説明

サイズによる粒子の選別分級方法及び装置

本発明は、篩構造(3;4;5;11)における三次元分級効果を有する通過開口(3)を使用した分級によって、粒子を粒子幾何学形状の最大主要寸法(a、b、c)によって決定されるサイズにより選別分級する方法及び装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイズにより粒子を選別的に区別して分級する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
材料準備の技術において、また粒子を使用した製品を製造するために、分級した粒子状物質を使用することは、高い効率を獲得し、且つ品質に対する要求を満たすのに、益々重要な役割を果たすようになっている。また、多くの場合、分別した粒子状製品を提供することで、高品質を実現でき、価格期待にも答えることができる。
【0003】
様々なサイズの粒子から成るバルク材(かさのある材料)を使用する様々な産業用途に応じて、分級の質に対する要求、即ち、分級の選別力に対する要求が異なり、分級処理の質を記述するために、様々な評価手順や評価パラメタが知られている。
【0004】
特に、近接した大きさに分離されている供給材料(粒子)の場合、粒子の大部分が有効に分離できるサイズの範囲のみでサイズ差を表示するため、従来の分級の選別力では、極めて不十分である。また、従来の準二次元分級装置の場合、平面でのみ有効で、円形又は矩形穴の金属板や篩目等の二次元でのみ有効な篩幾何学形状をしており、ブラシや叩き玉といった掃除装置なしには、粒子の目詰まりが必ず発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の基礎は、粒子を分級する方法及び装置についての目的を記載することから成り、本方法及び装置により、従来の分級方法及び装置と比べて、分級の質、即ち分級の選別や区別をより厳密にできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、方法に関しては請求項1の特徴、装置に関しては請求項10の特徴から成る本発明によって達成される。
【0007】
従って、本発明の実質的な態様は、サイズにより、特にユークリッド空間(デカルト座標系)の3主要寸法、特に長さ、幅又は厚さの1つにより、粒子を分級することから成り、その分級の特別な品質又は選別能力は、(三次元)篩構造で三次元分級効果を有する通過開口を使用した本発明により達成できる。驚くことに、この構造により、上述した従来の二次元篩幾何学形状(2D篩幾何学形状)でこれまで可能であったより、大幅に優れた選別及び区別した分級が可能になる。
【0008】
本発明は、三次元分級効果を有する通過開口を用いて革新的な三次元篩構造を創造し、それにより分級を、好適には、3主要寸法である長さ、幅又は厚さの1つにより行うもので、粒子寸法は、これら主要寸法によって規定される。そのために、従来の手順方法とは対照的に、空間的にサイズ分級を行い、厳密な分級の質やグレードを劇的に向上させることができる。
【0009】
好適には、分級は、少なくとも振動させた分級面及び/又は好適には傾斜させた分級面で実行され、三次元的に作成された、好適には矩形、例えば四角形及び/又は楕円形、例えば円形の通過開口を有する分級面に沿って、又は該分級面と関連して、粒子は好適には跳ね又は滑り運動で移動し、また好適には、粒子は三次元通過開口の領域の斜面に沿って移動する。
【0010】
しかしながら、非振動分級面を使用することもできる。分級パラメタ、特に、篩構造−粒子状物質の対の1つに応じて、分級に使用される篩構造は、少なくとも通過開口の領域において、所定の摩擦係数、特に所定の静摩擦係数を、対象となる主要寸法に応じて有する。
【0011】
主要寸法長さaによる粒子混合物又は粒子断片の分級に対しては、好適には、出来るだけ高粘着係数を、三次元分級効果を有する通過開口の領域に提供する一方で、主要寸法幅b又は厚さcのどちらかによる分級に対しては、出来るだけ低い粘着係数、特に静摩擦係数を、三次元分級効果を有する通過開口の領域に提供し、篩構造の静摩擦係数を、摩擦の対となる粒子−ライニング間に応じて選択し、好適には、少なくとも三次元通過開口の領域に、特別な篩構造に適合した分級ライニングを使用する。
【0012】
より好適には、共通する装置内で同じ主要寸法を使って異なる小部分を分級するものとし、各分級面(篩平面)にはそれぞれの排出装置を有する。
【0013】
本発明による方法の更なる好適実施形態は、従属クレームの対象である。
【0014】
本発明による装置は、篩構造を有する分級装置を特徴とし、該篩構造は三次元分級効果を有する通過開口を備え、通過開口は、好適には、分級面のベースから篩構造の粒子の給送側の片側に突出する起立フラップ(又は起立導管)として実現される、又は、篩構造の分級面のベースから篩構造の取出側に突出する垂下フラップ(又は垂下導管)として実現される。
【0015】
重力の下では、起立フラップ又は起立導管は、篩構造の表側(粒子給送側)に配設される一方、垂下フラップ又は垂下導管は、篩構造の裏側(粒子取出側)に配設される。
【0016】
好適には、篩ライニングの粒子給送側に配設した起立フラップが、粒子の搬送方向に対抗し、粒子の主要寸法長さaにより分級する分級面に配設される一方で、分級を粒子の主要寸法厚さcにより行う場合、通過開口の関連する三次元起立又は垂下導管を限定する起立又は垂下フラップが、粒子の搬送方向に沿って、又は対抗して、分級面に配設され、主要寸法幅bによる分級に対しては、起立又は垂下フラップと、これらフラップによって限定される三次元起立又は垂下導管が、好適には、粒子の搬送方向に沿って、分級面に配設される。また、通過開口を、粒子の搬送方向と対抗する方向に指向するよう配設させることもできる。
【0017】
粒子の3最大主要寸法である長さ、幅、厚さの1つにより、三次元分級効果を有する篩幾何学形状を使用して、本発明により分別又は分級した結果、通過開口の領域における粒子の接触域の数と位置及び/又は数及び/又はサイズが変化するため、選別能力や分級の質が驚くほど高くなり、これは、粒子の大部分が有効な分離サイズの範囲にあり、分級処理の選別能力が通常は低レベルであるため、近接した大きさに分離されている供給材料の場合に、特に意義が大きい。
【0018】
本発明について、実施形態及び関連する図面に基づいて、更に詳細に以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】最大主要寸法である長さa、幅b、厚さcを有する粒子の模式図。
【図2】粒子運動特性を説明するための粒子にかかる力のバランスを示す図。
