説明

サフィリンおよびその使用

本発明は、式(I)の化合物:それらの薬学的組成物および新生物の処置におけるそれらの有用性に関する。本発明はまた、宿主に式Iの化合物を投与する工程を包含する新生物または粉瘤を有する宿主を処置する方法を提供する。本発明の別の局面は、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療的有効量の、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩形態を含有する薬学的組成物を提供する。本発明のこの局面の別の実施形態は、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療的有効量の式Iの化合物を含有する薬学的組成物、またはその薬学的に受容可能な塩形態を提供する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本PCT国際特許出願は、米国仮特許出願番号60/460,846(2003年4月4日出願)(代理人整理番号4239.00 US)、米国仮特許出願番号60/520〜275(2003年11月13日出願)(代理人整理番号4241.00 US)および米国仮特許出願番号60/527,510(2003年12月5日出願)(代理人整理番号4242.00 US)の優先権の利益を主張し、これらは、全て本明細書中にその全体が参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、式Iのサフィリン(sapphyrin)化合物および抗癌剤としてのその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
サフィリンは、Sesslerら、Sessler,J.L.;Davis,J.M.「Sapphyrins:Versatile Anion−binding Agents」Acc.Chem.Res.、34巻、989−997頁(2001)によって広く研究されている分子である。初期の研究、Shionoya,M.;Furuta,H.;Lynch,V.;Harriman,A.;Sessler,J.L.「Diprotonated Sapphyrin:A Fluoride Selective Halide Anion Receptor」J.Am.Chem.Soc.、114巻、5714−5722頁(1992)において、Sessler教授および共同研究者は、ポルフィリンとは大いに異なって、サフィリンは、容易にプロトン化し、固体状態で明確なアニオン複合体を形成することを確立した。サフィリン研究は、新生物を処置するためのサフィリンの有用性を全く示唆していない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
(発明の要旨)
本発明は、式I
【0005】
【化7】

の化合物、その薬学的に受容可能な塩およびそのプロドラッグを提供し、ここで:
は、−(CH1〜4−X−CH−O−(CHCHO)0〜3−CH、−C1〜4アルキル、−(CH1〜4−R21、Hまたは−R21、−(CH1〜4−O−C(=O)NR3132または−(CH1〜4−OHを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、または−C3〜6分岐アルキルを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−O−アルキル、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、−(CH1〜4OH、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、−CN、−O−アルキル、−(CH1〜4−OH、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、−NO、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、−CN、−O−アルキル、−(CH1〜4−OH、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、−NO、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、−CN、O−アルキル、−(CH1〜4−OH、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、−NO、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、または−C3〜6分岐アルキルを表し;
は、−(CH1〜4−X−CH−O−(CHCHO)0〜3−CH、−C1〜4アルキル、−(CH1〜4−R21、−R21、H、−(CH1〜4−O−C(=O)−NR3132、または−(CH1〜4−OHを表し;
は、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、H、−O−C1〜4−アルキル、−O−C3〜6分岐アルキル、または−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CHを表し;
l0は、H、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、−O−C1〜4−アルキル、または−O−C3〜6分岐アルキルを表し;
Xは、−OCOCH−、−OC−、−NHCO−、−OCONHCH、−NHCOCH−、−NHCONHCH−、または−NHCH−を表し;
21、R22、R23、R24、およびR25は、各出現例において独立に、H、−CHOH、−CHNH、−CHN(COH)、−COOH、−CON(COH)、−OCON(COH)、−NHCON(COH)、および−O(CHCHO)0〜3CHから選択され;
31は、H、−(CH1〜6OH、C((CH1〜4OH)、−C((CH1〜4O−アルキル)、−(CH1〜6O−アルキル、または−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CHを表し;
32は、H、−(CH1〜6OH、C((CH1〜4OH)、−C((CH1〜4O−アルキル)、−(CH1〜6O−アルキル、または−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CHを表し;
33は、H、−C1〜4アルキル、−O−C1〜4−アルキル、−O−C3〜6分岐アルキル、または
【0006】
【化8】

を表し;
36は、Hまたは−C1〜4アルキルを表し;
37は、Hまたは−Cl−4アルキルを表し;
41は、Hまたは−C1〜4アルキルを表し;そして、
44は、H、−C1〜4アルキル、−O−C1〜4アルキル、または、
【0007】
【化9】

を表す。
【0008】
本発明はまた、宿主に式Iの化合物を投与する工程を包含する新生物または粉瘤を有する宿主を処置する方法を提供する。
【0009】
(詳細な説明)
本発明は、式I
【0010】
【化10】

