説明

サンドイッチパネルの製造方法

【課題】連続生産法を用いてプレハブ工法に適したサンドイッチパネルを容易に製造することができるサンドイッチパネルの製造方法を提供する。
【解決手段】連続生産法により生産されるサンドイッチ構造体を切断し、その切断面7を形成している発泡材料3の端面を除去することによって形成された発泡材料3の内面9に当接するように、1対の面材2の端部に切断端部フレーム4を取り付ける。切断端部フレーム4には、発泡材料3の内面に対応する形状の凹部20を形成する。上記凹部20を嵌合部として他のサンドイッチパネルの端部と嵌め合せれば、プレハブ工法によって構造物を容易に形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに対向する1対の面材間に発泡材料が充填されたサンドイッチ構造体を切断し、その切断面に端部フレームを取り付けることにより主にプレハブ用サンドイッチパネルを製造するサンドイッチパネルの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
互いに対向する1対の面材間に発泡材料が充填されたサンドイッチパネルを用いて、大型の冷蔵庫やクリーンルームといった各種構造物を形成する技術が知られている。ここで、サンドイッチパネルの生産方法としては、連続生産ライン上で1対の面材を供給しながら面材間に発泡原液を注入することにより生産する連続生産法と、予め切断されている面材を多段に積層して各面材間に発泡原液を注入することにより生産する不連続生産法(バッチ生産法)とが知られている。
【0003】
不連続生産法によりサンドイッチパネルを生産する場合には、予め切断された面材の4つの端部を折り曲げておき、それらの折曲部によって囲まれる空間内に発泡原液を注入して発泡させることにより、生産されるサンドイッチパネルの各端面に面材の端部からなる端部フレームを形成することができる。このように、不連続生産法によれば、各端面に端部フレームが形成されたサンドイッチパネルを容易に生産することができる。
【0004】
端部フレームを有するサンドイッチパネルには、その端部フレームに凹凸などからなる嵌合部を形成することができる。このようなサンドイッチパネルを複数用意して、それらのサンドイッチパネルの各端面を対向させ、互いの嵌合部を嵌め合せれば、いわゆるプレハブ工法によって容易に構造物を形成することができる。すなわち、不連続生産法は、プレハブ工法に用いるサンドイッチパネルを生産するのに適している。
【0005】
しかしながら、不連続生産法により生産されるサンドイッチパネルでは、発泡原液が発泡する際に発生したガスが、発泡後の発泡材料と面材との間に挟まれた状態となることにより、いわゆるボイド(ガス溜まり)が発生する場合がある。ボイドが発生すると、そのボイドに対向する部分において面材に起伏が生じる場合があり、この場合、サンドイッチパネルの表面の平滑性が低下し、外観が悪くなるといった問題がある。また、不連続生産法では、長尺のサンドイッチパネルを容易に得ることができないといった問題もある。
【0006】
これに対して、連続生産法により生産されるサンドイッチパネルは、ボイドの発生が抑制されるため表面の平滑性が高く、外観がよいといった利点がある。また、連続生産法によれば、長尺のサンドイッチパネルを容易に得ることができるとともに、サンドイッチパネルの製造コストを低減できるといった利点もある。下記特許文献1には、連続生産法により生産されるサンドイッチパネルの一例が示されている。
【特許文献1】特開平8−57720号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、連続生産法により生産されるサンドイッチパネルは、連続で形成されるサンドイッチ構造体を任意の位置で切断することにより得られるため、その切断面では、1対の面材の各端面と、これらの面材間に充填されている発泡材料の端面とが、同一面内に位置した状態となる。この状態では、サンドイッチパネルの切断面における各面材の端部に発泡材料が隣接しているため、当該端部を折り曲げることができず、不連続生産法により生産されるサンドイッチパネルのように、面材の端部を折り曲げることにより端部フレームを形成するといったことができない。そのため、従来の連続生産法では、プレハブ工法に適したサンドイッチパネルを容易に生産することができないといった問題がある。
【0008】
上記特許文献1には、連続生産法により生産されるサンドイッチパネルの切断面における各面材の端部を折り曲げて、対向するサンドイッチパネルの端部同士を接続する方法が開示されている。しかし、この特許文献1に開示されている方法では、対向するサンドイッチパネルの各端部を接続金具で接続するとともに、その接続部にコーキング剤を設けるような構成となっているため、プレハブ工法に適しているとは言えない。
【0009】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、連続生産法を用いてプレハブ工法に適したサンドイッチパネルを容易に製造することができるサンドイッチパネルの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の本発明に係るサンドイッチパネルの製造方法は、互いに対向する1対の面材間に発泡材料が充填されたサンドイッチ構造体を切断し、その切断面に端部フレームを取り付けることによりサンドイッチパネルを製造するサンドイッチパネルの製造方法であって、上記切断面を形成している上記発泡材料の端面の一部又は全部を除去する発泡材料除去ステップと、上記切断面を形成している上記1対の面材の端部に上記端部フレームを取り付けることにより、上記端面の一部又は全部が除去されることによって形成された上記発泡材料の内面に当接するように上記端部フレームを配置する端部フレーム取付ステップとを備えたことを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、端面の一部又は全部を除去することによって形成される発泡材料の内面を端部フレームに対応する形状とし、当該内面に当接するように端部フレームを取り付けることができる。したがって、例えば上記内面の形状に対応する凹部を端部フレームに形成すれば、当該凹部を嵌合部として他のサンドイッチパネルの端部と嵌め合せることにより、プレハブ工法によって構造物を形成することができる。すなわち、本発明の構成によれば、連続生産法により生産されるサンドイッチ構造体を切断し、その切断面に対して上記のように端部フレームを取り付けることによって、プレハブ工法に適したサンドイッチパネルを容易に製造することができる。
