説明

サッシ

【課題】 竪枠と下枠との内周コーナー部の掃除が容易に行え、しかもコーナーピースをビスを用いないで強固に固定できるサッシの提供。
【解決手段】 竪枠1a,1b及び下枠2と、竪枠と下枠との内周コーナー部3に取付けたコーナーピース4とを備え、コーナーピース4は本体部5と係止爪6とからなり、本体部5は竪枠内周面7と下枠上面8とを傾斜面9で接続するものであり、係止爪6は本体部の下方に突出して設けてあり、下枠端部に形成した切欠部10に係止爪6を側方より係止し、竪枠内周面7に下枠2端部を当接させることでコーナーピース4を固定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竪枠と下枠との内周コーナー部の掃除のしやすいサッシに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のサッシにおいては、竪枠と下枠との内周コーナー部にゴミが溜まったりカビが生じたりして汚れた状態となり、ホウキや雑巾を使ってもそのゴミ等をなかなか除去できない不都合があった。
特許文献1には、竪枠と下枠との内周コーナー部に、上面を凹円弧状傾斜面としたコーナーピース(ブロック片30)を取付けることが開示されている。このコーナーピースは、竪枠にビスで取り付けるか、竪枠及び下枠に両面テープで接着して取付けるようにしている。
しかし、ビスで取付ける場合には、ビスの頭がサッシ枠内周に露出して見た目が悪い上、ビスの挿入孔やビス周りにゴミ等がこびりついて汚くなる。さらに、ビスが緩んでコーナーピースにがたつきが生ずるおそれもある。コーナーピースを竪枠と下枠に両面テープで接着して取付けた場合には、サッシ枠内周に生ずる結露水により両面テープの接着力が低下し、コーナーピースが取れてしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3141578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、竪枠と下枠との内周コーナー部の掃除が容易に行え、しかもコーナーピースをビスを用いないで強固に固定できるサッシの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明によるサッシは、竪枠及び下枠と、竪枠と下枠との内周コーナー部に取付けたコーナーピースとを備え、コーナーピースは本体部と係止部とからなり、本体部は竪枠内周面と下枠上面とを傾斜面で接続するものであり、係止部は本体部に突出して設けてあり、竪枠と下枠とを組む際にコーナーピースの係止部を竪枠及び下枠の少なくとも何れか一方に形成した被係止部に係止し、竪枠内周面に下枠端部を当接させることでコーナーピースを固定していることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明によるサッシは、請求項1記載の発明の構成に加え、コーナーピースの係止部は、本体部の下方に突出して設けた係止爪であり、被係止部は、下枠端部に形成した切欠部であることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明によるサッシは、請求項1又は2記載の発明の構成に加え、竪枠内周面と下枠端面との間にシール材が設けてあり、シール材の上部がコーナーピースの本体部に進入していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によるサッシは、竪枠と下枠との内周コーナー部にコーナーピースが取付けてあって、コーナーピースの本体部が竪枠内周面と下枠上面とを傾斜面で接続しているので、竪枠と下枠との内周コーナー部にゴミが溜まらず、且つ雑巾等で容易に掃除できる。しかもコーナーピースは、本体部に突出して設けた係止部を有し、竪枠と下枠とを組む際に係止部を竪枠及び下枠の少なくとも何れか一方に形成した被係止部に係止し、竪枠内周面に下枠端部を当接させることで固定しているので、ビスを使わずに強固に固定できる。
【0009】
請求項2記載の発明によるサッシは、コーナーピースの本体部の下方に係止爪を突出して設け、下枠端部に係止爪が係止する切欠部を設けたので、竪枠と下枠とを組む際に係止爪を下枠端部の切欠部に側方より係止することでコーナーピースを下枠側に容易に組み付けでき、竪枠内周面に下枠端部を当接させると係止爪が切欠部から抜けなくなるため、コーナーピースをがたつきなく強固に固定できる。
【0010】
請求項3記載の発明によるサッシは、竪枠内周面と下枠端面との間にシール材が設けてあり、シール材の上部がコーナーピースの本体部に進入していることで、竪枠と下枠とのコーナー部のシール性を高められる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】竪枠と下枠とのコーナー部を示す斜視図である。
