説明

サブLSBを用いた拡張デジタルデータ路構造

【課題】画像処理データ路における誤差の低減及び列固定パターン雑音を補正したイメージセンサ装置を提供する。
【解決手段】画像処理データ路に可変バスビット幅を採用し、デジタル利得値にかかわらず高精度の出力を発生させることができ、さらにデータ路中に列固定パターン雑音補正ブロック及びデジタル利得処理ブロックを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、改善した半導体撮像装置に関するものであり、特に画質を改善したイメージャに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体産業では現在、電荷結合装置(CCD)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)装置、ホトダイオードアレイ、電荷注入装置、ハイブリッド焦平面アレイ等のような種々の半導体主体のイメージャが用いられている。
【0003】
イメージャとしても知られたソリッドステートイメージセンサは、主としてテレビジョン画像収集、転送及び表示のために1960年代後半から1970年代前半にかけて開発された。イメージャは(光子、X線等のような)特定の波長の入射光を吸収し、この吸収した光に対応する電気信号を発生する。半導体を主体とする多数の異なる種類のイメージャがあり、これらにはCCD、フォトダイオード、電荷注入素子(CID)、ハイブリッド焦平面アレイ及びCMOSイメージャが含まれる。ソリッドステートイメージャの現在の適用分野には、カメラ、スキャナ、マシンビジョンシステム、ビークルナビゲーションシステム、テレビジョン電話、コンピュータ入力装置、監視システム、オートフォーカスシステム、スタートラッカー、動き検出システム、画像安定化システム及びその他の画像を主体とするシステムが含まれる。
【0004】
これらのイメージャはフォトセンサを含むピクセルのアレイより成っており、各ピクセルは、像がこのアレイ上に集束された際に当該ピクセルに入射する光の強度に対応する信号を生じる。これらの信号は、例えば、対応する画像をモニタ、又は光学像に関する情報を生ぜしめるのに用いるその他の装置に表示するのに用いることができる。フォトセンサは代表的に、フォトゲート、フォトトランジスタ、光導電体又はフォトダイオードであり、フォトセンサの導電率又は拡散領域に蓄積される電荷はフォトセンサに入射される光の強度に対応する。従って、各ピクセルにより生ぜしめられる信号の大きさはフォトセンサに入射される光の量に比例する。
【0005】
CMOSアクティブピクセルセンサ(APS)撮像装置は当該技術分野において知られている。これらの撮像装置は、行及び列に配置されて光エネルギーを電気信号に変換するピクセルのアレイを有している。各ピクセルは、光導電体と1つ以上のアクティブトランジスタとを有する。トランジスタは、電気信号をピクセルから出力させる以外に、増幅、読出し制御及びリセット制御を行う。
【0006】
CCD技術は広く用いられている一方、CMOSイメージャは低価格の撮像装置として益々用いられるようになってきている。ピクセルアレイをこれと関連する処理回路と一緒に高度に集積化しうる完全にコンパチブルなCMOSセンサの技術は多くのデジタルイメージャ分野にとって有利なものである。
【0007】
CMOSイメージャ回路はピクセルの焦平面アレイを有し、各ピクセルは、光発生電荷を基板の一部に蓄積するための光変換装置、例えば、フォトゲート、光導電体、フォトトランジスタ又はフォトダイオードを有している。各ピクセルには読出し回路が接続されており、この読出し回路は少なくとも1つの出力トランジスタを有し、この出力トランジスタは、ドーピングされた拡散領域から光発生電荷を受けて出力信号を生じ、この出力信号がピクセルアクセストランジスタを介して周期的に読出される。任意ではあるが、電荷を光変換装置から拡散領域に転送するためのトランジスタをイメージャに設けることができ、或いは拡散領域を光変換装置又はその一部に直接接続することができる。又、代表的には、拡散領域が光変換電荷を受ける前に、この拡散領域を、予め決定した電荷レベルにリセットするためのトランジスタが設けられている。
【0008】
CMOSイメージャにおいては、ピクセルのアクティブ素子が以下の(1)〜(6)の必要な機能を実行する。
(1)光子‐電荷変換
(2)画像電荷の蓄積
(3)電荷増幅により達成される浮遊拡散領域への電荷の転送
(4)浮遊拡散領域の、既知の状態へのリセット
