説明

サーマルヘッド

【課題】保護層表面を研磨しても位置決めマーカーの視認性が損なわれることがないサーマルヘッドを得る。
【解決手段】前記隣り合う一対の発熱抵抗体を導通接続する複数のコンタクト導体と、各コンタクト導体を介して一対の発熱抵抗体を通電する複数の個別電極とコモン電極と、前記配列方向に延びて前記複数のコモン電極に共通に接続し、前記配列方向の両端から給電されるコモンラインと、前記基板上全域を覆う保護層とを有する折り返し構造のサーマルヘッドにおいて、前記凸形状部外の領域であって、前記複数の発熱抵抗体の配列方向と直交する方向の中心位置または前記凸形状の頂点位置から前記配列方向と直交する方向に所定長離れた位置に位置決めマーカーを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば熱転写型プリンタ等に使用されるサーマルヘッドにかかり、より具体的には、装着する際の基準角度、基準位置等を設定するための位置決めマーカーを有するサーマルヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
サーマルヘッドは、放熱性に優れた基板上に、例えばガラス等の高断熱材料からなる蓄熱層と、通電により発熱する複数の発熱抵抗体と、全発熱抵抗体に共通に導通接続したコモン電極と、各発熱抵抗体に個別に導通接続した複数の個別電極とを備え、コモン電極及び個別電極を介して発熱させた発熱抵抗体をインクリボンまたは印刷媒体(感熱紙)に圧接することで印刷動作する。従来のサーマルヘッドには、印刷品質を向上させるため、基板自体を凸形状とするあるいは平坦な基板上に蓄熱層で凸形状を形成する等して、印刷時に印刷媒体に対して接触応力を加えるようにした凸型基板タイプが多用されている。またコモン電極と個別電極は、一般的には発熱抵抗体の抵抗長方向の両端部にそれぞれ接続されて該抵抗長方向に一直線状に配置されるが、基板サイズを小さく且つ発熱抵抗体を基板の端に配置できるように、コモン電極を折り返す構造も提案されている。
【0003】
図5は、従来の折り返し構造によるサーマルヘッドを示す(A)断面図、(B)平面図(保護層を除く)である。折り返し構造では、U字状の折り返し導体110により互いの一端部が接続された2つの発熱抵抗体105a、105bから1つの印刷ドット部Dが構成され、一方の発熱抵抗体105aの他端部に個別電極107が、他方の発熱抵抗体105bの他端部にコモン電極108がそれぞれ接続している。各コモン電極108は、印刷ドット部Dの配列方向(主走査方向)に平行な方向に長く延びるコモンライン109に接続されており、コモンライン109の長手方向の両端から給電される。図5に示されるサーマルヘッドは、例えば以下の工程により形成することができる。
【0004】
先ず、部分凸形状の蓄熱層103を備えた基板102を準備する。次に、蓄熱層103上に抵抗体層104とAl導体層Cを全面的に形成した後、Al導体層C及び抵抗体層104の一部を除去し、形成すべき折り返し導体、個別電極、コモン電極及びコモンラインの概略形状でAl導体層C及び抵抗体層104を残す。Al導体層Cは、電極抵抗を低減するため(ヘッド小型化による電極抵抗の増大を抑制するため)、1μm程度の厚さで形成する。続いて、蓄熱層103の凸形状上に位置するAl導体層Cを除去し、抵抗体層104の表面を一部露出させる開放部αを形成する。抵抗体層104の表面露出領域がそれぞれ発熱抵抗体105となる。この開放部αを介してAl導体層Cは、隣り合う一対の発熱抵抗体105(105a、105b)の一端側を導通接続するU字状の折り返し導体110と、同一対の発熱抵抗体105a、105bの他端側に同一方向で接続された個別電極107及びコモン電極108とに分離される。コモン電極108とコモンライン109は一体に形成される。開放部αを形成したら、折り返し導体110、個別電極107、コモン電極108及びコモンライン109を覆う耐磨耗保護層111を形成する。
【0005】
Al導体層Cが1μm程度と厚いため、開放部αの両端、つまり発熱抵抗体105と折り返し導体110との各境界には段差が生じ、この段差は耐磨耗保護層111の表面にも段差部111aとしてあらわれる。発熱抵抗体105の近傍に段差が存在していると印刷媒体と発熱抵抗体105の接触効率が悪くなるので、耐磨耗保護層111の段差部111aを研磨加工(ポリッシング)し、印刷媒体との接触面を滑らかに形成する。以上の加工により、図5(A)のサーマルヘッドが得られる。
【0006】