の化合物、その薬学的に受容可能な塩およびそのプロドラッグを提供し、ここで:
は、−(CH1〜4−O−C(=O)−NR3132、−(CH1〜4−X−CH−O−(CHCHO)0〜3−CH、−C1〜4アルキル、−(CH1〜4−R21、Hまたは−R21、または−(CH1〜4−OHを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、または−C3〜6分岐アルキルを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、−NO、CN、O−アルキル、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、−(CH1〜4OH、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、H、C1〜4直鎖アルキル、C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、−NO−CN、−O−アルキル、−(CH1〜4−OH、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−O−アルキル、−(CH1〜4−OH、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−O−アルキル、−(CH1〜4−OH、(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、または−C3〜6分岐アルキルを表し;
は、−(CH1〜4−X−CH−O−(CHCHO)0〜3−CH、−C1〜4アルキル、−(CH1〜4−R21、−R21、H、−(CH1〜4−O−C(=O)−NR3132、または−(CH1〜4−OHを表し;
は、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、H、−O−C1〜4−アルキル、−O−C3〜6分岐アルキル、または−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CHを表し;
l0は、H、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、−O−C1〜4−アルキル、または−O−C3〜6分岐アルキルを表し;
Xは、−OCOCH−、−OC−、−NHCO−、−OCONHCH、−NHCOCH−、−NHCONHCH−、または−NHCH−を表し;
21、R22、R23、R24、およびR25は、各出現例において独立に、H、−CHOH、−CHNH、−CHN(COH)、−COOH、−CON(COH)、−OCON(COH)、−NHCON(COH)、および−O(CHCHO)0〜3CHから選択され;
31は、H、−(CH1〜6OH、C((CH1〜4OH)、−C((CH1〜4O−アルキル)、−(CH1〜6O−アルキル、または(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CHを表し;
32は、H、−(CH1〜6OH、C((CH1〜4OH)、−C((CH1〜4O−アルキル)、−(CH1〜6O−アルキル、または−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CHを表し;
33は、H、−C1〜4アルキル、−O−C1〜4−アルキル、−O−C3〜6分岐アルキル、または
【0011】
【化11】

を表し;
36は、Hまたは−C1〜4アルキルを表し;
37は、Hまたは−Cl−4アルキルを表し;
41は、Hまたは−C1〜4アルキルを表し;そして、
44は、H、−C1〜4アルキル、−O−C1〜4アルキル、または、
【0012】
【化12】

