説明

サファイア基板の製造方法およびサファイア基板

【課題】サファイア基板の薄厚化工程において、欠けまたはクラックが発生することを抑制して、容易にサファイア基板の研削及び研磨を行うことができるサファイア基板の製造方法、およびこの製造方法を用いたサファイア基板を提供することである。
【解決手段】基板10の裏面10Bを研削装置Mにより研削及び研磨して基板10の研削及び研磨を行う薄厚化工程を含むサファイア基板の製造方法において、通気性及び弾性を有する基板保持体50を基板10の表面10Aと研削装置Mの真空吸着板400との間に介在させて基板10を真空吸着板400に真空吸着させ、これにより基板保持体50を基板10の表面形状に沿うように弾性変形させた状態で基板10を真空吸着板400に固定してから、基板10の裏面10Bの研削及び研磨を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サファイア基板の製造方法およびサファイア基板に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED(Light Emitting Diode))およびパワーデバイスなどに用いられる半導体素子の製造方法においては、表面側に半導体素子が形成された基板をダイシングしてチップ化するダイシング工程が含まれる。そのダイシング工程を容易に行うために、基板の裏面を研削及び研磨して基板の厚みを100μm以下まで薄くする工程が行われている。
【0003】
従来技術として、まず研削及び研磨対象である基板の表面に保護テープを貼り付け、基板の表面を保護テープで覆った状態で基板の裏面を所望の厚みまで研削及び研磨した後、基板の表面から保護テープを剥離し、その後、金属製キャリアフレームに張られたダイシングテープに基板の裏面を貼り付け、ダイシングを行う技術が知られている。
【0004】
ここで、外周端が円弧状に面取りされている基板を研削及び研磨する場合は、裏面研削および裏面研磨工程後に、基板外周端がナイフのような鋭利な形状になってしまい、基板強度が極端に低下する。この基板外周端は保護テープとは非接着であり物理的に支持されていないため、裏面研削中または裏面研磨中の切削水や砥石の衝撃でばたついて、基板端部に欠けやクラックが生じていた。
【0005】
この課題を解決するため、特許文献1には表面側に半導体素子又は回路が形成された基板の内部領域と、その外側の外周領域との境界を基板の表面に対して垂直に切断して、外周領域を除去する工程と、基板の面寸法以上の面寸法をもつ支持部材に基板表面を貼り合わせる工程と、支持部材によって基板表面を支持した状態で基板裏面を研削及び研磨して、基板の厚みを所定の厚みまで薄くする工程と、を備えた半導体製造方法が開示されている。
【0006】
基板の外周領域の除去により、基板外周端の保護テープが非接着である部分がなくなるため、裏面研削中または裏面研磨中の切削水や砥石の衝撃でばたつくことがなく、基板の裏面を100μm程度まで研削及び研磨することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−19435号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年盛んに開発されている窒化物半導体を用いた半導体素子(LEDまたはパワーデバイスなど)には、サファイア基板やSiC基板といった非常に硬い基板が用いられている。
【0009】
このような、硬い基板を特許文献1の半導体製造方法で100μmよりも薄い厚みに研削及び研磨しようとすると、切削水または砥石からの衝撃により支持部材とサファイア基板とを接着する接着テープが弾性変形するため、その弾性変形がサファイア基板に伝わり、サファイア基板に欠けまたはクラックが発生し、最悪の場合、サファイア基板が割れてしまう虞がある。
【0010】
発明者が実際に特許文献1の製造方法を用いて、ウエハ径が2インチであるサファイア基板を研削及び研磨したところ、サファイア基板の厚みが102μmまで研削及び研磨したときは、欠けおよびクラックが観察されなかったが、サファイア基板の厚みが88μmまで研削及び研磨したときは、クラックが発生していた。この結果から、100μm程度の厚みまでは特許文献1の方法でも問題なく研削及び研磨することができるが、それよりも薄い厚みに研削及び研磨することは困難であることを見い出した。
