説明

サーマルプリンタおよびその制御プログラム

【課題】プラテンからサーマルヘッドに加わる圧力を低減でき、これによりサーマルヘッドの寿命向上が図れるサーマルプリンタおよびその制御プログラムを提供する。
【解決手段】第1および第2サーマルヘッドの少なくとも1つによるプリントに際し、第1および第2プラテンを開移動した状態でサーマル用紙の給紙を開始し、そのサーマル用紙の先端が第1および第2サーマルヘッドにそれぞれ達するときに第1および第2プラテンをそれぞれ閉移動しながらプリントを行い、このプリント後にカットされるサーマル用紙を給紙方向と反対方向に戻しながら、そのサーマル用紙の先端が第1および第2サーマルヘッドをそれぞれ通過したときに第1および第2プラテンをそれぞれ開移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、両面に感熱層が形成されたサーマル用紙を用いるサーマルプリンタおよびその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
感熱層が形成されたサーマル用紙をサーマルヘッドとプラテンとの間に挟み込んで給紙しながらプリントを行うサーマルプリンタが知られている。(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−357887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のサーマルプリンタでは、プリント時も非プリント時も、プラテンの圧力がサーマルヘッドに常に加わる。この圧力はサーマルヘッドの寿命に悪影響を与える。
【0005】
本発明の実施形態の目的は、プラテンからサーマルヘッドに加わる圧力を低減でき、これによりサーマルヘッドの寿命向上が図れるサーマルプリンタおよびその制御プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態のサーマルプリンタは、両面に感熱層を有するサーマル用紙を給紙しながらそのサーマル用紙に情報をプリントするものであって、前記サーマル用紙の給紙方向に沿って互いに離れた位置に設けられ、同サーマル用紙の一方の面に対するプリントを行う第1サーマルヘッドおよび他方の面に対するプリントを行う第2サーマルヘッドと、前記サーマル用紙の給紙路を挟んで前記第1サーマルヘッドと対向する位置に設けられ、その第1サーマルヘッドに近づく閉移動および同第1サーマルヘッドから離れる開移動を可能とし、閉移動により同第1サーマルヘッドとの間に前記サーマル用紙を挟み込む第1プラテンと、前記サーマル用紙の給紙路を挟んで前記第2サーマルヘッドと対向する位置に設けられ、その第2サーマルヘッドに近づく閉移動および同第2サーマルヘッドから離れる開移動を可能とし、閉移動により同第2サーマルヘッドとの間に前記サーマル用紙を挟み込む第2プラテンと、前記第1および第2サーマルヘッドの少なくとも1つによるプリントに際し、前記第1および第2プラテンを開移動した状態で前記サーマル用紙の給紙を開始し、そのサーマル用紙の先端が前記第1および第2サーマルヘッドにそれぞれ達するときに前記第1および第2プラテンをそれぞれ閉移動しながらプリントを行い、このプリント後にカットされるサーマル用紙を給紙方向と反対方向に戻しながら、そのサーマル用紙の先端が前記第1および第2サーマルヘッドをそれぞれ通過したときに前記第1および第2プラテンをそれぞれ開移動する制御手段と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】一実施形態の要部の構成を示す図。
【図2】一実施形態の制御回路のブロック図。
【図3】一実施形態に関わるICチップ含有タイプのサーマル用紙の要部を示す図。
【図4】一実施形態の作用を説明するためのフローチャート。
【図5】一実施形態におけるサーマル用紙がホームポジションに存する状態を示す図。
【図6】一実施形態におけるサーマル用紙が第2サーマルヘッドに達した状態を示す図。
【図7】一実施形態におけるサーマル用紙が第2サーマルヘッドを通過して第1サーマルヘッドに達した状態を示す図。
【図8】一実施形態における各プラテンローラが開移動した様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。まず、要部の構成を図1に示している。
1はサーマル用紙で、一方の面(表面という)1aおよび他方の面(裏面という)1bにそれぞれ感熱層を有し、表面1aが内側となる状態にロール状に巻かれ、先端側が給紙ローラ2,3によって給紙路4に給紙され、その給紙路4上を搬送される。上記感熱層は、所定の温度以上に加熱されたときに、例えば黒色あるいは赤色に発色する材料によって形成されている。
