説明

サーマルプリンタ

【課題】異物によるギヤ列の障害の発生を抑制することができるサーマルプリンタを提供する。
【解決手段】サーマルプリンタ(10)は、フレーム(21)と、フレームに着脱自在に軸支された印字ローラ(30)と、印字ローラに接続されて印字ローラと一体となって回転するローラギヤ(40)と、ローラギヤを駆動するギヤ列(70)と、ローラギヤを出し入れするための開口部(61)を有するとともに、ローラギヤおよびギヤ列を収容するギヤボックス(60)と、を備え、ギヤボックスは、開口部とギヤ列とを隔てる仕切り部(81)を有している。サーマルプリンタによれば、仕切り部によってギヤボックスの開口部から進入した異物がギヤ列に付着することを抑制することができる。それにより、異物によるギヤ列の障害の発生を抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーマルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙交換時に印字ローラをフレームから容易に外すことができるサーマルプリンタが提案されている。このサーマルプリンタは、フレームに着脱自在に軸支された印字ローラと、印字ローラに接続されて印字ローラと一体となって回転するローラギヤと、ローラギヤを駆動するギヤ列と、ローラギヤを出し入れするための開口部を有するとともに、ローラギヤおよびギヤ列を収容するギヤボックスと、を備えている。
【0003】
本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1がある。特許文献1は、用紙出口からサーマルプリンタ内への異物の進入を防止することを目的とした用紙出口の防塵装置に関する文献である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−4420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
サーマルプリンタにおいて印字ローラをフレームから外す際には、ローラギヤもギヤボックスの開口部から取り出される。その結果、開口部から異物がギヤボックス内に進入して、ギヤ列に付着するおそれがある。ギヤ列に異物が付着した場合、ギヤ列に障害が発生するおそれがある。しかしながら、特許文献1に係る技術では、異物のギヤボックスへの付着を抑制することはできない。よって、特許文献1に係る技術では、異物によるギヤ列の障害の発生を抑制することはできない。
【0006】
本発明は、かかる事情の下になされたものであり、異物によるギヤ列の障害の発生を抑制することができるサーマルプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るサーマルプリンタは、フレームと、前記フレームに着脱自在に軸支された印字ローラと、前記印字ローラに接続されて前記印字ローラと一体となって回転するローラギヤと、前記ローラギヤを駆動するギヤ列と、前記ローラギヤを出し入れするための開口部を有するとともに、前記ローラギヤおよび前記ギヤ列を収容するギヤボックスと、を備え、前記ギヤボックスは、前記開口部と前記ギヤ列とを隔てる仕切り部を有しているサーマルプリンタである。
【0008】
本発明に係るサーマルプリンタによれば、仕切り部によってギヤボックスの開口部から進入した異物がギヤ列に付着することを抑制することができる。それにより、異物によるギヤ列の障害の発生を抑制することができる。
【0009】
上記構成において、前記仕切り部は、前記ギヤボックスとは別体の部材であってもよい。この構成によれば、仕切り部がギヤボックスと一体成型されている場合に比較して、仕切り部およびギヤボックスの製造が容易になる。上記構成において、前記仕切り部は、フィルム状の部材であってもよい。この構成によれば、サーマルプリンタを軽量化することができる。
【0010】
上記構成において、前記ギヤボックスは、異物を排出するための排出口を少なくとも一つ有していてもよい。この構成によれば、ギヤボックス内に進入した異物を外部に排出することができる。それにより、異物によるギヤ列の障害の発生を抑制することができる。
【0011】
上記構成において、前記ギヤ列は、撥水性を有していてもよい。この構成によれば、ギヤ列に異物が付着することを抑制することができる。上記構成において、前記フレーム、前記ギヤ列および前記ギヤボックスは、防錆性を有していてもよい。この構成によれば、フレーム、ギヤ列およびギヤボックスに錆びが発生することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、異物によるギヤ列の障害の発生を抑制することができるサーマルプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例1に係るサーマルプリンタの模式的な斜視図である。
