説明

サービス提供システム、サービス提供方法、およびサービス提供プログラム

【課題】サービス領域内のサービス施設の予約をすることができると共に、当該サービス領域内において特有のサービスを提供する。
【解決手段】本発明に係るサービス提供システムは、ユーザ端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、ユーザ端末がサービス提供領域に入場したことを検知する入場検知部と、ユーザ端末がサービス提供領域に入場したことを示す入場情報を、第1通信部を介してユーザ端末に送信して書き込ませる入場情報送信部と、ユーザ端末と第2通信方式で通信する第2通信部と、第2通信部を介してユーザ端末にサービスを提供するサービス提供部と、ユーザ端末がサービスの提供を要求していることを示すサービス提供要求を、ユーザ端末から第2通信部を介して受信するサービス提供要求受信部と、サービス提供部からユーザ端末へサービスを提供させるサービス提供可否判断部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供システム、サービス提供方法、およびサービス提供プログラムに関する。特に、本発明は、予め定められたサービス提供領域に存在するユーザにサービスを提供するサービス提供システム、サービス提供方法、およびサービス提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、テーマパークに来場したユーザが携帯通信端末からテーマパーク内のアトラクション施設の予約をして、予約したアトラクション施設の運行時刻が近づくと、ユーザの携帯通信端末に運行時刻が近づいたことを通知する予約システムについて提案されている。
【特許文献1】特開2001−344491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら特許文献1に記載の発明においては、テーマパーク等の予め定められた領域内にユーザが入場したことを契機として、当該テーマパーク内において特有のサービスを、当該テーマパークに入場したユーザに提供することはできない。
【0004】
そこで本発明は、上記課題を解決することができるサービス提供システム、サービス提供方法、およびサービス提供プログラムを提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、予め定められたサービス提供領域に存在するユーザにサービスを提供するサービス提供システムであって、サービス提供領域の入口に設けられ、ユーザのユーザ端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、第1通信部がユーザ端末と通信することにより、ユーザ端末がサービス提供領域に入場したことを検知する入場検知部と、入場検知部がサービス提供領域へのユーザ端末の入場を検知した場合に、ユーザ端末がサービス提供領域に入場したことを示す入場情報を、第1通信部を介してユーザ端末に送信して書き込ませる入場情報送信部と、ユーザ端末と第2通信方式で通信する第2通信部と、第2通信部を介して、ユーザ端末にサービスを提供するサービス提供部と、ユーザ端末がサービスの提供を要求していることを示すサービス提供要求を、ユーザ端末から第2通信部を介して受信するサービス提供要求受信部と、サービス提供要求に入場情報が含まれているか否かを判断し、サービス提供要求に入場情報が含まれている場合に、サービス提供部からユーザ端末へサービスを提供させるサービス提供可否判断部とを備える。また、第1通信部は、ユーザ端末と直接通信し、第2通信部は、通信網を介してユーザ端末と通信してもよい。
【0006】
また、本発明の第2の形態においては、予め定められたサービス提供領域に存在するユーザにサービスを提供するサービス提供方法であって、サービス提供領域の入口に設けられ、ユーザのユーザ端末と第1通信方式で通信する第1通信部がユーザ端末と通信することにより、ユーザ端末がサービス提供領域に入場したことを検知する入場検知段階と、入場検知段階においてサービス提供領域へのユーザ端末の入場を検知した場合に、ユーザ端末がサービス提供領域に入場したことを示す入場情報を、第1通信部を介してユーザ端末に送信して書き込ませる入場情報送信段階と、ユーザ端末と第2通信方式で通信する第2通信部を介して、ユーザ端末にサービスを提供するサービス提供段階と、ユーザ端末がサービスの提供を要求していることを示すサービス提供要求を、ユーザ端末から第2通信部を介して受信するサービス提供要求受信段階と、サービス提供要求に入場情報が含まれているか否かを判断し、サービス提供要求に入場情報が含まれている場合に、ユーザ端末へサービスを提供させるサービス提供可否判断段階とを備える。
【0007】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザがサービス領域に入場したことを契機として、サービス領域のサービス施設の予約をすることができると共に、当該サービス領域において特有のサービスを、サービス領域に入場したユーザに提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係るサービス提供システム1の概要を示す。サービス提供システム1は、予め定められたサービス提供領域70に存在するユーザにサービスを提供する。サービス提供領域70は、サービスをユーザに提供するサービス提供業者が規定する領域であってよく、具体的には、Mobile Virtual Network Operator(MVNO、仮想移動体サービス事業者)が、通信事業者が所有する通信網の少なくとも一部を用いてユーザにサービスを提供する領域であってよい。例えば、サービス提供領域70は、遊園地等のテーマパーク内、博覧会等の会場内、ショッピングモール等の商業施設内、映画館、美術館、並びにホテル等の公共施設内、企業の事業所内、高速道路等の有料道路内、および交通機関の駅構内等の特定範囲をもった領域であってよい。なお、サービス提供領域70においてユーザに提供されるサービスは、例えばサービス提供領域70がテーマパークである場合、アミューズメント施設の予約サービスである。
【0011】
本実施形態に係るサービス提供システム1は、ユーザがサービス提供領域70に入場したことを検知して、ユーザがサービス提供領域70のサービス施設の予約をすることを可能とすると共に、当該サービス提供領域70において特有のサービスを、当該ユーザに提供することを目的とする。
【0012】
まず、ユーザは、ユーザ端末10(a)を、サービス提供領域70の入場口に設けられたゲート50にかざす。ゲート50は、ユーザ端末10(a)と近距離通信して、ユーザがサービス提供領域70に入場したことを検知する。例えば、ユーザ端末10(a)は、シリアル番号、移動加入者識別番号、および電話番号の少なくとも1つの情報が記録された無線ICタグ(RFIDタグ)を備える。そして、ゲート50は、無線ICタグ読取装置を備える。ゲート50は、無線ICタグ読取装置においてユーザ端末10(a)の無線ICタグに書き込まれている情報を読み取ることにより、ユーザがサービス提供領域70に入場したことを検知する。なお、ユーザ端末10(a)とゲート50とは、無線ICタグを介した近距離通信ではなく、赤外線通信、可視光通信、熱交換通信、およびBluetooth(登録商標)等の近距離通信または非接触通信を用いて通信してもよい。
【0013】
そして、ゲート50は、サービス提供領域70に設けられたLAN等のネットワーク42を介してサービス提供サーバ20に、ユーザがサービス提供領域70に入場したことを示す入場情報(例えば、フラグ)を、ユーザ端末10(a)を識別する端末識別情報(例えば、シリアル番号、移動加入者識別番号、または電話番号)と共に送信して記録させる。更に、ゲート50は、ユーザがサービス提供領域70に入場したことを示すフラグをユーザ端末10(a)に記録させる。すると、ユーザ端末10(a)は、自己の位置登録または位置登録の更新の際、図示しないHLR(Home Location Register)へ位置登録要求するとともに、ユーザ端末10(a)自身にフラグを設定した旨を示す情報をHLRに登録する。続いて、サービス提供サーバ20は、端末識別情報に対応づけて入場情報を記録した後、ユーザ端末10(a)に、サービス提供領域70においてユーザに提供されるサービスが利用可能になったことを示す情報を、ネットワーク40および通信中継部30を介して送信する。
【0014】
例えば、サービス提供サーバ20は、サービス提供領域70におけるサービスが利用できる旨を示すメールをユーザ端末10(a)に送信する。なお、サービス提供領域70は、複数の部分領域74を有しており、複数の部分領域74のそれぞれは、ユーザ端末10(a)とサービス提供サーバ20との通信を中継する通信中継部30を備える。係る場合、サービス提供サーバ20が送信したメールは、部分領域74に備えられた通信中継部30を介して、ユーザ端末10(a)に送信される。ユーザ端末10(a)は、当該ユーザ端末10(a)が存在する部分領域74に備えられた通信中継部30を介して当該メールを受信して、ユーザに通知する。これによりユーザは、サービス提供領域70に入場したユーザにMVNOによって提供されるサービスの利用が可能になったことを把握できる。なお、ネットワーク40は、例えば、公衆電話回線網であってよい。
