説明

サーマルプリンタおよび印刷方法

【課題】印刷(プリント)面にフィードローラの接触痕を付けないことによりプリント品質を向上させるサーマルプリンタおよび印刷方法を提供する。
【解決手段】サーマルプリンタ1は、用紙Pの一方面Paを印刷するための第1のサーマルヘッド11と、用紙Pに対して第1のサーマルヘッド11と反対側に配置され、かつ用紙Pの他方面Pbを印刷するための第2のサーマルヘッド13と、一方面Paおよび他方面Pbのいずれかと接触して用紙Pを搬送するフィードローラ15とを備えている。用紙Pに対してフィードローラ15と同側に配置された第1のサーマルヘッド11および第2のサーマルヘッド13のいずれかとフィードローラ15とのパスラインT上の距離が用紙Pのプリント長PLより長くなるように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルプリンタおよび印刷方法に関し、特に両面印刷を行うサーマルプリンタおよび印刷方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクが塗布されたインクリボンによって用紙などの印刷媒体に印刷するサーマルプリンタが提案されている。サーマルプリンタの一例として昇華型プリンタがある。昇華型プリンタでは、印刷媒体とインクリボンとが同時に搬送され、重ね合わされた状態でサーマルヘッドによって加熱される。これにより、インクリボンに塗布されたインクが昇華されて用紙に転写されることで印刷媒体が印刷される。
【0003】
インクリボンにはY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3色のインクが塗布されたインク層が形成されている。またYMCのインクが印刷媒体にプリントされた後にプリント面を保護するためにYMCによる印刷領域上にオーバーコート層が形成されている。
【0004】
このような昇華型プリンタにおいて用紙の両面に印刷可能なプリンタが提案されている。たとえば、特開平10−76713号公報(特許文献1)には、昇華熱転写型の両面同時印画プリンタ装置が記載されている。この両面同時印画プリンタ装置は、昇華熱転写型のおもて面印画ヘッドとうら面印画ヘッドとを備え、1枚の印画用紙の装置内での滞留中に、おもて面印画ヘッドとうら面印画ヘッドとを同時に駆動させることにより印画用紙両面へ印画する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−76713号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記公報の昇華熱転写型の両面同時印画プリンタ装置では、うら面の印画の際に、YMCのインクがプリントされた後にオーバーコート(ラミネート)層がプリントされたおもて面に対して、フィードローラである第3送りローラが接触する。
【0007】
プリント面にフィードローラが接触すると、プリント面にフィードローラの表面が押し付けられることによって、プリント面にフィードローラの接触痕が目立ち、プリント品質が低下する。
【0008】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷(プリント)面にフィードローラの接触痕を付けないことによりプリント品質を向上させるサーマルプリンタおよび印刷方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のサーマルプリンタは、印刷媒体の一方面を印刷するための第1のヘッドと、印刷媒体に対して第1のヘッドと反対側に配置され、かつ印刷媒体の他方面を印刷するための第2のヘッドと、一方面および他方面のいずれかと接触して印刷媒体を搬送するフィードローラとを備えている。印刷媒体に対してフィードローラと同側に配置された第1のヘッドおよび第2のヘッドのいずれかとフィードローラとのパスライン上の距離が印刷媒体のプリント長より長い。
【0010】
本発明のサーマルプリンタによれば、第1のヘッドおよび第2のヘッドのうち印刷媒体に対してフィードローラと同側に配置されたヘッドとフィードローラとのパスライン上の距離が印刷媒体のプリント長より長くなるように設定されている。このため、印刷媒体の印刷(プリント)面にフィードローラが接触しないようにすることができる。これにより、印刷媒体の印刷面にフィードローラの接触痕が付かないためプリント品質を向上させることができる。
【0011】
上記のサーマルプリンタにおいて好ましくは、第1のヘッドおよび第2のヘッドのいずれかとフィードローラとのパスライン上の距離は、同側の方が反対側より短くなるように設定されている。これにより、印刷媒体の印刷面にフィードローラだけでなくピンチローラが接触しないようにすることができる。
【0012】
上記のサーマルプリンタにおいて好ましくは、第1のヘッドおよび第2のヘッドのいずれかとフィードローラとのパスライン上の距離は、同側の方が反対側より長くなるように設定されている。これにより、フィードローラと同側のヘッドが反対側のヘッドより近くに配置されている場合に比べて、フィードローラと反対側のヘッドとの距離を短くすることができるためサーマルプリンタを小さくすることができる。
【0013】
上記のサーマルプリンタにおいて好ましくは、フィードローラは、表面に突起を有している。これにより、フィードローラの表面の突起により印刷媒体の位置が固定されるため、印刷媒体をより正確に搬送することができる。
