説明

シアル酸誘導体

例えば多糖中にある、シアル酸のアミンまたはヒドラジン誘導体をアミドまたはヒドラジド産物を作成するために少なくとも一つの官能性がN-ヒドロキシスクシンイミドのエステルである二官能性試薬と反応させる。その生成物は、例えばタンパク質、薬剤、ドラッグデリバリーシステム、同様なものに結合することを可能にする有用な官能性を有する。本方法はポリシアル酸のシアル酸末端基に導入されたアミン基を誘導体化するのに特に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシアル酸化合物の誘導体に関し、好ましくは末端、内部鎖にシアル酸ユニットを有する多糖に関する。好ましくは、多糖は例えば互いにα-2,8、2,9結合したシアル酸ユニットのみからなる。生成物はペプチド、タンパク質、薬物、ドラッグデリバリーシステム、ウィルス、細胞、微生物、合成ポリマーなどのようなサブストレートに結合するのに有効である。反応はNHS基を含む試薬とアミノ又はヒドラジド官能性シアル酸誘導体との複合体化を含んでいる。
【背景技術】
【0002】
ポリシアル酸(PSA)は特定の細菌株や哺乳類の特定の細胞において産生される天然の直鎖状のシアル酸ポリマーである[Roth et. al., 1993]。それらはn=約80かそれを超えるシアル酸残基から制限された酸加水分解やノイラミニダーゼによる消化、天然の細菌または細胞由来のポリマー形態の分別によって減少したn=2までの様々な重合度で産生され得る。様々なPSAの組成は例えば大腸菌K1株やグループB髄膜炎菌のカプセル状多糖を構成するα-2,8-結合PSAのようなホモポリマーの形態があり、それは胚型の神経細胞接着分子(H-CAM)でも見られる。ヘテロポリマーの形態はまた、例えば大腸菌K92株の交互のα-2,8、α-2,9PSAやN.meningtidisのグループC多糖で存在する。加えて、シアル酸はN.meningtidisのグループW135やグループYのようなシアル酸以外のモノマーとの交互の共重合体でも見つけられ得る。PSAは病原性細菌による免疫、補体システムの回避、胎児の発達中の未熟なニューロンの膠接着の調節(ここでポリマーは抗接着機能を有する)を含む重要な生物学的機能を有する[Muhlenhoff et. Al., 1998; Rutishauser, 1989; Troy,1990, 1992; Cho and Troy, 1994]。しかし。哺乳類ではPSAの既知の受容体は存在しない。大腸菌K1株のα-2,8結合PSAはまたコロミン酸として知られ、本発明を例証するために(種々の長さで)使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
細菌の多糖中のPSAのα-2,8結合形態は免疫原運搬タンパク質に結合したときでさえ、(哺乳類でT細胞や抗体反応を誘導せず)独特に免疫原とならず、それは哺乳類(並びに細菌)のポリマーとしてその存在を反映しているかもしれない。ポリマーの(n=4までの)より短い形態は細胞表面のガングリオシドで見られる。それは体中に広く分布し、効率的にPSAへの免疫学的寛容を負わせ、保持させるためと考えられる。近年、PSAの生物学的特性、特にα-2,8結合ホモポリマーPSAの生物学的特性はタンパク質や低分子量薬剤分子の薬物動態特性を改変するために活用されている[Gregoriadis, 2001; Jain et. Al., 2003; US-A-5,846,951; WO-A-0187922]。カタラーゼやアスパラギナーゼを含む多くの治療用タンパク質のPSA誘導体化[Fernandes and Gregoriadis, 1996 and 1997]は循環半減期とその安定性に劇的な向上をもたらし、治療用タンパク質に予めさらされることによる望まない(時々避けがたい)結果として上昇して先在する抗体にもかかわらず、そのようなタンパク質を使用することが許される[Fernandes and Gregoriadis, 2001]。多くの点でポリシアリル化されたタンパク質の改変された特性はポリエチレングリコール(PEG)で誘導体化されたタンパク質に匹敵する。例えば、各々の場合、半減期は上昇し、タンパク質とペプチドはタンパク質分解により安定で、生物学的活性の保持はPEGよりPSAがより大きく表れる[Hreczuk-Hirst et. al., 2002]。また、慢性的に投与しなければならない治療剤薬にPEGを使用することについては疑問がある。なぜならPEGは非常にゆっくりとしか生分解されないし[Beranova et.al., 2000]、高分子量、低分子量の形態が組織に蓄積する傾向がある[Bendele,et.Al.,1998;Convers, et. al., 1997]。PEG化されたタンパク質は血液循環で結合物の滞留時間に影響も与える抗PEG抗体を産生することが発見されている[Cheng et. al.,1990]。治療薬に結合した非経口で投入されるポリマーとしてのPEGの確立された歴史にも関わらず、免疫毒性学、薬理学、代謝のよりよい理解が必要とされる[Hunter and Moghimi, 2002; Brocchini,2003]。またPEGの蓄積は毒性に導くかもしれないので、高用量を必要とする治療剤へのPEGの利用(そしてそれゆえ結局PEGの高用量)について懸念がある。それゆえ、自然に人間の体の一部になる免疫学的に“見えない”生分解性ポリマーであり、組織ノイラミニダーゼを介してシアル酸(非毒性の糖)に分解されるα-2,8結合PSAはPEGへの魅力的な代替物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者のグループは以前に科学論文と登録された特許でタンパク質治療薬の薬物動態特性を向上させる天然のPSAの利用について述べた[Gregoriadis, 2001; Fernandes and Gregoriadis, 1996,1997, 2001; Gregoriadis, et. al., 1993, 1998, 2000; Hreczuk-Hirst et. al., 2002;Mital, 2004; Jain et.al., 2003, 2004; US-A-05846,951; WO-A-0187922]。今、本発明者はPSA誘導体化タンパク質(と治療剤の他の形態)の新規の組成や製造方法を可能にする新規のPSA誘導体について述べる。これらの新規の物質や方法は人間や動物での使用を意図したPSA誘導体化治療剤の生産に特に適しており、ここで医療倫理や規制当局(FDAやEMEAなど)の安全性の必要のために薬剤自体の化学的、分子的な定義は非常に重要である。
【0005】
タンパク質のような治療用薬剤に多糖を接着させる方法は以前述べられている[Jennings and Lugowski, 1981; US-A-5,846,951; WO-A-0187922]。これらの方法のいくつかはタンパク質に反応性のあるアルデヒド部分を作るためにポリマーの’非還元’末端を化学的に誘導体化することによる(図1)。PSA(と他の多糖類)の還元末端は結合中のタンパク質のコンフォーメーションとPSAの化学的完全性を保存するために必要な穏やかな条件下ではタンパク質と弱くしか反応しない。ビシナルジオールを含むPSAの非還元末端でシアル酸ユニットはモノアルデヒド誘導体を生産するために過ヨウ素酸塩で容易に(そして選択的に)酸化され得る。この誘導体はタンパク質に対してより反応性であり還元的アミノ化と他の化学作用を介するタンパク質の結合に適した反応性エレメントを構成する。本発明者はUS-A-5,846,951とWO-A-0187922でこれを以前に述べた。その反応は図1に示す。ここで、
a)末端シアル酸の非還元末端でタンパク質反応性アルデヒドを形成するために過ヨウ素酸ナトリウムでのCA(大腸菌由来のα-2,8結合PSA)の酸化を示す。
【0006】
b)タンパク質のアミノ基と安定的で不可逆的な共有結合を形成するために、タンパク質の第一級アミン基とアルデヒドの反応とそれに続くシアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH3)とシッフ塩基の選択的還元を示す。
【0007】
PCT/GB04/03488で、本発明者は末端のシアル酸ユニットを介して導入されるスルフヒドリル反応性基を有する多糖誘導体を述べている。このユニットは通常は多糖の非還元末端のシアル酸ユニットを誘導体化することによって導入される。スルフヒドリル反応性基は好ましくはマレイミド基である。この基を導入する反応は一方にはスルフヒドリル反応性基を、もう一方にはヒドラジンやエステルのような基を有するヘテロ二官能性試薬と多糖のシアル酸由来の末端ユニットのアルデヒドやアミン基との反応を伴い得る。生成物は例えばCysユニットや導入されたスルフヒドリル基でのタンパク質の位置特異的な誘導体化にとって有用である。
【0008】
治療剤へPSAを結合するために述べられている様々な方法[US-A-5,846,951;WO-A-0187922]は理論的には有用であるが、PSAの非還元末端(アルデヒド形態)とタンパク質の反応を介した複合体の受け入れられる収率の達成はより高い温度でのタンパク質を安定に導かない反応時間を必要とする(例えばインターフェロンα-2b)。第二に、達成できないか経済的でない反応物の濃度(例えばポリマー過剰)が必要とされる。
【0009】
本発明で提供されるのは、シアル酸化合物の誘導体を形成する新規な方法であり、ここで末端シアル酸ユニットを含む開始化合物が予備的な中間体形成段階に供され、そこで、第一級アミン基、第二級アミン基及びヒドラジンから選択される基が末端シアル酸ユニット上に形成され、該中間体が二官能性試薬:
【0010】
【化1】

