説明

サウナ装置

【課題】微細な水滴によって水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することによって、使用者が水滴感を感じずにサウナ対象室103内で快適に過ごすことができるとともに、ミストによって使用者が視界を遮られることなく、サウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができるサウナ装置を提供する。
【解決手段】サウナ対象室103の空気を循環させる循環手段1と、供給水を微細な水滴に破砕する水破砕手段2と、水破砕手段2に供給される供給水を加熱する水加熱手段3とを備え、水加熱手段3によって加熱した供給水を水破砕手段2において破砕することにより高温の微細水滴を発生させ、この高温の微細水滴を循環手段1によって循環する空気に含ませてサウナ対象室103に供給することにより、水滴感や冷風感を伴わずにサウナ対象室103を加湿する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サウナ対象室を加湿することにより、サウナ空間を得るサウナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のサウナ装置としては、ミスト噴出手段に温水を供給してサウナ対象室を加湿するものがある(例えば、特許文献1参照)。
以下、そのサウナ装置について図4を参照しながら説明する。
【0003】
図4に示すように、サウナ装置の本体101内に、吸気口102を通してサウナ対象室103内の空気を吸引し、吹出口104を通して空気を吹出すための循環風路105、その循環風路105に通風作用を行う循環ファン106、循環風路105を通風する空気に対して加熱作用する空気加熱手段107としての熱交換器108、その熱交換器108に温水の供給を断続する熱動弁109、ミスト噴出手段110としての噴出ノズル111、噴出ノズル111に温水を供給するための温水供給路112および噴出ノズル111への温水の供給を断続する電磁弁113等を備えている。そして、温水供給路112を通じて供給される温水をミストとして噴出ノズル111から噴出させるとともに、循環ファン106を作動させ、サウナ対象室103内の温度が設定温度に維持されるように、熱動弁109の開閉を制御して熱交換器108に熱媒としての温水を循環供給し、この熱交換器108により加熱された循環空気を吹出口104からサウナ対象室103内に吹出すことによって高温高湿のサウナ空間を得るようにしている。
【特許文献1】特開2002−336327号公報(第3−7頁、第1−5図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上の例では、温水供給路112からの温水を噴出ノズル111においてミスト状にしてサウナ対象室103内に供給することにより、サウナ対象室103内を加湿するようにしている。しかしながら噴出ノズル111からサウナ対象室103にミストが直接噴出される構成のため、噴出したミストが使用者の外皮に接触して水滴となり、使用者が不快感を感じるという問題や、噴出したミストによって使用者の視界が遮られて、使用者がサウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができないという問題があった。
【0005】
本発明は上記課題を解決するものであり、微細な水滴によって水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することによって、使用者が水滴感を感じずにサウナ対象室103内で快適に過ごすことができるとともに、ミストによって使用者が視界を遮られることなく、サウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができるサウナ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するために、本発明が講じた第1の課題解決手段は、サウナ対象室103の空気を循環させる循環手段1と、供給水を微細な水滴に破砕する水破砕手段2とを備え、前記水破砕手段2で発生した微細水滴を、前記循環手段1によって循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによりサウナ対象室103を加湿するものである。
【0007】
この手段では、水破砕手段2が供給水を破砕して微細な水滴を発生させる。そして循環手段1がサウナ対象室103の空気を水破砕手段2に供給する。これにより微細水滴がサウナ対象室103の空気に混入してサウナ対象室103に供給される。したがってサウナ対象室の湿度が上昇し、微細水滴による水滴感のない加湿が行われることになる。
【0008】
また、本発明が講じた第2の課題解決手段は、上記第1の課題解決手段において、水破砕手段2を、供給水をミスト状に噴出するミスト噴出手段110と、前記ミスト噴出手段110が噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段5とを備えた構成としたものである。
【0009】
この手段では、水破砕手段2として、ミスト噴出手段110とミスト破砕手段5が設けられる。そしてミスト噴出手段が供給水をミスト状に噴出し、ミスト噴出手段110が噴出したミストをミスト破砕手段5によって更に細かく破砕する。この破砕作用によって微細な水滴が発生することになる。
【0010】
また、本発明が講じた第3の課題解決手段は、上記第2の課題解決手段において、循環手段1を、回転により空気を送風する循環ファン106を備えた構成とし、ミスト破砕手段5を、前記循環ファン106にミスト噴出手段110から噴出したミストを衝突させることによってミストを破砕する構成としたものである。
【0011】
この手段では、ミスト噴出手段110が循環手段1の循環ファン106に向けてミストを噴出する。循環ファン106は送風のために回転しているので、循環ファン106に接触したミストは、この回転により強制的に細かく破砕される。この強制破砕作用によって更に細かな微細水滴が発生し、発生した微細水滴は循環ファン106によって送風される空気に含まれてサウナ対象室103に供給されることになる。
【0012】
また、本発明が講じた第4の課題解決手段は、上記第3の課題解決手段において、ミスト噴出手段110を、循環ファン106の吸込口に向けてミストを噴出する構成としたものである。
【0013】
この手段では、ミスト噴出手段110が循環ファン106の吸込口に向けてミストを噴出する。これにより循環ファン106の送風方向に沿ってミストが移動し、その過程においてミストが破砕されるので、ミストの衝突に伴う循環ファン106の送風抵抗が減少することになる。
【0014】