【0014】
本発明の印刷方法は、印刷媒体の一方面を印刷するための第1のヘッドで印刷する工程と、印刷媒体に対して第1のヘッドと反対側に配置され、かつ印刷媒体の他方面を印刷するための第2のヘッドで印刷する工程と、一方面および他方面のいずれかと接触して印刷媒体をフィードローラで搬送する工程とを備えている。フィードローラが第1のヘッドおよび第2のヘッドで印刷された印刷媒体の部分とは別の部分に接触する。
【0015】
本発明の印刷方法によれば、フィードローラが第1のヘッドおよび第2のヘッドで印刷された印刷媒体の部分とは別の部分に接触するため、印刷媒体の印刷された部分にフィードローラが接触しないようにすることができる。これにより、印刷媒体の印刷された部分にフィードローラの接触痕が付かないためプリント品質を向上させることができる。
【0016】
本発明においてパスラインとは、用紙ロールからペーパカッタへ至る用紙搬送経路を意味している。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、印刷(プリント)面にフィードローラの接触痕を付けないことによりプリント品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態におけるサーマルプリンタのプリント部の構成を概略的に示す側面図である。
【図2】本発明の一実施の形態におけるサーマルプリンタで使用される第1および第2のインクリボンの構成を概略的に示す平面図である。
【図3】本発明の一実施の形態におけるサーマルプリンタのシステム構成を概略的に示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態における印刷方法を概略的に示す側面図であって、一方面の印刷開始状態(A)と、一方面の印刷終了状態(B)と、他方面の印刷開始状態(C)と、他方面の印刷終了状態(D)とを示す側面図である。
【図5】本発明の一実施の形態の変形例におけるサーマルプリンタのプリント部の構成を概略的に示す側面図である。
【図6】本発明の一実施の形態の変形例における印刷方法を概略的に示す側面図であって、一方面の印刷開始状態(A)と、一方面の印刷終了状態(B)と、他方面の印刷開始状態(C)と、他方面の印刷終了状態(D)とを示す側面図である。
【図7】本発明の一実施の形態におけるサーマルプリンタのフィードローラの突起を概略的に示す側面図である。
【図8】本発明の一実施の形態におけるサーマルプリンタのフィードローラの突起を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。
最初に、本発明の一実施の形態のサーマルプリンタの構成について説明する。
【0020】
まず、本発明の一実施の形態のサーマルプリンタ1のプリント部10の構成について説明する。図1を参照して、本発明の一実施の形態のサーマルプリンタ1のプリント部10は、一方面印刷機構101と、他方面印刷機構102と、印刷媒体搬送機構103と、用紙ロール19と、ペーパカッタ29とを主に有している。
【0021】
一方面印刷機構101は、用紙ロール19から巻き出された用紙Pの一方の面側に配置されており、一方面Paを印刷するための印刷機構である。他方面印刷機構102は、用紙Pの一方の面とは反対側の他方の面側に配置されており、他方面Pbを印刷するための印刷機構である。一方面印刷機構101と、他方面印刷機構102とによって、用紙Pの一方面Paと他方面Pbとの両面を印刷することができる。
【0022】
印刷媒体搬送機構103は、一方面印刷機構101と、他方面印刷機構102とに用紙Pを給紙し、印刷時に用紙Pを移動するための搬送機構である。また、印刷媒体搬送機構103は、印刷された用紙Pを排紙するための搬送機構である。用紙ロール19は、印刷媒体搬送機構103によって搬送される用紙Pをロール状に巻いて保持するためのものである。ペーパカッタ29は、一方面印刷機構101と、他方面印刷機構102とによって印刷された用紙Pを一印刷単位分の長さであるプリント長PL(図4(A))に対応した所定の大きさで切断するためのものである。
【0023】
一方面印刷機構101は、第1のサーマルヘッド(ヘッド)11と、第1のプラテンローラ12と、第1のインクリボン供給ローラ17aと、第1のインクリボン巻取ローラ17bと、第1のインクリボンR1とを主に有している。
【0024】
一方面Paを印刷するための第1のサーマルヘッド11は、用紙ロール19から供給された用紙Pの一方面Pa側に配置されている。第1のサーマルヘッド11のペーパカッタ29側には、未使用の第1のインクリボンR1がロール状に巻かれた第1のインクリボン供給ローラ17aが配置されている。第1のサーマルヘッド11の用紙ロール19側には、使用済みの第1のインクリボンR1がロール状に巻かれた第1のインクリボン巻取ローラ17bが配置されている。
【0025】
第1のインクリボン供給ローラ17aから巻き出された第1のインクリボンR1(未使用の第1のインクリボンR1)は、インクリボンガイドローラ17cにガイドされて用紙Pと重ね合わせられて第1のサーマルヘッド11と第1のプラテンローラ12との間を搬送されるよう配置されている。第1のプラテンローラ12は、用紙Pを第1のサーマルヘッド11の発熱抵抗体に押圧するよう構成されている。第1のサーマルヘッド11により加熱された第1のインクリボンR1(使用済みの第1のインクリボンR1)は、インクリボンガイドローラ17dにガイドされて第1のインクリボン巻取ローラ17bに巻き取られるよう配置されている。