【0011】
(式中、RはHまたはスルフォニルであり、
R1はリンカー基であり、
Xは官能基を表す。)
と反応する反応工程が続き、それによりエステル基は切断され、中間体のアミン又はヒドラジン基は誘導体を形成するために-CO-R1-Xによってアシル化される。
【0012】
第一の実施形態で開始化合物がその2-炭素原子すなわち非還元末端ユニットを介してもう一方の部分に結合している末端のシアル酸ユニットを有し、予備的段階はアルデヒド基を形成するためにシアル酸のC-7,C-8ジオール基の酸化を伴い、その後、中間体を形成するためにR4がH又は低級アルキルであるH2NR4又はその酸付加塩との還元的アミノ化が行われる。この予備的段階は図3で示されている。
この第一の実施形態で、開始化合物は次の式を有し、
【0013】
【化2】

【0014】
(式中、R2は前記の他の部分であり、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖基、タンパク質またはペプチド、脂質、薬剤、ドラッグデリバリーシステム(例えばリポソーム)から選択される。)、ここでアミド誘導体生成物は次の式を有する。
【0015】
【化3】

【0016】
(式中、X、R1及びR4は各々の開始化合物におけるものと同じ基であり、R3はR2と同じであるか、あるいは酸化、還元的アミノ化、試薬Iとの反応の段階での反応生成物である。)
この実施形態による化合物の形成は図6で示されており、ここで試薬Iはbis-NHS架橋剤である。
第二の実施形態で開始化合物は、その8-炭素原子を介してもう一方の部分に結合した還元末端シアル酸を有し、ここで予備的段階は、それによりビシナルジオールを有する基が形成されるケタール環の開環還元段階を伴い、その後、ビシナルジオール基がアルデヒドに酸化される選択的酸化段階が行われ、次いで中間体を形成するためにH2NR4またはその酸付加塩との還元的アミノ化が行われる。
この実施形態で開始の化合物は次の式を有し
【0017】
【化4】

【0018】
(式中、R5は前記の他の部分であり、オリゴ糖、多糖基、アルキル基、アシル基、脂質、ドラッグデリバリーシステムから選択される。)、ここでアミド生成物は次の式を有する:
【0019】
【化5】

【0020】
(式中、R1、X及びR4は各々の開始化合物と同じ基であり、R6はR5と同じか、或いは還元、酸化、アミノ化、試薬Iとの反応段階での反応生成物である。)
式Vの化合物の形成は図2に示されている。
【0021】
第三の実施形態では、開始化合物は2-炭素原子(すなわち非還元末端ユニット)を介してもう一方の部分に結合している末端シアル酸ユニットを有し、予備的段階はアルデヒド基を形成するためのシアル酸のC-7、C-8ジオール基の酸化を伴い、その後、中間体を形成するためのヒドラジンとの反応と還元がなされる。
【0022】
この実施形態で、開始化合物は次の式を有し:
【0023】
【化6】

【0024】
(式中、R2は前記の他の部分であり、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖基、タンパク質かペプチド、脂質、薬剤またはドラッグデリバリーシステムから選択される。)、そして生成物誘導体は次の式を有する:
【0025】
【化7】

【0026】
(式中、XとR1は各々の開始物質におけるものと同じであり、R3はR2と同じか、あるいは酸化、ヒドラジンとの反応、還元、試薬Iとの反応の段階での反応生成物である。)
第四の実施形態では開始化合物は、8-炭素原子を介してもう一方の部分に結合している還元末端終末シアル酸を有し、予備的段階はケタール環の開環還元段階を伴い、それによりビシナルジオールを有する基が形成され、その後、ビシナルジオール基がアルデヒド基に酸化される選択的酸化段階がなされ、次いで中間体を形成するためにヒドラジンとの反応と還元がなされる。
【0027】
この実施形態では開始化合物は次の式を有し、
【0028】
【化8】