【0012】
特に、発泡材料の内面に端部フレームが当接するので、端部フレームを安定して取り付けることができるとともに、発泡材料の内面と端部フレームとの間に空間が形成されているような構成と比べて、上記空間が存在することによるサンドイッチパネルの強度の低下や、断熱性の低下といった問題を防止することができる。
【0013】
第2の本発明に係るサンドイッチパネルの製造方法は、上記端部フレーム取付ステップが、上記1対の面材の端部及び上記端部フレームにそれぞれ形成されている係合部を係合させることにより行われることを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、1対の面材の端部及び端部フレームにそれぞれ形成されている係合部を係合させることにより、1対の面材の端部に対して端部フレームを容易に取り付けることができる。
【0015】
第3の本発明に係るサンドイッチパネルの製造方法は、上記端部フレーム取付ステップが、上記1対の面材の端部及び上記端部フレームに固定具を取り付けることにより行われることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、1対の面材の端部及び端部フレームに固定具を取り付けることにより、1対の面材の端部に対して端部フレームを強固に固定することができる。
【0017】
第4の本発明に係るサンドイッチパネルの製造方法は、上記端部フレーム取付ステップが、上記端部フレームと当該端部フレームに当接する上記発泡材料の内面とを接着することにより行われることを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、端部フレームと当該端部フレームに当接する発泡材料の内面とを接着することにより、端部フレームを強固に取り付けることができる。
【0019】
第5の本発明に係るサンドイッチパネルの製造方法は、上記切断面が延びる方向の少なくとも一方の側縁部において、上記切断面を形成している上記1対の面材の端部及び上記発泡材料の端面を除去することにより切欠部を形成する切欠部形成ステップを備え、上記発泡材料除去ステップが、上記切欠部から上記切断面が延びる方向に沿って工具を相対移動させることにより行われることを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、1対の面材の端部及び発泡材料の端面を除去することにより形成された切欠部を介して、上記1対の面材の端部間に工具を挿入し、当該工具を切断面が延びる方向に沿って相対移動させることにより、発泡材料の端面の一部又は全部を容易に除去することができる。なお、上記相対移動には、サンドイッチパネルに対して工具が移動する構成、及び、工具に対してサンドイッチパネルが移動する構成の双方が含まれるものとする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、連続生産法により生産されるサンドイッチ構造体を切断し、その切断面を形成している発泡材料の端面の一部又は全部を除去することによって端部フレームに対応する形状に形成された発泡材料の内面に当接するように、1対の面材の端部に端部フレームを取り付けることにより、プレハブ工法に適したサンドイッチパネルを容易に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るサンドイッチパネルの製造方法により製造されるサンドイッチパネル1の一例を示した斜視図である。図2は、図1のサンドイッチパネル1の一部断面図であり、当該サンドイッチパネル1を厚さ方向に切断した断面を示している。以下の説明では、図1における上側を上方、下側を下方、左奥側を左方、右手前側を右方として説明することとする。
【0023】
このサンドイッチパネル1は、上下方向に長尺な略長方形状の板状部材であり、互いに平行に対向する1対の面材2と、これらの面材2間に充填された発泡材料3とを備えている。各面材2は、0.3〜1.0mmの厚みを有し、例えばアルミニウム薄板、鋼板、樹脂板、木製合板などの各種薄板により形成することができる。一方、発泡材料3は、例えばポリウレタン発泡原液などの樹脂発泡原液が発泡されることにより形成された発泡樹脂からなり、断熱材として機能するものである。
【0024】
このサンドイッチパネル1は、いわゆる連続生産法により製造される。具体的には、連続生産ライン上に、それぞれ1枚の長い薄板からなる1対の面材2が、互いに平行に対向するように連続で送り出されるとともに、これらの面材2間に発泡原液が注入されることにより、1対の面材2間に発泡材料3が充填された1枚のサンドイッチ構造体が連続して形成される。このようにして形成されるサンドイッチ構造体が、連続生産ライン上において所望の長さで切断されることにより、図1に示すような略長方形状のサンドイッチパネル1が次々と製造される。
【0025】
