説明

サンプルの吸光と蛍光または散乱特性を測定する光学装置

光学装置は、サンプル保持手段(11)と、検出器(2)と、第1および第2の光選択手段(5、6、15)とを備え、サンプル保持手段には、光源からの入射光(3)を受光する窓が設けられ、第1の光選択手段(5)は、サンプル保持手段から入射光の方向とほぼ平行な方向に通過する光を検出器へ入射させるように構成され、第2の光選択手段(6、15)は、サンプル保持手段から入射光の方向を実質的に横断する方向に発される光を検出器へ入射させるように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学装置に関し、特に、限定されるものではないが、サンプルの光学特性の測定に適した装置に関する。
【0002】
サンプルの光学特性の測定は、サンプルを識別または特徴付けするための一般的な方法である。一般的に測定される光学特性としては、吸光度、散乱および蛍光がある。
【0003】
吸光度は慣習的に、セル内に保持されたサンプルに光を当て、サンプルを直接透過した光の量を検出することによって測定される。測定は通常、サンプルを含まないセルを直接透過した光の量を検出することによって正規化される。
【0004】
蛍光は慣習的に、セル内に保持されたサンプルに適切な励起波長の光を当て、サンプルから横方向に発せられた蛍光を検出することによって測定される。既知の従来技術の構成では、1つの検出器がセルに隣接して設けられる。これはL型構成と呼ばれている。代替的な従来技術の構成において、検出器はセルの両側に配置される。これはT型構成と呼ばれている。波長依存性光学フィルタを用いて、蛍光のみが検出器に確実に入射し、散乱光や透過光は入射しないようにしてもよい(蛍光の波長は励起波長よりも長い)。
【0005】
散乱は慣習的に、セル内に保持されたサンプルに適切な波長の光を当て、サンプルから横方向に散乱された光を検出することによって測定される。L型構成またはT型構成の検出器を用いてもよい。波長依存性光学フィルタを用いて、散乱光のみが検出器に確実に入射し、蛍光は入射しないようにしてもよい。
【0006】
吸光を測定することができる、あるいは蛍光と散乱の両方を測定することができる光学装置は既に知られている。しかし、特定のサンプルの吸光と散乱または蛍光の両方を測定することが必要である場合に問題が生じる。従来のサンプルセル、例えばストックトフロー(stocked-flow)セル、連続フローセル、圧力セル(ジャンプまたは連続)、温度ジャンプセル等を用いる場合、サンプルを装置間で移動させることが問題となるおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、上記の問題を防止するかまたは軽減することである。
【0008】
本発明によれば、サンプル保持手段と、検出器と、第1および第2の光選択手段とを備える光学装置が提供され、サンプル保持手段は、光源からの入射光を受光するように構成され、第1の光選択手段は、サンプル保持手段から入射光の方向とほぼ平行な方向に通過する光を検出器へ選択的に入射させるように構成され、第2の光選択手段は、サンプル保持手段から入射光の方向を実質的に横断する方向に発される光を検出器へ選択的に入射させるように構成される。
【0009】
本発明は、吸光度と蛍光または散乱を1台の装置により、特に1つの検出器を用いて測定することができるため、有利である。
【0010】
好ましくは、第1の光選択手段は、サンプル保持手段と検出器の間に配置されるシャッターを備え、シャッターは、入射光に実質的に平行な光がシャッターを介して検出器へ通過する第1の位置と、入射光に実質的に平行な光が検出器へ通過することを防ぐ第2の位置との間で可動である。
【0011】
好ましくは、シャッターには、シャッターが第2の位置にあるときに入射光に実質的に平行な光がシャッターから反射されるように構成される反射面が設けられる。
【0012】
シャッターは、光を反射してサンプルホルダ内に返すように構成されてもよい。
【0013】
または、シャッターが、光を第2の検出器または光トラップに反射するように構成されてもよい。
【0014】
好ましくは、シャッターの反射面は可動であり、光を反射してサンプルホルダ内に返すか、あるいは光を第2の検出器または光トラップに反射するように調整することができる。第2の検出器を用いれば、吸光度と蛍光(または散乱)を同時測定することが可能になる。
【0015】
