説明

サイドターンシグナルランプ

【課題】車両後方への配光量および導光レンズ前面における発光量が増えるサイドターンシグナルランプを提供。
【解決手段】サイドミラー本体14を支持するハウジング10と、ハウジング10の外側壁11に設けた左右に延びる開口部12と、ハウジング10の内外にその光入出射端部21a,21bが位置し開口部12からその前面側22が露呈するように配設した導光レンズ21と、導光レンズ21の光入射端部21aに配置したLED32と、を備えたサイドターンシグナルランプで、LED32をプリント基板31に搭載してLEDアッシー30を構成し、導光レンズ21の基端部側に、光入射端部21aを取り囲む光源収容室S1を形成する立壁状の枠23を一体成形し、LEDアッシー30を収容一体化したキャップ34が凹凸ランス係合により枠23に取着されて、プリント基板31が枠23側のボスに係合し、LED32が光入射端部21aに対し位置決めされるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のサイドミラーに内蔵一体化されたサイドターンシグナルランプに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の第1の従来技術として下記特許文献1があり、ここでは、図6に示すように、サイドミラー本体2を支持するハウジング1の外側壁に左右に延びる開口部1aが設けられ、背面壁1bに支持された導光部材である光ファイバー4が開口部1aに沿って配設され、光源であるLED3の発光が光ファイバー4内に導かれて光出射端部4aから車両後方に配光される。さらに開口部1aの外側には、光ファイバー4を覆う発光膜5が設けられており、LED3の点灯に合わせて発光膜5全体が発光して、車両側方からも視認できる。
【0003】
この種の第2の従来技術として下記特許文献2があり、ここでは、図7に示すように、サイドミラー本体(図示せず)を支持するハウジング1の外側壁に左右に延びる開口部1aが設けられ、背面壁1bに支持された導光レンズ6が開口部1aに沿って配設され、LED3の発光が導光レンズ6内に導かれて光出射端部6aから車両後方に配光されるとともに、導光レンズ6全体がわずかに発光して、車両側方からも視認できる。さらに導光レンズ6の長手方向途中には、背面壁1bに支持された第2のLED7が設けられ、導光レンズ6を介しての車両後方への配光量不足および導光レンズ6前面における発光量不足を補うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-103287号
【特許文献2】特開2003-63304号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記した第1の従来技術では、導光部材として光ファイバー4を使用しているが、光ファイバー4は高価である上に、側方からの衝撃力に弱いので、光ハイバー4を覆う合成樹脂製の保護カバー(図示せず)を必要とし、さらに、漏光がほとんどない光ファイバー4の開口部1a側には、車両側方に向け発光する発光膜5を必要とし、発光膜5および合成樹脂製の保護カバーを装備する分、構造が複雑となる。
【0006】
また、第2の従来技術では、導光部材としての導光レンズ6は、側方からの耐衝撃性に優れるものの、光ファイバーに比べると漏光量が多く、漏光の一部は背面壁1bで吸収されてしまって、車両後方への配光量や導光レンズ6前面における発光量がそれだけ少ないため、第2のLED7を設けて車両後方への配光量不足および導光レンズ6前面における配光量不足を補う必要があり、構造が複雑となる。さらに、導光レンズ6の第2のLED7配設位置が特に明るく見えて、側方からの被視認性も悪いという問題もある。
【0007】
また、第1,第2の従来技術のいずれにおいても、非点灯時のサイドターンシグナルランプに奥行き感がなく、見栄えが悪いという問題もある。
【0008】
そこで、発明者は、導光レンズの裏面に反射面を形成(アルミ蒸着処理または反射塗装処理)し、導光レンズ裏面からの漏光を防止することで、車両後方への配光量および導光レンズ前面における発光量を上げようと考えた。しかし、導光レンズの裏面にアルミ蒸着反射面を形成した場合には、導光レンズの裏面が荒れた粗面となってレンズの内面反射光が散乱し、また塗装反射面を形成した場合には、反射塗装膜と導光レンズの屈折率が近いため導光レンズ裏面からの透過光が増え、いずれの場合も導光レンズの導光効率が下がって、サイドターンシグナルランプ本来の機能である車両後方への配光量が低下してしまった。
【0009】
