することに加えて、他のユーザとのリアルタイムのチャットコーナを確立することもできる。
【0036】
既存の技術とは対照的に、好ましい実施形態では、アドレス指定可能な電子情報が、特定の場所にいる不特定の個人に宛先指定され得るシステムおよび方法が提供される。現在のメッセージ通信システムは、メッセージのアドレス指定で使用されるべき地理的情報(すなわち、単なる論理情報または管理情報ではない)を提供しない。一般のEメールは、送信者に<ユーザ名>@<管理_ドメイン>を指定させ、他方、AOL(商標)
やYAHOO(商標)などのインスタントメッセージ通信システムは、AOLまたはYAHOOのインスタントメッセージ用クライアントアプリケーションの使用により、管理ドメインを暗黙的として、<ユーザ名>の指定を可能にする。特に、ゴーストメッセージ通信は、地理的ドメインの指定という概念も導入する。
【0037】
典型的な無線ネットワーキングの解決法は、広範なカバー領域に価値を置く傾向にある。例えば、通常は、アクセスポイントが管理することのできる平方フィート(広さ)が大きいほど優れていると考えられる。他方、本明細書で説明する好ましい実施形態では、非直観的な「小さいほどよい」方式が導入され、1つの大きなアクセスポイントではなく、多くの小電力または小領域のアクセスポイントを使って広い領域または区域にサービス提供することによって価値が獲得される。特に、これは、アドレス指定できるよりきめ細かい場所を作り出すという点において、より優れた解決を提供する。さらに、広い領域(例えば、企業全体、構内または建物群全体、建物全体、企業のフロア全体など)に包括的サービスを提供するのではなく、地理的領域の特定の部分(例えば、建物またはフロア内の表玄関、書庫、単一の部屋、少数の部屋の集合など)だけにサービスを提供することが、現行の考え方からの脱却である。
【0038】
また、好ましい実施形態によれば、連携していない複数の無線インターフェースを使って統一性のあるサービスを提供する可能性も、従来の考え方からの脱却である。
【0039】
加えて、いくつかの好ましい実施形態では、ゴーストメッセージ通信は、1つの無線技術が情報配信を行う間に、別の無線技術を使って場所情報を提供することができる。
【0040】
加えて、従来のメッセージ通信システムと時間的関連性および場所関連性の組み合わせも、従来の考え方の範囲外にあったものである。AOLのインスタントメッセンジャーなど従来のメッセージ通信システムは、受信者の対応可能性を利用して機能する。すなわち、受信者が対応不能である場合、送信者はメッセージを送信することができない。メッセージ存続期間の付加は、新規で独自の概念である。というのは、従来のインスタントメッセージ通信システムは、メッセージが作成されている場合、受信者が常にメッセージを受信することができることに依拠しており、したがって、これまでは、メッセージは「旧くなる」可能性がなかった。
【0041】
適切な装備を有する端末を持つユーザが商店のそばを通り、次いで、現在の売り出しなどを知らせるブロードキャストを受信するMコマース広告についてはすでに話題となっている。通常、これは、商店主によって作成されるコンテンツがあり、これが、この商店主の店舗の外にいる人々にブロードキャストされる一方向サービスとして語られている。しかしながら、いくつかの好ましい実施形態では、ゴーストメッセージ通信は、とりわけ、この概念に、これを対話型で双方向のものとする新規の追加部分を提供することができる。ゴーストメッセージ通信を用いれば、これらのブロードキャストメッセージの作成者は、商店主だけに限定されなくてもよい。例えば、これらは自分の経験に関するフィードバックや、助言などを提供する顧客であってもよい。いくつかの説明的適用例では、ゴーストメッセージ通信は、ブロードキャストデータの消費者が、コンテンツの作成者となることも可能にする。加えて、いくつかの実施形態では、ゴーストメッセージ通信は、地理的関連性と組み合わせて特定の目的の受信者の識別も可能にする。
【0042】
加えて、この状況において、ゴーストメッセージ通信は、特定の場所において行われている電子交換の「履歴」を作成する無線機器の新規の使用を実現するのにも使用できる。例えば、2人の友人同士が映画館で会うことに合意するシナリオを考える。1人の友人は定刻に到着するが、他方の友人は定刻どおりに到着せず、どこにいるか分からない。映画館にいる友人は、自分の遅れた友人に、この友人が映画館に現れたときに、また、現れた場合に、この友人に配信されるはずのゴーストメッセージを残すことができるはずである。これは、一般に、映画館のエーテル(ether)に添付された無線メモを残すことに似ている。1つの実質的な利点は、この種の通信が電子的な形で、無線システムを介して行われるだけでなく、このメモを目的の受信者だけに読ませることができることである。さらに、目的の受信者だけがこのメモに気づく。これは、公共の場所で手書きのメモを残すのと大きく異なる。特に、この種の通信行為が可能なシステムは存在していない。
【0043】
加えて、好ましい実施形態の別の有利で新規な態様が、ネットワーク情報を交換するのに使用される典型的なネットワーキング機器であるブルートゥースアクセスポイント(BAP)を場所ビーコンとして使用することである。BAPをBAPの所定の方法で利用するのではなく、ゴーストメッセージ通信は、端末機器とのネットワーク接続を作成するのとは対照的に、BAPの役割を反復し、これらに、各場所におけるユーザの在不在指示を提供するという新規な機能を割り当てる。
【0044】
特に、ゴーストメッセージ通信は、例えば、メッセージが関連性を有する場所へのメッセージの配信や、メッセージと関連性のない場所へのメッセージの非配信など、いくつかの有利な結果を達成する。本明細書で説明するゴーストメッセージ通信のシステムおよび方法は、様々な用途と環境で使用できる。例えば、このシステムおよび方法を、企業通信システム内で用いることもできる。別の例として、このシステムおよび方法を、産業環境内で用いることもできる。別の例として、このシステムおよび方法を、適切なブランドプログラム(ATM、VISAなど)を介したものなど、広域展開の状況で用いることもできる。
【0045】
例示的実施形態
好ましい実施形態では、ゴーストメッセージ通信は、柔軟な情報関連性管理システムである。好ましくは、情報に、「場所」や「存続期間」など、いくつかの関連性属性を割り当てることができる。特に、これは、メッセージを、特定のユーザ名と組み合わせて特定の場所に経路指定させることを可能にし、これの関連性を失っている旧い情報を除去する機構を提供する。
【0046】
いくつかの好ましい実施形態では、前述の考察に加えて、ゴーストメッセージ通信システムアーキテクチャは、図1に示す機能エンティティを含む。これに関して、機能エンティティには、好ましくは、以下のものが含まれる。
【0047】
1)好ましくは、システムのインテリジェンスを維持し、友達リストを管理し、ブルートゥース機器アドレスをユーザ名にマップし、場所を、ブルートゥースアクセスポイントのBDADDR(例えば、BDADDRは機器アドレスを含む)にマップする中央サーバ(CS)10。
【0048】
2)好ましくは、ブルートゥース信号を放射し、周期的スキャンを行って、これのカバー領域内(例えば、いくつかの説明例では、大ざっぱにいって、約30〜100フィート(約9.144〜30.28m)の直径を有する領域など)でのブルートゥース機器の有無を判定するブルートゥースアクセスポイント(BAP)13。好ましい実施形態では、BAPは、クライアントソフトウェアとインターフェースし、信号強度情報を交換することによって、この特定のBAPとクライアントとの関連性の強さの指示を提供する。好ましくは、BAPは、これらのBDADDRによって一般的な場所名にマップされる。したがって、特定のBDADDRと関連付けられるクライアント機器14は、好ましくは、これがどんな場所にあるか分かる。
【0049】
3)BAPと中央サーバから受け取られる情報を編成し、構文解析し、表示する、クライアント機器14上で実行される特有のクライアントアプリケーションであるReachMeクライアントアプリケーションRM。いくつかの好ましい実施形態では、ReachMeクライアントアプリケーションは、ゴーストメッセージを作成させ、配信オプションを表示させることを可能にする、ゴーストメッセージ作成センタ(GMCC)という下位構成要素を有する。いくつかの好ましい実施形態には、Webにアクセスできる許可されたユーザがゴーストメッセージを作成し、Webベースのシステムを用いて配信オプションを設定するための適切なグラフィカルユーザインターフェースを提供するWebベースのゴーストメッセージ作成センタ(パスワードで保護されたWebサイトなど)もある。