【図2】同部分の分解斜視図である。
【図3】図1のA−A断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る引き違いサッシの室外側正面図である。
【図5】同サッシの縦断面図である。
【図6】同サッシの横断面図である。
【図7】(a)はコーナーピースの平面図、(b)はコーナーピースの側面図、(c)はコーナーピースの正面図である。
【図8】コーナーピースの他の実施形態を示す竪枠と下枠とのコーナー部の分解斜視図である。
【図9】図8のコーナーピースの取付状態を示す竪枠と下枠とのコーナー部の縦断面図である。
【図10】コーナーピースのさらに別の実施形態を示す竪枠と下枠とのコーナー部の分解斜視図である。
【図11】図10のコーナーピースの取付状態を示す竪枠と下枠とのコーナー部の縦断面図である。
【図12】コーナーピースのさらに別の実施形態を示す竪枠と下枠とのコーナー部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図4は本発明の一実施形態に係る引き違いサッシの室外側正面図であり、図5は同サッシの縦断面図であり、図6は同サッシの横断面図である。また図1は、同サッシの竪枠と下枠とのコーナー部を示す斜視図であり、図2はこの部分の分解斜視図であり、図3は図1のA−A断面図である。
本サッシは、図4〜6に示すように、躯体開口部に取付けたサッシ枠11と、サッシ枠11内に引き違い状に開閉自在に納めた外障子12a及び内障子12bと、サッシ枠11内の外障子12aの屋外側に左右方向に移動自在に納めた網戸13とを備えている。
サッシ枠11は、アルミニウム合金の押出形材で形成した上枠14と下枠2と左右の竪枠1a,1bを方形に枠組みして構成してあり、各枠材14,2,1a,1bの室内外方向の中間位置に躯体固定片15を四周に亘って有し、その躯体固定片15を躯体16に当接してビス止めすることで固定されている。またサッシ枠11は、室内側にアングル部17を四周に亘って有している。
外障子12aは、アルミニウム合金の押出形材で形成した上框18aと下框19aと戸先框20aと戸尻框21aとを方形に枠組みし、その枠内にガラスパネル22を納めて構成してある。内障子12bも同じように、アルミニウム合金の押出形材で形成した上框18bと下框19bと戸先框20bと戸尻框21bとを方形に枠組みし、その枠内にガラスパネル22を納めて構成してある。外障子12aと内障子12bは、下框19a,19bの左右両端部の下部に戸車23a,23bを有している。また外障子12aと内障子12bは、クレセント24により施錠される。
【0013】
上枠14は、図5に示すように、室外側端部に垂下片25を有し、その室内側に間隔をおいて外障子12a用の上レール26aと内障子12b用の上レール26bを下方に垂下して有している。
室外側から見て右側の竪枠1aは、図6に示すように、内周面7に外障子12aの戸先框20aとの係合部27aが、断面略台形状に隆起した形で設けてある。室外側から見て左側の竪枠1bは、内周面7に内障子12bの戸先框20bとの係合部27bが、断面略台形状に隆起した形で設けてある。
【0014】
下枠2は、図5に示すように、中空部を有する筒状に形成されている。下枠2の上面8には、外障子12a用のレール28aと内障子12b用のレール28bが、円弧状の丸みを帯びた断面形状で下枠上面8から僅かに(2mm程度)隆起する形で形成してあり、下枠上面8は略フラットになっている。各レール28a,28b上には、ガイドブロック29a,29bが一つずつ取付けてある。ガイドブロック29a,29bの取付位置は、図4と図6に示すように、外障子12a用のレール28a上のガイドブロック29aは、閉鎖した状態の外障子12aの戸尻側の戸車23bの戸先側に隣接する位置に取付けてあり、内障子12b用のレール28b上のガイドブロック29bは、閉鎖した状態の内障子12bの戸尻側の戸車23bの戸先側に隣接する位置に取付けてある。ガイドブロック29a,29bは、図6に示すように、室外側面と室内側面が平面視円弧状に膨らんだブロック状に形成され、上方からの2本のネジでレール28a,28b上にそれぞれ固定してある。
図5に示すように、下枠2上面側の室外側端部には、網戸用レール30を有している。網戸用レール30は、フラットな下枠上面8と連続して室外側に張り出す戸車走行部31と、戸車走行部31の室外側端部に設けた垂下部32とを有する下向きL字状断面に形成されている。
また下枠2は、竪枠1a,1bとの連結用のビス33が挿入されるタッピングホール34を3箇所に分散して有している。