(5)読出しのためのピクセルの選択
(6)ピクセル電荷を表わす信号の出力及び増幅
光電荷は、最初の電荷蓄積領域から浮遊拡散領域へ移動する際に増幅しうる。浮遊拡散領域における電荷は、代表的には、ソースホロワ出力トランジスタにより出力電圧に変換される。
【0009】
デジタル出力CMOSイメージャは、上述した機能(1)〜(6)により得られたデータピクセルをデジタル化する多数のアナログ‐デジタル変換器(ADC)を有する。このようなCMOSイメージャは一般に、ADCに続いて、雑音の低減化、黒レベル補償、各種フォーマットの出力等のためのデジタルデータ路を有する。通常のイメージセンサ装置の画像処理用のデータ路を図1に示す。通常のイメージセンサ装置では、画像処理データ路における各機能ブロックが固定のビットバス幅を有するバスを介して通信を行う。データはNビットのデータ幅を保って図1で左側から右側に向けて処理される。Nは、イメージセンサ装置に用いられるアナログ‐デジタル変換器(ADC)の解像度によって決められる。例えば、12ビットのADCを用いるイメージセンサは12ビットのバス幅(すなわち、N=12)を有する。
【0010】
図1から明らかなように、アナログ‐デジタル変換後にデジタルデータがNビット幅のデータ路11で受信され、画像が処理ブロック10でディザリング処理される。中間調化又は減色化とも称されるこのディザリング処理は、画像の色数よりも少ない色数を有する表示装置において画像をレンダリングする周知の処理である。画像中の、又はこの画像を表示するのに用いる装置における異なる色の個数を色解像度と称する。ディザリング処理は画像中の異なる色のピクセルを散乱させ、色彩が制限された画像にあたかも中間色があるかのようにする。
【0011】
データは次に、Nビット幅のデータ路13を介して欠陥補正処理ブロック12に供給され、ここで画像データにおけるいかなる欠陥も補正される。欠陥補正は、ピクセル欠陥(すなわち、不連続に孤立して現われる暗又は明ピクセル)を隣接のピクセルデータと置き換えてピクセルデータ中のいかなる欠陥も補正する処理である。
【0012】
データは他のNビット幅のデータ路15を経て送られる。データ中のいかなる列固定パターン雑音も、列固定パターン雑音補正処理ブロック18において、オフセットRAM16に記憶されている列固定パターン校正値14と比較される。データは次に、Nビット幅のデータ路17を経て行固定パターン雑音処理ブロック20に送られる。データは次に、他のNビット幅のデータ路19を経てデジタル利得処理ブロック22に送られる。
【0013】
データにデジタル利得を与えた後、このデータはNビット幅のデータ路21を介して列ビニング処理ブロック24に送られる。ビニング処理は、複数のピクセルの電荷を蓄積又は補間し、これらを一度の処理で読出すことである。ビニング処理を読出し回路に導入することにより、アリアジング現象を最小にする種々の副解像度処理を実行しうる。ビニング処理は、文献“IEEE Electronic Devices ”(1997年10月発行)の1764〜1768頁に記載された論文“Frame-Transfer CMOS Active Pixel Sensor with Pixel Binning”(Z. Zhou 氏著)に記載された処理(これに限定されるものではない)を含む適切ないかなる技術をも用いて達成しうる。この文献は参考のために記載したものである。データは最後に、Nビット幅のデータ路23を介して出力される。
【0014】
画像処理データ路全体に亘ってバス幅が固定であるという部分的な理由で、上述した構造を用いたイメージセンサ装置は画像処理に計算誤差を導入する。ビットバス幅が固定である為、データに切り捨て処理を行う必要があり、イメージセンサ装置から発生されたデータの小数部分が各処理ブロックにおける計算後に失われる。データを増幅すると、データの小数部分の損失が大きくなる。撮像処理の“デジタル利得”処理中にデータが“G”倍に増幅されると、累積誤差がデジタル利得倍される。デジタル利得Gは、代表的には8又は16としうる。イメージセンサ装置においては、デジタルデータの最下位ビット(LSB)から2番目又は3番目程度のビットの差であっても、画質の違いとして目についてしまう。
【0015】
図2は、図1に応じ16倍の増幅率Gで画像処理する場合のデータ路により生ぜしめられる誤差を示す。この図から明らかなように、図1によるデータ路中の誤差は、デジタル利得からの出力(水平ライン)と理想的なリニア曲線との間の差である。図2は、“G・x”と“G・xの実数部分”との間の差を示している。ここで、xはデジタル利得処理ブロックへの入力データである。y軸の目盛りは、16倍に増幅した場合のものである。
