説明

サーバシステム

【課題】メダルゲーム機をメダルだけでなく携帯電話機などの通信装置によってメダルを支払ったものとすることができると共にゲーム処理の内容に変化を与える。
【解決手段】メダルゲームコントロールサーバ16は、インターネット10を通じてメダルゲーム機11から動作状況を示す情報を受信する。課金案内ホームページサーバ15は、携帯電話機18からメダルゲーム機11を識別する識別情報(サテライト情報)と共にゲーム利用料金の決済要求を受信する。課金サーバ17は、この受信された決済要求に応じて、メダルゲームコントロールサーバ16によって受信された識別情報に該当するメダルゲーム機11の動作状況が予め決められた所定の動作状況にある場合に課金処理を実行する。メダルゲームコントロールサーバ16は、課金サーバ17による課金処理が完了した場合に、識別情報に該当するメダルゲーム機11に所定のゲーム処理を実行させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続されたゲーム機を制御するサーバシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームセンタ等に設置されるゲーム機には、メダルの投入に伴って動作する各種のメダルゲーム機が設置されている。例えば、プッシャーマシン、ポーカーゲーム、ビンゴゲーム、スロットマシンなどがある。利用者は、メダルゲーム機を利用する場合、ゲームセンタに設置されたメダル貸し機から所定の料金を支払ってメダルを借りる必要がある。利用者は、メダル貸し機から借り入れたメダルを用いて、各種のメダルゲーム機を利用することができる。
【0003】
従来では、メダル貸出機に代えて、遊技者が所有する携帯電話機を利用してメダルを借り入れることができるシステムが考えられている(特許文献1参照)。特許文献1に記載されたシステムでは、携帯電話機の電話番号データとメダル借入枚数を示す貸出枚数データをサーバ装置に送信して、電話番号データと関連付けて貸出枚数データを登録しておく。遊技者は、メダルゲーム機で遊技する際、メダル枚数(ベット枚数)と予め登録してある電話番号を入力する。メダルゲーム機は、サーバ装置において電話番号とメダル借入枚数が確認された場合に、入力されたメダル枚数が支払われたものとしてゲームを実行する。
【特許文献1】特開2002−239204号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、特許文献1に記載されたシステムでは、携帯電話機を利用することによって、実際にメダルを使用しなくてもメダルゲーム機を利用することができる。しかしながら、従来のシステムでは、メダル貸出機から借り入れたメダルの代わりに、携帯電話機を利用してメダルを支払ったものとすることができるだけで、メダルゲーム機で実行されるゲーム処理の内容については何ら変わるものではなかった。
【0005】
本発明は前述した事情に考慮してなされたもので、その目的は、メダルゲーム機をメダルだけでなく携帯電話機などの通信装置によってメダルを支払ったものとすることができるようにし、この場合にゲーム処理の内容に変化を与えてゲーム性を向上させることが可能なサーバシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ネットワークを介して接続されたゲーム機の動作を制御するサーバシステムであって、ネットワークを通じてゲーム機から動作状況を示す情報を受信する動作状況受信手段と、前記ネットワークを通じて接続される通信装置から、ゲーム機を識別する識別情報と共にゲーム利用料金の決済要求を受信する決済要求受信手段と、前記決済要求受信手段によって受信された決済要求に応じて、前記動作状況受信手段によって受信された前記識別情報に該当するゲーム機の動作状況が予め決められた所定の動作状況にある場合に課金処理を実行する課金処理手段と、前記課金処理手段による課金処理が完了した場合に、前記識別情報に該当するゲーム機に所定のゲーム処理を実行させるゲーム制御手段とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、通信装置からゲーム機を識別する識別情報と共にゲーム利用料金の決済要求が受信され、この決済要求に対する課金処理が完了した場合には、識別情報が示すゲーム機に所定のゲーム処理を実行させるので、通信装置を用いた決済に伴って通常とは異なるゲーム処理を実行させてゲーム性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態におけるシステムの構成を示すブロック図である。