【0015】
図1と図6に示すように、竪枠1a,1bと下枠2との内周コーナー部3には、コーナーピース4が取付けてある。コーナーピース4は、硬質樹脂で一体成形したもので、図3に示すように、竪枠内周面7と下枠上面8とで形成される90°の入隅部に密着して配置される本体部5と、本体部5の下方に突出して設けた係止爪6とを有している。
本体部5は、高さ及び横幅が10mmの略直角三角形状断面の細長い棒状で、図6に示すように、竪枠1a,1bの室外側見付片35の内側からアングル部17にまで達する長さを有し、図3に示すように、上面は半径15mm(R15)の凹曲面状の傾斜面9となっており、この傾斜面9が竪枠内周面7と下枠上面8とを滑らかに接続している。本体部5の下面には、図7(b)に示すように、外障子12a用のレール28aと内障子12b用のレール28bが嵌合する溝36a,36bが形成してある。また本体部5には、竪枠1a,1bの係合部27a,27bと連続する突部37が設けてある。
係止爪6は、本体部5の下面に室内外方向に間隔をおいて2つ形成してあり、係止爪6の形状は下枠2の長手方向中央側を向く鉤状になっている。係止爪6は、図3に示すように、下枠2の端部が当接する竪枠1a,1bの内周面7に貼着されるシール材38の厚み分だけ、本体部5の側面より下枠2の長手方向中央側にずれた位置に設けてある。そのため、本体部5と竪枠1a,1bの内周面7との間に隙間が空かず、また竪枠1a,1bの内周面7と下枠2の端部との隙間がシール材38によりシールされる。
【0016】
次に、上記コーナーピース4の取付け方を説明する。図2に示すように、竪枠1a,1bは室外側見付片35と係合部27a,27bとアングル部17の下端部を切除し、内周面7に下枠2の端部を突き当てる突き当て部が形成され、この突き当て部には発泡ゴム等の弾力性を有するシートよりなるシール材38を貼着している。下枠2は、上面8の長手方向端部にコーナーピース4の係止爪6が係止する切欠部10を形成しておく。コーナーピース4は、下枠2の切欠部10に係止爪6を側方より係止して下枠上面8に取付ける。その後、下枠2の端部をシール材38が貼着された竪枠内周面7に突き当て、竪枠1a,1bを貫通して下枠2のタッピングホール34にビス33をそれぞれ挿入し、竪枠1a,1bと下枠2とを連結固定する。このように、竪枠1a,1bと下枠2とを連結する際に係止爪6を下枠2の切欠部10に側方より係止してコーナーピース4を取付け、その後に下枠2端部を竪枠内周面7に当接することにより、本体部5が竪枠内周面7に押さえられて係止爪6が抜けなくなるため、コーナーピース4は竪枠1a,1bと下枠2との内周コーナー部3に強固に固定され、絶対に取れなくなる。下枠2の切欠部10は、コーナーピース本体部5に隠れて見えなくなる。
【0017】
上框18a,18bは、図5に示すように、上方に開放した溝部39a,39bを有し、溝部39a,39bに上枠14の上レール26a,26bを差し入れてガイドされている。上框18a,18bの室外側面と室内側面は、溝や段差のないフラット面となっている。
戸先框20a,20bは、図6に示すように、外周側面に凹部40a,40bが形成され、障子閉鎖時に該凹部40a,40bが竪枠1a,1bの係合部27a,27bと係合して室内外方向の移動が規制されるようになっている。凹部40a,40bの室外側にはタイト材41が取付けてあり、タイト材41が係合部27a,27bの室外側の斜面に当接している。戸先框20a,20bの室外側面と室内側面は、溝や段差のないフラット面に形成されており、室内側面には埋め込み型の引手42が取付けてある。
【0018】
下框19a,19bは、図5に示すように、下框本体43と、下框本体43の下部に取付けた補助材44の2部材で構成されている。下框本体43は、室外側面と室内側面が溝や段差のないフラット面に形成されており、下面には下向きに開口した溝を有し、該溝内に補助材44を嵌め込んである。補助材44は、室外側と室内側にタイト材保持溝を有し、室内外方向の中央部には上方に突出して設けた戸車収容部46と下方に突出して設けた案内溝47とを有している。タイト材保持溝には、タイト材48a,48bが案内溝47を室外側と室内側から挟むように下向きに取付けられ、タイト材48a,48bの先端部は外側に屈曲してフラットな下枠上面8に当接している。戸車収容部46には戸車23a,23bが取付けてあり、戸車23a,23bの車輪49には外周面にレール28a,28bと係合する浅い溝が形成してある。案内溝47には、レール28a,28b上に取付けたガイドブロック29a,29bを通してある。なお戸車23a,23bは高さ調整自在に設けてあり、戸車の高さ調整により各障子12a,12bの建て付けを調整できるようになっている。