【0016】
従って、画質を改善した撮像装置が必要となる。イメージセンサ装置の画像処理データ路における計算誤差を低減させる方法も必要となる。
【発明の開示】
【0017】
本発明は、イメージセンサ装置の画像処理データ路における誤差を低減させるイメージャ方法及び装置を提供する。
【0018】
本発明は、画像処理データ路における必要な最小バスビット幅を有するイメージャ装置を提供する。本発明は更に、デジタル利得値にかかわらず高精度の出力を生じるイメージャ方法及び装置を提供する。本発明は更に、全てのセンサが列固定パターン雑音補正されるとともにこれらのデータ路にデジタル利得を有する場合に採用しうるイメージャ装置を提供する。
【0019】
本発明の更なる利点及び特徴は、本発明の好適実施例を示す図面を用いた以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【0020】
以下の詳細な説明では、その説明の一部を成すとともに、本発明を実施しうる特定例を例示する添付図面を参照する。これらの実施例は、当業者が本発明を実施しうるように充分詳細に説明するが、他の例も用いうることを理解すべきであり、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、構造的、論理的及び電気的な変更を施しうるものである。説明する処理工程の順序は本発明の実施例の典型的なものであり、ここに説明するものに限定されず、必ずある順序にする必要がある工程を除いて当該技術分野で既知のように変更させることができるものである。
【0021】
又、本発明をCMOSイメージャにつき説明するが、本発明はいかなる種類のイメージャのデジタルデータ路や、性能を最適化するために雑音を低くする必要があるいかなるマイクロ電子又はマイクロオプティカル装置のデータ路にも適用しうることを理解すべきである。
【0022】
図面を参照するに、同様な素子には同じ符号を付してある。
【0023】
本発明のいかなる実施例も利用しうる代表的なCMOSイメージャ200を示す図3を参照する。このイメージャ200は、当業者にとって明らかなようにピクセルを有するピクセルアレイ205を具えている。行ラインは、行アドレスデコーダ220に応答して行ドライバ210により選択的に動作させられる。イメージャ200には列ドライバ260及び列アドレスデコーダ270も設けられている。イメージャ200は、アドレスデコーダ220及び270を制御するタイミング兼制御回路250により動作させられる。この回路250は行ドライバ回路210及び列ドライバ回路260をも制御する。
【0024】
列ドライバ260と関連するサンプル‐ホールド(S/H)回路261が、選択されたピクセルに対しピクセルリセット信号VRST及びピクセル画像信号VSIGを読出す。各ピクセルに対し差動増幅器(AMP)262が差信号(VRST−VSIG)を増幅し、この差信号がアナログ‐デジタル変換器(ADC)275によりデジタル化される。このアナログ‐デジタル変換器275がこのデジタル化された信号を画像処理プロセッサ280に供給し、この画像処理プロセッサがデジタル画像を形成する。
【0025】
ハードウエア又はソフトウェア或いはこれらの双方の混合体の形態にしうる画像処理プロセッサ280内には画像処理プロセッサデータ路がある。ここで、本発明の代表的な実施例による画像処理データ路を示す図4を参照する。この図から明らかなように、アナログ‐デジタル変換後に、デジタル画像データがNビット幅のデータ路111を経て受信され、欠陥補正処理ブロック112に供給され、ここでデジタル画像データにおけるいかなる欠陥も補正される。欠陥補正は、前述したように、ピクセル欠陥(すなわち、不連続に孤立して現われる暗又は明ピクセル)を隣接のピクセルデータと置き換えてピクセルデータ中のいかなる欠陥も補正することである。
【0026】
次に、データはNビット幅のデータ路113を経てディザリングブロック110に送られる。データはここでディザリング処理された後、Nビット幅のデータ路115を経て、列固定パターン雑音補正処理ブロック118に送られる。この列固定パターン雑音補正処理ブロック118においては、画像データにおけるいかなる列固定パターン雑音も、オフセットRAM116に記憶されている列固定パターン校正値114と比較される。次に、データはN+Mのビット幅のデータ路117を経て行固定パターン雑音補正処理ブロック120に送られる。次に、データはN+Mのビット幅のデータ路119を経て列ビニング処理ブロック124に送られる。ビニング処理後、データはN+Mのビット幅のデータ路121を経てデジタル利得処理ブロック122に送られ、ここでデジタル利得が与えられる。最後に、データはNビット幅のデータ路123を経て出力される。