そこで、導光レンズの背後に配設する背面壁に反射面を形成(アルミ蒸着処理または塗装処理)し、導光レンズから背面壁(の反射面)を離間させて配置したところ、導光レンズ裏面に反射面を形成した場合に比べて、導光レンズの導光効率が上がり、車両後方への配光量が増えるとともに、導光レンズ前面における発光量も増え、さらに、非点灯時のサイドターンシグナルランプに奥行き感も出ることが確認されたので、この度、本発明を提案するに至ったものである。
【0010】
本発明は、前記従来技術の問題点および発明者の前記した知見に基づいてなされたもので、その目的は、車両後方への配光量および導光レンズ前面における発光量が増えるとともに、非点灯時に奥行き感があって見栄えのよいサイドターンシグナルランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
車両後方への配光量および導光レンズ前面における発光量が増えるサイドターンシグナルランプを提供するという第1の目的を達成するために、請求項1に係るサイドターンシグナルランプにおいては、サイドミラー本体を支持するサイドミラーハウジングと、前記ハウジングの湾曲する外側壁に設けられた左右に延びる開口部と、前記ハウジングの内外にその光入出射端部が配置されて前記開口部からその湾曲する前面側が露呈するように組み付けられた導光レンズと、前記導光レンズの光入射端部近傍に配置された光源であるLEDと、を備えたサイドターンシグナルランプにおいて、
前記光源は、LEDを搭載したプリント基板を備えたLEDユニットアッシーとして構成し、
前記導光レンズの基端部側には、前記光入射端部を取り囲む光源収容室を形成する立壁状の枠を一体成形するとともに、前記LEDユニットアッシーを収容一体化したキャップを凹凸ランス係合により前記枠に取着して、前記プリント基板を前記枠側のボスに係合させて、前記LEDが前記導光レンズの光入射端部に対し位置決めされるように構成した。
【0012】
(作用)光入射端部から導光レンズに入射したLEDの発光のほとんどの光は、内面反射を繰り返して導光レンズの先端側に導かれ、光出射端部から車体後方に出射配光され、光入射端部から導光レンズに入射したLEDの発光の一部は、導光レンズの前面側から車体側方に放射されて、導光レンズの前面側がほんのりと発光する。
【0013】
導光レンズの基端部の立壁状の枠に、LEDユニットアッシーを収容一体化したキャップを凹凸ランス係合により取着すれば、LEDを搭載したプリント基板が立て壁状の枠側のボスに係合して、導光レンズの光入射端部に対しLEDが自動的に位置決めされる。
【0014】
また、導光レンズの基端部に、LEDユニットアッシーを収容一体化したキャップを取着してサイドターンシグナルランプとして一体化したものを、サイドミラーハウジングに組み付けることで、サイドミラーに一体化することができる。即ち、サイドターンシグナルランプをサイドミラーに対し簡単に装脱着できる。
【0015】
また、請求項2においては、請求項1に記載のサイドターンシグナルランプにおいて、前記凹凸ランス係合部を、前記枠の外周複数箇所に設けられた掛止部と、前記キャップの側壁に設けられた、前記掛止部に対応するフックで構成するとともに、前記枠の先端部と前記キャップ天上壁間にOリングを介装して、前記光源収容室を密閉するように構成した。
【0016】
(作用)光入射端部を取り囲む光源収容室は、立壁状の枠の先端部とキャップ天上壁間に介装されたOリングによって、密閉された形態に保持される。
【0017】
非点灯時に奥行き感があって見栄えのよいサイドターンシグナルランプを提供するという第2の目的を達成するために、請求項3においては、請求項1または2に記載のサイドターンシグナルランプにおいて、前記導光レンズを、その光入射端部の近傍内側にのみ縦方向に延びるシリンドリカルステップを設けた素通し状に形成するとともに、前記導光レンズの周縁部に周設したシール脚をその前面に反射処理を施した背面壁に溶着して、前記導光レンズと前記背面壁との間に所定の隙間の密閉空間を形成し、前記光源収容室を、前記導光レンズに設けた連通孔を介して前記密閉空間と連通し、かつ前記キャップに設けた呼吸孔を介して外部と連通するように構成した。
【0018】
(作用)導光レンズに周設されたシール脚と背面壁が溶着されることで、導光レンズと反射面間に密閉空間が形成されて、該密閉空間への水や塵の侵入が阻止されるとともに、サイドターンシグナルランプに作用する振動や衝撃力に対する剛性が高められている。
【0019】
また、光入射端部から導光レンズに入射したLEDの発光のほとんどの光は、内面反射を繰り返して導光レンズの先端側に導かれ、光出射端部から車体後方に出射配光され、光入射端部から導光レンズに入射したLEDの発光の一部は、導光レンズの前面側から車体側方に放射されて、導光レンズの前面側がほんのりと発光するという作用において、特に、請求項3では、導光レンズの裏面は屈折率が大きく異なる(屈折率の小さい)空気層に接しているため、導光レンズ裏面に反射処理(反射塗装)を施した場合に比べて、導光レンズの裏面からの漏光が少ない分、導光レンズの導光効率が上がる。また、導光レンズ裏面に反射処理(アルミ蒸着処理)を施した場合に比べて、導光レンズの内面反射光が散乱しない分、導光レンズの導光効率が上がる。
