説明

サプライチェーン管理のためのシステム

起点から到着点へと製品を追跡するためのシステムを開示する。このシステムは、2つのプレートと、電源と、プロセッサとを有するプローブを備える。電源はプロセッサに制御されることにより、2つのプレートにおいて振動出力を生成する。振動電圧を用いて、プローブは、容量性カップリングを介して、プローブに問い合わせる。装置は、制御ユニットと、メモリユニットと、容量性カップリングを用いて通信するために装置と物理的に接続された第1材料および第2材料とを備える。装置に関する情報は、それぞれ第1材料および第2材料と、第1プレートおよび第2プレートとの間の容量性カップリングを介して、装置からプローブへと伝達される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、発明者Mark Zdeblick による「Method, Device and System for Supply Chain management of Ingestible Event Markers 」を発明の名称とする2009年11月4日に出願された米国仮特許出願整理番号第61/258,182号の優先権を合衆国法典第35巻第119条に基づいて主張するものであり、米国仮特許出願整理番号第61/258,182号は引用することにより本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、電子装置を用いて製品を追跡するための方法に関するものである。さらに詳細には、本開示は、供給源から顧客までの医療在庫を追跡するための方法、装置、およびシステムを含む。
【背景技術】
【0003】
医療製品の供給者は、偽造製品がオリジナル製品と取り替えられるのではないかと、製品が製造業者を離れる時点から製品がエンドユーザに届けられる時点の間、懸念するものである。加えて、配給者がサプライチェーン全体を通して製品を識別できるよう、パッケージの量および内容を正確に判定する必要が存在する。既知の方法およびシステムは、RFID等の近距無線通信を使用する。これらの既知の方法は、データ完全性、機密性の欠如等の固有の制限を有する。したがって、必要とされるのは、製造業者からエンドユーザまたは顧客までのサプライチェーン全体にわたって、製品の有効性および起点を確保するために製品を調べるシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2008/052136号パンフレット
【発明の概要】
【0005】
サプライチェーン環境において製品供給を管理するためのシステムを開示する。様々な態様において、本発明は、様々な製品をプローブすることにより製品の有効性または無効性を示す、容量性プレートを含む。このように、様々なサプライチェーンまたは他の追跡が遂行され得る。
【0006】
この製品は、米国仮特許出願整理番号第61/142,849号、米国仮特許出願整理番号第61/142,861号、米国仮特許出願整理番号第61/177,611号、および米国仮特許出願整理番号第61/173,564号の他に、国際公開第2006/116718号として公開された国際出願PCT/US2006/016370号、国際公開第2008/052136号として公開された国際出願PCT/US2007/082563号、国際公開第2008/063626号として公開された国際出願PCT/US2007/024225号、国際公開第2008/066617号として公開された国際出願PCT/US2007/022257号、国際公開第2008/095183号として公開された国際出願PCT/US2008/052845号、国際公開第2008/101107号として公開された国際出願PCT/US2008/053999号、国際公開第2008/112577号として公開された国際出願PCT/US2008/056296号、国際公開第2008/112578号として公開された国際出願PCT/US2008/056299号、国際公開第2009/042812号として公開された国際出願PCT/US2008/077753号、国際出願PCT/US09/53721号、および国際公開第2008/008281号として公開された国際出願PCT/US2007/015547号において開示および説明される、例えばIVバッグ、シリンジ、摂取型事象マーカ(IEM)および同様の装置を含み、これらのそれぞれが、参照することにより本明細書に援用される。係る製品は、通常、導電物質/部品を含むように設計され得る。容量性プレートにより容量性カップリングを用いて製品の導電物質および構成部品をプローブすることにより、製品の導電部品の正確な構成の存在が示され得る。あるいは、プローブ時に通信可能に接続することが不可能となることは、製品の非適合性、すなわち1つまたは複数の導電物質が存在しないこと、不正確に構成されていることなどを示し得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】容量性カップリングを用いての問合せを受けることができる、本発明の1つの態様に係る装置を有する医療製品を示す図である。