第2の光選択手段は、1つまたは複数の光ガイドを備えていてもよく、光ガイドには、光を1つまたは複数の光ガイドに入射させる第1の形態と、光を実質的に1つまたは複数の光ガイドに入射させないようにする第2の形態の間で可動である光ガイドシャッターが設けられてもよい。
【0016】
1つまたは複数の光ガイドは、1つまたは複数のペンタプリズムを備えることが好ましいが、例えば1つまたは複数の光ファイバケーブルを備えてもよい。
【0017】
好ましくは、第1および第2の光選択手段を同時に操作するための操作手段が設けられ、第1の光選択手段が光を検出器に入射するように調整されると、第2の光選択手段は光を検出器に入射させないように調整され、その逆も同様となるようにする。
【0018】
操作手段は機械的接続を備えている。
【0019】
本装置には、入射光の波長の光または蛍光波長の光を検出器へ選択的に導くために用いられる1つまたは複数の波長依存性光学フィルタが設けられる。
【0020】
適宜、1つまたは複数の波長依存性光学フィルタは、操作手段に接続され得るホルダに取り付けられて、シャッターおよび光ガイドシャッターの移動によりホルダも移動し、それによって適切な波長依存性光学フィルタを検出器の上に位置付けるようにしてもよい。
【0021】
ホルダには、波長依存性光学フィルタを含まない開口部が設けることもできる。
【0022】
検出器としては、任意の適切な従来の検出器、例えば光電子増倍管が用いられる。
【0023】
サンプル保持手段は、キュベットを収容するような寸法のハウジングを備えてもよい。ハウジングの上面および下面領域は不透明であり、入射光の方向に実質的に平行でない方向に進む光が第1の光選択手段を介して検出器へ通過することを防ぐようになっている。
【0024】
次に、本発明の具体的な実施形態を、添付図面を参照して単なる例示として説明する。
【0025】
図1を参照すると、サンプルを収容するセル1が検出器2の垂直方向上方に配置される。光源、例えばレーザ(図示せず)が、垂直方向下方に向かってセル1内を通過する光ビーム3を発する。セル1と検出器2の間にはアパーチャ4が配置される。セル1とアパーチャ4の間には可動シャッター5が配置される。セル1の両側に光ガイド手段6が設けられ、セル1の両側から発せられた光を、アパーチャ4を介して検出器2へ導くように構成される。
【0026】
使用する際、吸光度を測定する場合には、シャッター5を開く。これにより、セル1を通過した光3は、アパーチャ4を通って検出器2に入射することができる。
【0027】
蛍光を測定する場合には、シャッター5を閉じることによって、セル1を直接通過した光が検出器2に入射しないようにする。セル1から横方向に発せられた蛍光は、光ガイド6によって集光され、アパ
ーチャ4を介して検出器2上に向けられる。
【0028】
散乱を測定する場合には、シャッター5を閉じる。散乱光は、光ガイド6によって集光され、アパーチャ4を介して検出器2に入射する。
【0029】
図2は、本発明の実施形態をより詳細に示す。図2を参照すると、セル1は、キュベット11を収容するハウジング10を備えている。サンプルはキュベット11内に保持される。キュベット11の上端部、下端部および側壁部は、使用される波長に対して実質的に透明である。ハウジング10の最上面は実質的に不透明であり、入射光3はキュベット11の上端部のみからサンプルを保持するキュベット11内に入射するようになっている。ハウジング10の最下面も同様に不透明であり、光はキュベット11の下端部を通る以外には下方のシャッター5に向かって通過できないようになっている。
【0030】
シャッター5の考え得る一構成を図3aに示す。シャッター5は、開口部12が切り取られたプレートを備える。シャッター5は、ハウジング10およびサンプルキュベット11の下方に配置されるとともに、開口部によりサンプルキュベット11から検出器2へ光が通過する第1の位置から、プレートによりサンプルキュベット11から検出器2へ光が通過できない第2の位置へ可動である。
【0031】
再度図2を参照すると、アパーチャ4と、適切な波長依存性光学フィルタ13とがハウジング14内に設けられている。ハウジング14は、(図2の視点で見た場合に)左右に摺動されて、フィルタ13またはアパーチャ4のいずれかを検出器2の上に位置付けすることができる。波長依存性光学フィルタ13は、入射光の波長において光が検出器2へ透過できないようにする一方で、蛍光を検出器2へ透過させるように選択することができる。あるいは、波長依存性光学フィルタは、蛍光が検出器2へ透過できないようにする一方で、入射光の波長において光を検出器2へ透過させるように選択されてもよい。