【0011】
また、サファイア基板と支持部材とを両面テープで貼り合わせた場合は、研削後に両面テープとサファイア基板とを分離する工程を必要とする。そうすると、サファイア基板表面に両面テープの接着残りが生じるため、その接着残りを完全に除去する新たな洗浄工程が必要である。しかし、サファイア基板の厚みが100μm以下になると、その洗浄工程中に基板が破損するといった問題が生じる。
【0012】
また、特許文献1に開示された製造方法のように、基板の外周領域を除去する工程がある場合、基板の外周領域には半導体素子を形成することができない。すなわち、1枚の基板から採取できる半導体素子の数が少なくなる。これにより、製造コストが高くなる。
【0013】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、サファイア基板の研削及び研磨において、欠けまたはクラックが発生することを抑制して、容易にサファイア基板の研削及び研磨を行うことができるサファイア基板の製造方法およびこの製造方法を用いたサファイア基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達するために、本発明は、次のとおりの構成としている。
【0015】
本発明に係るサファイア基板の製造方法は、サファイア基板の裏面を研削装置により研削及び研磨する薄厚化工程を含むサファイア基板の製造方法であって、通気性及び弾性を有する基板保持体を前記サファイア基板の表面と前記研削装置の真空吸着板との間に介在させて前記サファイア基板を前記真空吸着板に真空吸着させ、これにより前記基板保持体を前記サファイア基板の表面形状に沿うように弾性変形させた状態で前記サファイア基板を前記真空吸着板に固定してから、前記サファイア基板の裏面の研削及び研磨を行うことを特徴とするものである。
【0016】
このような特定事項によれば、サファイア基板は、該基板の表面形状に沿うように弾性変形された基板保持体を介して研削装置の真空吸着板に真空吸着され、この状態で裏面の研削及び研磨が行われるから、裏面研削中または裏面研磨中の切削水や砥石の衝撃でサファイア基板がばたつくようなことがなくなり、サファイア基板に欠けやクラックを発生させることなく研削及び研磨することができる。
【0017】
上記のサファイア基板の製造方法において、前記真空吸着板による真空吸着により前記基板保持体の脱気を行って収縮させ、これにより前記基板保持体の弾性を喪失させた状態で前記サファイア基板を前記真空吸着板に固定しても構わない。
【0018】
この場合、真空吸着板による真空吸着により前記基板保持体の脱気を行って収縮させ、これにより前記基板保持体の弾性を喪失させており、基板保持体自体が研削及び研磨中に弾性変形するようなことがないため、研削または研磨中に切削水または砥石からの衝撃を受けてもサファイア基板がばたつくようなことが無い。したがって、サファイア基板に欠けやクラックを発生させることなく研削及び研磨できる。
【0019】
上記のサファイア基板の製造方法において、前記サファイア基板の研削及び研磨を終了したのち、前記真空吸着板による真空吸着を解除して前記基板を前記基板保持体から分離し、該基板保持体の表面が元の平滑面に復元するのをまって次のサファイア基板の真空吸着を行っても構わない。
【0020】
この場合、基板保持体を繰り返し利用することができ、製造コストを抑えることができる。
【0021】
上記のサファイア基板の製造方法において、前記基板保持体として、弾性を有し外表面と内部とに連通する空隙を含むフィルムまたはシートを用いても構わない。
【0022】
この場合、サファイア基板と研削装置とを真空吸着する際、フィルムまたはシートは、その外表面と内部とに連通する空隙により一様に弾性変形することになるので、サファイア基板とフィルムまたはシートとが好ましい状態で密着することとなる。
【0023】
上記のサファイア基板の製造方法において、前記サファイア基板を、その厚みが50μmから200μmの範囲となるまで研削及び研磨しても構わない。
【0024】
この場合、ダイシングの刃先に負担をかけずにダイシングすること、サファイア基板の表面と裏面の間に容易に貫通電極を形成すること、及び、パワーデバイスのような大電流を発生する半導体素子の放熱特性を向上させることができる。
【0025】