を表す。
【0013】
好ましい実施形態は、式Iの化合物を提供し、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、C1〜4直鎖アルキル、または−C3〜6分岐アルキルを表し;
は、−C1〜4直鎖アルキル、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、−C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、−O−アルキル、−(CH1〜4−OH、または(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、C1〜4直鎖アルキル、−C3〜5分岐アルキル、ハロゲン、−(CH1〜4−OH、または(CH1〜3−OCOCHを表し;
は、−C1〜3直鎖アルキル、−C3〜5分岐アルキル、ハロゲン、−O−アルキル、−(CH1〜3−OH、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、または−(CH1〜3−OCOCHを表し;
は、CI−3直鎖アルキル、−C3〜5分岐アルキル、ハロゲン、−O−アルキル、−(CH1〜3−OH、−(CH1〜3O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、−C1〜3直鎖アルキル、または−C3〜5分岐アルキルを表し;
は、−(CH2〜4−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−C1〜3直鎖アルキル、C3〜5分岐アルキル、−(CH2〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、または−O−アルキルを表し;
l0は、−C1〜4直鎖アルキル、C3〜6分岐アルキル、または−O−アルキルを表し;
31は、H、または−(CH2〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CHを表し;そして
32は、H、または−(CH2〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CHを表す。
【0014】
別の好ましい実施形態は、式Iの化合物を提供し、ここで:
は、−CHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CH、または−Cを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
l0は、−CH、−C、または−OCHを表し;
31は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;
32は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0015】
さらなる好ましい実施形態は、式Iの化合物を提供し、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−CH、または−Cを表し;
は、−CH、または−Cを表し;
は、−CH、または−Cを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
l0は、−CH、−C、または−OCHを表し;
31は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;
32は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0016】
特に好ましい実施形態は、式Iの化合物を提供し、ここで:
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、−(CH−CHO)CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0017】
別の特に好ましい実施形態は、式Iの化合物を提供し、ここで:
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、−(CH−CHO)CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0018】
なお別の好ましい実施形態は、式Iの化合物を提供し、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
l0は、−Cを表し;
31は、−(CHOHを表し;
32は、−(CHOHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0019】
本発明の別の局面は、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療的有効量の、式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩形態を含有する薬学的組成物を提供する。本発明のこの局面の別の実施形態は、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療的有効量の式Iの化合物を含有する薬学的組成物、またはその薬学的に受容可能な塩形態を提供し、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CH、または−Cを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
10は、−CH、−C、または−OCHを表し;
31は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;
32は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0020】
本発明のこの局面のなお別の実施形態は、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療的有効量の式Iの化合物を含有する薬学的組成物を提供し、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−C、または−OCHを表し;
は、−CHを表し;
は、−CHを表し;
は、−C、または−OCHを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
10は、−CH、−C、または−OCHを表し;
31は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;
32は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0021】
本発明のこの局面のなお別の実施形態は、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療的有効量の式Iの化合物を含有する薬学的組成物を提供し、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;
32は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0022】
本発明のこの局面のなお別の実施形態は、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療的有効量の式Iの化合物を含有する薬学的組成物を提供し、ここで:
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132表し;
は、−C表し;
10は、−C表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、−(CH−CHO)CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0023】
本発明のこの局面のなお別の実施形態は、薬学的に受容可能なキャリアおよび治療的有効量の式Iの化合物を含有する薬学的組成物を提供し、ここで:
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、−(CH−CHO)CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0024】
本発明の別の局面は、宿主に治療的有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩形態を投与する工程を包含する、新生物を有する宿主を処置する方法を提供する。本発明のこの局面の別の実施形態は、宿主に治療的有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩形態を投与する工程を包含する、新生物を有する宿主を処置する方法を提供し、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CH、または−Cを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
l0は、−CH、−C、または−OCHを表し;
31は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;
32は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0025】
本発明のこの局面のなお別の実施形態は、宿主に治療的有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩形態を投与する工程を包含する、新生物を有する宿主を処置する方法を提供し、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−C、または−OCHを表し;
は、−CHを表し;
は、−CHを表し;
は、−C、または−OCHを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
10は、−CH、−C、または−OCHを表し;
31は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;
32は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0026】
本発明のこの局面のなお別の実施形態は、宿主に治療的有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩形態を投与する工程を包含する、新生物を有する宿主を処置する方法を提供し、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
l0は、−Cを表し;
31は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;
32は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0027】
本発明のこの局面のなお別の実施形態は、宿主に治療的有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩形態を投与する工程を包含する、新生物を有する宿主を処置する方法を提供し、ここで:
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、−(CH−CHO)CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0028】
本発明のこの局面のなお別の実施形態は、宿主に治療的有効量の式Iの化合物またはその薬学的に受容可能な塩形態を投与する工程を包含する、新生物を有する宿主を処置する方法を提供し、ここで:
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
l0は、−Cを表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、−(CH−CHO)CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【実施例】
【0029】
(実験)
(ジヒドロキシサフィリンの調製)
3Lの三つ口丸底フラスコに、TP4(963mg、2.0mmol)、3,4−ジエチルピロール(493mg、4.0mmol)、CHCl(2000mL)および磁気攪拌子を配置した。攪拌しながら、トリフルオロ酢酸(100mL)をフラスコに添加し、その反応混合物を室温で48時間攪拌した。次いで、この溶液にトリエチルアミン(180mL)を滴下した。生じた混合物をロータリーエバポレーターで、約500mLの体積まで濃縮し、次いで、分離漏斗を用いて水で3回(100mL、200mL、および200mL)抽出した。有機相(塩化メチレン溶液)を中性酸化アルミニウムカラムに直接ロードした。このカラムを、最初に1% MeOH/CHClで溶出し、赤色のバンド(ポルフィリン副生成物)を分離した。赤色のバンドが溶出した後、5% MeOH/CHClまで極性を増加し、緑色のバンド(サフィリン生成物)を溶出した。サフィリン画分を濃縮し、光沢のある青色の固体としてジヒドロキシサフィリンを得た(304mg、22%)。
【0030】
【化13】

(カルバメート連結テトラヒドロキシサフィリンの調製)
25mLのシュレンクチューブに、ビスヒドロキシプロピルサフィリン(100mg、0.145mmol)、N,N’−ジスクシニミジルカーボネイト(186mg、0.725mmol)および磁気攪拌子を配置した。この系を、減圧下で室温で2時間乾燥させた。Nの流れの下で、無水CHCl(5mL)およびジイソプロピルエチルアミン(DIEA、187mg、1〜45mmol)を添加した。この反応混合物を室温で4時間攪拌した。次いで、ジエタノールアミン(152mg、1〜45mmol、1mL CHClに溶解)を添加し、生じた混合物を、さらに1時間攪拌した。この反応混合物を濃縮し、油状の残留物を得た。これをシリカゲルカラム上でカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液:0.5% HOAcを含むCHCl中10〜15% MeOH)、青色の固体を生じた。次いで、この粗生成物を、1mLのMeOHと4mLのDI水の混合物に溶解し、SepPakにロードした。30mLのDI水で洗浄した後、この生成物のバンドを、2% HOAcを含有するMeOHで溶出した。このMeOH溶液の濃度は、テトラヒドロキシカルバメートサフィリン(モノアセテート形態、75mg、51%)を生じた。
【0031】
【化14】