【0015】
ここで、部分領域74はそれぞれ、サービス施設72を含む。サービス提供領域70が遊園地等のテーマパークである場合は、サービス施設72は、ジェットコースター、観覧車、およびお化け屋敷等のアトラクションである。そして、サービス提供サーバ20は、ユーザ端末10(a)が存在する位置を、通信中継部30を介して取得する。サービス提供サーバ20は、取得したユーザ端末10(a)が存在する位置を含む部分領域74に含まれるサービス施設72の利用状況を示す情報を、通信中継部30を介してユーザ端末10(a)に送信する。
【0016】
例えば、サービス施設72の利用状況を示す情報は、サービス施設72を利用できるまでの待ち時間、および利用予約の込み具合等であってよい。更に、サービス提供サーバ20は、予約処理を実行するウエブページのURLを含んだメールをユーザ端末10(a)に送信してよい。ユーザは、ユーザ端末10(a)に送信されたURLで示される、サービス施設72の利用予約ができるウエブページにアクセスすることによりサービス施設72の利用予約ができる。
【0017】
そして、サービス提供サーバ20は、サービス提供領域70に入場したことを示すフラグが記録されているユーザ端末10(a)からだけ、サービス施設72の利用予約を受け付ける。すなわち、サービス提供サーバ20は、フラグが記録されているユーザ端末10(a)を、サービス提供領域70に入場したユーザのユーザ端末10であると判断して、ユーザ端末10(a)からの利用予約を受け付ける。利用予約は、例えば、ユーザが利用を所望するサービス施設72および利用時刻をユーザに指定させることにより行う。サービス提供サーバ20は、ユーザによるサービス施設72の利用予約を、端末識別情報(例えば、ユーザ端末10のICタグのシリアル番号)およびフラグと、ユーザが利用を所望するサービス施設72を識別する情報およびユーザが利用を所望する時刻とを対応づけて予約処理を実行する。
【0018】
これにより、サービス提供領域70に入場したユーザは、アトラクションの利用状況を把握した上でアトラクションの利用予約ができるので、アトラクションを実際に利用するまで長時間並んで待つことがなくなり、時間を有効に活用することができる。また、サービス提供サーバ20は、ユーザ端末10に入場したことを示すフラグが記録されていないと判断した場合に、当該ユーザ端末10のユーザがサービス提供領域70に入場していないと判断できるので、サービス提供領域70に入場していないユーザがアトラクションの利用予約をすることを防止できる。
【0019】
なお、ユーザがサービス提供領域70におけるサービスを提供するサービス提供業者の会員である場合、すなわち、MVNOの会員である場合に、上記説明における利用予約のサービスをユーザに提供してもよい。すなわち、サービス提供サーバ20において、ユーザ端末10のユーザが会員であるか否かの照合を実行する。例えば、ユーザ端末10のICタグにユーザの会員番号が記録されていてよく、サービス提供サーバ20はICタグに記録されている会員番号を用いて、ユーザの照合を実行してよい。そして、当該ユーザが会員である場合に、上記説明における利用予約を可能とすべく、ユーザ端末10にフラグを記録させる。係る場合には、サービス提供サーバ20は、サービス提供業者の会員であることに対して、会員料金をユーザから徴収してもよく、アトラクションの利用予約に対して、予約料金を徴収してもよい。
【0020】
なお、サービス提供サーバ20は、ユーザ端末10(a)が存在する位置を含む部分領域74に含まれるサービス施設72の利用状況を示す情報を、ユーザ端末10(a)が存在する位置を含む部分領域74とは異なる他の部分領域74に含まれるサービス施設72の利用状況を示す情報に優先させて送信してよい。例えば、サービス提供サーバ20は、ユーザ端末10が存在する位置を含む部分領域74の複数のサービス施設72の利用状況、および当該部分領域74とは異なる部分領域74の複数のサービス施設72の利用状況をユーザ端末10の表示部118にリスト表示させる。係る場合において、リストの上部から、ユーザ端末10が存在する位置を含む部分領域74の複数のサービス施設72の利用状況を優先して表示させてよい。
【0021】
また、通信中継部30は、ユーザ端末10(a)とRFID等を介した近距離無線通信をすることにより、ユーザ端末10(a)が存在する位置を示す情報をサービス提供サーバ20に送信する。係る場合において、通信中継部30は、RFID読取装置である。また、通信中継部30は、ユーザ端末10(a)と無線通信をすることにより、ユーザ端末10(a)が存在する位置を示す情報をサービス提供サーバ20に送信してよい。係る場合において、通信中継部30は、例えば、無線LANのアクセスポイント、および携帯電話の基地局等であってよい。
【0022】
次に、ユーザがサービス施設72に入場する場合、ユーザは、ユーザ端末10(a)をサービス施設72の入場口に設けられたゲート52にかざす。ゲート52は、ユーザ端末10(a)と近距離通信して、ユーザ端末10(a)のシリアル番号を取得する。そして、ゲート52は、取得したシリアル番号を、ネットワーク42を介してサービス提供サーバ20に送信する。サービス提供サーバ20は、ゲート52から受け取ったシリアル番号を用いて、当該シリアル番号で識別されるユーザがサービス施設72の利用予約をしているか否かを判断する。そして、サービス提供サーバ20は、ユーザがサービス施設72の利用予約をしていると判断した場合に、サービス施設72の利用を許可する情報をゲート52に送信する。ゲート52は、サービス施設72の利用が許可されている情報を受け取ると、ゲート52を開いてサービス施設72内にユーザを入場させる。これによりユーザは、利用予約した時刻にサービス施設72を利用できる。
【0023】
また、ユーザ端末10(a)は、ゲート50によってユーザがサービス提供領域70に入場したことを示すフラグが記録された場合に、通信料金の課金方法の変更をすべく、通信中継部30およびネットワーク40を介して通信事業者サーバ25に自動的に働きかける。そして、通信事業者サーバ25は、ユーザ端末10(a)に適用されている通信料金の課金方法を変更する。例えば、ユーザ端末10(a)がHLRへの位置登録要求を実行した場合、HLRはユーザ端末10(a)がサービス提供領域70に入場したことを示す情報を、ユーザ端末10(a)を識別する端末識別情報に対応づけて記録する。そして、HLRは、課金処理を実行するCDRに働きかけて、ユーザ端末10(a)がサービス提供領域70に入場したことを示す情報をCDRに端末識別情報に対応づけて記録させる。そして、CDRにユーザ端末10(a)がサービス提供領域70に入場したことを示す情報が記録されることにより、課金方法の変更が可能となる。
【0024】
これにより、サービス提供領域70のユーザがユーザ端末10(a)を用いて、サービス提供領域70の外のユーザ端末10(b)にネットワーク40および交換機60を介して電話をかけた場合と、サービス提供領域70の外でユーザがユーザ端末10(a)からネットワーク40および交換機60を介してユーザ端末10(b)に電話をかけた場合とで、異なる課金方法を適用できる。例えば、通信事業者サーバ25は、サービス提供領域70に存在するユーザ端末10(a)からかけた電話の通話料金を、サービス提供領域70の外に存在するユーザ端末10(a)からかけた場合に比べて安価に設定できる。
【0025】
そして、ユーザがサービス提供領域70から退場すると、ゲート50はユーザ端末10(a)に記録されているフラグを消去する。これにより、サービス提供サーバ20は、サービス提供領域70の外にいるユーザのユーザ端末10からサービス施設の利用予約をすることを防止できる。また、ゲート50によってフラグを消去されたユーザ端末10(a)は、再び通信事業者サーバ25に働きかけて、通信料金の課金方法を元に戻す。すなわち、ユーザ端末10(a)がサービス提供領域70から退場したことに応じて、HLRおよびCDRにそれぞれ記録されていた、ユーザ端末10(a)がサービス提供領域70に入場したことを示す情報が消去される。これにより、通信事業者サーバ25は、ユーザ端末10(a)に対して元の通信料金を課金できる。
【0026】
図2は、本実施形態に係るユーザ端末10の機能構成の一例を示す。ユーザ端末10は、例えば、携帯電話端末であって、近距離無線通信方式および遠距離無線通信方式で通信できる通信機能を有するPDA、ノートパソコン、およびゲーム端末等の無線端末であってもよい。なお、ユーザ端末10は、サービス提供領域70におけるサービスを提供するサービス提供業者がユーザに使用させる通信端末であってよく、また、ユーザが所有する通信端末であってもよい。ユーザ端末10は、端末側第1通信部100、端末側第2通信部101、端末識別情報送信部102、入場情報受信部104、消去制御部106、サービス提供要求送信部108、サービス提供受信部110、音声送受信部112、入場情報記録部114、契約内容変更部116、表示部118、音声入力部120、および音声出力部122を備える。