【0027】
N+Mのビット幅のデータ路117、119及び121における増大させたMビット部分は、従来技術では切り捨てられた画像データの小数部分を表わす。以下に説明するように、“M”は数式により計算され、N+Mのビット幅のデータ路117、119及び121は、最大のデジタル利得が与えられた場合でも、画像処理プロセッサ280が計算誤差を1LSB内に制限しうるようにする。
【0028】
いずれのイメージセンサ装置でも、デジタル利得は必須機能である。更に、列固定パターン雑音補正は、特に列並列センサに対し必須機能である。列固定パターン雑音補正は、利得増幅器とADCとの間のレベル差が小さいことにより生じる行順次のオフセットを補正する。この補正を行わないと、画像には、雑音によって縦方向のストライプが生じるおそれがある。
【0029】
しかし、この列固定パターン雑音補正は画像データの小数部分を有するオフセットデータを用いているが、従来の列固定パターン雑音補正(図1の18)はデータの整数部分のみを出力する。従って、従来の列固定パターン雑音補正は誤差源を生じるものである。誤差量は、列固定パターン雑音補正からのデータの小数部分の切り捨て量に依存する。
【0030】
補正前は、各列オフセット値が列固定パターン雑音校正処理ブロック114により校正され、オフセットRAM116に記憶される。この列固定パターン雑音校正処理ブロック114は既知のレベルデータを複数回サンプリングする(その理由は、サンプリングされたデータの蓄積がサンプリングの回数に依存する正確な平均を生じる為である)。誤差はX回のサンプリングで
【数1】

となる。
【0031】
例えば、16回サンプリングを行うことにより、小数点以下2ビットを有する平均値を生じる。
【数2】

【0032】
従来のデータ路構造(図1)は、列固定パターン雑音校正処理ブロック14が既知のレベルデータを128回サンプリングすると、列固定パターン補正処理ブロック18において、データの切り捨てにより正しいデータの小数点以下3ビットまで失う。このデータ損失は、主として、後にデジタル利得処理ブロック22を経て処理されてデジタル利得による大きな計算誤差を生ぜしめるおそれのあるデータビットの切り捨て処理によるものである。
【0033】
列固定パターン雑音補正を適用する前にデジタル利得をデータに与え、従って、このデジタル利得が与えられたデータを記憶する大きな追加のメモリを必要とする従来の構造と相違して、本発明による構造では、このような追加のメモリを必要としない。
【0034】
N+Mのビット幅のデータ路117、119及び121における追加のMデータビットは、
M=int(log2 (Gmax ))+C
として規定される。
【0035】
M= int( log2 (Gmax ))は( log2 (Gmax ))の整数部分であり、Gmax はデジタル利得処理ブロック122における最大利得であり、Cはバス拡張領域における処理に依存する計算マージンである。本発明によれば、最初の値の8倍までのデジタル利得を有するイメージセンサの場合、Cを1に設定すると、Mは4である。ビット幅Mを大きくすることにより、出力の精度に対し問題を生ぜしめないが、特定のイメージセンサに対しては、処理に必要な大きさの範囲内でMを小さくするのが、領域を増大させる理由から好ましいことである。すなわち、イメージセンサにおけるあらゆるデータ路に対し単に、均一に大きなビット幅のバスラインを形成することは便利なことではない。その理由は、このようにすると、基礎的な装置があまりにも大きくなりすぎる為である。
【0036】
最終的な誤差を1LSBよりも小さくするために、列固定パターン雑音校正におけるサンプル数は下限値Xmin を有する。最小サンプル数“Xmin ”は、
min =4Mmin
として規定される。ここで、
min = int( log2 (Gmax ))
である。
【0037】
図5は、デジタル利得Gを16倍増幅するために、追加の4ビットバス部分(M=4)を有する画像処理のためのデータ路に対する誤差を示す。この図5から明らかなように、誤差はデジタル利得処理ブロックからの出力と理想的なリニア曲線との間の差である。図5は、“G・x”と“G・xの整数部分”との差を示している。ここで、xはデジタル利得処理ブロックへの入力データである。y軸の目盛りは、16倍に増幅した場合のものである。