【図1B】容量性カップリングを用いての問合せを受けることができる、本発明の他の態様に係る装置を有する医療製品を示す図である。
【図1C】容量性カップリングを用いての問合せを受けることができる、本発明の他の態様に係る装置を有する医療製品を示す図である。
【図1D】容量性カップリングを用いてのプローブまたは問合せを受けることができる、本発明のさらに他の態様に係る装置を示す図である。
【図1E】容量性カップリングを使用する同軸プローブ/プレートを用いてのプローブまたは問合せを受けることができる、本発明のさらに他の態様に係る装置を有する医療製品を示す図である。
【図2】本発明の1つの態様に係る図1A〜図1Dの装置の回路図である。
【図2A】図2の装置に用いられるダイオードブリッジを示す図である。
【図2B】本発明に係る装置と接続されたプレートおよび導電材料を通してプローブと通信する図2の装置の論理ユニットを示す図である。
【図2C】本発明の教示に係る容量性カップリングを用いる電力伝達サイクルおよび情報伝達サイクルの有限期間を示す図である。
【図3A】本発明に係る、管状部分を通過することにより製品の信頼性および装置の動作を確認するための装置を有する製品を示す図である。
【図3B】本発明に係る、問合せの間にプレート間を通過することにより製品の信頼性を確認するための装置の特定例を示す図である。
【図4A】製品に関連した、本発明に係る装置の上面図である。
【図4B】導電性複合材料を有する製品および本発明に係る装置の側面図である。
【図5】1対のプローブにより問合せを受ける、本発明に係る装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1Aを参照すると、装置10aは、以下に詳述するように、完全に包装され、プローブを介してテストされた、錠剤またはタブレット等の医療製品12aの内部にある。本発明の様々な態様によれば、本発明の範囲内で考えられるように、装置10aは、医療製品12aの内部に配置されてもよく、または医療製品12aの表面に固定されてもよい。装置10aは、通信を行うための制御モジュールと、識別等の情報を記憶するためのメモリとを備える。装置10aに対してプローブを行うことにより、例えば装置10aが依然として機能するかどうかを確認することができる。プローブの実行は、容量性カップリング手法を用いる。なお、この容量性カップリング手法においては、装置10aの1つの側面における、第1プローブ容量性プレート20aから第1金属または材料14aへの容量性カップリング、および、装置10aの他方の側面における、第2プローブ容量性プレート30aから第2金属または材料16aへの容量性カップリングが存在する。当業者には明らかなように、絶縁を特に示すことはないが、第1プローブ容量性プレート20aは第2プローブ容量性プレート30aから電気的に絶縁される。容量性カップリングを用いてプローブを実行する様々な方法は、例えば、金属、金属パッド等により達成され得る。本発明の1つの態様によれば、例えば、材料14aおよび容量性プレート20aの間と、材料16aおよび容量性プレート30aの間とに、容量性カップリングが存在する。容量性プレート20aおよび容量性プレート30aは、容量性カップリングを通して装置10aと通信することができるプローブである。容量性プレート20aおよび容量性プレート30aは、システム(図示せず)と電気的に接続される。なお、このシステムは、容量性プレート20aおよび容量性プレート30aから情報を受け取り、その情報を処理することができる。本発明の様々な態様によれば、製品は非導電材料でコーティングされてもよい。
【0009】
本発明の様々な態様によれば、様々な構成部品が装置10の一部分として含まれる。例えば、装置10は、摂取型事象マーカ(IEM:ingestible event marker )であってもよい。なお、このIEMは、摂取前においては、容量性カップリングを用いて読み取ることができ、摂取後においては、相互コンダクタンスを用いて通信することができる。IEMの様々な態様は、2009年9月21日に出願された「COMMUNICATION SYSTEM WITH PARTIAL POWER SOURCE」を発明の名称とする米国特許出願第12/564,017号において開示され、米国特許出願第12/564,017号の全開示は参照することにより本明細書に援用される。
【0010】