【0032】
光ガイド6は、サンプルハウジング10の両側に配置されるペンタプリズムを備える。サンプルハウジング10の側壁は使用される波長に対して透明であるため、サンプルが発した蛍光またはサンプルが散乱させた光は、サンプルホルダ10の側壁を通過し、ペンタプリズム6に入射する。ペンタプリズム6は、サンプルホルダ10からペンタプリズム6内に入射した光がペンタプリズム6によって下方の検出器2に向かって反射されるように構成された反射面を有する。ペンタプリズム6は、所定の角度にカットされた面6aを有する。この角度は、できるだけ多くの光がサンプルホルダ10からペンタプリズム6内へ入るように選択される(面が所定の角度でカットされていなければ、光の大部分がこの面によって反射され、よって検出されないであろう)。
【0033】
蛍光を検出する場合、ハウジング14を用いて波長依存性光学フィルタ13を検出器2の上に位置付けて、蛍光を検出器2に入射させ、入射光の波長において光を検出器2へ透過させないようにしてもよい。散乱を測定(例えば濁度計測)するために本装置を用いる場合、ハウジング14を用いて波長依存性光学フィルタ13を検出器の上に位置付けて、蛍光が検出器に入射することを阻止するようにしてもよい。サンプルが蛍光性でない場合、あるいは入射光の波長では蛍光が誘起されないような場合、波長依存性光学フィルタ13は不要であり、代わりにアパーチャ4を用いてもよい。
【0034】
上述のように、蛍光または散乱の測定中、シャッター5は、サンプルキュベット11を直接通過した光が検出器2に入射することを阻止するように位置付けされる。シャッター5の最上面は反射性であってもよく、この場合、サンプルキュベット11を通過した光を反射してサンプルキュベット11内に返すことによって、照明を強くする。これは、検出できる蛍光または散乱光の量を増やすために有利である。
【0035】
サンプルホルダ10とペンタプリズム6の間にシャッター15が設けられる。このシャッターは、蛍光または散乱を測定するときは開位置に移動し、吸光度を測定するときは(図2に示すように)閉位置に移動する。
【0036】
検出器2は可変利得の光電子増倍管を備えている。光電子増倍管を蛍光または散乱の測定に使用する場合には、検出器に入射する光の量は少ないことが考えられる。その場合、光電子増倍管の利得を最大に設定すればよい。光電子増倍管を吸光度(すなわちサンプルを直接透過した光の量)の測定に使用する場合には、検出器に入射する光の量はかなり多くなることが考えられる。その場合、光電子増倍管の利得を相応に下げる。光電子増倍管の利得は、光電子増倍管の増幅段(ダイノード)をオンまたはオフにすること、または、光電子増倍管に印加される高電圧を変化させることによって調整することができる。
【0037】
シャッター5の代替的な構成を図3bに示す。シャッター5は、不透明層17によって半分に分離されるプリズム16を備える。プリズムの片方16aには反射層が設けられる。図2を参照すると、反射層はプリズム16の、サンプルホルダ10に最も近い表面上に設けられる。プリズム16の片方16aがサンプルホルダ10の下方に配置されると、プリズム16は、サンプルを透過した光を反射して、直接サンプルホルダ10内に返す。プリズム16のもう片方16bには反射層を設けない。プリズム16のもう片方16bがサンプルホルダ10の下方に配置されると、プリズムは、サンプルを透過した光を検出器2へと透過する。プリズム16は、第1の位置と第2の位置の間で可動であり、プリズム16の片方16aともう片方16bのいずれかがサンプルホルダ10の下方に配置される。
【0038】
シャッター5のさらなる代替的な構成を図3cおよび図3dに示す。シャッター5はプリズム18を備え、このプリズム18の片方18aには可動反射面19が設けられ、もう片方18bには反射層を設けない。プリズム18の片方18aがサンプルホルダ10の下方に配置されると、反射面19は、光を反射して検出器2から遠ざける。反射面19が第1の位置(図2の水平方向)にあるとき、光は反射されて直接サンプルホルダ10内に返る。反射面19が第2の位置(水平方向に対して45度の角度)にあるとき、サンプルを透過した光は水平方向に向けられて検出器2から遠ざかる。この光を光トラップで集光するようにしてもよい。代替的に、この光を第2の検出器(図示せず)に入射させることによって、吸光度と散乱または蛍光の同時測定が可能になる。これは、吸光度と散乱または蛍光を時間の関数として測定する場合に有利であり得る。
