説明

サルモネラの検出および/またはモニタリングのための組成物、キットおよび関連方法

サルモネラの同定のための組成物、キット、および方法が提供される。特定の態様および実施形態において、これらの組成物、キット、および方法は、検出の特異性、感度、および速度に関する改良を提供し得る。本明細書で提供される態様の特定の実施形態において、これらの組成物は、T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを含み、ここで、上記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基約268〜320に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして上記プライマーオリゴヌクレオチドはサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、ここで、上記増幅アッセイにおいて使用される上記T7オリゴヌクレオチドおよび上記プライマーオリゴヌクレオチドは、増幅されるサルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
サルモネラ属は、ヒト、動物、食物、および環境において見い出されるグラム陰性細菌の大きなファミリーの一部である。サルモネラは、ヒトに感染し、腸チフス、パラチフス、および食物が原因となる健康被害を引き起こす桿状腸内細菌である。米国においては、これは、最も頻繁に報告されている、食物が原因となる病気である。全世界規模では、これは、世界で2番目にありふれた、食物が原因となる健康被害である。サルモネラ中毒は、人口100,000人あたり100〜300人に影響を与える。2005年には、およそ36,000件の症例がCDCに報告された。サルモネラ中毒は、感染動物に由来するか、または糞便(動物またはヒト)によって汚染された食物の消化によって伝染する。徴候には、突然の頭痛の発症、腹痛、下痢、吐き気および時折の嘔吐を伴う急性全腸炎が含まれる。潜伏期間は6〜72時間の間(平均12〜36時間)である。腸内細菌は、しばしば属を横切って共有される、複雑な遺伝子型および表現型の特徴を有している。結果として、それらのゲノムは、多くの共通配列を共有している。目的のサンプル中でサルモネラを特異的かつ選択的に同定可能である迅速かつ堅固な検出系についての必要性が当該分野において依然として存在している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
本発明は、サルモネラの検出において使用される組成物、キット、および方法に関する。本発明は、少なくとも部分的に、特定のサルモネラ配列がサルモネラの検出のために驚くべきほどに有効であるという発見に基づいている。特定の態様および実施形態において、サルモネラ23S rRNAの特定の領域が、核酸増幅反応のための好ましい標的であるとして同定されており、これは、検出の特異性、感度、または速度に関しての改善、ならびにその他の利点を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0003】
従って、1つの態様に従って、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のための組成物が提供される。本明細書で提供される態様の特定の実施形態において、これらの組成物は、T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを含み、ここで、上記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基約268〜320に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして上記プライマーオリゴヌクレオチドはサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、ここで、上記増幅アッセイにおいて使用される上記T7オリゴヌクレオチドおよび上記プライマーオリゴヌクレオチドは、増幅されるサルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする。
【0004】
第2の態様において、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のための組成物が提供される。本明細書において提供される態様の特定の実施形態において、これらの組成物は、T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを含み、ここで、上記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドはサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして上記プライマーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基約338〜395に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、ここで、上記増幅アッセイにおいて使用される上記T7オリゴヌクレオチドおよび上記プライマーオリゴヌクレオチドは、増幅されるサルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする。
【0005】
第3の態様において、本明細書で提供される組成物を含むキットが提供される。本明細書で提供される態様の特定の実施形態において、これらのキットは、T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを含み、ここで、上記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基約268〜320に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして上記プライマーオリゴヌクレオチドはサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、ここで、上記増幅アッセイにおいて使用される上記T7オリゴヌクレオチドおよび上記プライマーオリゴヌクレオチドは、増幅されるサルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする。
【0006】
第4の態様において、本明細書で提供される組成物を含むキットが提供される。本明細書で提供される態様の特定の実施形態において、これらのキットは、T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを含み、ここで、上記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドはサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして上記プライマーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基約338〜395に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、ここで、上記増幅アッセイにおいて使用される上記T7オリゴヌクレオチドおよび上記プライマーオリゴヌクレオチドは、増幅されるサルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする。
【0007】
第5の態様において、本明細書で提供される組成物および/またはキットを使用してサンプル中のサルモネラの存在を検出するための方法が提供される。本明細書で提供される態様の特定の実施形態において、これらの方法は、T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを使用し、ここで、上記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基約268〜320に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして上記プライマーオリゴヌクレオチドはサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、ここで、上記増幅アッセイにおいて使用される上記T7オリゴヌクレオチドおよび上記プライマーオリゴヌクレオチドは、増幅されるサルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする。
【0008】
第6の態様において、本明細書で提供される組成物および/またはキットを使用してサンプル中のサルモネラの存在を検出するための方法が提供される。本明細書で提供される態様の特定の実施形態において、これらの方法は、T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを使用し、ここで、上記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドはサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして上記プライマーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基約338〜395に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、ここで、上記増幅アッセイにおいて使用される上記T7オリゴヌクレオチドおよび上記プライマーオリゴヌクレオチドは、増幅されるサルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする。
【0009】
本明細書で提供される態様の1つの実施形態において、上記T7プロバイダーはE.coli 23S rRNAの塩基268〜302に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする。別の実施形態において、上記T7プロバイダーはE.coli 23S rRNAの塩基279〜310に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする。さらに別の実施形態において、上記T7プロバイダーはE.coli 23S rRNAの塩基279〜309に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする。特定の実施形態において、上記T7プロバイダーはE.coli 23S rRNAの塩基279〜306に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする。特定の実施形態において、上記T7プロバイダーはE.coli 23S rRNAの塩基279〜302に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする。
【0010】
本明細書で提供される態様の1つの実施形態において、プライマーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基349〜374に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする。別の実施形態において、プライマーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基349〜370に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする。さらに別の実施形態において、プライマーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基349〜366に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする。
【0011】
本明細書で提供される態様の特定の実施形態において、T7プロバイダーは配列番号1〜34および相補物の配列から選択される。他の実施形態において、プライマーオリゴヌクレオチドは、本明細書において規定されるように、配列番号35〜58および相補物の配列から選択される。ある好ましい実施形態において、T7プロバイダーは配列番号1〜26および相補物の配列から選択される。他の好ましい実施形態において、プライマーオリゴヌクレオチドは、本明細書において規定されるように、配列番号35〜51および相補物の配列から選択される。
【0012】
本明細書で提供される態様の1つの特に好ましい実施形態において、T7プロバイダーは配列番号17または相補物の配列を有する。別の特に好ましい実施形態において、プライマーオリゴヌクレオチドは、配列番号50または相補物の配列を有する。特に好ましい実施形態において、T7プロバイダーは配列番号26または相補物の配列を有する。別の特に好ましい実施形態において、プライマーオリゴヌクレオチドは配列番号49または相補物の配列を有する。
【0013】
本明細書で提供される組成物、方法、およびキットの特定の実施形態において、T7プロバイダーオリゴヌクレオチドは、標的とされるサルモネラ核酸配列に対して少なくとも70%;または75%;または80%;または85%;または90%;または100%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む。特定の好ましい実施形態において、T7プロバイダーオリゴヌクレオチドは、標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的である15〜35ヌクレオチドを含むが、その15〜35個の相補性ヌクレオチドの中の標的とされる核酸配列と比較して、1個のミスマッチ;または2個のミスマッチ;または3個のミスマッチ;または5個のミスマッチを有するオリゴヌクレオチドを提供する。
【0014】
本明細書で提供される態様の1つの実施形態において、プライマーオリゴヌクレオチドは、標的とされるサルモネラ核酸配列に対して少なくとも70%;または75%;または80%;または85%;または90%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む。別の実施形態において、プライマーオリゴヌクレオチドは、標的とされるサルモネラ核酸配列に対して100%相補的である。1つの好ましい実施形態において、プライマーオリゴヌクレオチドは、標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるが、その15〜35個の相補性ヌクレオチドの中の標的とされる核酸配列と比較して、1個のミスマッチ;または2個のミスマッチ;または3個のミスマッチ;または5個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む。
【0015】
本明細書で提供される態様のある実施形態において、転写媒介性増幅反応の1つ以上の態様を容易にするかまたは改善するように働く1つ以上のさらなるオリゴヌクレオチド型および/または他の増幅試薬が含まれてもよい。例えば、好ましい実施形態において、T7プロバイダーおよび/またはプライマーオリゴヌクレオチドに加えて、さらなるオリゴヌクレオチドは、検出オリゴヌクレオチド、ブロッカーオリゴヌクレオチド、標的捕捉オリゴヌクレオチドなどの1つ以上をさらに含んでもよい。
【0016】
本明細書で提供される態様の1つの実施形態において、上記の組成物、キット、および/または方法は、検出オリゴヌクレオチド、好ましくは、トーチオリゴヌクレオチドまたは分子ビーコンをさらに含むかまたは使用してもよい。特定の実施形態において、検出オリゴヌクレオチドは、本明細書に規定されるような、配列番号66〜70および相補物の配列から選択されるトーチオリゴヌクレオチドである。特定の好ましい実施形態において、検出オリゴヌクレオチドは、本明細書に規定されるような、配列番号66、配列番号67、および相補物の配列から選択されるトーチオリゴヌクレオチドである。特に好ましい実施形態において、検出オリゴヌクレオチドは、本明細書に規定されるような、配列番号66または相補物の配列を有するトーチオリゴヌクレオチドである。
【0017】
本明細書で提供される態様の1つの実施形態において、上記の組成物、キット、および/または方法は、ブロッカーオリゴヌクレオチドをさらに含むかまたは使用してもよい。特定の実施形態において、ブロッカーオリゴヌクレオチドは、本明細書に規定されるような、配列番号59〜65および相補物の配列から選択される。特定の好ましい実施形態において、ブロッカーオリゴヌクレオチドは、本明細書に規定されるような、配列番号59、61、63、64、および相補物の配列から選択される。特に好ましい実施形態において、ブロッカーオリゴヌクレオチドは、本明細書に規定されるような、配列番号59または相補物の配列を有する。
【0018】
本明細書で提供される態様のある実施形態において、上記の組成物、キット、および/または方法は、標的捕捉オリゴヌクレオチドをさらに含むかまたは使用してもよい。特定の実施形態において、標的捕捉オリゴヌクレオチドは、本明細書に規定されるような、配列番号71〜77および相補物の配列から選択される。好ましい実施形態において、標的捕捉オリゴヌクレオチドは、本明細書に規定されるような、配列番号71、74、および相補物の配列から選択される。特に好ましい実施形態において、標的捕捉オリゴヌクレオチドは、本明細書に規定されるような、配列番号74または相補物の配列を有する。
【0019】
ある態様において、サルモネラ転写媒介増幅アッセイ(以後本明細書中では「TMA」)における使用のための組成物が提供される。ある態様において、サルモネラ転写媒介増幅アッセイを実施するためのキットが提供される。ある態様において、サルモネラ転写媒介増幅アッセイを実施するための方法が提供される。特定の実施形態において、これらの組成物、キット、および/または方法は、T7プロバイダー、プライマーオリゴヌクレオチド、検出オリゴヌクレオチド、ブロッカーオリゴヌクレオチド、トーチオリゴヌクレオチドなどのような1種以上のオリゴヌクレオチドを含むかまたは使用してもよい。
【0020】
本発明の用語および概念は、逆のことが明確に言及されない限り、および/または文脈が他のことを具体的に述べていない限り、本明細書に示されるような意味を有する。他に定義されない限り、本明細書で使用される科学的用語および技術的用語は、関連分野における当業者によって共通して理解されるのと同じ意味を有する。一般的定義は、分子生物学の分野に関連する専門書、例えば、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology、第2版(Singletonら、1994,John Wiley & Sons,New York,N.Y.)またはThe Harper Collins Dictionary of Biology(Hale & Marham、1991,Harper Perennial,New York,N.Y.)において見い出され得る。他に言及されない限り、本明細書で利用されるかまたは意図される技術は、当業者に周知である標準的な方法論である。本明細書に含まれる実施例はいくつかの好ましい実施形態を例証する。本明細書に引用される各々の参考文献は、その全体が参照により本明細書に具体的に援用される。
【0021】
「1つの」または「1種の」実体という用語は、その実体の1つ以上をいうことが注目されるべきであり、例えば、「1種の核酸」は、1種以上の核酸を表すと理解される。このようなものとして、「1つの(または「1種の」)」、「1つ以上」、および「少なくとも1つ」は、本明細書では交換可能に使用できる。
【0022】
「核酸」という用語は、本明細書で使用される場合、単数形の「核酸」ならびに複数形の「核酸」を包含し、そして、一緒に共有結合された2つ以上のヌクレオチド、ヌクレオシド、または核酸塩基(例えば、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド)の任意の鎖をいう。核酸には以下が含まれるがこれらに限定されない:DNAもしくはRNAのいずれかであるウイルスゲノムもしくはその部分、細菌ゲノムもしくはその部分、真菌、植物、もしくは動物のゲノムもしくはその部分、メッセンジャーRNA(mRNA)、リボソームRNA(rRNA)、転移RNA(tRNA)、プラスミドDNA、ミトコンドリアDNA、または合成DNAもしくはRNA。核酸は、直鎖状(例えば、mRNA)、環状(例えば、プラスミド)、または分枝型、ならびに二本鎖または一本鎖型として提供されてもよい。核酸は、核酸の機能または挙動を変化させるために修飾塩基、例えば、さらなるヌクレオチドが核酸に付加されることをブロックするための3’末端ジデオキシヌクレオチドの付加を含んでもよい。本明細書で使用される場合、核酸の「配列」とは、核酸を作り上げる塩基の配列をいう。
【0023】
「ポリヌクレオチド」という用語は、本明細書で使用される場合、核酸鎖を意味する。本願を通して、核酸は5’末端から3’末端によって明示される。標準的な核酸、例えば、DNAおよびRNAは、典型的には、「3’から5’」で、すなわち、成長する核酸の5’末端へのヌクレオチドの付加によって合成される。
【0024】
「ヌクレオチド」は、本明細書で使用される場合、リン酸基、5炭糖、および窒素含有塩基からなる核酸のサブユニットである。RNA中で見い出される5炭糖はリボースである。DNA中では、5炭糖は2’デオキシリボースである。この用語は、リボースの2’位のメトキシ基(2’−O−Me)などのこのようなサブユニットのアナログもまた含む。本明細書で使用される場合、「T」残基を含むメトキシオリゴヌクレオチドは、リボース部分の2’位にメトキシ基を有し、ヌクレオチドの塩基の位置にウラシルを有する。
【0025】
「非ヌクレオチド単位」は、本明細書で使用される場合、ポリマーのハイブリダイゼーションに有意に関与しない単位である。このような単位は、例えば、ヌクレオチドとのいかなる有意な水素結合にも関与しないはずであり、5種のヌクレオチド塩基またはそのアナログのうちの1種を成分として有する単位を除外する。
【0026】
「標的核酸」は、本明細書で使用される場合、増幅される「標的配列」を含む核酸である。標的核酸は、本明細書に記載されるようなDNAまたはRNAであってもよく、一本鎖または二本鎖のいずれであってもよい。標的核酸は、標的配列に加えて、増幅されなくてもよい他の配列を含んでもよい。典型的な標的核酸には、ウイルスゲノム、細菌ゲノム、真菌ゲノム、植物ゲノム、動物ゲノム、ウイルス、細菌、または真核生物細胞からのrRNA、tRNA、もしくはmRNA、ミトコンドリアDNA、または染色体DNAが含まれる。
【0027】
「単離された」によって、標的核酸を含むサンプルがその天然環境から取り出されていることが意味されるが、この用語は、いかなる程度の精製も暗示しない。
【0028】
「標的配列」という用語は、本明細書で使用される場合、増幅される標的核酸の特定のヌクレオチド配列をいう。「標的配列」は、TMAのプロセスの間にオリゴヌクレオチド(例えば、プライミングオリゴヌクレオチドおよび/またはプロモーターオリゴヌクレオチド)が複合体形成する、複合体形成配列を含む。標的核酸がもともと一本鎖である場合、「標的配列」という用語は、標的核酸中に存在しているものとして、「標的配列」に対して相補的である配列もまたいう。標的核酸がもともと二本鎖である場合、「標的配列」という用語は、センス(+)鎖およびアンチセンス(−)鎖の両方をいう。標的配列を選択する際に、当業者は、関連性がない核酸と、密接に関連性がある標的核酸の間を区別するために、「独特な」配列が選択されるべきであることを理解する。
【0029】
「配列を標的化する」という用語は、サルモネラ核酸の領域に関連して本明細書で使用される場合、本明細書に記載されるような増幅および検出を可能にする様式でオリゴヌクレオチドが標的配列にハイブリダイズするプロセスをいう。1つの好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドは、標的とされるサルモネラ核酸配列に相補的であり、ミスマッチを含まない。別の好ましい実施形態において、オリゴヌクレオチドは、標的とされるサルモネラ核酸配列と相補的であるが、1個;または2個;または3個;または4個;または5個のミスマッチを含む。好ましくは、サルモネラ核酸配列にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドは、標的配列に対して相補的である少なくとも10〜50個;または12〜45個;または14〜40個;または15〜35個のヌクレオチドを含む。
【0030】
「フラグメント」または「領域」という用語は、サルモネラを標的とする核酸配列に関連して本明細書で使用される場合、連続する核酸の一片をいう。特定の実施形態において、フラグメントは、25個;または50個;または75個;または100個;または125個;または150個;または175個;または200個;または225個;または250個;または300個;または350個;または400個;または450個;または500個;または750個;または1000個;または2000個;または3000個のヌクレオチドを含む。