【0029】
(式中、R5は前記の他の部分であり単糖、二糖、オリゴ糖、多糖基、アルキル基、アシル基、脂質、ドラッグデリバリーシステムから選択される。)、そして、生成物誘導体は次の式を有する:
【0030】
【化9】

【0031】
(式中、X、R1は各々の開始化合物と同じ基であり、R6はR5と同じであるか、或いは還元、酸化、ヒドラジンとの反応、還元および試薬Iとの反応の段階での反応生成物である。)
式IXの化合物を生産する反応スキームの例は図5で示され、そこでの二官能性試薬Iはbis-NHSである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本方法では式Iの試薬と接触する前に中間体が予備的段階の生成物混合物から実質的に分離されていることが一般的に重要である。これは予備的段階で使用される試薬が式Iの試薬を不活性化させるかもしれないからである。加えて、予備的段階は酸化と還元またはその逆の連続的な段階を伴う場合、最初の段階の酸化剤または還元剤は次の段階の試薬を加える前に不活性化させるべきである。
【0033】
本発明の方法では中間体と式Iの試薬間の反応は、好ましくは少量のプロトン性溶媒を含む、非プロトン溶媒中で行われるのが好都合である。反応中に存在するプロトン性溶媒のレベルを最小化することにより式Iの試薬のNHS基の早期の不活性化を回避する。一般的な非プロトン性溶媒は生物分子を損傷させることが分かっている。特にPSAを可溶化するジメチルスルホキシドDMSOの使用が、反応前にNHS基を過剰なレベルまで不活性化することなくNHS試薬と優れたレベルでの結合という結果になること、生成物混合物からの誘導体の回収を可能にすることは驚くべきことである。それゆえ好ましくは非プロトン性溶媒はDMSOである。
【0034】
式Iの試薬は一般的に中間体との反応で化学量論的には過剰な量で使用され、好ましくは少なくとも2倍量で存在し、さらに好ましくは中間体との化学量論反応の少なくとも5倍量である。
【0035】
式Iの試薬の1つの実施形態で、Xは基:
【0036】
【化10】

