サーバ、ネットワークシステム、及びサーバの制御方法
【課題】SIPサーバの死活を、より精度良く監視する。
【解決手段】ネットワークシステム(1)を構成する複数のP−CSCFサーバ(10_1及び10_2)の各々は、SIPメッセージの転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、PCRFサーバ(20)へ自サーバのSIPアドレス(A1及びA2の各々)を、Diameterプロトコルを用いた通信によって通知する。PCRFサーバ(20)は、前記通信によって定期的に受信されるSIPアドレスの一つを、前記転送の要求元(UE 2)へ払い出す。
【解決手段】ネットワークシステム(1)を構成する複数のP−CSCFサーバ(10_1及び10_2)の各々は、SIPメッセージの転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、PCRFサーバ(20)へ自サーバのSIPアドレス(A1及びA2の各々)を、Diameterプロトコルを用いた通信によって通知する。PCRFサーバ(20)は、前記通信によって定期的に受信されるSIPアドレスの一つを、前記転送の要求元(UE 2)へ払い出す。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ、ネットワークシステム、及びサーバの制御方法に関し、特にIMS(IP(Internet Protocol) Mulimedia Subsystem)を形成するサーバの死活監視を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IMSの標準化が、3GPP(3rd Generation Partnership Project)によって進められている。IMSでは、SIP(Session Initiate Protocol)に従って信号制御を行うサーバ(以下、SIPサーバと呼称することがある)が中心となって、ユーザが所持するUE(User Equipment)に対するサービス提供を実現する。
【0003】
一般的なIMSにおいて、UEは、IMSへの登録に際して、SIPサーバの一つであるP−CSCF(Proxy Call Session Control Function)サーバのSIPアドレスを取得する必要がある。このSIPアドレスは、アクセス網からUEへ払い出すことにより取得可能である。
【0004】
以下、UEをIMSへ登録する手順を、図12を参照して詳細に説明する。
【0005】
図12に示すように、UE 2は、アクセス網3へアタッチ要求を送信し、以てP−CSCFサーバのSIPアドレスの取得を要求する(ステップS101)。アクセス網3は、UE 2に対する認証を行い、この認証に成功した場合、P−CSCFサーバ10x_1のSIPアドレス"A1x"をUE 2へ払い出す(ステップS102)。そして、UE 2は、SIPに則したメッセージ(以下、SIPメッセージと略称することがある)の一つであるSIP REGISTERメッセージを、SIPアドレス"A1x"宛てに送信する(ステップS103)。
【0006】
これにより、SIP REGISTERメッセージが、P−CSCFサーバ10x_1より上位のCSCFサーバ(ホーム網側のCSCFサーバ)へ転送され、以てUE 2がIMSへ登録されることとなる。
【0007】
ここで、IMSには、複数のP−CSCFサーバが設置されることがある。図12に点線で示すように、P−CSCFサーバ10x_1に加えてP−CSCFサーバ10x_2が設置される場合を例に取ると、アクセス網3は、ラウンドロビン方式にてP−CSCFサーバ10x_1又は10x_2を選択し、SIPアドレス"A1x"又は"A2x"をUE 2へ払い出す。
【0008】
しかしながら、このようなSIPアドレスの払出手順には、障害中のP−CSCFサーバのSIPアドレスを払い出してしまうという問題があった。これは、アクセス網では、P−CSCFサーバが障害状態に在るか否かを何ら判定することができないためである。障害中のP−CSCFサーバは、SIPに従った信号制御を正常に行うことが不可能であり、そのSIPアドレスを払い出すべきでは無い。
【0009】
この問題に対処するため、PCRF(Policy and Charging Rules Function)サーバによってP−CSCFサーバの死活監視を行う対策が取られることが多い。IMSにおいては、QoS(Quality of Service)を主目的としてP−CSCFサーバとPCRFサーバとがDiameter IFで接続される場合がある。このDiameter IFのトランスポートプロトコルであるSCTP(Stream Control Transmission Protocol)を利用してヘルスチェックを実施することで、P−CSCFサーバの死活監視が可能である。
【0010】
以下、SCTPを利用したP−CSCFサーバの死活監視、及びその結果に基づくSIPアドレスの払出手順を、図13を参照して詳細に説明する。
【0011】
図13に示すように、P−CSCFサーバ10x_1及び10x_2は、PCRFサーバ20xに対し、SCTPにおけるHeartBeat信号を定期的に送信する(ステップS201)。
【0012】
PCRFサーバ20xは、HeartBeat信号を定期的に受信できていれば、その送信元のP−CSCFサーバが正常に動作していると見做し、当該P−CSCFサーバのSIPアドレスを払出の対象とする。一方、HeartBeat信号を定期的に受信できなければ、PCRFサーバ20xは、その送信元であったP−CSCFが障害状態に陥ったと見做し、当該P−CSCFサーバのSIPアドレスを払出の対象から除外する。
【0013】
今、図13に点線で示す如く、P−CSCFサーバ10x_2からのHeartBeat信号のみが受信されなくなったとする(ステップS202)。この場合、PCRFサーバ20xは、P−CSCFサーバ10x_2のSIPアドレス"A2x"を、アクセス網3へ払い出さない。よって、アクセス網3は、UE 2からアタッチ要求を受信すると(ステップS203)、P−CSCFサーバ10x_1のSIPアドレス"A1x"をUE 2へ払い出す(ステップS204)。そして、UE 2は、SIP REGISTERメッセージを、SIPアドレス"A1x"宛てに送信する(ステップS205)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2009−182541号公報
【特許文献2】特開2007−318629号公報
【特許文献3】特開2009−159201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、本願発明者は、SCTPを利用した上記の方式には、SIPサーバの死活を精度良く監視することが困難であるという課題があることを発見した。これは、SCTPレイヤでの死活監視は可能であるが、SCTPレイヤより上位のSIPレイヤやDiameterプロトコルレイヤでの死活監視を行えないためである。
【0016】
図13を例に取ると、上記の方式では、P−CSCFサーバ10x_1内のSIPレイヤやDiameterプロトコルレイヤに障害が発生している場合であっても、SCTPレイヤが正常に動作していればHeartBeat信号が送出されることとなる。この場合、PCRFサーバ20xは、P−CSCFサーバ10x_1が正常に動作していると見做し、SIPアドレス"A1x"を、アクセス網3を介してUE 2へ払い出してしまう。P−CSCFサーバ10x_1内のSIPレイヤに障害が発生している場合、P−CSCFサーバ10x_1は、図13に一点鎖線で示す如くSIP REGISTERメッセージを上位のCSCFサーバへ転送できない(ステップS206)。この結果、UE 2がIMSへ登録されず、UE 2に対してサービスを提供することができない。
【0017】
なお、参考技術として、特許文献1には、SIP OPTIONメッセージを用いてCSCFサーバ同士間でヘルスチェックを行う方法が記載されている。しかしながら、この方法は、SIPを用いて相互通信するCSCFサーバ同士間にのみ適用可能であり、Diameterプロトコルを用いてP−CSCFサーバと通信するPCRFサーバには適用し得ない。
【0018】
また、類似技術として、特許文献2には、I−CSCF(Interrogating CSCF)サーバが、S−CSCF(Serving CSCF)サーバの運転状態を定期的に監視し、運転状態の異常を検出した場合に、S−CSCFサーバに代わってSIPメッセージをAS(Application Server)へ転送する方法が記載されている。しかしながら、この方法も、SIPを用いて通信するCSCFサーバにのみ適用可能であり、PCRFサーバには適用し得ない。
【0019】
さらに、他の参考技術として、特許文献3には、HSS(Home Subscriber Server)が、SNMP(Simple Network Management Protocol)を用いて複数のS−CSCFサーバからCPU(Central Processing Unit)使用率等の稼働状態を取得し、当該稼働状態をI−CSCFサーバに対するS−CSCFサーバの割当に供する方法が記載されている。しかしながら、この方法は、SIPレイヤやDiameterプロトコルレイヤの障害を監視するものでは何ら無く、上記の課題には対処し得ない。
【0020】
従って、本発明は、SIPサーバの死活をより精度良く監視することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の態様に係るサーバは、SIP(Session Initiate Protocol)に則したメッセージを転送する転送手段と、Diameterプロトコルを用いて、前記転送手段に割り当てられたアドレスを前記転送の要求元へ払い出す他のサーバと通信する通信手段とを備える。前記通信手段は、前記転送手段に対するヘルスチェックを定期的に行い、前記ヘルスチェックの結果、前記転送手段が正常に動作している場合、前記他のサーバへ前記アドレスを通知して前記払出を許可する。
【0022】
また、本発明の第2の態様に係るサーバは、Diameterプロトコルを用いて、SIPに則したメッセージの転送を行う複数の他のサーバと通信する通信手段と、前記他のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出す払出手段とを備える。前記払出手段は、前記通信手段を介して定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う。
【0023】
また、本発明の第3の態様に係るネットワークシステムは、SIPに則したメッセージを転送する複数の第1のサーバと、Diameterプロトコルを用いて前記第1のサーバの各々と通信すると共に、前記第1のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出す第2のサーバとを備える。前記第1のサーバの各々は、前記転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、前記第2のサーバへ自サーバのアドレスを通知する。前記第2のサーバは、前記通信によって定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う。
【0024】
また、本発明の第4の態様に係る制御方法は、SIPに則したメッセージを転送すると共に、Diameterプロトコルを用いて、自サーバのアドレスを前記転送の要求元へ払い出す他のサーバと通信するサーバの制御方法を提供する。この制御方法は、前記転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、前記他のサーバへ自サーバのアドレスを通知して前記払出を許可することを含む。
【0025】
