説明

シクロメタル化遷移金属錯体及びこれを利用した有機電界発光素子

【課題】高効率燐光を発するシクロメタル化遷移金属錯体と、これを利用した有機EL素子の提供。
【解決手段】シクロメタル化遷移金属錯体は、例えば下式により合成される、芳香族イソシアニド基を有するIr金属錯体である。


該錯体を発光層とする有機EL素子は、400〜650nmの波長領域で発光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シクロメタル化遷移金属錯体、及びこれを利用した有機電界発光(EL)素子に係り、さらに詳細には三重項MLCT(Metal−to−Ligand Charge Transfer、金属−配位子電荷移動)状態により、青色領域から赤色領域までの光の発光が可能なシクロメタル化遷移金属錯体、及びこれを有機膜形成材料として用いる有機EL素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、蛍光性または燐光性有機化合物薄膜(以下、有機膜と称す)に電流を流すと、電子及び正孔が有機膜で結合することにより光が発生する現象を利用した、自発光型表示素子である。有機EL素子は軽量、部品が単純、製作工程が簡単、及び高画質で広視野角が確保できる、といった利点を有している。また、有機EL素子は高色純度で動映像を完璧に具現でき、加えて低消費電力、低電圧駆動のような、携帯用電子機器に適した電気的特性を有している。
【0003】
一般的な有機EL素子は、基板上部にアノード、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、及びカソードが順次形成されている構造を有する。ここで、ホール輸送層、発光層及び電子輸送層は、有機化合物からなる有機膜である。前述のような構造を有する有機EL素子の駆動原理は、次の通りである。前記アノード及びカソード間に電圧を印加すると、アノードから注入されたホールは、ホール輸送層を経由して発光層に移動する。一方、電子は、カソードから電子輸送層を経由して発光層に注入され、発光層領域でキャリアが再結合して励起子を生成する。この励起子の放射減衰により、物質のバンドギャップに相当する波長の光が放出されるのである。
【0004】
前記有機EL素子の発光層の形成材料は、その発光メカニズムにより、一重項状態の励起子を利用する蛍光物質、及び三重項状態の励起子を利用する燐光物質に区分される。発光層は、蛍光物質もしくは燐光物質単独か、または蛍光物質もしくは燐光物質がドーピングされた適切なホスト物質により形成される。電子励起の結果、ホストに一重項励起子、及び三重項励起子が形成される。このとき、一重項励起子と三重項励起子との統計的な生成比率は1:3である。
【0005】
蛍光物質で形成された発光層を有する有機EL素子は、ホストで生成された三重項励起子が浪費されるという不利な点がある。一方、燐光物質で形成された発光層を有する有機EL素子は、一重項励起子及び三重項励起子の両方が利用できるため、内部量子効率が100%に達しうるという利点を有している(例えば、非特許文献1参照)。この点において、燐光物質で形成された発光層は、蛍光物質で形成された発光層に比べてはるかに高い発光効率を有しうる。
【0006】
有機分子にIr、Pt,Rh、及びPdのような重金属を導入すれば、重金属の原子効果によりスピン軌道カップリングが起こり、それにより、三重項状態及び一重項状態が混合される。それによって禁制遷移が誘発され、常温でも効果的に燐光が発せられる。
【0007】
最近、内部量子効率が100%に至る高効率の緑色、及び赤色の燐光物質が開発された。
【0008】
高効率の燐光物質として、Os、Ir、及びPtのような遷移金属を含む遷移金属化合物を基にしたさまざまな物質が報告されている。今日まで、高効率のフルカラーディスプレイまたは低消費電力の白色発光の応用を実現するために要求される特性を満足する緑色領域、及び赤色領域の燐光物質が報告されている。
【0009】
一方、青色領域の燐光物質も開発されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。さらに、分子配列を変化させることにより、HOMO−LUMO(最高被占有分子軌道−最低未占有分子軌道)差を大きくできる嵩高い官能基、または配位子場強度の大きい官能基(例えばシアノ基)を導入した有機金属錯体が開発されている(例えば、非特許文献2参照)。この他にも、一般式Ir(ppy)P(ph)Y(ただし、YはClまたはCNである)で表されるIr錯体(例えば、特許文献3参照)、並びにシクロメタル化配位子、キレートするジホスフィン、キレートする塩素、及びキレートするシアノ基を有するIr(III)錯体(例えば、特許文献4参照)が開発されている。
【特許文献1】国際公開第02/15645号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0064681号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0182441号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2002/0048689号明細書
【非特許文献1】Baldo,et al.,Nature,Vol.395,pp.151〜154,1998
【非特許文献2】Mat.Res.Soc.Symp.Proc.708,119,2002(33rd Chitose International Forum on Photonics Science and Technology,Chitose,Japan,6〜8 October,2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記の青色領域の燐光物質は効率及び信頼性が低く、高効率のフルカラーディスプレイまたは低消費電力の白色発光の応用を実現するための大きな障害となっている。
【0011】
本発明はかかる問題点を鑑みてなされたものであり、解決しようとする第一の課題は、三重項MLCT状態において、青色領域から赤色領域までの光を効率的に発光できるシクロメタル化遷移金属錯体を提供することである。
【0012】
また本発明が解決しようとする第二の課題は、青色領域から赤色領域までの光を効率的に発光できる有機EL素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記第一の課題を解決するために本発明は、下記化学式1で表されるシクロメタル化遷移金属錯体を提供する。
【0014】
【化1】