【0020】
また、導光レンズの裏面からの漏光は、背面壁の反射面で反射されて導光レンズに入射し、この入射光の一部は導光レンズの光出射端部から出射して、車両後方への配光量を高めるように作用し、入射光の一部は導光レンズの前面から出射して、導光レンズ前面における発光量を高めるように作用する。
【0021】
また、導光レンズと背面壁の反射面との間に設けられた所定の隙間(空間)は、非点灯時のサイドターンシグナルランプに奥行き感を与えるように作用する。
【0022】
なお、導光レンズ裏面と背面壁の反射面の離間距離としては、大きく離間させるほどランプの奥行き感が増して好ましいが、サイドミラーハウジング内の他部品と干渉しないようにランプの薄型化も考慮すると、2〜10mm程度が望ましい。
【0023】
また、導光レンズと背面壁で画成された密閉空間が連通孔,光源収容室および呼吸孔を介して外部空間と連通するので、温度変化により、導光レンズの裏面や背面壁の反射面に結露が発生したり、導光レンズや背面壁が変形したりしない。また、背面壁に呼吸孔を設けることも可能であるが、呼吸孔に防塵・防水手段であるフィルタを装備する必要があり、構造が複雑化するのに対し、導光レンズ側のキャップに連通孔を設ける場合は、構造が複雑化することもない。
【発明の効果】
【0024】
請求項1に係るサイドターンシグナルランプによれば、点灯時には車両後方への配光量および導光レンズ前面における発光量の双方が高められて車両後方および側方から被視認性に優れたサイドターンシグナルランプが提供される。
【0025】
また、LEDユニットアッシーを収容一体化したキャップを導光レンズ基端部の立壁状の枠に取着すれば、導光レンズの光入射端部に対しLEDが自動的に位置決めされるので、サイドターンシグナルランプの組み立てが容易である。
【0026】
請求項2によれば、LEDユニットアッシーが収容されている光源収容室の防水性に優れたサイドターンシグナルランプが提供される。
【0027】
請求項3によれば、非点灯時には奥行き感があって見栄えがよく、しかも防水・防塵性および耐久性に優れたサイドターンシグナルランプが提供される。
【0028】
また、温度変化により導光レンズの裏面や背面壁の反射面に結露が発生したり導光レンズや背面壁が変形したりすることのない簡潔な構造のサイドターンシグナルランプが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の第1の実施例であるサイドターンシグナルランプの正面図である。
【図2】同サイドターンシグナルランプの水平断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)である。
【図3】同サイドターンシグナルランプの縦断面図である。
【図4】導光レンズの背後空間と光源収容室とを連絡する連通孔を示す断 面図である。
【図5】同サイドターンシグナルランプの分解斜視図である。
【図6】第1の従来技術であるサイドターンシグナルランプの水平断面図である。
【図7】第2の従来技術であるサイドターンシグナルランプの水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。
【0031】
図1〜図5は本発明の一実施例を示し、図1は本発明の第1の実施例であるサイドターンシグナルランプの正面図、図2は同サイドターンシグナルランプの水平断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)、図3は同サイドターンシグナルランプの縦断面図、図4は導光レンズの背後空間と光源収容室とを連絡する連通孔を示す断面図、図5は同サイドターンシグナルランプの分解斜視図である。
【0032】
これらの図において、符号10は、サイドミラー本体14を支持する合成樹脂製のサイドミラーハウジングで、ハウジング10の湾曲する外側壁11には、左右に延びる開口部12が設けられるとともに、外側壁11の開口部12内側に横長のサイドターンシグナルランプ20が組み付け一体化されている。
【0033】
サイドターンシグナルランプ20は、基端部側に光入射端部21aが形成され、先端部側に光出射端部21bが形成されて、ハウジング10の湾曲する外側壁11に略倣った形状に形成された合成樹脂製の導光レンズ21と、導光レンズ21の背後に離間するように溶着一体化された合成樹脂製の背面壁26と、導光レンズ21の基端部側に凹凸ランス係合により取着されたLEDユニットアッシー30で主として構成されている。
【0034】