【0027】
端末側第1通信部100は、サービス提供領域70の入口に設けられたゲート50と、第1通信方式で通信する。端末側第1通信部100は、端末識別情報送信部102が送信すべき情報を端末識別情報送信部102から受け取ってゲート50に送信する。また、端末側第1通信部100は、入場情報受信部104および消去制御部106が受信すべき情報を受信して、入場情報受信部104および消去制御部106に供給する。ここで、第1通信方式とは、上記図1の説明において記載したユーザ端末10(a)とゲート50とが近距離通信する場合の通信方式である。
【0028】
端末側第2通信部101は、第1通信方式とは異なる第2通信方式で、通信中継部30と通信する。なお、第2通信方式は、第1通信方式における通信距離よりも遠い通信距離で通信できる方式である。端末側第2通信部101は、通信中継装置30を介してサービス提供サーバ20および通信事業者サーバ25と第2通信方式で通信する。端末側第2通信部101は、サービス提供要求送信部108、契約内容変更部116、および音声送受信部112が送信すべき情報をサービス提供要求送信部108、契約内容変更部116および音声送受信部112から受け取ってゲート50に送信する。また、端末側第2通信部101は、サービス提供受信部110および音声送受信部112が受信すべき情報をサービス提供サーバ20および通信事業者サーバ25から受信して、サービス提供受信部110および音声送受信部112に供給する。
【0029】
端末識別情報送信部102は、ユーザ端末10を識別する端末識別情報をゲート50に送信する。端末識別情報送信部102は、端末側第1通信部100とゲート50とが通信可能となった場合に、端末識別情報をゲート50に送信する。例えば、端末側第1通信部100とゲート50との距離が予め定められた範囲内となった場合に、端末識別情報送信部102は端末識別情報を送信する。なお端末識別情報は、ユーザ端末10の移動加入者識別番号、電話番号、および無線ICタグのシリアル番号のいずれかであってよい。また、端末識別情報送信部102は、無線ICタグを有していてもよい。係る場合には、無線ICタグに、当該無線ICタグのシリアル番号、移動加入者識別番号、および電話番号のうち、少なくとも1つが記録されている。そして、端末識別情報送信部102は、無線ICタグが記録している端末識別情報をゲート50に送信する。例えば、端末識別情報送信部102は、ゲート50から電力の供給を非接触で受けたときに、端末識別情報をゲート50に送信してよい。
【0030】
入場情報受信部104は、サービス提供領域70にユーザ端末10が入場したことを示す入場情報をゲート50から受信する。入場情報受信部104は、入場情報を受信したことを示す情報を入場情報記録部114に供給する。入場情報記録部114は、入場情報受信部104から入場情報を受信したことを示す情報を受け取った場合に、ユーザ端末10がサービス提供領域70に入場情報を記録する。入場情報は、例えば、フラグである。入場情報記録部114は、端末識別情報、無線ICタグのシリアル番号、移動加入者識別番号、およびユーザ端末10の電話番号に対応づけて入場情報を記録してよい。入場情報記録部114は、入場情報を記録したことを示す情報および端末識別情報をサービス提供要求送信部108および契約内容変更部116に供給する。消去制御部106は、入場情報記録部114が記録した入場情報を消去する。具体的には、消去制御部106は、ユーザ端末10がサービス提供領域70から退場したときに、ゲート50の働きかけに応じて、入場情報記録部114が記録している入場情報を消去する。
【0031】
サービス提供受信部110は、通信中継部30を介してサービス提供サーバ20が送信したサービスの提供に関する情報を受信する。ユーザ端末10は、当該情報をメモリに格納してよい。ここで、サービスの提供とは、例えば、サービス提供領域70のサービス施設の利用状況に関する情報、サービス施設の予約に関する情報の提供であってよい。サービス施設の利用状況とは、サービス施設の利用ができるまでの待ち時間を含む情報であり、サービス施設の予約に関する情報とは、サービス施設の利用の予約ができる時刻、および他のユーザによるサービス施設の利用予約の状況を含む情報であってよい。サービス提供受信部110は、サービスの提供に関する情報をテキストデータおよび/または画像データとして受信する。例えば、サービス提供受信部110は、サービスの提供に関する情報をメールで受信する。サービス提供受信部110は、受信した情報を、テキストデータおよび画像データを表示する表示部118に供給して表示させる。なお、消去制御部106が、入場情報記録部114が記録している入場情報を消去したことを契機として、ユーザ端末10がサービス提供領域70の中にいた際にサービス提供サーバ20から受信してメモリに格納したサービス施設の利用状況に関する情報、サービス施設の予約に関する情報を、消去制御部106は自動的に消去する。
【0032】
サービス提供要求送信部108は、入場情報記録部114から受け取った入場情報および端末識別情報と共に、サービスの提供を要求する旨を示す情報をサービス提供サーバ20に送信する。サービス提供サーバ20は、入場情報をユーザ端末10から受信すると、当該ユーザ端末10のユーザがサービス提供領域70に入場していると判断して、当該ユーザ端末10に種々のサービスに関する情報を送信する。また、サービス提供要求送信部108は、部分領域74に備えられた通信中継部30を介して、ユーザ端末10が存在する位置を示す位置情報と共に、位置情報が示す位置を含む部分領域74に備えられたサービス施設に関する情報の要求を、サービス提供サーバ20に送信する。これにより、サービス提供サーバ20は、部分領域74のサービス施設に関する利用状況を示す情報および予約に関する情報を、ユーザ端末10に送信できる。
【0033】
契約内容変更部116は、ユーザ端末10に入場情報が書き込まれていない場合と、ユーザ端末10に入場情報が書き込まれている場合とで、ユーザ端末10に適用される契約内容、例えば、通信料金の課金方法を変更する。具体的には、契約内容変更部116は、入場情報記録部114から入場情報を記録したことを示す情報および端末識別情報を受信した場合に、通信事業者サーバ25に、ユーザ端末10に適用される課金方法を変更させる情報を送信する。そして、通信事業者サーバ25は、当該情報を受信した場合に、ユーザ端末10に適用される課金方法を変更する。
【0034】
例えば、契約内容変更部116は、入場情報記録部114から入場情報を記録したことを示す情報および端末識別情報を受信した場合に、入場情報を記録したことを示す情報および端末識別情報をHLRに送信して記録させる。そして、HLRはCDRに働きかけて、入場情報を記録したことを示す情報および端末識別情報を記録させる。これにより、契約内容変更部116は、ユーザ端末10に適用される課金方法等を含む契約内容を変更させる。なお、契約内容変更部116は、入場情報記録部114から端末識別情報として、例えば、ユーザ端末10の電話番号を受信してもよい。続いて、契約内容変更部116は、電話番号をHLRに送信して記録させる。そして、HLRはCDRに働きかけて、記録した電話番号のユーザ端末10に適用される契約内容を変更させてもよい。
【0035】
また、契約内容変更部116は、入場情報記録部114に書き込まれている入場情報が、消去制御部106の働きかけにより消去されたことを示す情報を入場情報記録部114から受け取った場合、通信事業者サーバ25に当該情報を送信する。そして、通信事業者サーバ25は、ユーザ端末10に適用される契約内容を、変更前の契約内容に復帰させる。例えば、契約内容変更部116は、入場情報が消去されたことを示す情報をHLRに送信して、HLRが記録している入場情報を記録したことを示す情報を消去させる。そして、当該情報が消去されたHLRは、CDRに働きかけて、CDRが記録している入場情報を記録したことを示す情報を消去させる。これにより、通信事業者サーバ25は、ユーザ端末10に適用されている契約内容を、変更前の契約内容に復帰させることができる。
【0036】
音声入力部120は、ユーザが発した音声を入力する。音声入力部120は、入力した音声の音声データを音声送受信部112に供給する。音声送受信部112は、音声入力部120から受け取った音声データをネットワーク40および交換機60を介して、他のユーザ端末10に送信する。また、音声送受信部112は、他のユーザ端末10が送信した音声データを受信する。そして、音声送受信部112は、受信した音声データを音声出力部122に供給する。音声出力部122は、音声送受信部112から受け取った音声データの音声を出力する。
【0037】