【図3】粒子の跳ね運動及び滑り運動のための分級装置の作動/駆動に応じた、粒子の運動特性の模式図。
【図4】分級面のベースに対応している、XY平面における分級装置の開口幾何学形状であって、X方向とY方向の寸法が等しい通過開口の例として、円穴及び角穴を左側、及びX方向とY方向で通過開口の寸法が異なる例として、矩形穴及び楕円穴の幾何学形状を右側に示す図。
【図5】分級装置において三次元分級効果を有する開口の幾何学形状を示す図。其々上面図と断面図で3D通過開口の開口幾何学形状を示している。aは3D角穴の図で、bは垂下フラップを有する設計の3D矩形穴の図である。
【図6】分級装置の三次元開口の幾何学形状を示す図。其々上面図と断面図で3D通過開口の開口幾何学形状を示している。aは3D角穴の図で、bは起立フラップを有する3D矩形穴の図である。
【図7a】図5a及び図6aによる開口幾何学形状の作用に関する模式図で、垂下フラップ及び3D角穴を有する主要寸法aによる分級を示す図。
【図7b】図5a及び図6aによる開口幾何学形状の作用に関する模式図で、起立フラップと3D角穴を用いた分級を示す図。
【図8a】主要寸法bによる分級を示す図で、垂下フラップを備えた3D丸穴を用いた分級を示す図。
【図8b】主要寸法bによる分級を示す図で、起立フラップを備えた3D角穴を用いた分級を示す図。
【図9a】3D矩形穴を用いた主要寸法cによる分級を示す図で、垂下フラップを用いた図。
【図9b】3D矩形穴を用いた主要寸法cによる分級を示す図で、起立フラップを備えた3D矩形穴を用いた図。
【図10】最大粒子伸長部分である、主要寸法(長さ)aにより分級する分級装置としての篩デッキの模式図。
【図11】最大主要寸法(長さ)aにより分級する多段デッキ式装置の模式図。
【図12a】起立フラップを用いて最大主要寸法(長さ)aにより分級する分級装置としての篩デッキに関する模式図で、長手方向の断面図。
【図12b】起立フラップを用いて最大主要寸法(長さ)aにより分級する分級装置としての篩デッキに関する模式図で、上面図。
【図12c】起立フラップを用いて最大主要寸法(長さ)aにより分級する分級装置としての篩デッキに関する模式図で、図12bのA−A線に沿った部分断面図。
【図13a】篩デッキと該篩デッキに組込まれた垂下フラップ(三次元分級効果を有する通過開口を有する)を平行面内に形成した、最大主要寸法(長さ)aにより分級する分級装置としての篩デッキに関する模式図で、長手方向の断面図。
【図13b】篩デッキと該篩デッキに組込まれた垂下フラップ(三次元分級効果を有する通過開口を有する)を平行面内に形成した、最大主要寸法(長さ)aにより分級する分級装置としての篩デッキに関する模式図で、上面図。
【図14a】最大主要寸法(長さ)aにより分級する一段デッキ式分級装置を示す図で、長手方向の断面の模式図。
【図14b】最大主要寸法(長さ)aにより分級する一段デッキ式分級装置を示す図で、3D角穴を有する分級装置の篩ライニングを上から見た模式図。
【図14c】最大主要寸法(長さ)aにより分級する一段デッキ式分級装置を示す図で、排出装置を有する図14aによる分級装置を側面から見た模式図。
【図15a】最大主要寸法(長さ)aにより分級する多段デッキ式分級装置を示す図で、長手方向の断面の模式図。
【図15b】最大主要寸法(長さ)aにより分級する多段デッキ式分級装置を示す図で、3D角穴を有する分級装置の篩ライニングを上から見た模式図。
【図15c】最大主要寸法(長さ)aにより分級する多段デッキ式分級装置を示す図で、画分を提供する異なる複数の分級装置のための排出装置を備えた図15aによる分級装置の側面図。
【図16a】起立フラップを有する中間の主要寸法(幅)bにより分級する分級装置としての篩デッキの模式図で、長手方向の断面図。
【図16b】起立フラップを有する中間の主要寸法(幅)bにより分級する分級装置としての篩デッキの模式図で、上面図。
【図16c】起立フラップを有する中間の主要寸法(幅)bにより分級する分級装置としての篩デッキの模式図で、図16bの線B−Bに沿った部分断面図。
【図17a】篩デッキと該篩デッキに組込まれた垂下フラップ(三次元分級効果を有する通過開口を有する)を平行面内に形成した、中間主要寸法(幅)bにより分級する分級装置としての篩デッキに関する模式図で、長手方向の断面図。
【図17b】篩デッキと該篩デッキに組込まれた垂下フラップ(三次元分級効果を有する通過開口を有する)を平行面内に形成した、中間主要寸法(幅)bにより分級する分級装置としての篩デッキに関する模式図で、上面図。
【図18a】中間主要寸法(幅)bにより分級する一段デッキ式分級装置を示す図で、長手方向の断面を示す模式図。
【図18b】中間主要寸法(幅)bにより分級する一段デッキ式分級装置を示す図で、通過平面に3D円穴(円形穴)を有する分級装置の篩ライニングを上から見た模式図。
【図18c】中間主要寸法(幅)bにより分級する一段デッキ式分級装置を示す図で、排出装置を有する図18bによる分級装置を側面から見た模式図。
【図19a】中間主要寸法(幅)bにより分級する多段デッキ式分級装置を示す図で、長手方向の断面を示す模式図。
【図19b】中間主要寸法(幅)bにより分級する多段デッキ式分級装置を示す図で、通過平面に3D円穴を有する分級装置の篩ライニングを上から見た模式図。
【図19c】中間主要寸法(幅)bにより分級する多段デッキ式分級装置を示す図で、排出装置を有する図19bによる分級装置を示す側面図。
【図20a】起立フラップを有する最小主要寸法(厚さ)cにより分級する分級装置としての篩デッキの模式図で、長手方向の断面図。
【図20b】起立フラップを有する最小主要寸法(厚さ)cにより分級する分級装置としての篩デッキの模式図で、上面図。
【図20c】起立フラップを有する最小主要寸法(厚さ)cにより分級する分級装置としての篩デッキの模式図で、図20bの線A−Aに沿った部分断面図。
【図21a】篩デッキと該篩デッキに組込まれた起立フラップ(分級効果を有する通過開口を有する)を平行面に形成した、最小主要寸法(厚さ)cにより分級する分級装置としての篩デッキを示す図で、長手方向の断面図。
【図21b】篩デッキと該篩デッキに組込まれた起立フラップ(分級効果を有する通過開口を有する)を平行面に形成した、最小主要寸法(厚さ)cにより分級する分級装置としての篩デッキを示す図で、上面図。
【図21c】篩デッキと該篩デッキに組込まれた起立フラップ(分級効果を有する通過開口を有する)を平行面に形成した、最小主要寸法(厚さ)cにより分級する分級装置としての篩デッキを示す図で、図21b図による線C−Cに沿った断面図。