また、本発明が講じた第5の課題解決手段は、上記第3の課題解決手段において、ミスト噴出手段110を、循環ファン106の翼面外周に向けてミストを噴出する構成としたものである。
【0015】
この手段では、ミスト噴出手段110が循環ファン106の翼面外周に向けてミストを噴出する。これにより回転している循環ファン106の翼面にミストが直接衝突するので、ミストがより細かく破砕されることになる。
【0016】
また、本発明が講じた第6の課題解決手段は、上記第1、第2、第3、第4または第5の課題解決手段において、循環手段1により循環する空気を加熱する空気加熱手段107を備えた構成としたものである。
【0017】
この手段では、空気加熱手段107が循環手段1によって循環している空気を加熱する。この空気加熱手段107で加熱された空気がサウナ対象室103に供給されるので、サウナ対象室103の温度が上昇する。これにより、サウナ対象室103の加熱と水滴感のない加湿が同時に行われることになる。
【0018】
また、本発明が講じた第7の課題解決手段は、上記第1、第2、第3、第4、第5または第6の課題解決手段において、水破砕手段2に供給される供給水を加熱する水加熱手段3を備えた構成としたものである。
【0019】
この手段では、水加熱手段3が水破砕手段2に供給される供給水を加熱する。水破砕手段2は、この加熱された供給水を破砕して高温の微細水滴を発生させる。この高温の微細水滴が循環手段1によってサウナ対象室103に供給されるので、水滴感および冷風感のない加湿が行われることになる。
【0020】
また、本発明が講じた第8の課題解決手段は、上記第1、第2、第3、第4または第5の課題解決手段において、循環手段1により循環する空気を加熱する空気加熱手段107と、水破砕手段2に供給される供給水を加熱する水加熱手段3とを備え、前記空気加熱手段107および前記水加熱手段3を、温水を熱媒として加熱作用を行う構成としたものである。
【0021】
この手段では、空気加熱手段107が温水を熱媒として循環手段1によって循環している空気を加熱するとともに、水加熱手段3が同様に温水を熱媒として水破砕手段2に供給される供給水を加熱する。そして空気加熱手段107で加熱されるとともに、水破砕手段2で発生した高温の微細水滴を含んだ高温高湿の空気がサウナ対象室103に供給される。これによりサウナ対象室103の加熱と水滴感および冷風感のない加湿が温水という単一の熱媒回路によって同時に行われることになる。
【0022】
また、本発明が講じた第9の課題解決手段は、上記第8の課題解決手段において、空気加熱手段107および水加熱手段3の熱媒である温水が、前記空気加熱手段107、前記水加熱手段3の順に循環する構成としたものである。
【0023】
この手段では、熱媒である温水が空気加熱手段107において循環手段1によって循環している空気を加熱した後で、水加熱手段3において供給水を加熱する。これにより単一の温水循環回路において、循環手段1によって循環している空気の加熱と水破砕手段2に供給される供給水の加熱が同時に行われ、さらに循環している空気を加熱する温水温度が供給水を加熱する温水温度より高くなるので、循環している空気がより高温に加熱され、サウナ対象室103の加熱効果が高まることになる。
【0024】
また、本発明が講じた第10の課題解決手段は、上記第8の課題解決手段において、空気加熱手段107および水加熱手段3の熱媒である温水が、前記水加熱手段3、前記空気加熱手段107の順に循環する構成としたものである。
【0025】
この手段では、熱媒である温水が水加熱手段3において供給水を加熱した後で、空気加熱手段107において循環手段1により循環している空気を加熱する。これにより単一の温水循環回路において、循環手段1によって循環している空気の加熱と水破砕手段2に供給される供給水の加熱が同時に行われ、さらに供給水を加熱する温水温度が循環している空気を加熱する温水温度より高くなるので、供給水がより高温に加熱され、サウナ対象室103の加湿に伴う冷風感の抑制効果が高まることになる。
【0026】
また、本発明が講じた第11の課題解決手段は、上記第8の課題解決手段において、空気加熱手段107および水加熱手段3の熱媒である温水が、前記空気加熱手段107と前記水加熱手段3の各々に分流して循環する構成としたものである。
【0027】
この手段では、熱媒である温水が空気加熱手段107と水加熱手段3とに分流して、循環手段1によって循環している空気の加熱と水破砕手段2に供給される供給水の加熱を各々行う。これにより、各々の加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続が容易となる。
【0028】
また、本発明が講じた第12の課題解決手段は、上記第6、第8、第9、第10または第11の課題解決手段において、循環手段1により循環する空気が水破砕手段2において発生する微細水滴を含む前に、空気加熱手段107により加熱される構成としたものである。
【0029】
この手段では、循環手段1によって循環するサウナ対象室103の空気が、まず空気加熱手段107において加熱される。この加熱によって循環空気は高温となり飽和水蒸気分圧が上昇する。この飽和水蒸気分圧の上昇によって水分をより多く含める状態となった循環空気が水破砕手段2に供給される。これにより循環空気中に微細水滴がより多く含まれて加湿量が増加することになる。
【0030】
また、本発明が講じた第13の課題解決手段は、上記第6、第8、第9、第10または第11の課題解決手段において、循環手段1により循環する空気が水破砕手段2において発生する微細水滴を含んだ後に、空気加熱手段107により加熱される構成としたものである。
【0031】
この手段では、循環手段1によって循環するサウナ対象室103の空気が、まず水破砕手段2において微細水滴を含むことにより加湿される。この加湿によって高湿となった循環空気が次に空気加熱手段107において加熱される。この加熱によって循環空気の温度が上昇して露点温度との差が拡大する。これにより循環空気の結露が抑制されるので微細水滴がサウナ対象室103の加湿に有効に使用されることになる。
【発明の効果】
【0032】
本願発明は、かかる構成とすることにより以下に記載されるような効果を奏するものである。
【0033】
(イ)本願の第1の発明にかかるサウナ装置によれば、水破砕手段2が供給水を破砕することによって発生した微細水滴を、循環手段1により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。これにより使用者が水滴感を感じずにサウナ対象室103内で快適に過ごすことができ、また、ミストによって使用者の視界が遮られることがないので、使用者がサウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができる。
【0034】
