説明

サーバ、情報管理方法、情報管理プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】各ユーザにより入力された場所に関する情報を適切に結合すること。
【解決手段】検索サーバ10は、地理的位置を示す位置情報と、該位置に関する入力操作を行なったユーザを特定するユーザIDとが互いに関連付けられた入力情報を記憶する入力情報データベース14と、入力情報データベース14を参照して、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが入力操作を行ったか否かを判定する判定部17と、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが入力操作を行ったと判定された場合に、所定数以上の共通の地理的範囲のそれぞれについて、位置情報で示される地理的位置が共通の地理的範囲に含まれ、且つ、複数の共通のユーザに対応する複数の入力情報を抽出し、抽出された前記複数の入力情報に対して共通のロケーションIDを割り当てることで複数の入力情報を互いに関連付けた上で、該複数の入力情報を入力情報データベース14に登録する関連付け部18とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザにより入力された情報を管理するサーバ、方法、プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、所定の条件に対応する情報を検索してユーザに提供する情報処理システムが知られている。例えば、下記特許文献1には、目的地の名称や位置がわからない場合でも目的地の検索を容易に行うための目的地検索装置が開示されている。この装置は、目的地又は関係地とされ得る場所の名称、位置、及びジャンルを規定するデータベースと、選択されたジャンルと、入力された関係地の名称又はジャンルと、設定された位置的関係とに基づいて目的地を検索する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−133904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなデータベースに場所情報を登録する手法として、データベース管理者が一括で用意する他に、各ユーザにより入力された情報に基づいて場所情報を生成し登録する手法が考えられる。しかし後者の場合には、ある一つの場所について複数のユーザが関連情報を入力した際に各ユーザの入力内容が区々になり、データベースを管理するサーバがそれら複数の場所情報を同一の場所に関するものとして把握することが難しくなる。例えば、位置情報や入力された施設名等が異なる場合に、サーバ側で場所情報を適切に結合することが困難になる。
【0005】
そこで本発明は、各ユーザにより入力された場所に関する情報を適切に結合することが可能なサーバ、情報管理方法、情報管理プログラム、及びそのプログラムを記録するコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のサーバは、地理的位置を示す位置情報と、該位置に関する入力操作を行なったユーザを特定するユーザIDとが互いに関連付けられた入力情報を記憶する入力情報記憶手段と、入力情報記憶手段を参照して、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが入力操作を行ったか否かを判定する判定手段と、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが入力操作を行ったと判定された場合に、該所定数以上の共通の地理的範囲のそれぞれについて、位置情報で示される地理的位置が該共通の地理的範囲に含まれ、且つ、該複数の共通のユーザに対応する複数の入力情報に対して共通の識別子を割り当てることで該複数の入力情報を互いに関連付ける関連付け手段であって、共通の識別子が共通の地理的範囲毎に異なる、該関連付け手段と、関連付け手段により共通の地理的範囲毎に互いに関連付けられた複数の入力情報を結果記憶手段に登録する登録手段とを備える。
【0007】
本発明の情報管理方法は、サーバにより実行される情報管理方法であって、地理的位置を示す位置情報と、該位置に関する入力操作を行なったユーザを特定するユーザIDとが互いに関連付けられた入力情報を記憶する入力情報記憶手段と、入力情報記憶手段を参照して、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが入力操作を行ったか否かを判定する判定ステップと、判定ステップにおいて所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが入力操作を行ったと判定された場合に、該所定数以上の共通の地理的範囲のそれぞれについて、位置情報で示される地理的位置が該共通の地理的範囲に含まれ、且つ、該複数の共通のユーザに対応する複数の入力情報を抽出し、抽出された複数の入力情報に対して共通の識別子を割り当てることで該複数の入力情報を互いに関連付ける関連付けステップであって、共通の識別子が共通の地理的範囲毎に異なる、該関連付けステップと、関連付け手段により共通の地理的範囲毎に互いに関連付けられた複数の入力情報を結果記憶手段に登録する登録ステップとを含む。
【0008】
本発明の情報管理プログラムは、コンピュータを、地理的位置を示す位置情報と、該位置に関する入力操作を行なったユーザを特定するユーザIDとが互いに関連付けられた入力情報を記憶する入力情報記憶手段を参照して、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが入力操作を行ったか否かを判定する判定手段と、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが入力操作を行ったと判定された場合に、該所定数以上の共通の地理的範囲のそれぞれについて、位置情報で示される地理的位置が該共通の地理的範囲に含まれ、且つ、該複数の共通のユーザに対応する複数の入力情報を抽出し、抽出された複数の入力情報に対して共通の識別子を割り当てることで該複数の入力情報を互いに関連付ける関連付け手段であって、共通の識別子が共通の地理的範囲毎に異なる、該関連付け手段と、関連付け手段により共通の地理的範囲毎に互いに関連付けられた複数の入力情報を結果記憶手段に登録する登録手段として機能させる。
【0009】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、コンピュータを、地理的位置を示す位置情報と、該位置に関する入力操作を行なったユーザを特定するユーザIDとが互いに関連付けられた入力情報を記憶する入力情報記憶手段と、入力情報記憶手段を参照して、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが入力操作を行ったか否かを判定する判定手段と、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが入力操作を行ったと判定された場合に、該所定数以上の共通の地理的範囲のそれぞれについて、位置情報で示される地理的位置が該共通の地理的範囲に含まれ、且つ、該複数の共通のユーザに対応する複数の入力情報を抽出し、抽出された複数の入力情報に対して共通の識別子を割り当てることで該複数の入力情報を互いに関連付ける関連付け手段であって、共通の識別子が共通の地理的範囲毎に異なる、該関連付け手段と、関連付け手段により共通の地理的範囲毎に互いに関連付けられた複数の入力情報を結果記憶手段に登録する登録手段として機能させる情報管理プログラムを記録している。