【図22a】最小主要寸法(厚さ)cにより分級する一段デッキ式分級装置を示す図で、長手方向の断面の模式図。
【図22b】最小主要寸法(厚さ)cにより分級する一段デッキ式分級装置を示す図で、3D矩形穴を有する分級装置の篩ライニングの模式図。
【図22c】最小主要寸法(厚さ)cにより分級する一段デッキ式分級装置を示す図で、排出装置を有する図22bによる分級装置を側面から見た模式図。
【図23a】最小主要寸法(厚さ)cにより分級する多段デッキ式分級装置を示す図で、長手方向の断面の模式図。
【図23b】最小主要寸法(厚さ)cにより分級する多段デッキ式分級装置を示す図で、3D矩形穴を有する分級装置の篩ライニングの模式図。
【図23c】最小主要寸法(厚さ)cにより分級する多段デッキ式分級装置を示す図で、排出装置を有する図23bによる分級装置を側面から見た模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ユークリッド空間における粒子の3最大主要寸法の1つによる分級に基づいた、供給材料の粒子の粒子サイズにより選別する方法及び装置の実施形態に関する以下の説明の基礎となるのは、図1に示したように、粒子1の幾何学形状であり、こうした供給材料の分級では、該供給材料は、好適には自由流動性粒子で、任意のバルク材であってよく、分級単位は、粒子の主要寸法、即ち最大主要寸法である長さa、中間主要寸法である幅b、最小主要寸法である厚さcとし、デカルト座標系で規定される粒子1のこれら3主要寸法は、主軸X、Y、Zで、立方体等、若しくは図1で表したように、平滑体で表す、又は図1で示したように、エンベロープとして楕円体で表すことができる。本実施形態では、主要寸法である長さa、幅b、厚さcを有する楕円体を用い、この被包楕円体の体積を最小とする。3主要寸法(長さa、幅b、厚さc)の関係は、a>b>cで説明でき、aはbと垂直で、bはcと垂直で、cはaと垂直である。
【0021】
3空間面XZ、ZY、XYにおける粒子1の寸法に関する正確な規定に基づいた、高品質な分級のタスクは、其々が3主要寸法の1つによる3つの事例で定められる。特に、極めて近接した大きさに分離されている供給材料の場合、粒子1の大部分は、サイズに関し、有効に分離されるサイズの範囲内にあるため、三次元の分級効果を有する通過開口を用いた分級として理解できる本明細書で提案する3D分級により、驚くほど高品質に選別した分級を達成でき、また特別な掃除装置を使用せずに、粒子詰まりも明らかに軽減できる。粒子の幾何学形状を規定するのに使用された図1の被包楕円体は、規定された寸法関係が、a:b:c=6:2:1である。
【0022】
三次元の、つまり三次元分級効果を有する通過開口を用いて行う、粒子の主要寸法による粒子の高度に選択的なサイズ分級(本出願の枠組みでは、「3D分級」と呼ぶ)の場合、3D分級幾何学形状(分級ライニング、篩構造)の機能を記述可能にするのに用いられる適切な記述要素を選択すると、物理的方法に関してモデルを設定し、且つ様々な解決の変形例を規定するのに有用である。本明細書でパラメタとして使用されるのは、粒子運動と、篩開口の幾何学形状、即ち、分級タスクに応じて、適用可能な又は規定される特徴的な寸法と適切な摩擦特性とを有する篩装置における、三次元分級効果を有する通過開口の幾何学形状とする。
【0023】
それにより、粒子1に作用し、加速力Faと荷重Fgの成分で分級装置(篩装置)の分級面に垂直な方向となるものの比率で表される指標の助けを借りて、粒子運動が記述される。この指標を、篩又は跳ね指標SVと呼ぶ。図2は、篩装置(分級装置2)の起こり得る動作イベントを記述/決定する直線的な振動による粒子の加速中に粒子1に作用する力のバランスについて、示している。篩指標は、以下のように計算される。
【0024】
V=Fa,N/Fg,N
SV=Fa・sin(α+β)/Fg・cos(α)
【0025】
ここで、Fa=mp・aで、Fg=mp・gである。
【0026】
この結果、SV=a・sin(α+β)/g・cos(α)
【0027】
この場合、mpは粒子の質量、αは篩面(分級面)の、又は篩若しくは分級装置2の分級ライニングの取付角、βは篩又は分級装置2の振動の結果としての加速力の作用角を指す。
【0028】
分級装置又は篩装置2に沿った粒子運動(=分級ライニングに沿った運動)について記述するために、SV>1時の跳ね運動と、SVが1以下の時の滑り運動とで区別する。
【0029】
図3では、実施例として、球体の運動状態が、傾斜させた分級ライニング(分級装置2)を用いて、跳ね又は滑り運動の最中として示されている。
【0030】
分別装置又は粒子1の分級手段として使用されるのは、好適には、振動篩(振動駆動部を有する篩装置2)又は篩装置2であるが、篩装置2は、傾斜位置にすると、その傾斜により、図3で概略的に示したように、篩装置2が静止状態の際に分級面で篩装置2に沿って粒子1の滑り運動を発生させるものとする。好適には、篩装置2は、円振動、楕円振動、直線振動又は平面振動を行うことができる。
【0031】
好適には、3D角穴、3D長穴、3D矩形穴、3D楕円穴又は3D丸穴を、篩開口の幾何学形状として設けるが、該形状は、分級又は篩ライニング2における、三次元分級効果を有する通過開口3の幾何学形状を表している。従って、篩開口の幾何学形状は、篩又は分級ライニング2(分級装置を形成する)の通過開口3の幾何学形状を表す。原則として、開口幾何学形状は、XY平面及びXZ平面又はY/Z平面において、異なることがある。分級面を形成し、分級装置(篩ライニング2)の主面において水平に広がるXY平面では、寸法がXとY方向で同サイズである篩開口の幾何学形状と、これらの寸法が互いに異なる篩開口の幾何学形状との間で区別することができる。最初のものを、図4左側に、円形又は正方形の通過開口3で表し、X方向とY方向で寸法が異なる通過開口3に関する2実施例を、図4右側に、長方形又は楕円形の通過開口として示す。
【0032】
分級効果を有する三次元通過開口3を形成するために、好適には、前述したXY平面の「二次元」開口幾何学形状の1つを、XY又はYZ平面で傾斜面とし、該傾斜面を、平面XYに対する所定の角度γで、空間軸X又はYの1軸に沿って配設する。このようにして、結果的にXY平面と傾斜面との間に垂直開口ができ、この垂直開口は、寸法wx−wz又はwy−wzを有し、正方形又は矩形の開口幾何学形状を、XY平面に選択した際の、通過開口3を生み出す3D幾何学形状の変形例が、図5及び図6に示されている。傾斜面は、図5に示されるように垂下フラップ4として、図6で示すように起立フラップ5として作成できる。その結果、図6aでは、通過開口3として3D角穴を示し、図6bでは、起立フラップ5を有する、3D矩形開口を示している。