【0026】
他方面印刷機構102は、第2のサーマルヘッド(ヘッド)13と、第2のプラテンローラ14と、第2のインクリボン供給ローラ18aと、第2のインクリボン巻取ローラ18bと、第2のインクリボンR2とを主に有している。
【0027】
用紙Pの他方面Pbを印刷するための第2のサーマルヘッド13は、用紙Pに対して第1のサーマルヘッド11と反対側の他方面Pb側に配置されている。第2のサーマルヘッド13のペーパカッタ29側には未使用の第2のインクリボンR2がロール状に巻かれた第2のインクリボン供給ローラ18aが配置されている。第2のサーマルヘッド13の用紙ロール19側には、使用済みの第2のインクリボンR2がロール状に巻かれた第2のインクリボン巻取ローラ18bが配置されている。
【0028】
第2のインクリボン供給ローラ18aから巻き出された第2のインクリボンR2(未使用の第2のインクリボンR2)は、インクリボンガイドローラ18cにガイドされて用紙Pと重ね合わせられて第2のサーマルヘッド13と第2のプラテンローラ14との間を搬送されるよう配置されている。第2のプラテンローラ14は、用紙Pを第2のサーマルヘッド13の発熱抵抗体に押圧するよう構成されている。第2のサーマルヘッド13により加熱された第2のインクリボンR2(使用済みの第2のインクリボンR2)は、インクリボンガイドローラ18dにガイドされて第2のインクリボン巻取ローラ18bに巻き取られるよう配置されている。
【0029】
一方面印刷機構101と、他方面印刷機構102とは、各部が用紙Pに対して反対側に配置されている。第1のサーマルヘッド11および第2のサーマルヘッド13は、それぞれ画像の1ライン分の各ドットに対応して設けられた発熱抵抗体を有している。なお、発熱抵抗体は、それぞれ複数ラインに配置されていてもよい。
【0030】
印刷媒体搬送機構103は、フィードローラ15と、ピンチローラ16a,16bとを主に有している。フィードローラ15が用紙Pの一方面Paに接触し、ピンチローラ16a,16bが他方面Pbに接触するように構成されている。フィードローラ15と、ピンチローラ16a,16bとは、用紙Pを挟んで搬送するように構成されている。フィードローラ15と、ピンチローラ16a,16bとは、用紙Pを印刷する際には、用紙ロール19側へ用紙Pを搬送するように構成されている。
【0031】
フィードローラ15は、表面に突起を有していてもよい。図7および図8に示すように、たとえば、突起151は、高さPH20μm以上100μm以下に形成されていてもよい。突起151は、Ra(算術平均粗さ)20μm以上100μm以下に形成されていてもよい。また、突起151は表面に複数個形成されていてもよい。突起151はフィードローラ15の両側の端部FAに形成されていてもよい。たとえば、フィードローラ15の長さFLが200mmで形成され、両側の端部FAの長さがそれぞれ40mmに形成されていてもよい。なお、フィードローラ15の直径はたとえば16〜20mmで形成されていてもよい。
【0032】
たとえば、複数の突起151がそれぞれフィードローラ15の周方向に0.5mmの間隔PDで配置されていてもよい。また、たとえば、複数の突起151がそれぞれフィードローラ15の軸方向に0.5mmの間隔PWで配置されていてもよい。このように表面に突起151が形成されていることにより、フィードローラ15は、用紙Pの搬送位置をより正確に制御することができる。
【0033】
フィードローラ15は、第1のサーマルヘッド11と用紙Pの同側(一方面Pa側)に配置されている。用紙Pに対してフィードローラ15とは反対側にピンチローラ16a、16bが配置されている。フィードローラ15は、用紙搬送モータ28(図3)によって回転駆動されるように構成されている。ピンチローラ16a,16bは、フィードローラ15の回転駆動が用紙Pを挟んで伝わることにより、フィードローラ15に従動して回転駆動するように構成されている。
【0034】
用紙Pに沿ってフィードローラ15から用紙ロール19に向かって用紙ロールガイドローラ19aが配置されている。用紙ロールガイドローラ19aと用紙Pを挟んで用紙ロールガイドローラ19bが配置されている。
【0035】
用紙ロール19は、用紙(印刷媒体)Pを巻き出して供給するように構成されている。用紙Pは、用紙ロールガイドローラ19a,19b間を通ってフィードローラ15へ向かって供給されている。用紙Pは、フィードローラ15とピンチローラ16a,16bとに挟まれて第1のサーマルヘッド11へ供給されている。用紙Pは、第1のサーマルヘッド11と第1のプラテンローラ12との間を通り、第2のサーマルヘッド13へ供給されている。用紙Pは、第2のサーマルヘッド13と第2のプラテンローラ14との間を通ってペーパカッタ29の配置されている排紙側へ供給されている。
【0036】
用紙ロール19からペーパカッタ29へ至る経路が用紙搬送経路(パスライン)Tを構成している。用紙ロール19は、パスラインTの上流側(用紙の供給側)に位置している。
【0037】
ペーパカッタ29は、用紙ロール19とパスラインTに沿って反対側の排紙側に配置されている。ペーパカッタ29は、パスラインTの下流側(用紙の排紙側)に位置している。