【0010】
このような発明によれば、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが入力操作を行ったか否かが入力情報に基づいて判定される。そして、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが入力操作を行ったと判定された場合には、共通の地理的範囲毎に、該範囲に対応する複数の共通のユーザの入力情報が共通の識別子により互いに関連付けられた上で登録される。このように、ユーザの入力操作が行われた位置の重なりを考慮して入力情報をグループ化し、グループ化した入力情報に共通の識別子を付与することで、各ユーザにより入力された場所に関する情報を適切に統合することができる。
【0011】
本発明のサーバは、施設に関する施設情報であって、施設を特定する施設IDと該施設の地理的範囲を示す地理情報とを少なくとも含む該施設情報を記憶する施設記憶手段を更に備え、共通の地理的範囲が、地理情報で示される地理的範囲であり、共通の識別子が施設IDであり、該施設IDは、抽出された複数の入力情報に対応する地理情報と対応しているとよい。
【0012】
この場合には、ある特定の施設の地理的範囲に含まれ、且つ、複数の共通のユーザに対応する複数の入力情報に対して当該施設の施設IDが付与される。したがって、各ユーザにより入力された場所に関する情報を、ある一つの施設に関する情報としてまとめることができる。
【0013】
本発明のサーバでは、抽出された複数の入力情報で示される複数の地理的位置が、一の施設情報で示される地理的範囲、及び別の施設情報で示される地理的範囲に含まれる場合に、関連付け手段が、該複数の地理的位置の中間点と各地理的範囲の中心とを比較し、中心が該中間点に最も近い地理的範囲に対応する施設IDを該複数の入力情報に割り当ててもよい。
【0014】
この場合には、複数の入力情報に対する施設(地理的範囲)の候補が複数ある場合に、入力情報で示される位置の中間点と各地理的範囲との位置関係に基づいて、それらの入力情報に割り当てる施設IDが決まる。これにより、複数の入力情報に対応する可能性が高い施設を自動的に決めることができる。
【0015】
本発明のサーバでは、抽出された複数の入力情報で示される複数の地理的位置が、一の施設情報で示される地理的範囲、及び別の施設情報で示される地理的範囲に含まれる場合に、関連付け手段が、該複数の入力情報をどの施設に対応付けるかを問い合わせるための問合せ情報を生成して所定の端末に送信し、該問合せ情報に応じて該端末においてユーザにより指定された施設を示す回答情報を該端末から受信し、受信した回答情報で示される施設の施設IDを該複数の入力情報に割り当ててもよい。
【0016】
この場合には、複数の入力情報に対する施設(地理的範囲)の候補が複数ある場合に、それらの入力情報に割り当てる施設IDがユーザ操作に基づいて決定されるので、複数の入力情報に対応する施設をユーザの要求通りに決めることができる。
【0017】
本発明のサーバは、ユーザの端末の位置を示す位置情報を含むリクエスト信号を該端末から受信する受信手段と、受信手段により受信されたリクエスト信号内の位置情報に基づいて結果記憶手段及び施設記憶手段を参照して、位置情報で示される位置から所定の範囲内に存在する施設の施設情報を施設記憶手段から読み出す検索手段と、検索手段により読み出された施設情報を端末に送信する送信手段とを更に備えてもよい。
【0018】
この場合には、ユーザ端末の位置から所定の範囲内に存在する施設の施設情報が抽出されて端末に送信される。これにより、ユーザは自身の近くにある施設の情報を得ることができる。
【0019】
本発明のサーバでは、位置情報が地理的位置を少なくとも緯度経度で示す情報であってもよい。
【0020】
本発明のサーバでは、位置情報が地理的位置を緯度経度及び高度で示す情報であり、地理的範囲が三次元形状で示される範囲であってもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、ユーザの入力操作が行われた位置の重なりに基づいて複数の入力情報に対して共通の識別子が付与されるので、各ユーザにより入力された場所に関する情報を適切に結合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態に係る検索サーバを含むシステムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す携帯端末上に表示される、カテゴリ付与のための画面の例を示す図である。
【図3】図1に示す携帯端末上に表示される、施設表示画面の例を示す図である。
【図4】図3に示す画面の詳細を示す図である。
【図5】図1に示す検索サーバの機能構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示す検索サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図7】施設情報の例を示す図である。
【図8】入力操作位置情報の例を示す図である。
【図9】入力情報の例を示す図である。
【図10】カテゴリ辞書データの例を示す図である。
【図11】(a),(b)はカテゴリ辞書データの生成方法を説明するための図である。
【図12】(a),(b)は判定部による判定方法を説明するための図である。
【図13】(a)は施設の地理的範囲と施設情報の入力位置との関係を示す図であり、(b)は入力情報へのロケーションIDの割当てを示す図である。
【図14】(a)は施設の地理的範囲と施設情報の入力位置との関係を示す図であり、(b)は入力情報へのロケーションIDの割当てを示す図である。
【図15】(a)は施設の地理的範囲と施設情報の入力位置との関係を示す図であり、(b)は入力情報へのロケーションIDの割当てを示す図である。
【図16】(a)は施設の地理的範囲と施設情報の入力位置との関係を示す図であり、(b)は入力情報へのロケーションIDの割当てを示す図である。
【図17】図1に示す検索サーバにおける情報管理方法を示すフローチャートである。
【図18】(a),(b)は、図17における、グループ内の入力情報にロケーションIDを割り当てる処理の詳細を示すフローチャートである。
【図19】実施形態に係る検索プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、本発明に係るサーバを検索サーバに適用する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0024】
図1〜16を用いて、実施形態に係る検索サーバ10の機能及び構成を説明する。検索サーバ10は、ユーザが所有する携帯端末Tからの要求に応じて、施設に関する情報(施設情報)をその端末Tに送信するコンピュータ・システムである。なお、施設の例としては店や宿、観光地、公共施設などが挙げられるが、施設の種類はこれらに限定されない。携帯端末Tでは、受信した施設情報を施設のカテゴリ毎に集約して表示するが、このカテゴリはユーザ自身により予め付与されている。