【図2】実施例1に係るサーマルプリンタのギヤボックス近傍の拡大図である。
【図3】実施例1に係るサーマルプリンタの分解斜視図である。
【図4】図4(a)は、実施例1に係るギヤ列を構成する各ギヤの位置関係を説明するための図である。図4(b)は、実施例1に係る仕切り部を説明するための図である。
【図5】実施例1に係る仕切り部材を−Y方向側から見た模式図である。
【図6】実施例1の比較例1に係るサーマルプリンタのギヤボックス近傍の拡大図である。
【図7】図7(a)は、実施例2に係るギヤボックスを説明するための図である。図7(b)は、実施例2に係るギヤボックス内を液体で洗浄する様子を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
【実施例1】
【0015】
実施例1に係るサーマルプリンタ10について説明する。図1は、サーマルプリンタ10の模式的な斜視図である。サーマルプリンタ10は、キャッシュレジスターや、電子手帳、携帯情報端末、携帯電話等の携帯型端末装置に接続して用いられるサーマルプリンタである。サーマルプリンタ10は、サーマルプリンタ本体20と、印字ローラ30と、ローラギヤ40と、モータ50と、ギヤボックス60と、を備える。なお、図1において、印字ローラ30の軸方向をX方向とし、X方向に直交する方向であって印字ローラ30からモータ50へ向かう方向をY方向とし、X方向およびY方向に直交する方向をZ方向とする。
【0016】
図2は、サーマルプリンタ10のギヤボックス60近傍の拡大図である。なお、図2において、印字ローラ30およびローラギヤ40の図示は省略されている。図1および図2に示すように、サーマルプリンタ本体20のフレーム21には、印字ローラ30を着脱自在に軸支するための軸受部22が2箇所設けられている。
【0017】
印字ローラ30は、フレーム21の軸受部22によって、着脱自在に軸支される。印字ローラ30が軸受部22に軸支されているとき、印字ローラ30には、フレーム21に接続された保持部23がZ方向から係合している。それにより、印字ローラ30の軸受部22からの抜けが抑制されている。印字ローラ30を軸受部22から外す場合には、保持部23の印字ローラ30への係合を解除した後に、印字ローラ30をサーマルプリンタ本体20に対してZ方向に相対移動させる。印字ローラ30が軸受部22に着脱自在に軸支されることによって、例えば用紙交換時に印字ローラ30を軸受部22から容易に脱着することができる。
【0018】
印字ローラ30は、印字用の用紙を摩擦力によって連続的に送り出すための用紙送りローラとしての機能を有する。また、印字ローラ30は、感熱式印字部であるサーマルヘッド24による用紙への安定的な印字を実現するための背面支持ローラとしての機能も有する。具体的には、印字ローラ30は、表面にゴム等の弾性体を有する弾性体部31と、弾性体部31のX方向および−X方向の両端から突出して軸受部22に軸支された軸部32と、を有する。弾性体部31は、軸部32が回転すると軸部32と一体となって回転して、用紙をサーマルヘッド24との間に挟持しつつ連続的に送り出す。
【0019】
ローラギヤ40は、軸部32のギヤボックス60側の端部に接続されている。ローラギヤ40は、印字ローラ30と一体となって回転する。モータ50は、サーマルプリンタ本体20に接続されている。モータ50は、印字ローラ30を回転駆動させるための動力源である。
【0020】
ギヤボックス60は、サーマルプリンタ本体20に接続されている。図2に示すように、ギヤボックス60は、ローラギヤ40を出し入れするための開口部61をZ方向の面に有している。印字ローラ30をサーマルプリンタ本体20から取り出す場合、ローラギヤ40は、開口部61から取り出される。印字ローラ30をサーマルプリンタ本体20に取付ける場合、ローラギヤ40は開口部61からギヤボックス60内に配置される。
【0021】
図3は、サーマルプリンタ10の分解斜視図である。なお、図3において、印字ローラ30およびローラギヤ40の図示は省略されている。ギヤボックス60は、ギヤボックス本体62と、ギヤカバー63と、を備える。ギヤボックス本体62にギヤカバー63が組み付けられると、箱形状のギヤボックス60が形成される。
【0022】
ギヤボックス60は、ギヤ列70を収容する。ギヤ列70は、第1ギヤ71、第2ギヤ72、第3ギヤ73、第4ギヤ74、第5ギヤ75および第6ギヤ76を有する。ギヤ列70は、モータ50の回転をローラギヤ40に伝達する。それにより、ローラギヤ40は駆動される。すなわち、ギヤ列70は、ローラギヤ40を駆動するためのギヤ列である。