サンドイッチパネル1の上端部及び下端部は、上記のようにサンドイッチ構造体が切断されることにより形成された切断端部であり、これらの上端部及び下端部には、それぞれ切断端部フレーム4が取り付けられる。一方、サンドイッチパネル1の左右側端部には、連続生産時にそれぞれ側端部フレーム5が取り付けられている。このように、サンドイッチパネル1の各端部に、切断端部フレーム4及び側端部フレーム5などの端部フレームが取り付けられることにより、サンドイッチパネル1の内部に発泡材料3が封入された状態となっている。切断端部フレーム4及び側端部フレーム5は、それぞれ塩化ビニルなどの樹脂材料により形成された可撓性部材である。
【0026】
この例では、サンドイッチパネル1の上端部に取り付けられた切断端部フレーム4は、当該サンドイッチパネル1の内方に向かって窪んだ凹部20を有する凹形状に形成され、サンドイッチパネル1の下端部に取り付けられた切断端部フレーム4は、当該サンドイッチパネル1の外方に向かって突出した凸部30を有する凸形状に形成されている。また、サンドイッチパネル1の左側端部に取り付けられた側端部フレーム5は、当該サンドイッチパネル1の内方に向かって窪んだ凹部40を有する凹形状に形成され、サンドイッチパネル1の右側端部に取り付けられた側端部フレーム5は、当該サンドイッチパネル1の外方に向かって突出した凸部50を有する凸形状に形成されている。
【0027】
各凹部20,40は同一の断面形状を有しており、各凸部30,50は各凹部20,40に対応する断面形状を有している。したがって、複数のサンドイッチパネル1の端面を互いに対向させ、対応する凹部20,40と凸部30,50とを嵌め合せることにより、いわゆるプレハブ工法によって複数のサンドイッチパネル1を組み立て、大型の冷蔵庫やクリーンルームといった各種構造物を容易に形成することができる。
【0028】
図3は、図1のサンドイッチパネル1の上端部に取り付けられる切断端部フレーム4の一例を示した斜視図である。この切断端部フレーム4は、左右方向に長尺形状を有する一体成型品であり、左端部から右端部まで下方に窪んだ略台形状の凹部20を形成するように屈曲したフレーム本体21を備えている。
【0029】
この切断端部フレーム4におけるフレーム本体21の各上端部には、凹部20が窪む方向である下方に向かって延びる取付片84が形成されている。また、フレーム本体21の各上端部には、取付片84の外方に覆い被さるようにカバー部85が取り付けられている。このカバー部85は、可撓性を有する樹脂材料により形成され、取付片84よりも軟質の材料、例えば取付片84を形成している塩化ビニルよりも軟質の塩化ビニルにより形成することができる。
【0030】
各カバー部85は、その一側縁がフレーム本体21の上端部に取り付けられており、当該一側縁を中心に弾性変形することにより、外方側、すなわち凹部20側とは反対側へ揺動可能となっている。取付片84及びカバー部85は、切断端部フレーム4を面材2に取り付けるための取付部25を形成している。ただし、カバー部85は、省略することも可能である。
【0031】
図4は、図3の切断端部フレーム4をサンドイッチパネル1の上端部に取り付ける際の態様を示した断面図である。この図4に示すように、図3の切断端部フレーム4をサンドイッチパネル1の上端部に取り付ける際、サンドイッチパネル1は、連続生産ライン上で各面材2が水平方向に延びるように搬送され、図3に示した切断端部フレーム4は、90°回転された状態でサンドイッチパネル1に取り付けられる。
【0032】
切断端部フレーム4をサンドイッチパネル1の上端部に取り付ける際には、まず、図4(a)に示すような1対の面材2間に発泡材料3が充填されたサンドイッチパネル1に対して、その切断面7を形成している発泡材料3の上端面を除去する処理が行われる。これにより、発泡材料3には、図4(b)に示すように、図3に示した切断端部フレーム4の下面に対応する形状の起伏を有する内面9が形成される。この例では、切断面7を形成している1対の面材2の上端部に隣接する発泡材料3が除去されることにより、当該上端部の内方側に空間が形成されている。
【0033】
本実施形態では、切断面7を形成している1対の面材2における上端部に、それぞれ貫通孔16が形成されている。また、切断端部フレーム4の各取付片84における貫通孔16に対向する位置にはリベット孔86が形成されている。切断端部フレーム4は、図4(c)に示すように、各取付片84の外面が各面材2の上端部の内面に当接するようにして取り付けられる。このとき、上端面が除去されることによって形成された発泡材料3の内面9が、切断端部フレーム4の下面に対応する形状に形成されているため、切断端部フレーム4の下面全体が発泡材料3の内面9に当接するようになっている。
【0034】
その後、固定具としてのリベット19が、各面材2の上端部に形成されている貫通孔16を通して切断端部フレーム4の対応するリベット孔86に固定されることにより、1対の面材2の上端部及び切断端部フレーム4にリベット19が取り付けられ、1対の面材2の上端部に対して切断端部フレーム4が強固に固定される。ただし、固定具はリベット19に限らず、ねじなどの他の固定具であってもよい。
【0035】
切断端部フレーム4の各カバー部85は、各面材2の上端部の外方側に対向しており、リベット19を取り付ける際には、これらのカバー部85を外方側に弾性変形させることにより、各面材2の上端部に形成されている貫通孔16を露出させ、当該貫通孔16からリベット19を挿入する。そして、リベット19をリベット孔86に固定した後、カバー部85を元の形状に戻すことにより、リベット19の頭部をカバー部85で覆い保護することができる。
【0036】
図5は、図1のサンドイッチパネル1の下端部に取り付けられる切断端部フレーム4の一例を示した斜視図である。この切断端部フレーム4は、左右方向に長尺形状を有する一体成型品であり、左端部から右端部まで下方に突出した略台形状の凸部30を形成するように屈曲したフレーム本体31を備えている。
【0037】