さらに、本発明の第5の態様に係る制御方法は、Diameterプロトコルを用いて、SIPに則したメッセージの転送を行う複数の他のサーバと通信すると共に、前記他のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出すサーバの制御方法を提供する。この制御方法は、前記通信によって定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱うことを含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、SIPサーバの死活を、より精度良く監視することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムの構成例を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムの全体動作例を示したブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るP−CSCFサーバの構成例を示したブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るPCRFサーバの構成例を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るPCRFサーバに用いる、SIPアドレスリストの構成例を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るP−CSCFサーバ及びPCRFサーバの動作例を示したシーケンス図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るPCRFサーバに用いる、SIPアドレスリストの更新例を示した図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るP−CSCFサーバの構成例を示したブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るP−CSCFサーバ及びPCRFサーバの動作例を示したシーケンス図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係るネットワークシステムの構成例を示したブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係るネットワークシステムの全体動作例を示したブロック図である。
【図12】一般的なIMSにおける、UEの登録手順例を示したブロック図である。
【図13】SCTPを利用したP−CSCFサーバの死活監視例を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係るサーバ及びこれを適用するネットワークシステムの実施の形態1〜3を、図1〜図11を参照して説明する。なお、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0029】
[実施の形態1]
図1に示すように、本実施の形態に係るネットワークシステム1は、SIPサーバの一例として2台のP−CSCFサーバ10_1及び10_2(以下、符号10で総称することがある)と、PCRFサーバ20とを含む。なお、P−CSCFサーバは、3台以上含まれていても良い。
【0030】
P−CSCFサーバ10は、後述する如く、SIPに従って動作する機能ブロック(以下、SIP機能ブロックと略称することがある)と、Diameterプロトコルに従って動作する機能ブロック(以下、Diameter機能ブロックと呼称することがある)とを含む。P−CSCFサーバ10は、SIPに従って、UE 2をIMSへ登録するための制御や呼制御を行うと共に、Diameterプロトコルに従って、PCRFサーバ20との間でQoS制御を行う。また、P−CSCFサーバ10は、PCRFサーバ20との間でDiameterプロトコルに則した信号(以下、Diameter信号)を定期的に送受信し、以てSIPレイヤに対するヘルスチェックの結果をPCRFサーバ20へ通知する。
【0031】
一方、PCRFサーバ20は、後述する如く、Diameter機能ブロックを含む。PCRFサーバ20は、P−CSCFサーバ10からDiameter信号によってQoS制御を要求されると、アクセス網3に対するゲート(Gate)の開閉を制御し、帯域制御を実現する。また、PCRFサーバ20は、P−CSCFサーバ10から通知されたヘルスチェックの結果に基づいて、アクセス網3を介してUE 2へ、P−CSCFサーバ10のSIPアドレスを払い出す。
【0032】
なお、UE 2は、アクセス網3へ接続するためのプロトコルに従って動作する機能ブロックと、SIP機能ブロックとを有する。アクセス網3は、UE 2に対する認証処理や、UE 2とIMSとの間でIPパケットを中継する処理を実行する。また、アクセス網3は、PCRFサーバ20からのDiameter信号による指示に応じて、UE 2とIMSとの間のゲートを開閉する。
【0033】
以下、ネットワークシステム1の全体動作例を、図2を参照して概略的に説明する。
【0034】
図2に示すように、P−CSCFサーバ10_1及び10_2の各々は、SIP機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行う。P−CSCFサーバ10_1及び10_2の各々は、ヘルスチェックの度毎に、SIP機能ブロックが正常に動作しているか否かを判定し、SIP機能ブロックが正常に動作していると判定した場合、自サーバのSIPアドレス"A1"及び"A2"の各々を、例えばDiameter信号の一つであるDWR(Device Watchdog Request)信号に含めてPCRFサーバ20へ送信する(ステップS1)。
【0035】
PCRFサーバ20は、Diameter DWR信号を定期的に受信できていれば、その送信元のP−CSCFサーバにおいてSIP機能ブロックが正常に動作していると見做し、当該P−CSCFサーバのSIPアドレスをUE 2への払出の対象とする。
【0036】
今、図2に点線で示す如く、P−CSCFサーバ10_2においてSIP機能ブロックに障害が発生したとする(ステップS2)。この場合、P−CSCFサーバ10_2は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信しない。よって、PCRFサーバ20は、P−CSCFサーバ10_1から定期的に受信されるSIPアドレス"A1"のみをアクセス網3へ払い出す(ステップS3)。なお、3台以上のP−CSCFサーバが設置され、且つ2台以上のP−CSCFサーバからSIPアドレスを含むDiameter DWR信号が定期的に受信される場合、PCRFサーバ20は、例えばラウンドロビン方式にて一つのSIPアドレスを選択し、アクセス網3へ払い出す。
【0037】
この結果、アクセス網3は、UE 2からアタッチ要求を受信すると(ステップS4)、P−CSCFサーバ10のSIPアドレス"A1"をUE 2へ払い出す(ステップS5)。そして、UE 2は、SIP REGISTERメッセージを、SIPアドレス"A1"宛てに送信する(ステップS6)。
【0038】
この時、P−CSCFサーバ10_1内のSIP機能ブロックは、正常に動作していることが保証されている。従って、SIP REGISTERメッセージは、P−CSCFサーバ10_1より上位のCSCFサーバ(ホーム網側のCSCFサーバ)へ転送され、以てUE 2がIMSへ登録されることとなる。
【0039】
このように、本実施の形態においては、Diameterプロトコルを用いてP−CSCFサーバと通信するPCRFサーバが、P−CSCFサーバ内のSIPレイヤの死活を監視することができる。このため、SIPサーバの死活監視の精度を、上述したSCTPを利用する方式と比して大幅に向上させることができる。
【0040】
以下、上記の全体動作を実現するP−CSCFサーバ10及びPCRFサーバ20の具体的な構成例及び動作例を、図3〜図7を参照して詳細に説明する。
【0041】
図3に示すように、P−CSCFサーバ10は、SIP制御部11と、Diameter制御部12と、SCTP制御部13とを含む。
【0042】
この内、SIP制御部11及びDiameter制御部12は、上記のSIP機能ブロック及びDiameter機能ブロックに相当し、P−CSCFサーバ10内部で相互接続されている。なお、この相互接続に際してのIFには、どのような通信プロトコルを適用しても良い。また、SIP制御部11とDiameter制御部12との間では、ヘルスチェックのための信号(以下、ヘルスチェック信号と呼称する)が定期的に送受信される。SIP制御部11に障害が発生した場合、ヘルスチェック信号がSIP制御部11から送出されない。このため、Diameter制御部12は、SIP制御部11が障害状態にあることを検知できる。
【0043】
また、SCTP制御部13は、Diameter制御部12に接続され、Diameter制御部12からの指示に応じて、Diameter信号をPCRFサーバ20へ送出する。
【0044】
一方、図4に示すように、PCRFサーバ20は、Diameter制御部21と、SIPアドレス払出部22と、SCTP制御部23とを含む。
【0045】
この内、Diameter制御部21は、上記のDiameter機能ブロックに相当し、SCTP制御部23を介してP−CSCFサーバ10からDiameter信号を受信し、解析して処理する。
【0046】
また、SIPアドレス払出部22は、Diameter制御部21によってDiameter信号から抽出されたSIPアドレスを管理し、アクセス網3からの要求に応じて一つのSIPアドレスを払い出す。また、SIPアドレス払出部22は、SIPアドレスの管理に際して、図5に示すSIPアドレスリスト24を使用する。
【0047】
ここで、SIPアドレスリスト24には、P−CSCFサーバ10のSIPアドレスと、その受信時刻及び払出フラグとが対応付けて記憶される。初期状態において、SIPアドレスリスト24には、対向するP−CSCFサーバ10_1及び10_2のSIPアドレス"A1"及び"A2"が予め設定される。また、受信時刻は"NULL(無効値)"に設定され、払出フラグは"ON"に設定される。払出フラグ="ON"は、対応するSIPアドレスを払出の対象とすることを示し、払出フラグ="OFF"は、対応するSIPアドレスを払出の対象から除外することを示す。
【0048】
動作においては、図6に示すように、P−CSCFサーバ10_1内のSIP制御部11及びDiameter制御部12は、或る時刻にヘルスチェック信号を送受信する(ステップS11)。この時、Diameter制御部12は、SIP制御部11からヘルスチェック信号を受信すると、SIP制御部11が正常に動作していると判断する。そして、Diameter制御部12は、SCTP制御部13に対して、SIPアドレス"A1"を含むDiameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信するよう指示する(ステップS12)。この指示に従って、SCTP制御部13は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信する(ステップS13)。
【0049】
なお、図示を省略するが、Diameter DWR信号中には、既存パラメータ"origin−Host"として、Diameter制御部12のDiameterアドレスを設定し、拡張パラメータ"Server−Name"としてSIPアドレス"A1"を設定すると良い。
【0050】
PCRFサーバ20内のDiameter制御部21は、SCTP制御部23を介してP−CSCFサーバ10_1からDiameter DWR信号を受信すると、SIPアドレス"A1"を抽出してSIPアドレス払出部22へ出力する。Diameter DWR信号が時刻"t1"に受信されたとすると、SIPアドレス払出部22は、図7(a)に示す如く、SIPアドレス"A1"に対応する受信時刻を"t1"へ更新する(ステップS31)。また、SIPアドレス払出部22は、SIPアドレスリスト24を定期的に監視する。具体的には、SIPアドレス払出部22は、現在時刻とSIPアドレスリスト24に記憶された受信時刻とを比較し、両時刻の差が所定の閾値時間Th以上である場合には、P−CSCFサーバからDiameter DWR信号が定期的に受信されていないと判断して、対応する払出フラグを"OFF"へ更新する。
【0051】
一方、P−CSCFサーバ10_2内のSIP制御部11及びDiameter制御部12は、或る時刻にヘルスチェック信号を送受信する(ステップS21)。この時、Diameter制御部12は、SIP制御部11からヘルスチェック信号を受信すると、SIP制御部11が正常に動作していると判断する。そして、Diameter制御部12は、SCTP制御部13に対して、SIPアドレス"A2"を含むDiameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信するよう指示する(ステップS22)。この指示に従って、SCTP制御部13は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信する(ステップS23)。