【0033】
3空間面XY、YZ、ZXで位置合わせされて、規定された通過開口3の開口幾何学形状を使用するだけでなく、上述した粒子運動を選択して、其々の分級タスクに応じた摩擦条件(主要寸法長さa、又は主要寸法幅b又は主要寸法厚さcによる分級に応じて異なる摩擦条件)を考慮して、最大主要寸法a(長さ)、b(幅)、c(厚さ)により選別分級するための3Dサイズ分級を行う方法により、3つの粒子寸法である、長さa、幅b又は厚さcの1つによる分級を達成できる。これについて、関連する実施形態を用いて、以下で詳細に説明する。
【0034】
図7は主要寸法長さaによる分級を示すもので、図7aでは三次元分級効果を有する通過開口3を、垂下フラップ4と共に使用した場合、図7bでは起立フラップ5と共に通過開口3を使用した場合について、其々断面図と上面図で模式的に示している。主要寸法長さaによる分級は、一例として、四角形の開口幾何学形状、即ち、XY平面で正方形の通過開口3を取り上げ、篩指標をSV>1(跳ね運動)とし、垂下フラップ4又は起立フラップ5を材料搬送方向と対向させたもので、説明する。図7では、3D角穴を用いた主要寸法長さaによる分級に関して、垂下フラップ4を使用した実施例と、起立フラップ5を使用した実施例を示している。垂下フラップの幾何学形状を有する分級装置(篩ライニング)を使用すると、即ち図7aで示したように分級面のベースから下方に傾斜する垂下フラップ4を用いて、篩指標を選択して、粒子1を活性化させ、跳ね運動させると、その結果、3D角穴通過開口3の有効分級幾何学形状wx−wyによって、図7aで示すように、幅bを有する粒子1が「挿入された」又は「起立した」状態になる。粒子1の材料搬送方向と対向する方向に垂下フラップ4を配向しているため、粒子1がXY平面に「挿入される」と、粒子1はその配向状態に保持される。粒子1が垂下フラップ4に衝突すると、粒子1は傾き、少なくとも3点A1、A2、A3で保持される(図7a参照)。図7の取り得る運動方向の矢印は、粒子1の取り得る運動方向を表わしている。
【0035】
ここで重要なのは、分級される粒子1の種類についての考慮と、分級ライナー又は分級装置の篩ライナーの材料の選択で、これによって形成されることになる摩擦の対となるこれら要素が、分級装置の粒子−篩ライニング間で高い静摩擦係数を提供することである。好適には、最大主要寸法である長さaにより分級する場合、高静止摩擦係数が、摩擦条件として必要になり;本特許出願の枠組みでは、好適には、静摩擦係数μは0.3以上、特にμは0.7以上である。
【0036】
摩擦によって、確実に、粒子1が、最大主要寸法である長さaにより分級されて保持され、図7aの下図で示す起立姿勢では、A1、A2及び/又はA3点での接触により保持され、その結果、粒子1は篩ライニング又は分級装置上に残存し、通路3内に滑り込まない(供給原料に応じて開発された篩ライニングによって規定される所定の長さaを持たない他の粒子は、結果的に通路3を通過する)。
【0037】
分級ライニング又は分級装置(篩デッキ11)の作動によって、必ず粒子1が規定した配向で保持され、その結果、粒子の重心Sの位置に応じて長さaにより分級ができることになる。適切な高静摩擦係数でなければ、粒子1は、図7aに示したように、傾斜して、接点A1で垂下フラップ4に接触した状態に保持されず、粒子の幅で、その結果としてXY平面と垂下フラップ4との間の通過開口を通り滑り込む可能性がある。
【0038】
類似の設計だが、起立フラップ5を使用した設計(当然、分級装置又は篩ライニングは、多数のこうした起立フラップ5を有し、若しくは図7aに従って実行する場合は、垂下フラップ4を有する)を、図7bでは示しており、分級面のベースBから上方に突出するような起立フラップ5を用いて、最大主要寸法である長さaにより分級することも可能である。図7bによる分級効果を有する3D起立フラップの幾何学形状を使用する場合に、篩指標の選択により、粒子1を活性化して跳ね運動させると、その結果、図7で示すように、XY平面と平行な幅bを有する粒子1は起立状態になる。材料搬送方向と対向する方向に起立フラップ5を配向することで、粒子1がXY平面に「起立する」と、粒子1はその配向状態に保持される。ここでもまた、粒子1がXY平面に衝突すると、粒子は傾き、少なくとも点B1、B2、B3によって保持される。また、分級ライニングの又は篩ライニング及び分級装置の材料を選択する際に、摩擦の対となる粒子−分級装置の分級ライニング又は表面ライニング間に対して、必ず高静摩擦係数μ、(μは0.3以上)となるようにしなければならない。好適には、摩擦係数μは0.7以上とする。その結果、分級ライニングの動作中、必ず粒子1を規定した配向で且つ起立姿勢で保持し、その結果、粒子の重心Sの位置に応じて、長さaにより分級できることになる。ここでもまた、適切な高静摩擦係数でなければ、粒子1は傾斜して、粒子の幅で、通過開口3、その結果XY平面と起立フラップ5との間を通り滑り込む可能性がある。
【0039】
以下では、主要寸法幅bによる分級について、図8a及び図8bを使用して説明するが、ここでもまた、其々、垂下フラップ4(図8a)と起立フラップ5(図8b)を有する分級ライニングの又は分級装置での作動である。円形、即ちXY平面で楕円形をした通過開口3、篩指標SV<1(滑り運動)と共に、材料搬送方向に開口した垂下フラップ4を使用すると、幅bにより粒子1を分級できる。篩指標(SV<1)の選択によって、粒子1を活性化して滑り運動させる場合、その結果、図8aに示すように、粒子の重心Sの位置によって、粒子が円形通過導管6へと「通り抜け落下」するが、該通過導管6を、垂下フラップ4で形成するだけでなく、好適には垂下フラップ4aが通過開口3の下流側の縁部から平行方向に延伸している(垂下フラップ4、4aを、通過導管6を形成する一体管としてもよい)。粒子幅bによる分級は、円形断面と開口径w(を有するこの通過導管で行われる。分級される粒子1は、主要寸法a(長さ)で、通過導管6内に落下し、この通過導管6に少なくとも1点C1で接触する一方、それと同時に、更なる点C2で通路開口3の縁部と接触する。この場合、粒子1が通過導管6で詰まらないように、粒子1がそれに沿って移動する分級ライニング2の材料、又は分級装置用材料を選択することで、出来るだけ低い静摩擦係数μ、特に静摩擦係数μ0.3以下を、摩擦の対である粒子−分級装置間に選択しなければならない。幅bにより分級するには、主要寸法長さaによる分級とはちょうど逆に、摩擦の対である粒子と分級装置又は篩デッキ又は分級ライニングとの間に対して摩擦係数を選択する必要があり、分級する粒子1の種類に応じて、又は分級装置の材料、即ち粒子1がそれに沿って移動する分級ライニング2の表面の材料に応じて、上記摩擦係数を選択又は設定する必要がある。分級基準として規定したこの幅bでない粒子(より幅広な粒子)は、篩ライニング上に残る。