この切断端部フレーム4におけるフレーム本体31の各上端部には、凸部30が突出する方向である下方に対して反対方向、すなわち上方に向かって延びる取付片87が形成されている。また、フレーム本体31の各上端部には、取付片87の外方に覆い被さるようにカバー部88が取り付けられている。このカバー部88は、可撓性を有する樹脂材料により形成され、取付片87よりも軟質の材料、例えば取付片87を形成している塩化ビニルよりも軟質の塩化ビニルにより形成することができる。
【0038】
各カバー部88は、その一側縁がフレーム本体31の上端部に取り付けられており、図3の切断端部フレーム4と同様に、当該一側縁を中心に弾性変形することにより、外方側へ揺動可能となっている。取付片87及びカバー部88は、切断端部フレーム4を面材2に取り付けるための取付部25を形成している。ただし、カバー部88は、省略することも可能である。
【0039】
図6は、図5の切断端部フレーム4をサンドイッチパネル1の下端部に取り付ける際の態様を示した断面図である。この図6に示すように、図5の切断端部フレーム4をサンドイッチパネル1の下端部に取り付ける際、サンドイッチパネル1は、連続生産ライン上で各面材2が水平方向に延びるように搬送され、図5に示した切断端部フレーム4は、90°回転された状態でサンドイッチパネル1に取り付けられる。
【0040】
切断端部フレーム4をサンドイッチパネル1の下端部に取り付ける際には、まず、図6(a)に示すような1対の面材2間に発泡材料3が充填されたサンドイッチパネル1に対して、その切断面7を形成している発泡材料3の下端面を除去する処理が行われる。これにより、発泡材料3には、図6(b)に示すように、図5に示した切断端部フレーム4の上端部、特に取付片87に対応する形状の起伏を有する内面9が形成される。この例では、切断面7を形成している1対の面材2の下端部に隣接する発泡材料3が除去されることにより、当該下端部の内方側に空間が形成されている。
【0041】
図4の場合と同様に、切断面7を形成している1対の面材2における下端部には貫通孔16が形成され、切断端部フレーム4の各取付片87における貫通孔16に対向する位置にはリベット孔89が形成されている。切断端部フレーム4は、図6(c)に示すように、各取付片87の外面が各面材2の下端部の内面に当接するようにして取り付けられる。このとき、発泡材料3の内面9の一部と、切断端部フレーム4の凸部30の内面との間には、空間8が形成されるようになっている。
【0042】
その後、固定具としてのリベット19が、各面材2の下端部に形成されている貫通孔16を通して切断端部フレーム4の対応するリベット孔89に固定されることにより、1対の面材2の下端部及び切断端部フレーム4にリベット19が取り付けられ、1対の面材2の下端部に対して切断端部フレーム4が強固に固定される。ただし、固定具はリベット19に限らず、ねじなどの他の固定具であってもよい。
【0043】
切断端部フレーム4の各カバー部88は、各面材2の下端部の外方側に対向しており、リベット19を取り付ける際には、図4の場合と同様に、カバー部88を外方側に弾性変形させることにより、各面材2の下端部に形成されている貫通孔16を露出させ、当該貫通孔16からリベット19を挿入してリベット孔89に固定した後、カバー部88を元の形状に戻すことにより、リベット19の頭部をカバー部88で覆い保護することができる。
【0044】
このようにして取り付けられた切断端部フレーム4と発泡材料3の内面9との間の空間8には、必要に応じて、左右いずれかの側方から発泡原液を注入して発泡させることにより、発泡材料を充填することが可能である。このとき空間8内に充填される発泡材料は、1対の面材2間に予め充填されている発泡材料3と同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。このように空間8内に発泡材料を充填すれば、強度及び断熱性をより向上させることができる。
【0045】
図3及び図5に示した切断端部フレーム4は、略台形状の凹部20又は凸部30を備えているが、このような構成に限らず、略正方形状、略長方形状又は略三角形状など、各種形状からなる凹部又は凸部を切断端部フレーム4に形成することが可能である。また、図4のように、切断端部フレーム4を取り付ける際に発泡材料3の端面を全部除去するような構成に限らず、図6のように発泡材料3の端面の一部のみを除去するような構成であってもよい。
【0046】
図4及び図6では、各面材2の端部が折り曲げられていない構成が示されているが、このような構成に限らず、各面材2の端部が折り曲げられることにより折曲部が形成されたような構成であってもよい。この場合、各面材2の端部が内方側に折り曲げられるような構成であってもよい。例えば、各面材2の端部を内方側に略L字状に折り曲げて、互いに平行に延びる1対の折曲部を形成することにより、当該折曲部の外面に段差部が形成されたような構成であってもよい。このような構成の場合には、各折曲部に貫通孔16が形成されるように各面材2の端部を折り曲げることにより、上記段差部内にリベット19の頭部及びカバー部85,88を収容することも可能である。
【0047】
また、図4及び図6では、切断端部フレーム4の各取付片84,87が、各面材2の端部の内面に当接するような構成が示されているが、このような構成に限らず、各面材2の端部の外面に当接するような構成であってもよい。
【0048】
図7は、連続生産法によるサンドイッチ構造体13の製造工程を示した概念図である。連続生産法によりサンドイッチ構造体13を製造する連続生産ライン上には、1対の面材2が搬送される方向に沿って、端部フレーム取付装置501、固定具取付装置502、発泡材料充填装置503及びコンベア504が、この順序で設置されている。1対の面材2は、それぞれ巻回されることによりロールRとして設けられており、これらのロールRから連続して面材2が繰り出されるようになっている。1対の面材2は、ロールRから端部フレーム取付装置501まで、それらの間隔が徐々に短くなるように搬送され、端部フレーム取付装置501よりも下流側へは互いに平行に搬送される。