(ロ)また、本願の第2の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(イ)に記載した効果に加えて、ミスト噴出手段110が噴出したミストをミスト破砕手段5で更に細かく破砕することによって微細水滴を発生させることができる。これにより水破砕手段2をミスト噴出手段110とミスト破砕手段5による簡略な構成とすることができる。
【0035】
(ハ)また、本願の第3の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ロ)に記載した効果に加えて、ミスト噴出手段110が循環手段1の循環ファン106に向けてミストを噴出することによって、循環ファン106の回転によりミストを強制的に破砕し、更に細かな微細水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103に細かな微細水滴を供給して水滴感なく加湿することができるとともに、サウナ対象室103の空気を循環させる循環手段1の一部を利用して水破砕手段2を構成できるため、装置を小型化することができる。
【0036】
(二)また、本願の第4の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ハ)に記載した効果に加えて、循環ファン106の吸込口に向けてミストを噴出することによって、循環ファン106の送風方向に沿ってミストを移動させ、ミストの衝突に伴う循環ファン106の送風抵抗を減少することができる。これにより、循環ファン106の動力が増加するのを抑制して消費電力を削減することができる。
【0037】
(ホ)また、本願の第5の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ハ)に記載した効果に加えて、循環ファン106の翼面外周に向けてミストを噴出することによって、循環ファン106の回転翼面にミストを直接衝突させて、より細かくミストを破砕することができる。これにより微細水滴をより細かくして水滴感を更に抑えることができる。
【0038】
(ヘ)また、本願の第6の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)または(ホ)に記載した効果に加えて、循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を空気加熱手段107で加熱することによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿するとともに加熱することができる。これにより、サウナ対象室103を水滴感の少ない高温高湿のサウナ空間とすることができる。
【0039】
(ト)また、本願の第7の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ホ)または(ヘ)に記載した効果に加えて、水破砕手段2に供給される供給水を水加熱手段3で加熱することによって、水破砕手段2において高温の微細水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103を水滴感および冷風感を伴わずに加湿することができる。
【0040】
(チ)また、本願の第8の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)または(ホ)に記載した効果に加えて、循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を空気加熱手段107で加熱することによりサウナ対象室103を加熱するとともに、水破砕手段2に供給される供給水を水加熱手段3で加熱することによって、水破砕手段2において高温の微細水滴を発生させて水滴感および冷風感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。さらに空気加熱手段107および水加熱手段3を、温水を熱媒として加熱を行う構成とすることによって、加熱作用を単一の熱媒回路により行うことが可能となり、構成を簡略化することができる。
【0041】
(リ)また、本願の第9の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(チ)に記載した効果に加えて、熱媒である温水を空気加熱手段107、水加熱手段3の順に循環させることによって、単一の温水循環回路という簡易な構成において、循環手段1によって循環する空気の加熱と水破砕手段2に供給される供給水の加熱を行うことができる。さらに循環している空気をより高温に加熱することが可能となり、サウナ対象室103の加熱効果を高めることができる。
【0042】
(ヌ)また、本願の第10の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(チ)に記載した効果に加えて、熱媒である温水を水加熱手段3、空気加熱手段107の順に循環させることによって、単一の温水循環回路という簡易な構成において、水破砕手段2に供給される供給水の加熱と循環手段1によって循環する空気の加熱を行うことができる。さらに供給水をより高温に加熱することが可能となり、サウナ対象室103の加湿に伴う冷風感の抑制効果を高めることができる。
【0043】
(ル)また、本願の第11の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(チ)に記載した効果に加えて、熱媒である温水を空気加熱手段107と水加熱手段3とに分流して循環させる構成とすることによって、循環手段1によって循環する空気の加熱と水破砕手段2に供給される供給水の加熱の各々の加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
【0044】
(ヲ)また、本願の第12の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ヘ)、(チ)、(リ)、(ヌ)または(ル)に記載した効果に加えて、循環手段1によって循環する空気を、空気加熱手段107で加熱した後に水破砕手段2で発生した微細水滴を含ませて加湿することによって、循環空気中に微細水滴をより多く含ませて加湿量を増加することができる。
【0045】
(ワ)また、本願の第13の発明にかかるサウナ装置によれば、上記(ヘ)、(チ)、(リ)、(ヌ)または(ル)に記載した効果に加えて、循環手段1によって循環する空気を、水破砕手段2で発生した微細水滴を含ませて加湿した後に空気加熱手段107で加熱することによって、循環空気の温度と露点温度との差を拡大して結露を抑制し、微細水滴をサウナ対象空間103の加湿に有効に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、従来の例と同一の構成要素については同一の符号を用い、詳細な説明は省略する。