【0052】
PCRFサーバ20は、P−CSCFサーバ10_2からDiameter DWR信号を受信すると、SIPアドレス"A2"を抽出する。Diameter DWR信号が時刻"t2"に受信されたとすると、PCRFサーバ20は、図7(a)に示す如く、SIPアドレス"A2"に対応する受信時刻を"t2"へ更新する(ステップS32)。
【0053】
P−CSCFサーバ10_1内のSIP制御部11及びDiameter制御部12は、一定時間が経過すると、ヘルスチェック信号を再び送受信する(ステップS14)。Diameter制御部12は、SIP制御部11からヘルスチェック信号を受信すると、SIP制御部11が正常に動作していると判断する。そして、Diameter制御部12は、SCTP制御部13に対して、SIPアドレス"A1"を含むDiameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信するよう指示する(ステップS15)。この指示に従って、SCTP制御部13は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ再送信する(ステップS16)。
【0054】
PCRFサーバ20は、P−CSCFサーバ10_1からDiameter DWR信号を受信すると、SIPアドレス"A1"を抽出する。今、Diameter DWR信号が時刻"t3"に受信され、前回の受信時刻"t1"から閾値時間Thが経過していないとする。この場合、PCRFサーバ20内のSIPアドレス払出部22は、図7(b)に示す如く、SIPアドレス"A1"に対応する受信時刻を"t3"へ更新すると共に、払出フラグを"ON"に維持する(ステップS33)。
【0055】
これにより、P−CSCFサーバ10_1のSIPアドレス"A1"は、アクセス網3への払出の対象として扱われることとなる。
【0056】
一方、或る時刻において、P−CSCFサーバ10_2内のSIP制御部11に障害が発生したとする(ステップS24)。この時、Diameter制御部12は、SIP制御部11からヘルスチェック信号を受信できない。このため、Diameter制御部12は、SIP制御部11の障害を検知し、SCTP制御部13へはDiameter DWR信号の送信指示を与えない(ステップS25)。
【0057】
この後、上記の時刻"t2"から閾値時間Thが経過すると、PCRFサーバ20内のSIPアドレス払出部22は、P−CSCFサーバ10_2のSIPレイヤに障害が発生したと判断して、図7(b)に示す如く、SIPアドレス"A2"に対応する払出フラグを"OFF"へ更新する(ステップS34)。
【0058】
これにより、P−CSCFサーバ10_2のSIPアドレス"A2"は、アクセス網3への払出の対象から除外されることとなる。
【0059】
このように、本実施の形態においては、P−CSCFサーバにおける障害の発生状況に応じて、払出の対象とすべきSIPアドレスを動的に変更することもできる。
【0060】
[実施の形態2]
本実施の形態に係るネットワークシステムは、図1と同様に構成できる。但し、本実施の形態は、P−CSCFサーバが図8に示す如く構成される点で、上記の実施の形態1と異なる。
【0061】
図8に示すように、本実施の形態に係るP−CSCFサーバ10aは、2つのSIP制御部11_1及び11_2と、2つのDiameter制御部12_1及び12_2と、図3と同様のSCTP制御部13とを含む。
【0062】
この内、SIP制御部11_1及びDiameter制御部12_1は、図3に示したSIP制御部11及びDiameter制御部12と同様の機能を有し、P−CSCFサーバ10a内部で相互接続され、ヘルスチェック信号を定期的に送受信する。
【0063】
また、SIP制御部11_2及びDiameter制御部12_2は、図3に示したSIP制御部11及びDiameter制御部12と同様の機能を有し、P−CSCFサーバ10a内部で相互接続され、ヘルスチェック信号を定期的に送受信する。
【0064】
換言すると、本実施の形態においては、P−CSCFサーバに複数組のSIP制御部及びDiameter制御部を設ける一方で、PCRFサーバとのIFを1つのSCTP制御部に集約している。これは、SIPレイヤ及びDiameterプロトコルレイヤの負荷がSCTPレイヤと比して高いためであり、1つのSCTP制御部に集約することで負荷の効率化を図っている。
【0065】
以下、このように構成されたP−CSCFサーバ10aの死活を図4に示したPCRFサーバ20にて監視する動作例を、図9を参照して詳細に説明する。
【0066】
図9に示すように、P−CSCFサーバ10a内のSIP制御部11_1及びDiameter制御部12_1は、或る時刻にヘルスチェック信号を送受信する(ステップS41)。この時、Diameter制御部12_1は、SIP制御部11からヘルスチェック信号を受信すると、SIP制御部11_1が正常に動作していると判断する。そして、Diameter制御部12_1は、SCTP制御部13に対して、SIP制御部11_1に割り当てられたSIPアドレス"A1_1"を含むDiameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信するよう指示する(ステップS42)。この指示に従って、SCTP制御部13は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信する(ステップS43)。
【0067】
PCRFサーバ20は、Diameter DWR信号を受信すると、SIPアドレス"A1_1"を抽出する。Diameter DWR信号が時刻"t11"に受信されたとすると、PCRFサーバ20は、図5に示したSIPアドレスリスト24中のSIPアドレス"A1_1"に対応する受信時刻を"t11"へ更新する(ステップS61)。
【0068】
一方、P−CSCFサーバ10a内のSIP制御部11_2及びDiameter制御部12_2は、或る時刻にヘルスチェック信号を送受信する(ステップS44)。この時、Diameter制御部12_2は、SIP制御部11_2からヘルスチェック信号を受信すると、SIP制御部11_2が正常に動作していると判断する。そして、Diameter制御部12_2は、SCTP制御部13に対して、SIP制御部11_2に割り当てられたSIPアドレス"A1_2"を含むDiameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信するよう指示する(ステップS45)。この指示に従って、SCTP制御部13は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信する(ステップS46)。
【0069】
PCRFサーバ20は、Diameter DWR信号を受信すると、SIPアドレス"A1_2"を抽出する。ここで、SIP制御部11_1及び11_2には異なるSIPアドレスが割り当てられており、PCRFサーバ20は、SIP制御部11_1及び11_2を個別のP―CSCFサーバとして認識する。Diameter DWR信号が時刻"t12"に受信されたとすると、PCRFサーバ20は、SIPアドレス"A1_2"に対応する受信時刻を"t12"へ更新する(ステップS62)。
【0070】
SIP制御部11_1及びDiameter制御部12_1は、一定時間が経過すると、ヘルスチェック信号を再び送受信する(ステップS47)。Diameter制御部12_1は、SIP制御部11_1からヘルスチェック信号を受信すると、SIP制御部11_1が正常に動作していると判断する。そして、Diameter制御部12_1は、SCTP制御部13に対して、SIPアドレス"A1_1"を含むDiameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信するよう指示する(ステップS48)。この指示に従って、SCTP制御部13は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ再送信する(ステップS49)。
【0071】
PCRFサーバ20は、Diameter DWR信号を受信すると、SIPアドレス"A1_1"を抽出する。今、Diameter DWR信号が時刻"t13"に受信され、前回の受信時刻"t11"から閾値時間Thが経過していないとする。この場合、PCRFサーバ20は、SIPアドレス"A1_1"に対応する受信時刻を"t13"へ更新すると共に、払出フラグを"ON"に維持する(ステップS63)。
【0072】
これにより、SIP制御部11_1のSIPアドレス"A1_1"は、アクセス網3への払出の対象として扱われることとなる。
【0073】
一方、或る時刻において、SIP制御部11_2に障害が発生したとする(ステップS50)。この時、Diameter制御部12_2は、SIP制御部11_2からヘルスチェック信号を受信できない。このため、Diameter制御部12_2は、SIP制御部11_2の障害を検知し、SCTP制御部13へはDiameter DWR信号の送信指示を与えない(ステップS51)。
【0074】
この後、上記の時刻"t12"から閾値時間Thが経過すると、PCRFサーバ20は、SIP制御部11_2に障害が発生したと判断して、SIPアドレス"A1_2"に対応する払出フラグを"OFF"へ更新する(ステップS64)。
【0075】
これにより、IP制御部11_2のSIPアドレス"A1_2"は、アクセス網3への払出の対象から除外されることとなる。
【0076】
このように、本実施の形態においては、P−CSCFサーバに複数のSIP制御部が設けられる場合であっても、各SIP制御部における障害の発生状況に応じて、払出の対象とすべきSIPアドレスを動的に変更することができる。
【0077】
[実施の形態3]
上記の実施の形態1及び2では、P−CSCFサーバの死活を監視するケースを扱ったが、本発明は、P−CSCFサーバ以外のSIPサーバの死活を監視するケースにも適用可能である。本実施の形態では、一例として、HSSにてS−CSCFサーバの死活監視を行う場合を扱う。
【0078】
具体的には、図10に示すように、本実施の形態に係るネットワークシステム1aは、2台のS−CSCFサーバ30_1及び30_2と、HSS 40とを含む。なお、S−CSCFサーバは、3台以上含まれていても良い。
【0079】
この内、S−CSCFサーバ30_1及び30_2の各々は、図3に示したP−CSCFサーバ10又は図8に示したP−CSCFサーバ10aと同様、1組以上のSIP制御部及びDiameter制御部と、SCTP制御部とを含んで構成される。S−CSCFサーバ30_1及び30_2の各々は、SIPに従って、I−CSCFサーバ4からのSIPメッセージをAS(図示せず)へ転送する。また、S−CSCFサーバ30_1及び30_2の各々は、HSS 40との間でDiameter信号を定期的に送受信し、以てSIP制御部に対するヘルスチェックの結果をHSS 40へ通知する。
【0080】
一方、HSS 40は、図4に示したPCRFサーバ20と同様、Diameter制御部と、SCTP制御部と、SIPアドレス払出部とを含んで構成される。HSS 40は、I−CSCFサーバ4からの問合わせに応じて、S−CSCFサーバ30_1又は30_2のSIPアドレスを払い出すと共に、S−CSCFサーバ30_1及び30_2の各々から通知されたヘルスチェックの結果に基づいて、払出の対象とすべきSIPアドレスを管理する。
【0081】
動作においては、図11に示すように、S−CSCFサーバ30_1及び30_2の各々は、SIP制御部に対するヘルスチェックを定期的に行う。S−CSCFサーバ30_1及び30_2の各々は、ヘルスチェックの度毎に、SIP制御部が正常に動作しているか否かを判定し、SIP制御部が正常に動作していると判定した場合、自サーバのSIPアドレス"A3"及び"A4"の各々を、例えばDiameter DWR信号に含めてHSS 40へ送信する(ステップS71)。
【0082】
HSS 40は、Diameter DWR信号を定期的に受信できていれば、その送信元のS−CSCFサーバにおいてSIP制御部が正常に動作していると見做し、当該S−CSCFサーバのSIPアドレスをI−CSCFサーバ4への払出の対象とする。
【0083】