【0025】
図1に示すように、検索サーバ10は通信ネットワークNを介して複数の携帯端末Tと接続されている。なお、図1では3台の携帯端末Tを示しているが、携帯端末Tは何台でもよい。携帯端末Tの例としては高機能携帯電話機(スマートフォン)や携帯情報端末(PDA)が挙げられるが、端末の種類はこれらに限定されない。
【0026】
検索サーバ10の機能構成を具体的に説明する前に、理解を容易にするために、検索サーバ10と連携する携帯端末T上に表示される画面について説明する。
【0027】
図2は、施設に関する情報を入力するための画面の例を示す図である。ユーザは図2に示すような画面を介して、自分が興味を持った施設そのものの情報や、その施設を分類するためのカテゴリの名称(カテゴリ名)を入力する。カテゴリ名は、ユーザが各施設に対して独自に付与する語句である。
【0028】
まず、ユーザは画面Daでカテゴリ名を選択する。ユーザは自身で既に登録したカテゴリのリスト(映画、本屋、ランチなど)から一つのカテゴリを選んでもよいし、リストにないカテゴリを入力して追加ボタンを押すことで新たなカテゴリを作成してもよい。図2の例では「本屋」というカテゴリが選択されている。
【0029】
続いて、ユーザは画面Dbで施設を選択する。ユーザは、周辺に存在する施設のリスト(本屋E,F)から施設を選択することが可能である。携帯端末TはGPS機能を搭載しており、その機能で得られた自端末の現在位置を示す位置情報を含むリスト要求信号を検索サーバ10に送信する。その後、携帯端末Tはその信号に応じて検索サーバ10から送られてきた施設情報のリスト(候補施設リスト)を受信し画面Db上に表示する。また、ユーザは、画面Db内の新規作成ボタンを押して画面Dcを表示させ、リストにない施設の情報を入力してもよい。ユーザにより入力される情報としては施設名や所在地などが挙げられるが、ユーザにより入力される施設情報の内容は何ら限定されない。
【0030】
ユーザが施設に関する入力操作を完了すると、携帯端末Tはその操作に基づく入力情報を生成して検索サーバ10に送信する。リストから施設が選択された場合には、入力情報は、ユーザを一意に特定するユーザIDと、携帯端末Tの現在位置を緯度経度で示した位置情報と、ユーザが選択した施設の施設IDとを含んでいる。ユーザが施設を新規に入力した場合には、入力情報は、ユーザIDと、位置情報と、ユーザが入力した施設情報(入力施設情報)とを含んでいる。
【0031】
図3は、ユーザの要求に応じた施設情報を表示する画面の例を示す図である。ユーザが施設検索を行うために画面Ddを開くと、当該ユーザ自身により登録され携帯端末T内に記憶されているカテゴリ名のリストが表示される。画面Ddでユーザが一のカテゴリを選択すると、携帯端末Tは選択されたカテゴリ名(指定カテゴリ名)と、携帯端末Tの現在位置を緯度経度で示す位置情報とを含むリクエスト信号を生成して検索サーバ10に送信する。その後、携帯端末Tはその信号に応じて検索サーバ10から送信された施設情報を受信し、受信した情報を施設の一覧として表示する(画面De)。図3の例では、カテゴリ名「ショップ」が選択され、そのカテゴリに属する施設が表示されている。画面Deでユーザが一の施設を選択すると、携帯端末Tはその施設の詳細情報を表示する(画面Df)。
【0032】
画面Dfの詳細な構成は図4に示すとおりである。画面の最上段には、携帯端末Tのユーザにより付与された施設のカテゴリ名と星の数で示されたランクとが表示されている。画面の中央には施設の写真、名前、住所、電話番号、及びウェブサイトのURLが表示されている。URLの右にある「公式」マークは、そのURLが公式ページ(施設により正式に認められたウェブページ)のものであることを示している。画面の下段には、その施設に対する各ユーザのコメント及び掲載時期が表示されている。
【0033】
次に、検索サーバ10の機能構成を具体的に説明する。図5に示すように、検索サーバ10は機能的構成要素として施設データベース(施設記憶手段)11、施設リスト取得部12、入力情報登録部13、入力情報データベース14、カテゴリ辞書データベース15、辞書登録部16、判定部(判定手段)17、関連付け部(関連付け手段、登録手段)18、リクエスト受信部(受信手段)19、検索部(検索手段)20、及び結果送信部(送信手段)21を備えている。
【0034】
この検索サーバ10は、図6に示すように、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラムなどを実行するCPU101と、ROM及びRAMで構成される主記憶部102と、ハードディスクなどで構成される補助記憶部103と、ネットワークカードなどで構成される通信制御部104と、キーボードやマウスなどの入力部105と、モニタなどの出力部106とで構成される。検索サーバ10の各機能は、CPU101や主記憶部102の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU101の制御の下で通信制御部104や入力部105、出力部106などを動作させ、主記憶部102や補助記憶部103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶部102や補助記憶部103内に格納される。
【0035】
なお、図6では検索サーバ10が1台のコンピュータで構成されているように示しているが、検索サーバ10の機能を複数台のコンピュータに分散させてもよい。例えば、図5に示す各データベースを備えるコンピュータとそれ以外の機能を備えるコンピュータとにより検索サーバ10を構成してもよい。
【0036】
図5に戻って、施設データベース11は、施設に関する施設情報を記憶する手段である。図7に示すように、施設情報は、施設を一意に特定するロケーションID(施設ID)と、その施設の領域と見做す地理的範囲を示す地理情報と、施設名や所在地、施設に関する各ユーザのコメントなどの施設関連情報とで構成されている。施設の地理的範囲の形状や、その範囲を示す地理情報の表現形式は任意に定めてよい。例えば図7に示すように、中心(x,y)で半径がrの地理的範囲を(x,y,r)という位置情報で示してもよい。複数の施設が密集しているような場所では、施設の地理的範囲は互いに重なる場合がある。ロケーションIDはあくまでも施設を一意に特定するものであり、地理的範囲を一意に特定するものではない。
【0037】
施設リスト取得部12は、携帯端末Tから受信したリスト要求信号に基づいて、該携帯端末Tの周辺に存在する施設の施設情報を候補施設リストとして抽出する手段である。施設リスト取得部12は携帯端末Tの現在位置を示す位置情報をリスト要求信号から抽出し、この位置情報と施設データベース11内の施設情報(地理情報)とを比較して、携帯端末Tの現在位置から所定の範囲内に存在する施設を特定する。なお、施設を探索する範囲は任意に定めてよい(例えば半径500mの円内など)。施設リスト取得部12は、特定した一以上の施設の施設情報を施設データベース11から読み出し、候補施設リストとして携帯端末Tに送信する。このリストは、上述したように画面Db上に表示される。
【0038】
なお、施設リスト取得部12はユーザにより入力された探索範囲内に存在する施設を特定してもよい。この場合には探索範囲を示す情報がリスト要求信号に含まれ、施設リスト取得部12はその範囲内の施設を特定する。