【0031】
本明細書で使用される場合、「オリゴヌクレオチド」または「オリゴ」または「オリゴマー」という用語は、単数の「オリゴヌクレオチド」ならびに複数の「オリゴヌクレオチド」を包含することが意図され、2つ以上のヌクレオチド、ヌクレオシド、核酸塩基、または本明細書に開示される増幅方法ならびに引き続く検出方法において試薬として使用される関連化合物の任意のポリマーをいう。オリゴヌクレオチドは、DNAおよび/またはRNAおよび/またはそれらのアナログであり得る。オリゴヌクレオチドという用語は、試薬に対する任意の特定の機能を意味せず、むしろ、この用語は、本明細書に記載されるすべてのこのような試薬を網羅するために一般的に使用される。オリゴヌクレオチドは様々な異なる機能に役立つ可能性があり、例えば、これは相補鎖に特異的でありかつハイブリダイズ可能であり、さらに核酸ポリメラーゼの存在下で伸長できる場合にはプライマーとして機能する可能性があり、これがRNAポリメラーゼによって認識されかつ転写を可能にする配列を含む場合にはプロモーターを提供する可能性があり(例えば、T7プロバイダー)、そして適切に配置および/または修飾される場合にはハイブリダイゼーションを妨害しまたはプライマー伸長を妨げるように機能する可能性がある。
【0032】
本明細書で使用される場合、特定の配列の群から選択される配列を「含み」またはそれらの配列「からなり」またはそれらの配列「から本質的になる」核酸配列を有するオリゴヌクレオチドとは、基本的かつ新規な特徴としてのオリゴヌクレオチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で列挙された核酸配列の群の1つの正確な相補体を有する核酸に安定にハイブリダイズする能力があることを意味する。正確な相補体は対応するDNAまたはRNA配列を含む。
【0033】
本明細書で使用される場合、特定の核酸配列に「実質的に一致する」オリゴヌクレオチドとは、言及されるオリゴヌクレオチドが、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で同じ標的核酸配列とハイブリダイズするという点で、そのオリゴヌクレオチドが参照核酸配列に対して類似したハイブリダイゼーション特性を有するように、参照核酸配列に十分に類似していることを意味する。当業者は、「実質的に一致するオリゴヌクレオチド」が、言及される配列とは異なり、なお同じ標的核酸配列にハイブリダイズすることが可能であることを理解する。この核酸からの変動は、プローブまたはプライマーとその標的配列の間の、配列中の同一の塩基のパーセンテージまたは完全に相補的な塩基のパーセンテージによって言及されてもよい。従って、塩基の同一性または相補性のこれらのパーセンテージが100%〜約80%である場合、オリゴヌクレオチドは参照核酸配列に「実質的に一致する」。好ましい実施形態において、このパーセンテージは100%〜約85%である。より好ましい実施形態において、このパーセンテージは100%〜約90%である;他の好ましい実施形態において、このパーセンテージは100%〜約95%である。当業者は、非特異的な受け入れがたいレベルのハイブリダイゼーションを発生させることなく、特定の標的配列へのハイブリダイゼーションを可能にするために種々のパーセンテージの相補性において必要とされる可能性があるハイブリダイゼーション条件に対する種々の改変を理解している。
【0034】
「ヘルパーオリゴヌクレオチド」または「ヘルパー」とは、例えば、その内容が参照により本明細書に援用される、米国特許第5,030,557号に記載されるような、標的とされる核酸との検出プローブまたは他のオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションの速度および程度を増加させるために、標的核酸に結合し、かつ標的上の様々な二次構造および/または三次構造を強いるように設計されたオリゴヌクレオチドをいう。ヘルパーは、標的核酸配列へのハイブリダイゼーション、ならびにプライマー、標的捕捉オリゴヌクレオチドおよび他のオリゴヌクレオチドの機能を補助するためにもまた使用されてもよい。
【0035】
本明細書で使用される場合、「ブロッキング部分」は、核酸ポリメラーゼによってオリゴヌクレオチドまたは他の核酸が効率的に伸長されることができないように、その3’末端を「ブロック」するために使用される実体である。
【0036】
本明細書で使用される場合、「プライミングオリゴヌクレオチド」または「プライマー」は、少なくともその3’末端が核酸鋳型に相補的であり、鋳型と複合体を形成して(水素結合またはハイブリダイゼーションによって)、RNAまたはDNA依存性DNAポリメラーゼによる合成の開始のために適切であるプライマー:鋳型複合体を与えるオリゴヌクレオチドである。
【0037】
本明細書で使用される場合、「プロモーター」は、特定の部位において核酸に結合し、RNAの転写を開始するためのシグナルとして、DNA依存性RNAポリメラーゼ(「トランスクリプターゼ」)によって認識される特定の核酸配列である。
【0038】
本明細書で使用される場合、「プロモーター−プロバイダー」または「プロバイダー」とは、第1の領域および第2の領域を含み、その3’末端からのDNA合成の開始を妨害するように修飾されているオリゴヌクレオチドをいう。プロモーター−プロバイダーオリゴヌクレオチドの「第1の領域」は、DNA鋳型にハイブリダイズする塩基配列を含み、ここで、このハイブリダイズする配列は3’に位置するが、プロモーター領域には必ずしも隣接していない。プロモーターオリゴヌクレオチドのハイブリダイズする部分は、典型的には少なくとも10ヌクレオチド長であり、15、20、25、30、35、40、50またはそれ以上のヌクレオチド長まで伸長されてもよい。「第2の領域」は、RNAポリメラーゼのためのプロモーター配列を含む。プロモーター−プロバイダーオリゴヌクレオチドは、RNAまたはDNA依存性DNAポリメラーゼ、例えば、逆転写酵素によって伸長されることが不可能であるように操作され、好ましくは、上記のように、その3’末端にブロッキング部分を含む。本明細書で言及される場合、「T7プロバイダー」は、T7 RNAポリメラーゼによって認識されるオリゴヌクレオチド配列を提供する、ブロックされたプロモーター−プロバイダーオリゴヌクレオチドである。
【0039】
本明細書で使用される場合、「終結オリゴヌクレオチド」または「ブロッカーオリゴヌクレオチド」は、プライミングオリゴヌクレオチドを含む新生核酸のプライマー伸長を「終結させ」、それによって、新生核酸鎖について規定された3’末端を提供するために、標的配列の5’末端の近傍における標的核酸の領域に相補的な塩基配列を含むオリゴヌクレオチドである。
【0040】
「エクステンダーオリゴヌクレオチド」または「エクステンドオリゴ」とは、本明細書で使用される場合、T7プロバイダーと同じ意味であるオリゴヌクレオチドをいい、構造を広げ、または特異性を改善するヘルパーオリゴヌクレオチドとして働く可能性がある。
【0041】
本明細書で使用される場合、「検出オリゴヌクレオチド」とは、標的核酸の検出のために、核酸ハイブリダイゼーションを促進する条件下で、増幅された配列を含む標的配列に特異的にハイブリダイズする核酸オリゴヌクレオチドをいう。「プローブ」または「検出プローブ」とは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でそれにハイブリダイズするように、検出されることが探求されている標的配列の領域に部分的または完全に相補的である塩基配列を有するオリゴヌクレオチドを含む分子を意味する。
【0042】
「安定な」または「検出のために安定な」とは、反応混液の温度が核酸二重鎖の融解温度よりも少なくとも2℃下であることを意味する。
【0043】
「増幅」または「核酸増幅」は、さらに本明細書に記載されるような、意図される特定の標的核酸配列の少なくとも一部を含む標的核酸の複数コピーの産生を意味する。複数コピーはアンプリコンまたは増幅産物と呼ばれてもよい。
【0044】
「アンプリコン」という用語は、本明細書で使用される場合、標的配列の中に含まれる配列に相補的または相同である、増幅手順の間に生成された核酸分子をいう。
【0045】
「優先的にハイブリダイズする」とは、ストリンジェントなハイブリダイゼーションアッセイ条件下で、同時に安定なプローブ:非標的ハイブリッドの形成が最小化されながら、プローブが、それらの標的配列またはそれらの複製にハイブリダイズして、安定なプローブ:標的ハイブリッドを形成することを意味する。従って、プローブは、非標的配列よりも十分に大きな程度まで、標的配列またはその複製にハイブリダイズして、複製の間に形成された標的配列のRNA複製または相補DNA(cDNA)を当業者が正確に定量することを可能にする。
【0046】
「相補性」は、2つの一本鎖核酸の類似の領域のヌクレオチド配列、または同じ一本鎖核酸の異なる領域に類似するヌクレオチド配列が、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下または増幅条件下で、安定な二本鎖水素結合領域中で一本鎖領域が一緒にハイブリダイズすることを可能にするヌクレオチド塩基組成物を有することを意味する。AがUまたはTと対合し、CがGと対合するように、一本鎖領域のヌクレオチドの連続する配列は、他の一本鎖領域のヌクレオチドの類似の配列と一連の「基準の」水素結合塩基対を形成することができる場合、ヌクレオチド配列は「完全に」相補的である。
【0047】
「核酸ハイブリッド」または「ハイブリッド」または「二重鎖」は、各鎖は互いに対して相補的であり、その領域は、化学発光または蛍光検出、オートラジオグラフィー、またはゲル電気泳動が含まれるがこれらに限定されない手段によって検出されるためにストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で十分に安定である、二本鎖であり、水素結合している領域を含む核酸構造を意味する。このようなハイブリッドには、RNA:RNA、RNA:DNA、またはDNA:DNA二重鎖分子が含まれ得る。
【0048】
本明細書で使用される場合、「捕捉ヌクレオチド」または「捕捉プローブ」とは、標準的な塩基対形成によって標的核酸中の標的配列に特異的にハイブリダイズし、かつ支持体に標的核酸を捕捉するために固定化プローブ上の結合パートナーに結合する核酸オリゴマーをいう。捕捉オリゴマーの1つの例には、2つの結合領域:配列結合領域(すなわち、標的特異的部分)および通常は同じオリゴマー上である固定化プローブ結合領域を含むが、2つの領域は1つ以上のリンカーで一緒に結合された2つの異なるオリゴマー上に存在してもよい。
【0049】
本明細書で使用される場合、「固定化オリゴヌクレオチド」、「固定化プローブ」、または「固定化核酸」とは、直接的または間接的に、捕捉オリゴマーを支持体に結合する、核酸結合パートナーをいう。支持体に結合された固定化プローブは、サンプル中の非結合物質からの捕捉プローブ結合標的の分離を容易にする。
【0050】
本明細書で使用される場合、「標識」とは、検出されるかまたは検出可能なシグナルに導くプローブに直接的または間接的に結合された部分または化合物をいう。
【0051】
本明細書で使用される場合、「分子トーチ」と呼ばれる構造は、結合領域によって連結され、かつあらかじめ決定されたハイブリダイゼーションアッセイ条件下で互いにハイブリダイズする自己相補性の別個の領域(新しく作り出された「標的結合ドメイン」および「標的閉鎖ドメイン」)を含むように設計される。
【0052】
本明細書で使用される場合、「DNA依存性DNAポリメラーゼ」は、DNA鋳型から相補的DNAコピーを合成する酵素である。例は、E.coli由来のDNAポリメラーゼI、バクテリオファージT7 DNAポリメラーゼ、またはバクテリオファージT4、Phi−29、M2、もしくはT5由来のDNAポリメラーゼである。DNA依存性DNAポリメラーゼは、細菌もしくはバクテリオファージから単離されたか、または組換え的に発現された天然に存在する酵素であってもよく、あるいは特定の所望の特徴、例えば、熱安定性、または種々の修飾された鋳型からDNA鎖を認識または合成する能力を有するように操作された、修飾型または「進化した」型であってもよい。すべての公知のDNA依存性DNAポリメラーゼが合成を開始するために相補性プライマーを必要とする。適切な条件下で、DNA依存性DNAポリメラーゼは、RNA鋳型から相補的DNAコピーを合成し得ることが知られている。典型的には、RNA依存性DNAポリメラーゼもまた、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する。
【0053】
本明細書で使用される場合、「DNA依存性RNAポリメラーゼ」または「トランスクリプターゼ」は、通常は二本鎖であるプロモーター配列を有する、二本鎖または部分的に二本鎖のDNA分子から複数のRNAコピーを合成する酵素である。RNA分子(「転写物」)は、プロモーターのすぐ下流の特定の位置で開始して、5’から3’の方向で合成される。転写物の例は、E.coliならびにバクテリオファージT7、T3、およびSP6由来のDNA依存性RNAポリメラーゼである。
【0054】
本明細書で使用される場合、「RNA依存性DNAポリメラーゼ」または「逆転写酵素」(「RT」)は、RNA鋳型から相補的DNAコピーを合成する酵素である。すべての公知の逆転写酵素は、DNA鋳型から相補的DNAコピーを作る能力もまた有する;従って、これらは、RNA依存性とDNA依存性の両方のDNAポリメラーゼである。RTはRNAse H活性もまた有する可能性がある。プライマーは、RNAとDNAの両方の鋳型で合成を開始するために必要とされる。
【0055】
本明細書で使用される場合、「選択的RNAse」は、RNA:DNA二重鎖のRNA部分を分解するが、一本鎖RNA、二本鎖RNA、またはDNAを分解しない酵素である。例示的な選択的なRNAseはRNAse Hである。RNAse H以外の同じかまたは類似の活性を有する酵素もまた使用されてもよい。選択的RNAseは、エンドヌクレアーゼまたはエキソヌクレアーゼであってもよい。多くの逆転写酵素は、それらのポリメラーゼ活性に加えて、RNAse H活性を含む。しかし、他の供給源のRNAse Hは、付随するポリメラーゼ活性を伴うことなく利用可能である。分解は、RNA:DNA複合体からのRNAの分離を生じ得る。あるいは、選択的RNAseは、RNAの一部が融解して除かれ、または酵素がRNAの部分を巻き戻すことを可能にするように、様々な位置でRNAを単純に切断し得る。RNA標的配列または本明細書のRNA産物を選択的に分解する他の酵素は、当業者には容易に明白である。
【0056】
増幅系の状況における「特異性」という用語は、配列およびアッセイ条件に依存して標的配列と非標的配列の間を区別する増幅系の能力を説明する、その増幅系の特徴をいうために本明細書で使用される。核酸増幅に関して、特異性とは、一般的に、生成した特異的アンプリコンの数の副産物の数に対する比率(すなわち、シグナル対ノイズ比)をいう。
【0057】
「感度」という用語は、それによって核酸増幅反応が検出または定量できる精度をいうために本明細書で用いられる。増幅反応の精度は、一般的には、増幅系において信頼できるように検出可能である標的核酸の最小コピー数の尺度であり、例えば、利用される検出アッセイ、および増幅反応の特異性、すなわち、特異的アンプリコン対副産物の比率に依存する。
【0058】
本明細書で使用される場合、「コロニー形成単位」(「CFU」)は、サンプル中の生存可能な微生物の尺度として使用される。CFUは、固形培地上で目に見えるコロニーを形成する能力がある個々の生存可能な細胞であり、それらのコロニーの個々の細胞は1個の親の細胞から細胞分裂によって誘導される。1CFUは約1000コピーのrRNAに相当する。
【0059】
本明細書で使用される場合、「T時間」は、アッセイデータのリアルタイムプロットにおけるシグナルの閾値時間または出現の時間である。T時間の値は、アンプリコン産生を示す特定の閾値がリアルタイム増幅反応において経過する時間を見積もる。T時間ならびにT時間値を計算および使用するためのアルゴリズムは、Lightら、米国特許公開第2006/0276972号、[0517]〜[0538]段落に記載されており、この開示はそれによって参照により本明細書に援用される。曲線フィッティング手順は、標準化されかつバックグラウンドを補正したデータに適用される。曲線フィットは、所定の低結合と高結合の間のデータの部分のみについて実施される。目的は、データにフィットする曲線を見い出した後で、曲線またはその突出部が所定の閾値と交差する点に対応する時間を見積もることである。1つの実施形態において、標準化されたデータの閾値は0.11である。高結合および低結合は、様々な対照データセットにフィットする曲線が所定の閾値と関連付けられる時間の最小の変動性を示す範囲を超えたものとして、経験的に決定される。例えば、1つの実施形態において、低結合は0.04であり、高結合は0.36である。曲線は、高結合を過ぎた最初のデータ点を通して、低結合よりも下の最初のデータ点から伸長するデータにフィットされる。次に、フィットの傾きが統計学的に有意であるか否かの決定がなされる。例えば、一次係数のp値が0.05未満である場合、フィットは有意であると見なされ、処理が継続する。そうでない場合、処理は停止する。あるいは、データの妥当性はR値によって決定可能である。直線y=mx+bの傾きmおよび切片bはフィットした曲線について決定される。その情報がある場合、T時間は以下のように決定可能である:
T時間=(閾値−b)/m
本明細書で使用される場合、「相対蛍光単位」(「RFU」)という用語は、蛍光強度の尺度の任意単位である。RFUは測定のために使用される検出手段の特徴に伴って変化する。
【0060】
本明細書で使用される場合、「リアルタイムTMA」という用語とは、リアルタイム検出手段によってモニタリングされる標的核酸の単一プライマー転写媒介増幅(「TMA」)をいう。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】図1は、増幅オリゴヌクレオチドおよび検出オリゴヌクレオチドの様々な組み合わせの(A)「乏しい」アッセイ性能および(B)「良好な」アッセイ性能を示す分析物のリアルタイム増幅チャートを図示する。使用した分析物は、精製Salmonella enterica rRNAであって、チャートは0、1E+4、および1E+5コピーにおける分析物の多数の複製を示す。
【図2】図2は、E.coli 23s rRNA配列のヌクレオチド150〜425に対応するSalmonella enterica sbsp enterica sv Enteritidis GP60(ATCC13076)「350領域」配列(配列番号150)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0062】
発明の詳細な説明
特定の態様および実施形態において、本明細書は、サルモネラの同定、検出、および/または定量のための組成物、方法、およびキットに関する。このサルモネラは、試験のため、例えば、診断試験のため、血液製剤のスクリーニングのため、バイオプロセス、食物、水、工業サンプルまたは環境サンプルにおける微生物検出のため、および他の目的のために採取されたサンプル中で、単独で、または核酸の均一もしくは不均一な混合物の多いかもしくは少ない成分としてのいずれかで存在する可能性がある。本明細書に開示される特定の方法、組成物、およびキットは、増幅に基づくサルモネラの検出における検出の感度、特異性、または速度の改善を提供する。サルモネラリボソームRNAは、E.coli、Shigella sp.、Citrobacter sp.、Enterobacter sp.、および他の潜在的な腸内細菌と非常に密接に関連している。従って、本明細書の特定の実施形態において、サルモネラアッセイは、サルモネラ属のほぼすべての種、亜種、および血清型に共通なrRNA配列を同定し、他の腸内細菌からサルモネラを区別する。このような区別のために有用な領域は23S rRNAの350領域である。
【0063】
サルモネラに特異的な増幅オリゴヌクレオチドの広範な分析の結果として、約150〜425ヌクレオチド塩基のE.coli 23s rRNA参照配列(アクセッション番号AJ278710)の領域に対応するサルモネラの特定の領域(以後本明細書では「350領域」と称する)が、増幅に基づくサルモネラの検出のための好ましい標的として同定された。従って、本明細書は、関心対象のサンプル、増幅オリゴヌクレオチド、組成物、反応混液、キットなどの中のサルモネラの検出の方法に関する。
【0064】
サルモネラ属アッセイは、既知のサルモネラ種に特異的なリボソームRNA配列を検出する。これは、リアルタイムTMA技術を利用し、ここでは、標的特異的配列が逆方向TMAを使用して増幅され、蛍光分子トーチが使用され、増幅産物が産生されるにつれてそれらを検出する。標的検出は、結果の信頼性を確認するために、内部対照の増幅および検出と同時に実施される。アッセイの結果は、サルモネラの存在または非存在について陽性または陰性であるサンプルの分類からなる。
【0065】
1つの実施形態において、サンプルは、生物薬剤学プロセス(バイオプロセス)の流れであり、ここでは、サルモネラは既知のまたは疑いのある夾雑物である。「バイオプロセス」は、本明細書で使用される場合、生きている細胞もしくは生物またはその成分が、意図されてまたは意図されずのいずれかで存在している、一般的に任意のプロセスをいう。例えば、その少なくとも1つが生きている細胞、生物、もしくはその成分を含み、または意図されない汚染の結果としてそのような細胞、生物、もしくは成分を含む、本質的に任意の製造プロセスまたは1つ以上のサンプルもしくはサンプルの流れを利用する他のプロセスは、バイオプロセスと見なされる。多くのこのようなプロセスにおいて、プロセスの中で生きている細胞、生物、またはその成分の存在および/または供給源を検出、同定、および/または制御する能力を有することが所望される。本明細書に開示される方法を使用して、例えば、1つ以上のバイオプロセスサンプルおよび/または流れにおけるサルモネラの存在および/または供給源は、迅速かつ高感度の様式でモニタリングされてもよい。
【0066】
標的核酸/標的配列
標的核酸は、実行される増幅アッセイの目的に基づいて任意の数の供給源から単離されてもよい。標的核酸の供給源には、臨床試料、例えば、血液、尿、唾液、糞便、精液、または髄液、犯罪の証拠からの試料、環境サンプル、例えば、水もしくは土壌サンプルからの試料、食物からの試料、工業サンプルからの試料、cDNAライブラリーからの試料、または全細胞RNAからの試料が含まれるがこれらに限定されない。必要な場合、標的核酸は、種々のオリゴヌクレオチドとの相互作用のために利用可能にされる。これは、例えば、細胞から標的核酸を放出させるための細胞溶解または細胞透過を含んでもよく、これに、次いで、一連の単離工程および洗浄工程などの1つ以上の精製工程が続いてもよい。例えば、その内容がそれによって参照により本明細書に援用される、Clarkら「Method for Extracting Nucleic Acids from a Wide Range of Organisms」米国特許第5,786,208号を参照のこと。これは、例えば、血液サンプルに存在するヘムなど、増幅反応と干渉する可能性がある成分をサンプルが含む可能性がある場合に特に重要である。その内容がそれによって参照により本明細書に援用される、Ryderら「Amplification of Nucleic Acids from Mononuclear Cells Using Iron Complexing and Other Agents」米国特許第5,639,599号を参照のこと。増幅のための種々の供給源から標的核酸を調製するための方法は当業者に周知である。標的核酸は、本明細書に記載される増幅反応の前にある程度まで精製されてもよいが、他の場合において、サンプルは、いかなるさらなる操作も伴うことなく、増幅反応に加えられる。
【0067】