【0050】
4)BAPと中央サーバを相互接続する基幹ネットワーク12。
【0051】
図2を参照すると、いくつかの例示的、非限定的実施形態では、アクセスポイントおよびクライアント機器は、図2に示す機構のいくつかを含むことができる。これに関して、図2には、全体として21で指し示す無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)に接続された例示的有線ネットワーク20が示されている。WLAN21は、アクセスポイント(AP)22(前述のBAP13など)と、いくつかのユーザ局23、24(前述のクライアント機器14など)を含む。例えば、有線ネットワーク20は、インターネットや企業データ処理ネットワークを含むことができる。例えば、アクセスポイント22は、無線ルータとすることができ、ユーザ局23、24は、携帯式コンピュータ、個人用デスクトップコンピュータ、PDA、携帯式インターネットプロトコル上の音声電話機、および/または他の機器などとすることができる。アクセスポイント22は、有線ネットワーク20にリンクされたネットワークインターフェース25と、ユーザ局23、24と通信する無線送受信機を有する。例えば、無線送受信機26は、ユーザ局23、24との無線またはマイクロ波周波数通信のためのアンテナ27を含むことができる。また、アクセスポイント22は、プロセッサ28、プログラムメモリ29、ランダムアクセスメモリ31も有する。ユーザ局23は、アクセスポイント局22との通信のためのアンテナ36を含む無線送受信機35を含む。同様に、ユーザ局24は、無線送受信機38と、アクセスポイント22との通信のためのアンテナ39を有する。
【0052】
いくつかの説明例では、BAP13は、企業などの至るところに配置されており、これらのカバー領域は、例えば、書庫、カフェ、ロビー、レストラン、オフィスなどといった「場所」の境界を定める。好ましい実施形態では、BAP13は、これらの領域内の新しいクライアント機器14を求めて絶えずスキャンを行う。新しい機器14が検出されると、BAP13とクライアント機器14は、好ましくは、信号強度情報を交換して、接続の強さを判定する。
【0053】
BAPの有効範囲内のクライアント機器14は、この場所と関連付けられている。好ましくは、クライアント機器14が1つまたは複数のBAP13の範囲内にある場合、このクライアント機器は、BAPのある特定の1つと関連付けられる。例えば、いくつかの好ましい実施形態では、クライアント機器14は、最良の信号特性(最強の受信信号強度など)を受けることのできるBAPと関連付けられる。したがって、クライアント機器14がいくつかの異なる「場所」の近くにあったとしても、クライアント機器14は、好ましくは、一度にこれらのうちの1つとだけ関連付けられる。好ましくは、ユーザは、望めば、自分の関連付けを手動で明示的に変更することができる。クライアントアプリケーションの一部として、クライアント機器は、好ましくは、友達リストを保持し(例えば、友達リストは、このユーザの「友達」として識別されているクライアント機器14の潜在的ユーザのリストを含んでいてもよい。本開示では、「友達」という用語は、ユーザ間の任意の関係または対応を包含するものとする)、すべての利用可能な場所と、近隣のBAPのそれぞれから受け取られる信号強度を識別する情報を保持し、(友達などの)ユーザの対応可能な場所に関連する情報を保持し、かつ/または他の情報を保持するように構成されている。
【0054】
中央サーバ10は、好ましくは、各ユーザの場所と状況に関するあらゆる情報を格納し、維持する。また、好ましくは、中央サーバは、システムに提出されているすべてのゴーストメッセージも含む。好ましくは、新しいゴーストメッセージの作成、あるいは、新しいユーザのログオンやユーザの場所関連付けの変更など、システム内のクライアント機器14の現在のユーザの状況の変化を知り次第、中央サーバ10は、ゴーストメッセージのいずれかが、満たされる配信可能基準を有するかどうか判定する。そうである場合、これらのゴーストメッセージは、好ましくは、適切な受信者に配信される。
【0055】
また、中央サーバ10は、好ましくは、すべてのユーザ(すなわち、クライアント機器14のすべてのユーザ)のリストとこれらユーザの友達リストを維持し、これらの友達の状況が変化するときにクライアントに更新を提供する。さらに、友達リストでは、好ましくは、場所が表される。すなわち、好ましくは、場所に、異なる状況レベルを表す異なるアイコンが付与される。例えば、ユーザには、オンラインであるすべての現在の場所が提示され、ユーザが関連付けられている現在の場所は、一意のアイコンを使って、この他のすべての場所から区別される。
【0056】
このアーキテクチャを使って、クライアントは、好ましくは、現在オンラインであるクライアントの友達の在不在、状況、および場所を示す友達リストを維持することができる。友達が新しい領域に移動するとき、この変化は、好ましくは、友達リストに反映される。さらに、クライアント機器14のユーザは、好ましくは、場所の如何を問わず、現在活動中で、対応可能な友達のいずれかと、リアルタイムのチャットセッションを開始することができる。すなわち、リアルタイムのチャットの条件は、目的の受信者の対応可能性を含むだけである。
【0057】
このシステムの注目すべき新規性が、ゴーストメッセージを送受信できることである。好ましくは、ゴーストメッセージは、特定の場所(例えば、特定の場所の内部にある、特定の場所に入ったなどのクライアント機器14のすべてのユーザ)、場所グループ(同時に複数の場所)、および/または指定のユーザ名の受信者に宛先指定され得る。ゴーストメッセージは、好ましくは、(例えば、一般の英数字キーボードおよび/または他の任意の適切なユーザインターフェースなどを使って)クライアント機器14自体で、かつ/またはWebベースまたはインターネットベースのアプリケーションによって作成できる。このように、好ましい実施形態では、ゴーストメッセージ通信加入者およびWebベースのリソースにアクセスすることのできる誰もが、ゴーストメッセージを送信することができる。
【0058】
好ましい実施形態では、ゴーストメッセージは、いくつかの独自の特性を有する。第1に、ゴーストメッセージは、特定の場所を配信オプションとして表すことができる。第2に、ゴーストメッセージは、メッセージへの時間的関連性の適用を可能にする。例えば、いくつかの実施形態では、送信者が、メッセージの時間的関連性を指示する(入力または選択するなど)ことができる。好ましくは、時間的関連性は、メッセージが関連性を有するとみなされる存続期間の値である。この期間をすぎると、メッセージは、好ましくは、旧くなったとみなされ、廃棄される。例えば、会議参加者に、会議が火曜日の午前9時に行われることを知らせるゴーストメッセージには、このメッセージが、会議が行われた後では決して伝播されないように、火曜日の午前9時に等しい存続期間の値が付与できる。これは、ユーザが、関連性のない情報に悩まされることを無くするのに役立つ。また、これは、サービスが、ネットワークリソースを使って旧くなった情報を送信しなくなるため、サービスをより効率よくするものでもある。様々な実施形態において、適切な時間的関連性が用いられ得る。例えば、かかる時間的関連性は、(いくつかの説明例における、a)日/時t1の後、b)日/時t2とt3の間、c)日/時t4の前など)任意の適切な時刻または時間間隔の指示を含むことができる。
【0059】
好ましくは、場所関連性は、ゴーストメッセージの作成に際しての配信条件として表される。すなわち、いくつかの例示的実施形態では、送信者は、例えば、ゴーストメッセージが書庫の場所においてのみ、または書庫を除くすべての場所において有効である、などと指定することができる。加えて、送信者は、好ましくは、例えば、ALL(この場所にいるすべてのユーザに送信するなど)や、NOT(指定のユーザを除く全ユーザに送信するなど)といった論理演算数を含めて、ゴーストメッセージの目的の受信者を指定することもできる。好ましくは、目的の受信者は、システムによって認識されるユーザ名の形である。
【0060】