【0015】
前記化学式1で、Mは、Ru、Rh、Ir、Os、Pt、またはAuの遷移金属であり、C^Nは、シクロメタル化配位子であり、Rは、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリール基、アリールチオ基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、またはアラルケニル基であり、Xは、Cl、OCN、CN、SCN、P(Ph)、R’COO、R’CONH、R’NH、ピラゾール、置換されたまたは非置換のアルキル基、置換されたまたは非置換のアルコキシ基、置換されたまたは非置換のアリールオキシ基、NR’H、NR’、OH、SH、及びスルホン酸基からなる群より選択されるいずれか1つの官能基であり、この際R’は、炭素数が1ないし10のアルキル基、炭素数が5ないし14のシクロアルキル基、または炭素数が5ないし14のアリール基である。
【0016】
本発明の第二の課題を解決するために本発明は、一対の電極間に有機膜を含む有機EL素子において、前記有機膜が前記化学式1のシクロメタル化遷移金属錯体を含むことを特徴とする有機EL素子を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明のシクロメタル化遷移金属錯体は、芳香族イソシアニド配位子を有することにより、三重項MLCT状態において、青色領域から赤色領域までの光を効率的に発光できる。かかるシクロメタル化遷移金属錯体は、有機EL素子の有機膜形成時に利用可能である。本発明のシクロメタル化遷移金属錯体は高効率の燐光材料として使用可能であるため、400〜650nmの波長領域で発光するだけでなく、緑色発光物質及び赤色発光物質と共に用いられて白色光を発することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0019】
本発明によるシクロメタル化遷移金属錯体は、芳香族イソシアニド配位子を導入することにより、HOMOと三重項MLCT状態との間のエネルギーギャップを大きくさせることが可能となり、青色発光が可能となる。
【0020】
本発明のシクロメタル化遷移金属錯体は、下記化学式(1)の構造を有する。
【0021】
【化2】