このサーマル用紙1の給紙方向に沿って、サーマル用紙1の表面1aに接する第1サーマルヘッド11、裏面1bに接する第2サーマルヘッド12が配置される。この第1および第2サーマルヘッド11,12は、サーマル用紙1の給紙方向と直交する方向、つまりサーマル用紙1の幅方向に延びる形状を有し、サーマル用紙1の給紙方向に沿って互いに離れた位置に設けられている。第1サーマルヘッド11の位置は、サーマル用紙1の給紙方向において、第2サーマルヘッド12の位置よりも下流側である。
【0009】
給紙路4を挟んで第1サーマルヘッド11と対向する位置に第1プラテンローラ13が配置され、給紙路4を挟んで第2サーマルヘッド12と対向する位置に第2プラテンローラ14が配置される。
【0010】
上記第1プラテンローラ13は、矢印で示すように、第1サーマルヘッド11に近づく閉移動および同第1サーマルヘッド11から離れる開移動を可能とし、閉移動により第1サーマルヘッド11との間にサーマル用紙1を挟み込み、サーマル用紙1の表面1aを第1サーマルヘッド11に効率よく接触させる。この第1プラテンローラ13の閉移動および開移動の動力源としてモータ13Mが配設される。
【0011】
上記第2プラテンローラ14も、矢印で示すように、第2サーマルヘッド12に近づく閉移動および同第2サーマルヘッド12から離れる開移動を可能とし、閉移動により第2サーマルヘッド12との間にサーマル用紙1を挟み込み、サーマル用紙1の裏面1bを第2サーマルヘッド12に効率よく接触させる。この第2プラテンローラ14の閉移動および開移動の動力源としてモータ14Mが配設される。
【0012】
これら第1および第2プラテンローラ13,14は、閉移動の位置として、前記各サーマルヘッドとの間が距離Dxである第1閉移動位置、前記各サーマルヘッドとの間が距離Dy(>Dx)である第2閉移動位置を有する。
【0013】
給紙方向において、第1サーマルヘッド11および第1プラテンローラ13よりも下流側の位置に、サーマル用紙1をカットするためのカッタ5が配置される。給紙方向における第1サーマルヘッド11の手前位置に、用紙センサ6が配置される。用紙センサ6は、給紙路4に向けて光を発する発光素子および給紙路4におけるサーマル用紙1からの反射光を受ける受光素子からなり、受光素子の受光の有無により、サーマル用紙1が第1サーマルヘッド11の手前位置に存しているか否かを検知する。給紙方向における第2サーマルヘッド12の手前位置に、用紙センサ7が配置される。用紙センサ7は、給紙路4に向けて光を発する発光素子および給紙路4におけるサーマル用紙1からの反射光を受ける受光素子からなり、受光素子の受光の有無により、サーマル用紙1が第2サーマルヘッド12の手前位置に存しているか否かを検知する。
【0014】
図2に制御回路を示す。
CPU21、制御プログラム記憶用のROM22、データ記憶用のRAM23などからなるマイクロコンピュータが制御の中枢として働く。このマイクロコンピュータのCPU21に、上記用紙センサ6,7、通信インタフェース25、給紙駆動回路31、カッタ駆動回路32、ヘッド駆動回路33,34、プラテン駆動回路35,36、コントロールパネル37が接続される。コントロールパネル37は、複数の操作ボタンと表示ランプからなる操作部37a、および液晶表示部37bを有する。
【0015】
上記通信インタフェース25に、外部のホスト装置50が接続される。上記給紙駆動回路31は、給紙ローラ2,3および給紙路4を含む給紙機構を駆動する。上記カッタ駆動回路32は、カッタ5を駆動する。上記ヘッド駆動回路33,34は、第1および第2サーマルヘッド11,12をそれぞれ駆動する。上記プラテン駆動回路35,36は、プラテンローラ駆動用の上記モータ13M,14Mをそれぞれ駆動する。
【0016】
そして、CPU21は、ROM22内の制御プログラムに基づく主要な機能として、次の(1)〜(4)の手段を有する。
(1)外部のホスト装置50から供給されるプリント用データD0を、サーマル用紙1の表面1aに対する第1プリント用データD1と、裏面1bに対する第2プリント用データD2とに振分けるデータ振分け制御手段。プリント用データD0、第1プリント用データD1、第2プリント用データD2は、共に、RAM23に格納される。
【0017】
(2)第1および第2サーマルヘッド11,12の少なくとも1つによるプリントに際し、第1および第2プラテンローラ13,14を開移動した状態でサーマル用紙1の給紙を開始し、そのサーマル用紙1の先端が第1および第2サーマルヘッド11,12にそれぞれ達するときに第1および第2プラテンローラ13,14をそれぞれ閉移動しながらプリントを行い、プリントが済んだサーマル用紙1のプリント位置の終端がカッタ5の位置を通過したところでそのカッタ5を駆動してサーマル用紙1をカットし、このカット後のサーマル用紙1を給紙方向と反対方向に戻しながら、そのサーマル用紙1の先端が第1および第2サーマルヘッド11,12をそれぞれ通過したときに第1および第2プラテンローラ13,14をそれぞれ開移動する第1制御手段。
【0018】