かかるサーマルヘッドを熱転写型プリンタ等に実装する場合、プラテン等に対する発熱抵抗体105の位置や角度の設定、調整をする必要がある。一方、従来のサーマルヘッドには、発熱体および給電電極の配列の延長上に、発熱体および給電電極と同一面上に同一素材で横長マーカー、縦長マーカーを形成するものや(特許文献1)、セラミック基板の両端部に、グレーズ層の寸法精度を向上させるための凹状の位置合わせマーカーを形成するものが知られている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2002-225324号公報
【特許文献2】特開2004-114530号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、サーマルヘッドの発熱抵抗体105の中心位置を結ぶ延長上に位置決めマーカーを形成した場合、段差部111aをポリッシングする際に、位置決めマーカー上の耐摩耗保護層表面も研磨されてしまうことがある。かかる場合には耐摩耗保護層を通して位置決めマーカーが視認できなくなることがあった。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題に鑑みてなされたもので、保護層表面を研磨しても位置決めマーカーの視認性が損なわれることがないサーマルヘッドを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、サーマルヘッドに対する研磨が凸形状部分に限られる点に着目してなされたものである。すなわち本発明は、基板自体が凸形状あるいは平坦な基板上に凸形状の蓄熱層が形成され、該蓄熱層の凸形状上に所定ピッチで配列された、通電により発熱する複数の発熱抵抗体と、前記蓄熱層の凸形状および発熱抵抗体を含む基板上を覆う耐摩耗保護層とを有するサーマルヘッドにおいて、前記複数の発熱抵抗体の配列方向と直交する方向の中心位置または前記凸形状の頂点位置から前記配列方向と直交する方向に所定長離れた、前記凸形状部外の領域に位置決めマーカーを設けたことに特徴を有する。
【0010】
より実際的には、前記隣り合う一対の発熱抵抗体を導通接続する複数のコンタクト導体と、各コンタクト導体を介して一対の発熱抵抗体を通電する複数の個別電極とコモン電極と、前記配列方向に延びて前記複数のコモン電極に共通に接続し、前記配列方向の両端から給電されるコモンラインとを有する折り返し構造のサーマルヘッドであって、前記位置決めマーカーは、前記個別電極およびコモン電極よりも前記配列方向の一方または両方の外方領域に設けられる。
【0011】
前記各発熱抵抗体は、前記凸形状部の頂点よりも前記コンタクト導体側に形成される。
【0012】
前記位置決めマーカーは、前記発熱抵抗体と同一工程において同一材料で形成された部分と、該部分上に、前記コンタクト導体、個別電極、コモン電極およびコモンラインと同一工程において同一材料で形成された部分の一方または両方によって形成することが好ましい。位置決めマーカーが発熱抵抗体または電極等と同一の工程において形成されるので、製造工程が増えず、しかも精度が高い。
【0013】
所定ピッチで配置した複数の発熱抵抗体群と、該発熱抵抗体群の全発熱抵抗体に共通電位を与えるコモン電極群と、前記発熱抵抗体群の各発熱抵抗体に個別に接続された個別電極群とを備え、前記コモン電極群と個別電極群とが複数の小グループ電極群毎に間隔をおいて配列された折り返し構造のサーマルヘッドにおいては、前記位置決めマーカーを、前記発熱抵抗体群と前記小グループ電極群とで規制された空き領域に設ける。
【0014】
前記位置決めマーカーは、前記隣り合う発熱抵抗体群と前記小グループ電極群とに挟まれた空き領域に設けることができる。
【0015】
前記位置決めマーカーは、前記発熱抵抗体と同一工程において同一材料で形成された部分と、該部分上に、前記コンタクト導体、個別電極およびコモン電極と同一工程において同一材料で形成された部分の一方または両方によって形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
凸形状の保護層表面を研磨しても、位置決めマーカーの上の保護層表面は研磨されないので、位置決めマーカーの視認性が損なわれる虞れがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1および図2は、本発明のサーマルヘッドの実施形態の概要を示す平面図および図1の切断線II-IIに沿う断面図である。サーマルヘッド1は、図1の上下方向に所定間隔で列状に配置された複数の印刷ドット部Dを備え、各印刷ドット部Dの熱を感熱紙またはインクリボンに与えることで印刷動作する。