当業者によって理解されるように、「独特な」配列は試験環境から判断される。少なくとも検出プローブによって認識される配列は、試験される環境において独特であるべきであるが、しかし、すべての可能な配列の領域の中で独特である必要はない。さらに、たとえ標的配列が検出プローブによる認識のために「独特な」配列を含むはずであっても、プライミングオリゴヌクレオチドおよび/またはプロモーターオリゴヌクレオチドが「独特な」配列を常に認識しているわけではない。ある実施形態において、関連する生物のファミリーに対して一般的である標的配列を選択することが望ましくあり得る。他の状況において、非常に高度に特異的な標的配列、または検出プローブおよび増幅オリゴヌクレオチドによって認識される少なくとも高度に特異的な領域を有する標的配列が、密接に関連する生物、例えば、病原性E.coliと非病原性E.coliの間を区別するように選択される。標的配列は、任意の実用的な長さであってもよい。最小限の標的配列は、プライミングオリゴヌクレオチド(またはその相補物)にハイブリダイズする領域、プロモーターオリゴヌクレオチド(またはその相補物)のハイブリダイズする領域にハイブリダイズする領域、および検出のために使用される領域、例えば、検出プローブにハイブリダイズする領域を含む。検出プローブにハイブリダイズする領域は、プライミングヌクレオチド(またはその相補物)にハイブリダイズする領域またはプロモーターオリゴヌクレオチド(またはその相補物)のハイブリダイズ領域と重複するか、またはその中に含まれてもよい。最小限の要件に加えて、標的配列の最適長は、多くの考慮すべき点、例えば、二次構造の量または配列中の自己ハイブリダイズ領域に依存する。典型的には、標的配列は、約30ヌクレオチド長から約300ヌクレオチド長までの範囲である。最適なまたは好ましい長さは、本明細書に記載される方法に従って決定可能である様々な条件下で変化する可能性がある。
【0068】
核酸「同一性」
特定の実施形態において、核酸は、参照核酸の連続する塩基領域に対して少なくとも70%;または75%;または80%、または85%または90%、または95%;または100%同一である連続する塩基領域を含む。短い核酸については、「問い合わせ」核酸の塩基領域と参照核酸の塩基領域の間の同一性の程度は、手動のアラインメントによって決定可能である。「同一性」は、比較される核酸の糖領域およびバックボーン領域とは関係なく、窒素性塩基の配列のみを比較することによって決定される。従って、問い合わせ:参照塩基配列アラインメントは、DNA:DNA、RNA:RNA、DNA:RNA、RNA:DNA、またはその任意の組み合わせまたはアナログであってもよい。等価なRNAおよびDNAの塩基配列は、U(RNA中)をT(DNA中)に変換することによって比較可能である。
【0069】
オリゴヌクレオチドおよびプライマー
オリゴヌクレオチドは、実質的に任意の長さであり得、増幅反応におけるまたは増幅反応の増幅産物を検出する際のその特異的機能によってのみ限定される。しかし、特定の実施形態において、好ましいオリゴヌクレオチドは、標的核酸配列またはその相補鎖の領域に対して相補的である、少なくとも約10個;または12個;または14個;または16個;または18個;または20個;または22個;または24個;または26個;または28個;または30個;または32個;または34個;または36個;または38個;または40個;または42個;または44個;または46個;または48個;または50個;または52個;または54個;または56個の連続する塩基を含む。これらの連続する塩基は、そのオリゴヌクレオチドが結合する標的配列に対して、好ましくは、少なくとも約80%相補的であり、より好ましくは、少なくとも約90%相補的であり、そして最も好ましくは、完全に相補的である。特定の好ましいオリゴヌクレオチドは、一般的には、約10〜100の間;または12〜75の間;または14〜50の間;または15〜40の間の塩基長であり、任意に修飾ヌクレオチドを含むことができる。
【0070】
規定された配列および化学構造のオリゴヌクレオチドは、当業者に公知の技術によって、例えば、化学的または生化学的な合成、および組換え核酸分子、例えば、細菌ベクターまたはウイルスベクターからのインビトロまたはインビボ発現によって産生されてもよい。本開示によって意図されるように、オリゴヌクレオチドは、単に野生型染色体DNAまたはそのインビボ転写産物からなるのではない。
【0071】
オリゴヌクレオチドは、所定の修飾が所定のオリゴヌクレオチドの所望の機能と適合性である限り、どんなやり方で修飾されてもよい。当業者は、所定の修飾が、任意の所定のオリゴヌクレオチドのために適切であるか、または所望されるかを容易に決定することができる。修飾には、塩基修飾、糖修飾、またはバックボーン修飾が含まれる。塩基修飾には、アデニン、シチジン、グアノシン、チミン、およびウラシルに加えて、以下の塩基の使用が含まれるがこれらに限定されない:C−5プロピン、2−アミノアデニン、5−メチルシチジン、イノシン、ならびにdPおよびdK塩基。ヌクレオシドサブユニットの糖基は、リボース、デオキシリボース、および、例えば、リボフラノシル部分に2’−O−メチル置換を有するリボヌクレオシドを含む、リボース、デオキシリボースのアナログであり得る。Beckerら、米国特許第6,130,038号を参照のこと。他の糖修飾には、2’−アミノ、2’−フルオロ、(L)−α−スレオフラノシル、およびペントピラノシル修飾が含まれるがこれらに限定されない。ヌクレオシドサブユニットは、ホスホジエステル結合などの結合、修飾された結合、またはオリゴヌクレオチドのその相補的標的核酸配列へのハイブリダイゼーションを妨害しない非ヌクレオチド部分によって連結されてもよい。修飾された結合には、標準的なホスホジエステル結合がホスホロチオエート結合またはメチルホスホネート結合などの様々な結合で置き換えられている結合が含まれる。核酸塩基サブユニットは、例えば、中心二級アミンへのカルボキシメチルリンカーによって核酸塩基サブユニットを連結する2−アミノエチルグリシンバックボーンなどの擬似ペプチドバックボーンで、DNAの天然のデオキシリボースリン酸バックボーンを置き換えることによって連結されてもよい。擬似ペプチドバックボーンを有するDNAアナログは、一般的には、「ペプチド核酸」または「PNA」と呼ばれ、Nielsenら、「Peptide Nucleic Acids」米国特許第5,539,082号によって開示されている。他の結合の修飾には、モルホリノ結合が含まれるがこれに限定されない。
【0072】
本明細書で意図されるオリゴヌクレオチドまたはオリゴの非限定的な例には、二環式および三環式のヌクレオシドおよびヌクレオチドのアナログを含む核酸アナログ(LNA)が含まれる。Imanishiら、米国特許第6,268,490号;およびWengelら、米国特許第6,670,461号を参照のこと。修飾オリゴヌクレオチドがその意図される機能を、例えば、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件もしくは増幅条件下で標的核酸にハイブリダイズし、またはDNAもしくはRNAポリメラーゼと相互作用し、それによって伸長または転写を開始することが実施できるならば、任意の核酸アナログが本明細書によって意図される。検出プローブの場合においては、修飾オリゴヌクレオチドは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で標的核酸に優先的にハイブリダイズ可能であることもまた必須である。
【0073】
オリゴヌクレオチドの設計および配列は、以下に記載されるように、それらの機能に依存する。考慮されるべきいくつかの変数には、長さ、融解温度(Tm)、特異性、系の中での他のオリゴヌクレオチドとの相補性、G/C含量、ポリピリミジン(T、C)またはポリプリン(A、G)ストレッチ、および3’末端配列が含まれる。これらおよび他の変数を制御することは、オリゴヌクレオチド設計の標準的かつ周知の態様であり、多数の潜在的なオリゴヌクレオチドを最初にスクリーニングするために、種々のコンピュータプログラムが容易に利用可能である。
【0074】
オリゴヌクレオチド(または他の核酸)の3’末端は、以下に記載されるように、ブロッキング部分を使用して、様々な方法でブロックすることが可能である。「ブロックされた」オリゴヌクレオチドは、DNA−またはRNA−依存性DNAポリメラーゼによる、その3’末端へのオリゴヌクレオチドの付加によって、DNAの相補鎖を生成するために効率的に伸長されない。このように、「ブロックされた」オリゴヌクレオチドは「プライマー」にはなり得ない。
【0075】
ブロッキング部分
ブロッキング部分は、小さな分子、例えば、リン酸またはアンモニウム基であってもよく、あるいはこれは、修飾ヌクレオチド、例えば、3’2’ジデオキシヌクレオチドもしくは3’デオキシアデノシン5’三リン酸(コルジセピン)または他の修飾ヌクレオチドであってもよい。さらなるブロッキング部分には、例えば、3’末端に遊離のヒドロキシル基が存在しないように、3’から5’の方向を有するヌクレオチドもしくは短いヌクレオチド配列の使用、3’アルキル基、3’非ヌクレオチド部分(例えば、その内容がそれによって参照により本明細書に援用される、Arnoldら、「Non−Nucleotide Linking Reagents for Nucleotide Probes」米国特許第6,031,091号を参照のこと)、ホスホロチオエート、アルカン−ジオール残基、ペプチド核酸(PNA)、3’末端に3’ヒドロキシル基を欠くヌクレオチド残基、または核酸結合タンパク質の使用が含まれる。好ましくは、3’ブロッキング部分は、3’から5’の方向または3’非ヌクレオチド部分を有するヌクレオチドまたはヌクレオチド配列を含み、3’2’ジデオキシヌクレオチドまたは遊離のヒドロキシル基を有する3’末端を含まない。3’ブロッキングオリゴヌクレオチドを調製するためのさらなる方法は当業者には周知である。
【0076】
プライミングオリゴヌクレオチドまたはプライマー
プライミングオリゴヌクレオチドは、その3’末端に共有結合されたヌクレオチド塩基の付加によって伸長され、その塩基は鋳型に対して相補的である。結果はプライマー伸長産物である。適切かつ好ましいプライミングオリゴヌクレオチドは本明細書に記載されている。知られている実質的にすべてのDNAポリメラーゼ(逆転写酵素を含む)は、DNA合成を開始するために一本鎖鋳型(「プライミング」)へのオリゴヌクレオチドの複合体形成を必要とするのに対して、RNAの複製および転写は(DNAからのRNAのコピー作製)、一般的に、プライマーを必要としない。DNAポリメラーゼによって伸長されるまさしくその性質により、プライミングオリゴヌクレオチドは3’ブロッキング部分を含まない。
【0077】
プロモーターオリゴヌクレオチド/プロモーター配列
結合するために、このようなトランスクリプターゼは、伸長反応を経由してプロモーター配列を含む領域中で二本鎖にされたDNAを必要としたと一般的に考えられていた。しかし、RNAの効率的な転写は、二本鎖プロモーターが鋳型核酸との伸長反応を通して形成されない条件下でさえも起こり得ることが決定された。鋳型核酸(転写される配列)は二本鎖である必要はない。個々のDNA依存性RNAポリメラーゼは、種々の異なるプロモーター配列を認識し、これらは、転写を促進する際のそれらの効率が顕著に変化し得る。RNAポリメラーゼが転写を開始するためにプロモーター配列に結合するとき、そのプロモーター配列は転写される配列の一部ではない。従って、それによって産生されるRNA転写物は、その配列を含まない。
【0078】
終結オリゴヌクレオチド
終結オリゴヌクレオチドまたは「ブロッカー」は、新生核酸鎖についての所望の3’末端を達成するために十分な位置において、標的核酸にハイブリダイズするように設計される。終結オリゴヌクレオチドの位置決めは、その設計に依存して柔軟性がある。終結オリゴヌクレオチドは、修飾されているかまたは非修飾であり得る。特定の実施形態において、終結オリゴヌクレオチドは、少なくとも1つ以上の2’−O−メチルリボヌクレオチドを用いて合成される。これらの修飾ヌクレオチドは、相補的二重鎖のより高い熱安定性を実証した。2’−O−メチルリボヌクレアーゼはまた、エキソヌクレアーゼに対するオリゴヌクレオチドの抵抗性を増加させるように機能し、それによって、修飾オリゴヌクレオチドの半減期を増加させる。例えば、その内容がそれによって参照により本明細書に援用される、Majlessiら(1988)Nucleic Acids Res.26,2224−9を参照のこと。本明細書の他の箇所に記載されているような他の修飾は、2’−O−メチルリボヌクレオチドに加えて、またはその代わりに利用されてもよい。例えば、終結オリゴヌクレオチドは、PNAまたはLNAを含んでもよい。例えば、その内容がそれによって参照により本明細書に援用される、Petersenら(2000)J.Mol.Recognit.13,44−53を参照のこと。終結オリゴヌクレオチドは、典型的には、伸長を妨害するために、その3’末端においてブロッキング部分を含む。終結オリゴヌクレオチドは、ポリメラーゼによる新生核酸鎖の伸長をさらに終結させるように、オリゴヌクレオチドに連結されたタンパク質またはペプチドもまた含んでもよい。適切かつ好ましい終結オリゴヌクレオチドは本明細書に記載される。終結オリゴヌクレオチドは、典型的にはまたは必然的に3’ブロッキング部分を含むのに対し、「3’ブロックされた」オリゴヌクレオチドは、必ずしも終結オリゴヌクレオチドである必要はないことが注目される。本明細書に開示されるような他のオリゴヌクレオチド、例えば、プロモーターオリゴヌクレオチドおよびキャッピングオリゴヌクレオチドは、同様に、典型的にはまたは必然的に3’ブロックされている。
【0079】
エクステンダーオリゴヌクレオチド
エクステンダーオリゴヌクレオチドは、プロモーターオリゴヌクレオチドの最初の領域の3’末端に隣接するかまたはその近傍のDNA鋳型にハイブリダイズする。エクステンダーオリゴヌクレオチドは、好ましくは、エクステンダーオリゴヌクレオチドの5’末端塩基がプロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端塩基の3塩基、2塩基、または1塩基以内にあるように、DNA鋳型にハイブリダイズする。最も好ましくは、エクステンダーオリゴヌクレオチドの5’末端塩基は、エクステンダーオリゴヌクレオチドおよびプロモーターオリゴヌクレオチドがDNA鋳型にハイブリダイズされるときに、プロモーターオリゴヌクレオチドの3’末端塩基に隣接している。エクステンダーオリゴヌクレオチドの伸長を妨害するために、3’末端ブロッキング部分が典型的には含まれる。
【0080】
プローブ
当業者によって理解されるように、プローブは、ヒトの介入なしで天然には見い出されない型である(例えば、外因性核酸で組換えされ、単離され、またはある程度まで精製されている)、単離された核酸分子またはそのアナログを含む。プローブは、ヌクレオシドまたは核酸塩基がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイゼーションに実質的に影響を与えない限り、検出プローブの場合には、標的核酸への優先的なハイブリダイゼーションを妨害しない限り、標的とされる領域の外側のさらなるヌクレオシドまたは核酸塩基を有してもよい。標的捕捉配列(一般的には、ホモポリマートラクト、例えば、ポリA、ポリT、またはポリUテール)、プロモーター配列、RNA転写のための結合部位、制限エンドヌクレアーゼ認識部位などの非相補的配列もまた含められてもよく、または、プローブ上または標的核酸上またはその両方での触媒活性部位またはヘアピン構造などの所望の二次構造または三次構造を付与する配列を含んでもよい。
【0081】
プローブは、好ましくは、少なくとも1つの検出可能な標識を含む。この標識は、以下を含むがこれらに限定されない、任意の適切な標識物質であり得る:放射性同位元素、酵素、酵素補因子、酵素基質、色素、ハプテン、化学発光分子、蛍光分子、燐光分子、電気化学発光分子、発色団、言及した条件下で標的核酸に安定にハイブリダイズできない塩基配列領域、およびこれらの混合物。1つの特定の好ましい実施形態において、標識はアクリジニウムエステルである。本明細書に開示されているような特定のプローブは標識を含まない。例えば、非標識「捕捉」プローブは、標的配列またはその複製で富化されるために使用されてもよく、次いで、これは、第2の「検出」プローブによって検出されてもよい。例えば、それによって参照により本明細書に援用される、Weisburgら「Two−Step Hybridization and Capture of a Polynucleotide」米国特許第6,534,273号を参照のこと。検出プローブは典型的には標識されているが、特定の検出技術はプローブが標識されることを必要としない。例えば、Nygrenら「Devices and Methods for Optical Detection of Nucleic Acid Hybridization」米国特許第6,060,237号を参照のこと。
【0082】
規定された配列のプローブは、当業者に公知である技術によって、例えば、化学合成によって、および組換え核酸分子からのインビトロまたはインビボ発現によって、製造されてもよい。好ましくは、プローブは、10〜100ヌクレオチド長、より好ましくは12〜50塩基長、およびさらにより好ましくは18〜35塩基長である。
【0083】
ハイブリダイズ/ハイブリダイゼーション
核酸ハイブリダイゼーションは、それによって、安定な二本鎖ハイブリッドを形成するための所定の反応条件下で、完全にまたは部分的に相補的なヌクレオチド配列を有する2つの核酸鎖が一緒になるプロセスである。核酸鎖は、デオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)またはそのアナログのいずれかであり得る。従って、ハイブリダイゼーションは、RNA:RNAハイブリッド、DNA:DNAハイブリッド、RNA:DNAハイブリッド、またはそのアナログを含むことができる。時折ハイブリッドと呼ばれる、この二本鎖構造の構成要素である2つの鎖は、水素結合によってまとめられている。これらの水素結合は、単一の核酸鎖上で塩基アデニンおよびチミンもしくはウラシル(AおよびTもしくはU)またはシトシンおよびグアニン(CおよびG)を含むヌクレオチド間で最も一般的には形成しているが、塩基対形成は、これらの「基準の」対合のメンバーではない塩基間でもまた形成し得る。基準ではない塩基対形成は当該分野において周知である(例えば、Roger L.P.Adamsら「The Biochemistry Of The Nucleic Acids」(第11版、1992))を参照のこと)。
【0084】
「ストリンジェントな」ハイブリダイゼーションアッセイ条件とは、特定の検出プローブが、試験サンプル中に存在する他の核酸ではなく、標的核酸とハイブリダイズすることが可能である条件をいう。これらの条件は、プローブのGC含量および長さ、ハイブリダイゼーション温度、ハイブリダイゼーション試薬または溶液の組成、および探求されるハイブリダイゼーションの特異性の程度を含む要因に依存して変化してもよいことが理解される。特定のストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、以下の開示において提供される。
【0085】
核酸増幅
核酸増幅の多くの周知の方法は、二本鎖核酸を変性させ、そしてプライマーをハイブリダイズすることを交互に行う熱サイクルを必要とする;しかし、核酸増幅の他の周知の方法は等温である。一般的にはPCRと呼ばれるポリメラーゼ連鎖反応(米国特許第4,683,195号;同第4,683,202号;同第4,800,159号;同第4,965,188号)は、変性、プライマー対の逆ストランドへのアニーリング、および標的配列のコピー数を指数関数的に増加させるためのプライマー伸長の複数のサイクルを使用する。RT−PCRと呼ばれるバリエーションでは、逆転写酵素(RT)が、mRNAから相補DNA(cDNA)を作製するために使用され、次いで、cDNAがPCRによって増幅されて、DNAの複数のコピーを生成する。LCRと一般的に呼ばれるリガーゼ連鎖反応(Weiss、R.1991、Science 254 1292)は、標的核酸の隣接する領域にハイブリダイズする相補的DNAオリゴヌクレオチドの2つのセットを使用する。DNAオリゴヌクレオチドは、熱変性、ハイブリダイゼーション、およびライゲーションの反復サイクルにおいてDNAリガーゼによって共有結合され、検出可能な二本鎖のライゲーションされたオリゴヌクレオチド産物を生成する。別の方法は、SDAと一般的に呼ばれる鎖置換増幅であり(Walker、G.ら、1992、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:392−396、米国特許第5,270,184号および同第5,455,166号)、これは、標的配列の逆ストランドへのプライマー配列の対のアニーリング、dNTPαSの存在下での二重鎖ヘミホスホロチオエート化プライマー伸長産物を生成するためのプライマー伸長、ヘミ修飾制限エンドヌクレアーゼ認識部位のエンドヌクレアーゼ媒介ニック形成、ならびに既存の鎖を置き換え、かつ次のラウンドのプライマーアニーリング、ニック形成、および鎖置き換えのための鎖を生成する、ニックの3’末端からのポリメラーゼ媒介プライマー伸長のサイクルを使用して、産物の幾何学的な増幅を生じる。好熱性SDA(tSDA)は、本質的に同じ方法において、より高い温度で好熱性エンドヌクレアーゼおよびポリメラーゼを使用する(ヨーロッパ特許第0 684 315号)。他の増幅方法には以下が含まれる:一般的にはNASBAと呼ばれる、核酸配列に基づく増幅(米国特許第5,130,238号);一般的にはQ−βレプリカーゼと呼ばれる、プローブ分子それ自体を増幅するためにRNAレプリカーゼを使用するもの(Lizardi、P.ら、1988、BioTechnol.6 1197−1202);転写に基づく増幅方法(Kwoh、D.ら、1989、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173−1177);自律的な配列複製(Guatelli,J.ら、1990,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:1874−1878);および一般的にはTMAと呼ばれる転写媒介増幅(米国特許第5,480,784号および同第5,399,491号)。公知の増幅方法のさらなる議論については、Persing,David H.、1993、「In Vitro Nucleic Acid Amplification Techniques」Diagnostic Medical Microbiology:Principles and Applications(Persingら編)所収、51−87頁(American Society for Microbiology、Washington、DC)を参照のこと。
【0086】
好ましい実施形態において、サルモネラは、転写に基づく増幅技術によって検出される。1つの好ましい転写に基づく増幅系は、転写媒介増幅(TMA)であり、これは、RNAポリメラーゼを利用して、標的領域の複数のRNA転写物を生成する。例示的なTMA増幅方法は、米国特許第5,480,784号、同第5,399,491号、同第7,374,885号、およびそこに引用されている参考文献に記載されており、これらの内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。TMAは、逆転写酵素およびRNAポリメラーゼの存在下で標的核酸にハイブリダイズする「プロモーター−プライマー」を使用して、そこからRNAポリメラーゼがRNA転写物を生成する二本鎖プロモーターを形成する。これらの転写物は、RNA転写物にハイブリダイズする能力がある第2のプライマーの存在下で、TMAのさらなるラウンドのための鋳型となることができる。熱変性を必要とするPCR、LCR、または他の方法とは異なり、TMAは、RNA:DNAハイブリッドのRNA鎖を消化するためにRNase H活性を使用する等温方法であり、それによって、DNA鎖を、プライマーまたはプロモーター−プライマーとのハイブリダイゼーションのために利用可能にする。一般的に、増幅のために提供される逆転写酵素に付随するRNase H活性が使用される。
【0087】
TMA法の1つのバージョンにおいて、1つの増幅プライマーは、二本鎖になり、標的配列の5’に配置されたときに機能的になるプロモーター配列を含む、オリゴヌクレオチドプロモーター−プライマーであり、これは、増幅される配列に対して3’の位置において標的RNAの結合部位にハイブリダイズする能力がある。プロモーター−プライマーは、T7 RNAポリメラーゼ認識について特異的である場合に、「T7プライマー」と呼ばれてもよい。特定の状況下で、プロモーター−プライマーの3’末端、またはこのようなプロモーター−プライマーの亜集団は、プロモーター−プライマー伸長をブロックまたは減少するために修飾されてもよい。非修飾プロモーター−プライマーから、逆転写酵素は、標的RNAのcDNAコピーを作製するが、RNase H活性は、標的RNAを分解する。次いで、第2の増幅プライマーがcDNAに結合する。このプライマーは、「T7プライマー」からそれを区別するために「非T7プライマー」と呼ばれてもよい。この第2の増幅プライマーから、逆転写酵素は別のDNA鎖を作製し、一方の末端に機能的プロモーターを有する二本鎖DNAを生じる。二本鎖となったときに、プロモーター配列は、プロモーター−プライマーがハイブリダイズされる標的配列の転写を開始するために、RNAポリメラーゼを結合する能力がある。RNAポリメラーゼは、このプロモーター配列を使用して、複数のRNA転写物(すなわち、アンプリコン)、一般的には、約100〜1,000コピーを生成する。各々の新たに合成されたアンプリコンは、第2の増幅プライマーとアニーリングすることができる。次いで、逆転写酵素がDNAコピーを作製できるのに対して、RNase H活性は、このRNA:DNA二重鎖のRNAを分解する。次いで、プロモーター−プライマーは、新たに合成されたDNAに結合でき、逆転写酵素が二本鎖DNAを作製することを可能にし、そこからRNAポリメラーゼは複数のアンプリコンを生成する。従って、数10億倍の等温増幅が、2つの増幅プライマーを使用して達成することができる。