ここで図1Bを参照すると、装置10bは、本発明の1つの態様に係る医療製品12bの一部分として示される。装置10bは、容量性接続を形成するために、装置10bの表面に付着された第1材料14bおよび第2材料16bを備える。第1材料14bおよび第2材料16bは装置10bの制御モジュールと通信する。プローブ20bおよびプローブ30bは、それぞれ材料14bおよび材料16bに容量的にカップリングされる。したがって、プローブ20bおよびプローブ30bが、AC電圧により電力を与えられると、材料14bおよび材料16bはプローブ20bおよびプローブ30bに容量的にカップリングされる。したがって、装置10bのメモリに記憶された装置10bに関する情報は、装置10bの制御モジュールにより符号化され、容量性カップリングを用いてプローブに伝えられる。
【0011】
図1Cを参照すると、本発明に係る装置10cが医療製品12cに固定される。装置10cは、第1材料14cおよび第2材料16cの少なくとも一部分がスカート部18c上に付着された状態で、装置10cのスカート部18cの周囲に付着された第1材料14cおよび第2材料16cを備える。さらに、材料14cおよび材料16cは、装置10cの制御モジュールからの容量性カップリングによる通信を可能とするために、装置10cの制御モジュールに接続されると、装置10cの識別が、プローブ20cおよびプローブ30cを通してシステムに伝えられる。本発明の1つの態様によれば、材料14cおよび材料16cは、例えば摂取型のグラファイトまたは炭素に基づくインクまたはペースト等の導電インクである。プローブ20cおよびプローブ30cがAC電源により電力を与えられ、材料14cおよび材料16cに近づけられると、プローブ20cおよびプローブ30cは、それぞれ材料14cおよび材料16cを通して容量性カップリングにより装置10cと通信することができる。さらに、本発明の他の態様によれば、プローブ22cおよびプローブ32cは、装置10cの異なる位置決めを可能とするために、または異なる方向からの装置のプローブ動作を提供することを可能とするために、異なる位置において材料14cおよび材料16cに近接して配置される。プローブ20cおよびプローブ30cがAC電圧により電圧を与えられ、装置10cがプローブ20cおよびプローブ30cの付近に配置されると、第1材料14cおよび第2材料16cは、装置10cと、プローブ20cおよびプローブ30cに接続されたシステムとの間で容量性カップリングを用いて情報を伝えるために用いられ得る。
【0012】
図1Dを参照すると、本発明の他の態様に係る装置10dが示される。導電材料14dは、装置10dに接続された材料19aの表面上に付着される。装置10dの材料19aおよび材料19bは異質材料であり、装置10dに対する部分的電源を形成する。例えば、材料19aはCuCl、および材料19bはMgであってもよい。装置10dは、接合部におけるトランジスタ19cも備える。なお、このトランジスタ19cは、V(高)または材料19bに導電材料14dを接続することができ、材料19bはV(低)と同じ電圧である。装置10dは、装置10dと物理的に接続され且つ酸化層17dの頂部に位置を占める複合材料16dを備える。複合材料16dは金メッキされたCuClでもよい。したがって、図1A〜図1Cに示すのと同様のプローブまたはプレートは、振動またはAC電源により電力を与えられ、装置10dに近づけられると、複合材料14dおよび複合材料16dとプローブとの間に容量性カップリングが存在する。本発明の1つの態様によれば、電圧源が切断されると、材料14dおよび材料16dに伝達されたエネルギーはそれに応じて異なったものとなり、装置10dに蓄えられる。電圧源がゼロすなわち静止状態に低下されると、装置10dは、エネルギーを受け取る状態から、容量性カップリングを用いてプローブにエネルギーを送る状態へと切り替わる。振動エネルギー源を生成するために、トランジスタ19cは、材料14dを、材料19b(V(低)を表す)およびV(高)の間で接続および切断するために、用いられる。材料14dがエネルギーレベルをV(高)からV(低)に変化させると、情報がプローブに伝達され得る。したがって、電源がオフすなわち静止状態(図2Cに示す)にあるサイクルの部分の間は、装置10dは、エネルギーをプローブに伝達することができ、そのエネルギーは装置10dに関する情報を含む。故に、容量性カップリングを用いて、情報は、装置10dと、装置10d付近のプローブに接続されたシステムとの間で、伝えられ得る。
【0013】