【0038】
次に、本発明による代表的な実施例を示す図6を参照する。図6では、N+Mのビット幅のデータ路117、119及び121における追加のデータビットMは4であり、このことは、データ路111、113及び115が12ビットデータ路であるが、バスデータ路117、119及び121は16ビット路であることを意味する。
【0039】
図7は、Gmax 、Xmin 及びMの相互間の関係を示している。この図において、“―”は、組み合わせが誤差を1LSBよりも小さくしえないことを意味し、Cは計算マージンである。
【0040】
本発明による画像処理データ路を有するCMOSイメージャ227を用いる代表的なプロセッサシステム300を図8に示す。プロセッサを主体とするシステムは、CMOS又はその他のイメージャ装置を含みうるデジタル回路を有するシステムの代表的なものである。このようなシステムには、コンピュータシステム、カメラシステム、スキャナ、マシンビジョンシステム、ビークルナビゲーションシステム、テレビジョン電話、監視システム、オートフォーカスシステム、スタートラッカーシステム、動き検出システム、像安定化システム及びその他の画像処理システムを含めることができるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
代表的なプロセッサシステム300、例えばカメラシステムは一般に、図8に示すように、中央処理ユニット(CPU)344、例えばマイクロプロセッサを有し、これがバス452を介して入力/出力(I/O)装置346と通信する。本発明により構成したデータ路を有するイメージャ227もバス452を介してシステムと通信する。プロセッサシステム300はランダムアクセスメモリ(RAM)348をも有しており、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ354、コンパクトディスク(CD)ROMドライブ356又はリムーバブルメモリ、例えば、フラッシュメモリ358のような周辺装置を有することができ、これらもバス452を介してCPU344と通信する。フロッピーディスクドライブ354、CDROM356又はフラッシュメモリ358はイメージャ227が撮像した画像を記録する。
【0042】
本発明は現在知られている代表的な実施例につき説明したが、本発明はこのような実施例に限定されないこと明らかである。更に、本発明は、その精神及び範囲を逸脱することなく種々の変更を施しうるものである。従って、本発明は上述した実施例の説明により限定されるものではなく、特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、従来の画像処理データ路を示すブロック線図である。
【図2】図2は、理想的なデータ路に比べた従来の画像処理データ路の誤差を示す説明図である。
【図3】図3は、本発明の実施例により構成したイメージャを示すブロック線図である。
【図4】図4は、本発明の代表的な実施例による画像処理データ路を示すブロック線図である。
【図5】図5は、理想的なデータ路に比べた本発明の代表的な実施例による画像処理データ路の誤差を示す説明図である。
【図6】図6は、本発明の代表的な実施例による画像処理データ路を示すブロック線図である。
【図7】図7は、本発明の代表的な実施例によるGmax 、Xmin 及びMの相互間の関係を示す説明図である。
【図8】図8は、本発明の代表的な実施例による可変データバス路を有するイメージャを具える撮像システムを示すブロック線図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピクセルセンサセルのアレイを有するイメージセンサと、
前記ピクセルセンサセルから、画像を表わすデータを受けて処理する画像処理段を有するプロセッサと
を具えるイメージャプロセッサシステムにおいて、
前記プロセッサは、画像処理段間でビット幅が変化するバスを有しているイメージャプロセッサシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のイメージャプロセッサシステムにおいて、
前記バスは、互いに隣り合う一対の処理段間でNビット幅を有するとともに、互いに隣り合う他の少なくとも一対の処理段間でN+Mのビット幅を有しており、Nは前記イメージセンサにおけるアナログ‐デジタル変換器の解像度により規定され、Mは
M=int(log2 (Gmax ))+C