【0019】
外障子12aと内障子12bのサッシ枠11への建て込みは、通常のサッシと同様に室内側や室外側から上下けんどん式に行うことができ、戸車23a,23bの車輪49を下枠2のレール28a,28b上に乗せると同時に下框補助材44の案内溝47にガイドブロック29a,29bが挿入される。このように、ガイドブロック29a,29bが下框補助材44の案内溝47に挿入されていることで、戸車の車輪49のレール28a,28bからの脱輪を防止できる。外障子12aと内障子12bは、それぞれ戸先側の戸車23aがガイドブロック29a,29bに衝突する手前までスライドさせて開けることができる。
【0020】
網戸13は、図4〜6に示すように、上框50と下框51と左右の竪框52a,52bを方形に枠組みし、その枠内に網53を張って構成してある。上框50は、図5に示すように、上方に開放した溝部54を有し、溝部54に上枠14の垂下片25を差し入れてガイドされている。
下框51内部の左右両端部には、戸車55が取付けてある。戸車55は、図5に示すように、下枠2の網戸用レール30の平坦な戸車走行部31上を転動する車輪56と、下向きに曲がった網戸用レール30の裏側に係合する鉤状のガイド部57とを有している。このようにガイド部57が網戸用レール30の裏側に係合していることで、車輪56に網戸用レール30との引っ掛かりがなくても網戸13をレール30に沿って安定してスライドでき、尚且つ網戸13が浮き上がってレール30から外れるのをガイド部57により防止できる。なお、ガイド部57は上下方向に移動可能に設けてあり、網戸13の着脱時には、ガイド部57を網戸用レール30の垂下部32に引っ掛からないように下に下げる。
【0021】
本サッシは以上に述べたように形成され、竪枠1a,1bと下枠2との内周コーナー部3にコーナーピース4が取付けてあり、コーナーピース4の本体部5が竪枠内周面7と下枠上面8とを凹曲面状の傾斜面9で接続しているので、竪枠1a,1bと下枠2との内周コーナー部3にゴミが溜まらず、且つ雑巾等で容易に掃除できる。しかもコーナーピース4は、下枠2端部に形成した切欠部10に係止爪6を側方より係止し、竪枠内周面7に下枠2端部を当接させることで固定しているので、ビスを使わずに強固に固定できる。
さらに本サッシは、下枠2の外障子12aと内障子12b用のレール28a,28bを下枠上面8から僅かに隆起する形で形成し、且つ網戸用レール30を下枠上面8の室外側に連続する下向きL字状断面に形成して下枠上面8を略フラットとし、上方に突き出たレールや溝をなくしたので、下枠2を雑巾等で容易に掃除することができ、溝にゴミが溜まることもない。
また従来のサッシでは、竪枠1a,1bの内周面に戸先框20a,20bとの係合部が内周側に直角に突き出たフィン状に形成されていたが、本サッシではこれに相当する係合部27a,27bを竪枠内周面7から隆起する断面略台形状に形成したので、竪枠1a,1bも雑巾等で掃除しやすくなっている。さらに、内外障子12a,12b及び網戸13の各框の室外側面と室内側面も溝や段差のないフラット面としたので、障子12a,12bと網戸13の框も雑巾等で掃除しやすくなっている。
【0022】
外障子12aと内障子12bは、閉鎖した状態では、図5に示すように上框18a,18bが上枠14の上レール26a,26bにガイドされ、図6に示すように竪枠1a,1bの係合部27a,27bと戸先框20a,20bの凹部40a,40bとが係合し、さらにガイドブロック29a,29bにより戸尻側下部の室内外方向の移動が規制されるため、強風を受けてもサッシ枠11から障子12a,12bが外れることがない。障子12a,12bの開閉時や開放時においても、図5に示すように、下枠2のレール28a,28b上に取付けたガイドブロック29a,29bが下框19a,19b下部の案内溝47に通してあることで、障子12a,12bがサッシ枠11から外れるのを確実に防止できる。また、下框19a,19bの案内溝47を室外側と室内側から挟むようにタイト材48a,48bを配設し、タイト材48a,48bの先端部が下枠上面8に当接していることで、下框19a,19bと下枠2間の水密性・気密性を確保できる。
【0023】
図8,9は、コーナーピース4の他の実施形態を示している。コーナーピース4は、本体部5に竪枠1bの係合部27bと連続する突部37が設けてあり、突部37の上面より上方に突出して、竪枠の係合部27b内の中空部58に嵌合する係止突部59が設けてある。本コーナーピース4は、竪枠1bと下枠2とを枠組みする際に、係止突部59を竪枠1bの係合部27b内の中空部58に下方より挿入して配置し、下枠2の端部をシール材38が貼着された竪枠内周面7に突き当て、ビス33により竪枠1bと下枠2とを固定すると、コーナーピース4の突部37が竪枠1bの係合部27bの下面と下枠上面8とで挟み込まれ、且つ係止突部59が竪枠1bの係合部27b内の中空部58に嵌合していることで、コーナーピース4は竪枠1bと下枠2との内周コーナー部3に固定される。