図1Eを参照すると、同軸プローブにあって、2つの導電プローブ/プレート20eおよび30eは絶縁材料25eにより離間される。内側導電プローブまたはプレート20eは絶縁材料25eにより包囲され、絶縁材料25eは外側導電プローブまたはプレート30eにより包囲される。装置10eは、医療製品12eの一部分として示される。装置10eは、同軸プローブと反対側の側面上に付着された導電材料またはインク15eを備える。同軸プローブが医療製品12eに近接して配置されると、プローブ20eは装置10eの中心部の上方に配置され、プローブ30eは装置10eの外側端部の上方におよび材料15eの付近に配置される。したがって、図2Cに関して上述したように、電源が切断されると、同軸プローブから装置10eへとエネルギーが伝達され、電源が切断され静止状態に置かれると、装置10eから同軸プローブに接続されたシステムへとエネルギーが伝達される。
【0014】
図2を参照すると、電圧源、例えばAC電圧または他の切断するまたは交代する電源40は、例えば1MHz等の高周波数で動作する。電圧源はプローブまたはプレートに接続される。装置10は、制御モジュール50と、材料(例えば、図1Aの材料14および材料16)が結合された結合パッド52とを備える。本発明の1つの態様によれば、装置10の内部には、ショットキーダイオードまたは内側供給電圧を生成する他種類のダイオード等のダイオード54と、何らかのインピーダンスを有するスイッチ56とが存在する。なお、スイッチ56がオンまたはオフされることにより、装置10のインピーダンスを変化させる。インピーダンスの変動は、装置10の識別に関する情報を通信するために用いられる。インピーダンスの変化は、装置10に関する情報が符号化され、キャパシタ58およびキャパシタ60により表されるように容量性カップリングを用いてプローブを通してシステムに送られることを可能とする。この情報は、キャパシタにより表されるプローブに接続されたシステムによりとらえられ、Rサンプルとして示されるインピーダンスにおいてサンプリング増幅器を介してV出力として読み出される。
【0015】
制御モジュール50が、電圧源に近づけられるか、またはプレートを介して電圧源に接すると、容量性カップリングによりエネルギー伝達が生じ、装置10は振動信号を生成することができ、その振動信号が検出され得る。振動信号は情報を含み、切断信号は、容量性カップリングの程度に応じて、例えば、1MHz信号、または同様の周波数、例えば500KHzに符号化される。電源40の電圧は、図1の容量性プレートまたはプローブ20およびプローブ30と図1の材料14および材料16との間にどの程度の容量性カップリングが達成されたかにより決定されるとよい。したがって、おそらく5ボルトを表す高周波数においては、プローブ20またはプローブ30等のプローブと材料との間の容量値は、キャパシタ58およびキャパシタ60により表される。
【0016】
図2Aおよび図2Bを参照すると、本発明の他の態様にしたがって、プレート20およびプレート30と装置10の材料14および材料16との間の相互作用を示す回路表現であるダイオードブリッジが示される。プレート20およびプレート30(それぞれ「プレート1」および「プレート2」として示される)に存在する切断電圧により、装置10に対する高電圧および低電圧の形のエネルギー伝達が生じる。装置10は、プロセッサまたは論理ユニットの一部分として制御モジュールを備える。論理ユニットは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マルチモジュール装置、または任意の形の集積回路であってもよい。論理ユニットは、導電材料14および導電材料16とプレート20およびプレート30(「プレート1」および「プレート2」と示される)と通信する。プレート20およびプレート30がAC電源により電力を与えられると、論理ユニットはエネルギーを蓄え、後にそのエネルギーを情報送信のために使用する。
【0017】
図2Cを参照すると、アクティブ期間および静止期間を有する電圧サイクルが示され、装置10の伝達サイクルは、伝達ウィンドウとして示される。本発明によれば、アクティブ期間の間、エネルギーは電源から装置10へと伝達される。ついで、静止フェーズの間、装置10に蓄えられたエネルギーは、装置10からプローブに接続されたシステムへとエネルギーを伝達するために用いられる。このように、装置に関する情報は、装置10から、プローブ20およびプローブ30を通って、これらのプローブに接続されたシステムへと伝達される。本発明の様々な態様によれば、静止フェーズの間に装置10からプローブ20およびプローブ30のシステムに送られる情報は、装置のメモリに記憶された情報に基づくものである。したがって、伝達ウィンドウまたは電源の静止段階の間に「1」が示されていたとしても、電源の静止段階またはフェーズの間に伝達される情報が「0」となる場合もある。
【0018】