図1に示すシステムにおいて、ゲームセンター等の遊技施設に設置された複数のメダルゲーム機11(11−1,11−2,…,11−n)は、インターネット10などのネットワークを介して、サーバシステム14と接続される。メダルゲーム機11は、ポーカーゲーム、ビンゴゲーム、スロットマシン、プッシャーマシンなど各種のゲーム機である。本実施形態におけるメダルゲーム機11は、通常ではメダルが投入されることにより所定のゲーム処理を実行するが、予め決められた所定の動作状況となった場合に携帯電話機18などの通信装置を使用した決済が行われることにより、メダルが投入された場合に実行される通常のゲーム処理とは異なるゲーム処理を実行することができる。
【0009】
サーバシステム14は、メダルゲーム機11についてのゲーム利用料金の決済を、携帯電話機18などの通信装置を利用して行うための課金サービスを提供するもので、決済要求に応じた課金処理や、通信装置を利用した決済に伴うメダルゲーム機11の制御を行う。サーバシステム14には、課金サービスを実現するための課金案内ホームページサーバ15、メダルゲームコントロールサーバ16、課金サーバ17が含まれている。各サーバ15,16,17は、インターネット10を含むネットワークを介して、他の情報機器と通信をするための機能が設けられたコンピュータにより実現される。サーバ15,16,17を実現するコンピュータは、所定のプログラムを実行することにより以下に説明する各種機能を提供する。
【0010】
課金案内ホームページサーバ15は、課金サービスを利用しようとする携帯電話機18などの通信端末との間で、ネットワークを通じて各種のデータを送受信する。課金案内ホームページサーバ15は、インターネット上に課金サービスの利用を受け付けるための課金案内ホームページ(Webページ)を公開しており、このページを通じて携帯電話機18との間でデータを送受信する。課金案内ホームページサーバ15は、携帯電話機18からゲーム機11を識別する識別情報(サテライト番号)と共にゲーム利用料金の決済要求を受信し、この受信された識別情報に該当するゲーム機の動作状況をもとに、メダルゲームコントロールサーバ16によってメダルゲーム機11に対して実行させることができる複数の異なるゲーム処理を携帯電話機18に提示する。
【0011】
メダルゲームコントロールサーバ16は、インターネット10を通じてメダルゲーム機11の動作を制御するもので、課金案内ホームページサーバ15により受信されたゲーム利用料金の決済要求に対して、課金サーバ17による課金処理が完了した場合に、携帯電話機18から受信した識別情報に該当メダルゲーム機11に所定のゲーム処理を実行させる。メダルゲームコントロールサーバ16は、課金案内ホームページサーバ15から携帯電話機18に対して提示された複数のゲーム処理から何れかが選択された場合に、この選択されたゲーム処理をメダルゲーム機11に実行させる。
【0012】
課金サーバ17は、課金案内ホームページサーバ15により受信されたゲーム利用料金の決済要求に応じて課金処理を実行する。課金サーバ17による課金処理は、例えば携帯電話機18が加入する通信会社を通じて行ったり、予め携帯電話機18の利用者が登録しているクレジット会社に対して行ったりするなど、その方法は特に限定されないものとする。
【0013】
なお、図1では、サーバシステム14を3つのサーバ15.16.17により構成しているが、1つあるいは2つのサーバ、または4つ以上のサーバにより構成されるようにしても良い。
【0014】
図2は、メダルゲーム機11の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、メダルゲーム機11には、制御部20、記憶部22、処理部24、通信部26、入力部27、表示部28、及び音声出力部49が含まれている。
【0015】
制御部20は、基本プログラムやゲーム処理プログラムを実行することで、メダルゲーム機11全体の制御を司る。
【0016】
記憶部22は、サーバシステム14(メダルゲームコントロールサーバ16)との間で送受信される各種のデータや各種機能を実現するためのプログラム等を記憶する。記憶部22には、例えば動作状況情報22a、利用者情報22bが記憶される。