【0088】
TMAの別のバージョンは、核酸をインビトロで増幅するために1種のプライマーおよび1種以上のさらなる増幅オリゴマーを使用し、サンプル中の標的配列の存在を示す転写物(アンプリコン)をもたらす(Beckerら、米国特許第7,374,885号に記載されており、その詳細は、それによって参照により本明細書に援用される)。手短に述べると、単一プライマーTMA法は、プライマー(または「プライミングオリゴマー」)、その3’末端からのDNA合成の開始を妨害するように修飾されている(例えば、3’ブロッキング部分を含めることによる)修飾プロモーターオリゴマー(または「プロモーター−プロバイダー」)、および選択的に、標的鎖からのcDNAの伸長を終結させるための結合分子(例えば、3’ブロックされたエクステンダーオリゴマー)を使用する。本明細書で言及される場合、「T7プロバイダー」は、T7 RNAポリメラーゼによって認識されるオリゴヌクレオチド配列を提供する、ブロックされたプロモーター−プロバイダーオリゴヌクレオチドである。この方法は、標的配列の複数のコピーを合成し、そしてプライミングオリゴマーおよび結合分子を用いて、標的配列を含む標的RNAを処理する工程を含み、ここで、プライマーは、標的鎖の3’末端にハイブリダイズする。RTは、プライマーの3’末端からのプライマー伸長を開始して、標的鎖との二重鎖の中にあるcDNA(例えば、RNA:cDNA)を生成する。3’ブロックされたエクステンダーオリゴマーなどの結合分子が反応において使用される場合、これは、標的配列の5’末端に隣接するか近傍にある標的核酸に結合する。すなわち、結合分子は、増幅される標的配列の5’末端の次の標的鎖に結合する。プライマーがRTのDNAポリメラーゼ活性によって伸長されてcDNAを生成する場合、そのcDNAの3’末端は結合分子の位置によって決定される。なぜなら、プライマー伸長産物が標的鎖に結合した結合分子に到達したときに重合が停止するからである。従って、cDNAの3’末端は、標的配列の5’末端に対して相補的である。RNA:cDNA二重鎖は、RNase(例えば、RTのRNase H)がRNA鎖を分解するときに分離されるが、当業者は、任意の型の鎖分離が使用されてもよいことを認識している。次いで、プロモーター−プロバイダーオリゴマーが、cDNA鎖の3’末端近傍のcDNAにハイブリダイズする。このプロモーター−プロバイダーオリゴマーは、RNAポリメラーゼのための5’プロモーター配列およびcDNAの3’領域における配列に対して相補的である3’領域を含む。プロモーター−プロバイダーオリゴマーは、プロモーター−プロバイダーオリゴマーの3’末端からのDNA合成の開始を妨害するブロッキング部分を含む修飾3’末端もまた有する。プロモーター−プロバイダー:cDNA二重鎖において、cDNAの3’末端は、鋳型としてプロモーターオリゴマーを使用して、RTのDNAポリメラーゼ活性によって伸長されて、cDNAにプロモーター配列を加え、そして機能的な二本鎖プロモーターを作製する。次いで、プロモーター配列に特異的なRNAポリメラーゼは機能的プロモーターに結合し、そしてcDNAに相補的であり、最初の標的鎖から増幅された標的領域配列と実質的に同一である複数のRNA転写物を転写する。次いで、得られた増幅RNAは、プライマーを結合すること、およびさらなるcDNA産生のための鋳型として働くことによって、再度このプロセスを通してサイクルを回すことができ、最終的には、サンプル中に存在する最初の標的核酸から多くのアンプリコンを生成する。単一プライマー転写関連増幅法のある実施形態は、結合分子を含まず、それゆえに、プライマーから作られたcDNA産物は確定できない3’末端を有するが、増幅工程は、すべての他の工程について上記に記載されたように実質的に進行する。
【0089】
適切な増幅条件は、本開示を考慮して、当業者によって容易に決定されることが可能である。「増幅条件」は、本明細書に開示される場合、核酸増幅を可能にする条件をいう。増幅条件は、ある実施形態において、本明細書に記載されるような「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」よりもストリンジェントではなくてもよい。本明細書において開示されるような、増幅反応において使用されるオリゴヌクレオチドは、増幅条件下でそれらの意図される標的に特異的でありかつハイブリダイズしてもよいが、特定の実施形態において、よりストリンジェントな条件下でハイブリダイズしてもよいし、ハイブリダイズしなくてもよい。一方、検出プローブは、一般的には、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする。下記の実施例の節は標的核酸配列を増幅するための好ましい増幅条件を提供するが、核酸増幅を実行するための他の受容可能な条件は、利用される増幅の特定の方法に依存して、当業者によって容易に確認可能である。
【0090】
本明細書に開示されるような増幅方法は、特定の実施形態において、増幅反応の感度、選択性、効率などの改善のために有効であるオリゴヌクレオチドの1つ以上の他の型の使用もまた、好ましく用いる。これらには、例えば、終結オリゴヌクレオチド、エクステンダーオリゴヌクレオチドまたはヘルパーオリゴヌクレオチドなどが含まれてもよい。
【0091】
標的捕捉
特定の実施形態において、例えば、標的捕捉アプローチを使用して、増幅の前にサンプルからの標的核酸を精製または富化することが好ましくあり得る。「標的捕捉」(TC)とは、一般的に、磁気的に引きつけることが可能な粒子などの固体支持体に標的ポリヌクレオチドを捕捉することをいい、ここでは、固体支持体が、標的ポリヌクレオチドの精製手順の1回以上の洗浄工程の間に標的ポリヌクレオチドを保持している。このやり方で、標的ポリヌクレオチドは、次の核酸増幅工程の前に実質的に精製される。多数の標的捕捉方法が公知であり、本明細書に記載される方法と併せての使用のために適切である。
【0092】
任意の支持体、例えば、溶液中で遊離しているマトリックスまたは粒子が使用されてもよく、これは、種々の材料のいずれか、例えば、ナイロン、ニトロセルロース、ガラス、ポリアクリレート、混合ポリマー、ポリスチレン、シランポリプロピレン、または金属製であってもよい。説明的な例は、磁気的に引きつけることが可能な粒子、例えば、単分散常磁性ビーズ(均一サイズ、+−.5%)である支持体を使用し、これに固定化プローブが直接的に(例えば、共有結合、キレート化、またはイオン的相互作用を介して)または間接的に(例えば、リンカーを介して)結合し、この結合は核酸ハイブリダイゼーション条件の間に安定である。
【0093】
例えば、米国特許出願第20060068417号に記載されるような1つの例証的なアプローチは、標的相補的な領域を含む少なくとも1つの捕捉プローブオリゴヌクレオチド、および捕捉支持体上の固定化プローブに標的核酸を結合する特異的な結合対のメンバーを使用し、従って、標的核酸が捕捉支持体から遊離される前に、他のサンプル成分から分離されている捕捉ハイブリッドを形成する。
【0094】
別の例証的な方法において、Weisburgら、米国特許第6,110,678号は、捕捉プローブ、および好ましくは温度のみが異なる2つの異なるハイブリダイゼーション条件を使用することによって、結合した固定化プローブを用いて、磁気的に引きつけることが可能な粒子などの固体支持体上にサンプル中の標的ポリヌクレオチドを捕捉するための方法を記載している。2つのハイブリダイゼーション条件は、ハイブリダイゼーションの次数を制御し、ここでは、第1のハイブリダイゼーション条件は、標的ポリヌクレオチドへの捕捉プローブのハイブリダイゼーションを可能にし、第2のハイブリダイゼーション条件は、固定化プローブへの捕捉プローブのハイブリダイゼーションを可能にする。この方法は、捕捉された標的ポリヌクレオチドまたは増幅された標的ポリヌクレオチドを検出することによって、サンプル中の標的ポリヌクレオチドの存在を検出するために使用されてもよい。
【0095】
別の例証的な標的捕捉技術(米国特許第4,486,539号)は、標的ポリヌクレオチドを捕捉するため、およびその存在を検出するための、ハイブリダイゼーションサンドイッチ技術を含む。この技術は、固体支持体に結合したプローブによる標的ポリヌクレオチドの捕捉、および捕捉された標的ポリヌクレオチドへの検出プローブのハイブリダイゼーションを包含する。標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズしない検出プローブは、固体支持体から容易に洗浄除去される。従って、残っている標識は、最初にサンプル中に存在している標的ポリヌクレオチドに付随している。
【0096】
別の例証的な標的捕捉技術(米国特許第4,751,177号)は、標的ポリヌクレオチドと、固体支持体上に固定されたポリヌクレオチドの両方にハイブリダイズするメディエーターポリヌクレオチドを使用する方法を包含する。このメディエーターポリヌクレオチドは、標的ポリヌクレオチドを固体支持体に結合して、結合した標的を生成する。標識プローブは結合した標的にハイブリダイズ可能であり、非結合標識プローブは固体支持体から洗浄除去できる。
【0097】
さらに別の例証的な標的捕捉技術は、標的ポリヌクレオチドを検出するための方法を記載している、米国特許第4,894,324号および同第5,288,609号に記載されている。この方法は、標的の同じ鎖または逆ストランドに相補的な2つの一本鎖ポリヌクレオチドセグメントを利用し、標的ポリヌクレオチドとの二重ハイブリッドの形成を生じる。1つの実施形態において、ハイブリッドは支持体に捕捉される。
【0098】
別の例証的な標的捕捉技術、EP特許公開第0 370 694号において、核酸を検出するための方法およびキットは、プライマーおよびプライマー伸長産物を固定化するために特異的結合パートナーを用いて標識されたオリゴヌクレオチドプライマーを使用する。この標識は、固体支持体に結合されているその受容体と特異的に複合体を形成する。
【0099】
上記の捕捉技術は例示のみであって、限定ではない。確かに、増幅の前に目的の標的核酸配列を精製するために有効であるならば、当業者に利用可能である本質的に任意の技術が使用されてもよい。
【0100】
核酸検出
特異的核酸ハイブリダイゼーションをモニタリングするために使用できる本質的に任意の標識および/または検出系が、サルモネラアンプリコンを検出することに連動して使用できる。このような多くの系が公知でありかつ当業者に利用可能であり、その説明的な例は以下で手短に議論される。
【0101】
検出系は、典型的には、目的の標的核酸の検出を容易にするために1つの型または別の型の検出オリゴヌクレオチドを利用する。検出は、直接的(すなわち、プローブは標的に直接的にハイブリダイズされる)または間接的(すなわち、プローブは、標的にプローブを連結する中間体構造にハイブリダイズされる)のいずれかであってもよい。プローブの標的配列は、一般的には、プローブが特異的にハイブリダイズするより大きな配列の中の特異的配列をいう。検出プローブは、標的配列が存在するか否かに依存して、プローブの三次元構造に寄与する標的特異的配列および他の配列または構造を含んでもよい(例えば、米国特許第5,118,801号、同第5,312,728号、同第6,835,542号、および同第6,849,412号)。
【0102】
多数の周知の標識系のいずれかが、検出を容易にするために使用されてもよい。直接的結合が共有結合または非共有結合的相互作用(例えば、水素結合、疎水性相互作用またはイオン性相互作用、ならびにキレートまたは配位錯体形成)を使用してもよいのに対して、間接的結合は、検出可能なシグナルを増幅する架橋部分またはリンカー(例えば、抗体またはさらなるオリゴヌクレオチドを介する)を使用してもよい。任意の検出可能な部分、例えば、放射性核種、ビオチンまたはアビジンなどのリガンド、酵素、酵素基質、反応基、色素または検出可能な色を付与する粒子(例えば、ラテックスまたは金属ビーズ)などの発色団、発光化合物(例えば、生物発光、燐光、または化学発光化合物)、および蛍光化合物が使用されてもよい。好ましい実施形態は、均質系で検出可能である「均質な検出可能な標識」を含み、ここでは、混液中の結合された標識プローブが、非結合標識プローブと比較して検出可能な変化を示し、これは、ハイブリダイズしていない標識プローブからハイブリダイズした標識プローブを物理的に取り出すことなく、標識が検出されることを可能にする(例えば、米国特許第6,004,745号、同第5,656,207号、および同第5,658,737号)。好ましい均質な検出可能な標識には化学発光化合物が含まれ、より好ましくは、アクリジニウムエステル(「AE」)化合物、例えば、周知である標準AEまたはAE誘導体が含まれる(米国特許第5,656,207号、同第5,658,737号、および同第5,948,899号)。標識を合成する方法、核酸に標識を結合させる方法、および標識からのシグナルを検出する方法は周知である(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)第10章、ならびに米国特許第6,414,152号、同第5,185,439号、同第5,658,737号、同第5,656,207号、同第5,547,842号、同第5,639,604号、同第4,581,333号、および同第5,731,148号)。核酸にAE化合物を連結する好ましい方法は公知である(例えば、米国特許第5,585,481号および同第5,639,604号、カラム10、第6行〜カラム11、第3行、および実施例8)。好ましいAE標識位置は、プローブの中心領域およびプローブの3’末端もしくは5’末端における、または公知の配列とのミスマッチ部位上もしくは近傍における、A/T塩基対の領域の近傍であり、すなわち、このプローブは、所望の標的配列と比較して検出されないはずである。
【0103】
好ましい実施形態において、少なくともある程度の自己相補性を示すオリゴヌクレオチドは、検出の前にハイブリダイズしていないプローブの除去を最初に必要とすることなく、試験サンプル中のプローブ:標的二重鎖の検出を容易にするために望ましい。例として、変性条件に曝露されたときに、完全にまたは部分的に相補的である分子トーチの2つの相補的な領域は融解し、所定のハイブリダイゼーションアッセイ条件に戻されたときに、標的配列に対するハイブリダイゼーションのために利用可能な標的結合ドメインを残す。分子トーチは、標的結合ドメインが、標的閉鎖ドメインよりも、標的配列へのハイブリダイゼーションへ優勢であるように設計される。分子トーチの標的結合ドメインおよび標的閉鎖ドメインは、分子トーチが標的核酸にハイブリダイズされる場合とは反対に、分子トーチが自己ハイブリダイズされる場合に異なるシグナルが生成されるように配置された相互作用標識(例えば、蛍光/クエンチャー対)を含み、それによって、プローブに付随する実行可能な標識を有するハイブリダイズしていないプローブの存在下で、試験サンプル中のプローブ:標的二重鎖の検出を可能にする。分子トーチは米国特許第6,361,945号に完全に記載されており、その開示はそれによって参照により本明細書に援用される。
【0104】
使用されてもよい自己相補的ハイブリダイゼーションアッセイプローブの別の例は、一般的に「分子ビーコン」と呼ばれる構造である。分子ビーコンは、標的相補的配列、標的核酸配列の非存在下で閉じたコンホメーションでプローブを保持する親和性対(または核酸アーム)、およびプローブが開いたコンホメーションにあるときに相互作用する標識対を有する核酸分子である。標的核酸への分子ビーコン標的相補的配列のハイブリダイゼーションは、親和性対のメンバーを分離し、それによって、プローブを開いたコンホメーションにシフトさせる。この開いたコンホメーションへのシフトは、例えば、蛍光団およびクエンチャー(例えば、DABCYLおよびEDANS)であり得る、標識対の相互作用の減少に起因して検出可能である。分子ビーコンは米国特許第5,925,517号に十分に記載されており、その開示はそれによって参照により本明細書に援用される。特定の核酸配列を検出するために有用な分子ビーコンは、本明細書に開示されているプローブ配列の1つのいずれかの末端に、蛍光団を含む第1の核酸アーム、およびクエンチャー部分を含む第2の核酸アームを付加することによって作製されてもよい。この配置において、サルモネラ特異的プローブ配列は、得られた分子ビーコンの標的相補的「ループ」部分として働いてもよい。
【0105】
分子ビーコンは、好ましくは、検出可能な標識の相互作用的な対で標識される。好ましい検出可能な標識は、FRETまたは非FRETエネルギー移動メカニズムによって互いと相互作用する。蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)は、発色団の間の共鳴相互作用による、原子間距離よりも顕著に大きな距離にわたる、熱エネルギーへの転換を伴わず、かつドナーとアクセプターが動力学的衝突の状態になることがない、分子または分子の系における吸収の部位からその利用の部位までのエネルギー量子の無放射伝播を含む。「ドナー」は最初にエネルギーを吸収する部分であり、「アクセプター」はエネルギーが次に移動される部分である。FRETに加えて、少なくとも3つの他の「非FRET」エネルギー移動プロセスが存在し、それによって、励起エネルギーはドナーからアクセプター分子へ移動可能である。
【0106】
1つの標識から放射されたエネルギーが第2の標識によって受容または吸収されることが可能であるように、2つの標識が十分に密接して保持される場合、FRETメカニズムによるかまたは非FRETメカニズムでよるかに関わらず、その2つの標識は「エネルギー移動関係」にあるといわれる。この場合、例えば、分子ビーコンがステム二重鎖の形成によって密接な状態に維持され、分子ビーコンの1つのアームに結合された蛍光団からの蛍光放射は、他のアーム上にクエンチャー部分によってクエンチされる場合である。
【0107】
分子ビーコンについての例証的な標識部分は、蛍光団、および蛍光クエンチング特性を有する第2の部分(すなわち、クエンチャー)を含む。この実施形態において、特徴的なシグナルは、おそらく特定の波長の蛍光であるが、代替的には、可視光シグナルであり得る。蛍光が含まれる場合、発光の変化は好ましくはFRETに起因し、または放射的なエネルギー移動もしくは非FRETモードに起因する。密接した状態で相互作用的な標識の対を有する分子ビーコンが適切な波長の光によって刺激される場合、蛍光シグナルは最初のレベルで生成され、これは非常に低い可能性がある。この同じ分子ビーコンが開いた状態でありかつ適切な波長の光によって刺激される場合、蛍光団およびクエンチャー部分は、それらの間のエネルギー移動が実質的に除外されるように、互いから十分に離れている。この条件下では、クエンチャー部分は、蛍光団部分からの蛍光をクエンチすることは不可能である。蛍光団が適切な波長の光エネルギーによって刺激される場合、第1のレベルよりも高い、第2のレベルの蛍光シグナルが生成される。2つのレベルの蛍光の間の違いは検出可能でありかつ測定可能である。この様式で蛍光団部分およびクエンチャー部分を使用すると、分子ビーコンは「開いた」コンホメーションにおいてのみ「オン」であり、容易に検出可能なシグナルを発することによって、プローブが標的に結合していることを示す。プローブのコンホメーションの状態は、標識部分の間の相互作用を調節することによって、プローブから生成するシグナルを変化させる。
【0108】
非FRETからFRETを区別するための試みを行わずに使用される可能性があるドナー/アクセプター標識対の例には、フルオレセイン/テトラメチルローダミン、IAEDANS/フルオレセイン、EDANS/DABCYL、クマリン/DABCYL、フルオレセイン/フルオレセイン、BODIPY FL/BODIPY FL、フルオレセイン/DABCYL、ルシファーイエロー/DABCYL、BODIPY/DABCYL、エオシン(eosine)/DABCYL、エリトロシン/DABCYL、テトラメチルローダミン/DABCYL、テキサスレッド/DABCYL、CY5/BH1、CY5/BH2、CY3/BH1、CY3/BH2、およびフルオレセイン/QSY7色素が含まれる。当業者は、ドナーおよびアクセプター色素が異なる場合には、エネルギー移動は、アクセプターの感作された蛍光の出現によって、またはドナー蛍光のクエンチングによって検出可能であることを理解している。ドナーおよびアクセプター種が同じ場合、エネルギーは、得られる蛍光偏光解消によって検出可能である。DABCYLおよびQSY 7色素などの非蛍光アクセプターは、直接的な(すなわち、感作されていない)アクセプター励起から生じるバックグラウンド蛍光の潜在的な問題を有利に排除する。ドナー−アクセプター対の1つのメンバーとして使用できる好ましい蛍光団部分には、フルオレセイン、ROX、およびCY色素(CY5など)が含まれる。ドナー−アクセプター対の別のメンバーとして使用できる高度に好ましいクエンチャー部分には、Biosearch Technologies,Inc.(Novato、Calif.)から入手可能であるDABCYLおよびブラックホールクエンチャー(the Black Hole Quencher)部分が含まれる。
【0109】
合成技術ならびに核酸に標識を結合させる方法および標識を検出する方法は当該分野において周知である(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版(Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)、第10章、Nelsonら、米国特許第5,658,737号、Woodheadら、同第5,656,207号、Hoganら、同第5,547,842号、Arnoldら、同第5,185,439号および同第6,004,745号、Kourilskyら、同第4,581,333号、ならびにBeckerら、同第5,731,148号を参照のこと)。
【0110】
好ましいサルモネラオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドセット
本明細書で使用される場合、本明細書に開示されるようなサルモネラ核酸を増幅および検出するための好ましい部位は、サルモネラ23S rRNAの350領域に存在することが見い出されている。さらに、この領域中の特に好ましいオリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチドセットは、感度、選択性、および特異性の改善を伴ってサルモネラ23Sを増幅するために同定された。本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドは、高度な特異性でサルモネラ標的配列にハイブリダイズ可能であり、結果として、サンプル中のサルモネラの存在および/またはレベルを検出し、かつ他の腸内細菌の存在からサルモネラを区別するために使用できる核酸増幅反応に加えることが可能であることが理解される。
【0111】
例えば、1つの実施形態において、増幅オリゴヌクレオチドは、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドを含み、ここで、第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドは、高度な特異性で、サルモネラ23s rRNAの350領域を標的とする。当然、本明細書に開示される増幅オリゴヌクレオチドを議論する際には、増幅反応において使用される第1のオリゴヌクレオチドおよび第2のオリゴヌクレオチドは、増幅される標的核酸配列の逆ストランドに対して特異性を有することが理解される。
【0112】
本明細書に開示される増幅オリゴヌクレオチドは、転写に基づく増幅反応、好ましくは、リアルタイム転写媒介増幅(TMA)反応においてサルモネラの標的核酸配列を増幅するために特に有効である。
【0113】
増幅反応において使用される特定のT7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドに加えて、さらなるオリゴヌクレオチドもまた、一般的には、増幅反応と連動して利用されることが理解される。例えば、特定の実施形態において、増幅反応は、検出オリゴヌクレオチド(例えば、トーチオリゴヌクレオチド)およびブロッカーオリゴヌクレオチドの1つ以上の使用もまた利用する。
【0114】
表1は、本発明によって同定された、T7プロバイダーオリゴヌクレオチド、プライマーオリゴヌクレオチド、およびその他の付属的なオリゴヌクレオチド(例えば、ブロッカー、トーチ、および標的捕捉オリゴヌクレオチド)の特定の例を提示する。
【0115】
【表1−1】