本発明の1つの態様によれば、1マイクロファラッドのキャパシタが、容量性プレート/プローブと、装置10に物理的に接続された材料との間に存在する場合、高切断周波数において、容量性カップリングに対してより低い電圧が必要とされる。より低い電圧を表す高切断周波数において。本発明の他の態様によれば、1ピコファラッドのキャパシタが存在する場合、当業者には理解できるように、より大きい電圧が必要とされるであろう。実際に流れる電流の量は、例えば、図1に示す容量性プレート/プローブ20および30の間で生じる電気回路間のインピーダンスに依存するであろう。したがって、図1A〜図1Cの容量性プレート20および容量性プレート30を短絡させることにより、有意な電流が生じることとなり、その電流は、例えば、図2に示すサンプリング増幅器により検出され得る。出力はサンプリング増幅器を通過する。なお、このサンプリング増幅器は、ループを通る電流と、制御モジュール50により生じるその電流の変調とを観測する。
【0019】
本発明の様々な態様によれば、容量性カップリングは、相互動作のために変更され得るDC電源装置である装置、例えば、インピーダンスが変調可能であるチップに一定の電圧を提供するための整流器を所定の位置に有する装置とともに用いられてもよい。
【0020】
図3Aおよび図3Bを参照すると、本発明の様々な態様により、容量性プレート/プローブ、および情報を受け取るために容量性プレート/プローブに接続されたシステムは、様々な構造部品および他の装置と一体化され、またはそれらと他の方法で接続され得る。例えば、図3Aに示す管状構造体60は容量性プレート20および容量性プレート30を有する。例示のために、IEMまたは同様の装置10を有する、1つまたは複数の薬剤が構造体60内へと導入されてもよい。装置10は、手動的に、または自動化手段により自動的に、導入されてもよい。装置10が構造体60を通って移動する間、装置10は、管体60内の容量性プレート20および容量性プレート30によりプローブされる。様々な態様において、他の装置および/または構成部品も接続されてよい。一例において、プログラマブルデバイスが、容量性カップリング装置により得られたデータおよび/または情報を受信および/または送信するために、容量性カップリング装置に通信可能に接続されてもよい。前述の例示の説明を継続する。錠剤であり得る医療製品の全部またはその個数の一部分が、プローブ/プレート20および30に接続された容量性カップリングシステムによりプローブされる、または「読み取られ」ると、容量性カップリングシステムは、さらに記憶、表示、操作、その他のために、ディスプレイ装置を有するデータベースと、例えば、無線、有線、その他により通信することができる。このようにして、個々のデータ、データ全体、大容量データ、その他が、様々な目的のために処理され得る。1つの係る目的は、例えば、サプライチェーン用途における薬剤の、例えば、タブレット圧縮等の製造プロセスまたはその他のプロセスの間、薬剤照合プロセスの間、薬剤処方プロセスの間、その他の間における、追跡であり得る。様々なプロセスが補われてもよく、また組み込まれてもよい。1つの係る例は、個数を読み取ることによる検証である。タブレットが検証されたならば、例えば、読取り可能であるならば、そのタブレットは許容される。タブレットが検証されないなら、そのタブレットは拒否される。したがって、振動電源を有する簡単なハンドヘルド型読取器を用いることにより、ユーザまたは介護提供者は、錠剤またはタブレットであり得る医療製品を、本発明の1つの態様にしたがって、その医療製品に接続された装置10を用いてプローブし、その錠剤が信頼できるものか、または偽造製品であるかを判定することが可能である。
【0021】
図4Aおよび図4Bを参照すると、本発明の他の態様にしたがって、コーティング74を施された装置10を有する錠剤が示される。なお、このコーティングは、非導電コーティングまた相当に不透過性であるコーティングであり、錠剤自体は非導電医療粉末を含む。図示のように、領域72、例えばコーン形状の領域は、例えば、領域72が導電領域に変換されるように、他の薬剤(単数または複数)、賦形剤(単数または複数)、プラセボ材料(単数または複数)、その他と混合した導電物質の小さい粒子または粒状物等の導電材料70を含む。例えば、グラファイトおよび他の導電物質は、領域72が導電性となるように、たとえば、1/10または5/10、その他の比率で、用いられてもよい。内部に導電粒子を含有する、例えば、ゲルまたは液状カプセル等の、他の材料または組成物も可能である。したがって、十分に高い周波数においては、領域72内の導電材料70の粒子は短絡され得る。当業者は、導電材料70が様々な物質および形状因子、ならびにその組み合わせ、例えば、様々な寸法の粒子、ワイヤ、金属膜、糸、その他を含むことが理解できるであろう。本発明の範囲は、領域72において用いられる導電材料70の種類または形状により限定されない。
【0022】