【0039】
入力情報登録部13は、携帯端末Tから送信されてきた入力情報を受信し、この入力情報に基づいて入力情報データベース14を更新する手段である。入力情報登録部13は受信したユーザID及び位置情報を互いに関連付けることで入力操作位置情報を生成し、その入力操作位置情報を入力情報データベース14の位置情報テーブル14aに登録する。入力操作位置情報は入力情報の一部であり、地理的位置(施設が存在する位置)を示す位置情報とその位置情報を入力したユーザとの関係を示す情報である。このような入力操作位置情報の登録に加えて、入力情報に新規の施設情報が含まれている場合には、入力情報登録部13は受信した入力情報を入力情報データベース14の施設テーブル14bに登録する。
【0040】
入力情報データベース14は、携帯端末Tから送信されてきた入力情報を記憶する手段である。入力情報データベース14は位置情報テーブル14a及び施設テーブル(入力情報記憶手段、結果記憶手段)14bを備えている。
【0041】
位置情報テーブル14aは、入力情報登録部13により生成された入力操作位置情報を記憶する手段である。位置情報テーブル14aの例を図8に示す。
【0042】
施設テーブル14bは、新規の施設情報(入力施設情報)を含む入力情報とロケーションIDとから成るレコードを記憶する手段である。入力情報は入力情報登録部13により記録され、ロケーションIDは後述する関連付け部18により記録される。以下では、施設テーブル14bに記録された位置情報で示される地理的位置を「入力位置」ともいう。施設テーブル14bの例を図9に示す。
【0043】
入力情報は各携帯端末Tから検索サーバ10に随時送られてくるので、位置情報テーブル14a及び施設テーブル14bには入力操作位置情報及び入力情報がそれぞれ蓄積されていく。一つの施設に対して複数のユーザが新規の施設として施設情報を入力する場合があるが、入力情報の生成時に取得される位置情報(緯度経度)は携帯端末T毎に区々であり、入力内容もユーザ毎に区々である。したがって、施設テーブル14bに記憶される入力情報を見るだけでは、どの入力情報がどの施設を示しているかを判断することはできない。そこで本実施形態では、施設と入力情報とを対応付ける処理を行うが、その詳細については後述する。
【0044】
カテゴリ辞書データベース15は、語句間の関連が定義された辞書のデータを記憶する手段である。カテゴリ辞書データベース15は、異なるユーザにより付与された異なるカテゴリ名同士が関連付けられた辞書データ(以下では「カテゴリ辞書データ」という)を記憶する。カテゴリ辞書データの例を図10に示す。カテゴリ辞書データは辞書登録部16により生成される。
【0045】
辞書登録部16は、異なるユーザにより付与された異なるカテゴリ名同士を関連付けることでカテゴリ辞書データを生成し、そのカテゴリ辞書データをカテゴリ辞書データベース15に記憶する手段である。
【0046】
まず、辞書登録部16は、一のユーザ(第1のユーザ)により一のカテゴリ名(第1のカテゴリ名)が付与された位置を示す入力情報(第1入力情報)と、別のユーザ(第2のユーザ)により一のカテゴリ名(第2のカテゴリ名)が付与された位置を示す入力情報(第2入力情報)とを施設テーブル14bから読み出す。
【0047】
続いて、辞書登録部16は第1及び第2の入力情報に基づいて、これら二人のユーザが所定数以上の共通の位置でカテゴリ名を付与したか否かを判定する。ただし、入力情報で示される位置は緯度経度であるので、一つの施設に対して複数のユーザがそれぞれカテゴリ名を付与したとしても、大抵は、これらに対応する入力情報内の位置情報は互いに異なる。したがって、辞書登録部16は、各位置情報で示される複数の位置が所定の地理的範囲内(例えば半径数十メートルの円内)に含まれていれば、それらの位置は共通であると判定する。辞書登録部16は、第1及び第2の入力情報に基づいて、第1及び第2のユーザのカテゴリ付与位置が何箇所で共通するかを求め、求めた値が所定数以上であるか否かを判定する。この判定に用いる閾値としては例えば2や3が挙げられるが、これ以外の値を用いてもよい。なお、辞書登録部16が用いる地理的範囲は、地理情報で示される範囲であってもよいし、それとは独立して定義された範囲であってもよい。
【0048】
共通する位置の数が所定数未満であれば、辞書登録部16は読み出した第1及び第2の入力情報に関する処理を終了する。一方、共通する位置の数が所定数以上であれば、辞書登録部16は第1のカテゴリ名と第2のカテゴリ名とを関連付けることでカテゴリ辞書データを生成し、その辞書データをカテゴリ辞書データベース15に登録する。
【0049】
辞書登録部16は上記の一連の処理を各ユーザの各カテゴリ名について実行し、これによりカテゴリ辞書データベース15が生成される。
【0050】
例を示しながら、このような辞書登録部16の処理を説明する。図11の地図M上に示されている各マークは図9に示す入力情報に対応し、破線の円は共通の位置とみなす地理的範囲を表している。閾値は2とする。以下では、あるユーザIDのあるカテゴリ名に関する入力情報を「(ユーザID,カテゴリ名)」という形式で表す。
【0051】
図11(a)の例では、(ユーザA,カフェ)及び(ユーザB、お茶)の組合せについて見ると、共通する位置が2箇所あり、(ユーザA,カフェ)及び(ユーザC、勉強場所)の組合せについても共通する位置が2箇所ある。したがって、辞書登録部16は結果的に、三つのカテゴリ名「カフェ」「お茶」「勉強場所」が互いに関連付けられたカテゴリ辞書データを生成する。
【0052】
一方、図11(b)の例では、(ユーザA,カフェ)、(ユーザB、お茶)、及び(ユーザC、勉強場所)の間のいずれの組合せについても、共通する位置は1箇所だけである。この場合には、辞書登録部16はカテゴリ辞書データを生成しない。
【0053】
判定部17は、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが位置情報を入力したか否かを判定する手段である。
【0054】
判定部17は、複数の共通のユーザに対応する入力操作位置情報を位置情報テーブル14aから読み出す。次に、判定部17は読み出した入力操作位置情報に基づいて、その複数の共通のユーザが所定数以上の共通の位置で位置情報を登録したか否かを判定する。以下では、理解を容易にするために、二人の共通のユーザが登録した位置情報に基づいて、位置情報の重なりを判定する方法について具体的に説明する。
【0055】
まず、判定部17は一のユーザ(第1のユーザ)により付与された位置を示す入力操作位置情報(第1の入力操作位置情報)と、別のユーザ(第2のユーザ)により付与された位置を示す入力操作位置情報(第2の入力操作位置情報)とを位置情報テーブル14aから読み出す。
【0056】
続いて、判定部17は第1及び第2の入力操作位置情報に基づいて、これら二人のユーザが所定数以上の共通の位置で位置情報を入力したか否かを判定する。ただし、入力操作位置情報で示される位置は緯度経度であるので、一つの施設に対して複数のユーザがそれぞれ位置情報を入力したとしても、大抵は、これらに対応する入力操作位置情報内の位置情報は互いに異なる。したがって、判定部17は、各位置情報で示される複数の位置が所定の地理的範囲内(例えば半径数十メートルの円内)に含まれていれば、それらの位置は共通であると判定する。ここで、判定部17が用いる地理的範囲は、地理情報で示される範囲である。判定部17は、第1及び第2の入力操作位置情報に基づいて、第1及び第2のユーザが位置情報を入力した位置が何箇所で共通するかを求め、求めた値が所定数以上であるか否かを判定する。この判定に用いる閾値としては例えば2や3が挙げられるが、これ以外の値を用いてもよい。