いくつかの実施形態では、ゴーストメッセージは、配信可能性についての3つの基準を有する。第1に、目的の受信者フィールドが満たされなければならない。第2に、目的の場所フィールドが満たされなければならない。第3に、ゴーストメッセージの時間的関連性を超過してはならない。クライアント機器14は、新しい領域に入ると、好ましくは、中央サーバ10とコンタクトを取り、クライアント機器14の新しい更新情報を提供する。すなわち、クライアント機器14は、好ましくは、中央サーバに、どの場所にあり、ユーザ名が何であるか知らせる。好ましくは、中央サーバは、次いで、このユーザ名と場所を、現在格納しているすべてのゴーストメッセージと照らし合わせて、許容可能な配信可能基準の有無をチェックする。3つすべての配信可能基準を満たすゴーストメッセージが存在する場合、このメッセージは、好ましくは、クライアント機器に送信される。例えば、いくつかの好ましい実施形態では、ゴーストメッセージは、クライアント機器14の表示画面上に、ポップアップのHTML対応ウィンドウとして表示される。
【0061】
好ましい実施形態では、ゴーストメッセージ通信は、2つの形のメッセージ通信を行わせることができる。
【0062】
1)従来のチャットメッセージ通信:これは、今日広く展開されている、ユーザが友達リストを確立し、ユーザに、自分の友達の対応可能性に関する指示が与えられる従来のインスタントメッセージ通信機能に類似のものである。この場合、ユーザは、ユーザの現在対応可能な友達とリアルタイムでメッセージを交換することができる。
【0063】
1)ゴーストメッセージ通信:ゴーストメッセージは、好ましくは、これの配信オプションが送信者によって指定され、これの最終的な配信が受信側に左右される特有のクラスのメッセージである。
【0064】
a.好ましくは、ゴーストメッセージは、送信者によって(目的の場所と呼ばれる)1つまたは複数の場所に宛先指定される。すなわち、メッセージを、例えば、表玄関ではなく書庫などと関連させることができる。
【0065】
b.好ましくは、ゴーストメッセージは、ゴーストメッセージの作成時に、目的の場所が利用可能であり、または動作していることを必要としない。
【0066】
c.好ましくは、ゴーストメッセージは、送信者によって(目的の受信者と呼ばれる)1人または複数の受信者に宛先指定できる。
【0067】
d.好ましくは、ゴーストメッセージは、インスタントメッセージ通信の場合のように、目的の受信者が、作成時に対応可能であることを必要としない。
【0068】
e.好ましくは、ゴーストメッセージには、送信者による、メッセージの時間的関連性を確立する存続時間が付与される。メッセージの存続期間が切れた場合、このメッセージは、好ましくは、システムから廃棄される。
【0069】
f.好ましくは、ゴーストメッセージが配信されるために満たされなければならない条件は、目的の受信者が、まだ期限が切れていない特定のゴーストメッセージの目的の場所にいることである。
【0070】
g.好ましくは、ゴーストメッセージの配信は、配信可能条件が満たされた直後に続いて行われる。
【0071】
h.好ましくは、ゴーストメッセージは、ユーザのクライアント機器14上にポップアップウィンドウとして表示される。しかしながら、他の任意の適切な表示形式も適用されることが企図されている。しかしながら、好ましくは、ゴーストメッセージは、少なくとも、例えば、かかるメッセージの時宜を得た受信を可能にするための可聴警報および/または視覚識別子などによって、ユーザに知らされる。
【0072】
i.好ましくは、特別なクラスのゴーストメッセージには、例えば、「ウェルカムメッセージ」など、特定の領域に初めて入ったすべてのユーザに配信されるメッセージが関与する。このような場合、ウェルカムメッセージなどの配信のために、好ましくは満たされなければならない追加条件がある。この条件は、クライアント機器は、前に(または適切に定義される長さの時間内に)同じウェルカムメッセージなどを受け取っていてはならないというものである。
【0073】
j.好ましくは、ゴーストメッセージは、直ちに応答可能なものではない。すなわち、受信者は、好ましくは、受信者の画面上に表示されるゴーストメッセージウィンドウから直ちに応答を開始することができない。これは、ゴーストメッセージには、ゴーストメッセージの作成時刻から即座に配信されることが保証されないからである。作成はそうでないが、配信は、受信者の場所に左右されるため、送信者が、応答を受信することができる保証がない。しかしながら、ゴーストメッセージの受信者は、自分の友達リストをチェックして、送信者が、実際に、対応可能であるかどうか調べ、可能であれば、ReachMeクライアントを使った従来のチャットセッションを開始することもできる。したがって、ゴーストメッセージ自体は、好ましくは、例えば、無線の付箋メモなどによく似た、一方向型の通信とするためのものである。それでもなお、いくつかの実施形態では、送信者が、実際に、この時点において対応可能であった場合、受信者に、即時の応答を送信させることも可能なはずである。
【0074】
ゴーストメッセージを正しく理解するならば、ゴーストメッセージは、これが送信されると、概念上は、これの目的の場所の空気の周りに(すなわちゴースト(幽霊)のように)感知されずに浮かんで目的の受信者が入って来るのを待っており、目的の受信者が入って来たとき瞬時に表示され、かつ/または別の方法で受信者のクライアント機器14に配信されると考えられることが分かる。また、ゴーストメッセージは、概念上、無線の付箋メモであるともみなし得る。しかしながら、ゴーストメッセージは、機密性と目立たなさという注目すべき利点を有する。例えば、現在の典型的なオフィスでの行動は、ある同僚が、別の同僚のオフィスを訪ね、そこに誰もいないときに、この同僚のオフィスのドアにメモを残すというものである。この物理的なメモは、他の人々が、たとえこれを読もうと思わなくても、これがそこにあることが分かるという点で、目に付きやすいものである。このような場合、詮索好きな事務員らにこのメモを読ませないようにするものは、礼儀と思いやり以外にはない。ゴーストメッセージ通信は、他者にメモまたはメッセージを残すための、似てはいるが、より安全で秘密の手段を提供する。
【0075】
また、ゴーストメッセージ通信には、いくつかのより実際的な用途もある。保守の状況において、ある部屋で故障したプロジェクタを見つけた従業員は、単に、この問題を管理スタッフに知らせる、管理スタッフにアドレス指定されたゴーストメッセージを残すだけでよい。次にこの部屋に入る管理スタッフのメンバおよび/または、現在、ある識別される場所の内部にいる管理スタッフのメンバは、プロジェクタが故障していることを知ることになる。別の例として、プロジェクタが故障していることに気付いた人は、この状況をこの部屋に入るすべての人々に知らせる、これらの人々にアドレス指定されたゴーストメッセージを残すこともできる。これらの例は、ゴーストメッセージ通信がどのようにして、イベントに関する情報を、この情報が最も関連性を有する場所に保持するのに役立ち得るか、および、特に、ゴーストメッセージ通信が、どのようにして、この情報を、関連性のない場所に広まらないようにするのに役立ち得るかを示すものである。
【0076】
図3Aおよび3Bに、いくつかの説明的、非限定的例による、ゴーストメッセージの作成の際(図3A)とゴーストメッセージの受信の際(図3B)にユーザに提示できるいくつかの例示的画像(スクリーンショットやウィンドウなど)を示す。特に、図3Aは、本発明のいくつかの例示的実施形態におけるゴーストメッセージの作成時に、クライアント機器のユーザに提示され得る例示的表示画像であり、図3Bは、本発明のいくつかの例示的実施形態における受信ゴーストメッセージの閲覧時に、クライアント機器の受信側ユーザに提示できる例示的表示画像である。
【0077】
例えば、図3Aに示すように、ゴーストメッセージの作成に際して、ユーザには、図3Aに示すものに類似したグラフィカルユーザインターフェース(GUI)が提示できる。このGUIは、例えば、ユーザが、クリックし、あるいは別の方法で機能をアクティブ化して、友達リスト(例えば、説明例に記載されている例示的友達を参照されたい)から1人または複数の友達を識別または選択するための領域300Rを含むことができる。加えて、このGUIは、例えば、ユーザが、クリックし、あるいは別の方法で機能をアクティブ化して、1つまたは複数の場所(場所の参照を容易にするための左側の例示的場所アイコンと共に、説明例に記載されている例示的場所を参照されたい)を識別または選択するための領域300Lも含むことができる。加えて、このGUIは、例えば、ユーザが、クリックし、あるいは別の方法で機能をアクティブ化して、有効期限または別の時間的識別を識別し、または選択するための領域300ETも含むことができる。加えて、このGUIは、例えば、ユーザが、ゴーストメッセージとして配信されるべきメッセージ(図3Aに示す例示的メッセージなどを参照されたい)を生成するためにテキスト情報を入力することのできる領域300MCも含むことができる。任意の形のインターフェースを用いて、テキストのユーザ入力および/または所望の入力値の選択が円滑化できることが企図されている。