説明

サイディング小口拘束金具工法

【課題】美観を損ねるタッチアップや完全な止水が出来ないパテの施工或いはクラック等を発生させるビス或いはクギによる施工から開放された、サイディング施工の際に使用される金具止め工法を提供する。
【解決手段】サイディングAの実部分を切り落とした部位にスリットHを設け、このスリットH部分に金具Aを差込み釘やビスで締結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は建築物の外壁に使用する窯業系サイディング(以下サイディング)を止めつける為の金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のサイディングを外壁下地材に取り付ける場合、上下の実部分は通気層を形成しながら地震等の振動における層間変異に追随させ尚釘やビスの頭を見せず雨水の浸入にも有利な止め金具を使用するのが一般的工法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−217972
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】日本窯業外装材協会(NYG)窯業系サイディング施工士テキスト
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらこの技術によればこの金具はサイディングの結合実部分を切り落として施工しなければならない窓開口の上下や軒下の壁最上部等には取り付け部分が切り落とされているため使用することが出来ず、釘やビスで拘束してその上からパテを施した後、補修塗料等でタッチアップをして対応する事になる。従って美観的には施工者の熟練の度合いにより完成度が大きく左右され尚材端部分でのビスやクギによる未熟な技術に起因するクラックの発生やその釘或いはビスの開けた穴からの漏水も懸念され又補修塗料の経年劣化による変色やパテ材クラックからの浸水による建築物内への浸水やサイディングの給水による凍害など建物の短命に直結してしまう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、第一発明はサイディングの実部分を切り落とした部位にスリットを設け、このスリット部分に[図1]Aに示すような金具を差込み釘やビスで締結する事を特徴とする窯業系サイディング小口止め金具工法である。
【発明の効果】
【0007】
第一発明によれば、従来の金具はサイディングの結合実部分を切り落として施工しなければならない窓開口の上下や軒下の壁最上部等には取り付け部分が切り落とされているため使用することが出来ず、釘やビスで拘束してその上からパテを施した後、補修塗料等でタッチアップをして対応する事になる。従って美観的には施工者の熟練の度合いにより完成度が大きく左右され尚材端部分でのビスやクギによる未熟な技術に起因するクラックの発生やその釘或いはビスの開けた穴からの漏水も懸念され又補修塗料の経年劣化による変色やパテ材クラックからの浸水による建築物内への浸水やサイディングの吸水水による凍害など建物の短命に直結してしまう、という問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】 この発明の一実施形態を示す斜視図、断面形状、施工詳細収まり図である。
【図2】 サイディング小口にスリットを入れる冶具(定規)又は専用工具の作例図である。
【図3】 窯業系サイディングを金具止めで施工する場合の現状を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この発明の実施形態を、[図1]に示す。
建築物の窓枠等の障害物(F)上下などで窯業系サイディング(C)の金具を挟み込む結合実部分(N)を切り落とした切断面に斜めにスリット(H)を入れこのスリットに金具(A)を差込み拘束クギ、ビス用先穴部(B)からビス或いはクギ(E)でサイディング取り付け下地(J)に拘束する。この金具は必要な通気層(I)の幅を確保し後に施されるシーリング(D)のバックアップ材(G)の邪魔をしない形状にする。尚スリット(H)のある部分には(A)は自在にセットできるため、下地(J)の有る部分に正確に又容易に移動、取り付けが可能になっているし短尺品に出来るので通気層(I)を塞ぐ事もない。切断面が下向き方向になる部分にはあらかじめ差し込んだ金具(A)が落下しないようにスリット(H)は斜とすることが望ましい。尚このスリット(H)を現場で加工する為に[図2]に示すような定規または専用工具が必要である。
【0010】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば窯業系サイディングの表面からのビスや釘による拘束が大幅に削除され、美観を損ねるタッチアップや完全な止水が出来ないパテの施工或いはクラック等を発生させるビス或いはクギによる施工から開放されるし尚、施工者の熟練の度合いによりその完成度が大きく左右されてしまう、或いは窯業系サイディングの塗装と補修塗料の種類が違うため経年による劣化や変色が起こってしまい建築物の短命に繋がってしまうという問題を解決し尚、工程の短縮効果も大いに期待できる。
【符号の説明】
【0011】
A サイディング小口拘束金具の正面図及び側面図
B 拘束クギ、ビス用先穴
C 窯業系サイディング材
D シーリング材
E 拘束ビス(木下地用)又はクギ
F 窓枠等の障害物
G シーリング用バックアップ材
H 斜めに設けたスリット
I 通気層
J サイディング取り付け下地
K 刃先ガイド及び固定部
L 斜めスリット定規
M 刃側面ライン
N 結合実部分
O サイディング裏面
P 上下(縦張りの場合左右)結合部(実部)
Q サイディング表面
R 電動モーター
S 固定金具
T 丸鋸刃
U 丸鋸刃固定ナット
V 刃先保護部
W 補修塗料塗布痕
X パテ材
Y スペーサー
Z 既存サイディング止め付け金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窯業系サイディングの実を落とした部分にスリットを儲けこのスリット部分に金具をはめ込み釘やビスで締結する事を特徴とする窯業系サイディング小口止め金具工法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−127175(P2012−127175A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−294721(P2010−294721)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(508154047)
【Fターム(参考)】