【0038】
フィードローラ15が用紙Pに対して同側に配置された第1のサーマルヘッド11からパスラインTにおいてプリント長PLより離れた位置に配置されている。また、フィードローラ15は、第1のサーマルヘッド11からパスラインTの上流側に配置されている。これにより、用紙Pが第1のサーマルヘッド11で印刷される際に上流側に搬送されても第1のフィードローラ15がプリント長PLより離れた位置に配置されており、用紙Pが印刷された後は下流側に搬送されるためフィードローラ15が用紙Pの印刷面PS(図4(B))に接触しないように構成されている。
【0039】
プリント長PLは、印刷された用紙Pの延在方向の長さと伸びしろの長さとを合わせた長さである。プリント長PLは、サーマルヘッドと用紙Pとの接点を測定基準位置としている。測定基準位置からフィードローラ15と用紙Pとの接点までの距離がプリント長PLより長くなるように設定されている。プリント長PLは、印刷する用紙Pの大きさによって変動する。複数の大きさの用紙Pが使用される場合には、プリント長PLは、使用される最大の大きさの用紙Pの一印刷単位分の長さとされ得る。
【0040】
図2を参照して、第1のインクリボンR1および第2のインクリボンR2には、それぞれY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3色のインク層と、OP(オーバーコート層)とが延在方向に周期的に配置されている。YMCの3色のインクが設けられていることによりフルカラーで印刷することができる。オーバーコート層OPが設けられていることによりYMCのインクによる印刷領域を保護することができる。第1のインクリボンR1と第2のインクリボンR2とは同様の構成を有している。インク層のYMCの各インクは、たとえば染料系の昇華インクによって形成されている。オーバーコート層OPは、たとえばラミネート材によって形成されている。
【0041】
続いて、本発明の一実施の形態のサーマルプリンタのシステム構成について説明する。図3を参照して、サーマルプリンタ(プリンタ)1は、主制御部21と、イメージバッファ22と、プリント制御部23と、通電パルス発生部24と、サーマルヘッド25と、モータ駆動制御部26と、インクリボン供給側モータ27aと、インクリボン巻取り側モータ27bと、用紙搬送モータ28と、ペーパカッタ29と、プリント部10とを主に有している。
【0042】
主制御部21は、たとえばCPUなどを含み、各部を制御するよう構成されている。イメージバッファ22は、外部の制御装置であるたとえばホスト(ホストコンピュータ)2からプリント対象となる画像をYMC(Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン))などの画像データにより受信して一時的に記憶するよう構成されている。
【0043】
プリント制御部23は、ホスト2から送信された画像データに応じた各画像をプリント(印刷)するための制御を行うよう構成されている。プリント制御部23は、プリント用画像データ生成部23aと、インクリボン巻取/巻戻処理部23bと、ロール紙駆動処理部23cと、サーマルヘッド加熱制御部23dと、インクリボン径演算部23eとを有している。
【0044】
プリント用画像データ生成部23aは、イメージバッファ22に記憶された画像データを、インクリボンの各インクY、M、Cに対応したプリント用画像データに変換するための処理部である。
【0045】
インクリボン巻取/巻戻処理部23bは、プリント用画像データ生成部23aで生成されたプリント用画像データに基づいてモータ駆動制御部26に対して指令信号を出力して、インクリボン供給側モータ27aおよびインクリボン巻取り側モータ27bを駆動するための処理部である。
【0046】
ロール紙駆動処理部23cは、プリント用画像データ生成部23aで生成されたプリント用画像データに基づいてモータ駆動制御部26に対して指令信号を出力して、用紙搬送モータ28を駆動させて用紙Pを所定の搬送速度および搬送量で搬送するように制御を行う処理部である。また、ロール紙駆動処理部23cは、用紙Pのカット処理行うためのペーパカッタ29の駆動を制御するよう構成されている。
【0047】
サーマルヘッド加熱制御部23dは、プリント用画像データ生成部23aで生成されたプリント用画像データに基づいて、各画像の濃度の階調に応じてサーマルヘッド25から出力する熱量を制御するための制御信号を生成し、通電パルス発生部24を介してサーマルヘッド25に出力するよう構成されている。
【0048】
通電パルス発生部24は、サーマルヘッド加熱制御部23dからの制御信号に基づき、サーマルヘッド25内の発熱抵抗体に対し、階調(濃度)に応じた通電パルスパターンにより、パルス通電を行うよう構成されている。
【0049】
サーマルヘッド25は、通電パルス発生部24からのパルス通電に基づき発熱抵抗体を発熱するように構成されている。サーマルヘッド25は、第1のサーマルヘッド11と第2のサーマルヘッド13とを含む機能ブロックである。第1のサーマルヘッド11では、用紙Pの一方面Paに印刷されるプリント用画像データに基づいて発熱抵抗体がパルス通電されるよう構成されている。第2のサーマルヘッド13では、用紙Pの他方面Pbに印刷されるプリント用画像データに基づいて発熱抵抗体がパルス通電されるよう構成されている。
【0050】