加えて、図3Aには、いくつかの例示的実施形態で用いることができるいくつかの例示的論理演算数(すなわち、AND、NOT、ALL、ALL EXCEPT、ONLY)も示されている。いくつかの例示的実施形態では、システムは、ユーザがこれらの演算数の1つまたは複数をクリックし、または別の方法で選択した場合、かかる論理演算数に基づいて、受信者および/または場所の選択を、特に識別し、または選択することが可能になるように構成できる。一例として、ユーザは、演算数ALL EXCEPTをクリックし、次いで、受信者ビルをクリックして、他のすべての受信者を選択することもできる。別の例として、ユーザは、演算数ONLYをクリックし、次いで、場所の会議室をクリックして、(説明例で強調表示されている)会議室のみへの配信を選択することもできる。加えて、いくつかの実施形態では、論理演算数は、受信者と場所の間でも使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、配信を、識別される受信者AND識別される場所が一致する(あるいは、別の例では、何人かの受信者が、特定の場所にいる場合、これらの受信者への配信を除外する)という条件に基づくものとすることもできる。
【0078】
また、いくつかの実施形態では、メッセージが、状況に応じて、インスタントメッセージやEメールなどといった、他の形のメッセージと同時に、潜在的にゴーストメッセージを生成できることも企図されている。例えば、いくつかの実施形態では、(図3Aには示していない)送信などをクリックすると、ゴーストメッセージが、識別される場所および他の情報に基づいて潜在的に配信され、他方、他の形のメッセージも、識別される何人かの受信者に同時に配信され得る。
【0079】
図3Bを参照すると、この図には、受信側ユーザに提示できる例示的表示画像またはスクリーンショットが示されており、これも、いくつかの実施形態では、やはり、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)の形とすることができる。このGUIは、例えば、送信者に関連する情報(送信者の識別情報など)を示す領域300Fや、メッセージの時間的関連性に関連する情報を示す領域300etや、メッセージのリストに記載された受信者に関連する情報を示す領域300rや、メッセージの場所関連性に関連する情報を示す領域300lや、メッセージの実際のコンテンツを示す領域300mcを含むことができる。この例示的実施形態では、ゴーストメッセージのコンテンツはテキスト形式であるが、様々な他の実施形態では、(音声、画像、ビデオ、データ、他のコンテンツなど)他の任意の種類のメディアまたはコンテンツを送信することもでき、かつ/またはかかるメディアまたはコンテンツの任意の組み合わせを送信することもできる。加えて、いくつかの例示的実施形態では、このGUIは、受信側ユーザの友達リスト情報を表示するための領域300BLも含むことができる。加えて、いくつかの例示的実施形態では、このGUIは、ユーザが、クリックし、または別の方法で機能をアクティブ化して、受信側ユーザ自身のゴーストメッセージの送信を開始するための領域300GMも含むことができる。更に、いくつかの例示的実施形態では、このGUIは、ユーザが、クリックし、または別の方法で機能をアクティブ化して、受信側ユーザ自身のインスタントメッセージの送信を開始するための領域300IMも含むことができる。更に、このGUIは、例えば、ユーザが、クリックし、あるいは別の方法で機能をアクティブ化して、1つまたは複数の場所を識別または選択するための領域300Lも含むことができる((場所の参照を容易にするための左側の例示的場所アイコンと共に)説明例に記載されている例示的場所などを参照されたい)。
【0080】
例示的プロトコルフォーマット
好ましい実施形態では、中央サーバ10は、メッセージを、クライアント機器14がある場所に出現するときに、容易に検索され、クライアント機器14に宛先指定され得るように格納する必要がある。この場合、中央サーバは、あるメッセージが、出現する特定のクライアント機器への配信のために利用可能であるか否か判定する。これを円滑化するために、メッセージは、好ましくは、中央サーバに対して、メッセージに付随するすべての情報が容易に利用できるように提示される。いくつかの好ましい実施形態では、メッセージフォーマットは、メッセージ本文自体を、メッセージの受信者、存続期間および目的の場所を記述するヘッダ情報と共に含む。これらのフィールドを使って、中央サーバは、好ましくは、検索のためにメッセージファイルを適切に格納し、マークするように構成されている。
【0081】
さらに、中央サーバは、好ましくは、クライアント機器の場所を判定するように構成されている。いくつかの好ましい実施形態では、クライアント機器が、これのログイン(ユーザ名など)とブルートゥース機器アドレスによって知られる。好ましくは、クライアント機器の位置は、BAPにより、スキャンと取り込みのプロセスから報告されるデータの計算と比較によって、中央サーバに知らされる。好ましくは、BAPは、ブルートゥース機器アドレスと各アドレスごとの対応する信号強度のリストを報告する。したがって、特定のユーザ名までの距離を相関させるために、中央サーバは、好ましくは、ブルートゥース機器アドレスをユーザのユーザ名にマップするファイルにアクセスすることができる。ユーザによって異なるブルートゥース機器を使用することができるように、これらのマッピングがユーザのログイン時に行われれば有用である。第2の情報層を可能にするために、複数の機器アドレスが、単一のユーザと関連付けられてもよい。例えば、ユーザは、このユーザのPALM PILOT PDAと関連付けられたブルートゥースアドレスと、このユーザのラップトップコンピュータと関連付けられた別のブルートゥースアドレスを持っていてもよい。
【0082】
いくつかの好ましい実施形態では、クライアント機器14に、ユーザが、メッセージを作成し、配信オプションを設定することができるようにするフロントエンド構成要素を提供するゴーストメッセージ作成プロキシサーバ(CPS)が設けられる。この場合、このフロントエンドは、好ましくは、配信オプションを取り込むゴーストメッセージの適切なヘッダを構築し、中央サーバに配信するためにメッセージ本文を添付する。好ましくは、次いで、中央サーバは、メッセージヘッダを構文解析し、メッセージに関連付けられる目的の場所、受信者、存続期間、有効期限オプション、他の配信オプションに関する情報を獲得する。
【0083】
いくつかの説明的、非限定的例では、ゴーストメッセージのプロトコルフィールドが、以下のように設定され得る。
【0084】
<TYPE(種類)、ACTION(処置)、ID、RECIPIENTS(受信者)、SENDER(送信者)、LOCATIONS(場所)、STARTTIME(開始時刻)、LIFETIME(存続期間)、EXPIRATION(有効期限)、任意選択:メッセージ本文>
(以下では、角括弧内のリストを;で区切る。)
1)TYPEはメッセージの種類を識別するストリングであり、ゴーストメッセージではGMになる。他の種類も可能である。
【0085】
2)ACTIONは、メッセージの要求される処置を識別するストリングである。許容可能な種類は以下の通りである。
【0086】
a.SEND(送信) システムに、メッセージが配信のために残されることになっていることを知らせる。
【0087】
b.REVOKE(取消し) システムに、IDフィールドによって参照されるメッセージが、システムから除去される必要があることを知らせる。
【0088】
c.MODIFY(変更) システムに、IDフィールドによって参照されるメッセージが、現在のメッセージで置換される必要があることを知らせる。
【0089】
3)RECIPIENTSは、メッセージの目的の受信者を指定するストリングまたはストリンググループである。受信者グループは、左右の角括弧を区切りとして使用することによって指定され得る。RECIPIENTSフィールドは、論理標識の後に続く角括弧で囲まれたユーザ名のリストからなる。
【0090】
a.FUNCTION(機能)[ユーザ名1;ユーザ名2;...;ユーザ名n]
b.FUNCTIONは、ALL、ALL EXCEPT、およびUSERSのいずれかとすることができる。
【0091】
c.例えば、
i.ALLは、領域内のすべてのユーザがこのメッセージを受信することを可能にする有効なRECIPIENTSフィールドである。
【0092】
ii.ALL EXCEPT[デイブ;マイク]は、マイクとデイブ以外のすべてのユーザがメッセージを受信することを可能にする。