【0057】
共通する位置の数が所定数未満であれば、判定部17は関連付けフラグをOFFにセットする。一方、共通する位置の数が所定数以上であれば、判定部17は、関連付けフラグをONにセットする。ここで、関連付けフラグは、複数の共通のユーザが入力した位置情報が所定数以上の地理的範囲内に登録されているか否かを示す情報である。関連付けフラグがONに設定されていれば、後述する関連付け部18により入力情報の関連付けが実行される。一方、関連付けフラグがOFFに設定されていれば関連づけは実行されない。関連付けフラグは複数のユーザの組み合わせ毎に設定されるものである。
【0058】
例を示しながら、このような判定部17の処理を説明する。図12の地図M上に示されている各マークは図8に示す入力操作位置情報に対応し、破線の円は共通の位置とみなす地理的範囲を表している。判定で用いられる共通の地理的範囲の個数(閾値)は2とする。
【0059】
図12(a)の例において、ユーザA,Bを共通のユーザとし、これら二人のユーザにより入力された位置情報の組合せについて見ると、共通する位置が2箇所ある。したがって、判定部17は所定数以上の共通の地理的範囲において共通のユーザが位置情報を入力したと判断し、ユーザA,Bの組み合わせに対応する関連付けフラグをONにセットする。
【0060】
一方、図12(b)の例では、ユーザA,Bが入力した位置情報の組合せについて見ると、共通する位置は1箇所だけである。したがって、判定部17はユーザA,Bの組み合わせに対応する関連付けフラグをOFFにセットする。また、ユーザA,Cが入力した位置情報の組み合わせについても、共通する位置は1箇所だけである。したがって、判定部17はユーザA,Cの組み合わせに対応する関連付けフラグをOFFにセットする。
【0061】
判定部17は、このような判定処理をユーザの組み合わせのすべてに実行し、組み合わせ毎にセットされた関連付けフラグを関連付け部18に出力する。図12の例では2ユーザの組み合わせを示したが、当然ながら、判定部17は3人以上のユーザの組み合わせに対して上記の判定処理を実行してもよい。
【0062】
関連付け部18は、位置情報で示される地理的位置が共通の地理的範囲に含まれ、且つ、複数の共通のユーザに対応する複数の入力情報を互いに関連付ける手段である。
【0063】
まず、関連付け部18は施設テーブル14b内の施設情報と施設テーブル14b内の位置情報とを比較して、施設情報(地理情報)で示される一の地理的範囲で登録された入力情報(入力位置がその地理的範囲に含まれる入力情報)を抽出する。一つの入力情報のみを抽出した場合には、関連付け部18はその地理的範囲に対応するロケーションIDと抽出された入力情報とを関連付ける処理を施設テーブル14bに対して実行する。一方、複数の入力情報を抽出した場合には、関連付け部18は関連付けフラグを参照し、所定の条件を満たす複数の入力情報に同一のロケーションIDを割り当てる更新処理を施設テーブル14bに対して実行する。この処理により、複数の入力情報が一つのロケーションIDを介して関連付けられる。したがって、施設テーブル14bは結果記憶手段であるといえる。
【0064】
複数の入力情報を抽出した場合には、関連付け部18は、これらの入力情報で示される複数のユーザIDと、ユーザの組み合わせ毎に設定された関連付けフラグとを参照して、関連付けフラグがONであるユーザIDの組み合わせが抽出されたユーザIDの集合の中に存在するか否かを判定する。そして、そのようなユーザIDの組み合わせが存在する場合には、関連付け部18は当該ユーザIDの組み合わせに対応する複数の入力情報を抽出し、それらの入力情報をグループ化する。続いて、関連付け部18はグループ化した入力情報のそれぞれに同一のロケーションIDを関連付けることで入力情報を結合する。
【0065】
図13〜15を用いて結合処理の具体例を示す。図13に示すように、ロケーションID「0001」に対応する地理的範囲C1内で登録された入力情報が一つしか存在しない場合には、関連付け部18はこの入力情報に対してロケーションID「0001」を割り当てる。
【0066】
図14に示すように、マップMにおいてロケーションID「0001」に対応する地理的範囲C1及びロケーションID「0002」に対応する地理的範囲C2内でユーザA,Bがそれぞれ位置情報を入力している場合には、判定部17が図14ユーザA,Bの組み合わせに対応する関連付けフラグをONにセットする。
【0067】
このように関連付けフラグがセットされると、関連付け部18は二人の共通のユーザA,Bにより地理的範囲C1内で入力された位置R11,R21に関する2個の入力情報を一のグループGaとしてまとめる。また、関連付け部18は、ユーザA,Bにより地理的範囲C2内で入力された位置R12,R22に関する2個の入力情報を一のグループGbとしてまとめる。
【0068】
次に、関連付け部18は、グループ化された入力情報のそれぞれについて、地理的範囲毎に対応するロケーションIDを関連付ける。この例の場合、関連付け部18はグループGaとしてまとめられた位置R11,R21に関する2個の入力情報に、地理的範囲C1に対応するロケーションID「0001」を関連付ける。また、関連付け部18はグループGbとしてまとめられた位置R12,R22に関する2個の入力情報に、地理的範囲C2に対応するロケーションID「0002」を関連付ける。
【0069】
複数の施設が隣接していると、一方の施設の地理的範囲と他方の施設の地理的範囲とが重なり、その重複部分に複数の施設に関する複数の入力情報が属する場合がある。そのため、関連付け部18は、一方の施設の地理的範囲におけるグループ化処理の際に、複数のグループを生成する可能性がある。
【0070】
例えば図15に示すように、ロケーションID「0001」に対応する地理的範囲C1とロケーションID「0003」に対応する地理的範囲C3とが重なっており、その重複部分で位置R11,R21,R31,R41に関する4個の入力情報が登録されたとする。また、ロケーションID「0002」に対応する地理的範囲C2には、位置R12,R22に関する2個の入力情報が登録され、ロケーションID「0004」に対応する地理的範囲C3には、位置R32,R42に関する2個の入力情報が登録されたとする。この場合には、関連付け部18は図14の例と同様に、ユーザA,Bの位置の重なりを考慮して、位置R11とR21に関する2個の入力情報をグループGaとしてまとめ、位置R12,R22に関する2個の入力情報をグループGbとしてまとめる。更に、関連付け部18はユーザCとユーザDの位置の重なりを考慮して、位置R31,R41に関する2個の入力情報をグループGcとしてまとめ、位置R32,R42に関する2個の入力情報をグループGdとしてまとめる。
【0071】