【0018】
サーマルヘッド1は、Siやセラミック材料、金属材料等からなる放熱性に優れた基板2上に例えばガラス等の断熱材料からなる蓄熱層3を有し、この蓄熱層3の上に、図1の左右方向に微小間隔をあけて一列に配置された複数の発熱抵抗体4を備えている。
【0019】
蓄熱層3は、例えばガラスのような断熱材料で形成され、基板2の一端側に凸形状を形成する凸形状部3aと、この凸形状部3aに連続していて均一膜厚を有する均一膜厚部3bとを備えている。複数の発熱抵抗体4は、蓄熱層3の凸形状部3a上の頂点位置から一端側に所定長離反した傾斜面途中に位置し、通電により発熱する。各発熱抵抗体4は、Ta2N又はTa−SiO2等のサーメット材料を用いて蓄熱層3の上に全面的に形成された抵抗体層の一部であり、該表面が絶縁バリア層5により覆われている。絶縁バリア層5は、例えばSiO2、SiON、SiAlON等の絶縁材料により形成されていて、各発熱抵抗体4の平面的な大きさ(長さ寸法、幅寸法)を規定している。本実施形態では、隣接する一対の発熱抵抗体4(4a、4b)により1つの印刷ドット部Dが形成され、複数の印刷ドット部Dは、発熱抵抗体4の通電方向(副走査方向)と直交する方向(図1の左右方向、主走査方向)に列状に配置されている。なお、凸形状は、基板2自体が凸形状のものを使用してもよい。
【0020】
個別電極7は、各印刷ドット部D毎に設けられていて、各発熱抵抗体4aの通電方向(図1の上下方向、副走査方向)に長く延びて形成されている。個別電極7には、発熱抵抗体4a側とは反対側の端部に形成されたボンディングパッドと、放熱性基板2とは別個のPCB20に搭載された駆動ユニット21の対応するボンディングパッドとがワイヤーボンディングによるワイヤー11によって接続されている。
【0021】
駆動ユニット21は、各個別電極7にワイヤーボンディングされた複数のボンディングパッドを介して対応する個別電極7への通電/非通電を切り替える複数のスイッチング素子(駆動IC)及び複数の外部接続端子等を有している。なお、図1はサーマルヘッド1の構造を簡略的に示したものであり、個別電極7のボンディングパッドと駆動ユニット21のボンディングパッドを結ぶワイヤー11は、実際には、約50μm程度と非常に微小間隔で設けられている。
【0022】
コモン電極8は、隣接する2つの印刷ドット部D毎に設けられていて、該2つの印刷ドット部Dに設けられた個別電極7の間にそれぞれ配置されている。このコモン電極8は、隣接する2つの発熱抵抗体4bに接続したU字形状部と、該U字形状部から発熱抵抗体4bの抵抗長方向に平行な方向(副走査方向)に長く延びる直線部とを有する略Y字形をなしている。各コモン電極8は、発熱抵抗体4b側とは反対側の端部でコモンライン9に接続されている。
【0023】
コモンライン9は、複数の印刷ドット部Dの配列方向(図1の左右方向、主走査方向)に延びて複数のコモン電極8に共通に接続され、その長手方向(図1の左右方向)の両端は、PCB20に搭載された電源22にそれぞれワイヤーボンディングによるワイヤー11によって接続されている。電源22から電力が、ワイヤー11、コモンライン9および各コモン電極8を介して全ての印刷ドット部Dに供給される。
【0024】
このサーマルヘッド1は、発熱抵抗体4、個別電極7、コモン電極8およびコモンライン9が、Al導体層の一つとして同一の工程で形成される。
【0025】
さらにこのサーマルヘッド1には、一方の端部(図1では左端)の個別電極7の外側であって、均一膜厚部3b上に、位置決めマーカー12が設けられている。位置決めマーカー12は、発熱抵抗体層4′を形成する同一工程において、発熱抵抗体層4′と同一のサーメット材料で形成された、主走査方向に延びる長方形の台座部12a上に、個別電極7、コモン電極8およびコモンライン9と同一の工程において同一のAl導体によって形成されたドット部12bからなる。ドット部12bは、主走査方向に複数個設けられていて、ドット部12bの中心は、各発熱抵抗体4の中心を通り配列方向に延びる直線からPCB20側の平坦部に、予め設定された距離dだけ離反して設けられている。なお、ドット部12bは、主走査方向に複数設けることが好ましい。
【0026】
さらに位置決めマーカー12の近傍には、凸形状部3aの頂点位置に頂点を示す頂点マーカー13が設けられている。この頂点マーカー13も、位置決めマーカー12と同一の工程において同時に形成される。