【0093】
iii.ONLY[デイブ;マイク;ジョー;トニー]は、ユーザのデイブ、マイク、ジョー、およびトニーだけがメッセージを受信することを可能にする。
【0094】
iv.ONLY[デイブ]は、ユーザのデイブだけがメッセージを受信することを可能にする。
【0095】
4)SENDERは、メッセージを発信した人のユーザ名を表すストリングフィールドである。
【0096】
5)LOCATIONSは、メッセージが関連性を有する目的の場所を指定するストリングまたはストリンググループである。場所グループは、左右の角括弧を区切りとして使用することによって指定され得る。LOCATIONSフィールドは、論理標識の後に続く角括弧で囲まれた一般的な場所名のリストからなる。
【0097】
a.FUNCTION[場所1;場所2;...;場所n]
b.FUNCTIONは、ALL、ALL EXCEPT、およびONLYのいずれかとすることができる。
【0098】
c.例えば、
i.ALLは、メッセージを、システム内のすべての場所において関連性を有するものとする有効なLOCATIONSフィールドである。
【0099】
ii.ALL EXCEPT[書庫;表玄関]は、メッセージを、リスト内で指定されている場所、すなわち、書庫と表玄関を除くすべての場所で関連性を有するものとする。
【0100】
iii.ONLY[カフェ;1G−239B;会議室]は、メッセージを、指定された場所、すなわち、カフェ、1G−239B号室、および会議室だけで関連性を有するものとする。
【0101】
6)STARTTIMEは、メッセージが配信されるべき時刻を表すのに使用されるフォーマット設定された日付オブジェクトである。これには以下の2つの選択肢がある。
【0102】
a.今すぐ
b.<MM>/<DD>/<YYYY>@HH:MM
7)LIFETIMEは、CSが、処理を開始した(STARTTIME)後でメッセージを処理すべき分数を表す整数である。LIFETIME値に到達すると、メッセージはCSから削除される。
【0103】
a.LIFETIME値−1は、無限の存続期間を表す。
【0104】
b.ユーザに慣習的な時間の選択肢を作成し、例えば、1時間、1日、1週間などの選択肢を事前定義しておくことを推奨する。この場合、これらの選択肢は、適切な分数に変換される。
【0105】
8)EXPIRATIONは、メッセージが受け取られた後でメッセージを除去する3つの可能な方法(差し当たりであり、後で他の方法が追加されてもよい)の1つを表す整数である。
【0106】
a.値1は、メッセージのLIFETIME値が切れたときにメッセージが除去されるべきであることを表す。これは、デフォルトとすべきである。
【0107】
b.値2は、目的の受信者全員にメッセージが与えられた後で、メッセージが除去されるべきであることを表す。
【0108】
c.値3は、目的の受信者のいずれかにメッセージが与えられた後で、メッセージが除去されるべきであることを表す。
【0109】
9)IDは、すでに中央サーバ内にあるメッセージを識別し、参照するのに使用される整数フィールドである。この値は、このメッセージに結合されており、中央サーバがメッセージを格納した後で、中央サーバによって生成される。この値は、MODIFYおよびREVOKEの選択の際に使用される。この値は、中央サーバが以前に見たことのないすべての新しい着信メッセージについては、−1に設定される。
【0110】
10)メッセージ本文はメッセージの本文であり、htmlなど含んでいてもよい。メッセージの終わりを表すためにEOF指示が必要である。このフィールドはREVOKEメッセージでは任意選択である。
【0111】
a.メッセージの格納とCSからのアクセスの処理
いくつかの好ましい、非限定的な例では、GhostMessageDB(GMDB)が、中央サーバのメッセージ問い合わせに応答する役割を果たすサーバの名前である。好ましくは、中央サーバは、配信されるべき新しいゴーストメッセージの有無を調べるために周期的なチェックを行う。GMDBは、ゴーストメッセージを維持し、中央サーバからのこれらの要求に応答する役割を果たす。
【0112】
いくつかの実施形態では、GMDBは以下を実施する。
【0113】
CheckForNewMessages(現在時刻,場所)
戻り:メッセージIDとユーザIDのリスト
SentMessage(ユーザlD,メッセージlD)
GetMessagesForUser(ユーザlD,場所)
戻り:メッセージIDのリスト
PurgeExpiredMessages(現在時刻)
戻り:期限切れのメッセージIDのリスト
いくつかの好ましい実施形態では、中央サーバは、一定の間隔で実行される(余剰時間の間は休眠する)スレッドを含む。メッセージクリーンアップはこの一定の間隔を超えず、最も細かいメッセージ粒度は、この間隔のサイズになるものと仮定される。いくつかの説明例では、5分間隔が用いることができる。いくつかの例示的実施形態では、スレッドが、以下の段落で述べるように実施できる。
【0114】
CSスレッド「ポーラ」:このスレッドは、アラート間隔(5分間のデフォルト)ごとにCheckForNewMessages(現在時刻,場所)への呼び出しを始動させる。このスレッドは、GhostMessageDB(GMDB)上でPurgeExpiredMessagesメソッドを呼び出して、DB表から旧いメッセージlDを除去し、中央サーバに、これの対応するメッセージのローカルコピーを除去するよう指示する。GMDBは、このときに、この特定の場所において配信されるべきユーザIDとメッセージIDのリストを取り出す。データベース(DB)から中央サーバへの応答は、メッセージIDとユーザ名のリストになる。各メッセージが中央サーバによって正常に送信された後で、GMDBが、このユーザを、この特定のメッセージの受信を待っているアドレス指定された受信者のリストから除去することができるように、中央サーバからGMDBにSentMessageが送信される。
【0115】
いくつかの実施形態では、GMDBは、いくつもの方法で実施され得る。好ましくは、GMDBは、中央サーバにとって透過的である。以下でいくつかの例示的実装形態について詳述する。
【0116】
b.ファイルディレクトリ方式
いくつかの実施形態では、この種の実装形態では、異なる論理的ファイル場所を利用して、どの場所にいるどのユーザが、どのメッセージを受け取る資格があるか区別する。中央サーバは、好ましくは、中央サーバがサービス提供する場所ごとの論理ディレクトリを作成し、関連性を有するメッセージのコピーを、これらのディレクトリ内にファイルとして格納する。このように、同じメッセージの多くの同一コピーが、異なるフォルダ内に存在し得る。例えば、すべての場所において関連性を有するメッセージでは、場所ディレクトリのそれぞれに代表ファイルがあることになる。
【0117】
これらの場所ディレクトリは、それぞれ、「Usersファイル」という特別なファイルを含む。Usersファイルは、知られているユーザ名の次に、このユーザに関連性を有するメッセージを含む現在のファイル名のリストが記載されるリストを含む。中央サーバは、ユーザに関連性を有するメッセージを探し出す手順を開始するとき、ユーザの現在の場所に対応する場所ディレクトリ内のUsersファイルを開く。次いで、Usersファイルが中央サーバによって構文解析されて、このディレクトリ内の、このユーザに送信されるべきファイル名を決定する。これは、メッセージの大ざっぱな経路指定機能を果たす。また、中央サーバは、Usersファイルの正確さを維持する役割も果たすことになる。これは注目に値する。というのは、中央サーバがこのファイルを使って関連性のあるメッセージを決定するだけだからである。以下に、Usersファイルの一例を示す。
【0118】
C:/CentralServer/MessagePool/Library/Users.txt
ALL: ファイル名1,ファイル名2,...,ファイル名N;
ユーザ名1: ファイル名1,ファイル名2,...,ファイル名N;
ユーザ名2: ファイル名1,ファイル名2,...,ファイル名N;
〜ユーザ名1: ファイル名1,ファイル名2,...,ファイル名N;
〜ユーザ名2: ファイル名1,ファイル名2,...,ファイル名N;
ここで、ファイルは、ユーザ名とこのユーザに関連性を有するメッセージを含むファイル名の直接のマッピングを含む。いくつかの例では、中央サーバ(CS)がゴーストメッセージを格納するためのプロトコルは、以下を含むことができる。
【0119】
1)メッセージが作成され、フロントエンドが、適切なヘッダフィールドを適用する。
【0120】
2)CSが、これの着信ソケットでメッセージを受信する。