図3は、本実施形態に係る入場情報記録部114のデータ構成の一例を示す。入場情報記録部114は、入場情報受信部104が受信した入場情報を記録する。入場情報記録部114は、無線ICタグのシリアル番号、移動加入者識別番号、および電話番号に対応づけて入場情報を記録する。具体的には、入場情報受信部104が入場情報を受信した場合に、入場情報記録部114は、入場情報としてフラグを記録する。例えば、入場情報記録部114は、ユーザ端末10がサービス提供領域70に入場する前の状態においては、表600に示すように、FLG(フラグ)の記録領域にはフラグが記録されていない。一方、ユーザ端末10がサービス提供領域70に入場した後は、入場情報記録部114は、表610に示すように、フラグの記録領域にフラグを記録する。
【0038】
図4は、本実施形態に係るゲート50およびゲート52の機能構成の一例を示す。ゲート50は、予め定められた特定の領域(例えば、遊園地の領域、テーマパークの領域、美術館の領域、映画館の領域、ショッピングモールの領域、駅構内、および高速道路の有料区間等)と当該領域の外部との境界に設けられたゲート50であって、ユーザが当該領域に入場する場合、または当該領域から当該領域の外部に退場する場合に通過するゲートである。また、ゲート52は、予め定められた領域内に設けられた施設に、ユーザが入場または退場する場合に、ユーザが通過するゲート52である。
【0039】
ゲート50およびゲート52は、ゲート制御部500、第1通信部502、入場情報送信部504、許否通知部506、退場検知部508、サービス施設側ユーザ識別情報取得部510、入場検知部512、および入場情報消去部514を備える。なお、ゲート50が、サービス施設側ユーザ識別情報取得部510を備えていなくてもよい点を除き、ゲート50およびゲート52はそれぞれ、略同一の機能を有していてよい。
【0040】
第1通信部502は、サービス提供領域70の入り口に設けられ、ユーザのユーザ端末10と第1通信方式で通信する。具体的には、第1通信部502は、ユーザ端末10とルータ等の通信中継機器を介さずに、直接、ユーザ端末10と第1通信方式で通信する。第1通信部502は、入場情報消去部514および拒否通知部506がユーザ端末10に送信する情報をユーザ端末10に送信する。また、第1通信部502は、退場検知部508、サービス施設側ユーザ識別情報取得部510、および入場検知部512が受信すべき情報を退場検知部508、サービス施設側ユーザ識別情報取得部510、および入場検知部512のそれぞれに供給する。
【0041】
入場検知部512は、第1通信部502がユーザ端末10と通信することにより、ユーザ端末10がサービス提供領域70に入場したことを検知する。入場検知部512は、ユーザ端末10がサービス提供領域70に入場したことを示す入場情報を、入場情報送信部504およびサービス提供サーバ20に供給する。入場情報送信部504は、入場検知部512がサービス提供領域70へのユーザ端末10の入場を検知した場合に、ユーザ端末10がサービス提供領域70に入場したことを示す入場情報を、第1通信部502を介してユーザ端末10に送信して書き込ませる。
【0042】
サービス施設側ユーザ識別情報取得部510は、ユーザがサービス施設を利用するときに、ユーザ端末10からユーザ識別情報を、第1通信部502を介して取得する。サービス施設側ユーザ識別情報取得部510は、取得した端末識別情報を、入場情報と共にサービス提供サーバ20に送信する。退場検知部508は、第1通信部502がユーザ端末10と通信することにより、ユーザ端末10がサービス提供領域70から退場したことを検知する。退場検知部508は、ユーザ端末10がサービス提供領域70から退場したことを示す退場情報を、入場情報消去部514に供給する。入場情報消去部514は、退場検知部508がサービス提供領域70からのユーザ端末10の退場を検知した場合に、ユーザ端末10の入場情報記録部114に書き込まれている入場情報を消去させる。
【0043】
許否通知部506は、サービス施設側ユーザ識別情報取得部510が取得した端末識別情報で識別されるユーザ端末10のユーザが、サービス提供領域70に入場しているか否か、およびサービス施設の利用予約をしているか否かの判断結果を、サービス提供サーバ20から取得する。そして、許否通知部506はサービス提供サーバ20から取得した判断結果をゲート制御部500に供給する。
【0044】
ゲート制御部500は、サービス施設のゲートの開閉を制御する。具体的には、ゲート制御部500は、許否通知部506から受け取った判断結果に応じて、サービス施設のゲートの開閉を制御する。例えば、ゲート制御部500は、ユーザ端末10のユーザがサービス提供領域70に入場しており、かつ、サービス施設の利用予約をしていることを示す判断結果を受け取った場合に、ゲート52を開く。一方、ゲート制御部500は、ユーザ端末10のユーザがサービス提供領域70に入場していないことを示す判断結果を受け取った場合、または、ユーザ端末10のユーザがサービス施設の利用予約をしていないことを示す判断結果を受け取った場合には、ゲート52を開かずに閉じた状態とする。
【0045】
図5は、本実施形態に係るサービス提供サーバ20の機能構成の一例を示す。サービス提供サーバ20は、サービス提供領域70におけるサービスをユーザに提供するサービス提供業者のサーバであって、例えば、MVNO認証サーバであってよい。サービス提供サーバ20は、施設位置格納部200、サービス施設利用許可部202、入場情報管理部204、位置情報取得部206、第2通信部208、サービス提供要求受信部210、サービス提供部212、サービス提供可否判断部214、サービス領域側ユーザ識別情報取得部216、予約格納部218、および利用予約制御部220を備える。
【0046】
入場情報管理部204は、ゲート50が送信した、ユーザ端末10のユーザがサービス提供領域70に入場したことを示す入場情報を取得する。入場情報管理部204は、ユーザ端末10のユーザを識別するユーザ識別情報と共に入場情報を取得する。なお、ユーザ識別情報は、端末識別情報を含んでいてよい。入場情報管理部204は、取得した入場情報をユーザ識別情報に対応づけて記憶する。また、入場情報管理部204は、ユーザがサービス提供領域70から退場したことを示す退場情報を取得する。退場情報を取得した入場情報管理部204は、ユーザ識別情報に対応づけて記憶していた入場情報を消去する。入場情報管理部204は、取得した入場情報をサービス提供部212および利用予約制御部220に供給する。施設位置格納部200は、サービス提供領域70に設けられたサービス施設の位置を示す施設位置情報を格納する。施設位置格納部200は、サービス施設利用許可部202に制御され、施設位置情報をサービス提供可否判断部214およびサービス施設利用許可部202に供給する。
【0047】
第2通信部208は、ユーザ端末10と第2通信方式で通信する。具体的に、第2通信部208は、公衆電話回線網等の通信網を介してユーザ端末10と通信する。ここで、第1通信方式における通信可能な距離は、第2通信方式における通信可能な距離よりも短い。すなわち、第1通信方式は近距離通信方式であって、例えば、RFIDを用いた近距離通信、およびBluetooth(登録商標)等を用いた近距離通信である。そして、第2通信方式は、例えば、無線LANを用いた通信、および公衆電話回線網を介した通信等である。第2通信部208は、位置情報取得部206が取得する情報およびサービス提供要求受信部210が受信する情報を、位置情報取得部206およびサービス提供要求受信部210のそれぞれに供給する。また、第2通信部208は、サービス提供部212がユーザ端末10に提供するサービスに関する情報を、通信中継部30を介してユーザ端末10に送信する。
【0048】
通信中継部30は、サービス提供領域70に含まれる複数の部分領域74のそれぞれを通信エリアとして、第2通信部208とユーザ端末10との通信を中継する。サービス提供領域70に含まれる複数の部分領域74のそれぞれが通信中継部30を有する。また、サービス提供領域70に含まれる複数の部分領域74のうちの少なくとも1つが通信中継部30を有していてもよい。位置情報取得部206は、サービス提供領域70におけるユーザ端末10の位置を示す端末位置情報を取得する。位置情報取得部206は、ユーザ端末10と第2通信部208との通信を中継している通信中継部30を含む部分領域74にユーザ端末10が存在すると判断する。また、位置情報取得部206は、ユーザ端末10と第2通信部208との通信を中継している通信中継部30を含む部分領域74の位置を、ユーザ端末10の位置として端末位置情報を取得してもよい。なお、ユーザ端末10は、端末位置情報を所得するGPS機能を有していてもよい。そして、位置情報取得部206は、ユーザ端末10のGPS機能において取得された端末位置情報を取得してもよい。位置情報取得部206は、取得した端末位置情報をサービス提供部212、サービス提供可否判断部214、および利用予約制御部220に供給する。
【0049】