【0027】
前記絶縁バリア層5、コンタクト導体6、個別電極7、コモン電極8、コモンライン9、位置決めマーカー12および頂点マーカー13の上には、例えばSiAlONやTa25等の耐摩耗性材料からなる耐摩耗保護層14が形成されている。耐摩耗保護層14は、ヘッド動作時に生じる摩擦から絶縁バリア層5及びコンタクト導体6や個別電極7、コモン電極8、コモンライン9等の導体層を保護する。この耐摩耗保護層14の厚さは略一定のため、耐摩耗保護層14の表面には基板表面の凹凸形状が転写されていて、凸形状部3aに沿った凸形状部14aが形成されている(図2)。特に、凸形状部14aには、発熱抵抗体4および絶縁バリア層5の表面に、いびつな凹凸を有する段差部14bが形成されている。そこで、この段差部14bを含む耐摩耗保護層14の凸形状部14aの表面をポリッシング(研磨)して滑らかにする。このポリッシングは通常、段差部14bの幅(発熱抵抗体4の配列方向と直交する方向の長さ)よりも遙かに大径のローラ状または円板状の砥石またはブラシを使用して発熱抵抗体4の配列方向全幅に亘って実施されるので、発熱抵抗体4、絶縁バリア層5が存在しない凸形状部14aの表面領域までポリッシングされてしまう。しかし本実施形態のサーマルヘッド1は、凸形状部14a外の、ポリッシングされない平坦領域に位置決めマーカー12が形成されているので、位置決めマーカー12が視認できなくなるおそれはない。
【0028】
図3には、本発明を適用したサーマルヘッドの他の実施形態の概要を、(A)に側面図で、(B)に平面図(保護層を除く)で示した。この実施形態のサーマルヘッドは、複数の発熱抵抗体4を一群として複数の発熱抵抗体群で構成され、各発熱抵抗体群の各発熱抵抗体4aを接続する個別電極7と、各隣接する2つの発熱抵抗体4bを接続するコモン電極8が小グループ電極群とされ、発熱抵抗体4a、4bとは反対方向に向かって集束され、端部が、発熱抵抗体4a、4bのピッチよりも狭いピッチに形成されている。最も外側の発熱抵抗体群と小グループ電極群との間に、電極、発熱体等が存在しない空き領域として、略三角形の空き領域が形成される。さらに、図示しないが、各発熱抵抗体群と発熱抵抗体群との間に、電極が存在しない略三角形の空き領域が形成される。
【0029】
本発明の実施形態では、最も外側の発熱抵抗体群と小グループ電極群とで規制される略三角形の空き領域内であって、凸形状部外の平坦部に、位置決めマーカー12(台座部12aおよびドット部12b)を設けた。図示実施形態では、最も外側の発熱抵抗体群の外側の略三角形領域に位置決めマーカー12を設けてある。このドット部12bは、主走査方向に複数個設けることが好ましい。図示実施形態では、発熱抵抗体4(4a、4b)と同一ピッチで複数個設けてある。なお、位置決めマーカー12は、発熱抵抗体群と発熱抵抗体群との間に形成される略三角形領域に設けてもよい。位置決めマーカー12は、少なくとも一箇所に設ければよいが、複数箇所または全ての略三角領域に設けてもよい。複数箇所または全ての略三角領域に設ければ、最も使いやすい位置の位置決めマーカー12を利用できるので便利である。
【0030】
以上の実施形態では、位置決めマーカー12を発熱抵抗体層と同一工程において同一材料で形成した長方形の台座部12aと、導体層と同一工程において同一材料で形成したドット部12bで構成したが、これらの形状は変形可能であり、両方を同一の形状としてもよく、発熱抵抗体層または導体層のいずれか一方のみで形成してもよい。台座部12aは長方形でなくてもよいが、長方形の場合は、長辺を主走査方向と平行に、短辺を副走査方向と平行に設定することで、主走査方向および副走査方向の基準となって便利である。ドット部12bは円形でなくても、正方形、長方形、その他任意の形状でよい。
【0031】
以上のサーマルヘッド1は熱転写型プリンタ等に、発熱抵抗体4がプラテンローラ40の表面に最近接対向するように搭載される(図4)。その際、発熱抵抗体4の中心に立てた法線が、プラテンローラ40の表面に立てた法線と一致するように角度、位置調整される。この実施形態のサーマルヘッド1では、凸形状部14aの表面の凸頂点Tに立てた法線と、発熱抵抗体4の中心に立てた法線となす角度を傾斜角θとすると、サーマルヘッド1を傾斜角θだけ傾斜させたときに最適となるように設計されている。しかしこの傾斜角θは、製造誤差によって誤差を生じることがある。そこで、この実施形態では、実際の傾斜角θを測定するときに、位置決めマーカー12を利用することもできる。