本発明に係るサファイア基板は、上記のサファイア基板の製造方法を用いて製造されたことを特徴とするものである。
【0026】
このような構成であるから、サファイア基板などの半導体基板上に、GaN、AlNなどの半導体層を形成しLEDやパワーデバイスといった半導体素子を作製することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、サファイア基板の薄厚化工程において、欠けまたはクラックが発生することを抑制して、容易にサファイア基板の研削及び研磨することができるサファイア基板の製造方法、およびこの製造方法を用いたサファイア基板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明のサファイア基板の製造方法において、サファイア基板と基板保持体とを真空吸着する前の状態を示す概略断面図である。
【図2】本発明のサファイア基板の製造方法において、研削装置に基板を真空吸着し、基板保持体が弾性変形した状態を示す概略断面図である。
【図3】本発明に係るサファイア基板の製造方法において、基板を研削及び研磨している状態を示す概略断面図である。
【図4】本発明に係るサファイア基板の製造方法において、研削及び研磨後にダイシングテープを取り付ける前の状態を示す概略断面図である。
【図5】本発明に係るサファイア基板の製造方法において、研削及び研磨後に基板の裏面にダイシングテープを重合させた状態を示す概略断面図である。
【図6】本発明に係るサファイア基板の製造方法において、サファイア基板と基板保持体とを分離した状態を示す概略断面図である。
【図7】サファイア基板をダイシングする前の状態を示す概略断面図である。
【図8】サファイア基板をダイシングした後の状態を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0030】
まず、図1から図3を参照して、本発明のサファイア基板の製造方法における薄厚化工程を説明する。
【0031】
図1は、サファイア基板と基板保持体とを真空吸着する前の状態を示す概略断面図である。図2は、研削装置に基板を真空吸着し、基板保持体が弾性変形した状態を示す概略断面図である。図3は、基板を研削及び研磨している状態を示す概略断面図である。
【0032】
本発明に係るサファイア基板の製造方法は、サファイア基板10の裏面10Bを研削装置Mにより研削及び研磨してサファイア基板10の薄厚化工程を含むサファイア基板10の製造方法であって、通気性及び弾性を有する基板保持体50をサファイア基板10の表面10Aと研削装置Mの真空吸着板400との間に介在させてサファイア基板10を真空吸着板400に真空吸着させ、これにより基板保持体50をサファイア基板10の表面形状に沿うように弾性変形させた状態でサファイア基板10を真空吸着板400に固定してから、サファイア基板10の裏面10Bの研削及び研磨を行うものである。
【0033】
なお、本発明は、サファイア基板10に限らず、シリコン基板またはガラス基板、SiC基板など、GaN層やAlN層といった半導体層を形成するのに適した他の基板にも適用することができる。また、半導体層11が形成された基板においては、半導体層11上にLEDやパワーデバイスなどの半導体素子が形成されていても構わない。
【0034】
基板保持体50としては、平板形状で弾性を有し、例えば、厚さ100μm、圧縮率30%、圧縮弾性率90%、及び硬度18°のシリコンフィルムが好適に用いられる。この基板保持体50には、その外表面と内部とに連通する多数の空隙51が、例えば針により形成されている。
【0035】
なお、基板保持体50としては、上記したようなシリコンフィルムに限られず、例えば、数μm〜数十μm程度の直径を有する多数の空隙51が形成された、厚さ10μm以上500μm以下、圧縮率5%以上50%以下、圧縮弾性率70%以上95%以下のポリウレタンからなるシートを用いても構わない。
【0036】
研削装置Mは、サファイア基板10を研削及び研磨する砥石300と、サファイア基板10が吸着される真空吸着板400と、サファイア基板10と真空吸着板400とを真空吸着させる真空ポンプ500と、真空吸着板400と真空ポンプ500とを繋ぐホース510と、を備えている。そして、真空吸着板400の表面には複数の孔(図示せず)が形成されており、この孔はホース510を介して真空ポンプ500に接続されている。