【0116】
【表1−2】

【0117】
【表1−3】

【0118】
【表1−4】

加えて、表2は、本明細書に開示されるような組成物、キット、および方法における使用のための2つの特に好ましいオリゴヌクレオチドセットを同定する。
【0119】
【表2】

優れたアッセイ性能を生じる、350領域から誘導された特に好ましい増幅オリゴヌクレオチドが同定されたが、同じかまたは類似の性能の対象が達成されるならば、350領域から誘導され、かつ本明細書に具体的に記載されたものからの実体的ではない修飾を有する他のオリゴヌクレオチドもまた使用されてもよいことが認識される。例えば、350領域から誘導され、かつ本明細書に開示されるような増幅反応において有用であるオリゴヌクレオチドは、それが増幅および/または検出の手順に実質的に影響を与えないならば、本明細書に同定されたものとは異なる長さを有することが可能である。好ましいオリゴヌクレオチドに対するこれらのおよび他の日常的かつ実質的ではない修飾は、従来的な技術を使用して実行することが可能であり、そしてこのような修飾が本明細書に提供された1つ以上の利点を維持する程度まで、これらは本発明の技術思想および範囲の中にあると見なされる。
【0120】
本明細書に開示されるような一般的原理は、以下の非限定的な実施例の参照によって、より完全に理解され得る。
【実施例】
【0121】
特定の態様および実施形態を例証する実施例が以下に提供される。以下の実施例は、実際に実施された実験の詳細を正確に反映していると考えられるが、しかし、実際に行われた研究と以下に示された実験の詳細の間に、何らかのわずかな不一致が存在する可能性があるが、このことは、これらの実験の結論またはこれらの実験を実施する実務者の能力に影響を与えるものではないことが可能である。実務者は、これらの実験が本発明をそこに記載されている特定の実施形態に限定することを意図しないことを理解している。加えて、当業者は、本明細書に記載される技術、材料、および方法を使用して、本発明の技術思想および範囲の中に留まりながら、これらおよび関連する方法を実行するために代替的な増幅系を容易に工夫および最適化できる。
【0122】
他に言及されない限り、以下の実施例におけるオリゴヌクレオチドおよび修飾オリゴヌクレオチドは、標準的なホスホルアミダイト化学を使用して合成され、その種々の方法は当該分野において周知である。例えば、その内容がそれによって参照により本明細書に援用される、Carruthersら、154 Methods in Enzymology,287(1987)を参照のこと。本明細書において他に言及されない限り、修飾オリゴヌクレオチドは、2’−O−メチルリボヌクレオチドであって、これは、ホスホルアミダイトアナログとして合成において使用された。単一プライマー増幅において使用されるブロックされたオリゴヌクレオチドについては(Beckerら、米国特許第7,374,885号、それによって参照により本明細書に援用される)、3’末端ブロッキング部分は、3’−ジメチルトリチル−N−ベンゾイル−2’−デオキシシチジン、5’−スクシノイル−長鎖アルキルアミノ−CPG(Glen Research Corporation、カタログ番号20−0102−01)を使用して調製された「逆向きC」3’から3’連結からなった。分子トーチ(それによって参照により本明細書に援用される、Beckerら、米国特許第6,849,412号を参照のこと)は、標準的な方法によってオリゴヌクレオチドに結合された、C9非ヌクレオチド(トリエチレングリコール)リンカー結合領域(Spacer Phosphoramidite 9、Glen Research Corporation、カタログ番号10−1909−xx)、5’−フルオレセイン(「F」)蛍光団、および3’−dabsyl(「D」)クエンチャー部分を使用して調製された。
【0123】
以下の実施例において示されるように、広範な種々の増幅試薬および条件の分析物が、サルモネラの検出のために高感度かつ選択的な増幅プロセスの開発に導いてきた。様々な標的濃度の複数の分析物の複製の生のリアルタイム増幅アッセイチャート(例えば、図1を参照のこと)は、オリゴヌクレオチドセットの品質を評価するために利用した。リアルタイムアッセイからのデータは、以下の本明細書のデータの提示のためにT時間値およびRFU範囲を計算するために収集および分析した。
【0124】
実施例1
例証的なアッセイ試薬およびプロトコールの説明
以下の実施例は、本明細書に記載されるリアルタイムTMA実験において使用される典型的なアッセイ試薬、プロトコール、条件などを説明する。反対のことが特定されない限り、試薬調製、設備の準備、およびアッセイプロトコールは、本質的に以下に示されるように実施した。
【0125】
A.試薬およびサンプル
1.増幅試薬。「増幅試薬」または「Amp試薬」は、以下の成分のおよその濃度を含んだ:50mM HEPES緩衝液 pH 7.7中、0.5mM dATP、0.5mM dCTP、0.5mM dGTP、0.5mM dTTP、10mM ATP、2mM CTP、2mM GTP、12.7mM UTP、30mM MgCl、および33mM KCl。プライマーおよび他のオリゴヌクレオチドは、Amp試薬に加えた。
【0126】
2.酵素試薬。「酵素試薬」は、以下の成分のおよその濃度を含んだ:120mM KCl、10% TRITON(登録商標)X−100、160mM N−アセチル−L−システイン、および1mM EDTAを含む75mM HEPES緩衝液、pH 7.0中、1180 RTU/μL モロニーマウス白血病ウイルス(「MMLV」)逆転写酵素(「RT」)および260 PU/μL T7 RNAポリメラーゼ、ここで、1RTUのRT活性は37℃で20分間に基質に1nmolのdTを取り込み、1PUのT7 RNAポリメラーゼ活性は37℃で20分間で5fmolのRNA転写物を産生する。
【0127】
3.洗浄溶液。「洗浄溶液」は、pH 7.5までの10mM HEPES緩衝液中、0.1%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム、150mM NaCl、および1mM EDTAを含んだ。
【0128】
4.標的捕捉試薬。「標的捕捉試薬」(TCR)は、以下の成分のおよその濃度を含んだ:dTdA30テールを有する捕捉プローブおよび任意に捕捉ヘルパープローブの1種以上、各60pmol/mL、250〜300μg/mL常磁性オリゴ(dT)14微粒子(Seradyn)、250mM HEPES、100mM EDTAおよび1.88M LiCl、pH 6.5。
【0129】
5.溶解試薬。「溶解緩衝液」は、100mM tris、2.5mM コハク酸、10mM EDTA、および500mM LiCl、pH 6.5を含む緩衝液中の1%ラウリル硫酸リチウムを含んだ。
【0130】
6.標的rRNAサンプル。rRNAサンプルは、本明細書に記載される実験における使用の前に、水、0.1% LiLS、または溶解試薬の中で保存した。
【0131】
B.設備および材料
・キングフィッシャー(KingFisher)(登録商標)96(Thermo Electron,Waltham,MA)
・FLUOstar(BMG LABTECH,Germany)
・エッペンドルフ(eppendorf)(登録商標)サーモミキサー(Thermomixer)R 022670565(Eppendorf Corporation,Westbury,NY)
・ハードシェルシンウォール96ウェルスカート付きPCRプレート(Hard−Shell Thin−Wall 96−Well Skirted PCR Plates)、着色シェル/白色ウェル、カタログ番号:HSP−9615、HSP−9625、HSP−9635)(BioRad Hercules,CA)
・キングフィッシャー(KingFisher)(登録商標)96チップコーム、DWマグネット用(カタログ番号:97002534)Thermo Electron,Waltham,MA)
・DW 96プレート、V底、ポリプロピレン、滅菌25pcs/ケース(Axygen カタログ番号:P−2ML−SQ−C−S;VWRカタログ番号47749−874)
・キングフィッシャー(KingFisher)(登録商標)96KFプレート(200マイクロリットル)(カタログ番号:97002540)
・PTI(登録商標)プレートリーダー
・Chromo4(商標)プレートリーダー
C.標的捕捉
サンプルは、標的を遊離させ、rRNAを安定化するために溶解試薬と混合した。標的捕捉試薬を加えた。キングフィッシャー96精製システムを使用して、リボソームRNA試薬を捕捉し、磁気粒子上で精製した。粒子は、分析物用にFAM標識されたトーチを、内部対照用にTAMRA標識されたトーチを含む増幅試薬中に再懸濁した。引き続く増幅のために核酸サンプルを精製および調製するための典型的な標的捕捉手順は、本質的に以下に記載されるように実施した。100μLの試験サンプル、標的捕捉オリゴヌクレオチドを含む50μLのTCR、および1mL 溶解試薬を合わせ、60℃で15分間インキュベートした。洗浄溶液ならびに適切な磁気粒子洗浄および分離デバイス(例えば、磁気分離ラック、GEN−PROBE(登録商標)Target Capture System、Gen−Probeカタログ番号5207、またはThermo Labsystemsから利用可能であるキングフィッシャー(登録商標)磁気粒子プロセッサーシステム)を使用して、処理された反応混液からのTCR磁気粒子を捕捉および洗浄した。洗浄後、磁気粒子は100μLの増幅試薬に再懸濁した。
【0132】
D.標的の増幅および検出
リアルタイムTMA増幅反応は、本質的に以下のように実施した。Amp試薬中の30μLのサンプル、増幅および検出オリゴヌクレオチド、または標的捕捉手順からのAmp試薬中30μLの再懸濁粒子を、60℃で10分間インキュベートした。次いで、エッペンドルフサーモミキサーインキュベーター上で温度を低下させ、反応混液を42℃まで15分間平衡化させた。10μLの酵素試薬を加えた。分析物および内部対照の同時の増幅および検出のために、反応混液を混合し、リアルタイム検出システム(例えば、Bio−Rad Laboratoriesから利用可能であるOpticon(商標)もしくはChromo4(商標)検出システム、またはPTI FluoDia(登録商標)T70機器)の中で、42℃にて75分間、インキュベートした。
【0133】
実施例2
サルモネラオリゴヌクレオチドセットの設計および初期試験
E.coli rRNA配列の350領域に対応する領域を使用して、いくつかのT7プロバイダー、ブロッカー、プライマー、およびトーチを設計した。この領域は他の非サルモネラ腸内細菌に対して独特であるミスマッチを含むので、この領域を選択した。
【0134】
T7、ブロッカー、プライマー、およびトーチオリゴヌクレオチドの総計426セットを、プレートスクリーニングプロトコールを使用してスクリーニングした。好ましいオリゴヌクレオチドの配列番号を表3に示す。オリゴヌクレオチドの番号および使用した濃度は;8種の異なるT7(5pmol/rxn);7種の異なるブロッカー(0.5pmol/rxn);12種の異なるプライマー(5pmol/rxn)、および5種の異なるトーチ(8pmol/rxn)であった。使用した標的はSalmonella enterica ssp.enterica sv.Enteritidis(ATCC 13076/GP60)rRNA、反応あたり1E+4コピーであった。収集した生のデータを分析して、T時間値およびRFU範囲を計算した。導き出されたデータは、30分未満のT時間を与えたセット、30〜35分の間のT時間を与えたセット、および35〜39分であったものに分類した(表4)。
【0135】
【表3】