【0037】
(式中、Rは上記に定義される通りである。)
である。
【0038】
代替的な実施形態ではXはビニルスルホン、N-マレイミド、N-ヨードアセトアミド、オルトピリジルジスルフィド、保護ヒドロキシル、保護アミノ及びアジドからなる群から選択される基である。
【0039】
式Iの試薬は好ましくは以下から選択される:
N-(α-マレイミドアセトキシ)スクシンイミドエステル,(AMAS),
N-(β-マレイミドプロピルオキシ)スクシンイミドエステル,(BMPS),
N-(ε-マレイミドカプリルオキシ)スクシンイミドエステル,(EMCS),またはそのスルホアナログ,
N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル,(GMBS),またはそのスルホアナログ,
スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシ-(6-アミドカプロアート),(LC-SMCC),
m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS),またはそのスルホアナログ,
スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(carboxyate))(SMCC)またはそのスルホアナログ,
スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(SMPB)またはそのスルホアナログ,
スクシンイミジル-6-(β-マレイミド-プロピオンアミド)ヘキサノエート(SMPH),
N-(k-マレイミドウンデカノイルオキシ)スルホスクシンイミド-エステル(sulfo-KMUS),
スクシンイミジル6-[3-2(2-ピリジルジチオ)-プロピオンアミド]ヘキサノエート(LC-SPDP)またはそのスルホアナログ,
4-スクシンイミジルオキシカルボニル-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルエン(SMPT)またはそのスルホ-LCアナログ,
N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP),
N-スクシンイミジル[4-ビニルスルホニル)ベンゾアート(SVSB),
スクシンイミジル3-(ブロモアセトアミド)プロピオネート(SBAP),及び
N-スクシンイミジルヨードアセタート(SIA),及び
N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾアート(SIAB)またはそのスルホアナログ。
【0040】
式Iのヘテロ二官能性試薬のもう一つのカテゴリーはXとして、アジド基のような光反応基を有する。そのような試薬の例として以下のものがある:
N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド水不溶性(ANB-NOS),
N-ヒドロキシスクシンイミジル-4-アジドサリチル酸水不溶性,非開裂性(NHS-ASA),
N-スクシンイミジル(4-アジドフェニル)-1,3’-ジチオプロピオネート(SADP),
スルホスクシンイミジル2-(7-アジド-4-メチル-クマリン-3-アセトアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(SAED),
スルホスクシンイミジル2-(m-アジド-o-ニトロ-ベンズアミド)エチル-1,3′-ジチオプロピオネート(SAND),
N-スクシンイミジル6-(4′-アジド-2′-ニトロ-フェニルアミノ)ヘキサノエート(SANPAH),
スルホスクシンイミジル2-(p-アジド-o-サリチルアミド)エチル-1,3′-ジチオプロピオネート(SASD),
スルホスクシンイミジル-(ペルフルオロアジドベンズアミド)エチル-1,3′-ジチオプロピオネート(SFAD),
N-ヒドロキシスルホスクシンイミジル-4-アジドベンゾアート(Sulfo-HSAB)。
【0041】
式Iの試薬は
ビス[2-スクシンイミジルオキシカルボニル-オキシ)エチル]スルホン(BSOCOES)とそのスルホアナログ,
ビス(スルホスクシンイミジル)スベラート)(BS3),
ジスクシンイミジルグルタラート(DSG),
ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(DSP),
ジスクシンイミジルスベラート(DSS),
ジスクシンイミジルタートラート(DST)またはそのスルホアナログ、
3,3′-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP),及び
エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシナート)(EGS)とそのスルホアナログ
から選択されてもよい。
【0042】
R1基は二官能性の有機基である。好ましくは、R1はアルカンジイル、アリーレン、アルカリーレン、ヘテロアリーレン、アルキルヘテロアリーレンからなる群から選択され、そのうちのいずれかがカルボニル、エステル、スルフィド、エーテル、アミド及び/又はアミン結合によって置換及び/又は割り込まれていてもよい。特にC3-C6アルカンジイルが好ましい。最も好ましくは、R1は上で列挙されている好ましい試薬Iのうちの一つの適切な部分に相当する。置換基は上でR1について列挙されているものから選択するか、あるいはアミノ酸側鎖であってもよい。
【0043】
本方法では好ましくは生成物誘導体は過剰な試薬から実質的に完全に分離されているべきである。
【0044】
一般的に使用される反応のための反応条件は、例えばHermanson(1995)を参照して、ここで用いられてもよい。
【0045】
より好ましくは、生成物アミド誘導体は生成物混合物から実質的に完全に分離されるべきである。そのような分離と回収は好ましくは減圧下で行われる乾燥段階を伴い、最も好ましくは凍結乾燥の段階を伴う。
【0046】
生物学的に有益な化合物との次の反応にとって有用である反応性のあるシアル酸誘導体は安定な形態で利用され得る。
【0047】
本発明は添付の例と図でさらに説明されている。
【実施例】
【0048】
材料
メタ過ヨウ素酸ナトリウムと分子量マーカーはSigma Chemical Laboratory, UKから購入した。使用したCAである直鎖のα-(2,8)-結合E. coli K1 PSA(平均22.7kDa,多分散度(p.d.) 1.34; 39kDa, p.d.1.4;11kDa, p.d. 1.27)はCamida, Irelandから購入した。他の材料は2,4ジニトロフェニルヒドラジン(Aldrich Chemical Company,UK); 透析チューブ(3.5kDaと10kDaがカットオフ限度(Medicell International Limited,UK); Sepharose SP HiTrap, PD-10カラム(Pharmacia, UK); XK50 カラム(Amersham Biosciences, UK); Sepharose Q FF(Amersham Biosciences); トリス-グリシンポリアクリルアミドゲル(4-20%と16%), トリス-グリシンドデシル硫酸ナトリウムランニングバッファーとローディングバッファー(Novex, UK)を含んでいる。脱イオン水はElgastatOption4waterunit(Elga Limited, UK)から購入した。使用したすべての試薬はアナリティカルグレードのものである。プレートリーダー(Dynex Technologies, UK)はタンパク質の分光光度測定とCA分析に使用した。
【0049】
方法
タンパク質とCAの測定
シアル酸のようなCAの定量的推定は他でも述べられているように[Gregoriadis et. al., 1993;Fernandes and Gregoriadis, 1996, 1997]レゾルシノール法[Svennerholm 1957]によって行われた。GHはビシンコニン酸(BCA)比色定量法によって測定された。
【0050】
参考例1: IECによるCAの分別(CA,22.7kDa,pd1.34)
XK50カラムに900 ml Sepharose Q FFを詰め、フローレート50 ml/minの3カラム容量の洗浄バッファー(20mMトリエタノールアミン; pH 7.4)で平衡化した。CA(洗浄バッファー200ml中に25g)がシリンジ口を介して50ml/minでカラムにかけられた。この後に1.5カラム容量(1350ml)の洗浄バッファーでカラムを洗浄した。
【0051】
結合したCAは1.5カラム容量の異なる溶出バッファー(25mM NaClの段階で0mMから475mMのNaClを含むトリエタノールアミンバッファー, 20mM pH7.4)で溶出し、最後にすべての残りのCAと(もしあるなら)他の残留物を取り除くために1000mM NaClを含む同じバッファーで溶出した。
【0052】
サンプルは5kDa膜(Vivascience, UK)で高圧限外濾過により20mlまで濃縮された。これらのサンプルは4℃での繰り返しの限外濾過によりバッファーを脱イオン水に交換した。サンプルはGPと(アルシアンブルーで染色した)native-PAGEにより平均分子量と他のパラメーターを分析した。上の手順を用いて生成されたCAの狭分画は過ヨウ素酸ナトリウムで酸化され、ポリマーへの全体的な変化のためにGPCとnative PAGEによって分析された。
【0053】
参考例2:CAの活性化
新たに調製された0.02Mメタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO4;CAより6倍モル過剰)溶液を20℃でCAと混合し反応混合物は(図3の最初の段階で示されているように)暗所で15分間磁気攪拌した。酸化されたCAは70%(最終濃度)のエタノールを用い、20分間3000gで混合物を遠心分離することによって沈降させた。上清は取り除き、ペレットは最小量の脱イオン水に溶解した。CAは再度70%エタノールを用いて沈殿させ、次いで12,000gで遠心分離した。ペレットは最小量の水に溶かし、凍結乾燥して次の使用まで-20℃で保存した。
【0054】
参考例3:CAと誘導体の酸化状態の測定
CAの酸化度の定量的推定は2,4ジニトロフェニルヒドラジン(2,4-DNPH)を用いて行われ、それはカルボニル化合物と相互作用してわずかに溶解性の2,4ジニトロフェニルヒドラゾンを生じる。酸化されていないもの(CA)と酸化されたCA(CAO)(各々5mg)は2,4-DNPH試薬(1.0ml)に加えられ、溶液は振盪後に結晶の沈澱が観察されるまで37℃に放置した[Shriner et. al., 1980]。CA酸化の(定量的な)程度はアルカリ溶液中でのフェリシアン化物イオンのフェロシアン化第二鉄(ペルシアブルー)への還元に基づいた方法[Park and Johnson, 1949]で測定され、それは次いで630nmで測定された。この実施例では、グルコースがスタンダードとして使用された。
【0055】
参考例4a:アミノコロミン酸(CA-NH2)の調製
参考例2で調製された10-100 mg/mlのCAOは300倍モル過剰のNH4Clを含む脱イオン水2mlに50mlチューブ中で溶解された後に、NaCNBH4(1N NaOH(aq)中に5Mストックを含む)が最終濃度5mg/mlで加えられた(図4、最初の段階)。混合物は5日間室温でインキュベートした。コントロール反応はCAOの代わりにCAで行った。生成物のコロミン酸アミン誘導体は氷冷したエタノール5mlの添加により沈澱させた。沈澱物はベンチトップ型の遠心分離機で4000rpm、30分間、室温での遠心分離により回収した。ペレットは確保し、脱イオン水2ml中に再懸濁し、10mlの超遠心管で氷冷エタノール5mlを加えて再度沈澱させた。沈澱は室温で30分間30,000rpmで遠心分離することにより集められた。ペレットは再度脱イオン水2mlで懸濁し、凍結乾燥した。
【0056】
参考例4b:アミン含量の分析
TNBS(ピクリルスルホン酸,すなわち2,4,6-トリ-ニトロ-ベンゼンスルホン酸)分析は生成物に存在するアミノ基の量を測定するために使用された[Satake et. al., 1960]。
【0057】
マイクロタイタープレートのウェル中でTNBS(15mM TNBSの0.5μl)が0.1Mホウ酸バッファーpH9.5の90μlに加えられた。これにCAアミドの50mg/ml溶液10μlが加えられ、405nmの吸光度を読む前にプレートは20分間室温で放置された。グリシンはスタンダードとして0.1から1mMの濃度範囲で使用された。TNBSは第一級アミン基をトリニトロフェニル化する。アミンのTNP付加物が検出されている。
【0058】
2回の冷エタノール沈澱で精製した生成物のTNBS分析を使用した検査は90%近い変換を示した。
【0059】
実施例1:CA-NHSの調製
上の参考例4aで合成されたCA-NH2(35kDa)(15-20mg)は0.15MのPBS(350μL, pH7.2)に溶解され、PBS(150μL,pH7.2)中のBS3が50か75モル当量加えられる。混合物は5秒間ボルテックスされた後に、20℃で30分間反応される。これは一般的にはホモ二官能性の架橋剤で図4の二番目の段階で示されており、より詳細にはBS3について図7で示されている。CA-NHS生成物は溶離液としてPBS(pH7.2)を使用してPD-10カラムによって精製し、直ぐにタンパク質とペプチドのNH2基への位置特異的複合体化のために使用した。PD10分画からのCA濃度の測定はレゾルシノール分析を使用したシアル酸含有量を分析することによってなされた。CAポリマーでのNHS含有量は260nmでCAとNHSの反応液を分析することによりUV分光器によって、並びに254nmで可視化させる薄層クロマトグラフィーによって測定された。
【0060】
上の実施例1で合成されたCA-NH2(35kDa)(15-20mg)はDMSO(300-285μL)が加えられた最小量の水(50-65μL)か熱(100-125℃)を使って>95%DMSO(350μL)に溶解した。DMSO(150L)中のDSG 75モル当量がCA-NH2溶液に加えられ、5秒間ボルテックスした後に20℃で30分間反応させた(図8)。CA-NHS生成物はジオキサン沈澱(x2)または溶離液としてPBS(pH7.2)を使用したPD-10カラムによって精製し、直ぐにタンパク質とペプチドのNH2基と位置特異的複合体化のために使用された。上記のようにPD-10分画からのCA濃度の測定がレゾルシノール分析を使用して行われた。CAポリマー上のNHS含有量はUV分光器(260nm)と薄層クロマトグラフィー(254nm)によって測定された。
【0061】
実施例2:CA-NHS-タンパク質結合物の調製(BS3とDSGを使用)
重炭酸ナトリウム(pH7.4)中のGHは過剰なBS3を用いた参考例4bからのCA-NHS(35kDa)に共有結合した。その反応は20℃で30分間モル比が25:1か50:1のCA-NHS:GHを使用して0.15M PBS(pH7.2; 1.5ml)中で行われた。ポリシアリル化GHはSDS-PAGEによって特性を示され、その複合体収量はFPLCサイズ排除クロマトグラフィーにより測定された。コントロールはCA-NHSの非存在下でBS3を使用してネイティブのタンパク質を結合手順に供することを含んでいた。CA-NH2はまたネイティブのGHの非存在下でBS3を使用して複合体化手順に供された。
【0062】
重炭酸ナトリウム(pH7.4)中のGHはCA-NHS(35kDa)に共有結合しており、それは過剰なDSGを使用して実施例4bで述べられているように調製された。反応は0.15M PBS (pH7.2; 1.5ml)中でモル比が50:10のCA-NHS:GHを使用して20℃で30分間行われた。ポリシアリル化GHはSDS-PAGEによって特性を示され、複合体収量はHPLCサイズ排除クロマトグラフィーにより測定された。コントロールはCA-NHSの非存在下でDSGを使用してネイティブのタンパク質を複合体化手順に供することを含んでいた。
【0063】
CA-GH複合体は重炭酸アンモニウムバッファー(0.2M; pH7)に溶解され、UV index (Agilent,10/50system,UK) による検出でのsuperose 6 columnでクロマトグラフィーされた。サンプル(1mg/ml)は175μlを0.45μmナイロン膜で濾過して注入し、移動相として重炭酸アンモニウムバッファーを用いて0.25cm/minでランした(図9)。
【0064】
SDS-PAGE(MiniGel, Vertical Gel Unit, model VGT 1, power supply model Consort E132; VWR, UK)はポリシアリル化されたGHの分子サイズの変化を検出するために使用された。反応混合物とプロセスコントロール(非酸化CA)から0分(コントロール)と30分のサンプルであるGHとその(CA-NHSの)複合体 のSDS-PAGEが4-20%ポリアクリルアミドゲルを使用して行われた。サンプルは分子量マーカーの広い範囲に対して較正された(図10と11)。
【0065】
結果
CAとその誘導体(22.7kDa)は異なる%集団と46kDaまでの分子量平均を有する1.1未満の多分散度の様々な狭いスピーシーズに首尾よく分別された。テーブル2は22.7kDaの物質を分離した結果を示す。
【0066】
【表1】