【0049】
連続生産ライン上で製造されるサンドイッチ構造体13には、1対の面材2の左右側端部にそれぞれ側端部フレーム5が取り付けられるとともに、1対の面材2間に発泡原液が注入されることにより、1対の面材2及び各側端部フレーム5により囲まれた空間内に発泡材料3が充填される。側端部フレーム5の形状としては、図3に示したような凹形状又は図5に示したような凸形状と同様の形状を採用することができる。また、1対の面材2の左右側端部に対する側端部フレーム5の取付方法としては、図4又は図6に示したように各面材2の端部に固定具を取り付ける方法の他、後述するような係合部や接着剤を用いた取付方法などを採用することができる。この図7の例では、図4又は図6のように各面材2の端部に固定具を取り付ける方法を採用した場合が示されている。
【0050】
端部フレーム取付装置501は、搬送されてくる1対の面材2の左右側端部に、それぞれ側端部フレーム5を取り付けるための装置である。可撓性部材からなる側端部フレーム5は巻回された状態で用意されており、互いに平行な1対の面材2の左右側端部に対して外方側から嵌め込むようにして側端部フレーム5が取り付けられた後、固定具取付装置502により固定具としてのリベット19が固定されることによって、図4(c)及び図6(c)に示したような態様で側端部フレーム5が取り付けられるようになっている。ただし、側端部フレーム5は、その凸形状又は凹形状によっては巻回できない場合があり、この場合には、巻回されずに長尺でカットされた定寸のバー材として供給される。
【0051】
左右側端部に側端部フレーム5が取り付けられた1対の面材2は、それらの間に形成された空間内に発泡材料充填装置503により発泡原液が注入された後、互いに平行に配置された1対のコンベア504間を搬送される。これらのコンベア504は、1対の面材2間に注入された発泡原液を発泡させるための発泡室505内に配置されており、当該コンベア504により搬送される過程で1対の面材2間の発泡原液が発泡し、1対の面材2及び各側端部フレーム5により囲まれた空間内に発泡材料3が充填されるようになっている。
【0052】
図8は、サンドイッチ構造体13から図1のサンドイッチパネル1を製造する工程を示した概念図である。図9は、サンドイッチ構造体13から図1のサンドイッチパネル1を製造する工程を示したフローチャートである。図1のサンドイッチパネル1は、連続生産ライン上で送られてくる1枚の長いサンドイッチ構造体13が任意の長さで切断され、その切断面に切断端部フレーム4を取り付けることにより形成される。
【0053】
この例における連続生産ラインは、サンドイッチ構造体13の搬送方向に沿って延びる第1生産ラインと、第1生産ラインに続いて当該第1生産ラインに対して直交方向に延びる第2生産ラインとからなる。すなわち、図1のサンドイッチパネル1は、互いに直交する第1生産ライン及び第2生産ラインを搬送される過程で、各種処理が施されることにより製造されるようになっている。第1生産ライン上には、切断装置101及び切欠部形成装置102が設置されており、第2生産ライン上には、発泡材料除去装置103が設置されている。
【0054】
第1生産ライン上を搬送されてくるサンドイッチ構造体13は、切断装置101により、予め定められた位置で搬送方向に対して直交方向に切断される(ステップS101)。その後、切断されたサンドイッチパネル1が第1生産ライン上を搬送される過程で、搬送方向の両端面に形成されている切断面7の左右両側縁部において、1対の面材2の端部及びこれらの面材2間に充填されている発泡材料3の端面が除去されることにより、サンドイッチパネル1の4つの角部にそれぞれ略L字状の切欠部14が形成される(ステップS102)。ただし、サンドイッチパネル1の全ての角部に切欠部14が形成されるような構成に限らず、一方の側縁部、例えば第2生産ラインの搬送方向下流側の側縁部にのみ切欠部14が形成されるような構成であってもよい。
【0055】
切欠部14が形成されたサンドイッチパネル1は、搬送方向が水平方向に90°変換されて第2生産ライン上を搬送される。そして、当該第2生産ライン上で、まず、発泡材料除去装置103により、各切断面7を形成している発泡材料3の端面を除去する処理が行われる(ステップS103)。発泡材料除去装置103は、サンドイッチパネル1の各切断面7に対応する位置にグラインダ103Aを備えており、サンドイッチパネル1が第2生産ライン上を搬送されることにより、各切断面7に形成されている搬送方向下流側の切欠部14を介して、それらのグラインダ103Aが1対の面材2の端部間に進入するようになっている。
【0056】
したがって、工具としての各グラインダ103Aを回転させた状態で、切欠部14が形成されたサンドイッチパネル1を第2生産ライン上に搬送することにより、搬送方向下流側の各切欠部14から各切断面7が延びる方向に沿って各グラインダ103Aを相対移動させ、図4(b)及び図6(b)に示したように、各切断面7を形成している発泡材料3の端面を除去することができる。ただし、サンドイッチパネル1を移動させるような構成に限らず、停止したサンドイッチパネル1に対して各グラインダ103Aを移動させることにより、各切断面7を形成している発泡材料3の端面を除去するような構成であってもよい。
【0057】
その後、サンドイッチパネル1の各切断面7を形成している各面材2の端部に、図4(c)及び図6(c)に示した態様でリベット19により切断端部フレーム4が取り付けられる(ステップS104)。各切断端部フレーム4は、カットされた定寸のバー材として供給される。
【0058】