【0022】
前記化学式(1)で、Mは、Ru、Rh、Ir、Os、Pt、及びAuからなる群より選択されるいずれか一つの遷移金属であり、C^Nは、シクロメタル化配位子であり、Rはアリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリール基、アリールチオ基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、またはアラルケニル基である。
【0023】
Xは、Cl、OCN、CN、SCN、P(Ph)、R’COO、R’CONH、R’NH、ピラゾール、置換されたまたは非置換のアルキル基、置換されたまたは非置換のアルコキシ基、置換されたまたは非置換のアリールオキシ基、NR’H、NR’、OH、SH、及びスルホン酸基からなる群より選択されるいずれか1つの官能基であり、この際R’は、炭素数が1ないし10のアルキル基、炭素数が5ないし14のシクロアルキル基、または炭素数が5ないし14のアリール基である。
【0024】
本発明による前記化学式(1)のシクロメタル化遷移金属錯体は、非モノ陰イオン性で単座の、炭素が配位した配位子として、芳香族イソシアニドを有し、かかる配位子を有することによって効率的な青色発光が可能となる。
【0025】
前記化学式(1)で、Rは、炭素数が6ないし30、さらに望ましくは6ないし20、特に望ましくは6ないし12のアリール基、炭素数が6ないし30、さらに望ましくは6ないし20、特に望ましくは6ないし12のアリールオキシ基、炭素数が7ないし30、さらに望ましくは7ないし20、特に望ましくは7ないし12のアリールオキシカルボニル基、炭素数が4ないし30、さらに望ましくは4ないし20、特に望ましくは4ないし11のヘテロアリール基、炭素数が4ないし30、さらに望ましくは4ないし20、特に望ましくは5ないし11のチオアリール基、炭素数が6ないし30、さらに望ましくは6ないし20、特に望ましくは7ないし13のアラルキル基、炭素数が6ないし30、さらに望ましくは6ないし20、特に望ましくは6ないし12のヘテロアラルキル基、または炭素数が7ないし30、さらに望ましくは7ないし20、特に望ましくは7ないし14のアラルケニル基でありうる。
【0026】
前記化学式(1)で、(C^N)と表したシクロメタル化配位子は、同一または異なり、下記化学式(2)で表される配位子からなる群より選択されるいずれか一つでありうる。
【0027】
【化3−1】

【0028】
【化3−2】

【0029】
【化3−3】

【0030】
前記化学式で、Zは、S、OまたはNRであり、R、R、R、R、R5、及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アリーレン基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、含酸素複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、含硫黄複素環基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、燐酸アミド基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、複素環基、シリル基、シリルオキシ基、ヒドロキシアミン基、ヒドロキシル基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシル基、及びニトロ基からなる群より選択されるいずれか一つであり、R、R、R、R、R5、及びRのうち少なくとも2つは、互いに結合されうる。
【0031】
前記化学式(1)のシクロメタル化遷移金属錯体は、下記化学式(3)で表される化合物が具体例として挙げられるが、それらに限定されるものではない。
【0032】
【化4−1】

【0033】
【化4−2】

【0034】
本発明によるシクロメタル化遷移金属錯体は、400nmから650nmまでの波長帯で発光特性を有する。
【0035】
本発明によるシクロメタル化遷移金属錯体は、シクロメタル化部分の供与体としての役割を果たす[Ir(C^N)Cl]誘導体を使用し、ワッツ(Watts)グループにより報告されている方法(F.O.Garces,R.J.Watts,Inorg.Chem.1988,(35),2450)によって合成可能である。
【0036】
以下、本発明の実施形態による遷移金属錯体の合成経路について述べる。
【0037】
下記反応式(1)に図示したように、出発物質として[Ir(C^N)Cl]誘導体、及び芳香族イソシアニド化合物を1,2−ジクロロメタン、塩化メチレン、及びテトラヒドロフラン(THF)のような溶媒と混合し、これを常温で2時間から48時間撹拌して[Ir(C^N)(RNC)Cl]が得られる。さらに、陰イオンXと[Ir(C^N)(RNC)Cl]との反応により[Ir(C^N)(RNC)X]を合成できる。
【0038】
【化5】