【0067】
この方法は各々のスケールでほとんど一致した分別プロフィールを有するマトリックスを1mlから900mlまで拡大できる(すべての結果は示していない)。
[より大きなポリマーの分別(CA,39kDa, pd 1.4)は90kDaまでのスピーシーズを生じた。この方法はポリマーの大きなバッチでさえ分別のために首尾よく使用できる。イオン交換分画は狭く分散されることを結果が示す。これはGPCデータに一致する。]
すべての狭分画は20mMの過ヨウ素酸塩で首尾よく酸化され、生産過程の異なる段階から取られてGPCとnative PAGEにより分析されたサンプルは分子量と多分散度に変化がないことを示した。
【0068】
CAの酸化状態の定量的測定はスタンダードとしてグルコースを用いたアルカリ溶液中でのフェロシアニド(プルシアンブルー)へのフェリシアン化物イオンの還元によって行われた[Park and Johnson, 1949]。酸化されたCAはネイティブのポリマーと比べて100mol%近い見かけのアルデヒド含有量を有することが分かった。フェリシアニドを用いた酸化過程でのCA中間体の定量分析の結果は、ネイティブのCAではかすかな黄色の沈澱を与え、アルデヒドを含むポリマーの形態では強いオレンジ色となり、室温での10分間の反応後に強いオレンジ色の沈澱という結果になる2,4ジニトロフェニルヒドラジンの定性検査と結果と一致する。
【0069】
ポリマーのアミノ化は85%であることがわかっており、CA-NHSはNHSに対してポジティブであった。さらに、ポリマーのチオール含有量は60%であることが分かった。
【0070】
過ヨウ素酸塩と水素化ホウ素での処理後に内部のα-2,8結合Neu5Ac残基の完全性はGPCよって分析され、酸化されたもの(CAO)、アミノCA(CA-NH2)、CA-NHS物質で得られるクロマトグラフがネイティブのCAのものと比較された。様々な段階がポリマー鎖の有意なフラグメント化や(CA-NHSの場合に)架橋を生じさせるという証拠はないが、すべてのCAはほとんど一致した溶出プロフィールを提示したことが分かった(図9)。小さなピークはバッファー塩を示す。
【0071】
CA-GH複合体の形成はSEC-HPLCとSDS-PAGEによって分析された。DSGとの複合体化反応でSDS-PAGEはフリーのGHが残っておらず、複合体化反応は完全に行われたことを示していた。これはSEC-HPLCによって確認され、それによりCA-GH複合体がフリーのGHの期待される溶出時間より前に溶出した(フリーのGHのピークは観察されなかった)。一方、BS3を使用したGHへのCA-NH2の複合体化反応でのSDS-PAGEの分析はフリーのGHの存在を示し、それはフリーのタンパク質が約70分の溶出ピークをもつSEC-HPLCによって確認された。加えて、SEC-HPLCにより複合化度が53%であることを測定することが可能になった。
【0072】
結果(図10)は複合体レーンでGHと比較してポリシアリル化GHの典型的な質量の増加を示すバンドのシフトがあることを示す。さらに、GH複合体はSEC-HPLCによって異なったスピーシーズに分離された。
【0073】
実施例3:CAのヨード酢酸誘導体(CAI)の調製
【0074】
【化11】