であり、Gmax は前記プロセッサの利得段の最大デジタル利得であり、Cは計算マージンであるイメージャプロセッサシステム。
【請求項3】
ピクセルセンサセルのアレイを有するイメージセンサと、
前記ピクセルセンサセルから、画像を表わすデータを受けて処理するプロセッサと
を具えるイメージャプロセッサシステムにおいて、
前記プロセッサは複数の処理段と、互いに隣り合う2つの処理段を相互接続する第1ビット幅の第1データバスと、互いに隣り合う他の2つの処理段を相互接続する第2ビット幅の第2データバスとを有し、第1ビット幅と第2ビット幅とが異なっているイメージャプロセッサシステム。
【請求項4】
請求項3に記載のイメージャプロセッサシステムにおいて、
前記第1データバスがビット幅Nを有し、前記第2データバスがビット幅N+Mを有し、Nは前記イメージセンサにおけるアナログ‐デジタル変換器の解像度により規定され、Mは
M=int(log2 (Gmax ))+C
であり、Gmax は前記プロセッサの利得段の最大デジタル利得であり、Cは計算マージンであるイメージャプロセッサシステム。
【請求項5】
欠陥補正段と、
ディザリング段と、
列固定パターン雑音補正段と、
行固定パターン雑音補正段と、
デジタル利得段と、
列ビニング処理段と
を具える画像処理回路において、
前記ディザリング段と、前記欠陥補正段と、前記列固定パターン雑音補正段との相互間のバスのビット幅がNであり、このNはイメージセンサにおけるアナログ‐デジタル変換器の解像度により規定され、前記列固定パターン雑音補正段と、前記行固定パターン雑音補正段と、前記デジタル利得段との相互間のバスのビット幅がN+Mであり、M>1である画像処理回路。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理回路において、前記Mが
M=int(log2 (Gmax ))+C
であり、Gmax は前記デジタル利得段で用いられる最大デジタル利得であり、Cは計算マージンである画像処理回路。
【請求項7】
請求項5に記載の画像処理回路において、ビット幅がN+Mである前記バスで、Nビット幅のバス部分が列固定パターン雑音補正段から整数データを伝達し、Mビット幅のバス部分が列固定パターン雑音補正段から小数データを伝達するようになっている画像処理回路。
【請求項8】
請求項7に記載の画像処理回路において、この画像処理回路が更に、列固定パターン雑音校正段を有している画像処理回路。
【請求項9】
請求項7に記載の画像処理回路において、前記イメージセンサにおけるデジタル‐アナログ変換器の解像度が12ビットの解像度である場合、N+Mのビット幅のバスが16ビットのバスである画像処理回路。
【請求項10】
請求項5に記載の画像処理回路において、前記欠陥補正段は前記ディザリング段の前段に存在し、これら欠陥補正段及びディザリング段がNビット幅のバスにより相互接続されている画像処理回路。
【請求項11】
請求項10に記載の画像処理回路において、前記ディザリング段が前記列固定パターン雑音補正段の前段に存在し、これらディザリング段及び列固定パターン雑音補正段がNビット幅のバスにより相互接続されている画像処理回路。
【請求項12】
請求項11に記載の画像処理回路において、前記列固定パターン雑音補正段が前記行固定パターン雑音補正段の前段に存在し、これら列固定パターン雑音補正段及び行固定パターン雑音補正段がN+Mのビット幅のバスにより相互接続されている画像処理回路。
【請求項13】
請求項12に記載の画像処理回路において、前記行固定パターン雑音補正段が前記列ビニング処理段の前段に存在し、これら行固定パターン雑音補正段及び列ビニング処理段がN+Mのビット幅のバスにより相互接続されている画像処理回路。
【請求項14】
請求項13に記載の画像処理回路において、前記列ビニング処理段が前記デジタル利得段の前段に存在し、これら列ビニング処理段及びデジタル利得段がN+Mのビット幅のバスにより相互接続されている画像処理回路。
【請求項15】
請求項14に記載の画像処理回路において、この画像処理回路が更に、Nビット幅のデータ出力バスを有している画像処理回路。
【請求項16】
請求項15に記載の画像処理回路において、この画像処理回路が更に、列固定パターン雑音校正段を有している画像処理回路。
【請求項17】
請求項15に記載の画像処理回路において、前記デジタル‐アナログ変換器の解像度が12ビットの解像度である場合、N+Mのビット幅のバスが16ビットのバスである画像処理回路。
【請求項18】