【0039】
前記反応式(1)で、Rは、前記化学式(1)で定義した通りであり、Xは、Clを除いて前記化学式(1)で定義した通りである。
【0040】
本発明の有機EL素子は、本発明によるシクロメタル化遷移金属錯体を利用し、有機膜、特に発光層を形成することにより製造される。このとき、前記化学式1で表される遷移金属錯体は、発光層形成物質である燐光ドーパントとして非常に有用であり、青色波長領域で優秀な発光特性を表す。
【0041】
本発明によるシクロメタル化遷移金属錯体を燐光ドーパントとして使用する場合、有機膜が少なくとも一種の高分子ホスト、高分子ホストと低分子ホストとの混合物、低分子ホスト、及び非発光高分子マトリックスからなる群より選択される一つ以上をさらに含むことができる。ここで、高分子ホスト、低分子ホスト、及び非発光高分子マトリックスは、有機EL素子の発光層形成時に、一般的に使われるものならば何ら制限はない。高分子ホストの例としては、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリフルオレンなどが挙げられ、低分子ホストの例としては、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)、4,4’−ビス[9−(3,6−ビフェニルカルバゾリル)]−1,1’−ビフェニル、9,10−ビス[(2’,7’−t−ブチル)−9’,9”−スピロビフルオレニルアントラセン、テトラフルオレンなどが挙げられ、非発光高分子マトリックスとしては、メタクリル酸ポリメチル(PMMA)、ポリカルボン酸塩、ポリスチレンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0042】
本発明によるシクロメタル化遷移金属錯体の含有量は、発光層の形成材料の総重量100重量部を基準として、1ないし30重量部であることが望ましい。シクロメタル化遷移金属錯体は、真空蒸着法、スパッタリング法、プリンティング法、コーティング法、インクジェット法、または電子ビームを利用した方法などにより、発光層に導入することができる。
【0043】
また、本発明によるシクロメタル化遷移金属錯体は、緑色発光物質、及び赤色発光物質と共に用いられて白色光を発光できる。
【0044】
有機膜の厚さは30nmから100nmであることが望ましい。ここで使われているように、前記有機膜は、発光層に加えて、例えば電子輸送層、及び正孔輸送層のような、有機EL素子で一対の電極間に介在する、有機化合物からなる膜を指す。かかる有機EL素子は、当業者に一般的に知られているように、陽極/発光層/陰極、陽極/バッファ層/発光層/陰極、陽極/正孔伝達層/発光層/陰極、陽極/バッファ層/正孔伝達層/発光層/陰極、陽極/バッファ層/正孔伝達層/発光層/電子伝達層/陰極、または陽極/バッファ層/正孔伝達層/発光層/正孔遮断層/陰極などの構造を有することができるが、これらに限定されるものではない。
【0045】
このとき、前記バッファ層は、望ましくは銅フタロシアニン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、またはこれらの誘導体など、当業者に一般的に使われる物質で形成されうるがこれらに限定されるものではない。
【0046】
前記正孔伝達層は望ましくはポリトリフェニルアミンなど、当業者に一般的に使われる物質で形成されうるが、これに限定されるものではない。
【0047】
前記電子伝達層は、望ましくはポリオキサジアゾールなど、当業者に一般的に使われる物質で形成されうるが、これに限定されるものではない。
【0048】
前記正孔遮断層は、望ましくはLiF、BaFまたはMgFなど、当業者に一般的に使われる物質で形成されうるが、これらに限定されるものではない。
【0049】
本発明の有機EL素子の製造は、特別の装置を必要とせず、通常の発光物質を利用した、通常の有機EL素子の製造方法によって製造可能である。
【0050】
本発明によるシクロメタル化遷移金属錯体は、400nmから650nmの領域で発光可能である。かかるシクロメタル化遷移金属錯体を利用した発光ダイオードは、フルカラーディスプレイ、バックライト、屋外掲示板、光通信、内部装飾、及びこれらの同等物などに使用可能である。
【実施例】
【0051】
以下、本発明を、下記実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明が下記実施例のみに限定されるものではない。
【0052】
(参考例1)Fppyダイマーの合成
【0053】
【化6】

【0054】
500mLのサイドアーム付きフラスコに、19.85g(1.25×10mmol)の2−ブロモピリジン、25.00g(1.58×10mmol)の2,4−ジフルオロフェニルホウ酸、100mLのトルエン、エタノール48mL、及び水95mLで作った2M炭酸ナトリウム溶液を添加し、これを窒素雰囲気下、常温で撹拌した。次に、前記反応混合物に4.53g(3.92mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を入れ、窒素雰囲気下で光を遮断したまま15時間還流した。
【0055】
反応終了後、反応混合物の温度を常温に調節した後、酢酸エチル及び水を使用して抽出した後、カラムクロマトグラフィ(トルエン:ヘキサン=10:1)で分離し、淡褐色の液体(FppyH)を得た。
【0056】
H−NMR(CDCl,ppm):8.69(d,1H)、8.03(m,1H)、7.70(m,2H)、7.27(m,1H)、7.00(m,2H)
前記手順によって合成した2−(4,6−ジフルオロフェニルピリジン)単量体、及びIrCl・nHOから、黄色パウダーであるFppyダイマーを合成した。このとき、J.Am.Che.Soc.,1984,106,pp.6647−6653に開示されている合成方法を参考にした。
【0057】
H−NMR(CDCl,ppm):9.1(d,4H)、8.3(d,4H)、7.9(t,4H)、6.9(m,4H)、6.5(m,4H)、5.3(d,4H)
(参考例2)DMAFppyダイマーの合成
【0058】
【化7】

