説明

サイズ自在料理用落し蓋

【課題】サイズ自在の料理用落し蓋は、扇状蓋板の重なり部分に付いた煮汁や灰汁を、そのつど分解して洗浄していた、分解すると洗浄後に組立作業の煩雑さがあった。又、小さな部品を紛失してしまう不都合が生じる。分解しないで洗浄をすれば扇状蓋板の重なり部分にはブラッシングが出来ず、汚れは蓄積し、悪臭も残り衛生的でないなど問題があった。以上を解決して提供するのが課題である。
【解決手段】落し蓋の扇形状蓋板の重なり部分を少ない構造にして、かつ分解をしなくても、外周を絞り込み変形させるだけでブラシを全体にかけて、煮汁や灰汁などを洗浄出来る料理用落し蓋にし、つまみ具は、熱くなっていてもお玉の先で自由に取り出せて、倒立、直立が出来て洗浄、収納にも利便性を良くして解決した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略円形の外周をしぼり込むだけでサイズを変えることが出来る、サイズ自在の料理用落し蓋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7は、従来からあるサイズ自在料理用の落し蓋31を示している。このタイプは扇状蓋板32の円弧側をリベットにて連結し、扇形蓋板32の長穴33を中心に集合してセンターピン34で留めて略円形を作り使用する。
【0003】
サイズを自在にする場合は、落し蓋の円形輪郭を大きくする小さくする作業により、扇形蓋板32に開けた長穴33をセンターピン34がスライドして円形の半径が変化することにより落し蓋のサイズを自在にすることが出来る構造である。
【0004】
図7で示す従来の扇形状パーツ32で製作された落し蓋は、円形を最大に広げた状態でも、扇形蓋板32と扇形蓋板32の重なり部分41が生じる構造である。
【0005】
料理をした後にはこの重なり部分41に煮汁や灰汁が付着してしまうので、洗浄する必要がある。
【0006】
洗浄実施例1として、図7で示す状態のまま、分解しないで見える部分だけを洗浄してする場合には、扇形蓋板32の重なり部41にはブラシやスポンジなどが届かず十分洗えないので衛生的でない。
【0007】
前項の場合、図10に示すセンターピン34に取り付けられた、つまみ具35が突起物となり、流しの底面43においた場合、がたがたと不安定となり、ブラシでの洗浄が不便である。
【0008】
洗浄実施例2として、図8で示すとおり、そのつどセンターピン34とつまみ具35を取り外し、円形状態を分解してから洗浄して、再度組み立てる方法がある。きれいにはなるが分解して再度組み立てるなど、煩雑である。
【0009】
又分解したセンターピン34やつまみ具35などを紛失してしまうこともあって不便である。
【0010】
図9は、従来品のサイズ自在料理用落し蓋31の最小サイズを示している。センターピン34は長穴33の末端に位置しているので、これ以上外形を絞り込むことが出来ない。
【0011】
以上が現在のサイズ自在料理用落し蓋31の背景である。
【0012】
【特許文献】実用新案出願公告 平2−101 実用新案出願公告 平5−115
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
組み立てたときに、重なり部分が有ることが煮汁や灰汁がついてしまうなど問題となる。この重なり部分をなくすことが課題である。
【0014】
センターピンや、センターピンに取り付けた摘み具が突起物となり洗浄時に不具合となるので、突起物とならない形体にする。
【0015】
以上の問題を解決して、扱いに利便性の有るサイズ自在料理用落し蓋を提供するのが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この発明は前記課題を解消する為になされたものであり、以下概要を説明する。
【0017】
扇形状蓋板の重なり部分を無くす為に、リベットにて連結する部分を基本的扇形状より外部へ突出した形状にて連結する。
【0018】
外周を絞り込んで、サイズを小さくするのであるが、この状態で、センターの重なり部分がさらに外部へ出るために、長穴をさらに延長する。
【0019】
分解の必要は無いので、突起物となるセンターピンは上面、下面共扁平形状とする。
【0020】
料理中つまみ具は煮えて熱くなり、指で直接つまむことは出来ないので、キッチンにある道具を利用して楽に持ち上げられる構造とする。
【発明の効果】
【0021】
以上の構成により、本発明は次のような効果を生じる。
【0022】
洗浄する目的でのセンターピンを抜き取り、落し蓋を分解する必要が無くなった。
【0023】
分解をしないで、形状を変える作業をする事により全体を洗浄出来るので、洗浄が楽になった。
【0024】
分解しないので、小さい部品を紛失することがなくなった。
【0025】
分解しないので、再度組み立てる作業がいらなくなった。
【0026】