以下の式Iの化合物を上記手順を用いて合成した:
(実施例1:)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CHOHを表し;
32は、−(CHOHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0032】
(実施例2:)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
l0は、−Cを表し;
31は、Hを表し;
32は、−C(CH−OH)を表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0033】
(実施例3:)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、Hを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0034】
(実施例4:)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−CH−(CHOCH4−5CH−O−CHを表し;
32は、Hを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0035】
(実施例5:)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、−(CH−CHO)CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0036】
(実施例6:)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、−(CH−CHO)CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0037】
(実施例7:)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CHOHを表し;
32は、−(CHOHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0038】
(実施例11)
は、−(CH−OHを表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−OHを表し;
は、−Cを表し;
l0は、−Cを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0039】
(実施例12)
は、−(CH−OHを表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−OHを表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0040】
(実施例22)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、Hを表し;
32は、−C(CH−OH)を表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0041】
(実施例23)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、Hを表し;
32は、−C(CH−OH)を表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0042】
(実施例24)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
l0は、−Cを表し;
31は、Hを表し;
32は、−C(CH−OH)を表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0043】
(実施例33)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、Hを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0044】
(実施例34)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、Hを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0045】
(実施例35)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、Hを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0046】
(実施例41)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−CH−(CHOCH4−5CH−O−CHを表し;
32は、Hを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0047】
(実施例42)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−CH−(CH−OCH4−5CH−O−CHを表し;
32は、Hを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0048】
(実施例43)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−CH−(CHOCH4−5CH−O−CHを表し;
32は、Hを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0049】
(実施例44)
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−CH−(CHOCH4−5CH−O−CHを表し;
32は、Hを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す。
【0050】
(材料および方法)
(細胞株、増殖条件および動物異種移植モデル)
全ての細胞株を、10%ウシ胎仔血清を含むRPMI1640中で増殖した。細胞を、100,000細胞/mlの密度で、サフィリンで24時間処理し、次いで、アポトーシスについて評価した。いくつかの細胞を、96時間まで培養し、次いで、コールターカウンターを用いて細胞を計数することにより増殖阻害を評価した。異種移植モデルについては、1000万のRamos細胞を、腫瘍移植の24時間前に3Gyで照射したCD−1ヌードマウスの右後部側腹部に皮下に、注入した。7日間後、マウスを、一日あたり2回の用量で、尾部静脈内に、サフィリンを投与した。何匹かの動物を次の日に屠殺し、腫瘍および脾臓における薬物の取り込み、腫瘍細胞の死滅および腫瘍細胞の培養の分析を行なった。
【0051】
(アポトーシスアッセイ)
アネキシン結合およびヨウ化プロピジウム排出を、Biosource(Camarillo、CA)の試薬を用いて製造業者のプロトコルに従ってアッセイした。
【0052】
カスパーゼ−3活性を、EnzChek Caspase−3 Assay Kit #2 (Molecular Probes、 Eugene、OR)を用いてアッセイした。細胞を回収し、冷PBS中でリンスし、溶解し、その後上清を定量した。細胞溶解物を、製造者のプロトコルに従って分析した。反応物を、Z−DEVD−R110(0.5mM)を含有する反応混合物中で室温で30分間インキュベートし、蛍光レベルを、蛍光プレートリーダーを用いて485nmの励起および510nmの発光で決定した。各細胞株について、測定した蛍光レベルを、未処理の細胞溶解物の蛍光レベルに対して標準化した。
【0053】
(ウエスタンブロッティング)
細胞を、氷上の3種類の界面活性剤の溶解緩衝液[100mM PMSFおよびプロテアーゼインヒビター混液を補充した50mM Tris−Cl(pH 8.0)、150mM NaCl、0.1% SDS、0.5% デオキシコール酸、1.0% NP−40]中で、10分間溶解した。10,000×gで10分間遠心後、上清のタンパク質量を定量し、等量のタンパク質を適切な濃度のSDSポリアクリルアミドゲル(Bio−Rad、Hercules、CA)上で分離した。ゲルを、Bio−Rad Semi−dry Transfer Cell(Bio−Rad、Hercules、CA)を用いて、ポリビニリデン二フッ化物膜に移した。教科書に定められた一次抗体およびアルカリホスファターゼ結合二次抗体を使用してウエスタンブロッティングを行なった。カスパーゼに対する抗体およびPARPは、それらのそれぞれの抗原(Cell Signaling Technologies、Beverly、MA)の全長形態および切断された形態を特異的に識別した。タンパク質のバンドを、ECF蛍光基質(Amersham Biosciences、Piscataway、NJ)を用いて検出した。ロードおよび転移を制御するために、全ての膜を抗チューブリン抗体(Sigma)でブロッティングした。バンドを画像化し、直線状の範囲で定量し、Typhoon 8600 Variable Mode Imager(Amersham Biosciences、Piscataway、NJ)を用いてチューブリンに対して標準化した。
【0054】
(結果)
(式Iの化合物の細胞毒性)
【0055】
【表1】

1 Back=バックグラウンド。
【0056】
2 Sat=飽和アッセイ条件:95%より高い死滅。
【0057】
3 ()内の数字は、GBに由来する死を示さない最も高い用量である。
【0058】
4 GI=コントロールの未処理の細胞と比較した、処理後96時間のサフィリン化合物による増殖阻害。
【0059】
以下のデータは、式I、実施例11の以下の化合物についてである:
【0060】
【化15】