動作状況情報22aは、メダルゲーム機11により実行されるゲーム処理の動作状況を示す情報である。例えば、ゲームが終了した時点、ゲーム処理途中における動作状況を示すもので、例えばポーカーゲームでは、現在までに揃っているカードの組み合わせを示し、ビンゴゲームでは、選択された数字とこの数字に応じたビンゴカードの空いている位置を示し、スロットマシンでは、リールが停止された位置と揃っている絵柄の組み合わせなどを示す。
【0017】
利用者情報22bは、サーバシステム14の課金サービスを利用した利用者についての情報であり、メダルゲームコントロールサーバ16から受信される情報である。メダルゲーム機11は、利用者情報22bを表示することにより、携帯電話機18の利用者に対して課金処理が完了し、ゲーム処理が継続して実行されることを通知する。
【0018】
処理部24は、ゲーム処理プログラムを実行することにより実現される機能でありゲーム制御処理部24a、課金サービス処理部24bが含まれている。ゲーム制御処理部24aは、メダルゲーム機11におけるゲームの進行を制御するもので、ゲーム種類(プッシャーマシン、ポーカーゲーム、ビンゴゲーム、スロットマシン等)に対応するゲーム処理プログラムによって、各ゲーム種類に応じたゲーム処理を実行する。ゲーム制御処理部24aは、通常ではメダルの投入に伴ってゲーム処理を制御するが、課金サービスを利用してゲーム利用料金の決済が実行された場合には、サーバシステム14(メダルゲームコントロールサーバ16)からの指示に応じて、メダルが投入された場合とは異なるゲーム処理を実行する。
【0019】
課金サービス処理部24bは、利用者に課金サービスを利用させるための処理を実行するもので、ゲーム制御処理部24aにより制御されたゲーム処理の動作状況が予め決められた所定の動作状況にある場合、例えば役が成立する直前の状況にある場合に、課金サービスが利用可能であることを利用者に通知すると共に課金案内ホームページサーバ15のアクセス先を示す情報を提供する。役が成立する直前の状況としては、例えばポーカーゲームでは、役を成立させるためにあと1枚揃う必要がある状況、ビンゴゲームでは、リーチの状態となっている状況、スロットマシンでは、1つのリールの絵柄が揃うことで役が成立する状況などがある。
【0020】
通信部26は、インターネット10を通じて、サーバシステム14(メダルゲームコントロールサーバ16)や他のメダルゲーム機11など、他の装置との通信を制御する。
【0021】
入力部27は、施設に設置されたサーバ18に対する利用者による直接的な入力操作を処理するもので、例えばキーボードやボタン、タッチパネルなどの入力装置を含む。入力部27には、ゲーム種類に応じた固有の入力装置が設けられているものとする。
【0022】
表示部28は、テキストデータや画像(映像)データに対する表示処理を行うもので、例えば液晶ディスプレイなどの表示装置を含む。表示部28は、ゲーム処理の進行に伴って、ゲーム種類に応じた各種のテキストや画像(映像)を表示装置において表示させる。例えば、メダルゲーム機11がスロットゲームの場合には、実物のスロットマシンにおける3本のリールの動きと同様の映像が表示される。ビンゴゲームの場合には、ビンゴカードを表す映像やメダルの投入に伴って選択される数字などが表示される。ポーカーゲームの場合には、トランプを表す映像などが表示される。
【0023】
音声出力部49は、ゲーム処理の進行に伴ってBGM(back ground music)や効果音など、各種の音声を出力させるための音声処理を実行する。
【0024】
次に、本実施形態におけるゲームシステムの動作について、フローチャートを参照しながら説明する。
図3は、課金案内ホームページサーバ15の動作を示すフローチャート、図4は、課金サーバ17の動作を示すフローチャート、図5は、メダルゲームコントロールサーバ16の動作を示すフローチャートである。また、図6は、メダルゲーム機11の動作を示すフローチャートである。
【0025】
まず、メダルゲーム機11では、メダルが投入されることによりゲーム処理が実行されているものとする(図6、ステップD1)。
例えば、ポーカーゲーム機では、コインの投入により5枚のカードが配られて、さらにコインを投入することにより5枚のカードのうち任意に選択したカードの交換が実行されるものとする。通常のゲーム処理では、カードの交換を1回のみ可能としている。交換が終了した後のカードの組み合わせが役となっている場合には、役に応じたメダルが払い戻される。
【0026】