各切断端部フレーム4と発泡材料3の内面9との間には、切断端部フレーム4と発泡材料3の内面9との間に生じる隙間の大きさに応じて各種材料を注入することができる。例えば、切断端部フレーム4と発泡材料3の内面9とが当接する場合には、リベット19により切断端部フレーム4を取り付けるよりも前に、切断端部フレーム4と発泡材料3の内面との間に接着剤を注入してもよい。一方、切断端部フレーム4と発泡材料3の内面9との間の小さい隙間がある場合には、リベット19により切断端部フレーム4を取り付けるよりも前に、例えば、ソフランネート(登録商標)などの発泡接着剤を当該隙間に注入してもよい。また、、例えば図6(c)のように切断端部フレーム4と発泡材料3の内面9との間に大きな空間8が形成されているような場合には、リベット19により切断端部フレーム4を取り付けた後に、当該空間8内にポリウレタン発泡原液などの発泡原液を注入し、その発泡原液が発泡することにより空間8内に発泡材料が充填されるようにしてもよい。
【0059】
本実施形態では、端面を除去することによって形成される発泡材料3の内面9を切断端部フレーム4に対応する形状とし、当該内面9に当接するように切断端部フレーム4を取り付けることができる。したがって、上記内面9の形状に対応する凹部20を切断端部フレーム4に形成し、当該凹部20を嵌合部として他のサンドイッチパネルの端部と嵌め合せることにより、プレハブ工法によって構造物を形成することができる。すなわち、本実施形態によれば、連続生産法により生産されるサンドイッチ構造体13を切断し、その切断面7に対して上記のように切断端部フレーム4を取り付けることによって、プレハブ工法に適したサンドイッチパネル1を容易に製造することができる。
【0060】
特に、本実施形態では、発泡材料3の内面9に切断端部フレーム4が当接するので、切断端部フレーム4を安定して取り付けることができるとともに、発泡材料3の内面9と切断端部フレーム4との間に空間が形成されているような構成と比べて、上記空間が存在することによるサンドイッチパネル1の強度の低下や、断熱性の低下といった問題を防止することができる。
【0061】
また、本実施形態では、1対の面材2の端部及び発泡材料3の端面を除去することにより形成された切欠部14を介して、上記1対の面材2の端部間に工具(グラインダ103A)を挿入し、当該工具を切断面7が延びる方向に沿って相対移動させることにより、発泡材料3の端面を容易に除去することができる。
【0062】
<第2実施形態>
第1実施形態では、各面材2及び切断端部フレーム4とは別個に設けられた固定具を用いて切断端部フレーム4が取り付けられるような構成について説明した。これに対して、第2実施形態では、各面材2の端部及び切断端部フレーム4にそれぞれ形成されている係合部を係合させることにより切断端部フレーム4が取り付けられるようになっている点が異なっている。
【0063】
図10は、本発明の第2実施形態に係るサンドイッチパネルの製造方法により製造されるサンドイッチパネル1の上端部に取り付けられる切断端部フレーム4の一例を示した斜視図である。この切断端部フレーム4は、取付部25の構成のみが第1実施形態の切断端部フレーム4とは異なり、他の構成については同様の構成を有しているので、同様の構成については図に同一符号を付してその説明を省略することとする。
【0064】
この切断端部フレーム4におけるフレーム本体21の各上端部には、それぞれ凹部20が窪む方向である下方に向かって延びる外側片81及び内側片82が形成されている。これらの外側片81及び内側片82は、水平方向に所定間隔を隔てて平行に対向しており、その間に形成された空間内に面材2の端部を収容することにより、当該切断端部フレーム4を面材2に取り付けるための取付部25を形成している。
【0065】
図11は、図10の切断端部フレーム4をサンドイッチパネル1の上端部に取り付ける際の態様を示した断面図である。この図11に示すように、図10の切断端部フレーム4をサンドイッチパネル1の上端部に取り付ける際、サンドイッチパネル1は、連続生産ライン上で各面材2が水平方向に延びるように搬送され、図10に示した切断端部フレーム4は、90°回転された状態でサンドイッチパネル1に取り付けられる。
【0066】
この切断端部フレーム4をサンドイッチパネル1の上端部に取り付ける際には、第1実施形態の場合と同様に、図11(a)に示すような1対の面材2間に発泡材料3が充填されたサンドイッチパネル1に対して、その切断面7を形成している発泡材料3の上端面を除去する処理が行われることにより、図11(b)に示すように、図10に示した切断端部フレーム4の下面に対応する形状の起伏を有する内面9が形成される。
【0067】
本実施形態では、切断面7を形成している1対の面材2における上端部の外面に、それぞれ貫通孔からなる係合部15が形成されている。一方、本実施形態における切断端部フレーム4には、図11(c)に示すように、各外側片81から対向する内側片82側に向かって突出する凸部からなる係合部83が形成されている。この各外側片81に形成されている係合部83の形状は、各面材2の上端部の外面に形成されている係合部15の形状に対応している。
【0068】
図11(c)に示すように、切断端部フレーム4は、外側片81及び内側片82の間に各面材2の上端部が入り込むようにして取り付けられる。このとき、切断端部フレーム4の各外側片81に形成されている係合部83が、対応する面材2の上端部に形成されている係合部15に入り込むことにより係合するようになっている。より具体的には、外側片81及び内側片82の間に各面材2の上端部を挿入する際に、外側片81が外方へ弾性変形し、係合部15,83が互いに対向する位置まで各面材2の上端部が挿入されたときに、係合部15,83同士が係合し、弾性変形していた外側片81が元の形状に戻るようになっている。
【0069】