突起物となっていたセンターピンは上面、下面側とも、扁平でシンクにフラットに置けて、ぐらぐらしなくて洗浄しやすくなり、保管時にはコンパクトであり利便性が良くなった。
【0027】
つまみ具は直立させることも、倒して平面にすることも簡単であり、腕のある形状なので、お玉の先にも引っ掛けて持ち上げられるので、料理中の点検がしやすい。
【0028】
総称すると、洗浄が楽で常に清潔にしておける。また料理中の作業性も良くなった。
【発明を実施するため最良の形態】
【0029】
次に本発明の実施の形態について説明する。
【0030】
図1はサイズ自在料理用落し蓋1の構成を示す上面図である。図2で示す複数の扇形蓋板2とセンターピン4と連結具であるリベット6により構成されている。
【0031】
図1は落し蓋を最大に広げた状態を示していて。最大に広げた形体において扇形状蓋板2の重なる部分はリベット重なり部9とセンター重なり部10の2ヶ所だけとなっている。
【0032】
図2は扇形状蓋板2の形状を示していて、リベット重なり部9が基本的な扇形より突出している。このリベット重なり部9が突出している形態により、図1で示す落し蓋の最大形態にした時、扇形状蓋板2の重なり部分が大変少なくなり、重ならない部分11となることを示している。
【0033】
図2は扇形蓋板2の形状を示し、センター重なり部10が基本的な扇形より突出していることを示している。
【0034】
図3は落し蓋の円形を絞り込み、料理使用時においての最小サイズを示している。扇形蓋板2の長穴3とセンターピン4から円弧12側に延長した長穴延長部15が構成されている。
【0035】
図4は最小サイズよりさらに円形を絞込み、センターピン4が長穴延長部15の末端まで届き、扇形蓋板2のセンター重なり部10が、略円形外側へ突出していることを示している図である。この形状になることにより、センター重なり部10の部分へブラッシングなど出来て洗浄できる。
【0036】
図5はつまみ具5の側面で、つまみ具5が直立、斜め、倒立状態を示している。つまみ具5の下部でセンターピン4へのはめ込み部分をひねりスプリングのスプリング部7としてあるので、つまみ具5は望みの角度を維持出る構造である。つまり直立も斜めも倒立の状態でも維持できて便利である。倒した状態では、突起物とならないことを示している。
【0037】
図6はつまみ具5の正面を示している。つまみ具リング16にはフック等が掛けられ、両側のお玉フック18にはお玉20の先部が掛けられるので、煮えて熱くなった料理中に於いても、落し蓋を自由に取り出せる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のサイズ自在料理用落し蓋の上面図
【図2】本発明の扇形状蓋板上面図
【図3】本発明のサイズ自在料理用落し蓋の最小状態を示す上面図
【図4】本発明のサイズ自在料理用落し蓋の洗浄形態を示す上面図
【図5】本発明のつまみ具の側面図
【図6】本発明のつまみ具の正面図
【図7】従来品の料理用落し蓋の上面図
【図8】従来品の料理用落し蓋の分解形態を示す上面図
【図9】従来品の料理用落し蓋の最小状態を示す上面図
【図10】従来品のつまみ具の正面図
【符号の説明】
【0039】
1 サイズ自在料理用落し蓋
2 扇形蓋板
3 長穴
4 センターピン
5 つまみ具
6 リベット
7 末端
8 対流調整穴
9 リベット重なり部
10 センター重なり部
11 重ならない部分
12 円弧
13
15 長穴延長部
16 つまみ具リング
17 スプリング部
18 お玉フック
19 スナップピン
20 お玉
31 サイズ自在料理用落し蓋
32 扇形状蓋板
33 長穴
34 センターピン
35 つまみ具
36 リベット
37 末端
38 対流調整穴
39 リベット重なり部
40 センター重なり部
41 蓋板重なり部
42 円弧
43 流し底面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本の扇形より円弧部の両端連結部を突出させた扇形蓋板を連結し、中心部より円弧方向へ設けた長穴を重ね合わせセンターピンにて集合し略円形とした、サイズ自在料理用落し蓋において、落し蓋のセンターピンを抜き取って分解することなく、円形外周を絞り込むことだけにより、扇形蓋板のセンター部分が最小略円形の外周より外部へ飛び出すことが可能な長穴を構成して、センター部分の裏表ブラシ洗浄が出来ることを特徴としたサイズ自在料理用落し蓋1。
【請求項2】
扇形蓋板を円形の中心でまとめるセンターピンは上面、下面、突起の無い扁平タイプであり、そのセンターピンに構成された、つまみ具は、起こしやすく起こした状態を維持できて、お玉の先部にて引き上げることが出来る形状フックのつまみ具を構成した、サイズ自在料理用落し蓋1。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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