【0121】
3)CSが、メッセージからのヘッダ情報を構文解析する。
【0122】
4)CSがメッセージの一意のメッセージIDを生成する。
【0123】
5)CSが、メッセージが関連性を有するすべての場所を決定する。
【0124】
6)[ここに決定点がある。すなわち、これは、SQL(SQLについては後述する)を使用するか、それとも単なるファイルフォルダを使用するかに応じて異なるパスを取ることになる。]CSは、ヘッダを含むメッセージ全体を、Current(すなわち、C:/CentralServer/MessagePool/Current)ディレクトリ内のGhostMessageXXXX.txtという名前のファイルに保存する。ここでXXXXは、このメッセージに生成されたメッセージIDを表す。これは、システム内の現在のゴーストメッセージ数に応じて、任意の長さとすることができる。
【0125】
7)CSは、メッセージのアーカイブ用コピーを作成して、これをGhostMessageXXXX-YYYYYY.txtと名前変更し、Archivedディレクトリに保存する。YYYYYY値は、メッセージが受け取られた現在日付を月/日/年表記で表す。例えば、2001年11月9日は、110901になる。
【0126】
a.注:このメッセージをアーカイブする機能は、不可欠ではないが、実際の実装形態において役立ち得るものである。
【0127】
8)CSは、GhostMessageXXXX.txtを、これが関連性を有するあらゆる場所ディレクトリにコピーする。これらの場所は、構文解析されたヘッダフィールドを調べ、適切な論理を実施することによって決定される。例えば、LOCATIONS=ALLの場合、ファイルはすべての場所ディレクトリにコピーされ、LOCATIONS=ALL EXCEPT[X,Y,Z]の場合、ファイルは、X、Y、およびZディレクトリを除くすべてのディレクトリにコピーされ、以下同様である。
【0128】
9)CSは、次いで、すべての適切なUsersファイルを、新しいエントリを反映するように変更する。
【0129】
a.RECIPIENTS=ALLであるメッセージでは、これらのファイル名がALLの行に配置される。
【0130】
b.フィールドRECIPIENTS=USERS[マイク,デイブなど]であるメッセージでは、これらのファイル名の複数のインスタンスが、ファイルの、一意の受信者ごとの各行に1つずつ配置される。
【0131】
c.フィールドRECIPIENTS=ALL EXCEPT[マイク,デイブ、ジョーなど]であるメッセージでは、これらのファイル名が、ALLの行と、リストで指定されている各ユーザ名に対応する〜ユーザ名の行に配置される。
【0132】
i.一例として、上記メッセージのファイル名がGhostMessage0001.txtであり、書庫に関連性を有するものであった場合、結果としてLibraryディレクトリに作成されるUsersファイルは、以下のようになる。
【0133】
ii.C:/CentralServer/MessagePool/Library/Users.txt
ALL: GhostMessage0001.txt
〜マイク:GhostMessage0001.txt
〜デイブ:GhostMessage0001.txt
〜ジョー:GhostMessage0001.txt
10)これで、ゴーストメッセージ通信システムのメッセージ格納段階が完了する。
【0134】
11)次に、中央サーバは、あるユーザがある領域内にいるという指示を受け取ったときに、システムのメッセージ配信段階を開始する。
【0135】
12)中央サーバは、クライアント端末のユーザ名と場所を受信する。
【0136】
13)次いで、中央サーバは、適切なディレクトリ内のUsersファイルを調べ、この特定のユーザ名でマークされた行、および「ALL」の値と関連付けられているすべてのファイル名を構文解析すると同時に、〜ユーザ名の行にもあるエントリを除去する。
【0137】
14)CSは、ステップ13から見つかった重複するファイル名を除去する。
【0138】
15)CSは、次いで、これらの一意のメッセージファイルをユーザに配信する。
【0139】
c.SQL実装形態
SQL実装オプションが実行される場合(注:このオプションは、いくつかの利点を提供することができる)、プロトコルの流れは、項目6までは、上記のリストに従うはずである。この時点において、中央サーバは、メッセージのすべての情報を有する。ステップ6で、この方法は、次いで、以下のように続く。
【0140】
6)CSは、メッセージを、ゴーストメッセージプールデータベース内のゴーストメッセージ表に置く。
【0141】
a.この実装形態に関しては、システム内に識別可能なユーザ名の数より何桁も小さい数の識別可能な場所があるものと仮定する。これは、ユーザ名が、NOT演算子(〜デイブ,〜マイクなど)を用いてリストされ得る表を実施する方が、場所にNOT演算子を実施するより有用であることを意味する。いくつかの実施形態では、各メッセージを、これが関連性を有する各場所に対応するゴーストメッセージ表内の行に配置する方が有利であることもある。このため、メッセージが1つの場所を除くあらゆる場所で関連性を有する場合、このメッセージは、表にN−1箇所記載され、Nは識別可能な場所の数である。
【0142】
7)CSは、ゴーストメッセージプールデータベースが格納されている適切なSQLデータベースへのオープン接続を有するものと仮定する。
【0143】
8)ゴーストメッセージ表にメッセージを挿入するアルゴリズムは、いくつかの実装形態では、好ましくは、以下の通りである。
【0144】
a.ゴーストメッセージ表が、場所、受信者、ファイル名、日付、ID、存続期間、ID、および有効期限という列見出しを用いて準備される。
【0145】
b. CSパーサが、各メッセージのメッセージヘッダを取り外し、’ALL’識別子によって表される特別な場所と受信者を含む、すべての識別可能な場所と識別可能な受信者のリストを獲得する。
【0146】
i.例えば、(場所,受信者)ヘッダが(ALL,ALL EXCEPT[デイブ,マイク])であるメッセージは、
1.1つの識別可能な場所=’ALL’と、
2.3つの識別可能な受信者=’ALL’、’〜デイブ’、および’〜マイク’
を有する。
【0147】
ii.別の例として、ヘッダが(ALL EXCEPT[書庫],ALL)であるメッセージは、
1.Nをシステム内の場所の総数とする、(書庫を除くあらゆる場所に等しい)N−1個の識別可能な場所と、
2.1人の識別可能な受信者=’ALL’
を有する。
【0148】
c.識別可能な場所xと識別可能な受信者yごとに、以下を実行する。
【0149】
i.INSERT INTO [ゴーストメッセージ]
VALUES(場所x,受信者y,ファイル名,存続期間,日付,ID,有効期限)
9)単一のメッセージがゴーストメッセージ表に生成することのできる行数の点から見た複雑度は、最悪でも、(N−1)*R/2であり、式中、Rはシステム内の識別可能なユーザ名の数である(注:総ユーザ数の半分より大きい数のユーザ名のリスト(よって、1/2を上回る導入)を指定しようとする場合には、NOT演算子を使用するはずであると仮定する)。いくつかの実施形態では、これは、各識別可能な場所ごとに1つずつなどの、分散されたゴーストメッセージ表を使用することによって改善され得る。また、これは、大規模システムの拡張性を円滑化することにもなり得る。
【0150】
10)次いで、いくつかの実装形態では、CSは、メッセージがアーカイブされ得るように、「表をアーカイブする」と同一のコマンドを発行する。
【0151】
11)これで、システムのメッセージ格納構成要素が完了する。
【0152】
12)CSは、特定のクライアントのユーザ名と場所を受信すると、以下で説明するメッセージ配信段階を開始する。
【0153】
13)CSは、次いで、クライアントによって提供される適切なユーザ名と場所を使い、ゴーストメッセージ表から適切なファイル名を選択して、特定の場所にいる特定のユーザに送信すべき正しい関連性を有するメッセージを決定する。これは、以下のSQLSelectコマンドを使って達成できる。
【0154】
SELECT DISTINCT ファイル名
FROM [ゴーストメッセージ]
WHERE (ファイル名 NOT IN
(SELECT DISTINCT ファイル名
FROM [ゴーストメッセージ]
WHERE (受信者 IN (’〜ユーザ名’)))) AND (場所 =
’ALL’) AND (受信者 = ’ALL’)
OR
(ファイル名 NOT IN
(SELECT DISTINCT ファイル名
FROM [ゴーストメッセージ]
