説明

シェービングのためのポリエチレングリコール含有組成物

本発明は、1以上の低分子量ポリアルキレングリコール(LMW−PEG)と1以上の高分子量ポリアルキレングリコール(HMW−PEG)を含む組成物であり、前記1以上のLMW−PEGが分子量範囲200から500ドルトン、及び前記1以上のHMW−PEGが分子量範囲8000から45000ドルトンである。かかる組成物は(摩擦低威厳)シェービングローション又はコンドーム潤滑剤として使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエチレングリコール組成物、かかるポリエチレングリコール組成物を含む容器、かかる容器を含む人毛シェービング装置、さらに前記ポリエチレングリコール組成物の前記使用に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナルケアのための潤滑剤は当該技術分野で知られている。例えば、米国特許出願公開2008/210580号明細書には、ウオーミング潤滑組成物及びかかる組成物を含むコンドーム製品が開示されている。
【0003】
さらに米国特許出願公開2008/210580号明細書にはかかるコンドーム製品の製造方法が開示されている。米国特許出願公開2008/210580号明細書によると、前記ウオーミング潤滑組成物には少なくとも約50重量%のポリアルキレングリコール成分を含み、好ましくは少なくとも2つの異なる分子量部分を含み、かつ有効量の粘性誘導成分を含む。
【0004】
国際公開第2009/051486号には、損傷皮膚の回復のため及び肌の潤いを改善するための成分及び方法が開示されている。シェービング組成物、特にエマルジョンであって、揮発性炭化水素噴射剤を含む組成物が開示されている。揮発性の窒素塩基が、前記皮膚修復特性を高めるために適用した後シェーブされる皮膚のpHを4から5の望ましい値にするために前記シェービング組成物に導入されている。好ましくは前記シェービング組成物はソープフリーであるが、アルカリ性pHの範囲であって、ソープのシェービングの効果及びpH制御システムのスキンケアの効果を持つものである。国際公開第2009/051486号によるシェービング組成物は、シェーブ&アフターシェーブ、デオドラント&シェーブ及びシャワー&シェーブなどのツーインワン製品として使用され得る。
【0005】
さらに国際公開第2008/150155号には、例えばシェービングの際にシェービングフォーム又はシェービングジェルに代わる、シェービングのための組成物が開示される。これについて国際公開第2008/150155号は、(a)5〜20%(w/w(重量/重量))の1以上のベジタブルオイル;(b)20〜50%(w/w)の1以上の炭素数1〜4を持つ分岐又は分岐なし低級アルキル;(c)1〜10%の1以上の構造提供化合物;及び(d)40〜65%(w/w)の水を含む、組成物を提供する。さらに国際公開第2008/150155号は、シェービングの際に使用するためのかかる組成物を調製するための方法が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開2008/210580号
【特許文献2】国際公開第2009/051486号
【特許文献3】国際公開第2008/150155号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ポリエチレングリコール組成物、かかるポリエチレングリコール組成物を含む容器、かかる容器を含む人毛シェービング装置、さらに前記ポリエチレングリコール組成物の前記使用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
シェービングの際の摩擦は刺激があり望ましくない。従って本発明の第1の側面はシェービングの際に摩擦を低減することである。シェービングの際に摩擦を低減することは、シェービング性能を改善するものであり、消費者に望まれる。通常のブレードシェーバーは、付加的に滑り特性を与えるためにルブラストリップ(lubra strips)を適用することができる。前記カートリッジ及び皮膚の間の摩擦はさらに、液体添加物を用いることで低減され得る。しかし、残念なことに気づく程度の摩擦低減を達成するために必要な容量は非常に多い。
【0009】
本発明のさらなる側面は、この摩擦を低減することができるその他の組成物を提供する。摩擦低減が強化されていることから、皮膚とシェーバーの間のあるレベルの摩擦を達成するために必要な添加剤の量を低減することができる。このことは、ユーザーが、自分のシェーバーに含まれる同じ量でより多い回数シェーブすることができ、かつ摩擦を感じないことを意味する。従って、本発明のさらなる側面は、前記(シェービング)組成物を含ませるために必要となる容量を低減させることである。なを、本発明のさらなる側面は、例えばチューブ内での詰まりを低減することである。