【0075】
3.1合成
(参考例2で述べた)ように1mlのPBS pH7.4に溶解した40mgのコロミン酸アミン(85mol%アミン)に5mgのN-スクシンイミジルヨードアセタート(SIA)を加えた。混合物は暗所で25℃1時間反応させた後、過剰なSIAはPBSで溶出する5mlのHightrapTM Desalting column(AP Bioscience)のゲル濾過によって取り除いた。0.5mlの分画がカラムから集められ、各々の分画からのサンプルはコロミン酸含有量(レゾルシノール分析)とヨウ化物を示すシステインとの反応性(Ellman’s Assay)について試験された。ヨウ化物とCAの両方で陽性だった分画は集められた。
【0076】
3.2 CAIのβ-ガラクトシダーゼへの複合体化
1mlのPBS中の大腸菌β-ガラクトシダーゼ(5.0mg, 4.3x10-8 mol)に15mgのCAIを加えた(6.59x10-7mol,15モル当量)。チューブはホイルで包んでシールし、反応は室温で1時間穏やかに撹拌しながら進行させた。結果の複合体はSDS-PAGEで分析し、フリーのCAIを除去するために認められたプロトコルに従い精製した。サンプルは上で概略を述べているようにポリマーとタンパク質の含有量を分析した。
【0077】
コントロール反応はネガティブコントロールとしてCAで実行された。すべてのサンプルは下記の3.3節で述べているようにβ-gal活性を分析した。
【0078】
3.3酵素活性分析
60μg/mlから3.75μg/mlまでの新たなβ-ガラクトシダーゼのスタンダードをPBS中で調製した。CAM-β-galのサンプルは同じバッファー中で60μg/mlに希釈した。複合体の酵素活性は次のように測定された:
マイクロタイタープレート中で、サンプルまたはスタンダードの100μlに100μlのAll-in-One β-gal substrate(Pierce)を加えた。プレートは37℃で30分間インキュベートし、405nmで吸光度を読んだ。検量線はスタンダードから作成され、サンプルの活性は検量線の線形回帰の式から計算した。
【0079】
3.4結論
分画3-6はポリマーとヨードアセタート化物の両方が陽性でありプールされた。SDS-PAGE(4-12%ビス/トリスゲル;図12)はヨードアセトアミド誘導体と共にインキュベートされたサンプルの見かけの分子量の増加を示したが、コントロールのポリマーでは示さなかった。タンパク質とポリマー分析から結合比は1.63CAI:1β-galであることが測定された。β-gal活性はフリーの酵素と比較して複合体化サンプルでは100.9%であることが計算された。
【0080】
実施例4:コロミン酸ヒドラジド(CAH)の調製
4.1合成
50mgの酸化コロミン酸(19kDa)を20mM酢酸ナトリウムバッファー,pH5.5の400μl中でヒドラジン(液体)の2.6mgと25℃で2時間反応させた。コロミン酸は70%エタノールで沈澱させた。沈殿物は350μlリン酸緩衝食塩水,pH7.4中で再溶解し、NaCNBH3が5mg/mlまで加えられた。混合物は25℃で4時間反応させて、一晩凍結させた。NaCNBH3と反応副生成物は、移動相として0.15M NH4HCO3を使用したSephadex G25を詰めたPD10カラムのゲル浸透クロマトグラフィーによって除去された。分画(各々0.5ml)はTNBS分析(アミノ基特異的:上に記載)により分析された。分画6,7,8,9(空隙容量分画)はバックグラウンド以上の強いシグナルを有していた。バックグラウンドはNH4+イオンの存在のために高かった。分画6,7,8,9はまたコロミン酸を含んでいた。これらの4個の分画はCA-ヒドラジド(CAH)を回収するために凍結乾燥した。
【0081】
4.2コロミン酸NHS(CA-NHS)とコロミン酸-タンパク質複合体の調製
19kDa CAヒドラジド10mgは室温で30分間PBS(pH7.4)400μl中のBS3 9mgと反応させた。反応混合物は0.5ml分画を集めるSephadex G25を詰めたPD-10カラムに適用した。BSA 0.1mgは5から9の間の各々の分画に加えられた。分画は2時間室温でBSAと反応させた。これらのサンプルはSDS-PAGEとSEC HPLCによって分析した。
【0082】
これらの分画はほとんどコロミン酸を有していなかった。コロミン酸が豊富であった分画(6と7)は他のサンプルにも存在するバンドとBSAに加えてタンパク質の性質を有しており、それは複合体化のはっきりした証拠である(図13)。
【0083】
分画6のHPLCクロマトグラムは複合体化の確認のためのフリーのタンパク質と比べて複合体のための保持時間に大きな変化があることを示す(図14aとb)。
【0084】
使用したBSAは不純物を含んでいる。BSAのピークは56分である(図14a)。
【0085】
56分のピークに加えて、複合体のより大きなスピーシーズがある。80分に大きなピークがあり、それはタンパク質と反応することでCA-NHSから放出されたNHSである。CAHはゲル浸透クロマトグラフィーカラムを通過するのでこれがフリーのBS3であるはずはなく、それは除去されている。これはNHSエステル基がCA分子で作られたことを強く示す(図14b)。
【0086】
参考文献
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【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1−a】図1aは非還元シアル酸末端ユニットの先行技術の活性化を示す反応スキームである。
【図1−b】図1bはタンパク質のアミン部分を使用して反応スキーム1−aのアルデヒド部分の先行技術の還元的アミノ化を示す反応スキームである。
【図2】図2は(非還元末端がビシナルジオールを有さないとき)還元末端(reducing and)で誘導体化されたNHSコロミン酸の調製を示す。
【図3】図3は(非還元末端のビシナルジオールが取り除かれている)還元末端で誘導体化されたNH2-CAコロミン酸の調製を示す。
【図4】図4はCA-NHS-タンパク質複合体の調製のための一般的なスキームを示す。
【図5】図5は還元末端でのNHSを介したCA-タンパク質複合体の調製を示す。
【図6】図6は非還元末端で誘導体化されたCAの調製を示す。
【図7】図7は非還元末端でのビス(スルホスクシンイミジル)スベラート(BS3)を使用したCA-タンパク質複合体の調製を示す。
【図8】図8は架橋剤DSGを用いたCA-タンパク質複合体の概略図である。
【図9】図9はCA-GH複合体化反応のHPLCを示す。
【図10】図10はCA-NHS-GH複合体(CA35kDa)のドデシル硫酸ナトリウム(SDS)-ポリアクリアミドゲル電気泳動(PAGE)を示す。
【図11】図11は未反応CAのnative-PAGEを示す。
【図12】図12はCAM-β-galとCAI-β-gal複合体のSDS-PAGEを示す。
【図13】図13はCAH-NHS反応のSDS-PAGE分析を示す。そして、
【図14】図14はCAH-NHS反応のサイズ排除クロマトグラフィー分析を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シアル酸化合物の誘導体を形成する方法であって、末端シアル酸ユニットを含む開始化合物が予備的中間体形成段階に供され、ここで第一級アミン、第二級アミン及びヒドラジンから選択される基が末端シアル酸ユニット上に形成され、その後反応段階が続き、ここで、該中間体は式Iの二官能性試薬と反応され、
【化1】