(実施例11:サフィリンによるA549ヒト肺癌細胞生存の阻害)
A549ヒト肺細胞のクローン的生存を、細胞培養条件下でサフィリンの活性を評価するために使用した。15% ウシ胎仔血清を補充したRPMI培地中で、A549細胞(フラスコあたり7.5×10細胞)を、一晩T−25フラスコに付着させた。DMSO中5mMのサフィリンストック溶液を添加し、図1に示す最終サフィリン濃度にした。培養を、37℃で、5% CO/95%空気雰囲気下で24時間インキュベートした。培養物を、ハンクス平衡塩溶液(HBSS)を用いて1度洗浄し、HBSS中の0.05% w/v トリプシン、0.5mM EDTA溶液を添加して細胞懸濁液を形成した。15%ウシ胎仔血清を補充したRPMI培地を添加することにより、トリプシンを阻害し、その細胞懸濁液を遠心管に移し、その遠心管を500×gで5分間遠心した。生じた細胞ペレットを新鮮な培地に再懸濁し、コールターカウンターを用いて計数した。細胞を、T−25フラスコ中で、15%ウシ胎仔血清を補充した7mLのRPMI培地中で継代培養した。フラスコを、37℃で、5%CO2/95%空気雰囲気下で12日間インキュベートし、その後すぐ培地を除去し、細胞のコロニーを、2−プロパノール(7mL)を20分間にわたって添加することにより固定した。2−プロパノールを除去し、このフラスコを水で3回リンスし、コロニーを1%水性クリスタルバイオレット溶液で20分間染色した。クリスタルバイオレットを除去し、フラスコを水で3回リンスし(3×7mL)、次いで、風乾させた。コロニーを、低倍率の顕微鏡を用いて計数した。実施例11に対する用量反応を観察した。
【0061】
【化16】