【0010】
次に、本発明はまた、人毛シェービング装置(特にブレードシェービング装置)などのために前記組成物を適用することに関する。従って本発明のさらなる側面は、従来の人毛シェービング装置の1以上の欠点を緩和することのできる人毛シェービング装置を提供する。
【0011】
本発明は、前記問題を新規組成物(「添加剤」)により解決するものであり、前記新規組成物は、気づく程度の摩擦低減を達成するために必要な添加剤の量を低減することができ、しかし同時にまたシェービング又はその他の動作の際にも摩擦を低減することができる。従って本発明は、1つの側面においてシェービングの際に使用され得る組成物を提供する。
【0012】
本発明の具体的実施態様では、固体ポリアルキレングリコール(PEG)粒子が液体PEG溶液中に導入され、一方前記混合物はポンプ送り可能(例えばディスペンサーを介して)である。前記固体がユーザーの顔の水分と接触すると溶解され、摩擦が低減され得る。(異なる)PEG鎖をPEGの溶液中に混合することは摩擦低減を与え;さらに前記添加剤の凝集が制限される。従って前記組成物(本発明によるPEG組み合わせ、以下参照)は例えばチューブ等に適用される。
【0013】
具体的実施態様では、本発明は、1以上の低分子量ポリエチレングリコール(LMW−PEG)及び1以上の高分子量ポリエチレングリコール(HMW−PEG)を含み、前記1以上のLMW−PEGが分子量範囲200から500ドルトンであり、前記1以上のHMW−PEGが分子量範囲8000から45000ドルトンである。かかるPEGはまたそれぞれ、PEG200、PEG500、PEG8000及びPEG45000として示され得る。これらの数字、200、500、8000及び45000などは、ポリエチレングリコールの分子量(ドルトン)を意味する。
【0014】
かかる組成物はポンプ可能である。かかる組成物はまた、チューブに適用され得る。さらにかかる組成物は、(例えば)シェービングの際に摩擦を低減させ、当該技術で知られている例えばHS800シェービングコンディショナーなどの知られた組成物と比べて非常に少ない容量を有するものである。
【0015】
さらなる側面で、本発明は、前記定められる組成物を含む容器容量を含む容器及び場合により前記容器容量から前記組成物を分注するように構成されるディスペンサーを提供する。かかる容器は、例えば貯蔵容器として前記組成物を収容するために使用される。しかしかかる容器はまた、シェービング装置に付け得る容器(vessel)として使用され得る。前記ディスペンサーは、前記組成物を、ユーザーに又はブレードなどの皮膚に接触するように構成される接触部に分注することができる。一般に、前記ディスペンサーは、シェービングの際にブレード(又は、皮膚に接触するように構成される他の接触部分)に前記組成物を与えるように構成され得る。かかる容器は、人毛シェービング装置に脱着可能に配置され得る。
【0016】
従って、さらなる側面において、本発明は人毛シェービング装置特にかかる容器を含むブレードシェービング装置を提供するものであり、前記装置及び前記容器のディスペンサーが、人毛シェービング装置を使用する際にユーザーの皮膚に前記組成物を与えるように構成される。特に人毛シェービング装置は、電気ブレードシェービング装置などの電気人シェービング装置であり得る。用語「人毛シェービング装置」とは、人の毛を人からシェーブするように構成される装置を意味する。用語「ユーザーの皮膚に前記組成物を与える」とは、前記組成物が皮膚に直接(シェービング装置を使用する際)及び/又は間接的に与えられことを意味する。前記組成物を皮膚に間接的に適用することは、例えば前記組成物がシェービング装置のブレードに与えられ、かつ前記ブレードが前記組成物を皮膚に与える場合に生じ得る。
【0017】
本発明の人毛シェービング装置は、前記容器容量が前記組成物を含む、これらの実施態様には限定されない。従ってさらなる実施態様では、本発明はまた、人毛シェービング装置、特にブレードシェービング装置を提供するものであり、容器容量を含む容器を含み、前記容器容量が本発明による組成物を含むように構成され、かつ前記装置及び前記容器のディスペンサーは、人毛シェービング装置でシェービングする際にユーザーの皮膚に前記組成物を与えるように構成される。
【0018】
ここで定められる組成物は、(ブレード)シェービングローションとして、特に摩擦低減(ブレード)シェービングローションとして使用され得るものであるが、しかしまたコンドーム潤滑剤としても使用され得る。
【0019】
前記組成物はまた、皮膚に適用されるローションとしてスキンケア装置で使用され得るものであり、マッサージ装置では前記ローションは皮膚と前記マッサージ装置の間に適用され、また皮膚角質除去装置で使用され得るものであり、前記ローションは皮膚に適用され、また皮膚加温装置で使用されるものであり、前記ローションは皮膚と前記皮膚加温装置の間に適用される。