【0059】
2−ブロモピリジンの代わりに、2−ブロモ−4−ジメチルアミノピリジン25.26g(1.25×10mmol)を使用すること以外は、参考例1と同じ方法を利用し、DMAFppyダイマーを合成した。
【0060】
H−NMR(CDCl,ppm):8.7(d,4H)、7.5(t,4H)、6.3(m,4H)、6.1(m,4H)5.4(d,4H)、3.2(s、24H)
以下では、本発明の芳香族イソシアニド配位子を有したシクロメタル化遷移金属化合物の製造方法、及び従来技術によるアルキルイソシアニド配位子を有した発光物質の製造方法を記載する。
【0061】
以下の実施例で合成された化合物は、H−NMR、質量スペクトル分析、及び熱重量分析(TGA)により同定を行い、発光特性は、PL(photoluminescent)、及びEL(electroluminescent)スペクトルにより評価した。
【0062】
化合物の発光特性は、下記の方法によって評価した。
【0063】
第一の方法は、前記化合物を塩化メチレンに溶解させて、10−4M塩化メチレン溶液にした後、塩化メチレン溶液状態での発光特性を評価する方法である。第二の方法は、PMMA94重量部と前記化合物6重量部とを溶媒に溶かした後、スピンコーティングによりフィルムを製造して、フィルム状での発光特性を評価する方法である。
【0064】
発光特性評価に使われたEL素子は、下記構造を有し、発光面積は9mmである多層型EL素子である。
【0065】
基板/第1電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/第2電極=
ガラス/ITO/ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)(40nm)/NBP(N,N’−ジフェニル−N,N’−(2−ナフチル)−(1,1’−フェニル)4,4’−ジアミン)(15nm)/ポリスチレン(PS)(24%)+mCP(N,N’−ジカルバゾリル−3,5−ベンゼン)(70%)+ドーパント(6%)(40nm)/BAlQ(ビス(2−メチル−8−キノリノラート−N1,O8)−(1,1’−ビフェニル−4−オラート)アルミニウム)(10nm)/LiF(1nm)/Al(200nm)
(実施例1)Ir(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−クロロ−ベンジルイソシアニドの合成[Ir(Fppy)(bnzNC)(Cl)]
【0066】
【化8】

【0067】
温度計、機械式撹拌器、及び還流冷却器を装着した100ml二口フラスコに、窒素雰囲気下で、参考例1で合成した[(Fppy)IrCl]1g(0.82mmol)、及びベンジルイソシアニド0.24g(2.05mmol)をTHF30mlに溶解させ、常温で24時間撹拌した。反応終了後、メタノール、ジクロロメタン、及びヘキサンを溶離液として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。得られた物質をクロロホルム/ヘキサン混合溶媒で再結晶させた。溶媒を濾過で除去した後、得られた生成物を30℃の真空オーブンで十分に乾燥させて標題の化合物0.93g(収率:75%)を純粋な淡黄色の固体として得た。
【0068】
(実施例2)Ir(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−シアノ−ベンジルイソシアニドの合成[Ir(Fppy)(bnzNC)(CN)]
【0069】
【化9】

【0070】
前記実施例1で製造したIr(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−クロロ−ベンジルイソシアニド0.365g0.5mmolに、シアン化カリウム0.163g(2.5mmol)を添加してジクロロメタン10ml、及びメタノール15mlの混合溶媒に入れた後、室温で24時間撹拌した。反応終了後、メタノール、ジクロロメタン、及びヘキサンを溶離液として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。得られた物質をクロロホルム./ヘキサン混合溶媒で再結晶させた。溶媒を濾過で除去した後乾燥させ、白色固体0.28g(収率:75%)を得た。
【0071】
(実施例3)Ir(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−チオシアノ−ベンジルイソシアニドの合成[Ir(Fppy)(bnzNC)(SCN)]
【0072】
【化10】