インクリボン径演算部23eは、用紙Pの搬送量と、第1のインクリボン供給ローラ17aおよび第1のインクリボン巻取ローラ17bの回転数とから第1のインクリボンR1の径を計算するための演算部である。またインクリボン径演算部23eは、用紙Pの搬送量と、第2のインクリボン供給ローラ18aおよび第2のインクリボン巻取ローラ18bの回転数とから第2のインクリボンR2の径を計算するための演算部である。
【0051】
インクリボン径演算部23eは、ロール紙駆動処理部23cからの入力により、用紙Pの搬送量を取得するよう構成されている。インクリボン径演算部23eは、第1のインクリボン供給ローラ17aおよび第1のインクリボン巻取ローラ17bの回転数、第2のインクリボン供給ローラ18aおよび第2のインクリボン巻取ローラ18bの回転数を取得するよう構成されている。
【0052】
インクリボン径演算部23eは、用紙Pの搬送量を第1のインクリボンR1の搬送量Aとして、第1のインクリボン供給ローラ17aおよびインクリボン巻取ローラ17bのそれぞれの回転角度θ(rad)との関係から、第1のインクリボンR1のインクリボン径BをB=A/θの関係により演算によって求めるよう構成されている。なお、インクリボン径演算部23eは、第2のインクリボンR2のインクリボン径も第1のインクリボンR1と同様の演算によって求めるよう構成されている。
【0053】
モータ駆動制御部26は、インクリボン供給側モータ27aと、インクリボン巻取り側モータ27bと、用紙搬送モータ28とを駆動制御するよう構成されている。モータ駆動制御部26は、インクリボン供給側モータ27aおよびインクリボン巻取り側モータ27bの回転数をプリント制御部23へ適時フィードバックするよう構成されている。
【0054】
インクリボン供給側モータ27aは、第1のインクリボン供給ローラ17a(図1)と第2のインクリボン供給ローラ18a(図1)とを駆動して第1のインクリボンR1(図1)と第2のインクリボンR2(図1)とを所定の搬送速度および搬送量で供給するよう構成されている。インクリボン供給側モータ27aには回転角度を検出するエンコーダが設けられている。このエンコーダが第1のインクリボン供給ローラ17a(図1)および第2のインクリボン供給ローラ18a(図1)の回転数を検出するよう構成されている。この検出結果がモータ駆動制御部26によってインクリボン径演算部23eに出力されるよう構成されている。
【0055】
インクリボン巻取り側モータ27bは、第1のインクリボン巻取ローラ17bと第2のインクリボン巻取ローラ18bとを駆動して第1のインクリボンR1と第2のインクリボンR2とを所定の搬送速度および搬送量で巻き取るよう構成されている。インクリボン巻取り側モータ27bには回転角度を検出するエンコーダが設けられている。このエンコーダが第1のインクリボン巻取ローラ17b(図1)および第2のインクリボン巻取ローラ18b(図1)の回転数を検出するよう構成されている。この検出結果がモータ駆動制御部26によってインクリボン径演算部23eに出力されるよう構成されている。
【0056】
用紙搬送モータ28は、フィードローラ15を駆動して用紙Pを搬送するように構成されている。ペーパカッタ29は、ロール紙駆動処理部23cからの指令信号を受信して用紙Pをカットするよう構成されている。プリント部10は、上述の通りプリント動作を行う機構部であって、上記各部によって制御される。
【0057】
次に、本発明の一実施の形態のサーマルプリンタの動作について説明する。
図1〜図3を参照して、プリント制御部23は、外部のホスト2からイメージバッファ22を介して画像データを取得すると、プリント用画像データ生成部23aでプリント用画像データを生成する。プリント制御部23は、生成されたプリント用画像データに基づいてインクリボン巻取/巻戻処理部23bおよびロール紙駆動処理部23cで各処理を行う。
【0058】
つまり、ロール紙駆動処理部23cからモータ駆動制御部26に指令信号を入力することにより用紙搬送モータ28が回転駆動する。用紙搬送モータ28はフィードローラ15を回転駆動させる。フィードローラ15とピンチローラ16a,16bとの間に用紙Pを挟み込んでフィードローラ15が回転駆動されてパスラインTに沿って用紙Pが搬送される。用紙Pは、下流側(ペーパカッタ29側)にプリント用画像データと対応する一印刷単位分送り出される。この一印刷単位分の長さがプリント長PLに相当する。
【0059】
続いて、ロール紙駆動処理部23cがモータ駆動制御部26に指令信号を入力することにより用紙搬送モータ28が回転駆動してフィードローラ15とピンチローラ16a,16bとによって、送り出された用紙Pが上流側(用紙ロール19側)に向かって所定の搬送速度および搬送量で搬送される。
【0060】
インクリボン巻取/巻戻処理部23bがモータ駆動制御部26に指令信号を入力することにより、インクリボン供給側モータ27aおよびインクリボン巻取り側モータ27bを駆動させて所定の張力および搬送量で第1のインクリボンR1および第2のインクリボンR2が搬送される。インクリボン巻取/巻戻処理部23bは、プリントする際に第1のインクリボンR1および第2のインクリボンR2が適切な位置に配置されるよう制御する。
【0061】
インクリボン径演算部23eが第1のインクリボンR1および第2のインクリボンR2のインクリボン径の演算結果をインクリボン巻取/巻戻処理部23bに入力する。これにより、供給側および巻取側の第1のインクリボンR1および第2のインクリボンR2のインクリボン径を参照して第1のインクリボンR1および第2のインクリボンR2が送り出される。