(式中、RはHまたはスルフォニルであり、
R1はリンカー基であり、
Xは官能基である。)
それによりエステル基は開裂され、中間体のアミン又はヒドラジン基は誘導体を形成するために-CO-R1-Xによってアシル化される、方法。
【請求項2】
開始化合物がその2-炭素原子を介してもう一方の部分に結合している末端のシアル酸ユニットを有し、予備的段階はアルデヒド基を作成するためにシアル酸の6,7-ジオール基の酸化を伴い、その後、中間体を形成するためにR4がH又は低級アルキルであるH2NR4又はその酸付加塩との還元的アミノ化が行われる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
開始化合物は次の式を有し、
【化2】

(式中、R2が前記の他の部分であり、単糖、二糖、オリゴ糖または多糖基、タンパク質またはペプチド、脂質、薬物、ドラッグデリバリーシステムから選択される。)
アミド誘導体生成物は次の式を有する
【化3】

(式中、X、R1、R4が対応の開始化合物におけるものと同じ基であり、R3はR2と同じであるか酸化、還元的アミノ化、試薬Iとの反応の段階での反応生成物である。)
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
開始化合物はその8-炭素原子を介してもう一方の部分に結合した還元末端にシアル酸を有し、予備的段階はビシナルジオールを有する基がそれにより形成されるケタール環の開環還元段階と、その後、ビシナルジオール基がアルデヒド基に酸化される選択的酸化段階を含み、次いで中間体を形成するためのR4がH又は低分子アルキルであるH2NR4またはその酸付加塩での還元的アミノ化が行われる請求項1に記載の方法。
【請求項5】
開始化合物は次の式を有し、
【化4】

(式中、R5が前記の他の部分であり、オリゴ糖または多糖基、アルキル基、アシル基、脂質、ドラッグデリバリーシステムから選択される。)
アミド生成物は次の式を有する
【化5】

(式中、R1、X及びR4が各々の開始化合物と同じ基であり、R6はR5と同じか還元、酸化、アミノ化、試薬Iとの反応段階での反応生成物である)
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
開始化合物はその2-炭素原子を介してもう一方の部分に結合される末端シアル酸ユニットを有し、予備的段階はアルデヒド基を形成するためのシアル酸の6,7-ジオール基の酸化を伴い、その後、中間体を形成するためのヒドラジンとの反応と還元がなされる請求項1に記載の方法。
【請求項7】
開始化合物は次の式を有し、
【化6】

(式中、R2が前記の他の部分であり単糖、二糖、オリゴ糖、多糖基、タンパク質またはペプチド、脂質、薬剤またはドラッグデリバリーシステムから選択される。)
生成物誘導体は次の式を有する
【化7】

(式中、XとR1が各々の開始物質におけるものと同じであり、R3はR2と同じか酸化、ヒドラジンとの反応、還元、試薬Iとの反応の段階での反応生成物である。)
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
開始化合物はその8-炭素原子を介してもう一方の部分に結合している還元末端シアル酸を有し、予備的段階はケタール環の開環還元段階を伴い、それによりビシナルジオールを有する基が形成され、その後、ビシナルジオール基がアルデヒド基に酸化される選択的酸化段階が行われ、その後中間体を形成するためのヒドラジンとの反応と還元がなされる請求項1に記載の方法。
【請求項9】
開始化合物は次の式を有し、
【化8】