【0023】
ギヤボックス60内には、仕切り部材80が配備されている。仕切り部材80は、開口部61とギヤ列70とを隔てる仕切り部81と、仕切り部81を支持する支持部82と、を有する。すなわち、ギヤボックス60は、開口部61とギヤ列70とを隔てる仕切り部81を有している。本実施例において、仕切り部材80は、ギヤボックス60とは別体の部材である。仕切り部材80は、ギヤボックス60内にギヤ列70が組み付けられた後に、ギヤボックス60内に配備される。なお、ギヤボックス本体62の−Z方向の面(以下、この面を底面と称する)には、凸部64が設けられている。凸部64の機能については、図5において後述する。
【0024】
図4(a)は、ギヤ列70を構成する各ギヤの位置関係を説明するための図である。モータギヤ52は、モータ50のモータ軸51に接続されてモータ軸51と一体となって回転する。なお、本実施例において、モータ軸51の軸線方向は、印字ローラ30の軸部32の軸線方向と略平行である。第1ギヤ71は、モータギヤ52に噛み合うギヤである。第2ギヤ72は、第1ギヤ71と同じ軸に接続され、第1ギヤ71と一体となって回転するギヤである。第3ギヤ73は、第2ギヤ72に噛み合うギヤである。第4ギヤ74は、第3ギヤ73と同じ軸に接続され、第3ギヤ73と一体となって回転するギヤである。第5ギヤ75は、第4ギヤ74に噛み合うギヤである。第6ギヤ76は、第5ギヤ75と同じ軸に接続され、第5ギヤ75と一体となって回転するとともに、ローラギヤ40に噛み合うギヤである。
【0025】
図4(b)は、仕切り部81を説明するための図である。具体的には、図4(b)は、ギヤボックス60、ギヤ列70および仕切り部81を図4(a)のA−A線で切断した断面を模式的に図示したものである。なお、図4(b)において、凸部64の図示は省略されている。仕切り部81は、開口部61から進入した異物がギヤ列70に付着することを抑制するために、開口部61とギヤ列70とを隔てている。本実施例においては、仕切り部81は、開口部61と、ギヤ列70を構成するギヤのうち第6ギヤ76および第5ギヤ75以外のギヤと、を隔てている。すなわち、仕切り部81は、開口部61と、第1ギヤ71、第2ギヤ72、第3ギヤ73および第4ギヤ74と、を隔てている。なお、仕切り部81のローラギヤ40側の面は、ローラギヤ40と接触しないように曲面形状を有している。また、仕切り部81の第4ギヤ74側の面は、第4ギヤ74と干渉しないように曲面形状を有している。
【0026】
図5は、仕切り部材80を−Y方向側から見た模式図である。なお、図5において、第3ギヤ73、第4ギヤ74、ギヤボックス本体62およびギヤカバー63も、仕切り部材80と共に図示されている。支持部82は、ギヤカバーとギヤボックス本体62の底面に設けられた凸部64との間に挟まれることによって、位置決めされている。すなわち、凸部64は、仕切り部材80を位置決めする位置決め部材としての機能を有する。また、支持部82は、仕切り部81をX方向から支持している。仕切り部81は、第4ギヤ74のZ方向に位置している。
【0027】
なお、フレーム21、ギヤボックス60、各種ギヤおよび仕切り部材80の材質としては、特に限定されず、例えば金属、樹脂等を用いることができる。金属は樹脂よりも強度が高い点で好ましい。樹脂は金属よりも軽量化を図れる点および加工性が良好な点で好ましい。本実施例において、フレーム21およびギヤボックス本体62の材質は亜鉛であり、ギヤカバー63の材質は樹脂である。モータギヤ52の材質は真鍮であり、ローラギヤ40、ギヤ列70および仕切り部材80の材質は樹脂である。樹脂としては、特に限定されないが、例えばエンジニアリングプラスチックを用いることができる。
【0028】
図6は、実施例1の比較例1に係るサーマルプリンタ100のギヤボックス110近傍の拡大図である。サーマルプリンタ100は、ギヤボックス60に代えてギヤボックス110を備える点において、図2のサーマルプリンタ10と異なる。ギヤボックス110は、仕切り部材80が配備されていない点において、サーマルプリンタ10と異なる。仕切り部材80が配備されていないことによって、サーマルプリンタ100においては、印字ローラ30がサーマルプリンタ本体20から取り外された後、第4ギヤ74、第5ギヤ75および第6ギヤ76が開口部61から視認されるようになる。
【0029】
サーマルプリンタ100が図6の状態になった場合、開口部61からギヤボックス60内に異物が進入する場合がある。その結果、ギヤ列70に破損等の障害が発生するおそれがある。ギヤ列70が樹脂製の場合には、ギヤ列70が金属製の場合よりも歯の強度が低いことから、異物による障害発生のおそれが特に高くなる。特に、サーマルプリンタ100の場合、第4ギヤ74〜第6ギヤ76のうち、Y方向の最も奥側にある第4ギヤ74は、ギヤ列70の中で最も小さいギヤであることから、歯の強度がギヤ列70の中で最も低い。したがって、第4ギヤ74が、最も異物による障害を生じ易い。