サービス提供要求受信部210は、ユーザ端末10がサービスの提供を要求していることを示すサービス提供要求を、ユーザ端末10から第2通信部208を介して受信する。具体的には、サービス提供要求受信部210は、サービス提供領域70に設けられたサービス施設の利用の予約を要求する利用予約要求を、サービス提供要求として、ユーザ端末10から第2通信部208を介して受信する。係る場合において、当該ユーザ端末10がサービス提供領域70に入場している場合には、サービス提供要求受信部210は、当該ユーザ端末10から入場情報を含んだサービス提供要求を受信する。そして、サービス提供要求受信部210は、更にユーザ端末10の端末識別情報を取得する。サービス提供要求受信部210は、受信した利用予約要求をサービス提供可否判断部214に供給する。また、サービス提供要求受信部210は、利用予約要求および端末識別情報をサービス領域側ユーザ識別情報取得部216に供給する。
【0050】
サービス提供部212は、サービス提供可否判断部214の判断結果に応じて、第2通信部208を介してユーザ端末10にサービスを提供する。サービス提供部212は、入場情報管理部204から入場情報を受け取り、当該入場情報を記録しているユーザ端末10にサービスを提供する。例えば、サービス提供部212は、入場情報を最初に受け取ったときに、第2通信部208を介して、ユーザ端末10にサービス提供領域70におけるサービスの利用ができる旨を示すメールを送信する。また、サービス提供部212は、サービス提供領域70のサービス施設の利用予約をする予約システムへのログイン用のURL付きメールを送信する。入場情報が記録されたユーザ端末10のユーザは、当該URLにユーザ端末10を介してアクセスすることにより、サービス提供領域70のサービス施設の利用予約専用のポータルサイトにおいて、サービス施設の利用予約をすることができる。
【0051】
また、サービス提供部212は、位置情報取得部206が取得した端末位置情報が示す位置からの距離がより近いサービス施設の利用状況をより優先させて、ユーザ端末10に表示させる。また、サービス提供部212は、ユーザ端末10が存在する部分領域74にも受けられたサービス施設の利用状況を、ユーザ端末10が存在しない他の部分領域74の他のサービス施設の利用状況より優先させてユーザ端末10に表示させてもよい。具体的には、サービス提供部212は、ユーザ端末10が存在する位置を含む部分領域74のサービス施設の利用状況と、ユーザ端末10が存在しない位置を含む部分領域74のサービス施設の利用状況とを異なる表示形式でユーザ端末10に表示させる。
【0052】
例えば、サービス提供部212は、ユーザ端末10が存在する位置を含む部分領域74のサービス施設の利用状況を表示する一方で、ユーザ端末10が存在しない位置を含む部分領域74のサービス施設の利用状況を、ユーザ端末10上でグレー表示させる。また、サービス提供部212は、ユーザ端末10が存在しない位置を含む部分領域74のサービス施設の利用状況を、ユーザ端末10上に表示させなくてもよい。サービス提供部212は、サービス提供要求受信部210がユーザ端末10からサービス施設の利用予約をする情報をサービス提供要求として受け取った場合に、当該サービス提供要求を利用予約制御部220に供給する。
【0053】
更に、サービス提供部212は、入場情報を受け取ったときに、第2通信部208を介して、ユーザ端末10にサービス提供領域70が有するサービス施設が存在する位置を示した地図情報を提供してもよい。また、サービス提供部212は、ジェットコースター、映画館等のような座席を備えるサービス施設の場合、サービス施設の利用状況として予約可能な座席リストを利用状況としてユーザ端末10に送信してもよい。ユーザ端末10は、当該利用状況をユーザに通知して、ユーザは座席の利用予約をすることができる。
【0054】
サービス提供可否判断部214は、サービス提供要求に入場情報が含まれているか否かを判断する。そして、サービス提供可否判断部214は、サービス提供要求に入場情報が含まれている場合に、サービス提供部212からユーザ端末10へサービスを提供させる。例えば、サービス提供可否判断部214は、サービス提供要求に入場情報が含まれていると判断した場合に、サービス提供部212に、利用予約要求に応じてユーザ端末10からのサービス施設の利用の予約を処理させる。なお、サービス提供可否判断部214は、ユーザ端末10が第2通信部208を介して送信した利用予約要求を、サービス提供要求としてサービス提供要求受信部210が受信した場合に、サービス提供部212にサービス施設の利用の予約を処理させてもよい。
【0055】
また、サービス提供可否判断部214は、位置情報取得部206が取得した端末位置情報が示すユーザ端末10の位置が、施設位置格納部200が格納している施設位置情報が示すサービス施設の位置から予め定められた距離より大きい場合に、サービス提供部212に、ユーザによるサービス施設の利用の予約処理をさせることを禁止する。具体的には、サービス提供可否判断部214は、位置情報取得部206が取得した端末位置情報が示すユーザ端末10の位置が、施設位置格納部200が格納している施設位置情報が示すサービス施設の位置から予め定められた距離より大きい場合に、サービス提供部212に、サービス提供要求受信部210が利用予約要求を受信したときから所定期間内におけるユーザによるサービス施設の利用の予約処理をさせることを禁止する。また、サービス提供可否判断部214は、位置情報取得部206が取得した端末位置情報が示すユーザ端末10の位置が、施設位置格納部200が格納している施設位置情報が示すサービス施設の位置から、予め段階的に定められた距離より大きい場合に、サービス提供部212に、ユーザによるサービス施設の利用の予約処理をさせることを禁止してもよい。
【0056】
サービス領域側ユーザ識別情報取得部216は、サービス提供要求受信部210が利用予約要求を受信した場合に、ユーザ端末10を識別するユーザ識別情報を、第2通信部208を介して取得する。サービス領域側ユーザ識別情報取得部216は、取得したユーザ識別情報を、利用予約制御部220に供給する。予約格納部218は、サービス領域側ユーザ識別情報取得部216が取得したユーザ識別情報に対応づけて、サービス提供部212が予約処理したユーザによるサービス施設の利用の予約を示す予約情報を格納する。予約格納部218は、格納している予約情報をサービス施設利用許可部202に制御され、サービス施設利用許可部202に供給する。
【0057】
利用予約制御部220は、サービス領域側ユーザ識別情報取得部216が取得したユーザ識別情報に対応づけて格納している予約情報と同一の予約情報を、予約格納部218が格納することを禁止する。利用予約制御部220は、入場情報管理部204が受信した入場情報を送信したユーザ端末10のユーザのユーザ識別情報と、サービス領域側ユーザ識別情報取得部216から受け取ったユーザ識別情報とが一致する場合であって、サービス提供部212から受け取ったサービス施設の予約情報が、当該ユーザ識別情報に対応づけて予約格納部218に既に格納されている場合に、当該予約情報を予約格納部218に格納することを禁止する。一方、利用予約制御部220は、サービス領域側ユーザ識別情報取得部216が取得したユーザ識別情報に対応づけて予約格納部218が格納している予約情報と異なる予約情報については、予約格納部218に格納させる。これにより、同一のユーザが重複して同一の予約をすることを防止できる。
【0058】
サービス施設利用許可部202は、サービス領域側ユーザ識別情報取得部216が取得したユーザ識別情報と、予約格納部218に格納されているユーザ識別情報とを照合することにより、ユーザ端末10のユーザによるサービス施設の利用を許可する。すなわち、サービス施設利用許可部202は、予約格納部218を参照して、サービス領域側ユーザ識別情報取得部216が取得したユーザ識別情報で識別されるユーザが、サービス施設の利用予約をしているか否かを判断して、利用予約をしていると判断した場合に、当該ユーザがサービス施設を利用することを許可する。サービス施設利用許可部202は、当該ユーザがサービス施設の利用を許可するか否かを示す情報を、ゲート50の許否通知部506に送信する。
【0059】
本実施形態に係るサービス提供サーバ20によれば、サービス提供領域70に入場したユーザのユーザ端末10を、サービス提供領域70に入場していないユーザのユーザ端末10から、入場情報の有無により識別できる。これにより、サービス提供領域70に入場したユーザのユーザ端末10からのサービス施設の予約要求についてだけ、予約の処理をすることができ、サービス提供領域70に入場していないユーザのユーザ端末10からの予約要求を排除することができる。
【0060】
図6は、本実施形態に係る通信事業者サーバ25の機能構成の一例を示す。通信事業者サーバ25は、例えば、携帯電話サービス等の通信サービスを提供する通信事業者の通信を制御するサーバである。通信事業者サーバ25は、契約内容変更制御部250、通信管理部252、契約者情報格納部254、課金処理部256、および課金プラン格納部258を備える。
【0061】