また、ビンゴゲームでは、5×5のマトリクス状にランダムに数字が配列されたビンゴカードが設定され、メダルの投入に伴って数字が選択される。この選択された数字と同じ数字がビンゴカードにある場合には、該当位置を空けていき、空いた位置が5つ並んだ場合にメダルが払い出される。5つ並んだ列が複数ある場合には、列数に応じたメダルが払い戻される。通常のゲーム処理では、数字の選択を予め決められた規定回数以内としている。
【0027】
また、スロットゲームでは、コインが投入されることによって、3本のリールが回転され、各リールに対する回転停止の指示を入力する。この指示に応じて停止された各リールの絵柄の組み合わせが役に該当する場合に、役に応じた枚数のメダルが払い戻される。通常のゲーム処理では、メダルの投入に伴って3本のリールの全てが回転される。
【0028】
メダルゲーム機11は、ゲーム処理が終了されると(ステップD2)、このゲーム処理の終了時の状況が予め決められた所定の動作状況にある場合には、課金サービスの案内メッセージを出力する(ステップD3)。
【0029】
例えば、予め決められた所定の動作状況としては、例えばメダルの払い戻しの条件が成立する直前の状況とし、ポーカーゲームの場合では、役を成立させるためにあと1枚揃う必要がある状況、ビンゴゲームでは、リーチの状態となっている状況、スロットマシンでは、1つのリールの絵柄が揃うことで役が成立する状況などがある。
【0030】
なお、前述した所定の動作状況は一例であって、メダルゲーム機11により実行されるゲーム処理に応じて任意に決めることができる。
【0031】
メダルゲーム機11は、課金サービスの案内メッセージとして、携帯電話機18を利用した決済をすることで、通常では実行されないゲーム処理を実行可能であることを通知すると共に、課金サービスを利用した決済方法について案内する。メダルゲーム機11は、課金サービスを利用した決済方法について案内において、課金サービスを利用するための携帯電話機18によるアクセス先、すなわち課金案内ホームページサーバ15がインターネット10に公開しているWebページのアドレスを表示したり、アドレスの情報が含まれるQR(Quick response)コードを表示したりするようにしても良い。その他の提示方法を用いることも可能である。また、メダルゲーム機11は、各機のそれぞれに割り当てられた識別情報、すなわちサテライト番号を表示する。サテライト番号についてもQRコードにより提示するようにしても良い。
【0032】
利用者は、課金サービスを利用した決済方法についての案内を参照して、携帯電話機18により課金案内ホームページサーバ15が公開している課金案内ホームページにアクセスする。
【0033】
課金案内ホームページサーバ15は、課金案内ホームページへアクセスされると(図3、ステップA1)、例えば携帯電話機18に対してメダルゲーム機11のサテライト番号を入力するためのページフォームを送信する。携帯電話機18は、課金案内ホームページサーバ15から受信されたページフォームを表示して、利用者によるサテライト番号の入力を受け付ける。携帯電話機18は、ページフォームを通じて入力されたサテライト番号を課金案内ホームページサーバ15に送信する。
【0034】
なお、利用者は、自分を識別するための任意の情報(例えばテキスト)を入力して、サテライト番号と共に課金案内ホームページサーバ15に送信しても良い。この情報は、後述する利用者情報として使用することができる。
【0035】
課金案内ホームページサーバ15は、携帯電話機18からサテライト番号を受信することで、利用者が課金サービスを利用してゲーム利用料金を決済しようとしているメダルゲーム機11を特定することができる(ステップA2)。課金案内ホームページサーバ15は、携帯電話機18から受信したサテライト番号をのサーバシステム14に通知する(ステップA3)。
【0036】
サーバシステム14は、課金案内ホームページサーバ15からサテライト番号を受信すると(図5、ステップC1)、サテライト番号が示すメダルゲーム機11に対して現在の動作状況を問い合わせる。
【0037】
メダルゲーム機11は、メダルゲームコントロールサーバ16から現在の動作状況についての問い合わせを受信すると(図6、ステップD4、Yes)、記憶部22に記憶された現在の状況を示す動作状況情報22aをメダルゲームコントロールサーバ16に送信する(ステップD5)。
【0038】