【0040】
図8bでは、XY平面に形成した四角形の開口幾何学形状(3D角穴)、篩指標SV<1(滑り運動)、材料搬送方向に向かい開口させた、幅bによる分級を同様に可能にした起立フラップ5を使用した、主要寸法幅bによる分級について概略的に説明している。この場合、篩指標SV<1を選択することで、粒子1を活性化して、分級装置に沿って滑り運動させた場合、図8bに示したように、粒子1は、XY平面で、起立フラップの幾何学形状の四角形通過開口3(3D角穴)に向けて滑り、開口3と少なくとも1点C2で接触する。粒子1の重心Sの位置に応じて、粒子1は、粒子1に作用するモーメントによって、XY平面に起立フラップ5を有する通過開口3の開口幾何学形状へと向かう、又はこの周りへと移動する。好適には、分級装置又は篩ライニングの材料を選択することによって、粒子1の材料と協働して、確実に、摩擦の対となる粒子−分級ライニング又は分級装置間の静摩擦係数を出来るだけ低くして、粒子1が、起立フラップ5を有する3D通過開口3の開口幾何学形状で詰まらないようにしなければならない。ここでも同様に、好適には、静摩擦係数μは0.3以下である。
【0041】
ここでもまた、図中の矢印は、粒子1の取り得る運動方向を表している。
【0042】
以下では、図9を使用して、主要寸法c(厚さ)による分級について説明するが、同様に、垂下フラップ4(図9a)を有する分級装置の作動と、起立フラップ5(図9b)を有する分級装置の作動を用いる。好適には、XY平面における矩形の開口幾何学形状(通過開口3)、篩指標SV<1(滑り運動)、材料搬送方向に開口した垂下フラップ4を使用して、粒子1の主要寸法厚さcにより、分級することができる。3D矩形開口は、好適には、該開口の長辺が、図9aで示されるように、材料搬送方向に対して直交するように配設されている。篩指標(SV<1)を選択することで、粒子1を活性化して滑り運動させた場合、図9aに示すように、主要寸法a(長さ)を有する粒子1は、矩形開口幾何学形状(XY平面の3D矩形穴)の最長寸法に沿って配向される。この配向の結果、粒子1はB/C平面で、垂下フラップ4(通過開口3の下流側の縁部から延伸する、対向する平行な垂下フラップ4aと共に)とXY平面との間にある矩形開口導管6内に滑り込む。寸法(垂下フラップ4とXY平面との間の最短距離で規定される、開口管6の幅wδ)によって、粒子厚さcによる分級が、この開口導管6で行われる。主要寸法b(幅)による分級と同じように、粒子1が通過導管6に詰まらないように、ここでもまた、摩擦の対である粒子−分級ライニング又は篩デッキ材料又は分級装置の表面間の静摩擦係数を、出来るだけ低く(特に、μは0.3以下)するように、選択しなければならない。
【0043】
穴厚wz(図9a)又は穴径wx(図8a、また図4〜図9を参照)の計算を、wz=wx・tanαを使用して行う。
【0044】
図9bは、主要寸法厚さcによる分級を、起立フラップ5によって、XZ平面に矩形開口幾何学形状を設け、篩指標SV<1(滑り運動)とし、材料搬送方向と反対に開口させた起立フラップを用いて、分級装置を作動させているところを、概略的に示している。ここでもまた、矩形開口の幾何学形状(3D矩形開口)は、該開口の長辺が、材料搬送方向に対して直交するように配設されている。篩指標(SV<1)を選択することで、粒子1を活性化して滑り運動させた場合、図9bに示すように、主要寸法a(長さ)を有する粒子1は、XY平面における起立フラップ5の矩形開口幾何学形状の最長寸法に沿って配向される。そこで、起立フラップ5とXY平面との間の最短距離で規定した寸法wzによって、粒子厚さcによる分級が行われる。ここでもまた、篩ライニングの又は分級装置の材料の選択に関して、必ず摩擦の対である粒子−分級又は篩ライニング間の静摩擦係数が出来る限り小さくなるものを選択して、粒子1が通過導管6で「目詰まり」しないようにしなければならない。ここでもまた、矢印で粒子1の取り得る運動方向を示す。静摩擦係数の値を、好適には、μは0.3以下とする。分級基準として規定した厚さcの測定値に対応しない粒子(より厚い粒子)は、篩ライニング上に残る。
【0045】
事前に選択した実施形態に基づいて、三次元分級幾何学形状、即ち三次元分級効果を有する通過開口3によって、3粒子主要寸法である長さ、幅、厚さに基づいて、粒子1のサイズによる選別分級が実行可能になる。
【0046】
通過開口3のX方向とY方向での寸法関係、粒子運動(篩指標)、分級効果を有する3D通過開口の開口幾何学形状、XY平面又はYZ平面における通過開口の開口幾何学形状、XZ平面又はYZ平面における通過開口の開口幾何学形状の他、分級タスクに応じた篩構造(分級装置)の材料−粒子間の摩擦の基本的な静止摩擦レベルを考慮して、粒子1の粒子長さa又は粒子幅b又は粒子厚さcによる分級に関して多数の実行可能なもの(少なくとも6種類以上)が、上記パラメタを踏まえた本発明の方法を実施する可能性として、提供できる。
【0047】
以下では、これまで説明した、主要寸法である長さ、幅又は厚さの1つによる、粒子のサイズ分級を実行する手順モデル及び装置について、概略的に説明する。
【0048】
図10では、一段デッキ式篩7に基づいて、主要寸法aにより分級する一段デッキ式篩7を有する分級装置の基本的な装置実現について、示している。ここでは詳細に示さないが、図7a(左下)に基づいて説明したように、粒子が長さaを有さない限り、供給粒子状材料は一段デッキ式篩7を通過し、長さaの粒子1は一段デッキ式篩7上に残ることになり、その結果、図7aに示したように、主要寸法長さaで分級できる。
【0049】
当然、図11の3段篩8〜10として概略的な断面図で示した、多段デッキ式篩装置によって、分画を行う又は達成する、即ち主要寸法長さaによって分級した粒子1の異なる画分を得ることが可能である。その結果、篩上段8の左側で、粒子1のバルク材又は他の材料を供給した後、それらの粒子が、通過開口の寸法及びそれらと同様な長さaによって、篩上段8に最大粒子(長さaに関して)として残り、更なる篩2段9及び10を使用して、最大長さaがより小さな粒子を、其々対応する方法で、分級する。
【0050】
このようにして、粒子1の3画分が得られ、3画分全ては、最大長さa別に分級されたものである。各篩デッキ8〜10で、所定サイズの最大長さaを規定するため、各篩デッキによる分画及びサイズ分級の結果は、粗い、中間、微細物と定めることができる。
【0051】