【0136】
【表4−1】

【0137】
【表4−2】

二次スクリーニングは、最初のスクリーニングに基づいて42の潜在的オリゴヌクレオチドセット上で実施した。使用したオリゴヌクレオチドを表5に示す。
【0138】
【表5】

S.Enteritidis(GP60)rRNAに対する反応性を繰り返したのに加えて、E.coli(GP88/ATCC10798)rRNAに対する予備的な交差反応性試験もまた実施した。これらの結果から、E.coliと交差反応しないか、またはE.coliと交差反応するが出現時間に遅れがあるかのいずれかであった4セットを同定した。これらの4つのオリゴヌクレオチドセットを表6に示す。
【0139】
【表6】

他の腸内細菌(すなわち、Enterobacter cloacaeおよびCitrobacter freundii)に対する初期の特異性試験は、4つのオリゴヌクレオチドセットすべてについて実施した。これらの4つのオリゴヌクレオチドセットから、最良のオリゴヌクレオチドセットをセット番号3として同定した。なぜなら、これはE.coli(GP88)、E.cloacae、およびC.freundiiと交差反応しなかったからである。これはまた、サルモネラ属の下の他の種であるSalmonella bongoriも検出した。サルモネラ23Sオリゴヌクレオチドセット番号3の反復試験は、S.Enteritidis、S.bongori、C.freundii、E.cloacaeのより多くの複製、ならびに3種のE.coli株(GP3/ATCC25922、GP88/ATCC10798、およびGP831/ATCC29214)を用いて行った。S.EnteritidisおよびS.bongori rRNAは、以前に得られたのと同様のレベルまで再度検出した。しかし、E.coli株(GP831)もまた、このオリゴヌクレオチドのセットによって検出した。
【0140】
代替的な領域
サルモネラ属研究課題のための設計は、16S rRNAの450領域において開始した(表7)。配列は、上記に議論した23S rRNAにおけるものと同じ様式でスクリーニングした。アッセイのための設計は、塩基450から490の間に示されるミスマッチに焦点を当てた。Citrobacter株およびEnterobacter株は、この領域においてサルモネラと同一ではないとしても、非常に近いことが示された。S.bongoriおよびS.arizonaeは、他のサルモネラよりもE.coliに類似しており、偽陰性生成のリスクをもたらすこともまた決定された。初期のスクリーニング結果は、試験したCitrobacter株およびEnterobacter株を区別することが16Sオリゴヌクレオチド系では不可能であることを示した。このデータは、この系に固有であった非常に高い偽陽性の割合を示した。初期のスクリーニング結果に基づいて、代替的な設計(23S−350領域)を用いて先に進めることを決定した。EnterobacterおよびCitrobacterが区別できなかったからである。
【0141】
【表7−1】

【0142】
【表7−2】

【0143】
【表7−3】

従って、23S rRNAの350領域は、この領域についてのT7プロバイダーおよびプライマーオリゴヌクレオチドが、試験した多くの他のオリゴヌクレオチドセットと比較して、単一プライマーTMAアッセイにおいて最高シグナルおよび最低バックグラウンドを示したという知見に基づいて、さらなる最適化のために好ましい領域として選択した。TMAアッセイにおけるオリゴヌクレオチドのスクリーニングを実施し、様々なトーチおよびブロッカーもまた分析した。最良のオリゴヌクレオチドセットを選択するための判断基準には、1E+5コピーのサルモネラrRNAにおいて最低のバックグラウンドおよび最高のシグナルを有することを含めた。
【0144】
実施例3
サルモネラオリゴヌクレオチドセットのさらなる同定
バックグラウンドシグナルをさらに減少させ、特異性および感度を改善するために、多数のさらなるオリゴヌクレオチドセットを設計し、試験した。
【0145】
オリゴヌクレオチドセット番号3に基づいて、E.coliにおいて見い出されるミスマッチを利用していくつかの再設計したT7プロバイダーおよびプライマーオリゴヌクレオチドを同定した。リアルタイムTMAは、再設計した23S T7プロバイダーおよびプライマーオリゴヌクレオチドに対して実行した。使用したオリゴヌクレオチドの数および濃度は以下の通りであった:10種の異なるT7プロバイダー(5pmol/反応);1種のブロッカー(0.5pmol/反応);6種のプライマーオリゴヌクレオチド(5pmol/反応)および1種のトーチオリゴヌクレオチド(8pmol/反応)。オリゴヌクレオチドの同定は表8に示す。
【0146】
【表8】

使用した標的は、反応あたり1E+4コピーのS.Enteritidis GP60 rRNA、反応あたり1E+4コピーのS.bongori、1E+6コピー/rxnのE.coli GP88 rRNA、および1E+6コピー/rxnのE.coli GP831 rRNAであった。総計60セットを試験し、この再設計したセットからの10個の潜在的なオリゴヌクレオチドセットを、S.Enteritidisについて相当のT時間およびRFU範囲を与えるとして同定したが、いくつかはS.bongoriと反応しなかったか、またはE.coli GP88および/またはE.coli GP831と交差反応した(表9)。
【0147】
【表9】

0個の標的はより低いT時間および同じRFUを有した;**0個の標的はより高いT時間およびより低いRFUを有した。より低いT時間およびより高いT時間とは、それぞれ、シグナルのより初期およびより後期の出現をいう。
【0148】
リアルタイムTMAは、以下の濃度を使用して上記の10セットのサブセットをスクリーニングするために使用した:5pmol/反応のT7プロバイダー;0.5pmol/rxnのブロッカーオリゴヌクレオチド;5pmol/反応のプライマーオリゴヌクレオチド;および8pmol/rxnのトーチオリゴヌクレオチド。使用した標的は1E+4cps/rxnのS.Enteritidis rRNA、1E+4cps/rxnのS.bongori;1E+7cps/rxnの13種のE.coli株;1E+6cps/rxnのC.freundii;1E+6cps/rxnのE.cloacae;1E+6cps/rxnの2種のShigella flexneri株、および1E+6cps/rxnのShigella sonneiであった。
【0149】
T7プロバイダーおよびプライマーオリゴヌクレオチドは、混合およびマッチして、表10に示される試験に4つの可能なセットを提供した。
【0150】
【表10】

これらのセットは、13種すべてのE.coli株(ATCC番号25922、11775、10798、35150、33780、23722、25404、29214、29194、35359、23499、12792、および23503)に対して試験し、次いで、他の腸内細菌に対して試験した。T時間およびRFUの結果を互いに比較した。E.coliの結果から得られた最良の3種のオリゴヌクレオチドセットを使用して、いくつかの他の腸内細菌に対して、セット番号3、7、および9を使用してリアルタイムTMAを実行した。3種すべてのオリゴヌクレオチドセットは、それぞれ28分、25分、および23分のT時間でS.entericaを拾い上げた。S.bongoriもまた、これらの3種のオリゴヌクレオチドセットによって、それぞれ32分、30分、および26分のT時間で拾い上げた。いくつかの他の腸内細菌は、ある程度の交差反応性を示したが、非常に遅い出現時間および低いRFUレベルを有した。
【0151】
得られた結果に基づいて、さらなるアッセイ試験および最適化は2種のオリゴヌクレオチドセット:番号7および9に焦点を合わせた(表10)。オリゴヌクレオチドセット番号7および9を使用して、純粋系(標的捕捉工程がない)におけるS.Enteritidis GP60 rRNAの様々なコピーレベルを検出する感度を試験した。1E+5コピーにおいて、T時間は両方のセットのオリゴヌクレオチドについて、低い20分範囲であった。オリゴヌクレオチドセット番号7は100コピーレベルで複製の83%を検出した。オリゴヌクレオチドセット番号9は、50コピーレベルで複製の100%を検出した。
【0152】
実施例4
サルモネラオリゴヌクレオチドセットのさらなる特徴付けおよび最適化
セット番号9よりも良好な特異性を示すセット番号7の結果、およびセット番号7よりもより良好な感度を示すセット番号9の結果に基づいて、T7プロバイダーとプライマーの両方のオリゴヌクレオチドの新たなオリゴヌクレオチド再設計を準備した。
【0153】
オリゴヌクレオチドセット番号7
新たに再設計されたT7オリゴヌクレオチドプロバイダーは、配列番号59のブロッカー配列、配列番号49のプライマー配列、および配列番号66のトーチ配列と組み合わせて、試験し、もともとの配列番号1のT7プロバイダー配列と比較し、E.coliに対して最小限の交差反応性を提供した。増幅性能は、セット番号7と比較した、各セットのオリゴヌクレオチドについて評価した。標的はすべて、配列番号74の配列を使用して、標的捕捉工程を経由した。これらのデータおよび曲線の形状から、配列番号24および26のT7プロバイダー配列をさらに評価するために選択した。
【0154】
オリゴヌクレオチドセット番号9
E.coliへの他の可能なミスマッチを利用するように、およびE.coliへの配列番号49の配列の交差反応性を減少させるために、配列番号50および51のプライマーオリゴヌクレオチドを配列番号49の配列から再設計した。試験は、ベースライン性能測定を確立するために、標的捕捉なしで行った。
【0155】
表11は再設計されたオリゴヌクレオチドを提示する。再設計されたオリゴヌクレオチドは、ゼロrRNAコピーレベルにおいて、最低の相対蛍光単位(RFU)および最長のT時間を有した。ゼロrRNAコピーレベルにおける高いRFUは、試薬中の汚染の可能性を示した。
【0156】
【表11】

得られた結果に基づいて、オリゴヌクレオチドセット番号1がセット番号9よりも良好な特異性を有することが決定された。このオリゴヌクレオチドセットは、E.coliに対してより少ない交差反応性を有し、さらなる研究のためのオリゴヌクレオチド系の1つとして使用した。
【0157】
さらなる研究のために使用した他のオリゴヌクレオチドセットはセット番号2であった。これらの2つのオリゴヌクレオチドセットを選択するための構造的な根拠は、他の腸内細菌からサルモネラを区別するための十分なミスマッチ、およびすべてのサルモネラ亜種を検出するための十分なマッチの組み合わせに基づいた。これは、増幅系が必要とされる特異性および感度を達成することを可能にする。これらの2つの好ましいオリゴヌクレオチドは表2に示す。
【0158】
確認試験を両方のオリゴヌクレオチドセットに対して実施した。セット番号1については、分析物用のT7(15pmol)、プライマー(15pmol)、およびブロッカー(5pmol)、ならびにIC用のT7(2pmol)およびプライマー(2pmol)を新たな濃度で使用して、T時間(1E+5−1E+4 S.Enteritidis標的コピーにおいて少なくとも10〜15分早い)と曲線形状(直立形状および急な曲線)の両方に有意な改善が存在した。セット番号2については、分析物用のT7(15pmol)およびプライマー(15pmol)、ならびにIC用のT7(2pmol)およびプライマー(2pmol)を使用して、T時間(1E+5−1E+4 S.Enteritidis標的コピーにおいて少なくとも10〜17分早い)と曲線形状(直立形状および急な曲線)の両方に有意な改善が存在した。
【0159】
実施例5
標的捕捉組み込みおよび内部対照(IC)組み込みの評価
7種のサルモネラ23S標的捕捉オリゴヌクレオチド(配列番号71〜77)を、2つのセットの増幅オリゴヌクレオチド:セット番号7およびセット番号9を使用して試験した。標的捕捉手順は、様々な量のS.Enteritidis GP60 rRNAで、1E+7コピーのE.coli GP88 rRNAに対して実施した。2種の潜在的に有用な標的捕捉オリゴヌクレオチド(TCO)配列を同定した(配列番号71および74)。全体として、観察されたT時間は、純粋な系よりも約8〜10分遅かった。配列番号74の標的捕捉オリゴヌクレオチドは、すべての引き続く実験における使用のために選択した。
【0160】
キングフィッシャー96を用いる標的捕捉の方法は表12に要約する。増幅および酵素試薬は再構成した。洗浄プレートは、200μL/ウェルの洗浄溶液でKF200プレートを満たすことによって調製した。ampプレートは、100μL/ウェルの増幅試薬で別のKF200プレートを満たすことによって調製した。ampプレートと洗浄プレートの両方は使用するまでカバーをかけた。サンプルプレートは、2mLの深いウェルの96ウェルプレート(Axygen)に50μL TCR/ウェルを加えることによって調製した。標的は、10μL溶解溶液中で必要とされる濃度まで希釈した。1mlの溶解溶液をサンプルプレートの各ウェルに加えた。反復ピペッターを用いて、10μLの標的溶液を適切な深いウェルに加えた。深いウェルチップコームをサンプルプレート中に配置した。洗浄プレートおよびampプレートのカバーを取り外した。KF96プロトコールを開始し、3つすべてのプレートをKF96機器に配置した。ampプレートを位置4まで配置し、洗浄プレートを位置3に、そしてサンプルプレート(深いウェルプレート)を位置1に配置した。KF96機器の位置2は空のままであった。一旦プレートがロードされると、KF96機器は標的捕捉工程を開始した。KF96の実行が完了したとき、プレートは取り外した。ampプレートから、マルチチャンネルピペッターを使用して各ウェルより30μLを取り出し、MJ96ウェルPCRプレートに移した。
【0161】
【表12】

内部対照(IC)は、標的捕捉を用いてサルモネラプロトタイプアッセイに組み込んだ。このICオリゴヌクレオチドのセットは、19〜20分間の範囲にある平均T時間を用いてサルモネラ系のために十分な性能を発揮し、そして曲線は急な、鋭い、そして直立状であった。IC組み込みを用いると、サルモネラアッセイの感度は約10倍低下したが、これは他の腸内細菌に対する特異性に影響を与えないように見えた。
【0162】
【表13】