【0047】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施形態1にかかるサウナ装置の概略構成を示した図である。図1において、サウナ装置の本体101内に、サウナ対象室103の空気を循環させる循環手段1と、供給水を微細な水滴に破砕する水破砕手段2と、循環手段1により循環する空気を加熱する空気加熱手段107と、水破砕手段2に供給される供給水を加熱する水加熱手段3を設けた構成としている。循環手段1は、サウナ対象室103に開口した吸気口102および吹出口104と、吸気口102を通してサウナ対象室103の空気を吸引し、吹出口104を通してサウナ対象室103に空気を吹出すための循環風路105と、循環風路105に空気を送風するための循環ファン106とを備えており、水破砕手段2は、給水配管4からの供給水をミスト状に噴出するミスト噴出手段110としての噴出ノズル111と、この噴出ノズル111から噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段5を備えている。ミスト破砕手段5は、噴出ノズル111を循環ファン106の吸込口に向けて配置し、噴出ノズル111から噴出したミストを循環ファン106の吸込方向から循環ファン106に衝突させて破砕する構成としている。また、空気加熱手段107は、図示しない熱源機によって循環している温水を熱媒として空気を加熱する空気−水熱交換器6を備えており、この空気−水熱交換器6が循環風路105内の循環ファン106の吸込側に配置されている。水加熱手段3は、空気加熱手段107と同様に図示しない熱源機により循環している温水を熱媒として用いており、この温水によって給水配管4内の供給水を加熱する水−水熱交換器7を備えている。また、熱源機により循環する温水は、温水配管8によって空気−水熱交換器6、水−水熱交換器7の順に循環するように配管され、この温水配管8に温水の循環を断続させる熱動弁109を設けている。また、給水配管4にも噴出ノズル111への給水の供給を断続させる電磁弁113を設けた構成としている。
【0048】
上記構成において、次に運転動作を説明する。図示しないコントローラーからの運転指示が為されると、循環ファン106を作動させるとともに、熱動弁109と電磁弁113を開状態にし、図示しない熱源機からの温水を空気−水熱交換器6から水−水熱交換器7を経て循環させるとともに給水配管4を通じて給水を行う。循環ファン106の作動によってサウナ対象室103の空気が吸気口102を通り、まず空気−水熱交換器6に供給される。この空気−水熱交換器6においてサウナ対象室103の空気は図示しない熱源機からの温水と熱交換して加熱され循環ファン106に吸込まれる。一方、空気と熱交換した温水は温度が下がって水−水熱交換器7に供給され、給水配管4を流れる供給水と熱交換を行った後に熱源機に戻る。水−水熱交換器7において温水との熱交換により加熱された供給水は噴出ノズル111に供給され循環ファン106の吸込口に向かってミスト状態となって噴出する。循環ファン106は、空気−水熱交換器6において加熱された空気とともに噴出ノズル111から噴出したミストを吸引する。循環ファン106に吸引されたミストは、循環ファン106の回転により更に細かく破砕されて微細水滴となり、加熱された空気中に含まれて循環ファン106から吐出する。循環ファン106から吐出した微細水滴を含んだ高温の空気は吹出口104を通ってサウナ対象室103に戻る。以上の動作を繰り返すことにより、水破砕手段2で発生した高温の微細水滴がサウナ対象室103に継続して供給されるので、サウナ対象室103が水滴感および冷風感なく加湿されるとともに、循環手段1により循環するサウナ対象室103の空気が空気−水熱交換器6で加熱されることによりサウナ対象室103が加熱されるので、サウナ対象室103が高温高湿のサウナ空間となる。
【0049】
以上、説明した構成および動作により、本実施形態のサウナ装置は以下の効果を奏するものである。
【0050】
水破砕手段2が供給水を破砕することによって発生した微細水滴を、循環手段1により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。これにより使用者が水滴感を感じずにサウナ対象室103内で快適に過ごすことができ、また、ミストによって使用者の視界が遮られることがないので、使用者がサウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができる。
【0051】
また、ミスト噴出手段110が噴出したミストをミスト破砕手段5で更に細かく破砕することによって微細水滴を発生させることができる。これにより水破砕手段2をミスト噴出手段110とミスト破砕手段5による簡略な構成とすることができる。
【0052】
また、ミスト噴出手段110が循環手段1の循環ファン106に向けてミストを噴出することによって、循環ファン106の回転によりミストを強制的に破砕し、更に細かな微細水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103に細かな微細水滴を供給して水滴感なく加湿することができるとともに、サウナ対象室103の空気を循環させる循環手段1の一部を利用して水破砕手段2を構成できるため、装置を小型化することができる。
【0053】
また、循環ファン106の吸込口に向けてミストを噴出することによって、循環ファン106の送風方向に沿ってミストを移動させ、ミストの衝突に伴う循環ファン106の送風抵抗を減少することができる。これにより、循環ファン106の動力が増加するのを抑制して消費電力を削減することができる。
【0054】
また、循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を空気加熱手段107で加熱することによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿するとともに加熱することができる。これにより、サウナ対象室103を水滴感の少ない高温高湿のサウナ空間とすることができる。
【0055】
また、水破砕手段2に供給される供給水を水加熱手段3で加熱することによって、水破砕手段2において高温の微細水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103を水滴感および冷風感を伴わずに加湿することができる。
【0056】
また、循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を空気加熱手段107で加熱することによりサウナ対象室103を加熱するとともに、水破砕手段2に供給される供給水を水加熱手段3で加熱することによって、水破砕手段2において高温の微細水滴を発生させて水滴感および冷風感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。さらに空気加熱手段107および水加熱手段3を、温水を熱媒として加熱を行う構成とすることによって、加熱作用を単一の熱媒回路により行うことが可能となり、構成を簡略化することができる。