【0039】
1つの検出器2を有する装置を用い、吸光度を測定する形態と散乱または蛍光を測定する形態との間でシャッター5、15を連続的に高速移動させることによって、吸光度の測定値と散乱または蛍光の測定値を「略同時に」得ることが可能である。これらの形態間の移動が、吸光度または散乱(あるいは蛍光)の変化速度よりも大幅に速い速度で行われるのであれば、得られる測定値がシャッター5、15の移動により損なわれることはない。
【0040】
本装置は、1つの検出器を用いて、サンプルを移動させる必要なく、吸光度の測定と散乱または蛍光の測定を可能にするという利点を有する。本装置のさらなる利点は、吸光度の測定と散乱または蛍光の測定を同時に可能にすることによって、これらの特性を対応させて時間分解測定できることである。シャッター5、15は、単純な連結フィラメント(部材)によって機械的に相互接続されており、1回の手動または自動操作によって同時に移動させることができる。
【0041】
シャッター5、15は、機械的に接続される代わりに、例えば電気モータ(図示せず)によって別々に駆動されてもよい。これらの電気モータは、適切なコントローラによって同時に動くように制御される。
【0042】
ハウジング14は、シャッター5、15に機械的に接続されて、シャッター5、15を移動させると、適切なフィルタ13またはアパーチャ4が検出器2の上方に位置付けされるようにしてもよい。
【0043】
光ガイド6は図2においてペンタプリズムとして示されるが、他の適切な形態の光ガイド、例えば光ファイバを用いてもよい。2つの光ガイド6の代わりに1つの光ガイド6を用いてもよいが、その場合、検出器2に結合される光の量が減少する。
【0044】
波長依存性光学フィルタ13は、任意の適切な既知のフィルタ、例えばカットオン/オフフィルタ、干渉フィルタ、ダイクロイックフィルタ等とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明を具現する光学装置の概略図である。
【図2】図1に示す実施形態のより詳細な概略図である。
【図3】図1および図2に示す装置の一部を形成するシャッターの一連の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル保持手段と、検出器と、第1および第2の光選択手段とを備え、前記サンプル保持手段は、光源からの入射光を受光するように構成され、前記第1の光選択手段は、前記サンプル保持手段から前記入射光の方向とほぼ平行な方向に通過する光を前記検出器へ選択的に入射させるように構成され、前記第2の光選択手段は、前記サンプル保持手段から前記入射光の方向を実質的に横断する方向に発される光を前記検出器へ選択的に入射させるように構成される光学装置。
【請求項2】
前記第1の光選択手段は、前記サンプル保持手段と前記検出器の間に配置されるシャッターを備え、該シャッターは、前記入射光にほぼ平行な光が該シャッターを介して前記検出器へ入射する第1の位置と、前記入射光にほぼ平行な光を前記検出器へ入射させない第2の位置との間で可動である請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記シャッターには、該シャッターが前記第2の位置にあるときに前記入射光とほぼ平行な光が該シャッターから反射されるように構成される反射面が設けられる請求項2に記載の光学装置。
【請求項4】
前記シャッターは、光を反射して前記サンプルホルダ内に返すように構成される請求項3に記載の光学装置。
【請求項5】
前記シャッターは、光を第2の検出器または光トラップに反射するように構成される請求項4に記載の光学装置。
【請求項6】
前記シャッターの前記反射面は可動であり、光を反射して前記サンプルホルダ内に返すか、あるいは光を前記第2の検出器または前記光トラップに反射するように調整することができる請求項4または5に記載の光学装置。
【請求項7】
前記第2の光選択手段は1つまたは複数の光ガイドを備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項8】