導光レンズ21の基端部側には、4個の光入射端部21aおよびこれらの光入射端部21aを取り囲む立壁状の円筒枠23が一体成形されており、円筒枠23には、LEDユニットアッシー30が取着されることで、円筒枠23の内部にLED32を収容した光源収容室S1が画成されている(図2,4参照)。
【0035】
LEDユニットアッシー30は、4個のLED32を搭載したプリント基板31がキャップ34内に収容一体化された構造で、キャップ34側のフック34aが円筒枠23側の掛止部23aに凹凸ランス係合することで、LEDユニットアッシー30が導光レンズ21の基端部側に一体化されるとともに、プリント基板31が円筒枠23側のボス(図示せず)に係合することで、LED32は光源収容室S1において導光レンズ21の光入射端部21aに正対しかつ接近した所定位置に位置決めされている。符号33は、プリント基板31にカシメ固定された後にハンダ溶接された接触端子、符号36は、円筒枠23の先端部とキャップ34天上面間に介装されて、光源収容室S1を密閉するOリングである。符号35は、キャップ34の天上壁に設けられた、フィルター35aを内蔵する円筒形状の呼吸孔で、密閉された光源収容室S1内を外気に連通させるためのものである。
【0036】
導光レンズ21は、光入射端部21aから光出射端部21bにかけて(基端部側から先端部側にかけて)徐々に板厚が薄くなるように形成された導光レンズ本体であるレンズ前面部22を備え、光入射射端部21aから導光レンズ21に入射したLED32の発光のほとんどの光は、導光レンズ21(レンズ前面部22)において内面反射を繰り返して導光レンズ21の先端側に導かれ、光出射端部21bから車体後方に例えば車軸に対し30度の角度範囲に出射配光され、裏面に縦方向に延びるシリンドリカルステップ21cが形成された光出射端部21b近傍からは、車体後方に例えば車軸に対し30〜60度の角度範囲に出射配光される。また、導光レンズ21に入射したLED32の発光の一部は、導光レンズ21の前面側(レンズ前面部22)から車体側方に放射されて、レンズ前面部22全体がほんのりと発光する。
【0037】
レンズ前面部22の外側縁にはシール脚24が周設されており、シール脚24には、開口部12の周縁部に係合する外側に屈曲したフランジ部25が円筒枠23を除いた領域に形成されており、フランジ部25が開口部12の周縁部に係合することで、レンズ前面部22が開口部12から露呈した形態に組み付けられている。
【0038】
符号29は、スポンジやゴム等の弾性材で構成されたプロテクタで、レンズ前面部22の周りにあって、導光レンズ21側のフランジ部25とハウジング10の開口部12背面間に介在されて、ハウジング10(合成樹脂)と導光レンズ21(合成樹脂)とをがたつかないように保持することで、振動により両者10,21が直接当たって騒音が発生することがないように、また、両者10,21間に隙間が形成されないように保持することで、風切り音が発生することがないように構成されている。また、プロテクタ29の基端部側29aは幅広T字型に形成されて、この幅広の基端部側29aが導光レンズ21の円筒枠23外周に捲回されて、円筒枠23(光源収容室S1)からの漏光を防止するようになっている。
【0039】
背面壁26は、導光レンズ21におけるレンズ前面部22に周設されたシール脚24に溶着されることで、導光レンズ21(のレンズ前面部22)と背面壁26との間には、水や塵の侵入できない密閉空間S2が形成されるとともに、サイドターンシグナルランプ20に作用する振動や衝撃力に対する剛性が高められている。
【0040】
導光レンズ21に溶着された背面壁26は、レンズ前面部22と略同一の湾曲形状に形成されるとともに、その前面にはアルミ蒸着反射面27が形成されており、導光レンズの特性からしてレンズ前面部22裏面からの漏光量がたとえ僅かであっても、この僅かな漏光が反射面27で反射してレンズ前面部22に入射することで、導光レンズ21の車両後方への配光量およびレンズ前面部22におけるほんのりとした発光量を増加させるように構成されている。
【0041】
また、レンズ前面部22と背面壁26の反射面27との間には、所定の隙間(密閉空間)S2が形成されており、これにより、非点灯時のサイドターンシグナルランプ20に奥行き感が生じる。なお、導光レンズ21(レンズ前面部22)の裏面と背面壁26の反射面27の離間距離としては、大きく離間させるほどランプ20の奥行き感が増して好ましいが、サイドミラーハウジング10内の他部品と干渉しないようにランプ20の薄型化も考慮すると、2〜10mm程度が望ましい。
【0042】
さらに、背面壁26の反射面27には、左右に延びる3本のシリンドリカルステップ28が上下方向略等間隔に設けられており、ランプ20の非点灯時には、このシリンドリカルステップ28が導光レンズ21(のレンズ前面部22)を通して帯状のクリスタル模様のように透けて見えて、反射面27をシリンドリカルステップ28を設けない平滑面で形成した場合に比べて、ランプ20の奥行き感が強調されている。