【0062】
インクリボン供給側モータ27aおよびインクリボン巻取り側モータ27bに設けられた各エンコーダから適時検出結果が出力されており、モータ駆動制御部26は、その検出結果をフィードバックさせてインクリボン供給側モータ27aおよびインクリボン巻取り側モータ27bを制御する。
【0063】
これにより、用紙Pの一方面Paが印刷される場合には、用紙Pの一方面Paと第1のインクリボンR1とが重なった状態で等しい搬送速度で上流側へ搬送される。また、用紙Pの他方面Pbが印刷される場合には、用紙Pの他方面Pbと第2のインクリボンR2とが重なった状態で等しい搬送速度で上流側へ搬送される。このように用紙Pの一方面Paおよび他方面Pbが印刷されることにより用紙Pの両面印刷が行なわれる。
【0064】
サーマルヘッド加熱制御部23dが、第1のサーマルヘッド11および第2のサーマルヘッド13の発熱抵抗体を選択的に発熱させることによって、用紙Pには、最初に第1および第2のインクリボンR1,R2のインク層のY(イエロー)のインクが所定の模様で転写される。続いて、用紙Pが再び下流側に搬送される。上記の動作を繰り返すことにより用紙Pにおいて同一の印刷範囲にY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各インクが転写される。これにより、所望のカラー画像が用紙Pに印刷される。さらに、同様の動作でオーバーコート層OPがYMCのカラー画像の上に転写される。
【0065】
図4(A)から(D)を参照して、本発明の一実施の形態における印刷方法を説明する。なお、図4(A)から(D)では、見やすくするため、フィードローラ15と、ピンチローラ16a,16bと、第1のサーマルヘッド11と、第1のプラテンローラ12と、第2のサーマルヘッド13と、第2のプラテンローラ14と、用紙Pのみが直線的に配置されて図示されている。
【0066】
図4(A)を参照して、用紙(印刷媒体)Pの一方面Paにフィードローラ15が接触している。用紙Pの他方面Pbにピンチローラ16a,16bが接触している。用紙Pをフィードローラ15とピンチローラ16a,16bとの間に挟んだ状態でフィードローラ15が回転駆動して、用紙Pが第2のサーマルヘッド13方向に搬送される。用紙Pが、一方面Paへのプリント用画像データに対応するプリント長PLにあわせて送り出される。
【0067】
図4(B)を参照して、第1のサーマルヘッド11により用紙Pの一方面Paが印刷される。用紙Pがフィードローラ15側に搬送されることにより用紙Pの一方面PaにはYMCの各インクおよびオーバーコート層OPが転写されて印刷面PSが形成される。フィードローラ15と第1のサーマルヘッド11とのパスラインT上の距離D1が用紙Pのプリント長PLより長くなるように設定されている。より具体的には、フィードローラ15と用紙Pとの接点から第1のサーマルヘッド11と用紙Pとの接点までのパスラインT上の距離D1が用紙Pの印刷面PSのプリント長PLより長くなるように設定されている。したがって、用紙Pがフィードローラ15側に搬送されてもフィードローラ15が印刷面PSに接触しない。
【0068】
図4(C)を参照して、フィードローラ15により用紙Pが第2のサーマルヘッド13側に搬送される。用紙Pは、他方面Pbへのプリント用画像データと対応するプリント長PLにあわせて、第2のサーマルヘッド13と用紙Pとの接点からペーパカッタ29(図1)側へ搬送される。
【0069】
図4(D)を参照して、第2のサーマルヘッド13により用紙Pの他方面Pbが印刷される。用紙Pの他方面PbにはYMCの各インクおよびオーバーコート層OPが印刷され印刷面PSが形成される。フィードローラ15と第2のサーマルヘッド13とのパスラインT上の距離D2も印刷面PSのプリント長PLより長くなるように設定されている。
【0070】
図4(A)から(D)に示すように、フィードローラ15は、用紙Pの一方面Paの印刷された部分である印刷面PSとは別の部分に接触して用紙Pを搬送する。したがって、フィードローラ15は、用紙Pの両面(一方面Paおよび他方面Pb)において印刷面PSと接触しない。この後、図示しないペーパカッタ29(図1)により、用紙Pの先端部に形成されたプリント長PLに対応した印刷面PSが切り離される。
【0071】
上記では、フィードローラ15に対するパスラインT上の距離は、用紙Pに対してフィードローラ15と同側に配置された第1のサーマルヘッド11の方が反対側に配置された第2のサーマルヘッド13より短くなるように構成されている。しかし、図5に示す変形例のように、フィードローラ15に対するパスラインT上の距離は、用紙Pに対してフィードローラ15と同側に配置された第2のサーマルヘッド13の方が反対側に配置された第1のサーマルヘッド11より長くなるように構成されていてもよい。
【0072】
図5を参照して、変形例では、フィードローラ15が用紙Pの他方面Pb側に配置されている。ピンチローラ16a,16bは用紙Pの一方面Pa側に配置されている。第2のサーマルヘッド13は、用紙Pに対してフィードローラ15と同側である他方面Pb側に配置されている。第1のサーマルヘッド11は用紙Pに対してフィードローラ15と反対側である一方面Pa側に配置されている。第2のサーマルヘッド13とフィードローラ15とのパスラインT上の距離が第1のサーマルヘッド11とフィードローラ15との距離より長くなるように設定されている。