今、図11に点線で示す如く、S−CSCFサーバ30_2においてSIP制御部に障害が発生したとする(ステップS72)。この場合、S−CSCFサーバ30_2は、Diameter DWR信号をHSS 40へ送信しない。よって、HSS 40は、S−CSCFサーバ30_1から定期的に受信されるSIPアドレス"A3"のみをI−CSCFサーバ4へ払い出す(ステップS73)。なお、3台以上のS−CSCFサーバが設置され、且つ2台以上のS−CSCFサーバからSIPアドレスを含むDiameter DWR信号が定期的に受信される場合、HSS 40は、例えばラウンドロビン方式にて一つのSIPアドレスを選択し、I−CSCFサーバ4へ払い出す。
【0084】
この結果、I−CSCFサーバ4は、SIPメッセージを、SIPアドレス"A3"宛てに送信する(ステップS74)。
【0085】
この時、S−CSCFサーバ30_1内のSIP制御部は、正常に動作していることが保証されている。従って、SIPメッセージは、S−CSCFサーバ30_1からASへ転送され、以てUE(図示せず)に対して所望のサービスが提供されることとなる。また、S−CSCFサーバ30_1が登録サーバとしても機能する場合、S−CSCFサーバ30_1は、SIP REGISTERメッセージを正常に処理でき、以て滞り無くUEをIMSへ登録することができる。
【0086】
このように、本実施の形態においては、Diameterプロトコルを用いてS−CSCFサーバと通信するHSSが、S−CSCFサーバ内のSIPレイヤの死活を監視することができる。このため、上記の実施の形態1と同様、SIPサーバの死活監視の精度を大幅に向上させることができる。
【0087】
なお、上記の実施の形態によって本発明は限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、当業者によって種々の変更が可能なことは明らかである。
【0088】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0089】
(付記1)
SIP(Session Initiate Protocol)に則したメッセージを転送する転送手段と、
Diameterプロトコルを用いて、前記転送手段に割り当てられたアドレスを前記転送の要求元へ払い出す他のサーバと通信する通信手段と、を備え、
前記通信手段は、
前記転送手段に対するヘルスチェックを定期的に行い、
前記ヘルスチェックの結果、前記転送手段が正常に動作している場合、前記他のサーバへ前記アドレスを通知して前記払出を許可する、
サーバ。
【0090】
(付記2)
付記1において、
複数組の前記転送手段及び通信手段を備え、
各通信手段は、対応する転送手段に対する定期的なヘルスチェック、及び前記対応する転送手段に割り当てられたアドレスの前記他のサーバへの通知を行う、
ことを特徴としたサーバ。
【0091】
(付記3)
付記1又は2において、
前記他のサーバが、PCRF(Policy and Charging Rules Function)サーバであり、
前記要求元が、UE(User Equipment)である、
ことを特徴としたサーバ。
【0092】
(付記4)
付記1又は2において、
前記他のサーバが、HSS(Home Subscriber Server)であり、
前記要求元が、I−CSCF(Interrogating Call Session Control Function)サーバである、
ことを特徴としたサーバ。
【0093】
(付記5)
Diameterプロトコルを用いて、SIPに則したメッセージの転送を行う複数の他のサーバと通信する通信手段と、
前記他のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出す払出手段と、を備え、
前記払出手段は、前記通信手段を介して定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う、
サーバ。
【0094】
(付記6)
付記5において、
前記払出手段は、定期的に受信されていた一のアドレスが一定時間に亘って受信されなくなった場合、前記一のアドレスを前記払出の対象から除外する、
ことを特徴としたサーバ。
【0095】
(付記7)
付記5又は6において、
前記他のサーバの各々が、P−CSCF(Proxy Call Session Control Function)サーバであり、
前記要求元が、UE(User Equipment)である、
ことを特徴としたサーバ。
【0096】
(付記8)
付記5又は6において、
前記他のサーバの各々が、S−CSCF(Serving Call Session Control Function)サーバであり、
前記要求元が、I−CSCF(Interrogating Call Session Control Function)サーバである、
ことを特徴としたサーバ。
【0097】
(付記9)
SIPに則したメッセージを転送する複数の第1のサーバと、
Diameterプロトコルを用いて前記第1のサーバの各々と通信すると共に、前記第1のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出す第2のサーバと、を備え、
前記第1のサーバの各々は、
前記転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、
前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、前記第2のサーバへ自サーバのアドレスを通知し、
前記第2のサーバは、
前記通信によって定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う、
ネットワークシステム。
【0098】
(付記10)
付記9において、
前記第1のサーバの各々が、P−CSCF(Proxy Call Session Control Function)サーバであり、
前記第2のサーバが、PCRF(Policy and Charging Rules Function)サーバであり、
前記要求元が、UE(User Equipment)である、
ことを特徴としたネットワークシステム。
【0099】
(付記11)
付記9において、
前記第1のサーバの各々が、S−CSCF(Serving Call Session Control Function)サーバであり、
前記第2のサーバが、HSS(Home Subscriber Server)であり、
前記要求元が、I−CSCF(Interrogating Call Session Control Function)サーバである、
ことを特徴としたネットワークシステム。
【0100】
(付記12)
SIPに則したメッセージを転送すると共に、Diameterプロトコルを用いて、自サーバのアドレスを前記転送の要求元へ払い出す他のサーバと通信するサーバの制御方法であって、
前記転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、
前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、前記他のサーバへ自サーバのアドレスを通知して前記払出を許可する、
ことを含む制御方法。
【0101】
(付記13)
付記12において、
前記機能ブロックが複数設けられる場合、各機能ブロックに対する定期的なヘルスチェック、及び各機能ブロックに割り当てられたアドレスの前記他のサーバへの通知を行う、
ことを含む制御方法。
【0102】
(付記14)
Diameterプロトコルを用いて、SIPに則したメッセージの転送を行う複数の他のサーバと通信すると共に、前記他のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出すサーバの制御方法であって、
前記通信によって定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う、
ことを含む制御方法。
【0103】
(付記15)
付記14において、
定期的に受信されていた一のアドレスが一定時間に亘って受信されなくなった場合、前記一のアドレスを前記払出の対象から除外する、
ことを含む制御方法。
【符号の説明】
【0104】
1, 1a ネットワークシステム
2 UE
3 アクセス網
4 I−CSCFサーバ
10, 10_1, 10_2, 10a P−CSCFサーバ
11, 11_1, 11_2 SIP制御部
12, 12_1, 12_2, 21 Diameter制御部
13, 23 SCTP制御部
20 PCRFサーバ
22 SIPアドレス払出部
24 SIPアドレスリスト
30_1, 30_2 S−CSCFサーバ
40 HSS
A1, A1_1, A1_2, A2〜A4 SIPアドレス
t1〜t3, t11〜t13 時刻
Th 閾値時間
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ、ネットワークシステム、及びサーバの制御方法に関し、特にIMS(IP(Internet Protocol) Mulimedia Subsystem)を形成するサーバの死活監視を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IMSの標準化が、3GPP(3rd Generation Partnership Project)によって進められている。IMSでは、SIP(Session Initiate Protocol)に従って信号制御を行うサーバ(以下、SIPサーバと呼称することがある)が中心となって、ユーザが所持するUE(User Equipment)に対するサービス提供を実現する。
【0003】
一般的なIMSにおいて、UEは、IMSへの登録に際して、SIPサーバの一つであるP−CSCF(Proxy Call Session Control Function)サーバのSIPアドレスを取得する必要がある。このSIPアドレスは、アクセス網からUEへ払い出すことにより取得可能である。
【0004】
以下、UEをIMSへ登録する手順を、図12を参照して詳細に説明する。
【0005】
図12に示すように、UE 2は、アクセス網3へアタッチ要求を送信し、以てP−CSCFサーバのSIPアドレスの取得を要求する(ステップS101)。アクセス網3は、UE 2に対する認証を行い、この認証に成功した場合、P−CSCFサーバ10x_1のSIPアドレス"A1x"をUE 2へ払い出す(ステップS102)。そして、UE 2は、SIPに則したメッセージ(以下、SIPメッセージと略称することがある)の一つであるSIP REGISTERメッセージを、SIPアドレス"A1x"宛てに送信する(ステップS103)。
【0006】
これにより、SIP REGISTERメッセージが、P−CSCFサーバ10x_1より上位のCSCFサーバ(ホーム網側のCSCFサーバ)へ転送され、以てUE 2がIMSへ登録されることとなる。
【0007】
ここで、IMSには、複数のP−CSCFサーバが設置されることがある。図12に点線で示すように、P−CSCFサーバ10x_1に加えてP−CSCFサーバ10x_2が設置される場合を例に取ると、アクセス網3は、ラウンドロビン方式にてP−CSCFサーバ10x_1又は10x_2を選択し、SIPアドレス"A1x"又は"A2x"をUE 2へ払い出す。
【0008】
しかしながら、このようなSIPアドレスの払出手順には、障害中のP−CSCFサーバのSIPアドレスを払い出してしまうという問題があった。これは、アクセス網では、P−CSCFサーバが障害状態に在るか否かを何ら判定することができないためである。障害中のP−CSCFサーバは、SIPに従った信号制御を正常に行うことが不可能であり、そのSIPアドレスを払い出すべきでは無い。
【0009】
この問題に対処するため、PCRF(Policy and Charging Rules Function)サーバによってP−CSCFサーバの死活監視を行う対策が取られることが多い。IMSにおいては、QoS(Quality of Service)を主目的としてP−CSCFサーバとPCRFサーバとがDiameter IFで接続される場合がある。このDiameter IFのトランスポートプロトコルであるSCTP(Stream Control Transmission Protocol)を利用してヘルスチェックを実施することで、P−CSCFサーバの死活監視が可能である。
【0010】
以下、SCTPを利用したP−CSCFサーバの死活監視、及びその結果に基づくSIPアドレスの払出手順を、図13を参照して詳細に説明する。