(式中、R5が前記の他の部分であり単糖、二糖、オリゴ糖、多糖基、アルキル基、アシル基、脂質及びドラッグデリバリーシステムから選択される。)
生成物誘導体は次の式を有する
【化9】

(式中、X、R1は各々の開始化合物と同じ基でありR6はR5と同じかまたは還元、酸化、ヒドラジンとの反応、還元、試薬Iとの反応の段階での反応生成物である。)
請求項8に記載の方法
【請求項10】
式Iの試薬と接触する前に中間体が予備的段階の生成物の混合物から実質的に分離されている請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
中間体と一般式Iの試薬との反応は、好ましくは少量のプロトン性溶媒を含む、非プロトン性溶媒中で行われる請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
非プロトン性溶媒がジメチルスルホキシドでありプロトン性溶媒が水である請求項11記載の方法。
【請求項13】
式Iの試薬は中間体との反応で化学量論的に過剰量が存在し、好ましくは少なくとも2倍量存在し、さらに好ましくは中間体との化学量論反応の少なくとも5倍量が存在する請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
Xが基
【化10】

(式中、Rは請求項1に定義される通りである。)
である請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
式Iの試薬が
ビス[2-スクシンイミジルオキシカルボニル-オキシ)エチル]スルホン(BSOCOES)とそのスルホアナログ,
ビス(スルホスクシンイミジル)スベラート)(BS3),
ジスクシンイミジルグルタラート(DSG),
ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(DSP),
ジスクシンイミジルスベラート(DSS),
ジスクシンイミジルタートラート(DST)またはそのスルホアナログ、
3,3′-ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP),および
エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシナート)(EGS)とそのスルホアナログ
からなる群から選択される請求項14に記載の方法。
【請求項16】
Xがビニルスルホン、N-マレイミド、N-ヨードアセトアミド、オルトピリジルジスルフィド、保護ヒドロキシル、保護アミノ、アダジド(adazido)から選択される官能基である請求項12又は13に記載の方法。
【請求項17】
試薬が
N-(α-マレイミドアセトキシ)スクシンイミドエステル,(AMAS),
N-(β-マレイミドプロピルオキシ)スクシンイミドエステル,(BMPS),
N-(ε-マレイミドカプリルオキシ)スクシンイミドエステル,(EMCS),またはそのスルホアナログ,
N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル,(GMAS),またはそのスルホアナログ,
スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシ-(6-アミドカプロアート),(LC-SMCC),
m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS),またはそのスルホアナログ,
スクシンイミジル-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボキシレート(carboxyate))(SMCC)またはそのスルホアナログ,
スクシンイミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(SMPB)またはそのスルホアナログ,
スクシンイミジル-6-(β-マレイミド-プロピオンアミド)ヘキサノエート(SMPH),
N-(k-マレイミドウンデカノイルオキシ)スルホスクシンイミド-エステル(sulfo-KMUS),
スクシンイミジル6-[3-2(2-ピリジルジチオ)-プロピオンアミド]ヘキサノエート(LC-SPDP)またはそのスルホアナログ,
4-スクシンイミジルオキシカルボニル-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルエン(SMPT)またはそのスルホ-LCアナログ,
N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP),
N-スクシンイミジル[4-ビニルスルホニル]ベンゾアート(SVSB),
スクシンイミジル3-(ブロモアセトアミド)プロピオネート(SBAP),および
N-スクシンイミジルヨードアセタート(SIA),および
N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾアート(SIAB)またはそのスルホアナログ
からなる群から選択される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
R1がアルカンジイル、アリーレン、アルカリーレン、ヘテロアリーレン、アルカリヘテロアリーレンからなる群から選択され、そのうちのいずれかがカルボニル、エステル、スルフィド、エーテル、アミド及び/又はアミン結合によって置換及び/又は割り込まれていてもよい先の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
R1がC3-C6アルカンジイルである請求項18に記載の方法。
【請求項20】
生成物誘導体は過剰な試薬から実質的に完全に分離されている先の請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
生成物アミド又はヒドラジド誘導体が生成物混合物から実質的に完全に分離されている請求項20に記載の方法。
【請求項22】
溶媒を取り除くために減圧下での乾燥の、好ましくは凍結乾燥の段階で生成物の回収が完了する請求項21に記載の方法。
【請求項23】
式III又は式VIIIの化合物。
【化11】

【化12】

(式中、XはNHS-エステル,ビニルスルホン,N-マレイミド,N-ヨードアセトアミド,オルトピリジルジスルフィド,ヒドロキシル,保護ヒドロキシル,アミノ,保護アミノ,カルボキシル,保護カルボキシルまたはアジドからなる群から選択される官能基であり、
R1はリンカーであり、
R4は水素またはC1-4アルキル(akyl)であり、及び
R3は単糖、二糖、オリゴ糖、多糖、タンパク質、ペプチド、脂質、薬剤、ドラッグデリバリーシステムである。)
【請求項24】
式V又は式IXの化合物。
【化13】

【化14】

(式中、XはNHS-エステル,ビニルスルホン,N-マレイミド,N-ヨードアセトアミド,オルトピリジルジスルフィド,ヒドロキシ,保護ヒドロキシル,アミノ,保護アミノ,カルボキシル,保護カルボキシルまたはアジドからなる群から選択される官能基であり、
R1はリンカーであり、
R4は水素またはC1-4アルキル(akyl)であり、
R6は単糖、二糖、オリゴ糖または多糖基である。)
【請求項25】
R1がアルカンジイル、アリーレン、アルカリーレン、ヘテロアリーレン及びアルキルヘテロアリーレンからなる群から選択され、そのうちのいずれかがカルボニル、エステル、スルフィド、エーテル、アミド及び/またはアミン結合によって割り込まれていてもよい請求項23又は24に記載の化合物。
【請求項26】
R1がC3-C6アルカンジイルである請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
場合によりR3またはR6がオリゴ糖または多糖であり、好ましくはオリゴシアル酸またはポリシアル酸である請求項23から26のいずれかに記載の化合物。

【図1−a】
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【図1−b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2008−510025(P2008−510025A)
【公表日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525356(P2007−525356)
【出願日】平成17年8月12日(2005.8.12)
【国際出願番号】PCT/GB2005/003160
【国際公開番号】WO2006/016168
【国際公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(507042545)リポクセン テクノロジーズ リミテッド (15)
【Fターム(参考)】