図12は、主要寸法長さaによるものと同様な分級を行う分級装置として、篩デッキ11の模式図を示しており、この種の篩デッキ11は、例えば、ポリウレタン製で、起立フラップ5を、例えば、分級面又は分級装置のベースBから外に曲げて通過開口3を作成して形成するのではなく、代わりに、例えば、合成樹脂又はプラスチックを別の射出成形によって形成し、また、起立フラップ5は、図12c(図12bによる篩デッキ11の上面図における線A−Aに沿った断面図)のように、通過開口3の幅に亘り該開口より突出している。また、分級する粒子状材料の材料と適合させる際に、木又はセラミック(鋳物)といった他の材料も、篩デッキに使用できる。こうして形成した分級装置のベースがBであり、起立フラップ5は、該ベースから外方に又は該ベースから上方に飛びだしている。図12a(縦断面)に関連して既に説明したように、図12cでは、模式的に篩デッキ11の断面図を示している。
【0052】
図13は、模式的に主要寸法長さaにより粒子1を分級する装置の構成又は実施に関する更なる実施形態を示している。
【0053】
ここでは、篩デッキ11の、又は分級装置の厚さdを、三次元分級効果が促進されるよう大きいものに選択し、篩デッキ11の材料厚さ(d)の中で、垂下フラップ4が、実際的に篩デッキの内部で、篩デッキに組込んで形成され、それにより分級効果を有する3D開口(この場合、3D角穴)に対応する開口管6が、篩デッキ11の厚さ内に形成されるため、この篩デッキは、そこから全く突出部が出ていない平行平面構造を有する。当然、かかる分級装置は、同じく、極めて有利なことに射出成形法又は別の鋳造成形法を用いて製造できる、若しくは金属製とした場合、ミリングで成形された打ち抜き斜穴を用いて製造できる。また、初めに通過開口3を篩デッキ11としての金属要素に垂直に導入し、その後これを、上段又は下段領域11a、11bの領域に反対方向に作用する引張力によって、エキスパンド格子を製造するのと同様な方法で、傾斜した構成の開口導管6が得られるように、形成することも考えられる。篩デッキ11自体に形成した通過開口3の、即ち3D角穴の又は垂下フラップ4(開口導管6の壁)の挙動は、粒子の重心Sに対して、従って、主要寸法長さaに関する有効な分離サイズに対して篩デッキ11の厚さdが適切である場合、図7aにおける挙動と全く対応し、それにより選別分級は、図13による実施形態で、最大主要寸法である長さaによる分級に関して可能になるが、これは、平行な上下面11a、11bと、材料搬送方向に対して傾斜し、傾斜した分級装置の又は篩デッキ11の通過開口として一体的に開口導管6が形成された垂下フラップ4とを有する分級装置によって可能になる。
【0054】
図14は、篩デッキ11によって主要寸法長さaによる分級を行う装置を示しており、篩デッキ11はハウジング12内に配設されており、ハウジング12は支承バネ13によって付勢され、3D角穴は通過開口3として設けられている。図14aで概略的に表した排出漏斗14(また、篩下排出ユニットとも呼ぶ)を使用して、分級条件である主要寸法長さaに対応しないで、篩デッキ11に形成された分級面を通る垂下フラップ4と組合わされた篩デッキの通過開口3を通過する粒子状材料を収集する。主要寸法として長さaにより分級された粒子状材料は、篩デッキ11上に残存し(図7a及び図11で示すように)、排出シュート15によって取り出される。
【0055】
図14cの概略側面図では、排出シュート15は、分級機のハウジング12の全幅に亘り延伸させて示されているが、この排出シュート15は、必ずしもこの様に設ける必要はない。
【0056】
図15は、3篩デッキ11を有する多段デッキ式機械として、選別機16を示しており、各段で主要寸法a(長さ)により分級され、異なる画分(aのサイズ別)にされるが、該画分については、模式図である図11での説明が参照される。このようにして、篩上段11に給出し、長さaにより分級された粒子状材料の複数の画分が、生成され、脇に引き出され、適切な排出シュート15によって分離される。また同様に、篩下排出ユニット又は排出漏斗14を使用して、「分画」分級条件の長さaに対応しない粒子状材料が収集される。ここでもまた、分級効果を有する穴の幾何学形状(通過開口3)を、3D角穴として作成することができる。
【0057】
模式図の図16は、起立フラップ5を使用して、主要寸法として粒子幅bにより分級する装置の実施形態について示しており、該実施形態は、図12における起立フラップで寸法aにより分級する実施形態に相当する。これまでの図、特に図8bにおける動作モードに関する説明が参照される。YZ平面にある起立フラップ5の最小開口幅を規定する寸法wyを決定することにより、ここでは、粒子幅bによる分級が定められる。ここで不可欠なのは、確実に粒子1を目詰まりさせずにスムーズに起立フラップ5の領域にある通過開口3へ通過させるために、粒子−篩デッキ11間の摩擦に関して、出来る限り低い摩擦係数(μは0.3以下、静摩擦係数)を選択することである。
【0058】
それとは別に、篩デッキ11と三次元分級効果を有する通過開口3によって、粒子幅bによる分級がされる点についても上述の説明が参照される。
【0059】
図17は、篩デッキ11の実現を、断面図(図17a)と上面図で示しており、円形又は楕円形の通過開口3と、材料搬送方向に向かう一体化した垂下フラップ4と開口導管6を有し、ここでもまた、篩デッキ11は平行面の表裏側11a及び11bと、幅bによる分級タスクに対応する厚さdを有する。それとは別に、粒子の主要寸法として幅bによる分級に関する上述の説明を参照するが、特に、粒が目詰まりしないように、分級する粒子の特性に対して篩デッキの摩擦係数を低くすることが重要なことを指摘しておく。
【0060】
図18は、図17の篩デッキ11を使用した分級機16について示す一方で、図19は、幅bによる分画分級で、幅bに関し様々な分級サイズの3篩デッキ11を用いて3つの異なる画分に分級するところを示している。かかる分級機16の構成については、上述の説明が適用される。
【0061】
図20は、図20aが篩デッキ11の概略断面図、図20bが上面図、図20cが側面図(図20bによる断面図)を示し、粒子の厚さによる分級を行う装置の実施形態については、ここでもまた寸法wzを適切に一致させる(この点で図9bと比較)ことで上述の説明が適用できる。この場合、寸法wzは、特に比較可能な寸法、即ち、長さaによる分級の起立フラップとXY平面との間の距離に対しては、最小となる。
【0062】
最後に、図21は、篩デッキ(図21b:上面図)の、分級効果を有する通過開口3として3D矩形穴を使用する別の実施形態を示しており、ここでは、対応する垂下フラップ4が、篩デッキ11の厚さdと、材料搬送方向に傾斜させた対応する開口導管6とで形成されているものを示している。