竪枠内周面7と下枠2端面との間に介在するシール材38は、図9に示すように、下枠上面8より上方までのびており、コーナーピース4の本体部5の側面下部にはシール材38の厚み分の凹部60が形成してあり、シール材38の上部がその凹部60に進入している。このようにシール材38をコーナーピース4の本体部5まで進入させることで、コーナー部のシール性をより向上できる。
【0024】
図10,11は、コーナーピース4のさらに別の実施形態を示している。コーナーピース4は、本体部5の下面に室内外方向に間隔をおいて係止突起61,61が2つ設けてあり、下枠上面8には係止突起61,61が挿入される孔62,62を設けている。このように構成した場合でもコーナーピース4は、突部37が竪枠1bの係合部27bの下面と下枠上面8とで挟み込まれ、且つ係止突起61,61が下枠上面8に形成した孔62,62に嵌合することにより、竪枠1bと下枠2との内周コーナー部3に固定される。
【0025】
なおコーナーピース4は、本体部5の傾斜面9が凹曲面状のものに限らず、図12(a)に示すように、傾斜面9が一定の角度(例えば45°)で傾斜したものや、図12(b)に示すように、傾斜面9が角度の異なる傾斜面9a,9b,9cが連なって凹んだ形に形成されたもの、図12(c)に示すように、傾斜面9が傾斜面9d,9eと凹曲面9fとが合わさって構成されたものでもよい。
またコーナーピース4は、係止部を竪枠1a,1bと下枠2の両方にそれぞれ係止するように設けることもできる。
【0026】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。下枠2は、障子12a,12b用や網戸13用のレールが下枠上面8から突き出たものや、従来型のノンレールサッシの下枠(レールが本実施形態のものと同様に下枠上面から若干隆起する形で形成され、レールに沿って下框より垂下する垂下片を差し入れるガイド溝を形成したもの)であってもよい。竪枠1a,1bの係合部27a,27bは、通常のサッシのように内周側に突出するフィン状であってもよく、コーナーピース4はそのフィン状の係合部の室外側と室内側とに分割してもよい。コーナーピース4の係止爪6の形状は任意であり、例えば室外側や室内側を向く鉤状であってもよく、また係止爪6は一つだけ設けてもよい。本発明は引き違いサッシに限らず、上げ下げ窓、回転窓、すべり出し窓など、あらゆるタイプの窓のサッシに適用できる。また本発明は、窓用のサッシの他、出入口用のサッシにも適用できる。
【符号の説明】
【0027】
1a,1b 竪枠
2 下枠
3 内周コーナー部
4 コーナーピース
5 本体部
6 係止爪(係止部)
7 竪枠内周面
8 下枠上面
9 傾斜面
10 切欠部(被係止部)
38 シール材
58 中空部(被係止部)
59 係止突部(係止部)
61 係止突起(係止部)
62 孔(被係止部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
竪枠及び下枠と、竪枠と下枠との内周コーナー部に取付けたコーナーピースとを備え、コーナーピースは本体部と係止部とからなり、本体部は竪枠内周面と下枠上面とを傾斜面で接続するものであり、係止部は本体部に突出して設けてあり、竪枠と下枠とを組む際にコーナーピースの係止部を竪枠及び下枠の少なくとも何れか一方に形成した被係止部に係止し、竪枠内周面に下枠端部を当接させることでコーナーピースを固定していることを特徴とするサッシ。
【請求項2】
コーナーピースの係止部は、本体部の下方に突出して設けた係止爪であり、被係止部は、下枠端部に形成した切欠部であることを特徴とする請求項1記載のサッシ。
【請求項3】
竪枠内周面と下枠端面との間にシール材が設けてあり、シール材の上部がコーナーピースの本体部に進入していることを特徴とする請求項1又は2記載のサッシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−163858(P2010−163858A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109288(P2009−109288)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000175560)三協立山アルミ株式会社 (529)
【Fターム(参考)】