【0011】
図13に示すように、P−CSCFサーバ10x_1及び10x_2は、PCRFサーバ20xに対し、SCTPにおけるHeartBeat信号を定期的に送信する(ステップS201)。
【0012】
PCRFサーバ20xは、HeartBeat信号を定期的に受信できていれば、その送信元のP−CSCFサーバが正常に動作していると見做し、当該P−CSCFサーバのSIPアドレスを払出の対象とする。一方、HeartBeat信号を定期的に受信できなければ、PCRFサーバ20xは、その送信元であったP−CSCFが障害状態に陥ったと見做し、当該P−CSCFサーバのSIPアドレスを払出の対象から除外する。
【0013】
今、図13に点線で示す如く、P−CSCFサーバ10x_2からのHeartBeat信号のみが受信されなくなったとする(ステップS202)。この場合、PCRFサーバ20xは、P−CSCFサーバ10x_2のSIPアドレス"A2x"を、アクセス網3へ払い出さない。よって、アクセス網3は、UE 2からアタッチ要求を受信すると(ステップS203)、P−CSCFサーバ10x_1のSIPアドレス"A1x"をUE 2へ払い出す(ステップS204)。そして、UE 2は、SIP REGISTERメッセージを、SIPアドレス"A1x"宛てに送信する(ステップS205)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2009−182541号公報
【特許文献2】特開2007−318629号公報
【特許文献3】特開2009−159201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、本願発明者は、SCTPを利用した上記の方式には、SIPサーバの死活を精度良く監視することが困難であるという課題があることを発見した。これは、SCTPレイヤでの死活監視は可能であるが、SCTPレイヤより上位のSIPレイヤやDiameterプロトコルレイヤでの死活監視を行えないためである。
【0016】
図13を例に取ると、上記の方式では、P−CSCFサーバ10x_1内のSIPレイヤやDiameterプロトコルレイヤに障害が発生している場合であっても、SCTPレイヤが正常に動作していればHeartBeat信号が送出されることとなる。この場合、PCRFサーバ20xは、P−CSCFサーバ10x_1が正常に動作していると見做し、SIPアドレス"A1x"を、アクセス網3を介してUE 2へ払い出してしまう。P−CSCFサーバ10x_1内のSIPレイヤに障害が発生している場合、P−CSCFサーバ10x_1は、図13に一点鎖線で示す如くSIP REGISTERメッセージを上位のCSCFサーバへ転送できない(ステップS206)。この結果、UE 2がIMSへ登録されず、UE 2に対してサービスを提供することができない。
【0017】
なお、参考技術として、特許文献1には、SIP OPTIONメッセージを用いてCSCFサーバ同士間でヘルスチェックを行う方法が記載されている。しかしながら、この方法は、SIPを用いて相互通信するCSCFサーバ同士間にのみ適用可能であり、Diameterプロトコルを用いてP−CSCFサーバと通信するPCRFサーバには適用し得ない。
【0018】
また、類似技術として、特許文献2には、I−CSCF(Interrogating CSCF)サーバが、S−CSCF(Serving CSCF)サーバの運転状態を定期的に監視し、運転状態の異常を検出した場合に、S−CSCFサーバに代わってSIPメッセージをAS(Application Server)へ転送する方法が記載されている。しかしながら、この方法も、SIPを用いて通信するCSCFサーバにのみ適用可能であり、PCRFサーバには適用し得ない。
【0019】
さらに、他の参考技術として、特許文献3には、HSS(Home Subscriber Server)が、SNMP(Simple Network Management Protocol)を用いて複数のS−CSCFサーバからCPU(Central Processing Unit)使用率等の稼働状態を取得し、当該稼働状態をI−CSCFサーバに対するS−CSCFサーバの割当に供する方法が記載されている。しかしながら、この方法は、SIPレイヤやDiameterプロトコルレイヤの障害を監視するものでは何ら無く、上記の課題には対処し得ない。
【0020】
従って、本発明は、SIPサーバの死活をより精度良く監視することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の態様に係るサーバは、SIP(Session Initiate Protocol)に則したメッセージを転送する転送手段と、Diameterプロトコルを用いて、前記転送手段に割り当てられたアドレスを前記転送の要求元へ払い出す他のサーバと通信する通信手段とを備える。前記通信手段は、前記転送手段に対するヘルスチェックを定期的に行い、前記ヘルスチェックの結果、前記転送手段が正常に動作している場合、前記他のサーバへ前記アドレスを通知して前記払出を許可する。
【0022】
また、本発明の第2の態様に係るサーバは、Diameterプロトコルを用いて、SIPに則したメッセージの転送を行う複数の他のサーバと通信する通信手段と、前記他のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出す払出手段とを備える。前記払出手段は、前記通信手段を介して定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う。
【0023】
また、本発明の第3の態様に係るネットワークシステムは、SIPに則したメッセージを転送する複数の第1のサーバと、Diameterプロトコルを用いて前記第1のサーバの各々と通信すると共に、前記第1のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出す第2のサーバとを備える。前記第1のサーバの各々は、前記転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、前記第2のサーバへ自サーバのアドレスを通知する。前記第2のサーバは、前記通信によって定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う。
【0024】
また、本発明の第4の態様に係る制御方法は、SIPに則したメッセージを転送すると共に、Diameterプロトコルを用いて、自サーバのアドレスを前記転送の要求元へ払い出す他のサーバと通信するサーバの制御方法を提供する。この制御方法は、前記転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、前記他のサーバへ自サーバのアドレスを通知して前記払出を許可することを含む。
【0025】
さらに、本発明の第5の態様に係る制御方法は、Diameterプロトコルを用いて、SIPに則したメッセージの転送を行う複数の他のサーバと通信すると共に、前記他のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出すサーバの制御方法を提供する。この制御方法は、前記通信によって定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱うことを含む。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、SIPサーバの死活を、より精度良く監視することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムの構成例を示したブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るネットワークシステムの全体動作例を示したブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るP−CSCFサーバの構成例を示したブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るPCRFサーバの構成例を示したブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るPCRFサーバに用いる、SIPアドレスリストの構成例を示した図である。
【図6】本発明の実施の形態1に係るP−CSCFサーバ及びPCRFサーバの動作例を示したシーケンス図である。
【図7】本発明の実施の形態1に係るPCRFサーバに用いる、SIPアドレスリストの更新例を示した図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るP−CSCFサーバの構成例を示したブロック図である。
【図9】本発明の実施の形態2に係るP−CSCFサーバ及びPCRFサーバの動作例を示したシーケンス図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係るネットワークシステムの構成例を示したブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態3に係るネットワークシステムの全体動作例を示したブロック図である。
【図12】一般的なIMSにおける、UEの登録手順例を示したブロック図である。
【図13】SCTPを利用したP−CSCFサーバの死活監視例を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係るサーバ及びこれを適用するネットワークシステムの実施の形態1〜3を、図1〜図11を参照して説明する。なお、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0029】
[実施の形態1]
図1に示すように、本実施の形態に係るネットワークシステム1は、SIPサーバの一例として2台のP−CSCFサーバ10_1及び10_2(以下、符号10で総称することがある)と、PCRFサーバ20とを含む。なお、P−CSCFサーバは、3台以上含まれていても良い。
【0030】
P−CSCFサーバ10は、後述する如く、SIPに従って動作する機能ブロック(以下、SIP機能ブロックと略称することがある)と、Diameterプロトコルに従って動作する機能ブロック(以下、Diameter機能ブロックと呼称することがある)とを含む。P−CSCFサーバ10は、SIPに従って、UE 2をIMSへ登録するための制御や呼制御を行うと共に、Diameterプロトコルに従って、PCRFサーバ20との間でQoS制御を行う。また、P−CSCFサーバ10は、PCRFサーバ20との間でDiameterプロトコルに則した信号(以下、Diameter信号)を定期的に送受信し、以てSIPレイヤに対するヘルスチェックの結果をPCRFサーバ20へ通知する。
【0031】
一方、PCRFサーバ20は、後述する如く、Diameter機能ブロックを含む。PCRFサーバ20は、P−CSCFサーバ10からDiameter信号によってQoS制御を要求されると、アクセス網3に対するゲート(Gate)の開閉を制御し、帯域制御を実現する。また、PCRFサーバ20は、P−CSCFサーバ10から通知されたヘルスチェックの結果に基づいて、アクセス網3を介してUE 2へ、P−CSCFサーバ10のSIPアドレスを払い出す。
【0032】
なお、UE 2は、アクセス網3へ接続するためのプロトコルに従って動作する機能ブロックと、SIP機能ブロックとを有する。アクセス網3は、UE 2に対する認証処理や、UE 2とIMSとの間でIPパケットを中継する処理を実行する。また、アクセス網3は、PCRFサーバ20からのDiameter信号による指示に応じて、UE 2とIMSとの間のゲートを開閉する。
【0033】
以下、ネットワークシステム1の全体動作例を、図2を参照して概略的に説明する。
【0034】
図2に示すように、P−CSCFサーバ10_1及び10_2の各々は、SIP機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行う。P−CSCFサーバ10_1及び10_2の各々は、ヘルスチェックの度毎に、SIP機能ブロックが正常に動作しているか否かを判定し、SIP機能ブロックが正常に動作していると判定した場合、自サーバのSIPアドレス"A1"及び"A2"の各々を、例えばDiameter信号の一つであるDWR(Device Watchdog Request)信号に含めてPCRFサーバ20へ送信する(ステップS1)。