【0037】
これより、真空ポンプ500を稼働すると、真空吸着板400の孔と基板保持体50の空隙51とを介して、サファイア基板10が真空吸着される。
【0038】
真空吸着により、サファイア基板10と基板保持体50との間の気泡が脱気されていき、弾性を有する基板保持体50が、サファイア基板10の表面形状に沿うように収縮して弾性変形し、サファイア基板10と基板保持体50とが完全に密着する。特に、サファイア基板10の表面10Aに半導体素子が形成されている場合は、表面10Aは凹凸形状となっており、その凹凸形状に沿って基板保持体50が収縮して弾性変形するため、サファイア基板10と基板保持体50とは隙間無く密着することとなる。
【0039】
基板保持体50の弾性変形が限界に達すると、弾性を喪失した状態となる。この状態でサファイア基板10の裏面10Bを砥石300により研削及び研磨する。
【0040】
サファイア基板10の裏面10Bは、真空吸着板400と対峙するように備えられた砥石300によってサファイア基板10の厚みが50μmから200μmになるまで研削及び研磨される。
【0041】
研削及び研磨後のサファイア基板10の厚みが50μmであれば、後述するダイシング工程によるダイシングを容易に行うことができる。そのほかにも、サファイア基板10の裏面10Bをドライエッチングしてスルーホール(図示せず)を形成した後、そのスルーホールに貫通電極を埋め込み、表面10Aに形成された表面電極との配線を行うことができる。基板の厚みが薄いほどドライエッチング工程を短縮でき、そしてスルーホールに埋め込む電極材料の消費量を削減でき、また、裏面10Bと表面10Aの間の貫通電極の電気抵抗を低くすることができる。また、基板の厚みが薄いほどパワーデバイスのような大電流が発生する半導体素子の放熱特性を向上させることができる。
【0042】
上記したサファイア基板の製造方法であれば、基板保持体50が弾性変形することによりサファイア基板10と基板保持体50との密着性が高いものとなることから、研削及び研磨中に切削水または砥石からの衝撃を受けても基板保持体50がばたつかず、サファイア基板10に欠けまたはクラックが発生することはない。
【0043】
次に、図4から図6を参照して、研削及び研磨工程後の工程を説明する。
【0044】
図4は、研削及び研磨後にダイシングシートを取り付ける前の状態を示す概略断面図である。図5は、研削及び研磨後に基板の裏面にダイシングシートを重合させた状態を示す概略断面図である。図6は、サファイア基板と基板保持体とを分離した状態を示す概略断面図である。
【0045】
サファイア基板10の研削及び研磨を終了したのち、真空吸着板400による真空吸着を解除してサファイア基板10を基板保持体50から分離する。その後、基板保持体50の表面10Aが元の平滑面に復元するのをまって次のサファイア基板10の真空吸着を行い、前述した薄厚化工程を行う。すなわち、真空吸着板400による真空吸着を解除することにより基板保持体50の弾性力が復元し、サファイア基板10の表面10Aの表面形状に沿うように変形していた基板保持体50の表面10Aの形状が元の形状、つまり、基板保持体50が薄厚化工程前の平板状の形状に戻る。これより、再度の研削及び研磨を行う際に再度、同じ基板保持体50を使用することが可能である。よって製造コストを抑えることができる。
【0046】
ところで、特許文献1に開示されているように、基板と支持部材との貼り付けに両面テープを用いた場合では、接着残りを除去するための新たな洗浄工程が必要である。しかし、本発明では、サファイア基板10を基板保持体50に真空吸着させているため、サファイア基板10に接着残りは発生しない。そのため、接着残りを除去する洗浄工程が不要となり、洗浄工程中での基板の破損を防ぐことができる。
【0047】
研削及び研磨後、基板の厚みは50μmから200μmと薄くなっており、この状態で基板保持体50を分離すると、サファイア基板10に少しの力が加わるだけでクラックや欠けが生じてしまうため、サファイア基板10のハンドリングが困難となる。よって、サファイア基板10の裏面10Bにダイシングテープ60が取り付けられる(図4参照)。
【0048】