(実施例12の細胞毒性)
細胞毒性を、アネキシンV染色およびカスパーゼ活性をアポトーシスのマーカーとして使用して評価した。細胞株を、10%の熱不活性化したウシ胎仔血清を含むRPMI1640中で増殖させた。実施例12を、細胞培養物に、100nM〜5μMの範囲の濃度で添加した。
【0062】
カスパーゼ−3活性を、EnzChek Caspase−3 Assay Kit #2(Molecular Probes、Eugene、OR)を用いてアッセイした。細胞溶解物を製造者のプロトコルに従って分析した。各細胞株について、測定した蛍光レベルを、未処理の細胞溶解物の蛍光レベルに対して標準化した。
【0063】
細胞を溶解し、上清のタンパク質量を定量し、等量のタンパク質を適切な割合のSDSポリアクリルアミドゲル(Bio−Rad、Hercules、CA)上で分離した。ゲルを、ポリビニリデン二フッ化物膜に移し、図に指定した一次抗体およびアルカリホスファターゼ結合二次抗体を使用してウエスタンブロッティングを行なった。カスパーゼに対する抗体およびPARPは、それらのそれぞれの抗原(Cell Signaling Technologies、Beverly、MA)の全長形態および切断された形態を特異的に識別した。タンパク質のバンドを、ECF蛍光基質(Amersham Biosciences、Piscataway、NJ)を用いて検出した。ロードおよび転移を制御するために、全ての膜を抗チューブリン抗体(Sigma)または抗アクチン抗体(Santa Cruz Biotechnolory,Inc.)でブロッティングした。バンドを画像化し、直線状の範囲で定量し、Typhoon 8600 Variable Mode Imager(Amersham Biosciences、Piscataway、NJ)を用いてチューブリンまたはアクチンに対して標準化した。
【0064】
(実施例5に対する細胞毒性)
腫瘍異種移植研究を、後部側腹部に注入したRamosリンパ腫細胞(1×10細胞)を用いて、照射したCD−1ヌードマウスにおいて行なった。尾部静脈内へのサフィリン注入を、プロトコルの9日目および10日目に行い、11日目に腫瘍を回収した。薬物取り込み(Becton Dikinson FACSCalibur)、アネキシンV染色およびカスパーゼ−3活性アッセイを新鮮な腫瘍に対して行なった。次いで、腫瘍細胞を培養し、アネキシンV結合を評価し、増殖をモニタリングするために計数した。薬物取り込みをまた、LI−COR Odysseyスキャナーを用いて近赤外蛍光によりモニタリングした。実施例5の化合物をまた、最少疾患モデル(2用量の実施例5、腫瘍移植の3日後)および確立した腫瘍モデル(2用量の実施例5、腫瘍移植の7日後および8日後、腫瘍が明確になった時)の両方において、腫瘍増殖の遅延について評価した。腫瘍の大きさを、少なくとも隔日に測定した。腫瘍の体積を、半楕円体の構造を想定して:V=π/6×長さ×幅×高さにより計算した。
【0065】
(定義)
本明細書中で使用される場合、以下の用語は、それぞれ定義した意味を有することが意図される。
【0066】
アルキル:用語「アルキル」は、本明細書中で使用される場合、4個までの炭素原子を有する直鎖アルキル基および6個までの炭素原子を有する分岐アルキル基を含むことを意図する。このような基を例証する例は、メチル、エチル、ブチル、イソプロピル、イソブチル、イソペンチルなどである。
【0067】
薬学的に受容可能な塩:用語「薬学的に受容可能な塩」とは、生物学的有効性および本発明の化合物の特性を保持し、生物学的にか、もしくは他の点で望ましい塩をいう。多くの場合、本発明の化合物は、アミノ基および/もしくはカルボキシル基またはそれらに類似した基の存在によって酸性塩および/または塩基性塩を形成し得る。薬学的に受容可能な塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基から調製され得る。無機塩基に由来する塩としては、ほんの一例として、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩が挙げられる。有機塩基由来の塩としては、第1級アミン、第2級アミンおよび第3級アミン(例えば、アルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、置換アルキルアミン、ジ(置換アルキル)アミン、トリ(置換アルキル)アミン、アルケニルアミン、ジアルケニルアミン、トリアルケニルアミン、置換アルケニルアミン、ジ(置換アルケニル)アミン、トリ(置換アルケニル)アミン、シクロアルキルアミン、ジ(シクロアルキル)アミン、トリ(シクロアルキル)アミン、置換シクロアルキルアミン、ジ置換シクロアルキルアミン、トリ置換シクロアルキルアミン、シクロアルケニルアミン、ジ(シクロアルケニルアミン)、トリ(シクロアルケニル)アミン、置換シクロアルケニルアミン、ジ置換シクロアルケニルアミン、トリ置換シクロアルケニルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、トリアリールアミン、ヘテロアリールアミン、ジヘテロアリールアミン、トリヘテロアリールアミン、複素環式アミン、ジ複素環式アミン、トリ複素環式アミン、混合したジアミンおよびトリアミンであって、ここで、アミン上の置換基の少なくとも二つは、異なっていて、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、複素環などからなる群より選択される、混合したジアミンおよびトリアミン)が挙げられるが、これらに限定されない。2個または3個の置換基がアミノ基の窒素と一緒になって複素環式基またはヘテロアリール基を形成するアミンもまた含まれる。
【0068】
薬学的に受容可能な酸付加塩は、無機酸および有機酸から調製され得る。使用され得る無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。使用され得る有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。
【0069】
このような薬学的に受容可能な塩の例は、ヨウ化物、アセテート、フェニルアセテート、トリフルオロアセテート、アクリレート、アスコルベート、ベンゾエート、クロロベンゾエート、ジニトロベンゾエート、ヒドロキシベンゾエート、メトキシベンゾエート、メチルベンゾエート、o−アセトキシベンゾエート、ナフタレン−2−ベンゾエート、臭化物、イソブイチレート、フェニルブチレート、g−ヒドロキシブチレート、b−ヒドロキシブチレート、ブチン−1〜4−ジオエート、ヘキシン−1〜4−ジオエート、ヘキシン−1〜6−ジオエート、カプロエート、カプリレート、クロライド、シンナメート、シトレート、デカノエート、ホルメート、フマレート、グリコレート、ヘプタノエート、ヒップレート、ラクテート、マレート、マレエート、ヒドロキシマレエート、マロネート、マンデレート、メシレート、ニコチネート、イソニコチネート、ニトレート、オキサレート、フタレート、テレフタレート、ホスフェート、モノハイドロジェンホスフェート、ジハイドロジェンホスフェート、メタホスフェート、ピロホスフェート、プロピオレート、プロピオネート、フェニルプロピオネート、サリチレート、スクシネート、サルフェート、ビサルフェート、ピロサルフェート、ビスルファイト、スルホネート、ベンゼンスルホネート、p−ブロモフェニルスルホネート、クロロベンゼンスルホネート、プロパンスルホネート、エタンスルホネート、2−ヒドロキシエタンスルホネート、メタンスルホネート、ナフタレン−1−スルホネート、ナフタレン−2−スルホネート、p−トルエンスルホネート、キシレンスルホネート、タータレートおよび式Iの化合物の塩である。