画像処理回路における計算誤差を低減させる誤差低減方法において、この方法が、
データバスのビット幅を可変とした画像処理回路を画像処理データ路内に設ける工程
を有する誤差低減方法。
【請求項19】
請求項18に記載の誤差低減方法において、画像処理回路を設ける前記工程が、
ピクセル欠陥を補正するピクセル欠陥補正工程と、
画像データをディザリング処理するディザリング工程と、
列固定パターン雑音を補正する列固定パターン雑音補正工程と、
行固定パターン雑音を補正する行固定パターン雑音補正工程と、
画像データにデジタル利得を与えるデジタル利得工程と、
画像データを列ビニング処理する列ビニング処理工程と
を有し、前記ディザリング工程と、前記ピクセル欠陥補正工程と、前記列固定パターン雑音補正工程との相互間のバスのビット幅がNビット幅であり、このNはイメージセンサにおけるアナログ‐デジタル変換器の解像度により規定され、前記列固定パターン雑音補正工程と、前記行固定パターン雑音補正工程と、前記デジタル利得工程との相互間のバスのビット幅がN+Mのビット幅であり、M>1である誤差低減方法。
【請求項20】
請求項19に記載の誤差低減方法において、前記Mが
M=int(log2 (Gmax ))+C
であり、Gmax は前記デジタル利得工程で用いられる最大デジタル利得であり、Cは計算マージンである誤差低減方法。
【請求項21】
請求項19に記載の誤差低減方法において、N+Mのビット幅を有する前記バスで、Nビット幅のバスが列固定パターン雑音補正工程からのデータの整数部分を伝達し、Mビット幅のバスが列固定パターン雑音補正工程からのデータの小数部分を伝達する誤差低減方法。
【請求項22】
請求項21に記載の誤差低減方法において、前記画像処理回路を設ける前記工程が更に、列固定パターン雑音校正工程を有している誤差低減方法。
【請求項23】
請求項21に記載の誤差低減方法において、イメージセンサにおけるデジタル‐アナログ変換器の解像度が12ビットの解像度である場合、N+Mのビット幅のバスを16ビットのバスとする誤差低減方法。
【請求項24】
請求項19に記載の誤差低減方法において、前記ピクセル欠陥補正工程を前記ディザリング工程の前に行い、これらピクセル欠陥補正工程及びディザリング工程をNビット幅のバスにより相互接続する画像処理工程を行う誤差低減方法。
【請求項25】
請求項24に記載の誤差低減方法において、前記ディザリング工程を前記列固定パターン雑音工程の前に行い、これらディザリング工程及び列固定パターン雑音工程をNビット幅のバスにより相互接続する画像処理工程を行う誤差低減方法。
【請求項26】
請求項25に記載の誤差低減方法において、前記列固定パターン雑音補正工程を前記行固定パターン雑音補正工程の前に行い、これら列固定パターン雑音補正工程及び行固定パターン雑音補正工程をN+Mのビット幅のバスにより相互接続する画像処理工程を行う誤差低減方法。
【請求項27】
請求項26に記載の誤差低減方法において、前記行固定パターン雑音補正工程を前記列ビニング処理工程の前に行い、これら行固定パターン雑音補正工程及び列ビニング処理工程をN+Mのビット幅のバスにより接続する画像処理工程を行う誤差低減方法。
【請求項28】
請求項27に記載の誤差低減方法において、前記列ビニング処理工程を前記デジタル利得工程の前に行い、これら列ビニング処理工程及びデジタル利得工程をN+Mのビット幅のバスにより接続する画像処理工程を行う誤差低減方法。
【請求項29】
請求項28に記載の誤差低減方法において、この方法が更に、Nビット幅のデータ出力バスを設ける工程を有する誤差低減方法。
【請求項30】
請求項29に記載の誤差低減方法において、この方法が更に、列固定パターン雑音校正工程を有する誤差低減方法。
【請求項31】
請求項30に記載の誤差低減方法において、イメージセンサにおけるデジタル‐アナログ変換器の解像度が12ビットの解像度である場合、N+Mのビット幅のバスを16ビットのバスとする画像処理工程を行う誤差低減方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−53691(P2007−53691A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−239020(P2005−239020)
【出願日】平成17年8月19日(2005.8.19)
【出願人】(596079127)マイクロン・テクノロジー・インコーポレーテッド (55)
【氏名又は名称原語表記】MICRON TECHNOLOGY,INC.
【Fターム(参考)】