前記1つまたは複数の光ガイドには、光を該1つまたは複数の光ガイドに入射させる第1の形態と、光を該1つまたは複数の光ガイドに実質的に入射させない第2の形態との間で可動である光ガイドシャッターが設けられる請求項7に記載の光学装置。
【請求項9】
前記1つまたは複数の光ガイドは、1つまたは複数のペンタプリズムを備える請求項8に記載の光学装置。
【請求項10】
前記1つまたは複数の光ガイドは、1つまたは複数の光ファイバケーブルを備える請求項8に記載の光学装置。
【請求項11】
前記第1および第2の光選択手段を同時に操作するための操作手段が設けられ、前記第1の光選択手段が光を前記検出器へ入射させるように調整されると、前記第2の光選択手段が光を前記検出器へ入射させないように調整され、その逆にも調整される請求項1〜10のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項12】
請求項2または請求項8に従属する場合に、前記シャッターおよび前記光ガイドシャッターには、該シャッターおよび該光ガイドシャッターを同時に操作することができる操作手段が設けられ、前記シャッターが前記第1の位置から前記第2の位置へ移動すると、前記光ガイドシャッターが該シャッターの第2の位置から第1の位置へ移動するようにする請求項11に記載の光学装置。
【請求項13】
前記操作手段は機械的接続を備える請求項12に記載の光学装置。
【請求項14】
前記入射光の波長の光または蛍光波長の光を前記検出器へ選択的に入射させるために用いることができる1つまたは複数の波長依存性光学フィルタが設けられる請求項1〜13のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項15】
前記1つまたは複数の波長依存性光学フィルタは、前記操作手段に接続されるホルダに取り付けられ、前記シャッターおよび前記光ガイドシャッターの移動により前記ホルダも移動して適切な波長依存性光学フィルタを前記検出器の上方に位置付ける請求項12または請求項14に記載の光学装置。
【請求項16】
前記ホルダには、波長依存性光学フィルタを含まない開口部が設けられる請求項15に記載の光学装置。
【請求項17】
前記検出器は、光電子増倍管である請求項1〜16のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項18】
前記サンプル保持手段は、キュベットを収容するような寸法のハウジングを備える請求項1〜17のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項19】
前記ハウジングの上面および下面領域は不透明であり、前記入射光の方向にほぼ平行でない方向に進む光が前記第1の光選択手段を介して前記検出器へ入射されないようになっている請求項18に記載の光学装置。
【請求項20】
添付図面を参照して実質的に本明細書中に記載されるような光学装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル保持手段と、検出器と、第1および第2の光選択手段とを備え、
前記サンプル保持手段は、光源からの入射光を受光するように構成され、
前記第1の光選択手段は、前記サンプル保持手段から前記入射光の方向とほぼ平行な方
向に通過する光を前記検出器へ選択的に入射させるように構成され、
前記第2の光選択手段は、前記サンプル保持手段から前記入射光の方向を実質的に横断
する方向に発される光を前記検出器へ選択的に入射させるように構成され、
前記第1および第2の光選択手段は、前記第1の光選択手段が光を前記検出器へ入射さ
せるように調整されると、前記第2の光選択手段が光を前記検出器へ入射させないように
調整され、その逆にも調整されるように、互いに同時に操作されることを特徴とする光学
装置。
【請求項2】
前記第1の光選択手段は、前記サンプル保持手段と前記検出器の間に配置されるシャッ
ターを備え、該シャッターは、前記入射光にほぼ平行な光が該シャッターを介して前記検
出器へ入射する第1の位置と、前記入射光にほぼ平行な光を前記検出器へ入射させない第
2の位置との間で可動である請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記シャッターには、該シャッターが前記第2の位置にあるときに前記入射光とほぼ平
行な光が該シャッターから反射されるように構成される反射面が設けられる請求項2に記
載の光学装置。
【請求項4】