【0035】
PCRFサーバ20は、Diameter DWR信号を定期的に受信できていれば、その送信元のP−CSCFサーバにおいてSIP機能ブロックが正常に動作していると見做し、当該P−CSCFサーバのSIPアドレスをUE 2への払出の対象とする。
【0036】
今、図2に点線で示す如く、P−CSCFサーバ10_2においてSIP機能ブロックに障害が発生したとする(ステップS2)。この場合、P−CSCFサーバ10_2は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信しない。よって、PCRFサーバ20は、P−CSCFサーバ10_1から定期的に受信されるSIPアドレス"A1"のみをアクセス網3へ払い出す(ステップS3)。なお、3台以上のP−CSCFサーバが設置され、且つ2台以上のP−CSCFサーバからSIPアドレスを含むDiameter DWR信号が定期的に受信される場合、PCRFサーバ20は、例えばラウンドロビン方式にて一つのSIPアドレスを選択し、アクセス網3へ払い出す。
【0037】
この結果、アクセス網3は、UE 2からアタッチ要求を受信すると(ステップS4)、P−CSCFサーバ10のSIPアドレス"A1"をUE 2へ払い出す(ステップS5)。そして、UE 2は、SIP REGISTERメッセージを、SIPアドレス"A1"宛てに送信する(ステップS6)。
【0038】
この時、P−CSCFサーバ10_1内のSIP機能ブロックは、正常に動作していることが保証されている。従って、SIP REGISTERメッセージは、P−CSCFサーバ10_1より上位のCSCFサーバ(ホーム網側のCSCFサーバ)へ転送され、以てUE 2がIMSへ登録されることとなる。
【0039】
このように、本実施の形態においては、Diameterプロトコルを用いてP−CSCFサーバと通信するPCRFサーバが、P−CSCFサーバ内のSIPレイヤの死活を監視することができる。このため、SIPサーバの死活監視の精度を、上述したSCTPを利用する方式と比して大幅に向上させることができる。
【0040】
以下、上記の全体動作を実現するP−CSCFサーバ10及びPCRFサーバ20の具体的な構成例及び動作例を、図3〜図7を参照して詳細に説明する。
【0041】
図3に示すように、P−CSCFサーバ10は、SIP制御部11と、Diameter制御部12と、SCTP制御部13とを含む。
【0042】
この内、SIP制御部11及びDiameter制御部12は、上記のSIP機能ブロック及びDiameter機能ブロックに相当し、P−CSCFサーバ10内部で相互接続されている。なお、この相互接続に際してのIFには、どのような通信プロトコルを適用しても良い。また、SIP制御部11とDiameter制御部12との間では、ヘルスチェックのための信号(以下、ヘルスチェック信号と呼称する)が定期的に送受信される。SIP制御部11に障害が発生した場合、ヘルスチェック信号がSIP制御部11から送出されない。このため、Diameter制御部12は、SIP制御部11が障害状態にあることを検知できる。
【0043】
また、SCTP制御部13は、Diameter制御部12に接続され、Diameter制御部12からの指示に応じて、Diameter信号をPCRFサーバ20へ送出する。
【0044】
一方、図4に示すように、PCRFサーバ20は、Diameter制御部21と、SIPアドレス払出部22と、SCTP制御部23とを含む。
【0045】
この内、Diameter制御部21は、上記のDiameter機能ブロックに相当し、SCTP制御部23を介してP−CSCFサーバ10からDiameter信号を受信し、解析して処理する。
【0046】
また、SIPアドレス払出部22は、Diameter制御部21によってDiameter信号から抽出されたSIPアドレスを管理し、アクセス網3からの要求に応じて一つのSIPアドレスを払い出す。また、SIPアドレス払出部22は、SIPアドレスの管理に際して、図5に示すSIPアドレスリスト24を使用する。
【0047】
ここで、SIPアドレスリスト24には、P−CSCFサーバ10のSIPアドレスと、その受信時刻及び払出フラグとが対応付けて記憶される。初期状態において、SIPアドレスリスト24には、対向するP−CSCFサーバ10_1及び10_2のSIPアドレス"A1"及び"A2"が予め設定される。また、受信時刻は"NULL(無効値)"に設定され、払出フラグは"ON"に設定される。払出フラグ="ON"は、対応するSIPアドレスを払出の対象とすることを示し、払出フラグ="OFF"は、対応するSIPアドレスを払出の対象から除外することを示す。
【0048】
動作においては、図6に示すように、P−CSCFサーバ10_1内のSIP制御部11及びDiameter制御部12は、或る時刻にヘルスチェック信号を送受信する(ステップS11)。この時、Diameter制御部12は、SIP制御部11からヘルスチェック信号を受信すると、SIP制御部11が正常に動作していると判断する。そして、Diameter制御部12は、SCTP制御部13に対して、SIPアドレス"A1"を含むDiameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信するよう指示する(ステップS12)。この指示に従って、SCTP制御部13は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信する(ステップS13)。
【0049】
なお、図示を省略するが、Diameter DWR信号中には、既存パラメータ"origin−Host"として、Diameter制御部12のDiameterアドレスを設定し、拡張パラメータ"Server−Name"としてSIPアドレス"A1"を設定すると良い。
【0050】
PCRFサーバ20内のDiameter制御部21は、SCTP制御部23を介してP−CSCFサーバ10_1からDiameter DWR信号を受信すると、SIPアドレス"A1"を抽出してSIPアドレス払出部22へ出力する。Diameter DWR信号が時刻"t1"に受信されたとすると、SIPアドレス払出部22は、図7(a)に示す如く、SIPアドレス"A1"に対応する受信時刻を"t1"へ更新する(ステップS31)。また、SIPアドレス払出部22は、SIPアドレスリスト24を定期的に監視する。具体的には、SIPアドレス払出部22は、現在時刻とSIPアドレスリスト24に記憶された受信時刻とを比較し、両時刻の差が所定の閾値時間Th以上である場合には、P−CSCFサーバからDiameter DWR信号が定期的に受信されていないと判断して、対応する払出フラグを"OFF"へ更新する。
【0051】
一方、P−CSCFサーバ10_2内のSIP制御部11及びDiameter制御部12は、或る時刻にヘルスチェック信号を送受信する(ステップS21)。この時、Diameter制御部12は、SIP制御部11からヘルスチェック信号を受信すると、SIP制御部11が正常に動作していると判断する。そして、Diameter制御部12は、SCTP制御部13に対して、SIPアドレス"A2"を含むDiameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信するよう指示する(ステップS22)。この指示に従って、SCTP制御部13は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信する(ステップS23)。
【0052】
PCRFサーバ20は、P−CSCFサーバ10_2からDiameter DWR信号を受信すると、SIPアドレス"A2"を抽出する。Diameter DWR信号が時刻"t2"に受信されたとすると、PCRFサーバ20は、図7(a)に示す如く、SIPアドレス"A2"に対応する受信時刻を"t2"へ更新する(ステップS32)。
【0053】
P−CSCFサーバ10_1内のSIP制御部11及びDiameter制御部12は、一定時間が経過すると、ヘルスチェック信号を再び送受信する(ステップS14)。Diameter制御部12は、SIP制御部11からヘルスチェック信号を受信すると、SIP制御部11が正常に動作していると判断する。そして、Diameter制御部12は、SCTP制御部13に対して、SIPアドレス"A1"を含むDiameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信するよう指示する(ステップS15)。この指示に従って、SCTP制御部13は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ再送信する(ステップS16)。
【0054】
PCRFサーバ20は、P−CSCFサーバ10_1からDiameter DWR信号を受信すると、SIPアドレス"A1"を抽出する。今、Diameter DWR信号が時刻"t3"に受信され、前回の受信時刻"t1"から閾値時間Thが経過していないとする。この場合、PCRFサーバ20内のSIPアドレス払出部22は、図7(b)に示す如く、SIPアドレス"A1"に対応する受信時刻を"t3"へ更新すると共に、払出フラグを"ON"に維持する(ステップS33)。
【0055】
これにより、P−CSCFサーバ10_1のSIPアドレス"A1"は、アクセス網3への払出の対象として扱われることとなる。
【0056】
一方、或る時刻において、P−CSCFサーバ10_2内のSIP制御部11に障害が発生したとする(ステップS24)。この時、Diameter制御部12は、SIP制御部11からヘルスチェック信号を受信できない。このため、Diameter制御部12は、SIP制御部11の障害を検知し、SCTP制御部13へはDiameter DWR信号の送信指示を与えない(ステップS25)。
【0057】
この後、上記の時刻"t2"から閾値時間Thが経過すると、PCRFサーバ20内のSIPアドレス払出部22は、P−CSCFサーバ10_2のSIPレイヤに障害が発生したと判断して、図7(b)に示す如く、SIPアドレス"A2"に対応する払出フラグを"OFF"へ更新する(ステップS34)。
【0058】
これにより、P−CSCFサーバ10_2のSIPアドレス"A2"は、アクセス網3への払出の対象から除外されることとなる。
【0059】
このように、本実施の形態においては、P−CSCFサーバにおける障害の発生状況に応じて、払出の対象とすべきSIPアドレスを動的に変更することもできる。
【0060】
[実施の形態2]
本実施の形態に係るネットワークシステムは、図1と同様に構成できる。但し、本実施の形態は、P−CSCFサーバが図8に示す如く構成される点で、上記の実施の形態1と異なる。
【0061】
図8に示すように、本実施の形態に係るP−CSCFサーバ10aは、2つのSIP制御部11_1及び11_2と、2つのDiameter制御部12_1及び12_2と、図3と同様のSCTP制御部13とを含む。
【0062】
この内、SIP制御部11_1及びDiameter制御部12_1は、図3に示したSIP制御部11及びDiameter制御部12と同様の機能を有し、P−CSCFサーバ10a内部で相互接続され、ヘルスチェック信号を定期的に送受信する。
【0063】
また、SIP制御部11_2及びDiameter制御部12_2は、図3に示したSIP制御部11及びDiameter制御部12と同様の機能を有し、P−CSCFサーバ10a内部で相互接続され、ヘルスチェック信号を定期的に送受信する。
【0064】
換言すると、本実施の形態においては、P−CSCFサーバに複数組のSIP制御部及びDiameter制御部を設ける一方で、PCRFサーバとのIFを1つのSCTP制御部に集約している。これは、SIPレイヤ及びDiameterプロトコルレイヤの負荷がSCTPレイヤと比して高いためであり、1つのSCTP制御部に集約することで負荷の効率化を図っている。
【0065】
以下、このように構成されたP−CSCFサーバ10aの死活を図4に示したPCRFサーバ20にて監視する動作例を、図9を参照して詳細に説明する。
【0066】