【0057】
また、熱媒である温水を空気加熱手段107、水加熱手段3の順に循環させることによって、単一の温水循環回路という簡易な構成において、循環手段1によって循環する空気の加熱と水破砕手段2に供給される供給水の加熱を行うことができる。さらに循環している空気をより高温に加熱することが可能となり、サウナ対象室103の加熱効果を高めることができる。
【0058】
また、循環手段1によって循環する空気を、空気加熱手段107で加熱した後に水破砕手段2で発生した微細水滴を含ませて加湿することによって、循環空気中に微細水滴をより多く含ませて加湿量を増加することができる。
【0059】
なお、本実施形態では、ミスト噴出手段110が噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段5として、循環手段1の循環ファン106を用いたが、ミストを細かく破砕できるものであれば良いのであって、回転板等を別途設ける構成としても良い。
【0060】
また、本実施形態では、ミスト噴出手段110を1個の噴出ノズル111にて構成したが、ミストを噴出できるものであれば良いのであって、噴出ノズルを複数設け、ミストの噴出を切り替えるように構成しても良い。
【0061】
また、本実施形態では、空気加熱手段107を熱媒に温水を用いた空気−水熱交換器6を設ける構成としたが、空気加熱手段107は、空気を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて空気を加熱しても良く、あるいはヒーターと温水コイルを併用しても良い。
【0062】
また、本実施形態では、水破砕手段2に供給される供給水を加熱する水加熱手段3として、熱媒に温水を用いた水−水熱交換器7を設ける構成としたが、水加熱手段3は、供給水を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて供給水を加熱しても良く、あるいはサウナ装置とは別に設けられた熱源から温水を給水しても同様の効果が得られる。そしてサウナ装置外部から温水を給水する場合は、水加熱手段3をサウナ装置内に設ける必要がないので装置を小型化することができる。
【0063】
また、本実施形態では、サウナ対象室103に供給する微細水滴について具体的な水滴径を示していないが、この微細水滴の水滴径は使用者が目視確認できない程度の粒径であればよく、10μm前後の水滴径であれば十分な効果を奏することができるものである。
【0064】
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施形態2にかかるサウナ装置の概略構成を示した図である。図2において、サウナ装置の本体101内に、サウナ対象室103の空気を循環させる循環手段1と、供給水を微細な水滴に破砕する水破砕手段2と、循環手段1により循環する空気を加熱する空気加熱手段107と、水破砕手段2に供給される供給水を加熱する水加熱手段3を設けた構成としている。循環手段1は、サウナ対象室103に開口した吸気口102および吹出口104と、吸気口102を通してサウナ対象室103の空気を吸引し、吹出口104を通してサウナ対象室103に空気を吹出すための循環風路105と、循環風路105に空気を送風するための循環ファン106とを備えており、水破砕手段2は、給水配管4からの供給水をミスト状に噴出するミスト噴出手段110としての噴出ノズル111と、この噴出ノズル111から噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段5を備えている。ミスト破砕手段5は、噴出ノズル111の噴出方向を循環ファン106の翼面外周に向けて配置し、噴出ノズル111から噴出したミストを循環ファン106の回転翼面に衝突させて破砕する構成としている。また、空気加熱手段107は、図示しない熱源機によって循環している温水を熱媒として空気を加熱する空気−水熱交換器6を備えており、この空気−水熱交換器6が循環風路105内の循環ファン106の吹出側に配置されている。水加熱手段3は、空気加熱手段107と同様に図示しない熱源機により循環している温水を熱媒として用いており、この温水によって給水配管4内の供給水を加熱する水−水熱交換器7を備えている。また、熱源機により循環する温水は、温水配管8によって水−水熱交換器7、空気−水熱交換器6の順に循環するように配管され、この温水配管8に温水の循環を断続させる熱動弁109を設けている。また、給水配管4にも噴出ノズル111への給水の供給を断続させる電磁弁113を設けた構成としている。
【0065】
上記構成において、次に運転動作を説明する。図示しないコントローラーからの運転指示が為されると、循環ファン106を作動させるとともに、熱動弁109と電磁弁113を開状態にし、図示しない熱源機からの温水を水−水熱交換器7から空気−水熱交換器6を経て循環させるとともに給水配管4を通じて給水を行う。給水配管4からの供給水は、水−水熱交換器7において図示しない熱源機により循環する温水との熱交換により加熱される。加熱された供給水は噴出ノズル111に供給されて循環ファン106の翼面外周に向けてミスト状態となって噴出する。噴出ノズル111から噴出したミストは、循環ファンの回転翼面に衝突して破砕され、細かな微細水滴となって循環ファン106により送風されるサウナ対象室103の空気に含まれて空気−水熱交換器6に供給される。空気−水熱交換器6に供給された微細水滴を含む空気は、水−水熱交換器7において供給水と熱交換した後の温水と熱交換して加熱され、吹出口104を通ってサウナ対象室に戻る。一方、空気−水熱交換器6において熱交換した後の温水は図示しない熱源機に戻って循環する。以上の動作を繰り返すことにより、水破砕手段2で発生した高温の微細水滴がサウナ対象室103に継続して供給されるので、サウナ対象室103が水滴感および冷風感なく加湿されるとともに、循環手段1により循環するサウナ対象室103の空気が空気−水熱交換器6で加熱されることによりサウナ対象室103が加熱されるので、サウナ対象室103が高温高湿のサウナ空間となる。
【0066】
以上、説明した構成および動作により、本実施形態のサウナ装置は以下の効果を奏するものである。
【0067】
水破砕手段2が供給水を破砕することによって発生した微細水滴を、循環手段1により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。これにより使用者が水滴感を感じずにサウナ対象室103内で快適に過ごすことができ、また、ミストによって使用者の視界が遮られることがないので、使用者がサウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができる。