(3)サーマル用紙1がICチップを含まないものである場合に第1および第2プラテンローラ13,14の閉移動位置に関する通常モードとして第1閉移動位置(距離Dx)を設定し、サーマル用紙1が図3に示すICチップ60を含有するものである場合に第1および第2プラテンローラ13,14の閉移動位置に関する第2閉移動位置(距離Dy)を設定する第2制御手段。サーマル用紙1がICチップ60を含むか否かは、コントロールパネル37の操作により設定される。
【0019】
(4)コントロールパネル37の所定の操作に応じて、第1および第2プラテンローラ13,14を開移動しその状態を保持する第3制御手段。この制御は、サーマル用紙1が給紙路4においてジャムしたとき、あるいはサービスマンによる保守点検時などに利用される。
【0020】
つぎに、図3〜図6を参照しながら作用について説明する。図3はCPU21の処理を示し、図4〜図6はサーマル用紙1の位置変化、第1および第2プラテンローラ13,14の状態変化を示す。
【0021】
非プリント時、図5のように、プラテンローラ13,14が開移動して第1および第2サーマルヘッド11,12から離間し、サーマル用紙1の先端が用紙センサ7の手前の給紙待機位置いわゆるホームポジションで待機する。
【0022】
ICチップを含まないサーマル用紙1の使用がコントロールパネル37で設定されている場合(ステップ101のYES)、第1および第2プラテンローラ13,14の閉移動位置に関する通常モードとして距離Dxの第1閉移動位置が設定される(ステップ102)。ICチップ含有タイプのサーマル用紙1の使用がコントロールパネル37で設定されている場合(ステップ101のNO)、第1および第2プラテンローラ13,14の閉移動位置に関するICチップモードとして距離Dyの第2閉移動位置が設定される(ステップ103)。距離Dyは、ICチップ60の厚み分だけ、通常モードの距離Dxより大きい。
【0023】
第1および第2サーマルヘッド11,12による両面プリントに際しては(ステップ104のYES)、第1および第2プラテンローラ13,14が共に開移動しているかどうか判定され(ステップ105)、開移動していなければ(ステップ105のNO)、開移動される(ステップ106)。この状態でサーマル用紙1の給紙が開始される(ステップ107)。
【0024】
給紙されたサーマル用紙1の先端が第2サーマルヘッド12の手前位置に達すると、そのサーマル用紙1の先端が用紙センサ7で検知される(ステップ108のYES)。この検知に基づき、図6のように第2プラテンローラ14が閉移動され(ステップ109)、サーマル用紙1が第2サーマルヘッド12に押し当てられる。この状態で第2サーマルヘッド12によるプリントが行われる(ステップ110)。
【0025】
第2サーマルヘッド12を経たサーマル用紙1の先端が第1サーマルヘッド11の手前位置に達すると、そのサーマル用紙1の先端が用紙センサ6で検知される(ステップ111のYES)。この検知に基づき、図7のように第1プラテンローラ13が閉移動され(ステップ112)、サーマル用紙1が第1サーマルヘッド11に押し当てられる。この状態で第1サーマルヘッド11によるプリントが行われる(ステップ113)。
【0026】
第2サーマルヘッド12および第1サーマルヘッド11によるプリントが完了すると(ステップ114のYES)、サーマル用紙1のプリント位置の終端がカッタ5の位置を通過したところで、カッタ5によりサーマル用紙1がカットされる(ステップ115)。サーマル用紙1のプリント位置の終端がカッタ5の位置を通過したかどうかについては、サーマル用紙1の先端が用紙センサ6で検知された後の時間計測およびプリント情報量に基づいて検出される。
【0027】
カッタ5によるカット後、サーマル用紙1が給紙方向と反対方向に上記ホームポジションに向け戻される(ステップ116)。このとき、サーマル用紙1の先端が第1サーマルヘッド11を通過して用紙センサ6で検知されたときに第1プラテンローラ13が開移動されるとともに、サーマル用紙1の先端が第2サーマルヘッド12を通過して用紙センサ7で検知されたときに第2プラテンローラ14が開移動される(ステップ117)。
【0028】
また、第1サーマルヘッド11による表面プリントに際しては(ステップ104のNO、ステップ118のYES)、第1および第2プラテンローラ13,14が共に開移動しているかどうか判定され(ステップ119)、開移動していなければ(ステップ119のNO)、開移動される(ステップ120)。この状態でサーマル用紙1の給紙が開始される(ステップ121)。給紙されたサーマル用紙1の先端が第2サーマルヘッド12の手前位置に達すると、そのサーマル用紙1の先端が用紙センサ7で検知される(ステップ122のYES)。この検知に基づき、図6のように第2プラテンローラ14が閉移動され(ステップ123)、サーマル用紙1が第2サーマルヘッド12に押し当てられながら給紙される。以後、上記ステップ111〜117の処理が実行される。