メダルゲームコントロールサーバ16は、課金案内ホームページサーバ15から受信したサテライト番号が示すメダルゲーム機11から現在の動作状況を示す動作状況情報を受信すると(図5、ステップC2)、現在の動作状況から継続して実行可能なゲーム処理を選択するための購入項目を判別して課金案内ホームページサーバ15に通知する(ステップC3)。
【0039】
サーバシステム14には、例えば図7に示すような、各種のメダルゲーム機について、動作状況に応じて選択可能な購入項目について設定されたゲームコントロールデータが記憶されているものとする。図7に示すゲームコントロールデータには、サテライト番号(メダルゲーム機11)と対応付けて、少なくとも1つの購入項目と、購入項目に対する課金額を示すデータが設定されている。
【0040】
例えば、ポーカーゲームでは、役を成立させるためにあと1枚揃う必要がある状況に対して、通常のゲーム処理ではカード交換ができないところを、さらに1枚カード交換できる購入項目が設定されている。また、1枚交換をする場合に、残りの1枚が揃うことにより成立する役(役1、役2)の違いによって異なる課金額が設定されている。例えば、あと1枚が揃うことにより成立する役が「ワンペア」である場合と「ストレートフラッシュ」の場合とでは課金額が異なっている。また、1枚のカード交換を1回とするか2回とするかを選択するための選択項目が設定されている。この場合についても異なる課金額が設定されている。
【0041】
また、ビンゴゲームでは、リーチとなっている状況に対して、通常のゲーム処理では規定回数を超えて数字を選択できないところを、さらに1回数字の選択を追加することができる購入項目が設定されている。また、リーチとなっている列数(1リーチ、2リーチ、3リーチ、…)に応じて異なる課金額が設定されている。なお、数字を選択することができる回数(2回、3回…)を選択することができる購入項目が設定されていても良い。
【0042】
また、スロットマシンでは、役を成立させるためにはあと1リールの絵柄が揃う必要がある状況に対して、通常のゲーム処理では次のメダルの投入により3つのリールが回転されるところを、絵柄が揃っていない1リールのみを回転させることができる購入項目が設定されている。また、1つのリールのみを回転させて停止させる操作の回数(1リトライ、2リトライ…)を1回とするか2回とするかを選択することができる購入項目が異なる課金額により設定されている。また、1リールに設けられている絵柄の種類を削減した上でリトライすることができる選択項目が設定されている(絵柄削減1,2)。すなわち、1リールの絵柄を削減することにより所望する絵柄を揃えやすくすることができる。なお、削減する絵柄の数に応じて異なる課金額が設定されている。さらに、各リールに設定されている絵柄を、通常使用されている絵柄と異なるデザインに変更することができる選択項目が設定されている。ここでは、複数の絵柄の種類(デザイン)を選択できるように複数の購入項目(絵柄変更1,2…)が設定されている。なお、絵柄削減と絵柄変更の購入項目については、他の選択項目と組み合わせて選択することもできる。
【0043】
なお、図7に示すゲームコントロールデータの内容は一例であって、様々な動作状況に応じた購入項目(ゲーム処理の内容)を設定することが可能である。
【0044】
課金案内ホームページサーバ15は、メダルゲームコントロールサーバ16からサテライト番号が示すメダルゲーム機11の動作状況に応じた購入項目を受信すると(図3、ステップA4)、この受信した購入項目をアクセスしてきた携帯電話機18に対して通知する(ステップA5)。
【0045】
携帯電話機18は、課金案内ホームページサーバ15から通知された購入項目を一覧表示して利用者に選択させる。携帯電話機18は、利用者の操作により購入項目を選択する指示が入力されると、課金案内ホームページサーバ15に通知する。課金案内ホームページサーバ15は、携帯電話機18から購入項目の選択指示が入力されると、選択された購入項目に関する情報(購入項目情報)を課金サーバ17に対して送信して課金処理を要求する(ステップA7)。購入項目情報には、例えば、課金サービスを利用して決済要求をした利用者(あるいは携帯電話機18)を識別する識別情報、選択された購入項目に対して設定されている課金額、ゲーム利用料金の決済対象となっているメダルゲーム機11を示すサテライト番号を含むゲーム機情報などを含む。識別情報は、課金の対象者を識別するためのもので、サーバシステム14が利用する課金処理の方法によって異なる。
【0046】