【0068】
また、ミスト噴出手段110が噴出したミストをミスト破砕手段5で更に細かく破砕することによって微細水滴を発生させることができる。これにより水破砕手段2をミスト噴出手段110とミスト破砕手段5による簡略な構成とすることができる。
【0069】
また、ミスト噴出手段110が循環手段1の循環ファン106に向けてミストを噴出することによって、循環ファン106の回転によりミストを強制的に破砕し、更に細かな微細水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103に細かな微細水滴を供給して水滴感なく加湿することができるとともに、サウナ対象室103の空気を循環させる循環手段1の一部を利用して水破砕手段2を構成できるため、装置を小型化することができる。
【0070】
また、循環ファン106の翼面外周に向けてミストを噴出することによって、循環ファン106の回転翼面にミストを直接衝突させて、より細かくミストを破砕することができる。これにより微細水滴をより細かくして水滴感を更に抑えることができる。
【0071】
また、循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を空気加熱手段107で加熱することによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿するとともに加熱することができる。これにより、サウナ対象室103を水滴感の少ない高温高湿のサウナ空間とすることができる。
【0072】
また、水破砕手段2に供給される供給水を水加熱手段3で加熱することによって、水破砕手段2において高温の微細水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103を水滴感および冷風感を伴わずに加湿することができる。
【0073】
また、循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を空気加熱手段107で加熱することによりサウナ対象室103を加熱するとともに、水破砕手段2に供給される供給水を水加熱手段3で加熱することによって、水破砕手段2において高温の微細水滴を発生させて水滴感および冷風感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。さらに空気加熱手段107および水加熱手段3を、温水を熱媒として加熱を行う構成とすることによって、加熱作用を単一の熱媒回路により行うことが可能となり、構成を簡略化することができる。
【0074】
また、熱媒である温水を水加熱手段3、空気加熱手段107の順に循環させることによって、単一の温水循環回路という簡易な構成において、水破砕手段2に供給される供給水の加熱と循環手段1によって循環する空気の加熱を行うことができる。さらに供給水をより高温に加熱することが可能となり、サウナ対象室103の加湿に伴う冷風感の抑制効果を高めることができる。
【0075】
また、循環手段1によって循環する空気を、水破砕手段2で発生した微細水滴を含ませて加湿した後に空気加熱手段107で加熱することによって、循環空気の温度と露点温度との差を拡大して結露を抑制し、微細水滴をサウナ対象空間103の加湿に有効に使用することができる。
【0076】
なお、本実施形態では、ミスト噴出手段110が噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段5として、循環手段1の循環ファン106を用いたが、ミストを細かく破砕できるものであれば良いのであって、回転板等を別途設ける構成としても良い。
【0077】
また、本実施形態では、ミスト噴出手段110を1個の噴出ノズル111にて構成したが、ミストを噴出できるものであれば良いのであって、噴出ノズルを複数設け、ミストの噴出を切り替えるように構成しても良い。
【0078】
また、本実施形態では、空気加熱手段107を熱媒に温水を用いた空気−水熱交換器6を設ける構成としたが、空気加熱手段107は、空気を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて空気を加熱しても良く、あるいはヒーターと温水コイルを併用しても良い。
【0079】
また、本実施形態では、水破砕手段2に供給される供給水を加熱する水加熱手段3として、熱媒に温水を用いた水−水熱交換器7を設ける構成としたが、水加熱手段3は、供給水を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて供給水を加熱しても良く、あるいはサウナ装置とは別に設けられた熱源から温水を給水しても同様の効果が得られる。そしてサウナ装置外部から温水を給水する場合は、水加熱手段3をサウナ装置内に設ける必要がないので装置を小型化することができる。
【0080】
また、本実施形態では、サウナ対象室103に供給する微細水滴について具体的な水滴径を示していないが、この微細水滴の水滴径は使用者が目視確認できない程度の粒径であればよく、10μm前後の水滴径であれば十分な効果を奏することができるものである。
【0081】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施形態3にかかるサウナ装置の概略構成を示した図である。図3において、サウナ装置の本体101内に、サウナ対象室103の空気を循環させる循環手段1と、供給水を微細な水滴に破砕する水破砕手段2と、循環手段1により循環する空気を加熱する空気加熱手段107と、水破砕手段2に供給される供給水を加熱する水加熱手段3を設けた構成としている。循環手段1は、サウナ対象室103に開口した吸気口102および吹出口104と、吸気口102を通してサウナ対象室103の空気を吸引し、吹出口104を通してサウナ対象室103に空気を吹出すための循環風路105と、循環風路105に空気を送風するための循環ファン106とを備えており、水破砕手段2は、給水配管4からの供給水をミスト状に噴出するミスト噴出手段110としての噴出ノズル111と、この噴出ノズル111から噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段5を備えている。ミスト破砕手段5は、噴出ノズル111を循環ファン106の吸込口に向けて配置し、噴出ノズル111から噴出したミストを循環ファン106の吸込方向から循環ファン106に衝突させて破砕する構成としている。また、空気加熱手段107は、図示しない熱源機によって循環している温水を熱媒として空気を加熱する空気−水熱交換器6を備えており、この空気−水熱交換器6が循環風路105内の循環ファン106の吸込側および吹出側にまたがって配置されている。水加熱手段3は、空気加熱手段107と同様に図示しない熱源機により循環している温水を熱媒として用いており、この温水によって給水配管4内の供給水を加熱する水−水熱交換器7を備えている。また、熱源機により循環する温水は、温水配管8によって空気−水熱交換器6と水−水熱交換器7の各々に分流して循環するように配管され、この分流した温水配管8に各々の温水の循環を断続させる熱動弁109a、109bを設けている。また、給水配管4にも噴出ノズル111への給水の供給を断続させる電磁弁113を設けた構成としている。