実施例6
感度、特異性、干渉、検出限界、交差反応性、および結果までの時間
ステージI
感度
Salmonella Enteritidis、ATCC 13076を1E+5コピー/反応でアッセイした。溶解緩衝液を陰性対照として使用した。標的捕捉のためにキングフィッシャー96機器を、検出のためにPTIリーダーを使用して、20の陽性(10コピーのrRNA/アッセイ)を試験した。20の陰性(溶解緩衝液)を対照として使用した。標的捕捉のためのインプットは1mLであり、標的捕捉のためのアウトプットは100μLであり、そのうちの30μLを増幅において使用した。陽性判断基準は1,000RFUであった。20の複製のうち19は、>95%陽性比率で検出されるべきものであった。初期のラウンドの試験後に、19未満の複製が陽性であった場合、40のさらなる複製が試験されるべきであった。ステージI−感度の試験は、1E+5コピー/反応でSalmonella Enteritidisについての100%比率の陽性を生じ、0コピーで0%偽陽性を生じた。
【0163】
特異性
標的生物に密接に関連しているが、rRNA分析によって遺伝子型が区別される生物を陰性として選択した。標的捕捉のためにキングフィッシャー96機器を、プライマーのアニーリングおよび酵素添加のためにエッペンドルフサーモミキサーを、および検出のためにPTIリーダーを使用して、8例のチャレンジ生物を1E+7コピー/rxnで試験した。すべてのチャレンジ生物(8)の20回の反応を、増幅した各反応の1つの複製とともに試験した(10コピーのrRNA、約100CFU/アッセイ)。S.Enteritidis、ATCC 13076を、1E+5コピー/rxnで陽性対照として使用し、溶解溶液を陰性対照として使用した。陽性判断基準は1,000RFUであった。160反応のうちの8反応以下は、≦5%の合わせた偽陽性比率の目的に合致するべきものであった(10コピーの非標的rRNAを区別し、検出しない)。8例の生物にわたるいかなる偽陽性の分散も考慮されるべきものであった。集団化した偽陽性を有する生物≧4は、再試験され、さらに調べられるべきものであった。ステージI特異性試験は、試験したチャレンジ生物のいずれに対しても0%陽性を示し、陽性対照では100%陽性であった。
【0164】
干渉
目的は、サンプル濃縮デバイスから得られることが予想される、一定量の溶解緩衝液に混入された10〜100CFU rRNAにほぼ等価であるrRNAの反復可能な検出であった。試験は、低コピー数の所望のrRNAおよび10コピーrRNA(約10,000CFU)の最も近い近隣生物を含めることであった。S.Enteritidis、ATCC 13076は、ベースライン標的として使用し、1E+5コピーrRNA/反応で試験した(約100CFU)。8例のチャレンジ生物は、0(溶解溶液のみ)または1E+7コピー(約10,000CFU)の濃度でサンプルに混入した。キングフィッシャー96およびPTIリーダーを使用してアッセイを実施した。すべての条件は、12の複製で、1,000RFUの陽性判断基準で試験した。結果は、最も近い近隣生物の存在下での陽性の再現性を報告するものであった。試験した生物にわたる干渉の分散は考慮されるべきものであった。干渉を示す生物は、再試験され、さらに調査されるべきものであった。ステージI干渉試験は、すべてのチャレンジサンプルおよび陽性対照において100%陽性を示した。
【0165】
微生物フローラ決定
20例の家禽洗浄液をGen−Probeで分析して、家禽洗浄液に関連する通常フローラの見積もりを提供した。20例の洗浄液のうちの18例が、Gen−Probeの外部の供給源から受容した1バッチの一部であった。その他の2例のサンプルが、2箇所の地方の食料品店で購入したニワトリからGen−Probeで導き出された。TSAプレート上での総好気性菌数のための希釈プレーティングを行った。各家禽洗浄液サンプルの1E+1〜1E+4の希釈は、1×リン酸緩衝化生理食塩水中で調製した。100μLの非希釈、1E+1〜1E+4の洗浄液希釈液を、トリプシン処理ダイズ寒天(TSA)プレート上でプレーティングした。
【0166】
コロニー形成は、プレートを30℃および35〜37℃で、24〜48時間の間、インキュベーションした後で実施した。異なる形態を表すコロニーは、RiboPrinter(登録商標)微生物特徴付けシステムによる同定のために、PACE(Analytical Life Sciences(Minneapolis,MN)に送った。TSA計数およびリボプリンティングに加えて、サンプルは、緩衝化ペプトン水(BPW)で富化され、続いて、TTブロスまたはmRSVブロス(半固形)のいずれかで選択的富化を行った。選択的富化を行った。選択的富化からのサンプルは、さらなる選択性のために、BGSとXLT4寒天プレートの両方でプレートした。BIOLOG同定およびグラム染色/オキシダーゼ試験を、代表的なコロニーに対して実施した。結果は、家禽洗浄液における通常のフローラを示した。
【0167】
サルモネラ選択のために、90ml緩衝化ペプトン水(BPW)は、10mlの家禽洗浄液を接種し、35℃で24時間、富化した。10mlのmRSV(改変Rappaport−Vassiliadis−Bouillion)ブロスに100μLの富化サンプルを接種し、振盪しながら、42℃で24時間インキュベートした。10mlのTTブロス(Hajna)に500μLの富化サンプルを接種し、振盪しながら、42℃で24時間インキュベートした。両方の選択培地(mRSVおよびTT)からの10μLサンプルを、XLT4(キシロースリジンテトラチオネート)とBGS(ブリリアントグリーンセレナイト)の両方の寒天プレート上にプレートした。接種したプレートは35℃でインキュベートし、24時間および48時間に調べた。XLT4プレートおよびBGSプレートからの選択したコロニーは、反対の培地にプレートした。例えば、コロニーをXLT4プレートから選択する場合、これはBGS培地上でプレートし、逆もまた同様であった(visa versa)。選択したコロニーはTSA上にプレートし、そこからBIOLOG同定およびグラム染色/オキシダーゼ試験を実施して、微生物の同定を確認した。
【0168】
選択したコロニーのグリセロールストックを作り、微生物の同定の確認のためのリボプリンティングのためにPACE Analyticalに送付した。
【0169】
ステージII
ステージII性能試験は、緩衝化ペプトン水(BPW)中での予備増幅アッセイを評価した。この評価は純粋な培養溶解物を使用した。サンプル調製装置は含まれなかった。すべての陽性対照(1E+5コピー/アッセイ)は、S.enterica ssp.enterica sv.Enteritidis ATCC 13076から単離した精製RNAを使用し、陰性対照は溶解溶液:BPW(7:3)であった。300μL BPWおよび700μL 溶解緩衝液(サンプルありまたはサンプルなし)を使用して、標的捕捉のための1mL インプットを作製した。標的捕捉のためのインプットは1mLであり、標的捕捉のためのアウトプットは100μLであり、その30μLを増幅のために使用した。
【0170】
感度
S.enterica ssp.enterica sv.Choleraesuis (ATCC 10708)、S.enterica ssp.enterica sv.Typhi(ATCC 19430)、およびS.enterica ssp.enterica sv.Typhimurium(ATCC 13311)を、1E4−5E4コピーRNA/アッセイ(約10〜50 CFU)のレベルで試験した。3つすべての種および陰性対照(混入していないBPW)は20の複製で試験した。標的捕捉はキングフィッシャー96機器上で実施し、エッペンドルフサーモサイクラー上での酵素添加を用い、続いてPTIリーダー上での検出を行った。感度についての陽性判断基準パラメーターは1,000RFUであった。20の複製のうちの19が陽性であるべきであった。20のうちの19未満が陽性であるならば、40の複製のさらなる試験が必要であった。感度について試験したすべての生物はステージIIの要件を通過した。
【0171】
検出限界
目的は、アッセイインプット量あたり10〜10の等価なコピーrRNA(約1〜10CFU)の反復可能な検出であった。反復可能な検出は≧95%陽性として定義した。S.enterica ssp.enterica sv.Choleraesuis(ATCC 10708)、S.enterica ssp.enterica sv.Typhi(ATCC 19430)、S.enterica ssp.enterica sv.Typhimurium(ATCC 13311)、S.enterica ssp.enterica sv.Enteritidis(ATCC 13076)、S.enterica ssp.enterica sv.Gallinarum(ATCC 9184)、およびS.enterica ssp.arizonae(ATCC 29933)は、1E3−1E4コピーRNA/アッセイのレベルで試験した(約1〜10 CFU)。標的捕捉はキングフィッシャー96機器上で実施し、エッペンドルフサーモミキサー上での酵素添加を用い、そしてPTIリーダー上での検出を行った。各種について、20の複製物で試験した。溶解物は、CFU中で定量した純粋な培養標的生物から調製し、溶解して約1〜10CFUに等価なレベルの核酸標的を提供した。陽性判断基準は1,000RFUであった。S.Enteritidis、ATCC 13076は、陽性対照ならびに試験のために必要とされる株の両方で考慮した。LOD試験のために、陽性対照RNAは1E+4コピー/アッセイで使用した。判断基準は、試験した種のすべてについて≧95%陽性であった。20のうちの19未満が陽性である場合、さらなる40の複製のさらなる試験が必要であった。すべての生物がステージII要件を通過した。
【0172】
包括的種および排他的種の分析試験
22例の包括的生物および22例の排他的生物を、1E+5コピー/アッセイ(約100CFU)で試験した。試験は、標的捕捉のためにキングフィッシャー96機器上で実施し、エッペンドルフサーモミキサー上で酵素添加を行い、そして検出のためにPTIリーダーを用いた。包括的種については4つの複製、排他的種については8つの複製ですべてを試験した。
【0173】
包括的種については4のうちの3の複製が陽性であるべきであり、排他的種については8のうちの1以下が陽性であるべきであった。これらの判断基準がいずれの生物にも合致しない場合、その種/株についての試験は12の複製で反復され、ここで包括的種の12のうちの11の複製は反応性であるべきものであった。再試験後に包括性判断基準に失敗した生物の同一性はさらに調べられるべきであった。再試験判断基準に合致しない排他的種については[<3/12陽性]、交差反応する生物をさらに調べた。
【0174】
【表14−1】