【0032】
以上本発明を、折り返し構造のサーマルヘッドに適用した実施形態について説明したが、本発明は折り返し構造でないサーマルヘッドにも適用できる。また、本実施形態のサーマルヘッド1では発熱抵抗体4を絶縁バリア層5によって規定しているが、絶縁バリア層5を有しないサーマルヘッドにも本発明は適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明を適用したサーマルヘッドの実施形態の概要を示す平面図である。
【図2】図1の切断線II-IIに沿う断面図である。
【図3】本発明を適用したサーマルヘッドの他の実施形態の概要を示す、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【図4】同サーマルヘッドを熱転写型プリンタに搭載する場合の様子を説明する側面図である。
【図5】従来の折り返し構造のサーマルヘッドを示す、(A)は断面図、(B)は平面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 サーマルヘッド
2 基板
3 蓄熱層
3a 凸形状部
3b 均一膜厚部
4 発熱抵抗体
4a 4b 発熱抵抗体
5 絶縁バリア層
6 コンタクト導体
7 個別電極
8 コモン電極
9 コモンライン
11 ワイヤー
12 位置決めマーカー
12a 台座部
12b ドット部
13 頂点マーカー
14 耐摩耗保護層
14a 凸形状部
14b 段差部
20 PCB
21 駆動ユニット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板自体が凸形状あるいは平坦な基板上に凸形状の蓄熱層が形成され、該蓄熱層の凸形状上に所定ピッチで配列された、通電により発熱する複数の発熱抵抗体と、前記蓄熱層の凸形状および発熱抵抗体を含む基板上を覆う耐摩耗保護層とを有するサーマルヘッドにおいて、
前記複数の発熱抵抗体の配列方向と直交する方向の中心位置または前記凸形状の頂点位置から前記配列方向と直交する方向に所定長離れた、前記凸形状部外の領域に位置決めマーカーを設けたこと、を特徴とするサーマルヘッド。
【請求項2】
請求項1記載のサーマルヘッドは、前記隣り合う一対の発熱抵抗体を導通接続する複数のコンタクト導体と、各コンタクト導体を介して一対の発熱抵抗体を通電する複数の個別電極とコモン電極と、前記配列方向に延びて前記複数のコモン電極に共通に接続し、前記配列方向の両端から給電されるコモンラインとを有する折り返し構造のサーマルヘッドであって、前記位置決めマーカーは、前記個別電極およびコモン電極よりも前記配列方向の一方または両方の外方領域に設けられているサーマルヘッド。
【請求項3】
請求項2記載のサーマルヘッドにおいて、前記各発熱抵抗体は、前記凸形状部の頂点よりも前記コンタクト導体側に形成されているサーマルヘッド。
【請求項4】
請求項2記載のサーマルヘッドにおいて、前記位置決めマーカーは、前記発熱抵抗体と同一工程において同一材料で形成された部分と、該部分上に、前記コンタクト導体、個別電極、コモン電極およびコモンラインと同一工程において同一材料で形成された部分の一方または両方によって形成されているサーマルヘッド。
【請求項5】
請求項1または3記載のサーマルヘッドは、所定ピッチで配置した複数の発熱抵抗体群と、該発熱抵抗体群の全発熱抵抗体に共通電位を与えるコモン電極群と、前記発熱抵抗体群の各発熱抵抗体に個別に接続された個別電極群とを備え、前記コモン電極群と個別電極群とが複数の小グループ電極群毎に間隔をおいて配列された折り返し構造のサーマルヘッドであって、前記位置決めマーカーは、前記発熱抵抗体群と前記小グループ電極群とで規制された空き領域に設けられているサーマルヘッド。
【請求項6】
請求項5記載のサーマルヘッドにおいて、前記位置決めマーカーは、前記隣り合う発熱抵抗体群と前記小グループ電極群とに挟まれた空き領域に設けられているサーマルヘッド。
【請求項7】
請求項5または6記載のサーマルヘッドにおいて、前記位置決めマーカーは、前記発熱抵抗体と同一工程において同一材料で形成された部分と、該部分上に、前記コンタクト導体、個別電極およびコモン電極と同一工程において同一材料で形成された部分の一方または両方によって形成されているサーマルヘッド。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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