【0082】
上記構成において、次に運転動作を説明する。図示しないコントローラーからの運転指示が為されると、循環ファン106を作動させるとともに、空気−水熱交換器6の温水循環経路に設けられた熱動弁109a、水−水熱交換器7の温水循環経路に設けられた熱動弁109bと電磁弁113を開状態にし、図示しない熱源機からの温水を空気−水熱交換器6と水−水熱交換器7に分流して循環させるとともに給水配管4を通じて給水を行う。循環ファン106の作動によってサウナ対象室103の空気が吸気口102を通り、まず空気−水熱交換器6に供給される。この空気−水熱交換器6においてサウナ対象室103の空気は図示しない熱源機からの温水が分流した一方と熱交換して加熱され循環ファン106に吸込まれる。また、熱源機から分流した他方の温水は、熱動弁109bを経て水−水熱交換器7に供給され、給水配管4を流れる供給水と熱交換を行った後に空気−水熱交換器6を循環する温水と合流して熱源機に戻る。水−水熱交換器7において温水との熱交換により加熱された供給水は噴出ノズル111に供給され循環ファン106の吸込口に向かってミスト状態となって噴出する。循環ファン106は、空気−水熱交換器6において加熱された空気とともに噴出ノズル111から噴出したミストを吸引する。循環ファン106に吸引されたミストは、循環ファン106の回転により更に細かく破砕されて微細水滴となり、加熱された空気中に含まれて循環ファン106から吐出して空気−水熱交換器6に供給される。空気−水熱交換器6において微細水滴を含んだ空気は温水との熱交換により再び加熱され、吹出口104を通ってサウナ対象室103に戻る。以上の動作を繰り返すことにより、水破砕手段2で発生した高温の微細水滴がサウナ対象室103に継続して供給されるので、サウナ対象室103が水滴感および冷風感なく加湿されるとともに、循環手段1により循環するサウナ対象室103の空気が空気−水熱交換器6で加熱されることによりサウナ対象室103が加熱されるので、サウナ対象室103が高温高湿のサウナ空間となる。
【0083】
また、サウナ対象室103の温度を下げたい場合は、熱動弁109aを閉状態とすることにより、空気−水熱交換器6への温水の循環を遮断し、循環手段1により循環するサウナ対象室103の空気の加熱量を減らすことにより対応できる。
【0084】
さらにサウナ対象室103の加湿による冷風感を抑制する必要がない場合は、熱動弁109bを閉状態とすることにより、水−水熱交換器7への温水の循環を遮断し、水破砕手段2への供給水の加熱量を減らすことにより対応できる。
【0085】
以上、説明した構成および動作により、本実施形態のサウナ装置は以下の効果を奏するものである。
【0086】
水破砕手段2が供給水を破砕することによって発生した微細水滴を、循環手段1により循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。これにより使用者が水滴感を感じずにサウナ対象室103内で快適に過ごすことができ、また、ミストによって使用者の視界が遮られることがないので、使用者がサウナ対象室103内で映像や読書を楽しむことができる。
【0087】
また、ミスト噴出手段110が噴出したミストをミスト破砕手段5で更に細かく破砕することによって微細水滴を発生させることができる。これにより水破砕手段2をミスト噴出手段110とミスト破砕手段5による簡略な構成とすることができる。
【0088】
また、ミスト噴出手段110が循環手段1の循環ファン106に向けてミストを噴出することによって、循環ファン106の回転によりミストを強制的に破砕し、更に細かな微細水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103に細かな微細水滴を供給して水滴感なく加湿することができるとともに、サウナ対象室103の空気を循環させる循環手段1の一部を利用して水破砕手段2を構成できるため、装置を小型化することができる。
【0089】
また、循環ファン106の吸込口に向けてミストを噴出することによって、循環ファン106の送風方向に沿ってミストを移動させ、ミストの衝突に伴う循環ファン106の送風抵抗を減少することができる。これにより、循環ファン106の動力が増加するのを抑制して消費電力を削減することができる。
【0090】
また、循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を空気加熱手段107で加熱することによって、水滴感を伴わずにサウナ対象室103を加湿するとともに加熱することができる。これにより、サウナ対象室103を水滴感の少ない高温高湿のサウナ空間とすることができる。
【0091】
また、水破砕手段2に供給される供給水を水加熱手段3で加熱することによって、水破砕手段2において高温の微細水滴を発生させることができる。これによりサウナ対象室103を水滴感および冷風感を伴わずに加湿することができる。
【0092】
また、循環手段1によって循環しているサウナ対象室103の空気を空気加熱手段107で加熱することによりサウナ対象室103を加熱するとともに、水破砕手段2に供給される供給水を水加熱手段3で加熱することによって、水破砕手段2において高温の微細水滴を発生させて水滴感および冷風感を伴わずにサウナ対象室103を加湿することができる。さらに空気加熱手段107および水加熱手段3を、温水を熱媒として加熱を行う構成とすることによって、加熱作用を単一の熱媒回路により行うことが可能となり、構成を簡略化することができる。
【0093】
また、熱媒である温水を空気加熱手段107と水加熱手段3とに分流して循環させる構成とすることによって、循環手段1によって循環する空気の加熱と水破砕手段2に供給される供給水の加熱の各々の加熱量の調整、すなわち温水の分流度合いの調整や温水供給の断続を容易に行うことができる。
【0094】
また、循環手段1によって循環する空気を、空気加熱手段107で加熱した後に水破砕手段2で発生した微細水滴を含ませて加湿することによって、循環空気中に微細水滴をより多く含ませて加湿量を増加することができる。
【0095】