【0063】
図22a、b、cによって、図22は、分級パラメタb又はaを用いる対応する図と対応可能な、一段デッキ式の変形例及び垂下フラップを有する装置実装を示している。
【0064】
次に、図23は、篩デッキ11の幅方向に延伸する矩形通過開口3を使用した、厚さにより粒子を3画分に分別する多段デッキ式分別機(3篩デッキ式)を示している。参照番号についての説明は、既に説明されているものを援用する。
【0065】
本発明によって、以前の二次元ではそれ程選別できない篩幾何学形状と比較して、三次元分級効果を有する通過開口を、好適には起立フラップ又は垂下フラップを伴う設計で、使用することによって、該フラップを、例えば、射出成形又は鋳造若しくは機械的に、例えばミリングによって等別の方法で製造したポリウレタン製又は他のプラスチック製篩デッキの、材料厚さaで作製して、分級パラメタに応じて、即ち、空間における粒子の3主要寸法(長さ、幅、厚さ)に基づいて、通路の幾何学形状とXY平面(分級面)との間の距離の対応測定値によって、粒子をサイズ別に分級でき、分級パラメタに応じて、粒子−篩デッキ間の摩擦の本質的に異なる摩擦条件を一致させる必要があり、長さaにより分級する際には、高摩擦係数(静摩擦係数、μは0.3以上、好適にはμ>0.7)である必要があり、それにより分級物を、対応する篩デッキ11上に残存させる一方で、粒子の幅又は厚さにより分級する際には、粒子が、篩デッキと粒子間の静止摩擦の摩擦係数を出来る限り低くして(μは0.3以下)、三次元分級効果を有する対応する通過開口3を通過させなければならない。
【0066】
本発明の全てではなく幾つかを使用して、果実、野菜、液果類、穀物等の収穫中及び更なる加工中等、農業での分級処理、種子、肥料、餌、スパイス、コーヒー豆、ナッツ、タバコ、紅茶、卵又は他の動物性食品である、魚、肉又はそれらの(中間)製品の他、発生する副産物又は二次製品等の分級処理とし、工業では、砕石、破砕岩、鉱石、石炭、塩、木材等原材料の他、半製品又は中間生成物、例えば石灰、セメント、繊維、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛、プラスチック等の天然又は合成バルク材又は粉末の他、それらの添加物、複合材料、セラミック、ガラス、金属、木屑、工業加工用添加物、ブラスト剤又は研磨剤、ネジ、釘、コイン、ジェムストーン、宝石用原石、半貴石、金属屑、リサイクレート、又は他の廃棄物流れ、例えば洗剤、顔料、反応器の充填物、触媒、医薬又は化粧品活性成分、及び補助剤又は錠剤等の、化学工業又は製薬工業におけるバルク材又は粉末の分級処理とすることができる。
【符号の説明】
【0067】
1 粒子
3 通過開口
a、b、c 最大主要寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
篩構造(3;4;5;11)において三次元分級効果を有する通過開口を使用した分級によって、粒子幾何学形状の最大主要寸法(a、b、c)によって決定されたサイズにより粒子を選別分級する方法。
【請求項2】
前記粒子(1)の前記分級は、前記最大主要寸法である長さ(a)、幅(b)、厚さ(c)の1つにより行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記分級は、少なくとも1つの振動又は非振動の、好適には傾斜した分級面で行い、及び/又は前記分級面は矩形、特に正方形、及び/又は楕円形の通過開口(3)を有し、及び/又は前記粒子は、三次元分級効果を有する前記通過開口(3)の領域の斜面に沿って移動させることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記篩構造(3;4;5;11)は、少なくとも前記通過開口(3)の領域において、分級する前記主要寸法に応じて、また分級する前記材料に応じて、所定の摩擦係数、特に静摩擦係数(μ)を有することを特徴とする、前請求項1乃至3の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項5】
前記主要寸法長さ(a)による分級の場合、前記通過開口(3)より大きな前記粒子(1)は、前記篩構造(3;4;5;11)の篩デッキ(11)上に残存することを特徴とする、前請求項1乃至4の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項6】
前記篩構造(3;4;5;11)の分級ライニングは、少なくとも前記通過開口(3)の領域において、静摩擦係数を増大させ、特に静摩擦係数をμは0.3以上、特にμは0.7以上とすることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記篩構造(3;4;5;11)の分級ライニングは、前記主要寸法の最大幅(b)又は最大厚さ(c)による分級に関して、少なくとも前記通過開口の領域において、静摩擦係数を低減し、特に静摩擦係数をμは0.3以下とすることを特徴とする、前請求項1乃至4の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項8】
最大主要寸法(a;b;c)による分級に関して、前記粒子(1)を前記最大寸法(a;b;c)の複数のサイズ画分に分画を行い、及び/又は前記最大主要寸法により分級した粒子(1)に関する複数の分画を、実質的に同時に、及び/又は空間的に隣接して、又は時間的に及び/又は空間的に分離して行うことを特徴とする、前請求項1乃至7の少なくとも1項に記載の方法。
【請求項9】
三次元分級効果のある通過開口(3)を有する篩構造(3;4;5;11)を備えた分級装置を用いて、特に前請求項1乃至8の少なくとも1項に記載された方法を実行するための、最大主要寸法によって決定されるサイズにより供給材料の粒子を選別分級する装置。
【請求項10】
前記通過開口(3)は、分級面のベースから突出する起立フラップ(5)又は起立導管を有する一方及び/又は他方で、前記分級面の前記ベースから突出する垂下フラップ(4)又は垂下導管(6)を有することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記主要寸法長さ(a)による分級に関して、前記起立又は垂下フラップ(5;4)を、前記分級面に沿って前記粒子(1)の搬送方向と対向する方向に配設することを特徴とする、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記主要寸法の幅(b)による分級に関して、前記通過開口(3)の前記起立又は垂下フラップ(5;4)によって限定される起立又は垂下導管(6)を、前記分級面に沿って、前記粒子(1)の搬送方向と一致して、又は対向する方向に配設することを特徴とする、請求項9又は10に記載の装置。