【0043】
符号26aは、背面壁26に延出形成されている屈曲ブラケットで、ブラケット26aの先端部には、ハウジング10にランプ20を取り付けるための締結ねじ配設用のねじ挿通孔26bが設けられている。
【0044】
また、ランプ20の基端部側に設けられた光源収容室S1は、キャップ34に設けた呼吸孔35を介して外部に連通しているが、導光レンズ21と背面壁26で画成された密閉空間S2は、密閉空間S2と光源収容室S1を隔てる隔壁(シール脚24と円筒枠23を画成する隔壁)23bに設けられた連通孔37によって連通している。このため、レンズ前面部22背後の密閉空間S2は、連通孔37,光源収容室S1および呼吸孔35を介してランプ外部と連通し、温度変化により、導光レンズ21の裏面や背面壁26の反射面27に結露が発生したり、導光レンズ21や背面壁26が変形したりする不具合がない。
【0045】
なお、前記した実施例では、背面壁26の反射面27がアルミ蒸着反射面で構成されているが、第2の実施例としては、背面壁26の反射面27を反射塗装面で構成してもよい。
【0046】
また、前記第1の実施例のアルミ蒸着反射面27の上に形成するトップコート層や前記第2の実施例の反射塗装面(反射塗装膜)をそれぞれ車体色と略同一色に構成することで、サイドターンシグナルランプ20に車体との色彩上の統一感をもたせるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10 サイドミラーハウジング
11 ハウジングの外側壁
12 左右に延びる開口部
20 サイドターンシグナルランプ
21 導光レンズ
21a 導光レンズの光入射端部
21b 導光レンズの光出射端部
22 レンズ前面部
23 光源収容室を構成する円筒枠
23a 凹凸ランス係合部を構成する円筒枠側の掛止部
26 背面壁
S2 レンズ前面部と背面壁間の隙間
27 アルミ蒸着反射面
28 反射面に形成された左右に延びるシリンドリカルステップ
30 LEDユニットアッシー
32 光源であるLED
34 キャップ
34a 凹凸ランス係合部を構成するキャップ側のフック
S1 光源収容室
35 呼吸孔
37 連通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サイドミラー本体を支持するサイドミラーハウジングと、前記ハウジングの湾曲する外側壁に設けられた左右に延びる開口部と、前記ハウジングの内外にその光入出射端部が配置されて前記開口部からその湾曲する前面側が露呈するように組み付けられた導光レンズと、前記導光レンズの光入射端部近傍に配置された光源であるLEDと、を備えたサイドターンシグナルランプにおいて、
前記光源は、LEDを搭載したプリント基板を備えたLEDユニットアッシーとして構成され、
前記導光レンズの基端部側には、前記光入射端部を取り囲む光源収容室を形成する立壁状の枠が一体成形されるとともに、前記LEDユニットアッシーを収容一体化したキャップが凹凸ランス係合により前記枠に取着されて、前記プリント基板が前記枠側のボスに係合し、前記LEDが前記導光レンズの光入射端部に対し位置決めされたことを特徴とするサイドターンシグナルランプ。
【請求項2】
前記凹凸ランス係合部は、前記枠の外周複数箇所に設けられた掛止部と、前記キャップの側壁に設けられた、前記掛止部に対応するフックで構成されるとともに、前記枠の先端部と前記キャップ天上壁間にOリングが介装されて、前記光源収容室が密閉されたことを特徴とする請求項1に記載のサイドターンシグナルランプ。
【請求項3】
前記導光レンズは、その光入射端部の近傍内側にのみ縦方向に延びるシリンドリカルステップが設けられた素通し状に形成されるとともに、
前記導光レンズの周縁部に周設されたシール脚がその前面に反射処理を施した背面壁に溶着されて、前記導光レンズと前記背面壁との間に所定の隙間の密閉空間が形成され、前記光源収容室は、前記導光レンズに設けた連通孔を介して前記密閉空間と連通し、かつ前記キャップに設けた呼吸孔を介して外部と連通することを特徴とする請求項1または2に記載のサイドターンシグナルランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−260545(P2010−260545A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−163709(P2010−163709)
【出願日】平成22年7月21日(2010.7.21)
【分割の表示】特願2004−299849(P2004−299849)の分割
【原出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】