図9に示すように、P−CSCFサーバ10a内のSIP制御部11_1及びDiameter制御部12_1は、或る時刻にヘルスチェック信号を送受信する(ステップS41)。この時、Diameter制御部12_1は、SIP制御部11からヘルスチェック信号を受信すると、SIP制御部11_1が正常に動作していると判断する。そして、Diameter制御部12_1は、SCTP制御部13に対して、SIP制御部11_1に割り当てられたSIPアドレス"A1_1"を含むDiameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信するよう指示する(ステップS42)。この指示に従って、SCTP制御部13は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信する(ステップS43)。
【0067】
PCRFサーバ20は、Diameter DWR信号を受信すると、SIPアドレス"A1_1"を抽出する。Diameter DWR信号が時刻"t11"に受信されたとすると、PCRFサーバ20は、図5に示したSIPアドレスリスト24中のSIPアドレス"A1_1"に対応する受信時刻を"t11"へ更新する(ステップS61)。
【0068】
一方、P−CSCFサーバ10a内のSIP制御部11_2及びDiameter制御部12_2は、或る時刻にヘルスチェック信号を送受信する(ステップS44)。この時、Diameter制御部12_2は、SIP制御部11_2からヘルスチェック信号を受信すると、SIP制御部11_2が正常に動作していると判断する。そして、Diameter制御部12_2は、SCTP制御部13に対して、SIP制御部11_2に割り当てられたSIPアドレス"A1_2"を含むDiameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信するよう指示する(ステップS45)。この指示に従って、SCTP制御部13は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信する(ステップS46)。
【0069】
PCRFサーバ20は、Diameter DWR信号を受信すると、SIPアドレス"A1_2"を抽出する。ここで、SIP制御部11_1及び11_2には異なるSIPアドレスが割り当てられており、PCRFサーバ20は、SIP制御部11_1及び11_2を個別のP―CSCFサーバとして認識する。Diameter DWR信号が時刻"t12"に受信されたとすると、PCRFサーバ20は、SIPアドレス"A1_2"に対応する受信時刻を"t12"へ更新する(ステップS62)。
【0070】
SIP制御部11_1及びDiameter制御部12_1は、一定時間が経過すると、ヘルスチェック信号を再び送受信する(ステップS47)。Diameter制御部12_1は、SIP制御部11_1からヘルスチェック信号を受信すると、SIP制御部11_1が正常に動作していると判断する。そして、Diameter制御部12_1は、SCTP制御部13に対して、SIPアドレス"A1_1"を含むDiameter DWR信号をPCRFサーバ20へ送信するよう指示する(ステップS48)。この指示に従って、SCTP制御部13は、Diameter DWR信号をPCRFサーバ20へ再送信する(ステップS49)。
【0071】
PCRFサーバ20は、Diameter DWR信号を受信すると、SIPアドレス"A1_1"を抽出する。今、Diameter DWR信号が時刻"t13"に受信され、前回の受信時刻"t11"から閾値時間Thが経過していないとする。この場合、PCRFサーバ20は、SIPアドレス"A1_1"に対応する受信時刻を"t13"へ更新すると共に、払出フラグを"ON"に維持する(ステップS63)。
【0072】
これにより、SIP制御部11_1のSIPアドレス"A1_1"は、アクセス網3への払出の対象として扱われることとなる。
【0073】
一方、或る時刻において、SIP制御部11_2に障害が発生したとする(ステップS50)。この時、Diameter制御部12_2は、SIP制御部11_2からヘルスチェック信号を受信できない。このため、Diameter制御部12_2は、SIP制御部11_2の障害を検知し、SCTP制御部13へはDiameter DWR信号の送信指示を与えない(ステップS51)。
【0074】
この後、上記の時刻"t12"から閾値時間Thが経過すると、PCRFサーバ20は、SIP制御部11_2に障害が発生したと判断して、SIPアドレス"A1_2"に対応する払出フラグを"OFF"へ更新する(ステップS64)。
【0075】
これにより、IP制御部11_2のSIPアドレス"A1_2"は、アクセス網3への払出の対象から除外されることとなる。
【0076】
このように、本実施の形態においては、P−CSCFサーバに複数のSIP制御部が設けられる場合であっても、各SIP制御部における障害の発生状況に応じて、払出の対象とすべきSIPアドレスを動的に変更することができる。
【0077】
[実施の形態3]
上記の実施の形態1及び2では、P−CSCFサーバの死活を監視するケースを扱ったが、本発明は、P−CSCFサーバ以外のSIPサーバの死活を監視するケースにも適用可能である。本実施の形態では、一例として、HSSにてS−CSCFサーバの死活監視を行う場合を扱う。
【0078】
具体的には、図10に示すように、本実施の形態に係るネットワークシステム1aは、2台のS−CSCFサーバ30_1及び30_2と、HSS 40とを含む。なお、S−CSCFサーバは、3台以上含まれていても良い。
【0079】
この内、S−CSCFサーバ30_1及び30_2の各々は、図3に示したP−CSCFサーバ10又は図8に示したP−CSCFサーバ10aと同様、1組以上のSIP制御部及びDiameter制御部と、SCTP制御部とを含んで構成される。S−CSCFサーバ30_1及び30_2の各々は、SIPに従って、I−CSCFサーバ4からのSIPメッセージをAS(図示せず)へ転送する。また、S−CSCFサーバ30_1及び30_2の各々は、HSS 40との間でDiameter信号を定期的に送受信し、以てSIP制御部に対するヘルスチェックの結果をHSS 40へ通知する。
【0080】
一方、HSS 40は、図4に示したPCRFサーバ20と同様、Diameter制御部と、SCTP制御部と、SIPアドレス払出部とを含んで構成される。HSS 40は、I−CSCFサーバ4からの問合わせに応じて、S−CSCFサーバ30_1又は30_2のSIPアドレスを払い出すと共に、S−CSCFサーバ30_1及び30_2の各々から通知されたヘルスチェックの結果に基づいて、払出の対象とすべきSIPアドレスを管理する。
【0081】
動作においては、図11に示すように、S−CSCFサーバ30_1及び30_2の各々は、SIP制御部に対するヘルスチェックを定期的に行う。S−CSCFサーバ30_1及び30_2の各々は、ヘルスチェックの度毎に、SIP制御部が正常に動作しているか否かを判定し、SIP制御部が正常に動作していると判定した場合、自サーバのSIPアドレス"A3"及び"A4"の各々を、例えばDiameter DWR信号に含めてHSS 40へ送信する(ステップS71)。
【0082】
HSS 40は、Diameter DWR信号を定期的に受信できていれば、その送信元のS−CSCFサーバにおいてSIP制御部が正常に動作していると見做し、当該S−CSCFサーバのSIPアドレスをI−CSCFサーバ4への払出の対象とする。
【0083】
今、図11に点線で示す如く、S−CSCFサーバ30_2においてSIP制御部に障害が発生したとする(ステップS72)。この場合、S−CSCFサーバ30_2は、Diameter DWR信号をHSS 40へ送信しない。よって、HSS 40は、S−CSCFサーバ30_1から定期的に受信されるSIPアドレス"A3"のみをI−CSCFサーバ4へ払い出す(ステップS73)。なお、3台以上のS−CSCFサーバが設置され、且つ2台以上のS−CSCFサーバからSIPアドレスを含むDiameter DWR信号が定期的に受信される場合、HSS 40は、例えばラウンドロビン方式にて一つのSIPアドレスを選択し、I−CSCFサーバ4へ払い出す。
【0084】
この結果、I−CSCFサーバ4は、SIPメッセージを、SIPアドレス"A3"宛てに送信する(ステップS74)。
【0085】
この時、S−CSCFサーバ30_1内のSIP制御部は、正常に動作していることが保証されている。従って、SIPメッセージは、S−CSCFサーバ30_1からASへ転送され、以てUE(図示せず)に対して所望のサービスが提供されることとなる。また、S−CSCFサーバ30_1が登録サーバとしても機能する場合、S−CSCFサーバ30_1は、SIP REGISTERメッセージを正常に処理でき、以て滞り無くUEをIMSへ登録することができる。
【0086】
このように、本実施の形態においては、Diameterプロトコルを用いてS−CSCFサーバと通信するHSSが、S−CSCFサーバ内のSIPレイヤの死活を監視することができる。このため、上記の実施の形態1と同様、SIPサーバの死活監視の精度を大幅に向上させることができる。
【0087】
なお、上記の実施の形態によって本発明は限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づき、当業者によって種々の変更が可能なことは明らかである。
【0088】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0089】
(付記1)
SIP(Session Initiate Protocol)に則したメッセージを転送する転送手段と、
Diameterプロトコルを用いて、前記転送手段に割り当てられたアドレスを前記転送の要求元へ払い出す他のサーバと通信する通信手段と、を備え、
前記通信手段は、
前記転送手段に対するヘルスチェックを定期的に行い、
前記ヘルスチェックの結果、前記転送手段が正常に動作している場合、前記他のサーバへ前記アドレスを通知して前記払出を許可する、
サーバ。
【0090】
(付記2)
付記1において、
複数組の前記転送手段及び通信手段を備え、
各通信手段は、対応する転送手段に対する定期的なヘルスチェック、及び前記対応する転送手段に割り当てられたアドレスの前記他のサーバへの通知を行う、
ことを特徴としたサーバ。
【0091】
(付記3)
付記1又は2において、
前記他のサーバが、PCRF(Policy and Charging Rules Function)サーバであり、
前記要求元が、UE(User Equipment)である、
ことを特徴としたサーバ。
【0092】
(付記4)
付記1又は2において、
前記他のサーバが、HSS(Home Subscriber Server)であり、
前記要求元が、I−CSCF(Interrogating Call Session Control Function)サーバである、
ことを特徴としたサーバ。
【0093】
(付記5)
Diameterプロトコルを用いて、SIPに則したメッセージの転送を行う複数の他のサーバと通信する通信手段と、
前記他のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出す払出手段と、を備え、
前記払出手段は、前記通信手段を介して定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う、
サーバ。
【0094】
(付記6)
付記5において、
前記払出手段は、定期的に受信されていた一のアドレスが一定時間に亘って受信されなくなった場合、前記一のアドレスを前記払出の対象から除外する、
ことを特徴としたサーバ。
【0095】
(付記7)
付記5又は6において、
前記他のサーバの各々が、P−CSCF(Proxy Call Session Control Function)サーバであり、
前記要求元が、UE(User Equipment)である、
ことを特徴としたサーバ。
【0096】
(付記8)
付記5又は6において、
前記他のサーバの各々が、S−CSCF(Serving Call Session Control Function)サーバであり、
前記要求元が、I−CSCF(Interrogating Call Session Control Function)サーバである、
ことを特徴としたサーバ。
【0097】
(付記9)
SIPに則したメッセージを転送する複数の第1のサーバと、
Diameterプロトコルを用いて前記第1のサーバの各々と通信すると共に、前記第1のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出す第2のサーバと、を備え、
前記第1のサーバの各々は、