本発明の他の態様によれば、導電材料70は、様々な方法または分量により、統合または形成されてもよい。一例において、装置10は「ドーナツ形状」の粉末に埋め込まれるか、または他の方法で機械的に接続され、そこに形成された穴が、導電粒子等で充填されるか、または他の方法で接続されることにより、導電領域が形成されてもよい。導電領域の寸法、面積、体積、または他のパラメータは、本明細書に記載の機能性が実行され得る程度内で変化させ得る。
【0023】
本発明の他の態様によれば、また図5に示すように、容量性プレートまたはプローブ80およびプローブ82は、データ収集のためにシステムに接続される。プローブ80およびプローブ82は、それぞれ材料84および材料86への容量性カップリングにより、装置10をプローブするために用いられる。インピーダンスフィードバックシステムが、プローブ80およびプローブ82を互いに対してかなり近くに駆動するために用いられてもよい。電流が特定の量に達すると、距離を測定するためにインピーダンスフィードバックシステムが用いられてもよい。十分に高いインピーダンスを用いることにより、このシステムは、例えば、製造環境等の多様な用途において、装置10が存在するかどうか、正常に動作しているかどうかを確認するために、有用である。
【0024】
本発明の他の態様によれば、容量性カップリングプローブ/プレートと装置10との間の近接性は、プライバシー側面を、助長、増進などさせ得る。特定の態様において、特定の関連装置は、例えば、経時的に開かれ、閉じられ、または開放されるCMOSトランジスタと並列してショットキーダイオードを有する回路を含み得る。他の回路の設計および変更例も可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
起点から到着点へと製品を追跡するためのシステムであって、
電源、
前記電源に接続しており、情報を送信および受信するプロセッサ、ならびに
前記プロセッサに接続している第1プレートおよび第2プレート
を備え、
前記電源は、前記プロセッサにより制御されて前記第1プレートおよび前記第2プレートにおいて振動出力を生成する
プローブと、
制御ユニット、
前記制御ユニットに接続しており、識別情報を記憶するメモリユニット、ならびに
自身と物理的に接続し且つ前記制御ユニットと通信する第1材料および第2材料
を備え、
前記第1材料および前記第2材料は、自身に関する情報が、前記第1材料および前記第2材料ならびに第1プレートおよび第2プレートの間の容量性カップリングそれぞれにより、自身から前記プローブへと伝達され得るように、前記第1プレートおよび前記第2プレートに通信可能に接続している
装置と
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記第1プレートおよび前記第2プレートは、互いに対向して分離距離のすき間を画成しており、前記装置が、前記画成されたすき間内で、前記第1プレートと前記第2プレートとの間に位置する場合に、前記装置は前記プローブと通信することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1材料および前記第2材料は、前記装置の反対側の側面に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1プレートおよび前記第2プレートは、前記装置が前記プローブに近接した場合に前記装置が前記プローブと通信するように、同一平面に並んで配置されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1材料および前記第2材料は、前記装置の同一側面に配置されていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1材料および前記第2材料は導電インク製であることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1材料は前記装置上に付着され、前記第2材料は前記装置を形成する基盤を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記プローブは、前記装置が機能することを確認するために前記プローブが用いられるように、組み立てプロセスの一部分であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記プローブは、前記製品の信頼性を確認するために前記プローブが用いられるように、分配プロセスの一部分であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
医療製品を追跡し、前記医療製品が起点から到着点へと移動する間に偽造品を検出するためのシステムであって、
振動電圧を生成する電源、
前記電源に接続された、情報を送信および受信し、前記電源の出力を制御するプロセッサ、
前記プロセッサに接続された第1プレート、ならびに
前記プロセッサに接続された第2プレート