ダイシングテープ60は、たとえば、80μm以上200μm以下の厚さの塩化ビニル、ポリオレフィンおよびPETなどのいずれかからなる材料に、5μm以上50μm以下の厚さのアクリル系粘着材、または、エポキシ系およびポリイミド系などの熱圧着可能な粘着材などのいずれかが塗布されたものである。ダイシングテープ60の外周には金属製キャリアフレーム(図示せず)が取り付けられており、金属製キャリアフレーム部を把持することにより、サファイア基板10と基板保持体50とを分離してもハンドリングが可能となる。
【0049】
次に、図7、図8を参照して、ダイシング工程を説明する。
【0050】
図7は、ダイシングする前の状態を示す概略断面図である。図8は、ダイシングした後の状態を示す概略断面図である。
【0051】
ダイシングに用いられるダイシング装置(図示せず)は、サファイア基板10を載置するダイシングステージと、ダイシングステージと対峙しサファイア基板10に対して垂直に備えられたダイシングブレードと、が備えられている。
【0052】
このダイシングステージに、サファイア基板10のダイシングテープ60が付着された側を取り付け、サファイア基板10の表面10A側をダイシングする。
【0053】
ダイシングブレードは円盤状のものであり、その外周に刃先が備えられている。このダイシングブレードの中心を軸としてダイシングブレードが高速に回転することにより、サファイア基板10のダイシングが行われる。
【0054】
ここで、基板の厚みが厚いサファイア基板をダイシングする場合は、ダイシングする深さが深くなるため、ダイシングに時間がかかる。そして、ダイシングの刃先に負担がかかるという問題が生じる。このため、ダイシングされる基板の厚みは薄いほどよく、50μmから200μmの範囲が望ましい。
【符号の説明】
【0055】
10 サファイア基板
10A 表面
10B 裏面
M 研削装置
50 基板保持体
51 空隙
400 真空吸着板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サファイア基板の裏面を研削装置により研削及び研磨する薄厚化工程を含むサファイア基板の製造方法であって、
通気性及び弾性を有する基板保持体を前記サファイア基板の表面と前記研削装置の真空吸着板との間に介在させて前記サファイア基板を前記真空吸着板に真空吸着させ、これにより前記基板保持体を前記サファイア基板の表面形状に沿うように弾性変形させた状態で前記サファイア基板を前記真空吸着板に固定してから、前記サファイア基板の裏面の研削及び研磨を行うことを特徴とするサファイア基板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のサファイア基板の製造方法であって
前記真空吸着板による真空吸着により前記基板保持体の脱気を行って収縮させ、これにより前記基板保持体の弾性を喪失させた状態で前記サファイア基板を前記真空吸着板に固定することを特徴とするサファイア基板の製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のサファイア基板の製造方法であって、
前記サファイア基板の研削及び研磨を終了したのち、前記真空吸着板による真空吸着を解除して前記サファイア基板を前記基板保持体から分離し、該基板保持体の表面が元の平滑面に復元するのをまって次のサファイア基板の真空吸着を行うことを特徴とするサファイア基板の製造方法。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載のサファイア基板の製造方法であって、
前記基板保持体として、弾性を有し外表面と内部とに連通する空隙を含むフィルムまたはシートを用いることを特徴とするサファイア基板の製造方法。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載のサファイア基板の製造方法であって、
前記サファイア基板を、その厚みが50μmから200μmの範囲となるまで研削及び研磨することを特徴とするサファイア基板の製造方法。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載のサファイア基板の製造方法により製造されたことを特徴とするサファイア基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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