前記転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、
前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、前記第2のサーバへ自サーバのアドレスを通知し、
前記第2のサーバは、
前記通信によって定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う、
ネットワークシステム。
【0098】
(付記10)
付記9において、
前記第1のサーバの各々が、P−CSCF(Proxy Call Session Control Function)サーバであり、
前記第2のサーバが、PCRF(Policy and Charging Rules Function)サーバであり、
前記要求元が、UE(User Equipment)である、
ことを特徴としたネットワークシステム。
【0099】
(付記11)
付記9において、
前記第1のサーバの各々が、S−CSCF(Serving Call Session Control Function)サーバであり、
前記第2のサーバが、HSS(Home Subscriber Server)であり、
前記要求元が、I−CSCF(Interrogating Call Session Control Function)サーバである、
ことを特徴としたネットワークシステム。
【0100】
(付記12)
SIPに則したメッセージを転送すると共に、Diameterプロトコルを用いて、自サーバのアドレスを前記転送の要求元へ払い出す他のサーバと通信するサーバの制御方法であって、
前記転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、
前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、前記他のサーバへ自サーバのアドレスを通知して前記払出を許可する、
ことを含む制御方法。
【0101】
(付記13)
付記12において、
前記機能ブロックが複数設けられる場合、各機能ブロックに対する定期的なヘルスチェック、及び各機能ブロックに割り当てられたアドレスの前記他のサーバへの通知を行う、
ことを含む制御方法。
【0102】
(付記14)
Diameterプロトコルを用いて、SIPに則したメッセージの転送を行う複数の他のサーバと通信すると共に、前記他のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出すサーバの制御方法であって、
前記通信によって定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う、
ことを含む制御方法。
【0103】
(付記15)
付記14において、
定期的に受信されていた一のアドレスが一定時間に亘って受信されなくなった場合、前記一のアドレスを前記払出の対象から除外する、
ことを含む制御方法。
【符号の説明】
【0104】
1, 1a ネットワークシステム
2 UE
3 アクセス網
4 I−CSCFサーバ
10, 10_1, 10_2, 10a P−CSCFサーバ
11, 11_1, 11_2 SIP制御部
12, 12_1, 12_2, 21 Diameter制御部
13, 23 SCTP制御部
20 PCRFサーバ
22 SIPアドレス払出部
24 SIPアドレスリスト
30_1, 30_2 S−CSCFサーバ
40 HSS
A1, A1_1, A1_2, A2〜A4 SIPアドレス
t1〜t3, t11〜t13 時刻
Th 閾値時間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
SIP(Session Initiate Protocol)に則したメッセージを転送する転送手段と、
Diameterプロトコルを用いて、前記転送手段に割り当てられたアドレスを前記転送の要求元へ払い出す他のサーバと通信する通信手段と、を備え、
前記通信手段は、
前記転送手段に対するヘルスチェックを定期的に行い、
前記ヘルスチェックの結果、前記転送手段が正常に動作している場合、前記他のサーバへ前記アドレスを通知して前記払出を許可する、
サーバ。
【請求項2】
請求項1において、
複数組の前記転送手段及び通信手段を備え、
各通信手段は、対応する転送手段に対する定期的なヘルスチェック、及び前記対応する転送手段に割り当てられたアドレスの前記他のサーバへの通知を行う、
ことを特徴としたサーバ。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記他のサーバが、PCRF(Policy and Charging Rules Function)サーバであり、
前記要求元が、UE(User Equipment)である、
ことを特徴としたサーバ。
【請求項4】
Diameterプロトコルを用いて、SIPに則したメッセージの転送を行う複数の他のサーバと通信する通信手段と、
前記他のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出す払出手段と、を備え、
前記払出手段は、前記通信手段を介して定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う、
サーバ。
【請求項5】
請求項4において、
前記払出手段は、定期的に受信されていた一のアドレスが一定時間に亘って受信されなくなった場合、前記一のアドレスを前記払出の対象から除外する、
ことを特徴としたサーバ。
【請求項6】
SIPに則したメッセージを転送する複数の第1のサーバと、
Diameterプロトコルを用いて前記第1のサーバの各々と通信すると共に、前記第1のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出す第2のサーバと、を備え、
前記第1のサーバの各々は、
前記転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、
前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、前記第2のサーバへ自サーバのアドレスを通知し、
前記第2のサーバは、
前記通信によって定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う、
ネットワークシステム。
【請求項7】
SIPに則したメッセージを転送すると共に、Diameterプロトコルを用いて、自サーバのアドレスを前記転送の要求元へ払い出す他のサーバと通信するサーバの制御方法であって、
前記転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、
前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、前記他のサーバへ自サーバのアドレスを通知して前記払出を許可する、
ことを含む制御方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記機能ブロックが複数設けられる場合、各機能ブロックに対する定期的なヘルスチェック、及び各機能ブロックに割り当てられたアドレスの前記他のサーバへの通知を行う、
ことを含む制御方法。
【請求項9】
Diameterプロトコルを用いて、SIPに則したメッセージの転送を行う複数の他のサーバと通信すると共に、前記他のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出すサーバの制御方法であって、
前記通信によって定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う、
ことを含む制御方法。
【請求項10】
請求項9において、
定期的に受信されていた一のアドレスが一定時間に亘って受信されなくなった場合、前記一のアドレスを前記払出の対象から除外する、
ことを含む制御方法。
【請求項1】
SIP(Session Initiate Protocol)に則したメッセージを転送する転送手段と、
Diameterプロトコルを用いて、前記転送手段に割り当てられたアドレスを前記転送の要求元へ払い出す他のサーバと通信する通信手段と、を備え、
前記通信手段は、
前記転送手段に対するヘルスチェックを定期的に行い、
前記ヘルスチェックの結果、前記転送手段が正常に動作している場合、前記他のサーバへ前記アドレスを通知して前記払出を許可する、
サーバ。
【請求項2】
請求項1において、
複数組の前記転送手段及び通信手段を備え、
各通信手段は、対応する転送手段に対する定期的なヘルスチェック、及び前記対応する転送手段に割り当てられたアドレスの前記他のサーバへの通知を行う、
ことを特徴としたサーバ。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記他のサーバが、PCRF(Policy and Charging Rules Function)サーバであり、
前記要求元が、UE(User Equipment)である、
ことを特徴としたサーバ。
【請求項4】
Diameterプロトコルを用いて、SIPに則したメッセージの転送を行う複数の他のサーバと通信する通信手段と、
前記他のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出す払出手段と、を備え、
前記払出手段は、前記通信手段を介して定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う、
サーバ。
【請求項5】
請求項4において、
前記払出手段は、定期的に受信されていた一のアドレスが一定時間に亘って受信されなくなった場合、前記一のアドレスを前記払出の対象から除外する、
ことを特徴としたサーバ。
【請求項6】
SIPに則したメッセージを転送する複数の第1のサーバと、
Diameterプロトコルを用いて前記第1のサーバの各々と通信すると共に、前記第1のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出す第2のサーバと、を備え、
前記第1のサーバの各々は、
前記転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、
前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、前記第2のサーバへ自サーバのアドレスを通知し、
前記第2のサーバは、
前記通信によって定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う、
ネットワークシステム。
【請求項7】
SIPに則したメッセージを転送すると共に、Diameterプロトコルを用いて、自サーバのアドレスを前記転送の要求元へ払い出す他のサーバと通信するサーバの制御方法であって、
前記転送を行う機能ブロックに対するヘルスチェックを定期的に行い、
前記ヘルスチェックの結果、前記機能ブロックが正常に動作している場合、前記他のサーバへ自サーバのアドレスを通知して前記払出を許可する、
ことを含む制御方法。
【請求項8】
請求項7において、
前記機能ブロックが複数設けられる場合、各機能ブロックに対する定期的なヘルスチェック、及び各機能ブロックに割り当てられたアドレスの前記他のサーバへの通知を行う、
ことを含む制御方法。
【請求項9】
Diameterプロトコルを用いて、SIPに則したメッセージの転送を行う複数の他のサーバと通信すると共に、前記他のサーバのいずれか一つのアドレスを、前記転送の要求元へ払い出すサーバの制御方法であって、
前記通信によって定期的に受信されるアドレスを、前記払出の対象として扱う、
ことを含む制御方法。
【請求項10】
請求項9において、
定期的に受信されていた一のアドレスが一定時間に亘って受信されなくなった場合、前記一のアドレスを前記払出の対象から除外する、
ことを含む制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−253534(P2012−253534A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124105(P2011−124105)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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