WHERE (受信者 IN (’〜ユーザ名 ’)))) AND (場所 =
’場所’) AND (受信者 = ’ユーザ名’)
OR
(ファイル名 NOT IN
(SELECT DISTINCT ファイル名
FROM [ゴーストメッセージ]
WHERE (受信者 IN (’〜ユーザ名’)))) AND (場所 =
’場所’) AND (受信者 = ’ALL’)
OR
(場所 = ’ALL’) AND (受信者 = ’ユーザ名’)
これは、前述のプロトコルフィールドと表取り込み方法が与えられた場合に、特定の場所にいる特定のユーザ名に付随するすべてのメッセージを返すことになる最終的なSQLアルゴリズムである。論理的には、このアルゴリズムは、(A∩B∩C)∪(A∩D∩E)∪(A∩D∩C)∪(B∩E)と等価である。式中、事象A、B、C、D、Eは以下の通りである。
【0155】
1)Aは、メッセージの関連ファイル名に、関連付RECIPIENTフィールドが「〜ユーザ名」であるものがない事象である。
【0156】
a.メッセージがこのユーザについて明示的に禁じられていないことを意味する。
【0157】
2)Bは、LOCATIONフィールドが「ALL」である事象である。
【0158】
3)Cは、RECIPIENTフィールドが「ALL」である事象である。
【0159】
4)Dは、LOCATIONSフィールドが「場所」である事象である。
【0160】
5)Eは、RECIPIENTフィールドが「ユーザ名」である事象である。
【0161】
アルゴリズムの第1の部分は、すべての場所とすべてのユーザを対象としており、(ALL EXCEPT[ユーザ名]フィールドの使用によって)ユーザ名について明示的に禁じられていないメッセージが、場所にいるユーザ名に宛先指定されることを保証する。アルゴリズムの第2の部分は、場所を対象とし、ユーザ名にアドレス指定されており、ユーザ名について明示的に禁じられていないメッセージ(これは、実際には、事象Aが、ユーザ名に明示的に禁じられているすべてのファイル名の表を実際にただ取り除くため、冗長であり、このレベルの保護は、明示的にユーザ名を対象とするメッセージを探すときには必要とされず、よって、アルゴリズムのこの部分は、D∩Cに分解され得る)が、場所にいるユーザ名に宛先指定されることを保証する。アルゴリズムの第3の部分は、場所とすべてのユーザにアドレス指定されており、ユーザ名について明示的に禁じられていないすべてのメッセージが、場所にいるユーザ名に配信されることを保証する。アルゴリズムの最後の部分は、すべての場所とユーザ名を対象とするすべてのメッセージが、場所にいるユーザ名に配信されることを保証する。
【0162】
c.システムからのメッセージの除去
好ましい実装形態では、ゴーストメッセージシステムは、存続期間カウンタを維持することができ、これらの時間的関連性を失っているメッセージ、またはこれらの有効期限オプションを完了しているメッセージを除去することができる必要がある。
【0163】
したがって、いくつかの実施形態では、削除されるべきであるメッセージのファイル名(またはメッセージID)と関連付けられたゴーストメッセージ表内のすべてのエントリをクリアするRemoveMessageメソッドが用いられる。このメソッドは、SQL表記では、DELETE FROM [ゴーストメッセージ] WHERE ファイル名 = ’ファイル名’のように表されるはずである。この1つのSQLコマンドは、表から複数行を除去し、一回発行されるだけでよい。
【0164】
また、中央サーバも、メッセージがいつサーバから削除されるべきか追跡するためにメッセージタイマを維持することができる必要がある。
【0165】
d.通知
システムは、好ましくは、新しいメッセージがシステムに入れられたときにこれに気づく必要がある。いくつかの実施形態では、この指示は、ゴーストメッセージ表に適切なトリガを設定することによって与えることができる。好ましくは、新しいメッセージは、結果として常に、ゴーストメッセージ表に少なくとも1つの新しい行を生じる。したがって、ゴーストメッセージ表に新しい行が追加されるたびに中央サーバに指示を与えることになるトリガは、関連性を有するクライアントのいずれかがこのメッセージを受信すべき関連性を有する領域内にいるかどうか確認するためにチェックを行うよい機会である。これは、様々な方法で実施される。目的は、(いくつかの例では手順が似ていることもあるが、インスタントメッセージではなく)ゴーストメッセージを、すでに関連性を有する領域内にいるクライアントに配信することである。特に、中央サーバは、クライアントと領域の現在のマッピングを格納している必要があり、メッセージが受け取られるときにはいつでも、関連性を有するクライアントにメッセージを容易にプッシュすることができる必要がある。
【0166】
加えて、CSは、有効期限オプション機能を実施することができるように、あるメッセージがいつクライアントに配信されているか知る必要もある。このため、CSは、好ましくは、誰がどんなメッセージをすでに受信しているかを知り、追跡するように構成されている。いくつかの例では、これは、配信イベント時に調べられ、変更される、ゴーストメッセージ配信済み表など、別の表の形を取ることもできる。この場合、CSは、この表とあるメッセージの有効期限オプションを照合して、このメッセージをいつ除去すべきか決定することができる。
【0167】
発明の広い適用範囲
本明細書では、本発明の例示的実施形態を説明しているが、本発明は、本明細書で説明する様々な好ましい実施形態だけに限定されるものではなく、本開示に基づき、当分野の技術者によって理解されるはずの、同等の要素、変形、省略、(様々な実施形態にまたがる態様などの)組み合わせ、適合及び/又は変更を有するありとあらゆる実施形態を含むものである。特許請求の範囲における限定は、特許請求の範囲で用いられている言語に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書において、又は本願の出願手続中に示される例だけに限定されるものではなく、これらの例は、非排他的であると解釈されるべきである。例えば、本開示において、「好ましくは」という用語は、非排他的であり、「好ましくは、しかしそれだけに限らないが」を意味する。本開示及び本願の出願手続中において、手段プラス機能限定又はステッププラス機能限定は、特定の請求項限定について、この限定に、a)「〜の手段」又は「〜のステップ」が明示的に記載されている、b)対応する機能が明示的に記載されている、及びc)構造、材料又はこの構造を支持する動作が記載されていないという条件すべてが存在する場合に限って用いられる。本開示及び本願の出願手続中において、「本発明」又は「発明」という用語は、本開示内の1つ又は複数の態様に言及するものとして使用され得る。本発明又は発明という言葉は、重要度を識別するものであると不適切に解釈されるべきではなく、すべての態様又は実施形態にまたがって適用されるものであると不適切に解釈されるべきでなく(すなわち、本発明はいくつかの態様と実施形態を有すると理解されるべきであり)、本願又は特許請求の範囲を限定するものであると不適切に解釈されるべきではない。本開示及び本願の出願手続中において、「実施形態」という用語は、任意の態様、機能、プロセス又はステップ、これらの任意の組み合わせ、及び/又はこれらの任意の部分などを示すのに使用できる。いくつかの例では、様々な実施形態が、重なり合う機能を含んでいることがある。本開示では、「例えば」を意味する「e.g.」及び「注意せよ」を意味する「NB」という省略用語が用いられることがある。
【図面の簡単な説明】
【0168】
【図1】本発明のいくつかの例示的実施形態によるゴーストメッセージ通信システムのアーキテクチャ構成要素の例を示すアーキテクチャ図である。
【図2】本発明のいくつかの例示的実施形態による例示的アクセスポイントおよび例示的クライアント機器またはユーザ局の下位構成要素の例を示すアーキテクチャ図である。
【図3A】本発明のいくつかの例示的実施形態において、ゴーストメッセージの作成中にクライアント機器のユーザに提示され得る例示的表示画像を示す図である。
【図3B】本発明のいくつかの例示的実施形態において、受信ゴーストメッセージの表示中にクライアント機器の受信側ユーザに提示され得る例示的表示画像を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)複数のアクセスポイントからクライアント機器に関連する場所情報を受信するように構成されたサーバを具備し、
b)前記サーバは場所関連性の指示を含むクライアント機器のユーザによって作成されるゴーストを受信するように構成され、