を備え、
前記電源は、前記プロセッサに制御されることにより、前記第1プレートおよび前記第2プレートにおいて、前記振動電圧を生成する
問合せユニットと、
情報を送信および受信する制御ユニット、ならびに
前記制御ユニットに接続しており、識別情報を記憶するメモリユニット
を備える
装置と、
それぞれが前記装置上に付着されて前記装置に物理的に接続しており、且つ前記装置の前記制御ユニットと通信する
第1導電複合材料および第2導電複合材料と
を備え、
前記第1導電複合材料および前記第2導電複合材料を有する前記装置は、前記医療製品と物理的に接続しており、前記装置が前記問合せユニットと通信する場合に、前記医療製品は前記装置に関する前記識別情報に基づいて識別される
ことを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記識別情報は、前記第1導電複合材料および前記第2導電複合材料と、前記第1プレートおよび前記第2プレートとの間のそれぞれの容量性カップリングを介して、前記装置から前記問合せユニットへと伝達されることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1導電複合材料および前記第2導電複合材料は、前記医療製品内の領域であって、前記医療製品の一部分として定められた領域であることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1プレートおよび前記第2プレートは、互いに対向して分離距離のすき間を画成しており、前記医療製品が、前記画成されたすき間内で、前記第1プレートと前記第2プレートとの間に位置する場合に、前記装置は前記問合せユニットと通信することを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1導電複合材料および前記第2導電複合材料は、前記装置の反対側の側面に配置されていることを特徴とする請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1プレートおよび前記第2プレートは、前記装置が前記問合せユニットの前記第1プレートおよび前記第2プレートに近接した場合に前記装置が前記問合せユニットと通信するように、同一平面に並んで配置されていることを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1複合材料および前記第2複合材料は、前記装置の同一側面に配置されていることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1複合材料および前記第2複合材料は導電インクであることを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記問合せユニットは、前記医療製品の製造プロセスの一部分であり、前記問合せユニットは、容量性カップリングによる通信セッションを確立することを介して前記装置が機能することを確認し、前記装置が動作することを確認することを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項19】
容量性カップリングを用いて製品を問合せることにより、前記製品の有効性を確認するための、電源からの振動電圧が印加される装置であって、
前記電源に接続されており、情報を送信および受信し、前記電源の出力を制御するための制御器と、
前記制御器に接続された第1プレート、および
前記制御器に接続された第2プレート、
を備え、
前記電源の前記振動電圧は、前記第1プレートおよび前記第2プレートに印加され、前記第1プレートおよび前記第2プレートは、前記製品に問い合わせることにより、前記製品に関する情報を受け取る
ことを特徴とする装置。
【請求項20】
前記制御器は、前記製品から受け取った前記情報を復号化することにより、前記製品の有効性を確認することを特徴とする請求項19に記載の装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−510374(P2013−510374A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538003(P2012−538003)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2010/055522
【国際公開番号】WO2011/057024
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(505222679)プロテウス デジタル ヘルス, インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】