【0073】
図6(A)から(D)を参照して、本発明の一実施の形態の変形例における印刷方法を説明する。なお、図6(A)から(D)では、見やすくするため、フィードローラ15と、ピンチローラ16a,16bと、第1のサーマルヘッド11と、第1のプラテンローラ12と、第2のサーマルヘッド13と、第2のプラテンローラ14と、用紙Pのみが直線的に配置されて図示されている。
【0074】
図6(A)を参照して、用紙Pの他方面Pbにフィードローラ15が接触している。用紙Pの一方面Paにピンチローラ16a,16bが接触している。用紙Pをフィードローラ15とピンチローラ16a,16bとの間に挟んだ状態でフィードローラ15が回転駆動して、用紙Pが第2のサーマルヘッド13方向に搬送される。用紙Pが、一方面Paへのプリント用画像データに対応するプリント長PLにあわせて送り出される。
【0075】
図6(B)を参照して、第1のサーマルヘッド11により用紙Pの一方面Paが印刷される。用紙Pがフィードローラ15側に搬送されることにより用紙Pの一方面PaにはYMCの各インクおよびオーバーコート層OPが転写されて印刷面PSが形成される。フィードローラ15と第1のサーマルヘッド11とのパスライン上の距離D1が用紙Pの一方面Paのプリント長PLより短くなるように設定されている。より具体的には、フィードローラ15と用紙Pとの接点から第1のサーマルヘッド11と用紙Pとの接点までのパスラインT上の距離D1が用紙Pの印刷面PSのプリント長PLより短くなるように設定されている。
【0076】
そのため、用紙Pがフィードローラ15側に搬送されると一方面Paの印刷面PSの一部がピンチローラ16a,16bと接触する。しかし、ピンチローラ16a,16bは用紙搬送モータ28(図3)によって駆動されていないので印刷面PSを押圧する力がフィードローラ15に比べて弱いため印刷面PSと接触しても接触痕が目立たない。一方、フィードローラ15は、第1のサーマルヘッド11とは用紙Pを介して反対側の他方面Pb側に配置されているので、一方面Paの印刷面PSに接触しない。また、フィードローラ15に突起151(図7)が形成されている場合でも、フィードローラ15が用紙Pの一方面Paの印刷面PSと接触しないため突起151の痕を付けることがない。
【0077】
図6(C)を参照して、フィードローラ15が用紙Pの他方面Pbと接触して第2のサーマルヘッド13の方向に用紙Pが搬送される。用紙Pは、他方面Pbへのプリント用画像データと対応するプリント長PLにあわせて、第2のサーマルヘッド13と用紙Pとの接点からペーパカッタ29(図1)側へ搬送される。
【0078】
図6(D)を参照して、第2のサーマルヘッド13により用紙Pの他方面Pbが印刷される。用紙Pの他方面PbにはYMCの各インクおよびオーバーコート層OPが印刷され印刷面PSが形成される。フィードローラ15と第2のサーマルヘッド13とのパスラインT上の距離D2は、用紙Pの他方面Pbの印刷面PSのプリント長PLより長く設定されている。したがって、用紙Pの他方面Pbの印刷面PSにフィードローラ15が接触しない。
【0079】
図6(A)から(D)に示すように、フィードローラ15は、用紙Pの他方面Pbの印刷された部分である印刷面PSとは別の部分に接触して用紙Pを搬送する。したがって、フィードローラ15は、用紙Pの両面(一方面Paおよび他方面Pb)において印刷面PSと接触しない。変形例によれば、フィードローラ15と第1のサーマルヘッド11とのパスライン上の距離D1を短くすることができるのでサーマルプリンタ1を小さくすることができる。
【0080】
次に、本発明の一実施の形態の作用効果について説明する。
用紙Pの両面に印刷することにより印刷の自由度を向上することができる。用紙Pの両面を印刷する場合にはフィードローラ15が用紙Pと接触するために、用紙Pのプリントされた印刷面PSと接触する場合にはフィードローラ15の接触痕が目立つことになる。
【0081】
本発明の一実施の形態のサーマルプリンタによれば、用紙(印刷媒体)Pに対してフィードローラ15と同側に配置された第1のサーマルヘッド(ヘッド)11および第2のサーマルヘッド(ヘッド)13のいずれかとフィードローラ15とのパスラインT上の距離が用紙Pのプリント長PLより長くなるように設定されている。用紙Pは、フィードローラ15と同側のヘッドで印刷される際、プリント長PLにあわせてフィードローラ15側に移動される。このため、フィードローラ15側に用紙Pが搬送されても用紙Pの印刷面PSにフィードローラ15が接触しないようにすることができる。これにより、用紙Pの印刷面PSにフィードローラ15の接触痕が付かないためプリント品質を向上させることができる。
【0082】
また、第1のサーマルヘッド(ヘッド)11および第2のサーマルヘッド(ヘッド)13のいずれかとフィードローラ15とのパスラインT上の距離は、同側の方が反対側より短くなるように設定されている。これにより、用紙Pの印刷面PSにフィードローラ15だけでなくピンチローラ16a,16bが接触しないようにすることができる。
【0083】