【0073】
前記実施例1で合成したIr(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−クロロ−ベンジルイソシアニド0.365g(0.5mmol)が添加されたジクロロメタン10ml及びメタノール15mlの混合溶媒に、チオシアン酸ナトリウム0.203g(2.5mmol)を添加し、室温で24時間撹拌した。反応終了後、メタノール/ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒をを溶離液として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。得られた物質をクロロホルム/ヘキサン混合溶媒を使用して再結晶させた。溶媒を濾過除去した後で乾燥させ、黄色の固体0.279g(収率:70%)を得た。
【0074】
(実施例4)Ir(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−オキシシアノ−ベンジルイソシアニドの合成[Ir(Fppy)(bnzNC)(OCN)]
【0075】
【化11】

【0076】
前記実施例1で合成したIr(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−クロロ−ベンジルイソシアニド0.365g(0.5mmol)が添加されたジクロロメタン10ml及びメタノール15mlの混合溶媒に、オキシシアン化ナトリウム0.163g(2.5mmol)を添加し、室温で24時間撹拌した。反応終了後、メタノール/ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を溶離液として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。得られた物質をクロロホルム/ヘキサン混合溶媒を使用して再結晶させた。溶媒を濾過除去した後で乾燥させ、淡黄色の固体0.27g(収率:70%)を得た。
【0077】
(実施例5)Ir(III)ビス(2−(ジメチルアミノ−4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−クロロ−ベンジルイソシアニドの合成[Ir(DMAFppy)(bnzNC)(Cl)]
【0078】
【化12】

【0079】
温度計、機械式撹拌器、及び還流冷却器を装着した100ml二口フラスコに、窒素雰囲気下で、参考例2で合成した[(DMAFppy)IrCl]1.15g(0.82mmol)、及びベンジルイソシアニド0.24g(2.05mmol)をTHF30mlに溶解させ、常温で24時間撹拌した。反応終了後、メタノール/ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を溶離液として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。得られた物質をクロロホルム/ヘキサン混合溶媒を使用して再結晶させた。溶媒を濾過除去した後、30℃の真空オーブンで十分に乾燥させ、標題の化合物0.99g(収率:75%)を純粋な淡黄色の固体として得た。
【0080】
(実施例6)Ir(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−クロロ−フェニルイソシアニドの合成[Ir(Fppy)(phNC)(Cl)]
【0081】
【化13】

【0082】
温度計、機械式撹拌器、及び還流冷却器を装着した100ml二口フラスコに、窒素雰囲気下で、参考例1で合成した[(Fppy)IrCl]1g(0.82mmol)、及びフェニルイソシアニド0.21g(2.05mmol)をTHF30mlに溶解させ、常温で24時間撹拌した。反応終了後、メタノール/ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を溶離液として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。得られた物質をクロロホルム/ヘキサン混合溶媒を使用して再結晶させた。溶媒を濾過除去した後、30℃の真空オーブンで十分に乾燥させ、標題の化合物0.875g(収率:75%)を純粋な淡黄色の固体として得た。
【0083】
(実施例7)Ir(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−シアニド−フェニルイソシアニドの合成[Ir(Fppy)(phNC)(CN)]
【0084】
【化14】

【0085】
前記実施例6で合成したIr(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−クロロ−フェニルイソシアニド0.335g(0.5mmol)が添加されたジクロロメタン10ml及びメタノール5mlの混合溶媒に、シアン化カリウム0.163g(2.5mmol)を添加し、50℃で4時間撹拌した。反応終了後、メタノール/ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を溶離液として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。得られた物質をクロロホルム/ヘキサン混合溶媒を使用して再結晶させた。溶媒を濾過除去した後、乾燥させて淡黄色の固体0.245g(収率:70%)を得た。
【0086】
(実施例8)Ir(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−オキシシアニド−フェニルイソシアニドの合成[Ir(Fppy)(phNC)(OCN)]
【0087】
【化15】