【0020】
具体的な実施態様では、前記ローションはまた、(ウオーム)インチメイトマッサージ装置(intimate massager)で使用されルものであり、前記ローションは前記インチメイトマッサージ装置と皮膚の間に適用され、又は前記マッサージ装置と肛門や膣などの(人の)身体の穴の組織の間に適用される。
【0021】
さらに具体的な実施態様が以下記載される。
【発明を実施するための形態】
【0022】
前記のように好ましい実施態様では、本発明は、1以上の低分子量ポリアルキレングリコール(LMW−PEG)及び1以上の高分子量ポリアルキレングリコール(HMW−PEG)を含み、前記1以上のLMW−PEGが好ましくは分子量範囲200から500ドルトン(特にPEG200からPEG400)を持ち、かつ1以上のHMW−PEGが、PEG8000より大きい群から選択される1以上のPEG、特に1以上のHMW−PEGが好ましくは分子量範囲8000から45000ドルトンを持つ。
【0023】
ポリアルキレングリコール(PEG)はまた、ポリエチレンオキシド(PEO)又はポリオキシエチレン(POE)として知られている。PEG、PEO又はPOEは、エチレンオキシドのオリゴマー又はポリマーを意味する。ここで、略語PEGが用いられ、先行詞「LMW」及び「HMW」はここでは、前記分子量(MW)の範囲を意味する。「PEG」の後の数字は、ドルトン(当技術分野で知られる)での分子量を示す。PEGはその分子量に依存して液体又は低融点固体である得る。PEGはエチレンオキシドの重合により調製されることができ、また、例えば約200ドルトンから10000000ドルトンの分子量の広い範囲で市場で利用可能である。
【0024】
ここでPEGは1つの実施態様では分岐されていてもよい。
【0025】
1つの実施態様では、HMW−PEGは、場合により異なる分子量の組成物を含み、液体PEG(低分子量)溶液内に導入され得る。後者はここではまた、LMW−PEGとして示される。HMW−PEGは、(微細)粉末として適用され、LMW−PEGと混合される。この方法で、分散物又はゲルが提供される。かかる組成物は、ディスペンサーを介してシェーバーのブレード(又は他の接触部分)に与えられるか、又は他の応用で使用され得る。
【0026】
前記組成物は場合によりさらに、1以上の水;1以上のビタミン;1以上の芳香剤;1以上の着香剤;及び1以上の噴射剤を含み得る。
【0027】
前記組成物は(また)場合によりさらに1以上の:増粘剤;金属封鎖剤;ビタミン(例えばレチノール);ビタミン誘導体(例えばトコフェニールアセテート、ナイアシンアミド、パンテノール);日焼け防止剤;にきび防止剤/萎縮防止剤(例えばN−アセチル誘導体、チオール、ヒドロキシル酸、フェノール);酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸誘導体、トコフェロール);スキンスムージング剤/スキンヒーリング剤(例えばパンテノン酸誘導体、アロエベラ、アラントイン);皮膚美白剤(例えばコジン酸、アルブチン、アスコルビン酸誘導体);日焼け剤(例えば、ジヒドロキシアセトン);ポリマー相構造化剤(例えば天然由来ポリマー、合成ポリマー、架橋ポリマー、ブロックコポリマー、コポリマー、親水性ポリマー、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、疎水性ポリマー、疎水性変成ポリマー、関連ポリマー及びオリゴマー);にきび防止医薬;エッセンシャルオイル;センセート;顔料;色素;真珠光沢剤;及び粒子(例えば、タルク、かおりん、マイカ、スメクタイトクレー、セルロース粉末、ポリシロキサン、シリカ、カーボナート、チタン酸化物、ポリエチレンビーズ)、が含まれ得る。場合により含まれる他の成分は、化粧用品での使用として承認された最も通常の成分であり、「CTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,The Cosmetic,Toiletries,and Fragrance Association,Inc.1988,1992」に記載されている。前記組成物は特に皮膚寛容性である。
【0028】