このようにして切断端部フレーム4が各面材2の上端部に取り付けられることにより、図11(c)に示すように、各内側片82の外面が各面材2の上端部の内面に当接するようにして取り付けられる。このとき、上端面が除去されることによって形成された発泡材料3の内面9が、切断端部フレーム4の下面に対応する形状に形成されているため、切断端部フレーム4の下面全体が発泡材料3の内面9に当接するようになっている。このように、本実施形態では、1対の面材2の上端部及び切断端部フレーム4にそれぞれ形成されている係合部15,83を係合させることにより、1対の面材2の上端部に対して切断端部フレーム4を容易に取り付けることができる。
【0070】
図10及び図11では、サンドイッチパネル1の上端部に取り付けられる切断端部フレーム4の構成のみが示されているが、サンドイッチパネル1の下端部に取り付けられる切断端部フレーム4についても、外側片81、内側片82及び係合部83を備えた同様の取付部25を形成し、当該取付部25をサンドイッチパネル1の下端部に形成した係合部に係合させることにより取り付けることができる。
【0071】
上記の例では、切断端部フレーム4の外側片81に、対向する内側片82側に向かって突出する凸部が係合部83として形成された構成について説明したが、このような構成に限らず、切断端部フレーム4の内側片82に、対向する外側片81側に向かって突出する凸部が係合部83として形成された構成であってもよい。
【0072】
また、切断端部フレーム4側に凸部からなる係合部83を形成し、各面材2の端部に凹部又は貫通孔からなる係合部15を形成するような構成に限らず、切断端部フレーム4側に凹部又は貫通孔からなる係合部を形成し、各面材2の端部に凸部からなる係合部15を形成するような構成であってもよい。ただし、切断端部フレーム4及び各面材2の端部に形成される係合部は、凹凸により形成されるものに限らず、各種態様で係合可能な構成を採用することができる。
【0073】
図12は、係合部15の変形例を示した断面図である。この例では、各面材2の端部の一部に切り込みが入れられて、内方側へ折れ曲がった折曲片15Aが形成されることにより、係合部15が形成されている。この係合部15には、切断端部フレーム4に形成されている対応する形状の凸部が係合される。このように、各面材2の端部を打ち抜いて貫通孔からなる係合部15を形成するのではなく、折曲片15Aを形成することによって係合部15を形成するような構成とすることにより、係合部15の形成に伴い材料片が分離してごみが出るのを防止できるとともに、折曲片15Aにフックとしての機能を持たせることができる。
【0074】
<第3実施形態>
第1及び第2実施形態では、リベット19などの固定具や係合部15,83によって切断端部フレーム4が取り付けられるような構成について説明した。これに対して、第3実施形態では、各面材2及び切断端部フレーム4が接着剤を用いて接着されることにより取り付けられるようになっている点が異なっている。
【0075】
図13は、本発明の第3実施形態に係るサンドイッチパネルの製造方法により製造されるサンドイッチパネル1の上端部に取り付けられる切断端部フレーム4の一例を示した斜視図である。この切断端部フレーム4は、上端部の構成のみが第1及び第2実施形態の切断端部フレーム4とは異なり、他の構成については同様の構成を有しているので、同様の構成については図に同一符号を付してその説明を省略することとする。
【0076】
この切断端部フレーム4におけるフレーム本体21の各上端縁には、外方側に向かって水平方向に延びる外側片80が形成されている。各外側片80は、凹部20が窪む方向である下方に対して交差方向、より具体的には直交方向に延びている。また、各外側片80の下面には、凹部20が窪む方向である下方に向かって延びる内側片80Aが形成されている。
【0077】
図14は、図13の切断端部フレーム4をサンドイッチパネル1の上端部に取り付ける際の態様を示した断面図である。この図14に示すように、図13の切断端部フレーム4をサンドイッチパネル1の上端部に取り付ける際、サンドイッチパネル1は、連続生産ライン上で各面材2が水平方向に延びるように搬送され、図13に示した切断端部フレーム4は、90°回転された状態でサンドイッチパネル1に取り付けられる。
【0078】
この切断端部フレーム4をサンドイッチパネル1の上端部に取り付ける際には、第1及び第2実施形態の場合と同様に、図14(a)に示すような1対の面材2間に発泡材料3が充填されたサンドイッチパネル1に対して、その切断面7を形成している発泡材料3の上端面を除去する処理が行われることにより、図14(b)に示すように、図13に示した切断端部フレーム4の下面に対応する形状の起伏を有する内面9が形成される。この例では、切断端部フレーム4の上端面の一部が除去されることにより、当該上端面の一部のみが起伏を有する内面9となっている。
【0079】
その後、各面材2の上端面、発泡材料3の上端面及び当該上端面の一部が除去されることにより形成された内面9に接着剤90を塗布し、その上に当接するように切断端部フレーム4を接着することにより、切断端部フレーム4を強固に取り付けることができる。このとき、切断端部フレーム4の各外側片80の先端部が接着剤90を介して各面材2の上端面に当接するとともに、各内側片80Aの外面が接着剤90を介して各面材2の上端部の内面に当接するようにして取り付けられる。ただし、各面材2の上端面、発泡材料3の上端面及び当該上端面の一部が除去されることにより形成された内面9にそれぞれ接着剤90が塗布されるような構成に限らず、例えば上記内面9にのみ接着剤90が塗布されるような構成であってもよい。
【0080】
以上の実施形態では、図1に示すように、サンドイッチパネル1の上端部に凹部20を有する切断端部フレーム4、下端部に凸部30を有する切断端部フレーム4、左側端部に凹部40を有する側端部フレーム5、右側端部に凸部50を有する側端部フレーム5がそれぞれ取り付けられるような構成について説明した。しかし、このような構成に限らず、凹部20,40及び凸部30,50の組み合わせは適宜に変更可能である。