【0070】
「薬学的に受容可能な」によってまた、式Iの化合物を含有する処方物中で、キャリア、希釈剤、賦形剤および塩が、処方物の他の成分と適合性でなければならず、レシピエントに対して有害であってはならないことが意味される。
【0071】
プロドラッグ:「プロドラッグ」は、代謝的に切断され得る基を有し、加溶媒分解により、または生理学的条件下で、インビボで薬学的に活性である本発明の化合物になる、本発明の化合物の誘導体である。例えば、本発明の化合物のエステル誘導体は、多くの場合インビボでは活性であるが、インビトロでは活性ではない。本発明の化合物の他の誘導体は、酸形態および酸誘導体形態の両方において活性を有するが、酸誘導体形態は、多くの場合、溶解性、組織適合性または哺乳動物の器官における遅延放出の利点を有する(Bundgard、H.、Design of Prodrugs、pp.7−9、21−24、Elsevier、Amsterdam 1985を参照のこと)。プロドラッグとしては、当業者に周知の酸誘導体(例えば、親酸の適切なアルコールとの反応により調製されたエステル、または親酸化合物のアミンとの反応により調製されたアミド)が挙げられる。本発明の化合物に付随する酸性基由来の単純な脂肪族エステルまたは芳香族エステルは、好ましいプロドラッグである。いくつかの場合において、二重エステル型プロドラッグ(例えば、(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステル)を調製することが望ましい。
【0072】
治療的有効量:用語「治療的有効量」とは、本明細書中で使用される場合、安全かつ必要な治療効果を生じる薬物の量をいう。この量は、動物宿主およびヒト宿主における安全性研究、ならびに動物宿主およびヒト宿主における有効性研究により決定され得る。このような研究のための手順は、当業者に周知である。
【0073】
ハロゲン:用語「ハロゲン」とは、Cl、Br、Iおよび/またはFを表す。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図11】図11は、細胞死に対して試験した場合のリンパ腫細胞株、白血病細胞株、および骨髄腫細胞株に対する1μMの実施例12の効果を示す。実施例12の化合物の添加は、試験した細胞株における細胞死の少なくとも5倍の増加を引き起こす。
【図12】図12は、Ramos異種移植細胞に添加した場合の式Iの種々のサフィリンの効果を示す。腫瘍細胞を動物から抽出し、細胞死に関して試験した。実施例5の化合物が、このモデルにおいて、最も細胞死を引き起こした。
【図13】図13は、48時間のインキュベーション後のRamos細胞株における実施例12の用量反応を示す。実施例12の量の増加は、細胞死の増加を引き起こす。
【図14】図14は、8時間のインキュベーション後のRamos細胞株における実施例12の用量反応を示す。実施例12の量の増加は、細胞死の増加を引き起こす。
【図15】図15は、種々のサフィリンをRamos細胞に添加した場合の細胞死を引き起こす効果を示す。添加した量は、それぞれ1μMであり、実施例5は2〜4時間後に大部分に細胞死をもたらすことを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物、その薬学的に受容可能な塩およびそれらのプロドラッグであって、ここで:
は、−(CH1〜4−O−C(=O)−NR3132、−(CH1〜4−X−CH−O−(CHCHO)0〜3CH、−C1〜4アルキル、−(CH1〜4−R21、H、−R21、または−(CH1〜4−OHを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、または−C3〜6分岐アルキルを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、−NO、−CN、O−アルキル、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、−(CH1〜4OH、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−O−アルキル、−(CH1〜4−OH、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2CH、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、−NO、−CN、−O−アルキル、−(CH1〜4−OH、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、H、C1〜4直鎖アルキル、C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、NO、−CN、O−アルキル、−(CH1〜4−OH、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、H、−C1〜4直鎖アルキル、または−C3〜6分岐アルキルを表し;
は、−(CH1〜4−X−CH−O−(CHCHO)0〜3−CH、−C1〜4アルキル、−(CH1〜4−R21、−R21、H、−(CH1〜4−O−C(=O)−NR3132、または(CH1〜4−OHを表し;
は、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、H、−O−C1〜4−アルキル、−O−C3〜6分岐アルキル、または−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CHを表し;
l0は、H、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、−O−C1〜4−アルキル、または−O−C3〜6分岐アルキルを表し;
Xは、−OCOCH−、−OC−、−NHCO−、−OCONHCH、−NHCOCH−、−NHCONHCH−、または−NHCH−を表し;
21、R22、R23、R24、およびR25は、各出現例において独立に、H、−CHOH、−CHNH、−CHN(COH)、−COOH、−CON(COH)、−OCON(COH)、−NHCON(COH)、および−O(CHCHO)0〜3CHから選択され;
31は、H、−(CH1〜6OH、C((CH1〜4OH)、−C((CH1〜4O−アルキル)、−(CH1〜6O−アルキル、または−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CHを表し;
32は、H、−(CH1〜6OH、−C((CH1〜4OH)、−C((CH1〜4O−アルキル)、−(CH1〜6O−アルキル、または−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CHを表し;
33は、H、−C1〜4アルキル、−O−C1〜4−アルキル、−O−C3〜6分岐アルキル、または
【化2】