特に好ましい結果が、前記1以上のLMW−PEGと前記1以上のHMW−PEGとの重量比が、2:1から8:1、特に3:1から5:1の範囲の場合に得られた。さらに、前記1以上のLMW−PEGが分子量の範囲が200から400ドルトン、特にPEG200からPEG350、PEG250からPEG300などであり、及び/又は前記1以上にHMW−PEGが分子量の範囲が30000以上の範囲であり、特に分子量の範囲が30000から40000ドルトンである場合に、良好な結果が得られ得る。さらに、前記1以上のLMW−PEGと前記1以上のHMW−PEGとの重量比が、3:1から5:1の場合であり、前記1以上のLMW−PEGが分子量の範囲が200から400ドルトン、及び前記1以上にHMW−PEGが分子量の範囲が30000以上の範囲であり、特に分子量の範囲が30000から40000ドルトンである組成物の場合にさらに良好な結果が得られ得る。
【0029】
さらなる側面では、本発明は容器を提供し、前記容器は(1)本発明による組成物を含む容器容量と、(2)前記容器容量から前記組成物を分注するように構成されるディスペンサーを含む。前記ディスペンサーは、例えば前記組成物をユーザーの皮膚上に、コンドーム内又は上に、例えばその製造の際に、及び(ブレードシェービング装置のブレードなどの)シェービング装置のブレード(又は他の接触部分)に分注するために使用され得る。
【0030】
前記シェービング装置は、電気シェービング装置又は非電気シェービング装置であり得る。さらに、前記シェービング装置は男性のために設計されたシェービング装置、又は女性のためのシェービング装置(レディーシェーバー)であり得る。これは、顎髭及び/又は髭を剃るため、又は腕、脚又はビキニラインを剃るために使用するように設計された装置であり得る。前記シェービング装置はシャワーを使用している際に使用されるように設計され得る。前記シェービング装置は、人の皮膚の毛をカット及び/又は除去するように特に設計される。
【0031】
好ましい実施態様(上記参照)では、前記1つのLMW−PEGと前記HMW−PEGの(組成物の)重量比(前記容器内、又はより正確には前記容器容量内の)が、2:1から8:1、特に3:1から5:1の範囲である。特に少なくとも1つのLMW−PEGは、200から400ドルトンの範囲、例えばPEG200からPEG350、PEG200からPEG300などである。さらに、特に前記1以上のHMW−PEGは、分子量範囲が30000から40000ドルトンを持つ。好ましい実施態様では、前記1つのLMW−PEGと前記HMW−PEGの重量比(前記容器内、又はより正確には前記容器容量内の)が、3:1から5:1の範囲であり、少なくとも1つのLMW−PEGは、200から400ドルトンの範囲であり、特にPEG200からPEG350、PEG200からPEG300などであり、特に前記1以上のHMW−PEGは、分子量範囲が30000から40000ドルトンを持つ。
【0032】
さらなる側面では、本発明は、人毛シェービング装置を提供し、上で定めた容器を含み、前記装置及び前記容器にディスペンサーが、前記人シェービング装置を用いてシェービングする際にユーザーの皮膚へ前記組成物を与えるように構成される。具体的な実施態様では、前記人シェービング装置が電気人毛シェービング装置であり、特に電気ブレードシェービング装置である。前記ディスペンサーは手動で制御されるディスペンサーであり得るがまた、制御装置で制御されるディスペンサーであり得る。例えば、シェービングの際に、前記ディスペンサーは単位時間ごとに制御された量の組成物が与えられ得る。又は、ブレード上に前記組成物の存在を検知し、制御するセンサが適用され、前記組成物の投与量が前記ブレードのディスペンサーにより制御され、その制御において前記組成物投与が前記接触部分で制御され得る。用語「組成物の投与量が制御され得る」とは、前記ディスペンサーにより与えられる組成物の量(投与量)が制御されることを示す。組成物の量があまりに少ないことが検知される場合には、投与量が(一時的に)増量され、組成物の量があまりに多いことが検知される場合には、投与量が(一時的に)低減され得る。
【0033】
本発明の組成物は異なる応用で使用され得る。具体的実施態様で、前記組成物は、シェービングローション、特に摩擦低減シェービングローションとして使用され得る。他の実施態様では、前記組成物はコンドーム潤滑剤として使用され得る。他の実施態様では、前記組成物はまた、性的ゲルなどのその他の応用で使用され得る(上記参照)。
【0034】
実施例