【請求項13】
前記主要寸法厚さ(c)による分級に関して、前記通過開口(3)の前記起立又は垂下フラップ(5;4)によって限定される起立又は垂下導管(6)を、前記分級面に沿って、前記粒子の搬送方向と一致して、又は対向する方向に配設することを特徴とする、前請求項9又は10に記載の装置。
【請求項14】
前記三次元分級効果を有する前記通過開口(3)が、前記篩構造(3;4;5;11)、特に前記篩デッキ(11)の実質的に平らな粒子給送側(11a)、と、前記篩構造の実質的に平らな取出側(11b)との間に、傾斜した開口導管(6)を用いて配設されることを特徴とする、前請求項9乃至13の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項15】
前記分級装置は、3D矩形穴、3D角穴、3D円穴又は3D楕円穴、特に前記分級面のベースにある円形、楕円形、矩形又は四角形をした開口と垂下フラップ(4)若しくは垂下導管(6)又は起立フラップ(5)若しくは起立導管との組合せで、開口幾何学形状を有する少なくとも平らな篩デッキ(11)とすることを特徴とする、前請求項9乃至14の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項16】
共同ハウジング(12)内で、共通の最大主要寸法(a;b;c)による前記分級で異なる画分を形成する複数の分級装置、特に複数の篩デッキ(11)を、配設し、前記篩デッキの其々を、前記分級した粒子画分を搬出する関連排出装置(15)に連結することを特徴とする、前請求項9乃至15の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項17】
篩装置としての前記分級装置を、円形、楕円形、線状若しくは面状振動体とする、又は静止分級面を、前記篩装置、特に斜めに配設した篩デッキ(11)で形成することを特徴とする、前請求項9乃至16の少なくとも1項に記載の装置。
【請求項18】
篩デッキ(11)は、同一平面の表裏側を有し、三次元分級効果を有する通過開口を、前記表裏側(11a、11b)間に延在させる傾斜した開口導管(6)によって形成し、前記篩デッキの厚さ(d)を、前記最大主要寸法(a;b;c)の種類に応じて規定し、前記開口導管(6)により垂下フラップ(4)を同時に形成することを特徴とする、前請求項9乃至17の少なくとも1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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【図15a】
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【図15b】
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【図15c】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【図17a】
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【図17b】
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【図18a】
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【図18b】
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【図18c】
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【図19a】
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【図19b】
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【図19c】
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【図20a】
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【図20b】
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【図20c】
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【図21a】
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【図21b】
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【図21c】
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【図22a】
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【図22b】
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【図22c】
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【図23a】
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【図23b】
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【図23c】
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【公表番号】特表2012−532751(P2012−532751A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519936(P2012−519936)
【出願日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004330
【国際公開番号】WO2011/006664
【国際公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(512009676)テクニッシェ ウニヴェルジテート ベルグアカデミー フレイベルグ (1)
【Fターム(参考)】