また、循環手段1によって循環する空気を、水破砕手段2で発生した微細水滴を含ませて加湿した後に空気加熱手段107で加熱することによって、循環空気の温度と露点温度との差を拡大して結露を抑制し、微細水滴をサウナ対象空間103の加湿に有効に使用することができる。
【0096】
なお、本実施形態では、ミスト噴出手段110が噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段5として、循環手段1の循環ファン106を用いたが、ミストを細かく破砕できるものであれば良いのであって、回転板等を別途設ける構成としても良い。
【0097】
また、本実施形態では、ミスト噴出手段110を1個の噴出ノズル111にて構成したが、ミストを噴出できるものであれば良いのであって、噴出ノズルを複数設け、ミストの噴出を切り替えるように構成しても良い。
【0098】
また、本実施形態では、空気加熱手段107を熱媒に温水を用いた空気−水熱交換器6を設ける構成としたが、空気加熱手段107は、空気を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて空気を加熱しても良く、あるいはヒーターと温水コイルを併用しても良い。
【0099】
また、本実施形態では、水破砕手段2に供給される供給水を加熱する水加熱手段3として、熱媒に温水を用いた水−水熱交換器7を設ける構成としたが、水加熱手段3は、供給水を加熱できるものであれば良いのであって、ヒーターを用いて供給水を加熱しても良く、あるいはサウナ装置とは別に設けられた熱源から温水を給水しても同様の効果が得られる。そしてサウナ装置外部から温水を給水する場合は、水加熱手段3をサウナ装置内に設ける必要がないので装置を小型化することができる。
【0100】
また、本実施形態では、サウナ対象室103に供給する微細水滴について具体的な水滴径を示していないが、この微細水滴の水滴径は使用者が目視確認できない程度の粒径であればよく、10μm前後の水滴径であれば十分な効果を奏することができるものである。
【0101】
また、本実施形態では、空気−水熱交換器6と水−水熱交換器7の各々の温水循環経路に熱動弁109a、109bを各々設ける構成としたが、温水循環の断続が必要な何れか一方にのみ熱動弁を設けても良い。
【産業上の利用可能性】
【0102】
以上のように本発明にかかるサウナ装置は、微細な水滴によって水滴感を伴わずに加湿することにより、使用者が、水滴感を感じずに快適に過ごすことができ、また、ミストによって視界を遮られずに映像や読書を楽しむことができるサウナ空間を提供できるものであり、浴室や居室をサウナ空間とする場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の実施形態1にかかるサウナ装置の概略構成を示した図
【図2】本発明の実施形態2にかかるサウナ装置の概略構成を示した図
【図3】本発明の実施形態3にかかるサウナ装置の概略構成を示した図
【図4】従来のサウナ装置の概略構成を示した図
【符号の説明】
【0104】
1 循環手段
2 水破砕手段
3 水加熱手段
5 ミスト破砕手段
103 サウナ対象室
106 循環ファン
107 空気加熱手段
110 ミスト噴出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サウナ対象室103の空気を循環させる循環手段1と、供給水を微細な水滴に破砕する水破砕手段2とを備え、前記水破砕手段2で発生した微細水滴を、前記循環手段1によって循環するサウナ対象室103の空気に含ませることによりサウナ対象室103を加湿することを特徴とするサウナ装置。
【請求項2】
水破砕手段2を、供給水をミスト状に噴出するミスト噴出手段110と、前記ミスト噴出手段110が噴出したミストを更に細かく破砕するミスト破砕手段5とを備えた構成としたことを特徴とする請求項1記載のサウナ装置。
【請求項3】
循環手段1を、回転により空気を送風する循環ファン106を備えた構成とし、ミスト破砕手段5を、前記循環ファン106にミスト噴出手段110から噴出したミストを衝突させることによってミストを破砕する構成としたことを特徴とする請求項2記載のサウナ装置。
【請求項4】
ミスト噴出手段110を、循環ファン106の吸込口に向けてミストを噴出する構成としたことを特徴とする請求項3記載のサウナ装置。
【請求項5】
ミスト噴出手段110を、循環ファン106の翼面外周に向けてミストを噴出する構成としたことを特徴とする請求項3記載のサウナ装置。
【請求項6】
循環手段1により循環する空気を加熱する空気加熱手段107を備えた構成としたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のサウナ装置。
【請求項7】
水破砕手段2に供給される供給水を加熱する水加熱手段3を備えた構成としたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のサウナ装置。
【請求項8】
循環手段1により循環する空気を加熱する空気加熱手段107と、水破砕手段2に供給される供給水を加熱する水加熱手段3とを備え、前記空気加熱手段107および前記水加熱手段3を、温水を熱媒として加熱作用を行う構成としたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のサウナ装置。
【請求項9】
空気加熱手段107および水加熱手段3の熱媒である温水が、前記空気加熱手段107、前記水加熱手段3の順に循環する構成としたことを特徴とする請求項8記載のサウナ装置。
【請求項10】
空気加熱手段107および水加熱手段3の熱媒である温水が、前記水加熱手段3、前記空気加熱手段107の順に循環する構成としたことを特徴とする請求項8記載のサウナ装置。
【請求項11】
空気加熱手段107および水加熱手段3の熱媒である温水が、前記空気加熱手段107と前記水加熱手段3の各々に分流して循環する構成としたことを特徴とする請求項8記載のサウナ装置。
【請求項12】
循環手段1により循環する空気が、水破砕手段2において発生する微細水滴を含む前に、空気加熱手段107により加熱される構成としたことを特徴とする請求項6、8、9、10または11記載のサウナ装置。
【請求項13】
循環手段1により循環する空気が、水破砕手段2において発生する微細水滴を含んだ後に、空気加熱手段107により加熱される構成としたことを特徴とする請求項6、8、9、10または11記載のサウナ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−25964(P2006−25964A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206917(P2004−206917)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】