を表し;
36は、Hまたは−C1〜4アルキルを表し;
37は、Hまたは−Cl〜4アルキルを表し;
41は、Hまたは−C1〜4アルキルを表し;そして、
44は、H、−C1〜4アルキル、−O−C1〜4アルキル、または、
【化3】

を表す、化合物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−C1〜4直鎖アルキル、または−C3〜6分岐アルキルを表し;
は、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、ハロゲン、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、−O−アルキル、(CH1〜4−OH、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜5分岐アルキル、ハロゲン、−(CH1〜4−OH、または−(CH1〜3−OCOCHを表し;
は、−C1〜3直鎖アルキル、−C3〜5分岐アルキル、ハロゲン、−O−アルキル、−(CH1〜3−OH、−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、または−(CH1〜3−OCOCHを表し;
は、−C1〜3直鎖アルキル、−C3〜5分岐アルキル、ハロゲン、−O−アルキル、−(CH1〜3−OH、−(CH1〜3O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、または−(CH1〜4−OCOCHを表し;
は、−C1〜3直鎖アルキル、または−C3〜5分岐アルキルを表し;
は、−(CH2〜4−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−C1〜3直鎖アルキル、−C3〜5分岐アルキル、−(CH2〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CH、または−O−アルキルを表し;
10は、−C1〜4直鎖アルキル、−C3〜6分岐アルキル、または−O−アルキルを表し;
31は、H、または−(CH2〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CHを表し;そして
32は、H、または−(CH2〜4O−(CH1〜4O−(CH1〜4O−(CH0〜2−CHを表す、化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物であって、ここで:
は、−CHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CH、または−Cを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
10は、−CH、−C、または−OCHを表し;
31は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;
32は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す、化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物であって、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−CH、または−Cを表し;
は、−CH、または−Cを表し;
は、−CH、または−Cを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
l0は、−CH、−C、または−OCHを表し;
31は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;
32は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す、化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物であって、ここで:
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、−(CH−CHO)CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す、化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物であって、ここで:
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH1〜3−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
l0は、−Cを表し;
31は、−(CH−CHO)CHを表し;
32は、−(CH−CHO)CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す、化合物。
【請求項7】
請求項1に記載の化合物であって、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CHOHを表し;
32は、−(CHOHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す、化合物。
【請求項8】
式I:
【化4】

の化合物であって、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CH、または−Cを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
l0は、−CH、−C、または−OCHを表し;
31は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;
32は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す、化合物。
【請求項9】
式I:
【化5】

の化合物であって、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−C、または−OCHを表し;
は、−CHを表し;
は、−CHを表し;
は、−C、または−OCHを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CH、−C、または−OCHを表し;
l0は、−CH、−C、または−OCHを表し;
31は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;
32は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す、化合物。
【請求項10】
式I:
【化6】

の化合物であって、ここで:
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−CHを表し;
は、−Cを表し;
は、−CHを表し;
は、−(CH−O−C(=O)−NR3132を表し;
は、−Cを表し;
10は、−Cを表し;
31は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;
32は、−(CH−O−(CH−O−(CH−O−CHを表し;そして
33、R36、R41およびR44は、Hを表す、化合物。
【請求項11】
薬学的に受容可能なキャリアと治療的有効量の請求項1に記載の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩形態とを含有する、薬学的組成物。
【請求項12】
薬学的に受容可能なキャリアと治療的有効量の請求項8に記載の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩形態とを含有する、薬学的組成物。
【請求項13】
薬学的に受容可能なキャリアと治療的有効量の請求項9に記載の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩形態とを含有する、薬学的組成物。
【請求項14】
薬学的に受容可能なキャリアと治療的有効量の請求項10に記載の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩形態とを含有する、薬学的組成物。
【請求項15】
薬学的に受容可能なキャリアと治療的有効量の請求項5に記載の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩形態とを含有する、薬学的組成物。
【請求項16】
薬学的に受容可能なキャリアと治療的有効量の請求項6に記載の化合物もしくはその薬学的に受容可能な塩形態とを含有する、薬学的組成物。
【請求項17】
新生物を有する宿主を処置する方法であって、該宿主に、請求項1に記載の式Iの化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項18】
新生物を有する宿主を処置する方法であって、該宿主に、請求項5に記載の式Iの化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項19】
新生物を有する宿主を処置する方法であって、該宿主に、請求項6に記載の式Iの化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項20】
新生物を有する宿主を処置する方法であって、該宿主に、請求項8に記載の式Iの化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項21】
新生物を有する宿主を処置する方法であって、該宿主に、請求項9に記載の式Iの化合物を投与する工程を包含する、方法。
【請求項22】
新生物を有する宿主を処置する方法であって、該宿主に、請求項10に記載の式Iの化合物を投与する工程を包含する、方法。

【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2006−522156(P2006−522156A)
【公表日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509717(P2006−509717)
【出願日】平成16年4月5日(2004.4.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/010481
【国際公開番号】WO2004/089300
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【出願人】(397053650)ファーマサイクリックス,インコーポレイテッド (2)
【出願人】(591217403)ボード オブ リージェンツ, ザ ユニバーシティ オブ テキサス システム (49)
【氏名又は名称原語表記】BOARD OF REGENTS,THE UNIVERSITY OF TEXAS SYSTEM
【出願人】(505365323)
【出願人】(505365367)
【出願人】(505365301)
【Fターム(参考)】