課金サーバ17は、課金処理に関するデータを、例えば図8に示すような課金データとして記録する。課金データには、例えば識別情報、課金処理が実行された日時、課金額、ゲーム機情報などの各データが対応付けて記憶される。この課金データは、例えば後日、課金の対象者に対して通知される。
【0047】
課金サーバ17は、課金案内ホームページサーバ15から購入項目情報と共に課金処理の実行要求を受信すると(図4、ステップB1)、購入項目情報に含まれる識別情報をもとにして課金が可能であるかを判断する課金認証処理を実行する(ステップB2)。ここで、認証がOKであった場合には(ステップB3、Yes)、課金サーバ17は、選択された購入項目に設定されていた課金額について課金処理を実行し(ステップB4)、課金案内ホームページサーバ15に対して課金処理完了を送信する(ステップB5)。
【0048】
課金案内ホームページサーバ15は、課金サーバ17から課金処理完了を受信すると(ステップA8、Yes)、メダルゲームコントロールサーバ16に購入項目情報を送信する(ステップA9)。
【0049】
メダルゲームコントロールサーバ16は、課金案内ホームページサーバ15から購入項目情報を受信すると(ステップC4)、購入項目情報に含まれる購入項目に応じたゲーム処理の実行をサテライト番号が示すメダルゲーム機11に指示する(ステップC5)。また、メダルゲームコントロールサーバ16は、課金サービスを利用した利用者についての情報(利用者情報)をメダルゲーム機11に送信する。利用者情報は、例えば携帯電話機18の端末番号や課金処理で使用したクレジット番号の一部、あるいは携帯電話機18から課金案内ホームページサーバ15に対して決済要求をした場合に入力された任意の情報(テキストなど)とすることができる。
【0050】
メダルゲーム機11は、メダルゲームコントロールサーバ16から購入項目情報に応じたゲーム処理の実行指示があると(ステップD6、Yes)、利用者情報を記憶部22に記憶させると共に表示部28において表示させて、利用者に対して課金処理が完了してゲーム処理の継続が可能となったことを通知し、指示に応じたゲーム処理をゲーム終了まで実行する(ステップD7,D8)。すなわち、図7に示す購入項目の内容に応じたゲーム処理を実行する。
【0051】
なお、課金サーバ17は、課金認証処理がNGであった場合には(ステップB3、No)、課金案内ホームページサーバ15に対して課金認証未完了情報を送信する(ステップB6)。
【0052】
課金案内ホームページサーバ15は、課金認証未完了情報を受信すると(ステップA8、No)、携帯電話機18に対して課金サービスによるゲーム利用料金の決済によって、メダルゲーム機11を継続して利用できないことを通知する(ステップA10)。
【0053】
このようにして、本実施形態におけるシステムでは、通常ではメダルの投入に伴って動作するメダルゲーム機11に、サーバシステム14による課金サービスを利用することにより、通常とは異なるゲーム処理を実行させることができるので、ゲーム性の向上を図ることができる。前述したように、課金サービスを利用した場合に実行されるゲーム処理は、基本的に利用者にとって有利なゲーム処理内容となっているので、利用者の積極的な利用が期待できる。
【0054】
また、利用者にとっては、通常のゲーム処理の実行時にメダルの払い戻しの条件が成立する直前の惜しい状況となった場合に、携帯電話機18を利用してゲーム利用料金を決済することでゲーム処理を継続して、役を成立させる機会を増大させることができる。また、手持ちのメダルが無くなったとしてもメダル貸し機からメダルを借り入れる必要もないので、ゲームを中断させなくても良い。
【0055】
なお、前述した説明では、メダルゲーム機11のゲーム処理が終了した時点において、携帯電話機18を用いて決済処理を要求する場合を例にして説明しているが、ゲーム処理の途中の予め決められた所定の動作状況にある場合に、前述と同様にして課金サービスを利用できるようにしても良い。
【0056】
また、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0057】