いくつかのPEG添加剤の組み合わせ(「組成物」)を皮膚への摩擦特性を調べるために試験した。摩擦は、Courage and Khazaka (例えば、http://www.courage−khazaka.de/,及び特にhttp://www.courage−khazaka.de/download/pdf/studies_frictiometer.pdfの中でも「the state and function of human skin can be quantified by numerous non−invasive test methods」を参照)からの入手した回転摩擦計を用いて測定した。しかしながら、皮膚表面の触覚特性を測定し、従って一方で皮膚の状態を定量化し、他方で触覚への影響のマイナス及びプラス効果を決める、有効な方法はいまだに存在しない。測定装置(摩擦計)は、センサ、回転ユニット及びモニターを含む。皮膚表面のトルク、即ち回転摩擦が、モーター負荷を介して測定され、電圧降下として示される。Frictiometer(R)FR770(SOFW Journal April 2005の「Product of the month,Frictiometer(R)FR770」)がCK Multiprobe Adapter System MPAに組み込まれ、人の皮膚への他の非侵襲性試験方法に適用する。皮膚の滑らかさの測定には、H.Tronnier,M. Wiebusch,U.Heinrichのポスターセッション「Frictiometry on human skin」(DermaDays Universitat Witten−Herdecke, April 2005)を参照する。
【0035】
27の異なる溶液を作成した(以下参照)。サンプル番号11、12、21、20は特に良好でクリーミーであった。
【0036】
【表1】

サンプルが試験され、19までのサンプルは、実質的に固体組成物が得られほとんどポンプ可能ではなかった。これらから、PEGは、なお流動可能な組成物を与えるために好ましく組合せられることが結論され得る。好ましくは、室温での粘度は、訳2から5.10mPa.s、さらに好ましくは2から5.10mPa.sの範囲であり、例えば4から1000mPa.s、特に5から500mPa.s(シアー速度が約1から100s−1、例えば20s−1である)の範囲である。
【0037】
摩擦測定のプロトコルが以下のとおりである:測定は腕の同じ位置で行われた。約0.1mlの水が測定位置に添加され、0.1mlの添加剤をさらに加えた。その後シェービングプローブが皮膚に垂直に適用される。
【0038】
異なるタイプの添加剤(即ち組成物)がさらに試験された:
1 PEG 200 (liquid)
2 2g PEG 6,000 + 18g PEG 200
3 4g PEG 6,000 + 16g PEG 200
4 2g PEG 35,000 + 18g PEG 200
5 2g PEG 35,000 + 2g PEG 6,000 + 16g PEG 200
6 4g PEG 35,000 + 16g PEG 200
これらから次のことが分る。これらの組成物の摩擦は、市販のHS800(5%未満のPEG45M, C 13−16 イソパラフィン、ナトリウムアクリレート、C10−30アルキルアクリレート架橋ポリマー)と同程度である。さらに、PEG溶液により高分子量PEGを添加することは、摩擦プローブによる摩擦測定の値を低下させる。PEGの分子量が高いほど摩擦はより低下される。より高分子量のPEGを添加することで達成できる最大の摩擦低下は、ほとんど40%である。
【0039】
さらに、本発明のよる組成物の容量も、HS800などの市販の組成物に比較してずっと少ない量である。HS800と比較して、実質的に同じ摩擦を得るために、10から20倍少ない液体組成物容量が必要となる。従って本発明による組成物は、人毛シェービング装置の容器内で有利に使用され得る。
【0040】
かかる容器はシェービング装置に脱着可能に取り付けられ得る。このようにして、前記容器は再充填されるか、又は使用後に充填済み容器と交換され得る。
【0041】
用語「実質的」とは当業者に理解されるものである。実施態様では用語「実質的」は削除し得る。さらに場合により、「実質的」にはまた、「完全な」、「全体の」、「全ての」などの実施態様が含まれる。また場合により、「実質的」には、90%以上、例えば95%以上、特に99%以上、さらに特には99.5%以上又はそれを超える100%を含む。「含む、持つ」はまた、用語「含む」が「からなる」を意味する実施態様を含む。同様に用語「約」は場合により、10%以下または5%以下、又は1%以下、又は0.5%以下又は0.1%以下のばらつきを含み、また実施態様によっては全くばらつきを含まない。当業者には明らかなように、数値の小さいばらつきは、一般的に場合により一般的に許容され得る。従って、前記「約」についての定義での値を除いて、数値は、場合により、与えられた値から、10%以下、又は5%以下、又は1%以下又は0.5%以下、又は0.1%以下でばらつき得る。このことを強調するために、場合により「約」を数値の前に使用される。
【0042】