【0081】
すなわち、サンドイッチパネル1の上端部及び下端部には、それぞれ凹部20又は凸部30を有する切断端部フレーム4のいずれかを適宜に取り付けることができるとともに、サンドイッチパネル1の左側端部及び右側端部には、それぞれ凹部40又は凸部50を有する側端部フレーム5のいずれかを適宜に取り付けることができる。
【0082】
また、第3実施形態のように接着剤90を用いて各面材2及び切断端部フレーム4を接着するような構成は、第1実施形態及び第2実施形態のような取付部25による取付態様と併用することが可能である。すなわち、リベット19などの固定具や係合部15,83によって切断端部フレーム4を取り付ける際に、切断端部フレーム4と当該切断端部フレーム4に当接する発泡材料3の内面9との間に接着剤90を介在させることも可能であり、これにより切断端部フレーム4をより強固に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1実施形態に係るサンドイッチパネルの製造方法により製造されるサンドイッチパネルの一例を示した斜視図である。
【図2】図1のサンドイッチパネルの一部断面図であり、当該サンドイッチパネルを厚さ方向に切断した断面を示している。
【図3】図1のサンドイッチパネルの上端部に取り付けられる切断端部フレームの一例を示した斜視図である。
【図4】図3の切断端部フレームをサンドイッチパネルの上端部に取り付ける際の態様を示した断面図である。
【図5】図1のサンドイッチパネルの下端部に取り付けられる切断端部フレームの一例を示した斜視図である。
【図6】図5の切断端部フレームをサンドイッチパネルの下端部に取り付ける際の態様を示した断面図である。
【図7】連続生産法によるサンドイッチ構造体の製造工程を示した概念図である。
【図8】サンドイッチ構造体から図1のサンドイッチパネルを製造する工程を示した概念図である。
【図9】サンドイッチ構造体から図1のサンドイッチパネルを製造する工程を示したフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施形態に係るサンドイッチパネルの製造方法により製造されるサンドイッチパネルの上端部に取り付けられる切断端部フレームの一例を示した斜視図である。
【図11】図10の切断端部フレームをサンドイッチパネルの上端部に取り付ける際の態様を示した断面図である。
【図12】係合部の変形例を示した断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係るサンドイッチパネルの製造方法により製造されるサンドイッチパネルの上端部に取り付けられる切断端部フレームの一例を示した斜視図である。
【図14】図13の切断端部フレームをサンドイッチパネルの上端部に取り付ける際の態様を示した断面図である。
【符号の説明】
【0084】
1 サンドイッチパネル
2 面材
3 発泡材料
4 切断端部フレーム
7 切断面
9 内面
13 サンドイッチ構造体
14 切欠部
15 係合部
19 リベット
20 凹部
25 取付部
30 凸部
83 係合部
90 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する1対の面材間に発泡材料が充填されたサンドイッチ構造体を切断し、その切断面に端部フレームを取り付けることによりサンドイッチパネルを製造するサンドイッチパネルの製造方法であって、
上記切断面を形成している上記発泡材料の端面の一部又は全部を除去する発泡材料除去ステップと、
上記切断面を形成している上記1対の面材の端部に上記端部フレームを取り付けることにより、上記端面の一部又は全部が除去されることによって形成された上記発泡材料の内面に当接するように上記端部フレームを配置する端部フレーム取付ステップとを備えたことを特徴とするサンドイッチパネルの製造方法。
【請求項2】
上記端部フレーム取付ステップが、上記1対の面材の端部及び上記端部フレームにそれぞれ形成されている係合部を係合させることにより行われることを特徴とする請求項1に記載のサンドイッチパネルの製造方法。
【請求項3】
上記端部フレーム取付ステップが、上記1対の面材の端部及び上記端部フレームに固定具を取り付けることにより行われることを特徴とする請求項1に記載のサンドイッチパネルの製造方法。
【請求項4】
上記端部フレーム取付ステップが、上記端部フレームと当該端部フレームに当接する上記発泡材料の内面とを接着することにより行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサンドイッチパネルの製造方法。
【請求項5】
上記切断面が延びる方向の少なくとも一方の側縁部において、上記切断面を形成している上記1対の面材の端部及び上記発泡材料の端面を除去することにより切欠部を形成する切欠部形成ステップを備え、
上記発泡材料除去ステップが、上記切欠部から上記切断面が延びる方向に沿って工具を相対移動させることにより行われることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のサンドイッチパネルの製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2009−52209(P2009−52209A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217515(P2007−217515)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000003148)東洋ゴム工業株式会社 (2,711)
【Fターム(参考)】