また、実施形態に記載した手法は、コンピュータに実行させることができるプログラム(ソフトウエア手段)として、例えば磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD、MO等)、半導体メモリ(ROM、RAM、フラッシュメモリ等)等の記録媒体に格納し、また通信媒体により伝送して頒布することもできる。なお、媒体側に格納されるプログラムには、コンピュータに実行させるソフトウエア手段(実行プログラムのみならずテーブルやデータ構造も含む)をコンピュータ内に構成させる設定プログラムをも含む。本装置を実現するコンピュータは、記録媒体に記録されたプログラムを読み込み、また場合により設定プログラムによりソフトウエア手段を構築し、このソフトウエア手段によって動作が制御されることにより上述した処理を実行する。なお、本明細書でいう記録媒体は、頒布用に限らず、コンピュータ内部あるいはネットワークを介して接続される機器に設けられた磁気ディスクや半導体メモリ等の記憶媒体を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本実施形態におけるシステムの構成を示すブロック図。
【図2】メダルゲーム機11の機能構成を示すブロック図。
【図3】課金案内ホームページサーバ15の動作を示すフローチャート。
【図4】課金サーバ17の動作を示すフローチャート。
【図5】メダルゲームコントロールサーバ16の動作を示すフローチャート。
【図6】メダルゲーム機11の動作を示すフローチャート。
【図7】動作状況に応じて選択可能な購入項目について設定されたゲームコントロールデータの一例を示す図。
【図8】課金データの一例を示す図。
【符号の説明】
【0059】
10…インターネット、11(11−1,11−2,…,11−n)…メダルゲーム機、14…サーバシステム、15…課金案内ホームページサーバ、16…メダルゲームコントロールサーバ、17…課金サーバ、18…携帯電話機、19…携帯電話網、20…制御部、22…記憶部、22a…動作状況情報、22b…利用者情報、24…処理部、24a…ゲーム制御処理部、24b…課金サービス処理部、26…通信部、27…入力部、28…表示部、29…音声出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続されたゲーム機の動作を制御するサーバシステムであって、
ネットワークを通じてゲーム機から動作状況を示す情報を受信する動作状況受信手段と、
前記ネットワークを通じて接続される通信装置から、ゲーム機を識別する識別情報と共にゲーム利用料金の決済要求を受信する決済要求受信手段と、
前記決済要求受信手段によって受信された決済要求に応じて、前記動作状況受信手段によって受信された前記識別情報に該当するゲーム機の動作状況が予め決められた所定の動作状況にある場合に課金処理を実行する課金処理手段と、
前記課金処理手段による課金処理が完了した場合に、前記識別情報に該当するゲーム機に所定のゲーム処理を実行させるゲーム制御手段と
を具備したことを特徴とするサーバシステム。
【請求項2】
前記ゲーム制御手段は、前記識別情報に該当するゲーム機に対して、前記課金処理手段による課金処理によらずにゲーム利用料金が決済されている場合とは異なるゲーム処理を実行させることを特徴とする請求項1記載のサーバシステム。
【請求項3】
前記決済要求受信手段によって受信された識別情報に該当するゲーム機の動作状況をもとに、前記ゲーム制御手段によって前記ゲーム機に対して実行させることができる複数の異なるゲーム処理を前記通信装置に提示する提示手段と、
前記提示手段によって提示した複数の異なるゲーム処理の何れかを選択する指示を前記通信装置から受信する選択指示受信手段とをさらに具備し、
前記ゲーム制御手段は、前記選択指示手段により受信された指示が示すゲーム処理を前記ゲーム機に実行させることを特徴とする請求項2記載のサーバシステム。
【請求項4】
前記課金処理手段は、前記選択指示手段により受信された指示が示すゲーム処理に応じた金額を課金することを特徴とする請求項3記載のサーバシステム。
【請求項5】
前記ゲーム機は、メダルの投入に応じてゲーム処理を実行するメダルゲーム機であって、
前記ゲーム制御手段は、前記識別情報に該当するゲーム機に対して、前記メダルの投入に応じて実行されるゲーム処理とは異なるゲーム処理を実行させることを特徴とする請求項1記載のサーバシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−11672(P2009−11672A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178944(P2007−178944)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(306019111)株式会社タイトー (475)
【Fターム(参考)】