契約者情報格納部254は、ユーザ端末10を識別する端末識別情報に対応づけて、ユーザ端末10に入場情報が記録されているか否かを示す情報を格納する。また、契約者情報格納部254は、端末識別情報に対応づけて、端末識別情報で識別されるユーザ端末10に適用されている契約内容を示す契約内容情報を格納する。契約内容情報は、例えば、通信料金の課金方法、および付加サービスの有無等を示す情報を含んでいてよい。更に、契約者情報格納部254は、ユーザ端末10がサービス提供領域70に入場したことを示す入場情報を格納する。契約者情報格納部254は、契約内容変更制御部250に制御されて、端末識別情報に対応づけて格納している契約内容情報を一時的に書き換える。課金プラン格納部258は、ユーザ端末10に適用されるべき契約内容である、課金方法を格納する。課金プラン格納部258は、課金処理部256に制御されて、格納している課金方法を示す情報を課金処理部256に供給する。
【0062】
契約内容変更制御部250は、ユーザ端末10の契約内容変更部116から、課金方法を変更させる情報を受信した場合に、ユーザ端末10に適用される課金方法を変更する。契約内容変更制御部250は、契約者情報格納部254が格納している契約内容情報を一時的に書き換えることによって、ユーザ端末10に適用される課金方法を変更する。また、契約内容変更制御部250は、ユーザ端末10から、ユーザ端末10に入場情報が書き込まれたことを示す情報を受け取ってもよい。そして、契約内容変更制御部250は、ユーザ端末10に入場情報が書き込まれたことを示す情報を受け取った場合に、ユーザ端末10に適用されている契約内容を変更する。例えば、契約内容変更制御部250は、ユーザ端末10に入場情報が書き込まれたことを示す情報を受け取った場合に、ユーザ端末10に適用されている課金方法を、ユーザ端末10に入場情報が書き込まれていない場合に比べて安価な課金となる課金方法に変更してよい。
【0063】
通信管理部252は、ユーザ端末10と当該ユーザ端末とは異なる他のユーザ端末10との間の通信データを監視する。そして、通信管理部252は、監視中に取得した通信データのデータ量を課金処理部256に供給する。課金処理部256は、ユーザ端末10と他のユーザ端末10との間における通信に対して課金処理を実行する。課金処理部256は、契約者情報格納部254が格納している契約内容情報を読み取って、読み取った契約内容情報が示す課金方法であって、課金プラン格納部258が格納している課金方法で課金処理を実行する。課金処理部256は、通信管理部252から受け取ったデータ量と課金プラン格納部258から取得した課金方法とを用いて、課金処理を実行する。なお、通信料金の徴収は、電話通信網を提供する通信事業者側の課金システムにおいて、課金処理部256が実行した課金処理の結果を参照して徴収してよい。なお、通信事業者サーバ25の外部に課金サーバが存在していてもよく、係る場合には、課金サーバが課金処理部256の機能を備えていてもよい。
【0064】
なお、契約内容変更制御部250が書き換える契約者情報格納部254が格納している契約内容情報が示す契約内容は、付加サービスの有無であってもよい。付加サービスは、留守番電話サービス、音楽データのダウンロードサービス、およびマナーモード設定サービス等であってよい。例えば、付加サービスとして留守番電話サービスが存在する場合であって、ユーザ端末10から、ユーザ端末10に入場情報が書き込まれたことを示す情報を受け取った場合に、契約内容変更制御部250は、ユーザ端末10に対して留守番電話サービスを適用する。
【0065】
同様にして、付加サービスとして音楽データのダウンロードサービスが存在する場合であって、ユーザ端末10から、ユーザ端末10に入場情報が書き込まれたことを示す情報を受け取った場合に、契約内容変更制御部250は、ユーザがサービス提供領域70に入場している間、自由に音楽データをダウンロードすることができるサービスを適用する。更に、付加サービスとしてマナーモード設定サービスが存在する場合であって、ユーザ端末10から、ユーザ端末10に入場情報が書き込まれたことを示す情報を受け取った場合に、契約内容変更制御部250は、ユーザがサービス提供領域70に入場している間、自動的にユーザ端末10をマナーモードに設定する。これにより、例えば、サービス提供領域70が映画館である場合、ユーザ端末10が自動的にマナーモードに設定されるので、ユーザが映画を鑑賞中に、ユーザ端末10から着信音が出力されることがなくなる。
【0066】
本実施形態に係る通信事業者サーバ25によれば、ユーザ端末10がサービス提供領域70に入場したことを契機として、サービス提供領域70において、サービス提供業者が独自のサービスをユーザ端末10に提供することができる。例えば、ユーザがサービス提供領域70の中に存在する間は、ユーザ端末10を用いた通信の通信料金を割り引くことができる。また、サービス提供サーバ20が通信事業者サーバ25における課金処理の実行結果を参照することにより、サービス提供領域70におけるサービスを提供するサービス提供業者が、ユーザに対して簡易的に課金することもできる。なお、通信事業者サーバ25は、ユーザ端末10に入場情報が記録されるたびに、ユーザ端末10から入場情報が記録されたことを示す情報を受け取ってよい。そして、通信事業者サーバ25は、契約内容の変更に対する料金を請求すべく、サービス提供領域70におけるサービスを提供するサービス業者に対して変更料金を課金してもよい。
【0067】
図7は、本実施形態に係るユーザ端末10の表示部118が表示する表示内容の一例を示す。まず、ユーザが、ユーザのユーザ端末10をゲート50にかざして、ゲート50を通過してサービス提供領域70に入場した場合、サービス提供サーバ20は、通信中継部30を介してユーザ端末10(a)にサービス提供領域70におけるサービスの利用が可能になったことを示すメールを送信する。例えば、サービス提供サーバ20は、表示画面700に示すように、「予約システムの利用が可能となりました。随時、予約できます。」とユーザ端末10(a)に表示させる情報を、ユーザ端末10(a)に送信する。
【0068】
また、ユーザがサービス施設72を含む部分領域74に存在する場合には、サービス提供サーバ20は、通信中継部30を介してユーザ端末10(b)に、部分領域74が含むサービス施設の予約状況に関する情報を送信する。そして、表示画面710に示すように、部分領域74が含む施設306、施設307、および施設308のそれぞれについて、予約ができるか否かを示す情報を表示する。ここで、表示画面710に表示された施設306等の項目にはそれぞれ、施設306等の利用予約を実行できるウエブページへのショートカットが割り付けられている。そして、ユーザがユーザ端末10(b)を操作して、施設306の予約を所望した場合には、ショートカットで指定されるウエブページが表示画面720のように表示される。
【0069】
例えば、施設306を利用可能となるまでの待ち時間と共に予約可能な時刻が表示される。ユーザは、表示画面720を参照して、所望の時刻にサービス施設72の利用予約をすることができる。具体的には、ユーザが施設306を利用することを所望する時刻を、表示画面720の表示を参照して選択する。そして、ユーザ端末10(b)は、ユーザが選択した時刻を、施設306を識別する情報に対応づけて、サービス提供サーバ20に送信する。サービス提供サーバ20のサービス提供部212は、ユーザ端末10(b)から受信した情報に応じて、予約処理を実行する。
【0070】
また、ユーザがサービス提供領域70から退場した場合、ユーザ端末10(C)に記録されていた入場情報が消去される。これにより、サービス提供サーバ20は、ユーザが退場したことを認識して、ユーザ端末10(c)からのサービス施設の予約を禁止できる。そして、サービス提供サーバ20は、ユーザ端末10(c)に、表示画面730に示すように「予約システムの利用が終了しました。」とユーザ端末10(c)に表示させる情報を、ユーザ端末10(c)に送信する。
【0071】
図8は、本実施形態に係る距離に応じたユーザ端末10における予約方法の一例を示す。ユーザ端末10が部分領域74(a)に存在する場合、サービス提供サーバ20の利用サービス提供可否判断部214は、部分領域74(a)から他の部分領域74までの距離に応じて、ユーザ端末10から予約ができるサービス施設を制限する。例えば、部分領域74(a)から部分領域74(b)、部分領域74(c)、部分領域74(d)、および部分領域74(e)の順に、ユーザ端末10からの距離が離れている場合を考える。
【0072】
係る場合において、ユーザ端末10からの予め定められた距離より大きい部分領域74(例えば、部分領域74(d)および部分領域74(e))のサービス施設についての利用予約を、サービス提供可否判断部214は禁止する。これにより、ユーザが存在する位置を含む部分領域74(a)から、ユーザが利用を所望するサービス施設の利用時刻までにユーザが到達できない距離に存在するサービス施設についての利用予約を禁止できる。サービス提供可否判断部214は、段階的に定められた距離に応じて、サービス施設の利用予約を制限してもよい。具体的には、サービス提供可否判断部214は、ユーザ端末10のユーザがサービス施設の利用予約を実行する位置(例えば、部分領域74(a))を基準として、当該位置からの移動時間を考慮して予め段階的に設定した距離を越える部分領域74(例えば、部分領域74(d)および部分領域74(e))に含まれるサービス施設の利用予約を禁止する。