c)前記サーバはユーザ情報データ、クライアント機器の前記場所情報に関連するデータおよびクライアント機器によって生成される前記メッセージに関連するデータを格納するように構成されている、
メッセージ通信システム。
【請求項2】
前記メッセージの1つの配信のために、目的受信者フィールドが満たされなければならない、目的場所フィールドが満たされなければならない、および時間的関連性フィールドが満たされなければならないという3つの基準の充足を必要とするように構成されている、請求項1に記載のメッセージ通信システム。
【請求項3】
a)ユーザ情報、クライアント機器の場所情報、およびクライアント機器のユーザによって作成されるゴーストメッセージを格納するように構成されたサーバと、
b)クライアント機器に関連する場所情報を前記サーバに送信するように構成された複数のアクセスポイントと、
c)場所関連性の指示を含めて、ゴーストメッセージを作成するように構成された少なくとも1つのクライアント機器と、
を備えるゴーストメッセージ通信システム。
【請求項4】
前記複数のアクセスポイントが、周辺の至るところに分散されており、前記周辺内の各場所の境界を定めるカバー領域を有することをさらに含む、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項5】
前記アクセスポイントの1つのカバー領域内のクライアント機器を、前記アクセスポイントの前記1つと関連付けるように構成されていることをさらに含む、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項6】
複数のアクセスポイントの範囲内にあるクライアント機器を、前記クライアント機器がより良好な信号特性を有するアクセスポイントと関連付けるように構成されている、請求項5に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項7】
前記サーバは、ユーザ友達リストを、現在オンラインである友達の場所と共に格納するように構成されている、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項8】
前記クライアント機器が、現在オンラインである友達の在不在、状況および場所を含むユーザ友達リストを表示することを可能にするように構成されている、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項9】
さらに、ユーザが、現在活動中で、対応可能な前記ユーザの友達の少なくとも1人とリアルタイムのチャットコーナを開始することを可能にするように構成されている、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項10】
前記サーバは、クライアント機器から、指定の場所、指定の場所グループ、および指定の受信者の1つまたは複数に明確に宛先指定される構造を有するゴーストメッセージを受信するように構成されている、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項11】
ゴーストメッセージ通信加入者がゴーストメッセージを送信するためのWebベースのユーザインターフェースを提供するように適合されていることをさらに含む、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項12】
ユーザが、論理演算数に基づいて、場所の集合からいくつかの場所を選択することを可能にするように構成されている、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項13】
前記論理演算数は、ALL、NOTまたはALL EXCEPT演算数を含む、請求項12に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項14】
ユーザが、配信オプションとして特定の場所を指定することを可能にするように構成されている、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項15】
ユーザが、前記メッセージに時間的関連性を指定することを可能にするように構成されている、請求項14に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項16】
前記時間的関連性は、前記メッセージが関連性を有する存続期間の値である、請求項15に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項17】
ゴーストメッセージの配信のために、目的受信者フィールドが満たされなければならない、目的場所フィールドが満たされなければならない、および時間的関連性フィールドが満たされなければならないという3つの基準が満たされることを必要とするように構成されている、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項18】
クライアント機器を介して、自動表示および/または警報によりゴーストメッセージを提示するように構成されていることをさらに含む、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項19】
クライアント機器を介して、前記クライアント機器のディスプレイ上のポップアップウィンドウとしてゴーストメッセージを提示するように構成されていることをさらに含む、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項20】
ユーザが、受信者にあるメッセージを、前記受信者がまだ前記メッセージを受信していない場合に限って送信することを可能にするように構成されている、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項21】
ゴーストメッセージの受信者が、受信者のディスプレイ上に表示されるゴーストメッセージウィンドウから直ちに応答を開始することができないように構成されている、請求項3に記載のゴーストメッセージ通信システム。
【請求項22】
送信者から受信者への電子メッセージの配布を管理する方法であって、
a)ユーザによって操作されるクライアント機器から、電子メッセージの配信のための少なくとも1つの場所の識別を含む前記メッセージを受信することと、
b)前記少なくとも1つの場所の前記識別に基づいて、前記識別される少なくとも1つの場所内の少なくとも1人の受信者に前記電子メッセージを配信することと、
を含む方法。
【請求項23】
前記電子メッセージを、前記電子メッセージの時間的関連性の識別と共に受信することと、前記電子メッセージを、前記少なくとも1つの識別される場所内の前記少なくとも1人の受信者に、前記時間的関連性の識別に基づく関連性を有する期間中に限って配信することとをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記電子メッセージを、前記メッセージの配信のための少なくとも1人の目的の受信者の識別と共に受信することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの識別される場所内の前記少なくとも1人の受信者は、前記少なくとも1人の目的受信者の少なくとも1人からなり、前記メッセージを、前記少なくとも1人の目的受信者の前記少なくとも1人に、前記少なくとも1人の目的受信者の前記少なくとも1人が、前記関連性を有する期間中に前記場所内にいる場合に限って配信することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記メッセージは、テキスト、音声、画像、ビデオおよびデータメディアからなるグループの中からの、少なくとも1種類のメディアを含む、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2008−533757(P2008−533757A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539386(P2007−539386)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【国際出願番号】PCT/JP2006/316205
【国際公開番号】WO2007/020991
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(504473670)テルコーディア・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (72)
【Fターム(参考)】