留意すべきことは、前記説明された実施態様は例示するものであり、なんらを限定するものではないということであり、当業者は添付の特許請求の範囲から離れることなく多くの変更実施態様を想到することができる、ということである。特許請求の範囲では、括弧内で与えられる参照符号は、特許請求の範囲を限定するように解釈されるべきではない。動詞「含む」およびその関連語は特許請求の範囲で記載されたその他の要素又はステップを除外するものではない。ある要素の前の用語「一つの」は、かかる要素が複数であることを除外するものではない。いくつかの手段が列記される装置に関する請求項において、これらの手段は、ハードウェアの1つかつ同じ物により実施され得る。特定に手段が相互に異なる従属請求項に記載されているというだけの事実は、これらの手段の組み合わせが有効に使用されない、ということを意味するものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の低分子量ポリアルキレングリコール(LMW−PEG)と1以上の高分子量ポリアルキレングリコール(HMW−PEG)を含む組成物であり、前記1以上のLMW−PEGが分子量範囲200から500ドルトン、及び前記1以上のHMW−PEGが分子量範囲8000から45000ドルトンである、組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物であり、前記1以上のLMW−PEGと前記1以上のHMW−PEGとの重量比が、2:1から8:1の範囲である、組成物。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか1項に記載の組成物であり、前記1以上のLMW−PEGが分子量範囲200から400ドルトンである、組成物。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の組成物であり、前記1以上のHMW−PEGが分子量範囲30000から40000ドルトンである、組成物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の組成物であり、前記1以上のLMW−PEGと前記1以上のHMW−PEGとの重量比が、3:1から5:1の範囲であり、前記1以上のLMW−PEGが分子量範囲200から400ドルトンであり、前記1以上のHMW−PEGが分子量範囲30000から40000ドルトンである、組成物。
【請求項6】
容器であり、前記容器が:
請求項1に記載の組成物を含む容器容量、及び前記容器容量から前記組成物を分注するように構成されるディスペンサーを含む、容器。
【請求項7】
請求項6に記載の容器であり、前記1以上のLMW−PEGと前記1以上のHMW−PEGとの重量比が、2:1から8:1の範囲である、容器。
【請求項8】
請求項6又は7のいずれか1項に記載の容器であり、前記1以上のLMW−PEGが分子量範囲200から400ドルトンである、容器。
【請求項9】
請求項6乃至8のいずれか1項に記載の容器であり、前記1以上のHMW−PEGの分子量範囲が、30000から40000ドルトンである、容器。
【請求項10】
請求項6乃至9のいずれか1項に記載の容器であり、前記1以上のLMW−PEGと前記1以上のHMW−PEGとの重量比が、3:1から5:1の範囲であり、前記1以上のLMW−PEGが分子量範囲200から400ドルトンであり、前記1以上のHMW−PEGが分子量範囲30000から40000ドルトンである、容器。
【請求項11】
人毛シェービング装置であり、前記装置は:請求項6乃至10のいずれか1項に記載の容器を含み、前記装置と前記容器の前記ディスペンサーが、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物を、前記人シェービング装置を用いてシェービングする際にユーザーの皮膚に与えるように構成される、人毛シェービング装置。
【請求項12】
人毛シェービング装置であり、前記人毛シェービング装置が電気シェービング装置である、人毛シェービング装置。
【請求項13】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物のシェービングローションとしての使用。
【請求項14】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物の摩擦低減シェービングローションとしての使用。
【請求項15】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の組成物の、コンドーム潤滑剤としての使用。

【公表番号】特表2013−514424(P2013−514424A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543971(P2012−543971)
【出願日】平成22年12月14日(2010.12.14)
【国際出願番号】PCT/IB2010/055806
【国際公開番号】WO2011/073906
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】