前記シャッターは、光を反射して前記サンプルホルダ内に返すように構成される請求項
3に記載の光学装置。
【請求項5】
前記シャッターは、光を第2の検出器または光トラップに反射するように構成される請
求項4に記載の光学装置。
【請求項6】
前記シャッターの前記反射面は可動であり、光を反射して前記サンプルホルダ内に返す
か、あるいは光を前記第2の検出器または前記光トラップに反射するように調整すること
ができる請求項4または5に記載の光学装置。
【請求項7】
前記第2の光選択手段は1つまたは複数の光ガイドを備える請求項2〜6のいずれか一
項に記載の光学装置。
【請求項8】
前記1つまたは複数の光ガイドには、光を該1つまたは複数の光ガイドに入射させる第
1の形態と、光を該1つまたは複数の光ガイドに実質的に入射させない第2の形態との間
で可動である光ガイドシャッターが設けられる請求項7に記載の光学装置。
【請求項9】
前記1つまたは複数の光ガイドは、1つまたは複数のペンタプリズムを備える請求項8
に記載の光学装置。
【請求項10】
前記1つまたは複数の光ガイドは、1つまたは複数の光ファイバケーブルを備える請求
項8に記載の光学装置。
【請求項11】
前記シャッターおよび前記光ガイドシャッターには、該シャッターおよび該光ガイドシ
ャッターを同時に操作することができる操作手段が設けられ、前記シャッターが前記第1
の位置から前記第2の位置へ移動して前記入射光にほぼ平行な光を前記検出器へ入射させ
ないときには、前記光ガイドシャッターが第2の位置から第1の位置へ移動して前記入射
光に対して実質的に横断する光を前記検出器へ入射させ、その逆にも操作される請求項8
〜10のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項12】
前記操作手段は機械的接続を備える請求項11に記載の光学装置。
【請求項13】
前記入射光の波長の光または蛍光波長の光を前記検出器へ選択的に入射させるために用
いることができる1つまたは複数の波長依存性光学フィルタが設けられる請求項1〜12
のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項14】
前記1つまたは複数の波長依存性光学フィルタは、前記操作手段に接続されるホルダに
取り付けられ、前記シャッターおよび前記光ガイドシャッターの移動により前記ホルダも
移動して適切な波長依存性光学フィルタを前記検出器の上方に位置付ける、請求項11に
従属する場合の請求項13に記載の光学装置。
【請求項15】
前記ホルダには、波長依存性光学フィルタを含まない開口部が設けられる請求項14に
記載の光学装置。
【請求項16】
前記検出器は、光電子増倍管である請求項1〜15のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項17】
前記サンプル保持手段は、キュベットを収容するような寸法のハウジングを備える請求
項1〜16のいずれか一項に記載の光学装置。
【請求項18】
前記ハウジングの上面および下面領域は不透明であり、前記入射光の方向にほぼ平行で
ない方向に進む光が前記第1の光選択手段を介して前記検出器へ入射されないようになっ
ている請求項17に記載の光学装置。
【請求項19】
前記第2の光選択手段は1つまたは複数の光ガイドを備える請求項1に記載の光学装置

【請求項20】
添付図面を参照して実質的に本明細書中に記載されるような光学装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2006−503267(P2006−503267A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−522329(P2004−522329)
【出願日】平成15年7月21日(2003.7.21)
【国際出願番号】PCT/GB2003/003145
【国際公開番号】WO2004/010119
【国際公開日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【出願人】(399128437)カウンシル・フォー・ザ・セントラル・ラボラトリー・オブ・ザ・リサーチ・カウンシルズ (4)
【氏名又は名称原語表記】COUNCIL FOR THE CENTRAL LABORATORY OF THE RESEARCH COUNCILS
【Fターム(参考)】