【0030】
これに対して、本実施例に係るサーマルプリンタ10によれば、仕切り部81によって開口部61とギヤ列70とが隔てられていることから、開口部61から進入した異物のギヤ列70への付着が抑制される。具体的には、仕切り部81によって開口部61と第1ギヤ71〜第4ギヤ74とが隔てられていることから、開口部61から進入した異物が第1ギヤ71〜第4ギヤ74に付着することが抑制される。それにより、異物によるギヤ列70の障害の発生を抑制することができる。
【0031】
なお、サーマルプリンタ10が、携帯型端末装置に接続されて使用される場合には、携帯型端末装置以外の装置に接続されて使用される場合よりも、開口部61から異物が進入するおそれが高くなる。また、携帯型端末装置に接続されて使用される場合、ギヤ列70は小型であることから、ギヤ列70の強度は低い。そのため、ギヤ列70に異物による損傷が発生するおそれが高くなる。そのため、サーマルプリンタ10は、携帯型端末装置に接続されて使用される場合に、特に適している。サーマルプリンタ10は、携帯型端末装置の中でも、屋外で使用される携帯型端末装置に接続されて使用される場合に、特に適している。屋外で使用される場合、開口部61からギヤボックス60内に異物が進入するおそれが高くなるとともに、砂等の硬質の異物が進入するおそれも高くなるからである。サーマルプリンタ10は、屋外で使用される携帯型端末装置の中でも、例えば水道メータ検針用携帯型端末装置のように、開口部61から砂等のような硬質の異物が進入するおそれが高い使用環境下で用いられる携帯型端末装置に接続されて使用される場合に、特に適している。
【0032】
なお、本実施例において、仕切り部材80は、ギヤボックス60とは別体の部材であるが、これに限られない。仕切り部材80がギヤボックス60と一体成型されている場合であっても、仕切り部81によって、異物によるギヤ列70の障害の発生を抑制することができる。ただし、仕切り部材80がギヤボックス60と別体の部材であることによって、仕切り部材80およびギヤボックス60の製造は容易になる。また、仕切り部材80をギヤボックス60から脱着することができる。また、仕切り部材80の材質をギヤボックス60とは別の材質にすることができる。
【0033】
また、本実施例において、仕切り部81は剛体であるが、これに限られない。仕切り部81は、フィルム状の部材であってもよい。フィルム状の部材は剛体に比較して軽量であることから、サーマルプリンタ10を軽量化することができる。フィルム状の部材の材質としては、特に限定されないが、例えばPET樹脂等を用いることができる。
【実施例2】
【0034】
実施例2に係るサーマルプリンタ10について説明する。本実施例に係るサーマルプリンタ10は、ギヤボックス60の代わりにギヤボックス60aを備える点において、実施例1に係るサーマルプリンタ10と異なる。図7(a)は、ギヤボックス60aを説明するための図である。ギヤボックス60aは、異物を排出するための排出口を少なくとも一つ有する点において、図4(b)に示すギヤボックス60と異なる。本実施例において、ギヤボックス60aは、底面に排出口65および排出口66を有する。排出口66は、排出口65よりもY方向に位置している。また、排出口65は、開口部61の−Z方向側に位置し、排出口66は、モータギヤ52の−Z方向側に位置している。
【0035】
本実施例に係るサーマルプリンタ10によれば、ギヤボックス60aが排出口を少なくとも一つ有することから、ギヤボックス60a内に進入した異物を、排出口から外部に排出することができる。その結果、異物によるギヤ列70の障害の発生を抑制することができる。また、開口部61から液体を注入することによって、ギヤボックス60a内に進入した異物を排出口から洗い流すことができる。その結果、異物によるギヤ列70の障害の発生を抑制することができる。また、開口部61から液体を注入するだけでギヤボックス60a内に進入した異物を洗い流すことができることから、例えばギヤカバー63を外してギヤボックス60a内を洗浄する場合に比較して、異物除去を容易に行うことができる。
【0036】
図7(b)は、ギヤボックス60a内を液体で洗浄する様子を説明するための図である。なお、図7(b)において、ローラギヤ40は、ギヤボックス60a内から取り出されている。例えば開口部61からギヤボックス60a内に注入された液体は、ギヤ列70を洗浄して、排出口65および排出口65からギヤボックス60aの外部に排出される。その結果、ギヤボックス60aの内部に進入した異物を液体で洗い流すことができる。また、ギヤボックス60aが排出口65および排出口66を有することにより、ギヤボックス60aの開口部61から液体をギヤボックス60a内に注入するだけで、ギヤボックス60a内を全体的に洗浄することができる。