関連付け部18は、グループGbとしてグループ化された位置R12,R22に関する2個の入力情報と、グループGdとしてグループ化された位置R32,R42に関する2個の入力情報とに対して、ロケーションID「0002」,ID「0004」をそれぞれ割り当てる。これに対して位置R11,R21,R31,R41に関する4個の入力情報のように、複数の地理的範囲の重複部分に対応する入力情報が存在する場合には、関連付け部18はその入力情報にどのロケーションIDを割り当てるかを決める必要がある。その決定方法について二つの例を以下に示す。
【0072】
第1の方法は、位置情報で示される入力位置と地理的範囲の中心との位置関係に基づいて、割り当てるロケーションIDを自動的に決めるものである。関連付け部18は、グループ内の各入力情報で示される各位置の中間点を求めた上で、地理的範囲の中心がその中間点に最も近い施設情報のロケーションIDをそのグループに対して割り当ててもよい。
【0073】
図15の例では、グループGaに対応する2地点の中間点には地理的範囲C1の中心CP1が最も近く、グループGcに対応する2地点の中間点には地理的範囲C3の中心CP3が最も近い。したがって、関連付け部18は位置R11,R21に関する2個の入力情報に対して同一のロケーションID「0001」を割り当て、位置R31,R41に関する2個の入力情報に対して同一のロケーションID「0003」を割り当てる。
【0074】
このようなロケーションIDの割当ては、重複部分に属する入力情報が一つだけ存在する場合でも同様に行われる。図16の例では、位置R11には地理的範囲C1の中心CP1が最も近いので、関連付け部14は位置R11に関する入力情報に対してロケーションID「0001」を割り当てる。
【0075】
第2の方法は、人により指定されたロケーションIDを割り当てるものである。関連付け部18は、グループ化された複数の入力情報をどの施設に対応付けるかを問い合わせるための問合せ情報を生成して所定の端末に送信する。問合せ情報には、グループ化された入力情報と、ロケーションID(施設情報)の候補とが含まれる。問合せ情報の送信先は、検索サーバ10の管理者の端末(図示せず)であってもよいし、ユーザの携帯端末Tであってもよい。問合せ情報を受信した端末では、端末のユーザによる関連付け操作が行われ、この操作により指定された施設を示す回答情報が検索サーバ10に向けて送信される。関連付け部18はその回答情報を受信し、その情報で示される施設のロケーションIDを各入力情報に割り当てる。
【0076】
図15の例では、関連付け部18はグループGaに属する2個の入力情報と、グループGcに属する2個の入力情報と、ロケーションID「0001」,「0003」に関する施設情報とを所定の端末に送信する。図16の例では、関連付け部18は位置R11に関する入力情報と、ロケーションID「0001」,「0003」に関する施設情報とを所定の端末に送信する。受信端末ではそれらの情報を表示するとともに関連付けの入力操作を受け付け、その入力操作に基づく回答情報を検索サーバ10に送信する。関連付け部18はその回答情報に基づいて、例えば図15(b)や図16(b)のようにロケーションIDを各入力情報に割り当てる。
【0077】
関連付け部18は入力情報とロケーションIDとの関連付けを各施設の地理的範囲について実行する。なお、ある地理的範囲に対応する入力情報を1件も抽出できなかった場合には、関連付け部18はその地理的範囲についての処理を終了し、次の地理的範囲についての処理に移る。
【0078】
図5に戻って、リクエスト受信部19は、画面De,Dfに表示する施設情報の要求を示すリクエスト信号を携帯端末Tから受信する手段である。リクエスト受信部19は受信したリクエスト信号を検索部20に出力する。
【0079】
検索部20は、入力されたリクエスト信号に対応する施設情報を施設データベース11から読み出す手段である。まず、検索部20はリクエスト信号から指定カテゴリ名及び位置情報を抽出する。続いて、検索部20は指定カテゴリ名と関連付けられている別のカテゴリ名(以下では「関連カテゴリ名」という)をカテゴリ辞書データベース15から抽出する。図10を前提とすると、例えば検索部20は指定カテゴリ名「カフェ」と関連付けられている「お茶」「勉強場所」を抽出する。
【0080】
続いて、検索部20は、施設データベース11及び施設テーブル14bを参照して、指定カテゴリ名又は関連カテゴリ名を含み、且つ位置情報で示される携帯端末Tの現在位置から所定の地理的範囲内に存在する施設の施設情報を施設データベース11から読み出す。施設データベース11と施設テーブル14bとはロケーションIDを介して互いに関連付けられているので、このような検索が可能となる。なお、施設の探索範囲は任意に定めてよい(例えば半径500mの円内など)。検索部20は抽出した施設情報を結果送信部21に出力する。
【0081】
なお、検索部20はユーザにより入力された探索範囲内に存在する施設の情報を抽出してもよい。この場合には探索範囲を示す情報がリクエスト信号に含まれ、検索部20はその範囲内の施設を抽出する。
【0082】
結果送信部21は、検索部20から入力された施設情報を、リクエスト信号の送信元である携帯端末Tに検索結果として送信する手段である。携帯端末Tはこの施設情報を用いて画面De,Dfを表示する。
【0083】
次に、図17,18を用いて、検索サーバ10の動作を説明するとともに本実施形態に係る情報管理方法について説明する。以下では、各携帯端末Tから受信した入力情報に基づいて、施設テーブル14bに一定数以上の入力情報が記憶されていることを前提として説明する。
【0084】
まず、判定部17は複数のユーザ(図12の例では2ユーザ)に対応する入力操作情報を施設テーブル14aから読み出す。(ステップS11)。続いて、判定部17は読み出した入力操作位置情報に基づいて、それら複数のユーザが所定数以上(閾値以上)の共通の位置で位置情報を入力したか否かを判定する(ステップS12)。そして、所定数以上の共通の位置で位置情報が入力されている場合には(ステップS13;YES)、関連付け部18は、それら複数のユーザが入力した入力情報を地理的範囲毎にグループ化し(ステップS14)、グループ内の入力情報に対して同一のロケーションIDを割り当てる処理をグループ毎に実行する(ステップS15)。判定部17及び関連付け部18は、上記ステップS11〜S15の処理を、すべてのユーザの組合せについて実行する(ステップS16)。このように、ステップS11〜S16の処理は判定ステップ及び関連付けステップ、登録ステップを含んでいるといえる。
【0085】
グループ化された入力情報に対するロケーションIDの割当て(ステップS15)は図18に示すように行われる。ここで、図18(a)は上記第1の方法(自動割当て)を示し、図18(b)は上記第2の手法(端末での指定に基づく割当て)を示している。
【0086】
まず、関連付け部18は入力情報のグループが属している地理的範囲の個数を判定する(ステップS151)。そして、そのグループが一の地理的範囲にのみ属しているならば(ステップS151;「1」)、関連付け部18はその地理的範囲に対応するロケーションIDをそのグループ内の各入力情報に割り当てる(ステップS152)。
【0087】