また、第1のサーマルヘッド(ヘッド)11および第2のサーマルヘッド(ヘッド)13のいずれかとフィードローラ15とのパスラインT上の距離は、同側の方が反対側より長くなるように設定されている。これにより、フィードローラ15と用紙Pに対して反対側のヘッドとの距離が、フィードローラ15と反対側の印刷面PSのプリント長PLより短い場合でも、フィードローラ15が印刷面PSに接触しないようにすることができる。したがって、用紙Pに対してフィードローラ15と同側のヘッドが反対側のヘッドより近くに配置されている場合に比べて、フィードローラ15と反対側のヘッドとの距離を短くすることができる。よって、サーマルプリンタ1を小さくすることができる。
【0084】
また、フィードローラ15は、表面に突起151を有している。これにより、フィードローラ15の表面の突起151により用紙Pの位置が固定されるため、用紙Pをより正確に搬送することができる。よってプリント品質を向上させることができる。
【0085】
本発明の一実施の形態の印刷方法によれば、フィードローラ15が第1のサーマルヘッド(ヘッド)11および第2のサーマルヘッド(ヘッド)13で印刷された用紙(印刷媒体)Pの部分(印刷面PS)とは別の部分に接触するため、用紙Pの印刷面PSにフィードローラ15が接触しないようにすることができる。これにより、用紙Pの印刷面PSにフィードローラ15の接触痕が付かないためプリント品質を向上させることができる。
【0086】
なお、上記では昇華型プリンタについて説明したが、これに限定されず、プリンタはサーマルプリンタであればよい。
【0087】
なお、上記ではオーバーコート層がオーバーコートプリントされる場合への適用について説明したが、本発明はYMCプリントなどとは異なる比較的位置精度を必要としない印刷に適用されてもよい。
【0088】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、両面印刷を行うサーマルプリンタおよび印刷方法に特に有利に適用され得る。
【符号の説明】
【0090】
1 サーマルプリンタ、2 ホスト、10 プリント部、11 第1のサーマルヘッド、12 第1のプラテンローラ、13 第2のサーマルヘッド、14 第2のプラテンローラ、15 フィードローラ、16a,16b ピンチローラ、17a 第1のインクリボン供給ローラ、17b 第2のインクリボン巻取ローラ、18a 第1のインクリボン供給ローラ、18b 第2のインクリボン巻取ローラ、19 用紙ロール、21 主制御部、22 イメージバッファ、23 プリント制御部、23a プリント用画像データ生成部、23b インクリボン巻取/巻戻処理部、23c ロール紙駆動処理部、23d サーマルヘッド加熱制御部、23e インクリボン径演算部、24 通電パルス発生部、25 サーマルヘッド、26 モータ駆動制御部、27a インクリボン供給側モータ、27b インクリボン巻取り側モータ、28 用紙搬送モータ、29 ペーパカッタ、101 一方面印刷機構、102 他方面印刷機構、103 印刷媒体搬送機構、151 突起、P 用紙、R1 第1のインクリボン、R2 第2のインクリボン、T パスライン(用紙搬送経路)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体の一方面を印刷するための第1のヘッドと、
前記印刷媒体に対して前記第1のヘッドと反対側に配置され、かつ前記印刷媒体の他方面を印刷するための第2のヘッドと、
前記一方面および前記他方面のいずれかと接触して前記印刷媒体を搬送するフィードローラとを備え、
前記印刷媒体に対して前記フィードローラと同側に配置された前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドのいずれかと前記フィードローラとのパスライン上の距離が前記印刷媒体のプリント長より長い、サーマルプリンタ。
【請求項2】
前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドのいずれかと前記フィードローラとのパスライン上の距離は、前記同側の方が反対側より短い、請求項1に記載のサーマルプリンタ。
【請求項3】
前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドのいずれかと前記フィードローラとのパスライン上の距離は、前記同側の方が反対側より長い、請求項1に記載のサーマルプリンタ。
【請求項4】
前記フィードローラは、表面に突起を有している、請求項1〜3のいずれかに記載のサーマルプリンタ。
【請求項5】
印刷媒体の一方面を印刷するための第1のヘッドで印刷する工程と、
前記印刷媒体に対して前記第1のヘッドと反対側に配置され、かつ前記印刷媒体の他方面を印刷するための第2のヘッドで印刷する工程と、
前記一方面および前記他方面のいずれかと接触して前記印刷媒体をフィードローラで搬送する工程とを備え、
前記フィードローラが前記第1のヘッドおよび前記第2のヘッドで印刷された前記印刷媒体の部分とは別の部分に接触する、印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−46155(P2011−46155A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−198253(P2009−198253)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】