【0175】
【表14−2】

【0176】
【表15】

包括種(表14)および排他種(表15)のステージII分析試験についての試験を、Salmonella bongoriの包括性という単一のわずかな例外以外は、完全に考慮した。S.bongoriは4の複製の初期の試験(0陽性/4表示)および12の複製の再試験(0陽性/12表示)に際して検出しなかった(表14)。S.bongoriについては、Gen−ProbeのMTC−NI(カタログ番号4573)を使用するRNA濃度の決定後に、S.bongori ATCC 43975の現在のロットからの新たな溶解物チューブ上で再試験を行った。試験はS.bongoriの他の株に対して行ったが、現在のサルモネラアッセイによっては何も増幅されなかった。この生物のまれな単離に起因して、S.bongoriの検出では、アッセイのための要件を考慮しなかった。S.bongoriは、36,184個の単離物から2回単離されたのみであり、the CDC 2005 Salmonella Annual Summaryによると上位30種の単離物には入っていないからである。S.Cubana再試験のために、初期試験において使用したのと同じロットから新たな溶解物チューブを使用した。再試験に際して、S.Cubana(12陽性/12表示)は、再試験のためのステージ2受容可能判断基準を通過した。
【0177】
結果までの時間
ステージIIのための各アッセイ実行の時間は、サンプルを深いウェルプレートに加えた時点からPTIリーダープロトコールの最後まで追跡した。サンプルローディングからPTIリーダーの開始までの平均時間は、96サンプルについて2時間18分であった。PTIリーダー時間は75分で不変であった。従って、開始から終了までの全体のアッセイは、96サンプルについて平均で3時間33分であった。
【0178】
これらの結果は、サルモネラの種特異的な検出が、リアルタイムTMAデータの特徴に基づいて(例えば、RFU曲線のサイズおよび形状はリアルタイムTMA反応から生成した)、密接に関連する生物の存在下においてさえ、これらの組成物および方法によって達成できることを示す。
【0179】
実施例7
混入した牛ひき肉およびアイスクリームの食品試験
日常生活サンプルを用いるプロトタイプサルモネラアッセイの機能性を試験するために、牛ひき肉およびアイスクリームを地方のスーパーマーケットから購入し、既知量のS.Enteritidis GP60を混入させ、そしてStomacher(登録商標)サンプリングバッグ中の緩衝化ペプトン水中で増殖させた。様々な時点で、サンプルを取り出し、XLD寒天選択培地を使用するコロニー係数のために、およびプロトタイプサルモネラアッセイを使用するリアルタイムTMAのために処理した。本研究において続く種々の工程は以下に記載される。S.Enteritidis GP60のMcFarland 1を作製した。TSAプレート(無菌PBS中で1E+6まで希釈した)中のCFU計数の確認を実施した。25gの食品を秤量し、Stomacherバッグ中に無菌的に配置した。20CFUを225mLの緩衝化ペプトン水に直接接種した。混入させた培地は、食品を含有するStomacherバッグに注ぎ、2分間、200rpmで処理した。サンプルは35℃でインキュベートした。1mLアリコート(プレート計数における使用のために1アリコート)を0、4、6、8、および24時間の時点で取り出した。サンプルは、CFU計数のために、選択的寒天、XLDプレート上、3希釈、1プレート/希釈でプレートし、35℃でインキュベートした。24時間の時間内にサンプリングした残りの5アリコートは、12,000×gで30秒間遠心分離した。上清を除去し、500μLの50mM コハク酸緩衝液(0.6M LiCl、1% LiLS、pH 4.8)をペレットに加え、次いで、20秒間激しくボルテックスした。サンプルを少なくとも15分間、>95℃に加熱した。次いで、これを、12,000×gで1分間遠心分離した。上清を新しい標識したチューブに移した。サンプルを−70℃で凍結させた。食物対照は以下を含んだ:牛ひき肉については2つの陽性および2つの陰性、プレーンバニラアイスクリームについては2つの陽性および2つの陰性、ならびに培地のみの純粋系については2つの陽性および1つの陰性。
【0180】
サルモネラCFUタイミングおよびプレート計数
225mlの培地あたり12CFU周辺の接種材料を使用して、牛ひき肉に混入させたサルモネラは、緩衝化ペプトン水(BPW)中での4時間のインキュベーション後に約280CFU/mlまで増殖した。混入させたアイスクリーム中では、BPW中での6時間のインキュベーション後に20CFU/mlを観察した。牛ひき肉は、アイスクリームよりも他の腸内細菌で実質的に多く汚染されており、4時間のインキュベーション後に1,000CFU/mlを超えた。いかなる食品サンプルも有さない混入させた培地は、4時間のインキュベーション後に約20CFU/mlであった。24時間までに、BPW中のすべての混入させた食品サンプルおよび混入させていない食品サンプルは>1.5E+7 CFU/mlを有した。すべての陰性の混入させていない培地対照はいかなる増殖も示さなかった。これらの結果は、CFUタイミングに関するリアルタイムTMAから得られたデータおよびリアルタイムTMAを使用する陽性検出可能シグナルの初期の出現を裏付ける。
【0181】
225ml BPWあたり12CFUのサルモネラで混入させた食品サンプルについて、サルモネラについての陽性RFUシグナルは、牛ひき肉またはアイスクリームのいずれかにおいて4時間のインキュベーション後に観察された。混入させていない牛ひき肉対照の実行は8時間のインキュベーション後に陽性シグナルを生じ(生来の微生物汚染による)、混入させていないアイスクリーム対照の実行は24時間のインキュベーション後に陽性シグナルを示した。両方の混入させていない食品サンプルにおいて、陽性シグナルは非常に遅く出現した(>40分)。混入させていない牛ひき肉サンプルにおいて、これらの偽陽性シグナルは、非常に高い核酸負荷で(例えば、このサンプル中では>6E+8コピーrRNA/反応)、交差反応生物(最も可能性が高いのは他の腸内細菌)によって引き起こされたかもしれない。混入させていないアイスクリームサンプルにおいて、見かけの陽性シグナルは、XLD選択培地中で増殖しなかったが、BPW中で増殖した、生来のまたは汚染性の生物から誘導された。陽性対照(陽性の混入させた培地)は4時間〜24時間の時点で陽性であった。陰性対照(陰性の混入させていない培地)は全体の実行を通して陰性のままであった。これらのデータは、リアルタイムTMAが、BPW中の最低限4時間の事前の富化に伴って、非常に低いレベルのサルモネラ汚染を検出するために使用できること、および全体のプロセスが、2つの短い(<1分間)遠心分離工程を除いて、複雑なサンプル処理工程を必要としたことを示す。
【0182】
アッセイの要約
サルモネラ核酸の2つの領域、E.coli 16S rRNAの約380〜約630ヌクレオチド塩基位置に対応する「450領域」およびE.coli 23s rRNAの約150〜約425ヌクレオチド塩基位置に対応する「350領域」を標的とする増幅オリゴヌクレオチドおよび検出オリゴヌクレオチドを設計し、評価のために合成した。16S−450領域における設計は、サルモネラ属アッセイのための良好なオリゴヌクレオチド候補を生じなかった。これらのオリゴヌクレオチドは、CitrobacterおよびEnterobacterと交差反応した。
【0183】
アッセイの特異性および感度は、溶解した細菌ペレットを使用して評価した。細菌ペレットのCFUおよびrRNA標的レベルは、プレーティングによって、および直接DNAプローブアッセイによって見積もった。
【0184】
サルモネラアッセイは、S.enterica ssp.の6つの異なる亜種および16の血清型を含む22種のサルモネラの株に対して100%感受性であった。1つの例外はS.bongoriであり、これは、標的領域において、他のサルモネラ種よりも、E.coliに遺伝子型的に類似している。サルモネラアッセイは、1E+5コピー/アッセイの22種の非サルモネラ生物に対して100%特異的であった。
【0185】
2種の食物基質(food matrices)、アイスクリームおよび牛ひき肉(25g)にS.Enteritidis(約20CFU)を接種し、Stomacher装置を通してブロス中で処理した。プレーティングおよびリアルタイムTMAは、24時間の時間経過にわたってモニタリングした。リアルタイムTMAシステムは、1つは分析物に特異的であり、1つは内部対照に特異的である2つの蛍光プローブを利用した。結果は蛍光出現曲線に基づいて分析した。リアルタイムTMAアッセイは4時間未満で実行し、食品施設において試験のために必要な数日間から数時間の時間を減少した。結果は、低レベルのサルモネラ汚染が8時間以内に検出できることを示し、これは、非選択培地中の4時間の事前の富化、続いてサンプル処理およびリアルタイムTMAを含んだ。食品の存在下では、感度は約8000コピー(約8CFU/グラム食品)であった。高い核酸負荷からの干渉は、8時間の増殖後に1.8E+10コピー(約1.8E+7 CFU)/グラム食品で開始した。
【0186】
要約すると、リアルタイムTMA技術は、食品由来の病原体の迅速、高感度な検出のために適切であった。このアッセイは、所望の種、Salmonella enterica ssp. enterica sv.Enteritidis GP60/ATCC 13076について、1E+4 rRNAコピー/アッセイ(約10CFU)の感度を有し、一方、種々の最も近い近縁種および1E+7 rRNAコピー/アッセイ(約10,000CFU)の潜在的に同時汚染フローラを除外した。磁気粒子標的捕捉技術を利用して、牛ひき肉サンプルおよびアイスクリームサンプルからの干渉は観察しなかった。データは、改善された富化プロトコールを伴う、サルモネラの単一の8時間ワークシフトの中で食品サンプルのスクリーニングを可能にした、迅速な試験形式を実証した。
【0187】
本明細書で言及されるか、または引用される、記事、特許、および特許出願、ならびにすべての他の文書および電子的に利用可能な情報の内容は、あたかも各々の個々の刊行物が具体的かつ個別に参照により援用されるために示されるのと同じ程度まで、それによってそれらの全体が参照により援用される。出願人は、任意のこのような記事、特許、特許出願、または他の物理的および電子的な文書からのいかなるおよびすべての物質および情報を本願に物理的に援用する権利を留保した。
【0188】
本明細書に例証的に記載された方法は、本明細書には具体的には開示されていなかった、任意のエレメント、制限の非存在下で適切に実施されてもよい。従って、例えば、「含む」、「含有する」、「包含する」などの用語は、広範にかつ非限定的に読むべきである。さらに、本明細書で利用される用語および表現は、説明の用語として使用されており、限定の用語ではなく、そしてこのような用語および表現の使用において、示されるかもしくは記載される特徴の任意の等価物またはその一部を除外する意図は存在しない。種々の修飾が、特許請求された本発明の範囲の中で可能であることが認識される。従って、本発明は好ましい実施形態および任意の特徴によって具体的に開示されてきたが、本明細書に開示されそこで具体化された本発明の改変およびバリエーションが当業者によって再構築され得ること、ならびにこのような改変およびバリエーションは、本発明の範囲内にあると見なされることが理解されるべきである。
【0189】
本発明は、本明細書において広範にかつ一般的に記載されてきた。この一般的開示の範囲内にあるより狭い種および亜属の分類の各々もまた、本発明の方法の一部を形成する。これには、除外された物質が具体的に本明細書に列挙されているか否かに関わらず、属からの任意の対象を除外する否定的な限定という条件付きで、方法の一般的記載が含まれる。
【0190】
他の実施形態は以下に続く特許請求の範囲の中にある。加えて、本発明の方法の特徴または態様がマーカッシュグループによって記載される場合、当業者は、本発明がマーカッシュグループの任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループによってもまた、それによって記載されることを認識する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを含む、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のための組成物であって、該T7プロバイダーオリゴヌクレオチドがE.coli 23S rRNAの塩基約268〜320に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして該プライマーオリゴヌクレオチドがサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、
ここで、該増幅アッセイにおいて使用される該T7オリゴヌクレオチドおよび該プライマーオリゴヌクレオチドは、増幅される該サルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする、組成物。
【請求項2】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基268〜302に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基279〜310に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基279〜309に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基279〜306に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基279〜302に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基約338〜395に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基約349〜374に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基約349〜370に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基約349〜366に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを含む、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のための組成物であって、該T7プロバイダーオリゴヌクレオチドはサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして該プライマーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基約338〜395に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、
ここで、該増幅アッセイにおいて使用される該T7オリゴヌクレオチドおよび該プライマーオリゴヌクレオチドは、増幅される該サルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする、組成物。
【請求項12】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基349〜374に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基349〜370に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項11に記載の組成物。
【請求項14】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基349〜366に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項11に記載の組成物。
【請求項15】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、10、11、12、13、14、15、16、17、18、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項1、3、4、5、11、12、13、または14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項1、3、4、11、12、13、または14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、7、8、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項1、3、11、12、13、または14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、6、7、8、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項1、2、11、12、13、または14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項1、11、12、13、または14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、配列番号35、36、37、38、39、49、50、51、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、配列番号35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、47、48、49、50、51、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項1〜13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、配列番号35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項1〜8、11、または12のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
前記T7プロバイダーが配列番号17またはその相補物の配列であり、前記プライマーオリゴヌクレオチドが配列番号50またはその相補物の配列である、請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項25】
前記T7プロバイダーが配列番号26またはその相補物の配列であり、前記プライマーオリゴヌクレオチドが配列番号49またはその相補物の配列である、請求項1、3、4、5、11、12、13、14、16、17、18、19、20、21、22、または23のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項26】
検出オリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項27】
前記検出オリゴヌクレオチドがトーチオリゴヌクレオチドまたは分子ビーコンである、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記トーチオリゴヌクレオチドが配列番号66、67、68、69、70、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
ブロッカーオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項1〜25のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項30】
前記ブロッカーオリゴヌクレオチドが配列番号59、60、61、62、63、64、65、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
配列番号17またはその相補物の配列のT7プロバイダーオリゴヌクレオチド、配列番号50またはその相補物の配列のプライマーオリゴヌクレオチド、配列番号66またはその相補物の配列の検出オリゴヌクレオチド、配列番号59またはその相補物の配列のブロッカーオリゴヌクレオチド、および配列番号74またはその相補物の配列の標的捕捉オリゴヌクレオチドを含む、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のための組成物。
【請求項32】
配列番号26またはその相補物の配列のT7プロバイダーオリゴヌクレオチド、配列番号49またはその相補物の配列のプライマーオリゴヌクレオチド、配列番号66またはその相補物の配列の検出オリゴヌクレオチド、配列番号59またはその相補物の配列のブロッカーオリゴヌクレオチド、および配列番号74またはその相補物の配列の標的捕捉オリゴヌクレオチドを含む、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のための組成物。
【請求項33】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、標的とされるサルモネラ核酸配列に対して少なくとも90%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項34】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、標的とされるサルモネラ核酸配列に対して100%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項35】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、1個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項36】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、2個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項37】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、3個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項38】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、4個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、5個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項40】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して少なくとも90%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項41】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して100%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項42】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマーオリゴヌクレオチドが、1個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項43】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマーオリゴヌクレオチドが、2個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項44】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマーオリゴヌクレオチドが、3個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項45】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマーオリゴヌクレオチドが、4個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項46】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマープロバイダーオリゴヌクレオチドが、5個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項1、11、31、または32のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項47】
T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを含む、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のためのキットであって、ここで、該T7プロバイダーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基約268〜320に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして該プライマーオリゴヌクレオチドはサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、
ここで、該増幅アッセイにおいて使用される該T7オリゴヌクレオチドおよび該プライマーオリゴヌクレオチドは増幅される該サルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする、キット。
【請求項48】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基268〜302に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項47に記載のキット。
【請求項49】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基279〜310に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項47に記載のキット。
【請求項50】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基279〜309に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項47に記載のキット。
【請求項51】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基279〜306に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項47に記載のキット。
【請求項52】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基279〜302に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項47に記載のキット。
【請求項53】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基約338〜395に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項47〜52のいずれか1項に記載のキット。
【請求項54】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基約349〜374に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項47〜52のいずれか1項に記載のキット。
【請求項55】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基約349〜370に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項47〜53のいずれか1項に記載のキット。
【請求項56】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基約349〜366に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項47〜52のいずれか1項に記載のキット。
【請求項57】
T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを含む、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のためのキットであって、該T7プロバイダーオリゴヌクレオチドはサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして該プライマーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基約338〜395に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、
ここで、該増幅アッセイにおいて使用される該T7オリゴヌクレオチドおよび該プライマーオリゴヌクレオチドが、増幅される該サルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする、キット。
【請求項58】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基349〜374に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項57に記載のキット。
【請求項59】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基349〜370に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項57に記載のキット。
【請求項60】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基349〜366に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項57に記載のキット。
【請求項61】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、10、11、12、13、14、15、16、17、18、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項47〜60に記載のキット。
【請求項62】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項47、49、50、51、57、58、59、または60のいずれか1項に記載のキット。
【請求項63】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項47、49、50、57、58、59、または60のいずれか1項に記載のキット。
【請求項64】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、7、8、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項47、49、57、58、59、または60のいずれか1項に記載のキット。
【請求項65】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、6、7、8、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項47、48、57、58、59、または60のいずれか1項に記載のキット。
【請求項66】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項47、57、58、59、または60のいずれか1項に記載のキット。
【請求項67】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、配列番号35、36、37、38、39、49、50、51、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項47〜60のいずれか1項に記載のキット。
【請求項68】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、配列番号35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、47、48、49、50、51、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項47〜59のいずれか1項に記載のキット。
【請求項69】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、配列番号35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項47、48、49、50、51、52、53、54、57、または58のいずれか1項に記載のキット。
【請求項70】
前記T7プロバイダーが配列番号17またはその相補物の配列であり、前記プライマーオリゴヌクレオチドが配列番号50またはその相補物の配列である、請求項47〜69のいずれか1項に記載のキット。
【請求項71】
前記T7プロバイダーが配列番号26またはその相補物の配列であり、前記プライマーオリゴヌクレオチドが配列番号49またはその相補物の配列である、請求項47、49、50、51、57、58、59、60、62、63、64、65、66、67、68、または69のいずれか1項に記載のキット。
【請求項72】
検出オリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項47〜71のいずれか1項に記載のキット。
【請求項73】
前記検出オリゴヌクレオチドがトーチオリゴヌクレオチドまたは分子ビーコンである、請求項72に記載のキット。
【請求項74】
前記トーチオリゴヌクレオチドが配列番号66、67、68、69、70、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項73に記載のキット。
【請求項75】
ブロッカーオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項47〜71のいずれか1項に記載のキット。
【請求項76】
前記ブロッカーオリゴヌクレオチドが配列番号59、60、61、62、63、64、65、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項75に記載のキット。
【請求項77】
配列番号17またはその相補物の配列のT7プロバイダーオリゴヌクレオチド、配列番号50またはその相補物の配列のプライマーオリゴヌクレオチド、配列番号66またはその相補物の配列の検出オリゴヌクレオチド、配列番号59またはその相補物の配列のブロッカーオリゴヌクレオチド、および配列番号74またはその相補物の配列の標的捕捉オリゴヌクレオチドを含む、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のためのキット。
【請求項78】
配列番号26またはその相補物の配列のT7プロバイダーオリゴヌクレオチド、配列番号49またはその相補物の配列のプライマーオリゴヌクレオチド、配列番号66またはその相補物の配列の検出オリゴヌクレオチド、配列番号59またはその相補物の配列のブロッカーオリゴヌクレオチド、および配列番号74またはその相補物の配列の標的捕捉オリゴヌクレオチドを含む、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のためのキット。
【請求項79】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、標的とされるサルモネラ核酸配列に対して少なくとも90%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項80】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、標的とされるサルモネラ核酸配列に対して100%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項81】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、1個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項82】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、2個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項83】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、3個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項84】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、4個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項85】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、5個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項86】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して少なくとも90%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項87】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して100%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項88】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマーオリゴヌクレオチドが、1個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項89】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマーオリゴヌクレオチドが、2個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項90】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマーオリゴヌクレオチドが、3個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項91】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマーオリゴヌクレオチドが、4個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項92】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマープロバイダーオリゴヌクレオチドが、5個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項47、57、77、または78のいずれか1項に記載のキット。
【請求項93】
サンプル中のサルモネラを検出するための方法であって、該方法はT7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを使用して核酸増幅アッセイを実行する工程を包含し、該T7プロバイダーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基約268〜320に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして該プライマーオリゴヌクレオチドはサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、
ここで、該増幅アッセイにおいて使用される該T7オリゴヌクレオチドおよび該プライマーオリゴヌクレオチドは増幅される該サルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする、方法。
【請求項94】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基268〜302に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基279〜310に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項93に記載の方法。
【請求項96】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基279〜309に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項93に記載の方法。
【請求項97】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基279〜306に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項93に記載の方法。
【請求項98】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基279〜302に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項93に記載の方法。
【請求項99】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基約338〜395に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項93〜98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項100】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基約349〜374に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項93〜98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項101】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基約349〜370に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項93〜98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項102】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基約349〜366に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項93〜98のいずれか1項に記載の方法。
【請求項103】
サンプル中のサルモネラを検出するための方法であって、該方法は、T7プロバイダーオリゴヌクレオチドおよびプライマーオリゴヌクレオチドを使用して核酸増幅アッセイを実施する工程を包含し、該T7プロバイダーオリゴヌクレオチドはサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、そして該プライマーオリゴヌクレオチドはE.coli 23S rRNAの塩基約338〜395に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とし、
ここで、該増幅アッセイにおいて使用される該T7オリゴヌクレオチドおよび該プライマーオリゴヌクレオチドが、増幅される該サルモネラ核酸配列の逆ストランドを標的とする、方法。
【請求項104】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基349〜374に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基349〜370に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項103に記載の方法。
【請求項106】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、E.coli 23S rRNAの塩基349〜366に対応するサルモネラ核酸の領域中の配列を標的とする、請求項103に記載の方法。
【請求項107】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、10、11、12、13、14、15、16、17、18、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項93〜106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項108】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項93、95、96、97、103、104、105、または106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項109】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項93、95、96、103、104、105、または106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項110】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、7、8、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項93、95、103、104、105、または106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項111】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、6、7、8、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項93、94、103、104、105、または106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項112】
前記T7プロバイダーが、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項93、103、104、105、または106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項113】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、配列番号35、36、37、38、39、49、50、51、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項93〜106のいずれか1項に記載の方法。
【請求項114】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、配列番号35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、47、48、49、50、51、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項93、94、95、96、97、98、99、100、101、103、104、または105のいずれか1項に記載の方法。
【請求項115】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、配列番号35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項93、94、95、96、97、98、99、100、103、または104のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
前記T7プロバイダーが配列番号17またはその相補物の配列であり、前記プライマーオリゴヌクレオチドが配列番号50またはその相補物の配列である、請求項93〜115のいずれか1項に記載の方法。
【請求項117】
前記T7プロバイダーが配列番号26またはその相補物の配列であり、前記プライマーオリゴヌクレオチドが配列番号49またはその相補物の配列である、請求項93、95、96、97、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、または115のいずれか1項に記載の方法。
【請求項118】
検出オリゴヌクレオチドを用いて増幅された核酸を検出する工程をさらに含む、請求項93〜117のいずれか1項に記載の方法。
【請求項119】
前記検出オリゴヌクレオチドがトーチオリゴヌクレオチドまたは分子ビーコンである、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記トーチオリゴヌクレオチドが配列番号66、67、68、69、70、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
ブロッカーオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項93〜120のいずれか1項に記載の方法。
【請求項122】
前記ブロッカーオリゴヌクレオチドが配列番号59、60、61、62、63、64、65、およびそれらの相補物の配列から選択される、請求項121に記載の組成物。
【請求項123】
配列番号17またはその相補物の配列のT7プロバイダーオリゴヌクレオチド、配列番号50またはその相補物の配列のプライマーオリゴヌクレオチド、配列番号66またはその相補物の配列の検出オリゴヌクレオチド、配列番号59またはその相補物の配列のブロッカーオリゴヌクレオチド、および配列番号74またはその相補物の配列の標的捕捉オリゴヌクレオチドを含む、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のための方法。
【請求項124】
配列番号26またはその相補物の配列のT7プロバイダーオリゴヌクレオチド、配列番号49またはその相補物の配列のプライマーオリゴヌクレオチド、配列番号66またはその相補物の配列の検出オリゴヌクレオチド、配列番号59またはその相補物の配列のブロッカーオリゴヌクレオチド、および配列番号74またはその相補物の配列の標的捕捉オリゴヌクレオチドを含む、サルモネラ核酸増幅アッセイにおける使用のための方法。
【請求項125】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、標的とされるサルモネラ核酸配列に対して少なくとも90%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項126】
前記T7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、標的とされるサルモネラ核酸配列に対して100%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項127】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、1個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項128】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、2個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項129】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、3個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項130】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、4個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項131】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるT7プロバイダーオリゴヌクレオチドが、5個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項132】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して少なくとも90%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項133】
前記プライマーオリゴヌクレオチドが、前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して100%相補的である15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項134】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマーオリゴヌクレオチドが、1個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項135】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマーオリゴヌクレオチドが、2個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項136】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマーオリゴヌクレオチドが、3個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項137】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマーオリゴヌクレオチドが、4個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項138】
前記標的とされるサルモネラ核酸配列に対して相補的であるプライマープロバイダーオリゴヌクレオチドが、5個のミスマッチを有する15〜35ヌクレオチドを含む、請求項93、103、123、または124のいずれか1項に記載の方法。
【請求項139】
前記増幅された核酸を検出する工程がリアルタイムで行われる、請求項119に記載の方法。
【請求項140】
密接に関連する腸内細菌の存在下でサルモネラ核酸が特異的に検出される、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
サルモネラ核酸が、E.coli、Enterobacter、Citrobacter、Shigella、Psuedomonas、およびListeriaのうちの少なくとも1種の存在下で特異的に検出される、請求項139に記載の方法。
【請求項142】
サルモネラ核酸が、E.coli、E.vulneris、E.hermannii、E.cloacae、E.aerogenes、E.hoshinae、P.mirabilis、C.brakii、P.fluorescens、S.flexneri、C.freundii、C.koseri/diversus、K.pneumoniae、S.marcescens、L.innocua、E.faecalis、C.jejuni、C.coli、S.pneumoniaeのうちの少なくとも1種の存在下で特異的に検出される、請求項139に記載の方法。
【請求項143】
サルモネラ23Sリボソーム核酸の350領域のフラグメントを増幅するように設計された2つ以上の増幅オリゴヌクレオチドを含む、サンプル中のサルモネラを検出するための組成物。
【請求項144】
サルモネラ23Sリボソーム核酸を検出するための1種以上のプローブをさらに含む、請求項143に記載の組成物。
【請求項145】
請求項143に記載の増幅オリゴヌクレオチドを使用して核酸増幅アッセイを実施する工程、および増幅された核酸を請求項144に記載の1種以上のプローブを用いて検出する工程を包含する、サンプル中のサルモネラの存在を検出するための方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−521651(P2011−521651A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511875(P2011−511875)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/045738
【国際公開番号】WO2009/158119
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(500506530)ジェン−プロウブ インコーポレイテッド (58)
【Fターム(参考)】