一方、グループが複数の地理的範囲に属しているならば(ステップS151;「複数」)、関連付け部18はそのグループの各入力情報に割り当てるロケーションIDを判断する必要がある。上記第1の手法の場合には、関連付け部18は、グループ内の各入力情報で示される位置の中間点に最も近い中心を持つ地理的範囲を特定し(ステップS153A)、特定した地理的範囲に対応するロケーションIDをそのグループの各入力情報に割り当てる(ステップS154A)。これに対して上記第2の手法の場合には、関連付け部18はグループ内の各入力情報とロケーションID(施設情報)の候補と含む問合せ情報を所定の端末に送信する(ステップS153B)。その後、関連付け部18はその端末から受信した回答情報に基づいて、端末での入力操作により指定されたロケーションIDを各入力情報に割り当てる(ステップS154B)。
【0088】
次に、図19を用いて、コンピュータを検索サーバ10として機能させるための検索プログラム(情報管理プログラム)P1を説明する。
【0089】
検索プログラムP1は、メインモジュールP10、施設記憶モジュールP11、施設リスト取得モジュールP12、入力情報登録モジュールP13、入力情報記憶モジュールP14、カテゴリ辞書記憶モジュールP15、辞書登録モジュールP16、判定モジュールP17、関連付けモジュールP18、リクエスト受信モジュールP19、検索モジュールP20、及び結果送信モジュールP21を備えている。
【0090】
メインモジュールP10は、情報管理機能や検索機能を統括的に制御する部分である。施設記憶モジュールP11、施設リスト取得モジュールP12、入力情報登録モジュールP13、入力情報記憶モジュールP14、カテゴリ辞書記憶モジュールP15、辞書登録モジュールP16、判定モジュールP17、関連付けモジュールP18、リクエスト受信モジュールP19、検索モジュールP20、及び結果送信モジュールP21を実行することにより実現される機能はそれぞれ、上記の施設データベース11、施設リスト取得部12、入力情報登録部13、入力情報データベース14(位置情報テーブル14a及び施設テーブル14b)、カテゴリ辞書データベース15、辞書登録部16、判定部17、関連付け部18、リクエスト受信部19、検索部20、及び結果送信部21の機能と同様である。
【0091】
検索プログラムP1は、例えば、CD−ROMやDVD、ROM、半導体メモリ等の有形の記録媒体に記録された上で提供される。また、検索プログラムP1は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0092】
以上説明したように、本実施形態によれば、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが入力操作を行ったと判定された場合には、共通の地理的範囲毎に、該範囲に対応する複数の共通のユーザの入力情報が共通のロケーションIDにより互いに関連付けられ登録される。このように、ユーザの入力操作が行われた位置の重なりを考慮して入力情報をグループ化し、グループ化した入力情報に共通の識別子を付与することで、各ユーザにより入力された場所に関する情報を適切に統合することができる。
【0093】
本実施形態によれば、複数の入力情報に対する施設(地理的範囲)の候補が複数ある場合でも複数の入力情報に対応する施設を特定することができる。入力情報で示される位置の中間点と各地理的範囲との位置関係に基づいてロケーションIDを決めるようにすれば、複数の入力情報に対応する可能性が高い施設を自動的に決めることができる。また、入力情報に割り当てるロケーションIDをユーザ操作に基づいて決めるようにすれば、複数の入力情報に対応する施設をユーザの要求通りに決めることができる。
【0094】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0095】
各種データ及びデータベースの構成は上記のものに限定されない。上記実施形態では検索サーバ10が各種データベースを備えているが、検索サーバ以外のサーバがデータベースを備え、検索サーバはそのデータベースに通信ネットワーク経由でアクセスして情報を取得するようにしてもよい。例えば、検索サーバは施設データベース11に相当するデータベースを備えずに、所定の施設管理サーバ内に設けられた施設データベースから施設情報を取得してもよい。
【0096】
上記実施形態では入力情報に含まれる位置情報が緯度経度の形式で表現されていたが、位置情報の表現形式はこれに限定されない。例えば、位置情報を緯度経度以外の形式(例えば所在地など)で示してもよい。
【0097】
また、位置情報を緯度経度及び高度により三次元的に表現してもよい。この場合には、例えば(x11,y11,z11)で示されるような位置情報を含む入力情報が蓄積されることになる。この場合には、判定部17及び関連付け部18が共通の位置と見做す地理的範囲や、地理情報で示される地理的範囲も三次元形状で表現されることになる(例えば、半径が数十メートルで高さが数メートルの仮想的な円柱で示される範囲)。三次元的に表現された位置情報を用いれば、平面的な範囲だけでなく高さも考慮して入力情報を適切に結合することができる。例えば、同じビル内の異なる階に対応する入力情報同士を区別できる。
【0098】
検索手段が施設情報を検索する際には、ユーザ間の関係(例えば「友人関係」など)を示すユーザ関係情報を所定のデータベースから取得し、その情報も用いて施設情報を抽出してもよい。ユーザ関係情報は、例えば、所定のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上でユーザにより登録された友人関係の情報を記憶するデータベースから取得できる。
【0099】
例えば、検索手段は施設情報を要求しているユーザ(リクエストユーザ)とユーザ関係情報上で所定の関係にある者により位置情報が入力された施設情報のみを抽出する。この場合には、リクエスト信号には更に、ユーザ関係に基づく検索範囲を示すユーザ範囲情報(例えば「友人により登録された施設を検索する」ことを示すユーザ範囲情報)が含まれる。検索手段は、ユーザ範囲情報、ユーザ関係情報、及び上記のように抽出した施設情報を比較して、そのユーザ範囲情報で示される検索範囲内に存在する施設情報のみを検索結果として出力する。
【0100】
検索手段は、ユーザ関係情報に基づいて、抽出された各施設情報に画面Deでの表示順を設定してもよい。例えば、検索手段は、ユーザ関係情報上でリクエストユーザと所定の関係にある者によりカテゴリが付与された施設情報が、リクエストユーザと何の関係も無い者によりカテゴリが付与された施設情報よりも上位に表示されるように、表示順を設定してもよい。
【符号の説明】
【0101】
10…検索サーバ、11…施設データベース、12…施設リスト取得部、13…入力情報登録部、14…入力情報データベース、14a…位置情報テーブル、14b…施設テーブル、15…カテゴリ辞書データベース、16…辞書登録部、17…判定部、18…関連付け部、19…リクエスト受信部、20…検索部、21…結果送信部、P1…検索プログラム(情報管理プログラム)、P10…メインモジュール、P11…施設記憶モジュール、P12…施設リスト取得モジュール、P13…入力情報登録モジュール、P14…入力情報記憶モジュール、P15…カテゴリ辞書記憶モジュール、P16…辞書登録モジュール、P17…判定モジュール、P18…関連付けモジュール、P19…リクエスト受信モジュール、P20…検索モジュール、P21…結果送信モジュール、T…携帯端末。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