【0029】
第2サーマルヘッド12による裏面プリントに際しては(ステップ104のNO、ステップ118のNO、ステップ124のYES)、第1および第2プラテンローラ13,14が共に開移動しているかどうか判定され(ステップ125)、開移動していなければ(ステップ125のNO)、開移動される(ステップ126)。この状態でサーマル用紙1の給紙が開始される(ステップ127)。給紙されたサーマル用紙1の先端が第2サーマルヘッド12の手前位置に達すると、そのサーマル用紙1の先端が用紙センサ7で検知される(ステップ128のYES)。この検知に基づき、図6のように第2プラテンローラ14が閉移動され(ステップ129)、サーマル用紙1が第2サーマルヘッド12に押し当てられる。この状態で第2サーマルヘッド12によるプリントが行われる(ステップ130)。
【0030】
第2サーマルヘッド12を経たサーマル用紙1の先端が第1サーマルヘッド11の手前位置に達すると、そのサーマル用紙1の先端が用紙センサ6で検知される(ステップ131のYES)。この検知に基づき、図7のように第1プラテンローラ13が閉移動され(ステップ132)、サーマル用紙1が第1サーマルヘッド11に押し当てられながら給紙される。以後、上記ステップ114〜117の処理が実行される。
【0031】
以上のように、サーマル用紙1が第2サーマルヘッド12と第2プラテンローラ14との間を通るときのみ第2プラテンローラ14を閉移動してそれ以外は第2プラテンローラ14を開移動し、かつサーマル用紙1が第1サーマルヘッド11と第1プラテンローラ13との間を通るときのみ第1プラテンローラ13を閉移動してそれ以外は第1プラテンローラ13を開移動することにより、サーマル用紙1を適切に給紙および戻り搬送しながら、第1および第2サーマルヘッド11,12に加わる圧力をできるだけ低減できる。これにより、第1および第2サーマルヘッド11,12の寿命向上が図れる。
【0032】
サーマル用紙1がICチップ含有タイプである場合は、第1および第2プラテンローラ13,14の閉移動位置が通常より第1および第2サーマルヘッド11,12から離れた位置に設定されるので、サーマル用紙1内のICチップ60に不要な損傷や障害を与えない。
【0033】
給紙路4においてサーマル用紙1のジャムが発生したとき、あるいは保守点検時、コントロールパネル37の操作部37aにおけるメニュー釦およびポーズ釦が同時に押圧操作されると、図8のように第1および第2プラテンローラ13,14が共に開移動してその状態が保持される。この開移動により、サーマル用紙1を給紙路4から容易に取り除くことができ、ユーザやサービスマンの作業負担を大幅に軽減できる。
【0034】
なお、帯状の台紙に多数のラベルが貼り付けられたタイプのサーマル用紙1が使用される場合、カット後のサーマル用紙1が給紙方向と逆方向に搬送されてホームポジションへ戻される際に、ラベルの端部が第1および第2サーマルヘッド11,12との接触により剥がれる可能性がある。このようなラベル貼付タイプのサーマル用紙1が使用される場合には、台紙とラベルとの境界位置が第1および第2プラテンローラ13,14上を通過するタイミングで第1および第2プラテンローラ13,14を開移動することにより、ラベルの剥がれを防ぐことができる。
【0035】
上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態や変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0036】
1…サーマル用紙、1a…表面(一方の面)、1b…裏面(他方の面)、2,3…給紙ローラ、4…給紙路、5…カッタ、6,7…用紙センサ、11…第1サーマルヘッド、12…第2サーマルヘッド、13…第1プラテンローラ、14…第2プラテンローラ、21…CPU、23…RAM

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面に感熱層を有するサーマル用紙を給紙しながらそのサーマル用紙に情報をプリントするサーマルプリンタであって、
前記サーマル用紙の給紙方向に沿って互いに離れた位置に設けられ、同サーマル用紙の一方の面に対するプリントを行う第1サーマルヘッドおよび他方の面に対するプリントを行う第2サーマルヘッドと、
前記サーマル用紙の給紙路を挟んで前記第1サーマルヘッドと対向する位置に設けられ、その第1サーマルヘッドに近づく閉移動および同第1サーマルヘッドから離れる開移動を可能とし、閉移動により同第1サーマルヘッドとの間に前記サーマル用紙を挟み込む第1プラテンと、
前記サーマル用紙の給紙路を挟んで前記第2サーマルヘッドと対向する位置に設けられ、その第2サーマルヘッドに近づく閉移動および同第2サーマルヘッドから離れる開移動を可能とし、閉移動により同第2サーマルヘッドとの間に前記サーマル用紙を挟み込む第2プラテンと、