【0088】
前記実施例6で合成したIr(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−クロロ−フェニルイソシアニド0.335g(0.5mmol)が添加されたジクロロメタン10ml及びメタノール15mlの混合溶媒に、オキシシアン化ナトリウム0.163g(2.5mmol)を添加し、50℃で2時間撹拌した。反応終了後、メタノール/ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を溶離液として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。得られた物質をクロロホルム/ヘキサン混合溶媒を使用して再結晶させた。溶媒を濾過除去した後、乾燥させて淡黄色の固体0.265g(収率:70%)を得た。
【0089】
(実施例9)Ir(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−チオシアニド−フェニルイソシアニドの合成[Ir(F2ppy)2(phNC)(SCN)]
【0090】
【化16】

【0091】
前記実施例6で合成したIr(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−クロロ−フェニルイソシアニド(0.335g、0.5mmol)が添加されたジクロロメタン10ml及びメタノール15mlの混合溶媒に、チオシアン化ナトリウム(0.203)g(2.5mmol)を添加し、50℃で2時間撹拌した。反応終了後、メタノール/ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を溶離液として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。得られた物質をクロロホルム/ヘキサン混合溶媒を使用して再結晶させた。溶媒を濾過除去した後、乾燥させて淡黄色の固体0.255g(収率:70%)を得た。
【0092】
(比較例1)Ir(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−クロロ−tert−ブチルイソシアニドの合成[Ir(Fppy)(t−buNC)(Cl)]
【0093】
【化17】

【0094】
温度計、機械式撹拌器、及び還流冷却器を装着した100ml二口フラスコに、窒素雰囲気下で、参考例1で合成した[(Fppy)IrCl]1g(0.82mmol)、及びtert−ブチルイソシアニド0.17g(2.05mmol)とをTHF30mlに溶解させ、常温で24時間撹拌した。反応終了後、メタノール/ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を溶離液として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。得られた物質をクロロホルム/ヘキサン混合溶媒を使用して再結晶させた。溶媒を濾過除去した後、30℃の真空オーブンで十分に乾燥させ、標題の化合物0.76g(収率75%)を純粋な淡黄色の固体として得た。
【0095】
(比較例2)Ir(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−シアニド−tert−ブチルイソシアニドの合成[Ir(Fppy)(CN)(t−buNC)]
【0096】
【化18】

【0097】
前記比較例1で合成したIr(III)ビス(2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナート−クロロ−tert−ブチルイソシアニド(0.345g、0.5mmol)が添加されたジクロロメタン10ml及びメタノール15mlの混合溶媒に、シアン化カリウム(0.163g、2.5mmol)を添加し、50℃で2時間撹拌した。反応終了後、メタノール/ジクロロメタン/ヘキサン混合溶媒を溶離液として使用し、シリカゲルカラムクロマトグラフィで精製した。得られた物質をクロロホルム/ヘキサン混合溶媒を使用して再結晶させた。溶媒を濾過除去した後、乾燥させてベージュ色の固体0.24g(収率:70%)を得た。
【0098】
前記実施例、及び比較例で製造した燐光発光物質の発光特性、及び色座標の評価結果について、下記表1にまとめた。
【0099】
【表1】