【0037】
なお、液体としては、特に限定されず、例えば水等を用いることができる。また、排出口の形状および大きさは、ギヤボックス60a内の液体を外部に排出できる形状および大きさであれば、特に限定されない。排出口の数は、1個以上であればよい。排出口の数が多いほど、異物排出効果は高くなる。また、排出口は、底面以外の箇所に形成されていてもよい。ただし、少なくとも底面に排出口が形成されている場合の方が、ギヤボックス60a内に液体が残存することをより抑制できる。
【0038】
また、ギヤ列70は、撥水性を有していてもよい。この構成によれば、ギヤ列70に異物が付着することを抑制することができる。ギヤ列70に撥水性を持たせるためには、例えば、ギヤ列70にフッ素等の撥水性素材をコーティングすればよい。
【0039】
また、フレーム21、ギヤ列70およびギヤボックス60aは、防錆性を有していてもよい。この構成によれば、フレーム21、ギヤ列70およびギヤボックス60aに錆びが発生することを抑制することができる。例えば、フレーム21、ギヤ列70およびギヤボックス60aを、樹脂、亜鉛、真鍮、ステンレス等の防錆材料で構成することによって、これらの部材は防錆性を有することができる。
【0040】
なお、実施例1に係るサーマルプリンタ10において、ギヤ列70は撥水性を有していてもよい。実施例1に係るサーマルプリンタ10において、フレーム21、ギヤ列70およびギヤボックス60は防錆性を有していてもよい。前述したように、フレーム21およびギヤボックス本体62の材質は亜鉛であり、ギヤカバー63の材質は樹脂であり、ギヤ列70の材質は樹脂である。これらの材質は、全て防錆材料である。
【0041】
なお、本実施例に係るサーマルプリンタ10も、実施例1の場合と同様に、携帯型端末装置に接続されて使用される場合に、特に適している。また、本実施例に係るサーマルプリンタ10は、携帯型端末装置の中でも、屋外で使用される携帯型端末装置に接続されて使用される場合に、特に適している。さらに、本実施例に係るサーマルプリンタ10は、屋外で使用される携帯型端末装置の中でも、例えば水道メータ検針用携帯型端末装置のように、開口部61から砂等のような硬質の異物が進入するおそれが高い使用環境下で用いられる携帯型端末装置に接続されて使用される場合に、特に適している。
【0042】
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 サーマルプリンタ
20 サーマルプリンタ本体
21 フレーム
30 印字ローラ
40 ローラギヤ
50 モータ
52 モータギヤ
60 ギヤボックス
61 開口部
62 ギヤボックス本体
63 ギヤカバー
65 排出口
66 排出口
70 ギヤ列
80 仕切り部材
81 仕切り部
82 支持部
100 サーマルプリンタ
110 ギヤボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに着脱自在に軸支された印字ローラと、
前記印字ローラに接続されて前記印字ローラと一体となって回転するローラギヤと、
前記ローラギヤを駆動するギヤ列と、
前記ローラギヤを出し入れするための開口部を有するとともに、前記ローラギヤおよび前記ギヤ列を収容するギヤボックスと、を備え、
前記ギヤボックスは、前記開口部と前記ギヤ列とを隔てる仕切り部を有することを特徴とするサーマルプリンタ。
【請求項2】
前記仕切り部は、前記ギヤボックスとは別体の部材である請求項1記載のサーマルプリンタ。
【請求項3】
前記仕切り部は、フィルム状の部材である請求項1記載のサーマルプリンタ。
【請求項4】
前記ギヤボックスは、異物を排出するための排出口を少なくとも一つ有する請求項1記載のサーマルプリンタ。
【請求項5】
前記ギヤ列は、撥水性を有する請求項1記載のサーマルプリンタ。
【請求項6】
前記フレーム、前記ギヤ列および前記ギヤボックスは、防錆性を有する請求項1記載のサーマルプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−46134(P2011−46134A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197513(P2009−197513)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(501398606)富士通コンポーネント株式会社 (848)
【Fターム(参考)】