前記第1および第2サーマルヘッドの少なくとも1つによるプリントに際し、前記第1および第2プラテンを開移動した状態で前記サーマル用紙の給紙を開始し、そのサーマル用紙の先端が前記第1および第2サーマルヘッドにそれぞれ達するときに前記第1および第2プラテンをそれぞれ閉移動しながらプリントを行い、このプリント後にカットされるサーマル用紙を給紙方向と反対方向に戻しながら、そのサーマル用紙の先端が前記第1および第2サーマルヘッドをそれぞれ通過したときに前記第1および第2プラテンをそれぞれ開移動する制御手段と、
を備えることを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項2】
前記サーマル用紙の給紙方向において前記各サーマルヘッドよりも下流側の位置に設けられ、プリントが済んだサーマル用紙をカットするカッタ、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のサーマルプリンタ。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1および第2サーマルヘッドの少なくとも1つによるプリントに際し、前記第1および第2プラテンを開移動した状態で前記サーマル用紙の給紙を開始し、そのサーマル用紙の先端が前記第1および第2サーマルヘッドにそれぞれ達するときに前記第1および第2プラテンをそれぞれ閉移動しながらプリントを行い、プリントが済んだサーマル用紙のプリント位置の終端が前記カッタの位置を通過したところでそのカッタを駆動してサーマル用紙をカットし、このカット後のサーマル用紙を給紙方向と反対方向に戻しながら、そのサーマル用紙の先端が前記第1および第2サーマルヘッドをそれぞれ通過したときに前記第1および第2プラテンをそれぞれ開移動する、
ことを特徴とする請求項2に記載のサーマルプリンタ。
【請求項4】
前記第1および第2プラテンは、閉移動の位置として、前記第1および第2サーマルヘッドとの間が距離Dxである第1閉移動位置、前記第1および第2サーマルヘッドとの間が距離Dy(>Dx)である第2閉移動位置を有し、
前記サーマル用紙がICチップを含まないものである場合に前記第1および第2プラテンの第1閉移動位置を設定し、前記サーマル用紙がICチップを含むものである場合に前記第1および第2プラテンの第2閉移動位置を設定する制御手段、をさらに備える
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のサーマルプリンタ。
【請求項5】
所定の操作に応じて前記第1および第2プラテンを開移動しその状態を保持する制御手段、
をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のサーマルプリンタ。
【請求項6】
両面に感熱層を有し所定方向に給紙されるサーマル用紙と、
このサーマル用紙の給紙方向に沿って互いに離れた位置に設けられ、同サーマル用紙の一方の面に対するプリントを行う第1サーマルヘッドおよび他方の面に対するプリントを行う第2サーマルヘッドと、
前記サーマル用紙の給紙路を挟んで前記第1サーマルヘッドと対向する位置に設けられ、その第1サーマルヘッドに近づく閉移動および同第1サーマルヘッドから離れる開移動を可能とし、閉移動により同第1サーマルヘッドとの間に前記サーマル用紙を挟み込む第1プラテンと、
前記サーマル用紙の給紙路を挟んで前記第2サーマルヘッドと対向する位置に設けられ、その第2サーマルヘッドに近づく閉移動および同第2サーマルヘッドから離れる開移動を可能とし、閉移動により同第2サーマルヘッドとの間に前記サーマル用紙を挟み込む第2プラテンと、
制御用のコンピュータと、
を備えたサーマルプリンタにおいて、
前記コンピュータに、
前記第1および第2サーマルヘッドの少なくとも1つによるプリントに際し、前記第1および第2プラテンを開移動した状態で前記サーマル用紙の給紙を開始し、そのサーマル用紙の先端が前記第1および第2サーマルヘッドにそれぞれ達するときに前記第1および第2プラテンをそれぞれ閉移動しながらプリントを行い、このプリント後にカットされるサーマル用紙を給紙方向と反対方向に戻しながら、そのサーマル用紙の先端が前記第1および第2サーマルヘッドをそれぞれ通過したときに前記第1および第2プラテンをそれぞれ開移動する機能、
を実現させることを特徴とするサーマルプリンタの制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−183672(P2012−183672A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46911(P2011−46911)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】