【0100】
【表2】

【0101】
前記表2から分かるように、芳香族イソシアニド配位子を導入すれば、従来のアルキルシアニド配位子を導入した場合に比べ、EL外部量子効率が優れていることが確認される。
【0102】
図1には本発明の実施例1、実施例2、実施例3、及び実施例5の化合物の質量スペクトル、及びTGAグラフを表した。
【0103】
図2、図3、及び図4Aは、それぞれ本発明の実施例2、実施例5、及び実施例7の化合物の溶液及びフィルムPLスペクトルであり、図4Bは、本発明の実施例1、実施例2、実施例3、及び実施例4の化合物のフィルムPLスペクトルであり、図5は、比較例1、及び比較例2の化合物のPLスペクトルであり、図6は、本発明の実施例2、実施例7、及び比較例2の化合物のELスペクトルである。
【0104】
前記の表1及び図面から分かるように、芳香族イソシアニドを補助配位子として導入した場合、青色燐光材料として好適な、優れた燐光特性を有するドーパントが得られる。また、多様なメイン配位子を導入することにより、赤色、緑色、及び青色を含むフルカラーの具現化が可能であるということが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0105】
本発明のシクロメタル化遷移金属錯体は、高効率の青色燐光物質として有機EL素子の有機膜製造に利用可能で、他の緑色発光物質または赤色発光物質と共に用いられて白色光を発することもでき、例えばフルカラー表示用光源照明、バックライト、屋外掲示板、光通信、または内部装飾などに使用可能な発光ダイオードに効果的に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1A】本発明の実施例1、実施例2、実施例3、及び実施例5の化合物の質量スペクトルである。
【図1B】本発明の実施例1、実施例2、実施例3、及び実施例5の化合物のTGAグラフである。
【図2】本発明の実施例2の化合物のPLスペクトルである。
【図3】本発明の実施例5の化合物のPLスペクトルである。
【図4A】本発明の実施例7の化合物のPLスペクトルである。
【図4B】本発明の実施例1から実施例4の化合物のPLスペクトルである。
【図5】比較例1、及び比較例2の化合物のPLスペクトルである。
【図6】本発明の実施例2、実施例7、及び比較例2の化合物のELスペクトルである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(1):
【化1】

前記化学式(1)中、
Mは、Ru、Rh、Ir、Os、Pt、及びAuからなる群より選択されるいずれか一つである遷移金属であり、
C^Nは、シクロメタル化配位子であり、
Rは、アリール基、アリールオキシ基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロアリール基、アリールチオ基、アラルキル基、ヘテロアラルキル基、またはアラルケニル基であり、
Xは、Cl、OCN、CN、SCN、P(Ph)、R’COO、R’CONH、R’NH、ピラゾール基、置換されたまたは非置換のアルキル基、置換されたまたは非置換のアルコキシ基、置換されたまたは非置換のアリールオキシ基、NR’H、NR’、OH、SH、及びスルホン酸基からなる群より選択されるいずれか1つの官能基であり、
この際R’は、炭素数が1ないし10のアルキル基、炭素数が5ないし14のシクロアルキル基、または炭素数が5ないし14のアリール基である、
で表されるシクロメタル化遷移金属錯体。
【請求項2】
前記シクロメタル化配位子C^Nは、同一かまたは異なり、下記の化学式(2):
【化2−1】

【化2−2】

【化2−3】

前記化学式(2)中、Zは、S、O、またはNRであり、
、R、R、R、R5、及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アリーレン基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、含酸素複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、含硫黄複素環基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、燐酸アミド基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、複素環基、シリル基、シリルオキシ基、ヒドロキシアミン基、ヒドロキシル基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシル基、及びニトロ基からなる群より選択されるいずれか一つであり、R、R、R、R、R5、及びRのうち、少なくとも2つは、互いに結合しうる配位子からなる群より選択されるいずれか一つである、
で表される、請求項1に記載のシクロメタル化遷移金属錯体。
【請求項3】
前記MがIr(III)であることを特徴とする、請求項1または2に記載のシクロメタル化遷移金属錯体。
【請求項4】
400ないし650nmの領域で発光することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシクロメタル化遷移金属錯体。
【請求項5】
下記化学式(3):
【化3−1】

【化3−2】

で表される化合物からなる群より選択されるいずれか一つであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシクロメタル化遷移金属錯体。
【請求項6】
一対の電極間に有機膜を含む有機電界発光素子において、
前記有機膜が請求項1〜5のいずれか1項に記載のシクロメタル化遷移金属錯体を含むことを特徴とする、有機電界発光素子。
【請求項7】
前記有機膜が一種以上の高分子ホスト、高分子ホストと低分子ホストとの混合物、低分子ホスト、及び非発光高分子マトリックスからなる群より選択される一つ以上をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載の有機電界発光素子。
【請求項8】
前記有機膜が緑色発光物質または赤色発光物質をさらに含むことを特徴とする、請求項6または7に記載の有機電界発光素子。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−63080(P2006−63080A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−244934(P2005−244934)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】