地理的位置を示す位置情報と、該位置に関する入力操作を行なったユーザを特定するユーザIDとが互いに関連付けられた入力情報を記憶する入力情報記憶手段と、
前記入力情報記憶手段を参照して、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが前記入力操作を行ったか否かを判定する判定手段と、
前記所定数以上の共通の地理的範囲において前記複数の共通のユーザが前記入力操作を行ったと判定された場合に、該所定数以上の共通の地理的範囲のそれぞれについて、前記位置情報で示される地理的位置が該共通の地理的範囲に含まれ、且つ、該複数の共通のユーザに対応する複数の入力情報を抽出し、抽出された該複数の入力情報に対して共通の識別子を割り当てることで該複数の入力情報を互いに関連付ける関連付け手段であって、前記共通の識別子が前記共通の地理的範囲毎に異なる、該関連付け手段と、
前記関連付け手段により前記共通の地理的範囲毎に互いに関連付けられた複数の入力情報を結果記憶手段に登録する登録手段と
を備えるサーバ。
【請求項2】
施設に関する施設情報であって、施設を特定する施設IDと該施設の地理的範囲を示す地理情報とを少なくとも含む該施設情報を記憶する施設記憶手段を更に備え、
前記共通の地理的範囲が、前記地理情報で示される地理的範囲であり、
前記共通の識別子が前記施設IDであり、該施設IDは、前記抽出された複数の入力情報に対応する前記地理情報と対応している、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記抽出された複数の入力情報で示される複数の地理的位置が、一の施設情報で示される地理的範囲、及び別の施設情報で示される地理的範囲に含まれる場合に、前記関連付け手段が、該複数の地理的位置の中間点と各地理的範囲の中心とを比較し、中心が該中間点に最も近い地理的範囲に対応する施設IDを該複数の入力情報に割り当てる、
請求項2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記抽出された複数の入力情報で示される複数の地理的位置が、一の施設情報で示される地理的範囲、及び別の施設情報で示される地理的範囲に含まれる場合に、前記関連付け手段が、該複数の入力情報をどの施設に対応付けるかを問い合わせるための問合せ情報を生成して所定の端末に送信し、該問合せ情報に応じて該端末においてユーザにより指定された施設を示す回答情報を該端末から受信し、受信した回答情報で示される施設の施設IDを該複数の入力情報に割り当てる、
請求項2に記載のサーバ。
【請求項5】
ユーザの端末の位置を示す前記位置情報を含むリクエスト信号を該端末から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたリクエスト信号内の位置情報に基づいて前記結果記憶手段及び前記施設記憶手段を参照して、前記位置情報で示される位置から所定の範囲内に存在する施設の施設情報を前記施設記憶手段から読み出す検索手段と、
前記検索手段により読み出された施設情報を前記端末に送信する送信手段と
を更に備える、請求項2〜4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記位置情報が前記地理的位置を少なくとも緯度経度で示す情報である、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項7】
前記位置情報が前記地理的位置を前記緯度経度及び高度で示す情報であり、
前記地理的範囲が三次元形状で示される範囲である、
請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
サーバにより実行される情報管理方法であって、
地理的位置を示す位置情報と、該位置に関する入力操作を行なったユーザを特定するユーザIDとが互いに関連付けられた入力情報を記憶する入力情報記憶手段を参照して、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが前記入力操作を行ったか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにおいて前記所定数以上の共通の地理的範囲において前記複数の共通のユーザが前記入力操作を行ったと判定された場合に、該所定数以上の共通の地理的範囲のそれぞれについて、前記位置情報で示される地理的位置が該共通の地理的範囲に含まれ、且つ、該複数の共通のユーザに対応する複数の入力情報を抽出し、抽出された前記複数の入力情報に対して共通の識別子を割り当てることで該複数の入力情報を互いに関連付ける関連付けステップであって、前記共通の識別子が前記共通の地理的範囲毎に異なる、該関連付けステップと、
前記関連付け手段により前記共通の地理的範囲毎に互いに関連付けられた複数の入力情報を結果記憶手段に登録する登録ステップと
を含む情報管理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
地理的位置を示す位置情報と、該位置に関する入力操作を行なったユーザを特定するユーザIDとが互いに関連付けられた入力情報を記憶する入力情報記憶手段と、
前記入力情報記憶手段を参照して、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが前記入力操作を行ったか否かを判定する判定手段と、
前記所定数以上の共通の地理的範囲において前記複数の共通のユーザが前記入力操作を行ったと判定された場合に、該所定数以上の共通の地理的範囲のそれぞれについて、前記位置情報で示される地理的位置が該共通の地理的範囲に含まれ、且つ、該複数の共通のユーザに対応する複数の入力情報を抽出し、抽出された前記複数の入力情報に対して共通の識別子を割り当てることで該複数の入力情報を互いに関連付ける関連付け手段であって、前記共通の識別子が前記共通の地理的範囲毎に異なる、該関連付け手段と、
前記関連付け手段により前記共通の地理的範囲毎に互いに関連付けられた複数の入力情報を結果記憶手段に登録する登録手段と
して機能させる情報管理プログラム。
【請求項10】
コンピュータを、
地理的位置を示す位置情報と、該位置に関する入力操作を行なったユーザを特定するユーザIDとが互いに関連付けられた入力情報を記憶する入力情報記憶手段と、
前記入力情報記憶手段を参照して、所定数以上の共通の地理的範囲において複数の共通のユーザが前記入力操作を行ったか否かを判定する判定手段と、
前記所定数以上の共通の地理的範囲において前記複数の共通のユーザが前記入力操作を行ったと判定された場合に、該所定数以上の共通の地理的範囲のそれぞれについて、前記位置情報で示される地理的位置が該共通の地理的範囲に含まれ、且つ、該複数の共通のユーザに対応する複数の入力情報を抽出し、抽出された前記複数の入力情報に対して共通の識別子を割り当てることで該複数の入力情報を互いに関連付ける関連付け手段であって、前記共通の識別子が前記共通の地理的範囲毎に異なる、該関連付け手段と、
前記関連付け手段により前記共通の地理的範囲毎に互いに関連付けられた複数の入力情報を結果記憶手段に登録する登録手段と
して機能させる情報管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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