【0073】
なお、サービス提供可否判断部214は、移動時間を、例えば、人間の通常の歩行時における歩行速度(例えば、分速80m)を基準にして決定してよい。例えば、サービス提供可否判断部214は、ユーザが存在する位置からユーザが利用を所望するサービス施設までの距離と歩行速度とから移動に要する移動時間を算出する。そして、サービス提供可否判断部214は、ユーザが利用を所望する利用時刻とユーザがサービス施設の利用予約をした時刻との時間と、算出した移動時間とを比較して、ユーザが利用予約をした時刻までにサービス施設に到達できるか否かを判断することにより、ユーザによるサービス施設の利用予約を禁止するか否かを決定してよい。
【0074】
これにより、ユーザが存在する位置から離れており、事実上ユーザが所定の時間以内に到達できない距離に存在するサービス施設について、ユーザが利用予約をすることを防止できる。
【0075】
図9は、本実施形態に係るサービス提供システム1における処理の流れの一例を示す。まず、ユーザは、ユーザ端末10をゲート50にかざしてサービス提供領域70に入場する(S1000)。ユーザ端末10の端末側第1通信部100は、第1通信方式でゲート50の第1通信部502と通信する。ゲート50は、ユーザ端末10がサービス提供領域70に入場したことを示す情報をサービス提供サーバ20に送信すると共に(S1005)、ユーザ端末10に入場情報を送信する(S1010)。ユーザ端末10は、ゲート50が送信した入場情報を入場情報記録部114に記録する。ここで、入場情報を入場情報記録部114に記録したユーザ端末10は、契約内容の変更をすべく、契約内容を変更させる命令を通信事業者サーバ25に送信する(S1017)。通信事業者サーバ25は、当該命令を受信した場合に、ユーザ端末10に適用されている契約内容をサービス提供領域70内における契約内容に変更する。
【0076】
ユーザ端末10がサービス提供領域70に入場したことを示す情報を受信したサービス提供サーバ20は、サービス提供領域70におけるサービスの利用が可能となったことを示すメールを、ユーザ端末10に送信すべく通信中継部30に送信する(S1015)。通信中継部30は、当該メールをユーザ端末10に転送する(S1020)。ユーザ端末10は、通信中継部30を介してサービス提供サーバ20に対して、サービス施設の利用予約等を含むサービスの提供を要求するサービス提供要求を送信する(S1025、S1030)。サービス提供サーバ20は、サービス提供要求に応じて、通信中継部30を介してユーザ端末10にサービスを提供する(S1035、S1040)。
【0077】
ユーザ端末10のユーザは、サービス提供サーバ20に対して、利用を所望するサービス施設の利用予約の処理を要求する。係る場合にユーザ端末10は、入場情報および端末識別情報と共に、サービス提供サーバ20に対して利用予約の処理を要求する。サービス提供サーバ20は、ユーザ端末10からの要求に応じて、サービス提供施設の利用についての予約処理を実行する。
【0078】
次に、ユーザがサービス施設72に入場する場合、サービス施設72のゲート52にユーザ端末10をかざして、入場情報および端末識別情報をゲート52に第1通信方式で送信する(S1045)。ゲート52は、受信した入場情報および端末識別情報をサービス提供サーバ20に送信する(S1050)。サービス提供サーバ20は、当該端末識別情報で識別されるユーザ端末10のユーザがサービス提供領域70に入場しているか否かを入場情報の有無で判断すると共に、当該ユーザがサービス施設の利用予約をしているか否かを照合する(S1055)。
【0079】
サービス提供サーバ20は、照合結果をゲート52の許否通知部506に送信する(S1060)。許否通知部506は、受信した照合結果をゲート制御部500に供給する。ゲート制御部500は、照合結果に応じてゲートの開閉を操作する(S1065)。すなわち、照合結果が、ユーザがサービス提供領域70に入場しており、サービス施設の利用予約をしていることを示す場合に、ゲート制御部500は、ゲートを開放する。これにより、ユーザは、サービス施設を利用できる。一方、照合結果が、ユーザがサービス提供領域70に入場していないか、または、サービス施設の利用予約をしていないことを示す場合に、ゲート制御部500は、ゲートを開かずに閉じた状態にして、ユーザのサービス施設の利用を禁止する。
【0080】
続いて、ユーザがサービス提供領域70から退場する場合、ユーザがユーザ端末10をゲート50にかざすと、ユーザ端末10はゲート50と第1通信方式で通信する(S1070)。ゲート50は、ユーザ端末10に記録されている入場情報を消去する(S1080)。そして、ゲート50は、サービス提供サーバ20にユーザが退場したことを示す退場情報を送信する。これにより、サービス提供サーバ20は、ユーザがサービス提供領域70から退場したことを把握できる。また、入場情報を消去されたユーザ端末10は、通信事業者サーバ25に対して、再度、契約内容の変更して元の契約内容に戻すべく、契約内容を変更させる命令を通信事業者サーバ25に送信する(S1085)。通信事業者サーバ25は、当該命令を受信した場合に、ユーザ端末10に適用されている契約内容を元の契約内容に変更する。
【0081】
なお、ユーザが、ユーザ端末10をゲート50にかざしてサービス提供領域70に入場した場合、ゲート50は、ユーザ端末10がサービス提供領域70に入場したことを示す入場情報をサービス提供サーバ20に送信すると共に、HLRに入場情報およびユーザ端末10を識別する端末識別情報を送信してもよい。そして、HLRは、端末識別情報に対応づけて入場情報を記録する。続いて、HLRはCDRに働きかけて、CDRに端末識別情報に対応づけて入場情報を記録させる。CDRは、記録された入場情報に対応づけられている端末識別情報で識別されるユーザ端末10に適用されている課金方法を変更する。例えば、CDRは、サービス提供領域70に入場していないユーザ端末10に適用される通信料に比べて、サービス提供領域70に入場しているユーザ端末10に適用される通信料が安価となる課金方式を設定する。
【0082】
そして、ユーザがサービス提供領域70から退場する場合、ユーザがユーザ端末10をゲート50にかざすと、ユーザ端末10はゲート50と第1通信方式で通信する。ゲート50は、ユーザ端末10に記録されている入場情報を消去する。そして、ゲート50は、HLRにユーザが退場したことを示す退場情報を、当該ユーザ端末10の端末識別情報に対応づけて送信する。HLRは当該ユーザ端末10に対応づけて記録した入場情報を、当該退場情報を受信したことに応じて消去する。更に、HLRは、CDRに働きかけて、当該端末識別情報に対応づけて記録している入場情報を消去させる。これにより、CDRは、サービス提供領域70から退場したユーザ端末10に適用する契約内容を、元の契約内容に戻すことができる。
【0083】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加え得ることが当業者に明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】サービス提供システム1の概要図である。
【図2】ユーザ端末10の機能構成を示すブロック図である。
【図3】入場情報記録部114のデータ構成を示す図である。
【図4】ゲート50およびゲート52の機能構成を示すブロック図である。
【図5】サービス提供サーバ20の機能構成を示すブロック図である。
【図6】通信事業者サーバ25の機能構成を示すブロック図である。
【図7】ユーザ端末10の表示部118の表示内容を示す図である。
【図8】距離に応じた予約方法を示す図である。
【図9】サービス提供システム1における処理の流れを示す図である。
【符号の説明】
【0085】
1 サービス提供システム
10 ユーザ端末
20 サービス提供サーバ
25 通信事業者サーバ
30 通信中継部
40、42 ネットワーク
50、52 ゲート
60 交換機
70 サービス提供領域
72 サービス施設
74 部分領域
100 端末側第1通信部
101 端末側第2通信部
102 端末識別情報送信部
104 入場情報受信部
106 消去制御部
108 サービス提供要求送信部
110 サービス提供受信部
112 音声送受信部
114 入場情報記録部
116 契約内容変更部
118 表示部
120 音声入力部
122 音声出力部
200 施設位置格納部
202 サービス施設利用許可部
204 入場情報管理部
206 位置情報取得部
208 第2通信部
210 サービス提供要求受信部
212 サービス提供部
214 サービス提供可否判断部
216 サービス領域側ユーザ識別情報取得部
218 予約格納部
220 利用予約制御部
250 契約内容変更制御部
252 通信管理部
254 契約者情報格納部
256 課金処理部
258 課金プラン格納部
306、307、308 施設
500 ゲート制御部
502 第1通信部
504 入場情報送信部
506 許否通知部
508 退場検知部
510 サービス施設側ユーザ識別情報取得部
512 入場検知部
514 入場情報消去部
600、610 表
700、710、720、730 表示画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められたサービス提供領域に存在するユーザにサービスを提供するサービス提供システムであって、
前記サービス提供領域の入口に設けられ、前記ユーザのユーザ端末と第1通信方式で通信する第1通信部と、
前記第1通信部が前記ユーザ端末と通信することにより、前記ユーザ端末がサービス提供領域に入場したことを検知する入場検知部と、
前記入場検知部が前記サービス提供領域への前記ユーザ端末の入場を検知した場合に、前記ユーザ端末が前記サービス提供領域に入場したことを示す入場情報を、前記第1通信部を介して前記ユーザ端末に送信して書き込ませる入場情報送信部と、
前記ユーザ端末と第2通信方式で通信する第2通信部と、
前記第2通信部を介して、前記ユーザ端末にサービスを提供するサービス提供部と、
前記ユーザ端末がサービスの提供を要求していることを示すサービス提供要求を、前記ユーザ端末から前記第2通信部を介して受信するサービス提供要求受信部と、
前記サービス提供要求に前記入場情報が含まれているか否かを判断し、前記サービス提供要求に前記入場情報が含まれている場合に、前記サービス提供部から前記ユーザ端末へサービスを提供させるサービス提供可否判断部と
を備えるサービス提供システム。
【請求項2】
前記第1通信部は、前記ユーザ端末と直接通信し、
前記第2通信部は、通信網を介して前記ユーザ端末と通信する
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
前記第1通信部が前記ユーザ端末と通信することにより、前記ユーザ端末が前記サービス提供領域から退場したことを検知する退場検知部と、
前記退場検知部が前記サービス提供領域からの前記ユーザ端末の退場を検知した場合に、前記ユーザ端末に書き込まれている前記入場情報を消去させる入場情報消去部と
を更に備える請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
前記サービス提供要求受信部は、前記サービス提供領域に設けられたサービス施設の利用の予約を要求する利用予約要求を、前記サービス提供要求として、前記ユーザ端末から前記第2通信部を介して受信し、
前記サービス提供可否判断部は、前記サービス提供要求に前記入場情報が含まれている場合に、前記サービス提供部に、前記利用予約要求に応じた前記ユーザ端末からのサービス施設の利用の予約を処理させる
請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
前記サービス提供領域における前記ユーザ端末の位置を示す端末位置情報を取得する位置情報取得部
を更に備え、
前記サービス提供部は、前記位置情報取得部が取得した前記端末位置情報が示す位置からの距離がより近いサービス施設の利用状況をより優先させて前記ユーザ端末に表示させ、
前記サービス提供可否判断部は、前記ユーザ端末が前記第2通信部を介して送信した前記利用予約要求を、前記サービス提供要求として前記サービス提供要求受信部が受信した場合に、前記サービス提供部にサービス施設の利用の予約を処理させる
請求項4に記載のサービス提供システム。
【請求項6】
前記サービス提供領域に含まれる複数の部分領域のそれぞれを通信エリアとし、前記第2通信部と前記ユーザ端末との通信を中継する複数の通信中継部
を更に備え、
前記位置情報取得部は、前記ユーザ端末と前記第2通信部との通信を中継している前記通信中継部を含む前記部分領域に、前記ユーザ端末が存在すると判断し、
前記サービス提供部は、前記ユーザ端末が存在する前記部分領域に設けられたサービス施設の利用状況を、他のサービス施設の利用状況より優先させて前記ユーザ端末に表示させる
請求項5に記載のサービス提供システム。
【請求項7】
前記サービス提供要求受信部が前記利用予約要求を受信した場合に、前記ユーザ端末を識別するユーザ識別情報を、前記第2通信部を介して取得するサービス領域側ユーザ識別情報取得部と、
前記サービス領域側ユーザ識別情報取得部が取得した前記ユーザ識別情報に対応づけて、前記サービス提供部が予約処理した前記ユーザによるサービス施設の利用の予約を示す予約情報を格納する予約格納部と、
前記予約格納部が前記ユーザ識別情報に対応づけて格納している前記予約情報と同一の予約情報を、前記予約格納部が格納することを禁止する利用予約制御部と
を更に備える請求項4に記載のサービス提供システム。
【請求項8】
前記ユーザがサービス施設を利用するときに、前記ユーザ端末から前記ユーザ識別情報を、前記第1通信部を介して取得するサービス施設側ユーザ識別情報取得部と、
前記サービス施設側ユーザ識別情報取得部が取得した前記ユーザ識別情報と、前記予約格納部に格納されている前記ユーザ識別情報とを照合することにより、前記ユーザ端末の前記ユーザによるサービス施設の利用を許可するサービス施設利用許可部と
を備える請求項7に記載のサービス提供システム。
【請求項9】
前記サービス提供領域における前記ユーザ端末の位置を示す端末位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記サービス提供領域に設けられたサービス施設の位置を示す施設位置情報を格納する施設位置格納部と
を更に備え、
前記サービス提供可否判断部は、前記位置情報取得部が取得した前記端末位置情報が示す前記ユーザ端末の位置が、前記施設位置格納部が格納している前記施設位置情報が示すサービス施設の位置から予め定められた距離より大きい場合に、前記サービス提供部に、前記ユーザによるサービス施設の利用の予約処理をさせることを禁止する
請求項4に記載のサービス提供システム。
【請求項10】
前記サービス提供可否判断部は、前記位置情報取得部が取得した前記端末位置情報が示す前記ユーザ端末の位置が、前記施設位置格納部が格納している前記施設位置情報が示すサービス施設の位置から予め定められた距離より大きい場合に、前記サービス提供部に、前記サービス提供要求受信部が前記利用予約要求を受信したときから所定期間内における前記ユーザによるサービス施設の利用の予約処理をさせることを禁止する
請求項9に記載のサービス提供システム。
【請求項11】
前記サービス提供領域に含まれる複数の部分領域のそれぞれを通信エリアとし、前記第2通信部と前記ユーザ端末との通信を中継する複数の通信中継部
を更に備え、
前記位置情報取得部は、前記ユーザ端末と前記第2通信部との通信を中継している前記通信中継部を含む前記部分領域の位置を、前記ユーザ端末の位置として前記端末位置情報を取得する
請求項9に記載のサービス提供システム。
【請求項12】
前記ユーザ端末に前記入場情報が書き込まれていない場合と、前記ユーザ端末に前記入場情報が書き込まれている場合とで、前記ユーザ端末に適用される通信料金の課金方法を変更する契約内容変更部
を更に備える請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項13】
予め定められたサービス提供領域に存在するユーザにサービスを提供するサービス提供方法であって、
前記サービス提供領域の入口に設けられ、前記ユーザのユーザ端末と第1通信方式で通信する第1通信部が前記ユーザ端末と通信することにより、前記ユーザ端末がサービス提供領域に入場したことを検知する入場検知段階と、
前記入場検知段階において前記サービス提供領域への前記ユーザ端末の入場を検知した場合に、前記ユーザ端末が前記サービス提供領域に入場したことを示す入場情報を、前記第1通信部を介して前記ユーザ端末に送信して書き込ませる入場情報送信段階と、
前記ユーザ端末と第2通信方式で通信する第2通信部を介して、前記ユーザ端末にサービスを提供するサービス提供段階と、
前記ユーザ端末がサービスの提供を要求していることを示すサービス提供要求を、前記ユーザ端末から前記第2通信部を介して受信するサービス提供要求受信段階と、
前記サービス提供要求に前記入場情報が含まれているか否かを判断し、前記サービス提供要求に前記入場情報が含まれている場合に、前記ユーザ端末へサービスを提供させるサービス提供可否判断段階と
を備えるサービス提供方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−158580(P2008−158580A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343428(P2006−343428)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】